(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】ポリウレタン発泡体のアルデヒド排出量を減少させるための方法
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20230329BHJP
C08L 75/04 20060101ALI20230329BHJP
C08K 5/07 20060101ALI20230329BHJP
C08K 5/17 20060101ALI20230329BHJP
C08K 3/30 20060101ALI20230329BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20230329BHJP
【FI】
C08G18/00 L
C08L75/04
C08K5/07
C08K5/17
C08K3/30
C08G101:00
(21)【出願番号】P 2021505858
(86)(22)【出願日】2018-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2018098386
(87)【国際公開番号】W WO2020024236
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】タン、チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ツォウ、チャン
(72)【発明者】
【氏名】フォン、シャオカン
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 裕司
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ホンリアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、テカン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ピン
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0203880(US,A1)
【文献】特表2018-517828(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0088497(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C08L 75/04
C08K 5/07
C08K 5/17
C08K 3/30
C08G 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン発泡体を生成するための方法であって、芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、ならびに少なくとも1つの触媒を含有する反応混合物を形成することと、前記反応混合物を、
(i)少なくとも1つの環式1,3-ジケトン、
(ii)2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン、N-ブチルヒドロキシルアミン、およびsec-ブチルヒドロキシルアミンの1つ以上からからなる群から選択される少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン、および
(iii)亜硫酸アルカリ金属、亜硫酸アンモニウムまたは亜硫酸ホスホニウムの存在下で硬化させて、前記ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む方法。
【請求項2】
ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるための方法であって、
a)(i)少なくとも1つの環式1,3-ジケトン、
(ii)2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン、N-ブチルヒドロキシルアミン、およびsec-ブチルヒドロキシルアミンの1つ以上からからなる群から選択される、少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン、および
(iii)亜硫酸アルカリ金属、亜硫酸アンモニウムまたは亜硫酸ホスホニウムを、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と組み合わせて、混合物を形成することと、次いで、b)工程a)からの前記混合物を、少なくとも1つの有機ポリイソシアネートと組み合わせ、得られる反応混合物を、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒の存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む、方法。
【請求項3】
前記環式1,3-ジケトンが、構造II
【化1】
[式中、X、Y、Zは独立して、カルボニル、-C(R
2R
3)-
、-NR
4-、-O-または化学結合であり、各R
2およびR
3は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、置換もしくは非置換フェニル基、ハロゲン、-CO
2CH
3、または-CNであり、ただし、R
2およびR
3の任意の2つ以上は、分子内または分子間で結合し得、各R
4は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、または置換もしくは非置換のフェニル基である]によって表される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記環式1,3-ジケトンが、構造(III)
【化2】
[式中、Zはカルボニル、-C(R
2R
3)-
、-NR
4-、-O-または化学結合であり、各R
2およびR
3は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、置換または無置換のフェニル基、ハロゲン、-CO
2CH
3、または-CNであり、ただし、R
2およびR
3の任意の2つ以上は、分子内または分子間で結合し得、各R
4は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、または、置換もしくは非置換のフェニル基であることを条件とする]によって表される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記環式1,3-ジケトンが、シクロヘキサン-1,3,5-トリオン、1,3-シクロヘキサンジオン、ピラゾリジン-3,5-ジオン、1,2-ジメチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1-メチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1,1-ジメチル-シクロペンタン-2,4-ジオン、1-エチル-シクロヘキサン-2,4-ジオン、1,1-ジエチル-シクロヘキサン-3,5-ジオン、6-メチル-ピラン-2,4-ジオン、6-エチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソプロピル-ピラン-2,4-ジオン、6-(n)-ブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-ペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピラン-2,4(3H,5H)-ジオン、5,6,7,8-テトラヒドロ-クロマン-2,4-ジオン、クロマン-2,4-ジオン、6-トランス-プロペニル-ジヒドロ-ピラン-2,4-ジオン、1-オキサスピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、2,2-ジプロピル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、2-フェニル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、6,10-ジオキサ-スピロ-[4,5]-デカン-7,9-ジオン、1,5-ジオキサ-スピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、1-メチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-エチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-フェニル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、s-インダセン-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、3,3’-(ヘキサン-1,1-ジイル)ビス(1-メチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンおよび1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの1つ以上である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記亜硫酸アルカリ金属、亜硫酸アンモニウム、または亜硫酸ホスホニウムが、亜硫酸水素ナトリウムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記環式1,3-ジケトンが、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.03~0.25重量部の量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.05~0.25重量部の量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記亜硫酸アルカリ金属、亜硫酸アンモニウム、または亜硫酸ホスホニウムが、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.025~0.25重量部の量で存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応混合物が、抗酸化剤の存在下で硬化される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記抗酸化剤が、フェノール化合物である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗酸化剤が、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.2~1.5重量部の量で存在する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記環式1,3-ジケトンが、1,3-シクロヘキサンジオンである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、1,1,1トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低レベルのアルデヒド排出量を示すポリウレタン、およびそのようなポリウレタンを生成するための方法に関する。
【0002】
ポリウレタン発泡体は、多くのオフィス、住居、および車両で使用されている。例えば、家電製品において、ならびに寝具および家具のクッション材として、使用されている。自動車およびトラックでは、ポリウレタンは、シートクッション材として、ヘッドレスト、ダッシュボードおよびインストルメントパネル、アームレスト、ヘッドライナ、および他の用途で使用されている。
【0003】
これらのポリウレタンは、多くの場合、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン(プロペニルアルデヒド)、およびプロピオンアルデヒドなどの様々なレベルのアルデヒドを排出する。これらの発泡体のセル構造のため、発泡体に含有されるアルデヒドは容易に大気中に排出される。これは、特に人または動物が密閉された空間内のその材料に曝露されている場合に、臭気の懸念および曝露の懸念を提示する可能性がある。車両製造元は、車、トラック、列車、および航空機の客室で使用されている材料からの排出量に対して、より厳しい制限を課している。
【0004】
種々のタイプの材料からのアルデヒド排出量を減少するために捕捉剤が使用されることがある。ポリウレタン分野では、例えば、抗酸化剤およびヒンダードアミン光安定剤(HALS)をポリオールに添加してアルデヒドを減少させることを、国際公開第2006/111492号が記載している。国際公開第2009/114329号は、それぞれポリオールおよびポリイソシアネート、ならびにそれらの材料から生成されたポリウレタン中のアルデヒドを減少するために、ポリオールを特定の種類のアミノアルコールで処理し、そしてポリイソシアネートを特定のニトロアルカンで処理することを記載している。特開第2005-154599号は、ポリウレタン配合物にアルカリ金属水素化ホウ素を添加することを、その目的として記載している。米国特許第5,506,329号は、ポリイソシアネート含有配合物からのホルムアルデヒドを捕捉するための特定のアルジミンオキサゾリジン化合物の使用を記載し、織物および合板用途でのホルムアルデヒド捕捉剤としてのニトロアルカンおよびアミノアルコールを記載している。
【0005】
部分的にはポリウレタン発泡体中に存在するアルデヒドが必ずしも発泡体を作製するのに使用される原材料から運び込まれるわけではないため、これらのアプローチは限られた利点を提供する。特に、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドは、硬化工程中、または発泡体が後に紫外線、高温、または他の条件にさらされたときに形成される。また、ホルムアルデヒドの排出量に対する有効な対策が、アセトアルデヒド、アクロレインまたはプロピオンアルデヒドの排出量に対しても常に有効であるとは限らず、その逆も同じである。場合によっては、アセトアルデヒド排出量の減少に効果的な対策が実際には、ホルムアルデヒド排出量の増加を引き起こす可能性がある。出願人はさらに、HALSの存在が多くの場合、ホルムアルデヒド排出量、アセトアルデヒド排出量、またはその両方の増加をもたらすことを発見した。
【0006】
国際特許出願第PCT/CN2017/073764号は、ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるために、特定の抗酸化剤と共にアミノアルコールを使用することを記載する。この組み合わせは、ある程度の改善を提供するが、アルデヒド排出量のより大幅な減少が望まれる。
【0007】
したがって、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドの排出量を効果的かつ経済的に減少させるための方法が求められている。好ましくは、この方法は、ポリウレタンの特性または性能に大きな変化をもたらさないことが望まれる。
【0008】
本発明は、ポリウレタン発泡体を生成するための方法であって、芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒を含有する反応混合物を形成することと、反応混合物を、(i)少なくとも1つの環式1,3-ジケトン、(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン、および(iii)亜硫酸アルキル金属、アンモニウムまたはホスホニウムの存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む方法である。
【0009】
本発明はまた、ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるための方法であって、a)(i)少なくとも1つの環式1,3-ジケトン化合物、(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン化合物、および(iii)亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムを、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と組み合わせて、混合物を形成することと、次いで、b)工程a)からの混合物を、少なくとも1つの有機ポリイソシアネートと組み合わせ、得られる反応混合物を、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒の存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成させることと、を含む方法である。
【0010】
本発明はまた、上記方法のいずれかで生成されたポリウレタン発泡体である。
【0011】
環式ジケトン、アミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンおよび亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムの組み合わせは、ポリウレタン発泡体によって排出されるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドの各々のレベルを減少させることがわかった。
【0012】
本発明に従って発泡体を生成するために、少なくとも1つのポリイソシアネートを、少なくとも2の官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物と反応させる。以下に論じるように、他の成分が存在し得る。反応を、環式1,3-ジケトン、アミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミン、および亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムの存在下で実施する。
【0013】
環式1,3-ジケトン、アミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンおよび亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムを、発泡体を生成するために使用される配合物の種々の成分のいずれか1つ以上との混合物として提供することができる。代替的に、これらを、他の成分のいずれとも事前に組み合わせることなく、別個の成分または流れとして反応に添加し得る。
【0014】
しかし、好ましくは、ポリウレタン発泡体を形成する前に、環式の1,3-ジケトン、アミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンおよび亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムを、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有するイソシアネート反応性化合物(複数可)とブレンドする。得られたブレンドを、発泡体を作製する少なくとも30分の時間にわたり、ほぼ室温またはより高い温度(ただし、環式1,3-ジケトンおよびアミノアルコールおよび/またはヒドロキシルアミンの沸点未満、かつポリオールが分解する温度未満)に維持する。そのようなブレンドを、そのような条件下で、最大1ヶ月、最大1週間、または最大1日などの任意のより長い時間維持し得る。
【0015】
環式1,3-ジケトンは、互いについてベータ位置に2つのカルボニル基を有することを特徴とする。そのような1,3-ジケトンは既知であり、例えば、独国特許出願公開第3037912(A1)号、米国特許出願公開第20050054757(A1)号、特開第2005082694(A)号、特開第2005162921(A)号、特開第2005162920(A)号、中国特許出願公開第103897567(A)号、国際公開第2010039485(A1)号、フランス特許出願公開第2940273(A1)号、国際公開第2010070248(A2)号に記載されており、これらの全ては、その全体が本明細書に組み込まれる。環式1,3-ジケトン化合物は好ましくは、少なくとも1つの
【化1】
部分を、環の一部として有することを特徴とする。この環は、例えば、4、5、または6個の環原子を含有し得る。環原子(環の一部を形成する1,3-ジケオン(dikeone)構造Iの原子以外)は、例えば、炭素、窒素、および/または酸素原子であり得る。
【0016】
好適な環式1,3-ジケトンの中には、構造II
【化2】
[式中、X、Y、Zは独立して、カルボニル、-C(R
2R
3)-
、-NR
4-、-O-、または化学結合であり、各R
2およびR
3は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐アルキルまたはアルケニル基、置換もしくは非置換フェニル基、ハロゲン、-CO
2CH
3、または-CNであり、ただし、R
2およびR
3の任意の2つ以上は分子内または分子間で結合し得、各R
4は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、または置換もしくは非置換のフェニル基である]で表される化合物がある。
【0017】
他の好適な環式1,3-ジケトン化合物は、構造III
【化3】
[式中、Zはカルボニル、-C(R
2R
3)-
、-NR
4-、-O-または化学結合であり、各R
2およびR
3は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖もしくは分岐アルキル基またはアルケニル基、置換または無置換のフェニル基、ハロゲン、-CO
2CH
3、または-CNであり、ただし、R
2およびR
3のいずれか2つ以上は分子内または分子間で結合し得、各R
4は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、または置換もしくは非置換のフェニル基である]で表される。
【0018】
R2、R3およびR4は、置換される場合、好ましくは窒素および/または酸素原子のみで置換される。酸素置換基は、例えば、エーテル、カルボニルまたはヒドロキシル酸素であり得る。窒素置換基は、一級または二級アミノ、イミドまたはアミド窒素であり得る。
【0019】
特定の環式1,3-ジケトンには、例えば、シクロヘキサン-1,3,5-トリオン、1,3-シクロヘキサンジオン、ピラゾリジン-3,5-ジオン、1,2-ジメチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1-メチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1,1-ジメチル-シクロペンタン-2,4-ジオン、1-エチル-シクロヘキサン-2,4-ジオン、1,1-ジエチル-シクロヘキサン-3,5-ジオン、6-メチルピラン-2,4-ジオン、6-エチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソプロピル-ピラン-2,4-ジオン、6-(n)-ブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-ペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピラン-2,4(3H、5H)-ジオン、5,6,7,8-テトラヒドロ-クロマン-2,4-ジオン、クロマン-2,4-ジオン、6-トランス-プロペニル-ジヒドロ-ピラン-2,4-ジオン、1-オキサスピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、2,2-ジプロピル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、2-フェニル-[1,3]-ジオキサン-4、6-ジオン、6,10-ジオキサ-スピロ-[4,5]-デカン-7,9-ジオン、1,5-ジオキサ-スピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、1-メチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-エチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-フェニル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、s-インダセン-1,3,5,7(2H、6H)-テトラオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、3,3’-(ヘキサン-1,1-ジイル)ビス(1-メチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、ピリミジン-2,4,6(1H、3H、5H)-トリオンおよび1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが含まれる。
【0020】
環式1,3-ジケトンの好適な量は、0.01~5pph(すなわち、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量)を有するイソシアネート反応性化合物(複数可)の100重量部あたり0.10~5重量部)である。環式1,3-ジケトンの量は、少なくとも0.02、少なくとも0.03pph、または少なくとも0.04pphであり得、最大2pph、最大1pph、最大0.5pph、最大0.25pph、最大0.15pphまたは最大0.1pphであり得る。
【0021】
アミノアルコールは、少なくとも1つの一級または二級アミノ基および少なくとも1つのヒドロキシル基を有し、各々が脂肪族炭素原子に結合していることを特徴とする。いくつかの実施形態において、ヒドロキシル基は、一級または二級アミノ基が結合している炭素原子についてアルファ位置の炭素に結合している。アルキルヒドロキシルアミンは、窒素原子が脂肪族炭素原子に結合している-NH-OH基を含む。
【0022】
アミノアルコールは既知であり、例えば、米国公開番号第2009/0227758および2010/0124524号に記載されているものが含まれ、これらの各々は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0023】
いくつかの実施形態において、アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンは、構造IV:
【化4】
[式中、
R
6、R
7およびR
8は各々独立して、H、フェニルもしくはNR
9R
10で任意選択的に置換されたアルキル、(ここで、R
9およびR
10は独立して、H、C
1-C
6アルキル、フェニル)、または、フェニルもしくはNR
9R
10で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、
R
5は、H、ヒドロキシル、フェニル、フェニルもしくはNR
9R
10で任意選択的に独立して置換されたアルキル、または、フェニルもしくはNR
9R
10で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、ただし、R
6、R
7およびR
8のいずれもヒドロキシアルキルではない場合、R
5は、ヒドロキシル、または、フェニルもしくはNR
9R
10で任意に独立して置換されたヒドロキシアルキルであることを条件とする]よって表される化合物またはそのような化合物の塩である。
【0024】
好適なアミノアルコールの具体例は、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、ジイソプロパノールアミン、モノ-sec-ブタノールアミン、ジ-sec-ブタノールアミン、またはそれらの塩である。これらのアミノアルコールは、ANGUS Chemical Company(Buffalo Grove, Ill.,USA)、The Dow Chemical Company(Midland,Mich.,USA)を含む多様な商業的供給源から市販されているか、または本技術分野での周知の技術によって容易に生成することができる。アミノアルコールは、塩の形態で使用することができる。好適な塩としては、塩酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩が挙げられる。
【0025】
アルキルヒドロキシルアミンの特定の例には、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、N-エチルヒドロキシルアミン、N-メチルヒドロキシルアミン、N-(n-ブチル)ヒドロキシルアミン、N-(sec-ブチル)ヒドロキシルアミンなどが含まれる。
【0026】
アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン化合物の好適な量は、0.01~5pphである。アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン化合物の量は、少なくとも0.025、少なくとも0.05pphまたは少なくとも0.075pphであり得、最大2pph、最大1pph、最大0.5pph、最大0.25pphまたは最大0.2pphであり得る。
【0027】
亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムは、式A2SO3を有する化合物であって、ここで、Aは、アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムを表す化合物、および式AHSO3を有するアルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウム亜硫酸水素塩(重亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウム)化合物を含み、ここでAは上記と同じである。このような化合物の例としては、例えば、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ジ(テトラメチルアンモニウム)亜硫酸塩、ジ(テトラメチルホスホニウム)亜硫酸塩、亜硫酸水素リチウム(LiHSO3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、亜硫酸水素カリウム(KHSO3)、亜硫酸水素セシウム(CsHSO3)、(テトラメチルアンモニウム)亜硫酸水素塩、(テトラメチルホスホニウム)亜硫酸水塩が挙げられ、これらの中でナトリウム化合物が好ましい。亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムの好適な量は、0.01~5pphである。亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムの量は、少なくとも0.02pph、少なくとも0.025pph、または少なくとも0.05pphであり得、最大2pph、最大1pph、最大0.5pph、最大0.25pph、または最大0.2pphであり得る。
【0028】
発泡体配合物は、少なくとも2の官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物を含む。「官能価」とは、分子あたりのイソシアネート反応性基の平均数を指す。官能価は、8以上であり得るが、好ましくは2~4である。イソシアネート基は、ヒドロキシル、第一級アミノまたは第二級アミノ基などであり得るが、ヒドロキシル基が好ましい。当量重量は、6000以上までまたはそれ以上であり得るが、好ましくは500~3000、より好ましくは1000~2000である。このイソシアネート反応性化合物は、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒドロキシル末端ブタジエンポリマーまたはコポリマー、ヒドロキシル含有アクリレートポリマーなどであり得る。好ましいタイプのイソシアネート反応性化合物は、ポリエーテルポリオール、特にプロピレンオキシドのポリマーまたはプロピレンオキシドとエチレンオキシドのコポリマーである。プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのコポリマーは、末端ポリ(オキシエチレン)ブロックであって少なくとも50%のヒドロキシル基が第一級であるブロックコポリマーであり得る。プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの別の好適なコポリマーは、ランダムまたは疑似ランダムコポリマーであり得、末端ポリ(オキシエチレン)ブロックを含有し得、ヒドロキシル基の少なくとも50%が第一級である。
【0029】
イソシアネート反応性化合物として有用なポリエステルポリオールは、ポリオール、好ましくはジオールと、ポリカルボン酸またはそれらの無水物、好ましくはジカルボン酸またはジカルボン酸無水物との反応生成物を含む。ポリカルボン酸または無水物は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式であり得、ハロゲン原子などで置換されてもよい。ポリカルボン酸は、不飽和であり得る。これらのポリカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびフマル酸が挙げられる。ポリエステルポリオールの作製に使用されるポリオールは、好ましくは約150以下の当量重量を有し、エチレングリコール、1,2-および1,3-プロピレングリコール、1,4-および1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、キニトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなどを含む。Dow Chemical Companyによって「Tone」という商品名で市販されているものなどのポリカプロラクトンポリオールも有用である。
【0030】
任意選択により、少なくとも2の官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する2つ以上の前記イソシアネート反応性化合物の混合物を使用することができる。
【0031】
イソシアネート反応性化合物(複数可)は、分散ポリマー粒子を含有し得る。これらのいわゆるポリマーポリオールは、スチレン、アクリロニトリル、スチレン-アクリロニトリルなどのビニルポリマーの粒子、およびポリ尿素ポリマー、またはポリウレタン尿素ポリマーのポリマー粒子などを含有する。
【0032】
その上、そのようなイソシアネート反応性化合物は、1つ以上の架橋剤および/または鎖延長剤との混合物で使用することができる。本明細書の目的における「架橋剤」は、分子あたり少なくとも3つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり200未満の当量重量を有する化合物である。本発明の目的における「鎖延長剤」は、分子あたり正確に2つのイソシアネート反応性基を有し、かつイソシアネート反応性基あたり200未満の当量重量を有する。いずれの場合にも、イソシアネート反応性基は、好ましくはヒドロキシル、第一級アミノまたは第二級アミノ基である。架橋剤および鎖延長剤は、好ましくは最大150、より好ましくは最大約125の当量重量を有する。
【0033】
架橋剤の例は、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、最大199の当量重量を有する前述のいずれかのアルコキシレートなどを含む。鎖延長剤の例は、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなど)、グリコールエーテル(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなど)、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミンなど、ならびに最大199の当量重量を有する前述のいずれかのアルコキシレートなどを含む。
【0034】
架橋剤および/または鎖延長剤は通常、少量で存在する(もしあれば)。好ましい量は、0~5pphの架橋剤および/または鎖延長剤である。より好ましい量は、0.05~2pphであり、さらにより好ましい量は、0.1~1pphの1つ以上の架橋剤である。
【0035】
好適なポリイソシアネートの例は、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の種々の異性体、いわゆる高分子MDI生成物(モノマーMDI中のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの混合物である)、カルボジイミド変性MDI生成物(135~170の範囲のイソシアネート当量重量を有するいわゆる「液体MDI」生成物など)、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、水素化MDI(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、メトキシフェニル-2,4-ジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルオキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’、4’’-トリフェニルメタンジイソシアネート、水素化ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルエン-2,4,6-トリイソシアネートおよび4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネートなどを含む。ウレタン、尿素、ウレトンイミン、ビウレット、アロファネートおよび/またはカルボジイミド基を含有するように変性された前述のいずれかを使用し得る。
【0036】
好ましいイソシアネートは、TDI、MDIおよび/または高分子MDI、ならびにウレタン、尿素、ウレトニミン、ビウレット、アロファネート、および/またはカルボジイミド基を含有する、MDIおよび/または高分子MDIの誘導体を含む。特に好ましいイソシアネートは、TDIおよびMDIの混合物である。
【0037】
発泡体配合物に提供されるポリイソシアネートの量は、「イソシアネート指数」として表され、これは、発泡体配合物中のイソシアネート基の、イソシアネート反応性基に対する比の100倍である。イソシアネート指数は、典型的には約70~150である。好ましいイソシアネート指数は、80~125であり、より好ましいイソシアネート指数は、80~115である。いくつかの実施形態では、イソシアネート指数は、90~115または95~115である。
【0038】
発泡剤は、化学(発熱)タイプ、物理(吸熱)タイプ、または各タイプの少なくとも1つの混合物であり得る。化学タイプは典型的には、発泡反応の条件下で反応または分解して二酸化炭素または窒素ガスを生成する。水および種々のカルバメート化合物は、好適な化学発泡剤の例である。物理タイプは、二酸化炭素、種々の低沸点炭化水素、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロクロロカーボン、エーテルなどを含む。水は、単独、または1つ以上の物理的発泡剤との組み合わせにおいて、最も好ましい発泡剤である。
【0039】
発泡剤は、所望の発泡体密度を提供するのに十分な量で存在する。水が発泡剤である場合、好適な量は一般に、1.5~6pph、好ましくは2~5pphである。
【0040】
好適な界面活性剤は、材料が硬化するまで発泡反応混合物のセルを安定させるのに役立つ材料である。ポリウレタン発泡体を作製するために通常使用されるような多種多様なシリコーン界面活性剤は、本発明のポリマーポリオールまたは分散液を用いて発泡体を作製する際に使用することができる。そのようなシリコーン界面活性剤の例は、TEGOSTAB(商標)(Evonik Corporation)、Niax(商標)(Momentive)およびDabco(商標)(Air Products and Chemicals)の商品名で市販されている。
【0041】
界面活性剤は、典型的には最大5pph、より典型的には0.1~2pph、好ましくは0.25~1.5pphの量で存在する。
【0042】
好適な触媒は、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,390,645号に記載されているものを含む。代表的な触媒は、以下を含む:
(a)トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,4-ブタンジアミン、N,N-ジメチルピペラジン、1,4-ジアゾビシクロ-2,2,2-オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、モルホリン、4,4’-(オキシジ-2,1-エタンジイル)ビス、トリ(ジメチルアミノプロピル)アミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、およびトリエチレンジアミンなどのような第三級アミン、ならびにジメチルアミンプロピルアミンなどのような1つ以上のイソシアネート反応性基を含有する、いわゆる「低排出性」第三級アミン触媒、
(b)トリアルキルホスフィンおよびジアルキルベンジルホスフィンなどの第三級ホスフィン、
(c)アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、アセト酢酸エチルなどの、Be、Mg、Zn、Cd、Pd、Ti、Zr、Sn、As、Bi、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、およびNiなどの金属から得ることができる種々の金属のキレート、
(d)塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化第一スズ、三塩化アンチモン、硝酸ビスマス、および塩化ビスマスなどの強酸の酸性金属塩、
(e)アルカリおよびアルカリ土類金属水酸化物、アルコキシド、およびフェノキシドなどの強塩基、
(f)Ti(OR)4、Sn(OR)4、Al(OR)3などの種々の金属のアルコラートおよびフェノラート[式中、Rは、アルキルまたはアリールである]であって、アルコラートの、カルボン酸、ベータ-ジケトン、および2-(N,N-ジアルキルアミノ)アルコールとの反応生成物、
(g)酢酸ナトリウム、オクタン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、オクタン酸鉛、ナフテン酸マンガンおよびコバルトなどの金属ドライヤーを含む、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Pb、Mn、Co、NiおよびCuなどの多様な金属と有機酸の塩、ならびに、
(h)4価のスズ、3価および5価のAs、SbおよびBiの有機金属誘導体、ならびに鉄およびコバルトの金属カルボニル。
【0043】
触媒は典型的には、最大2pph、一般に最大1pphなどの少量で存在する。触媒の好ましい量は、0.05~1pphである。
【0044】
少なくとも1つの抗酸化剤の存在下で発泡体を生成することが好ましい。そのような抗酸化剤は、ポリウレタン発泡体を形成する前に、環式1,3-ジケトン、アミノアルコールおよびアルキルヒドロキシルアミン化合物に関して上で説明した様態で、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有するイソシアネート反応性化合物(複数可)とブレンドされ得る。代替的に、それを、1つ以上の他の成分と共に、および/または別個の成分または流れとして反応混合物に添加し得る。
【0045】
好適な抗酸化剤の例は、例えば、以下を含む:
1)2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖が直鎖または分岐であるノニルフェノール、例えば、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデカ-1’-イル)フェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニルプロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを含む、エステル、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]-ウンデカン、β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸の、一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトールとのエステル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、および4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンなどのフェノール化合物、
2)N,N’-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチル-アミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラ-メチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物などのようなアミン抗酸化剤、
3)ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネートなどのチオ共力剤、
4)亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル、亜リン酸フェニルジアルキル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリオクタデシル、二亜リン酸ジステアリルペンタエリスリトール、亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)、亜リン酸ジイソデシルペンタエリスリトール、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2’、2’’-ニトリロ-[トリエチルトリス(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’、5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、および5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィランなどの亜リン酸エステルおよび亜ホスホン酸エステル、
5)米国特許第4,325,863号、米国特許第4,338,244号、米国特許第5,175,312号、米国特許第5,216,052号、米国特許第5,252,643号、独国公開第4316611号、独国公開第4316622号、独国公開第4316876号、欧州公開第0589839号または欧州公開第0591102号に開示されている、3-[4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]-ベンゾフラン-2-オン、3,3’-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オンなどを含む、ベンゾフラノンおよびインドリノン、ならびに
6)参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,881,774号に例えば記載されている、トコフェノール、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、O-,N-およびS-ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、トリアジン化合物、ベンジルホスホネート、アシルアミノフェノール、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、アスコルビン酸(ビタミンC)、2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシベンゾフェノン、置換および非置換安息香酸のエステル、アクリレート、ニッケル化合物、オキサミド、2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、ヒドロキシルアミン、ニトロン、およびβ-チオジプロピオン酸のエステル。
【0046】
好ましい抗酸化剤は、以下を含む:
a)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物との混合物、
b)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記5)に記載の少なくとも1つのベンゾフラノンまたはインドリノン化合物との混合物、
c)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記2)に記載の少なくとも1つのアミン抗酸化剤との混合物、
d)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物および上記5)に記載の少なくとも1つのベンゾフラノンまたはインドリノン化合物との混合物、
e)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物および上記2)に記載の少なくとも1つのアミン化合物との混合物、
f)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、上記4)に記載の少なくとも1つのホスファイトまたはホスホナイト化合物、上記5)に記載の少なくとも1つのベンゾフラノンまたはインドリノン化合物、および上記2)に記載の少なくとも1つのアミン化合物との混合物、
g)上記1)に記載の少なくとも1つのフェノール化合物と、3)に記載の少なくとも1つのチオ共力剤との混合物、ならびに
h)上記a)~f)のいずれかと、3)に記載の少なくとも1つのチオ相乗剤の混合物。
【0047】
抗酸化剤(複数可)は、使用される場合、最大約10pphなどの有効量で存在する。好ましい量は、0.1~5pphであり、より好ましい量は、0.2~1.5pphである。
【0048】
いくつかの実施形態では、HALS(ヒンダードアミン光安定剤)化合物が存在する。好適なHALS化合物は、ビス(1-オクチルオキシ)-2,2,5,5-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート(BASFのTinuvin(商標)123)、n-ブチル-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシルベンジル)ビス-(1,2,2,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)マロネート(BASFのTinuvin(商標)144)、4-ヒドロキシ-2-2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールを含むコハク酸ジメチルポリマー(BASFのTinuvin(商標)622)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)(BASFのTinuvin(商標)765)およびセバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)(BASFのTinuvin(商標)770)などを含む。
【0049】
HALS化合物は、使用される場合、骨材に最大約10pphなどの有効量で存在する。好ましい量は、骨材において0.1~5pphであり、より好ましい量は、0.1~2.5pphである。
【0050】
充填剤、着色剤、防臭マスク、難燃剤、殺生物剤、帯電防止剤、チキソトロープ剤、および気泡開放剤などを含む、他の成分が、発泡工程中に存在してもよい。
【0051】
ポリウレタン発泡体は、本発明に従って、種々の成分を含有する反応混合物を形成し、反応混合物を硬化させることによって生成される。連続スラブストックの生成方法などのフリーライズプロセスを使用することができる。代替的に、成形方法を使用することもできる。そのようなプロセスは、公知である。一般に、本発明に従ってポリウレタン発泡体を生成するために従来の処理操作の変更は必要ない(環式1,3-ジケトン、アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンおよびアルカリ金属、亜硫酸アンモニウムまたはホスホニウム、ならびに任意選択的に抗酸化剤(複数可)および/またはHALS化合物を含めること以外)。
【0052】
種々の成分を個別に、または種々のサブコンビネーションで混合ヘッドまたは他の混合装置に導入し、そこで混合し、硬化される領域(トラフまたは他の開いた容器、または閉じた型など)に分注し得る。特に成形発泡体の作製時に、使用され得る架橋剤および/または鎖延長剤、環式1,3-ジケトン、アミノアルコール、および/またはアルキルヒドロキシルアミン、アルカリ金属、亜硫酸アンモニウムまたはホスホニウム、抗酸化剤(複数可)、およびHALS化合物(存在する場合)、ならびに任意選択的に、触媒(複数可)、界面活性剤(複数可)、および発泡剤(複数可)を含有する、イソシアネート反応性化合物(複数可)を含有する、配合されたポリオール成分を形成することが、多くの場合において好都合である。次に、この配合されたポリオール成分をポリイソシアネート(および配合されたポリオール成分に存在しない任意の他の成分)と接触させて発泡体を生成する。
【0053】
種々の成分の一部または全てを混合する前に加熱して、反応混合物を形成し得る。他の例では、成分を、周囲温度(15~40℃など)で混合する。全ての成分を混合した後、反応混合物に熱を加えてもよいが、これは多くの場合において不要である。
【0054】
硬化反応の生成物は、軟質ポリウレタン発泡体である。発泡体密度は、20~200kg/m3であり得る。ほとんどの座席および寝具の用途において、好ましい密度は、24~80kg/m3である。発泡体は、ASTM3574-Hのボール反発試験で少なくとも50%の弾力性を有し得る。本発明に従って生成された発泡体は、寝具および家庭用、オフィス用または車両用座席などのクッション用途、ならびにヘッドレスト、ダッシュボード計器盤、アームレスト、またはヘッドライナなどの他の車両用途に有用である。
【0055】
本発明に従って生成されたポリウレタン発泡体は、環式1,3-ジケトン、アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンおよび亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムが存在しない場合と比較して、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドの排出量が減少することを特徴とする。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレインおよびプロピオンアルデヒド排出量の好適な測定方法は、以下のとおりである。ポリウレタン発泡体のサンプルを粉砕してセルを開く。破砕した発泡体を30グラムの立方体のサンプルに切断し、すぐにアルミホイルまたはポリエチレンフィルムにしっかりと包装し、この様態で約25℃で5日間保管する。
【0056】
アルデヒド濃度を、Toyota TSM0508G試験法に従って測定する。そのToyota法では、泡のサンプルをホイルまたはフィルムから取り出し、以前に窒素ガスで3回パージされた個別の10Lテドラーガスバッグ(Delin Co.,Ltd.,China)に入れる。泡サンプルの入ったバッグに7Lの窒素を入れ、密封して65℃で2時間加熱する。泡を含有するビニール袋をオーブンから取り出す。バッグ内のガスを、350mgのジニトロフェニルヒドラジンカートリッジにポンプ圧送し、カルボニル化合物を捕捉する。捕捉されたカルボニル化合物を、液体クロマトグラフィーによってホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドについて分析する。Toyota法を実行する特定の方法の詳細を、以下の実施例で記載する。
【0057】
この方法で測定されるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドの排出量は全て、典型的には少なくとも20%、通常は少なくとも50%、時に80~98%ほどに多く、環式1,3-ジケトン、アミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミンおよびアルカリ金属、亜硫酸アンモニウムまたは亜硫酸ホスホニウムの非存在下で生成される他の同様の発泡体と比較して減少する。本発明の利点は、これら4つのアルデヒド化合物全ての排出量に有意な減少が見られることである。
【0058】
いくつかの実施形態では、ホルムアルデヒドの排出量およびアクロレインの排出量は各々、Toyota法に従って測定される際、10μg/m3以下、または5μg/m3以下である。いくつかの実施形態では、アセトアルデヒドの排出量は、Toyota法に従って測定される際、100μg/m3以下、50μg/m3以下、または35μgの/m3、以下である。いくつかの実施形態では、プロピオンアルデヒドの排出量は、Toyota法に従って測定される際、60μg/m3以下または50μg/m3以下である。いくつかの実施形態では、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレインおよびプロピオンアルデヒドの排出量の合計は、Toyota法に従って測定される際、150μg/m3以下、100μg/m3以下、75μg/m3以下、または50μg/m3以下である。
【0059】
以下の実施例は、本発明を例解するために提供されるが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。全ての部およびパーセンテージは、特に指示がない限り重量による。
【0060】
実施例1ならびに比較サンプルAおよびB
配合ポリオールAを、15%のエチレンオキシドでキャップされ、27.5mg KOH/gのヒドロキシル価を有する、45.34部のグリセリン開始ポリ(プロピレンオキシド)と、22mg KOH/gのヒドロキシル価を持ち、ポリエーテルポリオールに分散した40重量パーセントの共重合したスチレンおよびアクリロニトリル固体を含有する、50.11部のコポリマーポリオールと、0.48部のジエタノールアミン、0.38部のグリセリン、0.27部のジプロピレングリコール中の33パーセントトリエチレンジアミン、0.17部のMomentive Co.,Ltd.からC225として入手可能な第三級アミン/グリコール混合物、1.15部の有機シリコーン泡安定化界面活性剤、2.1部の水、および0.5部のベンゼンプロパン酸、3,5-ビス(1,1-ジメチル-エチル)-4-ヒドロキシ-C7~C9分岐アルキルエステル(IRGANOX(商標)1135として入手可能BASF(China)Co.,Ltdからの酸化防止剤)を組み合わせることによって作製する。
【0061】
配合ポリオールBを、100.5部の配合ポリオールAを0.17部の1,3-シクロヘキサンジオンおよび0.3部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンと高速実験用ミキサーで組み合わせて作製する。
【0062】
配合ポリオール1を、100.5部の配合ポリオールAを0.17部の1,3-シクロヘキサンジオン、0.3部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンおよび0.1部の亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)と高速実験用ミキサーで組み合わせて作製する。
【0063】
配合されたポリオールA、B、および1の各々を、発泡体に処理する前に、室温で12~24時間保管する。
【0064】
比較サンプルAを、100部の配合ポリオールAと、28部の20/80重量ブレンドのトルエンジイソシアネート(TDI)と、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)を組み合わせ、得られた反応混合物をカップに注ぎ、反応混合物が上昇して硬化し、ポリウレタン発泡体を形成することを可能にすることによって作製する。発泡体が十分に硬化して寸法が安定化後、発泡体をカップから取り出し、30グラムのサンプルキューブをカットする。発泡体キューブを各々すぐにアルミホイルで包み、7日間気密パッケージを形成する。
【0065】
比較サンプルBを、100部の配合ポリオールBを28部の同じTDI/MDIブレンドと組み合わせることを除いて、同じように作製する。
【0066】
実施例1を、100部の配合ポリオール1を28部の同じTDI/MDIブレンドと組み合わせることを除いて、同じように作製する。
【0067】
発泡体サンプルから排出されるアルデヒドを、Toyotaガスバッグ法を使用して分析する。立方体の泡のサンプルを、各場合にホイルから取り出され、純粋な窒素で3回洗浄し、空にした10Lのテドラーガスバッグに入れる。空のガスバッグは、ブランクとして使用する。発泡体サンプルをガスバッグに入れた後、ガスバッグを約7Lの窒素ガスで充填し、次いでオーブンで2時間65℃で加熱する。次に、ガスバッグ内の窒素ガスをエアポンプによってポンプ圧出し、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン(プロピオンアルデヒド)、およびプロピオンアルデヒドを分析する。
【0068】
各バッグからのガスを、ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)カートリッジ(CNWBOND DNPH-シリカカートリッジ、350mg,Cat.No.SEEQ-144102,Anple Co.,Ltd.)を通して通過させ、サンプリング速度は、330mL/minである。発泡体からガスに排出されたアルデヒドは、カートリッジに吸収され、DNPH誘導体を形成する。DNPHカートリッジを3gのアセトニトリルで溶出し、得られたアセトニトリル溶液をHPLCで分析して、サンプル中のカルボニルを以下のように定量する。
【0069】
15μg/mLのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒド(いずれの場合もDNPH誘導体の形態)を各々含有する標準溶液(TO11Aカルボニル-DNPH混合物、Cat.No.48149-U,Supelco Co.,Ltd)をアセトニトリルで希釈する。2mLの希釈溶液(0.794ppmのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドを各々含有する)を含有するバイアルを-4℃に冷蔵する。冷蔵溶液をHPLCシステムに注入し、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒド誘導体を分析する。応答係数は、以下の式に従って、各導関数の溶出ピークの面積から計算する。
【数1】
ここで、応答係数i=導関数iの応答係数。ピーク面積i=標準溶液中の誘導体iのピーク面積。0.794=標準溶液中の各誘導体の濃度。
【0070】
次に、比較サンプルAおよびBならびに実施例1の各々によって排出されたホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレインおよびプロピオンアルデヒドの量を判定する。いずれの場合も、DNPHカラムを溶出して得られたアセトニトリル溶液をHPLCシステムに注入し、各誘導体から溶出ピークの面積を判定する。サンプル溶液中のアルデヒド-DNPH誘導体の濃度を、以下のとおりに計算する。
【数2】
ここで、iの濃度=サンプル溶液中のアルデヒド-DNPH誘導体の濃度、ピーク面積i=サンプル溶液中の誘導体iのピーク面積、および応答係数i=上記の標準溶液から判定された誘導体iの応答係数。
【0071】
【0072】
比較サンプルAおよびBならびに実施例1の各々のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、およびプロピオンアルデヒドの濃度は、表1に示されているとおりである。
【表2】
【0073】
抗酸化剤が単独で存在する場合(比較例A)、特にアセトアルデヒドとプロピオンアルデヒドの値は、総アルデヒドと同様に非常に高い。さらに、1,3-シクロヘキサンジオンおよび1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンを発泡体調生成物(比較例B)に組み込むと、この試験ではホルムアルデヒドの排出量がゼロに減少し、アセトアルデヒドの排出量が約30%減少し、アクロレインの排出量が45%減少し、プロピオンアルデヒドの排出量は約3分の2減少する。総アルデヒドは、ほぼ半分に減少する。このデータが示すように、抗酸化剤、環式1,3-ジケトン、およびアミノアルコールの組み合わせは、測定された各アルデヒドの除去にすでに非常に効果的である。
【0074】
ただし、実施例1に亜硫酸水素ナトリウムをさらに追加すると、比較例Bの良好な結果と比較し、アルデヒド排出量の大幅な減少が見られる。ホルムアルデヒドおよびアクロレインは、ゼロに減少する。アセトアルデヒドの排出量は、90%以上減少する。プロピオンアルデヒドの排出量は、85%減少する。アルデヒドの総排出量は、ほぼ90%減少する。
【0075】
実施例2~3
100.5部の配合ポリオールAを、0.17部の1,3-シクロヘキサンジオン、0.3部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンおよび0.05部の亜硫酸水素ナトリウムと高速実験用ミキサーで組み合わせることによって、配合ポリオール2を作製する。100部の配合ポリオール2を、28部の前述のTDI/MDI混合物と反応させてカップ発泡体を作製する。
【0076】
100部の配合ポリオールAを、0.06部の1,3-シクロヘキサンジオン、0.1部の1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンおよび0.1部の亜硫酸水素ナトリウムと高速実験用ミキサーで組み合わせることによって、配合ポリオール3を作製する。100.76部の配合ポリオール2を、28部の前述のTDI/MDI混合物と反応させて、カップ発泡体を作製する。
【0077】
カップ発泡体を、前の例で説明した様態で作製および試験する。さらに、比較例Aおよび実施例1を繰り返し、再度試験する。結果は、表2に示すとおりである。
【表3】
【0078】
表2のデータが示すように、環式1,3-ケトン、アミノアルコール、亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせにより、4つのアルデヒド全ての排出量が大幅に減少する。
本願は以下の態様にも関する。
(1) ポリウレタン発泡体を生成するためのプロセスであって、芳香族ポリイソシアネート、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、ならびに少なくとも1つの触媒を含有する反応混合物を形成することと、前記反応混合物を、(i)少なくとも1つの環式1,3-ジケトン、(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン、および(iii)亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムの存在下で硬化させて、前記ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む、プロセス。
(2) ポリウレタン発泡体からのアルデヒド排出量を減少させるための方法であって、a)(i)少なくとも1つの環式1,3-ジケトン、(ii)少なくとも1つのアミノアルコールおよび/またはアルキルヒドロキシルアミン、および(iii)亜硫酸アルカリ金属、アンモニウムまたはホスホニウムを、少なくとも2の平均官能価およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性材料と組み合わせて、混合物を形成することと、次いで、b)工程a)からの前記混合物を、少なくとも1つの有機ポリイソシアネートと組み合わせ、得られる反応混合物を、少なくとも1つの発泡剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの触媒の存在下で硬化させて、ポリウレタン発泡体を形成することと、を含む、方法。
(3) 前記環式1,3-ジケトンが、構造II
【化5】
[式中、X、Y、Zは独立して、カルボニル、-C(R
2
R
3
)-
、
-NR
4
-、-O-または化学結合であり、各R
2
およびR
3
は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、置換もしくは非置換フェニル基、ハロゲン、-CO
2
CH
3
、または-CNであり、ただし、R
2
およびR
3
の任意の2つ以上は、分子内または分子間で結合し得、各R
4
は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、または置換もしくは非置換のフェニル基である]によって表される、上記(1)または(2)に記載のプロセス。
(4) 前記環式1,3-ジケトンが、構造(III)
【化6】
[式中、Zはカルボニル、-C(R
2
R
3
)-
、
-NR
4
-、-O-または化学結合であり、各R
2
およびR
3
は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、置換または無置換のフェニル基、ハロゲン、-CO
2
CH
3、
または-CNであり、ただし、R
2
およびR
3
の任意の2つ以上は、分子内または分子間で結合し得、各R
4
は独立して、H、1~10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル基、または、置換もしくは非置換のフェニル基であることを条件とする]によって表される、上記(1)または(2)に記載のプロセス。
(5) 前記環式1,3-ジケトンが、シクロヘキサン-1,3,5-トリオン、1,3-シクロヘキサンジオン、ピラゾリジン-3,5-ジオン、1,2-ジメチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1-メチルピラゾリジン-3,5-ジオン、1,1-ジメチル-シクロペンタン-2,4-ジオン、1-エチル-シクロヘキサン-2,4-ジオン、1,1-ジエチル-シクロヘキサン-3,5-ジオン、6-メチル-ピラン-2,4-ジオン、6-エチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソプロピル-ピラン-2,4-ジオン、6-(n)-ブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソブチル-ピラン-2,4-ジオン、6-ペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6-イソペンチル-ピラン-2,4-ジオン、6,7-ジヒドロシクロペンタ[b]ピラン-2,4(3H,5H)-ジオン、5,6,7,8-テトラヒドロ-クロマン-2,4-ジオン、クロマン-2,4-ジオン、6-トランス-プロペニル-ジヒドロ-ピラン-2,4-ジオン、1-オキサスピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、2,2-ジプロピル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、2-フェニル-[1,3]-ジオキサン-4,6-ジオン、6,10-ジオキサ-スピロ-[4,5]-デカン-7,9-ジオン、1,5-ジオキサ-スピロ-[5,5]-ウンデカン-2,4-ジオン、1-メチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-エチル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、1-フェニル-2,4,6-トリオキソ-ヘキサヒドロ-ピリミジン、s-インダセン-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、3,3’-(ヘキサン-1,1-ジイル)ビス(1-メチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)、2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン、フラン-2,4(3H,5H)-ジオン、ピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンおよび1,3-ジメチルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの1つ以上である、上記(1)または(2)に記載のプロセス。
(6) 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、構造(IV)
【化7】
[式中、R
6
、R
7
およびR
8
は、各々独立して、H、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に置換されたアルキル(式中、R
9
およびR
10
は独立して、H、C
1
~C
6
アルキルもしくはフェニル)、または、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、R
5
はH、ヒドロキシル、フェニル、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に置換されたアルキル、または、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルであり、ただし、R
6
、R
7
およびR
8
のいずれもヒドロキシアルキルでない場合、R
5
は、ヒドロキシルまたは、フェニルもしくはNR
9
R
10
で任意選択的に独立して置換されたヒドロキシアルキルである]によって表される化合物、またはそのような化合物の塩である、上記(1)~(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-1-メチル-1,3-プロパンジオール、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-ブチルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール、ジイソプロパノールアミン、モノ-sec-ブタノールアミン、ジ-sec-ブタノールアミン、N-イソプロピルヒドロキシルアミン、エチルヒドロキシルアミン、メチルヒドロキシルアミン、N-ブチルヒドロキシルアミン、およびsec-ブチルヒドロキシルアミンの1つ以上から選択される、上記(1)~(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 前記亜硫酸アルカリ金属、アンモニウム、またはホスホニウムが、亜硫酸水素ナトリウムである、上記(1)~(7)のいずれかに記載の方法。
(9) 前記環式1,3-ジケトンが、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.03~0.25重量部の量で存在する、上記(1)~(8)のいずれかに記載の方法。
(10) 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.05~0.25重量部の量で存在する、上記(1)~(9)のいずれかに記載の方法。
(11) 前記亜硫酸アルカリ金属、アンモニウム、またはホスホニウムが、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200の当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.025~0.25重量部の量で存在する、上記(1)~(10)のいずれかに記載の方法。
(12) 前記反応混合物が、抗酸化剤の存在下で硬化される、上記(1)~(11)のいずれかに記載の方法。
(13) 前記抗酸化剤が、フェノール化合物である、上記(12)に記載の方法。
(14) 前記抗酸化剤が、分子あたり少なくとも2つのイソシアネート反応性基およびイソシアネート反応性基あたり少なくとも200当量重量を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物の100重量部あたり、0.2~1.5重量部の量で存在する、上記(12)または(13)に記載の方法。
(15) 前記環式1,3-ジケトンが、1,3-シクロヘキサンジオンである、上記(1)~(14)のいずれかに記載の方法。
(16) 前記アミノアルコールまたはアルキルヒドロキシルアミンが、1,1,1トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンである、上記(13)に記載の方法。
(17) 上記(1)~(16)のいずれかに記載のプロセスに従って作製された、ポリウレタン発泡体。