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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】捕虫器
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/08 20060101AFI20230330BHJP
   A01M 1/10 20060101ALI20230330BHJP
   A01M 1/00 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A01M1/08
A01M1/10 M
A01M1/00 Q
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019114829
(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公開番号】P2020048549
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】P 2018175672
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】518336260
【氏名又は名称】星 友矩
(74)【代理人】
【識別番号】100218062
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】星 友矩
(72)【発明者】
【氏名】門司 和彦
(72)【発明者】
【氏名】金子 聰
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恵春
(72)【発明者】
【氏名】東城 文柄
(72)【発明者】
【氏名】益田 岳
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04788789(US,A)
【文献】実公昭45-030697(JP,Y1)
【文献】実開昭62-083477(JP,U)
【文献】特開2004-254523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲対象の昆虫を収容する捕集部材と、
前記捕集部材を底面部から垂下して着脱自在に取り付け、前記捕集部材内に捕獲対象の昆虫を取り込むためのファンを着脱自在に格納するボディ本体と、
前記ボディ本体の上部四隅からそれぞれ立設され、乾電池を上下にして収容する電池用ソケットを有し対角状に配置された一対の第1のタイプの支柱、及び別の対角状に配置された一対の第2のタイプの支柱とからなる支柱部と、
一定の厚みを有する平板よりなり、表側に吊り部材が取り付けられ、裏面に前記支柱部のうちの少なくとも対角状に配置された一対の支柱の上端部を差し込みにより着脱自在に受け入れる差し込み受部が形成された屋根部と、
前記ボディ本体の上面に着脱自在に取り付けられ、一端から他端にかけて金属又は導電性樹脂テープからなる配線が上面に配置され、前記一対の第1のタイプの支柱の一方の支柱の下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって装架される第1のクランク部と、前記一対の第1のタイプの支柱の一方の支柱の下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって前記第1のクランク部とは別ルートで装架される第2のクランク部よりなる下部回路構造体と、
前記下部回路構造体の上に着脱自在に取り付けられ、上面中央部に電球用ソケットが設けられ、一端から他端にかけて金属又は導電性樹脂テープからなる配線が下面に配置され、前記一対の第1のタイプの支柱の一方の支柱下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって装架される第3のクランク部と、前記一対の第1のタイプの支柱の一方の支柱の下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって前記第3のクランク部とは別ルートで装架される第4のクランク部よりなる上部回路構造体とを備え、
前記下部回路構造体と前記上部回路構造体により、電球点灯用の回路構造体が構成されていることを特徴とする捕虫器。
【請求項2】
前記屋根部の裏面に形成された前記差し込み受部が、前記支柱部の各支柱の上端部が着脱自在に嵌合により差し込まれる凹部であり、前記支柱部の各支柱の上端部が前記屋根部の前記凹部に嵌合により差し込み固定されることを特徴とする請求項1に記載の捕虫器。
【請求項3】
前記屋根部に上端部が着脱自在に差し込まれる一対の支柱が、前記一対の第2のタイプの支柱であり、前記一対の第2のタイプの支柱の上部はそれぞれ差し込みのための逆L字構造を有し、これら各支柱の上部の逆L字構造はそれぞれこれら各支柱が配置される対角線中心から外側に向いており、前記屋根部の前記差し込み受部は、前記屋根部の裏面から突出し、この突出部分に平行に前記各支柱の上部の逆L字構造を受け入れる穴を有しており、前記逆L字構造の水平方向の折れ曲がり片と前記穴とは、これら各支柱の弾力性を利用して差し込み固定が行われることを特徴とする請求項1に記載の捕虫器。
【請求項4】
前記捕集部材は、捕獲した昆虫を回収するための回収部材を内部に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の捕虫器。
【請求項5】
前記回収部材は、上部が開口したプラスチック容器であることを特徴とする請求項4に記載の捕虫器。
【請求項6】
前記回収部材は、4本の柱部分が下部枠体から立設した壁面を有しない第1の構造部と、前記4本の柱部分の上部と係合するための被係合部が形成された上部枠体からなる第2の構造部から構成されたボックス構造を備えることを特徴とする請求項4に記載の捕虫器。
【請求項7】
前記回収部材は、捕獲した昆虫を生きたまま飼育可能とする虫かごになる構造を有することを特徴とする請求項6に記載の捕虫器。
【請求項8】
持ち運び時には、前記回収部材が内部に前記ボディ本体を収容する構造を有し、前記屋根部で前記回収部材と前記ボディ本体の上部を覆うようになっていることを特徴とする請求項6に記載の捕虫器。
【請求項9】
前記ボディ本体、前記支柱部、前記屋根部、前記下部回路構造体、前記上部回路構造体のフレーム部分は、それぞれ3Dプリンターを用いて印刷により作製されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の捕虫器。
【請求項10】
前記ボディ本体、前記支柱部、前記屋根部、前記下部回路構造体、前記上部回路構造体のフレーム部分、前記回収部材は、それぞれ3Dプリンターを用いて印刷により作製されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の捕虫器。
【請求項11】
電球として豆電球とLED電球の両方を使用することができ、一方の電池用ソケットにおける電池の取付方向を逆にすることにより、並列と直列の両回路を構成することができることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の捕虫器。
【請求項12】
前記ファンを回転させるために、スマートフォン用モバイルバッテリーを電源として、昇圧回路により所要の電圧に変換することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の捕虫器。
【請求項13】
前記屋根部の平面視形状が六角形であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の捕虫器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蚊などの小型昆虫(特に病害昆虫)をモニタリング調査あるいは害虫駆除するための捕虫器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蚊媒介感染症は、ウィルスや原虫などの病原体を持った蚊が、人を刺すことにより生じる感染症であり、主として熱帯・亜熱帯地域を中心に流行している。日本でも2014年に関東一円でデング熱が流行し、大混乱が起きた。そのため都や県の職員が公園のたまり水や排水溝に殺虫剤を散布したり、蚊の成虫を捕獲してデングウィルスの保有の有無について検査するなど対応に追われた。
【0003】
このような問題の発生の兆候を察知するとともに、昆虫媒介性の熱帯病の蔓延を未然に防止する観点から、捕虫器を用いたモニタリング調査や害虫駆除は極めて有効な手段である。
【0004】
蚊のような小型昆虫を引き寄せ、捕獲するためには、光を周囲に発散させる電球等の光源と、引き寄せた小型昆虫を捕集バッグ等の捕集部材に取り込むファンを併用した捕虫器が捕虫効率の点で好ましい。
【0005】
このようなタイプの捕虫器として、特許文献1には、捕獲対象の蚊などの昆虫を取り込むための電球、電気モーター、ファン、捕集バッグ、該捕集バッグに捕獲対象の昆虫を取り込むために開放状態となり、昆虫を取り込んだのちには昆虫を逃がさないために閉塞状態となるバルブ等を内部に設けた円筒体、電球からの光を周囲に発散させる反射部材を備え雨除け機能も有する反射カバーを備えた捕虫器が提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の捕虫器は、捕虫のための部材の大半を円筒体の中に収容しており、構造が複雑で、価格や、野外モリタリング調査での取り回し、また修理などのメンテナンス性において、改善すべき点が多いという問題がある。
【0007】
一方、特許文献2には、蛾などの有翅昆虫を引き寄せるための光を周囲に発散させる電球を備えた光アセンブリ、底部に昆虫を誘引する化学的な誘引剤を配置した容器、捕獲対象の昆虫を容器内に取り込み、取り込んだ捕獲昆虫を逃がさないための複数のストランドからなるウィスカー・アセンブリを備えた捕虫器が提案されている。
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載の捕虫器は、複数のストランドからなるウィスカー・アセンブリを用いているため、蛾のようなある程度大きい有翅昆虫の捕虫には有効であるが、蚊のような小型昆虫の捕虫には捕虫効率の点で問題があった。また、価格や、入手経路、野外モニタリング調査での取り回し、修理などのメンテナンス性においても、特許文献1の技術と同様、改善すべき問題点も多いというのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第4282673号明細書
【文献】米国特許第6910298号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような従来技術の実状に鑑みてなされたもので、低価格で流通が行いやすく、野外調査での取り回しが容易であり、また修理などのメンテナンス性に優れた捕虫器を提供することを課題とする。
【0011】
また、本発明は、ボディ本体と屋根部の取付けをより容易に行うことができる捕虫器を提供することを別の課題とする。
【0012】
また、本発明は、持ち運び時には、ボディ本体を内部に収容した構造を有し、全体としてコンパクトな構造となり、かつボディ本体を保護することができる捕虫器を提供することを別の課題とする。
【0013】
さらに、本発明は、捕獲した昆虫、特に蚊を生きたまま飼育可能とする虫かごになる構造を有する回収部材を備えた捕虫器を提供することをさらに別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、上記課題を解決するため、下記の技術的手段が提供される。
[1]捕獲対象の昆虫を収容する捕集部材と、
前記捕集部材を底面部から垂下して着脱自在に取り付け、前記捕集部材内に捕獲対象の昆虫を取り込むためのファンを着脱自在に格納するボディ本体と、
前記ボディ本体の上部四隅からそれぞれ立設され、乾電池を上下にして収容する電池用ソケットを有し対角状に配置された一対の第1のタイプの支柱、及び別の対角状に配置された一対の第2のタイプの支柱とからなる支柱部と、
一定の厚みを有する平板よりなり、表側に吊り部材が取り付けられ、裏面に前記支柱部のうちの少なくとも対角状に配置された一対の支柱の上端部を差し込みにより着脱自在に受け入れる差し込み受部が形成された屋根部と、
前記ボディ本体の上面に着脱自在に取り付けられ、一端から他端にかけて金属又は導電性樹脂テープからなる配線が上面に配置され、前記一対の第1のタイプの支柱の一方の支柱の下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって装架される第1のクランク部と、前記一対の第2のタイプの支柱の一方の支柱の下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって前記第1のクランク部とは別ルートで装架される第2のクランク部よりなる下部回路構造体と、
前記下部回路構造体の上に着脱自在に取り付けられ、上面中央部に電球用ソケットが設けられ、一端から他端にかけて金属又は導電性樹脂テープからなる配線が下面に配置され、前記一対の第1のタイプの支柱の一方の支柱下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって装架される第3のクランク部と、前記一対の第1のタイプの支柱の一方の支柱の下端から前記一対の第1のタイプの支柱の他方の支柱の下端にわたって前記第3のクランク部とは別ルートで装架される第4のクランク部よりなる上部回路構造体とを備え、
前記下部回路構造体と前記上部回路構造体により、電球点灯用の回路構造体が構成されていることを特徴とする捕虫器。
[2]上記第[1]の発明において、前記屋根部の裏面に形成された前記差し込み受け部が、前記支柱部の各支柱の上端部が着脱自在に嵌合により差し込まれる凹部であり、前記支柱部の各支柱の上端部が前記屋根部の前記差凹部に嵌合により差し込み固定されることを特徴とする捕虫器。
[3]上記第[1]の発明において、前記屋根部に上端部が着脱自在に差し込まれる一対の支柱が、前記一対の第2のタイプの支柱であり、前記一対の第2のタイプの支柱の上部はそれぞれ差し込みのための逆L字構造を有し、これら各支柱の上部の逆L字構造はそれぞれこれら各支柱が配置される対角線中心から外側に向いており、前記屋根部の前記差し込み受部は、前記屋根部の裏面から突出し、この突出部分に平行に前記各支柱の上部の逆L字構造を受け入れる穴を有しており、前記逆L字構造の水平方向の折れ曲がり片と前記穴とは、これら各支柱の弾力性を利用して差し込み固定が行われることを特徴とする捕虫器。
[4]上記第[1]又は第[2]の発明において、前記捕集部材は、捕獲した昆虫を回収するための回収部材を内部に有することを特徴とする捕虫器。
[5]上記第[4]の発明において、前記回収部材は、上部が開口したプラスチック容器であることを特徴とする捕虫器。
[6]上記第[4]の発明において、前記回収部材は、4本の柱部分が下部枠体から立設した壁面を有しない第1の構造部と、前記4本の柱部分の上部と係合するための被係合部が形成された上部枠体からなる第2の構造部から構成されたボックス構造を備えることを特徴とする捕虫器。
[7]上記第[6]の発明において、前記回収部材は、捕獲した昆虫を生きたまま飼育可能とする虫かごになる構造を有することを特徴とする捕虫器。
[8]上記第[6]の発明において、持ち運び時には、前記回収部材が内部に前記ボディ本体を収容する構造を有し、前記屋根部で前記回収部材と前記ボディ本体の上部を覆うようになっていることを特徴とする捕虫器。
[9]上記第[1]から第[5]のいずれかの発明において、前記ボディ本体、前記支柱部、前記屋根部、前記下部回路構造体、前記上部回路構造体のフレーム部分は、それぞれ3Dプリンターを用いて印刷により作製されていることを特徴とする捕虫器。
[10]上記第[6]から第[9]のいずれかの発明において、前記ボディ本体、前記支柱部、前記屋根部、前記下部回路構造体、前記上部回路構造体のフレーム部分、前記回収部材は、それぞれ3Dプリンターを用いて印刷により作製されていることを特徴とする捕虫器。
[11]上記第[1]から第[10]のいずれかの発明において、電球として豆電球とLED電球の両方を使用することができ、一方の電池用ソケットにおける電池の取付方向を逆にすることにより、並列と直列の両回路を構成することができることを特徴とする捕虫器。
[12]上記第[1]から第[11]のいずれかの発明において、前記ファンを回転させるために、スマートフォン用モバイルバッテリーを電源として、昇圧回路により所要の電圧に変換することを特徴とする捕虫器。
[13]上記第[1]から第[12]のいずれかの発明において、前記屋根部の平面視形状が六角形であることを特徴とする捕虫器。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記構成を採用したので、低価格で流通が行いやすく、野外調査での取り回しが容易であり、また修理などのメンテナンス性に優れた捕虫器が実現できる。本発明の捕虫器は、特に蚊の捕獲に好ましく適用することができる。さらに、捕虫器を構成する部材のフレーム部分を3Dプリンターで印刷して作製することにより、より低コスト化が図れ、より軽量化、小型化も実現される。
【0016】
また、本発明によれば、第2の実施形態に示すように、支持部が立設したボディ本体と屋根部との取付形態を、フック構造を利用したものとすることによりさらに捕虫器の組立を容易にすることができるようになる。
【0017】
また、本発明によれば、捕集部材内に配置される回収部材をボックス形状とし、持ち運び時に、内部に、立設した柱状部を有するボディ本体を入れ込むことができるようにする構造とすることにより、持ち運び時の捕虫器の構造がコンパクトとなり、持ち運びがしやすく、内部のボディ本体の保護が図れる利点がある。
【0018】
さらに、本発明によれば、回収部材を、捕獲した昆虫、特に蚊を生きたまま飼育可能とする虫かごになる構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る捕虫器の野外での使用状態を全体構成として写真として示した図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る捕虫器の捕集部材を取り外した捕虫器本体の様子を示す外観側面図である。
図3】屋根部を取り外し、ボディ本体に設けられたファンを上方から見た図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る捕虫器の屋根部を示す平面図である。
図5】屋根部を支柱部から取り外した屋根部の裏面の様子を示す図である。
図6】ボディ本体を、支柱部を介して屋根部に差し込みにより取り付けた状態を下方から見た図である。
図7】ボディ本体から立設した第1のタイプの支柱に設けられた電池用ソケットと、電池用ソケットの下側配線の一部、及びボディ本体の後部側面に設けられたファン脱着操作用穴を示す図である。
図8】ボディ本体からファンを取り出した状態及び電池用ソケットの上側電極から第1のタイプの支柱下部までのアルミニウム等の金属テープからなる配線の配置の説明図である。
図9】捕虫器の電球部分の様子を示す図である。
図10】上面にアルミニウム等の金属テープからなる配線を設けた下部回路構造体を示す図である。
図11】アルミニウム等の金属テープからなる配線の様子を示す図である。
図12】上部回路構造体を取り外して下から見た図である。
図13】上部回路構造体を取り外して上から見た図である。
図14】3Dプリンターで印刷する3つのパーツとファンを示す図である。
図15】本発明の第2の実施形態に係る捕虫器の全体構成を模式的に示した図である。
図16】ボディ本体とその上部の四隅から立設した支柱を示す正面斜め上から見た写真である。
図17】(a)は支柱部を介してボディ部が屋根部に取り付けられた状態を正面やや左下から見た斜視図であり、(b)は(a)の取付状態を正面斜め左下から見た斜視図であり、(c)は上面に支持部が立設されたボディ本体と屋根部を切り離した状態を正面やや左下から見た分解斜視図であり、(d)は上面に支持部が立設されたボディ本体と屋根部を切り離した状態を正面左下から見た分解斜視図である。
図18】支持部が設けられたボディ本体と、屋根部に設けられた嵌め込みのための凸状の嵌め込み構造部材と切り離した状態を正面左下方向から見た拡大斜視図である。
図19】屋根部と、柱状部が立設されたボディ本体を連結させる際の一対の支持柱の上部に形成された逆L字構造部を押し込む方向を示す正面左から見た分解斜視図である。
図20】支柱上方の逆L字構造部に設けられた折り返し片と、屋根部の裏面に設けられた嵌め込み構造部材の穴とが連結された状態を斜め下から見た写真である。
図21】支柱上方の逆L字構造部に設けられた折り返し片と、屋根部の裏面に設けられた嵌め込み部材の穴とが連結された状態を斜め下から見た写真である。
図22】回収部材を正面左下斜めから見た分解斜視図である。
図23】(a)は下部の枠体の柱状部が立設した状態を斜め上から見た写真、(b)は上部の枠体を斜め上から見た写真である。
図24】(a)、(b)は第2構造部の枠体の枠片が第1構造部の柱状部上部に形成された引っ掛かり部と嵌め込まれる様子、(b)の第2構造部が第1構造部に組み込まれ、ボックス部を形成した様子を示す斜め上から見た写真である。
図25】屋根部と、柱状部が立設されたボディ本体を分離し、組み立てられた回収部材を嵌め込む前の状態を正面右から見た斜視図である。
図26】回収部材を支柱部が立設したボディ本体に嵌め込む途中の状態を斜視で示す写真である。
図27】回収部材を支持部が立設したボディ本体に嵌め込んだ後の状態を前方から見た写真である。
図28】回収部材を支持部が立設したボディ本体に嵌め込んだ後の状態を前方左斜め上から見た写真である。
図29図28の状態の構造体に屋根部Fを取り付けた最終的な収納状態を正面左から見た図である。
図30】最終的な収納状態を正面から見た写真である。
図31】ストッキング等の袋体の開口部を180度程度捻り、回収部材の開口部を覆うことで、捕獲した昆虫、特に蚊を生きたまま飼育可能する虫かごになる構造とした説明写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る捕虫器の野外での使用状態を全体構成として写真で示した図である。
【0022】
捕虫器は、捕虫器本体Aと捕集部材Bとを備え、捕虫器本体Aの上部には屋根部Cが設けられている。なお、図1には示されていないが、実際には、例えばファン駆動のためのスマートフォン用モバイルバッテリー(5V)とDC-DCコンバータ(5Vを12Vに昇圧)が雨除けの袋に入れて地面上に配置されている。
【0023】
捕虫器本体Aにおいては、後述のボディ本体1の底面部から、捕獲対象の昆虫を収容する捕集部材Bが垂下されている。捕集部材Bは、例えば捕獲対象の昆虫のサイズに応じた目開きのナイロンメッシュ製ネット等の袋体の内部に上部が開口した透明なプラスチックカップなどを組み合わせたものを用いることができる。このプラスチックカップは捕獲した昆虫を容易に回収するために上部が開口していることが好ましい。例えば、ストッキングやソックスなどの袋状の形状をもつ市販製品の内部にペットボトルの底部から10センチ程度切り出して形成した容器状の構造体を利用することもできる。
【0024】
図2は、この捕集部材Bを取り外した捕虫器本体Aの様子を示す外観側面図である。捕虫器本体Aの下部には図3に示すファン2を格納したボディ本体1が設けられている。なお、図3は前記屋根部C、およびボディ本体1の筐体を取り外した状態を示している。この図3にも示すように、ボディ本体1の上部四隅からは、対角状に配置された一対の第1のタイプの支柱4a、4bと、別の対角状に配置された一対の第2のタイプの支柱4c、4dが立設されている。これら支柱4a~4dはボディ本体1の上面と一体に形成されて立設されていてもよいし、嵌合により立設されていてもよい。一対の第1のタイプの支柱4a、4bには、乾電池を上下に収容する電池用ソケット3a、3bが配置されている。一方、一対の第2のタイプの支柱4c、4dには、電池用ソケットは取り付けられていない。したがって、第2のタイプの支柱4c、4dの断面寸法は第1のタイプの支柱4a、4bの断面寸法より小さくなっている。一対の第1のタイプの支柱4a、4bと、一対の第2のタイプの支柱4c、4dの4本の支柱で支柱部4が構成される。
【0025】
支柱部4の各支柱4a、4b、4c、4dの上端には、一定の厚みを有する平板よりなり、吊り紐5が取り付けられた前記屋根部Cが脱着可能に取り付けられている。第1の実施形態では、図4に示すように、屋根部Cは平面視形状を例えば六角形として、捕虫器の設置時に壁などに沿わせ、安定して設置できるようにしている。屋根部Cはコンパクトに持ち運べるように小型で、取り回しの利便性を向上するため、差し込みによりワンタッチで支柱部4の各支柱4a、4b、4c、4dの上端に取り付けられるようになっている。そのため、屋根部Cの裏面には、図5に示すように、各支柱4a、4b、4c、4dの上端部の形状と相補的な形状を有する差し込み凹部7a、7b、7c、7dが形成されている。差し込み凹部7a、7bには第1のタイプの支柱4a、4bの上部が着脱可能に差し込まれ、差し込み凹部7c、7dには第2のタイプの支柱4c、4dが着脱可能に差し込まれるようになっている。この場合の差し込みは、支柱4a、4b、4c、4dと差し込み凹部7a、7b、7c、7dとの緊密な嵌合によるものとなる。ボディ本体1を、支柱部4の各支柱4a、4b、4c、4dの上部を介して屋根部Cに差し込みにより取り付けた状態を下方から見た図である。ファン2は、捕獲対象の昆虫を捕集部材B内に取り込むためのもので、例えば、パソコンケース用8cm冷却ファン(12V)、もしくはそれに類するファンを利用し、スマートフォン用モバイルバッテリー(5V)などの市販されているものを電源として、DC-DCコンバータ(昇圧回路、5Vを12Vに昇圧)を経由し、利用できる。ファン2を駆動するモーター(図示せず)を取り付ける基台8には、図示しない電源から電力をこのモーターに供給するためのリード線9が取り付けられている。
【0026】
図7は、一対の第1のタイプの支柱4a、4bのうちの一方の支柱4aに設けられた電池用ソケット3aと電池用ソケット3aの下側配線の一部、及びボディ本体1の後部側面に設けられたファン脱着操作用穴1aを示す図である。電池用ソケット3aの上側電極に接続されるアルミニウム等の金属又は導電性樹脂テープからなる取出配線10aは図7に示すように電池用ソケット3の上側から下側まで設置され、支柱4aの壁を通して支柱4b側の壁面に導かれ、そこで電気的接続部を形成する。なお、前記のテープについては、金属、例えばアルミニウム、銅、ニッケル等、好ましくはアルミニウムが考慮される。また、炭素繊維や金属繊維を含有した導電性の樹脂であってもよい。これらのテープは、薄板や薄膜状でよいし、繊維状や糸状束体であってもよい。場合によっては、アルミニウム缶を5ミリ幅の短冊状に切り、裏に粘着剤をつけた物の利用も可能である。
【0027】
一方、前記のようにファン2の取り出しを指で押すだけで行うためのファン脱着操作用穴1aがボディ本体1の後部側面の適所に形成されるとともに、この後部側面にはファン2と図示しない電源と接続するリード線9を保持するためのリード線保持穴1bも形成されている。
【0028】
図8は、ボディ本体1からファン2を取り出した状態及び電池用ソケット3bの上側電極から第1のタイプの支柱4bの下部までのアルミニウム等の金属テープからなる取出配線10bの配置の説明図である。第1のタイプの支柱4aの電池用ソケット3aの部分に設けられた取出配線10aと同様な構成となっている。
【0029】
図9は、光により補足対象の昆虫を引き寄せるための捕虫器の電球11の近傍の様子を示す。電球11の部分の回路には例えばアルミニウム等の金属テープからなる配線を用いているが、回路が露出しないように、図9に示すように、はめ込み式のパーツで覆うようにしている。
【0030】
次に、図10図11によって、電球11を点灯させるための回路構造体12について説明する。この回路構造体12は、ボディ本体1の上面に着脱自在に取り付けられる下部回路構造体12aと、その上に着脱自在に取り付けられる上部回路構造体12bよりなる。
【0031】
下部回路構造体12aは、図10に示すように、電球11が取り付けられる位置の下方で互いに交差する2つのクランク部、すなわち第1のクランク13aと第2のクランク部13bから構成される。第1のクランク部13aの上面には、一端から他端にかけて例えばアルミニウム等の金属テープからなる配線14aが配置され、第1のタイプの支柱4aの下端から、対角状の位置にある第1のタイプの支柱4bの下端にわたって装架されている。第2のクランク部13bには上面には例えばアルミニウム等の金属テープからなる配線は配置されておらず第1のタイプの支柱4aの下端から、対角状の位置にある第1のタイプの支柱4bの下端にわたって第1のクランク部13aとは別ルートで装架されている。この第2のクランク部13bは下部回路構造体12aの強度を補強する役割を行う。また、図11に、第1のタイプの支柱4aの下端近傍の、例えばアルミニウム等の金属テープによる回路構造の配線部分の一部を拡大して例示する。
【0032】
一方、図12に示すように、上部回路構造体12bは、電球11が取り付けられる位置で互いに交差する別の2つのクランク部、すなわち第3のクランク部13cと第4のクランク部13dから構成される。第3のクランク部13cの下面には、電球用ソケット装着部を除き、一端から他端にかけてアルミニウム等の金属テープからなる配線14bが配置され、第1のタイプの支柱4aの下端から第1のタイプの支柱4bの下端にかけて、電球用ソケット装着部を除き、装架されている。従って、実質的に配線14bは、一端から他端にかけて配置されているということができる。第4のクランク部13dには上面にはアルミニウム等の金属テープからなる配線は配置されておらず第1のタイプの支柱4aの下端から第1のタイプの支柱4bの下端にかけて第3のクランク部13cとは別ルートで装架されている。この第4のクランク部13dは上部回路構造体12bの強度を補強する役割を行う。図13は、電球用ソケット15に電球11を取り付けた状態で、上部回路構造体12bを取り外した状態を上から見た図である。
【0033】
下部回路構造体12aと上部回路構造体12bの中央、すなわち第1のクランク部13aと第2のクランク部13bが交差する位置と、第3のクランク部13cと第4のクランク部13dが交差する位置には、電球用ソケット15が設けられ、電球用ソケット15の下部接点は下部回路構造体12aの配線14aと電気的に接触し、電球用ソケット15の上側の接触部分は上部回路構造体12bの配線14bに電気的に接触している。従って、電球用ソケット15に電球11が取り付けられた状態で、電池用ソケット3a、3bに乾電池が取り付けられると、電球11を点灯するための電力が供給される回路が形成されることになる。なお、下部回路構造体12aの第1のクランク部13a、第2のクランク部13b、第3のクランク部13c、第4のクランク部13dの両端部、すなわち支柱4aと支柱4bにそれぞれ当接する端部の形状は非対称となっており、その構造の違いにより、各支柱にはまり込む方向が決まっている。
【0034】
電球12としては、豆電球とLED電球の両方が使えるようになっている。従って、電池用ソケット3a、3bに装着する単3電池の方向を一部逆転することにより、豆電球用の並列回路とLED電球用の直列回路の両回路が構成可能となっている。電球ソケットはE10を用いることができるが、ライト部のソケット形状を変更することで多種多様なソケットに対応できる。電源として、ニッケル・水素充電池(1.2V)または1.5Vの電池(マンガン電池やアルカリ電池)を用いることを用いることが可能である。したがって、1.2V電源を利用する場合は、並列回路で1.2V、直列回路で2.4Vを出力できる。一方、1.5V電源の場合、並列回路で1.5V、直列回路で3.0Vを出力できる。
【0035】
本実施形態では、捕虫器の低コスト化を図るため、図14に示すように、配線14a、14bや電球用ソケット11、モーター(図示せず)以外の3つのパーツ、すなわちボディ本体A・支柱部4a、4b、4c、4d;屋根部C;上下回路構造体12a、12bのフレーム構造部分を3Dプリンターで印刷し、組み立てが可能な全体構造としている。捕虫器の各部の強度や耐久性は、捕虫器に利用する3Dプリンターに用いる素材(ABS樹脂やPETG、ナイロン等)を変えることや、素材の色を変更するなどし、蚊の捕虫効率を調整するなど、調査地の環境にあった最適な素材を用いることができる。さらに、電球以外の蚊の誘引物質(二酸化炭素や匂い物質)を併用し、捕虫効率の向上も可能である。本実施形態では、捕虫器の構造部分の作製に3Dプリンターを利用していることから、3Dプリンターの設備があれば、捕虫器を組み立てるフレームを印刷(作製)することが可能である。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態に係る捕虫器について説明する。
【0037】
図15は、第2の実施形態に係る捕虫器の全体構成を模式的に示した図である。
【0038】
この捕虫器は、捕虫器本体Dと捕集部材Eとを備え、捕虫器本体Dの上部には屋根部Fが設けられている。なお、図15には示されていないが、実際には、第1の実施形態と同様、例えばファン駆動のためのスマートフォン用モバイルバッテリー(5V)とDC-DCコンバータ(5Vを12Vに昇圧)が雨除けの袋に入れて地面上に配置されている。
【0039】
捕虫器本体Dにおいては、ボディ本体21の底面部から、捕獲対象の昆虫を収容する捕集部材Eが垂下されている。捕集部材Eは、例えば捕獲対象の昆虫のサイズに応じた目開きのナイロンメッシュ製ネット等の袋体の内部に、捕集した昆虫を回収するためのボックス状の回収部材22が図15のように設けられている。また、ボディ本体21の上部四隅からは、図16(写真)、図17に示すように、対角状に配置された一対の第1のタイプの支柱23a、23bと、別の対角状に配置された一対の第2のタイプの支柱23c、23dが立設されている。これら支柱23a~23dはボディ本体21の上面と一体に形成されて立設されていてもよいし、嵌め込み(嵌合)により着脱自在に立設されていてもよい。一対の第1のタイプの支柱23a、23bには、第1の実施形態と同様、乾電池を上下に収容する電池用ソケットが配置されている。一方、一対の第2のタイプの支柱23c、23dには、電池用ソケットは取り付けられていない。したがって、第2のタイプの支柱23c、23dの断面寸法は第1のタイプの支柱23a、23bの支柱の断面寸法より小さくなっている。一対の第1のタイプの支柱23a、23bと、一対の第2のタイプの支柱23c、23dで支柱部23が構成される。
【0040】
第2の実施形態の捕虫器と第1の実施形態の捕虫器との相違点は、主として、(1)支柱部23が立設されたボディ本体21と屋根部Fとの取付形態、(2)捕集部材E内に配置される回収部材22の構造、(3)持ち運び時の、支柱部23を備えたボディ本体21と回収部材22と屋根部Fの収納形態にあると考えられる。それ以外は、第1の実施形態とほぼ同様であるので、以下では、上記3点を中心に詳細に説明する。
【0041】
まず、上記(1)の支柱部23が立設されたボディ本体21と屋根部Fとの取付形態について述べる。図17(a)は支柱部23を介してボディ本体21(筐体のみが示されている)が屋根部Fに取り付けられた状態を正面やや左下から見た斜視図であり、図17(b)は図17(a)の取付状態を正面左下斜めから見た斜視図であり、図17(c)は上面に支持部23が立設されたボディ本体21と屋根部Fを切り離した状態を正面やや左から見た分解斜視図であり、図17(d)は上面に支持部23が立設されたボディ本体21と屋根部Fを切り離した状態を正面左下斜めから見た分解斜視図である。
【0042】
また、図18に、第2の実施形態の捕虫器において、支柱部23(23a~23d)が設けられたボディ本体21を、屋根部Fに設けられた嵌め込みのための凸状の嵌め込み構造部材25a、25bと切り離した状態を正面左下方向から見た拡大斜視図を示す。
【0043】
図18に示すように、電池が設けられない一対の対角線状に配置された支柱23c、23dにはそれぞれその上部に逆L字構造部26a、26bが設けられている。これら逆L字構造部26a、26bは、両者を結ぶ対角線の中心位置に対してそれぞれ外側方向に向かう水平方向の折り返し片27a、27bが設けられている。また、屋根部Fの裏面には2箇所に嵌め込み部材25a、25bが突出形成されている。嵌め込み構造部材25a、25bには、逆L字構造部26a、26bの折り返し辺27a、27bが嵌り込む横方向に長く延びた穴(水平方向に向けて貫通したスロット)28a、28bがそれぞれ屋根部Fの裏面と水平な方向に開口している。
【0044】
支持部23の支持柱23c、23dの上部に設けられた逆L字構造部26a、26bの折り返し片27a、27bと、屋根部Fの裏面に設けられた嵌め込み構造部材25a、25bの穴28a、28bとの嵌め込みは、支柱23c、23dが弾力性を有しているため、それぞれを外側に向けて手で広げた状態で、嵌め込み位置に両者が位置した後に手を離すと、図19に示すように、2本の支柱23c、23dを結ぶ対角線の中心位置に前記中心に向かう付勢力が加わり、折り返し片27a、27bが穴28a、28bの中に入り込み、最終的に両者は嵌め合わされ、屋根部Fと支柱部23が立設したボディ本体21が強固に連結固定されることになる。図20図21は折り返し片と嵌め込み構造部材の穴との連結状態を写真で示す(図20図21ではわかりやすくするため、屋根部Fは白色材料で形成している)。このとき折り返し片27a、27bは、穴28a、28bの中に例えば5mm程度入り込む。
【0045】
次に、上記の特徴(2)の捕集部材E内に配置される回収部材22の構造について述べる。図22は、回収部材22を正面左下斜めから見た分解斜視図である。
【0046】
回収部材22は、第1の構造部29と、この第1の構造部29に下方から嵌め込まれる第2の構造部30からなる。
【0047】
第1の構造部29は、正方形状の下部枠体31と、この下部枠体31の四隅から立設する柱状部32a、32b、32c、32dとから構成される。4本の柱状部32a、32b、32c、32dの内側にはそれぞれ引っ掛かり部33a、33b、33c、33d(図では33a、33bは隠れて見えない)が設けられている。
【0048】
第2の構造部30は、正方形状の上部の枠体35からなり4つの枠片34a、34b、34c、34dからなり、枠体の四隅の外側には嵌め込み用凹部35a、35b、35c、35dが形成されている。
【0049】
図23(a)は下部の枠体31の柱状部32a、32b、32c、32dが立設した状態を斜め上から見た写真、図23(b)は上部の枠体35を斜め上から見た写真である。
【0050】
図24(a)、(b)に枠片34a~34dが柱状部33a~33dにロックされる様子を斜視の写真で示す。ここでは、枠片34a~34dが柱状部33a~33dの嵌め込み状態は同じであるので1つのみを示す。また、図24(c)に第1の構造部29と第2の構造部が組み立てられた状態を斜視の写真で示す。
【0051】
第2の構造部30は、第1の構造部29に下方から入り込み、第1の構造部29の4本の柱状部32a、32b、32c、32dの内側に設けられた引っ掛かり部33a、33b、33c、33dによりロックされて、図15の下側、図24(c)のような構造となる。
【0052】
回収部材22は、図15に示すように、収縮性のある網目状の素材(ストッキング)などに入れ、ボディ本体21の底面部に取り付けられる。回収部材22は、回収部材22の2面の正方形部がボディ本体21に設けられたファン取付部に水平方向になるように設置する。
【0053】
次に、上記第(3)の特徴の持ち運び時の支柱部23を備えたボディ本体21と回収部材22と屋根部Fの収納形態について述べる。
【0054】
図26に、回収部材を支柱部が立設したボディ本体に嵌め込む途中の状態を斜視で示す写真、図27に、回収部材を支持部が立設したボディ本体に嵌め込んだ後の状態を前方から見た写真、図28に、回収部材を支持部が立設したボディ本体に嵌め込んだ後の状態を前方左斜め上から見た写真を示す。
【0055】
図25において、上下の矢印は、屋根部Fと、柱状部23が立設されたボディ本体21を、回収部材22に対して、挟み込むように入れる方向を示す。
【0056】
また、図29に、図27図28に示す状態の構造体に屋根部Fを取り付けた最終的な収納状態を正面左から見た図を示し、図30に最終的な収納状態を正面から見た写真で示す。
【0057】
第2の実施形態の捕虫器によれば、図28図29に示すように、持ち運び時あるいは収納時に非常にコンパクトな構造となる利点がある。
【0058】
さらに、第2の実施形態の捕虫器の回収部材22は、図31(a)~(c)に示すように、ストッキング等の袋体の開口部を180度程度捻り、回収部材22の開口部を覆うことで、捕獲した昆虫、特に蚊を生きたまま飼育可能する虫かごになる構造とすることができる。
【0059】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明によれば、上記実施形態に限定されることなく、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
A 捕虫器本体
B 捕集部材
C 屋根部
1 ボディ本体
1a ファン着脱操作用穴
1b リード線保持穴
2 ファン
3a、3b 電池用ソケット
4 支柱部
4a、4b 第1のタイプの支柱
4c、4d 第2のタイプの支柱
5 吊り紐
7a、7b、7c、7d 差し込み部
8 基台
9 リード線
10a、10b 取出配線
11 電球
12 回路構造体
12a 下部回路構造体
12b 上部回路構造体
13a 第1のクランク部
13b 第2のクランク部
13c 第3のクランク部
13d 第4のクランク部
14a、14b 配線
15 電球用ソケット
D 捕虫器本体
E 捕集部材
F 屋根部
21 ボディ部
22 回収部材
23a、23b 第1のタイプの支柱
23c、23d 第2のタイプの支柱
23 支柱部
24a、24b 電池用ソケット
25a、25b 嵌め込み構造部材
26a、26b 逆L字構造部
27a、27b 折り返し片
28a、28b 穴
29 第1の構造部
30 第2の構造部
31 下部枠体
32a、32b、32c、32d 柱状部
33a、33b、33c、33d 引っ掛かり部
34a、34b、34c、34d 枠片
35 上部枠体
35a、35b、35c、35d 嵌め込み用凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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図20
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図22
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図26
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図28
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図31