(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】カスケードバスケットシステムを装備した電気器具
(51)【国際特許分類】
F25D 25/00 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
F25D25/00 M
(21)【出願番号】P 2021537207
(86)(22)【出願日】2020-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2020071830
(87)【国際公開番号】W WO2020147692
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】516183831
【氏名又は名称】ハイアール・ユーエス・アプライアンス・ソリューションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】ワントランド、ルイス・エー
(72)【発明者】
【氏名】チェラッパン、バガワスクマール
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0074520(KR,A)
【文献】特開2004-340572(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0264928(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0178274(US,A1)
【文献】特開2008-309450(JP,A)
【文献】特開2006-141796(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0209107(US,A1)
【文献】特開2020-029972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容室が形成されたハウジングと、
前記収容室への選択的なアクセスを行うために前方及び後方に移動可能なドアと、
カスケードバスケットシステムと、を備え、
前記カスケードバスケットシステムは、
前記ドアに連結され、前記ドアと共に前方及び後方に移動可能であり、第1のポケット凹部が形成された第1のガイドレールを有する第1のバスケットと、
前方及び後方に移動可能であり、第2のポケット凹部が形成された第2のガイドレールを有し、前記第1のバスケットの前記第1のガイドレールに沿って移動して前記第1のポケット凹部内に受け入れられるローラーを有し、これにより、前記ドアが前方に移動するときに前記ドア及び前記第1のバスケットと共に第1の所定の距離だけ移動される第2のバスケットと、
前方及び後方に移動可能であり、前記第2のバスケットの前記第2のガイドレールに沿って移動して前記第2のポケット凹部内に受け入れられるローラーを有し、これにより、前記ドアが前方に移動するときに前記ドア、前記第1のバスケット、及び前記第2のバスケットと共に第2の所定の距離だけ移動される第3のバスケットと、
を備え、
前記第1のバスケットは、前記第2のバスケットのローラーが前記第1のポケット凹部内に受け入れらないよう前記第1のポケット凹部を覆うカバー位置と、前記第2のバスケットのローラーが前記第1のポケット凹部内に受け入れられるよう前記第1のポケット凹部を覆わない非カバー位置と、の間を移動可能な第1のポケット凹部カバーを有する、
電気器具。
【請求項2】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記電気器具に垂直方向が規定されており、
前記第1のバスケットは下部バスケットであり、前記第2のバスケットは前記垂直方向に沿って前記下部バスケットの上方に位置する中間バスケットであり、前記第3のバスケットは前記垂直方向に沿って前記中間バスケットの上方に位置する上部バスケットである、
電気器具。
【請求項3】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記電気器具に横方向が規定されており、
前記ドア、前記第1のバスケット、前記第2のバスケット、及び前記第3のバスケットは、前記横方向に沿って前方及び後方に移動可能であり、
前記第2のバスケットは、前記横方向に沿って前記第2のバスケットのローラーの後方に配置されたライナーローラーを有し、
前記ライナーローラーは、前記ハウジングのライナーと連結又は一体的に形成されたライナーガイドレールに沿って回転可能であり、
前記第2のポケット凹部は、前記第2のガイドレールにおける前記第2のバスケットのローラーと前記ライナーローラーとの間に前記横方向に沿って形成されている、
電気器具。
【請求項4】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記第3のバスケットは、スライドアセンブリを介して前記ハウジングに対して移動可能なよう連結されている、
電気器具。
【請求項5】
請求項4に記載の電気器具であって、
前記第3のバスケットのローラーは、前記第2のバスケットの前記第2のガイドレールに接触するよう付勢されたバネ式ローラーである、
電気器具。
【請求項6】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記第3のバスケットは、少なくとも1つのローラーを介して前記ハウジングに対して移動可能なよう連結されている、
電気器具。
【請求項7】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記電気器具に水平方向及び横方向が規定されており、
前記第1のバスケット、前記第2のバスケット、及び前記第3のバスケットは、それぞれ前記水平方向に沿って左側及び右側の間に延在し、
前記ドア、前記第1のバスケット、前記第2のバスケット、及び前記第3のバスケットは、それぞれ前記横方向に沿って前方及び後方に移動可能であり、
前記第1のバスケットの前記第1のガイドレールは、前記第1のバスケットの前記左側において前記横方向に沿って長手方向に延在する左ガイドレールであり、前記第1のポケット凹部は第1の左ポケット凹部であり、
前記第1のバスケットは、前記第1のバスケットの前記右側において前記横方向に沿って長手方向に延在する右ガイドレールを有しており、前記右ガイドレールに第1の右ポケット凹部が形成されており、
前記第2のバスケットのローラーは、前記左ガイドレールに沿って回転可能な左側ローラーであり、前記第2のバスケットは、前記右ガイドレールに沿って回転可能であり、前記第1の右ポケット凹部内に受け入れられる右側ローラーを有する、
電気器具。
【請求項8】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記第1のバスケットは、前記第1のバスケットが前記収容室から完全に引き出された第1の引き出し位置に移動可能であり、
前記第2のバスケットは、前記第2のバスケットが前記収容室から完全に引き出された第2の引き出し位置に移動可能であり、
前記第3のバスケットは、前記第3のバスケットが前記収容室から完全に引き出された第3の引き出し位置に移動可能であり、
前記第1のバスケット、前記第2のバスケット、及び前記第3のバスケットのそれぞれが、前記第1の引き出し位置、前記第2の引き出し位置、及び前記第3の引き出し位置のそれぞれに位置しているときに、前記第1のバスケットは前記第2のバスケットの前方に位置し、前記第2のバスケットは前記第3のバスケットの前方に位置する、
電気器具。
【請求項9】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記電気器具に横方向が規定されており、
前記ドア、前記第1のバスケット、前記第2のバスケット、及び前記第3のバスケットは、前記横方向に沿って前方及び後方に移動可能であり、
前記第1のガイドレールに形成された前記第1のポケット凹部の横方向長さは、前記第2のバスケットのローラーの直径よりも短く、前記第2のガイドレールに形成された前記第2のポケット凹部の横方向長さは、前記第3のバスケットのローラーの直径よりも短い、
電気器具。
【請求項10】
請求項1に記載の電気器具であって、
前記電気器具は、冷蔵庫であり、
前記収容室は、冷凍室である、
電気器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスケードバスケットシステムを備えた電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気器具には、器具の収容庫または収容区画に物品を保管するためのバスケットシステムが含まれるものがある。たとえば、冷蔵庫には、冷凍室ドアからアクセスできる冷凍室が含まれている。ボトムマウント冷蔵庫の場合、冷凍室ドアを前方に引いたり、後方に押すことで、冷凍室に選択的にアクセスすることができる。場合によっては、複数のバスケットや受け皿を冷凍室内に上下に配置することができる。下部バスケットは、通常は冷凍室ドアに接続されており、冷凍室ドアを前方に引くことで、引き出される。
【0003】
しかしながら、冷凍室の下部バスケットの上方に配置された1つまたは複数のバスケットにはアクセスすることが難しい場合がある。例えば、下部バスケットの上方に配置されたバスケットを引き出すためには、ユーザーはかがんで冷凍室に手を伸ばし、バスケットをつかんで当該バスケットを前方に引くかスライドさせる必要がある。場合によっては、バスケットが食料品でいっぱいとなっており、ユーザーがバスケットを引くことが困難である場合もある。さらには、下部バスケットの上方に配置されたバスケットは、良好な視点から見ることが難しい場合があり、ユーザは、バスケットに入れられた食品自体やバスケットの存在自体を忘れることも生じうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、上述した1つまたは複数の課題に対処することができる改良されたバスケットシステムを備えた電気器具が有用である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施態様および特徴は、以下に部分的に説明され、あるいは、以下の説明から明らかとなり、あるいは、本発明の実施を通じて理解されうる。
【0006】
本発明の一形態では、電気器具が提供される。電気器具は、収容室が形成されたハウジングを備える。また、電気器具は、前記収容室への選択的なアクセスを行うために前方及び後方に移動可能なドアを備える。さらに、電気器具は、カスケードバスケットシステムを備える。カスケードバスケットシステムは、ドアに連結され、前記ドアと共に前方及び後方に移動可能であり、第1のポケット凹部が形成された第1のガイドレールを有する第1のバスケットを備える。さらに、カスケードバスケットシステムは、前方及び後方に移動可能であり、第2のポケット凹部が形成された第2のガイドレールを有し、前記第1のバスケットの前記第1のガイドレールに沿って移動して前記第1のポケット凹部内に受け入れられるローラーを有し、これにより、前記ドアが前方に移動するときに前記ドア及び前記第1のバスケットと共に第1の所定の距離だけ移動される第2のバスケットを備える。加えて、カスケードバスケットシステムは、前方及び後方に移動可能であり、前記第2のバスケットの前記第2のガイドレールに沿って移動して前記第2のポケット凹部内に受け入れられるローラーを有し、これにより、前記ドアが前方に移動するときに前記ドア、前記第1のバスケット、及び前記第2のバスケットと共に第2の所定の距離だけ移動される第3のバスケットを備える。
【0007】
本発明の他の形態では、電気器具が提供される。電気器具は、収容室が形成されたハウジングを備える。また、電気器具は、前記収容室への選択的なアクセスを行うために前方及び後方に移動可能なドアを備える。さらに、電気器具は、カスケードバスケットシステムを備える。カスケードバスケットシステムは、前記ドアに連結され、前記ドアと共に前方及び後方に移動可能であり、第1のローラー経路が形成された第1のガイドレールと、前記第1のローラー経路からオフセットされた突出リブと、を有する第1のバスケットを備える。さらに、カスケードバスケットシステムは、前方及び後方に移動可能である第2のバスケットを備える。そして、第2のバスケットは、前記第2のバスケットに第2のボスによって連結されたローラーを有し、前記第2のバスケットのローラーは、前記第1のガイドレールの前記第1のローラー経路に沿って回転可能であり、前記第2のバスケットの前記第2のボスは、前記第1の突出リブと係合するよう移動可能であり、これにより、前記第2のバスケットは、前記ドアが前方に移動するときに、前記ドア及び前記第1のバスケットと共に第1の所定の距離だけ移動される。
【0008】
本発明のさらに他の形態では、電気器具が提供される。電気器具は、収容室が形成されたハウジングを備える。また、電気器具は、前記収容室への選択的なアクセスを行うために前方及び後方に移動可能なドアを備える。さらに、電気器具は、カスケードバスケットシステムを備える。カスケードバスケットシステムは、前記ドアに連結され、前記ドアと共に前方及び後方に移動可能であり、第1の磁石と、第1のローラー経路が形成された第1のガイドレールと、を有する第1のバスケットを備える。加えて、カスケードバスケットシステムは、前方及び後方に移動可能な第2のバスケットを備える。そして、第2のバスケットは、前記第1のガイドレールの前記第1のローラー経路に沿って回転可能なローラーと、第2の磁石と、を有し、前記第1の磁石と前記第2の磁石とは、前記ドアが前方に移動したときに前記第2のバスケットが前方に移動するように、極性が反発するよう配置されている。
【0009】
本発明の上述した又は他の特徴や実施形態及び利点は、以下の記載や特許請求の範囲を参照することにより、より理解されうる。本発明の実施形態の一部を構成し組み込まれた図面は、本発明の実施形態を例示し、説明と共に、本発明の本質を説明する機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の完全かつ可能な開示は、その最良な形態を含み、当業者を対象として、添付の図を参照する明細書に記載されており、以下のとおりである。
【
図1】本発明の一実施形態における冷蔵庫正面斜視図を示す。
【
図2】
図1に開示した冷蔵庫の正面斜視図であり、カスケードバスケットシステムを示す。
【
図3】
図2に開示したカスケードバスケットシステムの左側面図を示す。
【
図4】
図2に開示したカスケードバスケットシステムの右側面図を示す。
【
図5】
図2に開示したカスケードバスケットシステムの第1のバスケットの斜視図を示す。
【
図6】
図5に開示した第1のバスケットの拡大斜視図を示す。
【
図7】
図2に開示したカスケードバスケットシステムの左側面図を示し、収容位置におけるシステムのバスケットを示す。
【
図8】
図2に開示したカスケードバスケットシステムの左側面図を示し、引き出されたときの、第2のバスケットに係合する第1のバスケットと、第3のバスケットに係合する第2のバスケットと、を示す。
【
図9】
図2に開示したカスケードバスケットシステムにおける、第1のバスケットのポケット凹部内に受け入れられた第2のバスケットのローラーを示す斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態における他のカスケードバスケットシステムの左側面図を示す。
【
図11】
図10に開示したカスケードバスケットシステムの右側面図を示す。
【
図12】本発明の一実施形態におけるさらに他のカスケードバスケットシステムの左側面図を示す。
【
図13】
図12に開示したカスケードバスケットシステムの右側面図を示す。
【
図14】
図12に開示したカスケードバスケットシステムにおける、他のバスケットの突出リブのポケット内に受け入れられたバスケットのボスを示す拡大斜視図である。
【
図15】本発明の一実施形態におけるさらに他のカスケードバスケットシステムの左側面図を示す。
【
図16】
図15に開示したカスケードバスケットシステムの右側面図を示す。
【
図17】
図15に開示したカスケードバスケットシステムの左側面図を示し、収容位置におけるバスケットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の1つまたは複数の例示を、図面に示して詳細に説明する。なお、各実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明の説明として提供されるものである。つまり、本発明の範囲又は思想から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変形を行うことができることは当業者にとって明らかである。例えば、ある実施形態の一部として図で表されたり記載された特徴は、他の実施形態で用いることができ、さらなる別の実施形態を生成することができる。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらと同等物の範囲内に入るような修正および変形を含むものとする。
【0012】
図1は、本発明における様々な特徴を含む電気器具の一例を示す斜視図である。特に、
図1は、冷蔵庫100の斜視図を示している。冷蔵庫100は、垂直方向Vに沿って上部101及び底面または底部102の間に延びるキャビネットまたはハウジング120を備える。ハウジング120はまた、水平方向Lに沿って第1の側面105及び第2の側面106の間に延び、さらに、横方向Tに沿って前部108及び後部110の間に延びて形成されている。この例では、第1の側面105は冷蔵庫100の左側であり、第2の側面106は冷蔵庫100の右側に位置することとする。垂直方向V、水平方向L、および横方向Tは、相互に垂直であり、直交方向システムを形成している。
【0013】
ハウジング120は、収容する食品を受け入れる冷却室を備えている。特に、冷蔵庫100は、冷蔵庫100の上部101に生鮮食品室122と、垂直方向Vに沿って生鮮食品室122の下、例えば冷蔵庫100の底部102に配置された冷凍室124と、を備えている。このため、冷蔵庫100は、一般的に、ボトムマウント冷蔵庫と呼ばれる。しかしながら、本願に開示される内容から、当業者は、本願開示の技術が、他のタイプの冷蔵庫(例えば、サイドバイサイドスタイルまたはトップマウントスタイル)または冷凍庫に使用され得ることを理解しうる。さらに、本願に開示される内容は、収容区画や収容庫を有するいかなる電気器具に用いられてもよい。従って、本願の以下に記載する内容は、例示のみを目的としており、実施形態において本願の特徴を限定することを意図するものではない。
【0014】
冷蔵室ドア126,128は、生鮮食品室122にアクセスするために、ハウジング120の端部に回転可能にヒンジで固定されている。特に、冷蔵室ドア126,128は、生鮮食品室122への選択的アクセスを可能なように、キャビネット120に回転可能に取り付けられている。冷凍室ドア130は、垂直方向Vに沿って冷蔵室ドア126,128の下に配置されている。冷凍室ドア130は、冷凍室124への選択的アクセスを可能とするように、前方及び後方に移動可能である。すなわち、冷凍室ドア130は、横方向Tに沿って前方及び後方に移動可能である。特に、冷凍室ドア130は、閉位置(
図1に示す)と開位置(
図2)との間で移動可能である。冷凍室ドア130を横方向Tに沿って前方に引っ張ると、当該冷凍室ドア130を閉位置から開位置に移動させることができ、冷凍室ドア130を横方向Tに沿って後方に押すと、当該冷凍室ドア130を開位置から閉位置に移動させることができる。従って、本実施形態では、冷凍室ドア130は、ハウジング120にスライド可能に取り付けられている。
【0015】
図2は、
図1に示した冷蔵庫100の正面斜視図を示しており、カスケードバスケットシステム200を図示している。
図2では、ハウジング120は、説明のために透明に図示されている。この図に示すように、カスケードバスケットシステム200は、冷凍室124内に収容する食品を保持するように、それぞれが移動可能な複数のバスケットを含む。本実施形態の場合、カスケードバスケットシステム200は、第1のバスケット210、第2のバスケット310、および第3のバスケット410を含む。第1のバスケット210は下部バスケットであり、第2のバスケット310は、垂直方向Vに沿って第1のバスケット210(下部バスケット)の上方に配置された中間バスケットであり、第3のバスケット410は、垂直方向Vに沿って第2のバスケット310(中間バスケット)の上方に配置された上部バスケットである。
【0016】
各バスケット210、310、410は、横方向Tに沿って前方及び後方に移動可能である。
図2において、前方方向は矢印Fで示され、後方方向は矢印Bで示されている。第1のバスケット210は、冷凍室ドア130に接続され、例えば、冷凍室ドア130が横方向Tに沿って前方に引っ張られるか後方に押されるときに、冷凍室ドア130と共に前方及び後方に移動するように動作可能である。冷凍室ドア130と第1のバスケット210が横方向Tに沿って一定の距離だけ前方に引っ張られるとき、第1のバスケット210は第2のバスケット310と係合する。第2のバスケット310は、第1のバスケット210と係合すると、冷凍室ドア130及び第1のバスケット210と共に、横方向Tに沿って前方に移動する。冷凍室ドア130、第1のバスケット210、及び第2のバスケット310が一定の距離だけ前方に移動した後、第2のバスケット310は、第3のバスケット410と係合する。第3のバスケット410は、第2のバスケット310と係合すると、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310と共に、横方向Tに沿って前方に移動する。従って、冷凍室ドア130が閉位置(
図1)から開位置(
図2)へと横方向Tに沿って前方に移動すると、第1、第2、および第3のバスケット210、310、410が一緒に単一のユニットとして、冷凍室ドア30の横移動の少なくとも一部に対応して前方に引っ張られる。
【0017】
冷凍室ドア130が横方向Tに沿ってさらに前方に引っ張られると、第3のバスケット410は、最終的に完全に引き出された位置まで前方に引っ張られる。第3のバスケット410が完全に引き引き出されると、第2のバスケット310は最終的に第3のバスケット410から外れ、最終的に第2のバスケット310が完全に引き出された位置まで前方に引っ張られるまで、横方向Tに沿って前方にスライドし続ける。第2のバスケット310が完全に引き出されると、第1のバスケット210は最終的に第2のバスケット310から外れ、最終的に第1のバスケット210が完全に引き出された位置に前方に引っ張られるまで、横方向Tに沿って冷凍室ドア130と共に前方にスライドし続ける。第1、第2、および第3のバスケット210、310、410のそれぞれが、それぞれの完全に引き出された位置にあるとき、第1のバスケット210は、例えば横方向Tに沿って、第2のバスケット310の前方に配置され、第2のバスケット310は、例えば横方向Tに沿って、第3のバスケット410の前方に配置される。このようにして、ユーザは、各バスケット210、310、410の内容物を同時に見ることができる。すなわち、バスケット210、310、410が完全に引き出された位置におけるカスケード配置は、バスケット210、310、410内の内容物を見るための優れた改良点となっている。さらに、バスケット210、310、410は、単一のユニットとして引き出されるので、ユーザは、バスケットを直接物理的に引っ張ることなく、冷凍室ドア130を引っ張ることで、バスケット210、310、410内のすべての内容物を見ることができる。
【0018】
バスケット210、310、410を冷凍室124内のそれぞれの収容位置に戻すためには、冷凍室ドア130を押すか、あるいは横方向Tに沿って後方に移動させる。これにより、冷凍室ドア130は、各バスケット210、310、410の前方部分と係合し、バスケット210、310、410を冷凍室124内のそれぞれの収容位置に移動させる。
【0019】
図3及び
図4は、
図2に示すカスケードバスケットシステム200の左側面図及び右側面図である。これらの図は、バスケット210、310、410が上記のように単一のユニットとして前方に引かれて引き出されることができるように、横方向に沿って前方移動するバスケット210、310、410の係合を容易にするためのカスケードバスケットシステム200の様々な特徴を示している。
【0020】
図に示すように、第1のバスケット210は、例えば横方向Tに沿って前部212と後部214との間、および、例えば、水平方向Lに沿って左側216(
図3)および右側218(
図4)との間で延在している。第1のバスケット210は、例えば1つまたは複数のブラケットアセンブリを介して、前部212で冷凍室ドア130に連結されている。また、第1のバスケット210は、例えば垂直方向Vに沿って、上部220と下部222との間に延在している。同様に、第2のバスケット310は、例えば横方向Tに沿って、前部312と後部314との間に延在し、例えば水平方向Lに沿って、左側316(
図3)と右側318(
図4)との間に延在している。また、第2のバスケット310は、例えば、垂直方向Vに沿って、上部320と下部322との間に延在している。さらに、第3のバスケット410は、例えば横方向Tに沿って、前部412と後部414との間に延在し、例えば、水平方向Lに沿って左側416(
図3)と右側418(
図4)との間に延在している。また、第3のバスケット410は、例えば垂直方向Vに沿って、上部420と下部422との間に延在している。
【0021】
図5は、カスケードバスケットシステム200の第1のバスケット210の斜視図を示す。この図に示すように、第1のバスケット210は、前壁224、横方向Tに沿って前壁224から離間する後壁226、左側216で前壁224と後壁226との間に延在してそれらを連結する左側壁228、および、右側218で前壁224と後壁226との間に延在してそれらを連結する右側壁230、を有している。左側壁228は、水平方向Lに沿って右側壁230から離間している。
【0022】
第1のバスケット210は、第1のバスケット210の左側216で、例えば左側壁228の上部に沿って、横方向Tに沿って長手方向に延びる第1の左ガイドレール232を有する。第1の左ガイドレール232は、第2のバスケット310のローラーが、第1の左ガイドレール232に沿って転がることができるローラー経路を規定する。さらに、第1のバスケット210は、第1のバスケット210の右側218で、例えば右側壁230の上部に沿って、横方向Tに沿って長手方向に延びる第1の右ガイドレール234を有する。第1の右ガイドレール234は、第2のバスケット310のローラーが、第1の右ガイドレール234に沿って転がることができるローラー経路を規定する。特に、第1のバスケット210の第1の左ガイドレール232および第1の右ガイドレール234には、それぞれポケット凹部が形成されている。特に、左ガイドレール232は、第1の左ポケット凹部236を有しており、右ガイドレール234は、第1の右ポケット凹部238を有している。以下に説明するように、第2のバスケット310(
図3および4)のローラーは、冷凍室ドア130が横方向Tに沿って前方に移動するときに、第2のバスケット310が冷凍室ドア130および第1のバスケット210と一緒に第1の所定の距離を移動するように、第1のポケット凹部236,238内に受け入れられる。
【0023】
図6は、第1のバスケット210の拡大斜視図を示し、より具体的に、
図6は、第1の右ガイドレール234に設けられた第1の右ポケット凹部238の拡大図を示す。
図6に示すように、第1の右ガイドレール234はローラー表面240を有しており、当該ローラー表面240に沿ってローラーが転がることができる。また、第1の右ガイドレール234は、ローラーがローラー表面240から外れたり脱線したりすることを防止するための対向リム242,244も有している。ローラー表面240は、垂直方向Vに沿って、対向リム242,244の上端に対して凹んで形成されている。ローラー表面240および対向リム242,244は、協働してローラー経路を形成している。第1の左ガイドレール232(
図5)は、上述した第1の右ガイドレール234と同様に構成される。
【0024】
さらに、図示するように、第1の右ポケット凹部238は、通常、第1の右ガイドレール234のローラー表面240に、長方形の切除部として形成される。本実施形態では、第1の右ポケット凹部238は、第1の右ガイドレール234の前部に形成されている。第1の右ポケット凹部238は、切除部の中にローラーの少なくとも一部を受け入れるようなサイズに形成されている。特に、第1の右ガイドレール234に形成される第1の右ポケット凹部238は、第2のバスケット310の前部右ローラー352(
図9)の直径D1(
図9)よりも短い横方向長さL1を有する。これにより、第2のバスケット310の前部右ローラー352が第1の右ポケット凹部238内に落ちるまたは受け入れられるときに、前部右ローラー352は、第1の右ポケット凹部238を通過して落下することはない。前部右ローラー352が第1の右ポケット凹部238内に落ちるまたは受け入れる深さ、及び、その後ローラーをポケット凹部から移動させるまたは脱出するために必要な力は、ポケット凹部の横方向に沿った長さL1およびローラーの直径によって設定することができる。第1の左ポケット凹部236(
図5)は、上述した第1の右ポケット凹部238と同様に構成される。
【0025】
ここで、
図3および
図4に戻る。第2のバスケット310は、前壁324と、横方向Tに沿って前壁324から離間する後壁326と、左側316で前壁324及び後壁326の間に延在してそれらを連結する左側壁328(
図3)と、右側318で前壁324及び後壁326の間に延在してそれらを連結する右側壁330(
図4)と、を有する。左側壁328は、水平方向Lに沿って右側壁330から離間している。
【0026】
第2のバスケット310は、複数のローラーを有する。特に、第2のバスケット310は、前部左ローラー350(
図3)と、前部右ローラー352(
図4)と、後部左ローラー354(
図3)と、後部右ローラー356(
図4)と、を有する。前部左ローラー350は、横方向Tに沿って後部左ローラー354の前方に配置され、前部右ローラー352は、横方向Tに沿って後部右ローラー356の前方に配置されている。さらに、前部左ローラー350は、横方向Tにおいて前部右ローラー352と位置合わせされて配置されており、後部左ローラー354は、横方向Tにおいて後部右ローラー356と位置合わせされて配置されている。また、前部左ローラー350は、水平方向Lにおいて後部左ローラー354と位置合わせされて配置されており、前部右ローラー352は、水平方向Lにおいて後部右ローラー356と位置合わせされて配置されている。後部左ローラー354及び後部右ローラー356は、第2のバスケット310の上部320と下部322との間のほぼ中間に配置されている。また、
図3および
図4に示すように、左側316および右側318における第2のバスケット310の後部314に、ストッパー358が配置されている。ストッパー358は、例えば、第2のバスケット310の横方向の移動を抑制したり、第2のバスケット310が冷凍室124(
図2)内の収容位置に移動されたときに、第2のバスケット310がハウジング120の後壁を損傷させることを防ぐために、ハウジング120(
図2)のライナーによって規定されたそれぞれのガイドレールに係合している。
【0027】
後部左ローラー354および後部右ローラー356は、第2のバスケット310がハウジング120(
図2)に対してスライド可能なよう連結する。例えば、後部左ローラー354および後部右ローラー356は、ハウジング120のライナーによって規定されたガイドレールに沿って移動することができる。前部左ローラー350は、第1のバスケット210の第1の左ガイドレール232に沿って転がるように動作可能であり、前部右ローラー352は、第1のバスケット210の第1の右ガイドレール234に沿って転がるように動作可能である。特に、前部左ローラー350は、第1の左ポケット凹部236内に受け入れられ、前部右ローラー352は、第1の右ポケット凹部238内に受け入れられることで、冷凍室ドア130および第1のバスケット210が横方向Tに沿って前方に移動されたときに、第2のバスケット310が、冷凍室ドア130および第1のバスケット210と共に、第1の予め設定された距離だけ移動する。
【0028】
第1のバスケット210と同様に、第2のバスケット310はガイドレールを有する。特に、第2のバスケット310は、第2の左ポケット凹部336が形成された第2の左ガイドレール332と、第2の右ポケット凹部338が形成された第2の右ガイドレール334と、を有する。第2の左ガイドレール332および第2の右ガイドレール334は、第2のバスケット310の前部312と後部314との間のほぼ中間点に上記各ポケット凹部336,338が形成されていることを除いて、第1のバスケット210の第1の左ガイドレール232および第1の右ガイドレール234と同様に構成されている。さらに、特に、第2の左ポケット凹部336は、横方向Tに沿って、第2の左ガイドレール332の前部左ローラー350と後部左ローラー354との間に形成され、第2の右ポケット凹部338は、横方向Tに沿って、第2の右ガイドレール334の前部右ローラー352と後部右ローラー356との間に形成される。このように第2の左ポケット凹部336及び第2の右ポケット凹部338が形成されることで、第2のバスケット310に対する安定性が向上する。
【0029】
さらに、第2の左ポケット凹部336及び第2の右ポケット凹部338は、それぞれその中にローラーの少なくとも一部を受け入れ可能なサイズに形成されている。特に、第2の左ポケット凹部336及び第2の右ポケット凹部338は、それぞれその中に受け入れる第3のバスケット410のローラーの直径よりも短い横方向の長さL1を有する。このようにして、第3のバスケット410のローラーがそれぞれのポケット凹部336,338内に落ちるまたは受け入れられるときに、ローラーが当該ポケット凹部336,338を通過して落下しないこととなる。
【0030】
図3及び
図4に示すように、第3のバスケット410は、前壁424と、横方向Tに沿って前壁424から離間した後壁426と、左側416で前壁424と後壁426との間に延在してそれらを連結する左側壁428と、右側418で前壁424と後壁426との間に延在してそれらを連結する右側壁430と、を有する。さらに、本実施形態では、第3のバスケット410は、スライドアセンブリ470を介してハウジング120(
図2)に対して移動可能なよう連結される。特に、第3のバスケット410は、第3のバスケット410の左側416の左側スライド472および右側418の右側スライド474によって、ハウジング120とスライド可能に連結されている。左側スライド472は、冷蔵庫100(
図1)の第1の側面105(例えば、左側)でハウジング120のライナーに連結し、右側スライド474は、冷蔵庫100の第2の側面106(例えば、右側)でハウジング120のライナーに連結する。スライドアセンブリ470は、第3のバスケット410の前方および後方への移動を容易にし、その方向の移動中に、第3のバスケット410を水平面(つまり、垂直方向Vに直交する面)で維持する。
【0031】
また、第3のバスケット410は、複数のローラーを有する。特に、本実施形態では、第3のバスケット410は、前部左ローラー450(
図3)および前部右ローラー452(
図4)を有する。前部左ローラー450は、第2バスケット310の第2の左ガイドレール332のローラー表面に沿って転がるように動作可能であり、前部右ローラー452は、第2バスケット310の第2の右ガイドレール334のローラー表面に沿って転がるように動作可能である。特に、前部左ローラー450は、第2の左ポケット凹部336内に受け入れられ、前部右ローラー452は、第2の右ポケット凹部338内に受け入れられることで、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310が横方向Tに沿って前方に移動されたときに、第3バスケット410が、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310と共に移動する。
【0032】
さらに、本実施形態で、前部左ローラー450は、第2のバスケット310の第2の左ガイドレール332に接触するよう付勢されるバネ式ローラーであり、前部右ローラー452は、第2のバスケット310の第2の右ガイドレール334に接触するよう付勢されるバネ式ローラーである。特に、前壁424に形成された領域に収容されたバネは、前部左ローラー450を第2の左ガイドレール332に対して付勢することができ、前壁424に形成された領域に収容されるバネは、前部右ローラー452を第2の右ガイドレール334に対して付勢することができる。バネ式ローラー450,452は、第3のバスケット410と第2のバスケット310との間の垂直方向の高さの変化を生じさせる。すなわち、第2のバスケット310が横方向Tに沿って移動するとき、特に第2のバスケット310が前方に移動するときには、第2のバスケット310の前部312は、垂直方向Vにおいて下向きに傾く。第3のバスケット410は、スライドアセンブリ470を介してハウジング120(
図2)とスライド可能に連結されており、水平に移動するため、第3のバスケット410と第2のバスケット310との間の垂直方向の距離は、横方向Tにわたって変化しうる。従って、バネ式ローラー450,452は、垂直方向における高さの変化を生じさせ、バスケット310,410の横方向の移動中に、各ローラー450,452と各ガイドレール332,334との間で継続的な接触が実現されることを確実にしている。
【0033】
ここで、主に
図3,4,7,8を参照して説明する。カスケードバスケットシステム200は、横方向Tに沿って単一のユニットとして前方に移動し、以下に示す方法でカスケード配置で引き出される。
図7は、カスケードバスケットシステム200の左側面図を示し、冷凍室124(
図2)内のそれぞれの収容位置における各バスケット210,310,410を示している。各バスケット210,310,410のそれぞれの収納位置からの引き出しを開始するために、冷凍室ドア130は、その閉位置(
図1)から前方に動かされる(例えば、引き出される)。第1のバスケット210が冷凍室ドア130に連結しているので(例えば、1つまたは複数のブラケットアセンブリを介して)、第1のバスケット210は、横方向Tに沿って冷凍室ドア130と共に前方に移動する。前方方向は、
図7,8において「F」と表示した矢印で示す。
【0034】
第1のバスケット210および冷凍室ドア130が横方向Tに沿って短い距離だけ前方に動かされた後に、第1のバスケット210および第2のバスケット310が係合する。すなわち、第2のバスケット310の前部左ローラー350は、第1の左ガイドレール232に形成された第1の左ポケット凹部236に落下あるいは受け入れられ、同時に、第2のバスケット310の前部右ローラー352(
図4)が、第1の右ガイドレール234(
図4)に形成された第1の右ポケット凹部238(
図4)に落下あるいは受け入れられる。例えば、
図9は、第1のバスケット210の第1の右ポケット凹部238内に受け入れられた第2のバスケット310の前部右ローラー352の状況を示す斜視図である。この図に示すように、前部右ローラー352が第1の右ポケット凹部238に受け入れられると、前部右ローラー352は垂直方向Vに沿って下方に移動し、第1の右ポケット凹部238の前端及び後端がローラー表面240と係合し、前部右ローラー352の一部のみが第1の右ポケット凹部238内に受け入れられる。同様に、前部左ローラー350は、第1の左ポケット凹部236内に受け入れられる。各ローラー350,352がそれぞれのポケット凹部236,238に落下すると、第1のバスケット210が第2のバスケット310と係合し、その結果、冷凍室ドア130が横方向Tに沿って前方に移動すると、第2のバスケット310が冷凍室ドア130および第1のバスケット210と一緒に第1の予め設定された距離だけ移動される。
【0035】
冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310が横方向Tに沿って前方に移動すると、第2のバスケット310および第3のバスケット410が係合する。より具体的には、
図8のカスケードバスケットシステム200の左側面図に示すように、第1のバスケット210が第2のバスケット310と係合し、第2のバスケット310が第3のバスケット410と係合する。図示するように、第2のバスケット310と第3のバスケット410が係合されると、第3のバスケット410の左ローラー450は、第2の左ガイドレール332に形成された第2の左ポケット凹部336内に落下するか受け入れられる。同時に、第3のバスケット410の右ローラー452(
図4)は、第2の右ガイドレール334(
図4)に形成された第2の右ポケット凹部338(
図4)内に落下するか受け入れられる。左ローラー450および右ローラー452は、上述したようにローラー350,352が各ポケット凹部236,238内に受け入れられることと同様の方法で、それぞれのポケット凹部336、338内に受け入れられる。ローラー450,452がそれぞれの凹部336,338に落下すると、第2のバスケット310は第3のバスケット410と係合し、その結果、冷凍室ドア130が横方向Tに沿って前方に移動されたときに、第3のバスケット410は、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310と共に第2の予め設定された距離だけ移動する。
【0036】
冷凍室ドア130が横方向Tに沿ってさらに前方に引っ張られると、第3のバスケット410は、最終的に第2のバスケット310から外れる。すなわち、第3のバスケット410が完全に引き出された位置まで前方に引っ張られると、左ローラー450および右ローラー452は、それぞれのポケット凹部336,338から外れる。従って、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310は、第3のバスケット410が係合していない状態で、横方向Tに沿って一緒に前方に移動し続ける。冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310が、第3のバスケット410に対して前方に移動されるときに、左ローラー450および右ローラー452は、各ポケット凹部336,338から外れて各ガイドレール332、334のローラー表面に沿って転がり続けることとなる。
【0037】
冷凍室ドア130が横方向Tに沿ってさらに前方に引っ張られると、第2のバスケット310は、最終的に第1のバスケット210から外れる。第2のバスケット310が完全に引き出された位置まで前方に引っ張られるときに、前部左ローラー350および前部右ローラー352が各ポケット凹部236,238から外れ、第2のバスケット310が第1のバスケット210から外れる。従って、冷凍室ドア130および第1のバスケット210は、第2のバスケット310または第3のバスケット410が係合していない状態で、横方向Tに沿って共に前方に移動し続ける。冷凍室ドア130および第1のバスケット210が第2のバスケット310に対して前方に移動するときに、左ローラー350および右ローラー352は、各ポケット凹部236,238から外れ、各ガイドレール232,234のローラー表面に沿って転がり続けることとなる。
【0038】
冷凍室ドア130は、最終的に第1のバスケット210が完全に引き出された位置へと前方に引っ張られるまで、横方向Tに沿ってさらに前方に移動される。例えば、
図3および
図4に示されるように、第1、第2、および第3のバスケット210,310,410がカスケード配置でそれぞれ完全に引き出された位置にある状態で、ユーザは、各バスケット210,310,410の内容物を同時に見ることができる。さらに、バスケット210,310,410は単一のユニットとして引き出されるので、ユーザは、バスケットを直接物理的に引っ張る必要なしに、冷凍室ドア130を引っ張って、バスケット210,310,410内のすべての内容物を見ることができる。
【0039】
図3および
図4を参照すると、他の実施形態において、バスケット210,310,410が互いに独立して横方向Tに沿って前方または後方に移動できるように、カスケードバスケットシステム200のカスケード機構を、削除したり、機能を不能にすることができる。例えば、ある実施形態では、第3のバスケット410のカスケード機構を機能不能にすることができる。この場合、バネ式ローラー450,452は、バネ式ローラー450,452がそれぞれ第2のポケット凹部336,338に受け入れらないように、離間した位置で固定可能である。すなわち、ばねの張力を変更して、ローラー450,452を垂直方向Vに沿ってわずかに上方に移動させ、当該ローラ450,452がポケット凹部336,338に係合しないようにすることができる。従って、第2のバスケット310が第1のバスケット210および冷凍室ドア130と共に前方に移動されるときは、第3のバスケット410は第2のバスケット310と係合せず、つまり第3のバスケット410は冷凍室ドア130および他のバスケット210,310とは独立して、収容位置に留まることができる。
【0040】
さらに、他の実施形態では、カスケードバスケットシステム200のカスケード機構のすべてを機能不能にすることができる。例えば、ある実施形態では、第1のバスケット210は、第1の左ポケット凹部カバー260(
図3)および第1の右ポケット凹部カバー262(
図4)を備える。第1の左ポケット凹部カバー260および第1の右ポケット凹部カバー262は、それぞれが各第1のポケット凹部236,238を選択的に覆うことができるように移動可能である。例えば、第1の左ポケット凹部カバー260は、カバー位置と非カバー位置との間で移動可能である。カバー位置では、第1の左ポケット凹部カバー260は、第1の左ポケット凹部236を覆い、第2のバスケット310の前部左ローラー350が第1の左ポケット凹部236内に受け入れられないようにする。特に、第1の左ポケット凹部カバー260は、横方向Tに沿って前方にスライドさせて、第1の左ポケット凹部236を覆うことができる。このようにして、前部左ローラー350は、第1の左ポケット凹部236と係合する代わりに、第1の左ポケット凹部カバー260上を転がる。従って、カスケード機構は機能しないことととなる。また、非カバー位置では、第1の左ポケット凹部カバー260は、第1の左ポケット凹部236をカバーせず、その結果、前部左ローラー350は、第1の左ポケット凹部236内で受け入れられる。従って、カスケード機構は機能することとなる。
【0041】
同様に、第1の右ポケット凹部カバー262は、カバー位置と非カバー位置との間で移動可能である。カバー位置では、第1の右ポケット凹部カバー262は、第1の右ポケット凹部238を覆い、第2のバスケット310の前部右ローラー352が第1の右ポケット凹部238内に受け入れられないようにする。特に、第1の右ポケット凹部カバー262は、横方向Tに沿って前方にスライドさせて、第1の右ポケット凹部238を覆うことができる。このようにして、前部右ローラー352は、第1の右ポケット凹部238と係合する代わりに、第1の右ポケット凹部カバー262上を転がることとなる。従って、カスケード機構は機能しないこととなる。また、非カバー位置では、第1の右ポケット凹部カバー262は、第1の右ポケット凹部238をカバーせず、その結果、前部右ローラー352は、第1の右ポケット凹部238内で受け入れられる。従って、カスケード機構は機能することとなる。
【0042】
他の実施形態では、第2のバスケット310は、第2の左ポケット凹部カバー360(
図3)および第2の右ポケット凹部カバー362(
図4)を備える。第2の左ポケット凹部カバー360および第2の右ポケット凹部カバー362は、それらが各第2のポケット凹部336,338を選択的に覆うことができるように移動可能である。特に、第1の左ポケット凹部カバー260が第1の左ポケット凹部236を選択的にカバーできるのと同様に、第2の左ポケット凹部カバー360は第2の左ポケット凹部336を選択的にカバーでき、第1の右ポケット凹部カバー262が第1の右ポケット凹部238を選択的に覆うことができるのと同様に、第2の右ポケット凹部カバー362は第2の右ポケット凹部338を選択的にカバーできる。このようにして、第2のバスケット310と第3のバスケット410との間のカスケード機構は、例えば、ユーザの選択により、機能可能または機能不能にすることができる。
【0043】
図10及び
図11は、他の実施形態におけるカスケードバスケットシステム200の概略図を示す。特に、
図10は、カスケードバスケットシステム200の左側面図を示し、
図11は、
図10に示すカスケードバスケットシステム200の右側面図を示す。
図10及び
図11に示すカスケードバスケットシステム200は、以下に説明する構成を除き、
図3乃至
図9に示すカスケードバスケットシステムと同様に構成されている。
【0044】
図10および
図11に示すように、第3のバスケット410がハウジング120(
図2)と動作可能なよう係合するスライドアセンブリ170(
図3及び
図4)の代わりに、本実施形態の第3のバスケット410は、1つ以上のローラを介してハウジング120に連結されている。特に、本実施形態では、第3のバスケット410は、(図示するようにばね荷重をかける必要がない)左ローラー450および右ローラー452に加えて、後部左ローラー454(
図10)および後部右ローラー456(
図11)を備えている。左ローラー450は、横方向Tに沿って後部左ローラー454の前方に配置され、右ローラー452は、横方向Tに沿って後部右ローラー456の前方に配置される。さらに、左ローラー450は、横方向Tにおいて右ローラー452と位置合わせされて配置されており、後部左ローラー454は、横方向Tにおいて後部右ローラー456と位置合わせされ配置されている。また、左ローラー450は、水平方向Lにおいて後部左ローラー454と位置合わせされ配置されており、右ローラー452は、水平方向Lにおいて後部右ローラー456と位置合わせされ配置されている。後部の左右のローラー454,456は、第3のバスケット410の上部420と下部422との間のほぼ中間に配置される。さらに、
図10および
図11に示すように、ストッパー458は、第3のバスケット410の左側416および右側418の後部414に配置される。ストッパー458は、例えば、第3のバスケット410の横方向の移動を制限したり、また、第3のバスケット410が冷凍室124(
図2)内の収容位置に移動されたときに第3のバスケット410がハウジング120の後壁を損傷することを防ぐために、ハウジング120(
図2)のライナーによって規定されたそれぞれのガイドレールに引っ掛かる。後部左ローラー454および後部右ローラー456は、第3のバスケット410をハウジング120とスライド可能に結合する(
図2)。例えば、後部左ローラー454および後部右ローラー456は、ハウジング120のライナーによって規定されたガイドレールに沿って移動することができる。
【0045】
図12,13,14は、本発明のさらに他の実施形態におけるカスケードバスケットシステム200の構成を示す図である。特に、
図12は、カスケードバスケットシステム200の左側面図を示し、
図13は、
図12のカスケードバスケットシステム200の右側面図を示す。
図14は、
図12および
図13のカスケードバスケットシステム200の第2のバスケット310の突出リブによって受け入れられる第1のバスケット210のボスの拡大斜視図である。
図12,13,14に示すカスケードバスケットシステム200は、以下に説明する構成を除き、
図3乃至
図9に示すカスケードバスケットシステムと同様に構成されている。
【0046】
図12及び
図13に示すように、ガイドレール232,234,332,334に形成されるポケット凹部に替えて、本実施形態では、第1のバスケット210の第1の左ガイドレール232は左突出リブ280(
図12)を有し、第1のバスケット210の第1の右ガイドレール234は右突出リブ282(
図13)を有する。さらに、第2のバスケット310の第2の左ガイドレール332は左突出リブ380(
図12)を有し、第2のバスケット310の第2の右ガイドレール334は、右突出リブ382(
図13)を有する。上述したように、第1の左ガイドレール232、第1の右ガイドレール234、第2の左ガイドレール332、および第2の右ガイドレール334は、ローラーが転がることでバスケット210,310,410を横方向Tに沿って前後方向にスライドさせるローラー経路を規定している。特に、左突出リブ280は、第1の左ガイドレール232によって規定されるローラー経路233(
図12)からずらして形成されており、右突出リブ282は、第1の右ガイドレール234によって規定されるローラー経路235(
図13)からずらして形成されている。左突出リブ380は、第2の左ガイドレール332によって規定されるローラー経路333(
図12)からずらして形成されており、右突出リブ382は、第2の右ガイドレール334によって規定されるローラー経路335(
図13)からずらして形成されている。例えば、各突出リブ280,282,380,382は、水平方向Lに沿ってそれぞれのローラー経路233,235,333,335からずらして形成されておりオフセットされている。具体例を以下に示します。
【0047】
図14に示すように、第1の右突出リブ282は、第1の右ガイドレール234のローラー表面240から鉛直方向Vに沿って上方に突出している。この例では、第1の右突出リブ282は、ローラー経路235の水平方向内側にオフセットされている。すなわち、第1の右突出リブ282は、第2のバスケット310と、第1の右ガイドレール234によって規定されるローラー経路235と、の間に水平方向Lに沿って配置される。第1の右突出リブ282は、第1の右突出リブ282の頂点288で連結された曲面286及び傾斜面284を有する。さらに、第1の右突出リブ282および第1の右ガイドレール234のストッパー246は、以下に説明するようにボスが受け入れられるポケット248を規定している。
図14には図示していないが、第1の左突出リブ280は、第1の右突出リブ282と同様に構成することができる。さらに、第2の左突出リブ380および第2の右突出リブ382は、当該第2の突出リブ380、382がストッパーの代わりにそれぞれの前方端に傾斜部を有することを除いて、第1の右突出リブ282と同様に構成することができる。さらに、第2の突出リブ380,382は、それぞれ横方向Tに沿って、第2のバスケット310の横方向の中間点と後部ローラー354,356との間に配置される。
【0048】
さらに
図14に示すように、前部右ローラー352は、第2の右ボス388によって第2のバスケット310に連結されている。第2の右ボス388は、水平方向Lに沿って右側壁330から外側に延設あるいは突出している。前部右ローラー352は、第2の右ボス388の先端部に連結されている。上述したように、前部右ローラー352は、第1の右ガイドレール234のローラー経路235に沿って、例えば、ローラー表面240に沿って転がるように動作可能である。
図14には図示していないが、前部左ローラー350は、第2の左ボス386(
図12)によって第2のバスケット310に連結されている。第2の左ボス386は、水平方向Lに沿って左側壁328から外向きに、例えば、水平方向Lに沿って第2の右ボス388とは反対の方向に、延設あるいは突出している。前部左ローラー350は、第2の左ボス386の先端部に連結されている。上述したように、前部左ローラー350は、第1の左ガイドレール232のローラー経路233に沿って、例えば、そのローラー表面に沿って転がるように動作可能である。さらに、
図14には図示していないが、前部左ローラー350が第2の左ボス386によって第2のバスケット310に連結されることと同様の方法で、前部左ローラー450は第3の左ボス486(
図12)によって第3のバスケット410に連結され、前部右ローラー352が第2の右ボス388によって第2のバスケット310に連結されることと同様の方法で、前部右ローラー452は第3の右ボス488(
図13)によって第3のバスケット410に連結される。
【0049】
この実施形態では、冷凍室ドア130(
図13および14)が第1のバスケット210と共に横方向Tに沿って前方に移動されると、第2のバスケット310の第2の左ボス386は、第1の左突出リブ280と係合するように動作し、第2のバスケット310の第2の右ボス388は、第1の右突出リブ282と係合するように動作しうる。これにより、冷凍室ドア130が横方向Tに沿って前方に移動すると、第2のバスケット310は、冷凍室ドア130及び第1のバスケット210と共に第1の所定の距離だけ移動する。また、冷凍室ドア130が第1のバスケット210及び第2のバスケット310と共に横方向Tに沿って前方に移動すると、第3のバスケット410の第3の左ボス486が第2の左突出リブ380と係合するように動作し、第3のバスケット410の第3の右ボス488が第2の右突出リブ382と係合するように動作しうる。これにより、冷凍室ドア130が横方向Tに沿って前方に移動すると、第3のバスケット410は、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、及び第2のバスケット310と共に、第2の所定の距離だけ移動する。
【0050】
他の実施形態では、バスケット210,310,410がそれぞれの収容位置にあるとき、第2の左ボス386および第2の右ボス388は、各第1の突出リブ280,282のポケット内に固定あるいは係合されている。冷凍室ドア130が横方向Tに沿って前方に移動すると、第1のバスケット210および第2のバスケット310は、第1の所定の距離だけ、横方向Tに沿って冷凍室ドア130と共に移動する。第2のバスケット310が最終的に第1のバスケット210から外れると、第2のバスケット310の第2の左ボス386および第2の右ボス388は、それぞれ第1の突出リブ280,282の曲面に沿って垂直方向Vに沿って上方にスライドし、その後徐々に第1の突出リブ280,282の傾斜面に沿って垂直方向Vに沿って下向きに下がる。ボス386,388の上下の動きとそれによる第3のバスケット410の傾きは、第1のバスケット210および第2のバスケット310が取り外されたというフィードバックをユーザに提供する。さらに、突出リブ280,282の傾斜面は、ユーザに滑らかで緩やかな感触を提供する。
【0051】
同様に、冷凍室ドア130が、第1のバスケット210および第2のバスケット310と共に横方向Tに沿ってさらに前方に移動されると、第3のバスケット410の第3の左ボス486および第3の右ボス488は、それぞれ第2の突出リブ380,382と係合し、特に、各ボス486,488は、各第2の突出リブ380,382の前側の傾斜面と係合する。これにより、ボス486,488は、垂直方向Vに沿って上方に移動して、第2の突出リブ380,382それぞれの曲面に沿ってスライドし、当該第2の突出リブ380,382それぞれの頂点を越えた後に各ポケット内に移動する。このようにして、第3のバスケット410と第2のバスケット310が係合しているというフィードバックがユーザーに提供される。
【0052】
第3のバスケット410が最終的に第2のバスケット310から外れると、第3のバスケット410の第3の左ボス486および第3の右ボス488は、それぞれ第2の突出リブ380,382の曲面に沿って垂直方向Vに沿って上方にスライドし、その後徐々にそれぞれ第2の突出リブ380,382の傾斜面に沿って垂直方向Vに沿って下向きに下がる。ボス486,488の上下の動きは、第3のバスケット410および第2のバスケット310が取り外されたというフィードバックをユーザに提供する。さらに、突出リブ380,382の傾斜面は、ユーザに滑らかで緩やかな感触を提供する。
【0053】
図15及び
図16は、本発明の他の実施形態におけるカスケードバスケットシステム200を示す図である。特に、
図15は、本発明の本実施形態におけるカスケードバスケットシステムの左側面図を示し、
図16は、
図15に示すカスケードバスケットシステムの右側面図である。
図17は、
図15に示すカスケードバスケットシステムの左側面図であり、収容位置に収納されているバスケットを示している。
図15,16,17に示すカスケードバスケットシステム200は、以下に説明する構成を除き、
図3乃至
図9に示すカスケードバスケットシステムと同様に構成されている。
【0054】
図15および
図16に示すように、本実施形態では、第1のバスケット210は、第1の左磁石290(
図15)および第1の右磁石292(
図16)を有する。第1の左磁石290は、第1のバスケット210の左側壁228に取り付けられるか埋め込められ、第1の右磁石292は、第1のバスケット210の右側壁230に取り付けられるか埋め込められる。第1の左右の磁石290,292は、第1のバスケット210の上部220の位置、又は、当該上部220に隣接する位置に配置され、かつ、第1のバスケット210の後部214の位置、又は、当該後部214に隣接する位置に配置される。また、第2のバスケット310は、第2の左磁石390(
図15)および第2の右磁石392(
図16)を有する。第2の左磁石390は、第2のバスケット310の左側壁328に取り付けられるか埋め込められ、第2の右磁石392は、第2のバスケット310の右側壁330に取り付けられるか埋め込められる。また、第3バスケット410は、第3左磁石490(
図15)および第3右磁石492(
図16)を有する。第3の左磁石490は、第3のバスケット410の左側壁428に取り付けられるか埋め込められ、第3の右磁石492は、第3のバスケット410の右側壁430に取り付けられるか、または埋め込められる。第3の左右の磁石490,492は、第3のバスケット410の底部422の位置、又は、当該底部422に隣接する位置に配置され、かつ、第3のバスケット410の前部412の位置、又は、当該前部412に隣接する位置に配置される。
【0055】
特に、第1の左磁石290および第2の左磁石390は、第1の左磁石290および第2の左磁石390の極性が反発するよう配置されている。同様に、第1の右磁石292および第2の右磁石392は、第1の右磁石292および第2の右磁石392の極性が反発する配置されている。例えば、
図15に示すように、第1の左磁石290および第2の左磁石390は、磁石の負極(
図15では負の符号「-」で示される)が互いに対向するように配置される。また、
図16に示すように、第1の右磁石292および第2の右磁石392は、磁石の負極(
図16では負の符号「-」で示される)が互いに対向するように配置されている。
【0056】
同様に、第2の左磁石390および第3の左磁石490は、第2の左磁石390および第3の左磁石490の極性が反発するよう配置されている。また、同様に、第2の右磁石392および第3の右磁石492は、第2の右磁石492および第3の右磁石492の極性が反発するよう配置されている。例えば、
図15に示すように、第2の左磁石390および第3の左磁石490は、磁石の正極(
図15では正極「+」で示される)が互いに対向するように配置される。また、
図16に示すように、第2の右磁石392および第3の右磁石492は、磁石の正極(
図16では正極「+」で示される)が互いに対向するように配置される。さらに、
図17に示すように、第1のバスケット210、第2のバスケット310、および第3のバスケット410が、冷凍室124内の収容位置に配置される場合(
図2)、横方向に沿って、第3の磁石490は第2の磁石390の前方の位置に配置され、第2の磁石390は第1の磁石290の前方の位置に配置される。
【0057】
したがって、
図15および
図16に示すように、冷凍室ドア130および第1のバスケット210が横方向Tに沿って一緒に前方に移動されると、第1の磁石290,292は第2の磁石390,392に近接する位置に移動し、磁石290,390および磁石292,392の相互に対向する極性が反発することにより、冷凍室ドア130および第1のバスケット210と一緒に、第2のバスケット310を横方向Tに沿って前方に推進、あるいは、押し出す。その結果、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310は、例えば、予め設定された距離だけ横方向Tに沿って一緒に前方に移動することとなる。
【0058】
冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310が横方向Tに沿って前方に移動すると、第2の磁石390,392は、最終的に第3の磁石490、492に近接する位置に移動する。すると、磁石390,490および磁石392,492の相互に対向する極性が反発することにより、第3のバスケット410を、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、および第2のバスケット310と一緒に、前方に推進、あるいは、押し出す。その結果、冷凍室ドア130、第1のバスケット210、第2のバスケット310、および第3のバスケット410は、例えば、予め設定された距離だけ、横方向Tに沿って一緒に前方に移動することとなる。従って、バスケット210,310,410のすべては、横方向Tに沿って単一のユニットとして一緒に前方に移動することができる。第2のバスケット310のストッパー358および第3のバスケット410のストッパー458は、それぞれのバスケットの前方横方向の移動を制限することができる。さらに、利点として、冷凍室ドア130が後方(すなわち、横方向Tに沿って前方方向と反対の方向)に押されると、磁石を使用して、バスケット310,410をそれらの収容位置(
図17)に推進し、あるいは押し戻すことができる。従って、冷凍室ドア130を閉位置に押すためにユーザが必要とする力を低減している。
【0059】
他の実施形態では、カスケードバスケットシステム200の片側のみに磁石を設けてもよい。例えば、ある実施形態では、第1のバスケット210は、第1のバスケット210の左側壁228に取り付けられた、またはその中に埋め込められた第1の磁石を有し、第2のバスケット310は、第2のバスケット310の左側壁328に取り付けられた、または埋め込められた第2の磁石を有し、第3のバスケット410は、第3のバスケット410の左側壁428に取り付けられた、またはその中に埋め込められた第3の磁石を有していてもい。そのような実施形態では、それぞれのバスケットの右側の側壁は、その中に磁石を取り付けたり埋め込む必要はない。さらに他の実施形態では、すべての磁石は、バスケット210,310,410のそれぞれの右側の側壁に取り付けられるか、またはその中に埋め込められてもよく、左側の側壁は、その中に磁石を埋め込またり取り付ける必要はない。
【0060】
さらに、本明細書に記載および図示されているカスケードバスケットシステム200は、3つのバスケットを含む実施形態を開示している。しかしながら、当技術分野の技術者であれば、本明細書に開示される本発明の態様が、3つより多いまたは少ないバスケットを有するカスケードバスケットシステムに適用できることは理解可能である。さらに、本明細書に開示される本発明の態様は、カスケードバスケットシステムのバスケットの片側にのみ適用することができる。例えば、ある実施形態では、バスケットの片側のみにポケット凹部を設けることができる。さらに、ある実施形態では、バスケットの片側のみに突出リブを設けることができる。さらに、ある実施形態では、バスケットの片側のみに磁石を設けることができる。
【0061】
本明細書では、本発明を開示するために最良の形態を含む実施形態を例示し、また、任意の装置やシステムの製造および使用ならびに任意の方法の実行を含む本発明を当業者が実施できるように実施形態を例示している。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定義されると共に、当業者によって生じうる他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言とは異ならない構成要素を含む場合や、特許請求の範囲の文言とわずかに異なるが同等の構成要素を含む場合には、特許請求項の範囲に含まれることとなる。