(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-28
(45)【発行日】2023-04-05
(54)【発明の名称】カードゲームにおけるカード表裏判別システム、カードゲームプレイ状態表示システム、およびカード体
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20230329BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20230329BHJP
A63F 13/214 20140101ALI20230329BHJP
A63F 13/235 20140101ALI20230329BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20230329BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20230329BHJP
【FI】
A63F1/06 Z
A63F1/06 B
A63F13/20 A
A63F13/214
A63F13/235
A63F13/80 B
A63F13/95 A
A63F13/95 Z
(21)【出願番号】P 2022077502
(22)【出願日】2022-05-10
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】521363974
【氏名又は名称】三井 康平
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】三井 康平
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-006131(JP,A)
【文献】特開2008-125972(JP,A)
【文献】特開2006-277669(JP,A)
【文献】特開2020-137553(JP,A)
【文献】特開2019-154912(JP,A)
【文献】特開2021-083484(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0316481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00-1/18,9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に表された表面情報と、カード固有のカード固有情報(CID)とを有するカード(TC)を複数枚用いて行うカードゲームにおけるカード表裏判別システムであって、
前記カード(TC)と、該カード(TC)が有するカード固有情報(CID)を読み書き可能な記録媒体(RF)と、これらカード(TC)と記録媒体(RF)とを収納可能なカードスリーブ(S)と、このカードスリーブ(S)内において、前記カード(TC)の裏面側と前記記録媒体(RF)との間に介装され、前記カード(TC)の表面側からの記録媒体(RF)の読取りを不能とするシート状の電磁シールド材(SS)と、を有するカード体(S’)と、
このカード体(S’)が置かれる載置面(50s)を有し、カードゲームのプレイ場所となるプレイエリア(PA)と、
このプレイエリア(PA)の前記載置面(50s)の下方に設けられ、載置面(50s)に置かれたカード体(S’)の記録媒体(RF)に書き込まれているカード固有情報(CID)を読み取り可能な情報読取り手段(51~56)と、
前記プレイエリア(PA)の前記載置面(50s)の下方に設けられ、載置面(50s)に置かれたカード体(S’)の有無を検出するカード体検出手段(51d~56d)と、
このカード体検出手段でカード体(S’)が検出され、かつ前記情報読取り手段で前記記録媒体(RF)に書き込まれているカード固有情報(CID)が読み取られたとき前記カード体(S’)は前記カード(TC)の表面が上向きとなる状態で前記載置面(50s)に置かれたと判断し、前記カード体検出手段でカード体(S’)が検出され、かつ前記情報読取り手段で前記記録媒体(RF)に書き込まれているカード固有情報(CID)が読み取られなかったとき前記カード体(S’)は前記カード(TC)の表面が下向きとなる状態で前記載置面(50s)に置かれたと判断する表裏判断手段(59d)と、
を備えていることを特徴とするカードゲームにおけるカード表裏判別システム。
【請求項2】
請求項1記載のカードゲームにおけるカード表裏判別システムと、
前記カード固有情報(CID)に対応した前記表面情報を表示するための表面情報データを有するデータベース(20)と、
前記情報読取り手段でカード固有情報(CID)が読み取られた位置をカード体(S’)が置かれた位置情報(PI)として取得する位置情報取得手段(51~56、59)と、
前記情報読取り手段で読み取られたカード固有情報(CID)と前記位置情報取得手段(51~56、59)で取得された位置情報(PI)と、前記表裏判断手段(59d)で得られた表裏情報(FBI)とを、前記プレイエリア(PA)以外の場所(A2)に送信する送信手段(61)と、
この送信手段(61)にて送信されたカード固有情報(CID)と位置情報(PI)と表裏情報(FBI)とを前記プレイエリア(PA)以外の場所(A2)で受信する受信手段(62)と、
この受信手段(62)で受信されたカード固有情報(CID)と位置情報(PI)と表裏情報(FBI)とに基づき、当該カード固有情報(CID)に対応した表面情報データを、前記データベース(20)から読み出して、ディスプレイ(40)の表示画面における、前記位置情報(PI)に対応した位置に表示し、又はカード体(S’)が下向きであることを表す裏面情報として表示する表示手段(30)と、
を有することを特徴とするカードゲームプレイ状態表示システム。
【請求項3】
表面に表された表面情報と、カード固有のカード固有情報(CID)とを有するカード(TC)を複数枚用いて行うカードゲームにおけるカード表裏判別システムであって、
前記カード(TC)と、
固有のUIDを有する記録媒体(RF)と、これらカード(TC)と記録媒体(RF)とを収納可能なカードスリーブ(S)と、このカードスリーブ(S)内において、前記カード(TC)の裏面側と前記記録媒体(RF)との間に介装され、前記カード(TC)の表面側からの記録媒体(RF)の読取りを不能とするシート状の電磁シールド材(SS)と、を有するカード体(S’)と、
このカード体(S’)が置かれる載置面(50s)を有し、カードゲームのプレイ場所となるプレイエリア(PA)と、
このプレイエリア(PA)の前記載置面(50s)の下方に設けられ、載置面(50s)に置かれたカード体(S’)の記録媒体(RF)に書き込まれている
UIDを読み取り可能な情報読取り手段(51~56)と、
前記プレイエリア(PA)の前記載置面(50s)の下方に設けられ、載置面(50s)に置かれたカード体(S’)の有無を検出するカード体検出手段(51d~56d)と、
このカード体検出手段でカード体(S’)が検出され、かつ前記情報読取り手段で前記記録媒体(RF)に書き込まれている
UIDが読み取られたとき前記カード体(S’)は前記カード(TC)の表面が上向きとなる状態で前記載置面(50s)に置かれたと判断し、前記カード体検出手段でカード体(S’)が検出され、かつ前記情報読取り手段で前記記録媒体(RF)に書き込まれている
UIDが読み取られなかったとき前記カード体(S’)は前記カード(TC)の表面が下向きとなる状態で前記載置面(50s)に置かれたと判断する表裏判断手段(59d)と、
を備えているカードゲームにおけるカード表裏判別システムと、
前記カード固有情報(CID)に対応した前記表面情報を表示するための表面情報データを有するデータベース(20)と、
前記UIDと、該UIDに対応するカード固有情報(CID)とが記録されたUIDデータベース(70)と、
前記情報読取り手段で
UIDが読み取られた位置をカード体(S’)が置かれた位置情報(PI)として取得する位置情報取得手段(51~56、59)と、
前記情報読取り手段で読み取られた
UIDと前記位置情報取得手段(51~56、59)で取得された位置情報(PI)と、前記表裏判断手段(59d)で得られた表裏情報(FBI)とを、前記プレイエリア(PA)以外の場所(A2)に送信する送信手段(61)と、
この送信手段(61)にて送信された
UIDと位置情報(PI)と表裏情報(FBI)とを前記プレイエリア(PA)以外の場所(A2)で受信する受信手段(62)と、
この受信手段(62)で受信された
UIDと位置情報(PI)と表裏情報(FBI)とに基づき、当該
UIDに対応した表面情報データを、前記データベース(20)
およびUIDデータベース(70)から読み出して、ディスプレイ(40)の表示画面における、前記位置情報(PI)に対応した位置に表示し、又はカード体(S’)が下向きであることを表す裏面情報として表示する表示手段(30)と、
を有することを特徴とするカードゲームプレイ状態表示システム。
【請求項4】
表面に表された表面情報とカード固有のカード固有情報(CID)とを有するカード(TC)と、該カード(TC)が有するカード固有情報(CID)を読み書き可能な記録媒体(RF)と、これらカード(TC)と記録媒体(RF)とが収納されるカードスリーブ(S)と、このカードスリーブ(S)内において、前記カード(TC)の裏面側と前記記録媒体(RF)との間に介装され、前記カード(TC)の表面側からの記録媒体(RF)の読取りを不能とするシート状の電磁シールド材(SS)と、
を有することを特徴とするカード体。
【請求項5】
表面に表された表面情報とカード固有のカード固有情報(CID)とを有するカード(TC)と、該カード(TC)が有するカード固有情報(CID)
に対応し得る固有のUIDを有する記録媒体(RF)と、これらカード(TC)と記録媒体(RF)とが収納されるカードスリーブ(S)と、このカードスリーブ(S)内において、前記カード(TC)の裏面側と前記記録媒体(RF)との間に介装され、前記カード(TC)の表面側からの記録媒体(RF)の読取りを不能とするシート状の電磁シールド材(SS)と、
を有することを特徴とするカード体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードゲームにおけるカード表裏判別システム、カードゲームプレイ状態表示システム、およびカード体に関するものである。より詳しくは、主としてTCG(トレーディングカードゲーム(Trading Card Game))に適した技術に関し、カードの表裏判別および、カードゲームプレイの状態をプレイエリア以外の場所で表示するのに適した技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、TCGに用いる大半のトレーディングカードは、紙(厚紙)で出来ている。
そのため、TCGのプレイ状態をプレイエリア以外の場所(例えば遠隔)で表示するには、
図10に示すように、ゲームプレイが行われているプレイエリアPAに、プレイ状態を撮影するカメラCAを設置し、カメラCAによる映像データをインターネット等の情報通信手段1を介して送信し、その映像データを、プレイエリア以外の場所に設置した受信機及びディスプレイDPにて受信し、表示している。
【0003】
しかし、TCGに用いられるトレーディングカードTC(1~3)は、同図(プレイエリアPA)に示されるように、カードの表面に、写真やイラスト、キャラクターなどの画像C1が表示され、さらに、カードの効果、使用条件などの説明文(テキスト)等の文字情報C2が表示されているものが多い。すなわち、カードの表面には、画像C1や文字情報C2が、表面情報として表示されていることが多い。
【0004】
そのため、プレイエリア以外の場所に設置したディスプレイDPに表示されるトレーディングカードの映像TC’(1~3)においては、表面情報が見難くなることがある。例えば、画像の映像C1’はある程度は見やすいけれども、文字情報の映像C2’については見にくくなることが多い。
表面情報、特に、文字情報の映像C2’についても見やすくするためには高性能のカメラが必要になるという難点がある。
【0005】
なお、特許文献1(特開平11-244537号公報)には、
「トレーディングカードに記録されたデータの内容をゲームの進行に応じて種々書き換えることのできるカードゲームシステムを提供する」ことを課題とし、
「 ゲーム制御手段はゲームに登場するオブジェクトに関するデータ及びコントローラからの制御信号に基づいてゲームプログラムを実行してゲームを進行し、表示発音手段に画像信号や音信号を出力する。トレーディングカード型の電子カード媒体はゲームの進行に応じて変化したオブジェクトに関するデータを記憶するものであり、データの書き換え可能なメモリを内蔵したカードである。1枚の電子カード媒体に対して1つのオブジェクトが割り当てられ、オブジェクトに関するデータは、ゲームの進行上で登場するキャラクターの属性を決定する値であり、ゲームの進行に応じて変化する。データ読み書き手段は電子カード媒体に記憶されているオブジェクトに関するデータを書き込んだり、読み出したりする」(同文献要約欄)カードゲームシステムが開示されている。
【0006】
しかし、同文献のカードゲームシステムでは、トレーディングカード型の電子カード媒体を用いる必要があるから、現在普及している厚紙等からなるトレーディングカードを利用することはできない。
【0007】
また、特許文献2(特開2009-6131号公報)には、
「ゲーム性の拡張が可能なカードゲーム機の提供を課題」とし、
「カードに搭載された無線通信可能な半導体装置と通信する複数のリーダ/ライタが設けられたゲーム盤と、リーダ/ライタに接続され、リーダ/ライタの信号からカードの位置、向き又は表裏を判別する制御装置と、を有するカードゲーム機とする。ゲーム盤に複数のリーダ/ライタとRFチップを配置することで、カードが有するデータのみならず信号強度を検出して、ゲーム盤上に置かれたカードが有するRFチップの位置を詳細に特定することができる」カードゲーム機が開示されている。
【0008】
しかし、同文献のカードゲーム機では、半導体装置が搭載されたカードを用いる必要があるから、現在普及している厚紙等からなるトレーディングカードを利用することはできない。
【0009】
またさらに、特許文献3(特開2018-33829号公報)には、
「駒の状態、例えば表裏とか駒の向きなどを判別することが可能になり、それによりその駒の状態を完全に把握することが可能になり、対戦相手が人間であってもコンピュータ対戦であっても、より現実感の高い盤上ゲームとして遊べる盤上ゲームなどを提供すること」を課題とし、
「ゲーム盤と複数の駒からなる盤上ゲームにおいて、該ゲーム盤が盤上の個々の駒の配置場所を認識可能なRFIDアンテナを内蔵するとともに、盤上の個々の駒の表裏判別機能を備えているとともに、盤上以外の個々の駒もしくは盤上以外の個々の駒と盤上の個々の駒の双方の位置表示機能を有する盤上ゲームなど」が開示されている。
【0010】
しかし、同文献の盤上ゲームなどでは、同文献0023~0026段落及び
図7等に記載されているように、表裏の識別用に二個のRFIDタグ211,212と、これらを仕切る電磁波シールド23とが必要とされ、電磁波シールド23を挟んで表裏に少なくとも2個のRFIDタグが必要とされるから、薄さが要求されるカードには適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開平11-244537号公報
【文献】特開2009-6131号公報
【文献】特開2018-33829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、現在普及している、画像と文字情報とが表面に表されたカードを利用可能とするとともに、カードに適したカード表裏判別システムを提供し、さらに、表裏情報を含め、プレイエリア以外の場所に設置したディスプレイに表示されるトレーディングカードの映像における表面情報の映像を見やすくすることができるカードゲームプレイ状態表示システム、およびカード体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明のカードゲームにおけるカード表裏判別システムは、
表面に表された表面情報と、カード固有のカード固有情報とを有するカードを複数枚用いて行うカードゲームにおけるカード表裏判別システムであって、
前記カードと、該カードが有するカード固有情報を読み書き可能な記録媒体と、これらカードと記録媒体とを収納可能なカードスリーブと、このカードスリーブ内において、前記カードの裏面側と前記記録媒体との間に介装され、前記カードの表面側からの記録媒体の読取りを不能とするシート状の電磁シールド材と、を有するカード体と、
このカード体が置かれる載置面を有し、カードゲームのプレイ場所となるプレイエリアと、
このプレイエリアの前記載置面の下方に設けられ、載置面に置かれたカード体の記録媒体に書き込まれているカード固有情報を読み取り可能な情報読取り手段と、
前記プレイエリアの前記載置面の下方に設けられ、載置面に置かれたカード体の有無を検出するカード体検出手段と、
このカード体検出手段でカード体が検出され、かつ前記情報読取り手段で前記記録媒体に書き込まれているカード固有情報が読み取られたとき前記カード体は前記カードの表面が上向きとなる状態で前記載置面に置かれたと判断し、前記カード体検出手段でカード体が検出され、かつ前記情報読取り手段で前記記録媒体に書き込まれているカード固有情報が読み取られなかったとき前記カード体は前記カードの表面が下向きとなる状態で前記載置面に置かれたと判断する表裏判断手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0014】
このカードゲームにおけるカード表裏判別システムは上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
カード体が表向き(収納されたカードが表向き)でプレイエリアの載置面に置かれた場合、カード体検出手段でカード体が検出され、かつ電磁シールド材より下側に前記記録媒体が位置することとなるので、電磁シールド材で阻害されることなく前記情報読取り手段で記録媒体に書き込まれているカード固有情報が読み取られる。したがって、表裏判断手段により、カード体は前記カードの表面が上向きとなる状態で前記載置面に置かれたと判断される。
一方、カード体が裏向き(収納されたカードが裏向き)でプレイエリアの載置面に置かれた場合、カード体検出手段でカード体が検出され、かつ電磁シールド材より上側に前記記録媒体が位置することとなるので、前記情報読取り手段による、記録媒体に書き込まれているカード固有情報の読取りは電磁シールド材で阻害されて読み取られない。したがって、表裏判断手段により、カード体は前記カードの表面が下向き(すなわち裏向き)となる状態で前記載置面に置かれたと判断される。
そして、カード体には、特許文献3の技術とは異なり、一つの記録媒体を収納すれば足りるので、カード体の厚さを薄く抑えることが可能となる。
以上のように、本発明のカードゲームにおけるカード表裏判別システムによれば、現在普及している、画像と文字情報とが表面に表されたカードを利用可能とするとともに、カードに適したカード表裏判別システムを実現することができる。
【0015】
また、上記課題を解決するために本発明のカードゲームプレイ状態表示システムは、
上記のカードゲームにおけるカード表裏判別システムと、
前記カード固有情報に対応した前記表面情報を表示するための表面情報データを有するデータベースと、
前記情報読取り手段でカード固有情報が読み取られた位置をカード体が置かれた位置情報として取得する位置情報取得手段と、
前記情報読取り手段で読み取られたカード固有情報と前記位置情報取得手段で取得された位置情報と、前記表裏判断手段で得られた表裏情報とを、前記プレイエリア以外の場所に送信する送信手段と、
この送信手段にて送信されたカード固有情報と位置情報と表裏情報とを前記プレイエリア以外の場所で受信する受信手段と、
この受信手段で受信されたカード固有情報と位置情報と表裏情報とに基づき、当該カード固有情報に対応した表面情報データを、前記データベースから読み出して、ディスプレイの表示画面における、前記位置情報に対応した位置に、表面情報又はカード体が下向きであることを表す裏面情報として表示する表示手段と、
と有することを特徴とする。
【0016】
このカードゲームプレイ状態表示システムは、上記の構成となっているので、このシステムの使用者によって以下のように使用され、それによって以下のような作用効果が得られる。
(1)このシステムの使用者は、カードが有するカード固有情報を読み書き可能な1つの記録媒体に対し、1つのカード固有情報を書き込む。
ここで使用するカードとしては、現在普及している、表面情報として画像と文字情報とが表面に表されたカード(例えばトレーディングカード)を利用することができる。
(2)1つのカード固有情報が書き込まれた1つの記録媒体と該記録媒体にカード固有情報が記録されたカードとシート状の電磁シールド材とを1つのカードスリーブに収納する。
(3)上記(1)(2)をカードゲームプレイに必要なカードの枚数分繰り返す。
これによって、記録媒体、シート状の電磁シールド材,
及びカードが収容されたスリーブすなわちカード体が、カードゲームプレイに必要な枚数分作製されたこととなり、プレーヤーはカードに代えこのカード体を用いてゲームを行うことができるようになる。
以上が、ゲームを行うための事前準備である。
(5)ゲームプレーヤーは前記(2)で得られたカード体を、カードゲームプレイ時に、カードゲームのプレイ場所となるプレイエリアに置くことによってゲームを行う。
(6)カード体がプレイエリアに置かれると、カード体が有する記録媒体に書き込まれているカード固有情報が情報読取り手段で読み取られるとともに、位置情報取得手段で当該カード固有情報が読み取られた位置がスリーブが置かれた位置情報として取得され、表裏判断手段でカード体の表裏情報が取得される。
(7)上記(6)で得られたカード固有情報と位置情報と表裏情報とが、送信手段により前記プレイエリア以外の場所に送信される。
(8)上記(7)にて送信されたカード固有情報と位置情報と表裏情報とが、受信手段により前記プレイエリア以外の場所で受信され、表示手段によって、受信手段で受信された当該カード固有情報に対応した表面情報データがデータベースから読み出され、ディスプレイの表示画面における、前記位置情報に対応した位置に、表面情報として表示される。なお、カード体が裏面である場合には裏面情報が表示される。
このようにして表示される表面情報は、従来技術とは異なり、カメラで撮影されたカードの表面の映像ではなく、予め作成されたデータベース内に記録された表面情報データに基づく表面情報であるから、見やすくすることができる。特に、文字情報については、従来に比べて著しく見やすくすることが可能となる。
【0017】
以上のように、本発明のカードゲームプレイ状態表示システムによれば、現在普及している、表面情報が表面に表されたカード(例えばトレーディングカード)を利用可能としつつ、プレイエリア以外の場所に設置したディスプレイに表示されるカードの映像における表面情報の映像を見やすくすることができる。
【0018】
このカードゲームプレイ状態表示システムにおいては、
前記記録媒体は、固有のUIDを有する記録媒体とし、
前記データベースは、前記記録媒体のUIDと、このUIDに対応する1つのカードの固有情報とが記録されたUIDデータベースとすることができる。
【0019】
このように構成すると、記録媒体へのカード固有情報の書込が不要になるため、記録媒体へのカード固有情報の書込装置が不要となる。
【0020】
また、上記課題を解決するために本発明のカード体は、
表面に表された表面情報とカード固有のカード固有情報とを有するカードと、該カードが有するカード固有情報を読み書き可能な記録媒体と、これらカードと記録媒体とが収納されるカードスリーブと、このカードスリーブ内において、前記カードの裏面側と前記記録媒体との間に介装され、前記カードの表面側からの記録媒体の読取りを不能とするシート状の電磁シールド材と、
を有することを特徴とする。
【0021】
このカード体は、表面に表された表面情報とカード固有のカード固有情報とを有するカードと、前記カード固有情報が書き込まれた記録媒体と、前記カードの表面側からの記録媒体の読取りを不能とするシート状の電磁シールド材とがカードスリーブに収納されているので、このカードスリーブすなわちカード体を、現在普及している、表面情報が表面に表されたカード(例えばトレーディングカード)に代えて使用することで、例えば上述した本発明によるカードゲームにおけるカード表裏判別システム、ないしカードゲームプレイ状態表示システムを利用することが可能となる。
【0022】
このカード体においては、
前記記録媒体は、固有のUIDを有する記録媒体とすることができる。
このように構成すると、記録媒体へのカード固有情報の書込が不要になるため、記録媒体へのカード固有情報の書込装置が不要となる。
【0023】
なお、本発明は、前記カードゲームがTCGである場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るカード体の実施の形態を示す図で(a)は収納状態説明図、(b)は図(a)におけるb-b拡大断面図。
【
図5】プレイエリアの構成例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図。
【
図6】他の実施の形態におけるUIDデータベースの作成法の一例を示す図。
【
図7】他の実施の形態のシズテム全体の構成例の説明図。
【
図8】UIDデータベース内テーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るカードゲームにおけるカード表裏判別システム、カードゲームプレイ状態表示システム、およびカード体の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0026】
図1は、本発明に係るカードゲームにおけるカード表裏判別システム、カードゲームプレイ状態表示システムに用いるカード体の実施の形態を示す図である。
このカード体S’は、
表面TCfに表された表面情報(例えば、画像C1と、表面に表された文字情報C2)と、カード固有のカード固有情報(例えばカード固有のID(例えばカードの型番))CIDとを有するカードTCと、
該カードTCが有するカード固有情報CIDを読み書き可能な記録媒体RFと、
これらカードTCと記録媒体RFとが収納されるカードスリーブSと、
このカードスリーブS内において、カードTCの裏面TCb側と記録媒体RFとの間に介装され、カードTCの表面TCf側からの記録媒体RFの読取りを不能とするシート状の電磁シールド材SSと、
を有している。
【0027】
この実施の形態のカードゲームにおけるカード表裏判別システムは、
上記カード体S’と、
このカード体S’が置かれる載置面50sを有し、カードゲームのプレイ場所となるプレイエリアPAと(
図3,
図5参照)、
このプレイエリアPAの載置面50sの下方に設けられ、載置面50sに置かれたカード体S’の記録媒体RFに書き込まれているカード固有情報CIDを読み取り可能な情報読取り手段(51~56)と(
図3,
図5参照)、
プレイエリアPAの載置面50sの下方に設けられ、載置面50sに置かれたカード体S’の有無を検出するカード体検出手段(51d~56d)と、
このカード体検出手段(51d~56d)でカード体S’が検出され、かつ情報読取り手段(51~56)で記録媒体RFに書き込まれているカード固有情報CIDが読み取られたときカード体S’はカードTCの表面TCfが上向きとなる状態で載置面50sに置かれたと判断し、カード体検出手段(51d~56d)でカード体S’が検出され、かつ情報読取り手段(51~56)で記録媒体RFに書き込まれているカード固有情報CIDが読み取られなかったときカード体S’はカードTCの表面TCfが下向きとなる状態で載置面50sに置かれたと判断する表裏判断手段59dと、
を備えている。
【0028】
このカードゲームにおけるカード表裏判別システムは上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
【0029】
図9において、情報読取り手段51とカード体検出手段51dとを代表させて(例にとって)説明する。
図9(a)に示すように、カード体S’が表向き(収納されたカードTCが表向き)でプレイエリアの載置面50sに置かれた場合、カード体検出手段51dでカード体S’が検出され、かつ、電磁シールド材SSより下側に記録媒体RFが位置することとなるので、電磁シールド材SSで阻害されることなく情報読取り手段51で記録媒体RFに書き込まれているカード固有情報CIDが読み取られる。
したがって、表裏判断手段59dにより、カード体S’はカードTCの表面TGfが上向きとなる状態で載置面50sに置かれたと判断される。
【0030】
一方、
図9(b)に示すように、カード体S’が裏向き(収納されたカードTCが裏向き)でプレイエリアの載置面50sに置かれた場合、カード体検出手段51dでカード体S’が検出され、かつ、電磁シールド材SSより上側に記録媒体RFが位置することとなるので、情報読取り手段51による、記録媒体RFに書き込まれているカード固有情報CIDの読取りは電磁シールド材SSで阻害されて読み取られない。
したがって、表裏判断手段59dにより、カード体S’はカードTCの表面TCfが下向き(すなわち裏向き)となる状態で前記載置面50sに置かれたと判断される。
【0031】
そして、カード体S’には、特許文献3の技術とは異なり、一つの記録媒体RFを収納すれば足りるので、カード体S’の厚さを薄く抑えることが可能となる。
【0032】
以上のように、このカードゲームにおけるカード表裏判別システムによれば、現在普及している、画像と文字情報とが表面に表されたカードTCを利用可能とするとともに、カードTCに適したカード表裏判別システムを実現することができる。
【0033】
次に、
図1~
図3を参照してカードゲームプレイ状態表示方法ないしシステムについて説明する。
この実施の形態のカードゲームプレイ状態表示方法ないしシステムは、上記のようなカード体S’を複数枚用いて行うカードゲームのプレイ状態を表示する表示方法ないしシステムである。
【0034】
この表示方法ないしシステムでは、カードゲームに必要な枚数のカードTCと、それと同数のスリーブSと、同数の記録媒体RF(例えばRFタグ)RFと、同数のシート状電磁シールの材SSとを用意する。なお、
図1においては、それぞれ1枚のみ描いているが、実際には必要枚数分用意する。
【0035】
カードTCとしては公知の市販されているカード(例えばトレーディングカード)を用いることができる。
スリーブSとしては、市販されている公知のカードスリーブを用いることができる。
なお、スリーブSは、カードTC及び記録媒体RF、シート状電磁シールド材SSを収納することの出来る合成樹脂製の袋である。少なくとも表面側が透明であることが望ましい。
記録媒体RFとしては、市販されている公知の記録媒体RF(例えばRFタグ)を用いることができる。シート状電磁シールド材SSとしては市販されている公知のシート状電磁シールド材(例えばアルミ箔、銅箔等の金属箔等)を用いることができる。
【0036】
このシステム(ないし表示方法)は、次の工程ないし構成を有している。
以下、使用方法も合わせて説明する
【0037】
(1)カードTCが有するカード固有情報CIDを読み書き可能な1つの記録媒体RFに対し、1つのカード固有情報CIDを書き込む。
記録媒体RFへのカード固有情報CIDの書込は公知の適宜の手段で行うことができる。
例えば、
図2に示すように、カードTCの所定箇所に印刷されているカード固有情報CID(例えばトレーディングカードのTCG型番)を文字認識機能付きカメラ10で読み取り、読み取られたカード固有情報CIDを書込手段(例えばRF書込装置)11で記録媒体RFに書き込む。
なお、カード固有情報CIDは、手入力で記録媒体RFに書き込むこともできる。
【0038】
(2)1つのカード固有情報CIDが書き込まれた1つの記録媒体RFと、該記録媒体RFにカード固有情報CIDが記録されたカードTCと、シート状電磁シールド材SSとを1つのカードスリーブSに収納する(
図1参照)。
カードTCと記録媒体RFとシート状電磁シールド材SSとが収納されたカードスリーブ(すなわちカード体S’)を
図1において符号S’で示す。
【0039】
(3)上記(1)(2)の工程をカードゲームプレイに必要なカードの枚数分繰り返す。
これによって、カードTCと記録媒体RFとシート状電磁シールド材SSとが収納されたカードスリーブ(カード体S’)が必要枚数分作製される。
【0040】
(4)前記カード固有情報CIDに対応した表面情報を表示するための表面情報データ(例えば、画像C1を表示するための画像データC1Dと、カード固有情報CIDに対応した文字情報C2を表示するための文字情報データC2D)とを有するデータベース20(
図3)を作成する。
データベース20のテーブルの1例を
図4に示す。
図4において、RFN(RF1,RF2,・・・)は記録媒体RFの番号、CID((CID01,CID02,・・・)はカード固有情報CID、C1D(C1D01,C1D02,・・・)は画像データ(画像データ番号)、C2D(C2D01,C2D02,・・・)は文字情報(文字情報番号)である。
記録媒体RFの番号RFN(RF1,RF2,・・・)及びカード固有情報CID(C1D01,C1D02,・・・)は、上記(1)の作業により順次得ることができる。
画像データC1D(C1D01,C1D02,・・・)は、カードに記載されている画像のキャプチャで取り込むことにより得ることができる。また、カードメーカーが例えばインターネット上にカードの画像データを公開している場合には、そのデータを用いることもできる。
文字情報C2D(C2D01,C2D02,・・・)は、カードに記載されているテキストを文字認識機能付きカメラ等で取り込む等することにより得ることができる。また、カードメーカーが例えばインターネット上にカードの文字情報を公開している場合には、そのデータを用いることもできる。
【0041】
以上が、ゲームを行うための事前準備である。
以下、ゲームを行う場合の工程ないし構成について使用方法も合わせて説明する。
【0042】
(5)ゲームのプレーヤーは、前記(2)で得られたカードTCと記録媒体RFとが収納されたカード体S’(
図1参照)を、カードゲームプレイ時に、
図3に示すように、カードゲームのプレイ場所となるプレイエリアPAに置く。
【0043】
(6)カード体S’がプレイエリアPAに表向きで置かれると、そのカード体S’が有する記録媒体RFに書き込まれているカード固有情報CIDが、カード体下方に位置する情報読取り手段(51~56のいずれか)で読み取られるとともに、当該カード固有情報CIDが読み取られた位置がカード体S’の置かれた位置情報として取得される。また、置かれたカード体下方に位置するカード体検出手段(51d~56dのいずれか)と表裏判断手段59dとによってカード体S’の表裏情報FBIが取得される。
情報読取り手段51~56は、公知の適宜の情報読取り手段で構成することができる。例えば上述した特許文献2(特開2009-6131号公報)に記載された構成を採用することが出来る。また、カード体検出手段51d~56dは公知の検出手段、例えばレーザーセンサ、超音波センサ等で構成することができる。
図5に示すように、この実施の形態では、プレイエリアPAは、複数のRFIDリーダー(またはリーダ/ライタ。以下同じ)51~56およびカード体検出手段51d~56dが設けられた専用のゲームプレイ用マット50で構成されている。
複数のRFIDリーダー51~56は、カード体S’が置かれるべき(あるいは置かれるであろう)位置に埋め込まれている。
カード体S’が置かれた位置情報PIの取得手段(位置情報取得手段)は、RFIDリーダー51~56と、ゲームプレイ用マット50に埋め込まれたリーダ/ライタ制御部59とで構成することができる。具体的構成例は、上述した特許文献2(特開2009-6131号公報)に記載された構成を採用することが出来る。
【0044】
(7)上記(6)で得られたカード固有情報CID、位置情報PI、表裏情報FBIは、プレイエリアPA以外の場所(カードゲームプレイ状態を表示したい場所)A2(
図3)に送信される。
送信手段61は公知の送信装置で構成することができる。
この実施の形態の送信手段61は、記録媒体RFの番号RFNとともに、カード固有情報CID、位置情報PI、表裏情報FBIを送信する。
【0045】
(8)上記(7)にて送信された記録媒体RFの番号RFN、カード固有情報CID、位置情報PI、表裏情報FBIは、プレイエリアPA以外の場所A2で受信され、カード体S’が表向きで置かれた場合には、当該カード固有情報CIDに対応した表面情報データとしての画像データC1Dと文字情報データC2Dとが、上記データベース20から読み出されて、ディスプレイ40の表示画面41における、前記位置情報PIに対応した位置に、画像及び文字情報として表示される。
例えば、
図3において、カード体S’(2)(カード体S’(2)にはカードTC2と記録媒体RF2とが収納されている)がプレイエリアPAに表向きで置かれると、そのカード体S’(2)が有する記録媒体RF2に書き込まれている記録媒体RF2の番号RFNとしてのRFN2とともに、カードTC2のカード固有情報CIDとしてのCID02と、位置情報PIとしてデータPID02とが送信手段61で送信され、それらのデータは受信手段62で受信され、カード固有情報CIDとしてのCID02に対応した画像データC1D02と文字情報C2D02とがデータベース20から読み出され、表示画面41における、前記位置情報PID02に対応した位置に、カードTC2の画像及び文字情報としての映像TC2’として表示される。映像TC2’には画像データC1D02による画像と文字情報C2D02による文字情報とが含まれる。
同様に、例えば
図3において、カードTC3と記録媒体RF3とが収納されたカード体S’(3)がプレイエリアPAに表向きで置かれると、そのカード体S’(3)が有する記録媒体RF3に書き込まれている記録媒体RF3の番号RFNとしてのRFN3とともに、カードTC3のカード固有情報CIDとしてのCID03と、位置情報PIとしてPID03とが送信手段61で送信され、それらのデータは受信手段62で受信され、カード固有情報CIDとしてのCID03と、位置情報PIとしてのPID03とに対応した画像データC1D03と文字情報C2D03とがデータベース20から読み出され、表示画面41における、前記位置情報PID03に対応した位置に、カードTC3の画像及び文字情報としての映像TC3’として表示される。
なお、カード体S’が裏向きで置かれた場合には、上記画像及び文字情報に代えて、位置情報PIDに対応した位置に、カードの裏面を表す画像が表示される。位置情報PIDはカード体検出手段(51d~56d)と表裏判断手段59dとによって取得可能であり、カードの裏面を表す画像はデータベース20に格納しておくことができる。
【0046】
上記のようにして表示される映像TC2’等における表面情報としての画像及び文字情報は、従来技術とは異なり、カメラで撮影されたカードTCの表面TCfの映像ではなく、予め作成されたデータベース20内に記録された画像データと文字情報データとに基づく画像及び文字情報であるから、見やすくすることができる。特に、文字情報については、従来に比べて著しく見やすくすることが可能となる。
【0047】
なお、受信手段62は公知の送信装置で構成することができる。受信手段62で受信されたカード固有情報CID、位置情報PID、及び表裏情報FBIに基づき、当該カード固有情報CIDに対応した画像データと文字情報データ、あるいは裏面画像データを、データベース20から読み出して、ディスプレイ40の表示画面41における、前記位置情報PIDに対応した位置に、画像及び文字情報又は裏面画像として表示する表示手段は、CPU30(
図3)で構成することができる。
【0048】
以上のように、このカードゲームプレイ状態表示システムによれば、現在普及している、画像と文字情報とが表面に表されたカードTC(例えばトレーディングカード)を利用可能としつつ、プレイエリアPA以外の場所A2に設置したディスプレイ40に表示されるトレーディングカードTCの映像(TC2’等)における文字情報の映像を見やすくすることができる。
【0049】
以下、主として
図6~
図8を参照して、他の実施の形態について説明する。
この実施の形態が、上述した実施の形態と主に異なる点は、記録媒体RFとして固有のUIDを有する記録媒体RFを用い、そのUIDと該UIDを有する記録媒体RFと一緒にスリーブSに入れられるカードのカード固有情報CIDとが対となって複数対(少なくともゲームに必要な枚数分)記録されるUIDデータベースを作成することで、記録媒体RFへのカード固有情報CIDの書込を不要とした点にある。
【0050】
このように構成すると、記録媒体RFへのカード固有情報CIDの書込が不要になるため、記録媒体RFへのカード固有情報CIDの書込装置が不要となる。
なお、本願において「UID」とは記録媒体RFに予め(例えば製造時に)記録されている、当該記録媒体RF固有の(一意の)ID(identificationないしidentifier)情報をいう。
【0051】
以下、念のため詳細に説明する。
この実施の形態のカードゲームプレイ状態表示システム(ないし方法)は、例えば
図1に示したような、表面に表された表面情報としての、画像C1と、表面に表された文字情報C2と、カード固有のカード固有情報CID(例えばカード固有のID(例えばカードの型番))CIDとを有するカードTCを複数枚用いて行うカードゲームのプレイ状態を表示するシステムである。
【0052】
このシステムでは、カードゲームに必要な枚数のカードTCと、それと同数のスリーブSと、同数の固有のUIDを有する記録媒体RF(例えばRFタグ)と、同数のシート状電磁シールド材SSとを用意する。なお、
図1においては、それぞれ1枚のみ描いているが、実際には必要枚数分用意する。
カードTCとしては公知の市販されているカード(例えばトレーディングカード)を用いることができる。
スリーブSとしては、市販されている公知のカードスリーブを用いることができる。
記録媒体RFとしては、市販されている固有のUIDを有する公知のRFタグを用いることができる。
【0053】
この実施の形態の表示システムは、次の工程ないし構成を有している。
以下、使用方法も合わせて説明する
【0054】
(1)固有のUIDを有する記録媒体RFに対し、1つのカードの固有情報CIDを対応させてUIDデータベース70(
図6参照)に記録する。
例えば、
図6に示すように、カードTCの所定箇所に印刷されているカード固有情報CID(例えばTCG型番)を文字認識機能付きカメラ10で読み取り、読み取られたカード固有情報CIDをUIDデータベース70に記録するとともに、記録媒体RFの読み取り装置65で読み取ったその記録媒体RF固有のUIDを、前記カード固有情報CIDと対応させて、UIDデータベース70に記録する。
なお、カード固有情報CIDは、手入力でデータベース70に記録することもできる。
UIDデータベース70のテーブルの1例を
図8に示す。
図8において、UID(UID01,UID02,・・・)は記録媒体RFのUID、CID(CID01,CID02,・・・)はカード固有情報CIDである。
記録媒体RFのUID(UID01,UID02,・・・)及びカード固有情報CID(CID01,CID02,・・・)は、上記(1)の作業により順次得ることができる。
【0055】
(2)上記(1)で用いた記録媒体RFと、カードTCと、シート状電磁シールド材SSとを1つのカードスリーブSに収納する(
図1参照)。
【0056】
(3)上記(1)(2)の工程をカードゲームプレイに必要なカードの枚数分繰り返す。
これによって、カード体S’が必要枚数分作製される。
また、記録媒体RFのUIDと該UIDと対をなすカード固有情報CIDとがゲームに必要な枚数分記録されたUIDデータベース70が構築される。
UIDデータベース70のテーブルの1例を
図8に示す。
図8において、UID(UID01,UID02,・・・)は記録媒体RFのUID、CID(CID01,CID02,・・・)はカード固有情報CIDである。
記録媒体RFのUID(UID01,UID02,・・・)及びカード固有情報CID(CID01,CID02,・・・)は、上記(1)の作業により順次得ることができる。
【0057】
(4)前記カード固有情報CIDに対応した画像C1を表示するための画像データC1Dと、カード固有情報CIDに対応した文字情報C2を表示するための文字情報データC2Dとを有するデータベース20(
図3、
図7)を作成する。
データベース20のテーブルの1例を
図4に示す。
図4において、RFT(RF1,RF2,・・・)は記録媒体RFの番号、CID(CID01,CID02,・・・)はカード固有情報CID、C1D(C1D01,C1D02,・・・)は画像データ(画像データ番号)、C2D(C2D01,C2D02,・・・)は文字情報(文字情報番号)である。
記録媒体RFの番号RFN(RF1,RF2,・・・)及びカード固有情報CID(CID01,CID02,・・・)は、上記(1)の作業により順次得ることができる。
画像データC1D(C1D01,C1D02,・・・)は、カードに記載されている画像のキャプチャで取り込むことにより得ることができる。カードメーカーが例えばインターネット上にカードの画像データを公開している場合には、そのデータを用いることもできる。
文字情報C2D(C2D01,C2D02,・・・)は、カードに記載されているテキストを文字認識機能付きカメラ等で取り込む等することにより得ることができる。カードメーカーが例えばインターネット上にカードの文字情報を公開している場合には、そのデータを用いることもできる。
【0058】
以上が、ゲームを行うための事前準備である。
以下、ゲームを行う場合の工程ないし構成について使用方法も合わせて説明する。
【0059】
(5)プレーヤーは、前記(2)で得られたカード体S’(
図1参照)を、カードゲームプレイ時に、
図7に示すように、カードゲームのプレイ場所となるプレイエリアPAに置く。
【0060】
(6)カード体S’がプレイエリアPAに表向きで置かれると、そのカード体S’が有する記録媒体RFのUIDを情報読取り手段(51~56のいずれか)で読み取られるとともに、当該UIDが読み取られた位置をカード体S’の置かれた位置情報PIとして取得される。
情報読取り手段51~56は、公知の適宜の情報読取り手段で構成することができる。例えば上述した特許文献2(特開2009-6131号公報)に記載された構成を採用することが出来る。
この実施の形態では、情報読取り手段は、複数のRFIDリーダー51~56が埋め込まれたゲームプレイ用マット50で構成されている。
複数数のRFIDリーダー51~56は、カード体S’が置かれるべき(あるいは置かれるであろう)位置に埋め込まれている。
カード体S’が置かれた位置情報PIDの取得手段(位置情報取得手段)は、RFIDリーダー51~56と、ゲームプレイ用マット50に埋め込まれたリーダ/ライタ制御部59とで構成することができる。具体的構成例は、上述した特許文献2(特開2009-6131号公報)に記載された構成を採用することが出来る。
なお、カード体S’が裏向きで置かれた場合については、前述した実施の形態と同様である。
【0061】
(7)上記(6)で得られたUIDと位置情報PIDとは、プレイエリアPA以外の場所(カードゲームプレイ状態を表示したい場所)A2(
図7)に送信される。
送信手段61は公知の送信装置で構成することができる。
この実施の形態の送信手段は、記録媒体RFの番号RFNとともに、カード固有情報CID、位置情報PID、表裏情報FBIを送信する。
【0062】
(8)上記(7)にて送信された記録媒体RFのUIDと位置情報PIとは、前記プレイエリアPA以外の場所A2で受信され、当該UIDおよび/またはカード固有情報CIDに対応した表面情報データとしての画像データC1Dと文字情報データC2Dとが、上記UIDデータベース70およびデータベース20から読み出されて、ディスプレイ40の表示画面41における、前記位置情報PIDに対応した位置に、画像及び文字情報(表面情報)として表示される。
例えば、
図7において、カードTC2と記録媒体RF2とが収納されたカード体S’(2)がプレイエリアPAに置かれると、そのカード体S’(2)が有する記録媒体RF2のUIDと、位置情報PIDとしてPID02とが送信手段61で送信され、それらのデータは受信手段62で受信され、UIDとしてのUID02に対応したカード固有情報CIDとしてのCID02がUIDデータベース70から読み出されるとともに、カード固有情報CIDとしてのCID02に対応した画像データC1D02と文字情報C2D02とがデータベース20から読み出され、表示画面41における、前記位置情報PIに対応した位置に、カードTC2の画像及び文字情報としての映像TC2’として表示される。
同様に、例えば
図7において、カードTC3と記録媒体RF3とが収納されたカード体S’(3)がプレイエリアPAに置かれると、そのカード体S’(3)が有する記録媒体RF3のUIDとしてのUID03に対応したカード固有情報CIDとしてのCID3がUIDデータベース70から読み出されるとともに、カード固有情報CIDとしてのCID3に対応した画像データC1D3と文字情報C2D3とがデータベース20から読み出され、表示画面41における、前記位置情報PIに対応した位置に、カードTC3の画像及び文字情報としての映像TC3’として表示される。
なお、カード体S’が裏向きで置かれた場合については、前述した実施の形態と同様である。
【0063】
このようにして表示される画像及び文字情報は、従来技術とは異なり、カメラで撮影されたカードTCの表面TCfの映像ではなく、予め作成されたデータベース20内に記録された画像データと文字情報データとに基づく画像及び文字情報であるから、見やすくすることができる。特に、文字情報については、従来に比べて著しく見やすくすることが可能となる。
【0064】
なお、受信手段62は公知の送信装置で構成することができる。受信手段62で受信されたUID、位置情報PI、表裏情報FBIに基づき、当該UIDに対応した画像データと文字情報データとを、UIDデータベース70およびデータベース20から読み出して、ディスプレイ40の表示画面41における、前記位置情報PIに対応した位置に、画像及び文字情報として表示し、又は裏面画像として表示する表示手段は、CPU30(
図7)で構成することができる。
【0065】
以上のように、このカードゲームプレイ状態表示システムによれば、現在普及している、画像と文字情報とが表面に表されたカードTC(例えばトレーディングカードTC)を利用可能としつつ、プレイエリアPA以外の場所A2に設置したディスプレイ40に表示されるトレーディングカードTCの映像(TC2’等)における文字情報の映像を見やすくすることができる。
【0066】
なお、本発明は、前記カードゲームがTCGである場合に特に有効である。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、上記の実施の形態では、プレイエリアPAに設置されるRFIDリーダーおよびカード体検出手段はそれぞれ6個としてあるが、ゲームの内容に応じて適数設けられる。
【符号の説明】
【0068】
S: カードスリーブ
S’: カード体
TC: カード
20: データベース
51~56: 情報読取り手段
51d~56d: カード体検出手段
61: 送信手段
70: UIDデータベース
【要約】
【課題】現在普及している、画像と文字情報とが表面に表されたカードを利用可能とするとともに、カードに適したカード表裏判別システムを提供する。
【解決手段】カードTCが有するカード固有情報を読み書き可能な記録媒体RFと、カードと記録媒体とを収納可能なカードスリーブSと、カードスリーブS内においてカードの裏面側と記録媒体との間に介装され、カードの表面側からの記録媒体RFの読取りを不能とするシート状の電磁シールド材SSとを有するカード体(S’)と、カード体が置かれる載置面50sの下方に設けられ、載置面に置かれたカード体の記録媒体に書き込まれているカード固有情報を読み取り可能な情報読取り手段51と、載置面の下方に設けられ、カード体の有無を検出するカード体検出手段51dと、カード体が検出され、かつカード固有情報が読み取られたとき表向きと判断し、カード固有情報が読み取られなかったとき裏向きと判断する。
【選択図】
図9