(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】照明要素
(51)【国際特許分類】
A61B 90/30 20160101AFI20230330BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20230330BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230330BHJP
F21W 131/20 20060101ALN20230330BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230330BHJP
【FI】
A61B90/30
A61B18/14
F21S2/00 610
F21W131:20
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2019521649
(86)(22)【出願日】2017-10-23
(86)【国際出願番号】 US2017057808
(87)【国際公開番号】W WO2018080963
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-09
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316017169
【氏名又は名称】インブイティ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】イマンゴリ,ババク
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】安井 寿儀
【審判官】村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0117356(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0157920(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0245591(US,A1)
【文献】特開2009-111395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/30
A61B 18/14
F21S 2/00
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術標的を照明するように構成される発光デバイスであって、
底面および上面を含む基部と、
底面および上面を含む伝動層であって、伝導層の少なくとも一部を前記基部の
前記上面の上に連結した伝導層と、
底面および上面を含む絶縁層であって、絶縁層の少なくとも第1の部分を前記伝導層の
前記上面の上に連結し、かつ絶縁層の第2の部分を前記基部の
前記上面の上に連結した絶縁層と、
前記伝導層の
前記上面の上に連結された発光体であって、発光体の第1の部分が前記伝導層の第1の部分に電気的に接触し、かつ発光体の第2の部分が前記伝導層の第2の部分に電気的に接触する、発光体と、
前記基部、前記伝導層、及び前記絶縁層を貫通す
る複数の孔であって、
(i)前記基部、前記伝導層の第1の部分、及び前記絶縁層を通る第1の通路、並びに
(ii)前記基部、前記伝導層の第2の部分、及び前記絶縁層を通る第2の通路
を画定す
る複数の孔と、
前記第1の通路を通って延び、かつ前記伝導層の第1の部分に電気的に連結される第1の導体要素であって、前記伝導層の第1の部分を介して前記発光体の第1の部分に電気的に連結される第1の導体要素と、
前記第2の通路を通って延び、かつ前記伝導層の第2の部分に電気的に連結される第2の導体要素であって、前記伝導層の第2の部分を介して前記発光体の第2の部分に電気的に連結される第2の導体要素と
を備えている発光デバイス。
【請求項2】
前記絶縁層を通る前
記複数の孔が、前記伝導層の第1の部分
を通る前記複数の孔及び前記伝導層の第2の部分
を通る前記複数の孔よりも大きな寸法となっており、かつ前記伝導層の第1の部分及び前記伝導層の第2の部分のそれぞれに、(i)前記伝導層の第1の部分における第1の伝導面、並びに(ii)前記伝導層の第2の部分における第2の伝導面を有する露出領域を残すようになっており、
前記第1の導体要素及び前記伝導層の第1の部分間における電気的接触が、前記第1の伝導面を通してなされるようになっており、
前記第2の導体要素及び前記伝導層の第2の部分間における電気的接触が、前記第2の伝導面を通してなされるようになっている、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項3】
前記第1の導体要素及び前記伝導層の第1の部分間における電気的接触が、前記伝導層の第1の部分における第1の伝導縁を通してなされるようになっており、
前記第2の導体要素及び前記伝導層の第2の部分間における電気的接触が、前記伝導層の第2の部分における第2の伝導縁を通してなされるようになっている、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項4】
(i)前記第1の導体要素及び前記伝導層の第1の部分と、(ii)前記第2の導体要素及び前記伝導層の第2の部分との間における電気的接触が、伝導媒体を通してなされるようになっている、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項5】
前記伝導媒体が半田となっている、請求項4に記載の発光デバイス。
【請求項6】
手術標的を照明するように構成される発光システムであって、
近位部分及び遠位部分を有する外科装置と、
請求項1~5のいずれか一項に記載される発光デバイスであって、前記外科装置の遠位部分内に配置された発光デバイスと
を備えている発光システム。
【請求項7】
前記外科装置がメス又は電極を備えている、請求項6に記載の発光システム。
【請求項8】
前記伝導層の第1の部分に接触する前記発光体が、前記伝導層の第2の部分に接触する前記発光体の第2の部分から電気的に絶縁されている、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項9】
前記第1の導体要素及び前記第2の導体要素のそれぞれが、ワイヤ、ピン、フィラメント、ファイバー、伝導軌道、伝導パッド、伝導基板、箔、及び積層物から成る一群の導体から選択される1つの導体を含んでいる、請求項1に記載の発光デバイス。
【請求項10】
前記基部が、熱伝導性かつ非電気伝導性である1つ又は複数の材料を有している、請求項1に記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本願は、2016年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/412,195号の優先権の利得を主張するものであり、その内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
手術用照明は、ユーザーの種々の要求をバランスよく満たさねばならない。すなわち、光源は、明るくなければならないが過剰な熱を生じてはならず、標的に導かれなばならないが他の箇所を照らしてはならず、頑強でなければならないが、手術野へのアクセスを妨げないように小型でなければならない。多くの場合、これらの無数の要求のほとんどは、より低輪郭を必要とする装置内に配置されたより小さな照明要素によって達成されねばならない。しかしながら、現存するほとんどの手術用照明選択肢として、所望の標的を照明する場合、嵩張った照明要素を用いるか、又はその逆に、より流線的な設計のためにより脆弱になった照明要素を用いることが必要となっている。
【背景技術】
【0003】
無数の発光素子、システム、及び方法が、長年にわたって開発されてきている。例えば、特許文献1(Harbers and Collinsに付与され、Philips Lumileds Light Company, LCCに譲渡された「二次元アレイ(配列要素)LEDを用いるLEDバックライト」と題する米国特許第7,052,152号)及び特許文献2(Higley, Chen, and Colemanに付与され、Cree,Inc. に譲渡された「LED照明備品」と題する米国特許第7,824,070号)が挙げられる。
【0004】
さらに、特許文献3(Hamby, Scotch and Selverian に付与され、Osram Sylvania Incに譲渡された「照明モジュール」と題する米国特許第8,022,626号)、特許文献4(Hussell et al ., に付与され、Cree,Inc.に譲渡された「セラミック基発光ダイオード(LED)素子、構成部品、及び方法」と題する米国特許第8,895、998号)、特許文献5(Andrews and Adamsに付与され、CREE, Inc.に譲渡された「改良された性能を有する発光部品及び方法」と題する米国特許第8,916,896号)、特許文献6(Higley, Chen, and Colemanに付与され、Cree, Inc.に譲渡された「LED照明備品」と題する米国特許第9,212,808号)、特許文献7(MacNeish et al., に付与された「セラミック発光体基板」と題する米国特許出願第12/248,84号)、特許文献8(Helbing に付与され、Bridgelux ,Inc.に譲渡された「効率的なLEDアレイ」と題する米国特許出願第13/327,219号)、特許文献9(Ishizaki et al ., に付与され、シャープ株式会社に譲渡された「発光素子」と題する米国特許出願第14/217,701号)、特許文献10(Tudorica et al., に付与され、CREE,Inc. に譲渡された「発光ダイオードチップのための発光素子及び方法」と題する米国特許出願第14/168,561号)、及び特許文献11(West et al ., に付与され、Bridgelux , Inc.に譲渡された「LEDを有する基板を基板上の上側ランドパッドのみによって相互接続構造物内に組み込む方法」と題する米国特許出願第15/067.145号)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7,052,152号明細書
【文献】米国特許第7,824,070号明細書
【文献】米国特許第8,022,626号明細書
【文献】米国特許第8,895,998号明細書
【文献】米国特許第8,916,896号明細書
【文献】米国特許第9,212,808号明細書
【文献】米国特許出願第12/248,841号明細書
【文献】米国特許出願第13/327,219号明細書
【文献】米国特許出願第14/217,701号明細書
【文献】米国特許出願第14/168,561号明細書
【文献】米国特許出願第15/067、145号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光強度を維持しながら光輪郭を縮小することによって光を改良する必要があることを認識した上で、本開示は、一般的に、改良された発光素子(発光デバイス)、その使用方法、及びその製造方法に関する。さらに詳細には、本開示は、手術照明の発光素子、システム、及び方法の枠内における改良された手術照明に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様においては、手術標的を照明するように構成される発光素子が、基部と、(基部の上に連結された少なくとも一部を有する)伝導層と、(伝導層の上に連結された少なくとも第1の部分及び基部の上に連結された第2の部分を有する)絶縁層と、発光体とを備え、導体要素を受け入れるように寸法決めされた1つ又は複数の孔が、基部、伝導層、及び絶縁層を貫通している。発光素子は、基部、伝導層、及び絶縁層を通る少なくとも1つの孔を貫通する少なくとも1つの導体要素をさらに備えていてもよく、該少なくとも1つの導体要素は、発光体に電気的に連結されていてもよい。少なくとも1つの導体要素は、伝導面及び伝導縁のいずれか又は両方を通して伝導層に電気的に接触していてもよい。少なくとも1つの導体要素と伝導層との間の電気的連結は、半田のような伝導媒体によって促進されていてもよい。
【0008】
本開示の他の態様においては、手術標的を照明するように構成される発光システムが、近位部分及び遠位部分を有する外科装置と、外科装置の遠位部分内に配置された発光素子とを備えている。発光素子は、基部と、(基部の上に連結された少なくとも一部を有する)伝導層と、(伝導層の上に連結された少なくとも第1の部分及び基部の上に連結された第2の部分を有する)絶縁層と、発光体とを備え、導体要素を受け入れるように寸法決めされた1つ又は複数の孔が、基部、伝導層、及び絶縁層を貫通しているとよい。外科装置は、メス又は電極を備えていてもよい。任意選択的に、発光システムは、基部、伝導層、及び絶縁層を通る少なくとも1つの孔を貫通する少なくとも1つの導体要素をさらに備えていてもよく、該少なくとも1つの導体要素は、発光体に電気的に連結されていてもよい。少なくとも1つの導体要素は、伝導面及び伝導縁のいずれか又は両方を通して伝導層に電気的に接触していてもよい。少なくとも1つの導体要素と伝導層との間の電気的連結は、半田のような伝導媒体によって促進されていてもよい。
【0009】
本開示の他の態様においては、発光素子を製造する方法が、半田を基板パッケージに塗布するステップと、1つ又は複数の導体要素を基板パッケージの1つ又は複数の導体要素受入孔に配置するステップであって、1つ又は複数の導体要素の各々が頂部及び底部を有する、ステップと、基板パッケージに塗布された半田をリフローさせるステップと、1つ又は複数の導体要素から余分な材料を除去するために、基板パッケージを機械内に固定するステップと、1つ又は複数の導体要素から余分な材料を除去するステップと、1つ又は複数の発光体を基部パッケージに接触させるステップと、基板パッケージに塗布された半田をリフローさせるステップとを含んでいる。1つ又は複数の導体要素は、ピン又はワイヤから構成されていてもよい。任意選択的に、基板パッケージは、基部、伝導層、及び絶縁層から構成されていてもよい。場合によっては、少なくとも1つの導体要素は、伝導層と電気的に接触させられるようになっていてもよい。任意選択的に、基板パッケージを固定するステップが、基部パッケージを基部の重なる部分に沿って研磨機内に締め付けることを含んでいてもよい。場合によっては、除去するステップが、1つ又は複数の導体要素が絶縁層と略同一平面となるように、研磨加工、フライス加工、レーザー加工を行うことを含んでいてもよい。場合によっては、リフローするステップが、発光体と1つ又は複数の導体要素又は伝導層との間に電気的接触をもたらすことを含んでいてもよい。任意選択的に、半田をリフローするステップは、基板をリフロー炉内に配置することを含んでいてもよい。
【0010】
添付の図面に関連する以下の発明を実施するための形態において、これらの及び他の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0011】
本明細書に記載される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照することによって具体的にかつ個別にここに含まれるのと同程度に、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0012】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項において詳細に記載される。本発明の特徴及び利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される例示的的実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態及び添付の図面を参照することによって、得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】
図1Aは、単一発光体を有する発光素子の例示的実施形態を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、単一発光体を有する発光素子の例示的実施形態を示す図である。
【
図1C】
図1Cは、発光素子に連結されるピンを示す図である。
【
図3A】
図3Aは、発光パッケージを備える照明付き電気外科装置の例示的実施形態の底側斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aに示される発光パッケージを備える照明付き電気外科装置の例示的実施形態の上側斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、2つの発光体を有する発光素子の例示的実施形態を示す図である。
【
図5A】
図5Aは、3つの発光体を有する発光素子の例示的実施形態を示す図である。
【
図6】
図6は、3つの発光体を有する発光素子から構成された電気外科システムを示す図である。
【
図8】
図8は、発光素子を製造する方法を示す図である。
【
図9】
図9A~
図9Hは、第1の層及び第2の層を備える発光素子の例示的実施形態の上面図である。
【
図10A】
図10Aは、光学要素に連結された発光素子の例示的実施形態を示す図である。
【
図10B】
図10Bは、光学要素に連結された発光素子の例示的実施形態を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、発光パッケージを備える照明付き電気外科装置の例示的実施形態を示す図である。
【
図11B】
図11Bは、発光パッケージを備える照明付き電気外科装置の例示的実施形態を示す図である。
【
図11C】
図11Cは、発光パッケージを備える照明付き電気外科装置の例示的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本開示の素子、送達システム、及び方法の特定の実施形態について説明する。発明を実施するためのこの形態に記載されるいずれも、任意の特定の構成要素、特徴部、又はステップが本発明にとって必要不可欠であるのを暗に示すことを意図してはいない。
【0015】
図1A~
図1Bは、基部20と、伝導層30と、絶縁層40と、単一の発光体50とを備える発光素子10の例示的実施形態を示している。
【0016】
本明細書に開示されるこの実施形態又は任意の実施形態の基部20は、後面及び前面を有している。本明細書において基部20又は任意の他の層(例えば、伝導層30、絶縁層40等)を記載する時、後面及び前面を指すために、それぞれ、「底面(bottom surface)」及び「上面(top surface)」という用語が用いられることもある。基部20の前面上に、伝導層30、絶縁層40,又は伝導層30と絶縁層40との組合せが配置されている。伝導層30及び/又は絶縁層40は、任意の組合せによって基部20に連結、接合、接着、又は半田付けされているとよく、又はそれ以外の手段によって物理的に、動作可能に、及び/又は熱的に接触していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、伝導層30は、基部20の上面の少なくとも一部を覆って延びているとよい。いくつかの実施形態では、伝導層30が基部20の上面の少なくとも第1の部分を覆って延び、絶縁層40が上面の少なくとも第2の部分を覆って延び、上面の第1の部分と上面の第2の部分とが交差しないようになっていてもよい(従って、伝導層30及び絶縁層40が互いに重ならないようになっていてもよい)。他の実施形態では、伝導層30が基部20の上面の少なくとも第1の部分を覆って延び、絶縁層40が基部20の上面の少なくとも第2の部分を覆って延び、上面の第1の部分と上面の第2の部分とが互いに交差していてもよい(例えば、上面の第1の部分の第1の区分と上面の第2の部分の第2の区分とが重なっていてもよい)。このような実施形態では、絶縁層40が伝導層30に重なっていてもよいし(例えば、伝導層30上に置かれていてもよいし)、又は伝導層30が絶縁層40に重なっていてもよい(例えば、絶縁層40上に置かれていてもよい)。上面の第1の部分及び上面の第2の部分は、互いに部分的及び/又は完全に重なっていてもよい。いくつかの実施形態では、絶縁層40は、伝導層30に部分的に又は完全に重なっていてもよい。基板(例えば、基部20)上への第1の層(例えば、伝導層30)及び第2の層(例えば、絶縁層40)の重なりを表すこれらの及び他の実施形態が、
図9A~
図9Hに示されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、基部20の前面の一部が伝導層30に連結され、基部20の前面の一部が絶縁層40に連結されているとよい。本明細書に記載されるいずれかの実施形態に代わって又はいずれかを組合せて、基部20の前面の一部は、どのような層によっても被覆又は連結されないようになっていてもよい。
【0018】
この実施形態又は任意の実施形態の基部20は、発光素子10のどのような部分の電気的短絡のおそれも生じることなく熱を伝達させるために、(合成物、合金等の形態にある)一種又は複数種の熱伝導性かつ非電気伝導性材料から構成されているとよい。このような熱伝導性かつ非電気伝導性材料の例として、制限されるものではないが、アルミナ(例えば、Al2O3)、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムセラミック基板、窒化ボロン、窒化ボロン粉末、セラミック、コランダム立方晶型窒化ボロン(例えば、Borazon(登録商標))、ガス圧焼結窒化ケイ素、高強度アルミナ基板、熱間プレス窒化アルミニウム、熱間プレス窒化ボロン、熱間プレス窒化ケイ素、(例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム等に対する)マイクロプラズマ陽極酸化セラミック被膜、熱分解窒化ボロン、窒化ケイ素(例えば、Si3N4、Si3N4-Y2O3等)、焼結アルミナ、焼結反応接合窒化ケイ素、ジルコニア、ジルコニア高靭化アルミナが挙げられる。基部20に対する前述の材料のいずれかに代わって又は組合せて基部20を構成する他の有力な材料の例として、アルミニウム、金、銀、コバルト、クロム、銅、鉄、マグネシウム、ニッケル、鉛、プラチナ、鋼、チタン、錫、ケイ素、タングステン、及び亜鉛が挙げられる。好ましくは、基部20は、約20W/m-Kよりも大きい熱伝導率を有する少なくとも一種の材料から構成されている。好ましくは、基部20は、約1010Ω-cmよりも大きい電気抵抗率を有する少なくとも一種の材料から構成されている。さらに好ましくは、基部20は、約20W/m-Kよりも大きい熱伝導率及び約1010Ω-cmよりも大きい電気抵抗率を有する少なくとも一種の材料から構成されている。基部20は、窒化アルミニウム又はそれに相当するセラミックから構成されているとよい。
【0019】
この実施形態又は任意の実施形態の基部20は、1つ又は複数の孔25を備えているとよい。
図1A~
図1Bの例は、厚みの全体を貫通する2つの孔を示している。基部20の孔25は、当業界において知られているどのような方法、例えば、制限されるものではないが、穿孔加工、放電加工、レーザ加工、フライス加工、打抜加工等によって作製されるとよい。基部20の孔25は、この実施形態及び他の実施形態では、円形状を有するものとして示されているが、どのような形状、例えば、楕円形、卵形、半円形、正方形等を有していてもよい。
【0020】
この実施形態又は任意の実施形態の伝導層30は、1つ又は複数のパッドを備えているとよい。図示される例では、2つの伝導パッド31a,31bが示されている。これらの伝導パッド31a,31bは、各々、後面及び前面を有し、後面の一部は、基部20の前面の少なくとも一部に連結されている。伝導パッド31a,31bは、伝導縁32と呼ばれる第1の伝導面を有し、電気(例えば、電流、電位等)がこの伝導面を通るようになっている。伝導縁32は(例えば、
図1Bに示されるように)ピン又はワイヤのような導体要素と物理的及び/又は電気的に接触し、これによって、利用可能な電気の少なくとも一部が伝導縁32の少なくとも一部を通ることが可能になる。代替的に又は組合せて、伝導パッド31a,31bは、伝導面33と呼ばれる第2の伝導面を有していてもよい。伝導面33は、(例えば、
図1Bに示されるように)ピン又はワイヤのような導体要素に物理的及び/又は電気的に接触し、これによって、利用可能な電気の少なくとも一部が伝導面33の少なくとも一部を通ることが可能になる。「第1の(first )」及び「第2の(second)」という用語の使用は、参照のためであり、この実施形態又は任意の実施形態において一方が他方に対して優先することを示唆するものではない。例えば、いくつかの実施形態では、導体縁32のみが用いられ、他の実施形態では、伝導面33のみが用いられてもよい。いくつかの実施形態では、導体縁32及び伝導面33の両方が設けられてもよい。伝導パッド31a,31bは、互いに電気的に接触しないように、間隙36を隔てて互いに分離されている。
【0021】
この実施形態又は任意の実施形態の伝導層30は、(合成物、合金等の形態にある)一種又は複数種の電気伝導性材料から構成されているとよい。このような電気伝導性材料の例として、制限されるものではないが、アルミニウム、真鍮、青銅、炭素、炭素鋼、銅、金、鉄、鉛、リチウム、水銀、モリブデン、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銀、ステンレス鋼、錫、チタン、タングステン、及び亜鉛が挙げられる。
【0022】
この実施形態又は任意の実施形態の伝導層30は、基部20を超えて延びる延長部を有していてもよい。延長部の厚みは、伝導パッド31a,31bの厚みと略等しくてもよいし、又は伝導パッド31a,31dの厚み及び絶縁層40の厚みの合計と略等しくてもよい。いくつかの実施形態では、基部20は、伝導層30及び/又は1つ又は複数の伝導パッド31a,31bを(外面が同一面又は本質的に同一面となるように)はめ込むために、段壁、ノッチ、溝、及び/又は空間を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、基部20は、伝導層30の延長部が基部20と同一平面又は本質的に同一平面となるように伝導層30及び/又は1つ又は複数の伝導パッド31a,31bをはめ込むために、段壁、ノッチ、溝、及び/又は空間を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、基部20は、伝導層30の延長部が基部20の前面と同一平面又は本質的に同一平面となるように伝導層30及び/又は1つ又は複数の伝導パッド31a,31bをはめ込むために、段壁、ノッチ、溝、及び/又は空間を備えていてもよい。
【0023】
この実施形態又は任意の実施形態の伝導層30は、1つ又は複数の孔35を備えているとよい。
図1A~
図1Fに図示される例は、伝導層30の厚みを完全に貫通する2つの孔を示している。いくつかの実施形態では、伝導パッド31a,31bは、各々、1つ又は複数の孔35を備えている。伝導層30の孔35は、伝導層30の厚みを少なくとも部分的に貫通しているとよい。伝導層30の孔35は、基部20の孔25と実質的に真っ直ぐに並んでいるとよい。伝導層20の孔35は、当業界において知られているどのような方法、例えば、制限されるものではないが、穿孔加工、放電加工、レーザー加工、フライス加工等によって作製されるとよい。伝導層30の孔35は、基部20の孔と別に作製されるとよい。伝導層30の孔35は、基部20の孔25と同時に作製されてもよい。伝導層30の孔35は、この実施形態及び他の実施形態では、円形状を有するものとして示されているが、どのような形状、例えば、楕円形、卵形、半円形、正方形等を有していてもよい。伝導層30の孔35は、孔20の孔25と実質的に同一形状を有しているとよい。逆に、伝導層30の孔35の形状は、基部20の孔25の形状と無関係であってもよく、及び/又は異なっていてもよい。伝導層30の孔35の寸法は、基部20の孔25の寸法よりも小さくてもよいし、同じであってもいし、又は大きくてもよい。
【0024】
基部20及び伝導層30の両方における1つ又は複数の孔の組合せによって画定される1つ又は複数の経路に対応する1つ又は複数の通路が形成されることになる。1つ又は複数の通路の各々は、該通路を通る導体要素の外周(perimeter)と略同一の寸法及び形状の外周を有しているとよい。
【0025】
この実施形態又は任意の実施形態の絶縁層40の少なくとも一部は、基部20、伝導層30、伝導パッド31a,31b、又は任意のそれらの組合せの上に連結されているとよい。
【0026】
絶縁層40は、当業界において知られているどのような半田マスクから構成されていてもよい。絶縁層は、(例えば、紫外線硬化機構又は熱硬化機構を用いる)スクリーン印刷、塗工、カーテン塗工、静電噴霧、高容量低圧(HVLP)空気噴霧、インクジェット、レーザーダイレクトイメージング、液状感光性半田マスク法、又はドライマスク法によって堆積されるとよい。
【0027】
この実施形態又は任意の実施形態の絶縁層40は、、その下の層の孔と好ましくは真っ直ぐに並ぶ1つ又は複数の孔45を備えている。
図1A及び
図1Bに図示される例は、絶縁層40の厚みを完全に貫通する2つの孔を示している。孔45は、絶縁層40の当初の形成の前及び/又は最中に作製されてもよいし、又は絶縁層40の形成の後に作製されてもよい。孔45が絶縁層40の当初の形成の前及び/又は最中に作製されるこれらの実施形態では、孔45は、当初の炉内セラミック成形、焼結、熱間プレス、熱間等方加圧、化学蒸着、及び/又は反応接合によって形成されるとよい。孔45が絶縁層40の当初の形成の後に作製される実施形態では、孔45は、(例えば、ダイヤモンド被覆ドリルによる)機械的な穿孔、電子ビーム穿孔、イオンビーム穿孔、又はプラズマ穿孔を用いて形成されるとよい。孔45は、個別に又は一緒に、(例えば、二酸化炭素(CO
2)レーザー、ネオジウム(Nd)レーザー、イットリウムーアルミニウムーガーネット(YAG)レーザー、Nd-YAGレーザー等による)レーザー切断によって形成されてもよい。この実施形態又は任意の実施形態の孔45を形成するために、フォトリソグラフィー技術が用いられてもよい。孔45は、当業界において知られているどのような方法によって形成されてもよい。絶縁層40の孔45は、基部の孔25及び伝導層30の孔35のいずれか又は両方と別に形成されてもよい。絶縁層40の孔は、基部20の孔25及び伝導層30の孔45のいずれか又は両方と同時に形成されてもよい。絶縁層40の孔45は、ここではD字形状(すなわち、略半円及び半正方形の組合せの形状)を有するように示されているが、どのような形状、例えば、楕円形、卵形、半円形、正方形等を有していてもよい。絶縁層40の孔45は、基部20孔25及び伝導層30の孔35のいずれか又は両方と実質的に同一の形状を有していてもよい。逆に、絶縁層40の孔45の形状は、基部20の孔25及び伝導層30の孔35のいずれか又は両方の形状と無関係になっていてもよく、及び/又は異なっていてもよい。絶縁層40の孔45の寸法は、基部20の孔25の寸法より小さくてもよいし、略等しくてもよいし、又は大きくてもよく、及び/又は絶縁層40の孔45の寸法は、伝導層30の孔35の寸法より小さくてもよいし、略等しくてもよいし、又は大きくてもよい。図示される実施形態では、絶縁層30の孔45は、伝導層30の露出領域(この場合、伝導パッド31a,31bの各々の露出領域)における伝導層30の孔35よりも大きくなっている。伝導層30の露出領域は、伝導面33を備えている。伝導層30の露出領域は、ピン又はワイヤのような導体要素が伝導層30に物理的に及び/又は電気的に接触する領域であるとよい。具体的には、伝導層30の露出領域は、半田又は他の物理的又は電気接続媒体を用いて、伝導層30を(ピン、ワイヤ、又は他の電気接続具のような)導体要素及び/又は1つ又は複数の構造要素に連結させる領域であるとよい。導体要素は、伝導接着剤、圧着接続具、1つ又は複数の端末ブロック、ポスト、1つ又は複数のプラグ/ソケット接続具、ブレード接続具、リング/スペード端末を介して伝導層に連結されてもよいし、又は導体要素を伝導層内又はその周りに組み継ぎすることによって、又は伝導層を導体要素内又はその周りに組み継ぎすることによって、伝導層に連結されてもよい。
【0028】
この実施形態又は任意の実施形態の絶縁層40は、発光体50の少なくとも一部が伝導層30、基部20、又はその両方の少なくとも一部に(例えば、物理的に、電気的に、又は熱的に)接触することを可能にする孔(図示せず)を備えているとよい。例えば、発光体50は、第1の伝導パッド31aと電気的に接触する第1の部分と、第2の伝導パッド31bと電気的に接触する第2の部分とを有しているとよい。絶縁層40は、発光体50の輪郭と実質的に同様の形状を有する1つ又は複数の孔45を有していてもよい。絶縁層40は、発光体50と伝導層及び/又は発光体50と基部20との間に意図された電気的接触をもたらす領域と実質的に同様の形状を有する1つ又は複数の孔を有しているとよい。例えば、絶縁層40は、発光体50の露出した陽極。発光体50の露出した陰極、発光体50のグラウンド、又はそれらの組合せの形状と同様の形状を有する1つ又は複数の孔45を有しているとよい。
【0029】
発光体は、発光体によって生じた光の大部分が放出される発光面51を備えている。
【0030】
好ましくは、発光体50は、レベル0(L0)発光チップから構成されているが、他の構成も本明細書に記載されている。発光チップは、半導体(好ましくは、結晶性半導体であるが、場合によっては非晶性半導体)から構成され、さらにp型半導体とn型半導体との組合せから構成されているとよい。任意の発光体の発光チップは、エピタキシャル成長を用いて作製されるとよい。このような成長は、最終的に発光素子10の一部となる基板上で行われるとよい(例えば、発光チップは、発光素子10の基部20上に成長するものであるとよい)。発光体のエピタキシャル成長は、発光素子0の最終基板(例えば、基部20、伝導層30等)に移行する前に中間基板上で行われてもよい。いくつかの実施形態の発光体50を構成する有力なL0発光チップのいくつかの例として、Lumiled社のチップ(例えば、LUXEON FlipChip シリーズの発光ダイオード)、Samsung社のチップ(例えば、LM101A、LM102A、LM131A、LH141A等)、及びSeoul Semiconductor社のチップ(例えば、Z8Y11、Z8Y15、Z8Y19、Z8Y22等のWICOPシリーズの発光ダイオード)が挙げられる。発光体50は、1つ又は複数の面実装(SMT)発光ダイオードから構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、発光チップは、1つのSMT発光ダイオードから構成されていてもよい。発光体50は、1つ又は複数のチップスケールパッケージ(CSP)(例えば、L0CSP発光ダイオード、L1CSP発光ダイオード等)から構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、発光チップは、L0チップスケールパッケージ(CPS)から構成されていてもよい。L0発光チップを有する発光体50を備えるこれらの発光素子10は、L02パッケージと呼ばれる。何故なら、これらの発光素子10は、レベル0チップと、レベル2(L2)クラスタ(仲介するレベル1発光ダイオードパッケージ(電子コネクタ、機械的コネクタ、物理的保護層、ヒートシンク、及び/又は光学要素の組合せと共にパッケージされたレベル0チップ)を迂回して基板(例えば、印刷回路基板)上に組み込まれた1つ又は複数の発光ダイオードパッケージ)と、のハイブリッドを表しているからである。これによって、本明細書に記載されるL02パッケージは、対応するL2クラスタよりも小型で低輪郭であるという特有の利点を有することができる。
【0031】
この実施形態又は任意の実施形態の発光体50によって、任意の色(例えば、赤、オレンジ、黄、緑、青、紫等)の光を放出させることができる。発光体50によって放出される光は、独立して、連続的に、同時に、並行して、又は任意のその組合せに従って生じる可視光スペクタル、非可視光スペクトル(例えば、赤外線、紫外線等)、又は任意のその組合せを含んでいる。さらに、発光体50によって放出される光の色は、時間と共に変化するようになっていてもよく、例えば、最初、第1の色の光が発光体50によって放出され、次いで、第2の色が発光体50によって放出されるようになっていてもよい。光は、間欠的に放出されてもよいし、パターンに従って放出されてもよいし、集束されてもよいし、又は任意の組合せに従って放出されてもよい。発光体50によって放出される光は、約500Kから約10,000Kの色温度を有しているとよい。いくつかの実施形態によれば、発光体50によって放出される光の色温度を時間と共に又はユーザーの意向によって、最初、発光体50によって放出される光が第1の色温度を有し、次いで、第2の色温度を有するように、変化させることができる。本明細書に記載される任意の発光素子の光強度、色、又は色温度は、(例えば、発光体50への電流又は電位の大きさを変化させることによって)、使用中に変化させることができ、又は(例えば、第1の発光体を第2の発光体に切換えることによって)、使用ごとに変化させることもできる。
【0032】
この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、単一LEDダイ、単一LED、マルチLEDダイ、又はマルチLEDであるとよい。LED又はマルチLEDは、白色光を生成するようになっていてもよいし、又は任意の所望の色を生成するようになっていてもよい。例えば、発光体50は、国際照明委員会(CIE)1931に規定される色空間に沿った任意の点を含むことができる形式のものであってもよいし、及び/又は(CIELUV色空間としても知られる)CIE1976に規定される色空間に沿った任意の点を含むことができる形式のものであってもよい。特定の実施形態において、発光体50は、単一色の光を放出するように選択されてもよいし、又は発光体50は、色域にわたる光を放出するようになっていてもよい。これらの実施形態において、発光体50が1つ又は複数の色域における光を放出するようになっていてもよい。具体的には、2つ以上のLEDダイ又は2つ以上のLEDを備える発光体50が、少なくとも第1の色域から選択された光及び少なくとも第2の色域から選択された光を放出するようになっているとよい。第1の色域及び第2の色域は、同じであってもよい。好ましくは、第1の色域及び第2の色域は、互いに異なっているとよい。第1の色域及び第2の色域は、それぞれの效果が得られるように選択されるとよい。例えば、第1の色域が明るい照明のための色(例えば、白、青、及び黄色の種々のレベルに対応する色の区分)を含み、第2の色域が治療及び/又は治癒のための色(例えば、赤みを帯びた色の区分)を含んでいるとよい。第1及び第2の色域の光が、同時に又は連続的に標的領域(例えば、手術部位)に放出されてもよい。第1及び第2の色域の光が同一の標的に放出されてもよいし、又は第1及び第2の標的にそれぞれ放出されてもよい。第1及び第2の標的は、重なっていてもよいが、この場合、同等でない方がよい。さらに、発光体がマルチLEDダイ及び/又はマルチLDから構成されている実施形態では、これらのLEDは、種々の色(例えば、赤、緑、又は青)を生じ、これによって、所望の色の光を生じるように調整可能になっているとよい。発光体50は、個々のLEDダイ又はLEDごとの種々の色の光を混合するために、光学要素(例えば、レンズ、レンズレット)を備えていてもよいし、又は光学要素(例えば、レンズ、導波管)に連結されていてもよい。この場合、望ましくは、種々の色の光を含む均一な光が標的に送達されるとよい。白色光の陰を変化させるために、又は外科医又はオペレータが手術野における組織のような種々の対象物を視覚化又は識別化するのを支援する任意の他の所望の色をもたらすために、多数の色の光が用いられてもよい。特定周波数のエネルギーを濾過するために、本明細書に記載される光学要素(例えば、レンズ、レンズレット、光導波管等)のいずれかにフィルター又は被膜が施されてもよい。
【0033】
この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、CIE1931に規定される任意の点及び/又はCIE1976に規定される任意の点の光を選択的に放出するようになっているとよい。発光体50は、単一色の光を放出するようになっていてもよいし、又は色域の光を放出するようになっていてもよい。発光体50は、任意の色の光、すなわち、(黒体軌跡としても知られる)プランク軌跡上の任意の相関色温度(CCT)を有する光を放出するように選択されてもよいし、又は単一色の光、すなわち、プランク軌跡上の単一の相関色温度(CCT)を有する光を放出するように選択されてもよい。この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、約50から約100、好ましくは、約60から約100の色指数を有しているとよい。いくつかの実施形態では、発光体50は、約75から100の色指数を有しているとよい。
【0034】
好ましくは、発光体50から放出される光は、明るい白色光である。これを達成するために、この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、蛍光体によって覆われたダイを備えているとよい。例えば、発光体50は、黄色蛍光体(例えば、セリウムがドープされたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG:Ce)結晶から作製された蛍光体)内に封入された青色ダイから構成されているとよい。これによって、青色ダイが青色光を放出すると、その光の一部がYAG:Ceによって黄色光に変換される。(人の目の青色受容体を活性化させる)ダイの青色光と(目の赤色受容体及び緑色受容体を活性化させる)蛍光体の黄色光との組合せによって、白色光が生じることになる。代わって、この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、組合せて白色をもたらす光を生成する1つ又は複数の発光チップを備えていてもよい。例えば、赤色、緑色、及び青色の光をそれぞれ放出する3つの発光チップを用いて、白色光を生成させてもよいし、又は青色及び黄色の光を放出する2つの発光チップを用いて、白色光を生成させてもよい。
【0035】
ダイ又は発光チップは、青色光発光ダイオード(LED)ダイ、赤色光発光ダイオードダイ、及び/又は緑色光発光ダイオードダイのような単一色発光ダイであってもよい。このような単一色発光ダイが、蛍光体を備えるか又は蛍光体に連結されてもよく、又は蛍光体に隣接して配置されてもよく、又は蛍光体と関連せずに用いられてもよい。この実施形態又は任意の実施形態のL0発光パッケージは、本明細書に記載される任意の単一発光ダイオードダイを備えていてもよい。この実施形態又は任意の実施形態のL0発光パッケージは、1つ又は複数の色の光を放出するために、多重接合発光ダイオード(例えば、Seoul Semiconductor 社のAcrichシリーズ)を備えていてもよい。
【0036】
この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、多くの場合、レベル1(L1)パケージと呼ばれる(Cree社のXB-HLEDのような)発光ダイオード(LED)から構成されているとよい。
【0037】
この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、伝導層30の第1の部分(例えば、伝導パッド31a)と接触する発光体50の第1の部分と、伝導層30の第2の部分(例えば、伝導パッド31b)と接触する発光体50の第2の部分とを備えている。伝導層30の第1の部分と接触する発光体50の第1の部分と伝導層30の第2の部分と接触する発光体50の第2の部分とは、互いに電気的に隔離されているとよい。
【0038】
この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、例えば、
図3Bに示されるように、発光体50からの光を所望の標的位置(例えば、手術野)に案内するか又は導くレンズ、レンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素に任意選択的に連結されているとよい。レンズ、1つ又は複数のレンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素は、例えば、(発光体50から放出されたq型広域発散の光を捕獲するためにq型光導波管の近位端が放物形状を有する箇所において)、種々の方法、例えば、他の連結機構への突合せ結合によって、発光体50に連結されるとよい。レンズ、1つ又は複数のレンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素を発光体50に連結する他の手段として、制限されるものではないが、機械的連結(例えば、光学要素及び発光体50が相補的な構造を有し、その一方が他方にスナップ嵌合される形態)、締り嵌め(例えば、光学要素が発光体50の一部内に圧入され、連結界面において摩擦によって保持される形態)、又は接着(例えば、膠、エポキシによる接着)が挙げられる。さらに、レンズ、1つ又は複数のレンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素は、発光体50の周りに成形されてもよい。この成形は、例えば、発光体50の1つ又は複数の個別のダイ又は発光体50自体を好ましくは光学的に透明の材料(例えば、プラスチック、エポキシ等)内に浸漬させることによって行われてもよいし、又は発光体50の1つ又は複数の個別のダイ又は発光体50自体を型内に配置し、次いで、レンズ、1つ又は複数のレンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素をなす材料を型内に射出成形することによって行われてもよい。
【0039】
代替的に又は組合せて、この実施形態又は任意の実施形態の発光体50は、(発光体50からの光を所望の位置(例えば、手術野)に案内するか又は導く)レンズ、レンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素を備えていてもよい。例えば、レンズ、1つ又は複数のレンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素は、発光体50と共に成形されてもよい。この成形は、例えば、発光体50の1つ又は複数の個別のダイ又は発光体50自体を好ましくは光学的に透明の材料(例えば、プラスチック、エポキシ等)内に浸漬させることによって行われてもよいし、発光体50の1つ又は複数の個別のダイ又は発光体50自体を型内に配置し、次いで、レンズ、1つ又は複数のレンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素をなす材料を型内に射出成形することによって行われてもよいし、又は製造中に、レンズ、1つ又は複数のレンズレット、光導波管、又は任意の他の光学要素をなす材料の一部を発光体に加えることによって行われてもよい。
【0040】
図1Bは、
図1Aの発光素子10の例示的実施形態を示している。図示されるように、導体要素60が、基部20の1つ又は複数の孔25及び伝導層30の1つ又は複数の孔の組合せによって画定された1つ又は複数の通路の各々を貫通している、
図1Aの発光素子10の例示的実施形態を示している。本明細書における「ワイヤ」又は「導体要素」は、任意の電気的伝導要素、例えば、ワイヤ、ピン、フィラメント、ファイバー、伝導軌道、伝導パッド、伝導基板、箔、積層物等を指している。図示される例では、2つの通路が設けられており、各通路内に導体要素60が配置されている。導体要素60の各々は、(
図1Cに示される)近位端62及び遠位端を有している。遠位端は、導体要素ヘッド63を備えている。導体要素ヘッド63は、種々の形状を取ることができる。この形状の例として、制限されるものではないが、フランジ領域(導体要素ヘッド63が、導体要素60の細長部分の公称外周を超えて延びるフランジを有する領域)、球、半球、立方体等が挙げられる。
【0041】
導体要素60は、その遠位端61及び/又は導体要素ヘッド63において、伝導層30(例えば、伝導パッド31a,31b)に電気的に接続されている。(例えば、伝導パッド31a,31bを介する)導体要素60と伝導層30との間の電気的接触は、伝導縁(
図1Aの伝導縁32参照)及び/又は伝導面33を介するものであるとよい。導体要素60と伝導層30との間の電気的接触は、伝導中間媒体、例えば、半田、伝導エポキシ、伝導ペースト、伝導接着剤によって助長されるとよい。導体要素60と発光素子との間の物理的接触の例として、緩嵌合、密嵌合、締り嵌め、圧入、又は導体要素60の形状とその対応する通路の形状とが同様である場合の嵌合、又はそれらの組合せが挙げられる。
【0042】
絶縁層40は、導体要素60と直接接触してもよいし、又は直接接触しなくてもよい。
【0043】
図1Cは、
図1Bに示される導体要素と同様の個別の導体要素60を示している。導体要素60は、遠位端61及び近位端62を有している。遠位端61は、導体要素ヘッド63で終端している。導体要素ヘッド63は、導体要素60の公称外周を超えて延びる平坦なリップ領域を備えている。製造中(
図8参照)、導体要素ヘッド63は、第1の寸法を有し、(例えば、研磨、フライス加工、切除等によって)第2の小さな寸法に加工されるようになっている。
【0044】
図2A~
図2Bは、発光素子210の配列要素(アレイ、配置要素)200を示している。この図示される実施形態の発光素子210の各々は、
図2A~
図2Bに示される形式のものであるが、当業者であれば、
図2A~
図2Bに対する説明は、本明細書に記載される発光素子210のいずれにも適用されることを理解するだろう。
【0045】
図2Aは、(例えば、
図1A~
図1Bに示される形式の)発光素子210の配列要素200を示している。発光素子210の配列要素20は、本明細書の記載に基づく基部220と、伝導層と、絶縁層と、1つ又は複数の発光体とを備えている。基部220は、基部張出し221をさらに備えているとよい。張出し221は、伝導層、絶縁層、発光体、又は任意のそれらの組合せを含まず、基部の一部から構成されている。裸張出し221を有することによって、発光素子210の配列要素200を使用のために(例えば、照明のために)他の素子に連結することが可能であり、又はさらなる処理のために、例えば、発光素子210の配列要素200から1つ又は複数の発光素子を分離することが可能である。例えば、発光素子210の配列要素200から1つ又は複数の発光素子210を分離するために、張出し221を機械内に締付け、発光素子210の配列要素200を鋸ブレード又はレーザーによって切断するとよい。
【0046】
図2Bは、
図2Aの発光素子210の配列要素200の詳細をさらに指摘するために発光素子210の配列要素200の一区分211を示している。さらに、2つの個別の発光素子212,213は、各々、ボックス状マークによって囲まれている。(各々がボックス状マークによって囲まれた)2つの個別の発光素子210(212,213)は、
図1A及び
図1Bに示される形式のものである。すなわち、発光素子212,213は、基部と、伝導層であって、その少なくとも一部が基部上に連結されている、伝導層と、絶縁層であって、その少なくとも第1の部分が伝導層の上に連結され、その第2の部分が基部上に連結されている、絶縁層と、発光体とを備え、導体要素を受け入れるように寸法決めされた1つ又は複数の孔が基部、伝導層、及び絶縁層を貫通している。各発光素子(例えば、発光素子212)に対して、その最隣接する発光素子(例えば、発光素子213)との間に(第1の切断距離とも呼ばれる)第1の隔離距離215が設けられている。各発光素子(例えば、発光素子212)とその最隣接する発光素子(例えば、発光素子213)との間に(第2の切断距離とも呼ばれる)第2の隔離距離216が設けられている。第1の隔離距離215及び第2の隔離距離216は、発光素子210の配列要素200から1つ又は複数の発光素子210を分離するために用いられる鋸ブレードの厚みと略等しくなっているとよい。
【0047】
図2A~
図2Bは、直線パターンの発光素子210の配列要素200を示しているが、発光素子210の配列要素200内において発光素子210を仕切るパターンとして、例えば、円状、螺旋状、十字状、X字状、t字状(T字状)等の仕切りが挙げられることを理解されたい。
【0048】
図3Aは、発光素子310が内部に配置された電気外科システム300を示している。電気外科システム300は、近位部分302及び遠位部分303を有する(電極又は電気外科チップと呼ばれる)導体要素301と、ヒートシンク305と、本明細書に記載される任意の種類の発光素子310(但し、この例示的実施形態では、
図1A~
図1Bを参照して説明した発光素子の1つから構成されている)と、導体要素360とを備えている。発光素子310と電極の一部(例えば、遠位部分303)との間に、光を手術野の所望の箇所に導くための光導波管(例えば、
図3B参照)が配置されている。このような導波管は、好ましくは、単一の一体品(例えば、射出成形品)として形成された(光ファイバーではない)光導波管である。
【0049】
電気外科システム300は、「電気手術の照明及び感知のための方法及び装置」と題する米国特許出願第14/962,942号又は「電気外科照明のための方法及び装置」と題する米国仮特許出願第62/395,529号に記載されるどのような形式のものであってもよい。なお、これらの文献の内容は、参照することによって、それらの全体がここに含まれるものとする。
【0050】
電極301は、いくつかの形状因子を取ることができる、例えば、電極301は、(図示されるような)薄い平坦ブレード、円筒ロッド、正方形ロッド、ワイヤ等とすることができる。電極301の遠位部分303の先端は、例えば、丸められてもよいし、面取りされてもよいし、のみ状の先端を有していてもよいし、又は鋭く尖っていてもよい。電極301は、その遠位部分303の近傍に(
図3B~
図3Cのテーパ309として示されるような)テーパを備えていてもよい。電極301を構成する材料の例として、個別に又は組合せて、制限されるものではないが、アルミニウム、真鍮、青銅、炭素、炭素鋼、銅、金、鉄、鉛、リチウム、水銀、モリブデン、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銀、ステンレス鋼、錫、チタン、タングステン、又は亜鉛が挙げられる。好ましくは、電極301は、電流注入の面における材料特性変化(例えば、分極キャパシタンス)に耐える材料から構成されているとよい。電極301は、発光素子310によって放出される光の反射を低減するか又は発光素子310から放出される光を標的領域に方向変換させる1つ又は複数の材料から構成されていてもよい。
【0051】
この実施形態又は任意の実施形態のヒートシンク305は、その遠位部分307に連結された発光素子310を有しているとよい。発光素子310に連結された導体要素360は、ヒートシンク305を通って近位側に延びているとよい。ヒートシンク305は、発光素子310に連結されたその略遠位部分307からその略近位部分306に向かってヒートシンク305の長さに沿って延びる1つ又は複数の通路308を備えている。ヒートシンク305の1つ又は複数の通路308は、導体要素360をヒートシンク305内に配置させるために、導体要素360に適合するように寸法決めされ、かつ形作られているとよい。
【0052】
代替的に又は組合せて、ヒートシンク305は、電気外科システム300の遠位部分の領域から熱を引き出し、及び/又は該領域から熱散逸させるヒートシンクから構成されていてもよい。代替的に又は組合せて、ヒートシンク305は、該領域から引き出すか又は逸散させるように適合されたヒートシンクに連結されていてもよい。任意の実施形態のヒートシンクは、アルミニウム、銅、又はそれらの合金から構成されているとよい。任意の実施形態のヒートシンクは、熱の逸散を助長させる1つ又は複数のフィンを備えていてもよい。
【0053】
導体要素360の遠位部分は、本明細書に記載される発光素子310と電気的接触する導体要素ヘッド363で終端しているとよい。導体要素ヘッド363は、半田のような電気的伝導性中間媒体から構成されているとよい。有力な半田の例として、制限されるものではないが、Sn50Zn49Cu1, Sn95.5Cu4Ag0.5, Sn90Zn7Cu3, Pb90Sn10, Pb88Sn12, Pb85Sn15, Pb80Sn20, Pb75Sn25, Pb70Sn30, Pb68Sn32, Pb68Sn30Sb2, Sn30Pb50Zn20, Sn33Pb40Zn28, Pb67Sn33, Pb65Sn35, Pb60Sn40, Pb55Sn45, Sn50Pb50, Sn50Pb48.5Cu1.5, Sn60Pb40, Sn60Pb38Cu2, Sn60Pb39Cu1, Sn62Pb38, Sn63Pb37, Sn63Pb37P0.0015-0.04, Sn62Pb37Cu1, Sn70Pb30, Sn90Pb10, Sn95Pb5, Pb92Sn5.5Ag2.5, Pb80Sn12Sb8, Pb80Sn18Ag2, Pb79Sn20Sb1,Pb55Sn43.5Sb1.5, Sn43Pb43Bi14, Sn46Pb46Bi8, Bi52Pb32Sn16, Bi46Sn34Pb20, Sn62Pb36Ag2, Sn62.5Pb36Ag2.5, Pb88Sn10Ag2, Pb90Sn5Ag5, Pb92.5Sn5Ag2.5, Pb93.5Sn5Ag1.5, Pb95.5Sn2Ag2.5, In97Ag3, In90Ag10, In75Pb25, In70Pb30, In60Pb40, In50Pb50, In50Sn50, In70Sn15Pb9.6Cd5.4, Pb75In25, Sn70Pb18In12, Sn37.5Pb37.5In25,Pb90In5Ag5, Pb92.5In5Ag2.5, Pb92.5In5Au2.5, Pb94.5Ag5.5, Pb95Ag5, Pb97.5Ag2.5, Sn97.5Pb1Ag1.5, Pb97.5Ag1.5Sn1, Pb54Sn45Ag1, Pb96Ag4, Pb96Sn2Ag2, Sn61Pb36Ag3, Sn56Pb39Ag5, Sn98Ag2, Sn65Ag25Sb10, Sn96.5Ag3.0Cu0.5, Sn95.8Ag3.5Cu0.7, Sn95.6Ag3.5Cu0.9, Sn95.5Ag3.8Cu0.7, Sn95.25Ag3.8Cu0.7Sb0.25, Sn95.5Ag3.9Cu0.6, Sn95.5Ag4Cu0.5, Sn96.5Ag3.5, Sn96Ag4, Sn95Ag5, Sn94Ag6, Sn93Ag7, Sn95Ag4Cu1, Sn, Sn99.3Cu0.7, Sn99Cu0.7Ag0.3, Sn97Cu3, Sn97Cu2.75Ag0.25, Zn100, Bi100, Sn91Zn9, Sn85Zn15, Zn95Al5, Sn91.8Bi4.8Ag3.4, Sn70Zn30, Sn80Zn20, Sn60Zn40, Pb63Sn35Sb2, Pb63Sn34Zn3, Pb92Cd8, Sn48Bi32Pb20, Sn89Zn8Bi3, Sn83.6Zn7.6In8.8, Sn86.5Zn5.5In4.5Bi3.5, Sn86,9In10Ag3.1, Sn95Ag3.5Zn1Cu0.5, Sn95Sb5, Sn97Sb3, Sn99Sb1, Sn99Ag0.3Cu0.7, Sn96.2Ag2.5Cu0.8Sb0.5, Sn88In8.0Ag3.5Bi0.5, Bi57Sn42Ag1, Bi58Sn42, Bi58Pb42, In80Pb15Ag5, Pb60In40, Pb70In30, Sn37.5Pb37.5In26、Sn54Pb26In20, Pb81In19, In52Sn48, Sn52In48, Sn58In42, Sn51.2Pb30.6Cd18.2, Sn77.2In20Ag2.8, In74Cd26, In61.7Bi30.8Cd7.5, Bi47.5Pb25.4Sn12.6Cd9.5In5, Bi48Pb25.4Sn12.8Cd9.6In4, Bi49Pb18Sn15In18, Bi49Pb18Sn12In21, Bi50.5Pb27.8Sn12.4Cd9.3, Bi50Pb26.7Sn13.3Cd10, Bi44.7Pb22.6In19.1Cd5.3Sn8.3, In60Sn40, In51.0Bi32.5Sn16.5, Bi49.5Pb27.3Sn13.1Cd10.1, Bi50.0Pb25.0Sn12.5Cd12.5, Bi50.Pb31.2Sn18.8, Bi50Pb28Sn22, Bi56Sn30In14, Cd95Ag5, Cd82.5Zn17.5, Cd70Zn30, Cd60Zn40, Cd78Zn17Ag5, Sn40Zn27Cd33, Zn90Cd10, Zn60Cd40, Cd70Sn30, Sn50Pb32Cd18, Sn40Pb42Cd18, Zn70Sn30, Zn60Sn40, Zn95Sn5, Sn90Au10, Au80Sn20, Au98Si2, Au96.8Si3.2, Au87.5Ge12.5, Au82In18, In100 が挙げられる。
【0054】
図3B(及びこの図に続く
図3Cの分解図)は、導波管370(例えば、光導波管)が発光素子310と電極301の遠位部分303との間に配置された
図3Aの電気外科システム300を示している。
【0055】
導波管370は、近位部分371及び遠位部分372を有している。近位部分371は、発光体350から放出される光の発散を捕獲するように形作られているとよい。例えば、近位部分371は、放物面形状であるとよい。さらに、導波管の直径と導波管管370の光入力領域の直径との比率は、約100:1から約1:1の範囲内、好ましくは、約30:1から約2:1の範囲内、さらに好ましくは、約5:1の範囲内にあるとよい。遠位部分372は、光399が導波管370から引き出され、標的領域(例えば、手術部位)上に投射されるように、光取出特徴部373から作製された発光面を備えている。遠位部分372は、任意選択的にリム374をさらに備えているとよい。リム374は、(図示されない)カバーの内面が当接する面として機能するものである。該カバーは、電気外科システム300の内面から熱エネルギーを離散させるヒートシンク又は手段としてさらに機能する金属チューブから構成されているとよい。(例えば、内部反射を増大させることによって)導波管370の光伝達効率を促進させるために、クラッド377が、導波管370の長さに沿って延びている。
【0056】
導波管370は、電極301の細長の近位部分302を受け入れるように寸法決めされた通路376を備えている。さらに、導波管370は、電極301の突起304に適合する(
図3Cに最もよく示される)凹部領域を備え、これによって、電極301が適所に拘束され、かつ保持されることになる。通路376は、導波管370の長さに沿って遠位側に延び、導波管370の遠位部分372にスリット375をもたらすことになる。スリット375は、電極301を受け入れるように寸法決めされているとよい。
【0057】
この実施形態又は任意の実施形態の導波管370は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、又は柔軟シリコーンの一種又は複数種から構成されているとよい。導波管の任意の実施形態において、導波管は、中実又は中空の円筒状であってもよいし、又は他の形状であってもよい。導波管は、一定の断面積を有していてもよいし、又はテーパ又はフレアが導波管に付されていてもよい。
【0058】
発光素子310は、本明細書に記載されるどのような種類のものであってもよい。代替的に又は組合せて、発光素子310は、電極301及び/又は1つ又は複数の導体要素360の一部を受け入れるように寸法決めされた溝311を備えていてもよい。
【0059】
図4A~
図4Bは、2つの発光体450a,450bを有する発光素子410の例示的実施形態を示している。
【0060】
図4Aは、発光素子410の斜視図を示している。発光素子410は、貫通孔427を有する基部420と、(
図4Bに最もよく示される)伝導層と、絶縁層440と、(各々が発光面451a,451bを備える)2つ以上の発光体450a,450bと、外科装置(例えば、電気外科用電極)が通る通路417と、を備えている。通路417は、外科装置の外周と実質的に一致する大きさであるとよい。発光素子410は、実質的に正方形の外周を有するものとして示されているが、どのような形状、例えば、円形、楕円形、長円形、三角形等の外周を有していてもよい。
【0061】
図4Bは、発光素子410の分解図を示している。発光素子410は、基部420と、伝導層430と、絶縁層440と、2つ以上の発光体450a,450bを備えている。
【0062】
基部420は、本明細書に記載されるどのような材料から構成されていてもよい、この材料の例として、制限されるものではないが、一種又は複数種の(例えば、合成物又は合金の形態にある)熱伝導性かつ非電気伝導性材料、例えば、アルミナ(例えば、Al2O3)、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムセラミック基板、窒化ボロン、窒化ボロン粉末、セラミック、コランダム立方晶型窒化ボロン(例えば、Borazon(登録商標))、ガス圧焼結窒化ケイ素、高強度アルミナ基板、熱間プレス窒化アルミニウム、熱間プレス窒化ボロン、熱間プレス窒化ケイ素、(例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ジルコニウム等に対する)マイクロプラズマ陽極酸化セラミック被膜、熱分解窒化ボロン、窒化ケイ素(例えば、Si3N4、Si3N4-Y2O3等)、焼結アルミナ、焼結反応接合窒化ケイ素、ジルコニア、ジルコニア高靭化アルミナが挙げられる。前述の材料のいずれかに代わって又は組合せて用いられる他の有力な材料の例として、アルミニウム、金、銀、コバルト、クロム、銅、鉄、マグネシウム、ニッケル、鉛、プラチナ、鋼、チタン、錫、ケイ素、タングステン、及び亜鉛が挙げられる。好ましくは、基部20は、約20W/m-Kよりも大きい熱伝導率を有する少なくとも一種の材料から構成されている。好ましくは、基部20は、約1010Ω-cmよりも大きい電気抵抗率を有する少なくとも一種の材料から構成されている。さらに好ましくは、基部20は、約20W/m-Kよりも大きい熱伝導率及び約1010Ω-cmよりも大きい電気抵抗率を有する少なくとも一種の材料から構成されている。
【0063】
基部420は、貫通孔427を備えている。基部420の貫通孔427の寸法及び形状は、絶縁層440の孔447の寸法及び形状と一致しているとよい。基部420の貫通孔427は、1つ又は複数の外科装置、例えば、電気外科用のメス又は電極が該貫通孔427を通過するか又は該貫通孔内の適所に保持されることを可能にする大きさを有している。代替的に又は組合せて、2つ以上の導体要素460a,460bが貫通可能な2つ以上の孔425a,425bが、、基部420に配置されているとよい。
【0064】
この実施形態又は任意の実施形態の伝導層430は、2つ以上の伝導パッド431a,431bを備えている。伝導パッド431a,431bは、互いに電気的に接触しないように、間隙436を隔てて互いに離間している。伝導層430は、1つ又は複数の医療装置(例えば、電気外科用メス)の通過を可能にするように寸法決めされた孔437を有している。孔437の寸法及び/又は形状は、基部420の貫通孔427の寸法及び/又は形状及び/又は絶縁層440の孔447の寸法及び/又は形状と一致しているとよいが、一致していなくてもよい。孔437の外周は、基部420の貫通孔427の外周より小さくてもよいし、略等しくてもよいし、又は大きくてもよい。また、孔437の外周は、絶縁層440の孔447の外周より小さくてよいし、略等しくてもよいし、又は大きくてもよい。伝導層430の伝導パッド431a,431bは、2つの略U字状半体として示されているが、正方形に近いU字状半体、Y字状、直線状、湾曲状、円形等を含むどのような形状を有していてもよい。2つ以上の伝導パッドの一方(例えば、伝導パッド431a)は、陽極に対応し、2つ以上の伝導パッドの他方(例えば、伝導パッド431b)は、陰極に対応しているとよい。同様に、2つ以上の伝導パッドの一方(例えば、伝導パッド431a)が陽極に対応し、2つ以上の伝導パッドの他方(例えば、伝導パッド431b)がアースに対応していてもよい。さらに、2つの伝導パッドの一方(例えば、伝導パッド431a)が陰極に対応し、2つ以上の伝導パッドの他方(例えば、伝導パッド431b)がアースに対応していてもよい。
【0065】
絶縁層440は、本明細書に記載されるどのような形式のものであってもよい。図示される例では、絶縁層440は、(発光体450a,450bのそれぞれに対応する)1対の孔445a,445bを備えている。孔445a,455bの形状及び寸法は、発光体450a,450bの形状及び寸法に実質的に対応しているとよい。代替的に、孔445a,445bの外周は、発光体450a,450bの外周より小さくてよいし、略等しくてもよいし、又は大きくてもよい。孔445a,445bは、発光体451a,451bの各々が(好ましくは、伝導パッド431a,431bとの接触によって)伝導層430と電気的に接触することを可能にしなければならない。
【0066】
発光体450a,450bは、本明細書に記載されるどのような形式のものであってもよい。例えば、2つ以上の発光体450a,450bは、発光ダイオード(LED)(例えば、Cree社のXB-HLED)から構成されているとよい。各発光体450a,450bは、発光体によって生じた光の大部分が放出される発光面451a,451bを備えている。
【0067】
導体要素460a,460b(例えば、ワイヤ、ピン等)は、基部420を通って伝導層430(例えば、伝導層430の伝導パッド431a、431b)を近位側伝導パッド464a,464bに電気的に接触させるようになっている。この実施形態又は任意の実施形態の近位側側伝導パッド464a,464bは、一種又は複数種の(例えば、合成物又は合金の形態にある)電気伝導性材料、例えば、アルミニウム、真鍮、青銅、炭素、炭素鋼、銅、金、鉄、鉛、リチウム、水銀、モリブデン、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銀、ステンレス鋼、錫、チタン、タングステン、又は亜鉛から作製されているとよい。2つ以上の近位側伝導パッド464a,464bの一方の形状は、他方の形状と異なっていてもよい。例えば、
図4Bにおいて、近位側伝導パッド464aは、円形であり、近位側伝導パッド464bは、滴状(又は略3/4円と1/4正方形とが組合わされた形状)であってもよい。近位側伝導パッド464a及び464bのそれぞれの形状が異なっていることによって、ユーザー又は機械は、近位側伝導パッド464a,464bの各々に印加される電気エネルギーの種類を知ることができる。いくつかの実施形態では、近位側伝導パッド464a,464bの形状によって、近位側伝導パッド464a,464bの各々に印加されるべき電気エネルギーの種類(例えば、陽電位又は陰電位)が一意的に識別されることになる。
【0068】
図5A~
図5Bは、3つの発光体550a,550b,550cを有する発光素子510の例示的実施形態を示している。図示の発光素子510は、基部520と、伝導層530と、絶縁層540と、3つの発光体550a,550b,550cとを備えている。基部520は、電気伝導のための孔(孔525a,525b,525c,525d)と、外科装置(例えば、電気外科装置用の電極)の通過又は配置を可能にする貫通孔527とを有している。伝導層530は、4つの互いに異なる伝導パッド(発光体550a,550b,550c間で共用される伝導パッド531a及び発光体のそれぞれに対応する伝導パッド531b,531c,531d)を備えている。絶縁層540は、発光体550a,550b,550cの各々に対応する孔545a,545b,545cと、外科装置が通過可能な孔547とを備えている。基部520の後面の近位側に、4つの近位側伝導パッド564a,564b,564c、564dが配置されている。近位側伝導パッド564a,564b,564c、564dは、基部520の孔525a,525b,525c、525dを通る導体要素560a,560b,5460c,560dによって、(例えば、伝導パッド531a,531b,531c,531dを介して)伝導層530と電気的に接触するようになっている。
【0069】
伝導層530は、(3つ以上の発光体551a,551b,551cの各々に電気的に接触する)1つの伝導パッド531aと、(3つ以上の発光体551a,551b,551cの1つのみと電気的に接触する)対応する伝導パッド531b,531c,551dとを備えている。3つ以上の発光体551a,551b,551cの各々と電気的に接触する1つの伝導パッド531aは、他の伝導パッド531b,531c,531dから間隙536を隔てて離間している。間隙536は、各伝導パッド531a,531b,531c,531d間で一定であってもよいし、又は各々ごとに又は各々の長さに沿って異なっていてもよい。
【0070】
図6は、前述の
図5A~
図5Bに示されているのと同様の3つの発光体650を有する発光素子610を備える電気外科システム600を示している。電気外科システム600は、近位部分602及び遠位部分603を有する導体要素601(例えば、電極、電気外科チップ等)と、近位部分607及び遠位部分606を有するヒートシンク605と、3つの発光体650を有する発光素子610と、電気外科システム600の長さに沿って近位側に延びる導体要素660とを備えている。発光素子650は、
図5A~
図5Bに図示され、かつ説明されたものと類似のものとして示されているが、本明細書に記載のどのような発光素子が用いられてもよいことを理解されたい。
【0071】
図示される電気外科システムの導体要素601は、発光素子650の通路内に配置された近位部分602を有している。近位部分602は、発光素子を通って近位側に延びている。具体的には、近位部分602の少なくとも一部は、発光素子650の近位側に位置し、及び/又は導体要素602の少なくとも一部は、発光素子650を超えて遠位側に延びている。導体要素601は、発光素子650の通路内に配置されるように寸法決めされ及び/又は形作られた近位部分602の少なくとも一部を有している。
【0072】
ヒートシンク605は、本明細書に記載されるどのような形式のものであってもよい。ヒートシンク605は、近位部分607及び遠位部分606を備えている。遠位部分606は、発光素子650に連結されている。ヒートシンク605の遠位部分606への発光素子の連結は、圧入、締り嵌め、機械的接合、化学的接合、接着、エポキシ、(例えば、導体要素660を用いる)ワイヤ保持、半田付け、又は任意のそれらの組合せであるとよい。ヒートシンク605は、1つ又は複数の導体要素660がヒートシンク605の近位部分607を通って遠位部分606に至ることを可能にする(図示されない)溝又は通路を備えているとよい。溝又は通路を貫通する導体要素660は、ヒートシンク605の遠位部分606を超えて延びているとよい。ヒートシンク605の遠位部分606を超えて延びる導体要素660は、発光素子650の1つ又は複数の近位側伝導パッド(図示せず)との電気的接触を助長するオス型ピン又はメス型ピン受けで終端する端を備えているとよい。溝又は通路を貫通する導体要素660は、ヒートシンク605の近位部分607を超えて延びているとよい。ヒートシンク605の近位部分607を超えて延びるこれらの導体要素660は、2つの導体要素660が互いに直接電気的に接触しないように、絶縁層を備えているとよい。
【0073】
図7A~
図7Cは、発光体750の例示的実施形態の上面図、側面図、及び底面図を示している。発光体750は、本明細書に記載されるどのような形式のものであってもよい。例えば、
図7A~
図7Cの例示的実施形態は、Cree社のXB-HLEDのような発光ダイオード(LED)を備える発光体750を示している。発光体750は、(
図7A~
図7Bに最もよく示される)発光面751と、(
図7B~
図7Dに最もよく示される)基部752と、(
図7C~
図7Dに最もよく示される)2つ以上の伝導パッド753,754と、(
図7C~
図7Dに最もよく示される)1つ又は複数の非伝導領域756a,756bとを備えている。
【0074】
図7Aは、発光面751を前部分に備える発光体750の上面図を示している。図示されるように、発光体750は、上から見た時、正方形の輪郭を有している。代替的に又は組合せて、発光体750は、上から見た時、正方形輪郭、円輪郭、楕円輪郭、長円状輪郭。多角形輪郭、又は矩形輪郭を有していてもよい。
【0075】
図7Bは、基部752の前面に連結された発光面751を備える発光体750の側面図を示している。発光面751は、図示される実施形態に示されるように、湾曲している。代替的に又は組合せて、発光面751は、正方形状、半球状、多角形状であってもよいし、又は段付き光取出特徴部から構成されていてもよい。
【0076】
図7Cは、2つ以上の伝導パッド753,754及び1つ又は複数の非伝導領域756a,756bと共に基部752を備える発光体750の底面図を示している。2つ以上の伝導パッド753,754の一方(例えば、伝導パッド753)は、第1及び第2の電気エネルギーの一方(例えば、負電圧)を受け、2つ以上の伝導パッド753,754の他方(例えば、伝導パッド754)は、第1及び第2の電気エネルギーの他方(例えば、正電圧)を受けるようになっている。2つ以上の伝導パッド753,754の一方がアースされ、2つ以上の伝導パッドの他方が第1の電気エネルギー(例えば、正電圧又は負電圧)を受けるようになっていてもよい。
【0077】
1つ又は複数の非伝導領域の1つ又は複数(この場合、非伝導領域756a)は、その最近接伝導パッド(ここでは、伝導パッド753)を第1の電気エネルギーを受けるものとして識別するためのフラグ757を備えているとよい。この例示的実施形態では、フラグ757は、非伝導領域756aの外縁の近くに位置している。
【0078】
図7Dは、底面に代替的構成を有する発光体750の底面図を示している。この構成では、発光体750の底面において、最近接伝導パッドを第1の電気エネルギーを受けるものとして識別するフラッグ757は、非伝導領域756aの中央の近くに位置している。任意の実施形態の識別フラグ757は、1つ又は複数の非伝導領域756a,756b内においてどのような形状又は形態を有していてもよい。
【0079】
(
図7C~
図7Dに示されるように)、いくつかの実施形態では、発光体750は、支持領域755を備えているとよい。
【0080】
発光体750は、本明細書に記載されるどのような種類のものであってもよい。さらに、発光体750は、約500Kから約10,000Kの色温度を有しているとよい。この実施形態又は任意の実施形態の発光体750は、(約700mAにおいて)少なくとも約150lmよりも大きい光束を有しているとよい。
【0081】
図8は、本明細書に記載される発光素子を製造する方法800を示している。
図8に示される方法800の全てのステップは、任意選択的であり、どのような順序で組み合わされてもよい。方法800は、予め、用いられるべき(ピン又はワイヤのような本明細書に記載される任意の種類の)1つ又は複数の導体要素、例えば、4068Mill―Maxピンを選択する作業を含んでいるとよい。方法800は、どのように組み合わされてもよい以下の1つ又は複数のステップ、すなわち、半田(例えば、半田ペースト)を(基部と、伝導層と、絶縁層との組合せから構成される)基板パッケージに塗布する作業801と、1つ又は複数の導体要素(例えば、ピン、ワイヤ等)を基板パッケージの1つ又は複数の導体要素受入孔内に配置する作業802であって、導体要素受入孔は、導体要素(例えば、ピン、ワイヤ等)を受け入れるように寸法決めされかつ形作られた基部、伝導層、及び絶縁層のそれぞれの孔に適合する(「通路(passageway、channel又はcorridor)」とも呼ばれる)孔である、作業802と、基板パッケージに塗布された半田を(例えば、該基板をリフロー炉内に配置することによって)リフローする作業803と、(図では、ヘッド(head)と呼ばれる)余分な材料を導体要素から除去するために、基板パッケージを機械内に(例えば、基板パッケージを研磨機内に基部の重なる部分に沿って締め付けることによって)固定する作業804と、導体要素の(導体要素ヘッド、ワイヤヘッド、ピンヘッド等と呼ばれることもある)ヘッドを、導体要素の頂部が(略25μm以下のレベルで)絶縁層及び/又は半田マスクと略同一平面となるように、例えば、研磨、フライス加工、レーザー加工等によって除去する作業805と、1つ又は複数の発光体を基板パッケージに接触させる作業806と、基板パッケージに塗布された半田をリフローさせ、発光体を適所に固定し、発光体と伝導要素(例えば、伝導層、伝導パッド、導体要素、ピン、ワイヤ等)との間に電気的接触をもたらす作業807と、を含んでいる。
【0082】
1つ又は複数の導体要素は、最小のヘッド輪郭を有するように選択されてもよく、これによって、導体要素ヘッドを除去することなく、従って、任意選択的なステップである作業804,805を除いて、作業801,802,803,806,807を含む方法800によって作製された発光素子から出力される光を最大化させるようになっていてもよい。本明細書に記載される方法800の任意の実施形態に用いられる導体要素は、約25μmから約500μm、好ましくは、約100μmから約500μm、さらに好ましくは、約150μmから約500μmbの初期厚みを有する導体要素ヘッドを備えているとよい。1つ又は複数の導体要素が余分な導体要素材料の除去を必要とする方法800の実施形態では、好ましくは、導体要素ヘッドは、100μm未満、さらに好ましくは、25μm未満の最終厚みを有するようになっているとよい。
【0083】
図9A~
図9Hは、基部920上に第1の層930及び第2の層940を備える発光素子910の例示的実施形態の上面図を示している。図示される実施形態の第1の層930及び第2の層940は、各々、個別に又は協働して、本明細書に記載されるどのような層(例えば、伝導層、絶縁層等)であってもよい。明瞭さ及び簡潔さのために(これが唯一の可能な構成であることを提案するものではないが)、第1の層930は、一般的に、
図9A~
図9Hにおいて伝導層として検討したものであり、第2の層940は、一般的に、
図9A~
図9Hにおいて絶縁層として検討したものである。逆の場合、第1の層930及び第2の層940の両方が伝導層であり、又は第1の層930及び第2の層940の両方が絶縁層である場合も当てはまることを理解されたい。
【0084】
図9Aは、本明細書に記載される任意の種類の基部920と、基部920の上面に連結された第1の層930(例えば、伝導層)とを備える発光素子910の例示的実施形態を示している。伝導層930は、基部920の少なくとも一部を覆って配置されている。いくつかの実施形態では、伝導層930は、基部920の全面(例えば、上面及び底面)を覆って配置されていてもよい。基部920及び伝導層930は、矩形状として示されているが、どのような形状、例えば、円形状、長円形状、及び帯片形状等を有していてもよい。
【0085】
図9Bは、本明細書に記載される任意の形式の基部920と、第1の層930と、第2の層940とを備える発光素子910の例示的実施形態を示している。図示される例では、第1の層930(例えば、伝導層)及び第2の層(例えば、絶縁層)は、各々、基部20のどの部分も伝導層930及び絶縁層940の両方によって覆われないように、基部920の上に配置されている。さらに、図示される実施形態では、伝導層930と絶縁層940とは重なっていない。このような実施形態では、一方の層(例えば、第2の層940)が、他方の層(例えば、第1の層930)を包囲していてもよい。第1の層930及び第2の層940は、互いに当接していてもよい。
【0086】
図9Cは、本明細書に記載される任意の種類の基部920と、第1の層930と、第2の層940と、重なり領域950とを備える発光素子910の例示的実施形態を示している。重なり部950は、互いに物理的に接触する第1の層930の少なくとも一部及び第2の層940の少なくとも一部から構成されている。重なり部950は、(重なり領域950の第2の層940が基部920に物理的に接触し、重なり領域950の第1の層930が第2の層940に物理的に接触するように)第2の層920に重なる第1の層930、又は(重なり領域950の第1の層930が基部920に物理的に接触し、重なり領域950の第2の層940が第1の層930に物理的に接触するように)第1の層930に重なる第2の層940、又はその任意の組合せから構成されているとよい。第1の層930が伝導層であり、第2の層940が絶縁層であり、重なり領域950において第2の層940が第1の層930に重なっている実施形態では、重なり領域は、露出した伝導層が絶縁されて電流がほとんど又は全く重なり領域950の上面を直接貫通しない領域をもたらすことになる。
【0087】
図9Cに示される実施形態では、第1の層930は、基部920と接触し(その接触面以外が露出する)第1の部分と、重なり950を構成する第2の部分とを備え、第2の層940は、基部920と接触し(その接触面以外が露出する)第1の部分と、重なり950を構成する第2の部分とを備えている。
【0088】
図9Dは、本明細書に記載される任意の種類の基部920と、第1の層930と、重なり領域950を構成する第2の層940と、を備える発光素子910の例示的実施形態を示している。この場合、第2の層940の全体が第1の層930に重なっているので、第1の層930が基部及び第2の層940に接触し、第2の層9
40が第1の層9
30の上面に物理的に接触するか、又は第2の層940が基部920の表面及び第1の層930に連結され、第1の層930が第2の層940に完全に重なり、基部920の面に接触することになる。例えば、第1の層930は、伝導層から構成され、第1の層930の上に配置される第2の層940は、半田マスクから構成され、これによって、重なり部950が絶縁された伝導層の領域をもたらすようになっていてもよい。
【0089】
図9Eは、
図9Dに示される発光素子と同様の発光素子910の例示的実施形態を示している。大きな違いは、重なり領域950がドーナッツ形状であり、これによって、重なり部の外周が露出した第1の層930の領域によって囲まれていることにある。
【0090】
図9Fは、本明細書に記載される任意の種類の基部920と、重なり領域を構成する第1の層930と、第2の層940とを備える発光素子910の例示的実施形態を示している。この場合、第1の層930の全体が第2の層940によって覆われた重なり部になっている。第1の層930は、基部920と第2の層940との間に挟まれ、これによって、第2の層940は、基部920及び第1の層930の両方の上に配置されることになる。重なり領域950を作るために、第1の層930が第2の層940の上に配置されてもよいが、これは、
図9Dに関して説明した構成と同様であることを理解されたい。
【0091】
図9Fに示される例では、第1の層930が伝導層から構成され、第1の層930の上に配置される第2の層940が半田マスクから構成され、これによって、重なり部950が絶縁された伝導層の領域をもたらすようになっていてもよい。
【0092】
図9Gは、基部920と、第1の層930と、第2の層940と、重なり領域950であって、第1の層930及び第2の層940が互いに重なった(例えば、第1の層930が第2の層940の上に置かれ又は第2の層が第1の層の上に置かれた)重なり領域950と、1つ又は複数の孔960と、を備える発光素子910の例示的実施形態を示している。この実施形態又は任意の実施形態の孔960は、基部920、第1の層930、第2の層940、重なり領域950、又は任意のそれらの組合せを貫通している。例えば、図示される実施形態は、基部920を貫通する孔960及び基部920と第2の層940との重なり部を貫通する孔960を示している。
【0093】
図9Hは、基部920と、第1の層930と、第2の層940と、1つ又は複数の重なり領域950と、1つ又は複数の孔960とを備える発光素子910の例示的実施形態を示している。なお、先行する図(
図9A~
図9G)によって提示される開示の再構成もあり得ることを考慮すれば、この例示的実施形態を図示の例(
図9H)を参照して説明するが、他の例示的実施形態もこの開示によって示唆され得ることを理解されたい。
【0094】
図9Hの発光素子910は、2つの重なり領域(950)において第2の層940によって重ねられた第1の層930を示している。第1の層930は、少なくとも2つの異なる領域、すなわち、第1の領域及び第2の領域をさらに備えている。第1の領域では、第1の層9
30が基部920上に配置され、第2の層940によって接触されておらず、第2の領域では、第1の層930及び第2の層940が重なり領域950を構成し、この重なり領域は、本明細書に記載される任意の種類のものであり、例えば、第2の層940上の第1の層930、第1の層930上の第2の層940、又は任意の組合せから構成されている。第1の層930は、露出領域をさらに備えている。この露出領域では、第1の層930の底面が基部920の上面に接触し、第1の層9
30の上面が露出している(例えば、第2の層940又は基部920と接触していない)。第1の層930の1つ又は複数の露出領域は、(
図7C~
図7Dに図示されかつ記載されるような)発光体の1つ又は複数の伝導パッド、(
図7C~
図7Dに図示されかつ記載されるような)発光体の1つ又は複数の支持領域、(
図1A~
図1C、
図3A~
図3C及び
図6に図示されかつ記載されるような)1つ又は複数の導体要素、(
図1A~
図1C及び
図3に図示されかつ記載されるような)1つ又は複数の導体要素ヘッド、(
図3A~
図3C、
図6,及び
図11A~
図11Cに図示されかつ記載されるような)1つ又は複数の電極、又は任意のそれらの組合せを受け入れるように寸法決めされ及び/又は形作られているとよい。さらに、孔960は、同様に、(
図7C~
図7Dに図示されかつ記載されるような)発光体の1つ又は複数の伝導パッド、(
図7C~
図7Dに図示されかつ記載されるような)発光体の1つ又は複数の支持領域、(
図1A~
図1C、
図3A~
図3C及び
図6に図示されかつ記載されるような)1つ又は複数の導体要素、(
図1A~
図1C及び
図3Aに図示されかつ記載されるような)1つ又は複数の導体要素ヘッド、(
図3A~
図3C、
図6,及び
図11A~
図11Cに図示されかつ記載されるような)1つ又は複数の電極、又は任意のそれらの組合せを受け入れるように寸法決めされ及び/又は形作られているとよい。なお、孔960は、本明細書に記載されるどのような形式のものであってもよい。
【0095】
第2の層940は、少なくとも2つの異なる領域、すなわち、第1の領域及び第2の領域をさらに備えている。第1の領域では、第2の層940が基部920の上に配置され、第1の層930によって接触されておらず、第2の領域では、第2の層940及び第1の層930が重なり領域950を構成し、この重なり領域は、本明細書に記載される任意の種類のものであり、例えば、第2の層940上の第1の層930、第1の層930上の第2の層940、又は任意の組合せから構成されている。
【0096】
図10A~
図10Bは、発光素子1010と、導体要素1020と、導体要素1060と、光学要素1070とを備える例示的な照明装置を示している。(
図10A~
図10Bの説明では「電極」と呼ばれる)導体要素1020は、(本明細書において記載されるように)、発光素子1010に連結されている。導体要素1060は、
図10A~
図10Bの説明では「ワイヤ」と呼ばれている。光学要素1070は、発光素子101に連結されている。電極1020は、光学要素1070によって包囲されない遠位部分1021を備えているとよい。光学要素1070は、(典型的には、1つ又は複数の発光体1050との連結によって)、発光素子1010から光を取り出し、発光素子1010から光を受光し、発光素子1010からの光を伝送し、発光素子1010からの光を標的領域(例えば、手術野)に導き、又はそれらを任意に組合せて行うように意図されている。照明装置の光伝送形態を助長させるために、クラッド1030が光学要素1070の表面に配置され、及び/又はクラッド1031が電極1020の表面に配置されているとよい。この実施形態又は任意の実施形態の光学要素1070は、本明細書に記載されるどのような形式のもの、例えば、レンズ、1つ又は複数のレンズレット、又は光導波管であってもよい。
【0097】
図11A~
図11Cは、発光パッケージを備える照明付き電気外科装置の例示的実施形態を示している。
【0098】
図11Aは、(図示されない)電気外科ペンシルのようなハンドピースに連結される照明付き電気外科装置1100の他の例示的実施形態の分解図を示している。この実施形態の利点は、光源及び電極が一緒に回転し、これによって、標的組織の均一な照明が確実になることである。照明付き電気外科装置1100は、陽極酸化されたアルミニウムシャフト1190と、FEPクラッド1180と、発光素子1110と、導波管半体1170と、電極ブレード1101とを備えている。導波管は、本明細書の他の箇所に記載されるように単一ユニットとして成形されてもよく、従って、必ずしも、一緒に連結される2つの半体を有する必要がない。
【0099】
電極ブレード1101は、好ましくは、組織を切断又は凝固させるために、エネルギー(好ましくは、RFエネルギー)を組織に送達するために用いられる遠位部分を備えている。この遠位部分1102は、好ましくは、絶縁層、ここでは、好ましくは、ガラス被膜によって絶縁されている。ガラス被膜は、有利である。何故なら、ガラス被膜は、望ましい光学特性を有し、導波管1170の遠位側に位置し、該導波管から放出される光を手術標的領域に向かって適切に反射し、外科医又は他のオペレータへの眩光を最小限に抑えることを確実に促進するからである。チップは、好ましくは、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)被膜によって絶縁されている。この被膜は、光を散乱させ、かつ吸収する。反射面がチップ上に配置されることによって、導波管からの光をチップの表面から標的に向かって反射させ、これによって、不必要な拡散を減らすことによって、装置の効率を促進させることができる。また、チップは、光の分散を助長させるために種々の形状を有することができる。チップは、湾曲又はテーパを有していてもよい。例えば、
図19BAは、電極1902の上面図を示している。
図19Bは、線B-Bに沿って切断された電極1902の断面を示し、かつ上側及び下側の平坦面を示し、
図19C及び
図19Dは、任意選択的な凸状の上下面を示している。遠位部分は、治療される解剖学的構造にて適合するためにオペレータがチップを屈曲させることを可能にするのに十分薄くなっているとよい。電極ブレード1101の中央区域は、エネルギーが中央区域に沿って電極から漏れるのを防ぐために、好ましくは、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)によって絶縁されているとよい。FEPは、導波管の反射率よりも低い反射率を有し、これによって、導波管と電極ブレードとの間の接触による導波管からの光の漏れを防ぐか又は最小限に抑えることになる。同様の效果を得るために、FEPと組合せて又はFEPに代わって、低反射膜又は空隙が用いられてもよい。電極の近位部分は、導体要素として機能する薄い細長区域を備えている。この細長区域によって、電極は、電源、好ましくは、RF生成器に動作可能に接続される(図示されない)ハンドルのワイヤに連結されることが可能になる。電極の近位部分は、直線状であるとよく、又は傾斜区域を有していてもよく、この場合、薄い細長区域の近位部分が位置ずれし、位置ずれした発光素子1110を通ることが可能になる。任意選択的に、電極の近位部分も直線状になっているとよく、これによって、発光体の中心を貫通することが可能になる。
【0100】
2つの導波管半体1170は、電極を挟み込んだ状態で、互いにスナップ嵌合、接着、又は超音波溶接されるとよく、又はそれ以外の方法によって接合されてもよい。導波管半体は、電極を囲む円筒形状を有し、これによって、電極の周りを照明するようになっている。導波管の遠位部分は、そこから放射される光の成形を助長するレンズ、複数のレンズレット、又は他の光学特徴部を備えているとよい。この実施形態では、光導波管は、円筒に近い多角形を形成する多面化された外面を有している。導波管のこの取出面は、例えば、光の発散に関して良好な光指向性をもたらすために、平坦であってもよいし、湾曲していてもよいし、又はテーパが付されていてよい。複数の小面を有することによって、導波管を通る光の良好な混合が可能になる。導波管の各半体の通路の隔離材1175によって、導波管と電極との直接の接触が阻止され、これによって、これらの接触及びその接触による光損失を最小限に抑えることができる。導波管の各半体内の通路は、好ましくは、該通路内に配置される電極の形状に適合しているとよい。
【0101】
発光素子1110は、導波管を通すことによって光を供給するために、本明細書に記載される1つ又は複数の発光体を備えている。発光素子1110は、本明細書に記載されるLEDのいずれか又は任意の他の光源であってもよい。発光体は、導波管への光の集束及び送達を助長するために放物面状に形作られているとよい。いくつかの実施形態では、電極の導体部分は、発光素子の中心を貫通していてもよいし、又は発光素子の中心からずれて貫通していてもよい。
【0102】
FEPクラッド層が、導波管を覆って配置されている。FEPクラッド層は、2つの半体の周りに熱収縮され、これによって、2つの半体を一緒に固定するようになっているとよい。任意選択的に、光損失を阻止するか又は最小限に抑えるために導波管に隣接する反射材料の反射率を低くするために、本明細書に開示されるこの実施形態又は任意の他の実施形態において、FEPクラッドと組合せて又はFEPクラッドに代わって、他の光学被膜が用いられてもよい。また、光損失を最小限を抑えるか又は阻止するために空隙が導波管に対して配置されてもよい。何故なら、空隙は、導波管に対して低反射率をもたらすからである。次いで、最外アルミニウムチューブ1190又は他の熱伝導性材料がFEPクラッドを覆って配置される。このチューブ1190は、構成部品を一緒に保持し、蓄熱を除去するヒートシンクとしても機能する。このチューブは、熱を散逸させるために、LEDコアに連結される。これによって、アセンブリの全体がハンドピースに連結されることになるが、ハンドピースに対して内外に伸縮するようになっていてもよい。いったん伸縮され、所望の位置に配置されたなら、カラー又は1/4ターンロックのような(図示されない)係止機構を用いて、電極を適所に係止するようになっているとよい。
【0103】
図11Bは、照明付き電気外科装置1100の端面図であり、
図11Cは、
図11Bの線B-Bに沿った断面図である。
図11Cは、FEP被覆区域1120及び電極と導波管との直接的な接触を最小限に抑えるために隔離材1175に連結された電極1122の区域を強調して示している。
【0104】
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、導波管は、レンズであってもよいし、又は導波管から送達される光を制御するためのレンズ部分を有していてもよい。従って、レンズを有するか又はレンズを有しない導波管又は別のレンズが、用いられる発光素子又は照明要素に取り付けられか又は連結されてもよい。任意選択的に、実施形態によっては、光を手術野に導き、該光を成形するために、レンズのような光学要素が、本明細書に記載される任意の発光素子のような照明要素の前に取り付けられてもよい。
【0105】
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、光は、どのような技術によって導波管に供給されるようになっていてもよい。照明要素は、ハンドル内に配置されてもよいし、又は導波管の一部に隣接して配置されてもよい。照明要素は、単一LEDであってもよいし、又はマルチLEDであってもよい。LED又はマルチLEDは、白色光を生じるようになっていてもよいし、任意の所望の色の光を生じるようになっていてもよい。例えば、マルチLEDが用いられる時、該マルチLEDは、種々の色、例えば、赤、緑、又は青(RGB)の色を生じ、これによって、導波管に入力される所望の色の光を生じるように調整されるとよい。従って、導波管は、より重要である。何故なら、導波管は、光が導波管の長さに沿って伝送される時、種々の色の光を混合し、これによって、均一な色の光を標的に送達するからである。白色光又は外科医又はオペレータが手術野における組織のような種々の対象物を視覚化又は識別化するのを支援する任意の他の所望の色の陰を変化させるために、多数の色の光が用いられてもよい。特定周波数のエネルギーを濾過するために、光導波管のいずれかにフィルター又は被膜が施されてもよい。
【0106】
代替的に又は組合せて、本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、照明要素は、光ファイバ又は光ファイバ束であってもよい。例えば、光ファイバは、キセノンランプのような外部源から光を導波管に入力させるようになっているとよい。外部源からの光は、光ファイバ又は光ファイバ束、ケーブル、及びハンドルを通って、導波管の近位端に伝送されるとよい。光ファイバ又は光ファイバ束は、導波管に突き合わされ、これによって、光を導波管に供給し、次いで、導波管を介して手術野に供給することになる。所望の光学特性を有する光を導波管に入力させるために、レンズ又は他の光学要素が光ファイバ又は光ファイバ束の遠位端に用いられてもよい。光源、例えば、外部ランプボックスが、手術野の外に設けられてもよい。代替的に又は組合せて、光源は、ケーブル接続された光源であってもよい。代替的に又は組合せて、光源は、ケーブル又は装置の任意の部分に連結されたハウジング内に設けられてもよい。
【0107】
実施形態のいずれにおいても、導波管は、所望の光学的及び機械的特性を有する材料から作製されているとよい。例示的な材料として、アクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー又はシクロオレフィンコポリマーが挙げられる。加えて、導波管を形成するために柔軟シリコーンが用いられてもよい。この場合、柔軟シリコーンを所望の形態に成形(塑性変形)させることができる。成形可能なシリコーンがエネルギーチップに直接連結されてもよく、これによって、チップが折曲又は屈曲された時、チップに連結された導波管がチップと一緒に屈曲することが可能になる。Dow Corning and Nusil 社のような製造業者が、導波管の形成に用いられる成形用シリコーンを製造している。
【0108】
加えて、本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、センサが導波管又はエネルギーチップに組み込まれてもよい。これらのセンサの例として、制限されるものではないが、CMOSのようなイメージセンサ又はCCDセンサが挙げられる。センサは、分光学的情報を収集する熱センサ又は光ファイバであってもよい。センサは、ハンドル内に配置されてもよいし、又は組み込まれてもよい。
【0109】
本発明の好ましい実施形態を図示しかつ説明してきたが、このような実施形態が単なる例示にすぎないことは、当業者にとって明らかであろう。種々の変更、変形、及び代替が、本発明から逸脱することなく、当業者によって考案されるだろう。本発明を実施するのに際して、本明細書に記載される本発明の実施形態の種々の代替例が用いられてもよいことを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を規定することが意図され、及びこれらの請求項の範囲内の方法及び構造並びに等価物がこれらの請求項に包含されることが意図されている。
[実施形態例1]
手術標的を照明するように構成される発光素子であって、
基部と、
伝導層の少なくとも一部を前記基部の上に連結した伝導層と、
絶縁層の少なくとも第1の部分を前記伝導層の上に連結し、かつ絶縁層の第2の部分を前記基部の上に連結した絶縁層と、
発光体と
を備え、
導体要素を受け入れるように寸法決めされた1つ又は複数の孔が、前記基部、前記伝導層、及び前記絶縁層を貫通している、発光素子。
[実施形態例2]
少なくとも1つの導体要素をさらに備え、
前記少なくとも1つの導体要素が、前記基部、前記伝導層、及び前記絶縁層を通る少なくとも1つの孔を貫通し、
前記少なくとも1つの導体要素が前記発光体に電気的に連結されている、実施形態例1に記載の発光素子。
[実施形態例3]
前記少なくとも1つの導体要素が前記伝導層に電気的に接触している、実施形態例2に記載の発光素子。
[実施形態例4]
前記少なくとも1つの導体要素及び前記伝導層の間における電気的接触が、伝導面を通してなされるようになっている、実施形態例3に記載の発光素子。
[実施形態例5]
前記少なくとも1つの導体要素及び前記伝導層の間における電気的接触が、伝導縁を通してなされるようになっている、実施形態例3に記載の発光素子。
[実施形態例6]
前記少なくとも1つの導体要素及び前記伝導層の間における電気的接触が、伝導媒体によって促進されるようになっている、実施形態例3に記載の発光素子。
[実施形態例7]
前記伝導媒体が半田となっている、実施形態例6に記載の発光素子。
[実施形態例8]
手術標的を照明するように構成される発光システムであって、
近位部分及び遠位部分を有する外科装置と、
前記外科装置の遠位部分内に配置された発光素子であって、基部と、伝導層の少なくとも一部を前記基部の上に連結した伝導層と、絶縁層の少なくとも第1の部分を前記伝導層の上に連結し、かつ絶縁層の第2の部分を前記基部の上に連結した絶縁層と、発光体とを含み、導体要素を受け入れるように寸法決めされた1つ又は複数の孔が、前記基部、前記伝導層、及び前記絶縁層を貫通している、発光素子と、
を備えている発光システム。
[実施形態例9]
前記外科装置がメス又は電極を備えている、実施形態例8に記載の発光システム。
[実施形態例10]
少なくとも1つの導体要素をさらに備え、
前記少なくとも1つの導体要素が、前記基部、前記伝導層、及び前記絶縁層を通る少なくとも1つの保持部を貫通し、
前記少なくとも1つの導体要素が前記発光体に電気的に連結されている、実施形態例8に記載の発光システム。
[実施形態例11]
前記少なくとも1つの導体要素が前記伝導層に電気的に接触している、実施形態例10に記載の発光システム。
[実施形態例12]
前記少なくとも1つの導体要素及び前記伝導層の間における電気的接触が、伝導面を通してなされるようになっている、実施形態例11に記載の発光システム。
[実施形態例13]
前記少なくとも1つの導体要素及び前記伝導層の間における電気的接触が、伝導縁を通してなされるようになっている、実施形態例11に記載の発光システム。
[実施形態例14]
前記少なくとも1つの導体要素及び前記伝導層の間における電気的接触が、伝導媒体によって促進されるようになっている、実施形態例11に記載の発光システム。
[実施形態例15]
前記伝導媒体が半田となっている、実施形態例14に記載の発光システム。
[実施形態例16]
発光素子を製造する方法であって、
半田を基板パッケージに塗布するステップと、
1つ又は複数の導体要素を前記基板パッケージの1つ又は複数の導体要素受入孔に配置するステップであって、前記1つ又は複数の導体要素の各々が頂部及び底部を有する、ステップと、
前記基板パッケージに塗布された半田をリフローさせるステップと、
前記1つ又は複数の導体要素から余分な材料を除去するために、機械内に前記基板パッケージを固定するステップと、
前記1つ又は複数の導体要素から余分な材料を除去するステップと、
1つ又は複数の発光体を前記基部パッケージに接触させるステップと、
前記基板パッケージに塗布された半田をリフローさせるステップと
を含む方法。
[実施形態例17]
前記1つ又は複数の導体要素がピン又はワイヤから構成されている、実施形態例16に記載の方法。
[実施形態例18]
前記基板パッケージが基部、伝導層、及び絶縁層から構成されている、実施形態例16に記載の方法。
[実施形態例19]
少なくとも1つの導体要素が前記伝導層と電気的に接触させられるようになっている、実施形態例18に記載の方法。
[実施形態例20]
前記基板パッケージを固定するステップが、前記基部パッケージを前記基部の重なる部分に沿って研磨機内に締め付けることを含む、実施形態例18に記載の方法。
[実施形態例21]
前記除去するステップが、前記1つ又は複数の導体要素を前記絶縁層と略同一平面とするように、研磨加工、フライス加工、レーザー加工を行うことを含む、実施形態例18に記載の方法。
[実施形態例22]
前記リフローさせるステップが、前記発光体と前記1つ若しくは複数の導体要素又は前記伝導層との間に電気的接触をもたらすことを含む、実施形態例18に記載の方法。
[実施形態例23]
前記半田をリフローさせるステップが、前記基板をリフロー炉内に配置することを含む、実施形態例16に記載の方法。