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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】商品前出し具
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/08 20060101AFI20230330BHJP
   A47F 1/12 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A47F3/08
A47F1/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019073374
(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公開番号】P2020171362
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸平
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02652154(US,A)
【文献】特開2001-070108(JP,A)
【文献】実開昭59-125269(JP,U)
【文献】実開昭59-064071(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 1/04~ 1/12
A47F 3/08
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に載置される商品前出し具であって、
設置面に載置されると共に、商品が載置される基板と、
該基板上を前後に移動自在に取り付けられる基板部と、該基板部の後端から上方に延びる前方の商品を押圧する商品押圧板を備える商品前出し体と、
該基板の一方の側端から起立した側板に前後移動自在に付設される、該商品前出し体を前方に引き出す引き出し体と、を有し、
該引き出し体は、該側板の前後方向に延びるガイドレールAに前後に移動自在に係止する引き出し体本体部と、該基板の裏側に配設される、前端部が第2当接部である係止板状体と、該引き出し体本体部と該係止板状体を接続する該側板の外側に配設される外側連結帯部とを有し、
該商品前出し体の基板部の裏面には、該第2当接部と当接する第1当接部を付設し、
該第1当接部及び該第2当接部は、該商品押圧板より前方に位置し、該引き出し体を前方へ引き出す際、該第1当接部と該第2当接部が当接し、該商品前出し体が前方へ引き出されることを特徴とする商品前出し具。
【請求項2】
該基板は、左右方向の中央で前後方向に延びる開口により形成される左右の小基板の内側角部であるガイドレールを有し、
該商品前出し体の基板部は、該商品押圧板が付設される上部基板部と、該上部基板部の裏面から下方に延び次いで横方向外側に屈曲して延びる左右一対の下部基板部と、を有し、
該ガイドレールは、該上部基板部と該下部基板部間に前後移動自在に挿通されることを特徴とする請求項1に記載の商品前出し具。
【請求項3】
該第1当接部は、該一対の下部基板部の該側板側の下部基板部の裏面に付設され、該第2当接部と当接する後方を向いた第1当接面を有することを特徴とする請求項2記載の商品前出し具。
【請求項4】
該第2当接部は、前方を向く第2当接面を有し、該第1当接面と該第2当接面が当接することを特徴とする請求項3記載の商品前出し具。
【請求項5】
該第1当接面は、平坦面、凹面、凸面又は凹凸複合面であり、該第2当接面は、平坦面、凸面、凹面又は凸凹複合面であることを特徴とする請求項記載の商品前出し具。
【請求項6】
該引き出し体は、バネ部材により該基板に接続されており、該引き出し体を前方へ引き出す際、バネ力に抗して行い、元の位置に戻す際、バネ力により、元の位置に自動的に復帰することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の商品前出し具。
【請求項7】
該商品押圧板は、待機状態において、該基板の最後尾に位置することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の商品前出し具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーやコンビニの商品陳列に使用される商品の収納容積を大きくできる商品前出し具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
量販店、コンビニ、スーパー等において、陳列された商品は陳列棚の手前の方から順次売れるため、時間がたつにつれ陳列棚の手前には商品が無くなったり、ごく少量になったりする。この場合、客は陳列棚の奥の方にある商品を見逃したり、何となく取り辛かったりして、購買意欲が急速に低下し商品の売れ行きに悪い影響を及ぼすことが多くなる。これを解決するため、作業者は、奥に残っている商品を手前に移し、その後方に新しい商品を補充する作業を頻繁に行うことになる。
【0003】
しかしながら、新しい商品を後方の空間へ補充する作業は、前方にある商品が邪魔をして行い難い。また、奥にある商品を手前に移すのも大変な作業となっている。近年、このような新しい商品の補充を行い易くしたり、商品を常に前出し状態にする方法として、固定された商品陳列棚に商品前出し機能を有する商品前出し具を設置して、陳列商品を手動又は自動的に前に押し出すものが知られている。
【0004】
例えば、WO2006/027872公報には、商品を陳列する基板と、該基板に載置され、自然状態において常に前方移動状態にある商品押圧板を備える商品前出し体と、を有し、該商品前出し体の底板の裏面又は該基板の上面のいずれか一方又は両方に滑り手段を付設し、更に該基板の前方部に、更に商品転落防止板を付設した商品自動前出し具が開示されている。この商品自動前出し具によれば、基板上に商品が前後方向に多量に並ぶ場合であっても、陳列商品を自動的に確実に前に送り出す作用力があり、作業者の前出し作業の労力を軽減すると共に、顧客にとっては商品が取り出し易いものとなる。
【0005】
WO2007/20725公報には、商品を載置する基板と、該基板上に常に前方移動状態に置かれる自動商品押圧体と、該自動商品押圧体の後方に位置し、手動による引き出し操作により前方移動して該自動商品押圧体又は陳列商品を押し出す手動押圧体と、を有することを特徴とする商品前出し具が開示されている。この商品前出し具によれば、前出しが容易な商品は作業者等の手を煩わせることなく自動的に前出しができ、押出し力が弱く自動前出しができない商品にのみ、補助的に手動操作で前出しすることができる。このため、重量物や袋状物のようにはみ出し部がある商品であっても、それほどの労力をかけることなく、全ての陳列商品を確実に前出しできる。このため、あらゆる形状や重量の陳列商品が並ぶ商品陳列棚を整然とした前出し状態とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO2006/027872号公報(請求項5)
【文献】WO2007/20725号公報(請求項1)
【文献】WO2006/28246号公報(請求項1)
【文献】特開2015-29875号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図16及び図17に示すように、WO2007/20725号公報などの従来の商品前出し具100は、商品押圧体200の後方に、長尺状の引き出し体の後端に接続される押し部210が位置している。このため、図16のような待機状態において、商品押圧体200の前方側の基板110上に載置される商品スペースが制限されるという問題がある。すなわち、商品押圧体200の後方はデッドスペースとなっており、商品陳列の効率化という点で問題となっている。また、基板上を前後方向に移動自在にガイドされる商品押圧体200は、押し部210により後ろから背面を押されるため、押圧力が水平方向以外に、斜め下方にも掛かり、摩擦抵抗が生じて、前出しが円滑に行われるとは言い難いものであった。
【0008】
従って、本発明の目的は、商品前出し体の後方スペースを無くし、載置商品の設置スペースを大きくすると共に、商品前出し体の前方移動を円滑にした商品前出し具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、設置面に載置される商品前出し具であって、設置面に載置されると共に、商品が載置される基板と、該基板上を前後に移動自在に取り付けられる基板部と、該基板部の後端から上方に延びる前方の商品を押圧する商品押圧板を備える商品前出し体と、該基板又は該基板の一方の側端から起立した側板に前後移動自在に付設される、該商品前出し体を前方に引き出す引き出し体と、を有し、該商品前出し体の基板部の裏面には、該引き出し体と当接する第1当接部を付設し、該引き出し体には、該第1当接部と当接する第2当接部を付設し、該第1当接部及び該第2当接部は、該商品押圧板より前方に位置し、該引き出し体を前方へ引き出す際、該第1当接部と該第2当接部が当接し、該商品前出し体が前方へ引き出されることを特徴とする商品前出し具を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該基板は、左右方向の中央で前後方向に延びる開口により形成される左右の小基板の内側角部であるガイドレールを有し、該商品前出し体の基板部は、該商品押圧板が付設される上部基板部と、該上部基板部の裏面から下方に延び次いで横方向外側に屈曲して延びる左右一対の下部基板部と、を有し、該ガイドレールは、該上部基板部と該下部基板部間に前後移動自在に挿通されることを特徴とする前記商品前出し具を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、該第1当接部は、該一対の下部基板部の該側板側の下部基板部の裏面に付設され、該第2当接部と当接する後方を向いた第1当接面を有することを特徴とする前記商品前出し具を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該基板の一方の側端から起立した側板を備え、該引き出し体は、該側板の前後方向に延びる第2ガイドレールに前後に移動自在に係止する引き出し体本体部と、該基板の裏側に配設される係止板状体と、該引き出し本体部と該係止板状体を接続する該側板の外側に配設される外側連結帯部とを有し、該第2当接部は、該係止板状体の前端部であることを特徴とする前記商品前出し具を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該第2当接部は、前方を向く第2当接面を有し、該第1当接面と該第2当接面が当接することを特徴とする前記商品前出し具を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、該第1当接面は、平坦面、凹面、凸面又は凹凸複合面であり、該第2当接面は、平坦面、凸面、凹面又は凸凹複合面であることを特徴とする前記商品前出し具を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、該引き出し体は、バネ部材により該基板に接続されており、該引き出し体を前方へ引き出す際、バネ力に抗して行い、手を放すことで、該引き出し体は、元の位置に自動的に復帰することを特徴とする前記商品前出し具を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、該商品押圧板は、待機状態において、該基板の最後尾に位置することを特徴とする前記商品前出し具を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、商品前出し体と引き出し体の当接部を、商品が載置される基板の裏面で、且つ商品押圧板の前方位置において行うため、商品押圧板を基板の最後尾に位置されることが可能となり、商品押圧板の後方スペースを無くし、基板上の載置商品の設置スペースを大きくでき、陳列効率を高めることができると共に、商品前出し体を前方側から引っ張ることになり、商品前出し体の前方移動が円滑となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態における商品前出し具の斜視図である。
図2図1の商品前出し具を後方から前方へ見た他の斜視図である。
図3図1の商品前出し具を前方裏面から後方へ見た他の斜視図である。
図4図1の商品前出し具を後方裏面から前方へ見た他の斜視図である。
図5図1のX線に沿って見た断面図である。
図6図1の商品前出し具を構成する側板を備えた基板の斜視図である。
図7図6のY線に沿って見た断面図である。
図8図1の商品前出し具を構成する商品前出し体の斜視図である。
図9図8の商品前出し体を後方の裏面から見た斜視図である。
図10図1の商品前出し具を構成する引き出し体の斜視図である。
図11図10の引き出し体を後方から前方へ見た他の斜視図である。
図12図1の商品前出し具における前出しを説明する図である。
図13図1の商品前出し具における前出しを説明する他の図である。
図14図1の商品が載置された商品前出し具の側面図である。
図15図14の商品前出し具の前出しを説明する図である。
図16】従来の商品前出し具の側面図である。
図17図16の従来の商品前出し具の前出しを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態における商品前出し具を図1図15を参照して説明する。本明細書中、「前後」、「上下」及び「左右」は、設置面に設置された状態における顧客側を正面とした方向又は位置を言う。商品前出し具10は、設置面に載置されるものであって、基板1と、商品前出し体2と、引き出し体3と、側板4を有する。
【0020】
商品前出し具10において、基板1は、設置面に載置されると共に、商品が載置されるものを言う。基板1は、図6及び図7に示すように、中尺状の板状体の左右方向の中央で前後方向に延びる開口を形成することにより形成されたものであり、左の小基板11aと右の小基板11bを備え、両小基板11a、11bの内側角部がガイドレール111となるものである。また、基板1の一方の側端から起立した側板4が形成され、側板4の上部には、基板1の前後長さと略同じ長さの中尺板状の引き出し体3を前後方向に移動自在にガイドするガイド溝411(第2ガイドレール)が形成されている。ガイド溝411の前後方向に所定のピッチで多数形成される扁平台形状の貫通孔は、引き出し体3の引き出しに伴う摩擦を低減するための孔である。
【0021】
商品前出し具10において、基板1の前端には、商品の転落を防止する高さの低い起立状の転落防止板8が形成され、転落防止板8の前面には、商品前出し具10を、例えば棚板の前レールに固定するための係止片9が形成されている。また、基板1の後端で左右方向の中央には、バネ部材であるコイルバネ7の一端(後端)を固定するバネ第1係止部113が形成されている。コイルバネ7は、基板1と引き出し体3を接続し、引き出し体3は、引き出す際、コイルバネ7のバネ力に抗して引き出され、手を放すことで、引き出し体は元の位置に自動的に、復帰する。
【0022】
商品前出し具10において、基板1の左の小基板11aの裏面には、前後方向に延びる長溝16が形成されている。長溝16には、商品前出し体2の基板部21の裏面に形成される下部基板部212aの先端突起214が係止し、基板1に対する商品前出し体2の強い係止を確保し、基板1から商品前出し体2が脱落しないようにしている。
【0023】
商品前出し具10において、商品前出し体2は、基板1上又は基板1中を前後に移動自在に取り付けられる基板部21と、基板部21の後端から上方又はやや後方傾斜状に延びる前方の商品を押圧する商品押圧板22を備えるものである。基板部21の裏面には、引き出し体3と当接する第1当接部24を有する。これにより、商品前出し体2は、引き出し体3と基板の裏面で当接する。
【0024】
商品前出し体2は、具体的には、図8及び図9に示すように、商品押圧板22が付設される上部基板部211と、上部基板部211の裏面から下方に延び次いで横方向外側に屈曲して延びる左右一対の下部基板部212a、212bと、を有する。これにより、上部基板部211と左右一対の下部基板部212a、212b間の隙間213a、213bに、基板1のガイドレール111が係止することができる。
【0025】
商品前出し体2において、左側の下部基板部212aの左側の先端には、該先端から上方に少し起立し、下部基板部212aの前後方向に延びる先端突起214が形成されている。この先端突起214は、基板1の裏面に形成された長溝16に係止し、基板1から商品前出し体2が脱落しないような安定な係止を実現する。また、右側の下部基板部212bは、前後方向長さ途中で、切り欠かれており、下部基板部212aの長さの半分程度の長さとなっている。これにより、下部基板部212bの後端には、第1当接部24が形成されることになる。第1当接部24は、斜め傾斜面を有する凹面を形成しており、引き出し体3の第2当接部212bと当接することで、商品前出し体2と引き出し体3の接続(当接)が可能となる。また、下部基板部212bの前後方向の長さを短くすることで、第1当接部24が、商品押圧板22より、前方に位置することになり、商品前出し体2を前方側から引っ張ることができ、商品前出し体2の前方移動が円滑となる。また、商品前出し具10において、下部基板部212a、212bは、基板1より下方に突出する部分がなく、前後移動する際、下部基板部212a、212bが障害となることはない。
【0026】
商品前出し具10において、引き出し体3は、側板4の前後方向に延びるガイド溝(第2ガイドレール)411に前後に移動自在に係止する引き出し体本体部31と、基板1の裏側に配設される係止板状体32と、引き出し本体31部と係止板状体32を接続する側板4の外側に配設される外側連結帯部33とを有し、係止板状体32の前端部が、第2当接部34となる。外側連結帯部33と係止板状体32は、背面視で略L字断面形状となっている。引き出し体本体部31は、中尺状の板状体であり、先端には、把持部39が形成さている。また、外側連結帯部33は、引き出し体本体部31の後方部の下端から下方に延びる略板状体である。本例の外側連結帯部33は、前後方向の中央部を基板1の側板4と接触しない凹部とすることで、摩擦抵抗を低減している。また、係止板状体32の前端の左端には、コイルバネ7の他端(前端)を固定するバネ第2係止部35が付設され、係止板状体32の前端の右半分には、係止板状体32より起立する小突起37が形成されている。なお、符号36は係止板状体32の後端の左端において起立する小突起であり、基板1の裏面に形成された溝レールに前後移動自在に係止し、引き出し体3の引き出し操作を円滑にする。すなわち、外側連結帯部33は板状体であり、上端が前方へ引っ張られるため、捻じれが生じて、側板との摩擦抵抗が大きくなる傾向にあり、小突起36は、この捻じれを防止する機能を果たす。第2当接部34は、バネ第2係止部35と小突起37の間に位置する、係止板状体32の先端部であり、該第1当接部24の当接面(凹面)に対応する凸面を有する。
【0027】
商品前出し具10において、商品前出し体2の基板部21の裏面の第1当接部24と、引き出し体3の第2当接部34は、該商品押圧板22より前方位置で当接しており、引き出し体3を前方へ引き出すことで、商品前出し体2が前方へ引き出され、商品押圧板22の前方に位置する載置商品が前出しされる。また、商品前出し具10は、図14に示すように、商品前出し体2の基板部21の裏面の第1当接部24と、引き出し体3の第2当接部34を、商品押圧板22より前方位置の当接位置としたため、待機状態において、商品押圧板22を基板1の後方端近傍とすることができる。このため、商品押圧板22の後方のデッドスペースを無くし、基板1上の載置商品の設置スペースを大きくでき、陳列効率を高めることができる。
【0028】
次に、商品前出し具10の使用方法について図14及び図15を参照して説明する。商品前出し具10において、商品押圧板22の前方には載置商品Aが陳列されている。載置商品Aは、基板1上に載っている。この際、引き出し体3は、コイルバネ7により、待機状態である基板1と同化するかのように、奥側に収容されている。商品群は前方の商品が売れることで、前方にスペースができる。この場合、顧客は、引き出し体3を把持して前方に引き出し、前方の商品を取ることができる。あるいは、作業者は、引き出し体3を前方に引き出し、手を放して、引き出し体3を自動的に、元の位置に復帰させ、最後尾の商品と商品押圧板22の間のスペースに商品を補充することができる。また、商品前出し具10は、商品前出し体2の第1係止部24と、引き出し体3の第2係止部34を基板1の厚み内に収納するため、嵩高となることがない。
【0029】
本発明は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形を採ることができる。商品前出し具10において、基板1と引き出し体3を接続するコイルバネ7は、設置を省略することができる。これにより、引き出し体3を手前に引き出した後は、手動で引き出し体3を元に位置に戻すことになる以外は、上記実施の形態例と同様の作用効果を奏する。また、商品前出し具10において、第1当接面及び第2当接面は、上記実施の形態例に限定されず、第1当接面は、傾斜面を有する凹面以外の凹面、平坦面、凸面又は凹凸複合面であり、該第2当接面は、平坦面、凸面、凹面又は凸凹複合面を採ることができる。また、外側連結帯部33は、前後方向の中央部が凹部のものに限定されず、内側が平坦面の板状体であってもよい。商品前出し具10において、側板4の高さは低くてもよく、実質的に、側板4の無いものであってもよい。この場合、外側連結帯部33は、不要であり、引き出し体体本体部31と係止板状体32が直接、接続されたものであってもよい。この場合においても、引き出し体3は、基板1に沿って配設されている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明によれば、商品押圧板を基板の最後尾に位置されることが可能となり、商品押圧板の後方デッドスペースを無くし、基板上の載置商品の設置スペースを大きくでき、陳列効率を高めることができると共に、商品前出し体を前方側から引っ張ることになり、商品前出し体の前方移動が円滑となる。
商品前出し具10は、設置面に載置されるものであって、基板1と、商品前出し体2と、引き出し体3と、側板4を有する。
【符号の説明】
【0031】
1 基板
2 商品前出し体
3 引き出し体
4 側板
6 長溝
7 コイルバネ(バネ部材)
8 転落防止板
7 コイルバネ(バネ部材)
10 商品前出し具
11a 左の小基板
11b 右の小基板
21 基板部
22 商品押圧板
211 上部基板部
212(212a、212b) 下部基板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17