IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三井化学産資株式会社の特許一覧 ▶ 金岡忠商事株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社竹内組の特許一覧

<>
  • 特許-侵入防止柵 図1
  • 特許-侵入防止柵 図2
  • 特許-侵入防止柵 図3
  • 特許-侵入防止柵 図4
  • 特許-侵入防止柵 図5
  • 特許-侵入防止柵 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】侵入防止柵
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/30 20110101AFI20230330BHJP
【FI】
A01M29/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019085251
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020178646
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000175021
【氏名又は名称】三井化学産資株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】306029316
【氏名又は名称】金岡忠商事株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519154922
【氏名又は名称】株式会社竹内組
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和成
(72)【発明者】
【氏名】赤江 聡
(72)【発明者】
【氏名】竹内 重之
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-140883(JP,A)
【文献】特開昭55-090338(JP,A)
【文献】登録実用新案第3201125(JP,U)
【文献】特開2014-173240(JP,A)
【文献】登録実用新案第3143199(JP,U)
【文献】実開昭57-043860(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の侵入を防止するための侵入防止柵であって、
複数の合成樹脂製網状部材と、前記複数の網状部材を支持する複数の支柱と、前記複数の網状部材を前記複数の支柱に固定するための複数の固定具とを備え、
前記複数の網状部材のそれぞれは、上端に位置する上端筋部と、前記上端筋部から延びる複数の第1筋部と、前記複数の第1筋部と交差する複数の第2筋部とを有し、
前記上端筋部の幅は前記複数の第1筋部の幅および前記複数の第2筋部の幅よりも大きく、
前記複数の固定具は前記上端筋部を前記複数の支柱に固定するための複数の上端固定具を含み、
前記複数の上端固定具のそれぞれは、左右方向に間隔をおいて形成された一対の上側開口および前記一対の上側開口の下方において左右方向に間隔をおいて形成された一対の下側開口を有する上端プレートと、前記一対の上側開口に挿入された上側Uボルトと、前記一対の下側開口に挿入された下側Uボルトとを含み、
前記上側Uボルトは前記上端筋部の上方に配置され、前記下側Uボルトは前記上端筋部の下方に配置されている、侵入防止柵。
【請求項2】
前記上端筋部の厚さは、前記複数の第1筋部と前記複数の第2筋部とが交差する結節点を除いて、前記複数の第1筋部の厚さおよび前記複数の第2筋部の厚さよりも大きい、請求項1記載の侵入防止柵。
【請求項3】
前記複数の第1筋部は前記上端筋部の下端から下方に延びており、前記複数の第2筋部は前記上端筋部に対して平行に延びている、請求項1または2に記載の侵入防止柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物の侵入を防止するための侵入防止柵に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、農地や市街地等に野生動物が侵入することを防止するための侵入防止柵が記載されている。この侵入防止柵は、合成樹脂製網状部材と、合成樹脂製網状部材を展張するために複数立設された支柱(端末支柱および中間支柱)と、合成樹脂製網状部材および支柱と係着し、支柱間に展張された複数の補強綱とを備える。
【0003】
網状部材と支柱は複数の合成樹脂製バンドによって係着されると共に、網状部材と補強綱も複数の合成樹脂製バンドによって係着される。また、補強綱の端部は、端末支柱に設けられた輪部に挿入され、補強綱同士がターンバックルにて固定されることで端末支柱に係着されると共に、中間支柱に対して補強綱は中間支柱に設けられたフックに載置される。
【0004】
そして、この侵入防止柵においては、展張する網状部材が合成樹脂製であるので、金網と異なり、腐食のおそれがなく耐候性に優れており、環境条件の厳しい場所での長期使用に耐えることができる。また、この侵入防止柵によれば、端末支柱および中間支柱の間に展張された補強綱に網状部材が係着されているから、風や雪の圧力程度、あるいは小動物の体当たりでは網状部材がたわむことがなく、網状部材の自立性が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-140883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている侵入防止柵においては、網状部材のたわみを防止するために複数の補強綱が必要であり、したがって補強綱と網状部材とを複数の合成樹脂バンドで連結する必要があると共に、補強綱同士をターンバックルで固定する必要があり、侵入防止柵の設置に手間がかかるという問題がある。
【0007】
上記事実に鑑みてなされた本発明の課題は、補強綱を要することなく合成樹脂製網状部材のたわみを防止することができると共に、設置作業が容易である侵入防止柵を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明が提供するのは以下の侵入防止柵である。すなわち、動物の侵入を防止するための侵入防止柵であって、複数の合成樹脂製網状部材と、前記複数の網状部材を支持する複数の支柱と、前記複数の網状部材を前記複数の支柱に固定するための複数の固定具とを備え、前記複数の網状部材のそれぞれは、上端に位置する上端筋部と、前記上端筋部から延びる複数の第1筋部と、前記複数の第1筋部と交差する複数の第2筋部とを有し、前記上端筋部の幅は前記複数の第1筋部の幅および前記複数の第2筋部の幅よりも大きく、前記複数の固定具は前記上端筋部を前記複数の支柱に固定するための複数の上端固定具を含み、前記複数の上端固定具のそれぞれは、左右方向に間隔をおいて形成された一対の上側開口および前記一対の上側開口の下方において左右方向に間隔をおいて形成された一対の下側開口を有する上端プレートと、前記一対の上側開口に挿入された上側Uボルトと、前記一対の下側開口に挿入された下側Uボルトとを含み、前記上側Uボルトは前記上端筋部の上方に配置され、前記下側Uボルトは前記上端筋部の下方に配置されている、侵入防止柵である。
【0009】
好ましくは、前記上端筋部の厚さは、前記複数の第1筋部と前記複数の第2筋部とが交差する結節点を除いて、前記複数の第1筋部の厚さおよび前記複数の第2筋部の厚さよりも大きい。前記複数の第1筋部は前記上端筋部の下端から下方に延びており、前記複数の第2筋部は前記上端筋部に対して平行に延びているのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明が提供する侵入防止柵においては、合成樹脂製網状部材の上端筋部の幅が第1筋部の幅および第2筋部の幅よりも大きいので、第1筋部および第2筋部よりも剛性の高い上端筋部によって網状部材のたわみを防止することができる。また、本発明の侵入防止柵においては、上端筋部によって網状部材のたわみを防止しているため、従来技術で用いられていた補強綱は不要であり、かつ網状部材と補強綱とを合成樹脂製バンドで連結する作業や補強綱同士をターンバックルで固定する作業(従来技術では必要であった作業)も不要であるので設置作業が容易であり、部品点数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に従って構成された侵入防止柵の正面図。
図2図1に示す侵入防止柵の平面図。
図3図1に示す侵入防止柵の側面図。
図4】(a)図1に示すA部背面側の拡大図、(b)(a)におけるD-D矢視図。
図5図1に示すB部背面側の拡大図。
図6図1に示すC部背面側の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に従って構成された侵入防止柵の好適実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1を参照して説明すると、全体を符号2で示す侵入防止柵は、複数の合成樹脂製網状部材4と、複数の網状部材4を支持する複数の支柱6と、複数の網状部材4を複数の支柱6に固定するための複数の固定具8とを備える。なお、図面には、単一の合成樹脂製網状部材4が示されているが、図示の網状部材4の長手方向(図1の左右方向)端部のそれぞれに他の合成樹脂製網状部材4が配置される。
【0014】
図1および図4に示すとおり、網状部材4は、上端に位置する上端筋部10と、上端筋部10から延びる複数の第1筋部12と、複数の第1筋部12と交差する複数の第2筋部14とを有する。図示の実施形態の網状部材4は全体として格子状に形成されており、上端筋部10は図1における左右方向に延び、各第1筋部12は上端筋部10の下端から下方に延び、各第2筋部14は上端筋部10に対して平行に延びている。各第1筋部12と各第2筋部14とが交差する結節点16のそれぞれは、第1筋部12と第2筋部14とが一体的に形成されている。なお、網状部材4の網目形状については、図示の実施形態では正方形状であるが、長方形状でもよく、あるいは菱形状や亀甲形状等であってもよい。
【0015】
図4を参照して説明を続けると、上端筋部10の幅Wuは第1筋部12の幅W1および第2筋部14の幅W2よりも大きくなっており(Wu>W1、Wu>W2)、上端筋部10の剛性は、第1筋部12の剛性および第2筋部14の剛性よりも高くなっている。上端筋部10の幅Wuは、たとえば15~40mm程度でよく、第1筋部12の幅W1および第2筋部14の幅W2は、たとえば2~10mm程度でよい。なお、第1筋部12の幅W1および第2筋部14の幅W2は一定である必要はなく、結節点16から離れるに従って次第に細くなっていてもよい。
【0016】
1~6mm程度でよい網状部材4の厚さは一定である必要はなく、上端筋部10の厚さが、結節点16を除いて第1筋部12の厚さおよび第2筋部14の厚さよりも大きくてもよい。これによって、第1筋部12の剛性および第2筋部14の剛性よりも上端筋部10の剛性が一層高まることになる。なお、結節点16の厚さは上端筋部10の厚さよりも大きくてもよい。
【0017】
網状部材4の目合は、網状部材4に作用する風や雪の圧力を軽減するため10~150mm程度であるのが好ましく、透光性、通風性、景観および強度の観点から20~70mm程度であるのがより好ましい。
【0018】
網状部材4の材質は、ポリプロピレンもしくはポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエステル、アラミド、ナイロンまたはビニロン等の適宜の合成樹脂でよいが、高密度ポリエチレン(HDPE)であるのが好ましい。高密度ポリエチレンから網状部材4を形成すると、比較的軽量であり、耐酸性、耐アルカリ性および耐海水性に優れ、腐食のおそれがないと共に耐候性に優れており、環境条件の厳しい場所での長期使用に耐えることができる。
【0019】
網状部材4を形成する際は、たとえば黒色の高密度ポリエチレン等の合成樹脂製板状部材(図示していない。)に適宜の間隔をおいて円形開口を複数形成し、次いで互いに直交する2軸方向に延伸した後、徐冷することにより形成することができる。このように網状部材4は、上記合成樹脂製板状部材等の単一材料から一体成型されているのが好ましい。これによって、第1筋部と第2筋部が編み込まれている場合と異なり、網状部材4の目合いがほつれるおそれや、網状部材4の目開きが拡張するおそれを防止することができる。また、合成樹脂製板状部材に対して互いに直交する2軸方向に延伸して規則的な格子構造を形成することによって、網状部材4の抗張力を高めることができる。なお、網状部材4を形成する際は、ダイの上下運動で格子状に成形してもよく、ノズルから押し出されたストランドを溶着交差させてもよい。このような網状部材4の製造方法については、公知の技術(たとえば特開昭55-90338号公報参照。)を用いることができる。
【0020】
網状部材4は全体として幅1~4m程度、長さ5~50m程度に形成され、ロール状に巻かれて搬送され得る。そして、図示の実施形態では図1ないし図3に示すとおり、網状部材4は、支柱6に支持されて起立した立面部分4aと、立面部分4aの下端から地面に沿って延びる底面部分4bとを有するように、立面部分4aの下端において折り曲げられて設置されている。図1ないし図3に示すとおり、網状部材4の底面部分4bは複数のアンカー部材18によって地面に固定されている。適宜の合成樹脂または鋼材から形成され得る複数のアンカー部材18は、図2を参照することによって理解されるとおり、網状部材4の長手方向において互いに間隔をおいて、かつ底面部分4bの基端側(立面部分4aに近い側)と底面部分4bの先端側とに互い違いに配置されている。
【0021】
網状部材4を支持する支柱6は、鋼材に溶融亜鉛メッキまたは樹脂被覆等を施した適宜の金属材料から円筒状に形成されており、支柱6の長さ寸法(上下方向寸法)はたとえば1~3m程度でよい。支柱6は、適宜の間隔(たとえば1~3m程度)をおいて地面に配置されており、所定の深さ(たとえば600mm程度)まで地中に差し込まれた円筒状の基礎部材20(図1および図3参照。)に支柱6の下端が差し込まれて固定されている。なお、基礎部材20としては、支柱6の外径よりも外径が細い金属製円筒部材を用いることができる。また、基礎部材20の長さはたとえば800~1500mm程度でよい。
【0022】
図1に示すとおり、網状部材4を支柱6に固定するための固定具8は、網状部材4の上端筋部10を支柱6に固定するための複数の上端固定具22と、網状部材4の立面部分4aのうち上端筋部10以外の部分を支柱6に固定するための複数の他の固定具24とを含む。
【0023】
図4を参照して上端固定具22について説明する。各上端固定具22は、左右方向に間隔をおいて形成された一対の上側開口(符号省略)および一対の上側開口の下方において左右方向に間隔をおいて形成された一対の下側開口(符号省略)を有する上端プレート26と、一対の上側開口に挿入された上側Uボルト28と、一対の下側開口に挿入された下側Uボルト30とを含む。図4(a)に示すとおり、上側Uボルト28は網状部材4の上端筋部10の上方に配置され、下側Uボルト30は上端筋部10の下方に配置されている。
【0024】
また、図4に示すとおり、上側Uボルト28の雄ねじ部28aには一対の上側ナット32が締結され、下側Uボルト30の雄ねじ部30aには一対の下側ナット34が締結されている。そして、支柱6と上端プレート26との間に上端筋部10が挟み込まれた状態で、支柱6側から上側Uボルト28が一対の上側開口に挿入されて上側Uボルト28の雄ねじ部28aに上側ナット32が締結され、かつ支柱6側から下側Uボルト30が一対の下側開口に挿入されて下側Uボルト30の雄ねじ部30aに下側ナット34が締結されていることによって、網状部材4の上端筋部10が支柱6に固定されている。
【0025】
図5に示すとおり、他の固定具24は、左右方向に間隔をおいて形成された一対の開口(符号省略)を有する他のプレート36と、一対の開口に挿入されたUボルト38と、Uボルト38の雄ねじ部38aに締結された一対のナット40とを含む。Uボルト38は、網状部材4の任意の第2筋部14の上方または下方に配置され得る。そして、支柱6と他のプレート36との間に第1筋部12が挟み込まれた状態で、支柱6側からUボルト38が一対の開口に挿入されてUボルト38の雄ねじ部38aにナット40が締結されていることによって、網状部材4の立面部分4aのうち上端筋部10以外の部分が支柱6に固定されている。
【0026】
図示の実施形態では図6に示すとおり、侵入防止柵2は、さらに、網状部材4の上方において各支柱6の上端側部分に付設された碍子42と、碍子42を介して支柱6に支持された電柵線44とを備える。図示の実施形態の碍子42は、上下方向に間隔をおいて各支柱6の上端側部分に付設された上側碍子42aおよび下側碍子42bから構成されている。各支柱6の上側碍子42aには上側電柵線44aが支持され、各支柱6の下側碍子42bには下側電柵線44bが支持されている。上側電柵線44aおよび下側電柵線44bには、野生動物に対して軽い電気ショックを与えることができる程度の微弱な電流が印加される。なお、図示の実施形態では、2本の電柵線44が設けられているが、電柵線44の本数は任意であり、電柵線44が設けられていなくてもよい。
【0027】
上述したとおりの侵入防止柵2を設置する際は、まず、適宜の間隔(たとえば1~3m程度)をおいて所定の深さ(たとえば600mm程度)まで、ハンマー等を用いて複数の基礎部材20を地中に打ち込む。次いで、地中に打ち込んだ基礎部材20に支柱6を差し込んで固定する。この際、支柱6の下端側部分を地中に埋め込み、地面から露出する支柱6の高さが所定高さとなるように調整する。次いで、ロール状に巻かれて搬送された網状部材4を展開しながら、網状部材4の上端筋部10を上端固定具22で各支柱6に順次固定すると共に、網状部材4の立面部分4aのうち上端筋部10以外の部分を他の固定具24で各支柱6に順次固定する。この際、上端筋部10を上に向けて網状部材4を各支柱6に固定する。
【0028】
網状部材4を各支柱6に固定した後、網状部材4の下端側部分を地面に沿って折り曲げて立面部分4aと底面部分4bとを形成し、アンカー部材18を地中に打ち込んで底面部分4bを地面に固定する。そして、あらかじめ各支柱6に付設した碍子42を介して電柵線44を設置する。このようにして設置された侵入防止柵2においては、農地や市街地等に野生動物が侵入することを網状部材4によって防止することができる。また、侵入防止柵2においては、野生動物が侵入防止柵2の下方の地面を掘って侵入防止柵2をくぐり抜けることを網状部材4の底面部分4bによって防止することができる。さらに、侵入防止柵2においては、野生動物が網状部材4を登って侵入防止柵2を越えることを電柵線44によって防止することができる。
【0029】
以上のとおりであり図示の実施形態の侵入防止柵2においては、合成樹脂製網状部材4の上端筋部10の幅Wuが第1筋部12の幅W1および第2筋部14の幅W2よりも大きいので、第1筋部12および第2筋部14よりも剛性の高い上端筋部10によって網状部材4のたわみを防止することができる。また、図示の実施形態の侵入防止柵2においては、上端筋部10の厚さが、結節点16を除いて第1筋部12の厚さおよび第2筋部14の厚さよりも大きいので、第1筋部12および第2筋部14の剛性よりも上端筋部10の剛性が一層高くなっており、より効果的に網状部材4のたわみを防止することができる。
【0030】
そして、侵入防止柵2においては、上端筋部10によって網状部材4のたわみを防止しているため、従来技術で用いられていた補強綱は不要であり、かつ網状部材4と補強綱とを合成樹脂製バンドで連結する作業や補強綱同士をターンバックルで固定する作業(従来技術では必要であった作業)も不要であるので設置作業が容易であり、部品点数の低減を図ることができる。
【0031】
さらに、図示の実施形態の侵入防止柵2においては、上側Uボルト28が上端筋部10の上方に配置され、下側Uボルト30が上端筋部10の下方に配置されているので、幅Wuが比較的大きい上端筋部10を容易かつ確実に支柱6に固定することができ、設置作業時における網状部材10のたわみの発生をより確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0032】
2:侵入防止柵
4:合成樹脂製網状部材
6:支柱
8:固定具
10:上端筋部
12:第1筋部
14:第2筋部
22:上端固定具
26:上端プレート
28:上側Uボルト
30:下側Uボルト
Wu:上端筋部の幅
W1:第1筋部の幅
W2:第2筋部の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6