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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】ペット用トイレ
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/01 20060101AFI20230330BHJP
   A01K 23/00 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A01K1/01 801C
A01K23/00 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022501187
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(86)【国際出願番号】 ES2019070483
(87)【国際公開番号】W WO2021005248
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】522010587
【氏名又は名称】ストック・ガーデン・グループ・ソシエダッド・リミターダ
【氏名又は名称原語表記】STOCK GARDEN GROUP, S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ロサントス カルボ,ヘスス アンヘル
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-212095(JP,A)
【文献】特開2002-142597(JP,A)
【文献】特開平11-169004(JP,A)
【文献】特開2007-312713(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0151646(US,A1)
【文献】特開2001-251984(JP,A)
【文献】登録実用新案第3024187(JP,U)
【文献】米国特許第03964437(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/00 - 3/00
31/00 - 31/24
A01K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面と同じ高さまたは地面より下に設置されることを特徴とするペット用トイレであって、
流体の作用により一方を他方に対してスライドさせることができる2つの同心チューブ(1、6)であって、より小さい直径を有するペットの尿の受け入れチューブ(1)と、より大きい直径を有する外側チューブ(6)と、を含み、前記チューブの一方は、格納位置と使用位置との間で移動可能である、2つの同心チューブと、
尿の前記受け入れチューブ(1)に固定されてその内部にある第3チューブ(25)と、
前記第3固定チューブ(25)に収容され、スライドチューブに固定されたロッド(16)と一体であるピストン(26)と、
尿と洗浄液とを受け入れるトレイ(2、2’)と、
尿と洗浄液とを集めるコンパートメント(3)と、
尿と洗浄液とを集めるための前記コンパートメント(3)に接続されたドレーン(4)と、
可動チューブ(1、6)と一体のカウンターウェイト(17)と、
前記可動チューブ(1、6)をガイドするための第1ガイドリング(5)と、
洗浄液が供給される第2洗浄リング(12)と、
格納位置において、受け入れトレイ(2、2’)と尿と洗浄液とを集めるための前記コンパートメント(3)を覆う閉鎖要素(19)を組み込んだ前記可動チューブ(1、6)と、
両方の前記同心チューブ(1、6)の間に形成されたチャンバ(22)に接続された流体パイプの第1分岐部(9)と、
尿の受け入れチューブと尿の前記受け入れトレイ(2、2’)とを洗浄するための洗浄手段に接続された流体パイプの第2分岐部(11)であって、そのパイプは三方活栓を有する、第2分岐部(11)と、
を備え、
格納位置において、両方の前記同心チューブ(1、6)は、一方が他方の内部に配置され、使用位置において、一方のチューブを他方に対して軸方向に移動させたことにより、より小さい直径を有しペットの尿を受け入れるための前記受け入れチューブ(1)が視認でき、使用後の前記格納位置への前記可動チューブの移動中に、ペットの尿の前記受け入れチューブ(1)が洗浄される、
ペット用トイレ。
【請求項2】
前記トイレは、地面と同じ高さに設置され、より小さい直径を有する尿の前記受け入れチューブ(1)は、ペットの尿を受け入れるための前記トレイ(2)への下部底面と一体である、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項3】
前記トイレは、地面と同じ高さに設置され、ペットの尿と洗浄液とを受け入れるための前記トレイ(2)は、尿と洗浄液とを受け入れるための前記コンパートメント(3)に取り付けられて、前記トレイ(2)と前記コンパートメント(3)との間に空きスペースを画定し、前記受け入れトレイ(2)は、前記受け入れチューブ(1)に固定するための内側部分から外側に向かって減少する方向に傾斜を有し、前記トレイ(2)の外周輪郭は、尿と洗浄液とを受け入れるための前記コンパートメント(3)の上部外側面の下にあり、それらの間に間隔がある、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項4】
前記トイレは、地面と同じ高さに設置され、より小さい直径を有する受け入れチューブ(1)は、上部側面でより大きい直径を有する前記外側可動チューブをガイドするための第1ガイドリング(5)を有する、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項5】
前記トイレは、地面と同じ高さに設置され、より大きい直径を有する前記外側チューブ(6)は、下部底面に対する側面において、内面に防水シール(13)を有し、2つの底面を有し、その間に複数の貫通孔(14)が配置される第2洗浄リング(12)、を含む、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項6】
前記トイレは、地面と同じ高さに設置され、ピストン(26)が、三方活栓(10)を有する前記流体パイプの前記第1分岐部(9)に接続された前記防水チャンバ(22)を形成する前記外側チューブ(6)と一体のロッド(16)を有する第3チューブ(25)の内部に収容される、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項7】
前記トイレは、地面と同じ高さに設置され、前記第3固定チューブ(25)と尿の前記受け入れチューブ(1)との間に、下部底面からペットの尿の前記受け入れチューブと一体の前記第1リング(5)の下部まで延びるパイプ(7)が組み込まれ、前記軸方向のパイプ(7)は、第1口(8)を画定する尿の前記受け入れチューブ(1)から外に延び、前記パイプは、底部において、三方活栓(10)を有する前記流体パイプの前記第2分岐部(11)に接続される、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項8】
前記トイレは、地面より下に設置され、より大きい直径を有するペットの尿の前記受け入れチューブ(1)は、移動可能であり、地面より上昇して、ペットの尿の前記受け入れトレイ(2’)を空(clear)にする、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項9】
前記トイレは、地面より下に設置され、尿と洗浄液とを受け入れるための前記コンパートメント(3)は、前記固定外側チューブ(6)の上部底面に取り付けられ、内部には、前記受け入れチューブ(1)が内部を移動する第2洗浄リング(12)が収容され、前記流体パイプの前記第2分岐部(11)が接続された前記コンパートメント(3)の外周に沿って空間(20)が画定され、前記コンパートメント(3)と前記外周空間(20)との上に尿と洗浄液とを受け入れるためのトレイ(2’)を有し、前記トレイは、外周から可動受け入れチューブとの開口部を画定する中央部分に向かって減少する傾斜を有し、前記開口部を通過して前記洗浄液が前記第2リング(12)に落下する、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項10】
前記トイレは、地面より下に設置され、前記可動受け入れチューブ(1)は、下部側面に第1ガイドリング(5)を有する、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項11】
前記トイレは、地面より下に設置され、尿と洗浄液とを受け入れるための前記コンパートメント(3)が、前記外側チューブ(6)に画定され、その内部におよびそれから隔離されて、前記受け入れチューブ(1)が内部を移動するための前記第2洗浄リング(12)がある、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項12】
前記トイレは、地面より下に設置され、スペース(20)は、三方活栓(10)を有する前記流体パイプの前記第2分岐部(11)に接続された前記コンパートメント(3)の外周に沿って画定され、前記スペース(20)から、前記外周に沿って前記トレイ(2’)に流体があふれ出て、前記第2洗浄リング(12)に排出される、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項13】
前記トイレは、地面より下に設置され、尿の前記受け入れチューブ(1)に固定されてその内部にある前記第3チューブ(25)は、尿の前記受け入れチューブ(1)と一体のロッド(16)を有するピストン(26)を収容し、三方活栓(10)を有する前記流体パイプの前記第1分岐部(9)に接続されたチャンバ(22)を形成する、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項14】
前記トイレは、地面より下に設置され、前記可動受け入れチューブ(1)は、洗浄液パイプの前記第2分岐部(11)に接続された前記スペース(20)の輪郭を閉鎖するための閉鎖要素(19)で上部におよび外部から仕上げられている、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項15】
前記洗浄液パイプの前記第2分岐部(11)に接続された前記外周スペースの輪郭を閉鎖するための前記閉鎖要素(19)上に、装飾を有する、
請求項14に記載のペット用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の発明は、公道および私道の両方に設置することのできる、基本的に犬を対象とするペット用トイレに関する。本発明の目的は、都市環境の悪化および悪いイメージを避ける衛生的な状態で動物が排泄できるような場所を作ることである。格納可能で自己洗浄式のトイレであり、周辺の環境に溶け込むような装飾要素を組み込むことができる。
【背景技術】
【0002】
動物の排泄の結果として都市環境で引き起こされる問題が、物理的におよび美的に、歩道、街灯、車、庭などにダメージを与えているということは、周知の事実である。この悪化は、都市の調度品、庭のエリア、および公道のすべてに影響を及ぼし、非衛生的な外観も与える。
【0003】
同様に、公道の清掃、都市の調度品の交換および/または修理に割り当てられる投資の増加が止まらず、この問題に起因する多額の費用が知られている。さらに、これらの投資は、既存の問題を解決するものではなく、不必要で反復的な追加のコストを継続的に生み出しているという事実もある。
【0004】
我々の都市においてペットの数が絶えず増加していることは別の要因であり、これらすべての問題を回避し、一般市民の苛立ちを防ぐことのできるサービスの提供がますます必要になってきている。
【0005】
したがって、犬用の屋外トイレについて記載されたスペイン国実用新案出願第1187314号明細書など、前述の重大な欠点を解決しようとする様々な文書を検討することができる。それは、背面金属シートと尿を受けるための単一のアングル(angle)からなる円筒構造に基づき、それらの要素は、中央の排水管と円形の上部支持体を有する下部プレートにより強固に取り付けられている。
【0006】
スペイン国実用新案出願第1230274号明細書には、側面開口部を有する周囲の外部本体と、主マーキング領域として使用するために側面開口部からアクセス可能な中央内部本体と、により形成された容器に基づく、イヌ科の公衆トイレマーカーについて記載されている。
【0007】
スペイン国登録特許第2306627号明細書には、尿処理剤および/または尿誘引剤を受け入れるための容器に基づく、尿受け入れ領域を画定する穴の開いた上部カバーを備えたコンパニオンアニマル用トイレについて記載されている。
【0008】
スペイン国登録特許第2331987号明細書には、汚水槽に配置された中空の円柱に基づく犬用トイレについて記載されている。円柱は、第1下部セクションおよび第1セクションを部分的に取り囲む第2上部セクションにより形成され、外部供給源から第2上部セクションの上部内側部分に配置された排出口までの水流を通過させるためのチャネルと、水の出力を作動するための作動手段と、が提供されている。
【発明の概要】
【0009】
本明細書には、ペット用トイレについて記載されており、トイレは、地面と同じ高さまたは地面より下に設置され、以下の構成要素を含む。
・流体の作用により一方を他方に対してスライドさせることができる2つの同心チューブであって、ペットの尿のレシーバであるチューブ
・チューブレシーバに固定されてその内部にある第3チューブ
・尿と洗浄液とを受け入れるトレイ
・尿と洗浄液とを集めるためのコンパートメント
・尿と洗浄液とを集めるためのコンパートメントに接続されたドレーン
・可動チューブに強固に取り付けられたカウンターウェイト
・可動チューブをガイドするための第1リング
・洗浄液が供給される第2洗浄リング
・可動チューブは、静止位置で受け入れトレイと、尿と洗浄液を集めるためのコンパートメントとを覆う要素を内蔵する
・両同心チューブの間に形成されたチャンバに接続された流体パイプの第1分岐部
・尿のチューブレシーバを洗浄するための洗浄手段および尿を受け入れるトレイに接続された流体パイプの第2分岐部であって、そのパイプは三方活栓を有する
静止位置において、両同心チューブは格納位置にあり、使用位置において、一方のチューブに対して他方のチューブを軸方向に移動したことにより、ペットの尿を受け入れるためのより小さい直径のチューブが視認でき、使用後に静止位置に戻したときに、ペットの尿のチューブレシーバが洗浄される。
【0010】
このように、トイレは地面と同じ高さに設置され、より小さい直径を有するペットの尿のチューブレシーバは、それより下部底面(the lower base)により、ペットの尿を受け入れるトレイに固定される。
【0011】
トイレは地面と同じ高さに設置され、ペットの尿と洗浄液とを受け入れるトレイは、尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメントに取り付けられ、それらの間に空きスペース(clear space)を画定する。受け入れトレイは、より小さい直径を有するチューブに固定するための内側部分から外側に向かって減少する方向に傾斜を有し、その外周輪郭は、尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメントの上部外側面の下にあり、それらの間に間隔がある。
【0012】
トイレは地面と同じ高さに設置され、より小さい直径を有するチューブは、その上部側面に、より大きい直径を有する可動外部チューブをガイドするための第1リングを有する。
【0013】
トイレは地面と同じ高さに設置され、その外部側面のより大きい直径を有するチューブは、下部底面に対して、第2洗浄リングを有する。防水シールは受け入れチューブに接し、洗浄液は、その底面の間に形成された孔を通って流れるよう、第2洗浄リングは、その内面に防水シールを有し、その底面の間に複数の貫通孔を有する。
【0014】
トイレは地面と同じ高さに設置され、ピストンは、三方活栓を有する流体パイプの第1分岐部に接続されたチャンバを形成する外側チューブに強固に取り付けられたロッドを有する第2チューブの内部に収容される。
【0015】
同様に、トイレは地面と同じ高さに設置され、第3固定チューブと尿のチューブレシーバとの間で、その下部底面からより小さい直径を有するペットの尿のチューブレシーバに強固に取り付けられた第1リングの下側部分に延びるパイプを内蔵し、軸方向のパイプは、第1口を画定する尿のチューブレシーバから外側に延び、軸方向のパイプは、下部で、三方活栓を有する流体パイプの第2分岐部に接続されている。
【0016】
同様に、トイレは地面より下に設置され、より小さい直径を有するペットの尿のチューブレシーバは可動式であり、外側に突出し、ペットの尿を受け入れるトレイを空に(clear)する。
【0017】
トイレは地面より下に設置され、尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメントは固定外部チューブの上部底面に取り付けられる。内部には、受け入れチューブが内部を移動するための第2洗浄リングが収容され、流体パイプの第2分岐部が接続されたコンパートメントの外周に沿って空間が画定されている。コンパートメントとその外周空間の上に、尿と洗浄液とを受け入れるトレイを有する。トレイは、外周から、可動受け入れチューブとの開口部を画定するその中央部分に向かって減少する傾斜を有する。その開口部を通過して洗浄液が第2洗浄リングに落下する。
【0018】
同様に、トイレは地面より下に設置され、尿のチューブレシーバは可動式であり、その下部側面に第1ガイドリングを有する。
【0019】
トイレは地面より下に設置され、より大きい直径を有する外部チューブに、尿と洗浄液とを受け入れるためのコンパートメントが画定され、その内部におよびそれから隔離されて、第2洗浄リングがある。その内部を通過して、より小さい直径を有する尿のチューブレシーバが移動する。
【0020】
トイレは地面より下に設置され、尿を受け入れるトレイの下に、および尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメントの外周に沿って、三方活栓を有する流体パイプの第2分岐部に接続されたスペースが画定される。そのスペースから、外周に沿って尿を受け入れるトレイに流体があふれ出て、第2洗浄リングに排出される。
【0021】
トイレは地面より下に設置され、尿のチューブレシーバに固定されてその内部にある第3チューブは、尿のチューブレシーバに強固に取り付けられたロッドを有するピストンを収容し、三方活栓を有する流体パイプの第1分岐部に接続されたチャンバを形成する。
【0022】
同様に、トイレは地面より下に設置され、可動受け入れチューブは、コンパートメントの外周に沿って画定されたスペースの輪郭を閉鎖するための閉鎖要素において外部で仕上げられ(finished)、そのスペースは、洗浄流体パイプの第2分岐部に接続される。
【0023】
両方の同等の実用的な実施形態は、トイレの格納位置では見えないところに隠されて、作業位置でだけ見えるよう、周囲への統合を容易にするために、植木鉢などの装飾要素を組み込むことが可能である。
【0024】
以下の説明を補完するため、および、本発明の特徴をより良く理解するのを助ける目的で、本明細書に一連の図面を添付し、その図において、例示的かつ非限定的な方法で、本発明の最も特徴的な詳細が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】その実施の形態にかかる、格納位置にある状態の地面より上にあるトイレの断面側面図
図2】栓を開いて、流体が流体パイプの第1分岐部を通過して第3固定チューブに形成されたチャンバに入った後、より大きい直径を有する外側チューブが使用位置に向かって部分的に移動することを示す、その実施の形態にかかる地面より上にあるトイレの断面側面図
図3】使用位置に移動したより大きな直径を有するチューブが完全に移動して、ペットが排尿できるように静止位置に留まっていることを示す、その実施の形態にかかる地面より上にあるトイレの側面断面図
図4】前図に植木鉢などの装飾要素を組み込んだ図
図5】その実施の形態にかかる格納位置にある状態の地面より下にあるトイレの断面側面図
図6】栓を開いて、流体が流体パイプの第1分岐部を通過して第3固定チューブに形成されたチャンバに入った後、より小さい直径を有するチューブが使用位置に向かって部分的に移動することを示す、その実施形態にかかる地面より下にあるトイレの断面側面図
図7】一実施形態または他の実施形態による第1ガイドリングの、および第2洗浄リングの組立箇所を示す、両方の組立実施形態にかかる断面側面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
上述の図面を考慮し、採用された番号付けに従って、格納可能なセルフクリーニング構造に準拠して、ペット用トイレを地面と同じ高さ、または地面より下に設置することができる方法を理解することができる。私道または公道に設置することができ、通常みられる悪化または悪いイメージを防ぐ適切な衛生処置でペットが排尿することのできる場所を確保する一方、静止位置では、それが設置された場所の周囲に溶け込むような美化イメージを採用する。
【0027】
このため、ペット用トイレは、流体の作用により一方が他方に対してスライド可能な2つの同心チューブ(1、6)を備える構造に基づく。より小さい直径を有するチューブは、ペットの尿の受け入れチューブ(1)である。尿は、尿と洗浄液とを受け入れるトレイ(2、2’)に向かって、受け入れチューブ(1)の外側に沿って動き、尿と洗浄液とを集めるためのドレーン(4)を備えるコンパートメント(3)に回収される。
【0028】
さらに、より大きい直径を有するチューブは同心チューブの外側チューブ(6)である。それぞれの実施の形態において、トイレが地面と同じ高さに設置されているか、地面より下に設置されているかに応じて、可動チューブは2つの同心チューブ(地面と同じ高さに設置されている場合外側チューブ(6)、地面より下に設置されている場合受け入れチューブ(1))のうちの1つである。可動チューブは、カウンターウェイト(17)を組み込み、第1リング(5)によりガイドされる。一方、尿の受け入れチューブ(1)は、外側チューブ(6)に配置され、尿洗浄液が供給される第2洗浄リング(12)に接触している。
【0029】
同様に、可動チューブ(受け入れチューブ(1)または外側チューブ(6))は、トイレの静止位置で、受け入れトレイ(2、2’)および尿と洗浄液とを集めるためのコンパートメント(3)を覆う閉鎖要素(19)を組み込んでいる。閉鎖要素(19)は、使用位置以外では、アセンブリ全体を隠してアクセスできないようにすることができる。
【0030】
ペット用トイレは、ペットの尿の受け入れチューブ(1)に固定されてその内部にある第3チューブ(25)を組み込んでいる。その内部には、可動チューブに固定されたロッド(16)に強固に取り付けられたピストン(26)を収容して、流体を堆積(depositing)させるためのチャンバ(22)を形成している。
【0031】
同様に、トイレは、第3固定チューブ(25)に形成されたチャンバ(22)に接続された第1分岐部(9)と、尿の受け入れチューブ(1)と尿を受け入れるためのトレイ(2、2’)とを洗浄するための洗浄手段に接続された第2分岐部(11)と、を順に備える洗浄液パイプを備え、そのパイプは三方活栓(10)を有する。
【0032】
この一般的な構造から、トイレは、地面と同じ高さに設置することも、地面より下に設置することも可能である。好ましい実施の形態において、トイレは、地面と同じ高さに設置され、この場合、固定されてその内部にある第3チューブ(25)と同様に、より小さい直径を有するペットの尿の受け入れチューブ(1)が固定される。第2通路口(15)を通って第3チューブ(25)に形成されたチャンバ(22)へ流体を供給することにより、より大きい直径を有する外側チューブ(6)は、三方活栓を有する流体パイプの第1分岐部(9)を介して移動可能である。
【0033】
このようにして、栓(10)によって通路を開くと、流体は、ネットワーク全体(overall network)(24)から第1分岐部(9)へ導かれ、流体はチャンバ(22)にアクセスする。栓(10)を閉じると、チャンバ(22)に含まれる流体は、カウンターウェイト(17)の作用により、第2口(15)から排出され、第2分岐部(11)を介して第3固定チューブ(25)とペットの尿の受け入れチューブ(1)との間のスペースの間に存在する軸方向パイプ(7)に向かって流れ、第1口(8)を介して第2洗浄リング(12)に向かって排出される。
【0034】
したがって、上述の実施の形態において、受け入れチューブ(1)は、尿とその洗浄液とを受け入れるトレイ(2)と一体となっている。トレイ(2)は、受け入れチューブ(1)に固定するための中央部分からその外周輪郭に向かって減少する方向に傾斜を有する。トレイ(2)の下に、対応するドレーン(4)が接続され、尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメント(3)がある。
【0035】
トレイ(2)は、ねじまたは他の同等の手段によりコンパートメント(3)に取り付けられてもよく、トレイ(2)とコンパートメント(3)との間に、尿と洗浄液との回収とその後のそれらの排水のための隙間が形成されてもよい。したがって、トレイ(2)の外周輪郭は、コンパートメント(3)の側壁よりわずかに低く、尿と洗浄液との通過のためにそれらの間には小さな間隔がある。
【0036】
その上部外側部分において、受け入れチューブ(1)は、その移動中により大きな直径を有する外側チューブ(6)をガイドするための第1リング(5)を組み込んでいる。第3固定チューブ(25)と受け入れチューブ(1)との間に、その固定された下部底面から外側チューブ(6)の第1ガイドリング(5)の下側部分に延びる軸方向パイプ(7)を備える。軸方向パイプ(7)は、受け入れチューブ(1)から外側に、半径方向に延びて、洗浄液の排出のための第1口(8)を画定する。したがって、前述の軸方向パイプは、その下部底面により三方活栓(10)を有する流体パイプの第2分岐部(11)に接続されているため、流体が第2分岐部(11)を貫通すると、第1口(8)を介して排出されて受け入れチューブ(1)を洗浄する。
【0037】
このため、外側チューブ(6)は、その下部底面に第2洗浄リング(12)を組み込み、その内部を、防水シール(13)を介在させて受け入れチューブ(1)が通過する。その第2洗浄リング(12)は、2つの底面を有し、通孔(14)が存在する。
【0038】
このようにして、トイレが静止位置にあり、受け入れチューブ(1)と外側チューブ(6)とが格納位置にある、図1に示す位置から開始する。それを使用するために、栓(10)を開き、流体、通常は水が、第1分岐部(9)に沿って、第2口(15)を介して第3チューブ(25)に形成されたチャンバ(22)へ入ることにより、ピストン(26)とロッド(16)とが動き、その結果、図3に示すように、使用位置に達するまで外側チューブ(6)が動き、トイレを使用することができるようになる。
【0039】
したがって、その位置では、ペットは、受け入れチューブ(1)に排尿することができ、ペットが排尿し終えると、流体パイプの栓(10)が作用して、それに組み込まれたカウンターウェイト(17)自体の作用により、第2口(15)を介してチャンバ(22)に含まれる流体を排出するよう、外部チューブ(6)を降下させることができる。流体は、第1分岐部(9)を介して排出され、パイプ(7)に入って第2分岐部(11)に移動して第1口(8)から排出され、それを分配する第2洗浄リング(12)に落ちる。そして、流体は、その貫通孔(14)を通過して尿の受け入れチューブ(1)に向かい、尿とこぼれた液体とを引き込むシール(13)をスライドさせることにより洗浄する。
【0040】
したがって、尿は、その引き込んだ液体とともに、これ(the same)を受け入れるためのトレイ(2)に落下し、それから排出するためのコンパートメント(3)に導かれる。
【0041】
第3固定チューブ(25)に形成されたチャンバ(22)は、吸気および排気のための対応するパンチング(perforation)(18)を有し、その完全な動作を可能にする。
【0042】
同様に、閉鎖要素(19)は、例えば金属板をベースとして外側チューブ(6)に強固に取り付けられ、静止位置にある場合に、トレイ(2)およびコンパートメント(3)上に留まり、トイレが使用されていない場合、同じ輪郭を閉鎖してアクセスされるのを防ぐ。
【0043】
図4に示すように、植木鉢などの装飾(23)は、閉鎖要素(19)に組み込むことができるため、静止位置において、トイレは隠されたままであり、完全に周囲に溶け込んでいる。
【0044】
本発明の実際の実施の形態の変形例において、図5および図6に示すように、トイレは地面より下に設置されるため、この実施の形態において、尿の受け入れチューブ(1)とカウンターウェイトキャリア(17)は、地面の下に設置された固定されたままの外側チューブ(6)に対して移動可能であり、閉鎖要素(19)は、受け入れチューブ(1)と一体である。
【0045】
同様に、受け入れチューブ(1)は、その内部底面に対して移動可能であり、第1ガイドリング(5)を組み込み、これにより、外側チューブ(6)に対してその動きに完全にガイドされ、洗浄液は、第3固定チューブ(25)に形成されたチャンバ(22)にアクセスする。
【0046】
外側チューブ(6)は、尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメント(3)により仕上げられ、より小さい直径を有する受け入れチューブ(1)が動くその内部に第2リング(12)を組み込んで、防水シール(13)と接触している。尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメント(3)の外周に沿って、流体パイプの第2分岐部(11)に接続された外周スペース(20)がある。
【0047】
したがって、尿と洗浄液とを受け入れるためのコンパートメント(3)は、尿を受け入れるためのトレイ(2’)であり、コンパートメント(3)の外周に沿って画定されたスペース(20)に接続されたパイプの第2分岐部(11)から流れてくる洗浄液がその上に注がれる。
【0048】
コンパートメント(3)に配置されたトレイ(2’)とその外周に沿って画定されたスペース(20)とは、外周から内側に向かって減少する傾斜を有し、そこでは、それは受け入れチューブ(1)に向かって近位に仕上げられ、それらの間に開口部を画定している。外周に沿って、トレイ(2’)は、空間(20)を構成する側壁(21)のレベルより下にあるため、スペース(20)を満たす第2分岐部(11)からの流体は、トレイ(2’)に向かう外周に沿ってあふれ出ることができる。それが通過するときに、そこに存在する尿は、引き込まれて洗浄されて、これらのすべてが第2洗浄リング(12)に向かって導かれ、続いてコンパートメント(3)に移動する。
【0049】
このように、静止位置のトイレから開始して、図5に従って、ペットがこれ(the same)を使用できるようプロセスを開始するために、まず栓(10)を開くと、流体はパイプの第1分岐部(9)を循環し、第3チューブ(25)に画定されたチャンバ(22)に向かって第2口(15)を貫通し、ペットの尿の受け入れチューブ(1)は、高くなった使用位置まで上げられる。
【0050】
ペットが排尿し、栓(10)を閉じると、カウンターウェイト(17)の作用により、受け入れチューブ(1)の下降が始まるため、チャンバ(22)に含まれる流体は、第2口(15)を介して除去される。第1分岐部(9)に沿って除去された流体は、第2分岐部(11)に移動し、スペース(the same)の外周に沿ってあふれ出るまで、第2分岐部を介してスペース(20)に導かれ、トレイ(2’)を通って下降し、トレイ(the same)に存在し得る尿を引き込み、受け入れチューブ(1)とトレイ自体(2’)との間の開口または隙間を通って、第2洗浄リング(12)に向かって落下する。したがって、受け入れチューブ(1)の下降において、受け入れチューブ(1)に隣接するシール(13)の協調によって受け入れチューブ(the same)を洗浄する。尿洗浄流体混合物は、上述の第2洗浄リング(12)の貫通孔(14)を通過して、それが排出されるコンパートメント(3)に向かって流れる。
【0051】
このようにして、受け入れチューブ(1)が下降するとそれが洗浄され、静止位置に到達すると閉鎖要素(19)がスペース(20)の輪郭全体を覆う。閉鎖要素(19)には、植物が植えられた鉢などの装飾(23)があってもよく、周囲に完全に溶け込んでいる。
【0052】
図7は、地面と同じ高さに設置されたトイレと地面より下に設置されたトイレとの、それらを同等にする小さな相違点を示し、地面と同じ高さの設置に対する実施の形態において、第1リング(5)はより小さい直径を有する固定受け入れチューブ(1)の上部底面に固定されており、地面と同じ高さの設置に対する実施の形態において、上述の第1ガイドリング(5)はより小さい直径を有する可動受け入れチューブ(1)の下部底面と一体である。地面と同じ高さの設置に対する実施の形態において、第2洗浄リング(12)は、受け入れチューブ(1)に沿って移動可能な外側チューブ(6)の下部底面と一体であり、その防水シール(13)はその外面に隣接する。地面より下の設置に対する実施の形態において、それは、その内部を通過する受け入れチューブ(1)の外側面に隣接して防水シール(13)を有し、固定外側チューブの上部底面に留まっている。
【0053】
同様に、地面と同じ高さの設置に対する実施の形態において、尿と洗浄液とを受け入れるトレイ(2)は、中央部分からその外周部分へ減少する方向に傾斜を有し、尿と洗浄液とを集めて、それをコンパートメント(3)に導いて排出する。地面より下の設置に対する実施の形態において、尿と洗浄液とを集めるトレイ(2’)は、外周からその中央部分まで、減少する方向に傾斜を有し、その中で、受け入れチューブ(1)との開口を画定する。
【0054】
最終的に、両実施の形態によるトイレの目的は、都市環境の悪化または悪いイメージを防ぐ衛生的な状態でペットが排尿することのできる場所を形成することである。トイレは、格納式および自浄式であり、周囲にそれを溶け込ませることのできる装飾要素を組み込むことができる。
【0055】
さらに、ペット用トイレは、会社またはその制御機関により、遠隔操作を可能にする手段、および使用回数を制御する手段を有していてもよい。
【0056】
さらに、栓は、作動ペダルまたは押しボタンなど、任意の同等の手段に置き換えられてもよい。同様に、栓制御ポストは、ペットに飲料水を提供する手段を有していてもよい。同様に、上述のポストは、例えば、アセンブリを洗浄できるよう、好ましくは水などの流体吸入口(fluid intake)を有していてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 受け入れチューブ
2 トイレが地面と同じ高さに設置された実施の形態におけるトレイ
2’ トイレが地面の下に設置された実施の形態におけるトレイ
3 尿と洗浄液とを受け入れるコンパートメント
4 ドレーン
5 第1リング
6 外側チューブ
7 軸穴
8 第1口
9 第1分岐部
10 栓
11 第2分岐部
12 第2リング
13 シール
14 第2リング貫通孔
15 第2口
16 ロッド
17 カウンターウェイト
18 吸気および排気用パンチング
19 閉鎖要素
20 外周空間
21 側壁
22 同心チューブ(受け入れチューブおよび外側チューブ)の間のチャンバ
23 装飾
24 ネットワーク全体
25 第3固定チューブ
26 ピストン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7