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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】電池セルモニタリング制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230330BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20230330BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20230330BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20230330BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 Q
H02J7/00 301D
H02J50/20
H02J50/80
H04B5/02
H01M10/44 P
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020529114
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 US2018045345
(87)【国際公開番号】W WO2019028451
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/541,291
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520041367
【氏名又は名称】グローバル バッテリー ソリューションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】GLOBAL BATTERY SOLUTIONS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】バーマン, デーブ
(72)【発明者】
【氏名】サイベスマ, ヘンリー, ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】シエラ, ジェニファー, エス.
(72)【発明者】
【氏名】ウィラー, キャシー エル.
(72)【発明者】
【氏名】エリス, エリントン, エル.
(72)【発明者】
【氏名】ハンター, クリスティーン, エー.
(72)【発明者】
【氏名】サイベスマ, リンヌ, エー.
【審査官】山本 香奈絵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/167889(WO,A1)
【文献】特開2012-124141(JP,A)
【文献】特開2017-034686(JP,A)
【文献】米国特許第06184656(US,B1)
【文献】特開2011-036106(JP,A)
【文献】国際公開第2017/036935(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/20
H02J 50/80
H04B 5/02
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気的に相互接続された電池セルを有する電池のための電池セルモニタリング制御システムであって、
複数の電池セルモニタチップセットであり、各々が前記複数の電池セルのそれぞれの電池セルに電気的に接続するように構成されている、複数の電池セルモニタチップセット
を備えており、各電池セルモニタチップセットが、
コントローラと、
前記コントローラに接続された1つ又は複数のセンサであって、前記それぞれの電池セルの少なくとも1つのパラメータを知覚するようにそれぞれ構成された1つ又は複数のセンサと、
前記知覚されたパラメータに基づくデータを受け取り、記憶するように構成されており、前記それぞれの電池セルの電池セルIDを記憶するように構成されたメモリと、
無線ネットワークを介して前記それぞれの電池セルの前記電池セルのデータ及び前記電池セルID、前記電池の外部にあるモバイルデバイスに直接信するように構成された第1の通信インタフェースであって、前記無線ネットワークが、前記それぞれの電池セルからの寄生電力の引き込みなしに、前記電池セルモニタチップセットの前記コントローラを含む前記電池セルモニタチップセットに電力を供給するように構成された無線周波数場を備える、第1の通信インタフェースと
を備える
電池セルモニタリング制御システム
【請求項2】
第2の通信インタフェースをさらに備え、前記第2の通信インタフェースが有線インタフェースである、請求項1に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項3】
第2の通信インタフェースをさらに備え、前記第2の通信インタフェースが高周波数タグである、請求項1に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項4】
前記コントローラによって制御される1つ又は複数の出力スイッチをさらに備える、請求項1に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項5】
前記1つ又は複数の出力スイッチが、電池セルの端子の両端間に抵抗を加え、前記電池セルから電力を引き出すための回路を働かせるように構成された自己放電スイッチを含む、請求項4に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項6】
前記コントローラが、望ましくない状態に応答して前記自己放電スイッチを働かせるようにプログラムされる、請求項5に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項7】
前記1つ又は複数の出力スイッチが、前記電池セルモニタチップセットと接触している前記電池セルをバイパスする回路を働かせるように構成されたバイパススイッチを含む、請求項4に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項8】
前記コントローラが、望ましくない状態に応答して前記バイパススイッチを働かせるようにプログラムされる、請求項7に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項9】
前記コントローラに電力を供給するように構成された専用電力源をさらに備える、請求項1に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項10】
前記第1の通信インタフェースが近距離場通信インタフェースを備える、請求項1に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項11】
前記近距離場通信インタフェースが前記コントローラと同じマイクロチップに置かれる、請求項10に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項12】
前記コントローラが、近距離場通信場の存在に応答してパワーオンされるように構成される、請求項10に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項13】
前記コントローラに接続された近距離場通信コイルをさらに備える、請求項10に記載の電池セルモニタリング制御システム
【請求項14】
前記近距離場通信コイルが電池端子の導電性材料から隔離される、請求項13に記載の電池セルモニタリング制御システム
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2017年8月4日に出願した、BATTERY MONITOR & SYSTEM FOR ENHANCED USEという名称の米国仮特許出願第62/541,291号の優先権を主張するものである。
【発明の背景】
【0002】
[0002]本発明のいくつかの実施形態は電池監視(battery monitoring、バッテリーモニタリング)に関し、また、いくつかの態様は電池の再生利用に関する。今日、電池システムに対する期待の高まり、及び使用の増加につれて、追加ライフサイクル及び事象情報が要求されている。本出願人らは、爆発又はエネルギー解放事象の増加は大きな関心事であるが、これらの電池を使用している製品は、需要がますます増え続けていることを認識している。電気車両の追加に伴い、自動車電池当たり数千のセルを使用して、システム全体に必要な電力が生成されている。
【0003】
[0003]これらのシステムのうちのいくつかは既にモニタリングされているが、情報は、最初の適用後に失われる。電池はセルとして製造され、次に、モジュール、パック及びシステムに構成される。
【0004】
[0004]電池製造の過去の世代では、モニタリングは、電圧及び電流の単一のタスクであったが、現在では化学的性質がより決定的なものになり、また、限界がより重要になっている。生産材料はより柔軟であり、製造変動を許容している。
【0005】
[0005]また、本発明のいくつかの実施形態は、電池が経たライフサイクル及び事象の種類を識別し、且つ、ランク付けする方法に同じく関する。この方法は、追加使用又は再生利用推奨を可能にし得る。
【0006】
[0006]現在のシステムが抱えているいくつかの知られている問題は、単一のセルモニタリングに対するパックの限界を含む。直列及び並列パックを使用して大規模電池システムが相互接続される。これらのシステムのうちのいくつかは、1つの大規模電池パックを形成している7700個の個別の電池セルを有している。電池問題が生じると、それはシステム全体に影響を及ぼし、システムは自己回復していない。現在のモニタが追跡しているのは、電池がそのシステムに存在している間の性能のみである。
【0007】
[0007]現在のモニタリングが抱えている別の問題は、セルレベル問題及び変化が追跡されないことである。例は、性能のための並列セルのモニタリングであり、個々の相違が全体として観察される。これらの変化のタイプを追跡することにより、製造から初期使用、再使用又は修理調整、再生利用のための転用までの電池の寿命にわたって、使用及び性能についてのより多くの情報を追跡することができる。この情報を使用して、設計全体及び設計要求事項を改善することができる。
【概要】
【0008】
[0008]このシステムの第1の本発明の態様は、電池に関する情報を検査するために電池から電流を引き出す必要がないセキュアNFCタイプの通信を利用している。NFC及びLaser P-Chip解決法は、いずれも、デュアルポート化され、また、第2のアクティブモニタによる複数のタスクの実施を可能にし、且つ、複数のタスクを実施するように第2のアクティブモニタを構成することができるメモリの制御レジスタを含むメモリを有している。第1の本発明の態様は、閾値に到達し、或いは事象がトリガされる電池をモニタリングすることができる。NFC及び高周波数RFIDの両方が利用される実施形態では、対立及びデータ衝突を防止するためにデュアルポート化メモリが同じく使用される。電池モニタは、クーロン、電流、電圧、温度、充電率及び放電率、自己抵抗を常に読み出し、且つ、それをアキュムレータマトリックスに記憶する。また、システムは、NFC又はP-Chipレジスタから一定の時間間隔で読出し、且つ、そのデータを常に蓄積するようにプログラムすることも可能である。これらのシステムによれば、いずれも、レーザ電力を使用しているP-chip、及びRF電力を使用しているNFCを使用した環境発電を利用して自己電力供給することができる。
【0009】
[0009]本発明の別の態様は、電池の寿命及び使用にわたる電池パラメータの変化を検出し、且つ、それを観察する手段を生成している。データを常に蓄積し、且つ、アキュムレータを観察することにより、その特定の電池に対するその使用事例の経歴が分かる。
【0010】
[0010]本発明の別の態様は、再生利用を容易にするためのシステムを生成している。このシステムは、再生利用のための容易な読出し及び分類方法を生成する。電池には、電池の寸断に先立ってエネルギーを吐き出させ、それにより再生利用のために電池を準備する自己放電抵抗を閉じる、寿命の終わりを割り当てることができる。セキュアNFCシステムを読み出して、電池タイプ、化学的性質、要求事項、再生利用方法及びゼロエネルギーまでの時限を決定することができる。
【0011】
[0011]本発明の別の態様は、従来の電池キャップへの本発明の取付けを容易にする。チップは、現在の電池キャップと新しいキャップの間に容易に収まる。スイッチは、電流の流れを遮断することによって電池をターンオフすることができ、また、NFCコイルは、電池を読み出すために頂部から容易に組み込むことができる。製造及び技術的トラブルシューティングのために、一定の距離から高周波データを読み出すことができる。
【0012】
[0012]本発明の別の態様は、タイプ、製造及び電池履歴にわたる分布を追跡することによって電池使用及び寿命をランク付けする手段である。いくつかの電池はより良好に処理されることになり、また、追加寿命を有することになる。
【0013】
[0013]本発明の別の態様は、モニタ及び電池再生利用システムを可能にする必要なすべての回路機構を含む特注ICを含む。それぞれ、より新しい電池システムのために容易に使用することができるが、データは、再生利用を容易にするために電池内に保持することができる。
【0014】
[0014]本発明の別の態様は、読み出し、プログラムし直し、且つ、これらの電池モニタに書き込むためのセキュアネットワークである。更新されたパターン及びトリガは、データを蓄積するか、或いは事象をイネーブルするかのいずれかのための追加感度のためにプッシュすることができる。
【0015】
[0015]本発明の別の態様は、自己回復スイッチの使用である。電池が並列で構成される場合、その電池は、その並列接続された電池の放電を防止するために開放することができる。同様に、直列構成では、電池が危険な状態にあるか、或いは消耗している場合、電池は内部的に開くことができるが、回路の破壊を防止して残りの電池が引き続いて動作することができるよう、短絡する。
【0016】
[0016]本発明の別の態様は、電池セルのライフサイクルのより広い見解及び知識ベースのためのワークフロー統合を含む。
【0017】
[0017]本発明の別の態様は、本発明の態様は、暗号セキュリティロックをターンオフすることができることである。本出願人らが使用する例は、TSA及び安全編成であるが、これは、製造、及び電池寿命を節約し、且つ、追加情報を可能にする他のアプリケーションにおいてさえも動作することになる。図1は、システムが電池の個々のセルを1つずつモニタリングし、また、線形技術によってアドレス指定可能な部分である従来技術の一実施形態を示したものである。従来技術では、本出願人らは、外部から電力が供給され、また、外部でモニタリングされる単一のセルシステムか、或いはシステムによるモニタリングを可能にする部分のいずれかを見ている。どちらの方法にせよ、これらのタイプのシステムは、それらのシステムがモニタリングするデータ及びそれらのシステムが制御される方法の点で限られている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】[0018]図1は、システムレベル設計のための従来技術として個々のセル電圧をモニタリングする線形技術からの電池モニタの従来技術実施形態を示す図である。
【0019】
図2】[0019]図2は、強化された動作のための複数のセンサ及び複数のスイッチを含む電池モニタ及び制御システムの実施形態を示す図である。
【0020】
図3】[0020]図3は、セキュアNFC及び暗号イネーブル通信、再プログラミング及びデータの書込みの一実施形態を示す図である。
【0021】
図4a】[0021]図4a及び図4bは、頂部又は側面にNFCコイルを有する既存の電池アセンブリへのモニタリング及び制御システムの機械的な接続手段の実施形態を示す図である。
図4b】[0021] 図4a及び図4bは、頂部又は側面にNFCコイルを有する既存の電池アセンブリへのモニタリング及び制御システムの機械的な接続手段の実施形態を示す図である。
【0022】
図5】[0022]図5は、電池モニタシステムのためのジャストインタイム登録及び暗号セキュリティを伴うセキュアネットワークの実施形態を示す図である。
【0023】
図6】[0023]図6は、チップ内に予めプログラムされ、且つ、配置された組込みキーに対して比較されるキーを引き渡すために使用される暗号チップを示す図である。
【0024】
図7】[0024]図7は、問題を追跡し、且つ、アクションを解析するためにパターンを捜し、且つ、パターンを事象と突き合わせるシステムの例を示す図である。
【0025】
図8】[0025]図8は、寿命にわたる使用及び変化のより良好な見解を得るための、複数のワークフローからのデータの組合せを示す図である。
【0026】
図9】[0026]図9は、アキュムレータマトリックスを示す図であり、このデータ記憶方法は、データを常に記録し、且つ、そのデータをアキュムレータビンに蓄積するために設計される。これは、その電池の寿命及び履歴の3D斜視図の表現である。
【0027】
図10】[0027]図10は、従来のシステムであれば、個々のそれぞれの電池を読み出すのに困難な時間を有したであろう並列電池ネットワークを示す図である。
【0028】
図11】[0028]図11は、総合分布百分位数の先端及び尾部を追跡するための様々なパラメータ、事象及び使用履歴の分布を追跡する電池スコア付け及びランク付けシステムを示す図である。
【0029】
図12】[0029]図12は、要求されると、電池から共有されるID及びプロトコルの例を示す図である。
【0030】
図13】[0030]図13は、電池ケアモニタリング及び追跡システムの一実施形態を示す図である。電池製造者は、個々の対話及び事象を追跡し、これらの事象をスコア付け、且つ、追跡することを希望し得る。
【0031】
図14】[0031]図14は、データをモニタリングするための第2のシステム、及びセキュアデータ通信及びゼロ電力インタフェースを可能にする第1のシステムを読み出し、且つ、構成するためのデュアルポートメモリを有するASICチップ設計を示す図である。
【0032】
図15】[0032]図15は、光電力供給識別チップのためのチップレイアウトを示す図である。このチップは、電力用に変調Laser LEDを使用しており、また、IR又はRFと通信することができる。
【0033】
図16】[0033]図16は、NFC及びP-Chipプロトコルのための通信フォーマット及び変調の一実施形態を示す図である。
【0034】
図17】[0034]図17は、NFC電池データを読み出した後、プランジャによる、コンベヤからビンの中への電池の押込みを可能にすることによってビン分類を可能にする電池分類システムを示す図である。
【0035】
図18】[0035]図18は、電池有効性を読み出し、且つ、必要に応じてこれらの電池をターンオン及びオフすることができるセキュアエリアの一実施形態を示す図である。
【0036】
図19】[0036]図19は、IR送信機及びRF送信機として使用されるP-Chipを示す図である。
【0037】
図20】[0037]図20は、様々なプログラマブルモードを可能にする電池コマンド及び制御構造を示す図である。
【0038】
図21】[0038]図21~23は、リチウムイオン電池のパッケージング中に製造される電池モニタのためのコントローラチップの様々な図である。
図22】[0038]図21~23は、リチウムイオン電池のパッケージング中に製造される電池モニタのためのコントローラチップの様々な図である。
図23】[0038]図21~23は、リチウムイオン電池のパッケージング中に製造される電池モニタのためのコントローラチップの様々な図である。
【0039】
図24】[0039]図24及び25は、ポーチ加熱シールエリアを含むリチウムイオン電池のためのパッケージングを示す図である。
図25】[0039]図24及び25は、ポーチ加熱シールエリアを含むリチウムイオン電池のためのパッケージングを示す図である。
【0040】
図26】[0040]図26は、鉛蓄電池内の密閉された電池モニタを示す図である。
【0041】
図27】[0041]図27は、個々のタグが、仲裁論理によって決定されたものとして利用することができる情報に対する異なるアクセスを有する二重周波数タグ構成を示す図である。
【詳細な説明】
【0042】
[0042]次に、本発明の例示的実施形態を詳細に参照し、その例は添付の図面に示されている。他の実施形態を利用することができ、また、本発明のそれぞれの範囲を逸脱することなく、構造的及び機能的変更を加えることができることを理解されたい。さらに、様々な実施形態の特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、組み合せ、或いは改変することができる。したがって以下の説明は、単なる例証として提示されたものにすぎず、例証されている実施形態に対して加えることができる、依然として本発明の精神及び範囲の範疇である様々な代替及び修正を何ら制限するものではない。
【0043】
[0043]図2は、電池モニタ10のためのシステム線図を示したものである。システムは、モニタ上又はチップセット内に含まれている、以下で説明される多くの構成要素を含むことができる。モニタ10は、通常、電池の1つ又は複数の端子などで電池に接続し、電池の状態をモニタリングするように、また、いくつかの事例では、望ましくない状態に対する保護を提供するように構成することができる。
【0044】
[0044]電池モニタ10は、1つ又は複数のセンサ12を含むことができる。これらのセンサ12は、モニタ10に接続された電池13の少なくとも1つのパラメータをそれぞれ知覚するように構成することができる。センサ12は、電池状態を知覚するための、温度センサ、電圧センサ、電流センサ、クーロンセンサ、等々などの任意の適切なタイプのセンサであってもよい。
【0045】
[0045]センサ12は、コントローラ14への入力として機能することができる。コントローラ14は、以下でさらに説明される任意の適切なマイクロコントローラであってもよい。コントローラ14は、センサをモニタリングし、且つ、センサによって提供されるデータを記録し、また、いくつかの状況では、望ましくない状態を防止するために保護を提供するように構成することができる。コントローラ14は、1つ又は複数のトランシーバ16及び1つ又は複数のアンテナ18によって容易にされる、1つ又は複数の通信インタフェースを使用して構成することができる。トランシーバ16は、特殊な動作及びネットワーク機能のためのBTLE及びZigbee Meshトランシーバを含むことができる。アンテナ18は、メッシュアンテナ、BLEアンテナ及び/又は任意の他の適切なアンテナを含むことができる。通信インタフェースは、コントローラチップ14の基板に提供することができ、或いは個別のチップ16に提供することができる。例えばコントローラ14は、独立した電力をコントローラに供給するようにさらに構成することができる無線通信インタフェースを含むことができる。無線通信インタフェースは、近距離場通信(「NFC」)インタフェース、等々などの、あるタイプの無線周波数識別(「RFID」)通信インタフェースであってもよい。NFCインタフェースは、RF信号を受信するためのNFCコイル20を含むことができ、また、RF信号がコイル20によって受信されると、コントローラに独立して電力を供給するように構成することができる。コントローラ14は、単線通信接続などの有線接続22をさらに含むことができる。
【0046】
[0046]実施形態では、モニタは、電池が放電している間、及び電池を充電している間、電池の温度の読みを可能にする温度センサ12を含む。コントローラ14は、温度をモニタリングして、温度が所定の閾値に達する、などの潜在的に安全でない状態、或いは望ましくない状態を決定する第1のレベルのセキュリティによりイネーブルされ得る。コントローラ14は、次に、以下で説明される出力を起動することにより、望ましくない状態を防止するように作用することができる。
【0047】
[0047]センサ12は、高精度電圧測定値を収集するための回路機構を含むことができる。このセンサ回路機構は、低電圧及び高電圧の組込み電圧基準を利用して、電池端子などにおける較正及び基準ベース測定を可能にしている。読値は、コントローラ14によって統計的に平均することができ、また、測定された基準からのオフセットを参照することができる。高度に正確なA/Dレジスタは、カスケード多重12Bit A/D変換器によって使用され得る。これらの変換器は、補償されるべき温度及び電圧によるわずかな変化を許容することによって精度をさらに高くするために、電圧基準と共に使用される。高分解能A/D変換器を使用して抵抗が計算され、また、分流器として作用するスイッチを流れる電流が測定される。分流器の両端間の正確な電圧を使用して、クーロンが常に計算される。電流は、常に、充電及び放電の両方に対するクーロンを表す。1Coulomb/秒は1Ampであり、また、1C充電又は放電を表す。Coulombを計数することにより、マイクロコントローラ14は、電池の充電の状態を予測することができる。電池寿命は、この技術に対する第1のアプリケーションとして提供されるが、この同じ技術は、スーパーキャパシタのために使用することができる。Coulombを常に観察することにより、電池容量のイメージが構築される。このイメージを常に観察することにより、変化を観察することができ、また、再生利用のための使用閾値を設定することができる。
【0048】
[0048]電池モニタ10は電力管理24を含むことができる。電力管理24は、通常、電池モニタのすべての構成要素のための検証済み電圧レベルを提供することができる。電力管理24は、1つのセルの動作を2VDCまで低くすることができる環境発電のためのバックブースト変換器をイネーブルすることができる。実施形態では、任意選択的な電池セル32は、専用電池のためのモニタに電力を供給するための専用にすることができる。セル32は、単にNFC場が存在している場合だけでなく、電力を常に保証するために、モニタ10に専用の電力を供給することができる。これは、工学目的及びデータ収集目的のためのセルのモニタリングであってもよい。コントローラ14は、FLASHともにイネーブルされ、したがってコントローラ14はセキュアにプログラムし直すことができる。NFCプロトコル及びトークンはセキュリティをイネーブルし、また、通し番号のような他のデータを、より長い距離を隔てて読み出すための第2のRFID高周波数プロトコルに提示することができる。高周波数通信に対して比較したNFC通信のセキュリティが与えられると、NFCは、コントローラ14への書込みがイネーブルされた唯一の通信であってもよい。
【0049】
[0049]実施形態では、モニタ10は、電力源から開放されても機能し、依然として制御されるように構成することができ、図は、要求されると電力供給が遮断される電力管理へのスイッチを示している。このモニタは、包括的に通信し、また、データを解析することによって本出願人らがさらに学習し、また、様々なユーザがさらに学習すると更新することができるように設計されている。
【0050】
[0050]モニタ10は、コントローラ14によって制御されるように構成された1つ又は複数の出力を含むことができる。コントローラ14は、望ましくない状態が検出されると、電池又はセルの端子の両端間を開閉して、電池又はセルを選択的にドレンすることができる自己放電抵抗スイッチ26を制御することができる。モニタ10は、一連の電池又はセルが直列に接続される、などの望ましくない状態が検出されると、電池又はセルをバイパスして、電力の完全な損失を回避するバイパススイッチ28を含むことができる。モニタは、電力管理24からの電力入力を選択的に制御するための電力管理スイッチ30を含むことができる。これらのスイッチの各々は、コントローラによって制御することができ、また、以下でさらに説明されるように、知覚された様々な状態に基づいて起動又は起動解除されるようにプログラムすることができる。
【0051】
[0051]実施形態では、コントローラ14及び/又はモニタ10の構成要素には、NFC通信場によって電力を供給することができる。NFC場が存在すると、NFCコイルは、電力を受け取って、NFCメモリに書き込むことなどによって特定の機能を実施するようにコントローラをプログラムすることができる。高周波数チップが読み出される場合、高周波数チップは、決定されたプログラム済みの特定のアクセスを使用して同じメモリにアクセスする。これは、単にSKUであっても、或いはそのセルに対する通し番号データであってもよい。このメモリは、コントローラ14によるこれらの変化の観察を可能にし、また、その動作又はプログラミングの再構成を可能にするためにデュアルポート化することができる。これの例は、生産中における、自己放電をモニタリングするためのNFCへの書込みであろう。モニタ10は、次に、電力がドレンされるまで、データを常に消費し、且つ、記録する。同じタイプのNFC書込みは、再生利用及び寸断のための自己放電抵抗26をイネーブルすることができる。自己放電抵抗26は、電池を放電させるために最初に起動され、次に、電池は、放電した後、自然に電圧が高くなり、また、潜在的に潜在エネルギー障害になるため、発火を防止するために、寸断に先立ってNFCを使用して電圧が読み出される。マイクロコントローラ14からの別のコマンドは、バイパススイッチ28を閉じて、電池を外部から短絡させることができ、また、電池を内部で開放することができる。これらの試験状態では、データは、在庫倉庫への歩行中のように一定の距離を隔てて試験結果を読み出すために高周波数タグに提示されるようにプログラムすることができることに留意されたい。本明細書において使用されているように、タグという用語は、アンテナ又はコイル、並びにコイルに接続されたチップ又は半導体の両方を意味することができる。図27に示されているように、モニタ10は、NFC通信及び高周波数通信の両方を可能にするために、高周波数タグ38及びNFCコイル20の両方を含むことができる。図27は、1つのチップ42に接続された2つのタグアンテナ20、38を示している。チップ42は、実際には組み合わされた2つのチップであり、いずれもタグとして使用することができる。メモリ仲裁コントローラにより、個々の通信手段は、使用事例の任意のステップ、すなわち生産、製造、再使用、再生利用、試験及びトラブルシューティング時に、必要に応じて通信することができる。モニタに許容される、高周波数通信を介したアクセスは、場合によっては制限されることがある。例えば高周波数通信は、モニタのプログラミングが高周波数通信からのオプションではないよう、コントローラ14へのアクセスを制限することがある。別の例では、高周波数通信は、既に収集済みのデータへのアクセスに限定され得る。これは、高周波数通信を介したデータの高速収集を許容することができ、一方、NFC通信は、電池13から引き出される寄生電力を許容し得ない。タグリーダはクラウドに接続され、クラウドデータベースに即時試験データを提示する。
【0052】
[0052]コントローラ14は、単線アドレス指定可能ネットワークインタフェース22を有している。単線アドレス指定可能ネットワークインタフェース22はI2Cインタフェースであってもよく、また、コマンドセットは、アドレスを報告し、次に、個々の電池に関連するデータを報告することができる。実施形態では、センサ12は、衝撃事象及び運動事象をモニタリングするための加速度計を含む。
【0053】
[0053]NFCコイル20は、良好なNFC読出し及び書込みを可能にするために、少量のフェライト又はNFCコイル20の下方の隔離された加圧鉄を使用して、電池のキャップ又は側面に取り付けることができる(図4a及び図4bに示されているように)。フェライト又は隔離された加圧鉄は、金属に取り付けるための低周波数タグ及び高周波数タグに対して動作する。これは、電池又は端子金属からコイル20を隔離することによって達成される。
【0054】
[0054]図3は、特定のデータ及びデータセグメントに対してチャネルを開くための、NFCプロトコルを使用してモニタ10をセキュアに読み出し、且つ、検証するプロセスを示したものである。例えばモバイルデバイス36はNFC能力であってもよく、また、電池モニタ10への通信がイネーブルされ得る。モニタ10及びその機能への指定された、又は限定されたアクセスは、異なる当事者に与えることができる。例えば製造者は特定のアクセスを有することができ、OEMは特定のアクセスを有することができ、再生利用業者は特定のアクセスを有することができ、また、第2のユーザは特定のアクセスを有することができる。読出し毎に、製造者は、このデータは同じ方法で同じく収集されるため、現場からの学習済み理解の新しいファームウェア及び閾値を使用して電池13内のファームウェアを更新することができる。モニタ10内の暗号コード、及び認証アプリケーションは、記録されたデータを読み出すとセキュアハンドシェークをイネーブルする。アプリケーションは、記録されたデータをこのチャネルを利用して本出願人らのデータベースに送り、常に、また、個々のユーザに対する統計学及び学習を可能にし、或いはその寿命を通した使用を可能にする。図3に示されているように、検証のプロセスは、NFC場がモバイルデバイス36でパワーアップされると開始することができる。モニタ10のNFCトランシーバ16は、ID及び暗号コードで場に応答することができる。モバイルアプリケーションなどのモバイルデバイス36のソフトウェアは、次に、検証が生じるインターネットの指定されたアドレスにIDを送ることができる。アプリケーションは、次に、ID及び暗号コードを受け取ることができ、アプリケーションは、モニタ10をコード化するためにそれをNFCトランシーバ16に送り返す。
【0055】
[0055]図4aは、電池キャップ40に接続されたモニタの使用を示したものである。コントローラ14には、イネーブルされると電池13の両端間から電力が供給され、或いは読み出されるとNFC場によって電力が供給される。図4bは、コントローラ14は依然としてキャップ40に配置されるが、コイル20はセルの側面に置かれる側面取付けバージョンを示したものである。これらのコイル20は、通信を保証するために、空間又はフェライト或いは加圧隔離鉄のうちのいずれかを使用して金属から隔離することができる。単純なプラスチックキャップは、良好なNFC読出しを可能にする十分な空間をキャップに提供する。このイメージは低周波数タグしか示していないが、柔軟性を追加するために低周波数タグ及び高周波数タグの両方を使用することができる。これは図27で参照される。
【0056】
[0056]図5は、モニタ10と共にAWS(「Amazon Web Services」)及びJust In Time Registrationを利用する方法を示したものである。この方法は、デバイス、アプリケーション及びヘルプを接続し、検証及びセキュアファームウェア修正制御のためにモバイルイメージ及びシャドーデバイスを維持することによってソフトウェアを管理するのに役立つ。このシステムは拡張が可能であり、また、一度サーバレスフレームワークが設定されると、容易に、且つ、簡単に、包括的に開発することができる。図6に示されているIOTファームウェアを更新するための追加暗号セキュリティのためにAtmel Cryptoチップを利用することができる。示されているように、ターゲットキーが提示されると、キーが渡される。一致すると、セキュアパイプラインが生成される。これは、読み出され、再使用され、或いは再タスク化される際に、電池を実時間でモニタリングするために使用することができるセキュアネットワークを可能にする。
【0057】
[0057]図7は、問題を表面化し、且つ、問題の潜在的解決を可能にするために使用することができる、パターンを突き合わせ、且つ、異常性を追跡する方法を示したものである。データ中のパターン、アクティビティ、ソーシャルグループ、不良状態、影響及び副作用を見出すことにより、データセットにおける重要性のレベルの識別が促進される。コントローラ14によって収集されたデータをモニタリングして、パターン及び状態を認識することができる。様々な条件の下で、ネットワークへの通信を介して送られたメッセージを識別された当事者に通知することができ、或いは予めプログラムすることができる。一連のパターンがプレロードされ、また、コントローラ14によって受け取られるデータの通信及び記録を可能にするトリガが設定される。モニタ10は、更新時又は事象に書き込むためにNFCによって読み出されると記憶するための全オフ、及びモニタリングの常時全オンからの重要なデータを記録するためのいくつかのプログラマブル電力モードを有している。トリガ及びアクションは、特定の効果と共にプログラムされ、また、モニタリング条件が設定される。
【0058】
[0058]図8は、様々な使用事例及びユーザにわたってワークフローが追跡される様子の例を示したものである。通常、電池は、一次製造者とは別に追跡され、その電池は、パッケージ化され、且つ、もう一度試験され、次にOEMによって実装時にもう一度試験され、さらに、再タスク化及び再生利用時にもう一度試験され得る。実施形態では、この情報をセルの寿命にわたって記憶し、且つ、共有する方法が提供される。データは、コントローラ及び関連するメモリによる解析及び機械ビジネス学習のために収集することができ、また、仕様及び使用を改善するために使用することができる。また、このデータは、最も良好に働く化学的性質を立証し、また、最も信頼性が高いことを証明する製造方法を立証するために使用することも可能である。この方法は、特定の機能毎に、最良の製造者及び電池に対してワークダウンし得る。この統合された見解は、すべてが適用されるための学習を提供することになる。第1のセキュアで、且つ、局所的な通信(NFCなど)は、提示されるデータへの第2のよりセキュアではないRFIDアクセスを、別様に、且つ、異なるプログラマブル状態で可能にする。
【0059】
[0059]図9にはアキュムレータマトリックスが示されている。アキュムレータマトリックスは、この電池のための使用の強度のランク付け及びスコア付けを可能にする情報のビンを表している。このマトリックスは、電池の寿命にわたる寿命臨界状況、及び個々のワークフロー移行のような寿命特化事象を蓄積するように設計されている。マトリックスは、事象として記録されるビンによる温度及び充電である。このデータの分布は、環境及びアプリケーション内におけるその電池の寿命及び処置の特徴を表している。本出願人らには、再使用及び再生利用のための最良のアプリケーション及び閾値を決定するために、1つのワークフローを越えてこのデータが必要である。
【0060】
[0060]図10は、個々のセルをモニタリングすることができ、また、並列構成内で追跡することができる並列電池パックを示したものである。個々の電池又はセルに縛りつけられた複数のモニタ10は、次に、通信ネットワーク50を介して接続することができる。ネットワークは、単線ネットワーク、NFC、又はDCバスを介したDC後方散乱であってもよい。これは、単一RFID技術又は多重低周波数及び高周波数アクセスであってもよいことに留意されたい。
【0061】
[0061]図11は、電池寿命、使用の苛酷性及び経験のランク付けを可能にするための健全性スコア付け公式を示したものである。分布が評価され、これらは、分布曲線の先端及び尾部を使用した平均を示している。これは、電池の寿命特徴を表しており、また、個々のタイプの電池の寿命に影響を及ぼしている要因を示している。実施形態では、システムは、電池をより良好にする限界及び設計方法についてのより良好な理解を可能にする、数百万個の電池及びタイプのデータベースを含むか、或いは利用することができる。代替実施形態では、データを使用して、再生利用のため、及び再使用のための健全性のフィットネスのための閾値を画定することができる。アルゴリズムは、健全性スコアを決定し、且つ、ランク付けするために、内部抵抗、温度、充放電率、経年及びアクティビティ加速度と共にアキュムレータマトリックスにアクセスし、且つ、使用する。これは、誰が最良の電池を製造するかを定義し、また、常に最良である化学的性質及び製造方法を定義する手段にもなる。この情報は、これらのプロセス及び方法をより良好にするために使用されることになる。
【0062】
[0062]図12には、電池健全性及びケアスコア付けの表現が示されている。このスコアは電池が保守された様子を決定し、それは、電池と接触する者、また、同じく電池の寿命に影響を及ぼし得るため、その目的を示すために、ワークフロー内における事象及びサービス対話をモニタリングする。保守が乏しい電池は再定格化することができ、一方、良好に保守された電池は延長寿命を有することができる。図13は、レジスタのためのバイトカウント及びプロトコルを示したものである。図13は、電池モニタの寿命にわたるセキュアデータ転送のための転送方法論を可能にするための一次レジスタ及び二次レジスタを示している。この方法は、一次レジスタが更新され、且つ、検査合計によって検証されるまで、二次レジスタを完全な状態に維持する。検証されると、二次レジスタが同じく更新される。このプロセスは、電源故障、読出し又は書込み誤り、電力のちょっとした故障又は事故の事象の際にデータ完全性を維持する。
【0063】
[0063]図14は、コントローラ14のための単一チップ設計のためのASICレイアウトを示したものである。単一チップ設計は、図2に示されている、また、図2で説明した複数の特徴を単一のチップに含む。NFCコントローラは、単一チップの基板に含まれており、また、コントローラ14と共に設計の基本である。NFCは、制御及び典型的なNFC読出し並びに書込みを可能にする、NFCのためのデュアルポート化メモリを利用することができる。このチップは、本文書において言及されているすべてのセンサ及びレジスタを組み込んでおり、これらの使用にわたってワークフロー及び寿命データを追跡する。仲裁割込み論理は、複数のシステムにメモリアクセスを許容する。この仲裁論理は、直接I2Cプログラミングによって、又はNFC局所通信によってプログラムすることができる。プログラミングにより、システムは、例えばより長い距離のために本出願人らが別のタグ技術アクセスを追加する場合に、異なるポートに対して何を利用することができるかを決定することができる。高周波数タグは、別のアクセスを追加する良い例であろう。柔軟性を追加するために、追加I/Oコントローラによって2つのI/O制御を追加することができる。図15は、典型的なNFCプロトコルに加えて、後方散乱通信のための通信プロトコルを示したものである。
【0064】
[0064]図17は、生産中の電池を分類し、且つ、読み出すためのシステム60及び方法を示したものである。このシステム60は、長いコンベヤ64を運搬されている個々の電池のNFC読出しのためにより大きいアンテナ62を使用している。アンテナは、個々の電池のタイプ、寿命及び充電状態を読み出し、充電ビン66中又は廃棄ビン68中などに電池を分類する際に、再使用又は再生利用に先立ってすべてのデータを収集する。再生利用のために電池がスケジュールされる事象では、分類機は出力を開いて、寸断に先立ってエネルギーを除去するための内部放電プロセスを選択する。電池は、放電させることができるが、それらはそのプロセスの後においても常に電圧を発生するため、このプロセスは、通常、問題の原因になり得る。内部放電回路は、単純な再生利用プロセスを可能にする。電池化学、サイズ、製造者又は他の基準によるタイプ分類が極めて単純になる。図18a及び図18bには、セキュリティの目的で、さらにはこれらの電池を試験して、それらが意図されたように製造されていることを検証するために電池を検査する方法が示されている。図18aは、スクリーンゾーン内に配置されたNFCアンテナを介して状態を読み出すことによって電池の状態を提供することができるセキュリティモニタ70を示している。図18bは、スクリーンゾーン72に配置された、電池状態の読出しと、電池への、電池のターンオフなどのコマンドの送信の両方を実施することができるNFCアンテナを有するコンベヤを示している。これらの電池は、運搬が意図されていない場合、上で説明したように、暗号パスワードを使用して内部スイッチをイネーブルすることによりディスエーブルされ得る。これらの電池は、タンパーモニタリング及び検証により、転送又はセキュリティプロセスの後、再びイネーブルされ得る。
【0065】
[0065]図21図25は、リチウムイオン電池のケーシング中に製造される電池モニタ10を一括して示したものである。図21及び図22は、両側がサーモプラスチック層82によって取り囲まれる導電性タブ80を示している。このサーモプラスチック層82は、電池電解質が金属タブに沿って通過するのを防止するために密閉されている。サーモプラスチックシールは、パターが密閉されて電解質を保持すると、同じくもう一度密閉するように設計される。チップ84を電池の中に密閉するためには、本出願人らは、これらのタブに接続しなければならない。タブ設計及びスタンピングは、チップ84をタブ80に結合することができるように設計される。チップを組み立てることができるようにタブ80を構築する方法は、最初に、タブ80を所定の位置に保持するサーモプラスチック層をタブ80に結合することである。タブ80は、必要に応じて回路基板に機械的に結合することができる。サーモプラスチック82は、単純な設計のための回路基板として働くことができる。
【0066】
[0066]また、タブ80は、個々の電極タブからのこれらの回路を相互接続するための溶接相互接続又はスナップ様ディテールを許容するように同じく設計される。これは、同じ方法でのFETスイッチ86の密閉を可能にし、電池状態を知覚するためのセンサ又は他のデバイスの追加を可能にする。電池から引き出されるより小さい追加タブは、アンテナ及びコイル接続のためのものである。図は2つの接続を示しているが、複数の入力のために4つ以上の接続を使用することも可能である。
【0067】
[0067]図は、サーモプラスチックへの直接のスタンピングを示しているが、薄いPCBA様Kaptonを代替として使用することも可能である。
【0068】
[0068]2つ又は3つのタブが使用される場合、システムは、サーモプラスチック頂部層を使用し、且つ、結合して、2つのテーブルを一体に保持し、回路全体を電解質から密閉し、且つ、圧力を加えて、スナップ相互接続として示されている相互接続を可能にするために重畳コネクタシステムを利用することができる。
【0069】
[0069]図26の12VDC電池線図は、個々のセルに配置された、密閉されたRFIDセンサ/モニタ90を示したものである。プラスチックエンクロージャは、電極が個々のセルに接続している間、電子工学及び環境発電回路を保護する。この設計によれば、センサ及びRFIDを電解質内に置くことができ、また、セルへの相互接続は、電池内で使用されている同様の材料である間、モニタリングを可能にする。電池は、12、24、48又はもっと大きい電池であってもよい。セルの数は重要ではないが、モニタリングのための相互接続は重要である。
【0070】
[0070]本明細書において説明されているシステム及び方法の一態様では、電池モニタ及び関連する方法は、電池再生利用目的のために使用することができる。開示されているモニタ及び方法は分類能力を可能にするため、再生利用がより容易になる。分類機(図17)は、セル化学並びにセル状態を決定するための経済的で、且つ、速やかな方法を示している。
【0071】
[0071]本開示の別の態様では、本明細書において説明されているモニタ10及び方法は、第2の寿命アプリケーションに使用することができる。上で言及した分類プロセスと同様の分類プロセスは、化学的性質による分類を提供することができ、また、セルの格付けの追加が存在し得る。再製造及び転用のための、電池が相補方式で挙動していることを保証するキー特性による電池の分類がより容易になる(例えば電池は、同様の容量及び期待寿命特性を有することになる)。
【0072】
[0072]本開示の別の態様では、モニタ10は、製造者における電池の初期生成中に電池に設置することができる。本発明は、再製造、転用及び再生利用、並びに任意の他の将来のアプリケーションのために利用することができるようにするために、初期製造中に電池に適用しなければならないため、これは重要である。新しい電池産業のための利点は、このセルは、構築されると、直ちに充放電されて適切な容量が決定されることである。本発明によれば、過電圧、直流抵抗(DCR)及びヒート/サーマルをモニタリングすることによって効率を改善することができる。本発明の重要な利点は、生産後、HSD(高自己放電)を検査するためにセルが3週間にわたって貯蔵されると明らかになる。今日、製造者は、HSDの発生が存在していないことを保証するために、ロボット装置を使用して、この3週間の期間の間、電池電圧を周期的に検査している。このモニタを使用することにより、プロセス全体を修正することができる。セルは、すべて、数ペニーで、高価なロボット装置及び労働費を必要とすることなく、はるかに速い速度及びはるかに高い効率でモニタリングされ得る。本出願人らは、試験中の「すべての」セルを一度に表示する能力、及び/又は設定されたプログラマブルパラメータ外であるセルのみを表示する能力を提供することができる。このステップにおけるコスト節約だけでも、本出願人らの技術をそれらのセルに統合するための余分のコストを容易に正当化することができる。使用にわたる、電池のような分布にわたる格付け/ランク付け及び寿命決定は、極めて価値のあるものになる。
【0073】
[0073]本開示の別の態様では、本明細書において説明されているモニタ10及び方法は、高信頼性要求事項アプリケーション及び追跡に使用することができる。この例は、戦場の兵士が演習に使用するためのパックを選択する場合のような軍事用途に見ることができる。本発明は、必要に応じた特定のアンペア引出しにおける容量が数時間であっても、電池パックが完全に充電されているかどうかを表示することになるモニタリングシステムを提供する(実際上、あらかじめ設定された条件の下であとどれくらい長く電池を使用することができるかの決定)。それらは、その電池の寿命経験及びその劣化レベルを見ることができる。これらの電池のための寿命ランク付け情報は入手可能であり、単純に在庫を管理することになる。データは、パックをそのままで使用することができるか(すべてのセルが仕様に従って動作しているか)、パックを修理するか(仕様を満足するためにいくつかのセルを交換する必要があり得るか)、或いはパックを廃棄するか(パックが仕様を満足しない場合、また、適切な動作状態にもたらすことができない場合)どうかを決定するために利用することができる。
【0074】
[0074]本開示の別の態様では、モニタ10には、モニタリング機能を実施するレジスタを構成することによって近距離場通信(NFC)を介して電力を供給することができる。モニタ10には、電池又はNFCによって電力を供給することができる。このシステムはデュアルポート化メモリを有しており、したがって両方の機能が完全に可能であり、また、独立して動作することができる。
【0075】
[0075]本開示の別の態様では、電池寿命の多くの特性及び状況を読み出すための低コスト電池モニタを可能にする特定用途向け集積回路(ASIC)チップが使用される。このチップは、保証決定、寿命、設置のデータ、製造、購入の場所、記録、クイック電圧チェック、及び他の態様のために任意の電池に利用することができる。このチップは、充電式化学、鉛蓄電池(リウォータリング及びケア付き)及びアルカリ及び/又は一次電池で使用することができる。この情報と共に安全機構を使用して、直列構成のセルを短絡させることができ、或いは並列構成のセルを開くことができる。これにより、電池又はモジュールは、機能し続けつつ、定義済みパラメータ外に存在し得るすべてのセルをディスエーブルすることができる。単一の電池セルでは、電力を供給する製品を保護するために、この情報によってセルをディスエーブルすることができる。
【0076】
[0076]本開示の別の態様では、ワークフロー及び電池の寿命内の異なる瞬間にターンオン及びオフすることができる試験プロセスを可能にする通信方法が提供される。この通信方法は、再生利用プロセスを介したセル毎のデータ収集を可能にし、且つ、今はまだ存在していないR&Dフィードバック機会を許容することになる。
【0077】
[0077]本開示の別の態様では、本明細書において説明されているモニタ10及び方法は、市場における既存の製品に適用される。これは、アクセス可能である場合は個々のセルに適用することができ、或いは個々のセルアクセスの達成が不可能である場合はセルのグループ/モジュール/パックに適用することができる。
【0078】
[0078]本開示の別の態様では、様々な電子デバイス及び/又は構成要素に対する本発明のアプリケーションが提供される。このアプリケーションを使用して、電流引出しの量、及びデバイス内の様々な電子構成要素に印加される電圧を測定することができる。データを使用して、デバイス内の根本原因解析不良を決定することができる。
【0079】
[0079]別の態様では、バランスブリード抵抗として作用する放電抵抗と共にモニタ10及び設定点能力を使用することにより、電池システムのためのバランサーとしてICCを使用することができ、このユニットは無線平衡ネットワークとして作用する。電池安全性を可能にすることにより、バランサーのうちの1つが故障しても、本出願人らは、モニタのソフトウェアを使用して、もはや報告しないユニットに対する、グループの知られている報告バランサーの差電圧を計算することができ、以て、最良の抵抗を保証する安全レベルで本出願人らが依然として動作しているかどうかを知り、さらにはその抵抗を常に切り換えるべく、知られている総電圧合計及び紛失差を計算する。
【0080】
[0080]本開示の別の態様では、本明細書において開示されているモニタ10及び関連する方法は、電池の出荷及び輸送安全性に適用することができる。輸送中、セルをモニタリングすることにより、中央電池管理システム(BMS)に情報を送り、運転者、チェックポイント/スケールオペレータ、TSAエージェント、Public Service Commission Officers又は任意の他の責任当事者に情報を与えることができる。これは、起こり得る危険な状態、及び/又は電池が安全な出荷パラメータ内であるかどうかを報告することができる。セル電池管理システムCBMSは、BCMと共に、性能及び提供される情報の品質を改善することになる。
【0081】
[0081]別の態様は、より大きい能力を形成するための様々な能力を表す複数のインタフェースを有している。低周波数通信は安価であり、また、直接モニタリングするためのシステムで実現することができる。高周波数タグはそれほど高価ではないが、送信機はより高価であり、生産及び製造解決法のためにより適している。これらのシステムの組合せは、デュアルポート化されたプログラマブルメモリと共に、回路モニタリング、生産試験、再生利用分類及び総合柔軟性における、技術者のために適した解決法をもたらす。
【0082】
[0082]「垂直方向」、「水平方向」、「頂部」、「底部」、「上部」、「下部」、「内部」、「内側に向かって」、「外部」及び「外側に向かって」などの方向を示す用語は、図に示されている実施形態の配向に基づく本発明の説明を補助するために使用されている。方向を示す用語の使用を、本発明を(1つ又は複数の)何らかの特定の配向に制限するものとして解釈してはならない。
【0083】
[0083]以上の説明は、本発明の現在の実施形態についての説明である。均等論を含む特許法の法則に従って解釈されるべきである添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の精神及びより広義の態様から逸脱することなく、様々な改変及び変更を加えることができる。本開示は例証目的で提供されたものであり、本発明のすべての実施形態についての余す所のない説明として、或いはこれらの実施形態に関連して図に示され、或いは説明された特定の要素に特許請求の範囲を限定するものとして解釈してはならない。例えば、それには限定されないが、説明されている発明の(1つ又は複数の)任意の個々の要素は、実質的に同様の機能性を提供し、さもなければ適切な動作を提供する代替要素に置き換えることができる。これは、例えば当業者に現在知られているものと思われる代替要素などの現在知られている代替要素を含み、また、開発されると、当業者が代替であると認識すると思われる代替要素などの、将来的に開発され得る代替要素を含む。さらに、開示されている実施形態は、協力して説明されている、また、協同して利点の集合を提供するものと思われる複数の特徴を含む。本発明は、これらの特徴のすべてを含む実施形態、又はさもなければ発行される特許に明確に示される範囲を除く、言及されている利点のすべてを提供する実施形態のみに限定されない。例えば「1つの」、「その」又は「前記」を使用した単数形の特許請求要素に対するすべての参照を、その要素を単数に限定するものとして解釈してはならない。
[発明の項目]
[請求項1]
電池モニタリングデバイスであって、
コントローラと、
前記コントローラに接続された1つ又は複数のセンサであって、電池の少なくとも1つのパラメータを知覚するようにそれぞれ構成された1つ又は複数のセンサと、
前記知覚されたパラメータに基づくデータを受け取り、記憶するように構成されたメモリと、
無線ネットワークを介してデータを送信し、受信するように構成された第1の通信インタフェースであって、前記無線ネットワークが前記電池モニタ及び前記電池モニタの構成要素に電力を供給するように構成された無線周波数場を備える、第1の通信インタフェースと
を備える電池モニタリングデバイス。
[請求項2]
第2の通信インタフェースをさらに備え、前記第2の通信インタフェースが有線インタフェースである、請求項1に記載の電池モニタ。
[請求項3]
第2の通信インタフェースをさらに備え、前記第2の通信インタフェースが高周波数タグである、請求項1に記載の電池モニタ。
[請求項4]
前記コントローラによって制御される1つ又は複数の出力スイッチをさらに備える、請求項1に記載の電池モニタ。
[請求項5]
前記1つ又は複数の出力スイッチが、電池の端子の両端間に抵抗を加え、前記電池から電力を引き出すための回路を働かせるように構成された自己放電スイッチを含む、請求項4に記載の電池モニタ。
[請求項6]
前記コントローラが、望ましくない状態に応答して前記自己放電スイッチを働かせるようにプログラムされる、請求項5に記載の電池モニタ。
[請求項7]
前記1つ又は複数の出力スイッチが、前記電池モニタと接触している前記電池をバイパスする回路を働かせるように構成されたバイパススイッチを含む、請求項4に記載の電池モニタ。
[請求項8]
前記コントローラが、望ましくない状態に応答して前記バイパススイッチを働かせるようにプログラムされる、請求項7に記載の電池モニタ。
[請求項9]
前記コントローラに電力を供給するように構成された専用電力源をさらに備える、請求項1に記載の電池モニタ。
[請求項10]
前記専用電力源が、前記電池モニタによってモニタリングされる電池に置かれた単一の電池セルを備える、請求項9に記載の電池モニタ。
[請求項11]
前記無線通信インタフェースが近距離場通信インタフェースを備える、請求項1に記載の電池モニタ。
[請求項12]
前記近距離場通信インタフェースが前記コントローラと同じマイクロチップに置かれる、請求項11に記載の電池モニタ。
[請求項13]
前記コントローラが、近距離場通信場の存在に応答してパワーオンされるように構成される、請求項11に記載の電池モニタ。
[請求項14]
前記コントローラに接続された近距離場通信コイルをさらに備える、請求項11に記載の電池モニタ。
[請求項15]
前記近距離場通信コイルが電池端子の導電性材料から隔離される、請求項14に記載の電池モニタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27