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特許7252986エクササイズおよびリハビリテーションのための圧力印加アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】エクササイズおよびリハビリテーションのための圧力印加アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
A61H39/04 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020572581
(86)(22)【出願日】2019-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 AU2019050222
(87)【国際公開番号】W WO2019173868
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】2018900820
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520352137
【氏名又は名称】ボディ・オーガニックス・プロプライエタリー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Body Organics Pty Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エドワード・シュウェラー
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0059405(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入れ子状の弾性部材を、備え、
前記複数の入れ子状の弾性部材における隣接する弾性部材は、当該隣接する弾性部材の間に、取外し可能な係合構成を含み
前記弾性部材の各々は、被験者に対して力を印加するための、外面を有しており、
前記入れ子状の弾性部材の一つ以上を除去または付加を行うことにより、アセンブリの最外面の硬さの調整を行うことができ、
前記入れ子状の弾性部材の各々は、ベースに対する取付のための、一つ以上の磁気領域を含み、
前記磁気領域と、前記ベースの磁気的に引き寄せられる一つ以上の領域との間の、磁気引力により、前記弾性部材は、前記ベースの所定の位置に配置される、
圧力印加アセンブリ。
【請求項2】
前記ベースを、さらに備え、
前記ベースの前記一つ以上の磁気的に引き寄せられる領域は、スチールなどの強磁性物質の一つ以上の領域を含む、
請求項1に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項3】
前記一つ以上の強磁性物質は、スチールプレートを含む、
請求項2に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項4】
前記ベースは、前記スチールプレートが取り付けられるロッカを含む、
請求項3に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項5】
前記ロッカは、
スチールプレートが搭載される内側と、重量荷担面に対する接触のための凸状の外側とを、有するディスクを含む、
請求項4に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項6】
前記内側は、前記スチールプレートを囲繞し、前記複数の入れ子状の弾性部材の最外の弾性部材の外周をぴったりと受け止められる大きさの、外縁を含む、
請求項5に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項7】
前記一つ以上の磁気領域は、複数の磁石を含む、
請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項8】
前記磁石は、前記入れ子状の弾性部材の各々の内側に一体的に形成された、対応するポケット内に保持される、
請求項7に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項9】
前記入れ子状の弾性部材の各々は、前記ポケットのための一体形成されたカバーを、含む、
請求項8に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項10】
前記入れ子状の弾性部材の各々は、強化された内側を有する、
請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項11】
前記入れ子状の弾性部材の各々は、補強リブを含む内側を、有する、
請求項10に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項12】
前記弾性部材の各々は、ドーム形状である、
請求項11に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項13】
前記係合構成は、前記隣接する弾性部材の外周および内周の各々に形成された、対応する凸部および凹部を含み、
前記隣接する弾性部材を入れ子状の位置へ促すことにより、十分な変形が引き起こされ、前記凸部が凹部内へと受け入れられる、
請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項14】
最内弾性部材以外の前記弾性部材の各々は、アーチ状の内側を有するリブと、前記弾性部材の外側を有する同心部とを、有し、
最外でない弾性部材の外側が、隣の最外の部材のリブの内側と接することにより、隣の外側の部材の硬さを増加する、
請求項13に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項15】
ユーザが、隣接する弾性部材の内側の部材への指による引っ掛かりを得ることができるように、リブが、一つ以上のアクセス切欠きと共に形成されており、これにより、前記凸部と前記凹部との間の係合力を弱める
求項14に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項16】
前記アクセス切欠きの対向側は、指の側面に合うように、アーチ状である、
請求項15に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項17】
前記弾性部材の各々は、そのベースの半径の約90%である高さを、有する、
請求項1乃至請求項16の何れか一項に記載の圧力印加アセンブリ。
【請求項18】
前記複数の入れ子状の弾性部材は、内側の入れ子状の部材、中間の入れ子状の部材、および外側の入れ子状の部材を、含む、
請求項1乃至請求項17の何れか一項に記載の圧力印加アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人体の部位に対する圧力印加を支援する、圧力印加アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の方法、装置、または書面の参照は、共通の一般知識を形成し、または共通の一般知識の一部を形成するという、証拠または承認を構成するものとして、受け止められるべきでない。
【0003】
筋緊張を解消しおよび鎮痛を目的として、人体の領域に圧力を印加する様々な装置を使用することが知られている。当該装置は、多くの形態で出現している。たとえば、トリガーポイントボールおよびマッサージボールが、知られている。しかしながら、トリガーポイントボールおよびマッサージボールは、転がりまわる傾向があり、さらに、印加時に、水平面に置かれている場合に、一般的に最適に使用される。直立したユーザと共におよびユーザと垂直な面との間に配置されたボールと共に、上記のようなボールを使用することが可能であるが、精度良くボールを配置することは困難な作業であり、さらにボールが落下するというリスクが勿論あるので、上記のような使用は、しばしば不便となる。これらの問題に対処するために、ユーザの体に対する縛りを施すロープまたはストラップを含むマッサージ装置を使用すること、または、平滑な表面に対する吸引により保持することができるように、装置に吸引カップを代替え的に備えることが、知られている。これら両方手法には、欠点がある。たとえば、ストラップを適用することは、時間を要し、さらに手間のかかることとなり得る。吸引カップは、消耗しやすく、さらに適用される面に跡をつけ得る。このことは、望ましくないことである。さらに、吸引カップの取付に適する平滑面は、局所領域において利用できない可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
装置の硬さの度合いを変えることができるなら有益となる、ということは実現される。これは、装置は、体の異なる領域について使用され、および異なる体の調子およびことなる要求を有する異なる人と共に使用され得るからである。上記異なる領域は、硬さのより大きいまたはより小さい度合いをよく受入れる。当該装置のプロバイダーから入手できる、上記問題に対する対応策は、様々な製品を供給することであり、ここで、全て、同じ形と同じ寸法をする。しかし、硬さを変える、たとえば同じ形の製品についての「柔らかい」、「中間」、「硬い」、および「かなり硬い」というバージョンを変える、ことができる。当該対応策では、消費者は、異なる体の領域に対して、複数の製品を保持する必要があり、さらに供給者は、より多くの在庫を保持する必要がある。多くの異なる硬さ度合いを提供することができる、エクササイズおよびリハビリテーションのための圧力印加アセンブリを提供することができると、有益である。
【0005】
装置の手段により圧力が印加される、体の領域および被験者に依存して、より大きな又はより小さな圧力を、同じ度合いの力により、被験者に印加することができるように、より小さな又はより大きな曲率半径を有する装置が最適化されると、好ましい。被験者に対して印加される曲率半径の選択を、ユーザがすることができる、一つの装置を提供することができれば、有益である。一つの装置を提供されるなら、異なる多くのバージョンの装置を、保持しなければならない、持ち運ばなければならないという、問題を避けることができる。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点を考慮に入れ、エクササイズおよび/またはリハビリテーションのため、被験者に対して圧力を印加する、圧力印加アセンブリを提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
圧力印加アセンブリは、複数の入れ子状の弾性部材を、備え、弾性部材の各々は、被験者に対して力を印加するための、外面を有しており、入れ子状の弾性部材の一つ以上を除去または付加を行うことにより、アセンブリの最外面の硬さの調整を行うことができ、入れ子状の弾性部材の各々は、ベースに対する取付のための、一つ以上の磁気領域を含み、磁気領域と、ベースの磁気的に引き寄せられる一つ以上の領域との間の、磁気引力により、弾性部材は、ベースの所定の位置に配置される。
【0008】
好ましくは、圧力印加アセンブリは、複数の入れ子状の弾性部材と共に、ベースを備え、ベースの一つ以上の磁気的に引き寄せられる領域は、スチールなどの強磁性物質の一つ以上の領域を含む。
【0009】
好ましくは、一つ以上の強磁性物質は、スチールプレートを含む。
【0010】
ベースは、スチールプレートが取り付けられるロッカを、さらに含んでいてもよい。たとえば、ロッカは、スチールプレートが搭載される内側と、重量荷担面に対する接触のための凸状の外側とを、有するディスクを含む。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態において、内側は、スチールプレートを囲繞し、複数の入れ子状の弾性部材の最外の弾性部材の外周をぴったりと受け止められる大きさの、外縁を含む。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態において、一つ以上の磁気領域は、ディスク磁石のような複数の磁石を含む。好ましくは、ディスク磁石は、入れ子状の弾性部材の各々の内側に一体的に形成されたポケット内に、保持される。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態において、入れ子状の弾性部材の各々は、ポケットのための一体形成されたカバーを、含む。
【0014】
入れ子状の弾性部材の各々が、強化された内側を有することが、望ましい。たとえば、入れ子状の弾性部材の各々は、補強リブを含む内側を、有していてもよい。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態において、弾性部材の各々は、ドーム形状である。好ましくは、最内弾性部材以外の弾性部材の各々は、アーチ状の内側を有するリブと、弾性部材の外側を有する同心部とを、有し、最外でない弾性部材の外側が、隣の最外の部材のリブの内側と接することにより、隣の外側の部材の硬さを増加する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態において、弾性部材の各々は、ドームのベースの半径の約90%である高さを、有する。
【0017】
隣接する弾性部材が、当該隣接する弾性部材の間に、取外し可能な係合構成を含む、ことが好ましい。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態において、係合構成は、隣接する弾性部材の外周および内周の各々に形成された、対応する凸部および凹部を含み、隣接する弾性部材を入れ子状の位置へ促すことにより、十分な変形が引き起こされ、凸部が凹部内へと受け入れられる。
【0019】
好ましくは、ユーザが、隣接する弾性部材の内側の部材への指による引っ掛かりを得ることができるように、リブが、一つ以上のアクセス切欠きと共に形成されており、これにより、凸部とアンダカットとの間の係合力を弱める。本発明の好ましい実施の形態において、アクセス切欠きの対向側は、ユーザの指の側面に合うように、アーチ状である。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態において、複数の入れ子状の弾性部材は、内側の入れ子状の部材、中間の入れ子状の部材、および外側の入れ子状の部材を、含む。
【0021】
本発明のさらなる側面によると、複数の入れ子状の弾性部材を、備え、弾性部材の各々は、被験者に対して力を印加するための、外面を有しており、入れ子状の弾性部材の一つ以上を除去または付加を行うことにより、アセンブリの最外面の硬さの調整を行うことができ、入れ子状の弾性部材の少なくとも最外の弾性部材は、ベースに対する取付のための、一つ以上の磁気領域を含み、磁気領域と、ベースの磁気的に引き寄せられる一つ以上の領域との間の、磁気引力により、弾性部材は、ベースの所定の位置に配置される、圧力印加アセンブリが提供される。
【0022】
好ましくは、入れ子状の弾性部材の各々は、ベースへの取付のための一つ以上の磁気領域を含む。
【0023】
本発明の他の側面によれば、複数の入れ子状の弾性部材を、備え、弾性部材の各々は、被験者に対して力を印加するための、外面を有しており、入れ子状の弾性部材の一つ以上を除去または付加を行うことにより、アセンブリの最外面の硬さの調整を行うことができ、入れ子状の弾性部材の各々は、磁気的に引き寄せられるベースに対する取付のための、一つ以上の磁気領域を含む、圧力印加アセンブリが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の好ましい特徴、実施の形態、および変形例は、本発明を実施する当業者に対して十分な情報を提供する、後述の詳細な説明から、理解される。詳細な説明は、前述の本発明のサマリの範囲に限定されものとは、みなされない。詳細な説明は、以下の複数の図面を参照してなされる。
【0025】
図1】組立構成として図示された、本発明の好ましい実施の形態に係る圧力印加アセンブリを示す。
図2図1の圧力印加アセンブリの分解図である。
図3図1の圧力印加アセンブリの3つの弾性部材を底面方向から見た分解図である。
図4】ベース取付磁石を含む図3の3つの弾性部材を底面方向から見た組立図である。
図5】磁石の図示が省略された、3つの弾性部材の、図4のA-A’線に沿った断面図である。
図6】部材間で作用する係合構成を示す、図3の組立てられた3つの弾性部材の断面図における部分を示す、拡大図である。
図7】第一の使用構成例であるアセンブリを示す。
図8】第二の使用構成例であるアセンブリを示す。
図9】第三の使用構成例であるアセンブリを示す。
図10】第四の使用構成例であるアセンブリを示す。
図11】第五の使用構成例であるアセンブリを示す。
図12】第六の使用構成例であるアセンブリを示す。
図13】一体的に形成されたカバーにより、どのように磁石が保持されるかを示している、複数の弾性部材のうちの、最小のもののさらなるバージョンを、底面方向から図示したものである。
図14】一体的に形成されたカバーにより、どのように磁石が保持されるかを示している、複数の弾性部材のうちの、中間サイズのもののさらなるバージョンを、底面方向から図示したものである。
図15】一体的に形成されたカバーにより、どのように磁石が保持されるかを示している、複数の弾性部材のうちの、最大のもののさらなるバージョンを、底面方向から図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下において、本発明の幾つかの実施の形態について説明する。各実施の形態の説明を通して、同様の構成要素および特徴については、図面において、同じ符号を付している。
【0027】
図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る圧力印加アセンブリ1の側面図である。図2は、圧力印加アセンブリ1の分解図である。
【0028】
圧力印加アセンブリ1は、複数の入れ子状弾性部材3a,3b,3cから成る。3aは、最外部材であり、3bは、中間部材であり、3cは、最内部材である。
【0029】
本発明の他の実施の形態として、3つより多い弾性部材であってもよく、または、たとえば、内側部材と外側部材とで、中間部材のない、二つのみの弾性部材を、装置が有していてもよい。
【0030】
ここで説明される本発明の好ましい実施の形態においては、入れ子状の弾性部材3a,3b,3cは、外凸ドーム面4a,4b,4cを有する、ドーム形状である。しかしながら、本発明の他の実施の形態において、これらの部材は、人体に対して治療的な圧力を提供するのに適した、他の形状を有していてもよい。最外ドーム3aは、外側面4aを有しており、当該外側面4aは、使用時に被験者に対して圧力の離散的な領域を印加するための、複数の突部5を有するように形成されている。
【0031】
弾性部材3a,3b,3cは、ベース15上に搭載されるように設けられており、ベース15の一部である亜鉛メッキ鋼板13の形での強磁性物質を含むベースの磁力引付領域に引き付けられる、磁石を有するこれらの部材により、当該ベース15に引き付けられ、所定の位置で固定される。
【0032】
再び図2を参照して、ベース15は、ロッカ17に付着または固定される、亜鉛メッキ鋼板13を含む。ロッカ17は、鋼板13が付着または搭載される内側と、床または壁のような重量荷担面に対する接触のための凸状の外側とを有する、ディスクを含む。ベースは、ディスク形状以外であってもよく、たとえば、正方形、長方形、または他の所望の形状であってもよい。滑り止めマット19は、亜鉛メッキ鋼板13を覆う。亜鉛メッキ鋼板13および滑り止めマット19は、円形凹部21内に、ぴったりと受け止められる。円形凹部21は、ロッカ17の内側内において形成され、さらにロッカの内側の外周の周縁23により規定される。縁23は、複数の入れ子状の弾性部材の最も外側のもの、つまり図2における部材3aの外周を補完する、大きさを有する。
【0033】
図4は、入れ子状の弾性部材3a,3b,3cの底面方向から見た、アセンブリを示す。ここで、各部材3a,3b,3cが磁石9の取付手段を含む、ということが分かる。図5は、磁石が示されていない図4のA-A’断面の様子を示す断面図である。
【0034】
磁石9は図4において視認でき、各磁石9は、図5で最もよく確認できるように、ポケット11内に収められている。各弾性部材3a,3b,3cは、好ましくは、射出成形による熱可塑性エラストマーから形成され、その後、磁石9がポケット11内に挿入される。本発明の他の実施の形態において、射出成型時に、磁石9は弾性部材内に組み込まれ、これにより、弾性部材の底面側から眺めたときに、磁石は視認されない。
【0035】
図3を再び参照して、入れ子状の各弾性部材は強化された内側を有する、ことが好ましい。確認できるように、入れ子状の各弾性部材3a,3b,3cは、補強リブ25a,25b,25cを含む内側を、有する。ある程度の柔らかさおよび弾力を許容する一方、リブは、関連部材に、構造および硬さを付加するように設計される。
【0036】
各弾性部材3a,3bは、アーチ状の内側と、外側(すなわち、それぞれ隣の内側の入れ子状の部材3b,3cの面4b,4c)を補強する形状である輪郭とを有する、リブ25a,25bを有する。
【0037】
たとえば、弾性部材3cの外側は、隣の最外部材3bのリブ25bの内側と、隣接する。同様に、弾性部材3bの外側は、隣の最外部材3aのリブ25aの内側と、隣接する。より多くの(または、より少ない)弾性部材が入れ子状に合わさると、入れ子状部材の最外部材の外側の硬さが、より硬くなる(または、より弱くなく)、ということが理解できる。
【0038】
「入れ子状」という用語は、中間部材3bの外側面の少なくとも一部が、最外部材3aの少なくとも一部内に収まる、および、同様に、最内部材3cの少なくとも一部が、中間部材3bの一部内に収まる、という配列を含む。ここでの例において、入れ子状の各弾性部材3a,3b,3cは、ドーム状に形成されており、中間部材3bの外凸側を補強する強化リブ25aにより区切られた外側部材3aの内凹部、および、同様に、最内部材3cの外凸側を補強する強化リブ25bにより区切られた中間部材3bの内凹部とを、有する。本発明のここで説明された実施の形態において、たとえば、図5の断面図において示されるように、弾性部材が入れ子状に合わさったとき、図1に示されるように、ベース15のような平面上に同時に載置されるように、各弾性部材の外周縁は、実質、同一平面上にある。
【0039】
再び図6を参照して、隣接する弾性部材(たとえば、3a,3bおよび3b,3c)は、それらの間での取り外し可能な係合のための構造を、含む。当該構造は、隣接する弾性部材の外側および内側の各周縁上に形成された、対応する凸部27a,27bおよび凹部29b,29cを、含む。図6に例示されるように、隣接する弾性部材を入れ子状の位置へ促すことにより、十分な変形が引き起こされ、凸部27a,27bが凹部29b,29c内へと受け入れられ、これにより係合される。
【0040】
図3を参照して、ユーザが係合を解消することができるように、リブが、一つ以上のアクセス切欠き31a,31bと共に形成されており、これにより、ユーザは、隣接する弾性部材の内側の部材への引っ掛かりを得ることができるように、指を挿入することができ、従って、凸部とアンダカットとの間の係合力を弱めることができる。
【0041】
たとえば、中間の弾性部材3bから最外の弾性部材3aを離すことをアシストするために、ユーザは、第一のアクセス切欠き31aに親指を挿入し、第二のアクセス切欠き31aに親指以外の指を挿入する。
【0042】
使用の際に、人は、圧力印加アセンブリ1を、使用の準備のために、図1に示すような完全な組立状態にする。人の要望に応じて、アセンブリ1は、多くの異なるモードで使用され得る。たとえば、人が、圧力印加アセンブリ1の最外弾性部材3aの硬さを、柔らかくすることを望む場合には、最内部材3cを、または最内部材3cと中間部材3bとの両方を、除去する。中間部材および/または最内部材を除去または追加する処理は、まず、最外部材3aを握ることを含み、さらに、その後、ベース15の亜鉛メッキ鋼板13に対する磁石9の引力に打ち克つために、十分な抜去力を加えることを含む。互いに隣接している弾性部材の嵌合力が、鋼板13に対する磁石の引力よりも大きくなるように、取外し可能な係合構成の設計の際に注意を払うべきである。これは、もしそうでないなら、最外弾性部材3aがベースから除去される一方で、最内弾性部材3cおよび可能性として中間弾性部材3bまでもが、ベース13に取り付けられた状態が、維持されるからである。
【0043】
中間および最内弾性部材の一つ以上が、ひとたび除去されると、最外部材および、可能性として入れ子状構成における中間部材もが、ベースに対して、再取付されることが可能である。または、ロッキング機能性を有するベースが不要な場合には、それらは、代わりに、床上または壁に対して、配置されることも可能である。より局所的な圧力の印加のために、より小さい曲率半径が望まれる場合には、最外弾性部材を除去してもよい。これにより、中間または最内弾性部材のいずれかを用いて、人は、より局所的な圧力を印加することができる。典型的に、使用時において、人体の一部が、弾性部材に対してもたらされるように、人は、横になるか、直立する。
【0044】
図7~12は、様々な構造のアセンブリの使用を示している。図7において、最外弾性部材3aが除去された、ベース15に取り付けられた中間弾性部材3bが、示されている。図7に示された構造において、多少の局所的な圧力印加のために、中間の湾曲が示されている。より大きな硬さのために、中間部材3b内において、最内弾性部材3cが入れ子状に配置されていてもよく、または、硬さを和らげるために、最内弾性部材3cが除去されてもよい。
【0045】
図8は、孤立状態で使用されている最内弾性部材を示している。これは、最も局所的な圧力印加のための最小半径を提示しており、孤立状態にある、3つの弾性部材のうちの最も硬いものである。
【0046】
図9は、たとえば床などの面上に載置され、ベースから取外された最外弾性部材3aを、示している。孤立状態にある最外弾性部材3aは、3つの弾性部材のうち、最も柔らかい。複数の突部5のために、離散的な圧力の多くの局所エリアが存在するけれども、当該構造は、より広い範囲の圧力印加のために、最も大きな曲率半径を提示している。最も硬くするために、最外弾性部材内に、中間および最内弾性部材3b,3cの方法を、入れ子状に配置してもよい。または、中間の硬さのために、最外弾性部材3a内に、中間部材3bのみを、入れ子状に配置してもよく、または、硬さを最も和らげるために、最外弾性部材3a内に、何も入れ子状に配置しなくてもよい。
【0047】
図10,11,12は、ベースディスク17上における、各弾性部材の使用を示している。ここで、傾かないように、ベースディスクは、上方向に向けられている。
【0048】
したがって、図1の圧力印加アセンブリは、必要なら、被験者に印加される圧力を向けるために、ロッカベースを有する能力と共に、さまざまな圧力印加および圧力局所オプションを可能とする。弾性部材の入れ子構成により、硬さの度合いおよび/または曲率半径を変えることができ、よって、力の印加の局在の度合いを変えることができる。さらに、図1に例示される、コンパクトな入れ子構造で配置されることができるので、装置は、容易に、収納されることができ、および搬送される。
【0049】
入れ子状の弾性部材は、所望のベース15と共に使用されることが望ましいが、当該弾性部材は、磁気的に引く寄せられる金属の壁または床、または磁気的に引き寄せられる適切な面を有する他の物体などの、他の磁気的に引き寄せられるベースと共に、使用されてもよい。
【0050】
本発明のさまざまな実施の形態が、可能である。たとえば、図13,14,15は、更なる実施の形態に係る、入れ子状の弾性部材3a’,3b’,3c’を、底方向から眺めた図である。3a’は最外部材であり、3b’は中間部材であり、3c’は最内部材である。弾性部材3a’,3b’,3c’は、二つの点において、図3に例示された先の例3a,3b,3cと、相違する。第一に、弾性部材3a’,3b’,3c’は、ディスク磁石が配置されるポケットを覆う、磁石カバー33と一体的に成型され、当該カバーにより、磁石が内部に保持される。第二に、最外および中間の入れ子状の部材3a’,3b’のアクセス切欠き31a’,31b’の各々の、対向側35a,37a,35b,37bは、ユーザの指の側面に合うように、アーチ状であり、これにより、隣接する弾性部材を互いに切り離すために、指を、アクセス穴内に、容易にかつ快適に、挿入することができる。
【0051】
さらに、弾性部材は、好ましくは、ドーム形状であるが、入れ子が可能な他の形状であってもよい。
【0052】
他の可能性のある実施の形態は、ベースの様々な平面サイズまたは平面形状を含む。たとえば、小さな円形平面形状よりも、大きな矩形平面形状を、採用してもよい。更なる実施の形態としては、ベースの外形が変化する。たとえば、フラット、角度のある(angled)、ロッカ(rocker)、揺れのある(wobble)、または複数面(multiplaner)の外形を、採用することができる。様々な外形より、弾性部材を異なる角度で、水平から垂直に対する傾きまで、使用することができる。また、様々な外形により、異なる安定度合いを、位置で固定から不安定まで、許容する。
【0053】
説明された、本発明の好ましい実施の形態において、全体の壁厚は5.5mmであり、弾性部材3a,3b,3cの外径は、各々、120mm,90mm,60mmである。入れ子状であるとき、弾性部材は、平面または略平面ベースを、作り出す。リブの消耗を抑制するために、各弾性部材のリブは、外周から、わずかに埋没している。
【0054】
法に準拠して、本発明は、多かれ少なかれ特定の構造、方法的特徴について、説明してきた。ここで使用されている、comprises およびcomprising およびcomprised of などの用語は、包括的な意味で用いられており、追加の特徴を排除するものではない。ここで説明された手段は、発明を実行する好ましい形態を含むので、本発明は、示され、説明された特定の特徴に限定されるものではない、ということを理解されるべきである。したがって、本発明は、当業者により適切に解釈される添付の特許請求の範囲の適切な範囲内における、形態または変形として主張される。
【0055】
明細書および特許請求の範囲(あるなら)を通して、文章にて別途要求されていないなら、substantiallyまたはaboutの用語yは、タームにより限定された範囲のための値に限定されるものではない、ということを理解されたい。
【0056】
本発明の実施の形態は、例示を意味しており、発明を限定する意図するものではない。したがって、発明の範囲から逸脱しないなら、他の様々な変化、変更を、ここで説明した実施の形態に対して施すことは可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15