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特許7253302情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 13/296 20180101AFI20230330BHJP
   H04N 13/111 20180101ALI20230330BHJP
   H04N 13/239 20180101ALI20230330BHJP
   H04N 13/398 20180101ALI20230330BHJP
   H04N 13/122 20180101ALI20230330BHJP
【FI】
H04N13/296
H04N13/111
H04N13/239
H04N13/398
H04N13/122
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023025850
(22)【出願日】2023-02-22
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2022181577
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】522444472
【氏名又は名称】株式会社ASED Lab.
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】相川 洋輝
(72)【発明者】
【氏名】若原 誠之
(72)【発明者】
【氏名】太田 啓路
(72)【発明者】
【氏名】冨尾 太朗
(72)【発明者】
【氏名】清水 康則
(72)【発明者】
【氏名】土居 史昭
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-186746(JP,A)
【文献】特開平8-191419(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003556(WO,A1)
【文献】特開2007-323583(JP,A)
【文献】特開平10-283469(JP,A)
【文献】特開2012-129766(JP,A)
【文献】特開2011-071928(JP,A)
【文献】特開2021-092996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 13/00
H04N 23/60
H04N 21/00
H04N 7/18
G02B 30/00
G03B 35/00
G09G 5/00
G06T 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
第1撮像装置によって連続撮像された、所定対象を被写体に含む第1画像データと、前記第1撮像装置とは異なる第2撮像装置によって連続撮像された、前記所定対象を被写体に含む第2画像データとをそれぞれ継続的に取得し、ここで前記第1画像データ及び前記第2画像データは、複数のフレームを含む2次元の画像データで、
所定の同期処理を用いて、前記第1画像データと前記第2画像データとを同期させ、
同期された前記第1画像データと前記第2画像データとに基づいて、撮像中の前記所定対象を3次元で視認可能な3次元用画像データを出力し、ここで前記3次元用画像データは、予めなされた設定又はユーザによる入力に応じて、前記第1画像データ及び前記第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差が補正され、前記第1画像データ及び前記第2画像データは、前記所定対象を俯瞰するように補正されたデータである、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記同期処理は、画像処理によって行われる処理であり、
前記制御部は、
前記画像処理によって、前記第1画像データにおける1つのフレームと撮像時刻が略同一の、前記第2画像データにおける1つのフレームを特定することで、前記第1画像データと前記第2画像データとを同期させる、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1画像データ又は前記第2画像データにおいて、少なくとも1つのフレームの欠損が検出された場合、欠損した前記フレームである第1フレームの、直前の第2フレームを前記第1フレームの時刻においても取得する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1画像データ及び前記第2画像データを合成した画像をユーザインタフェースに表示させ、
前記ユーザインタフェースは、前記第1画像データ及び前記第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差を補正可能に構成される、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1画像データと前記第2画像データとのそれぞれについてグリッドを表示させ、ここで前記グリッドは、前記グリッドの交点を移動させることで、前記第1画像データ及び前記第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差を補正可能に構成される、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記同期処理は、画像処理によって行われる処理であり、前記画像処理は、前記第1画像データ及び前記第2画像データにおいて、共通の動きの情報が検出されたことをもって同時刻と判定する処理である、
情報処理システム。
【請求項7】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
請求項1~のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、二台以上の複数のカメラの動作を同期制御し、立体映像を生成するために必要な映像情報を取得可能な映像同期撮影システムの提供を課題とし、第一クロック信号を発生させる第一クロック発生器と、第二クロック信号を発生させる第二クロック発生器と、第一撮影ユニットと、第一クロック信号または第二クロック信号に切換えて第二撮影ユニットに出力する切換出力部と、第一撮影ユニットと同一内部回路で形成された第二撮影ユニットと、第一撮影ユニットからの第一映像情報及び第二撮影ユニットからの第二映像情報の入力を受付け、位相差を判定する位相比較ユニットと、映像情報等の位相が一致すると、第一撮影ユニット及び第二撮影ユニットに第一クロック信号を出力させて動作制御を同期させる同期制御部とを具備する撮像システムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-10099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では上記事情を鑑み、クロック信号を使用せずに2台のカメラの画像データを同期させ、3次元用画像データを出力することと、魚眼レンズを使用するカメラ等の種々のカメラを2台用いて、リアルタイムに、所定対象の状況を俯瞰視点かつ3次元で視認することと、フレーム欠損が発生した場合であっても、欠損が発生したフレームの直前のフレームにより補完するため、リアルタイム性を損ねないことと、3次元用画像データを出力するにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、サーバ装置及び情報表示装置のメモリキャッシュの使用も少なくすることと、のうち少なくとも何れか1つを達成することが可能な技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、第1撮像装置によって連続撮像された、所定対象を被写体に含む第1画像データと、第1撮像装置とは異なる第2撮像装置によって連続撮像された、所定対象を被写体に含む第2画像データとをそれぞれ継続的に取得する。第1画像データ及び第2画像データは、複数のフレームを含む2次元の画像データである。所定の同期処理を用いて、第1画像データと第2画像データとを同期させる。同期された第1画像データと第2画像データとに基づいて、撮像中の所定対象を3次元で視認可能な3次元用画像データを出力する。3次元用画像データは、予めなされた設定又はユーザによる入力に応じて、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差が補正される。
【0006】
本開示によれば、クロック信号を使用せずに2台のカメラの画像データを同期させ、3次元用画像データを出力することと、魚眼レンズを使用するカメラ等の種々のカメラを2台用いて、リアルタイムに、所定対象の状況を俯瞰視点かつ3次元で視認することと、フレーム欠損が発生した場合であっても、欠損が発生したフレームの直前のフレームにより補完するため、リアルタイム性を損ねないことと、3次元用画像データを出力するにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、サーバ装置及び情報表示装置のメモリキャッシュの使用も少なくすることと、のうち少なくとも何れか1つを達成することが可能な技術を提供することとした。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】情報表示装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。
図5】第1画像データ及び第2画像データの同期及びフレームの欠損に関する情報処理のイメージの一例を示す図である。
図6】取得した画像情報に対して実行される画像加工の流れの一例を示す図である。
図7】取得した画像情報に対して実行される画像加工の流れの一例を示す図である。
図8】取得した画像情報に対して実行される画像加工の流れの一例を示す図である。
図9】取得した画像情報に対して実行される画像加工の流れの一例を示す図である。
図10】取得した画像情報に対して実行される画像加工の流れの一例を示す図である。
図11】取得した画像情報に対して実行される画像加工の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させて情報表示装置でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
1.情報処理システム1のシステム構成
まず、図1を参照しながら本実施形態の情報処理システム1のシステム構成について説明する。
【0013】
図1は、情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。図1が示すように、情報処理システム1は、サーバ装置2、情報表示装置3と、第1撮像装置4-1と、第2撮像装置4-2と、ネットワークNと、被写体Sとを含む。サーバ装置2は、ネットワークNを介して、情報表示装置3と通信可能に構成される。これにより、サーバ装置2及び情報表示装置3は、相互に様々な情報を送信又は受信することができる。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ装置2単体又は情報表示装置3単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。
【0014】
情報表示装置3は、左右に異なる偏光板を備える専用の眼鏡を必要とせずに、又は専用の眼鏡を通して視ることにより、3次元に映像を出力可能な3Dディスプレイであってもよい。この情報表示装置3は、テーブルの卓上に映像を出力するテーブル型のディスプレイ、任意の箇所に映像を映し出すプロジェクター、表示面が任意の傾斜角を有するディスプレイ等を含む。また、情報表示装置3は、PC(Personal Computer)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等であってもよい。また、情報表示装置3は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、情報表示装置3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。なお、サーバ装置2及び情報表示装置3は、情報処理装置の一例であり、本実施形態に限定されるものではない。
【0015】
第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、それぞれ外界の光学的な情報を画像として撮像可能に構成される。第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、ユ-ザが3次元用画像データを視認するにあたってのユーザの左目用の画像とユーザの右目用の画像とをそれぞれ生成する装置である。第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、サーバ装置2と直接接続されてもよいが、ネットワークNを介して、サーバ装置2と接続されてもよい。
【0016】
第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、時系列に撮像された画像の集合体として第1画像データ及び第2画像データをそれぞれ生成するように構成される。第1画像データ及び第2画像データは、複数のフレームを含む2次元の画像データである。ここで第1画像データ及び第2画像データは、MPEG4、AVI、MOV、FLV、WMV、MPEG2等の形式のデータである。本実施形態では、第1画像データ及び第2画像データは、MPEG4の形式のデータである。また、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、生成した第1画像データ及び第2画像データをサーバ装置2に転送可能に構成される。第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2には、任意のカメラが使用される。例えば、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、視点回転が可能なカメラ、全天球カメラ等の正距円筒図法を用いるカメラ、180度、206度、235度等の画角の魚眼レンズを有する魚眼カメラ、360度カメラ、広角のレンズを使用するカメラ等であってもよい。本実施形態では、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、魚眼カメラである。すなわち、第1画像データ及び第2画像データは、魚眼カメラによって撮像された画像データである。
【0017】
被写体Sは、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2に撮像される対象であり、スポーツに使用される競技場である。なお、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2は、一定の視差を有するように既知の距離を有して設置されるとよい。
【0018】
2.ハードウェア構成
次に、図2及び図3を参照しながら本実施形態のサーバ装置2及び情報表示装置3のハードウェア構成について説明する。
【0019】
2.1.サーバ装置2のハードウェア構成
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを備え、これらの構成要素がサーバ装置2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。サーバ装置2は、実施形態に係る処理を実行する。
【0020】
制御部21は、サーバ装置2に関連する全体動作の処理及び制御を行う。本実施形態では、制御部21は、画像処理及び画像加工に特化したGPU(Graphics Processing Unit)である。また、制御部21は、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)であってもよい。制御部21が、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出し、プログラムに基づき処理を実行することによって、サーバ装置2に係る種々の機能、例えば、後述する図4図11に示される処理が実現される。なお、制御部21は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部21を有するように実施してもよい。また、それらの組合せであってもよい。
【0021】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。記憶部22は、GPUキャッシュ等のメモリキャッシュであってもよい。また、記憶部22は,制御部21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部21によって実行されるサーバ装置2に係る種々のプログラム、変数及び制御部21がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶している。記憶部22は、記憶媒体の一例である。
【0022】
通信部23は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G/4G/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置2は、通信部23を介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0023】
2.2.情報表示装置3のハードウェア構成
図3は、情報表示装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されるように、情報表示装置3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、を有し、これらの構成要素が情報表示装置3の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。情報表示装置3は、実施形態に係る処理を実行する。情報表示装置3の制御部31、記憶部32及び通信部33については、サーバ装置2の制御部21、記憶部22及び通信部23を参照されたい。
【0024】
入力部34は、情報表示装置3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。例えば、入力部34は、出力部35と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することが可能である。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部34がユーザによってなされた操作に基づく入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バスを介して制御部31に転送され、制御部31が必要に応じて所定の制御又は演算を実行しうる。
【0025】
出力部35は、情報表示装置3の表示部として機能する。出力部35は、例えば、情報表示装置3の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。出力部35は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。
【0026】
3.情報処理システム1の動作の流れ
本実施形態の情報処理システム1で実行される好ましい情報処理の一例を説明する。
【0027】
本明細書において、「取得」とは、データ等を他の装置から受信する態様と、データ等を自ら生成する態様との両方を含む概念である。
【0028】
3.1 情報処理の概要
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。図4は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すアクティビティ図である。具体的には、図4を示しながら、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2にて第1画像データ及び第2画像データを取得し、サーバ装置2で第1画像データ及び第2画像データに対して情報処理を行い、情報表示装置3から3次元用画像データを出力するまでの情報処理の流れについて説明する。
【0029】
(アクティビティA1)
まず、左目に対応する第1撮像装置4-1は、連続撮像することによって、所定対象を被写体Sに含む第1画像データを取得する。右目に対応する第2撮像装置4-2は、連続撮像することによって、所定対象を被写体Sに含む第2画像データを取得する。
【0030】
(アクティビティA2)
続いて、第1撮像装置4-1は、サーバ装置2に第1画像データを送信する。第2撮像装置4-2は、サーバ装置2に第2画像データを送信する。
【0031】
(アクティビティA3)
続いて、サーバ装置2は、第1画像データ及び第2画像データを、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2からそれぞれ受け付ける。制御部21は、リアルタイム処理可能な動画フォーマットの第1画像データ及び第2画像データを、メモリキャッシュとしての記憶部22に記憶させる。ある観点によると、制御部21は、第1撮像装置4-1によって連続撮像された、所定対象を被写体Sに含む第1画像データと、第1撮像装置4-1とは異なる第2撮像装置4-2によって連続撮像された、所定対象を被写体Sに含む第2画像データとをそれぞれ継続的に取得する。
【0032】
(アクティビティA4)
続いて、制御部21は、所定の同期処理を用いて、第1画像データと第2画像データとを同期させる。ここで、所定の同期処理は、第1画像データ及び第2画像データに含まれる時刻のデータを用いたタイムコード方式により行われてもよい。また、所定の同期処理は、画像処理によって行われる処理であってもよい。画像処理である場合、制御部21は、メモリキャッシュに記憶された、第1画像データと第2画像データとに基づいて画像処理を実行する。所定の画像処理は、例えば、第1画像データ及び第2画像データにおいて、システムを利用して共通の動きを確認し、共通の動きの情報が検出されたこと等をもって同時刻と判定する処理である。この所定の画像処理をサッカーコートに行う場合、共通の動きの情報は、3次元用に変換されかつ重ね合わせられた第1画像データの画像と第2画像データの画像とに基づいて、ボール等の物の位置又は選手、審判等の人の位置から確認される。更に所定の同期処理は、PTP(Precision Time Protocol)等を使用する信号処理によるものを含んでもよい。所定の同期処理は、第1画像データと第2画像データとを同期させることができる方法であればよく、上述した方法に限定されるものではない。
【0033】
(アクティビティA5)
続いて、制御部21は、第1画像データ及び第2画像データに含まれる複数のフレームのうち、フレームに欠損があるかを判定する。フレームに欠損が検出された場合、制御部21は、アクティビティA6に処理を進める。フレームに欠損が検出されない場合、制御部21は、アクティビティA7に処理を進める。
【0034】
(アクティビティA6)
続いて、フレームに欠損が検出された場合、制御部21は、フレームの欠損の補完を行う。制御部21は、アクティビティA7に処理を進める。
【0035】
(アクティビティA7)
続いて、制御部21は、第1画像データ及び第2画像データを平面に展開する。なお、制御部21は、用いるカメラに応じて、アクティビティA7の処理を省略してもよい。例えば、制御部21は、広角のレンズを使用するカメラを用いることにより予め平面に展開する必要のない場合は、アクティビティA7の処理を省略することがある。一方で、制御部21は、魚眼カメラを用いることにより平面への展開が必要ある場合は、アクティビティA7の処理を実効する。
【0036】
(アクティビティA8)
続いて、制御部21は、所定対象を俯瞰するように補正された第1画像データ及び第2画像データを出力する。
【0037】
(アクティビティA9)
続いて、制御部21は、予めなされた設定又はユーザによる入力に応じて、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差を補正する。
【0038】
(アクティビティA10)
続いて、制御部21は、同期された第1画像データと第2画像データとに基づいて、撮像中の所定対象を3次元で視認可能な3次元用画像データを出力する。制御部21は、情報表示装置3に3次元用画像データを送信する。
【0039】
(アクティビティA11)
続いて、制御部31は、サーバ装置2から3次元用画像データを受け付ける。
【0040】
(アクティビティA12)
最後に、制御部31は、同期された第1画像データと第2画像データとに基づいて、撮像中の所定対象を3次元で視認可能な3次元用画像データを出力部35から出力する。
【0041】
以上アクティビティA1~A12が、第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2にて第1画像データ及び第2画像データを取得し、サーバ装置2で第1画像データ及び第2画像データに対して情報処理を行い、情報表示装置3から3次元用画像データを出力するまでの情報処理の流れである。情報処理システム1は、ストリーミングで画像データを出力する。情報処理システム1は、画像を取得する度に、1つの画像あたり1秒前後で、アクティビティA1~A12の情報処理を実行する。これにより、ユーザは、情報表示装置3を介して、リアルタイムで3次元用画像データを視認することができる。
【0042】
3.2 情報処理の詳細
次に、図5図11を用いて、上記概説した情報処理の詳細部分を説明する。
【0043】
図5は、第1画像データ及び第2画像データの同期及びフレームの欠損に関する情報処理のイメージの一例を示す図である。図5には、図4のアクティビティA3~A6に対応する情報処理のイメージが示されている。これらの情報処理は、GPUキャッシュ上で行われる。
【0044】
制御部21は、フレーム単位で右目、左目用2台のカメラの映像の同期を行う。第1画像データ及び第2画像データは、それぞれ1フレーム目~8フレーム目の画像データを含んでいる。ここで、第2画像データの3フレーム目の画像データに欠損した欠損フレームDfが含まれている。制御部21は、画像処理によって、第1画像データにおける1つのフレームと撮像時刻が略同一の、第2画像データにおける1つのフレームを特定することで、第1画像データと第2画像データとを同期させる。
【0045】
その後、制御部21は、第2画像データの3フレーム目の欠損、すなわち欠損フレームDfが検出された場合、欠損フレームDfである3フレーム目の、直前の2フレーム目を3フレーム目の時刻においても取得する。ここで、3フレーム目は、第1フレームであり、2フレーム目は、第2フレームである。
【0046】
その後、制御部21は、3フレーム目の画像データを出力せずに、2フレーム目の画像データを連続して出力する。好ましくは、欠損している第2画像データだけではなく、欠損していない第1画像データにおいても同様に、3フレーム目の画像データを出力せずに、2フレーム目の画像データを連続して出力するとよい。このようにすることで、右目用の画像データと左目用の画像データとを整合させ、ユーザに視認させる3次元用画像データの正確性を担保することができる。
【0047】
図6~11は、取得した画像情報に対して実行される画像加工の流れの一例を示す図である。図6図11には、図4のアクティビティA7~A10に対応する第1撮像装置4-1で取得した第1画像データの加工に関する情報処理のイメージが示されている。これらの情報処理は、GPUキャッシュ上で行われる。また、第1画像データ及び第2画像データに対する情報処理は、OpenGL等のグラフィックライブラリが用いられる。以下で説明する、魚眼画像データ50、平面画像データ51、俯瞰画像データ52、グリッド俯瞰画像データ53及び補正俯瞰画像データ54は、それぞれ第1画像データ又は第2画像データの一例である。被写体Sとしての競技場は、サッカーコートを所定対象として含む。
【0048】
図6には、魚眼画像データ50が含まれる。魚眼画像データ50は、サッカーコートを所定対象として含み、魚眼カメラとしての第1撮像装置4-1によって撮像された生の画像データである。
【0049】
図7には、平面画像データ51が含まれる。平面画像データ51は、魚眼画像データ50を平面に展開した画像データである。制御部21は、魚眼カメラで取得した第1撮像データを所定の方法で平面に展開する。
【0050】
図8には、俯瞰画像データ52が含まれる。俯瞰画像データ52は、平面画像データ51に基づいて、所定対象を俯瞰するように補正された画像データである。俯瞰するように補正されたとは、補正前と比較して、所定対象をより情報から見下すように補正されたことであってもよい。制御部21は、平面画像データ51を俯瞰する視点に変換することで俯瞰画像データ52を取得する。
【0051】
図9には、グリッド俯瞰画像データ53が含まれる。グリッド俯瞰画像データ53は、俯瞰画像データ52にグリッド530を表示させた画像データである。制御部21は、第1画像データの俯瞰画像データ52にグリッド530を重畳して表示させる。グリッド530は、ユーザがグリッド530の交点531を移動させることで、第1画像データに含まれる収差を補正可能に構成される。制御部21は、第1画像データをユーザが確認しながら、第1画像データに含まれる収差を補正可能なユーザインタフェースを出力する(表示させる)。第2画像データについても同様に行われる。また、他の観点によると、制御部21は、第1画像データ及び前記第2画像データを合成した画像をユーザインタフェースに表示させ、前記ユーザインタフェースは、前記第1画像データ及び前記第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差を補正可能に構成されるこれにより、ユーザは、第1画像データ及び第2画像データを確認しながら、収差を補正することができる。
【0052】
図10には、補正俯瞰画像データ54が含まれる。補正俯瞰画像データ54は、グリッド俯瞰画像データ53に基づいて収差を補正された画像データである。ユーザからグリッド530の交点531を上下左右に移動させる指示を受け付け、制御部21は、その指示に応じて、グリッド530の交点531を上下左右に移動させることで収差の補正を行う。なお、制御部21は、第2画像データの俯瞰画像データについても同様にグリッドを表示させ、収差の補正の指示を受け付ける。好ましくは、ここでの収差は、光学系に起因する歪曲収差である。
【0053】
図11には、3次元用画像データ55-1、55-2が含まれる。3次元用画像データ55-1、55-2は、それぞれ第1撮像装置4-1及び第2撮像装置4-2から取得した第1画像データ及び第2画像データを加工することにより取得される画像データである。制御部21は、歪み補正した平面に展開された右目、左目用の映像を様々な方式によって、3次元のフォーマットに変換して3次元用画像データ55-1、55-2として出力する。3次元フォーマットに変換する方法は、偏光フィルム方式、DLP Link方式等がある。偏光フィルム方式は、1コマの画像をディスプレイ側の偏光フィルターとメガネ側の偏光フィルター(円偏光方式)の組み合わせで、左右映像を分離する方式である。DLP Link方式は、超高速イメージングDLPチップにより交互に左右の2画面を画面投写すると同時に3Dアクティブグラス(眼鏡)に信号を送信する方式である。
【0054】
3次元用画像データ55-1、55-2は、情報表示装置3の姿勢と、情報表示装置3を視聴するユーザの位置と、に対応して生成されるデータであってもよい。この場合、3次元用画像データ55-1、55-2は、情報表示装置3を視聴するユーザの位置に応じて、少なくともその位置から歪みなく立体映像が視聴できるように補正された画像データである。
この情報表示装置3の姿勢は、ユーザの操作により設定されてもよい。また、情報表示装置3の姿勢は、情報表示装置3に設けられた、ジャイロセンサーによる角速度のデータ、加速度センサーによる加速度のデータ、カメラによる画像のデータの画像処理等を使用することにより特定されてもよい。
この情報表示装置3を視聴するユーザの位置は、次に示す態様で想定される位置として予め設定されてもよい。
例えば、情報表示装置3として3Dディスプレイが使用される場合、情報表示装置3を視聴するユーザの位置は、3Dディスプレイの表示面の正面である。
例えば、情報表示装置3としてプロジェクターが使用される場合、情報表示装置3を視聴するユーザの位置は、プロジェクターにより映像を投影するスクリーンの正面であってもよいし、任意に設定できてもよい。
例えば、情報表示装置3としてテーブル型のディスプレイが使用される場合、情報表示装置3を視聴するユーザの位置は、テーブル型のディスプレイを取り囲む位置であって、テーブル型のディスプレイの表示面よりも高い位置である。
例えば、情報表示装置3としてディスプレイ面が任意の傾斜角を有するディスプレイが、使用される場合、情報表示装置3を視聴するユーザの位置は、その任意の傾斜角を有するディスプレイの表示面の正面である。
なお、この情報表示装置3を視聴するユーザの位置は、情報表示装置3に設けられたカメラによる画像のデータの画像処理等を使用することによって決定してもよい。
【0055】
本実施形態によれば、従来よりも改良された技術を用いて、3次元用画像データを出力することが可能な技術を提供することができる。また、例えば、魚眼レンズを使用するカメラ等の種々のカメラを2台用いて、リアルタイムに、所定対象の状況を俯瞰視点かつ3次元で視認することが可能となる。さらに、例えば、フレーム欠損が発生した場合であっても、欠損が発生したフレームの直前のフレームにより補完することができるため、リアルタイム性を損ねることがない。また、3次元用画像データを出力するにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、サーバ装置2及び情報表示装置3のメモリキャッシュの使用も少なくすることができる。さらに、メモリキャッシュの使用を少なくすることができる結果として、大掛かりな装置又はコンピュータ等を必要としないため、安価に情報処理を実行することができる。
【0056】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、コンピュータを、情報処理システム1の制御部31として機能させるプログラムであってもよい。また、情報処理システム1が実行する情報処理方法であってもよい。
【0057】
スポーツに使用される競技場は、被写体Sの一例であり、他にも動物園、水族館、スーパーマーケット、ショッピングセンター、テーマパーク等であってもよい。それらの被写体の任意の箇所を所定対象として、制御部21は、3次元用画像データを出力する。これにより、例えば、混雑状況を把握することが可能になる。
【0058】
前述の実施形態では、第2画像データにフレーム欠損が検出された場合に、欠損していない第1画像データに対しても敢えて同じ補完処理を行うこととしたが、欠損していない画像データに対しては補完処理を行わないようにしてもよい。
【0059】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0060】
(1)情報処理システムであって、制御部を有し、前記制御部は、第1撮像装置によって連続撮像された、所定対象を被写体に含む第1画像データと、前記第1撮像装置とは異なる第2撮像装置によって連続撮像された、前記所定対象を被写体に含む第2画像データとをそれぞれ継続的に取得し、ここで前記第1画像データ及び前記第2画像データは、複数のフレームを含む2次元の画像データで、所定の同期処理を用いて、前記第1画像データと前記第2画像データとを同期させ、同期された前記第1画像データと前記第2画像データとに基づいて、撮像中の前記所定対象を3次元で視認可能な3次元用画像データを出力し、ここで前記3次元用画像データは、予めなされた設定又はユーザによる入力に応じて、前記第1画像データ及び前記第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差が補正される、情報処理システム。
【0061】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記同期処理は、画像処理によって行われる処理であり、前記制御部は、前記画像処理によって、前記第1画像データにおける1つのフレームと撮像時刻が略同一の、前記第2画像データにおける1つのフレームを特定することで、前記第1画像データと前記第2画像データとを同期させる、情報処理システム。
【0062】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1画像データ又は前記第2画像データにおいて、少なくとも1つのフレームの欠損が検出された場合、欠損した前記フレームである第1フレームの、直前の第2フレームを前記第1フレームの時刻においても取得する、情報処理システム。
【0063】
(4)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記第1画像データ及び前記第2画像データは、前記所定対象を俯瞰するように補正されたデータである、情報処理システム。
【0064】
(5)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1画像データ及び前記第2画像データを合成した画像をユーザインタフェースに表示させ、前記ユーザインタフェースは、前記第1画像データ及び前記第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差を補正可能に構成される、情報処理システム。
【0065】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1画像データと前記第2画像データとのそれぞれについてグリッドを表示させ、ここで前記グリッドは、前記グリッドの交点を移動させることで、前記第1画像データ及び前記第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差を補正可能に構成される、情報処理システム。
【0066】
(7)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記同期処理は、画像処理によって行われる処理であり、前記画像処理は、前記第1画像データ及び前記第2画像データにおいて、共通の動きの情報が検出されたことをもって同時刻と判定する処理である、情報処理システム。
【0067】
(8)プログラムであって、コンピュータを、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【0068】
(9)情報処理システムが実行する情報処理方法であって、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【0069】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0070】
1 :情報処理システム
2 :サーバ装置
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
3 :情報表示装置
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
4-1 :第1撮像装置
4-2 :第2撮像装置
50 :魚眼画像データ
51 :平面画像データ
52 :俯瞰画像データ
53 :グリッド俯瞰画像データ
54 :補正俯瞰画像データ
55-1 :3次元用画像データ
530 :グリッド
531 :交点
Df :欠損フレーム
N :ネットワーク
S :被写体
【要約】
【課題】クロック信号を使用せずに2台のカメラの画像データを同期させ、3次元用画像データを出力することと、魚眼レンズを使用するカメラ等の種々のカメラを2台用いて、リアルタイムに、所定対象の状況を俯瞰視点かつ3次元で視認することと、フレーム欠損が発生した場合であっても、欠損が発生したフレームの直前のフレームにより補完するため、リアルタイム性を損ねないことと、3次元用画像データを出力するにあたって、複雑な情報処理を必要としないため、サーバ装置及び情報表示装置のメモリキャッシュの使用も少なくすることと、のうち少なくとも何れか1つを達成することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、第1撮像装置によって連続撮像された、所定対象を被写体に含む第1画像データと、第1撮像装置とは異なる第2撮像装置によって連続撮像された、所定対象を被写体に含む第2画像データとをそれぞれ継続的に取得する。第1画像データ及び第2画像データは、複数のフレームを含む2次元の画像データである。所定の同期処理を用いて、第1画像データと第2画像データとを同期させる。同期された第1画像データと第2画像データとに基づいて、撮像中の所定対象を3次元で視認可能な3次元用画像データを出力する。3次元用画像データは、予めなされた設定又はユーザによる入力に応じて、第1画像データ及び第2画像データの少なくとも一方に含まれる収差が補正される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11