IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フルークコーポレイションの特許一覧

特許7253327位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定
<>
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図1
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図2
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図3
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図4
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図5A
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図5B
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図6
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図7
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図8
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図9
  • 特許-位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】位置検知検出器及び光検出器搭載光学試験装置を使用する光アレイの極性、パワー、及び損失の測定
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20230330BHJP
   G01M 11/02 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
G01M11/00 Q
G01M11/02 J
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018097282
(22)【出願日】2018-05-21
(65)【公開番号】P2019012058
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】15/603,087
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・デイビッド・シェル
(72)【発明者】
【氏名】セイモア・ゴールドステイン
(72)【発明者】
【氏名】ハーラン・エル・カスレア
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン・エル・セリング
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-249842(JP,A)
【文献】登録実用新案第3024450(JP,U)
【文献】特開2009-231599(JP,A)
【文献】特開2007-013672(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02623948(EP,A1)
【文献】特開昭60-070335(JP,A)
【文献】特開2006-250797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00- G01M 11/02
G01J 1/00- G01J 1/02
G01J 1/42
G02B 6/00
G02B 6/04- G02B 6/08
G02B 6/24- G02B 6/54
H01L 31/00- H01L 31/0248
H01L 31/08- H01L 31/119
H02G 1/00
H04B 3/46- H04B 3/493
H04B 10/07- H04B 10/079
H04B 17/00- H04B 17/40
H10K 30/60- H10K 30/65
H10K 39/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長範囲に対して感光性である第1の材料の光検知エリアを有する位置検知検出器であって、前記位置検知検出器が、
光ファイバケーブルの複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第1の光信号であって、前記複数の第1の光信号が、前記第1の波長範囲内の波長を有する、複数の第1の光信号を受信し、
前記複数の第1の光信号が前記光検知エリアにそれぞれ衝突する複数の位置を検出し、
前記複数の位置を表すデータを出力するように構成されている、位置検知検出器と、
前記第1の材料とは異なり、かつ前記第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲に対して感光性である第2の材料の光検出器であって、前記光検出器が、
前記光ファイバケーブルの前記複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第2の光信号であって、前記複数の第2の光信号が、前記第2の波長範囲内の波長を有する、複数の第2の光信号を受信するように構成されている、光検出器と、を備える、光学試験装置。
【請求項2】
前記位置検知検出器が、
前記複数の第1の光信号の複数の第1の光強度をそれぞれ検出し、
前記複数の第1の光強度を表すデータを出力するように構成されている、請求項1に記載の光学試験装置。
【請求項3】
前記光検出器は、
前記複数の第2の光信号の複数の第2の光強度をそれぞれ検出し、
前記複数の第2の光強度を表すデータを出力するように構成されている、請求項2に記載の光学試験装置。
【請求項4】
前記複数の位置を表す前記データ、前記複数の第1の光強度を表す前記データ、及び前記複数の第2の光強度を表す前記データを受信し、
前記複数の位置を表す前記データ及び前記複数の第1の光信号の既知の送信位置に基づいて前記光ファイバケーブルの極性を判定し、
前記複数の第1の光強度のうちの第1の光強度に基づいて少なくとも1つの第1の光信号の光損失を判定し、
前記複数の第2の光強度のうちの第2の光強度に基づいて少なくとも1つの第2の光信号の光損失を判定し、
前記光ファイバケーブルの前記判定された極性、前記少なくとも1つの第1の光信号の前記光損失、及び前記少なくとも1つの第2の光信号の前記光損失を出力するように構成された、プロセッサをさらに備える、請求項3に記載の光学試験装置。
【請求項5】
前記位置検知検出器及び前記光検出器は、前記位置検知検出器の少なくとも一部分が、前記光検出器の検知領域の少なくとも一部分で前記光検出器と重なるように積層されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学試験装置。
【請求項6】
前記位置検知検出器は、前記第1の波長範囲の外側の波長を有する光を通過させるように構成され、前記複数の第2の光信号の波長は、前記第1の波長範囲の外側であり、前記光検出器は、前記複数の第2の光信号が前記位置検知検出器を通過した後に前記複数の第2の光信号を受信するように構成されている、請求項5に記載の光学試験装置。
【請求項7】
前記位置検知検出器は、前記位置検知検出器が前記光検出器の検知領域のいずれの部分も覆わないように前記光学試験装置内で位置付けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学試験装置。
【請求項8】
前記複数の第1の光信号及び前記複数の第2の光信号を受信するように位置付けられた波長選択光スプリッタであって、
前記第1の波長範囲内の波長を有する前記複数の第1の光信号を前記位置検知検出器に選択的に出力し、
前記第2の波長範囲内の波長を有する前記複数の第2の光信号を前記光検出器に選択的に出力するように構成された、波長選択光スプリッタをさらに備える、請求項7に記載の光学試験装置。
【請求項9】
前記第1の材料は、シリコンであり、前記第2の材料は、ゲルマニウム又はヒ化インジウムガリウムである、請求項1から8のいずれか1項に記載の光学試験装置。
【請求項10】
前記第1の波長範囲は、350~1000nmであり、前記第2の波長範囲は、700~1600nmである、請求項1から9のいずれか1項に記載の光学試験装置。
【請求項11】
前記複数の光ファイバは、シングルモード光ファイバ又はマルチモード光ファイバである、請求項1から10のいずれか1項に記載の光学試験装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記複数の第1の光信号が前記位置検知検出器によって受信された順序を示す情報を受信し、
前記複数の第1の光信号が受信された前記順序を示す前記情報、前記複数の第1の光信号が前記複数の光ファイバを通して放出された順序を示す情報、及び前記複数の位置を表す前記データに基づいて、前記光ファイバケーブルの前記極性を判定するように構成されている、請求項4に記載の光学試験装置。
【請求項13】
前記位置検知検出器は、前記複数の第1の光信号のそれぞれの複数のシグネチャを検出し、かつ前記それぞれの複数のシグネチャを表すデータを出力するように構成され、前記プロセッサは、
前記それぞれの複数のシグネチャを表す前記データを受信し、
前記それぞれの複数のシグネチャを表す前記データに基づいて前記複数の第1の光信号の複数の送信位置を判定し、
前記複数の送信位置、及び前記複数の第1の光信号が前記位置検知検出器の前記光検知エリアにそれぞれ衝突する前記複数の位置を表す前記データに基づいて、前記光ファイバケーブルの前記極性を判定するように構成されている、請求項4に記載の光学試験装置。
【請求項14】
前記位置検知検出器及び前記光検出器は、それらの間の結合剤によって積層されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の光学試験装置。
【請求項15】
前記位置検知検出器は、前記第1の波長範囲内の波長を有する光を通過させるとともに、前記第1の波長範囲の外側かつ前記第2の波長範囲内の波長を有する光を反射するように構成された反射コートによって被覆されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の光学試験装置。
【請求項16】
前記光検出器は、前記反射コートによって反射された光を受信するように位置付けられている、請求項15に記載の光学試験装置。
【請求項17】
前記光検出器が、
前記光ファイバケーブルの前記複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第3の光信号であって、前記複数の第3の光信号が、前記第2の波長範囲内かつ前記複数の第2の光信号の波長とは異なる波長を有する、複数の第3の光信号を受信し、
前記複数の第3の光信号の複数の第3の光強度をそれぞれ検出し、
前記複数の第3の光強度を表すデータを出力するように構成されている、請求項4に記載の光学試験装置。
【請求項18】
前記プロセッサが、
前記複数の第3の光強度を表す前記データを受信し、
前記複数の第3の光強度のうちの対応する第3の光強度に基づいて前記複数の第3の光信号のうちの少なくとも1つの第3の光信号の光損失を判定し、
前記少なくとも1つの第3の光信号の前記光損失を出力するように構成された、請求項17に記載の光学試験装置。
【請求項19】
可視光スペクトルの少なくとも一部分を含む第1の波長範囲に光学的に応答する画像センサであって、前記画像センサが、
光ファイバケーブルの複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第1の光信号であって、前記複数の第1の光信号が、前記第1の波長範囲内の波長を有する、複数の第1の光信号を受信し、
前記複数の第1の光信号が前記画像センサにそれぞれ衝突する複数の位置を検出し、
前記複数の位置を表すデータを出力するように構成されている、画像センサと、
前記第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲に光学的に応答する光検出器であって、前記光検出器が、
前記複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第2の光信号であって、前記複数の第2の光信号が、前記第2の波長範囲内の波長を有する、複数の第2の光信号を受信し、
前記複数の第2の光信号の複数の光強度をそれぞれ検出し、
前記複数の光強度を表すデータを出力するように構成されている、光検出器と、を備える、光学試験装置。
【請求項20】
前記複数の位置を表す前記データ及び前記複数の光強度を表す前記データを受信し、
前記複数の位置を表す前記データに基づいて前記光ファイバケーブルの極性を判定し、
前記複数の第2の光信号の前記複数の光強度を表す前記データに基づいてそれぞれの複数の光損失を判定するように構成された、プロセッサをさらに備える、請求項19に記載の光学試験装置。
【請求項21】
前記第1の波長範囲は、前記可視光スペクトルの少なくとも前記一部分及び前記可視光スペクトルの長い波長端と1000nmとの間にある波長範囲を含む、請求項19又は請求項20に記載の光学試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光アレイの極性及び光信号の強度又は損失を判定する光学試験装置、特に、位置検知検出器及び光検出器の両方が搭載されている光学試験装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
光学試験装置は、益々汎用的になっており、広範囲の機能が搭載されている。汎用性の向上は、試験を求められる様々な光ファイバ、コネクタ及びケーブルの数の増加の結果である。光試験装置の広範囲の機能は、ユーザ体験を向上させ、データセンタ技術者等のユーザが、1つの多面的かつ多機能試験装置の方を選び、多数の試験装置なしで済ませることを可能にする。
【0003】
光アレイの極性並びに光信号の強度及び/又は損失を判定し得る光学試験装置を有することが望ましい。また、光学試験装置が、光の強度及び/又は損失並びにそれらのそれぞれの光送信波長についてシングルモード及びマルチモード光ファイバの両方を評価することも望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5,212,537号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、光学試験装置は、第1の波長範囲に対して感光性である第1の材料の光検知エリアを有する位置検知検出器を含む。一実施形態において、位置検知検出器は、光ファイバケーブルのそれぞれの複数の光ファイバを通して放出された複数の第1の光信号を受信するように構成され、複数の第1の光信号は、第1の波長範囲内の波長を有する。一実施形態において、位置検知検出器は、複数の第1の光信号が光検知エリアにそれぞれ衝突する複数の位置を検出し、複数の第1の光信号の複数の第1の光強度をそれぞれ検出し、複数の位置及び複数の第1の光強度を表すデータを出力するように構成されている。一実施形態において、光学試験装置は、第1の材料とは異なり、かつ第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲に対して感光性である第2の材料の光検出器を含む。一実施形態において、光検出器は、光ファイバケーブルの複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第2の光信号を受信するように構成され、複数の第2の光信号は、第2の波長範囲内の波長を有する。
【0006】
一実施形態において、光検出器は、複数の第2の光信号の複数の第2の光強度をそれぞれ検出し、複数の第2の光強度を表すデータを出力するように構成されている。一実施形態において、光学試験装置は、複数の位置を表すデータ、複数の第1の光強度を表すデータ、及び複数の第2の光強度を表すデータを受信し、複数の位置を表すデータに基づいて光ファイバケーブルの極性を判定し、複数の第1の光強度のうちの第1の光強度に基づいて少なくとも1つの第1の光信号の光損失を判定し、複数の第2の光強度のうちの第2の光強度に基づいて少なくとも1つの第2の光信号の光損失を判定し、光ファイバケーブルの判定された極性、少なくとも1つの第1の光信号の光損失、及び少なくとも1つの第2の光信号の光損失を出力するように構成された、プロセッサを含む。
【0007】
一実施形態において、位置検知検出器及び光検出器は、位置検知検出器の少なくとも一部分が光検出器の検知領域の少なくとも一部分で光検出器と重なるように積層される。一実施形態において、位置検知検出器は、第1の波長範囲の外側の波長を有する光を通過させるように構成されている。一実施形態において、複数の第2の光信号の波長は、第1の波長範囲の外側であり、光検出器は、複数の第2の光信号が位置検知検出器を通過した後に複数の第2の光信号を受信するように構成されている。
【0008】
一実施形態において、位置検知検出器は、位置検知検出器が光検出器の検知領域のいずれの部分も覆わないように、光学試験装置内で位置付けられる。一実施形態において、光学試験装置は、複数の第1の光信号及び複数の第2の光信号を受信するように位置付けられた波長選択光スプリッタを含む。一実施形態において、波長選択光スプリッタは、第1の波長範囲内の波長を有する複数の第1の光信号を位置検知検出器に選択的に出力し、第2の波長範囲内の波長を有する複数の第2の光信号を位置検知検出器に選択的に出力するように構成されている。
【0009】
一実施形態において、第1の材料は、シリコンであり、第2の材料は、ゲルマニウム又はヒ化インジウムガリウムである。一実施形態において、第1の波長範囲は、350~1000nmであり、第2の波長範囲は、700~1600nmである。一実施形態において、複数の光ファイバは、シングルモード光ファイバ又はマルチモード光ファイバである。一実施形態において、複数の第1の光信号が位置検知検出器によって受信された順序を示す情報を受信し、複数の第1の光信号が受信された順序を示す情報、複数の第1の光信号が複数の光ファイバを通して放出された順序を示す情報、及び複数の位置を表すデータに基づいて、光ファイバケーブルの極性を判定するように構成されている。
【0010】
一実施形態において、位置検知検出器は、複数の第1の光信号のそれぞれの複数のシグネチャを検出し、かつそれぞれの複数のシグネチャを表すデータを出力するように構成されている。一実施形態において、プロセッサは、それぞれの複数のシグネチャを表すデータを受信し、それぞれの複数のシグネチャを表すデータに基づいて複数の第1の光信号の複数の送信位置を判定し、複数の送信位置、及び複数の第1の光信号が位置検知検出器の光検知エリアにそれぞれ衝突する複数の位置を表すデータに基づいて光ファイバケーブルの極性を判定するように構成されている。
【0011】
一実施形態において、位置検知検出器及び光検出器は、それらの間の結合剤によって積層される。一実施形態において、位置検知検出器は、第1の波長範囲内の波長を有する光を通過させるとともに、第1の波長範囲の外側かつ第2の波長範囲内の波長を有する光を反射するように構成された反射コートによって被覆される。一実施形態において、光検出器は、反射コートによって反射された光を受信するように位置付けられる。
【0012】
一実施形態において、光学試験装置は、第1の波長範囲に対して感光性である第1の材料の光検知エリアを有する位置検知検出器を含む。一実施形態において、位置検知検出器は、光ファイバケーブルのそれぞれの複数の光ファイバを通して放出された複数の第1の光信号を受信するように構成され、複数の第1の光信号は、第1の波長範囲内の波長を有する。一実施形態において、位置検知検出器は、複数の第1の光信号が光検知エリアにそれぞれ衝突した複数の位置を検出し、かつ複数の位置を表すデータを出力するように構成されている。
【0013】
実施形態において、光学試験装置は、第1の材料とは異なり、かつ第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲に対して感光性である第2の材料の光検出器を含む。一実施形態において、光検出器は、光ファイバケーブルの複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第2の光信号を受信するように構成され、複数の第2の光信号は、第2の波長範囲内の波長を有する。一実施形態において、光検出器は、光ファイバケーブルの複数の光ファイバを通してそれぞれ放出された複数の第3の光信号を受信するように構成され、複数の第3の光信号は、第2の波長範囲内かつ複数の第2の光信号の波長とは異なる波長を有する。一実施形態において、光検出器は、複数の第2の光信号の複数の第1の強度をそれぞれ検出し、複数の第3の光信号の複数の第2の強度をそれぞれ検出し、複数の第1の強度を表すデータ及び複数の第2の強度を表すデータを出力するように構成されている。
【0014】
一実施形態において、光学試験装置は、複数の位置を表すデータ、複数の第1の強度を表すデータ、及び複数の第2の強度を表すデータを受信し、複数の位置を表すデータに少なくとも部分的に基づいて光ファイバケーブルの極性を判定し、複数の第1の強度のうちの対応する第1の強度に基づいて複数の第2の光信号のうちの少なくとも1つの第2の光信号の光損失を判定し、複数の第2の強度のうちの対応する第2の強度に基づいて複数の第3の光信号のうちの少なくとも1つの第3の光信号の光損失を判定し、光ファイバケーブルの判定された極性、少なくとも1つの第2の光信号の光損失、及び少なくとも1つの第3の光信号の光損失を出力するように構成された、プロセッサを含む。
【0015】
一実施形態において、位置検知検出器及び光検出器は、それらの間の結合剤によって積層される。一実施形態において、位置検知検出器は、第1の波長範囲内の波長を有する光を通過させるとともに、第1の波長範囲の外側かつ第2の波長範囲内の波長を有する光を反射するように構成された反射コートによって被覆される。一実施形態において、光検出器は、反射コートによって反射された光を受信するように位置付けられる。
【0016】
一実施形態において、光学試験装置は、可視光スペクトルの少なくとも一部分を含む第1の波長範囲に光学的に応答する画像センサを含む。一実施形態において、画像センサは、光ファイバケーブルのそれぞれ複数の光ファイバを通して放出された複数の第1の光信号を受信し、複数の第1の光信号が第1の波長範囲内の波長を有し、複数の第1の光信号が画像センサにそれぞれ衝突する複数の位置を検出し、複数の位置を表すデータを出力するように構成されている。一実施形態において、試験装置は、第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲に光学的に応答する光検出器を含む。一実施形態において、光検出器は、複数の光ファイバからそれぞれ放出された複数の第2の光信号を受信し、複数の光信号が第2の波長範囲内の波長を有し、複数の第2の光信号の複数の光強度をそれぞれ検出し、複数の光強度を表すデータを出力するように構成されている。
【0017】
一実施形態において、光学試験装置は、複数の位置を表すデータ及び複数の光強度を表すデータを受信し、複数の位置を表すデータに基づいて光ファイバケーブルの極性を判定し、複数の第2の光信号の複数の光強度に基づいてそれぞれ複数の光損失又は光強度を判定するように構成された、プロセッサを含む。一実施形態において、第1の波長範囲は、可視光スペクトルの少なくとも一部分及び可視光スペクトルの一端と1000nmとの間にある光学的範囲を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は光ファイバケーブルの光コネクタに連結可能である光学試験装置の一実施形態を例示する。
図2図2は一実施形態による光学試験装置のブロック図を示す。
図3図3は一実施形態による光ファイバケーブルに接続された光学試験装置を示す。
図4図4は一実施形態による光ファイバケーブルに接続された光学試験装置を示す。
図5A図5Aはマルチモード光ファイバケーブルを試験するための方法のフロー図を示す。
図5B図5Bはシングルモード光ファイバケーブルを試験するための方法のフロー図を示す。
図6図6は光ファイバアレイの極性の実例を示す。
図7図7は光ファイバアレイから発信された光信号を受信する位置検知検出器の実例を示す。
図8図8は光ファイバアレイの極性を判定するための方法のフロー図を示す。
図9図9は一実施形態による光ファイバケーブルに接続された光学試験装置を示す。
図10図10は光ファイバケーブルを試験するための方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、光ファイバケーブル104の光コネクタ102に接続可能である光学試験装置100の少なくとも1つの実施形態を例示する。光ファイバケーブル104は、ケーブル光コネクタ102で終結される複数の光ファイバ106を含む。複数の光ファイバ106のそれぞれ複数の端面108は、ケーブル光コネクタ102で光ファイバアレイ110を形成する。
【0020】
光学試験装置100は、装置光コネクタ112及びインターフェース114を含む。装置光コネクタ112は、図1に示されるように装置光ケーブル115を使用して光学試験装置100に接続されるが、装置光ケーブル115の使用は、必須ではない。装置光コネクタ112は、光学試験装置100のハウジング上に配設され得る。例えば、装置光コネクタ112は、光学試験装置100の前又は後に配設され得る。
【0021】
装置光コネクタ112は、ケーブル光コネクタ102に接続可能である。装置光コネクタ112がケーブル光コネクタ102に連結されているとき、複数の光ファイバ106を通して放出された光信号が、光学試験装置100によって受信される。光学試験装置100は、光ファイバアレイ110の極性を判定するために光信号を試験する。
【0022】
さらに、光学試験装置100は、光ファイバ106から発信された光信号の強度を判定するために使用され得る。強度は、光信号の強さ又はパワーを反映し得る。強度はまた、光信号が光ファイバ106を通過するときの光信号と関連付けられた損失を測定するために使用され得る。光信号は、例えば、光ファイバ106内の欠陥又は光ファイバ106の端面上の粉塵によって強さ又はパワーの損失に遭遇し得る。損失は、光ファイバ106内に送信された光信号の強度と光学試験装置100によって受信された光信号の強度との間の差に少なくとも部分的に基づいて計算され得る。
【0023】
光ファイバケーブル104の光ファイバ106(又は光ファイバケーブル104自体)は、シングルモード光ファイバ又はマルチモード光ファイバであり得る。シングルモード光ファイバは、マルチモード光ファイバよりも低量の反射及び屈折を伴って通過光を搬送することができる。その結果、マルチモード光ファイバは、シングルモード光ファイバよりも大きなマルチパス効果と関連し、光信号のパルスの拡散を結果として生じる。シングルモード光ファイバにおけるマルチパス効果及びパルス拡散の軽減は、マルチモード光ファイバ内よりも長い送信波長の使用を可能にする。
【0024】
マルチモード光ファイバは、とりわけ、850ナノメートル(nm)又は1300nmの波長を有する光信号を搬送することができる。シングルモード光ファイバは、マルチモード光ファイバよりも長い波長を有する光信号を搬送することができる。例えば、シングルモード光ファイバは、とりわけ、1310又は1550nmの波長を有する光信号を搬送することができる。光学試験装置100は、シングルモード波長及びマルチモード波長の両方の光強度及び損失を試験することができる。光学試験装置100は、広範囲の光信号波長に対して光ファイバ106を試験することができる。
【0025】
光学試験装置100のインターフェース114は、光学試験装置100によって実施された試験又は測定の結果をユーザに提供するために使用され得る。インターフェース114は、図1内で画面であるように示されるが、様々な実施形態においてインターフェース114は、とりわけ、スピーカ又は発光ダイオード(light emitting diode、LED)パネルであってもよい。さらに、インターフェース114は、光ファイバケーブル104に対して試験を実施する個人等のユーザに試験若しくは測定の結果を表示するか、又は結果を記憶するために、とりわけ、コンピュータ、タブレット、スマートフォン又はサーバ等の、別の装置に試験結果又は測定結果を送信する無線モデム又は有線モデムを含み得る。
【0026】
光学試験装置100は、光ファイバ106を試験すべく、光ファイバ106を通して光信号を放出するために使用され得ることに留意する。例えば、光学試験装置100は、光ファイバケーブル104の送信端(図示せず)に連結され得る第2の装置光コネクタを含み得る。これに代えて、別の装置が、光ファイバ106を通して光信号を放出するように使用され得る。
【0027】
図2は、一実施形態による光学試験装置100のブロック図を示す。光学試験装置100は、プロセッサ116、位置検知検出器118、光検出器120、インターフェース114及びメモリ121を含む。位置検知検出器118、光検出器120、インターフェース114及びメモリ121は、プロセッサ116に通信自在に連結される。
【0028】
位置検知検出器118は、光検知エリアを有する任意の種類の装置であってよく、光検知エリアに衝突する光信号を受信する。位置検知検出器118は、光信号が光検知エリアに衝突した位置を表すデータを出力し得る。位置検知検出器118はまた、光信号の強度を表すデータを出力し得る。位置検知検出器の例としては、OSI OptoelectronicsのPhotoconductive Planar Diffused Silicon Photodiodeを含み、その仕様書が参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第9,518,892号は、光信号の損失及び強度を判定し、また光ファイバアレイの極性を判定するための、位置検知検出器118等の位置検知検出器の使用を開示する。位置検知検出器118は、任意のサイズの光検知エリアを有し得る。光検知エリアは、シリコン(silicon、Si)等の材料からなり得、このため低コスト様式で生産され得る。
【0029】
シリコン光検知エリアは、第1の波長範囲に対して高い応答性を有し得る。第1の波長範囲は、350~1000nm又は500~1000nmであり得る。マルチモード光ファイバを通して放出されたいくつかの光信号は、第1の波長範囲内に収まり得る。例えば、マルチモード光ファイバを通して放出される650nm及び850nmの波長を有する光信号は、位置検知検出器118によって捉えられ得る。
【0030】
上述の第1の波長範囲の外側の波長(例えば、第1の範囲を超える第2の波長範囲内)は、シリコン位置検知検出器118による微小吸収を受ける。シリコン位置検知検出器118は、第2の範囲内の波長を有する光信号を通過させる。シリコン位置検知検出器118が裏材を有しない場合、光信号は、位置検知検出器118の後ろに積層されたか又はシリコン位置検知検出器118と軸方向に整列された光検出器120等の装置によって受信され得る。
【0031】
高い応答性又は感光性は、光検知エリアが一定波長の光に対して0.2アンペアワット比(A/W)以上の応答性を有する場合に達成され得る。0.2A/W以上の応答性は、光信号を確実に検出することを可能にする。応答性が0.2A/W未満である場合、位置検知検出器は、光検知エリアに衝突する光信号を確実に捉えることができない場合があり、したがって、光信号が確実に検出されない場合がある。
【0032】
光検出器120は、光信号を受信して光信号の光強度を表すデータを出力可能である任意の種類の装置であってよい。例えば、光検出器120は、フォトダイオードであり得る。フォトダイオードは、位置検知検出器118によって検知される第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲に対して感光性を有し得る。例えば、光検出器120は、ゲルマニウム(germanium、Ge)又はヒ化インジウムガリウム(indium gallium arsenide、InGaAs)であり得、700~1600nmの波長に対して光応答性であり得る。このため、光検出器120は、850nm及び1300nmの波長を有する光信号等のマルチモード光ファイバを通して送信された光信号、並びに1310nm及び1550nmの波長を有する光信号等のシングルモード光ファイバを通して送信された光信号の光強度を検出可能であり得る。
【0033】
メモリ121は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得る。メモリ121は、例えば、とりわけ、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)又は読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)であり得、メモリ121は、静的であっても動的であってもよい。メモリ121は、プロセッサ116によって実行されるとき、プロセッサ116に本明細書に説明されるように動作させる、実行可能命令を記憶するように構成され得る。例えば、メモリ121は、プロセッサ116によって実行されるとき、プロセッサ116に、位置検知検出器118又は光検出器120からデータを受信し、光のパワー若しくは損失又は極性をデータに基づいて判定し、光のパワー若しくは損失又は極性を表すデータを出力させる、実行可能命令を記憶するように構成され得る。
【0034】
プロセッサ116は、中央処理装置(central processing unit、CPU)等の処理ユニットを備える任意の種類の装置であってよい。例えば、プロセッサ116は、マイクロコントローラ又はコントローラであり得る。プロセッサ116は、メモリ121内に記憶された命令を取得又は受信し、命令を実行し、結果として、本明細書に説明されるように動作し得る。
【0035】
プロセッサ116は、光信号が光検知エリアに衝突した位置を表すデータを位置検知検出器118から受信する。プロセッサ116は、位置を表すデータに基づいて、本明細書に説明されるように光ファイバケーブル104又はその光ファイバアレイ110の極性を判定する。
【0036】
さらに、プロセッサ116は、光信号の強度を表すデータを位置検知検出器118又は光検出器120から受信する。プロセッサ116は、光信号の強度を表すデータに基づいて、光信号と関連付けられた光損失を判定する。
【0037】
位置検知検出器118が上記の第1の波長範囲に光学的に応答するので、プロセッサ116、及びその結果、光学試験装置100は、第1の波長範囲内の波長についての光損失又は光のパワー若しくは強度を判定するために位置検知検出器118から取得されたデータを利用する。
【0038】
さらに、光検出器120が上記の第2の波長範囲に光学的に応答するので、プロセッサ116(又は光学試験装置100)は、第2の波長範囲内の波長についての光損失又は光パワー若しくは強度を判定するために光検出器116から受信されたデータを利用する。
【0039】
したがって、位置検知検出器118及び光検出器120の使用は、シングルモード光ファイバ及びマルチモード光ファイバの両方に対する送信波長を包含する第1の波長範囲及び第2の波長範囲の両方内の様々な光送信波長についての光ファイバ106に対する光損失を判定することを可能にする。同時に光ファイバアレイ110の極性は、第1の波長範囲内の波長についての位置検知検出器118によって出力されたデータに基づいて判定され得る。
【0040】
光学試験装置100はまた、低コストで生産され得る。第1の波長範囲に対して確実に応答し、かつ位置検知性能を有する、シリコン位置検知検出器は、第2の波長範囲内のより高い波長に確実に応答する他の位置検知検出器よりも経済的に有利である。光学試験装置100は、第1の波長範囲内の光信号の極性を検出するために位置検知検出器の位置検知性能を使用する。必要であれば、光学試験装置100は、第1の波長範囲内の光信号の強度又は損失を検出するために位置検知検出器の強度検出性能を使用する。
【0041】
第2の波長範囲の光信号の強度又は損失を検出するために、光学試験装置100は、光検出器120を使用する。その位置検知検出器対応物と異なり、第2の波長範囲に応答するゲルマニウム又はInGaAs光検出器は、経済的に有利である。光学試験装置100は、第2の波長範囲内の光信号の強度又は損失を検出するためにゲルマニウム又はInGaAs光検出器を使用する。
【0042】
したがって、光学試験装置100の経済的有利性は、光検出器120を組み込み、第2の波長範囲内の光信号の検出の強度又は損失を光検出器120にシフトすることによって改善される。そのようにすることは、極性測定について、より高価なゲルマニウム又はInGaAs位置検知検出器に代えてシリコン位置検知検出器を使用することを可能にする。全体として、光学試験装置100のコスト及び経済的有利性が、実質的に改善される。
【0043】
図3は、一実施形態による、光ファイバケーブル104に接続された光学試験装置100aを示す。図2を参照して説明された光学試験装置100のものと類似の光学試験装置100aの要素は、同一参照番号を有する。光学試験装置100aは、プロセッサ116、位置検知検出器118、光検出器120、光スプリッタ123及び装置光コネクタ112を含む。光ファイバケーブル104は、複数の光ファイバ106を含む。光ファイバケーブル104の一端は、ケーブル光コネクタ102で終結される。ケーブル光コネクタ102は、光学試験装置100aの光コネクタ112に接続される。光ファイバケーブル104の複数の光ファイバ106によって放出される光信号は、光ファイバ106と関連付けられた光損失、光信号のパワー、及び/又は光ファイバケーブル104、そのコネクタ102若しくはその光ファイバアレイ110の極性を判定するために光学試験装置100aによって評価される。
【0044】
光スプリッタ123は、光信号を受信し、かつ光信号を位置検知検出器118又は光検出器120に出力するように構成される、任意の種類の波長選択装置であり得る。光スプリッタ123は、例えば、ビームスプリッタであり得る。光スプリッタ123は、光信号を位置検知検出器118又は光検出器120に選択的に出力し得る。光スプリッタ123は、光信号をいずれかの装置に方向付けるか又は光信号をいずれかの装置の方向に導くことによって、光信号を選択的に出力し得る。光スプリッタ123は、光信号を反射又は屈折することによって光信号を出力し得る。光スプリッタ123が光信号を出力する方向は、光信号の波長に基づき得る(例えば、その関数)。
【0045】
図3に示されるように、光スプリッタ123は、ケーブル光コネクタ102が装置光コネクタ112に接続されたとき、光ファイバケーブル104の光ファイバ106から発信された光信号が光スプリッタ123に衝突するように、光学試験装置100a内に位置付けられ得る。位置検知検出器118は、第1の波長範囲(上で説明されたもの)内の波長を有する光信号が出力される方向で光スプリッタ123に関連して位置付けられ得る。さらに光検出器120は、第2の波長範囲(上で説明されたもの)内の波長を有する光信号が出力される方向で光スプリッタ123に関連して位置付けられ得る。
【0046】
図3に示されるように、光スプリッタ123は、第1の波長範囲内の波長を有する光信号を反射し、第2の波長範囲内の波長を有する光信号を屈折させる。光検出器120及び光スプリッタ123は、第1の光軸上に位置付けられる。光検出器120は、光スプリッタ123によって屈折された光信号を受信する。位置検知検出器118及び光スプリッタ123は、第1の光軸に交差する第2の光軸上に位置付けられる。位置検知検出器118は、光スプリッタ123によって反射された光信号を受信する。位置検知検出器118は、光検出器120の検知領域を覆わない又は遮蔽しないように位置付けられ、逆もまた同様である。
【0047】
様々な実施形態において、光学試験装置100aが、光信号を集光する1つ以上のレンズを含み得ることに留意する。例えば、レンズは、光スプリッタ123に衝突する光信号を集光するように位置付けられ得る。代替的に又は追加的に、レンズは、位置検知検出器118又は光検出器120の検知領域内に位置付けられ得る。レンズは、光スプリッタ123によって出力された光信号を集光し得る。万一、位置検知検出器118又は光検出器120の検知領域が、それぞれ、第1の波長範囲又は第2の波長範囲内の全ての光信号を包含するには十分に大きくない場合には、レンズは、光信号を検知領域内に集光し得る。
【0048】
一実施形態において、パワースプリッタが波長選択スプリッタの代わりに使用されてもよい。パワースプリッタは、とりわけ、50%/50%スプリッタであり得る。波長選択スプリッタは、信号の波長に基づいて光信号を選択的に出力するが、パワースプリッタは、その様々な出力の中で信号のパワーを分割して低パワー光信号を各出力に出力する。
【0049】
パワースプリッタが光学試験装置100a内で使用されるとき、位置検知検出器118及び光検出器120の両方は、パワー低下光信号を受信する。光信号に対する位置検知検出器118及び光検出器120の応答性に依存して、検出器の一方又は両方は、光信号の光パワーを測定し、光パワーを表すデータをプロセッサ116に出力する。プロセッサ116は、データを受信する。プロセッサ116は、パワースプリッタと関連付けられたパワー低下パラメータによって構成され得る。例えば、パワースプリッタが50%/50%スプリッタである場合、パワー低下パラメータは、0.5又は3dBであり得る。プロセッサは、パワースプリッタによるパワー低下を考慮して、光信号の検出された光パワーを拡縮し得る。例えば、50%/50%スプリッタが使用されるとき、プロセッサ116は、光信号の検出された光パワーを倍化し得る。
【0050】
図4は、一実施形態による、光ファイバケーブル104に接続された光学試験装置100bを示す。図3を参照して説明された光学試験装置100aのものと類似である光学試験装置100bの要素は、同一参照番号を有する。ただし図3と異なり、図4の位置検知検出器118及び光検出器120は、積層又は重ねられている(例えば、それらの間の結合剤によって)。位置検知検出器118は、光検出器120の検知領域内に位置付けられ得、光検出器120を少なくとも部分的に覆い得る。さらに、位置検知検出器118及び光検出器120の検知領域は、重ねられ得る。
【0051】
位置検知検出器118は、第1の波長範囲(例えば、上記の第1の波長範囲)内の光信号を吸収し、かつ第1の波長範囲の外側の光信号を光学的に通過させるように構成され得る。第1の波長範囲の外側の波長を有する光信号は、その後、光検出器120に衝突する。第1の波長範囲と第2の波長範囲との間が重なる場合において、位置検知検出器118は、第1の範囲の外側である第2の範囲内の光信号を通過させ得る。位置検知検出器118は、第1の範囲の外側である第2の範囲内の光信号のパワーのいくらかを吸収し得る。通過する光信号は、その後、光検出器120に衝突する。本明細書に説明されるように、位置検知検出器118は、第1の波長範囲内の受信された光信号の強度又はパワーを表すデータをプロセッサ116に出力する。さらに、位置検知検出器118は、極性判定のために、光信号が位置検知検出器118に衝突した位置を表すデータを出力し得る。光検出器120は、第2の波長範囲内の受信された光信号の強度又はパワーを表すデータをプロセッサ116に出力する。
【0052】
図5Aは、マルチモード光ファイバケーブル104を試験するための方法のフロー図を示す。マルチモード光ファイバケーブル104は、2つのマルチモード送信波長である、第1のマルチモード波長及び第2のマルチモード波長において試験され得る。第1のマルチモード波長は、例えば、850nmであり得、したがって、第1の波長範囲内にあり得る。第2のマルチモード波長は、例えば、1300nmであり得、したがって、第1の波長範囲の外側、かつ第2の波長範囲内にあり得る。
【0053】
方法500において、図1を参照して説明された光学試験装置100等の光学試験装置は、502において、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して、第1の波長を有する第1の光信号を放出する。
【0054】
図2を参照して説明された位置検知検出器118等の位置検知検出器は、第1の光信号を捉える。位置検知検出器は、504において、第1の光信号が位置検知検出器に衝突した位置を検出する。位置検知検出器は、506において、第1の光信号の強度を検出する。本明細書に説明されるように、位置検知検出器は、図1を参照して説明されたプロセッサ116等のプロセッサに位置及び強度を表すデータを出力する。
【0055】
第1の信号を放出した後、光学試験装置は、508において、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して第2の光信号を放出する。第2の光信号は、図2を参照して説明された光検出器120等の光検出器によって捉えられる。510において、光検出器は、第2の光信号の強度を検出する。光検出器は、本明細書に説明されるように、プロセッサ116に検出された強度を出力する。
【0056】
512において、プロセッサ116は、その後、光ファイバケーブル(又は光ファイバアレイ110)の光ファイバの全てが試験されたか否かを判定する。否定的判定がなされた場合、光学試験装置は、514において次の光ファイバを試験し、これによって工程502~510が次の光ファイバに対して実施される。
【0057】
肯定的判定がなされた場合、プロセッサ116は、516において、光ファイバケーブルの極性並びに第1の波長及び第2の波長についての光のパワー又は損失を出力する。極性は、504で取得された位置情報に基づいて判定される。850nmであり得る第1の波長が、極性を判定すること、及び850nmのマルチモード送信波長に対して光ファイバを試験することの二重の目的のために使用され得ることに留意する。
【0058】
一実施形態において、光学試験装置は、635nm又は650nm等の可視光波長を放出するビジュアルフォルトロケータ(Visual Fault Locator、VFL)を含み得る。可視光スペクトルは、400nm~700nmの範囲にある。可視光光信号は、極性を判定するために使用され得る。ただし、光ファイバによるより短い波長のより大きな減衰によって、非可視光850nm放出体を代わりに利用することによって性能面の利点があり得る。
【0059】
極性が光信号波長とは独立しているので、極性は、位置検知検出器の応答範囲内の波長を有する複数の第1の光信号を使用して判定され得る。複数の第2の光信号は、光ファイバの光損失を試験するために使用され得る。
【0060】
一実施形態において、光学試験装置は、ビジュアルフォルトロケータによって放出された、550nm等の第1の波長に対して位置検知検出器によって捉えられた位置情報に基づいて極性を判定するために、光ファイバケーブルの光ファイバを通して繰り返し得る。その後、光学試験装置は、光検出器によって捉えられたパワー又は損失の情報に基づいて、850nm等の第2の送信波長についての光のパワー又は損失を判定するために光ファイバを試験し得る。光学試験装置は、その後、1300nm等の第3の送信波長についての光のパワー又は損失を試験し得る。
【0061】
図5Bは、シングルモード光ファイバケーブル104を試験するための方法550のフロー図を示す。シングルモード光ファイバに対する従来の波長は、シリコン位置検知検出器の応答範囲の外側である。さらに、非シングルモード波長は、極性を判定するために使用され、これに対し光のパワー又は損失は、従来のシングルモード波長に対して判定される。
【0062】
方法550において、図1を参照して説明された光学試験装置100等の光学試験装置は、552において、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して、第1の波長を有する第1の光信号を放出する。第1の波長は、635nm又は650nm等の可視光波長であり得る。さらに、第1の光信号は、光学試験装置のビジュアルフォルトロケータによって放出され得る。
【0063】
図2を参照して説明された位置検知検出器118等の位置検知検出器は、第1の光信号を捉える。位置検知検出器は、554において、第1の光信号が位置検知検出器に衝突した位置を検出する。本明細書に説明されるように、位置検知検出器は、図1を参照して説明されたプロセッサ116等のプロセッサに位置及び強度を表すデータを出力する。
【0064】
第1の信号を放出した後、光学試験装置は、556において、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して第2の光信号を放出する。第2の光信号は、第2の波長範囲内で、1310nm等の従来のシングルモード波長を有し得る。第2の光信号は、図2を参照して説明された光検出器120等の光検出器によって捉えられる。558において、光検出器は、第2の光信号の強度を検出する。光検出器は、本明細書に説明されるように、プロセッサ116に検出された強度を出力する。
【0065】
560において、光学試験装置は、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して第3の光信号を放出する。第3の光信号は、1550nm等の従来のシングルモード波長を有し得、それは、第2の波長範囲内にある。第3の光信号は、図2を参照して説明された光検出器120等の光検出器によって捉えられる。562において、光検出器は、第3の光信号の強度を検出する。光検出器は、本明細書に説明されるように、プロセッサ116に検出された強度を出力する。
【0066】
564において、プロセッサ116は、その後、光ファイバケーブル(又は光ファイバアレイ110)の光ファイバの全てが試験されたか否かを判定する。否定的判定がなされた場合、光学試験装置は、566において次の光ファイバを試験し、これによって工程552~562が次の光ファイバに対して実施される。
【0067】
564において肯定的判定がなされた場合、プロセッサ116は、568において、光ファイバケーブルの極性並びに第2の波長及び第3の波長についての光のパワー又は損失を出力する。極性は、554で検出された位置情報に基づいて判定される。第1の光信号がシングルモード光ファイバの極性判定に使用されることに留意する。第2の光信号及び第3の光信号は、光のパワー/損失を判定するために使用される。
【0068】
光ファイバによるより短い波長のより大きな減衰によって、一定の実施形態において光学試験装置にとって850nm又は950nm等のより長い波長で光信号を放出する放出体を含むことに性能利点があり得る。ただし、放出体の追加は、光学試験装置のコストを上昇させる。
【0069】
図6は、光ファイバアレイの極性の実例を示す。図6において、光ファイバケーブル104の送信端124の光コネクタ122が示される。本明細書に説明されるように、光ファイバケーブル104は、複数の光ファイバ106を含む。複数の光ファイバ106は、送信端124の光コネクタ122で終結される。複数の光ファイバ106のそれぞれ複数の端面126は、送信端124の光コネクタ122で光ファイバアレイ128を形成する。3つの極性タイプに従って光ファイバケーブル104の受信端132の3つの光コネクタ102a、102b、102cがまた、それぞれ示される。複数の光ファイバ106のそれぞれ複数の端面108は、光ファイバアレイ110a、110b、110cを形成する。光ファイバアレイ110a、110b、110cは、受信端132の光コネクタ102a、102b、102cでそれぞれ形成される。各光ファイバアレイ110a、110b、110cは、それぞれ極性を有する。
【0070】
光ファイバアレイ110a、110b、110cの極性は、送信端124の光ファイバアレイ128内の送信位置と受信端132の光ファイバアレイ110内の受信位置との間の関係を指す。
【0071】
第1の光ファイバアレイ110aは、第1の極性138a(米国国家規格協会/米国電気通信工業会568仕様(ANSI/TIA-568)によって定義された「タイプA」極性として知られている)を有する。第1の極性138aによれば、光ファイバ106の受信位置は、光ファイバ106の送信位置と同一である。送信位置及び受信位置は、光コネクタ102、122のキー140によって参照され得る。例えば、第1の位置は、キー140に対して最も左の位置であってもよく、第2の位置は、キー140に対して左から2番目の位置などであってもよい。図4において光ファイバアレイ110、128は、1列の端面108、126を含むように示されるが、他の実施形態においては光ファイバアレイ110、128が、1列よりも多い光ファイバ端面108、126を有する配置を含む異なる配置を有し得ることに留意する。
【0072】
第2の光ファイバアレイ110bは、第2の極性138b(「タイプB」極性として知られている)を有する。第2の極性138bによれば、光ファイバ106の受信位置が送信位置に対して転置される。したがって、キー140に対して最も左の位置で光ファイバ106内に送信される光信号は、受信端132の光ファイバアレイ110b上のキー140に対して最も右の位置で受信されることになる。同様に、送信端上でキー140に対して左から3番目の位置で光ファイバ内に送信される光信号は、受信端132上の右から3番目の位置で受信されることになる。
【0073】
第3の光コネクタ110cは、第3の極性138c(「タイプC」極性として知られている)を有する。第3の極性138cによれば、光信号の受信位置は送信位置に対して対ごとに転置されることになる。したがって、送信端124上でキー140に対して最も左の位置で光ファイバ106に送信される光信号は、受信端132でキー140に対して左から2番目の位置で受信されることになり、その逆も同様である。同様に、送信端124上でキー140に対して左から3番目の位置で光ファイバ106内に送信される光信号は、受信端132上の左から4番目の位置で受信されることになる。
【0074】
図2を再び参照すると、光信号が位置検知検出器118に衝突した位置を表すデータは、受信端132の光ファイバアレイ110内の光信号の受信位置を判定するために使用され得る。受信位置が一旦判定されると、光ファイバケーブル104又は光ファイバアレイ110の極性は、判定された受信位置及び光信号の既知の送信位置に基づいて、プロセッサ116によって判定され得る。
【0075】
図7は、光ファイバアレイ110から発信された光信号を受信する位置検知検出器118の実例を示す。説明の容易化のため、光スプリッタ123又はレンズの効果又は使用が、図7において無視されることに留意する。位置検知検出器118は、光信号を受信する。光信号が位置検知検出器118上で受信される位置は、光ファイバアレイ110内の光ファイバ106(これを通して光信号が送信される)の端面108の位置に対応する。光信号が受信される位置は、光ファイバアレイ110内の光信号を放出する端面108の位置を示す。位置検知検出器118は、光信号が位置検知検出器118に衝突した位置を検出し、位置を表すデータを出力する。データは、プロセッサ116に出力され得る。プロセッサは、光ファイバケーブル104又はそのアレイ110の極性を判定するためにデータを使用し得る。
【0076】
ファイバケーブル104の極性を判定するために、試験規則が採用され得る。光ファイバケーブル104を試験する間、光信号は、特定の順序で複数の光ファイバ106を介して送信され得る。例えば、光信号は、複数の光ファイバ106を介して、最も左の送信位置から最も右の送信位置まで連続して送信され得る。光ファイバ信号の受信順序が最も左の受信位置から最も右の受信位置までであると判定された場合、光ファイバケーブル104の極性は、図6を参照して説明する第1の極性138aであると判定され得る。逆に、受信順序が最も右の受信位置から最も左の受信位置までであると判定された場合、光ファイバケーブル104の極性は、図6を参照して説明する第2の極性138bであると判定され得る。代替的に、受信順序が、送信順序に関して対ごとに転置されていると判定された場合、光ファイバケーブル104の極性は、図6を参照して説明する第3の極性138cであると判定され得る。
【0077】
試験規則として本明細書に説明された送信順序及び受信順序を使用することの代替として、固有シグネチャを有する光信号が、ケーブルの送信端で特定送信位置を有する光ファイバケーブルを介して送信されてもよい。シグネチャは、光信号の変調又は光信号と関連付けられた波長に基づき得る。例えば、特定の送信位置を有する光ファイバケーブルを介して送信される光信号は、とりわけ、固有のオンオフキーイングパターンを使用して変調されてもよい。代替的に又は追加的に、特定の送信位置を有する光ファイバケーブルを介して送信される光信号は固有の波長を有していてもよい。シグネチャは、光学試験装置100に先験的に既知であってもよい。受信された光信号のシグネチャは、位置検知検出器118によって検出され得、プロセッサ116に出力され得る。例えば、受信された光信号のオンオフキーイングパターンが識別され得る。シグネチャは、送信位置を示し得る。プロセッサ116は、既知の送信位置及び光信号の検出された固有シグネチャに基づいて判定された光信号の検出された受信位置に基づいて、光ファイバケーブル104の極性を判定し得る。
【0078】
図8は、光ファイバケーブル104の極性を判定するための方法800のフロー図を示す。方法800において、図2を参照して説明された光学試験装置100等の光学試験装置は、802において、第1の波長範囲内の波長を有する1つ以上の光信号を放出する。1つ以上の光信号は、それぞれ、光ファイバケーブルの1つ以上の光ファイバを通して放出され得る。本明細書に説明されるように、1つ以上の光信号は、特定順序で1つ以上のそれぞれの光ファイバを通して放出され得る。順序は、1つ以上の光信号の送信位置を示し得る。代替的に又は追加的に、1つ以上の光信号は、その送信位置を示す固有シグネチャを有し得る。1つ以上の光信号が第1の波長範囲内の波長を有するので、1つ以上の光信号は、例えば、上記のようにシリコン光検知エリアを有する位置検知検出器によって確実に検出可能である。
【0079】
804において、図2を参照して説明される位置検知検出器118等の位置検知検出器は、1つ以上のそれぞれの受信位置で1つ以上の光信号を受信する。位置検知検出器は、上記のようにそれぞれの受信位置を判定し、1つ以上の受信位置を表すデータを出力し得る。データは、図2を参照して説明されたプロセッサ116等のプロセッサに出力され得る。
【0080】
806において、光学試験装置は、光ファイバケーブルの極性を判定する。本明細書に説明されるように、光ファイバケーブルの極性は、1つ以上の光信号の1つ以上の受信位置及び1つ以上のそれぞれの送信位置に基づいて判定され得る。
【0081】
一実施形態において、光学試験装置の光スプリッタは、反射コートによって置換され得る。反射コートは、第2の波長範囲内の波長を有する光信号を反射し、第1の波長範囲内の波長を有する光信号を反射することなく通過させ得る。
【0082】
図9は、一実施形態による、光ファイバケーブル104に接続された光学試験装置100cを示す。図3を参照して説明された光学試験装置100aのものと類似である光学試験装置100cの要素は、同一参照番号を有する。
【0083】
位置検知検出器は、反射コート136によって被覆される。反射コートは、透明であり得、第1の波長範囲内の波長(例えば、950nm未満)を有する光信号を通過させ得る。反射コートは、第1の波長範囲の外側又は第2の範囲(例えば、950nmを超える)波長を有する光信号を反射し得る。位置検知検出器118及び反射コート136は、第1の光軸上に位置付けられる。位置検知検出器118は、反射コート136を通過する光信号を受信する。光検出器120及び反射コート136は、第1の光軸に交差する第2の光軸上に位置付けられる。光検出器120は、反射コート136によって反射される光信号を受信する。
【0084】
一実施形態において、光学試験装置100は、位置検知検出器118の定位置に画像センサを含み得る。画像センサは、極性判定のために使用され得る。画像センサは、光信号が画像センサに衝突した位置を判定可能であり得、光信号は、可視光波長を有する可視光信号であるか又は可視光範囲近傍の波長を有し得る。画像センサは、光信号並びに近赤外線(near infrared、NIR)信号及び短波赤外線(short wave infrared、SWIR)信号に応答し得る。例えば、画像センサは、可視光スペクトルの一端と1000nmとの間の光信号に応答し得る。画像センサは、可視光スペクトル内の光信号の強度を判定可能ではない場合がある。
【0085】
図10は、光ファイバケーブル104を試験するための方法1000のフロー図を示す。光ファイバケーブル104は、マルチモード又はシングルモードの光ファイバケーブルであり得る。光ファイバケーブル104がマルチモード光ファイバケーブル104であるとき、光ファイバケーブル104の光のパワー又は損失は、850nm及び1300nm等のマルチモード送信波長で試験され得る。光ファイバケーブル104がシングルモード光ファイバケーブル104であるとき、光ファイバケーブル104の光のパワー又は損失は、1310nm及び1550nm等のシングルモード送信波長で試験され得る。
【0086】
方法1000は、図1を参照して説明された光学試験装置100等の光学試験装置によって実施され得る。光学試験装置は、本明細書に説明されるようにビジュアルフォルトディテクタ(Visual Fault Detector)を備え得、可視光を放出し得る。さらに、光学試験装置は、画像センサを備え得、これは、可視光光信号が画像センサに衝突した位置を判定する。光ファイバケーブル104の極性は、本明細書に説明されるように画像センサによって判定された位置に少なくとも部分的に基づいて判定され得る。
【0087】
方法1000において、図1を参照して説明された光学試験装置100等の光学試験装置は、1002において、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して、可視光スペクトル内の第1の波長を有する第1の光信号を放出する。さらに、第1の光信号は、近赤外線(NIR)範囲又は短波赤外線(SWIR)範囲内の波長を有し得る。例えば、第1の光信号は、1000nmまでの波長を有し得る。画像センサは、1004において、第1の光信号が画像センサに衝突した位置を検出する。画像センサは、プロセッサ116に位置を出力する。
【0088】
第1の光信号を放出した後、光学試験装置は、光ファイバケーブル104の光のパワー又は損失を試験するように進む。光学試験装置は、1006において、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して第2の光信号を放出する。第2の光信号は、第2の波長を有する。光ファイバケーブル104がマルチモードケーブルであるとき、第2の波長は、850nm等のマルチモード送信波長であり得る。光ファイバケーブル104がシングルモードケーブルであるとき、第2の波長は、1310nm等のシングルモード送信波長であり得る。
【0089】
第2の光信号は、図2を参照して説明された光検出器120等の光検出器によって捉えられる。1008において、光検出器は、第2の光信号の強度を検出する。光検出器は、本明細書に説明されるように、プロセッサ116に検出された強度を出力する。
【0090】
1010において、プロセッサ116は、その後、光ファイバケーブル104の光ファイバ106を通して第3の光信号を放出する。第3の光信号波、第3の波長を有する。光ファイバ106又は光ケーブル104がマルチモードである場合、第3の波長は、1300nm等のマルチモード送信波長であり得る。光ファイバ106又は光ケーブル104がシングルモードである場合、第3の波長は、1550nm等のシングルモード送信波長であり得る。
【0091】
第3の光信号は、図2を参照して説明された光検出器120等の光検出器によって捉えられる。1012において、光検出器は、第3の光信号の強度を検出する。光検出器は、本明細書に説明されるように、プロセッサ116に検出された強度を出力する。
【0092】
プロセッサ116は、その後、1014において光ファイバケーブル(又は光ファイバアレイ110)の光ファイバの全てが試験されたか否かを判定する。否定的判定がなされた場合、光学試験装置は、1014において次の光ファイバを試験し、これによって工程1002~1012が次の光ファイバに対して実施される。
【0093】
肯定的判定がなされた場合、プロセッサ116は、1018において、光ファイバケーブルの極性並びに第2の波長及び第3の波長についての光のパワー又は損失を出力する。極性は、画像センサによって検出された位置情報に基づいて判定される。
【0094】
上に記載した種々の実施形態を組み合わせ、さらなる実施形態を得てもよい。上記の発明を実施するための形態を考慮すれば、これら及び他の変更が実施形態に加えられ得る。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、本明細書及び特許請求の範囲に開示される具体的な実施形態に限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、このような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに全ての可能な実施形態を含むものと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって制限されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10