(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置
(51)【国際特許分類】
B01D 33/04 20060101AFI20230330BHJP
B01D 33/06 20060101ALI20230330BHJP
B01D 24/46 20060101ALI20230330BHJP
B01D 33/44 20060101ALI20230330BHJP
B01D 33/58 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
B01D33/04 F
B01D33/06 A
B01D33/36
(21)【出願番号】P 2022507863
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 KR2021002423
(87)【国際公開番号】W WO2021206290
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0044113
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517029417
【氏名又は名称】エッサ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ヨンネ
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-274414(JP,A)
【文献】特開2008-068171(JP,A)
【文献】特開平9-75622(JP,A)
【文献】特開2018-094467(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2160894(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-35/04;35/08-37/08
C02F 1/00-11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に濾過対象の流体が満たされる濾過水槽と、前記濾過水槽の濾過対象の流体に一部が漬かるように設けられた二重構造の円筒ドラム缶形状を有し、互いに異なるメッシュサイズを有する2枚またはそれ以上の濾過フィルターが内側及び外側にそれぞれ巻かれた濾過装置部と、前記濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターを地上に移送し、前記濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第1洗浄モジュールと、前記第1洗浄モジュールに動力を伝達する駆動ギアと、前記濾過装置部の内側に巻かれた濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第2洗浄モジュールと、前記濾過装置部の内部に設けられ、前記第2洗浄モジュールによって洗浄されて浮遊する異物を濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターに排出する排出モジュールと、前記駆動ギア及び前記第2洗浄モジュールの駆動状態を制御する制御モジュールとを含んでなり、
前記濾過フィルターは、前記濾過装置部の外側に設けられた第1フィルターと、前記濾過装置部の内側に設けられ、第1フィルターより多いメッシュを有する第2フィルターとを含み、
前記制御モジュールは、前記濾過装置部を駆動させて、前記濾過水槽に流入した異物を濾過装置部の外側に巻かれた前記濾過フィルターによって1次捕集し、次いで前記濾過装置部の内側に巻かれた前記濾過フィルターによって2次捕集することにより前記異物を二重に濾過し、
濾過を開始した時点から所定の時間が経過すれば、前記第1洗浄モジュール及び前記第2洗浄モジュールを駆動して、前記濾過フィルターに吸着された異物を除去及び分離することにより前記濾過フィルターを洗浄し、前記第2洗浄モジュールによって除去及び分離された異物は脱離し、前記排出モジュールを通して前記濾過装置部の外側に巻かれた前記第1フィルターに誘導し、前記第1フィルターは、濾過された異物とともに前記濾過装置部の前記第1洗浄モジュールに移送して濾過及び洗浄する、水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置。
【請求項2】
前記濾過装置部は、前記濾過装置部の長手方向に延びた複数の第1支持バーが所定間隔で配置された外壁と、前記濾過装置部の長手方向に延びた複数の第2支持バーが所定間隔で離隔して配置された内壁とを含む二重構造を有し、前記外壁と前記内壁は大きさが互いに異なる円柱状に形成され、前記外壁の直径がDa、前記内壁の直径がDbであるとき、Da>Dbであるとともに前記外壁は前記内壁を所定間隔で取り囲むように形成され、前記外壁及び前記内壁のそれぞれは長手方向に形成された仮想の中心線を基準に回転可能に構成され、
前記濾過装置部は、前記内壁と前記外壁との間に形成された空間である第1空間部と、前記内壁の内側に形成された空間である第2空間部とを含み、第1フィルターが濾過装置部の外壁に巻かれ、第2フィルターが濾過装置部の内壁に沿って巻かれ、
前記第1洗浄モジュールは、第1フィルターが巻かれた状態で移送され、異物に含まれた水分を吸収する吸収ローラーと、前記吸収ローラーと噛み合うように形成され、第1フィルターの移送方向と反対方向に回転して第1フィルターの異物を除去及び分離する圧着ローラーと、吸収ローラーと接した状態で吸収ローラーを押圧するように構成され、前記吸収ローラーの回転方向と反対方向に回転して、吸収ローラーに吸収された水分を脱水させる脱水ローラーとを含み、前記吸収ローラーによって脱水された第1フィルターの異物を脱離させるエア噴射ノズルをさらに含む、請求項1に記載の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置。
【請求項3】
前記第2洗浄モジュールは、前記濾過装置部の内部に洗浄水を注入するように連結される洗浄水供給管と、前記濾過装置部で二重に濾過処理された洗浄水を供給管に供給する洗浄水供給ポンプと、洗浄水供給管から受けて第2空間部から第1空間部の方向に洗浄水を噴射して第2フィルターを洗浄する洗浄ノズルと、第1空間部に設けられ、洗浄ノズルから噴射された洗浄水に第2フィルターの異物が混合されて発生する水分を排出する排出モジュールと、第2空間部に形成され、第1フィルター及び第2フィルターによって濾過が完了した第2空間部の内部に収容された濾過水を排出する濾過水排出孔とを含み、排出モジュールを通して異物を濾過水槽の外側に排出する、請求項2に記載の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置。
【請求項4】
前記排出モジュールは、濾過装置部の一端部に形成される出水孔と、出水孔を開閉するように設けられるチェックバルブ型出水部と、出水部を通して排出される水分を濾過水槽の外側に出水させる出水管とを含み、
前記チェックバルブ型出水部は流体の一方向流れを制御して、濾過水槽に満たされた濾過対象の流体が第2空間部に逆流することを防止する、請求項3に記載の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置。
【請求項5】
前記吸収ローラーは、円筒状または突起状の突出部がローラーの外周面に複数形成され、突出部の間には所定屈曲を有する谷部が形成され、前記突出部は、側面から見たとき、端部が柔らかい曲線形状を有し、吸収ローラーの長手方向に延設される、請求項4に記載の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置。
【請求項6】
水分が脱水された状態で第1フィルターから分離及び除去された大きな固形物及び難分解性物質を分離及び除去する異物収容部と、第1フィルターに吸着された異物から脱水液を濾過水槽に移送する脱水受け部とをさらに含み、
前記脱水受け部は脱水ローラーの下側に設けられることにより、脱水ローラーによって脱水された脱水液が重力によって脱水受け部に落下し、
前記異物収容部は貯蔵空間部の上側でスライド可能に設けられ、挿入及び引き出し可能な引き出し式容器であり、前記脱水ローラーによって水分が脱水された異物は重力によって自然に異物収容部に落下する、請求項5に記載の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は濾過装置に関し、より詳しくは1次濾過フィルターで大きな異物を濾過し、通過した微細な異物は2次濾過フィルターで完全に分離する。分離された異物は水の外に移送し、脱水装置によって含水率を低める装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、汚染水を浄化するためには、汚染水から溶液と溶質を分離するための多孔性膜である濾過フィルターを使い、純水製造装置、中水道装置、廃水処理装置などの各種の水処理装置に広範囲に使われる。一般に、平板型濾過フィルターは、多数の濾過フィルターを含むモジュールをフレームに固定させ、濾過フィルターの外部の汚染水を濾過フィルターの内部に流入させて濾過する方式を使う。このような濾過フィルターは、使用期間の経過につれて膜表面に汚染水に含有されていた浮遊物質などの汚染源が付着するなどの理由で汚染されるから、周期的に交替するか、薬品洗浄、逆洗浄などの洗浄を実施しなければならない。
【0003】
このような汚染水を浄化するための濾過フィルターの一例として、従来の韓国公開特許第10-2018-0070559号公報(2018.06.26)によれば、
図1に示すように、流入パイプ6’、及び処理された工程ストリームが制御バルブ12’を通して排出される流出パイプ10’を有するハウジング4’を含む垂直フィルター2’の概略的な構成を有し、多数の濾過フィルターが面方向に対向し、並列に離隔して配置され、濾過フィルターの面方向に汚染水を通過させて汚染水内の浮遊物質などの汚染物質を除去する構造を有するから、一方向にのみ印加される圧力、一方向にのみ浮遊物質が付着されるなどの理由で長期間の持続的使用が難しい限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0070559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は2枚またはそれ以上の濾過フィルターを用いて濾過対象の流体を効率的に濾過することができ、濾過過程と濾過フィルター逆洗過程を繰り返すことにより、洗浄された濾過フィルターを連続的に使うことができるので、環境に優しく、固形物質などの付着による濾過フィルターの塞がりなどによる濾過効率の低下を最小化することができる。また、異物を水の外に移送し、脱水装置によって含水率を最小化することができ、設備の維持及び濾過処理費用を節減することができるので、経済性に優れた濾過装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、内側に濾過対象の流体が満たされる濾過水槽と、濾過水槽の濾過対象の流体に一部が漬かるように設けられる二重構造の円筒ドラム缶形状を有し、互いに異なるメッシュサイズを有する2枚またはそれ以上の濾過フィルターが内側と外側にそれぞれ巻かれた濾過装置部と、濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターを地上に移送して、前記濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第1洗浄モジュールと、第1洗浄モジュールに動力を伝達する駆動ギアと、濾過装置部の内側に巻かれた濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第2洗浄モジュールと、濾過装置部の内部に設けられ、第2洗浄モジュールによって洗浄されて浮遊する異物を外部に排出する排出モジュールと、駆動ギア及び第2洗浄モジュールの駆動状態を制御する制御モジュールとを含んでなる。濾過フィルターは、濾過装置部の外側に設けられた第1フィルターと、濾過装置部の内側に設けられ、第1フィルターより多いメッシュを有する第2フィルターとを含む。制御モジュールは、濾過装置部を駆動させ、濾過水槽に流入した異物を濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターによって1次に捕集し、次いで濾過装置部の内側に巻かれた濾過フィルターによって2次に捕集することにより二重に前記異物を濾過し、濾過を始めた時点から所定時間が経過すれば、第1洗浄モジュール及び第2洗浄モジュールを駆動して、濾過フィルターに吸着された異物を除去及び分離して濾過フィルターを洗浄し、第2洗浄モジュールによって除去及び分離された異物は脱離し、前記排出モジュールを通して濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターに誘導し、洗浄された濾過フィルターを濾過装置部に再移送して濾過及び洗浄の過程を繰り返す。
【0007】
濾過装置部は、濾過装置部の長手方向に延びた複数の第1支持バーが所定間隔で離隔して配置された外壁と、濾過装置部の長手方向に延びた複数の第2支持バーが所定間隔で離隔して配置された内壁とを含む二重構造を有し、外壁及び内壁のそれぞれの大きさが互いに異なる円柱状に形成され、外壁の直径がDa、内壁の直径がDbであるとき、Da>Dbであるとともに外壁は内壁を所定間隔で取り囲むように形成され、外壁及び内壁のそれぞれは長手方向に形成された仮想の中心線を基準に回転可能に構成される。濾過装置部は、内壁と外壁との間に形成された空間である第1空間部と、内壁の内側に形成された空間である第2空間部とを含み、第1フィルターが濾過装置部の外壁に巻かれ、第2フィルターが濾過装置部の内壁に沿って巻かれる。
【0008】
第1洗浄モジュールは、第1フィルターが巻かれた状態で移送され、異物に含まれた水分を吸収する吸収ローラーと、吸収ローラーと噛み合うように形成され、第1フィルターの移送方向と反対方向に回転して第1フィルターの異物を除去及び分離する圧着ローラーと、吸収ローラーと接した状態で吸収ローラーを押圧するように設けられ、吸収ローラーの回転方向と反対方向に回転して、吸収ローラーに吸収された水分を脱水させる脱水ローラーとを含み、前記吸収ローラーによって脱水された第1フィルターの異物を脱離させるエア噴射ノズルをさらに含む。
【0009】
第2洗浄モジュールは、濾過装置部の内部に洗浄水を注入するように連結される洗浄水供給管と、濾過装置部で二重に濾過処理された洗浄水を供給管に供給する洗浄水供給ポンプと、洗浄水供給管から受けて第2空間部から第1空間部の方向に洗浄水を噴射して第2フィルターを洗浄する洗浄ノズルと、第1空間部に設けられ、洗浄ノズルから噴射された洗浄水に第2フィルターの異物が混合されて発生する水分を排出する排出モジュールと、第2空間部に形成され、第1フィルター及び第2フィルターによって濾過が完了した第2空間部の内部に収容された濾過水を排出する濾過水排出孔とを含む。また、排出モジュールを通して異物を濾過水槽の外側に排出する。排出モジュールは、濾過装置部の一端部に形成される出水孔と、出水孔を開閉するように設けられるチェックバルブ型出水部と、出水部を通して排出される水分を濾過水槽の外側に出水させる出水管とを含む。チェックバルブ型出水部は、流体の一方向流れを制御して、濾過水槽に満たされた濾過対象の流体が第2空間部に逆流することを防止する。
【0010】
また、吸収ローラーは、円筒状または突起状の突出部がローラーの外周面に複数形成され、突出部の間には所定屈曲を有する谷部が形成され、突出部は、側面から見たとき、端部が柔らかい曲線形状を有し、吸収ローラーの長手方向に延設される。
【0011】
また、水分が脱水された状態で第1フィルターから分離及び除去された大きな固形物及び難分解性物質を分離及び除去する異物収容部と、第1フィルターに吸着された異物から脱水液を濾過水槽に移送する脱水受け部とをさらに含む。脱水受け部は脱水ローラーの下側に設けられることにより、脱水ローラーによって脱水された脱水液が重力によって脱水受け部に落下する。
【0012】
異物収容部は貯蔵空間部の上側でスライド可能に設けられ、挿入及び引き出し可能な引き出し式容器であり、脱水ローラーによって水分が脱水された異物は重力によって自然に異物収容部に落下する。また、濾過装置部と第1洗浄モジュールとの間に設けられる一つ以上の張力調節ローラーをさらに含むことができる。張力調節ローラーは、第1フィルターに圧力を加えて第1フィルターが垂れないようにする。また、本発明の他の実施例によれば、圧着ローラーと張力調節ローラーとの間に設けられ、第1フィルターを乾燥し、第1フィルターに吸着された異物を除去するエア噴射ノズルをさらに含む。また、駆動ギアの回転力の圧着ローラー及び脱水ローラーへの伝達は吸収ローラーとの接触によって自然になされ、駆動ギア、圧着ローラー及び脱水ローラーは一定距離以上に離れた位置に互いに平行に位置する。本発明の他の実施例によれば、制御モジュールは、手動で電流を印加及び遮断するか、または駆動ギア及び第2洗浄モジュールの正逆回転ができるようにする非常制御ボタンを含むことができる。
【0013】
また、本発明は、内側に濾過対象の流体が満たされる濾過水槽と、前記濾過水槽の濾過対象の流体に一部が漬かるように設けられる二重構造の円筒ドラム缶形状を有し、互いに異なるメッシュサイズを有する2枚またはそれ以上の濾過フィルターが内側及び外側にそれぞれ巻かれた濾過装置部と、濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターを地上に移送して、前記濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第1洗浄モジュールと、第1洗浄モジュールに動力を伝達する駆動ギアと、濾過装置部の内側に巻かれた濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第2洗浄モジュールと、濾過装置部の内部に設けられ、第2洗浄モジュールによって洗浄されて浮遊する異物を濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターに排出する排出モジュールと、前記駆動ギア及び第2洗浄モジュールの駆動状態を制御する制御モジュールとを含んでなり、濾過フィルターは、濾過装置部の外側に設けられた第1フィルターと、濾過装置部の内側に設けられ、第1フィルターより多いメッシュを有する第2フィルターとを含み、前記制御モジュールは、濾過装置部を駆動させ、濾過水槽に流入した異物を濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターによって1次に捕集し、次いで濾過装置部の内側に巻かれた濾過フィルターによって2次に捕集することにより二重に前記異物を濾過し、濾過を始めた時点から所定時間が経過すれば、第1洗浄モジュール及び第2洗浄モジュールを駆動して、濾過フィルターに吸着された異物を除去及び分離して濾過フィルターを洗浄し、第2洗浄モジュールによって除去及び分離された異物は脱離し、前記排出モジュールを通して濾過装置部の外側に巻かれた第1フィルターに誘導し、第1フィルターは、濾過された異物とともに濾過装置部に再移送して濾過及び洗浄する、水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置を提供する。
【0014】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、2枚またはそれ以上の濾過フィルターを用いて濾過対象の流体を多重で濾過することにより、濾過性能に優れ、濾過に必要な濾過フィルターを連続的に洗浄して再活用することができるので、環境に優しく、異物を水の外に移送し、脱水装置によって含水率を最小化して処理費用を節減することができ、洗浄濾過でフィルターの耐久性が低下することを最小化することができ、濾過フィルターによって濾過された異物を効果的に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本発明の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置の形状を示す側面図である。
【
図3】本発明の制御モジュールの動作状態を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置の形状を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第2洗浄モジュールを用いて第2フィルターを洗浄する状態を概略的に示す側面図である。
【
図6】本発明の第1洗浄モジュールを用いて第1フィルターに吸着された異物を分離及び排出して洗浄する状態を概略的に示す側面図である。
【
図7】本発明の第1フィルターを圧着ローラーで移送する状態を詳細に示す部分詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。この過程で、図面に示す線の厚さや構成要素の大きさなどは説明の明瞭性及び便宜性のために誇張して図示されていることもある。
【0018】
また、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これは使用者、運用者の意図または慣例によって変わることができる。したがって、このような用語に対する定義はこの明細書全般の内容に基づいて決まらなければならないであろう。
【0019】
また、以下の実施例は本発明の権利範囲を限定するものではなく、本発明の請求範囲に提示した構成要素の例示的事項に過ぎなく、本発明の明細書全般の技術思想に含まれ、請求範囲の構成要素の中で均等物に置換可能な構成要素を含む実施例は本発明の権利範囲に含まれることができる。
【0020】
図2は本発明の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置の形状を示す側面図である。
【0021】
図2を参照すると、本発明の濾過装置は、内部に濾過対象の流体が満たされる濾過水槽100と、前記濾過水槽の濾過対象の流体に一部が漬かるように設けられる二重構造の円筒ドラム形状を有し、互いに異なるメッシュ(mesh)サイズを有する2枚またはそれ以上の濾過フィルター10が内側と外側にそれぞれ巻かれた濾過装置部200と、濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターを地上に移送し、前記濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第1洗浄モジュール300と、第1洗浄モジュール300に動力を伝達する駆動ギア500と、濾過装置部200の内側に巻かれた濾過フィルターに付いた異物を洗浄する第2洗浄モジュール400と、濾過装置部200の内部に設けられ、第2洗浄モジュール400によって洗浄されて浮遊する異物を外部に排出する排出モジュール600と、前記駆動ギア500及び第2洗浄モジュール400の駆動状態を制御する制御モジュール700とを含んでなる。また、濾過フィルター10は、濾過装置部200の外側に設けられた第1フィルター11と、濾過装置部200の内側に設けられ、第1フィルター11より多くのメッシュを有する第2フィルター12とを含む。実施例によれば、第1フィルター11は50~150メッシュを有し、第2フィルター12は200メッシュ~550メッシュを有することが良い。好ましくは、第1フィルターは100メッシュを有し、第2フィルターは500メッシュを有するように形成される。制御モジュール700は、手動で電流を印加及び遮断するか、または駆動ギア500及び第2洗浄モジュール400の正逆回転を可能にする非常制御ボタン710を含むことができる。
【0022】
図3は本発明の制御モジュールの動作状態を示すフローチャートである。
【0023】
図2及び
図3を参照すると、制御モジュール700は、濾過装置部を駆動させ、2枚またはそれ以上の濾過フィルターを用い、異物を濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルター及び濾過装置部の内側に巻かれた濾過フィルターによって二重に順次濾過し、濾過を始めた時点から所定時間が経過すれば、第1洗浄モジュール300及び第2洗浄モジュール400を一定時間駆動することにより、濾過フィルターに吸着された異物を除去及び分離して濾過フィルターを洗浄し、第2洗浄モジュールによって除去及び分離された異物は脱離し、前記排出モジュールを通して濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルターに誘導し、洗浄濾過フィルターを濾過装置部200に再移送して濾過及び洗浄過程を繰り返す。
【0024】
濾過装置部の外側に巻かれた濾過フィルター、つまり第1フィルターに誘導されて濾過された異物は第1フィルターと一緒に移動されるので、第1フィルターが第1洗浄モジュール300で洗浄及び浄化されてから外部に排出される。第1フィルターによって濾過されなかった異物は浮遊し、以上の洗浄作業が終了して装置を再び稼働させるときに濾過される。
【0025】
記述した構造によれば、固形物質などの付着による濾過フィルターの塞がり現象などによる濾過効率の低下を最小化することにより、濾過効率に優れながらも耐久性に優れて持続的に長期間の使用が可能である。さらに、濾過フィルターから除去及び分離され、脱水された異物は良質の資源として再活用可能な効果がある。
【0026】
図4は本発明の水中異物を濾過、分離及び脱水する多重構造の濾過装置の形状を示す斜視図である。
【0027】
図4を参照すると、濾過装置部200は、濾過装置部の長手方向に延びた複数の第1支持バー220aが所定間隔で離隔して配置された外壁220と、濾過装置部の長手方向に延びた複数の第2支持バー210aが所定間隔で離隔して配置された内壁210とを含む二重構造を有し、外壁及び内壁のそれぞれは大きさが互いに異なる円柱状に形成され、外壁の直径がDa、内壁の直径がDbであるとき、Da>Dbであるとともに外壁は内壁を所定間隔で取り囲むように形成され、外壁及び内壁のそれぞれは長手方向に形成された仮想の中心線a1を基準に回転可能に構成される。濾過装置部は、内壁210と外壁220との間に形成された空間である第1空間部201と、内壁210の内側に形成された空間である第2空間部202とを含み、第1フィルター11が濾過装置部200の外壁220に巻かれ、第2フィルター12が濾過装置部200の内壁210に沿って巻かれる。
【0028】
図5は本発明の第2洗浄モジュールを用いて第2フィルターを洗浄し、第2フィルターの洗浄過程で発生した異物を排出する状態を概略的に示す側面図である。
【0029】
図5を参照して本発明の第2洗浄モジュール400を詳細に説明すれば、第2洗浄モジュールは、濾過装置部200の内部に洗浄水を注入するように連結される洗浄水供給管410と、濾過装置部で二重に濾過処理されたきれいな洗浄水を供給管410に供給する洗浄水供給ポンプ420と、洗浄供給管410から受けて第2空間部202から第1空間部201の方向に洗浄水を噴射して第2フィルター12を洗浄する洗浄ノズル430と、第1空間部201に設けられ、洗浄ノズル430から噴射された洗浄水に第2フィルター12の異物が混合されて発生する水分を排出する排出モジュール600と、第2空間部202に形成され、第1フィルター11及び第2フィルター12によって濾過が完了した第2空間部202の内部に収容された濾過水を排出する濾過水排出孔370とを含む。濾過水排出孔は、内壁に垂直に形成された両側面のいずれか一側面に形成される。前述した構造によれば、本発明は、異物を排出モジュール600を通して濾過水槽の外側に排出する。排出モジュール600は、濾過装置部200の一端部に形成される出水孔630と、出水孔を開閉するように設けられるチェックバルブ型出水部610とを含む。実施例によれば、出水部610と連結され、出水部610を通して排出される水分を濾過水槽の外側に出水させる出水管620をさらに含むこともできる。チェックバルブ型出水部は、流体の一方向流れを制御することにより、濾過水槽に満たされた濾過対象の流体が第2空間部202に逆流することを防止する。
【0030】
図6は本発明の第1洗浄モジュールを用いて第1フィルターに吸着された異物を分離及び排出して洗浄する状態を概略的に示す側面図である。
【0031】
図6を参照すると、第1洗浄モジュール300は、第1フィルター11が巻かれた状態で移送され、異物に含まれた水分を吸収する吸収ローラー320と、吸収ローラー320と噛み合うように形成され、第1フィルター11の移送方向と反対方向に回転して第1フィルターの異物を除去及び分離する圧着ローラー310と、吸収ローラーと接した状態で吸収ローラー320を押圧するように設けられる脱水ローラー330とを含む。脱水ローラー330は、吸収ローラー320の回転方向と反対方向に回転して、吸収ローラーに吸収された水分を脱水させる。脱水された水分は重力によって自然に下方に移動する。前述した構造によれば、吸収ローラーを用いて異物の含水率を基準値以下に低めることにより、分離された異物を良質の資源として再活用することができる。
【0032】
吸収ローラー320は、円筒状または突起状の突出部321がローラーの外周面に複数形成され、突出部の間には所定の屈曲を有する谷部322が形成され、前記突出部は、側面から見たとき、端部が柔らかい曲線形状を有し、吸収ローラーの長手方向に延設される。また、
図5に示す駆動ギア500、圧着ローラー310及び脱水ローラー330は互いに一定距離以上に離れた位置に互いに平行に位置する。
【0033】
また、本発明は、水分が脱水された状態で第1フィルターから分離及び除去された大きな固形物及び難分解性物質を分離及び除去する異物収容部340と、第1フィルターに吸着された異物から脱水液を濾過水槽100に移送する脱水受け部350とをさらに含む。脱水受け部350は脱水ローラー330の下側に設けられ、脱水ローラーによって脱水された脱水液が重力によって脱水受け部350に落下する。脱水受け部は、落下する脱水液が濾過水槽内に移動するように誘導する機能を果たす。このために、脱水受け部は、脱水液を濾過水槽内に誘導するために所定の傾きを有するように形成されることが好ましい。
【0034】
異物収容部340は貯蔵空間部の上側でスライド可能に設けられ、挿入及び引き出し可能な引き出し式容器であり、前記脱水ローラー330によって水分が脱水された異物は重力によって自然に異物収容部340に落下する。前述した構造によれば、異物収容部に所定量の異物が累積される場合、異物収容部をスライドさせて引き出した後、累積した異物を容易に排出することができるだけではなく、前記排出された異物は水分が除去されて良質の資源として再活用可能である。
【0035】
前述した構造によれば、前記濾過水槽に流入する脱水液は、大きな固形物及び難分解性物質が除去された状態で、微生物死体と死滅器にある大きくて古い微生物を分離除去し、活動的な微生物のみを洗浄水槽に搬送させて活動性ある微生物の培養によって水処理効率を極大化することができる。
【0036】
図7は本発明の第1フィルターを圧着ローラーで移送する状態を詳細に示す部分詳細図である。
【0037】
図7を参照すると、本発明は、濾過装置部200と第1洗浄モジュール300との間に設けられる一つ以上の張力調節ローラー230を含む。張力調節ローラー230は、前記第1フィルター11に圧力を加えて第1フィルター11が垂れないようにする。また、本発明の他の実施例によれば、圧着ローラーと張力調節ローラーとの間に設けられるエア噴射ノズル360をさらに含むことができる。エア噴射ノズル360は、
図6に示すように、第1フィルターを乾燥し、第1フィルターに吸着された微細なサイズの異物を除去する。エア噴射ノズルのエア噴射方向は、脱水受け部350に向かうように設けられ、エア噴射ノズルによって第1フィルターから取れた異物が脱水受け部350に移動する。本発明によれば、駆動ギア500の回転力の圧着ローラー310及び脱水ローラー330への伝達は、吸収ローラーとの接触によって自然になされる。
【0038】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該技術分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であるというのは明白である。
【0039】
本発明の単純な変形や変更はいずれも本発明の範疇に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求範囲によって明らかになるであろう。