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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】パネルユニット
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/00 20060101AFI20230330BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230330BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230330BHJP
【FI】
A47K17/00
F21V33/00 100
F21V23/00 120
F21V23/00 115
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019002228
(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2020110268
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】森田 美咲
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】春日 孝俊
(72)【発明者】
【氏名】辻 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】沓澤 寛人
(72)【発明者】
【氏名】中尾 俊紀
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-079056(JP,A)
【文献】特開2018-155025(JP,A)
【文献】実開平02-005474(JP,U)
【文献】特開2001-275891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 1/00-13/00
F21V 23/00、33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体の背面側に配置されるキャビネットの一の面を構成するパネルユニットであって、
板状のパネルと、
前記パネルに設けられる照明装置と、
前記パネルに設けられ、前記照明装置を点灯及び消灯させるために人体を検知する照明センサと、
前記パネルにおける前記キャビネットの内側の面に配置され、前記照明装置及び前記照明センサを駆動する電源と、
前記パネルの前記内側の面に連結され、前記キャビネットの内奥に向かって前記内側の面に対して交差する方向に取り付けられる連結側板と、を備え
前記照明装置は、前記連結側板の内奥側の端部よりも前記パネルに近い側に配置される、パネルユニット。
【請求項2】
前記連結側板には、前記照明装置が取り付けられる、請求項1に記載のパネルユニット。
【請求項3】
前記パネルは、前記便器本体の背面側に配置され、前記キャビネットの前面部を構成する前パネルであり、
前記照明装置及び前記電源は、前記前パネルの背面側に配置され、
前記照明センサは、前記前パネルの前面側に配置される、請求項1又は2に記載のパネルユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器装置が配置されるトイレ空間内で、便器本体の背面側に背面側キャビネットを配置し、便器装置の給水部や排水部を背面側キャビネットに収容することが知られている。この背面側キャビネットの天面のパネルには、照明装置を配置し、トイレ空間内を照らすように構成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
天面パネルに照明装置を配置した場合、電源等は背面側キャビネットの内部に収容して取り付けることとなる。照明装置及び電源等を背面側キャビネット内のそれぞれ別の場所に取り付けるため、配線等が複雑になり、施工に手間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、便器本体(例えば、後述の便器本体21)の背面側に配置されるキャビネット(例えば、後述の背面側キャビネット3)の一の面を構成するパネルユニット(例えば、後述のパネルユニット1)であって、板状のパネル(例えば、後述の前パネル31)と、前記パネルに設けられる照明装置(例えば、後述の照明装置6)と、前記パネルに設けられ、前記照明装置を点灯及び消灯させるために人体を検知する照明センサ(例えば、後述の照明センサ7)と、前記パネルにおける前記キャビネットの内側の面に配置され、前記照明装置及び前記照明センサを駆動する電源(例えば、後述の電源8)と、備えるパネルユニットに関する。
【0006】
前記パネルの前記内側の面に連結され、前記キャビネットの内奥に向かって前記内側の面に対して交差する方向に取り付けられる連結側板(例えば、後述の連結側板5)をさらに備え、前記連結側板には、前記照明装置が取り付けられ、前記照明装置は、前記連結側板の内奥側の端部よりも前記パネルに近い側に配置されることが好ましい。
【0007】
前記パネルは、前記便器本体の背面側に配置され、前記キャビネットの前面部を構成する前パネルであり、前記照明装置及び前記電源は、前記前パネルの背面側に配置され、
前記照明センサは、前記前パネルの前面側に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、施工が容易な背面側キャビネットのパネルユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のトイレ空間の正面図である。
図2】本実施形態の背面側キャビネットの背面図である。
図3】本実施形態のトイレ空間の側面図である。
図4】本実施形態のトイレ空間の上面図である。
図5】本実施形態のパネルユニットの斜視図である。
図6】他の実施形態の前パネル及び巾木の下端近傍を示す拡大した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるトイレ空間100の正面図である。
パネルユニット1は、キャビネットとしての背面側キャビネット3の前面を構成し、トイレ空間100内に配置される。
【0011】
トイレ空間100は、便器装置2が配置され、部屋の壁や仕切り等で区画された所定の空間であり、本実施形態では、便所である。トイレ空間100は、図1に示すように、略直方形の空間であり、長手方向がトイレ空間100の手前側の入口(図示省略)と入口に対向する奥側とを結ぶ前後方向に沿っている。トイレ空間100は、奥側の後壁101と、後壁101の幅方向の一方及び他方の一対の側壁102と、出入口用の扉が設けられた前壁(図示省略)と、背面側キャビネット3が設けられる床面103と、を有する。
なお、本明細書において、上下方向とは天地方向であり、幅方向とは、図1に示すように、トイレ空間100の入口側から後壁101に向かって、背面側キャビネット3を正面から見た場合の左右を結ぶ横方向を意味する。また、左右とは、背面側キャビネット3を正面から見た場合の左右を意味する。
【0012】
図2は、背面側キャビネット3の背面図である。図2では、カウンター330を省略して示している。図3は、トイレ空間100の側面図であり、図4は、トイレ空間100の上面図である。
便器装置2は、図1図3に示すように、便器本体21と、便蓋22と、給水部23と、排水部24と、を有する。
【0013】
便器本体21は、上部が開口した凹部が形成されたボウル部210を有する平面視略U字状の容器である。便器本体21は、使用者が着座して使用する便器を構成する主要部分であり、ボウル部210の底部には汚物を排出する排水口が形成されている。便器本体21は、下端部が床面103から上方に離れた位置に配置されている。便器本体21は、いわゆる壁掛け式であり、便器本体21が後述する背面側キャビネット3に接続されて、床面103から宙に浮いたように設置されている。便器本体21は、床面103から、例えば60mm~110mm程度上方に離れた位置に取り付けられている。
【0014】
便蓋22は、便器本体21のボウル部210における開口を覆う蓋であり、後方側にヒンジで接続されて開閉される。
給水部23は、便器本体21に排水用の水を供給する機構である。給水部23は、建物の内部に設けられた給水管(図示省略)に接続され、ボウル部210に供給する水を貯水する給水タンク230を有する。
排水部24は、便器本体21に接続され、便器本体21の排水口から排出される汚水を下水へ排水するエルボ管241及び蛇腹管242を有する。エルボ管241は、排水口に接続されており、蛇腹管242は、エルボ管241の下流側端部から床下の下水管へと接続される。
【0015】
図4は、トイレ空間100の上面図である。図4では、カウンター330を省略して示している。
背面側キャビネット3は、図4に示すように、便器本体21の背面側と、トイレ空間100の後壁101との間に配置される。背面側キャビネット3は、床面103から便器装置2の上部を越えて上方へ延びるとともに、後壁101側へ奥行を有する。背面側キャビネット3は、便器装置2のタンクや止水栓等が配置される給水部23や排水部24等を覆い隠す棚である。
背面側キャビネット3は、収容部30と、パネルとしての前パネル31と、巾木32と、一対の間口調整材4と、一対の連結側板5と、一対の照明装置6と、照明センサ7(図1参照)と、制御部(図示省略)と、電源8と、を有する。また、これらの構成部のうち前パネル31、照明装置6、照明センサ7、電源8及び連結側板5は、合せて一体のパネルユニット1を構成し、背面側キャビネット3は、このパネルユニット1を有する。パネルユニット1については、後述する。
【0016】
収容部30は、便器本体21の背面と後壁101との間に配置され、便器装置2の給水部23や排水部24、便器装置2の電源(図示省略)等の構成部を内部に収容する略直方形の空間である。収容部30は、フレーム350と、補強木320と、カウンター330と、を有する。
【0017】
フレーム350は、図2に示すように、便器本体21、給水部23及び排水部24等を固定支持する土台を形成する枠体である。フレーム350は、一対の縦桟351、上桟352(図4参照)、及び下桟353を有する。
一対の縦桟351は、便器本体21の背面側で、後壁101から前方側に所定距離離れた位置に、上下方向に延びる金属製の枠材である。一対の縦桟351は、便器本体21の幅方向の一方及び他方に配置される。縦桟351には、後述する前パネル31を介して便器本体21が固定される。また、図3に示すように、一対の縦桟351の間に、横方向に延びる支持部材354が取り付けられ、給水タンク230が支持部材354に固定支持される。
上桟352は収容部30の上部側で、下桟353は収容部30の下部側で、一対の縦桟351の間に横方向に渡される金属製の枠材である。
【0018】
補強木320は、後壁101に直接取り付けられる板材であり、収容部30の上部でフレーム350に対向する位置に配置される。
【0019】
カウンター330は、図3に示すように、収容部30の上部を覆う長方形の板である。カウンター330は補強木320に回動可能にヒンジで接続され、収容部30の上部開口を開閉可能な蓋を構成する。カウンター330の手前側の縁は、上桟352に間接的に支持される。
【0020】
前パネル31は、便器本体21が固定されるフレーム350の縦桟351に接続されて支持され、便器本体21の背面側に配置される。前パネル31は、収容部30の前側と便器本体21とを隔てる四角形の板状の部材である。前パネル31は、便器本体21の下方から上端部を越えて上下方向に延び、背面側キャビネット3の最前面部を構成する。前パネル31は、上端側で幅方向に延びる上端縁31aと、下端側で幅方向に延びる下端縁31bと、幅方向の一方及び他方で上下方向に延びる側縁31c、31dとを有する。
【0021】
前パネル31の幅方向に沿う寸法は、便器本体21の幅よりも大きく、前パネル31は、背面側キャビネット3の幅方向の一方側から他方側へ延びるように配置されている。しかし、図1に示すように、前パネル31の一対の側端部で上下方向に延びる側縁31c、31dは、それぞれの側端部に対向するトイレ空間100の一対の側壁102から離れた位置に配置されており、側壁102にぴったりと付き合わされてはいない。すなわち、前パネル31の一対の側端部は、それぞれ一対の側壁102から離れて、第1の隙間S1を有して配置されている。第1の隙間S1は、例えば5mm~40mm程度、好ましくは10mm~35mm程度であってよい。
【0022】
前パネル31は、複数の板が隣接して配置されることで構成されており、上部前板部311と、下部右側前板部312と、下部左側前板部313と、下部中央前板部314と、を有する。
【0023】
上部前板部311は、前パネル31の上部に配置される四角形の一枚の板材である。上部前板部311は、縦桟351に固定される。
【0024】
下部右側前板部312は、前パネル31の下部の正面視右側に配置される四角形の板であり、便器本体21の下方の右側に配置される。下部右側前板部312は、ダボと孔の構成により上部前板部311に接続されており、また、後述する下部中央前板部314に接続されることで、間接的に縦桟351に支持される。
【0025】
下部左側前板部313は、前パネル31の下部の正面視左側に配置される四角形の板であり、便器本体21の下方の左側に配置される。下部左側前板部313は、ダボと孔の構成により上部前板部311に接続されており、また、後述する下部中央前板部314に接続されることで、間接的に縦桟351に支持される。
【0026】
下部中央前板部314は、前パネル31の下部の正面視中央側に配置される板であり、便器本体21の形状に沿って上部側が切り欠かれている。下部中央前板部314は、便器本体21の背面側に配置され、縦桟351に固定される。
【0027】
前パネル31の下端部に沿って延びる下端縁31b、すなわち、下部右側前板部312、下部左側前板部313及び下部中央前板部314の下端縁は、図1及び図3に示すように、床面103から上方に離れた位置に配置されており、床面103に直接接続されていない。前パネル31は、床面103から、少なくとも10mm以上離れた位置に取り付けられ、好ましくは20mm~50mm、例えば30mm~40mm程度離れた位置に取り付けられる。
【0028】
巾木32は、図3に示すように、縦桟351に固定されて前パネル31の下端部の背面側に配置され、前パネル31の幅方向の一方から他方に延びる細長い板材である。巾木32は、前パネル31の背面と前後方向に重なり、床面103に当接する。巾木32の前面は、前パネル31の背面に接している。巾木32は、前パネル31とは異なる色調に形成されており、例えば、トイレ空間100の側壁102と同系色である。
【0029】
図5は、前パネル31に間口調整材4、連結側板5及び照明装置6が取り付けられた状態の斜視図である。間口調整材4は、背面側キャビネット3の上下方向に沿って延びる縦長の板材であり、長手方向側縁41と、短手方向側縁42と、長孔43と、を有する。
長手方向側縁41は、前パネル31の側縁31c、31dに沿って配置される。
短手方向側縁42は、前パネル31の幅方向に沿って配置される。
長孔43は、間口調整材4の上端側及び下端側に短手方向に沿って形成される。
【0030】
間口調整材4は、図4及び図5に示すように、前パネル31の背面側で、前パネルの一対の側縁31c、31d近傍に、前パネル31と前後方向に重なるように一対配置される。間口調整材4は、長孔43に挿通させるビス44の位置を調整することにより左右方向に移動可能に取り付けられ、間口調整材4の短手方向側縁42の外側端部が、トイレ空間100の側壁102に当接するように近接させて取り付けられる。間口調整材4は、間口調整材4を側壁102に当接させるか、また、施工誤差等で側壁102にぴったりと当接しない場合でも、当接するほどに近接させることが可能であればよい。図1及び図5に示すように、間口調整材4の短手方向側縁42の外側端部は、前パネル31よりも幅方向の外側に位置する。
【0031】
間口調整材4は、前パネル31の背面から後方に離れ、前パネル31の背面との間に第2の隙間S2を有して配置される。前パネル31の背面と間口調整材4との間の第2の隙間S2の寸法は、前パネル31の側端部とトイレ空間100の側壁102との間の第1の隙間S1の寸法よりも大きく、例えば、40mm~60mm程度、好ましくは45mm~55mm程度である。第2の隙間S2の方が第1の隙間S1よりも大きいことで、第2の隙間S2の奥行きにより前パネル31の独立性が際立ち、前パネル31が浮遊しているような浮遊感が実現される。
【0032】
間口調整材4は、白色、ベージュ、クリーム色等の光を反射させやすい色調及び素材で構成される。白、ベージュ、クリーム色等の白色系の色調は、黒色系や赤色系等と比べると光を反射させやすい。このため、間口調整材4の反射板としての機能を発揮させやすくなる。
【0033】
間口調整材4は、図1に示すように、間口調整材4の下端部が巾木32の幅方向外側に配置されており、巾木32に対していわゆる「縦勝ち」に配置されている。間口調整材4と巾木32は、正面視で連続したように見え、間口調整材4と巾木32が前パネル31の下側の周囲を上部が開口したコの字状に囲んでいるように配置されている。
【0034】
連結側板5は、前パネル31の背面と間口調整材4とを連結する板である。連結側板5は、前パネル31の背面側の面から背面側キャビネット3の内奥に向かって、前パネル31及び間口調整材4に対して略直交するように取り付けられる。連結側板5は、間口調整材4とほぼ同程度の長さを有する縦長の板材である。連結側板5の幅方向の長さは、第2の隙間S2に対応する。図4に示すように、連結側板5の前パネル31側の短手方向の端部における、前パネル31と接する端面には、前パネル31側に向かって突出するボス51が形成されており、前パネル31の背面側の対応する位置に形成される孔に挿入されて連結される。
【0035】
図5を参照して、連結側板5と間口調整材4の連結手順について説明する。前パネル31の幅方向の寸法は、トイレ空間100の一対の側壁102同士の間の距離よりも短いので、前パネル31の幅方向の外側に第1の隙間S1が開く。第1の隙間S1の大きさに応じて、間口調整材4の位置は、便器本体21寄りか、側壁102寄りか、施工現場で位置を調整される。間口調整材4の長孔43にビス44を挿通させ、間口調整材4と連結側板5とをL字型金具52で仮留めする。間口調整材4の短手方向側縁42の外側(トイレ空間100の側壁102側)の端部が側壁102に当接するように近接させて左右方向に移動させ、位置を調整した後、間口調整材4の上端側及び下端側に挿通されているビス44を締め、一対の間口調整材4を固定する。
【0036】
照明装置6は、前パネル31の背面側における前パネル31の両側縁31c、31dに沿って延びるように一対配置される。詳細には照明装置6は、図4に示すように、前パネル31の両側縁31c、31dからやや幅方向中央寄りの位置で、前パネル31の両側縁31c、31dの背面と、間口調整材4との間で、連結側板5に取り付けられ、背面側キャビネット3の正面視では視認されない位置に配置される。照明装置6は、連結側板5における内奥側の端部よりも前パネル31に近い側に配置される。照明装置6は、背面側キャビネット3の一対の側縁31c、31d側からトイレ空間100の一対の側壁102に対して光を照射する間接照明装置である。照明装置6は、照明ケース61と、照明カバー62と、照明素子及びケーブル(図示省略)とを有する。
【0037】
照明ケース61は、内部に照明素子及びケーブルが格納された直方体のケースである。照明ケース61は、前パネル31の上下方向の側縁31c、31dにおける一方側の端部側から他方側の端部側まで延びるように配置される。詳細には、照明ケース61の長さは、前パネル31の側縁31c、31dの長さよりもわずかに短く、照明ケース61の端部は、前パネル31の上下方向の端部よりもやや内側に位置している。なお、図4に示すように、照明ケース61は、前パネル31の一方の側縁31c側と他方の側縁31d側とでは、奥行き方向に互い違いにずれて配置されており、一方の側縁31c側では前パネル31の背面から奥側へ離れた位置で連結側板5に取り付けられ、他方の側縁31d側では前パネル31の背面に当接するように連結側板5に取り付けられている。
【0038】
照明カバー62は、照明ケース61が取り付けられた状態で、照明ケース61における少なくとも前パネル31の幅方向の外側を覆うように取り付けられる。照明カバー62は、トイレ空間100の側壁102側を向くように配置される。
【0039】
照明素子は、照明ケース61の内部に配置されている(図示省略)。照明素子が点灯することで照明装置6が発光する。照明素子は、発光の範囲が前パネル31の上下方向に亘るように、照明ケース61内の上下方向に沿って並ぶように配置されている。
【0040】
照明センサ7は照明装置6に接続される。照明センサ7は、照明装置6を点灯及び消灯させるために便器装置2に近付く人体を検知する、照明用の焦電型赤外線人体検知センサである。照明センサ7は、前パネル31の前面側に配置され、使用者がトイレ空間100に入室して、便器装置2に予め設定した所定距離近づくと、人体を検知し、検知結果を制御部へ出力する。照明センサ7は、その検知範囲が便器装置2の便蓋22又は便座の全閉時において便蓋22又は便座に干渉しない位置に設定される。図1に示すように、本実施形態では、照明センサ7は、便器装置2の正面視左側、便蓋22の幅方向の外側で、便蓋22の上面よりも上方の前パネル31の表面に配置されている。
【0041】
制御部は、照明センサ7が人体を検知すると、検知結果に応じて照明装置6を点灯させる。また、制御部はタイマーを有し、照明装置6の点灯後所定時間が経過すると、照明装置6を消灯させる。
【0042】
電源8は、図1図2及び図4に示すように、前パネル31の背面側に配置される。より詳細には、電源8は、電源基板81を有し、電源ボックス80内に収容される。
電源基板81は、照明装置6及び照明センサ7を駆動する電源回路が実装されている。
電源ボックス80は、電源基板81を内部に収容する直方体の箱であり、前パネル31の背面側で左右方向の一方の端部側に配置されている。電源ボックス80は、長手方向の辺が前パネル31の上下方向、短手方向の辺が左右方向に沿って延びている。また、電源ボックス80の厚さ方向の辺は、前パネル31の背面から収容部30の奥側へ向かって延びるように配置されている。電源ボックス80の下端に形成された孔から、電源基板81に接続されたケーブルが挿通し、収容部30内にあるトイレ空間内の電源のレセプタクルに差し込まれるようになっている。
【0043】
次に、図4及び図5を参照して、パネルユニット1について説明する。パネルユニット1は、前パネル31に連結側板5、照明装置6、照明センサ7及び電源8が収容される電源ボックス80が取り付けられ、一つの組立体に構成されている。
連結側板5は、前パネル31の面に略直交し、連結側板5の短手方向の辺が、前パネル31の背面側からパネルの面に交差して背面側キャビネット3の内奥に向かって延びるように配置されている。
照明装置6は、連結側板5における背面側キャビネット3の外側の面に取り付けられている。照明装置6の奥行方向の寸法D2は、連結側板5の奥行方向の寸法D1よりも小さい。
照明センサ7は、前パネル31の前面側に配置されている。
電源ボックス80は、前パネル31の背面側で連結側板5における背面側キャビネットの内側の面に接するように配置されている。電源ボックス80の厚さ方向の寸法Tは、連結側板5の奥行方向の寸法D1よりも小さい。よって、当然、電源ボックス80内に収容されている電源8の奥行方向の寸法は、連結側板5の奥行方向の寸法D1より小さい。
照明装置6及び照明センサ7から延びるケーブルは、電源ボックス80内の電源基板81に接続されている。照明装置6及び照明センサ7は、配線が全て完了した状態で連結側板5及び前パネル31に取り付けられている。
【0044】
以上の状態で組み立てられたパネルユニット1は、前パネル31と一対の連結側板5とで、背面側キャビネット3の内奥に向かって開口した上面視略コの字型の外形を有している。前パネル31と一体に接続された他の構成部品は、連結側板5の奥側の端部よりも前パネル31側に寄って配置されており、連結側板5の奥行方向の端部からさらに内奥へ超えることはない。パネルユニット1は、前パネル31の背面側をフレーム350に固定することで、背面側キャビネット3に取り付けられる。
【0045】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、便器本体21の背面側に配置される背面側キャビネット3の前面を構成するパネルユニット1を、板状の前パネル31と、前パネル31に設けられる照明装置6と、前パネル31に設けられ、照明装置6を点灯及び消灯させるために人体を検知する照明センサ7と、前パネル31における背面側キャビネット3の内側の面に配置され、照明装置6及び照明センサ7を駆動する電源8と、含んで構成した。
パネルユニット1が前パネル31と、照明装置6と、照明センサ7と、電源8とを備えているので、パネルユニット1を所定の場所に固定するだけで、前パネル31、照明装置6、照明センサ7及び電源8の全てを一度に背面側キャビネット3に取り付けることができ、施工が極めて容易になる。
【0046】
本実施形態では、前パネル31の内側の面に連結され、背面側キャビネット3の内奥に向かって内側の面に対して交差する方向に取り付けられる連結側板5をさらに含んで構成した。また、連結側板5に、照明装置6を取り付け、照明装置6を、連結側板5の内奥側の端部よりも前パネル31に近い側に配置した。
パネルユニット1の取り付け時には、パネルユニット1の前パネル31の背面側を下にして壁や周囲の物に立て掛けたり、施工の途中で一時的に他の場所に仮置きすることがある。連結側板5は前パネル31の背面側で、前パネル31に対して略直交するように取り付けられるので、連結側板5の奥側の端部が立てかけた壁や周囲の物に当接し、連結側板5の奥側の端部と前パネル31の背面との間に空間があく。照明装置6が、前パネル31に略直交するように取り付けられる連結側板5の前パネル31に近い側に取り付けられ、電源8は前パネル31の背面に配置されていると、連結側板5と前パネル31の間に形成された空間に照明装置6や電源8が配置され、前パネル31により覆われて保護される。よって、施工性が向上し、上記と同様の効果を奏する。
【0047】
本実施形態では、パネルを、便器本体21の背面側に配置され、背面側キャビネット3の前面部を構成する前パネル31とした。また、照明装置6及び電源8を、前パネル31の背面側に配置し、照明センサ7を、前パネル31の前面側に配置させた。
これにより、背面側キャビネット3の最も目立つ面の施工が容易になり、背面側キャビネット3全体の施工性を向上させることができる。
【0048】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、背面側キャビネット3の前パネル31を例に説明したが、これに限られない。背面側キャビネットの一の面を構成するパネルユニットであれば、背面側キャビネットの側面を構成するものであってもよい。この場合、照明装置及び照明センサは、パネルに設けられ、電源は、パネルにおける背面側キャビネットの内側の面に配置されてよい。
【0049】
図6は、背面側キャビネット3Aの他の実施形態における前パネル31A及び巾木32Aの下端近傍を示す拡大した側面図である。
図6に示すように、前パネル31Aの背面と巾木32Aの間に下側用照明装置600を設けてもよい。下側用照明装置600は、前パネル31Aの下端縁の幅方向に沿って配置される。より具体的には、前パネル31Aの下端部の背面側を側面視でL字状に切り欠いて、切欠き部319を形成する。前パネル31Aの下端部の切欠き部319及び巾木32Aの間に空間を形成し、この空間に下方に向かって照らす下側用照明装置600を配置する。
下側用照明装置600から照射される光と、上記実施形態の照明装置6から照射される光とは、前パネル31Aの下端部の幅方向外側の角で重なる。前パネル31Aの下側の周囲を下側用照明装置600と照明装置6とが連続して囲むように配置される。これより、前パネルが床面103から浮遊した状態であることが視認しやすくなる。
【0050】
下側用照明装置600は、背面側キャビネット3の下端縁31b側からトイレ空間100の床面103に対して光を照射する間接照明装置であってよい。
また、他の下側用照明装置として、前パネルと床面との間に配置して、トイレ空間内を直接照らす直接照明として構成したものでもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、センサ7は焦電式の赤外線人体検知センサであるが、光学式又は超音波式センサ等であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 パネルユニット
3 背面側キャビネット(キャビネット)
5 連結側板
6 照明装置
7 照明センサ
8 電源
31 前パネル(パネル)
図1
図2
図3
図4
図5
図6