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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】電流検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/00 20060101AFI20230330BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20230330BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
G01R15/00 500
G01R19/00 B
H05K3/46 Q
H05K3/46 N
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018172587
(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公開番号】P2020046207
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000105350
【氏名又は名称】KOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 孝典
(72)【発明者】
【氏名】木下 宮仁
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-002333(JP,A)
【文献】国際公開第2013/002308(WO,A1)
【文献】特開2017-033664(JP,A)
【文献】特開2006-073903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/00
G01R 19/00
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絶縁層が積層された積層体と、
前記積層体の内層に設けられ、絶縁層に形成された開口部内に配置された電流検出素子であって、前記電流検出素子は、抵抗体およびその両端に接続された電極を備えた、電流検出素子と、
前記電流検出素子と層間絶縁層を介して設けられ、前記電流検出素子に電流を流す電流用配線と、
前記電極と前記電流用配線とを前記層間絶縁層を貫通して接続する複数の電流用ビアであって、前記複数の電流用ビアは、前記抵抗体に近い位置で前記電極に接続されたビアと、このビアよりも抵抗体から離れた位置で前記電極に接続されたビアとを含む、複数の電流用ビアと、
前記電流検出素子と電気的に接続され、電流検出素子の電圧降下を取得するための電圧検出用ビアと、を有する
電流検出装置。
【請求項2】
さらに、前記電圧検出用ビアにより前記電流用配線と接続される電圧用配線が設けられている請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項3】
前記複数の電流用ビアは、前記電流検出素子の抵抗体に近接する位置に設けられている近接ビアを含む請求項1又は2に記載の電流検出装置。
【請求項4】
前記電圧検出用ビアは、前記近接ビアに少なくとも一部が重なるように配置されている請求項3に記載の電流検出装置。
【請求項5】
前記近接ビアと前記電圧検出用ビアとは、前記電流用配線を介在させて接続されている請求項3または4に記載の電流検出装置。
【請求項6】
前記近接ビアの径は、前記電圧検出用ビアの径よりも大きい請求項3から5までのいずれか1項に記載の電流検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の絶縁層(セラミック層)が積層された積層体に電流検出用の抵抗素子が内蔵された抵抗素子内蔵基板からなる電流検出装置が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1では、積層された複数の絶縁層を貫通するビア内に金属ビアを埋め込んで抵抗器の電極と接続させることで、積層基板内に内蔵されている抵抗器の放熱効果を向上させるようにしている。
【0004】
特許文献2では、特許文献1と同様の構造において、所定方向に配列される複数の第1(第2)のセンス用ビア導体の数を調整することにより、第1(第2)のセンス用ビア導体それぞれのビア径を調整せずとも、複数の第1(第2)のセンス用ビア導体を並列接続することで疑似的に抵抗器の抵抗膜の幅Wを大きくして、疑似的に抵抗膜の幅を調整する技術が開示されている。
【0005】
これにより、電流検出用抵抗が有する抵抗膜に接続される各第1、第2のセンス用ビア導体の径を変更することなく積層体に設けられる電流検出用抵抗の抵抗値の設計を容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-239142号公報
【文献】特開2015-002333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、電流検出装置を小型化していく上で、抵抗器の内蔵化が進んでおり、内層として厚銅パターンの形成が可能になってきていることから、比較的大電流が流れるシャント抵抗器において、基板実装型の代わりに積層基板内への内蔵化も検討されている。
ところが、従来の基板実装型では、シャント抵抗器の適切な使用方法として、電流パターン及び、電圧検出パターンの引き回しが検証されているものの、基板内蔵型の電流検出装置に対しては、適切な電圧検出構造およびそれに関する電流検出精度の向上についてはほとんど提案がなされていなかった。
【0008】
本発明は、基板内蔵型の抵抗器を用いた電流検出装置における、電流検出精度の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によれば、複数の絶縁層が積層された積層体と、前記積層体の内層に設けられた電流検出素子と、前記電流検出素子と層間絶縁層を介して設けられ、前記電流検出素子に電流を流す電流用配線と、前記電流検出素子と前記電流用配線とを前記層間絶縁層を貫通して接続する複数の電流用ビアと、前記電流検出素子と電気的に接続され、電流検出素子の電圧降下を取得するための電圧検出用ビアと、を有する電流検出装置が提供される。
【0010】
さらに、前記電圧検出用ビアにより前記電流用配線と接続される電圧用配線が設けられていることが好ましい。
前記複数の電流用ビアは、前記電流検出素子の抵抗体に近接する位置に設けられている近接ビアを含むことが好ましい。
前記電圧検出用ビアは、前記近接ビアに少なくとも一部が重なるように配置されていても良い。
【0011】
前記近接ビアと前記電圧検出用ビアとは、前記電流用配線を介在させて接続されているようにすると良い。
前記近接ビアの径は、前記電圧検出用ビアの径よりも大きいようにしても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板内蔵型の抵抗器を用いた電流検出装置において、電流検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態による電流検出装置の一構成例を示す分解斜視図である。
図2図1の構造の断面図である。
図3】電流用配線が形成されたシートの一構成例を示す斜視図である。
図4A】シャント抵抗器とビアとの構成例を示す斜視図である。
図4B図4Aにおける電流用ビアと電圧検出用ビアとの位置関係の一例を示す図である。
図5】電流検出装置の回路構成例を示す機能ブロック図である。
図6図4Aの構造の第1変形例による斜視図である。
図7図4Aの構造の第2変形例による斜視図である。
図8図4Aの構造の第3変形例による斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態による電流検出装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による電流検出装置の一構成例を示す分解斜視図である。図2は、図1の構造の断面図である。図4Aは、電流用配線が形成されたシートの一構成例を示す斜視図である。図4は、パッシブデバイス、例えば、シャント抵抗器とビアとの詳細な構成例を示す斜視図である。図4Bは、図4Aにおける電流用ビアと電圧検出用ビアとの位置関係の一例を示す図である。
図1図2および図3に示すように、本実施の形態による電流検出装置Aは、複数の絶縁層、例えば、酸化バリウム、シリカ、アルミナなどを主成分とするセラミック材料により形成された複数のセラミックグリーンシート11…,17,21,31が下から順番に積層され、焼成されることにより形成されるセラミック積層体として構成されている。なお、セラミック材料の他に、樹脂系の基板を多層にした樹脂多層基板により本発明を構成してもよい。
【0015】
ベース基板Bは、例えば、セラミックグリーンシート11-1,2、3,…,n(nは1以上の整数)の積層体から構成されている。この積層体からなるベース基板には、それぞれのセラミックグリーンシート11-3,…,nに、例えば、積層したときに同じ領域に開口部15-3,…,nが形成されている。
このように、開口部は、必ずしも全てのセラミックグリーンシート11-1,2,3,…,nに形成しなくても良い。例えば、下層のセラミックグリーンシート11-1,2には開口部を設けない例を図1に示した。この場合には、シャント抵抗器1は、開口部15が形成されていない第1のベース基板B1上であって、開口部15が形成されている第2のベース基板B2内の当該開口部15に配置されている。
【0016】
この開口部15-3,…,n内であってセラミックグリーンシート11-1,2上に、シャント抵抗器1が埋め込まれる。シャント抵抗器1は、例えば、抵抗体3と、その両端に接続される第1の電極5a、第2の電極5bを有している。
第1の電極5a、第2の電極5bは、Cuなどの導電性の金属材からなる。抵抗体3用の材料としては、Cu-Ni系、Cu-Mn系、Ni-Cr系などの金属材料を用いることができる。シャント抵抗器1は、Cu-Ni系などの単体の金属でもよく、また抵抗金属材からなる被膜構造のものでもよい。これらを電流検出素子と総称する。
【0017】
さらに、セラミックグリーンシート11-1~nの上には、セラミックグリーンシート17,21,31などが配置されて積層体を構成している。このようにして、シャント抵抗器1は、積層体の内層に設けられる。
上記の構造を形成した後に、プレス処理、低温焼成処理を行うことで、セラミックグリーンシートが一体化する。セラミックグリーンシートにガラスを混ぜておくことで、800℃程度の比較的低温で焼成を行うことができる。従って、シャント抵抗器1や後述するAgなどを含む金属配線などを形成した後に一体化のための焼成処理を行うことが可能になる。
【0018】
セラミックグリーンシート17には、シャント抵抗器1の第1の電極5a、第2の電極5bを含む領域の上に、それぞれ第1の電流用配線41aと第2の電流用配線41bが形成されている。第1の電流用配線41aと第2の電流用配線41bは、例えばスクリーン印刷などにより形成される。
セラミックグリーンシート17には、第1の電極5aと第1の電流用配線41aとが積層方向に重なっている領域に、複数の貫通孔(コンタクトホール:CH)内にそれぞれ埋められている導電性のビア(金属ビア,導電ビアなどとも称する。)18a-1,2,3,…,18a-9(18aと総称する)が形成されている。
【0019】
さらに、セラミックグリーンシート17には、第2の電極5bと第2の電流用配線41bとが積層方向に重なっている領域に、それぞれがセラミックグリーンシート17の面内方向に離間した領域に設けられた比較的狭い面積の複数の貫通孔内にそれぞれ埋められている導電性のビア18b-1,2,3,…18b-9(18bと総称する)が形成されている。また、電流用ビアを総称して符号18で示す。
例えば、針状の部材を配列した孔形成用の治具を用いてセラミックグリーンシート17を穿孔することにより、貫通孔を形成し、導電性金属を充填することで、導電性のビアを形成することができる。
以上のように、セラミックグリーンシート17、21は、配線とシャント抵抗器との間の層間絶縁層としても機能する。
【0020】
セラミックグリーンシート21は、セラミックグリーンシートの積層シート21-1,21-2,…21-mから構成されている。積層シート21-1,21-2,…21-mのそれぞれには、電流ビア18a-2、18b-2のそれぞれに、垂直方向に対応する位置に設けられたビア導体23-1a~23-ma、ビア導体23-1b~23-mbが設けられている。このビア導体23-1a~23-ma、ビア導体23-1b~23-mbは、セラミックグリーンシート31に設けられた電圧用配線33a,33bに電気的に接続される。
【0021】
ビア18a、18bの数は任意であるが、例えば、3×3、或いは、7×3などのように整列されて配置されていても良い。以下、このビア18a、18bを、「電流用ビア」と称する。また、複数の電流用ビアの面内での配置例としては、例えば、シャント抵抗器1の長手方向(電極-抵抗-電極の配置方向)に対して、平行な方向とこれと直交する方向にそれぞれの電流用ビア間に所定の距離をおいて整列配置することができる。図1以下の例では、3×3の配列を基本例として説明する。
【0022】
図2でも示すとおり、複数の電流用ビア18により、第1の電極5aと第1の電流用配線41a、第2の電極5bと第2の電流用配線41bとをそれぞれ電気的に接続されている。従って、第1の電流用配線41aと第2の電流用配線41b間に流れる電流をシャント抵抗器1により検出することができる。ビア導体23-1a~23-ma、ビア導体23-1b~23-mbはそれぞれ電圧検出用ビア19を構成している。一方の電圧検出用ビア19は、第1の電流用配線41aを介して、電流ビア18a-2と略直線状となるように積層形成されている。他方の電圧検出用ビア19は、第2の電流用配線41bを介して電流ビア18b-2と略直線状となるように積層形成されている。
【0023】
このように、セラミックグリーンシート17内に形成されている多数の電流用ビア18によりシャント抵抗器1の電極と電流用配線41a、41bとを絶縁性のセラミックグリーンシート17を介して電気的に接続することで、シャント抵抗器1に大電流を安定して流すことができる。
【0024】
従って、電流検出装置Aの動作を安定させることができ、電流検出装置Aの動作に関する信頼性を向上させることができる。また、電流検出装置Aにおける電流検出精度を向上させることができる。
【0025】
図4Aは、シャント抵抗器1と電流用ビア18との詳細な一構成例を示す斜視図である。併せて、第1の電極5aと第2の電極5bとの間の電圧降下を取得するための電圧検出用ビアを示している。図4Bは、図4Aにおける電流用ビアと電圧検出用ビアとの位置関係の一例を示す図である。
【0026】
図4Aにおける左半分の領域には、電流用配線41aを点線で示してビア構造を明示しており、右半分の領域には電流用配線41bを実線で示して電圧用配線33bを点線で示している。図6図8においても同様である。電流用配線41の下方に位置するビア18は、電流用ビアである。電流用配線41a,41bを介在して、電流用ビア18と電圧検出用ビア19とが、セラミックグリーンシート17の積層方向に積み重ねられた構造を有している。
【0027】
シャント抵抗器1の抵抗体3に最も近い電流用ビアである例えば近接ビア18a-1から3,近接ビア18b-1から3までのうちの1つである近接ビア18a-2、18b-2の上方に、それぞれ電圧検出用ビア19が積み重ねられている。
そして、電圧検出用ビア19上には、電圧用配線33a,33bが形成されている。このように構成することで、第1の電極5a,第2の電極5bのそれぞれのうち、抵抗体3に最も近い位置に電圧検出用ビア19を配置することができる。従って、電圧検出用ビア19と抵抗体3との距離を短くすることができ、シャント抵抗器1のCu等で形成された電極5a,5bによるTCRの影響を抑制することができる。図4Bは、電圧検出用ビア19と、その下方に位置する電流用ビア18との位置関係を示している。図4B(a)は、電圧検出用ビア19と、電流用ビア18がX方向にずれた例である。ただし、電圧検出用ビア19と電流用ビア18は重なり部分を有しているため、電流検出精度は維持できる。一方、図4B(b)は、電圧検出用ビア19と電流用ビア18がY方向にずれた例であり、重なり部分を有していない。図示は省略しているが、電圧検出用ビア19と電流用ビア18は、配線41により導通している。電流検出用ビア19は、電極5における可能な限り抵抗体3に近接した部分に接続することが望ましい。しかし、図4B(b)の例は、電流用ビア18とずれた分だけ、電流経路を構成するCuの配線41を経由することになり、実質的に電圧検出用ビアが抵抗体3から離れた位置に接続される構造となる。よって、配線41等のTCRの影響を受けることとなり、高精度の電流検出においては好ましくない。
【0028】
図5は、電流検出装置の回路構成例を示す機能ブロック図であり、シャント抵抗器1を実装した状態の一例を示す図である。セラミックグリーンシート17に形成された配線41a,41b間に、シャント抵抗器1が配置されている。シャント抵抗器1の電極5a,5bには、電圧測定のための電圧用配線19,19がそれぞれ接続されている。電圧用配線19,19の他端は、ICに接続されている。なお、ICは図1図2等では省略しているが、積層体で構成した電流検出装置Aに搭載したり、内蔵したり、あるいは電流検出装置Aとは別体とされ、配線接続される。全体として電流検出用モジュールXを構成する。ICは、A/D変換回路63、増幅回路65、マイコン67等が組み込まれ、電圧信号に応じた信号を各種機器に出力する。この構造により、配線41a,41bの電流をシャント抵抗器1により計測することができる電流検出用モジュールXを構成することができる。
【0029】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、基板内蔵型のシャント抵抗器を用いた電流検出装置において、電流検出精度を向上させることが可能である。また、電流検出装置の信頼性を高めることができる。さらに、TCRの影響を抑制することができる。
以下に、本実施の形態の電流検出装置の変形例について説明する。
【0030】
(第1変形例)
図6は、本実施の形態の第1変形例による電流検出装置におけるシャント抵抗器とビアの構造を説明する斜視図であり、図4Aに対応する図である。図6に示すように、第1変形例によれば、電流用ビア18a-2の径R1(図では18-7のところに符号を付している。)よりも、電圧検出用ビア19の径R2を小さくしている。電流用ビア18b-2も同様である。
【0031】
このようにすることで、電圧検出用ビア19を電流用ビア18の面内に収めやすく、電圧検出用ビア19と電流用ビア18との相対位置がセラミックグリーンシート(17)の面内方向に多少ずれて積層されてしまった場合でも、位置ずれに起因する電流検出精度への影響を抑制することができる。
【0032】
(第2変形例)
図7は、本実施の形態の第2変形例による電流検出装置におけるシャント抵抗器とビアの構造を説明する斜視図であり、図4Aに対応する図である。
図7に示すように、第2変形例によれば、電圧検出用ビア19を、電流用配線41a,41bを介在させずに、シャント抵抗器1の電極5a,5bに直接接続するようにしている。すなわち、電流用ビア18は、抵抗体3に近い領域AR1、AR2には設けられていない。電流用ビア18は複数設けられている。
【0033】
このようにすれば、電流用ビア18と電圧検出用ビア19との位置合わせ工程が不要になるという利点がある。
ただし、電流用配線41a,41bの接続有効面積は、電圧検出用ビア19の専用領域を確保する必要があるため、本実施の形態の他の例と比べて小さくなる。
【0034】
(第3変形例)
図8は、本実施の形態の第3変形例による電流検出装置におけるシャント抵抗器とビアの構造を説明する斜視図であり、図4Aに対応する図である。
図8に示すように、第3変形例によれば、電流用ビア18は複数形成されており、電流用配線41a,41bの接続有効面積は確保されている。電圧検出用ビア19を、電流用ビア18a-2と18a-3との間であって抵抗体3と電極5a,5bとの接続面が延在する方向に関して距離L3だけずらして配線している。電極5b側も同様である。
【0035】
このようにすれば、電流用ビア18は複数形成されているため、安定した電流経路を確保できる。また、電圧検出用ビア19が、電流用ビア18a-2とも、電流用ビア18a-3とも重なっていないため、電流用ビア18と電圧検出用ビア19とを位置合わせしなくて良いという利点があるものの、本実施の形態の他の例と比べ電流の検出精度は劣る。
【0036】
上記の実施の形態において、図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。 また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、電流検出装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
A 電流検出装置
B ベース基板
X 電流検出用モジュール
1 シャント抵抗器
3 抵抗体
5a 第1の電極
5b 第2の電極
11-n,…,1 ベース基板用セラミックグリーンシート(絶縁層)
15-3,…,n 開口部
17,21 セラミックグリーンシート(層間絶縁層)
18a-1,2,3,…9 電流用ビア
18b-1,2,3,…9 電流用ビア
18a-1,2,3 近接ビア
18b-1,2,3 近接ビア
19 電圧検出用ビア
31 セラミックグリーンシート(電圧用配線を形成する上層絶縁層)
33a 第1の電圧用配線
33b 第2の電圧用配線
41a 第1の電流用配線
41b 第2の電流用配線
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8