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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20230330BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20230330BHJP
   A47L 7/04 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A47L9/28 Z
A47L9/28 Q
A47L9/28 K
A47L9/28 L
A47L9/28 A
A47L9/00 B
A47L9/00 Z
A47L7/04 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019000241
(22)【出願日】2019-01-04
(65)【公開番号】P2020108594
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】坪井 雅倫
【審査官】家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-192730(JP,A)
【文献】国際公開第2018/154142(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を電気掃除機内に吸引するように設けられたファン及び前記ファンを回転させる第1モータを有する電動送風機と、第1モータに電力を供給するように設けられた電源部と、複数の運転モードの制御仕様に関するデータを記憶するように設けられた記憶部を有する制御部と、近距離無線通信により情報機器と通信可能に設けられた通信部と、前記運転モードを切り換えるスイッチ又はボタンと、回転ブラシ及び前記回転ブラシを回転させる第2モータを有する吸込口体とを備え、
前記制御部は、前記スイッチ又はボタンにより選択された運転モードの制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節するように設けられ、かつ、前記通信部を介して前記情報機器から受信した情報に基づき前記制御仕様に関するデータを変更するように設けられており、
前記制御部は、前記制御仕様に関するデータが変更され、前記スイッチ又はボタンにより運転モードが選択されると、選択された運転モードの変更された制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節し、
前記電源部は、バッテリを含みかつ第2モータに電力を供給するように設けられ、
前記情報機器は、前記通信部を介して第1モータの回転数、第2モータの回転数、前記バッテリの容量または残量を取得し、第1モータの回転数、第2モータの回転数、前記バッテリの容量また残量から最長運転時間を算出して表示し、ユーザーが前記最長運転時間を変更することにより、第1モータの回転数、第2モータの回転数が自動的に変更され、
前記制御仕様に関するデータは、第1モータの回転数及び第2モータの回転数に関するデータを含み、
前記制御部は、前記通信部を介して前記情報機器から受信した変更された情報に基づき前記制御仕様に関するデータを変更し、
前記制御部は、前記制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第2モータに供給する電力を調節するように設けられたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】
空気を電気掃除機内に吸引するように設けられたファン及び前記ファンを回転させる第1モータを有する電動送風機と、第1モータに電力を供給するように設けられた電源部と、複数の運転モードの制御仕様に関するデータを記憶するように設けられた記憶部を有する制御部と、近距離無線通信により情報機器と通信可能に設けられた通信部と、前記運転モードを切り換えるスイッチ又はボタンと、イオン発生部、床面検知センサ及びごみ検知センサのうち少なくとも1つとを備え、
前記制御部は、前記スイッチ又はボタンにより選択された運転モードの制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節するように設けられ、かつ、前記通信部を介して前記情報機器から受信した情報に基づき前記制御仕様に関するデータを変更するように設けられており、
前記制御部は、前記制御仕様に関するデータが変更され、前記スイッチ又はボタンにより運転モードが選択されると、選択された運転モードの変更された制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節し、
前記制御仕様に関するデータは、前記イオン発生部のオン/オフ、前記イオン発生部のイオン発生程度、前記床面検知センサの識別境界、前記ごみ検知センサのオン/オフ及び前記ごみ検知センサの判別境界のうち少なくとも1つに関するデータを含み、
前記制御部は、前記制御仕様に関するデータに基づき前記電気掃除機を制御するように設けられたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】
空気を電気掃除機内に吸引するように設けられたファン及び前記ファンを回転させる第1モータを有する電動送風機と、第1モータに電力を供給するように設けられた電源部と、複数の運転モードの制御仕様に関するデータを記憶するように設けられた記憶部を有する制御部と、近距離無線通信により情報機器と通信可能に設けられた通信部と、前記運転モードを切り換えるスイッチ又はボタンとを備え、
前記制御部は、前記スイッチ又はボタンにより選択された運転モードの制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節するように設けられ、かつ、前記通信部を介して前記情報機器から受信した情報に基づき前記制御仕様に関するデータを変更するように設けられており、
前記制御部は、前記制御仕様に関するデータが変更され、前記スイッチ又はボタンにより運転モードが選択されると、選択された運転モードの変更された制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節し、
前記制御部は、前記制御仕様に関するデータを変更する前に前記情報機器の識別情報を確認するように設けられたことを特徴とする電気掃除機。
【請求項4】
前記制御部は、前記通信部を介して前記情報機器から受信した情報に基づき各運転モードの制御仕様に関するデータを変更できるように設けられた請求項1~3のいずれか1つに記載の電気掃除機。
【請求項5】
前記制御仕様に関するデータは、第1モータの回転数に関するデータを含む請求項1~4のいずれか1つに記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
電気掃除機は、通常、「強運転モード」、「弱運転モード」などの運転モードを有し、ユーザーが運転モードを切り替えることにより、吸引力などを変更している。
また、近距離無線通信を用いて使用頻度の高い動作設定を呼び出すことができる家庭電気機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2013/132750A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電気掃除機では、ユーザーは複数の運転モードのうちいずれか1つを選択することができるが、運転モードの詳細については変更することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーが運転モードにおける電気掃除機の吸引力を好みや使い勝手に合わせてカスタマイズすることができる電気掃除機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、空気を電気掃除機内に吸引するように設けられたファン及び前記ファンを回転させる第1モータを有する電動送風機と、第1モータに電力を供給するように設けられた電源部と、少なくとも1つの運転モードの制御仕様に関するデータを記憶するように設けられた記憶部を有する制御部と、近距離無線通信により情報機器と通信可能に設けられた通信部とを備え、前記制御部は、前記制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節するように設けられ、かつ、前記通信部を介して前記情報機器から受信した情報に基づき前記制御仕様に関するデータを変更するように設けられたことを特徴とする電気掃除機を提供する。
【発明の効果】
【0006】
ユーザーは、運転モードにおける電気掃除機の吸引力を好みや使い勝手に合わせてカスタマイズすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態の電気掃除機の概略斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の電気掃除機の電気的構成を示すブロック図である。
図3】情報機器を用いて運転モードの制御仕様を変更する方法の説明図である。
図4】情報機器を用いて運転モードの制御仕様を変更する方法の説明図である。
図5】情報機器を用いて運転モードの制御仕様を変更する方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の電気掃除機は、空気を電気掃除機内に吸引するように設けられたファン及び前記ファンを回転させる第1モータを有する電動送風機と、第1モータに電力を供給するように設けられた電源部と、少なくとも1つの運転モードの制御仕様に関するデータを記憶するように設けられた記憶部を有する制御部と、近距離無線通信により情報機器と通信可能に設けられた通信部とを備え、前記制御部は、前記制御仕様に関するデータに基づき前記電源部から第1モータに供給する電力を調節するように設けられ、かつ、前記通信部を介して前記情報機器から受信した情報に基づき前記制御仕様に関するデータを変更するように設けられたことを特徴とする。
【0009】
本発明の電気掃除機に含まれる記憶部は、複数の運転モードの制御仕様に関するデータを記憶するように設けられることが好ましく、制御部は、通信部を介して情報機器から受信した情報に基づき各運転モードの制御仕様に関するデータを変更できるように設けられることが好ましい。このことにより、ユーザーは複数の運転モードにおける電気掃除機の吸引力などを好みや使い勝手に合わせてカスタマイズすることができる。
前記制御仕様に関するデータは、第1モータの回転数に関するデータを含むことが好ましい。このことにより、ユーザーは電気掃除機の吸引力を好みや使い勝手に合わせてカスタマイズすることができる。
【0010】
本発明の電気掃除機は回転ブラシ及び回転ブラシを回転させる第2モータを有する吸込口体をさらに備えることが好ましく、電源部は、第2モータに電力を供給するように設けられることが好ましく、制御部は、制御仕様に関するデータに基づき電源部から第2モータに供給する電力を調節するように設けられることが好ましい。また、制御仕様に関するデータは、第2モータの回転数に関するデータを含むことが好ましい。このことにより、ユーザーは回転ブラシの回転数を好みや使い勝手に合わせてカスタマイズすることができる。
【0011】
本発明の電気掃除機はイオン発生部、床面検知センサ及びごみ検知センサのうち少なくとも1つを備えることが好ましく、制御仕様に関するデータは、イオン発生部のオン/オフ、イオン発生部のイオン発生程度、床面検知センサの識別境界、ごみ検知センサのオン/オフ及びごみ検知センサの判別境界のうち少なくとも1つに関するデータを含むことが好ましく、制御部は、制御仕様に関するデータに基づき電気掃除機を制御するように設けられることが好ましい。このことにより、ユーザーは、電気掃除機の制御仕様をより詳細にカスタマイズすることができる。
前記制御部は、制御仕様に関するデータを変更する前に情報機器の識別情報を確認するように設けられることが好ましい。このことにより、セキュリティを強化することができる。
【0012】
以下、複数の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0013】
第1実施形態
図1は本実施形態の電気掃除機の概略斜視図であり、図2は本実施形態の電気掃除機の電気的構成を示すブロック図である。
本実施形態の電気掃除機40は、空気を電気掃除機40内に吸引するように設けられたファン2(吸引ファン)及びファン2を回転させる第1モータ3を有する電動送風機4と、第1モータ3に電力を供給するように設けられた電源部5と、少なくとも1つの運転モードの制御仕様に関するデータを記憶するように設けられた記憶部7を有する制御部6と、近距離無線通信により情報機器9と通信可能に設けられた通信部8とを備える。制御部6は、前記制御仕様に関するデータに基づき電源部5から第1モータ3に供給する電力を調節するように設けられ、かつ、通信部8を介して情報機器9から受信した情報に基づき前記制御仕様に関するデータを変更するように設けられたことを特徴とする。
また、電気掃除機40は、吸込口体13、イオン発生部16、床面検知センサ17、ごみ検知センサ18、集塵部25などを有することができる。
【0014】
本実施形態の電気掃除機40は、スティック型であってもよく、キャニスター型であってもよく、自走式掃除機(ロボット掃除機)であってもよい。また、集塵方式は、紙パック式であってもよく、サイクロン式であってもよい。また、本実施形態の電気掃除機40は、バッテリーを駆動電源とするコードレス掃除機であってもよく、電気コードによりコンセントと接続するコード付掃除機であってもよい。
【0015】
電動送風機4は、吸気及び排気をする部材であり、ファン2と、ファン2を回転させる第1モータ3とを備える。また、電動送風機4は、集塵部25の下流側に配置することができる。電動送風機4には、電動送風機用駆動回路などを備えた制御基板が取り付けられていてもよい。第1モータ3は、カーボンブラシを有するモータであってもよく、ブラシレスモータであってもよい。
【0016】
電気掃除機40では、電動送風機4のファン2が回転することにより、吸込口体13から外気を塵埃と一緒に電気掃除機40内に吸込み、床面などを掃除することができる。吸込口体13から電気掃除機40内に吸い込んだ空気は、集塵部25に流入し、空気と共に吸い込んだ塵埃は集塵部25の内部に集塵され、空気中の塵埃が取り除かれる。集塵部25を通過した後の空気は、掃除機本体10の排気口から排出される。
電気掃除機40の吸引力は、第1電力調節部21により電源部5から第1モータ3に供給する電力を調節しファン2の回転数を調節することにより制御することができる。
【0017】
電気掃除機40の集塵方式が紙パック式である場合、集塵部25は紙パックである。また、電気掃除機40の集塵方式がサイクロン式である場合、集塵部25はサイクロン集塵器である。サイクロン集塵器は、遠心力によりゴミを分離したあとの空気を通過させるフィルターを備えることができる。なお、サイクロン集塵器は、フィルターを備えないものであってもよい。
【0018】
吸込口体13は、回転ブラシ11及び回転ブラシ11を回転させる第2モータ12を有することができる。回転ブラシ11は、吸込口体13を移動させながら床面などを掃除する際に回転するブラシである。回転する回転ブラシ11により床面などのゴミを掻き出すことができ、掻き出したゴミを吸引口から吸引することができる。このため、床面などのゴミをしっかりと除去することができる。
回転ブラシ11のゴミを掻き出す力は、第2電力調節部22により電源部5から第2モータ12に供給する電力を調節し回転ブラシ11の回転数を調節することにより制御することができる。
第2モータ12には、回転ブラシ用駆動回路などを備えた制御基板が取り付けられていてもよい。
また、回転ブラシ11は、第2モータ12を有さず、第1モータ3による吸引風により回転するタービンブラシでもよい。
【0019】
電源部5は、直流電源部であってもよく、交流電源部であってもよい。また、電源部5は、電力線により制御部6と接続し、制御部6を介して電動送風機4の第1モータ3や回転ブラシ11を回転させる第2モータ12に電力を供給することができる。
電源部5が直流電源部である場合、電源部5はバッテリー15を備えることができ、このバッテリー15から直流電力を第1モータ3又は第2モータ12に供給することができる。この場合、第1モータ3又は第2モータ12は、DCモータ又はユニバーサルモータとすることができる。
【0020】
電源部5が交流電源部である場合、電源部5はコンセントから供給される交流電流を利用した電源部とすることができる。この交流電源部から交流電力を第1モータ3又は第2モータ12に供給することができる。この場合、第1モータ3又は第2モータ12は、ACモータ又はユニバーサルモータとすることができる。また、電源部5が交流電源部である場合、電源部5から出力される交流電力をAC-DCコンバータで変換した直流電力を第1モータ3又は第2モータ12に供給することができる。この場合、第1モータ3又は第2モータ12は、DCモータ又はユニバーサルモータとすることができる。
電源部5は、第1モータ3又は第2モータ12への電力の供給のオン/オフを切り替えるスイッチを備えることができる。
【0021】
制御部6は、電気掃除機40を制御する部分である。制御部6は、例えば、CPU、メモリ(記憶部7)、タイマー、入出力ポートなどを有するマイクロコントローラを含むことができる。制御部6に含まれる記憶部7は、マスクROM, EPROM, EEPROM, フラッシュメモリ(不揮発性メモリ)などのROMと、FeRAM, SRAM, DRAMなどのRAMを含むことができる。
制御部6は、複数の制御基板から構成されてもよい。これらの複数の制御基板は信号線又は電力線で接続することができる。制御部6は、例えば、電動送風機用駆動回路を備えた制御基板、回転ブラシ用駆動回路を備えた制御基板、マイクロコントローラなどから構成される。
制御部6は、通信部8などと信号線で接続されてもよく、通信部8などと同一制御基板上に配置されてもよい。
【0022】
制御部6は、電源部5から電動送風機4の第1モータ3に供給する電力を調節するように設けられた第1電力調節部21を有することができる。第1電力調節部21は、例えば、電動送風機用駆動回路の一部である。
電源部5から第1モータ3に交流電力が供給される場合、第1電力調節部21は、双方向サイリスタを有する位相制御回路を含むことができる。また、位相制御回路は、双方向サイリスタの他にトリガダイオードを含むことができる。位相制御回路を用いて双方向サイリスタに電流が流れ始める位相角を調節することにより、電源部5から第1モータ3に供給される電力を調節することができる。
【0023】
電源部5から第1モータ3に直流電力が供給される場合、第1電力調節部21は、PWM回路を含むことができる。PWM回路は電源部5から第1モータ3への電力供給を調節するトランジスタを含むことができる。PWM回路はこのトランジスタのオンオフを周期的に繰り返すように設けられ、トランジスタのオンの時間とオフの時間とを調節する(具体的には、オンオフを繰り返す周期及びデューティー比を調節)ことにより、電源部5から第1モータ3に供給される電力を調節することができる。
【0024】
制御部6は、電源部5から回転ブラシ11を回転させる第2モータ12に供給する電力を調節するように設けられた第2電力調節部22を有することができる。第2電力調節部22は、例えば、回転ブラシ用駆動回路の一部である。
電源部5から第2モータ12に交流電力が供給される場合、第2電力調節部22は双方向サイリスタを有する位相制御回路を含むことができる。また、電源部5から第2モータ12に直流電力が供給される場合、第2電力調節部22は、PWM回路を含むことができる。このことにより、電源部5から第2モータ12に供給される電力を調節することができる。
【0025】
通信部8は、近距離無線通信により情報機器9と通信する部分である。
近距離無線通信(NFC)とは、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm~数m)の無線通信である。また、近距離無線通信の伝達方式は、電磁誘導方式であってもよく、電波方式であってもよい。NFC(Near Field Communication)の規格は、例えば、Type A(Mifare(登録商標))、Type B、Type F(FeliCa(登録商標))などである。
通信部8はNFCアンテナを有する。また、通信部8はリーダ/ライタの機能も有することができる。このことにより、制御部6が通信部8を介して情報機器9と近距離無線通信により通信をすることが可能になる。
【0026】
情報機器9は、電気掃除機40と近距離無線通信により通信することができ、表示部32を有するものであれば特に限定されないが、例えば、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話、スマートウォッチなどである。情報機器9は、通信部33を有する。通信部33はNFCアンテナを有する。また、通信部33はリーダ/ライタの機能も有することができる。このことにより、情報機器9が通信部33を介して電気掃除機40と近距離無線通信により通信をすることが可能になる。
情報機器9が有する表示部32は、タッチパネル式モニターとすることができる。
【0027】
制御部6の記憶部7は、電気掃除機40を制御するための制御ソフトウェアを記憶している。制御ソフトウェアは、第1電力調節部21、第2電力調節部22、通信部8、イオン発生部16、床面検知センサ17、ゴミ検知センサ18などを制御するファームウェアを含むことができる。このファームウェアの少なくとも一部は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ(記憶部7)に記憶させることができる。このことにより、ファームウェアに含まれる運転モードの制御仕様に関するデータを補正することが可能になる。また、ファームウェアは、第1電力調節部21、第2電力調節部22、通信部8、イオン発生部16、床面検知センサ17、ゴミ検知センサ18などの一部とみなすこともできる。
【0028】
電気掃除機40は、少なくとも1つの運転モードを有する。また、電気掃除機40は、複数の運転モードを有することができる。電気掃除機40が複数の運転モードを有する場合、電気掃除機40は運転モードを切り換えるスイッチ又はボタンを有することができる。ユーザーは、スイッチ又はボタンを用いて複数の運転モードのうちいずれか1つを選択することができる。運転モードは、例えば、強運転モード、弱運転モード、自動モード、カスタム専用モードなどである。
【0029】
制御部6は、電気掃除機40の運転モードに応じて、制御ソフトウェアによる第1電力調節部21、第2電力調節部22などの制御方法を変えることができる。
制御ソフトウェアは、記憶部7の不揮発性メモリに記憶した各運転モードの制御仕様に関するデータを含み、制御部6は、選択された運転モードの制御仕様に関するデータに基づいて第1電力調節部21、第2電力調節部22などを制御する。制御仕様に関するデータは、例えば、電動送風機4の第1モータ3の回転数、回転ブラシ11を回転させる第2モータ12の回転数などのうち少なくとも1つに関するデータを有することができる。
【0030】
電気掃除機40は、例えば、強運転モード、弱運転モードを有することができる。この場合、制御ソフトウェアは、強運転モードの制御仕様に関するデータと、弱運転モードの制御仕様に関するデータを有することができる。
【0031】
例えば、強運転モードの制御仕様に含まれる電動送風機4の第1モータ3の回転数が60000rpmであり、電気掃除機40を強運転モードで運転する場合、制御部6は、第1モータ3の回転数が60000rpmとなるように第1電力調節部21を用いて第1モータ3に供給する電力を調節する。
例えば、弱運転モードの制御仕様に含まれる電動送風機4の第1モータ3の回転数が40000rpmであり、電気掃除機40を弱運転モードで運転する場合、制御部6は、第1モータ3の回転数が40000rpmとなるように第1電力調節部21を用いて第1モータ3に供給する電力を調節する。
【0032】
例えば、強運転モードの制御仕様に含まれる回転ブラシ11の第2モータ12の回転数が2400rpmであり、電気掃除機40を強運転モードで運転する場合、制御部6は、第2モータ12の回転数が2400rpmとなるように第2電力調節部22を用いて第2モータ12に供給する電力を調節する。
例えば、弱運転モードの制御仕様に含まれる回転ブラシ11の第2モータ12の回転数が2000rpmであり、電気掃除機40を弱運転モードで運転する場合、制御部6は、第2モータ12の回転数が2000rpmとなるように第2電力調節部22を用いて第2モータ12に供給する電力を調節する。
電気掃除機40は、集塵部25に溜まるゴミの量を例えば電動送風機4の第1モータ3の電流値で検知し、ゴミが満量と判断した場合に通知する機能(満量検知機能)や、同様の方法でビニールなどを吸い込むことによる急激な密閉状態を検知する機能(密閉検知機能)といった機能を有することができる。各運転モードの制御仕様に関するデータは、満量検知機能の検出基準又は密閉検知機能の検出基準を有することができる。運転モードに応じて第1モータ3に供給する電力が異なるため、この検出基準も運転モードにより異なる。
制御部6は、第1モータ3の電流値をモニターし、電流値がこの検出基準を満たしたときに、ゴミ満量や密閉状態を検出しユーザーに通知することができる。
【0033】
制御部6は、通信部8を介して情報機器9から受信した情報に基づき記憶部7(不揮発性メモリ)に記憶した制御仕様に関するデータを変更するように設けられる。また、制御部6は、この変更した制御仕様に関するデータに基づき電源部5から電動送風機4の第1モータ3に供給する電力を調節することや電源部5から回転ブラシ11を回転させる第2モータ12に供給する電力を調節することができるように設けられる。このため、ユーザーは、運転モードにおける電気掃除機40の吸引力や回転ブラシの回転数を好みや使い勝手に合わせて変更することができる。
【0034】
電気掃除機40は、記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータの状態をユーザーに知らせる通知部を有することができる。通知部は、例えば、電動送風機4のパワー、回転ブラシ11のパワーなどをユーザーに通知するように設けることができる。通知部は、例えば、インジケータライト、モニター、ブザー音、音声通知などである。
【0035】
次に、情報機器9を用いて記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータを変更する方法について説明する。
まず、図3(a)のように、ユーザーが情報機器9の通信部33を電気掃除機40の通信部8に近づけ、通信部33と通信部8との間で通信を行い、情報機器9でアプリケーションを自動起動させる。電気掃除機40が対応機種である場合、例えば、情報機器9の表示部32に図3(b)、図4(a)に示したようなホーム画面を表示させることができる。図3(b)、図4(a)では、対象機種であることを示す項目として「対象機種」と表示され、電気掃除機40の機種名を示す項目に、機種名の一例として「EC-ARxx」と表示されている。また、電気掃除機40の制御部6は、例えば、電気掃除機40の機種、製造番号、各運転モードの制御仕様(電動送風機4の第1モータ3の回転数、回転ブラシ11を回転させる第2モータ12の回転数など)、バッテリー15の種類・容量・残量、イオン発生部16の有無、床面検知センサ17の有無、ゴミ検知センサ18の有無などのうち、1つまたは複数の情報を情報機器9へ送信する。
電気掃除機40が対応機種でない場合、例えば、情報機器9の表示部32に図3(c)のように表示させることができる。図3(c)では、対象機種でないことを示す項目の一例として「対象機種ではありません」とメッセージが表示され、対象機種としてどのような機種があるかを示す項目として、機種名の一例として「EC-ARxx」や「EC-VSyy」が表示されている。また、通信エラーがあった場合や電気掃除機40が古い機種である場合、例えば、情報機器9の表示部32に図3(d)のように表示させることができる。図3(d)では、通信エラーであることを示す項目の一例として「通信エラーです」と表示され、ユーザーがエラー原因を確認することを促す項目として、「以下を確認してください」、「1.通信部は正しい位置ですか」、「対象の機種ですか」などのメッセージが表示される。
また、図3(c)、図3(d)では、再度通信するためのタップボタンである「再通信」ボタンと、不図示のアプリケーションのトップ画面に戻るためタップボタンである「戻るボタン」とが表示されている。
【0036】
電気掃除機40が対象機種であった場合、アプリケーションは情報機器9の表示部32に図3(b)、図4(a)に示したようなホーム画面を表示させる。ユーザーは表示部32に表示されたカスタマイズのボタンをタップし、表示部32に図4(b)に示すようなカスタマイズ画面を表示させる。カスタマイズ画面は、電気掃除機40の制御仕様を変更するための画面である。
図4(b)に示した「吸い込みモータパワー」は電動送風機4の第1モータ3の回転数に対応する設定項目であり、30、40、50、60、70、80、90の7段階を示す小円が直線上に等距離で配置されている。また、現在のモータパワーを示す大円が配置されている。なお、図4(b)においては、大円はモータパワー60(やや強い)に位置している。この大円をドラッグ操作やタップ操作で移動させることにより30、40、50、60、70、80、90の7段階で変更することができる。ここでは、7段階でモータパワーを変更する例を示しているが、表示部32に調節バーを表示させ、ドラッグ操作やタップ操作で吸い込みモータパワーを30~90の範囲でリニアに自由に変更できるようにしてもよい。また、表示部32に数値入力ボックスを表示させ、数値入力ボックスに具体的な数値を入力して「吸い込みモータパワー」を変更できるようにしてもよい。
変更できる範囲は、電気掃除機40が対応できる範囲であり、電気掃除機40の安全性を確保できる範囲とすることができる。なお、上述のモータパワーの範囲が30~90の範囲であることは一例である。
【0037】
図4(b)に示した「パワーブラシモータパワー」は回転ブラシ11を回転させる第2モータ12の回転数に対応する設定項目であり、30、40、50、60の4段階を示す小円が直線上に等距離で配置されている。また、現在のモータパワーを示す大円が配置されている。なお、図4(b)においては、大円はモータパワー50に位置している。この大円をドラッグ操作やタップ操作で移動させることにより30、40、50、60の4段階で変更することができる。ここでは、4段階でモータパワーを変更する例を示しているが、表示部32に調節バーを表示させ、ドラッグ操作やタップ操作で「パワーブラシモータパワー」を30~60の範囲でリニアに自由に変更できるようにしてもよい。また、表示部32に数値入力ボックスを表示させ、数値入力ボックスに具体的な数値を入力して「パワーブラシモータパワー」を変更できるようにしてもよい。
変更できる範囲は、電気掃除機40が対応できる範囲であり、電気掃除機40の安全性を確保できる範囲とすることができる。なお、上述のモータパワーの範囲が30~60の範囲であることは一例である。
【0038】
図4(b)に示した「最長運転時間」は、電気掃除機40の電源部5に含まれるバッテリー15を用いて電気掃除機40を運転することができる時間である。「最長運転時間」には、「吸い込みモータパワー」の設定項目で設定したパワーで電動送風機4を運転したときの消費電力と、「パワーブラシモータパワー」の設定項目で設定したパワーで回転ブラシ11を回転させたときの消費電力と、電源部5のバッテリー15の容量又は残量とから算出した運転可能時間が表示される。従って、「吸い込みモータパワー」または「パワーブラシモータパワー」の設定項目を変更すると、「最長運転時間」の表示も自動的に変更される。
【0039】
表示部32に「最長運転時間」を表示させることにより、ユーザーは、変更した「吸い込みモータパワー」と「パワーブラシモータパワー」で電気掃除機40を運転したときの運転時間を知ることができる。
また、表示部32に数値入力ボックスを表示させ、数値入力ボックスに具体的な数値を入力して「最長運転時間」を変更できるようにしてもよい。この場合、「吸い込みモータパワー」の設定項目及び「パワーブラシモータパワー」の設定項目は、入力された「最長運転時間」と、電源部5のバッテリー15の容量又は残量とから算出したパワーに自動的に変更される。この場合、「吸い込みモータパワー」の設定項目及び「パワーブラシモータパワー」の設定項目のうちどちらか一方を固定して他方を変更して調節してもよく、「吸い込みモータパワー」の設定項目及び「パワーブラシモータパワー」の設定項目の両方を変更して調節してもよい。
【0040】
図4(b)に示したようなカスタマイズ画面で設定項目を変更した後、表示部32に表示された「保存」ボタンをタップすると、変更した「吸い込みモータパワー」と「パワーブラシモータパワー」の設定データを名前をつけて情報機器9の記憶部に保存することができる。保存名は例えば「設定1」とすることができる。
その後、ホームボタン31を押すと、表示部32が図4(a)、図5(a)に示したようなホーム画面に戻る。
【0041】
カスタマイズ画面において設定項目を変更した後、情報機器9から電気掃除機40にカスタマイズ画面などで変更した設定データを送信する。具体的には、図5に示したような操作により設定データを送信することができる。
図5(a)に示したようなホーム画面において「通信」ボタンをタップして表示部32に図5(b)に示したような通信画面を表示させる。通信画面では「設定の送信」ボタンをタップして、表示部32に図5(c)に示したような設定選択画面を表示させる。設定選択画面では、保存した設定データである「設定1」をタップ操作により選択し、表示部32に図5(d)に示したような運転モード選択画面を表示させる。運転モード選択画面では、設定を変更する運転モードを選択する。例えば、「強モード」(強運転モード)をタップ操作により選択し、表示部32に図5(e)に示したような設定内容確認画面を表示させる。そして、設定内容確認画面において「はい(通信開始)」のボタンをタップすると表示部32に図5(f)のようなユーザーに情報機器(携帯端末)の通信部を掃除機の通信部に近づけることを促す画面を表示させ、ユーザーが情報機器9の通信部33を電気掃除機40の通信部8に近づける。情報機器9を電気掃除機40に近づけると、情報機器9は、カスタマイズ画面などで設定した設定データを通信部33を介して電気掃除機40に送信する。データ送信が完了すると、情報機器9の表示部32に図5(g)に示したようなデータ送信完了画面を表示させる。また、通信エラーが生じた場合、図5(h)に示したようなエラー画面を情報機器9の表示部32に表示させることができる。
ここでは、設定データを情報機器9に保存した後、設定データを電気掃除機40に送信しているが、設定データを情報機器9に保存せずに電気掃除機40に送信してもよい。
【0042】
電気掃除機40の制御部6が情報機器9から設定データを通信部8を介して受信すると、制御部6は、受信した設定データ(受信した情報)に基づき記憶部7(不揮発性メモリ)に記憶した制御仕様に関するデータを変更する。
例えば、カスタマイズ画面などで変更した「強運転モード」「吸い込みモータパワー」「60」に対応する電動送風機4の第1モータ3の回転数が55000rpmである場合、制御部6は記憶部7に記憶した強運転モードの制御仕様に関するデータに含まれる第1モータ3の回転数を55000rpmに変更する。このように変更すると、ユーザーが電気掃除機40を強運転モードで使用する場合、制御部6は、第1モータ3の回転数が55000rpmとなるように第1電力調節部21を用いて第1モータ3に供給する電力を調節する。
また、制御部6は、吸い込みモータパワーを変更する設定データを受信すると、受信した設定データに基づいて満量検知機能の検出基準や密閉検知機能の検出基準を自動的に算出し、記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータに含まれる検出基準を変更することができる。
【0043】
例えば、カスタマイズ画面などで変更した「強運転モード」「パワーブラシモータパワー」「40」に対応する回転ブラシ11の第2モータ12の回転数が2200rpmである場合、制御部6は記憶部7に記憶した強運転モードの制御仕様に関するデータに含まれる第2モータ12の回転数を2200rpmに変更する。このように変更すると、ユーザーが電気掃除機40を強運転モードで使用する場合、制御部6は、第2モータ12の回転数が2200rpmとなるように第2電力調節部22を用いて第2モータ12に供給する電力を調節する。
このように、本実施形態では、情報機器9から受信した情報に基づき記憶部7に記憶した運転モードの制御仕様に関するデータを変更することができ、この変更した制御仕様に関するデータに基づき電源部5から電動送風機4の第1モータ3及び回転ブラシ11の第2モータ12に供給する電力を調節することができる。このため、ユーザーが情報機器9を用いて電気掃除機40の各運転モードの制御仕様をカスタマイズすることが可能である。
なお、図5(b)において、「設定のリセット」のボタンをタップすると、対象となっている電気掃除機40の各運転モードの制御仕様を初期状態に戻すことができる。
【0044】
第2実施形態
第2実施形態では、電気掃除機40はイオン発生部16を備える。イオン発生部16は、例えば空気中での放電プラズマにより正極性クラスターイオンH+(H2O)mや負極性クラスターイオンO2 -(H2O)nを発生させる部分である。イオン発生部16は、電気掃除機40の排気口の近くに設けることができる。このことにより、電気掃除機40の排気と共にクラスターイオンを空気中に放出することができ、室内の塵埃の静電気を除電すること、室内の空気を消臭すること、室内を除菌することが可能になる。なお、集塵部25よりも、吸引された空気の流れの上流側の位置にイオン発生部16を設けてもよい。こうすることで集塵部25内の静電気を除電することができる。
【0045】
本実施形態では、記憶部7の不揮発性メモリに記憶した運転モードの制御仕様に関するデータは、イオン発生部16のオン/オフに関するデータを含む。また、制御部6は、イオン発生部16のオン/オフを含む制御仕様に関するデータに基づき、イオン発生部16のオン/オフを制御する。
例えば、制御仕様に関するデータにおいて強運転モードでイオン発生部16がオンである場合、ユーザーが電気掃除機40を強運転モードで使用するときに制御部6はイオン発生部16をオンにする。また、制御仕様に関するデータにおいて弱運転モードでイオン発生部16がオフである場合、ユーザーが電気掃除機40を弱運転モードで使用するときに制御部6はイオン発生部16をオフにする。
【0046】
制御部6は、通信部8を介して情報機器9から受信した情報に基づき記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータを変更するように設けられる。
例えば、第1実施形態で説明したカスタマイズ画面(例えば、図4(b))にイオン発生部16のオン/オフを切り替える設定項目を追加して、イオン発生部16のオン/オフを含む設定データを情報機器9から電気掃除機40に送信することができる。制御部6が情報機器9から受信した設定データに基づき記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータを変更し、変更した制御仕様に関するデータに基づきイオン発生部16のオン/オフを制御することにより、各運転モードにおけるイオン発生部16のオン/オフをカスタマイズすることができる。
その他の構成は第1実施形態と同様である。また、第1実施形態についての記載は矛盾がない限り第2実施形態についても当てはまる。
【0047】
第3実施形態
第3実施形態では、電気掃除機40は、運転モードとして自動モードを有する。また、電気掃除機40は床面検知センサ17を有する。床面検知センサ17は、例えば、回転ブラシ11にかかる負荷を検出するように設けられ、回転ブラシ11にかかる負荷から、床面の種類(例えば、カーペット、フローリングなど)や掃除の中断(例えば、吸込口体13が停止している場合や吸込口体13が床面から浮いている場合)を検出するように設けられる。
【0048】
自動モードでは、例えば、床面検知センサ17がカーペットを掃除していることを検出すると、制御部6は第1電力調節部21を用いて電動送風機4の第1モータ3へ供給する電力を調節し第1モータ3を通常より高い回転数(高回転数)で回転させて吸引力を増大させる。また、床面検知センサ17がフローリングを掃除していることを検知すると、制御部6は第1電力調節部21を用いて電動送風機4の第1モータ3へ供給する電力を調節し第1モータ3を通常より低い回転数(低回転数)で回転させて吸引力を低下させる。
本実施形態では、記憶部7の不揮発性メモリに記憶した自動モードの制御仕様に関するデータは、床面検知センサ17がカーペットとフローリングを識別する境界(第1モータ3の高回転数と低回転数とを切り替える切り替え点)に関するデータを含むことができる。また、制御部6は、自動モードにおいてこの制御仕様に関するデータに基づき、第1モータ3の高回転数と低回転数とを切り替える。
【0049】
制御部6は、通信部8を介して情報機器9から受信した情報に基づき記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータを変更するように設けられる。
例えば、第1実施形態で説明したカスタマイズ画面(例えば、図4(b))に床面検知センサ17がカーペットとフローリングを識別する境界を設定する設定項目を追加して、この境界を含む設定データを情報機器9から電気掃除機40に送信することができる。制御部6が情報機器9から受信した設定データに基づき記憶部7に記憶した自動モードの制御仕様に関するデータを変更し、変更した制御仕様に関するデータに基づき自動モードにおいて第1モータ3の高回転数と低回転数とを切り替えることができる。このように、自動モードにおいて、第1モータ3の高回転数と低回転数との切り替え点をカスタマイズすることができる。
その他の構成は第1又は第2実施形態と同様である。また、第1又は第2実施形態についての記載は矛盾がない限り第3実施形態についても当てはまる。
【0050】
第4実施形態
第4実施形態では、電気掃除機40は、ゴミ検知センサ18を備える。ゴミ検知センサ18は、例えば、吸込口体13と掃除機本体10とを繋ぐホース中に設けることができ、ホースを通過するゴミを検知するように設けることができる。
【0051】
自動モード(運転モード)では、例えば、ゴミ検知センサ18が電気掃除機40に吸い込んだゴミが多いことを検出すると、制御部6は第1電力調節部21を用いて電動送風機4の第1モータ3へ供給する電力を調節し第1モータ3を通常より高い回転数(高回転数)で回転させて吸引力を増大させる。また、ゴミ検知センサ18が電気掃除機40に吸い込んだゴミが少ないことを検出すると、制御部6は第1電力調節部21を用いて電動送風機4の第1モータ3へ供給する電力を調節し第1モータ3を通常より低い回転数(低回転数)で回転させて吸引力を低下させる。
本実施形態では、記憶部7の不揮発性メモリに記憶した自動モードの制御仕様に関するデータは、ゴミ検知センサ18がゴミの多いか又は少ないかを判別する境界(第1モータ3の高回転数と低回転数とを切り替える切り替え点)を含むことができる。また、制御部6は、自動モードにおいてこの制御仕様に関するデータに基づき、第1モータ3の高回転数と低回転数とを切り替える。
【0052】
記憶部7に記憶した自動モードの制御仕様に関するデータは、ゴミ検知センサ18のオン/オフを含むことができる。制御部6は、この制御仕様に関するデータでゴミ検知センサ18がオフとなっている場合、自動モードにおいてゴミ検知センサ18をオフとし、ゴミ検知センサ18に基づき第1モータ3の高回転数と低回転数との切り替えは行わない。
【0053】
制御部6は、通信部8を介して情報機器9から受信した情報に基づき記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータを変更するように設けられる。
例えば、第1実施形態で説明したカスタマイズ画面(例えば、図4(b))にゴミ検知センサ18がゴミの多いか又は少ないかを判別する境界を設定する設定項目と、ゴミ検知センサ18のオン/オフを設定する設定項目とを追加して、ゴミ検知センサ18の判別境界及びオン/オフを含む設定データを情報機器9から電気掃除機40に送信することができる。制御部6が情報機器9から受信した設定データに基づき記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータを変更し、変更した制御仕様に関するデータに基づき自動モードにおいて第1モータ3の高回転数と低回転数とを切り替えることやゴミ検知センサ18のオン/オフを切り替えることができる。このように、自動モードにおいて、第1モータ3の高回転数と低回転数との切り替え点やゴミ検知センサ18のオン/オフをカスタマイズすることができる。
その他の構成は第1~第3実施形態と同様である。また、第1~第3実施形態についての記載は矛盾がない限り第4実施形態についても当てはまる。
【0054】
第5実施形態
第5実施形態では、電気掃除機40は運転モードとしてカスタマイズ専用モードを有する。
カスタマイズ専用モードは強運転モード、弱運転モード、自動モードとは別に設けられるため、既存の運転モードを変更せずにユーザーの好みや使い勝手に合った運転モードを作成することができる。
記憶部7の不揮発性メモリに記憶した制御仕様に関するデータは、強運転モード、弱運転モード、自動運転モードとは別に、カスタマイズ専用モードの制御仕様に関するデータを有する。
【0055】
カスタマイズ専用モードの制御仕様に関するデータは、電動送風機4の第1モータ3の回転数、回転ブラシ11を回転させる第2モータ12の回転数、イオン発生部16のオン/オフ、イオン発生部16のイオン発生程度(濃度)、床面検知センサ17がカーペットとフローリングを識別する境界、ゴミ検知センサ18がゴミの多いか又は少ないかを判別する境界及びゴミ検知センサ18のオン/オフのうち少なくとも1つに関するデータを含むことができる。
【0056】
制御部6は、通信部8を介して情報機器9から受信した情報に基づき記憶部7に記憶したカスタマイズ専用モードの制御仕様に関するデータを変更するように設けられる。制御仕様に関するデータは、第1~第4実施形態に記載した制御仕様に関するデータの変更方法と同様の方法で変更することができる。
また、本実施形態では、カスタマイズ専用モードの制御仕様に関するデータのみを変更できるようにし、強運転モード、弱運転モード及び自動モードの制御仕様に関するデータを変更できないようにしてもよい。
その他の構成は第1~第4実施形態と同様である。また、第1~第4実施形態についての記載は矛盾がない限り第5実施形態についても当てはまる。
【0057】
第6実施形態
第6実施形態では、制御部6は、記憶部7に記憶した制御仕様に関するデータを変更する前に情報機器9の識別情報を確認するように設けられる。識別情報を確認することにより、制御仕様に関するデータを変更することができる情報機器9を限定することができ、セキュリティを強化することができる。識別情報は、例えば、リンクキー、端末コード、パスワード、デジタル証明書などである。
【0058】
例えば、情報機器9の通信部33を電気掃除機40の通信部8に近づけ、情報機器9及び電気掃除機40をペアリングモードとする。このことにより、ペアリング設定が自動的に行われリンクキーが生成され、リンクキーが電気掃除機40の記憶部7、情報機器9の記憶部の両方に保存される。このようにして、電気掃除機40と情報機器9とをペアリングすることができる。
制御部6は、例えば、情報機器9との通信の最初の段階において、情報機器9のリンクキーが電気掃除機40のリンクキーと一致するかどうかを確認することができる。
その他の構成は第1~第5実施形態と同様である。また、第1~第5実施形態についての記載は矛盾がない限り第6実施形態についても当てはまる。
【0059】
第7実施形態
第7実施形態では、電気掃除機40は記憶部7に記憶された運転モードの制御仕様に関するデータを初期化する機能を有する。例えば、電気掃除機40が有するボタンを長押しすることにより、カスタマイズした制御仕様に関するデータを初期化することができる。
その他の構成は第1~第6実施形態と同様である。また、第1~第6実施形態についての記載は矛盾がない限り第7実施形態についても当てはまる。
【符号の説明】
【0060】
2:ファン 3:第1モータ 4:電動送風機 5:電源部 6:制御部 7:記憶部 8:通信部 9:情報機器 10:掃除機本体 11:回転ブラシ 12:第2モータ 13:吸込口体 15:バッテリー 16:イオン発生部 17:床面検知センサ 18:ごみ検知センサ 21:第1電力調節部 22:第2電力調節部 25:集塵部 31:ホームボタン 32:表示部 33:通信部 40:電気掃除機
図1
図2
図3
図4
図5