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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】手袋交換装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
C12M1/00 Z
C12M1/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018236493
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020096561
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】399051858
【氏名又は名称】株式会社 ジャパン・ティッシュエンジニアリング
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093388
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206302
【弁理士】
【氏名又は名称】落志 雅美
(72)【発明者】
【氏名】森 由紀夫
(72)【発明者】
【氏名】中澤 賢
(72)【発明者】
【氏名】中岡 将士
【審査官】小林 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06053380(US,A)
【文献】米国特許第04228935(US,A)
【文献】特開2002-336271(JP,A)
【文献】特開2001-299558(JP,A)
【文献】特開昭59-213438(JP,A)
【文献】特開2016-117003(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102552489(CN,A)
【文献】特開2015-136419(JP,A)
【文献】特開2007-163053(JP,A)
【文献】特開2008-260119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00- 3/10
A61B 34/00-90/98
A41D 13/00-13/12;20/00
A41D 19/00-19/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方の一部に開口部(10a)を有し、内部上方部を新手袋着用部(10b)、下方部を使用済み手袋脱用部(10c)としてなる筐体(10)と、
前記新手袋着用部(10b)に配設され、複数の穿孔(1b)を有し上下のガイドレールで支持される鋼板(1a)と、前記穿孔(1b)に着脱可能に挿入されるリング状の手袋取付部材(2)とでなる新手袋着用ユニット(1)と、
前記使用済み手袋脱用部(10c)の前記開口部(10a)下端縁内部に設けられた使用済み手袋脱用具(4)と、
該使用済み手袋脱用具(4)で取り外された使用済み手袋(30)を回収する使用済み手袋回収容器(5)
とで構成され、
前記手袋取付部材(2)が、作業者の手が挿入される側の端部にフランジ(2a)を具え、反対側の端部外周に新しい手袋(20)を取り付けるリング状のつば(2b)を設けてなり、
作業者の手が挿入され新しい手袋(20)が手に着用されたら前記手袋取付部材(2)は前記使用済み手袋回収容器(5)に回収される
ものであることを特徴とする手袋交換装置。
【請求項2】
前記新手袋着用ユニット(1)の前記筐体(10)内への配設が、筐体(10)のいずれか一方の側面から上下のガイドレール(3、3’)に沿って挿入されるよう構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の手袋交換装置。
【請求項3】
前記使用済み手袋脱用具(4)が、前記筐体(10)の開口部(10a)下端縁に取り付けるための棒材(4c)の先端に筐体(10)の内側斜め上方に向けて一体として形成され、上部が一部切り欠かれたリング状部材(4a)と、前記リング状部材(4a)の切り欠け部の両端部と前記リング状部材(4a)の側方下部内側に設けられた半球状の突起(4b)によって形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の手袋交換装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の手袋交換装置が、装置内の空気を循環させて清浄化する空気循環清浄機構を具備してなることを特徴とする手袋交換装置。
【請求項5】
前記空気循環清浄機構が、筐体(10’)内部にその上部と後部とが筐体内の空気の循環路(8)となるよう配設された断面倒立L字状の隔壁(12)と、該隔壁(12)の水平部の中央部の穿孔を挟んで上下に配設された筐体(10’)内の空気を循環させるファン(6)と、循環空気を清浄化するフィルター(7)、及び前記隔壁(12)の下部に形成された複数の空気吸込み口(12’)とで構成され、前記隔壁(12)と筐体(10’)内壁面と間の空間を空気循環路(8)として機能させてなることを特徴とする請求項4に記載の手袋交換装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の手袋交換装置が、前記空気循環清浄機構の動力源として2次電池を備えてなり、前記2次電池が、該手袋交換装置が設置される室内に設けられた充電ステーションで充電可能又は放電・充電可能であることを特徴とする手袋交換装置。
【請求項7】
請求項6に記載の手袋交換装置が、室内に設けられた安全キャビネット側からの信号によって前記充電ステーションと所定の場所との間を自走移動可能な走行機構を具備してなることを特徴とする手袋交換装置。
【請求項8】
請求項1に記載の手袋交換装置を用いる手袋交換方法であって、
前記新手袋着用ユニット(1)の初期状態は、前記新しい手袋(20)を前記リング状のつば(2b)に取り付けた手袋取付部材(2)が、鋼板(1a)の穿孔(1b)に前記リング状のつば(2b)とともに端部のフランジ(2a)を接して装着されていて、
前記新手袋着用ユニット(1)の第一手順終了時点の状態は、作業者が前記手袋取付部材(2)に手を差し込んで新しい手袋(20)を指先を主に接して着用していて、
前記新手袋着用ユニット(1)の第2手順終了時点の状態は、作業者が新しい手袋(20)を着用した手をさらに奥へ突き出すことによって前記手袋取付部材(2)から新しい手袋(20)の開口縁がめくれて外れ、手首周りに密着した新しい手袋(20)の装着が完了しており、この時、手には鋼板(1a)の穿孔(1b)から離脱した、前記手袋取付部材(2)が手首回りに取り付いていて、
前記新手袋着用ユニット(1)の最終手順の状態では、無菌状態の手袋取付部材(2)を新しい手袋(20)を装着した手で、鋼板(1a)の穿孔(1b)から手前に払い落として、使用済み手袋回収容器(5)内に脱落収容させている、
ことを特徴とする手袋交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、iPS細胞やES細胞をはじめとする幹細胞の培養を基に再生医療や薬剤の研究施設や、その研究成果を発展させて再生医療製品や薬剤を生産する工場施設等の細胞加工室に配設された安全キャビネットにおいて、引き続き異なる検体を無菌状態で取り扱う際に必要となる作業者の手袋の交換を、新旧の手袋の表面に一切触れることなく実施できる手袋交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
iPS細胞やES細胞をはじめとする幹細胞を基に再生医療製品や薬剤の開発研究のために培養操作を行う研究施設や工場施設などの細胞加工室において、一つの検体について一台の安全キャビネットで細胞培養操作を行う場合、当然他の微生物である細菌やウイルスなどが入り込まないよう無菌操作を行う必要があり、また細胞培養操作のような幹細胞に各種細かな作業を行うには、熟練した作業者なくして再生医療製品や薬剤を作ることはできない。
しかし、人の介在は汚染の原因になる。人が動けばほこりが立ち、皮膚のかけらが落ちれば異物となリ、汗にも微生物が含まれ、無菌操作では汚染の一因となる。
そこで作業者は、作業衣(無塵衣や無菌衣)に着替え、キャップ、手袋、ゴーグルといった付属品を身につけることで汚染を防止する。そして更衣や、衣装である付属品の洗浄操作などが必要となる。
作業者の更衣は求められる清浄度区分に応じて設定管理される。その他の支援区域(グレードC)とされるISO8クラスの区域から、無菌操作区域・直接支援区域(グレードB)とされるISO7クラスの区域へ移動する場合は、無塵衣から無菌衣へ更衣することとされている。そして、この更衣に際しては、作業衣のどこが細胞レベルで汚れているかを考慮してその手順を明確に示す更衣手順(チェンジオーバー)が決められている。これにより無菌更衣終了時には作業者が滅菌済みの着衣で覆われていることを保証するのである。
そして無菌衣への更衣を終えた作業者は、除染滅菌された安全キャビネット内における機器・器具を用いて、一つの検体の培養操作を行う。
そして培養操作後の検体は、培養を進めるためにインキュベータなどに移動され、その後、安全キャビネット内の除染(薬液での拭き取り等)や使用器具の滅菌、無菌衣の脱衣後の滅菌洗浄をそれぞれ行い、次の検体の培養操作に備えることとなる。
【0003】
また、iPS細胞やES細胞をはじめとする幹細胞を基に再生医療製品や薬剤の開発研究のために培養操作を行う研究施設や工場施設などにおいては複数の安全キャビネットが配設された大部屋方式の細胞加工室(クリーンルーム)において、安全キャビネットごとに異なる検体が(数人の患者の細胞)が取り扱われる場合がある。この場合、特に安全キャビネット内に差し入れる手袋には、雑菌は付着していないとしても先に扱った検体が付着していることが想定され、これが後に扱う検体に混入してしまうという交叉汚染の心配がある。そのため、雑菌などの汚染が抑えられている同じISO7クラス内の移動においても、一人の作業者が異なる安全キャビネットにセットされた異なる検体を引き続き取り扱う場合には、異なる安全キャビネットに移動する前に使用した手袋の交換をしないと、検体の交叉汚染が発生する恐れがある。
従来はこの交叉汚染を防止するため、作業者は従来の更衣手順に従い一旦無菌操作区域ISO7クラスの細胞加工室外の更衣室に出て手袋を交換し、新しい手袋を無菌衣の更衣手順に従い装着してから、再度入室して別の安全キャビネットでの作業をする必要があった。これによって更衣手順はしっかり遵守できるが、いちいち細胞加工室から更衣室へ出なければならず、大部屋に複数の安全キャビネットをまとめて配置する意図:効率化に鑑みると実施できないのが現状である。
また、細胞加工室内での手袋の汚染は、培養操作による別検体の付着に限定できると考えて、細胞加工室内において使用済み手袋に除染薬剤を噴霧して処理した後に次の安全キャビネットに移動とするという考えもあるが、噴霧圧により薬剤液滴が使用済み手袋表面に付着した検体等を細胞加工室内に拡散し汚染させてしまうリスクや、薬液噴霧ボタンなどをいつも触ると前記ボタンから手に検体が付着するというリスク、あるいは噴霧された薬剤液滴が手袋の全表面にわたって覆うのが難しく完全な除染ができないリスクもあるためこれも使用できない。
【0004】
このような問題を解決する方法として、手袋の着脱装置が開示されている。
例えば、特許文献1には、
『[請求項1]指被い部を着装口部よりも下方に位置した状態で手袋の着装口部の外周面を受ける手袋支持部と、前記指被い部に位置し、上方に向けて回動するフラップと、前記フラップを上方に付勢する弾性部材とを有することを特徴とする手袋着脱装置。
[請求項2]前記手袋支持部は、上方から下降圧力を受けたときに、下方に移動して上方への付勢力を蓄えるものであることを特徴とする請求項1記載の手袋着脱装置。
[請求項3]前記フラップとの間で前記指被い部を挟み込む平面部を具備し、前記フラップは、先端に支軸回りの回動を限定的に許容され、角部とこれに続く面部を有する稼動爪を具備し、前記手袋が上方へ移動する際に稼動爪が回転し、前記面部と前記平面部との間で前記指被い部を挟み込むことを特徴とする請求項1記載の手袋着脱装置。』
が開示されている。
この装置にあっては、装着した手袋を同装置によって取り外した後に装置内で保持されるので、一時的な検体の拡散による汚染は防止できるが、該装置は、取り外した手袋を再度着用して使用することを目的としており、別途新たな手袋を装着しなければならない場合には対応ができない。また、手袋の指被い部の先端を挟み込む稼動爪が接触し、その摩擦で着脱させるが、手袋表面と稼動爪や平面部とが接触するので汚染検体が前記稼動爪や平面部に付着すると、装着するすべての手袋が汚染される。
また、使用済み手袋については、汚染を防止するために確実に回収する必要があるが、上記装置においては、使用済み手袋を回収するという技術思想は開示されておらず、複数の安全キャビネットが配設された大部屋方式のクリーンルームにおける手袋交換にあたって、クリーンルーム内の汚染や作業者の手への検体の付着を完全に防止することはできず、結局、作業者は、一旦クリーンルーム外に出て手袋を交換し、新しい手袋を装着してから、クリーンルームに戻ってくるという手間暇かかる煩雑な手順を回避することができず、作業効率がよくないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-136419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記背景技術に鑑み、従来にはない新旧の手袋の表面に一切触れることなく交換でき、かつ使用済み手袋を安全に回収可能とした手袋交換装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を下記手段により解決した。
(1)前方の一部に開口部を有し、内部上方部を新手袋着用部、下方部を使用済み手袋脱用部としてなる筐体と、前記新手袋着用部に配設され、複数の穿孔を有し上下のガイドレールで支持される鋼板と、前記穿孔に着脱可能に挿入されるリング状の手袋取付部材(2)とでなる新手袋着用ユニットと、前記使用済み手袋脱用部の前記開口部下端縁内部に設けられた使用済み手袋脱用具と、
該使用済み手袋脱用具で取り外された使用済み手袋を回収する使用済み手袋回収容器とで構成され、前記手袋取付部材が、作業者の手が挿入される側の端部にフランジを具え、反対側の端部外周に新しい手袋を取り付けるリング状のつばを設けてなり、作業者の手が挿入され新しい手袋が手に着用されたら前記手袋取付部材は前記使用済み手袋回収容器に回収されるものであることを特徴とする手袋交換装置。
(2)前記新手袋着用ユニットの前記筐体内への配設が、筐体のいずれか一方の側面から上下のガイドレールに沿って挿入されるよう構成されてなることを特徴とする前記(1)に記載の手袋交換装置。
(3)前記使用済み手袋脱用具が、前記筐体の開口部下端縁に取り付けるための棒材の先端に筐体の内側斜め上方に向けて一体として形成され、上部が一部切り欠かれたリング状部材と、前記リング状部材の切り欠け部の両端部と前記リング状部材の側方下部内側に設けられた半球状の突起によって形成されてなることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の手袋交換装置。
(4)前記(1)~(3)に記載の手袋交換装置が、装置内の空気を循環させて清浄化する空気循環清浄機構を具備してなることを特徴とする手袋交換装置。
【0008】
(5)前記空気循環清浄機構が、筐体内部にその上部と後部とが筐体内の空気の循環路となるよう配設された断面倒立L字状の隔壁と、該隔壁の水平部の中央部の穿孔を挟んで上下に配設された筐体内の空気を循環させるファンと、循環空気を清浄化するフィルター、及び前記隔壁の下部に形成された複数の空気吸込み口とで構成され、前記隔壁と筐体)内壁面と間の空間を空気循環路として機能させてなることを特徴とする前記(4)に記載の手袋交換装置。
(6)前記(4)又は(5)に記載の手袋交換装置が、前記空気循環清浄機構の動力源として2次電池を備えてなり、前記2次電池が、該手袋交換装置が設置される室内に設けられた充電ステーションで充電可能又は放電・充電可能であることを特徴とする手袋交換装置。
(7)前記(6)に記載の手袋交換装置が、室内に設けられた安全キャビネット側からの信号によって前記充電ステーションと所定の場所との間を自走移動可能な走行機構を具備してなることを特徴とする手袋交換装置。
(8)前記(1)に記載の手袋交換装置を用いる手袋交換方法であって、
前記新手袋着用ユニットの初期状態は、前記新しい手袋を前記リング状のつばに取り付けた手袋取付部材が、鋼板の穿孔に前記リング状のつばとともに端部のフランジを接して装着されていて、前記新手袋着用ユニットの第一手順終了時点の状態は、作業者が前記手袋取付部材に手を差し込んで新しい手袋を指先を主に接して着用していて、前記新手袋着用ユニットの第2手順終了時点の状態は、作業者が新しい手袋を着用した手をさらに奥へ突き出すことによって前記手袋取付部材から新しい手袋の開口縁がめくれて外れ、手首周りに密着した新しい手袋の装着が完了しており、この時、手には鋼板の穿孔から離脱した、前記手袋取付部材が手首回りに取り付いていて、前記新手袋着用ユニットの最終手順の状態では、無菌状態の手袋取付部材を新しい手袋を装着した手で、鋼板の穿孔から手前に払い落として、使用済み手袋回収容器内に脱落収容させている、ことを特徴とする手袋交換方法。
【発明の効果】
【0009】
上記発明によって下記の効果が発揮できる。
〈1〉前方の一部に開口部を有し、内部上方部を新手袋着用部、下方部を使用済み手袋脱用部としてなる筐体と、前記新手袋着用部に配設された新手袋着用ユニットと、前記使用済み手袋脱用部の前記開口部下端縁内部に設けられた使用済み手袋脱用具と、該使用済み手袋脱用具で取り外された使用済み手袋を回収する回収容器とで構成されているので、
従来、複数の安全キャビネットが配設された大部屋の細胞加工室で、滅菌処理された複数の安全キャビネットごとに異なる検体の培養操作を一人の作業者が行う際、該作業者が手袋の交換だけのために更衣室へ戻り、無菌衣の更衣として定められた多くの手順を経て無菌衣の一つの手袋交換を行うか、ISO7クラスの細胞加工室内での使用済み手袋表面への除染薬剤噴霧による除染をするかの行為を行う必要がなくなり、ISO7クラスの大部屋細胞加工室に留まりながら、一つの安全キャビネットでの培養操作作業後に、同一作業者が別の安全キャビネットに移動して引き続き異なる検体を無菌状態で取り扱う際に必要となる作業者の手袋の交換を、新旧の手袋の表面に一切触れることなく実施できる。
〈2〉前記新手袋着用ユニットが、複数の穿孔を有する鋼板と、前記穿孔に着脱可能に挿入されるリング状の手袋取付部材とでなり、前記手袋取付部材が、作業者の手が挿入される側の端部にフランジを具え、反対側の端部外周に新しい手袋を取り付けるリング状のつばを設けているので、
安全キャビネットを使用する1又は複数の作業者それぞれの手に適合する複数の大きさの新しい手袋を前記つばに取り付けた手袋取付部材を、前記新手袋着用ユニットにあらかじめ装着しておけば、作業者は自分の手に適合する手袋が取り付けられた手袋取付部材の位置を確認して手先を挿入すればよく、この確認が簡便、容易にできるように、手袋の大きさをS、M、L、LL等に分類し、各分類の手袋を取り付ける手袋取付部材のフランジに異なる色彩を施すなどの選別機能を付与しておくことが好ましく、これによって作業効率が向上し、安全性も高まる。
〈3〉前記新手袋着用ユニットの前記筐体内への配設が、筐体のいずれか一方の側面から上下のガイドレールに沿って挿入されるよう構成されているので、
各手袋交換装置に複数の新手袋着用ユニットを備えておけば、該手袋交換装置にあらかじめ配設された新手袋着用ユニットに取り付けられた新しい手袋の全て又は特定大きさの手袋を使いきっても、別の新手袋着用ユニットにその後当該手袋交換装置を使用する作業者に適合する新しい手袋を装着して準備しておけば、手袋装着ユニットを差し替えるだけで容易迅速に対応でき、作業効率の向上が図れる。
〈4〉前記使用済み手袋脱用具が、前記筐体の開口部下端縁に取り付けるための棒材の先端に筐体の内側斜め上方に向けて一体として形成され、上部が一部切り欠かれたリング状部材と、前記リング状部材の切り欠け部の両端部と前記リング状部材の側方下部内側に設けられた半球状の突起とによって形成されているので、
使用済み手袋を着用した両手を前記手袋脱用具に挿入し、使用済み手袋から露出した手首部分を前記切り欠け部の突起に当接しながら引き抜くと、使用済み手袋の開口縁が前記切欠部の突起に引っかかって抜け落ち、使用済み手袋回収容器に収容され使用済み手袋に一切触れることがないことから、引き続き異なる検体を扱う場合でも、その間手指の除染、洗浄を必要とせずすぐに新しい手袋を着用して実行できることから作業効率の向上が図れる。
【0010】
〈5〉前記解決する手段(1)~(4)に記載の手袋交換装置が、装置内の空気を循環させて清浄化する空気循環清浄機構を具備しており、
前記空気循環清浄機構が、筐体内部にその上部と後部とが筐体内の空気の循環路となるよう配設された断面倒立L字状の隔壁と、該隔壁の水平部の中央部の穿孔を挟んで上下に配設された筐体内の空気を循環させるファンと、循環空気を清浄化するフィルター、及び前記隔壁の下部に形成された複数の空気吸込み口とで構成され、前記隔壁と筐体内壁面と間の空間が空気循環路として機能しているので、
手袋交換装置内の空気が常時清浄に維持されることから、前記使用済み手袋の回収容器に収容された使用済み手袋に付着した検体が、細胞加工室内及び新しい手袋を装着した新手袋着用ユニットに飛散し汚染する恐れがなくなり、前記新手袋着用ユニットの手袋取付部材に取り付けられた新しい手袋表面は常に清浄に保持され、着用後の安全キャビネットにおける検体の細胞加工作業に支障を生じさせることがなく、安全な作業による的確な成果が得られる。
〈6〉前記解決する手段(5)又は(6)に記載の手袋交換装置が、前記空気循環清浄機構の動力源として2次電池を備えてなり、前記2次電池が、該手袋交換装置が設置される室内に設けられた充電ステーションで充電可能又は放電・充電可能であるので、該手袋交換装置が設置される室内の大きさにより、充電ステーションに常時1台の手袋交換装置を配設しておき、手袋交換の都度作業者が充電ステーションに赴いて交換する方法の他、室内に複数の安全キャビネットが配置されているような大部屋の場合には、該室内に配置された安全キャビネット近傍の所定位置に手袋交換装置を複数台配設し、2次電池の放電によって手袋交換装置が使用できなくなった時には、該手袋交換装置を充電ステーションに移動して充電させ、充電完了後元の所定位置に戻して使用することが可能となり、作業効率と設備利用効率の大幅な向上を図れる。
〈7〉前記解決する手段(7)に記載の手袋交換装置が、室内に設けられた安全キャビネット側からの信号によって前記充電ステーションと所定の場所との間を自走移動可能な走行機構を具備しているので、
充電ステーションに配設された前記手袋交換装置を、使用する安全キャビネットからの呼出信号によって該安全キャビネット近傍の所定位置に移動させ、新旧の手袋交換後、安全キャビネットからの返還信号によって該手袋交換装置を充電ステーションに返還させることができ、装置の効率使用と作業効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の手袋交換装置の構成図、(a)正面図、(b)A-A断面図
図2】本発明の手袋交換装置における新手袋装着手順の説明図
図3】手袋取付部材への新手袋取付方法の説明用斜視図
図4】使用済み手袋脱用具の構造とその使用方法の説明図
図5】本発明の空気循環清浄機構を具備してなる手袋交換装置の構成図
図6】本発明の手袋交換装置の使用例の説明図
図7】本発明の手袋交換装置にかかる走行機構の説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の手袋交換装置を実施するための形態を、実施例の図に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施例としての手袋交換装置の構成図で(a)は正面図、(b)はA-A断面図であり、図2は本発明の手袋交換装置における新手袋装着手順の説明図、図3は手袋取付部材への新手袋取付方法の説明用斜視図、図4は使用済み手袋脱用具の使用方法の説明図である。そして図5は本発明の第2の実施例としての空気循環清浄機構を具備した手袋交換装置の構成図で(a)は正面図、(b)はA-A断面図である。
【0013】
本発明の手袋交換装置は、細胞加工室等の室内に配設された安全キャビネットによって、引き続き異なる検体を無菌状態で取り扱う際に必要となる作業者の手袋交換が、作業者が新旧の手袋の表面に一切触れることなく両手を本装置に出し入れするだけで可能としたものであり、図1に示す手袋交換機能に特化して構成された実施例1と、図5に示す該手袋交換装置の空気を装置内で循環して清浄化し、室内には排出されないようにした実施例2の装置とがある。
両装置における手袋交換機構の構造、使用手順等には何ら異なることがないので、実施例1の手袋交換装置について詳細に説明し、実施例2の手袋交換装置についてはその後にその構造と空気清浄作用について説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明実施例1の手袋交換装置は、図1に示すように、前方の上部が斜めに切り落とされてなる開口部10aを有し、内部上方部を新手袋着用部10b、下方部を使用済み手袋脱用部10cからなる筐体10と、前記新手袋着用部10bに配設された新手袋着用ユニット1と、前記使用済み手袋脱用部10cの前記開口部10a下端縁内部に設けられた使用済み手袋脱用具4と、該使用済み手袋脱用具4で取り外された使用済み手袋30を回収する回収容器5とで構成されている。
そして前記新手袋着用ユニット1が、図1及び図2に示すように複数の穿孔1bを有する厚み45~55mmの箱状に折り返された鋼板1aと、前記穿孔1bに着脱可能に挿入されるリング状の手袋取付部材2とでなり、また前記手袋取付部材2が、作業者の手が挿入される側の端部にフランジ2aを具え、反対側の端部外周に新しい手袋20を取り付けるリング状のつば2bを設けてなるものである。
この新手袋着用ユニット1は、筐体10上部のいずれか一方の側面(例えば図1(a)の右側側面)から、筐体10内に配設された上下のガイドレール3、3’に沿って新手袋着用部10bに出し入れ可能とされ、新しい手袋20を装着する際に、筐体10の側面から外側に当接される新手袋着用部の端部に突設される引き手1cによって引き出される。また、手袋取付部材2への新しい手袋20の取付方法は、図3に示すように、無菌状態に除菌され維持できる環境にて予め前記手袋取付部材2のつば2bに新しい手袋20の開口縁を係止することで行われる。
【0015】
前記新手袋着用ユニット1に手を差し込んで新しい手袋20を着用する手順を図2に示した。
図2の(a)は新しい手袋20を取り付けた手袋取付部材2が、鋼板1aの穿孔1bに装着された取付手段の初期状態を、
(b)は作業者が前記手袋取付部材2に手を差し込んで新しい手袋20を着用する第1手順終了時点の状態を、
(c)は作業者が新しい手袋20を着用した手をさらに奥へ突き出すことによって前記手袋取付部材2から新しい手袋20の開口縁がめくれて外れ、手首周りに密着した新しい手袋20の装着が完了した第2手順終了時点の状態を示しており、この時新しい手袋20が装着された手も鋼板1aの穿孔1bから離脱し、前記手袋取付部材2が手首回りに取り付いている。
(d)は無菌状態の手袋取付部材2を新しい手袋20を装着した手で、鋼板1aの穿孔1bから手前に払い落として、前記手袋取付部材2を使用済み手袋回収容器5内に脱落収容させる最終手段を示しており、この状態で安全キャビネットでの作業に入れることになる。
【0016】
一方、筐体10の開口部10aの下端縁内部に突設された使用済み手袋脱用手段を形成する手袋脱用具4は、図1、及び図4に示すように、前記筐体10の開口部10a下端縁に取り付けられた棒材4cと、その先端に筐体10の内側斜め上方に向けて一体として形成され上部の一部が切り欠かれたリング状部材4aと、前記リング状部材4aの切り欠け部の両端と前記リング状部材4aの側方下部内側に設けられた半球状の使用済み手袋脱用突起4bとによって形成されている。
この使用済み手袋脱用具4の使用手順を図4(a)~(d)に示す。
まず使用済み手袋30を着用した手を前記使用済み手袋脱用具4のリング状部材4aの中央に挿入した(a)の状態から、使用済み手袋30から露出した手首の部分を前記使用済み手袋脱用具4のリング状部材4aの切り欠け部に当接するようにして引き抜くと、前記切り欠け部の両端部に設けられた2個の半球状の突起4bが使用済み手袋30の開口上部の縁に引っかかり、使用済み手袋30の開口上部が手首から離脱した(b)の状態となる。
その後作業者は、手を下方へ移動して、装着した使用済み手袋30の開口下部の縁にリング状部材4aの側方下部内側に設けられた2個の半球状の突起4bを引っ掛けると、手首に密着していた使用済み手袋30の開口縁が四方に拡げられ(c)の状態となる。
この状態で手を引くと拡げられた開口縁と手首との隙間が維持されながら、使用済み手袋30は裏返りながら(d)に示すように作業者の手を離れ使用済み手袋回収容器5内に脱落し収容される。
したがって、引き続き安全キャビネットで細胞加工作業を行う場合には、その場で、新手袋着用ユニット1に手を差し込んで新しい手袋20を着用することができ、すぐにも次の作業に取りかかれる。
このように、本発明にかかる手袋交換装置は、煩雑な手間をかけることなく手袋の脱着が可能な構成となっており、ゴム製の手袋はもちろん、塩化ビニールやポリエチレン、ニトリルゴム製など、素材を問わず様々な手袋の脱着に適用可能である。
【実施例2】
【0017】
本発明の手袋交換装置における実施例2を図5に示す。
筐体10’の前方中間部に開口部10’aを有し、筐体10’には、新しい手袋20が取り付けられた新手袋着用ユニット1が配設され、作業者が両手を開口部10’aから差し込んで新しい手袋20を着用する新手袋着用部10’bと、開口部10’aの下端縁内部に設けられた使用済み手袋脱用具4と、使用済み手袋脱用具4によって作業者の両手から取り外された使用済み手袋30の使用済み手袋回収容器5を設けた使用済み手袋脱用部10’cとで構成され、併せて装置内の空気を循環させて清浄化する空気循環清浄機構を具備してなるものである。
本実施例2における手袋交換機構の構造とその使用手順は、実施例1の手袋交換装置と変わりないので、その詳細な説明は省略し、空気循環清浄機構に係わる構成と機能について以下に説明する。
【0018】
本実施例2の空気循環清浄機構は、筐体10’内部にその上部と後部とが筐体10’内の空気の循環路8となるよう配設された断面倒立L字状の隔壁12と、該隔壁12の水平部の中央部の穿孔を挟んで上下に配設された筐体10’内の空気を循環させるファン6と、循環空気を清浄化するフィルター7、及び前記隔壁12下部に形成された複数の空気吸込み口12’とで構成され、前記隔壁12と筐体10’の内壁面と間の空間を空気循環路8として機能させるとともに、フィルター7を介して吹き出される清浄空気が筐体10’の開口部10’aから細胞加工室等の室内へ漏出することなく、確実に新手袋着用ユニット1が配設された新手袋着用部10’bと、使用済み手袋脱用部10’cを経て前記空気吸込み口12’から空気循環路8に還流され循環するよう、前記筐体10’の開口部10’aの上部に透明板13を内側に傾斜させて設けている。
本実施例2の手袋交換装置によって新しい手袋20を着用する場合には、前記透明板13を介して手袋着用ユニット1を見て自分の手に適合する大きさの手袋が装着された位置を確認し、透明板13の下方に開いた開口部10’aから手を差し込んで、図3に示した手順によって着用すればよいこととなる。
【0019】
前記実施例2にかかる本発明の手袋交換装置は、前記空気循環清浄機構の動力源として、AC電源を採用することができるが、2次電池を備えた構成とすることも好ましい。2次電池を備え充電式とすることで、電源の位置に限定されずに、前記手袋交換装置を任意の場所に移動して使用することができる。例えば、安全キャビネット近傍の所定位置に配設することで、作業者の移動距離や移動時間を短縮し作業効率の向上を図るとともに、手袋に付着した細菌やウィルスの拡散を減少させる。
図6は、本発明の手袋交換装置の使用例の説明図である。
細胞加工室等の室内41内に、異なる検体A、B、Cについて作業をする複数台の安全キャビネット40a、40b、40cが配置されている。そして、前記室内41には、本発明にかかる手袋交換装置44が配設され、作業者42は、各安全キャビネット40a、40b、40cでの作業後、前記手袋交換装置44に赴いて(α1)、使用済み手袋30を新しい手袋20に交換し、次の安全キャビネットへと移動(α2)する。
手袋交換装置44が2次電池を備えている場合には、安全キャビネット近傍に手袋交換装置44を移動して使用する。2次電池の放電によって手袋交換装置が使用できなくなった時には、室内41に配置された充電ステーション43に該手袋交換装置44を移動して充電させ、充電完了後、再び所定位置に配置して使用することが可能となる。
なお充電ステーション43に常時予備の手袋交換装置44を配備しておき、充電が必要となった手袋交換装置44と交換使用可能にしておくことも好ましい。
【0020】
さらに、前記2次電池を備えた手袋交換装置44は、前記充電ステーション43と、所定の場所との間を自走移動可能とする走行機構を備えることもできる。走行機構としては底部にローラー等の走行手段を設け、各種センサーを配備することで、周知の技術、例えば各種無人搬送車(AGV)技術等を採用し制御することができる。
走行機構を備えることにより、充電ステーション43に配設された前記手袋交換装置44を、使用する安全キャビネット40a、40b、40cからの呼出信号によって、該安全キャビネット近傍の所定位置に移動させ、新旧の手袋交換後、安全キャビネット40a、40b、40cからの返還信号によって該手袋交換装置44を充電ステーション43に返還することが可能となる。
図7は本発明の手袋交換装置にかかる走行機構の説明図である。
図6と同様に、細胞加工室等の室内41内に、異なる検体A、B、Cについて作業をする複数台の安全キャビネット40a、40b、40cが配置されている。そして、前記室内41には、本発明にかかる手袋交換装置44が充電ステーション43に配設されている。
作業者42は、各安全キャビネット40aでの作業後、前記安全キャビネット40aに設置された信号発信手段45により、手袋交換装置44に指示を与え呼び出す。このとき、例えば、安全キャビネット40aと安全キャビネット40bの間に手袋交換装置44を配置すれば、作業者42が安全キャビネット40bへ移動する過程で、手袋交換装置44での手袋の交換が可能となる。すなわち、作業者42は、図7に示すように、安全キャビネット40aから手袋交換装置44への移動(β1)と手袋交換装置44から安全キャビネット40bへの移動(β2)だけで、手袋の交換作業のための移動が完了する。
そして、その後、安全キャビネット40bに備えられた信号発信手段45により、手袋交換装置44に対し充電ステーション43への返還信号を送ることで、手袋交換装置44は走行機構により充電ステーション43へと返還し、再び充電を開始し待機状態となる。
次に作業者42が、安全キャビネット40cへ移動する際も、同様に信号発信手段45で手袋交換装置44を呼び出すことで装置の効率使用と作業効率の向上を図る。
上記実施例における説明図では、安全キャビネットを3台配置する場合において説明したが、安全キャビネットを配置する細胞加工室等の室内の大きさや、配置する安全キャビネットの台数等を考慮して、本発明にかかる手袋交換装置44に充電ステーション43や走行機構を備える構成とするか適宜選択することで、本発明にかかる手袋交換装置44の効果を最大限に生かすことが可能となる。
【符号の説明】
【0021】
1:新手袋着用ユニット
1a:鋼板
1b:穿孔
1c:引き手
2:手袋取付部材
2a:フランジ
2b:つば
3、3’:ガイドレール
4:使用済み手袋脱用具
4a:リング状部材
4b:半球状の突起
4c:棒材
5:使用済み手袋回収容器
6:ファン
7:フィルター
8:空気循環路
10、10’:筐体
10a、10’a:開口部
10b、10’b:新手袋着用部
10c、10’c:使用済み手袋脱用部
11:使用済み手袋回収容器収納部の開閉扉
12:隔壁
12’:隔壁下部に形成された空気吸込み口
13:透明板
20;新しい手袋
30:使用済み手袋
40a、40b、40c:安全キャビネット
41:室内
42:作業者
43:充電ステーション
44:手袋交換装置
45:信号発信手段
A、B、C:検体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7