(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】ピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 239/42 20060101AFI20230330BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20230330BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20230330BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230330BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 15/08 20060101ALI20230330BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230330BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230330BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20230330BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20230330BHJP
C07D 403/10 20060101ALI20230330BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20230330BHJP
C07D 409/04 20060101ALI20230330BHJP
C07D 409/12 20060101ALI20230330BHJP
C07D 409/14 20060101ALI20230330BHJP
C07D 413/10 20060101ALI20230330BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20230330BHJP
C07D 417/04 20060101ALI20230330BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
C07D239/42 Z CSP
A61K31/505
A61K31/506
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P11/00
A61P13/12
A61P15/00
A61P15/08
A61P25/00
A61P25/04
A61P29/00
A61P35/00
A61P37/04
C07D401/12
C07D401/14
C07D403/10
C07D403/12
C07D409/04
C07D409/12
C07D409/14
C07D413/10
C07D413/14
C07D417/04
C07D417/14
(21)【出願番号】P 2019563368
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(86)【国際出願番号】 EP2018062858
(87)【国際公開番号】W WO2018210992
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2017/062022
(32)【優先日】2017-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517248845
【氏名又は名称】イドーシア ファーマシューティカルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IDORSIA PHARMACEUTICALS LTD
【住所又は居所原語表記】HEGENHEIMERMATTWEG 91, 4123 ALLSCHWIL, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ボス
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ コルミンボウフ
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ フレッツ
(72)【発明者】
【氏名】イザベル リオティエ
(72)【発明者】
【氏名】ダビデ ポッツィ
(72)【発明者】
【氏名】シルビア リチャード-ビルドシュタイン
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ ジント
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー シファーレン
【審査官】新留 素子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514804(JP,A)
【文献】特表2016-533366(JP,A)
【文献】国際公開第2008/152093(WO,A1)
【文献】Cancer Discovery,2014年,Vol.4, No.10,pp.1126-1139
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩:
【化17】
(式中、フラグメント
【化18】
中の環(A)は、芳香族5若しくは6員環又は非芳香族5若しくは6員環を表し、この環(A)はフェニル基に縮合し、独立に、当該環(A)は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意で有し;
当該フラグメントは、(R
1)
nにより任意に置換され;(R
1)
nは、1、2、3又は4個の任意の置換基を表し、当該置換基R
1は、(C
1-3)アルキル、(C
2-3)アルケニル、(C
2-3)アルキニル、(C
1-3)アルコキシ、ハロゲン、-S-(C
1-3)アルキル、(C
1-3)フルオロアルキル、(C
1-3)フルオロアルコキシ、シアノ、オキソ又はアミノから独立に選択され;
Ar
1は、
- 構造(Ar-I)のフェニル基を表すか:
【化19】
(式中、
R
pは、
- -X
1-CO-R
O1
(-- X
1は、直接結合、(C
1-3)アルキレン、-O-(C
1-3)アルキレン-
*、-NH-(C
1-3)アルキレン-
*、-CH=CH-、-NH-CO-
*又は(C
3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-R
O1基に結合する結合を示す。);
-- R
O1は、
--- -OH;
--- -O-(C
1-4)アルキル;
又は、
--- -NH-SO
2-R
S3(R
S3は、(C
1-4)アルキル、(C
3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C
3-6)シクロアルキル、(C
3-6)シクロアルキル-(C
1-3)アルキレンであって、(C
3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C
3-6)シクロアルキル-(C
1-3)アルキレン、(C
1-3)フルオロアルキル又は-NH
2を表す。);
を表す。);
- HET
1(HET
1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル又は3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを表す。);又は、
- HET(HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルから選択される基を表す。);
を表し;
R
m1は、
- (C
1-6)アルキル;
- (C
1-4)アルコキシ;
- (C
1-3)フルオロアルキル;
- (C
1-3)フルオロアルコキシ;
- ハロゲン;
- (C
3-6)シクロアルキル;
- (C
3-6)シクロアルキル-オキシ;
- ヒドロキシ-(C
2-4)アルコキシ;又は、
- -S-R
S2(R
S2は、(C
1-4)アルキル、1個の環酸素原子を任意に有する(C
3-6)シクロアルキルを表す。);
を表し;
R
m2は、水素、メチル、フルオロ又はクロロを表し;
R
o1は水素を表す。);
- 又は、Ar
1は、構造(Ar-II)の5員のヘテロアリール基を表す:
【化20】
(式中、
YはCH又はNを表し;
R
7は、
- -X
1-CO-R
O1
(-- X
1は、直接結合、(C
1-3)アルキレン、-O-(C
1-3)アルキレン-
*、-NH-(C
1-3)アルキレン-
*、-CH=CH-、-NH-CO-
*又は(C
3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-R
O1基に結合する結合を示す。);
-- R
O1は、
--- -OH;
--- -O-(C
1-4)アルキ
ル;又は、
--- -NH-SO
2-R
S3(R
S3は、(C
1-4)アルキル、(C
3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C
3-6)シクロアルキル、(C
3-6)シクロアルキル-(C
1-3)アルキレンであって、(C
3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C
3-6)シクロアルキル-(C
1-3)アルキレン、(C
1-3)フルオロアルキル又は-NH
2;を表す。);
を表す。);
- HET
1(HET
1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル又は3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを表す。);又は、
- HET(HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルから選択される基を表す。);
を表し;
- R
6は、
-- (C
1-6)アルキル;
-- (C
1-4)アルコキシ;
-- (C
1-3)フルオロアルキル;
-- (C
1-3)フルオロアルコキシ;
-- ハロゲン;
-- (C
3-6)シクロアルキル;
-- (C
3-6)シクロアルキル-オキシ;
-- ヒドロキシ-(C
2-4)アルコキシ;又は、
-- -S-R
S2(R
S2は、(C
1-4)アルキル、1個の環酸素原子を任意に有する(C
3-6)シクロアルキルを表す。)
を表す。)。
【請求項2】
Ar
1が:
【化21】
から選択される基を表す、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
フラグメント
【化22】
が、
- ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、ナフチル、キノリニル及びイソキノリニルから選択される基であって;これらの基は、独立に、未置換であるか、又は、(R
1)
nにより置換され;(R
1)
nは1、2又は3個の置換基を表し、当該置換基R
1が、(C
1-3)アルキル、(C
1-3)アルコキシ、ハロゲン、(C
1-3)フルオロアルキル、(C
1-3)フルオロアルコキシ、シアノ又はアミノから独立に選択される、基;又は、
- 2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、インダニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニ
ルから選択される基であって;これらの基は、独立に、未置換であるか、又は、(R
1)
nにより置換され;(R
1)
nは1、2又は3個の置換基を表し、当該置換基R
1が、(C
1-3)アルキル、(C
1-3)アルコキシ、ハロゲン、(C
1-3)フルオロアルキル、(C
1-3)フルオロアルコキシ又はオキソから独立に選択される、基;
を表す、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
フラグメント
【化23】
が、下記の群a)~g)から選択される基を表す、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
a) ベンゾチオフェン-7-イル、ベンゾチオフェン-4-イル、2-メチル-ベンゾチアゾール-7-イル、ベンゾフラン-7-イル、ベンゾフラン-4-イル、2-メチル-ベンゾフラン-7-イル、1H-インドール-7-イル、1H-インドール-4-イル、2-メチル-1H-インドール-7-イル、1-メチル-1H-インドール-7-イル、1-メチル-1H-インドール-4-イル、1,2-ジメチル-1H-インドール-7-イル、1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-イル、1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル;
b) ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-メトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-エトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-メトキシ-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-4-イル、6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-5-イル;
c) ナフタレン-1-イル、4-クロロ-ナフタレン-1-イル、4-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-ブロモ-ナフタレン-1-イル、2-メチル-ナフタレン-1-イル、4-メチル-ナフタレン-1-イル、2-
アミノ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメチル-ナフタレン-1-イル、2-メトキシ-ナフタレン-1-イル、3-メトキシ-ナフタレン-1-イル、4-メトキシ-ナフタレン-1-イル、2-シアノ-ナフタレン-1-イル、4-シアノ-ナフタレン-1-イル、4-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル、2-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル、2-エトキシ-ナフタレン-1-イル、2,5-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル、2-n-プロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-イソプロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-ジフルオロメトキシ-ナフタレン-1-イル;
d) キノリン-8-イル、7-クロロ-キノリン-8-イル、6-メチル-キノリン-5-イル、7-メトキシ-キノリン-8-イル、6-メトキシ-キノリン-5-イル、2-メトキシ-キノリン-8-イル、6-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル、5-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル、7-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル、7-メトキシ-4-メチル-キノリン-8-イル、6-メトキシ-2-メチル-キノリン-5-イル、イソキノリン-8-イル、イソキノリン-5-イル、6-メチル-イソキノリン-5-イル;
e) 6-フルオロ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル、5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル、4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-イル、1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル、5-エトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル、6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル、5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル;
f) 5-フルオロ-ナフタレン-1-イル、3-フルオロ-ナフタレン-1-イル、4-ブロモ-ナフタレン-1-イル、5-メチル-ナフタレン-1-イル、2-ブロモ-4-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシ-ナフタレン-1-イル;及び
g) キノリン-5-イル。
【請求項5】
フラグメント
【化24】
が、下記の群a)、b)、c)及びd)から選択される基を表す、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩:
a) ベンゾチオフェン-7-イル、ベンゾチオフェン-4-イル、ベンゾフラン-7-イル、2-メチル-ベンゾフラン-7-イル、1H-インドール-4-イル、1-メチル-1H-インドール-7-イル、1-メチル-1H-インドール-4-イル、1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル;
b) 5-エトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-メトキシ-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-4-イル;
c) ナフタレン-1-イル、4-クロロ-ナフタレン-1-イル、4-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-ブロモ-ナフタレン-1-イル、2-メチル-ナフタレン-1-イル、4-メチル-ナフタレン-1-イル、2-アミノ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメチル-ナフタレン-1-イル、2-メトキシ-ナフタレン-1-イル、3-メトキシ-ナフタレン-1-イル、4-メトキシ-ナフタレン-1-イル、2-シアノ-ナフタレン-1-イル、4-シアノ-ナフタレン-1-
イル、4-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル、2-エトキシ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル、2-n-プロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-イソプロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-ジフルオロメトキシ-ナフタレン-1-イル;
d) 6-メチル-キノリン-5-イル、6-メトキシ-キノリン-5-イル、イソキノリン-5-イル。
【請求項6】
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メチル-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-[6-(2-ナフタレン-1-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2,3-ジメチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メトキシ-2-メチル-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2,3-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(7-クロロ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(4-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(4-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1-メチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-エトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-イソプロポキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-ジフルオロメトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(5-メトキシ-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-[6-(2-ベンゾフラン-7-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-プロポキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(3-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミ
ノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(5-エトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(4-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(4-クロロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-シアノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(4-シアノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(4-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メチル-ベンゾフラン-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-アミノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メチル-イソキノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-[6-(2-ベンゾ[b]チオフェン-7-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-[6-(2-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
(E)-3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-アクリル酸;2-ブトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-プロピル-安息香酸;
{6-[3-エトキシ-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-ピリミジン-4-イル}-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチル]-アミン;3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オン;
3-(2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オー
ル;
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-プロピオン酸;
N-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-オキサミン酸;
3-エトキシ-5-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミ
ノ)ピリミジン-4-イル)-N-スルファモイルチオフェン-2-カルボキサミド;
N-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボニル)-メタンスルホンアミド;
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(5-(6-((2-(1H-インドール-4-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-エトキシチオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-キノリン-8-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(キノリン-8-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(4-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(4-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(5-(6-((2-(1H-インドール-7-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-エトキシチオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-イソキノリン-5-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(イソキノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
{6-[4-エトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)-チオフェン-2-イル]-ピリミジン-4-イル}-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチル]-アミン;
4-エトキシ-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミ
ノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-エトキシ-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(4-エトキシ-2-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
5-{6-[2-(6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸;
3-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-エトキシ-4-[6-(2-ナフタレン-1-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-安息香酸;
4-{6-[2-(2-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-エトキシ-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(4-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(2-エトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(7-メトキシ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(1,2-ジメチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(2-シアノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-エトキシ-安息香酸;
5-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(6-メチル-イソキノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェノキシ)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(2-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(2-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェノキシ)-プロピオン酸;
2-イソブチル-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-フルオロ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-6-プロピル-安息香酸;
2-ブトキシ-6-フルオロ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-ジフルオロメトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-酢酸;
4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-カルボン酸;
2-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
5-{6-[2-(2,5-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
2-エチルスルファニル-4-{6-[2-(4-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-イソキノリン-8-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;及び
3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(イソキノリン-8-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール;
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
4-{6-[2-(4-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-エトキシ-安息香酸;
5-{6-[2-(2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
4-{6-[2-(6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
4-{6-[2-(4-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-(4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン;
3-(4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オー
ル;
4-{6-[2-(5-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-キノリン-5-イル-エチルアミノ)-ピリミジ
ン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール;
3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(キノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
4-{6-[2-(5-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-エトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
4-{6-[2-(5-エトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(2-エトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;及び
4-{6-[2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
有効成分としての請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の治療上不活性な賦型剤とを有する医薬組成物。
【請求項9】
医薬として使用するための、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
有効成分として、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、癌;疼痛;子宮内膜症;常染色体優性多発性嚢胞腎;アテローム性動脈硬化の患者における急性虚血症候群;肺炎;及び神経変性疾患からなる群より選択される疾患の予防用又は治療用の;又は、雌の受精の制御用の医薬。
【請求項11】
有効成分として、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、メラノーマ;肺癌;膀胱癌(bladder cancer);腎癌;消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;及び神経芽細胞腫から選択される癌の予防用又は治療用の医薬。
【請求項12】
癌;疼痛;子宮内膜症;常染色体優性多発性嚢胞腎;アテローム性動脈硬化の患者における急性虚血症候群;肺炎;及び神経変性疾患からなる群より選択される疾患の予防又は治療のための;又は、雌の受精の制御のための;医薬の製造における、請求項1~7のいず
れか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項13】
メラノーマ;肺癌;膀胱癌(bladder cancer);腎癌;消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;及び神経芽細胞腫から選択される癌の予防又は治療のための医薬の製造における、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項14】
有効成分として、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、癌の治療用の医薬であって;当該癌が、腫瘍における免疫系の再活性化を含む免疫応答の調節により治療され;当該医薬が、任意で、1又は2種以上の化学療法剤及び/又は放射線療法及び/又は標的療法と組み合わせて使用される;医薬。
【請求項15】
癌の予防用又は治療用の医薬の製造における、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物の使用又はその薬学的に許容される塩の使用であって、当該癌が、腫瘍における免疫系の再活性化を含む免疫応答の調節により治療され;当該医薬が、任意で、1又は2種以上の化学療法剤及び/又は放射線療法及び/又は標的療法と組み合わせて使用される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)のピリミジン誘導体及び腫瘍における免疫系の再活性化を含む免疫応答の調節による癌の治療におけるそれらの使用に関する。本発明はさらに、式(III)の新規なピリミジン誘導体及び医薬としてのそれらの使用に関する。本発明はまた、本化合物の製造方法、式(I)/式(III)の化合物を1又は2種以上含有する医薬組成物及びPGE2レセプターEP2(別名PTGER2、別名PGE2レセプターEP2サブタイプ)及び/又はEP4(別名PTGER4、別名EP4R、別名PGE2レセプターEP4サブタイプ)の調節剤としてのそれらの使用を含む、関連した側面に関する。式(I)/式(III)の化合物は、特に、癌の予防(prevention/prophylaxis)又は治療;とりわけ、メラノーマ;肺癌;膀胱癌(bladder cancer);腎癌;消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;及び神経芽細胞腫の予防又は治療において、単一の薬剤として、あるいは1又は2種以上の治療剤及び/又は化学療法及び/又は放射線療法及び/又は免疫療法と組み合わせて使用してもよい。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジンE2(PGE2)は、炎症及び癌と関連する広範囲の生物学的効果を誘発できる生理活性脂質である。PGE2は、脂質のプロスタノイドファミリーに属する。シクロオキシゲナーゼ(COX)は、プロスタグランジンPGD2、PGE2、PGF2α、プロスタサイクリンPGI2及びトロンボキサンTXA2からなるプロスタノイドと呼ばれる生物学的メディエーターの合成における律速酵素である。プロスタノイドは、7つの膜貫通G-タンパク質結合レセプター(GPCR)の活性化を介して機能し、特に、EP1、EP2、EP3及びEP4はPGE2に対するレセプターである。PGE2によるEP2及びEP4の活性化はアデニルシクラーゼを刺激し、細胞質cAMPレベルの上昇を招き、その典型的なエフェクターであるプロテインキナーゼAを介して、多くのダウンストリーム事象を開始する。加えて、PGE2はまた、PI3K/AKT及びRas-MAPK/ERKシグナル伝達を介してシグナル伝達を行うことができる。
【0003】
癌は世界中で主たる死亡原因となっている。腫瘍は、異常増殖する悪性癌細胞だけでなく、機能的に支持する微小環境からもなる。この腫瘍微小環境は、複雑に配置された細胞、細胞外マトリックス成分及びシグナル伝達分子からなり、間質及び腫瘍細胞の間の伝達の変化により確立される。腫瘍のサイズが大きくなるにつれ、それらは、(血管の成長を促進する)血管新生因子等の腫瘍の成長を助けることができ、又は、宿主の免疫応答の攻撃からの回避を助けることができる種々の因子の産生を誘発する。PGE2は、腫瘍において産生されるそのような免疫調節因子である。
【0004】
COX2は、主にPGE2を介して、腫瘍の全体的な成長を促進し、上方制御され、一般的な癌、特に、大腸、胃、食道、膵臓、乳及び卵巣癌の多くにおいて臨床転帰に相関することが十分に確立されている。COX-2及びPGE2の高い発現レベルは、腫瘍性形質転換、細胞増殖、血管新生、侵襲性、転移及び免疫回避と関連している。
【0005】
COX2が過剰発現され、中でも食道、胃及び大腸癌を含む消化器(GI)癌の発癌において重要な役割を担うという知見が、Celecoxib等のCOX-阻害剤(Coxib)及びアスピリン等の他の非ステロイド高炎症薬(NSAID)が、今日開発中の最も研究されている癌化学予防剤に含まれるという事実に結びついている(概説については、例えば、Wang Rら、Curr Pharm Des.2013;19(1):115-25;Garcia Rodriguez LAら、Recent Results Cancer Res.2013;191:67-93、Sahin IHら、Ca
ncer Lett.2014 Apr 10;345(2):249-57;Drew
DAら、Nat Rev Cancer 2016、16:173;Brotons Cら、Am J Cardiovasc Drugs.2015 Apr;15(2):113参照。)。
【0006】
COX2及びPGE2に加えて、EPレセプター、特にEP2及びEP4もまた、多くの種類の癌において、特に、消化器(GI)癌及び膵臓癌において異常に過剰発現している。さらに、PGE2及び/又はEP2及び/又はEP4の過剰発現は、食道扁平上皮癌(Kuo KTら、Ann Surg Onc 2009;16(2)、352-60);肺の扁平上皮癌(Alaa Mら、Int J Oncol 2009、34(3);805-12);前立腺癌(Miyata Yら、Urology 2013、81(1):136-42);Badawi AF及びBadr MZ Int J Cancer。2003、103(1):84-90);頭頸部扁平上皮癌(Gallo Oら、Hum Pathol。2002、33(7):708-14)等のいくつかの癌種の疾患の進行に関与する。
【0007】
Coxibについて行った研究によれば、マウスにおいて、COX1、COX2、ミクロソームプロスタグランジンE合成酵素1(mPTGES1)、EP2又はEP4のいずれかをノックアウトすると、異なる腫瘍モデルにおいて、腫瘍の発生及び進行が減少した。逆に、遺伝子組み換えマウスにおけるCOX2又はmPTGES1の過剰発現は、腫瘍の発生及び腫瘍量の増大を招いた(概説については、Nakanishi M.及びRosenberg D.W.、Seminars in Immunopathology
2013、35:123-137;Fischer SMら、Cancer Prev
Res(Phila) 2011 Nov;4(11):1728-35;Fulton AMら、Cancer Res 2006;66(20);9794-97参照。)。
【0008】
異なる腫瘍モデルにおいて、EPレセプターアンタゴニスト又はCOX2阻害剤を用いて、腫瘍の成長及び進行を阻害する幾つかの薬理学的研究がマウスで行われた。とりわけ、EPアンタゴニスト及び/又はCOX2阻害剤は、大腸癌(例えば、Yang Lら、Cancer Res 2006、66(19)、9665-9672;Pozzi A.ら、JBC 279(28);29797-29804)、肺癌(lung carcinomas)(Sharma Sら、Cancer Res 2005 65(12)、5211-5220)、消化器癌(Oshima Hら、Gastroenterology 2011、140(2);596-607;Fu SLら、world J Gastroenterol 2004、10(13);1971-1974)、乳癌(Kundu Nら、Breast Cancer Res Treat 117、2009;235-242;Ma Xら、OncoImmunology 2013;Xin Xら、Lab Investigation 2012、1-14;Markosyan Nら;Breast Cancer Res 2013、15:R75)、前立腺癌(Xu Sら、Cell Biochem Biophys 2014、Teradaら、Cancer Res 70(4) 2010;1606-1615)、膵臓癌(Al-Wadei HAら、PLOS One 2012、7(8):e43376;Funahashi Hら、Cancer Res 2007、67(15):7068-71)の実験モデルにおいて腫瘍の成長及び転移を減少させた。COX2阻害剤は、大腸癌の遺伝的要因による症候群である家族性大腸腺腫症(FAP)の治療に対して承認されたが、後に心臓血管系副作用のために取り消された。
【0009】
機構的に、PGE2シグナル伝達は、主に、腫瘍と間質細胞の間のクロストーク(crosstalk)に関与しており、それにより、腫瘍の成長に有利な微小環境を創出する
。特に、EP2及びEP4を介するPGE2シグナル伝達は、例えば、(i) ナチュラルキラー細胞の細胞毒性及びサイトカイン産生を抑制し、(ii) 腫瘍促進性M2マクロファージ(tumor-promoting M2 macrophages)に対する腫瘍随伴性マクロファージの局在化(polarization)を歪め(例えば、Nakanishi Yら、Carcinogenesis 2011、32:1333-39参照。)、(iii) 患者及び実験動物モデルの両方において、腫瘍内に蓄積する潜在的免疫抑制細胞であるTregs(制御性T細胞)及びMDSC(骨髄系由来サプレッサー細胞)双方の活性化、増殖及びエフェクター機能を制御し(例えば、Sharma
Sら、Cancer Res 2005、5(12):5211-20;Sinha Pら、Cancer Res 2007、67(9)、4507-4513;Obermajer Nら、Blood 2011、118(20):5498-5505参照。);(iv) ナチュラルキラー細胞、T-細胞、樹状細胞及びマクロファージ等の免疫細胞におけるIFN-γ、TNF-α、IL-12及びIL-2の発現を下方制御して、これらの免疫細胞が腫瘍細胞アポトーシスを誘発し、腫瘍形成を抑制するする能力を損傷し(例えば、Bao YSら、Int Immunopharmacol。2011;11(10):1599-605;Kim JG及びHahn YS、Immunol Invest。2000;29(3):257-69;Demeuere CEら、Eur J Immunol。1997;27(12):3526-31;Mitsuhashi
Mら、J Leukoc Biol。2004;76(2):322-32;Pockaj BAら、Ann Surg Oncol。2004;11(3):328-39参照。);(v) T-細胞の活性化、IL-2応答、増殖及び細胞毒性を抑制し、それにより局所的免疫抑制に寄与し(例えば、Specht Cら、Int J Cancer
200191:705-712参照。);(vi) 樹状細胞の成熟、樹状細胞が抗原を提示し、IL-12を産生する能力を阻害することにより、細胞傷害性T-細胞の活性化を阻止し(例えば、Ahmadi Mら、Cancer Res 2008、68(18):7250-9;Stolina Mら、J Immunol 2000、164:361-70参照。);(vii) 内皮細胞の運動性及び生存を増強することにより、並びに、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)の発現を増大させることにより、腫瘍血管新生(栄養及び酸素を供給するための新しい血管の形成)を制御し(例えば Zhang Y及びDaaka Y、Blood 2011;118(19):5355-64;Jain Sら、Cancer Res.2008;68(19):7750-9;Wang及びKlein、Molecular Carcinogenesis 2007、46:912- 923参照。);(viii) (PI3K/AKT及びMAPKシグナル伝達を介して)腫瘍細胞の生存を増強することができる。概説については、例えば、Kalinski P、J Immunol 2012、188(1)、21-28;Obermajer Nら、Oncoimmunology 1(5)、762-4;Greenhough Aら、carcinogenesis 2009、30(3)、377-86;Wang D及びDubois RN、Gut 2006、55、115-122;Harris SGら、Trends Immunol 2002、22、144-150を参照されたい。
【0010】
Coxibが腫瘍細胞の放射線及び化学療法に対する感受性を高めることが示されており、Coxibを放射線及び/又は化学療法と組み合わせて、いくつかの臨床試験が既に行われており、又は進行中である(概説については、例えば、Ghosh Nら、Pharmacol Rep.2010 Mar-Apr;62(2):233-44;Davis TWら、Am J Clin Oncol.2003、26(4):S58-61参照;Higgins JPら、Cancer Biol Ther 2009、8:1440-49も参照。)。
【0011】
さらに、Coxibと上皮成長因子レセプター(EGFR)阻害剤(例えば、Zhan
g Xら、Clin Cancer Res.2005、11(17):6261-9;Yamaguchi NHら、J Gastrointest Oncol.2014、5(1):57-66参照。);及びアロマターゼ阻害剤(例えば、Generali Dら、Br J Cancer.2014;111(1):46-54;Lustberg MBら、Clin Breast Cancer.2011 Aug;11(4):221-7;Falandry Cら、Breast Cancer Res Treat.2009 Aug;116(3):501-8);Chow LWら、J Steroid Biochem Mol Biol.2008、111(1-2):13-7参照。)との間に相加効果及び/又は相乗性があるという証拠がある。
【0012】
さらに、アスピリン(COX1/2阻害剤)を抗VEGF抗体と組み合わせると、異なるマウス腫瘍モデルにおいて、相加/相乗効果が見られ(Motz GTら;Nat Med 2014 20(6):607)、この組み合わせについて、現在、臨床試験において研究が行われている(NCT02659384)。
【0013】
最近、組み合わせた場合、異なる免疫治療的アプローチの抗腫瘍効果を増大させることができることが示された。従って、PGE2の免疫調節特性により、Coxibもまた、異なる免疫治療的アプローチと組み合わせて使用されている。特に、Coxibを、ラット神経膠腫モデル及びマウス中皮腫又はメラノーマモデルにおいて樹状細胞ワクチン療法(dendritic cell vaccination)と(Zhang Hら、Oncol Res.2013;20(10):447-55;Veltman JDら、BMC Cancer。2010;10:464;Toomey Dら、Vaccine。2008 Jun 25;26(27-28):3540-9);マウス脳腫瘍において顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)と(Eberstal Sら、Int J Cancer.2014 Jun 1;134(11):2748-53);脳腫瘍においてインターフェロンガンマ(IFN-γ)と(Eberstal Sら、Cancer Immunol Immunother。2012、61(8):1191-9);マウス乳癌モデルにおいて樹状細胞ワクチン療法又はGM-CSFと(Hahn Tら、Int J Cancer。2006、118(9):2220-31);及びマウス中皮腫モデルにおいてアデノウイルスインターフェロンベータ(IFN-β)治療(adenoviral interferon beta(IFN-β) therapy)と(DeLong Pら、Cancer Res.2003 Nov 15;63(22):7845-52)組み合わせると、相加的又は相乗的効果さえも観察された。従って、Coxib並びに/又はEP2及び/若しくはEP4アンタゴニストについては、抗CTLA-4抗体;抗TIM-3抗体、抗Lag-3抗体;抗TIGIT抗体等の細胞傷害性T-リンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)に作用する薬剤;又は、特に、抗PD1又は抗PDL1(プログラム細胞死リガンド1)抗体等のプログラム細胞死タンパク質1(PD1)に作用する薬剤との組み合わせに対しても相加的又は相乗的効果さえもが予想される(Yongkui Liら、Oncoimmunology 2016、5(2):e1074374;Zelenay Sら、Cell 2015、162;1-14;PD1に作用する薬剤と組み合わせてEP2及びEP4の両方を遮断した場合の相乗効果を示すWO2013/090552)。
【0014】
アデノシンは、制御性T細胞(Treg)を含む様々な細胞種上で発現される、エクトヌクレオチダーゼ、CD39及びCD73の活性を通じて産生される、抗炎症特性を有する別の内因性因子である(Mandapathil Mら、J Biol Chem.2010;285(10):7176-86)。免疫細胞はまた、主にA2a/A2b型のADOに対するレセプターを有するため、アデノシンに応答する(Hoskin DWら、Int J Oncol 2008、32:527-535)。アデノシンレセプター及びEP2/EP4レセプターを介するシグナル伝達は、細胞質アデニリルシクラーゼに
収束し、cAMPを上方制御する。アデノシンとPGE2は、制御性T細胞により介在される免疫応答の抑制において協同することが示された(Mandapathil Mら、J Biol Chem.2010;285(36):27571-80;Caiazzo Eら、Biochem Pharmacol.2016;112:72-81)。
【0015】
従って、このEP2及び/又はEP4アンタゴニストは、単独で、又は、1又は2種以上の治療剤及び/又は化学療法及び/又は放射線療法及び/又は免疫療法と組み合わせて;特に、化学療法、放射線療法、EGFR阻害剤、アロマターゼ阻害剤、抗血管新生薬、アデノシン阻害剤、特にPD1及び/若しくはPDL1遮断等の免疫療法又は他の標的療法と組み合わせて;癌の予防又は治療に、特に、転移性メラノーマを含むメラノーマを包含する皮膚癌;非小細胞性肺癌を含む肺癌;膀胱癌(urinary bladder cancer)、尿路上皮癌を含む膀胱癌(bladder cancer);腎細胞癌、転移性腎細胞癌、転移性腎明細胞癌を含む腎癌;大腸癌、転移性大腸癌、家族性大腸腺腫症(FAP)、食道癌、胃癌、胆嚢癌、胆管癌、肝細胞癌及び膵臓腺癌又は膵管癌等の膵臓癌を含む消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;神経芽細胞腫;去勢抵抗性前立腺癌を含む前立腺癌;脳転移、悪性神経膠腫、多形膠芽腫、髄芽腫、髄膜腫を含む脳腫瘍;トリプル・ネガティブ乳癌を含む乳癌;口腔腫瘍;上咽頭腫瘍;胸部癌(thoracic cancer);頭頸部癌;急性骨髄性白血病、成人T細胞白血病を含む白血病;癌種;腺癌;甲状腺乳頭癌を含む甲状腺癌;絨毛癌;ユーイング肉腫;骨肉腫;横紋筋肉腫;カポジ肉腫;バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、MALTリンパ腫を含むリンパ腫;多発性骨髄腫;並びにウイルス誘発腫瘍の予防又は治療に有用であり得る。
【0016】
加えて、選択的又はデュアルEP2及び/又はEP4アンタゴニストは、例えばCOX2阻害剤による治療に応答する幾つかの他の疾患又は障害において有用であるかもしれず、EP2及び/又はEP4アンタゴニストは、COX2阻害剤で見られ、主にPGI2及びTXA2合成への干渉に起因する潜在的心臓血管系副作用を有さないであろうという利点を有する(例えば、Boyd MJら、bioorganic and medicinal chemistry letters 21、484、2011参照。)。例えば、COX阻害剤によるプロスタグランジン産生の遮断は、特に、炎症性疼痛及び月経痛等の疼痛に対する治療の選択肢である。従って、EP2及び/又はEP4及び/又はデュアルEP2/EP4アンタゴニストは、疼痛、特に炎症性疼痛の治療に有用であろう。EP2ノックアウトマウスによる証拠は、EP2アンタゴニストが、炎症性痛覚過敏の治療に使用し得ることを示唆している(Reinold Hら、J Clin Invest
2005、115(3):673-9)。加えて、EP4アンタゴニストは、炎症性疼痛モデルにおいてイン ヴィヴォで有益な効果を有する(例えば、Murase A、Eur J Pharmacol 2008;Clark P、J Pharmacol Exp Ther.2008;Maubach KA Br J Pharmacol.2009;Colucci J Bioorg Med Chem Lett.2010、Boyd MJら、Bioorg Med Chem Lett 2011、Chn Qら、Br J Phramacol 2010、Nakao Kら、J Pharmacol Exp Ther.2007 Aug;322(2):686-94)。EP2をEP4アンタゴニストと組み合わせて投与すると、マウスコラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、顕著だが、部分的な関節炎症の阻害が見られた(Honda Tら、J Exp Med 2006、203(2):325-35)。
【0017】
EP2及び/又はデュアルEP2/EP4アンタゴニストは雌の受精率を減少させるのに有用であろう。すなわち、これらは、マカクにおいて避妊に用いた場合、妊娠を防止することが示された(Peluffo MCら、Hum Reprod 2014)。EP2ノックアウトマウスでは、受精率が減少し、産子数が減り、卵丘膨張が減少した(Matsumotoら、Biology of reproduction 2001、64
;1557-65;Hitzakiら、PNAS 1999、96(18)、10501-10506;Tilley SL J Clin Inves 1999、103(11):1539-45;Kennedy CRら、Nat Med 1999 5(2):217-20)。
【0018】
EP2及び/又はEP4アンタゴニストが子宮内膜症の予防又は治療に有用であろう論理的根拠も存在する:例えば、EP2、EP3及びEP4並びにCOX2は、子宮内膜症細胞株及び組織で過剰発現しており(例えば、Santulli Pら、J Clin Endocrinol Metab 2014、99(3):881-90);アンタゴニストによる治療が、イン ヴィトロで、子宮内膜細胞の接着を阻害することが示され(Lee Jら、Biol Reprod 2013、88(3):77;Lee Jら、Fertil Steril 201、93(8):2498-506);COX2阻害剤が、マウスにおいて、EP2を介して子宮内膜の病変を減少させることが示され(Chuang PCら、Am J Pathol 2010、176(2):850-60);アンタゴニストによる治療が、イン ヴィトロで、子宮内膜細胞のアポトーシスを誘発することが示された(Banu SKら、MOl endocrinol 2009、23(8) 1291-305)。
【0019】
デュアルEP2/EP4アンタゴニスト、又は、選択的EP2アンタゴニストの選択的EP4アンタゴニストとの併用は、自己免疫障害に対して潜在的な有用性を有し;例えば、これらは、多発性硬化症(MS)に対して効果があることがマウスモデルにおいて示された(Esaki Yら、PNAS 2010、107(27):12233-8;Schiffmann Sら、Biochem Pharmacol.2014、87(4):625-35;Kofler DMら、J Clin Invest 2014、124(6):2513-22も参照。)。イン ヴィトロでの細胞におけるEP2/EP4シグナル伝達の活性化(Kojima Fら、Prostaglandins Other Lipid Mediat 2009、89:26-33)は、デュアル又は選択的EP2及び/又はEP4アンタゴニストを関節リウマチの治療に結びつけた。また、骨関節炎(OA)の患者からの骨液及び軟骨においてPGE(2)のレベルが上昇していることが報告されており、PGE2は、骨関節炎軟骨細胞においてEP4レセプターを介してマトリックス分解を刺激することが示された(Attur Mら、J Immunol.2008;181(7):5082-8)。
【0020】
EP4の過剰発現は、患者のアテローム動脈硬化プラークにおける炎症反応の増強と関連しており(Cipollone Fら、Artherioscler Thromb Vasc Biol 2005、25(9);1925-31)、従って、EP4及び/又はデュアルEP2/EP4アンタゴニストは、プラークの安定化及び急性虚血症候群の予防に対して有用かもしれない。加えて、EP4の欠乏は、マクロファージの生存を損なうことにより、初期のアテローム性動脈硬化を抑制する(Babaev VRら、Cell Metab.2008 Dec;8(6):492-501)。
【0021】
EP2及び/又はデュアルEP2/EP4アンタゴニストは肺炎の治療にも有用であるかもしれず:アポトーシス細胞の肺投与は、イン ヴィヴォで、PGE(2)が、EP2を介して、その後における、白血球の肺リクルートメント及びStreptococcus pneumoniaeのクリアランス並びにIL-10産生の増強に対する障害の原因となることを示した(Medeiros AIら、J Exp Med 2009 206(1):61-8)。
【0022】
加えて、EP2及び/又はデュアルEP2/EP4アンタゴニストは、神経変性疾患の治療に有用であるかもしれない(概説については、Cimino PJら、Curr M
ed Chem.2008;15(19):1863-9参照。)。EP2レセプターは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のマウスモデルにおいて炎症の進行を促進させ(Liang Xら、Ann Neurol 2008、64(3):304-14);COX2阻害剤は、脳卒中、パーキンソン病及びALSのげっ歯類モデルにおいて神経を保護することが示され(概説については、Liang Xら、J Mol Neurosci 2007、33(1):94-9参照。)、パーキンソン毒素(parkinsonian
toxican)で処理したEP2ノックアウトマウスにおいて神経毒性の減少が観察され(Jin Jら、J Neuroinflammation 2007、4:2)、PGE2は、EP2を介して、培養ラット細胞において神経変性を悪化させ(Takadera Tら、Life Sci 2006、78(16):1878-83);アルツハイマー病マウスモデルにおいて、EP2ノックアウトマウスと交配すると、アミロイド量の減少が観察された(Liang Xら、J Neurosci 2005、25(44):10180-7;Keene CDら、Am J Pathol.2010、177(1):346-54)。EP2欠損マウスは、神経変性疾患におけるCD14-依存/自然免疫介在神経損傷から保護されており(Shie FSら、Glia 2005、52(1):70-7);PGE2は、EP2を介して、培養ラットミクログリア細胞において、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の発現を増大させる(Pooler AMら、Neurosci.Lett.2004、362(2):127-30)。EP2アンタゴニストは、脳における自然免疫の活性化(LPSの頭蓋内注射)からの酸化損傷を制限し、アルツハイマー又はHIV関連認知症に対して使用できるであろう(Montine TJら、J Neurochem 2002、83(2):463-70)。アルツハイマー病マウスモデルにおいて、EP4の遺伝的又は薬理学的阻害により、認知機能を改善することができた(Hoshino Tら、J Neurochem 2012、120(5):795-805)。
【0023】
EP2及び/又はデュアルEP2/EP4アンタゴニストは、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の治療にも有用であるかもしれない:PGE2は、EP2を介して、ヒト腎上皮細胞の嚢胞生成(cystogenesis)を誘発し;患者の試料中でEP2が過剰発現していることが見いだされた(Elberg Gら、Am J Physiol Renal Physiol 2007、293(5):F1622-32)。
【0024】
EP4及び/又はデュアルEP2/EP4アンタゴニストは、骨粗しょう症の治療にも有用であるかもしれない:PGE2は、主にEP4を介し、部分的にはEP2を介して、骨吸収を刺激し(Suzawa Tら、Endocrinology.2000 Apr;141(4):1554-9)、EP4ノックアウトマウスは骨吸収の減少を示し(Miyaura Cら、J Biol Chem 2000、275(26):19819-23)、EP4アンタゴニストは、PGE(2)-刺激破骨細胞生成及び破骨細胞骨吸収の部分的な阻害を示した(Tomita Mら、Bone.2002 Jan;30(1):159-63)。
【0025】
WO2008/152093は、分子の残りの部分に、3位で結合するインドール環、及び直接結合する芳香族置換基で置換されていないピリミジン部分を有する選択的EP2レセプター調節剤を開示する。WO2006/044732は、例えばアレルギー性疾患に治療に有用であるとされるPGD2調節剤であるピリミジン化合物を開示する;しかしながら、例えば、例示化合物であるCAS1001913-77-4は、下記の実験の項に記載したイン ヴィトロアッセイにおいて、試験の結果、EP2及びEP4レセプターの双方に対して不活性であった。WO2008/006583は、ALK-5阻害剤であるピリミジン誘導体を開示する。WO2006/044732及びWO2008/039882は、プロスタグランジンD2レセプターアンタゴニストとしての特定のピリミジン誘導体を開示する。ピリミジン-2-イル誘導体が、WO2013/020945、WO
2012/127032、WO2011/144742、WO2011/022348、WO2009/105220、Bioorg.Med.Chem 2011、21(13)4108-4114及びBioorg.Med.Chem 2011、21(1) 66-75に開示されている。抗癌剤として活性であるとされているさらなる化合物が、WO2006/128129、WO2008/008059及びBioorg.Med.Chem 2013、21(2)、540-546に開示されている。WO2012/149528は、誘導型(inducible form)のホスホフルクトースキナーゼの阻害剤としての2-メチル-ピリミジン誘導体を開示し、これは、癌細胞内における極めて大きいグリコリシスの速度を減少させることにより、腫瘍成長を減少させるため、癌の治療に有用であると考えられる。WO2018/013840、WO2013/163190、WO2015/058067及びWO2015/058031は、DNA修復プロセスに影響を与える特定のDNA-PK阻害剤を開示する。開示されたこれらの化合物は、癌細胞の増殖を直接調節することにより、癌細胞の感受性を高め、癌化学療法及び放射線療法双方の効果を増強するのに有用であると考えられる。
【発明の概要】
【0026】
本発明は、プロスタグランジン2レセプターEP2及び/又はEP4の調節剤である、式(I)、(II)又は(III)の新規なピリミジン誘導体を提供する。本発明の特定の化合物は、EP2及びEP4レセプター双方のデュアルアンタゴニストである。従って、本発明の化合物は、EP2レセプター及び/又はEP4レセプターの遮断に応答する疾患、特に、癌(特定の側面は、腫瘍における免疫系の再活性化を含む免疫応答の調節による癌の治療である。);及び疼痛、とりわけ炎症性疼痛及び月経痛;子宮内膜症;アテローム性動脈硬化の患者における急性虚血症候群;肺炎;筋萎縮性側索硬化症、脳卒中を含む神経変性疾患;パーキンソン病、アルツハイマー病及びHIV関連認知症;常染色体優性多発性嚢胞腎等の予防又は治療;並びに雌の受精の制御に有用であろう。
【0027】
1) 本発明の第1の側面は、癌の治療において使用するための、式(I)の化合物に関し:
【0028】
【0029】
当該癌は、腫瘍における免疫系の再活性化(reactivation of the
immune system in the tumor)を含む免疫応答の調節により治療され;
当該癌は、特に、転移性メラノーマを含むメラノーマ;非小細胞性肺癌を含む肺癌;膀胱癌(urinary bladder cancer)、尿路上皮癌を含む膀胱癌(bladder cancer);腎細胞癌、転移性腎細胞癌、転移性腎明細胞癌を含む腎癌;大腸癌、転移性大腸癌、家族性大腸腺腫症(FAP)、食道癌、胃癌、胆嚢癌、胆管癌、肝細胞癌及び膵臓腺癌又は膵管癌等の膵臓癌を含む消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;神経芽細胞腫;去勢抵抗性前立腺癌を含む前立腺癌;脳転移、悪性神経膠腫、多形膠芽腫、髄芽腫、髄膜腫を含む脳腫瘍;トリプル・ネガティブ乳癌を含む乳癌;口腔腫瘍;上咽頭腫瘍;胸部癌;頭頸部癌;急性骨髄性白血病、成人T細胞白血病を含む白血病
;癌種;腺癌;甲状腺乳頭癌を含む甲状腺癌;絨毛癌;ユーイング肉腫;骨肉腫;横紋筋肉腫;カポジ肉腫;バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、MALTリンパ腫を含むリンパ腫;多発性骨髄腫;並びにウイルス誘発腫瘍から選択される癌(特に、そのような癌は、メラノーマ;肺癌;膀胱癌(bladder cancer);腎癌;消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;及び神経芽細胞腫から選択される。)であり;
当該化合物は、任意で、1又は2種以上の化学療法剤及び/又は放射線療法及び/又は標的療法と組み合わせて使用され;
式(I)の化合物において、
フラグメント
【0030】
【0031】
中の環(A)は、
芳香族5若しくは6員環又は非芳香族5若しくは6員環を表し、この環(A)はフェニル基に縮合し、独立に、当該環(A)は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意で有し(特に、そのような縮合した基は、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、インダニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニルである。);
当該フラグメントは、(R1)nにより任意に置換され;(R1)nは、1、2、3又は4個の任意の置換基を表し(すなわち、当該フラグメントは、未置換であるか、又は、1、2、3若しくは4個のR1により置換され)、当該置換基R1は、(C1-3)アルキル(特にメチル)、(C2-3)アルケニル(特にビニル)、(C2-3)アルキニル(特にエチニル)、(C1-3)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ)、-S-(C1-3)アルキル(特にメチルスルファニル)、(C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)、(C1-3)フルオロアルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ)、シアノ、オキソ又はアミノから独立に選択され;
R3は、水素、メチル又はトリフルオロメチル(特に水素)を表し;
R4a及びR4bは、独立に、水素、メチルを表すか、又は、R4a及びR4bは、それらが結合する炭素原子とともにシクロプロパ-1,1-ジイル基を表し;
R5a及びR5bは、独立に、水素、メチルを表すか、又は、R5a及びR5bは、それらが結合する炭素原子とともにシクロプロパ-1,1-ジイル基を表し;
(i) Ar1は、
- フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリール(特に5員のヘテロアリール、とりわけチオフェニル又はチアゾリル)であって;当該フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリールが、独立に、1、2又は3個の置換基により置換され、上記置換基が、下記から独立に選択される;フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリール(特に5員のヘテロアリール、とりわけチオフェニル又はチアゾリル)を表し;
-- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、1-メチル-プロパン-1-イル、tert.-ブチル、3-メチル-ブチル);
-- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ);
-- ヒドロキシにより任意に置換された(C1-3)フルオロアルキル(特に、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-エチル);
-- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
-- ハロゲン(特に、フルオロ、クロロ、ブロモ);
-- シアノ;
-- 未置換であるか又は1個のアミノにより置換された(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、1-アミノ-シクロプロピル);
-- 環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキルであって、未置換であるか又は1個のヒドロキシにより置換された、環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキル(特に3-ヒドロキシ-オキセタン-3-イル);
-- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
-- ヒドロキシ;
-- -X1-CO-RO1
(--- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-S-CH2-*、-CF2-、-CH=CH-、-CH≡CH-、-NH-CO-*、-CO-又は(C3-5)シクロアルキレンを表し;アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合(bond)を示し;
--- RO1は、
---- -OH;
---- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
---- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2を表す。);
---- -O-CH2-CO-RO4(RO4は、ヒドロキシ又は(C1-4)アルコキシ又は-N[(C1-4)アルキル]2を表す。);
---- -O-CH2-O-CO-RO5(RO5は、(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシを表す。);
---- -O-CH2-CH2-N[(C1-4)アルキル]2(特に-O-CH2-CH2-N(CH3)2);又は、
---- (5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチルオキシ-;
を表す。);
[特に、そのような基、-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、-NH-CH(CH3)-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH
2、-CO-O-CH2-COOH、-CO-O-CH2-CH2-N(CH3)2、-CO-O-CH2-CO-N(CH3)2、-CO-O-CH2-O-CO-O-C2H5、-CO-O-CH2-O-CO-プロピル、(5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチル-O-CO-、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、-CH2-CO-O-C2H5、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-CH≡CH-CO-O-C2H5、-CF2-COOH、-NH-CO-COOH、-CO-COOH、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
-- -CO-CH2-OH;
【0032】
【0033】
-- 2-ヒドロキシ-3,4-ジオキソ-シクロブタ-1-エニル;
-- ヒドロキシ-(C1-4)アルキル(特に、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシ-エチル);
-- ジヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に1,2-ジヒドロキシエチル);
-- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
-- (C1-4)アルコキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-メトキシ-エトキシ);
-- -(CH2)r-CO-NRN3RN4(rは、整数の0又は1を表し;RN3及びRN4は、独立に、水素、(C1-4)アルキル、ヒドロキシ-(C2-4)アルキル、(C1-3)アルコキシ-(C2-4)アルキル又はヒドロキシを表す。)(好ましくは、RN3及びRN4の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)、-CO-NH(C2H5)、-CH2-CO-NH2、-CO-NH-C2H4-OH、-CO-NH-C2H4-OCH3又は-CO-N(CH3)2、-CO-NH-イソプロピル又は-CO-NH-OHである。);
-- -X2-NRN1RN2(X2は-(CH2)m-(mは、整数の0又は1を表す。)を表すか;又は、X2は-O-CH2-CH2-*(アスタリスクは-NRN1RN2基に結合する結合を示す。)を表し;
--- RN1及びRN2は、独立に、水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ-(C2-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル又は(C2-3)フルオロアルキルを表すか;
--- 又は、RN1は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表し、かつ、RN2は、独立に、-CO-H、-CO-(C1-3)アルキル、-CO-(C1-3)アルキレン-OH又は-CO-O-(C1-3)アルキルを表すか;
--- 又は、RN1及びRN2は、それらが結合する窒素とともに、1個の環酸素又は環硫黄原子を任意に有する4、5又は6員の飽和環を形成し、当該環は、未置換であるか、又は、環炭素原子上で1個のオキソにより置換され、又は、環硫黄原子上で2個のオキソにより置換される。);
(特に、そのような基-X2-NRN1RN2は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、アミノ-メチル、メチルアミノ-メチル、イソブチルアミノ-メチル、シクロプロピルアミノ-メチル、シクロブチルアミノ-メチル、(2-メトキシエチル)アミノ-メチル、(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-アミノ;又は-NH-CO-H、-N(C2H5)-CO-H、-NH-CO-C2H5、-NH-CO-CH2
-CH2-OH、-NH-CO-O-CH3、-N(CH3)-CO-O-CH3;又はピロリジン-1-イル、2-オキソ-ピロリジン-1-イル、1,1-ジオキソ-イソチアゾリジン-2-イル、モルフォリン-4-イル、アゼチジン-1-イル又はピペリジン-1-イル;又は2-(ジメチルアミノ)-エトキシを表す。);
-- -NH-CO-NRN5RN6(RN5及びRN6は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN5及びRN6の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-NH-CO-NRN5RN6の具体的な例は、-NH-CO-NH2、-NH-CO-NH-C2H5である。);
-- -SO2-RS1(RS1は、ヒドロキシ、(C1-4)アルキル(特にメチル)又は-NRN7RN8(RN7及びRN8は、独立に、水素又は(C1-3)アルキルを表す。)を表す。)(好ましくは、RN7及びRN8の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-SO2-RS1の具体的な例は、-SO2-CH3、-SO2-NH2、-SO2-OH、-SO2-NH-CH3である。);
-- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
-- -(CH2)q-HET1(qは整数の0、1又は2を表し(特に、qは0であり、すなわちHET1は直接結合によりAr1に結合する。);HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)、3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)又は5-チオキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-メルカプト-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)を表す。);
-- -(CH2)p-HET(pは整数の0又は1を表し(特に、pは0であり、すなわちHETは直接結合によりAr1に結合する。);HETは5又は6員のヘテロアリール(特に、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル及びテトラゾリルから選択される5員のヘテロアリール)を表し、当該5又は6員のヘテロアリールは、未置換であるか、又は、1若しくは2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル)、(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ)、-COOH、ヒドロキシ、ヒドロキシ-(C1-3)アルキル(特にヒドロキシメチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-5)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、オキセタン-3-イル)又は-NRN9RN10(RN9及びRN10は、独立に、水素、(C1-3)アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に2-ヒドロキシ-エチル)を表す。)から独立に選択される。);(特に、そのような基-(CH2)p-HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メトキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-[(2-ヒドロキシ-エチル)]-アミノ)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-ヒドロキシメチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-(オキセタン-3-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、1H-イミダゾール-4-イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イルである。);
(ii) 又は、Ar1は、8~10員の二環式ヘテロアリール(特に、9又は10員の二環式ヘテロアリール;とりわけ、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、イソキノ
リニル、キノリニル、ピロロピリジニル又はイミダゾピリジニル)を表し;当該8~10員の二環式ヘテロアリールは、独立に、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル);(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ);(C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);(C1-3)フルオロアルコキシ(特にトリフルオロメトキシ);ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ又は-(C0-3)アルキレン-COORO2(RO2は、水素又は(C1-4)アルキルを表す(特に、そのような基-(C0-3)アルキレン-COORO2は-COOHである。)。)から独立に選択され;(特に、そのような8~10員の二環式ヘテロアリールは、未置換である場合には、1H-ベンゾイミダゾール-5-イル、1H-インドール-6-イル、1H-インドール-5-イル、1H-インドール-2-イル、1H-インダゾール-5-イル、イソキノリン-7-イル、キノリン-6-イルであり;又は、置換されている場合には、3-カルボキシ-1H-インドール-6-イル、4-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、6-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、7-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル、6-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)、6-カルボキシ-ベンゾフラン-2-イル、3-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イル、2-カルボキシ-ベンゾフラン-5-イル若しくは2-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イルである。);
(iii) 又は、Ar1は構造(Ar-III)の基を表し:
【0034】
【0035】
式中、環(B)は、フェニル基に縮合した非芳香族5又は6員環を表し、環(B)は、窒素及び酸素から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を有し(特に、そのような基(Ar-III)は、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-1H-インドリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[d]イソオキサゾリル、2,3-ジヒドロ-イソインドリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル又は1,2,3,4-テトラヒドロ-フタラジニルである。);当該環(B)は、独立に、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換され、上記置換基は、オキソ、(C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル)及び-(C0-3)アルキレン-COORO3(RO3は、水素又は(C1-3)アルキルを表す。)から独立に選択される(特に、そのような基(Ar-III)は、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル、3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-5-イル、1-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インダゾール-6-イル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-7-イル又は1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-7-
イルである。)。
【0036】
副態様において、Ar1は、特に、
- フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリールであって;
1、2又は3個の置換基により独立に置換され(特に、2個の置換基により置換され);-- 当該置換基の1つが、環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキルであって、未置換であるか又は1個のヒドロキシにより置換された、環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキル;ヒドロキシ;
【0037】
【0038】
;-X1-CO-RO1;2-ヒドロキシ-3,4-ジオキソ-シクロブタ-1-エニル;ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ;-(CH2)r-CO-NRN3RN4;-NH-CO-NRN5RN6;-SO2-RS1;-(CH2)q-HET1;-(CH2)p-HET;から選択され;
-- 当該置換基の他のものが、存在する場合には、(C1-6)アルキル;(C1-4)アルコキシ;(C1-3)フルオロアルキル;(C1-3)フルオロアルコキシ;ハロゲン;シアノ;(C3-6)シクロアルキルであって、未置換であるか又は1個のアミノにより置換された、(C3-6)シクロアルキル;(C3-6)シクロアルキル-オキシ;ヒドロキシ;ヒドロキシ-(C1-4)アルキル;ジヒドロキシ-(C2-4)アルキル;ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ;(C1-4)アルコキシ-(C2-4)アルコキシ;-X2-NRN1RN2;-S-RS2;から独立に選択され;
上記の基及び置換基は態様1)に定義した通りである;
フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリールを表すか;
- 又は、Ar1は、態様1)に定義する8~10員の二環式ヘテロアリールを表し;当該8~10員の二環式ヘテロアリールは、独立に、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル;(C1-4)アルコキシ;(C1-3)フルオロアルキル;(C1-3)フルオロアルコキシ;ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ又は-(C0-3)アルキレン-COORO2(RO2は、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)から独立に選択され;
- 又は、Ar1は、態様1)に定義する構造(Ar-III)の基を表す。
【0039】
式(I)、(II)又は(III)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を有してもよく、(R)並びに(S)配置で存在してもよい。式(I)、(II)又は(III)の化合物はさらに、1又は2以上の二重結合を有する化合物を包含してもよく、Z並びにE配置で存在してもよく、及び/又は、環系に置換基を有する化合物を包含してもよく、相互に相対的にシス(cis)並びにトランス(trans)配置で存在してもよい。従って、式(I)、(II)又は(III)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0040】
特定の化合物(又は包括的構造)が(R)-又は(S)-エナンチオマーとして記載される場合、そのような記載は、富化された、特に本質的に純粋な、エナンチオマーの形態の各化合物(又は包括的構造)を意味するものと解される。同様に、ある化合物の特定の不斉中心が(R)-又は(S)-配置にある、又は、特定の相対配置にあると記載される
場合、そのような記載は、上記不斉中心の各配置に関し、富化された、特に本質的に純粋な形態の上記化合物を意味するものと解される。同様に、シス又はトランスの記載は、富化された、特に本質的に純粋な形態の各相対配置を有する各立体異性体を意味するものと解される。同様に、特定の化合物(又は包括的構造)がZ又はE立体異性体として記載される場合(又は、ある化合物中の特定の二重結合がZ又はE配置として記載される場合)、そのような記載は、富化された、特に本質的に純粋な立体異性体形態の各化合物(又は包括的構造)(又は、二重結合の各配置に関して、富化された、特に本質的に純粋な形態の化合物)を意味するものと解される。
【0041】
「富化(enriched)」という用語は、立体異性体に関連して使用される場合、本発明に関しては、それぞれの立体異性体が、それぞれ他の立体異性体/それぞれ他の立体異性体の全体に対して、少なくとも70:30、特に少なくとも90:10の比率で(すなわち、少なくとも70重量%、特に少なくとも90重量%の純度で)で存在することを意味するものと解される。
【0042】
「本質的に純粋な」という用語は、立体異性体に関連して使用される場合、本発明に関しては、それぞれの立体異性体が、それぞれ他の立体異性体/それぞれ他の立体異性体の全体に対して、少なくとも95重量パーセント、特に、少なくとも99重量パーセントの純度で存在すること意味するものと解される。
【0043】
本発明はまた、同位体標識された、特に2H(デューテリウム)標識された、態様1)~29)に従う式(I)、(II)又は(III)の化合物をも含み、当該同位体標識された化合物は、1又は2以上の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において通常見出される原子量と異なる原子量を有する原子によってそれぞれ置き換えられていることを除いては、式(I)、(II)又は(III)の化合物と同一である。同位体標識された、特に2H(デューテリウム)標識された式(I)、(II)又は(III)の化合物、及びその塩は、本発明の範囲に含まれる。水素をより重い同位体2H(デューテリウム)に置換することにより代謝安定性が増大するため、例えば、in-vivoでの半減期が長くなり、あるいは、必要用量を減らすことができ、又は、チトクロームP450酵素の阻害が軽減され得るため、例えば、安全性プロファイルが改善される。本発明の1つの態様においては、式(I)、(II)又は(III)の化合物は同位体標識されていないか、又は、それらは1若しくは2以上のデューテリウム原子によってのみ標識されている。副態様においては、式(I)、(II)又は(III)の化合物は全く同位体標識されていない。同位体標識された式(I)、(II)又は(III)の化合物は、適切な試薬又は出発物質の適宜な同位体種を用いることを除いては、下記の方法と同様に製造してよい。
【0044】
本出願において、点線で描かれる結合は、記載された基の結合点を示す。例えば、下記の基
【0045】
【0046】
は、2-メチル-1H-インドール-1-イル基である。
【0047】
場合によっては、式(I)、(II)又は(III)の化合物は互変異性型を含むかもしれない。そのような互変異性型は本発明の範囲に含まれる。互変異性型が特定の残基に存在し、かつ、そのような残基の1つの形態のみが開示され又は定義されている場合、他の互変異性型はそのような開示された残基に包含されるものと解される。例えば、基、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イルは、その互変異性型である2-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル及び2-ヒドロキシ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イルをも包含するものと解される。同様に、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(あるいは5-オキソ-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルと呼称される。)は、その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含し、3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(あるいは3-オキソ-2H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルと呼称される。)は、その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。
【0048】
化合物、塩、医薬組成物、疾患等について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0049】
態様1)~29)に従う式(I)、(II)又は(III)の化合物に対するいかなる言及も、状況に応じて、そのような化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)をも指すものと解される。
【0050】
「薬学的に許容される塩」という用語は、対象化合物の所望の生物活性を保持し、かつ最小の望ましくない毒性作用を示す塩を意味する。そのよう塩としては、対象化合物中の塩基性基及び/又は酸性基の存在に応じた、無機又は有機の酸及び/又は塩基付加塩が挙げられる。参考としては、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties、Selection and Use.」、P.Heinrich Stahl、Camille G.Wermuth(Eds.)、Wiley-VCH、2008;及び「Pharmaceutical Salts
and Co-crystals」、Johan Wouters and Luc Quere(Eds.)、RSC Publishing、2012を参照されたい。
【0051】
ここに記載される定義は、態様1)~22)のいずれか1つに定義されるような式(I)、(II)又は(III)の化合物に対して一律に適用されるものであり、特段の定義によってより広い又はより狭い定義が与えられない限り本明細書及び請求項を通じて必要な変更を加えて適用される。当然ながら、ある用語の定義又は好ましい定義が、ここに定義されるいずれか又は他のすべての用語のいずれか又は好ましい定義におけるそれぞれの用語を、独立して(及びそれらと共に)定義し置き換えるものであってよい。基Ar1又はその置換基がさらに定義される場合は常に、そのような定義は、基(Ar-I)、(Ar-II)及び(Ar-III)並びにそれらの各置換基にも必要な変更を加えて適用されることが意図されている。
【0052】
置換基が任意であると記載されている場合は常に、そのような置換基は存在しなくてもよく(すなわち、各残基は、そのような任意の置換基に関して未置換である。)、その場合、(例えば、芳香族環における、遊離価を有する環炭素原子及び/又は環窒素原子等の、そのような任意の置換基が結合し得る)遊離価を有するすべての部位は状況に応じて水素により置換されているものと理解される。同様に、「任意に(で)」という用語が、(環)ヘテロ原子と関連して使用されている場合、この用語は、各任意のヘテロ原子等が存在しないか(すなわち、ある基が、あるヘテロ原子を有さず/炭素環等であるか)、又は、各任意のヘテロ原子等が明示的に定義するように存在することを意味する。
【0053】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、特に、フッ素、塩素又は臭素、好ましくはフッ素又は塩素を意味する。
【0054】
「アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1~6個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基を意味する。「(Cx-y)アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、前記部分で定義したアルキル基を意味する。例えば、(C1-6)アルキル基は、1~6個の炭素原子を含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert.-ブチル、3-メチル-ブチル、2,2-ジメチル-プロピル及び3,3-ジメチル-ブチルである。いかなる疑義をも避けるために、ある基が、例えばプロピル又はブチルであると記載される場合には、それぞれn-プロピル又はn-ブチルであることを意味する。好ましくはメチル及びエチルである。最も好ましくはメチルである。フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリールであるAr1の置換基に対しては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、1-メチル-プロパン-1-イル、tert.-ブチル、3-メチル-ブチルが好ましい。
【0055】
「-(Cx-y)-アルキレン-」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、x~y個の炭素原子を有し、2か所で結合した(bivalently bound)、前記部分で定義したアルキル基を意味する。好ましくは、-(C1-y)-アルキレン基の結合点は、1,1-ジイル、1,2-ジイル又は1,3-ジイル配置である。(C0-y)アルキレン基が別の置換基と組み合わせて使用される場合には、この用語は、当該置換基が(C1-y)アルキレン基を介して分子の残りの部分に結合するか、又は、分子の残りの部分に直接結合する(すなわち、(C0)アルキレン基は、当該置換基を分子の残りの部分に結合させる直接結合を表す。)ことを意味する。明示的に別段の記載がない限り、アルキレン基-C2H4-は-CH2-CH2-を意味する。リンカーX1としての、(C1-3)アルキレン基の例は、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-及び-CH2-CH2-であり、特に、-CH2-及び-CH2-CH2-である。置換基、-(C0-3)アルキレン-COORO2及び(C0-3)アルキレン-COORO3において使用される(C0-3)アルキレン基の例は、それぞれ(C0)アルキレン及びメチレンである。
【0056】
「アルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、アルキル基が前記部分で定義した通りであるアルキル-O-基を意味する。「(Cx-y)アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、(C1-4)アルコキシ基は、「(C1-4)アルキル」という用語が前記の意味を有する、式(C1-4)アルキル-O-の基を意味する。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec.-ブトキシ及びtert.-ブトキシである。好ましくはエトキシであり、特にメトキシである。フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリールであるAr1の置換基に対しては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシが好ましい。
【0057】
「フルオロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフッ素で置き換えられた、1~3個の炭素原子を有する、前記部分で定義したアルキル基を意味する。「(Cx-y)フルオロアルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、前記部分で定義したフルオロアルキル基を意味する。例えば、(C1-3)フルオロアルキル基は、1~3個の炭素原子を有し、1~7個の水素原子がフッ素で置き換えられている。フルオロアルキル基の代表的な例としては、トリフルオ
ロメチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル及び2,2,2-トリフルオロエチルが挙げられる。好ましくは、トリフルオロメチル等の(C1)フルオロアルキル基である。「ヒドロキシにより任意に置換された(C1-3)フルオロアルキル」の例は、2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-エチルである。
【0058】
「フルオロアルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、1又は2以上の(場合によってはすべての)水素原子がフッ素で置き換えられた、1~3個の炭素原子を有する、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。「(Cx-y)フルオロアルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、前記部分で定義したフルオロアルコキシ基を意味する。例えば、(C1-3)フルオロアルコキシ基は、1~3個の炭素原子を有し、1~7個の水素原子がフッ素で置き換えられている。フルオロアルコキシ基の代表的な例としては、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ及び2,2,2-トリフルオロエトキシが挙げられる。好ましくは、トリフルオロメトキシ又はジフルオロメトキシ等の(C1)フルオロアルコキシ基並びに2,2,2-トリフルオロエトキシである。
【0059】
「シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、3から6個の炭素原子を有する単環式の飽和炭化水素環を意味する。「(Cx-y)シクロアルキル」(x及びyはそれぞれ整数である。)という用語は、x~y個の炭素原子を有する、前記部分で定義したシクロアルキル基を意味する。例えば、(C3-6)シクロアルキル基は、3~6個の炭素原子を有する。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。好ましくはシクロプロピル、シクロブチル及びシクロペンチルであり、特にシクロプロピルである。1個の環酸素原子を有するシクロアルキル基の例は、特にオキセタニルである。1個のアミノにより任意に置換された(C3-6)シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、1-アミノ-シクロプロピルである。1個の-COOHにより置換された(C3-6)シクロアルキル基の例は、1-カルボキシ-シクロプロピル、1-カルボキシ-シクロペンチルである。
【0060】
「-(Cx-y)シクロアルキレン-」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、x~y個の炭素原子を有し、2か所で結合した、前記部分で定義したシクロアルキル基を意味する。好ましくは、2か所で結合したシクロアルキル基の結合点は、1,1-ジイル又は1,2-ジイル配置である。例は、シクロプロパン-1,1-ジイル、シクロプロパン-1,2-ジイル及びシクロペンタン-1,1-ジイルであり;好ましくはシクロプロパン-1,1-ジイルである。
【0061】
(C3-6)シクロアルキル-オキシの例は、シクロブチル-オキシ及びシクロペンチル-オキシである。
【0062】
基-X1-CO-RO1(RO1は-O-CH2-CO-RO4を表し、RO4は-N[(C1-4)アルキル]2を表すか;又は、RO1は-O-CH2-CH2-N[(C1-4)アルキル]2を表す。)中で使用されるアルキル化アミノ基-N[(C1-4)アルキル]2は、2つの各(C1-4)アルキル基が独立に選択されるような基である。そのようなアミノ基-N[(C1-4)アルキル]2の好ましい例は-N(CH3)2である。
【0063】
「ヘテロサイクル」という用語は、明示的により広い又はより狭い定義がされない限り、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、窒素、硫黄及び酸素から独立に選択される1又は2個の(特に1個の)環ヘテロ原子(特に、1個の窒素原子、
2個の窒素原子、1個の窒素原子及び1個の酸素原子、又は1個の窒素原子及び1個の硫黄原子)を有する、飽和単環式炭化水素環を意味する。「(Cx-y)ヘテロサイクル」という用語は、x~y個の環原子を有するそのようなヘテロサイクルを意味する。ヘテロサイクルは、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換される。
【0064】
(Ar-III)に対して使用される、「フェニル基に縮合した非芳香族5又は6員環であって、環(B)が、窒素及び酸素から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を有する、非芳香族5又は6員環」からなる基は、前記部分で定義した(C5-6)ヘテロサイクルに縮合したフェニル基を意味する。例は、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-1H-インドリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[d]イソオキサゾリル、2,3-ジヒドロ-イソインドリル、3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル、2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-5-イル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-7-イル、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-6-イル及び1,2,3,4-テトラヒドロ-フタラジン-6-イルである。上記の基は、未置換であるか、1又は2個の置換基により置換され、上記置換基は、オキソ、(C1-6)アルキル及び-(C0-3)アルキレン-COORO3(RO3は、水素又は(C1-3)アルキル(特にメチル)を表す。)から独立に選択され;特に、オキソ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル又は-COOHから独立に選択され;上記置換基は、縮合した5又は6員の非芳香族環に結合する。オキソ置換基は、好ましくは、環窒素原子に対してアルファ位の環炭素原子に結合する。そのような基の好ましい例は、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-1H-インドリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル;並びに、オキソ置換ヘテロシクリル基である、3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、3-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[d]イソオキサゾリル、2-オキソ-1,3-ジヒドロ-インドリル、1-オキソ-2,3-ジヒドロ-イソインドリル、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾリル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリニル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリニル、1,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-フタラジニルであり;上記の基は、(C1-6)アルキル及び-(C0-3)アルキレン-COORO3(RO3は、水素又は(C1-3)アルキル(特にメチル)を表す。)から独立に選択される1個の(さらなる)置換基を任意に担持する。具体的な例は、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル、3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-5-イル、1-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インダゾール-6-イル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-7-イル又は1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-7-イルである。
【0065】
疑義を避けるために、例えば2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル基等の非芳香族性が支配的と考えられる、互変異性型を有する特定の基は、たとえそれらの対応する互変異性型(2-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル)が8~10員の二環式ヘテロアリール基とも考えられるとしても、本明細書において、部分的に芳香族性の縮合した8~10員の二環式ヘテロシクリル基と定義される。
【0066】
環(A)が芳香族5又は6員環を表し、この環(A)がフェニル基に縮合し、当該環(A)が窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意に有する、フラグメント:
【0067】
【0068】
の例は、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル及びフタラジニルであり(特に、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、ナフチル、キノリニル及びイソキノリニル)である。上記の基は、未置換であるか、又は、明示的に定義するように置換される。
【0069】
環(A)が非芳香族5又は6員環を表し、環(A)がフェニル基に縮合し、当該環(A)が、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意に有する、フラグメント:
【0070】
【0071】
の例は、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、インダニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル及び1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニルである。上記の基は、未置換であるか、又は、明示的に定義するように置換される。
【0072】
「アリール」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、フェニル又はナフチル、特にフェニルを意味する。上記のアリール基は、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換される。
【0073】
フェニルを表す置換基Ar1の例は、特に、分子の残りの部分の結合点に対してパラ位において、少なくとも1個の置換基により置換されるものである。加えて、フェニルを表すそのような基Ar1は、特に、分子の残りの部分の結合点に対して一方又は両方のメタ位に1又は2個のさらなる置換基を担持してもよい。そのようなフェニル基の各置換基は、明示的に定義される通りである。
【0074】
「ヘテロアリール」という用語は、単独で使用される場合も、又は組み合わせて使用される場合も、それぞれが酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される、1個から最大で4個
までのヘテロ原子を有する、5~10員の単環式又は二環式の芳香族環を意味する。そのようなヘテロアリール基の例は、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル等の5員のヘテロアリール基;ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル等の6員のヘテロアリール基;及び、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、チエノピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、シノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニル、ピロロピラジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリダジニル及びイミダゾチアゾリル等の8~10員の二環式ヘテロアリール基である。上記のヘテロアリール基は、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換される。
【0075】
「5又は6員のヘテロアリール」を表す置換基Ar1に対して、この用語は、特に、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル又はチオフェニル等の上記の5又は6員の基を意味する。特に、この用語は、特に、チアゾリル又はチオフェニル;とりわけ、チオフェン-2-イル、チオフェン-3-イル、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、チアゾール-5-イル等の5員の基を意味する。好ましくはチオフェニル、特にチオフェン-2-イル;又はチアゾリル、とりわけチアゾール-2-イルである。上記の基は明示的に定義するように置換される。チオフェン-2-イル又はチアゾール-2-イルは、特に2個の置換基により置換され、一方の置換基は5位にあり、第2の置換基は4位にある(そして、チオフェン-2-イルに対しては、任意で3位にハロゲン置換基。)。
【0076】
「8~10員の二環式ヘテロアリール」を表す置換基Ar1に対して、この用語は上記の8~10員のヘテロアリール基を意味する。特に、この用語は、とりわけ、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、イソキノリニル、キノリニル、ピロロピリジニル及びイミダゾピリジニル等の9又は10員のヘテロアリール基を意味する。上記の基は、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換される。具体的な例は、1H-インドール-2-イル、1H-インドール-3-イル、1H-インドール-4-イル、1H-インドール-5-イル、1H-インドール-6-イル、1-メチル-1H-インドール-5-イル、1H-インダゾール-5-イル、1H-インダゾール-6-イル、1-メチル-1H-インダゾール-6-イル、3-メチル-1H-インダゾール-6-イル、3-メトキシ-1H-インダゾール-6-イル、6-メトキシ-1H-インダゾール-5-イル、1H-ベンゾイミダゾール-5-イル、2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル、2-トリフルオロメチル-1H-ベンゾイミダゾール-5-イル、1H-ベンゾトリアゾール-5-イル、2-メチル-ベンゾオキサゾール-5-イル、2-メチル-ベンゾオキサゾール-6-イル、キノキサリン-6-イル、イソキノリン-7-イル、キノリン-6-イル、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル、2-カルボキシ-1H-インドール-5-イル、3-カルボキシ-1H-インドール-6-イル、4-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、6-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、7-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、7-カルボキシ-1H-インドール-4-イル、7-カルボキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル、5-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル、6-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)、6-カルボキシ-
ベンゾフラン-2-イル、3-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イル、2-カルボキシ-ベンゾフラン-5-イル及び2-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イルである。好ましい例は、1H-ベンゾイミダゾール-5-イル、1H-インドール-6-イル、1H-インドール-5-イル、1H-インドール-2-イル、1H-インダゾール-5-イル、並びに、3-カルボキシ-1H-インドール-6-イル、4-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、6-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、7-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル、6-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)、6-カルボキシ-ベンゾフラン-2-イル、3-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イル、2-カルボキシ-ベンゾフラン-5-イル及び2-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イル等の、1個の-(C0-3)アルキレン-COORO2により置換された8~10員の二環式ヘテロアリールである。
【0077】
置換基「-(CH2)p-HET(pは整数の0又は1を表し、HETは5又は6員のヘテロアリールを表す。)」に対して、そのような5又は6員のヘテロアリールは前記部分で定義した通りであり;特に5員の窒素含有ヘテロアリール、とりわけ、テトラゾリル又はオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル又はトリアゾリル等である。上記の基は、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換される。好ましくは、基-(CH2)p-は存在せず(すなわちpは整数の0を表す。)、基HETはAr1に直接結合する。-(CH2)p-HETの具体的な例は、特に、-(CH2)0-HET基である1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イルであり;さらなる例は、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メトキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-[(2-ヒドロキシ-エチル)]-アミノ)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-ヒドロキシメチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-(オキセタン-3-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、1H-イミダゾール-4-イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル及び2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イル;並びに1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、3-メチル-ピラゾール-1-イル、1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル、5-メチル-1H-ピラゾール-3-イル、3,5-ジメチル-ピラゾール-1-イル、4-カルボキシ-1H-ピラゾール-3-イル、1H-イミダゾール-2-イル、3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル、2-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、1,5-ジメチル-1H-イミダゾール-2-イル、1,2-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イル、1,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イル、2-シクロプロピル-1H-イミダゾール-4-イル、2-シクロプロピル-1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル、5-メチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、3-メチル-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル、5-メチル-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル、イソチアゾール-5-イル、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、4-メチル-チアゾール-2-イル、2-メチル-チアゾール-4-イル、2-アミノ-5-メチル-チアゾール-4-イル、4,5-ジメチル-チアゾール-2-イル、4-カルボキシ-チアゾール-2-イル、2-カルボキシ-チアゾール-4-イル、2-ヒドロキシ-チアゾール-4-イル、2-アミノ-2-オキソエチル)チアゾール-4-イル、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-5-イル、3-メチル-イソオキサゾール-5-イル、4-メチル-イソオキサゾール-5-イル、4-カルボキシ-3-メチル-イソオキサゾール-5-イル、オキサゾール-5-イル、2-メチル-オキサゾール-5-イル、2-(2-カルボキシエチル)-オキサゾール-5-イル、2
-(2-カルボキシエチル)-4-メチル-オキサゾール-5-イル、4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル、1H-[1,2,4]トリアゾール-1-イル、2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル、ピリジン-2-イル、4-フルオロ-ピリジン-2-イル、ピリミジン-2-イル、5-フルオロ-ピリミジン-2-イル、5-メトキシ-ピリミジン-2-イル、4-メトキシ-ピリミジン-2-イル、6-メトキシ-ピリミジン-4-イル、6-ジメチルアミノ-ピリミジン-4-イル、ピラジン-2-イル、6-メトキシ-ピラジン-2-イル、6-メトキシ-ピリダジン-3-イル、3H-イミダゾール-4-イル、3H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル、オキサゾール-2-イル及び4,5-ジメチル-オキサゾール-2-イルである。疑義を避けるために、(例えば3-ヒドロキシ-イソオキサゾリル又は2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾリル基等の)芳香族性が支配的であると考えられる互変異性型を有する特定の基は、たとえそれらの対応する互変異性型(それぞれ、3-オキソ-2,3-ジヒドロ-2H-イソオキサゾリル又は2-オキソ-2,3-ジヒドロ-3H-[1,3,4]オキサジアゾリル)が非芳香族基とも考えられるとしても、本明細書においてヘテロアリール基HETと定義される。同様に、置換基HET1について定義するような、(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル又は5-チオキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル等の)非芳香族性が支配的であると考えられる互変異性型を有する特定の基は、たとえそれらの対応する互変異性型(それぞれ、5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾリル、5-メルカプト-[1,2,4]オキサジアゾリル)がヘテロアリール基とも考えられるとしても、本明細書においては、HETに対して定義する置換されたヘテロアリール基の部分ではないものと定義される。上記対応する互変異性型は定義するそれぞれの範囲に含まれるものとする。
【0078】
「シアノ」という用語は基-CNを意味する。
【0079】
「アミノ」という用語は基-NH2を意味する。
【0080】
「オキソ」という用語は、例えばカルボニル基-(CO)-又はスルフォニル基-(SO2)-中等の、好ましくは、鎖又は環炭素若しくは硫黄原子に結合する基=Oを意味する。
【0081】
フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリールであるAr1の置換基に対して使用される「-X2-NRN1RN2」基の例は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、アミノ-メチル、メチルアミノ-メチル、イソブチルアミノ-メチル、シクロプロピルアミノ-メチル、シクロブチルアミノ-メチル、(2-メトキシエチル)アミノ-メチル、(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-アミノ;又は、-NH-CO-H、-N(C2H5)-CO-H、-NH-CO-C2H5、-NH-CO-CH2-CH2-OH、-NH-CO-O-CH3、-N(CH3)-CO-O-CH3;又は、ピロリジン-1-イル、2-オキソ-ピロリジン-1-イル、1,1-ジオキソ-イソチアゾリジン-2-イル、モルフォリン-4-イル、アゼチジン-1-イル又はピペリジン-1-イル;及び2-(ジメチルアミノ)-エトキシである。
【0082】
基Ar1の置換基に対して使用される基「-NH-CO-NRN5RN6」の例は、ウレイド(-NH-CO-NH2)及び3-エチルウレイド(-NH-CO-NH-C2H5)である。
【0083】
基Ar1の置換基に対して使用される基「-(CH2)r-CO-NRN3RN4(rは、整数の0又は1である。)」の例は、好ましくは、rが整数の0を表し、RN3及びRN4の少なくとも1つが水素(又は、好ましさでは劣るがメチル基)を表す基である。
そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)、-CO-N(CH3)2、-CO-NH(C2H5)、-CO-NH-O-メチル、-CO-NH-O-エチル、-CO-NH-O-イソプロピル、-CO-NH-C2H4-OH、-CO-NH-O-C2H4-OH、-CO-NH-C2H4-OCH3、-CO-NH-C2H4-N(CH3)2及び-CO-NH-O-ベンジルである。さらなる例は、-CO-NH-イソプロピル及び-CO-NH-OH、並びに-CO-N(CH3)2である。
【0084】
基Ar1の置換基に対して使用される基「-X1-CO-RO1」の例は、特に下記の基である:
a) X1が直接結合を表し;RO1が-OHを表す;(すなわち、-X1-CO-RO1は-COOHを表す。);又は、
b) X1が直接結合を表し;RO1が-O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ又はメトキシ)を表す;(すなわち、-X1-CO-RO1は-CO-(C1-4)アルコキシ(特に、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル)を表す。);又は、
c) X1が直接結合を表し;RO1が-NH-SO2-RS3を表し;RS3が、(C1-4)アルキル;環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル;(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、当該(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン;(C1-3)フルオロアルキル;フェニル;又は-NH2を表す;(すなわち、-X1-CO-RO1は-CO-NH-SO2-RS3(RS3は上記の基;特に、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、アミノを表す。)を表し;特に、-X1-CO-RO1は、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-エチル又は-CO-NH-SO2-NH2を表す。);又は、
d) X1が、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-S-CH2-*、-CF2-、-CH=CH-又は-CH≡CH-を表し[副態様において、X1は、特に、-O-CH2-*、-NH-CH2-*、-S-CH2-*又は(C1-3)アルキレンを表す。];アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示し;RO1は-OHを表す(すなわち、-X1-CO-RO1は-X1-COOHを表す(X1は上記の基を表し;特に、-X1-CO-RO1は、-O-CH2-COOH又は-NH-CH2-COOH;並びに、-CH2-COOH、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-CH≡CH-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH又は-NH-CH(CH3)-COOHを表す。);又は
e) -X1が-NH-CO-*又は-CO-を表し;アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示し;RO1は-OHを表す(すなわち、-X1-CO-RO1は-X1-COOHを表す(X1は上記の基を表し;特に、-X1-CO-RO1は、-NH-CO-COOH、-CO-COOHを表す。);又は、
f) X1が(C3-5)シクロアルキレンを表し;RO1が-OHを表す;(すなわち、-X1-CO-RO1は、1個のCOOHにより置換された(C3-6)シクロアルキルを表し;特に、-X1-CO-RO1は、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イル又は1-カルボキシ-シクロペンタン-1-イルを表す。);又は、
g) X1が直接結合を表し;RO1が-O-CH2-CO-RO4を表す(RO4は、ヒドロキシ又は(C1-4)アルコキシ又は-N[(C1-4)アルキル]2を表し;特に、-X1-CO-RO1は-CO-O-CH2-COOHを表す。);又は、
基、a)、b)、c)、d)、e)、f)及びg)のそれぞれが特定の副態様を形成する。
【0085】
X1が-CH=CH-を表す基「-X1-CO-RO1」を有する式(I)、(II)又は(III)の化合物は、E配置であってもよく又はZ配置であってもよい。好ましくは、そのような基はE配置である。
【0086】
基Ar1がカルボン酸基-COOHを有する置換基で置換されている場合(例えば、置換基-(C0-3)アルキレン-COORO2(RO2は、水素;-(C0-3)アルキレン-COORO3(RO3は水素を表す。)を表す。)におけるように;又は、置換基-X1-CO-RO1(RO1は-OHを表す。)、特に上記の-X1-CO-RO1基、a)、d)、e)及びf)におけるように)は常に、そのようなカルボン酸基はプロドラッグ基の形態で存在してもよい。そのようなプロドラッグは本発明の範囲に包含される。場合によっては、そのようなカルボン酸プロドラッグ基を有する化合物は、それ自体がEP2及び/又はEP4レセプターに対して生物活性を示すかもしれず、他の場合には、そのようなカルボン酸プロドラッグ基を有する化合物は、EP2及び/又はEP4レセプターに対して生物活性を示すために、プロドラッグの(例えば、酵素的な)開裂を要する。カルボン酸官能基のプロドラッグは当該技術分野において周知である(例えば、J.Rautio(Ed.)Prodrugs and Targeted Delivery:Towards Better ADME Properties、Volume 47、Wiley 2010、ISBN:978-3-527-32603-7;H.Maag in Stella V.、Borchardt R.、Hageman M.、Oliyai R.、Maag H.,Tilley J.(Eds.)Prodrugs:Challenges and Rewards、Springer 2007、ISBN978-0-387-49785-3参照。)。
【0087】
例えば-X1-COOH基に適切なプロドラッグの具体的な例は:
- エステル基、-X1-CO-O-P1(P1は、例えば、(C1-4)アルキル;環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル;(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキルであって、当該(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキル;(C1-3)フルオロアルキル;ヒドロキシ-(C2-4)アルキル;又は(C1-4)アルコキシ-(C2-4)アルキルである(特にP1は(C1-4)アルキルであり、とりわけメチル又はエチルである。)。);
- 基-X1-CO-NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル;(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキルであって、当該(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキル;(C1-3)フルオロアルキル、-NH2を表す(特に、RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであり;とりわけメチルである。)。);
- 基-X1-CO-RO1(RO1は-O-CH2-CO-RO4を表し、RO4は、ヒドロキシ又は(C1-4)アルコキシ又は-N[(C1-4)アルキル]2を表す。)(特に、-CO-O-CH2-COOH、-CO-O-CH2-CO-N(CH3)2);
- 基-X1-CO-RO1(RO1は-O-CH2-O-CO-RO5を表し、RO5は、(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシを表す。)(特に、-CO-O-CH2-O-CO-O-エチル、-CO-O-CH2-O-CO-プロピル);
- 基-X1-CO-RO1(RO1は-O-CH2-CH2-N[(C1-4)アルキル]2を表す。)(特に、-CO-O-CH2-CH2-N(CH3)2);及び
- 基-X1-CO-RO1(RO1は5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチルオキシ-を表す。);
である。
【0088】
基Ar1の置換基に対して使用される「ヒドロキシ-(C1-4)アルキル」基の例は、ヒドロキシメチル及び1-ヒドロキシ-エチルである。
【0089】
基Ar1の置換基に対して使用される「ジヒドロキシ-(C2-4)アルキル」基の例は、1,2-ジヒドロキシエチルである。
【0090】
基Ar1の置換基に対して使用される「ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ」基の例は、2-ヒドロキシ-エトキシである。
【0091】
基Ar1の置換基に対して使用される「(C1-4)アルコキシ-(C2-4)アルコキシ」基の例は、2-メトキシ-エトキシである。
【0092】
基Ar1の置換基に対して使用される基「-SO2-RS1」の例は、-SO2-CH3、-SO2-NH2、-SO2-NH-CH3である。
【0093】
基Ar1の置換基に対して使用される基「S-RS2」の例は、メチルスルファニル、エチルスルファニル、n-プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、イソブチルスルファニル)、シクロブチルスルファニル及び(オキセタン-3-イル)-スルファニルである。
【0094】
「(C1-4)アルコキシ-(C2-4)アルキル」基の例は2-メトキシエチルである。
【0095】
「ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ」基の例は2-ヒドロキシ-エトキシである。
【0096】
「ヒドロキシ-(C2-4)アルキル」基の例は2-ヒドロキシ-エチルである。
【0097】
基Ar1の置換基に対して使用される「-CO-(C1-4)アルコキシ」基の例はエトキシカルボニルである。そのような基は、それぞれの-COOH置換基のプロドラッグとしても有用であろう。
【0098】
数値範囲を記述するために「間」という単語が使用される場合は常に、示された範囲の末端の点は明示的にその範囲に含まれると解される。これは、例えば;温度範囲が40℃から80℃の間であると記述される場合、末端の点である40℃と80℃はその範囲に含まれることを意味し;あるいは、可変数が1から4の間の整数であると定義される場合、可変数は整数の1、2、3又は4であることを意味する。
【0099】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X-Xの10%からX+Xの10%の間、好ましくはX-Xの5%からX+Xの5%の間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」という用語は、この出願において、Y-10℃からY+10℃の間、好ましくはY-5℃からY+5℃の間を表す。さらに、本明細書で使用される「室温」という用語は、約25℃の温度を表す。
【0100】
本発明のさらなる態様を以下に示す:
2) 別の態様は、R4a及びR4bがいずれも水素を表す、態様1)に従う使用のための、態様1)に定義する化合物に関する。
【0101】
3) 別の態様は、R5a及びR5bがいずれも水素を表す、態様1)に従う使用のた
めの、態様1)又は2)に定義する化合物に関する。式(I)の具体的な化合物は、R4a及びR4bがいずれも水素を表し;かつ、R5a及びR5bがいずれも水素を表す化合物である。
【0102】
4) 別の態様は、式(II)の化合物でもある、態様1)に従う使用のための、態様1)に定義する式(I)の化合物に関する;
【0103】
【0104】
(式中、
フラグメント:
【0105】
【0106】
中の環(A)は、芳香族5若しくは6員環又は非芳香族5若しくは6員環を表し、この環(A)はフェニル基に縮合し、独立に、当該環(A)は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意に有し(特に、そのような縮合した基は、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、インダニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニルである。);
当該フラグメントは、(R1)nにより任意に置換され;(R1)nは、1、2、3又は4個の任意の置換基を表し(すなわち、当該フラグメントは、未置換であるか、又は、1、2、3若しくは4個のR1により置換され)、当該置換基R1は、(C1-3)アルキル(特にメチル)、(C2-3)アルケニル(特にビニル)、(C2-3)アルキニル(特にエチニル)、(C1-3)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ)、-S-(C1-3)アルキル(特にメチルスルファニル)、(C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)、(C1-3)フルオロアルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ)、シアノ、オキソ又はアミノから独立に選択され;
R3は、水素又はメチル(特に水素)を表し;
Ar1は、
- 構造(Ar-I)のフェニル基を表すか:
【0107】
【0108】
(式中、
Rpは、
- 環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキルであって、未置換であるか、又は、1個のヒドロキシにより置換された、環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキル(特に3-ヒドロキシ-オキセタン-3-イル);
- ヒドロキシ;
- -X1-CO-RO1
(-- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-S-CH2-*、-CF2-、-CH=CH-、-CH≡CH-、-NH-CO-*、-CO-又は(C3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。);
-- RO1は、
--- -OH;
--- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
--- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2を表す。);
--- -O-CH2-CO-RO4(RO4は、ヒドロキシ又は(C1-4)アルコキシ又は-N[(C1-4)アルキル]2を表す。);
--- -O-CH2-O-CO-RO5(RO5は、(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシを表す。);
--- -O-CH2-CH2-N[(C1-4)アルキル]2(特に-O-CH2-CH2-N(CH3)2);又は、
--- (5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチルオキシ-;
を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、-NH-CH(CH3)-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH2、-CO-O-CH2-COOH、-CO-O-CH2-CH2-N(CH3)2、-CO-O-CH2-CO-N(CH3)2、-CO-O-CH2-O-CO-O-C2H5、-CO-O-CH2-O-CO-プロピル、(5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジ
オキソール-4-イル)-メチル-O-CO-、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、-CH2-CO-O-C2H5、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-CH≡CH-CO-O-C2H5、-CF2-COOH、-NH-CO-COOH、-CO-COOH、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
【0109】
【0110】
- 2-ヒドロキシ-3,4-ジオキソ-シクロブタ-1-エニル;
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
- -(CH2)r-CO-NRN3RN4(rは、整数の0又は1を表し;RN3及びRN4は、独立に、水素、(C1-4)アルキル、ヒドロキシ-(C2-4)アルキル、(C1-3)アルコキシ-(C2-4)アルキル又はヒドロキシを表す。)(好ましくは、RN3及びRN4の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)、-CO-NH(C2H5)、-CH2-CO-NH2、-CO-NH-C2H4-OH、-CO-NH-C2H4-OCH3又は-CO-N(CH3)2、-CO-NH-イソプロピル又は-CO-NH-OHである。);
- -NH-CO-NRN5RN6(RN5及びRN6は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN5及びRN6の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-NH-CO-NRN5RN6の具体的な例は、-NH-CO-NH2、-NH-CO-NH-C2H5である。);
- -(CH2)q-HET1(qは整数の0、1又は2を表し(特にqは0であり、すなわちHET1は直接結合によりAr1に結合する。);HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)、3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)又は5-チオキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-メルカプト-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)を表す。);
- -(CH2)p-HET(pは整数の0又は1を表し(特にpは0であり、すなわちHETは直接結合によりAr1に結合する。);HETは、5員のヘテロアリール(特に、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリル)を表し、当該5員のヘテロアリールは、未置換であるか、又は、1若しくは2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル)、(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ)、-COOH、ヒドロキシ、ヒドロキシ-(C1-3)アルキル(特にヒドロキシメチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-5)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、オキセタン-3-イル)又は-NRN9RN10(RN9及びRN10は、独立に、水素、(C1-3)アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に2-ヒドロキシ-エチル)を表す。)から独立に選択される。);(特に、そのような基-(CH2)p-HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール
-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メトキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-[(2-ヒドロキシ-エチル)]-アミノ)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-ヒドロキシメチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-(オキセタン-3-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、1H-イミダゾール-4-イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イルである。);
を表し;
Rm1は、
- 水素;
- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ);
- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
- ヒドロキシ;
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
- -X2-NRN1RN2(X2は直接結合を表すか;又は、X2は-O-CH2-CH2-*(アスタリスクは-NRN1RN2基に結合する結合を示す。)を表し、RN1及びRN2は、独立に、水素、(C1-4)アルキル(特にメチル)又は(C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル)を表す。);(特に、そのような基-X2-NRN1RN2は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ;又は2-(ジメチルアミノ)-エトキシを表す。);
- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
を表し;
副態様において、Rm1はとりわけ水素ではなく;
Rm2は、水素、メチル、フルオロ又はクロロを表し;
Ro1は水素を表すか;又は、Rm2が水素を表す場合には、Ro1は、水素又はフルオロを表す。);
又は、Ar1は、構造(Ar-II)の5員のヘテロアリール基を表すか:
【0111】
【0112】
(式中、
YはCR8(R8は特に水素又はハロゲン(とりわけフルオロ、クロロ)を表す。)を表すか;又は、YはNを表し;
R7は、
- 環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキルであって、未置換であるか、又は、1個のヒドロキシにより置換された、環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキル(特に3-ヒドロキシ-オキセタン-3-イル);
- -X1-CO-RO1
(-- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-S-CH2-*、-CF2-、-CH=CH-、-CH≡CH-、-NH-CO-*、-CO-又は(C3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。);
-- RO1は、
--- -OH;
--- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
--- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2;を表す。);
--- -O-CH2-CO-RO4(RO4は、ヒドロキシ又は(C1-4)アルコキシ又は-N[(C1-4)アルキル]2を表す。);
--- -O-CH2-O-CO-RO5(RO5は、(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシを表す。);
--- -O-CH2-CH2-N[(C1-4)アルキル]2(特に-O-CH2-CH2-N(CH3)2);又は、
--- (5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチルオキシ-;
を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、-NH-CH(CH3)-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH2、-CO-O-CH2-COOH、-CO-O-CH2-CH2-N(CH3)2、-CO-O-CH2-CO-N(CH3)2、-CO-O-CH2-O-CO-O-C2H5、-CO-O-CH2-O-CO-プロピル、(5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチル-O-CO-、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、-CH2-CO-O-C2H5、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-CH≡CH-CO-O-C2H5、-CF2-COOH、-NH-CO-COOH、-CO-COOH、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
【0113】
【0114】
- 2-ヒドロキシ-3,4-ジオキソ-シクロブタ-1-エニル;
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
- -(CH2)r-CO-NRN3RN4(rは、整数の0又は1を表し;RN3及びRN4は、独立に、水素、(C1-4)アルキル、ヒドロキシ-(C2-4)アルキル、(C1-3)アルコキシ-(C2-4)アルキル又はヒドロキシを表す。)(好ましくは、RN3及びRN4の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)、-CO-NH(C2H5)、-CH2-CO-NH2、-CO-NH-C2H4-OH、-CO-NH-C2H4-OCH3又は-CO-N(CH3)2、-CO-NH-イソプロピル又は-CO-NH-OHである。);
- -NH-CO-NRN5RN6(RN5及びRN6は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN5及びRN6の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-NH-CO-NRN5RN6の具体的な例は、-NH-CO-NH2、-NH-CO-NH-C2H5である。);
- -(CH2)q-HET1(qは整数の0、1又は2を表し(特にqは0であり、すなわちHET1は直接結合によりAr1に結合する。);HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)、3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)又は5-チオキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-メルカプト-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)を表す。);
- -(CH2)p-HET(pは整数の0又は1を表し(特にpは0であり、すなわちHETは直接結合によりAr1に結合する。);HETは、5員のヘテロアリール(特に、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリル)を表し、当該5員のヘテロアリールは、未置換であるか、又は、1若しくは2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル)、(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ)、-COOH、ヒドロキシ、ヒドロキシ-(C1-3)アルキル(特にヒドロキシメチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-5)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、オキセタン-3-イル)又は-NRN9RN10(RN9及びRN10は、独立に、水素、(C1-3)アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に2-ヒドロキシ-エチル)を表す。)から独立に選択される。);(特に、そのような基-(CH2)p-HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メトキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-[(2-ヒドロキシ-エチル)]-アミノ)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-ヒドロキシメチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-(オキセタン-3-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、1H-イミダゾール-4-
イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イルである。);
を表し;
- R6は、
-- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
-- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ);
-- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
-- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
-- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
-- ヒドロキシ;
-- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
-- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
-- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
-- -X2-NRN1RN2(X2は直接結合を表すか;又は、X2は、-O-CH2-CH2-*(アスタリスクは-NRN1RN2基に結合する結合を示す。)を表し、RN1及びRN2は、独立に、水素、(C1-4)アルキル又は(C3-6)シクロアルキルを表す。);(特に、そのような基-X2-NRN1RN2は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ;又は2-(ジメチルアミノ)-エトキシを表す。);-- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)又は1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。)
を表す。);
又は、Ar1は、8~10員の二環式ヘテロアリール(特に9又は10員の二環式ヘテロアリール;とりわけ、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、イソキノリニル又はキノリニル)を表し;当該8~10員の二環式ヘテロアリールは、独立に、1個の-(C0-3)アルキレン-COORO2(RO2は、水素又は(C1-4)アルキル(特にメチル)を表す(特に、そのような基-(C0-3)アルキレン-COORO2は-COOHである。)。)により置換され;(特に、そのような8~10員の二環式ヘテロアリールは、3-カルボキシ-1H-インドール-6-イル、4-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、6-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、7-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル、6-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)、6-カルボキシ-ベンゾフラン-2-イル、3-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イル、2-カルボキシ-ベンゾフラン-5-イル又は2-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イルである。);
又は、Ar1は、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル、3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-5-イル、1-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インダゾール-6-イル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-7-イル及び1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-7-イルから選択される、構造(Ar-III)の基
【0115】
【0116】
を表す。)。
【0117】
5) 別の態様は、
Ar1が、構造(Ar-I)のフェニル基を表すか:
【0118】
【0119】
(式中、
Rpは、
- -X1-CO-RO1
(X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-CH=CH-、-NH-CO-*又は(C3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。);
RO1は、
-- -OH;
-- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
-- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2を表す。);
-- -O-CH2-CO-RO4(RO4は、ヒドロキシ又は(C1-4)アルコキシ又は-N[(C1-4)アルキル]2を表す。);
-- -O-CH2-O-CO-RO5(RO5は、(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシを表す。);
-- -O-CH2-CH2-N[(C1-4)アルキル]2(特に-O-CH2-CH2-N(CH3)2);又は、
-- (5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチルオキシ
-;
を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、-NH-CH(CH3)-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH2、-CO-O-CH2-COOH、-CO-O-CH2-CH2-N(CH3)2、-CO-O-CH2-CO-N(CH3)2、-CO-O-CH2-O-CO-O-C2H5、-CO-O-CH2-O-CO-プロピル、(5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチル-O-CO-、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、-CH2-CO-O-C2H5、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-NH-CO-COOH、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
【0120】
【0121】
- -CO-NRN3RN4(RN3及びRN4は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN3及びRN4の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)又は-CO-NH(C2H5)である。);
- -NH-CO-NRN5RN6(RN5及びRN6は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN5及びRN6の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-NH-CO-NRN5RN6の具体的な例は、-NH-CO-NH2、-NH-CO-NH-C2H5である。);
- -(CH2)q-HET1(qは整数の0、1又は2を表し(特にqは0であり、すなわちHET1は直接結合によりAr1に結合する。);HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)又は3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)を表す。);
- HET(HETは、5員のヘテロアリール(特に、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリル)を表し、当該5員のヘテロアリールは、未置換であるか、又は、1若しくは2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル)、(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ)、-COOH、ヒドロキシ、ヒドロキシ-(C1-3)アルキル(特にヒドロキシメチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-5)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、オキセタン-3-イル)又は-NRN9RN10(RN9及びRN10は、独立に、水素、(C1-3)アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に2-ヒドロキシ-エチル)を表す。)から独立に選択される。);(特に、そのような基HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5
-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メトキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-[(2-ヒドロキシ-エチル)]-アミノ)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-ヒドロキシメチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-(オキセタン-3-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、1H-イミダゾール-4-イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イルである。);
を表し;
Rm1は、
- 水素;
- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ);
- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
- -X2-NRN1RN2(X2は直接結合を表すか;又は、X2は-O-CH2-CH2-*(アスタリスクは-NRN1RN2基に結合する結合を示す。)を表し;RN1及びRN2は、独立に、水素、(C1-4)アルキル(特にメチル)又は(C3-6)シクロアルキル(特にシクロアルキル)を表す。);(特に、そのような基-X2-NRN1RN2は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ;又は2-(ジメチルアミノ)-エトキシを表す。);
- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
を表し;
副態様において、Rm1はとりわけ水素ではなく;
Rm2は、水素、メチル、フルオロ又はクロロを表し;
Ro1は水素を表すか;又は、Rm2が水素を表す場合には、Ro1は、水素又はフルオロを表す。);
又は、Ar1が、構造(Ar-II)の5員のヘテロアリール基を表すか:
【0122】
【0123】
(式中、
YはCR8(R8は特に水素又はハロゲン(とりわけフルオロ、クロロ)を表す。)を表すか;又は、YはNを表し;
R7は、
- -X1-CO-RO1
(-- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-CH=CH-、-NH-CO-*又は(C3-5)シクロアルキレンを表す(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。);
-- RO1は、
--- -OH;
--- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
--- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2を表す。);
--- -O-CH2-CO-RO4(RO4は、ヒドロキシ又は(C1-4)アルコキシ又は-N[(C1-4)アルキル]2を表す。);
--- -O-CH2-O-CO-RO5(RO5は、(C1-4)アルキル又は(C1-4)アルコキシを表す。);
--- -O-CH2-CH2-N[(C1-4)アルキル]2(特に-O-CH2-CH2-N(CH3)2);又は、
--- (5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチルオキシ-;
を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、-NH-CH(CH3)-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH2、-CO-O-CH2-COOH、-CO-O-CH2-CH2-N(CH3)2、-CO-O-CH2-CO-N(CH3)2、-CO-O-CH2-O-CO-O-C2H5、-CO-O-CH2-O-CO-プロピル、(5-メチル-2-オキソ-[1,3]ジオキソール-4-イル)-メチル-O-CO-、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、-CH2-CO-O-C2H5、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-NH-CO-COOH、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
【0124】
【0125】
- -CO-NRN3RN4(RN3及びRN4は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN3及びRN4の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)、-CO-NH(C2H5)である。);
- -NH-CO-NRN5RN6(RN5及びRN6は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN5及びRN6の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-NH-CO-NRN5RN6の具体的な例は、-NH-CO-NH2、-NH-CO-NH-C2H5である。);
- -(CH2)q-HET1(qは整数の0、1又は2を表し(特にqは0であり、すなわちHET1は直接結合によりAr1に結合する。);HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)又は3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)を表す。);
- HET(HETは、5員のヘテロアリール(特に、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル又はテトラゾリル)を表し、当該5員のヘテロアリールは、未置換であるか、又は、1若しくは2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル)、(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ)、-COOH、ヒドロキシ、ヒドロキシ-(C1-3)アルキル(特にヒドロキシメチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-5)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、オキセタン-3-イル)又は-NRN9RN10(RN9及びRN10は、独立に、水素、(C1-3)アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に2-ヒドロキシ-エチル)を表す。)から独立に選択される。);(特に、そのような基HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メトキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-[(2-ヒドロキシ-エチル)]-アミノ)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-ヒドロキシメチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、5-(オキセタン-3-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル、1H-イミダゾール-4-イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イルである。);
を表し;
R6は、
- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ);
- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
- -X2-NRN1RN2(X2は直接結合を表すか;又は、X2は-O-CH2-C
H2-*(アスタリスクは-NRN1RN2基に結合する結合を示す。)を表し;RN1及びRN2は、独立に、水素、(C1-4)アルキル又は(C3-6)シクロアルキルを表す。);(特に、そのような基-X2-NRN1RN2は、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ;又は2-(ジメチルアミノ)-エトキシを表す。);
- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
を表す。);
又は、Ar1は、8~10員の二環式ヘテロアリール(特に9又は10員の二環式ヘテロアリール;とりわけ、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリニル、イソキノリニル又はキノリニル)を表し;当該8~10員の二環式ヘテロアリールは、独立に、1個の-(C0-3)アルキレン-COORO2(RO2は、水素又は(C1-4)アルキル(特にメチル)を表す(特に、そのような基-(C0-3)アルキレン-COORO2は-COOHである。)。)により置換され;(特に、そのような8~10員の二環式ヘテロアリールは、3-カルボキシ-1H-インドール-6-イル、4-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、6-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、7-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル、6-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)、6-カルボキシ-ベンゾフラン-2-イル、3-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イル、2-カルボキシ-ベンゾフラン-5-イル又は2-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イルである。);
又は、Ar1が、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル、3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-5-イル、1-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インダゾール-6-イル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-7-イル及び1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-7-イルから選択される、構造(Ar-III)の基
【0126】
【0127】
を表す;
態様1)に従う使用のための、態様4)に定義する化合物に関し;
副態様において、Ar1は特に、先に定義した、構造(Ar-I)のフェニル基(特に、Rm1はとりわけ水素ではない。)又は構造(Ar-II)の5員のヘテロアリール基である。
【0128】
6) 別の態様は、Ar1が、
(i) 構造(Ar-I)のフェニル基を表すか:
【0129】
【0130】
(式中、
Rpは、
- 環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキルであって、未置換であるか、又は、1個のヒドロキシにより置換された、環酸素原子を有する(C4-6)シクロアルキル(特に3-ヒドロキシ-オキセタン-3-イル);
- ヒドロキシ;
- -X1-CO-RO1
(-- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-CH=CH-、-NH-CO-*又は(C3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。);
-- RO1は、
--- -OH;
--- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
--- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン又は-NH2を表す。);
を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH2、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、CH2-CO-O-C2H5、-CH(CH3)-COOH、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-NH-CO-COOH、-NH-CH(CH3)-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
【0131】
【0132】
- 2-ヒドロキシ-3,4-ジオキソ-シクロブタ-1-エニル;
- -CO-NRN3RN4(RN3及びRN4は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN3及びRN4の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)又は-CO-NH(C2H5)である。);
- -NH-CO-NRN5RN6(RN5及びRN6は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN5及びRN6の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-NH-CO-NRN5RN6の具体的な例は、-NH-CO-NH2、-NH-CO-NH-C2H5である。);
- HET1(HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)又は3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)を表す。);
- HET(HETは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル及びテトラゾリルから選択される5員のヘテロアリールを表し、当該5員のヘテロアリールは、未置換であるか、又は、1若しくは2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル)、(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ)、-COOH、ヒドロキシ、ヒドロキシ-(C1-3)アルキル(特にヒドロキシメチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-5)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、オキセタン-3-イル)又は-NRN9RN10(RN9及びRN10は、独立に、水素、(C1-3)アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に2-ヒドロキシ-エチル)を表す。)から独立に選択される。);[特に、そのような基HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イルであり;とりわけHETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル又は5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イルである。];
を表し;
Rm1は、
- 水素;
- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ);
- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキ
シ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
- ヒドロキシ;
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
を表し;
副態様において、Rm1とりわけ水素ではなく;
Rm2は、水素、メチル、フルオロ又はクロロを表し;
Ro1は水素を表す。);
(ii) 又は、Ar1が、構造(Ar-II)の5員のヘテロアリール基を表すか:
【0133】
【0134】
(式中、
Yは、CH又はNを表し;
R7は、
- -X1-CO-RO1
(-- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-CH=CH-、-NH-CO-*又は(C3-5)シクロアルキレン(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。)を表し;
-- RO1は、
--- -OH;
--- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
--- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2を表す。);
を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-S
O2-NH2、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、CH2-CO-O-C2H5、-CH(CH3)-COOH、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-NH-CO-COOH、-NH-CH(CH3)-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
【0135】
【0136】
- 2-ヒドロキシ-3,4-ジオキソ-シクロブタ-1-エニル;
- -CO-NRN3RN4(RN3及びRN4は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN3及びRN4の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-CO-NRN3RN4の具体的な例は、-CO-NH2、-CO-NH(CH3)又は-CO-NH(C2H5)である。);
- -NH-CO-NRN5RN6(RN5及びRN6は、独立に、水素又は(C1-4)アルキルを表す。)(好ましくは、RN5及びRN6の少なくとも1つは水素を表し;そのような基-NH-CO-NRN5RN6の具体的な例は、-NH-CO-NH2、-NH-CO-NH-C2H5である。);
- -(CH2)q-HET1(qは整数の0、1又は2を表し(特にqは0であり、すなわちHET1は直接結合によりAr1に結合する。);HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)、3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)を表す。);
- -(CH2)p-HET(pは整数の0又は1を表し(特にpは0であり、すなわちHETは直接結合によりAr1に結合する。);HETは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル及びテトラゾリルから選択される5員のヘテロアリールを表し、当該5員のヘテロアリールは、未置換であるか、又は、1若しくは2個の置換基により置換され、上記置換基は、(C1-4)アルキル(特にメチル)、(C1-4)アルコキシ(特にメトキシ)、-COOH、ヒドロキシ、ヒドロキシ-(C1-3)アルキル(特にヒドロキシメチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-5)シクロアルキル(特に、シクロプロピル、オキセタン-3-イル)又は-NRN9RN10(RN9及びRN10は、独立に、水素、(C1-3)アルキル(特にメチル)又はヒドロキシ-(C2-4)アルキル(特に2-ヒドロキシ-エチル)を表す。)から独立に選択される。);[特に、そのような基HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル、2,5-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イルであり;とりわけ、HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル又は5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イルである。];
を表し;
R6は、
- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ);
- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
- ヒドロキシ;
- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);
- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
を表す。);
(iii) 又は、Ar1が、3-カルボキシ-1H-インドール-6-イル、4-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、6-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、7-カルボキシ-1H-インドール-2-イル、5-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル、6-(メトキシカルボニル)-1H-インドール-2-イル)、6-カルボキシ-ベンゾフラン-2-イル、3-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イル、2-カルボキシ-ベンゾフラン-5-イル又は2-カルボキシ-ベンゾフラン-6-イルを表すか;
(iv) 又は、Ar1が構造(Ar-III)の基を表す:
【0137】
【0138】
(式中、環(B)は、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-6-イル、3-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾオキサゾール-5-イル、1-メチル-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インダゾール-6-イル、2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-6-イル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-6-イル、1-メチル-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリン-7-イル又は1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-7-イルを表す。);
を表す;
態様1)に従う使用のための、態様4)に定義する化合物に関し;
副態様において、Ar1は特に、先に定義した、構造(Ar-I)のフェニル基(特に、Rm1はとりわけ水素ではない。)又は構造(Ar-II)の5員のヘテロアリール基である。
【0139】
7) 別の態様は、Ar1が:
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
から選択される基を表すか、または、加えて、Ar1が:
【0145】
【0146】
から選択される基を表す、態様1)に従う使用のための、態様4)に定義する化合物に関し;
上記の群A)及びB)は、それぞれ特定の副態様を形成し;
さらなる副態様において、Ar1は特に、上記の群A)及び/又はB)に定義する、フェニル基(特に、2個の置換基により置換されたフェニル基)又はチオフェニル基又はチアゾリル基である。
【0147】
8) 別の態様は、
(i) Ar1が:
【0148】
【0149】
【0150】
から選択されるフェニル基を表すか;
(ii) 又は、Ar1が:
【0151】
【0152】
【0153】
から選択されるチオフェニル基を表すか;
(iii) 又は、Ar1が:
【0154】
【0155】
から選択されるチアゾリル基を表すか;
(iv) 又は、Ar1が、
【0156】
【0157】
から選択される9又は10員の二環式ヘテロアリールを表すか;
v) 又は、Ar1が:
【0158】
【0159】
から選択される基を表す;
態様1)に従う使用のための、態様4)に定義する化合物に関し;
副態様において、Ar1は特に、先に定義した、フェニル基(特に、2個の置換基により置換されたフェニル基)又はチオフェニル基又はチアゾリル基である。
【0160】
9) 別の態様は、
(i) Ar1が:
【0161】
【0162】
【0163】
から選択されるフェニル基を表すか(上記の群において、2個の置換基により置換されたフェニル基が好ましい基である。);
(ii) 又は、Ar1が:
【0164】
【0165】
【0166】
から選択されるチオフェニル基を表すか;
(iii) 又は、Ar1が:
【0167】
【0168】
から選択されるチアゾリル基を表すか;
iv) 又は、Ar1が、
【0169】
【0170】
から選択される9又は10員の二環式ヘテロアリールを表すか;
v) 又は、Ar1が:
【0171】
【0172】
から選択される基を表す;
態様1)に従う使用のための、態様4)に定義する化合物に関し;
副態様において、Ar1は特に、先に定義した、フェニル基(特に、2個の置換基により置換されたフェニル基)又はチオフェニル基又はチアゾリル基である。
【0173】
10) 第2の態様は、R3が水素を表す、態様1)に従う使用のための、態様1)~9)のいずれか1つに定義する化合物に関する。
【0174】
11) 別の態様は、R3がメチルを表す、態様1)に従う使用のための、態様1)~9)のいずれか1つに定義する化合物に関する。
【0175】
12) 別の態様は、フラグメント
【0176】
【0177】
について定義する、下記の態様14)又は16)~20)に従う特徴を、必要な変更を加えて適用する、態様1)~9)のいずれか1つに定義する化合物に関する。
【0178】
13) 別の態様は、置換基Ar1について定義する、下記の態様14)又は15)に従う特徴を、必要な変更を加えて適用する、態様1)~9)のいずれか1つに定義する化合物に関する。
【0179】
14) 本発明の第3の特徴は、式(III)の新規な化合物に関し:
【0180】
【0181】
式(III)の化合物において、フラグメント
【0182】
【0183】
中の環(A)は、芳香族5若しくは6員環又は非芳香族5若しくは6員環を表し、この環(A)はフェニル基に縮合し、独立に、当該環(A)は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意で有し(特に、そのような縮合した基は、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、インダニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニルである。);
当該フラグメントは、(R1)nにより任意に置換され;(R1)nは、1、2、3又
は4個の任意の置換基を表し(すなわち、当該フラグメントは、未置換であるか、又は、1、2、3若しくは4個のR1により置換され)、当該置換基R1は、(C1-3)アルキル(特にメチル)、(C2-3)アルケニル(特にビニル)、(C2-3)アルキニル(特にエチニル)、(C1-3)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ)、-S-(C1-3)アルキル(特にメチルスルファニル)、(C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)、(C1-3)フルオロアルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ)、シアノ、オキソ又はアミノから独立に選択され;
Ar1は、
- 構造(Ar-I)のフェニル基を表すか:
【0184】
【0185】
(式中、
Rpは、
- -X1-CO-RO1
(-- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-CH=CH-、-NH-CO-*又は(C3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。);
-- RO1は、
--- -OH;
--- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
--- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2を表す。);
を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、-NH-CH(CH3)-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH2、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、-CH2-CO-O-C2H5、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-NH-CO-COOH、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
- HET1(HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジ
アゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)又は3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)を表す。);又は、
- HET(HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルから選択される基を表し;特に、HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル又は2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イルである。);
を表し;
Rm1は、
- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ);
- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);又は、
- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シクロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
を表し;
Rm2は、水素、メチル、フルオロ又はクロロを表し;
Ro1は水素を表す。);
又は、Ar1は、構造(Ar-II)の5員のヘテロアリール基を表す:
【0186】
【0187】
(式中、
YはCH又はNを表し;
R7は、
- -X1-CO-RO1
(-- X1は、直接結合、(C1-3)アルキレン(特に、-CH2-、-CH(CH3)-、-C(CH3)2-、-CH2-CH2-)、-O-(C1-3)アルキレン-*(特に、-O-CH2-*、-O-CH(CH3)-*、-O-C(CH3)2-*、
-O-CH2-CH2-*)、-NH-(C1-3)アルキレン-*(特に、-NH-CH2-*、-NH-CH(CH3)-*)、-CH=CH-、-NH-CO-*又は(C3-5)シクロアルキレンを表し(アスタリスクは-CO-RO1基に結合する結合を示す。);
-- RO1は、
--- -OH;
--- -O-(C1-4)アルキル(特に、エトキシ、メトキシ);
--- -NH-SO2-RS3(RS3は、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキルであって、環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレンであって、(C3-6)シクロアルキルが環酸素原子を任意に有する、(C3-6)シクロアルキル-(C1-3)アルキレン、(C1-3)フルオロアルキル又は-NH2;を表す。);
[特に、そのような基-X1-CO-RO1は、-COOH、-CO-O-CH3、-CO-O-C2H5、-O-CH2-COOH、-O-CH(CH3)-COOH、-O-C(CH3)2-COOH、-O-CH2-CH2-COOH、-NH-CH2-COOH、-NH-CH2-CO-O-CH3、-NH-CH(CH3)-COOH、-CO-NH-SO2-CH3、-CO-NH-SO2-C(CH3)2、-CO-NH-SO2-シクロプロピル、-CO-NH-SO2-C2H5、-CO-NH-SO2-NH2、-CH2-COOH、-CH2-CO-O-CH3、-CH2-CO-O-C2H5、-CH2-CH2-COOH、-CH=CH-COOH、-NH-CO-COOH、1-カルボキシ-シクロプロパン-1-イルを表す。];
- HET1(HET1は、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル(その互変異性型である5-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルを包含する。)又は3-オキソ-2,3-ジヒドロ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル(その互変異性型である3-ヒドロキシ-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イルを包含する。)を表す。);又は、
- HET(HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イル、3-アミノ-イソオキサゾール-5-イル、2-アミノ-オキサゾール-5-イル、5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-メチルアミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル、5-アミノ-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イルから選択される基であり;特に、HETは、1H-テトラゾール-5-イル、3-ヒドロキシ-イソオキサゾール-5-イル又は2-ヒドロキシ-[1,3,4]オキサジアゾール-4-イルである。);
を表し;
- R6は、
-- (C1-6)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル);
-- (C1-4)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ);
-- (C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル);
-- (C1-3)フルオロアルコキシ(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ);
-- ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ);
-- (C3-6)シクロアルキル(特にシクロプロピル);
-- (C3-6)シクロアルキル-オキシ(特に、シクロプロピル-オキシ、シクロブチル-オキシ、シクロペンチル-オキシ);
-- ヒドロキシ-(C2-4)アルコキシ(特に2-ヒドロキシ-エトキシ);又は、-- -S-RS2(RS2は、(C1-4)アルキル(特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、イソブチル)、1個の環酸素原子を任意に有する(C3-6)シ
クロアルキル(特に、シクロブチル、オキセタン-3-イル)を表す。);
を表す。)。
【0188】
15) 別の態様は、Ar1が:
【0189】
【0190】
【0191】
から選択される基を表す;
態様1)に従う使用のための、態様1)~13)のいずれか1つに定義する化合物及び態様14)に従う化合物に関する。
【0192】
16) 別の態様は、フラグメント
【0193】
【0194】
において、
- 環(A)が、フェニル基に縮合した芳香族5又は6員環を表し、当該環(A)は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意に有し(特に、そのような縮合した基は、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニルである。);当該フラグメントは(R1)nにより任意に置換され;(R1)nは、1、2、3又は4個の任意の置換基を表し(すなわち、当該フラグメントは、未置換であるか、又は、1、2、3若しくは4個のR1により置換される。)、当該置換基R1は、(C1-3)アルキル(特にメチル)、(C1-3)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(特に、フルオロ、クロロ、ブロモ)、(C1-3)フルオロアルキル(特に、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、(C1-3)フルオロアルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ)、シアノ又はアミノから独立に選択され;
- 又は、環(A)は、フェニル基に縮合した非芳香族5又は6員環を表し、当該環(A)は、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1又は2個のヘテロ原子を任意に有し(特に、そのような縮合した基は、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、インダニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニルであり;特に、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニルである。);当該フラグメントは(R1)nにより任意に置換され;(R1)nは、1、2又は3個の任意の置換基を表し(すなわち、当該フラグメントは、未置換であるか、又は、1、2若しくは3個のR1により置換される。)、当該置換基R1は、(C1-3)アルキル(特にメチル)、(C1-3)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ)、(C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)、(C1-3)フルオロアルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ)又はオキソ(特に、(C1-3)アルキル又は(C1-3)アルコキシ)から独立に選択される;
態様1)に従う使用のための、態様1)~13)のいずれか1つに定義する化合物及び態様14)又は15)に従う化合物に関する。
【0195】
17) 別の態様は、フラグメント
【0196】
【0197】
が、
- ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、インダゾリル、ナフチル、キノリニル及びイソキノリニルから選択される基であって;これらの基は、独立に、未置換であるか、又は、(R1)nにより置換され;(R1)nは1、2又は3個の置換基を表し、当該置換基R1が、(C1-3)アルキル(特にメチル)、(C1-3)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(特に、フルオロ、クロロ、ブロモ)、(C1-3)フルオロアルキル(特に、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、(C1-3)フルオロアルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ)、シアノ又はアミノから独立に選択される、基;又は、
- 2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、インダニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-ナフタレニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニル;特に、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、1,3-ジヒドロ-イソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニル(とりわけ、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリニル)から選択される基であって;これらの基は、独立に、未置換であるか、又は、(R1)nにより置換され;(R1)nは1、2又は3個の置換基を表し、当該置換基R1が、(C1-3)アルキル(特にメチル)、(C1-3)アルコキシ(特に、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(特に、フルオロ又はクロロ)、(C1-3)フルオロアルキル(特にトリフルオロメチル)、(C1-3)フルオロアルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ)又はオキソ(特に、(C1-3)アルキル又は(C1-3)アルコキシ)から独立に選択される、基;
を表す;
態様1)に従う使用のための、態様1)~13)のいずれか1つに定義する化合物及び態様14)又は15)に従う化合物に関する。
【0198】
18) 別の態様は、フラグメント
【0199】
【0200】
が、下記の群a)、b)、c)及びd)から選択される基を表すか:
a) ベンゾチオフェン-7-イル、ベンゾチオフェン-4-イル、2-メチル-ベンゾチアゾール-7-イル、ベンゾフラン-7-イル、ベンゾフラン-4-イル、2-メチル-ベンゾフラン-7-イル、1H-インドール-7-イル、1H-インドール-4-イル
、2-メチル-1H-インドール-7-イル、1-メチル-1H-インドール-7-イル、1-メチル-1H-インドール-4-イル、1,2-ジメチル-1H-インドール-7-イル、1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-イル、1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル;
b) ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-メトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-エトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-メトキシ-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-4-イル、6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-5-イル;
c) ナフタレン-1-イル、4-クロロ-ナフタレン-1-イル、4-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-ブロモ-ナフタレン-1-イル、2-メチル-ナフタレン-1-イル、4-メチル-ナフタレン-1-イル、2-アミノ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメチル-ナフタレン-1-イル、2-メトキシ-ナフタレン-1-イル、3-メトキシ-ナフタレン-1-イル、4-メトキシ-ナフタレン-1-イル、2-シアノ-ナフタレン-1-イル、4-シアノ-ナフタレン-1-イル、4-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル、2-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル、2-エトキシ-ナフタレン-1-イル、2,5-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル、2-n-プロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-イソプロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-ジフルオロメトキシ-ナフタレン-1-イル;及び
d) キノリン-8-イル、7-クロロ-キノリン-8-イル、6-メチル-キノリン-5-イル、7-メトキシ-キノリン-8-イル、6-メトキシ-キノリン-5-イル、2-メトキシ-キノリン-8-イル、6-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル、5-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル、7-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル、7-メトキシ-4-メチル-キノリン-8-イル、6-メトキシ-2-メチル-キノリン-5-イル、イソキノリン-8-イル、イソキノリン-5-イル、6-メチル-イソキノリン-5-イル;
又は、当該フラグメントが、下記の群e)、f)及びg)から選択される基を表す:
e) 6-フルオロ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル、5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル、4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-イル、1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル、5-エトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル、6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル、5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル;
f) 5-フルオロ-ナフタレン-1-イル、3-フルオロ-ナフタレン-1-イル、4-ブロモ-ナフタレン-1-イル、5-メチル-ナフタレン-1-イル、2-ブロモ-4-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシ-ナフタレン-1-イル;及び
g) キノリン-5-イル;
態様1)に従う使用のための、態様1)~13)のいずれか1つに定義する化合物及び態様14)又は15)に従う化合物に関し;
上記の群a)~d)は一緒になって及び上記の群e)~g)は一緒になってそれぞれ特定の副態様を形成する。
【0201】
19) 別の態様は、フラグメント
【0202】
【0203】
が、下記の群a)、b)、c)及びd)から選択される基を表す:
a) ベンゾチオフェン-7-イル、ベンゾチオフェン-4-イル、ベンゾフラン-7-イル2-メチル-ベンゾフラン-7-イル、1H-インドール-4-イル、1-メチル-1H-インドール-7-イル、1-メチル-1H-インドール-4-イル、1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル;
b) 5-エトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、5-メトキシ-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-4-イル;
c) ナフタレン-1-イル、4-クロロ-ナフタレン-1-イル、4-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-フルオロ-ナフタレン-1-イル、2-ブロモ-ナフタレン-1-イル、2-メチル-ナフタレン-1-イル、4-メチル-ナフタレン-1-イル、2-アミノ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメチル-ナフタレン-1-イル、2-メトキシ-ナフタレン-1-イル、3-メトキシ-ナフタレン-1-イル、4-メトキシ-ナフタレン-1-イル、2-シアノ-ナフタレン-1-イル、4-シアノ-ナフタレン-1-イル、4-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル、2-エトキシ-ナフタレン-1-イル、2,3-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル、2-n-プロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-イソプロポキシ-ナフタレン-1-イル、2-ジフルオロメトキシ-ナフタレン-1-イル;
d) 6-メチル-キノリン-5-イル、6-メトキシ-キノリン-5-イル、イソキノリン-5-イル;
態様1)に従う使用のための、態様1)~13)のいずれか1つに定義する化合物及び態様14)又は15)に従う化合物に関する。
【0204】
20) 従って、本発明は、態様1)に従う使用のための態様1)に定義する式(I)の化合物又はそれぞれの従属関係に従って態様2)~19)のいずれか1つの特徴によりさらに限定されるそのような化合物;それらの薬学的に許容される塩;及び態様1)に従い、以下にさらに記載されるそのような化合物の使用に関する。従って、いかなる疑義をも避けるために、式(I)の化合物に関して特に下記の態様が可能であり、意図されており、そして個々の形態としてここに具体的に開示される:
1、4+1、5+4+1、6+4+1、7+4+1、8+4+1、9+4+1、10+4+1、10+5+4+1、10+6+4+1、10+7+4+1、10+8+4+1、10+9+4+1、16+4+1、16+5+4+1、16+6+4+1、16+7+4+1、16+8+4+1、16+9+4+1、16+10+4+1、16+10+5+4+1、16+10+6+4+1、16+10+7+4+1、16+10+8+4+1、16+10+9+4+1、17+4+1、17+5+4+1、17+6+4+1、17+7+4+1、17+8+4+1、17+9+4+1、17+10+4+1、17+10+5+4+1、17+10+6+4+1、17+10+7+4+1、17+10+8+4+1、17+10+9+4+1、18+4+1、18+5+4+1、18+6+4+1、18+7+4+1、18+8+4+1、18+9+4+1、18+10+4+1、18+10+5+4+1、18+10+6+4+1、18+10+7+4+1、18+10+8+4+1、18+10+9+4+1、19+4+1、19+5+4+1、19+6+4+1、19+7+4+1、19+8+4+1、19+9+4+1、19+10+4+1、19+10+5+4+1、19+10+6+4+1、19+10+7+4+1、19+10+8+4+1、19+10+9+4+1。
【0205】
上記の表中、数字は上記の番号に応じた態様を意味し、「+」は他の態様への従属関係を表す。種々の態様は読点により個々に分けられている。換言すると、例えば「19+9+4+1」は、態様19)であって、態様9)に従属し、態様4)に従属し、態様1)に従属することを意味し、すなわち、態様「19+9+4+1」は、態様4)、9)及び19)のすべての構成的特徴によりさらに限定される、態様1)に従う使用のための態様1
)に定義する式(I)の化合物に相当する。
【0206】
21) 従って、本発明はさらに、態様14)に定義する式(III)の化合物又はそのような化合物であって、それぞれの従属関係に従って態様15)~19)のいずれか1つの特徴によってさらに限定される化合物;それらの薬学的に許容される塩;並びに、特に、EP2レセプター及び/又はEP4レセプターの遮断に応答する下記の疾患の予防又は治療における、医薬としてのそのような化合物の使用に関する。従って、いかなる疑義をも避けるために、式(III)の化合物に関して特に下記の態様が可能であり、意図されており、そして個々の形態としてここに具体的に開示される:
14、15+14、16+14、16+15+14、17+14、17+15+14、18+14、18+15+14、19+14、19+15+14。
【0207】
上記の表中、数字は上記の番号に応じた態様を意味し、「+」は他の態様への従属関係を表す。種々の態様は読点により個々に分けられている。換言すると、例えば「19+15+14」は、態様19)であって、態様15)に従属し、態様14)に従属することを意味し、すなわち、態様「19+15+14」は、態様15)及び19)の特徴すべてによりさらに限定される、態様14)に従う式(III)の化合物に相当する。
【0208】
22) 別の態様は、下記の化合物から選択される、態様1)に従う使用のための態様1)に定義する式(I)の化合物に関する:
[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチル]-[6-(3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-[1,2’]ビピリジニル-4’-イル)-ピリミジン-4-イル]-アミン;
[2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-エチル]-(6-キノリン-6-イル-ピリミジン-4-イル)-アミン;及び
[2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-エチル]-(6-イソキノリン-7-イル-ピリミジン-4-イル)-アミン。
【0209】
23) 別の態様は、下記の化合物から選択される、態様4)に定義する式(II)の化合物に関する:
3-ヒドロキシ-4-(4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン;
2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-1H-インドール-4-カルボン酸;
2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-1H-インドール-5-カルボン酸;
2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-1H-インドール-6-カルボン酸;
5-(4-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-イソオキサゾール-3-オール[互変異性型:5-(4-(6-((2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)イソオキサゾール-3(2H)-オン];
5-(4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-イソオキサゾール-3-オール[互変異性型:5-(4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)イソオキサゾール-3(2H)-オン];
2-エトキシ-4-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェノール;及び
{6-[4-(5-アミノ-[1,3,4]チアジアゾール-2-イル)-フェニル]-
ピリミジン-4-イル}-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチル]-アミン。
【0210】
24) 態様23)に記載した化合物に加えて、態様4)に定義する式(II)のさらなる化合物は下記の化合物から選択される:
3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-[1,2,4]-オキサジアゾール-5(4H)-チオン[互変異性型:3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-チオール];及び
3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-ベンジル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-ベンジル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール]。
【0211】
25) 別の態様は、下記の化合物から選択される、態様14)に従う式(III)の化合物に関する:
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メチル-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-[6-(2-ナフタレン-1-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2,3-ジメチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メトキシ-2-メチル-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2,3-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(7-クロロ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(4-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(4-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1-メチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-エトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-イソプロポキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-ジフルオロメトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(5-メトキシ-2,3-ジヒドロ-ベンゾフラン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-[6-(2-ベンゾフラン-7-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-プロポキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(3-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(5-エトキシ-ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(4-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(4-クロロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-シアノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(4-シアノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(4-ジフルオロメチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メチル-ベンゾフラン-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(2-アミノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メチル-イソキノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-[6-(2-ベンゾ[b]チオフェン-7-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
5-[6-(2-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
(E)-3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-アクリル酸;2-ブトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-プロピル-安息香酸;
{6-[3-エトキシ-4-(1H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-ピリミジン-4-イル}-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチル]-アミン;
3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-4H-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オン[互変異性型:3-(2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-プロピオン酸;
N-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-オキサミン酸;
3-エトキシ-5-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-N-スルファモイルチオフェン-2-カルボキサミド;
N-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボニル)-メタンスルホンアミド;
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(5-(6-((2-(1H-インドール-4-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-エトキシチオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-キノリン-8-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(キノリン-8-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(4-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(4-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(5-(6-((2-(1H-インドール-7-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-エトキシチオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-イソキノリン-5-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(イソキノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
{6-[4-エトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)-チオフェン-2-イル
]-ピリミジン-4-イル}-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチル]-アミン;
4-エトキシ-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-エトキシ-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(4-エトキシ-2-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール];
5-{6-[2-(6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸;
3-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸。
【0212】
26) 態様25)に記載した化合物に加えて、態様14)に従う式(III)のさらなる化合物は下記の化合物から選択される:
2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-エトキシ-4-[6-(2-ナフタレン-1-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-安息香酸;
4-{6-[2-(2-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-エトキシ-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(4-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(2-エトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(7-メトキシ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸;
5-{6-[2-(1,2-ジメチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(2-シアノ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-エトキシ-安息香酸;
5-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(6-メチル-イソキノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェノキシ)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(2-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(2-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチ
ルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェノキシ)-プロピオン酸;
2-イソブチル-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-フルオロ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-6-プロピル-安息香酸;
2-ブトキシ-6-フルオロ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-ジフルオロメトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-酢酸;
4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-カルボン酸;及び
2-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸。
【0213】
27) 態様25)及び26)に記載した化合物に加えて、態様14)に従う式(III)のさらなる化合物は下記の化合物から選択される:
5-{6-[2-(2,5-ジメトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
2-エチルスルファニル-4-{6-[2-(4-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;及び
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-イソキノリン-8-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(イソキノリン-8-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール]。
【0214】
28) 態様25)~27)に記載した化合物に加えて、態様14)に従う式(III)のさらなる化合物は下記の化合物から選択される:
4-{6-[2-(4-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-エトキシ-安息香酸;
5-{6-[2-(2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-エトキシ-チオフェン-2-カルボン酸;
4-{6-[2-(6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
4-{6-[2-(4-ブロモ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-(4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール];及び
4-{6-[2-(5-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸。
【0215】
29) 態様25)~28)に記載した化合物に加えて、態様14)に従う式(III)のさらなる化合物は下記の化合物から選択される:
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
3-{3-エトキシ-5-[6-(2-キノリン-5-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール[互変異性型:3-(3-エトキシ-5-(6-((2-(キノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン];
(2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
4-{6-[2-(5-フルオロ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
2-シクロブトキシ-4-{6-[2-(1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メチル-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-酢酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-エトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
4-{6-[2-(5-エトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;
2-エトキシ-4-{6-[2-(2-エトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸;
4-{6-[2-(1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸;及び
4-{6-[2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-2-メチルスルファニル-安息香酸。
【0216】
態様1)~29)に従う式(I)、(II)又は(III)の化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、(特に経口、例えば錠剤又はカプセル等の)経腸又は(局所的適用又は吸入を含む)非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0217】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams&Wilkinsにより出版]参照。)、既述の式(I)、(II)又は(III)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、
適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0218】
本発明はまた、薬学的に活性な量の態様1)~29)に従う式(I)、(II)又は(III)の化合物を対象に投与することを有する、本明細書に記載した疾患又は障害の予防又は治療方法にも関する。
【0219】
本発明の好ましい態様において、投与量は、1mgから2000mg/日の間、特に5mgから1000mg/日の間、さらに25mgから500mg/日の間、とりわけ50mgから200mg/日の間に含まれる。
【0220】
数値の範囲を記述するために「間」という単語が使用される場合は常に、示された範囲の末端の点は明示的にその範囲に含まれるものとする。これは、例えば、温度範囲が40℃から80℃の間であると記述される場合、末端の点である40℃と80℃はその範囲に含まれることを意味し;あるいは、可変数が1から4の間の整数であると定義される場合、可変数は整数の1、2、3又は4であることを意味する。
【0221】
温度に関して使用されていない場合には、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X-Xの10%からX+Xの10%の間、好ましくはX-Xの5%からX+Xの5%の間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」という用語は、この出願において、Y-10℃からY+10℃の間、好ましくはY-5℃からY+5℃の間を表す。
【0222】
いかなる疑義をも避けるために、化合物がある疾患の予防又は治療について有用であると記載されている場合には、そのような化合物は、同様に当該疾患の予防又は治療のための医薬の製造における使用に適している。同様に、そのような化合物はまた、効果的な量のそのような化合物をそれを必要とする対象(哺乳動物、特にヒト)に投与することを有する、そのような疾患の予防又は治療方法に適切である。
【0223】
態様1)~29)に従う式(I)、(II)又は(III)の化合物は、EP2及び/又はEP4レセプターに関連する障害の予防又は治療に有用である。
【0224】
態様1)~29)に従う式(I)、(II)又は(III)の特定の化合物は、生物学的環境において(すなわち、アミダーゼ、エステラーゼ又はカルボン酸基からプロドラッグ基を除去することができるその適宜な等価物のいずれか等の、カルボニル基に結合した共有結合を切ることができる1又は2種以上の酵素の存在下において)、プロスタグランジン2レセプターEP2及び/又はEP4の調節剤としてのそれらの生物学的活性を示す。
【0225】
EP2及び/又はEP4レセプターに関連する疾患又は障害は、特に
- 癌(特に、転移性メラノーマを含むメラノーマ;非小細胞性肺癌を含む肺癌;膀胱癌(urinary bladder cancer)、尿路上皮癌を含む膀胱癌(bladder cancer);腎細胞癌、転移性腎細胞癌、転移性腎明細胞癌を含む腎癌;大腸癌、転移性大腸癌、家族性大腸腺腫症(FAP)、食道癌、胃癌、胆嚢癌、胆管癌、肝細胞癌及び膵臓腺癌又は膵管癌等の膵臓癌を含む消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;神経芽細胞腫;去勢抵抗性前立腺癌を含む前立腺癌;脳転移、悪性神経膠腫、多形膠芽腫、髄芽腫、髄膜腫を含む脳腫瘍;トリプル・ネガティブ乳癌を含む乳癌;口腔腫瘍;上咽頭腫瘍;胸部癌(thoracic cancer);頭頸部癌;急性骨髄性白血病、成人T細胞白血病を含む白血病;癌種;腺癌;甲状腺乳頭癌を含む甲状腺癌;絨毛癌;ユーイング肉腫;骨肉腫;横紋筋肉腫;カポジ肉腫;バーキットリンパ腫、ホジキンリ
ンパ腫、MALTリンパ腫を含むリンパ腫;多発性骨髄腫;並びにウイルス誘発腫瘍;とりわけ、メラノーマ;肺癌;膀胱癌(bladder cancer);腎癌;消化器癌;子宮体癌;卵巣癌;子宮頚部癌;及び神経芽細胞腫);であり;
EP2及び/又はEP4レセプターに関連するさらなる疾患又は障害は、例えば:
- 疼痛(特に、炎症性疼痛及び月経痛);
- 子宮内膜症;
- 常染色体優性多発性嚢胞腎;
- 動脈硬化の患者における急性虚血症候群;
- 肺炎;及び
- 筋萎縮性側索硬化症、脳卒中;パーキンソン病、アルツハイマー病及びHIV関連認知症を含む神経変性疾患;であり;
- EP2及び/又はEP4アンタゴニストは、さらに、雌の受精を制御するために使用することができる。
【0226】
態様1)~29)のいずれか1つに従う式(I)、(II)又は(III)の化合物は、特に、癌の予防又は治療のための治療剤として有用である。それらは、単一の治療剤として、あるいは1又は2種以上の化学療法剤及び/又は放射線療法及び/又は標的療法と組み合わせて使用することができる。そのような組み合わせ治療は、同時に、別々に又はある期間にわたって行われてもよい。
【0227】
従って、本発明は、薬学的に許容される担体物質と:
- 態様1)~29)のいずれか1つに従う式(I)、(II)又は(III)の化合物;
- 及び1又は2種以上の細胞毒性化学療法剤;
とを有する医薬組成物にも関する。
【0228】
従って、本発明は、さらに、
- 薬学的に許容される担体物質及び:
-- 態様1)~29)のいずれか1つに従う式(I)、(II)又は(III)の化合物を有する医薬組成物と;
- 化学療法及び/又は放射線療法及び/又は標的療法と組み合わせた、癌の予防又は治療のための前記医薬組成物の使用方法の使用説明;
とを有するキットにも関する。
【0229】
「放射線療法」(「radiotherapy」又は「radiation therapy」又は「radiation oncology」)という用語は、癌の予防(補助療法)及び/又は治療における電離放射線の医学的使用を意味し;外部及び内部放射線療法を含む。
【0230】
「標的療法」という用語は、特定のタイプの癌細胞又は間質細胞に作用する低分子又は抗体等の1又は2種以上の抗新生物剤を用いた、癌の予防(補助療法)及び/又は治療を意味する。ある種の標的療法は、癌細胞の成長や拡散に関わるある種の酵素、タンパク質又はその他の分子の作用をブロックする。他のタイプの標的療法は、免疫系が癌細胞を殺すのを助け(免疫療法);又は、腫瘍内における血管新生、新しい血管の成長及び形成を阻害し;又は、癌細胞に毒性物質を直接送達して殺す。本発明の化合物と組み合わせるのに特に適した標的療法の例は、免疫療法、特に、プログラム細胞死レセプター1(PD-1レセプター)又はそのリガンドPD-L1を標的とする免疫療法(Zelenayら、2015、Cell 162、1-14;Yongkui Liら、Oncoimmunology 2016、5(2):e1074374)である。
【0231】
式(I)、(II)又は(III)の化合物と組み合わせて使用する場合、「標的療法」という用語は、特に、下記の薬剤等を意味する:
a) 上皮成長因子レセプター(EGFR)阻害剤又はブロッキング抗体(例えば、ゲフィチニブ(Gefitinib)、エルロチニブ(Erlotinib)、アファチニブ(Afatinib)、イコチニブ(Icotinib)、ラパチニブ(Lapatinib)、パニツムマブ(Panitumumab)、ザルツムマブ(Zalutumumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)、マツズマブ(Matuzumab)及びセツキシマブ(Cetuximab));
b) RAS/RAF/MEK経路阻害剤(例えば、ベムラフェニブ(Vemurafenib)、ソラフェニブ(Sorafenib)、ダブラフェニブ(Dabrafenib)、GDC-0879、PLX-4720、LGX818、RG7304、トラメチニブ(Trametinib)(GSK1120212)、コビメチニブ(Cobimetinib)(GDC-0973/XL518)、ビニメチニブ(Binimetinib)(MEK162、ARRY-162)、セリメチニブ(Selumetinib)(AZD6244));
c) アロマターゼ阻害剤(例えば、エキセメスタン(Exemestane)、レトロゾール(Letrozole)、アナストロゾール(Anastrozole)、ボロゾール(Vorozole)、フォルメスタン(Formestane)、ファドロゾール(Fadrozole));
d) 血管新生阻害剤、特に、ベバシズマブ(Bevacuzimab)(アバスチン(Avastin))、ラムシルマブ(Ramucirumab)、ソラフェニブ(Sorafenib)又はアキシチニブ(Axitinib)等のVEGFシグナル伝達阻害剤;
e) 免疫チェックポイント阻害剤(例えば:ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)(ランブロリズマブ(Lambrolizumab)、MK-3475)、ニボルマブ(Nivolumab)、ピディリズマブ(Pidilizumab)(CT-011)、AMP-514/MED10680、PDR001、SHR-1210;REGN2810、BGBA317等の抗PD1抗体;AMP-224等の、PD-1を標的とする融合タンパク質;例えば、WO2015/033299、WO2015/044900及びWO2015/034820に開示される化合物等の低分子抗PD1剤;BMS-936559、アテゾリズマブ(atezolizumab)(MPDL3280A、RG7446)、MEDI4736、アベルマブ(avelumab)(MSB0010718C)、デュルバルマブ(durvalumab)(MEDI4736)等の抗PD1L抗体;AMP224等の抗PDL2抗体;イピリムマブ(ipilimumab)、tremilmumab等の抗CTLA-4抗体;BMS-986016、IMP701、MK-4280、ImmuFact IMP321等の抗リンパ球-活性化遺伝子3(LAG-3)抗体;MBG453等の抗T細胞免疫グロブリン ムチン-3(TIM-3)抗体;BMS-663513/urelumab、PF-05082566等の抗CD137/4-1BB抗体;RG6058(抗TIGIT、MTIG7192A)等の抗Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫レセプター(TIGIT)抗体(anti T cell immunoreceptor with Ig and ITIM domains (TIGIT) antibodies);
f) ワクチン療法的アプローチ(例えば、樹状細胞ワクチン療法、(例えば、gp100ペプチド又はMAGE-A3ペプチドを用いた)ペプチド又はタンパク質ワクチン療法;
g) 顆粒球単球コロニー刺激因子(GMCSF)遺伝子トランスフェクト腫瘍細胞ワクチン(GVAX)又はFms-関連チロシンキナーゼ3(Flt-3)リガンド遺伝子トランスフェクト腫瘍細胞ワクチン(FVAX)又はToll様レセプター増強GM-CSF腫瘍ベースワクチン(TEGVAX)等の免疫調節因子を分泌するように遺伝的に修飾された患者由来又は同種(allogenic)(非自己)癌細胞の再導入;
h) キメラ抗原レセプター(CAR)改変T-細胞(例えばCTL019)等のT細胞ベース養子免疫療法;
i) サイトカイン又は免疫サイトカインベース治療(例えば、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン2、インターロイキン15);
j) Toll-様レセプター(TLR)アゴニスト(例えば、レシキモド(resiquimod)、イミクイムド(imiquimod)、グルコピラノシル脂質A、CpGオリゴデオキシヌクレオチド);
k) サリドマイドアナログ(例えば、レナリドマイド(Lenalidomide)、ポマリドミド(Pomalidomide));
l) インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)及び/又はトリプトファン-2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)阻害剤(例えば、RG6078/NLG919/GDC-0919;Indoximod/1MT(1-メチルトリプトファン)、INCB024360/Epacadostat、PF-06840003(EOS200271)、F001287);
m) T細胞共刺激レセプターの活性化剤(例えば、抗OX40/CD134(RG7888(MOXR0916)、9B12;MEDI6469、GSK3174998、MEDI0562等の腫瘍壊死因子レセプタースーパーファミリーメンバー4)、抗OX40-リガンド/CD252;(TRX518、MEDI1873、MK-4166、BMS-986156等の)抗グルココルチコイド誘発TNFRファミリー関連遺伝子(GITR)、(Dacetuzumab(SGN-40)、HCD122、CP-870,893、RG7876、ADC-1013、APX005M、SEA-CD40等の)抗CD40(TNFレセプタースーパーファミリーメンバー5)抗体;(BG9588等の)抗CD40-リガンド抗体;(Varlilumab等の)抗CD27抗体;
n) 二重特異性抗体等の腫瘍特異性抗原並びにT-細胞表面マーカーに結合する分子(例えば、RG7802標的CEA及びCD3)又は抗体フラグメント、抗体模倣タンパク質(antibody mimetic proteins)(例えば、設計アンキリン反復配列タンパク質(designed ankyrin repeat proteins)(DARPINS)、二重特異性T細胞engager(BITE、例えばAMG103、AMG330));
o) コロニー刺激因子1レセプター(CSF-1R)を標的とする抗体又は低分子量阻害剤(例えば、Emactuzumab(RG7155)、Cabiralizumab(FPA-008)、PLX3397);
p) キラー細胞免疫グロブリン様レセプター(KIR)に対する抗体(例えば、リリルマブ(IPH2102/BMS-986015))等のナチュラルキラー細胞上の免疫細胞チェックポイントを標的とする薬剤;
q) アデノシンレセプター又は、ATPをアデノシンに変換するエクトヌクレアーゼCD39及びCD73を標的とする薬剤(MEDI9447(抗CD73抗体)、PBF-509;CPI-444(アデノシンA2aレセプターアンタゴニスト)。
【0232】
式(I)、(II)又は(III)の化合物と組み合わせて使用する場合、d)に挙げたもの等の免疫チェックポイント阻害剤及び、特に、プログラム細胞死レセプター1(PD-1レセプター)又はそのリガンドPD-L1を標的とするものが好ましい。
【0233】
「化学療法」という用語は、1又は2以上の細胞毒性抗新生物剤(「細胞毒性化学療法剤」)による癌の治療を意味する。化学療法は、しばしば放射線療法又は外科手術等の他の癌治療と併用される。この用語は特に、分裂の早い(これは大抵の癌細胞の主な特性の1つである。)細胞を殺すことで作用する従来の細胞毒性化学療法剤を意味する。化学療法では、一度に1種の薬物(単剤化学療法)又は一度に数種の薬物(併用化学療法又は多剤化学療法)を用いうる。光への暴露によってのみ細胞毒性活性へと変化する薬物を用い
る化学療法は、光化学療法又は光力学療法と呼ばれる。
【0234】
本明細書で使用する「細胞毒性化学療法剤」又は「化学療法剤」という用語は、細胞死又は細胞壊死を引き起こす活性な抗新生物剤を意味する。式(I)、(II)又は(III)の化合物と組み合わせて使用する場合、この用語は特に、下記のような従来の細胞毒性化学療法剤を意味する:
a) アルキル化剤(例えば、メクロレタミン(mechlorethamine)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、イホスファミド(ifosfamido)、ストレプトゾシン(streptozocin)、カルムスチン(carmustine)、ロムスチン(lomustine)、メルファラン(melphalan)、ダカルバジン(dacarbazine)、テモゾロミド、フォテムスチン(fotemustine)、チオテパ(thiotepa)又はアルトレタミン(altretamine);特に、シクロホスファミド、カルムスチン、メルファラン、ダカルバジン又はテモゾロミド);
b) プラチナ製剤(特に、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)又はオキサリプラチン(oxaliplatin));
c) 代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、葉酸/ロイコボリン、カペシタビン(capecitabine)、6-メルカプトプリン(6-mercaptopurine)、メトトレキセート(methotrexate)、ゲムシタビン(gemcitabine)、シタラビン(cytarabine)、フルダラビン(fludarabine)又はペメトレキセド(pemetrexed);特に、5-フルオロウラシル、葉酸/ロイコボリン、カペシタビン、メトトレキセート、ゲムシタビン又はペメトレキセド);
d) 抗腫瘍抗生物質(例えば、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、エピルビシン(epirubicin)、イダルビシン(idarubicin)、アクチノマイシン-D(actinomycin-D)、ブレオマイシン(bleomycin)、マイトマイシン-C(mitomycin-C)又はミトキサントロン(mitoxantrone);特にドキソルビシン);
e) 有糸分裂阻害物質(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル(docetaxel)、イキサベピロン(ixabepilone)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、ビノレルビン(vinorelbine)、ビンデシン(vindesine)又はエストラムスチン(estramustine);特に、パクリタキセル、ドセタキセル、イキサベピロン又はビンクリスチン);
f) トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide)、トポテカン(topotecan)、イリノテカン(irinotecan)、ジフロモテカン(diflomotecan)又はエロモテカン(elomotecan);特に、エトポシド又はイリノテカン)。
【0235】
式(I)、(II)又は(III)の化合物と組み合わせて使用する場合、好ましい細胞毒性化学療法剤は、上記のアルキル化剤(特に、フォテムスチン、シクロホスファミド、イホスファミド、カルムスチン、ダカルバジン及び、特にテモゾロミド等のそのプロドラッグ;又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩;とりわけテモゾロミド);有糸分裂阻害物質(特に、パクリタキセル、ドセタキセル、イキサベピロン;又はこれらの化合物の薬学的に許容される塩;とりわけパクリタキセル);プラチナ製剤(特に、シスプラチン、オキサリプラチン又はカルボプラチン);並びエトポシド及びゲムシタビンである。
【0236】
化学療法は、治療目的で施されても、あるいは延命又は症状の改善を狙ったものでもよい。
【0237】
- 集学的(Combined modality)化学療法は、放射線療法又は外科手術等の他の癌治療と共に行う、薬物の使用である。
【0238】
- 導入(Induction)化学療法は、化学治療薬による癌の一次治療である。この種の化学療法は、治療目的で用いられる。
【0239】
- 強化(Consolidation)化学療法は、寛解後に、全無病期間の延長及び全生存を改善する目的で施される。投与される薬剤は、寛解をもたらした薬剤と同じものである。
【0240】
- 強化(Intensification)化学療法は、強化(consolidation)化学療法と同一であるが、導入化学療法とは異なる薬剤が用いられる。
【0241】
- 併用(Combination)化学療法は、患者を同時に多くの異なる薬剤で治療するものである。これらの薬剤は、メカニズム及び副作用が異なる。最も大きな利点は、いずれか1種類の薬剤に対して耐性を獲得する機会が最小化されることである。また、より少ない用量で薬剤が使用されることが多く、毒性が低減される。
【0242】
- 術前補助(Neoadjuvant)化学療法は、外科手術等の局所治療に先立って施され、原発腫瘍を縮小することを目的としている。微小転移性病態のリスクが高い癌に対しても施される。
【0243】
- 補助(Adjuvant)化学療法は、局所治療(放射線療法又は外科手術)の後に施される。癌の存在を示す証拠はほとんど無いが、再発の危険がある場合に用いることができる。また、身体の他の箇所に広がったあらゆる癌性細胞を殺すのにも有用である。これらの微小転移は、補助化学療法で治療することができ、これらの播種性細胞による再発率を下げることができる。
【0244】
- 維持(Maintenance)化学療法は、寛解を延長するために繰り返される低用量治療である。
【0245】
- 救援(Salvage)化学療法又は緩和(palliative)化学療法は、治療を目的とせず、単に腫瘍の負荷を減少させ、期待余命を伸ばすために施される。こうした養生法に対しては、毒性プロファイルがより優れていることが一般に求められる。
【0246】
投与形態に関連する場合の、「同時に」という用語は、本特許出願において、該当する投与形態が、2又はそれ以上の活性成分及び/又は治療のほぼ同時投与であることを意味し;同時投与により、対象は2又はそれ以上の活性成分及び/又は治療に同時に暴露されることになるものと理解される。同時に投与される場合、当該2又はそれ以上の活性成分は、多剤混合薬(a fixed dose combination)として、又は、(例えば、同じ投与経路によりほぼ同時に投与されるべき2又はそれ以上の異なる薬学的組成物を使用することにより)同等の非多剤混合薬(a non-fixed dose
combination)として、又は、2又はそれ以上の異なる投与経路を用いる非多剤混合薬により投与されてもよく、当該投与により、対象は2又はそれ以上の活性成分及び/又は治療に本質的に同時に暴露されることになる。例えば、化学療法及び/又は適宜な標的療法と組み合わせて用いた場合、本発明のEP2/EP4アンタゴニストは、場合によって「同時に」使用されるであろう。
【0247】
「多剤混合薬」は、投与形態を意味する場合、本出願においては、該当する投与形態が
、2又はそれ以上の活性成分を有する1種の薬学的組成物の投与であることを意味する。
【0248】
投与形態に関連する場合の、「別々に」という用語は、本特許出願において、該当する投与形態が、2又はそれ以上の活性成分及び/又は治療の異なる時点における投与であることを意味し;別々の投与は、対象が2又はそれ以上の活性成分及び/又は治療に同時に暴露される治療相(例えば、少なくとも1時間、特に少なくとも6時間、とりわけ少なくとも12時間)に導くが、別々の投与は、対象が一定の時間の間(例えば、少なくとも12時間、特に少なくとも1日)、2又はそれ以上の活性成分及び/又は治療の1つにのみ暴露される治療相に導いてもよいものと理解される。別々の投与は、特に、活性成分及び/又は治療の少なくとも1つを、(1日に1回又は2回等の)連日投与とは実質的に異なる周期で与える状況(例えば、一方の活性成分及び/又は治療を1日に1回又は2回与え、別のものを、例えば、隔日、又は1週間に1回、又はより長い間隔で与える。)を意味する。例えば、放射線療法と組み合わせて使用する場合、本発明のEP2/EP4アンタゴニストは、場合によって「別々に」使用されるであろう。
【0249】
「ある期間に渡る」投与は、本特許出願において、2又はそれ以上の活性成分及び/又は治療を異なる時に続けて投与することを意味する。この用語は、特に、一の活性成分及び/又は治療の全投与が完結した後に、1又は2以上の他方の投与を開始する投与法を意味する。この場合、活性成分及び/又は治療の一方を数カ月間投与した後に、他方の又は他の活性成分及び/又は治療を投与することが可能である。
【0250】
「ある期間に渡る」投与はまた、式(I)、(II)又は(III)の化合物が、最初の化学療法(例えば、導入化学療法)及び/若しくは放射線療法治療並びに/又は標的療法治療の完結後に開始する治療において、任意で、さらなる/進行中の化学療法及び/若しくは放射線療法治療並びに/又は標的療法治療と組み合わせて(例えば、強化(consolidation)化学療法、強化(intensification)化学療法、補助化学療法若しくは維持化学療法;又はそれと同様の放射線療法と組み合わせて)使用される状況を包含し;そのようなさらなる/進行中の化学療法及び/若しくは放射線療法治療並びに/又は標的療法治療は、同時に、別々に又は「同じ周期で投与しない」という意味である期間にわたって行われる。
【0251】
態様1)~29)に定義する式(I)、(II)又は(III)の化合物はまた、効果的な量の式(I)、(II)又は(III)の化合物の投与を有する、腫瘍を有する対象における免疫応答を調節する方法において有用であり[特に、当該効果的な量の当該投与は、EP2レセプター又はEP4レセプター又はEP2及びEP4レセプターの両方を薬理学的に有効に遮断する。];当該効果的な量は当該対象の腫瘍における免疫系を再活性化し;特に当該効果的な量は:
- 腫瘍随伴性マクロファージの腫瘍促進性M2マクロファージへの局在を妨げ;及び/又は、
- 腫瘍中に蓄積した免疫抑制細胞の(特に、制御性T細胞(Treg)及び/又は骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)の)活性化、増殖及び/又はエフェクター機能を下方制御し;及び/又は、
- ナチュラルキラー細胞、T-細胞、樹状細胞及びマクロファージ等の免疫細胞中のIFN-γ及び/又はTNF-α及び/又はIL-12及び/又はIL-2発現を上方制御し(腫瘍細胞アポトーシス及び/又は腫瘍形成の抑制を誘発し);及び/又は、
- 細胞傷害性T-細胞の活性化、IL-2応答及び増殖の抑制を直接的又は間接的に妨げる(それにより、局所的な免疫抑制を減少させる)。
【0252】
態様1)~29)に定義する式(I)、(II)又は(III)の化合物はまた、効果的な量の式(I)、(II)又は(III)の化合物の投与を有する、腫瘍を有する対象
における腫瘍の成長を減弱させ、及び/又は、腫瘍サイズを減少させる方法において有用であり[特に、当該効果的な量の当該投与は、EP2レセプター又はEP4レセプター又はEP2及びEP4レセプターの両方を薬理学的に有効に遮断する。];当該効果的な量は、(特に、内皮細胞の運動性及び/若しくは生存を減少させることにより、及び/又は、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)の発現を減少させることにより)腫瘍血管新生を下方制御し;並びに/又は、当該効果的な量は、(特に、PI3K/AKT及びMAPKシグナル伝達の阻害を介して)腫瘍細胞生存を減弱させ、及び/又は、腫瘍細胞アポトーシスを誘発する。
【0253】
態様1)~29)に定義する式(I)、(II)又は(III)の化合物はまた、効果的な量の式(I)、(II)又は(III)の化合物の投与を有する、腫瘍を有する対象における免疫応答を調節する方法において有用であり[特に、当該効果的な量の当該投与は、EP2レセプター又はEP4レセプター又はEP2及びEP4レセプターの両方を薬理学的に有効に遮断する。];当該効果的な量は当該対象の腫瘍における免疫系を再活性化し;当該効果的な量は、ナチュラルキラー細胞及び/又は細胞傷害性T-細胞の細胞毒性及びサイトカイン産生を活性化する。
【0254】
さらに、式(II)又は(III)の化合物(化合物自体、その塩、当該化合物若しくはその塩を含む組成物又は当該化合物若しくはその塩の使用、その他であるかを問わない)に対して示された好適性及び(副)態様は、いずれも式(I)の化合物に必要な変更を加えて適用される。
【0255】
式(I)、(II)又は(III)の化合物の製造
式(I)、(II)又は(III)の化合物は、文献周知の方法によって、以下の方法によって、下記の実施の項に示された方法によって、又は類似の方法によって製造することができる。最適反応条件は、使用する具体的反応物又は溶媒によって変わるが、このような条件は、当業者により、ルーチンの最適化手順によって決定することができる。場合によっては、反応を容易にしたり又は不要な反応生成物を回避したりするために、下記の反応スキーム及び/又は反応工程の実行順序を変更してもよい。以下に概説した一般的反応シークエンスにおいて、包括的な基R1、R3、R4a、R4b、R5a、R5b及びAr1は、式(I)、(II)又は(III)について定義した通りである。本明細書で使用される他の略語は、明示的に定義されるか、又は実験の項において定義される通りである。場合によっては、包括的な基R1、R3、R4a、R4b、R5a、R5b及びAr1は、下記のスキームに図示した製法に適合しないかもしれず、保護基(PG)の使用が必要となるだろう。保護基の使用は、当技術分野において周知である(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley-Interscience、1999参照)。この目的のために、そのような保護基が必要に応じて導入されているものと仮定する。場合によっては、最終生成物をさらに改変してもよく、例えば、置換基を操作することにより新たな最終生成物が得られる。こうした操作は、当業者に周知の還元、酸化、アルキル化、アシル化、加水分解及び遷移金属触媒クロスカップリング反応を含むが、これらに限定されるものではない。得られた化合物は、それ自体知られた方法により、塩、特に薬学的に許容される塩に変換してもよい。
【0256】
本発明の式(I)、(II)又は(III)の化合物は、以下に概説した一般的反応シークエンスに従って製造することができる。
【0257】
式(I)の化合物の製造を可能にする一般的な合成ルートをスキーム1に示す。すなわち、前駆体(3)は、TEA、DIPEA又はK2CO3等の塩基の存在下、イソプロパノール、ブタノール、DMF又はTHF等の溶媒中、RT又は高温にて、1級アミン(1
)とピリミジン(2)(Xは、塩素、臭素又はヨウ素である。)の間の求核芳香族置換により得ることができる。式(I)の化合物は、ハロゲン化ピリミジン誘導体(3)の式(4)の化合物との金属触媒クロスカップリング反応を介して、例えば化合物(4)がボロン酸又はボロン酸エステルである場合にはSuzukiカップリング反応を介して製造することができる。典型的なSuzukiクロスカップリング反応は、K2CO3、Cs2CO3、Na2CO3、K3PO4又はCsF等の塩基及びPd(PPh3)4、Pd(dppf)Cl2又はPd(OAc)2等の触媒の存在下、エタノール、THF、水又はそれらのRM等の溶媒中、通常、高温で行うことができる。ボロン酸又はボロン酸エステルA4は、市販されており、又は、文献に記載された方法により、若しくは、当業者に既知の方法により合成することができる。ボロン酸誘導体は、Miyauraホウ素化反応により、酢酸カリウム等の塩基及びPd(dppf)Cl2等の触媒の存在下、ビス(ピナコラート)ジボロンのハロゲン化アリール又はトリフレートとのクロスカップリングにより形成することができる。あるいは、ボロン酸誘導体は、典型的には、低温にて、ブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドを塩基として、そしてトリ-イソプロピルボレート又はイソプロポキシボロン酸ピナコールエステルを用いて、ジエチルエーテル又はTHF等の溶媒中、リチウム化/ホウ素化シークエンスにより形成することができる。変法において、式(I)の化合物は、1級アミン(1)と置換ハロゲン化ピリミジン(5)(Xは、塩素、臭素又はヨウ素である。)の間の求核芳香族置換を介して製造することができる。あるいは、式(I)の化合物は、式(1)の化合物を、BOP、PyBOP又はヘキサクロロシクロトリホスファゼン等のカップリング剤の存在下、DBU、DIPEA又はTEA等の塩基の存在下、THF、MeCN又はDMF等の溶媒中、低温又はRT又は高温にて、XがOHを表す式(5)の化合物と反応させることにより合成することができる。
【0258】
【0259】
必要とされる1級アミン1の製造をスキーム2に記載する。アミノエチル化(ヘテロ)芳香族化合物(8)は、対応する(ヘテロ)芳香族求電子剤(6)(ブロミド、ヨージド又はトリフレート)のBoc保護カリウム β-アミノエチルトリフルオロボレート(7)とのSuzuki-Miyauraクロスカップリング反応を介して製造することがで
きる。そのようなクロスカップリング反応は、記載した条件[トルエン/H2OのRM中、高温にて、触媒系としてPd(dppf)Cl2、又は、Pd(OAc)2とRuPhosの組み合わせ、塩基としてCs2CO3]を用いて行うことができる。対応する1級アミン(1)は、酸性条件下における誘導体(8)のBoc脱保護の後に得ることができ、スキーム1に記載の合成シークエンスを用いて式(I)の化合物に変換することができる。スキーム2に記載の変法において、1級アミン(1)は、カルボニル前駆体(9)及びニトロ化合物(10)を出発物質として、Henry反応(ブチルアミン/酢酸/モレキュラーシーブ/90℃)及び生成したニトロアルケン(11)のその後の還元(水素化リチウムアルミニウム/THF又はNaBH4/BF3
.Et2O/THF)を介して製造することができる。
【0260】
【0261】
式(5)のピリミジンは、式(4)の化合物、典型的にはボロン酸又はエステル、とX=Cl、Br又はIである式(2)のジハロ-ピリミジンとの間の金属触媒クロスカップリング反応により得ることができる(スキーム3)。X=OHである式(5)の化合物は、Alkが典型的にはMe又はEtである式(13)の化合物の脱アルキル化により得ることができる。次に、X=Cl、Br、Iである式(12)の化合物と式(4)の化合物、典型的にはボロン酸又はエステル、とのクロスカップリング反応により、(13)を形成することができる。
【0262】
【0263】
下記の実施例は、本発明を説明する目的で記載される。これらの実施例は、説明のためのものに過ぎず、いかなる形においても本発明を限定するものとは解釈されない。
【0264】
実験の項
I. 化学
温度はすべて℃で示す。市販の出発物質は、さらに精製を行うことなく、入手した状態で使用した。別段の記載が無い限り、すべての反応は、窒素雰囲気下、オーヴンで乾燥したガラス製の器具内で行った。化合物はシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー又は分取用HPLCで精製した。本発明に記載した化合物は、以下に記載した条件を用いて、LC-MSデータで特徴を明らかにする(保持時間tRはminで示す;質量分析から得られた分子量はg/molで示す。)。本発明の化合物が、配座異性体(conformational isomers)のRMである場合、特にそれら異性体がLC-MSスペクトルとして表れる場合は、最も量の多い異性体の保持時間を示す。場合によっては、化合物は、精製後に、対応するアンモニウム塩(*1)の形態で単離され;そのような化合物についてはその旨が付記される。
【0265】
分析用LC-MS機器:
HPLCポンプ:Binary勾配ポンプ、Agilent G4220A又は同等のもの;
オートサンプラー:(Gilson 845zインジェクターを備えた)Gilson LH215又は同等のもの;
カラムコンパートメント:Dionex TCC-3000RS又は同等のもの;
ガス除去機:Dionex SRD-3200又は同等のもの;
メイクアップポンプ:Dionex HPG-3200SD又は同等のもの;
DAD検出器:Agilent G4212A又は同等のもの;
MS検出器: シングル四重極質量分析計、Thermo Finnigan MSQPlus又は同等のもの;
ELS検出器:Sedere SEDEX 90又は同等のもの。
【0266】
酸性条件でのLC-MS
方法A:カラム:Zorbax SB-aq(3.5μm、4.6x50mm)。条件:MeCN[溶出液A];水+0.04%TFA[溶出液B]。勾配:1.5minにわたって95%Bから5%Bへ(流速:4.5mL/min)。検出:UV/Vis+MS。方法B:カラム:Zorbax RRHD SB-aq(1.8μm、2.1x50mm)。条件:MeCN[溶出液A];水+0.04%TFA[溶出液B]。勾配:2.0minにわたって95%Bから5%Bへ(流速:0.8mL/min)。検出:UV/Vis+MS。
【0267】
方法C:Waters Acquity Binary、Solvent Manager、MS:Waters SQ検出器、DAD:Acquity UPLC PDA検出器、ELSD:Acquity UPLC ELSD。カラム:Acquity UPLC Column Manager内で60℃に温度制御されたWaters製ACQUITY UPLC CSH C18 1.7μm、2.1x50mm。溶出液:A:H2O+0.05%ギ酸;B:MeCN+0.045%ギ酸。方法:勾配:2.0minにわたって2%B98%B。流速:1.0mL/min。検出:UV214nm及びELSD並びにMS、tRは分で示す。
【0268】
塩基性条件でのLC-MS
方法D:カラム:Waters BEH C18、3.0x50mm、2.5μm。溶出液:A:水/NH3[c(NH3)=13mmol/l]、B:MeCN、方法:1.2min内に5%Bから95%Bへ、流速1.6ml/min、検出UV:214nm。
【0269】
分取用HPLC機器:
Gilson LH215を備えたGilson 333/334HPLCポンプ、Dionex SRD-3200ガス除去機、
Dionex ISO-3100Aメイクアップポンプ、Dionex DAD-3000 DAD検出器、シングル四重極質量分析計MS検出器、Thermo Finnigan MSQ Plus、MRA100-000フロースプリッター、Polymer Laboratories PL-ELS1000 ELS検出器。
【0270】
塩基性条件での分取用HPLC
カラム:Waters XBridge(10μm、75x30mm)。条件:MeCN[溶出液A];水+0.5%NH4OH(25%aq.)[溶出液B];勾配 表1参照(流速:75mL/min)、開始時の溶出液Aの百分率(x)は、精製する化合物の極性によって決定する。検出:UV/Vis+MS。
【0271】
【0272】
酸性条件での分取用HPLC
カラム:Waters Atlantis T3(10μm、75x30mm)。条件:MeCN[溶出液A];水+0.5%HCO2H[溶出液B];勾配 表2参照(流速:75mL/min)、開始時の溶出液Aの百分率(x)は、精製する化合物の極性によって決定する。検出:UV/Vis+MS。
【0273】
【0274】
(上記又は下記の部分において使用される)略語:
aq. 水溶液
atm 雰囲気
Boc tert-ブトキシカルボニル
BOP (ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ)-トリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウム ヘキサフルオロ-ホスフェート
d 日
DBU 1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-ウンデカ-7-エン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピル-エチルアミン、Huenig塩基
DDQ 2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
Et エチル
Et2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
Ex. 実施例
FC シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー
h 時間
hept ヘプタン
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HV 高真空条件
iBu イソブチル
iPr イソプロピル
LAH 水素化リチウムアルミニウム
LC-MS 液体クロマトグラフィー-質量分析
Lit. 文献
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
mL ミリリットル
min 分
MW マイクロ波
NaHMDS ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド
nPr n-プロピル
OAc アセテート
Pd2dba3 トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)Cl2・DCM [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体
Ph フェニル
PPh3 トリフェニルホスフィン
prep. 分取用
PyBOP (ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ)-トリピロリジノ-ホスホニウム ヘキサフルオロ-ホスフェート
rac ラセミ体
RM 反応混合物
RT 室温
RuPhos 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシビフェニル
s 秒
sat. 飽和
tBu tert-ブチル=3級ブチル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
トシル p-トルエン-スルホニル
tR 保持時間
トリフレート トリフルオロメタンスルホネート
一般的手順
一般的手順A: ニトロ-アルドール縮合及び脱水
芳香族アルデヒド(10mmol)をニトロメタン(20mL)中に溶解したものに、RTにて、ブチルアミン(0.117mL、1.18mmol)、酢酸(0.116mL、2.04mmol)及び4Å モレキュラー・シーブ(100mg)を添加する。RMを90℃にて1h撹拌し、次いでRTに冷却し、真空下で濃縮する。残渣をEtOAcと水の間で分画する。有機相を水でもう1回洗浄し、次いで塩水(brine)で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮する。粗生成物を、必要に応じて、分取用HPLCにより、又は、FCにより精製する。
【0275】
一般的手順B: ニトロスチレンの還元
LAH(THF中2M、11mL、21.8mmol)を、ニトロスチレン(6.24mmol)をTHF(30mL)中に溶解したものに、0℃にて滴下する。RMをRTにて2h撹拌し、次いで0℃に冷却し、水(1.28mL)、15%NaOH水溶液(1.28mL)及び水(3.9mL)で注意深くクエンチする。得られた懸濁液をRTにて1h撹拌し、次いでろ過し、Et2Oで洗浄する。ろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物を、必要に応じて、分取用HPLCにより、又は、FCにより精製する。
【0276】
あるいは、水素化ホウ素ナトリウム(251mg、6.51mmol)をTHF(7mL)中に溶解したものに、0℃にて、BF3.Et2O(1.06mL、8.14mmol)を添加する。RMを、0℃にて10min、次いでRTにて15min撹拌する。ニトロスチレン(1.36mmol)をTHF(3mL)中に溶解したものを滴下し、RMを一晩還流する。RMを0℃に冷却し、2N HCl(8.8mL、17.6mmol)で注意深く処理する。RMを80℃にて1h加熱し、次いでRTに冷却し、有機溶媒を減圧下で除く。残った水層をEt2Oで抽出する。水層を10%NaOHで処理してpH>12とし、EtOAcで3回抽出する。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮する。粗生成物を、必要に応じて、分取用HPLCにより、
又は、FCにより精製する。
【0277】
一般的手順C: トリフルオロボレートを用いたSuzuki Miyauraカップリング
反応容器に、アリール-ブロミド又はトリフラート(1.91mmol)、カリウム tert-ブチル n-[2-(トリフルオロボラヌイジル)エチル]カーバメート(555mg、2.1mmol)、炭酸セシウム(2489mg、7.64mmol)、酢酸パラジウム(II)(21.5mg、0.0955mmol)、RuPhos(93.8mg、0.191mmol)及びトルエン(15mL)及び水(5mL)を仕込む。RMをアルゴンでフラッシュし、次いで95℃にて一晩撹拌する。RMをRTに冷却し、グラスマイクロファイバーを通してろ過する。ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をDCMとNH4Cl飽和溶液との間で分画する。相を分離し、水層をDCMでさらに2回抽出する。次いで、有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、真空下で蒸発させる。粗生成物を、必要に応じて、分取用HPLCにより、又は、FCにより精製する。
【0278】
一般的手順D: Boc脱保護(TFA)
Boc-保護アミン(1.91mmol)をDCM(40mL)中に溶解したものに、0℃にて、TFA(10mL)を添加する。RMを2h撹拌し、温度をRTに上昇させる。次いで、それを真空下で濃縮する。残渣をDCM中に再び溶解し、真空下で蒸発させて(2回)、遊離アミンをTFA塩として得る。
【0279】
一般的手順E: Boc脱保護(HCl)
Boc-保護アミン(1.91mmol)をDCM(40mL)中に溶解したものに、0℃にて、HCl(ジオキサン中4N、10mL)を添加する。RMを2h撹拌し、温度をRTに上昇させる。次いで、それを真空下で濃縮し、遊離アミンをHCl塩として得る。
【0280】
一般的手順F: 4,6-ジ-ハロ-ピリミジンのSNAr
アリール-エチルアミン(21.1mmol)、4,6-ジクロロピリミジン(3.00g、20.1mmol)及びTEA(3.08mL、22.2mmol)を2-プロパノール(50mL)中に溶解したものを2h還流し、次いでRTに冷まし、減圧下で濃縮する。残渣を飽和NaHCO3水溶液とEtOAcの間で分画する。層を分離し、水層をEtOAcでもう一度抽出する。有機層を合わせたものを、水、塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、溶媒を真空下で除く。粗生成物を、必要に応じて、分取用HPLCにより、又は、FCにより精製する。
【0281】
一般的手順G: Pd(PPh3)4を用いたSuzukiカップリング
各ハロゲン化ピリミジン誘導体(3)(0.15mmol)、各ボロン酸誘導体(4)(0.18mmol)及び2M K2CO3(0.3mL、0.6mmol)のエタノール(3mL)中のRMを、アルゴンでパージし、Pd(PPh3)4(0.0075mmol)を添加し、RMを90℃にて一晩加熱する。あるいは、反応は、MW装置内で120℃にて15-30min行うことができる。RMを0.45μmのGlass MicroFiberフィルターを通してろ過し、EtOH/MeCN及びDMFで洗浄する。ろ液を、分取用HPLC又はFCのいずれかで精製する。あるいは、水で希釈し、必要に応じてpHを調整し、EtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせたものを乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮する。残渣を分取用HPLC又はFCにより精製する。
【0282】
一般的手順H: Pd(PPh3)4を用いたSuzukiカップリング、続くエステル加水分解
各ハロゲン化ピリミジン誘導体(3)(0.15mmol)、各ボロン酸誘導体(4)(
0.18mmol)及び2M K2CO3(0.3mL、0.6mmol)のEtOH(3mL)中のRMを、アルゴンでパージし、Pd(PPh3)4(0.0075mmol)を添加し、RMを90℃にて一晩加熱する。あるいは、反応は、MW装置内で120℃にて15-30min行うことができる。NaOH(32%溶液、0.5mL)を添加し、RMを、RTにて2~20h、又は、90℃にて0.5~20h撹拌する。次いで、それを0.45μmのGlass MicroFiberフィルターを通してろ過し、EtOH及び水で洗浄する。ろ液を、分取用HPLCで直接精製するか、又は、1N HClで希釈し、EtOAcで3x抽出する。有機抽出物を合わせたものを乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮する。残渣を、必要に応じて、分取用HPLCにより、又は、FCにより精製する。
【0283】
一般的手順I: ホスホニウム介在SNAr
6-ヒドロキシ-ピリミジン誘導体(0.196mmol)をDMF(2mL)及びEt3N(0.109mL、0.784mmol)中に溶解したものに、PyBOP(163mg、0.313mmol)を添加する。黄色の溶液をRTにて15min撹拌し、次いで、各アリール-エチルアミン(0.245mmol)を添加し、RMを80℃にて一晩撹拌する。RMをRTに冷却し、数滴の水で処理し、分取用HPLCで精製する。あるいは、RMをAcOEtで希釈し、塩水で2回洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残渣を、必要に応じて、分取用HPLCにより、又は、FCにより精製する。
【0284】
あるいは、6-ヒドロキシ-ピリミジン誘導体(0.1mmol)をDMF(1mL)中に溶解したものを、DBU(0.15mmol)とBOP(0.13mmol)で処理する。この溶液をRTにて15min~1h撹拌し、次いで、各アリール-エチルアミン(0.125mmol)を添加し、RMを80℃にて2~20h撹拌する。RMをRTに冷却し、数滴の水で処理し、分取用HPLCで精製する。又は、RMをEtOAcで希釈し、塩水で2回洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残渣を、必要に応じて、分取用HPLCにより、又は、FCにより精製する。
【0285】
A. 前駆体及び中間体の製造
A.1. 式(3)のハロゲン化ピリミジン誘導体の合成
A.1.1. 6-クロロ-N-(2-(ナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(1-ナフチル)エチルアミン塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.91min;[M+H]+=283.94。
【0286】
対応する市販のアリール エチルアミン及び4,6-ジクロロピリミジン又は4,6-ジヨードピリミジンを出発物質として、上記のA.1.1.の合成について記載した手順に従って、下記の式(3)のハロゲン化ピリミジン誘導体を合成する(表3参照。)。
【0287】
【0288】
【0289】
A.1.25. N-(2-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)-6-クロロピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.89min;[M+H]+=289.93。
【0290】
A.1.25.1 2-(ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタン-1-アミン表題の化合物を、(E)-4-(2-ニトロビニル)ベンゾ[b]チオフェンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.53min;[M+H]+=178.29。
【0291】
A.1.25.2 (E)-4-(2-ニトロビニル)ベンゾ[b]チオフェン
表題の化合物を、ベンゾ[b]チオフェン-4-カルバルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.89min;非イオン化。
【0292】
A.1.26. N-(2-(2-ブロモナフタレン-1-イル)エチル)-6-クロロピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(2-ブロモナフタレン-1-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造する。LC-MS A:tR=0.97min;[M+H]+=364.08。
【0293】
A.1.26.1 2-(2-ブロモナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-2-ブロモ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、2-(ナフタレン-1-イル)エタン-1-アミンを有するRMとして得る。LC-MS A:tR=0.60min;[M+H]+=249.96。
【0294】
A.1.26.2 (E)-2-ブロモ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレン
表題の化合物を、2-ブロモ-1-ナフトアルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.95min;非イオン化。
【0295】
A.1.27. 6-クロロ-N-(2-(5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、灰白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.84min;[M+H]+=305.95。
【0296】
A.1.27.1 2-(5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-4-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-5-メトキシ-4-(2-ニトロビニル)-2,3-ジヒドロベンゾフランを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.49min;[M+H]+=194.21。
【0297】
A.1.27.2 (E)-5-メトキシ-4-(2-ニトロビニル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン
表題の化合物を、5-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-4-カルバルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、深オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.87min;非イオン化。
【0298】
A.1.28. 6-クロロ-N-(2-(5-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.85min;[M+H]+=308.01。
【0299】
A.1.28.1 2-(5-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-5-メトキシ-4-(2-ニトロビニル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソールを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.49min;[M+H]+=196.16。
【0300】
A.1.28.2 (E)-5-メトキシ-4-(2-ニトロビニル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール
表題の化合物を、5-メトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-4-カルボキシアルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、深オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.88min;非イオン化。
【0301】
A.1.29. 6-クロロ-N-(2-(6-メチルキノリン-5-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(6-メチルキノリン-5-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、黄色のフォームとして得る。LC-MS A:tR=0.57min;[M+H]+=299.06。
【0302】
A.1.29.1 2-(6-メチルキノリン-5-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-6-メチル-5-(2-ニトロビニル)キノリンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、茶色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.28min;[M+H]+=187.29。
【0303】
A.1.29.2 (E)-6-メチル-5-(2-ニトロビニル)キノリン
表題の化合物を、6-メチル-5-キノリンカルバルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.59min;[M+H]+=215.11。
【0304】
A.1.30. 6-クロロ-N-(2-(2,3-ジメチルナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(2,3-ジメチルナフタレン-1-イル)エタン-1-アミンと
4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.98min;[M+H]+=312.11。
【0305】
A.1.30.1 2-(2,3-ジメチルナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-2,3-ジメチル-1-(2-ニトロビニル)ナフタレンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、薄黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.64min;[M+H]+=200.16。
【0306】
A.1.30.2 (E)-2,3-ジメチル-1-(2-ニトロビニル)ナフタレン
表題の化合物を、2,3-ジメチルナフタレン-1-カルバルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、深黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.97min;非イオン化。
【0307】
A.1.31. 6-クロロ-N-(2-(3-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(3-メトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.92min;[M+H]+=314.04。
【0308】
A.1.31.1 2-(3-メトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン表題の化合物を、(E)-3-メトキシ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、薄黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.58min;[M+H]+=202.15。
【0309】
A.1.31.2 (E)-3-メトキシ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレン
表題の化合物を、3-メトキシ-1-ナフトアルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、深黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.93min;非イオン化。
【0310】
A.1.32. 6-クロロ-N-(2-(5-エトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-メトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.90min;[M+H]+=321.93。
【0311】
A.1.32.1 2-(5-エトキシベンゾ[d][1,3]ジオキソール-4-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-5-メトキシ-4-(2-ニトロビニル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソールを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、無色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.55min;[M+H]+=210.13。
【0312】
A.1.32.2 (E)-5-エトキシ-4-(2-ニトロビニル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール
表題の化合物を、5-エトキシ-1,3-ベンゾジオキソール-4-カルボキシアルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.92min;非イオン化。
【0313】
A.1.33. 6-クロロ-N-(2-(1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、灰白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.95min;[M+H]+=315.08。
【0314】
A.1.33.1 2-(1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-1,2,3-トリメチル-7-(2-ニトロビニル)-1H-インドールを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.58min;[M+H]+=203.22。
【0315】
A.1.33.2 (E)-1,2,3-トリメチル-7-(2-ニトロビニル)-1H-インドール
表題の化合物を、1,2,3-トリメチル-1H-インドール-7-カルバルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、赤色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.96min;[M+H]+=231.13。
【0316】
A.1.34. 6-クロロ-N-(2-(7-メトキシキノリン-8-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(7-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.59min;[M+H]+=315.05。
【0317】
A.1.34.1 2-(7-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-7-メトキシ-8-(2-ニトロビニル)キノリンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、オレンジ色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.36min;[M+H]+=203.16。
【0318】
A.1.34.2 (E)-7-メトキシ-8-(2-ニトロビニル)キノリン
表題の化合物を、7-メトキシ-8-キノリンカルボキシアルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.86min;[M+H]+=231.10。
【0319】
A.1.35. 6-クロロ-N-(2-(2,5-ジメトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(2,5-ジメトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、白色のフォームとして得る。LC-MS A:tR=0.94min;[M+H]+=344.07。
【0320】
A.1.35.1 2-(2,5-ジメトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-2,5-ジメトキシ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、薄黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.61min;[M+H]+=232.14。
【0321】
A.1.35.2 (E)-2,5-ジメトキシ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレン
表題の化合物を、2,5-ジメトキシ-1-ナフトアルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.95min;[M+H]+=260.16。
【0322】
A.1.35.3 2,5-ジメトキシ-1-ナフトアルデヒド
塩化チタン(IV)(DCM中1.0M;11.7mL;2.2equiv.)をDCM(40mL)中に溶解したものに、0℃にて、ジクロロメチル メチル エーテル(672mg;1.1equiv.)をDCM(3mL)中に溶解したものを滴下する。次いで、1,6-ジメトキシナフタレン(1.00g;5.31mmol)をDCM(20mL)中に溶解したものを滴下し、RMを、0℃にて5min、そしてRTにて3h撹拌する。次いで、それを1M aq.HCl(75mL)でクエンチする。有機層を分離し、水、sat.NaHCO3溶液及び塩水で続けて洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。FC(Hept/DCM 1:9からDCMへ)で精製して、表題の化合物をオレンジ色のオイル(601mg、52%)として得る。LC-MS A:tR=0.87min;[M+H]+=217.07。
【0323】
A.1.36. 6-クロロ-N-(2-(2,3-ジメトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(2,3-ジメトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、茶色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.93min;[M+H]+=344.05。
【0324】
A.1.36.1 2-(2,3-ジメトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-2,3-ジメトキシ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレンを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.59min;[M+H]+=232.07。
【0325】
A.1.36.2 (E)-2,3-ジメトキシ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレン
表題の化合物を、2,3-ジメトキシ-1-ナフトアルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.91min;非イオン化。
【0326】
A.1.37. 6-クロロ-N-(2-(4-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(4-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、灰白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.90min;[M+H]+=334.00。
【0327】
A.1.37.1 2-(4-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(4-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、薄ピンク色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.60min;[M+H]+=222.09。
【0328】
A.1.37.2 Tert-ブチル (2-(4-(ジフルオロメチル)ナフタレ
ン-1-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、1-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)ナフタレンを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.96min;非イオン化。
【0329】
A.1.38. 6-クロロ-N-(2-(2-メチルベンゾフラン-7-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(2-メチルベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、灰白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.91min;[M+H]+=288.10。
【0330】
A.1.38.1 2-(2-メチルベンゾフラン-7-イル)エタン-1-アミン
塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(2-メチルベンゾフラン-7-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、薄黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.54min;[M+H]+=176.32。
【0331】
A.1.38.2 Tert-ブチル (2-(2-メチルベンゾフラン-7-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、7-ブロモ-2-メチル-1-ベンゾフランを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.93min;[M+H]+=276.11。
【0332】
A.1.39. 6-クロロ-N-(2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.83min;[M+H]+=302.15。
【0333】
A.1.39.1 2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.50min;[M+H]+=231.26。
【0334】
A.1.39.2 Tert-ブチル (2-(1,5-ジメチル-1H-インダゾール-4-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、4-ブロモ-1,5-ジメチル-1H-インダゾールを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.87min;[M+H]+=290.16。
【0335】
A.1.40. N-(2-(2-アミノナフタレン-1-イル)エチル)-6-クロロピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、1-(2-アミノエチル)ナフタレン-2-アミン 塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、茶色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.75min;[M+H]+=299.07。
【0336】
A.1.40.1 1-(2-アミノエチル)ナフタレン-2-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(2-アミノナフタレン-1-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、黒色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.48min;[M+H]+=187.21。
【0337】
A.1.40.2 Tert-ブチル (2-(2-アミノナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、1-ブロモナフタレン-2-アミンを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、黒色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.77min;[M+H]+=287.17。
【0338】
A.1.41. 6-クロロ-N-(2-(6-メチルイソキノリン-5-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(6-メチルイソキノリン-5-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.56min;[M+H]+=299.05。
【0339】
A.1.41.1 2-(6-メチルイソキノリン-5-イル)エタン-1-アミン
塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(6-メチルイソキノリン-5-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、薄黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.30min;[M+H]+=187.28。
【0340】
A.1.41.2 Tert-ブチル (2-(6-メチルイソキノリン-5-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、5-ブロモ-6-メチルイソキノリンを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、薄黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.62min;[M+H]+=287.17。
【0341】
A.1.42. 6-クロロ-N-(2-(1,2-ジメチル-1H-インドール-7-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(1,2-ジメチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミンと4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.90min;[M+H]+=301.06。
【0342】
A.1.42.1 2-(1,2-ジメチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-1,2-ジメチル-7-(2-ニトロビニル)-1H-インドールを用いて、上記の一般的手順Bに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.57min;[M+H]+=189.25。
【0343】
A.1.42.2 (E)-1,2-ジメチル-7-(2-ニトロビニル)-1H-インドール
表題の化合物を、1,2-ジメチル-1H-インドール-7-カルバルデヒドを用いて、上記の一般的手順Aに従って製造し、オレンジ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.91min;[M+H]+=217.12。
【0344】
A.1.43. 6-クロロ-N-(2-(2-(ジフルオロメチル)ナフタレン-
1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(2-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、薄黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.95min;[M+H]+=334.03。
【0345】
A.1.43.1 2-(2-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(2-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、薄黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.61min;[M+H]+=222.11。
【0346】
A.1.43.2 Tert-ブチル (2-(6-メチルイソキノリン-5-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(2-(ジフルオロメチル)ナフタレン-1-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、深黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.98min;非イオン化。
【0347】
A.1.44. 1-(2-((6-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)-2-ナフトニトリル
表題の化合物を、tert-ブチル (6-クロロピリミジン-4-イル)(2-(2-シアノナフタレン-1-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、ベージュ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.88min;[M+H]+=309.02。
【0348】
A.1.44.1 Tert-ブチル (6-クロロピリミジン-4-イル)(2-(2-シアノナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート
Tert-ブチル (2-(2-シアノナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート(350mg、1.18mmol)を乾燥ジオキサン(6mL)中に溶解する。溶液を15℃に冷却し、水素化ナトリウム(189mg、4.72mmol)を少しずつ添加する。Rtにて15min撹拌した後、4,6-ジクロロピリミジン(440mg、2.95mmol)を懸濁液に15℃にて添加する。RMを90℃に加熱し、一晩撹拌する。RMを0℃にて水で注意深くクエンチし、次いでEtOAcで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。FC(Hept/EtOAc 10:0から7:3へ)で精製して、表題の化合物を白色の固体(0.370g、77%)として得る。LC-MS A:tR=1.08min;[M+H]+=409.15。
【0349】
A.1.44.2 Tert-ブチル (2-(2-シアノナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、1-ブロモナフタレン-2-カルボニトリルを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、ベージュ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.92min;[M+H]+=297.11。
【0350】
A.1.45. 6-クロロ-N-(2-(7-メトキシ-4-メチルキノリン-8-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(7-メトキシ-4-メチルキノリン-8-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と4,6-ジクロロピリミジンを用いて、上記の一般的手順Fに従って製造し、ベージュ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.59min;[M+H]+=329.05。
【0351】
A.1.45.1 2-(7-メトキシ-4-メチルキノリン-8-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(7-メトキシ-4-メチルキノリン-8-イル)エチル)カーバメートを用いて、上記の一般的手順Eに従って製造し、黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.36min;[M+H]+=217.15。
【0352】
A.1.45.2 Tert-ブチル (2-(7-メトキシ-4-メチルキノリン-8-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、8-ブロモ-7-メトキシ-4-メチルキノリンを用いて、上記の一般的手順Cに従って製造し、黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.63min;[M+H]+=317.14。
【0353】
A.1.45.3 8-ブロモ-7-メトキシ-4-メチルキノリン
7-メトキシ-4-メチルキノリン(1.00g、5.77mmol)をDCM(25mL)中に溶解した溶液に、撹拌下、NBS(1.23g、6.91mmol)を添加する。得られた懸濁液をRTにて3日間撹拌する。RMをDCMで希釈し、飽和NaHCO3水溶液及び塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、次いでFCで精製して、所望の生成物を黄色の固体(1.118g、77%)として得る。LC-MS A:tR=0.51min;[M+H]+=252.00。
【0354】
A.1.46. N-(2-(4-ブロモナフタレン-1-イル)エチル)-6-ヨードピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(4-ブロモナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン及び4,6-ジヨードピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.02min;[M+H]+=453.95。
【0355】
A.1.46.1. 2-(4-ブロモナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン表題の化合物を、(E)-1-ブロモ-4-(2-ニトロビニル)ナフタレンから、一般的手順Bに従って得る。LC-MS B:tR=0.67min;[M+H]+=250.24。
【0356】
A.1.46.2. (E)-1-ブロモ-4-(2-ニトロビニル)ナフタレン
表題の化合物を、4-ブロモ-1-ナフトアルデヒドから、一般的手順Aに従って得る。LC-MS B:tR=1.06min;非イオン化。1H NMR(400MHz、d6-DMSO) δ:8.84(d、J=13.3Hz、1H)、8.39(d、J=7.9Hz、1H)、8.28(m、2H)、8.02(s、2H)、7.81(m、2H)。
【0357】
A.1.47. 6-クロロ-N-(2-(5-フルオロナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-フルオロナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.02min;[M+H]+=302.16。
【0358】
A.1.47.1. 2-(5-フルオロナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(5-フルオロナフタレン-1-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.61min;[M+H]+=190.39。
【0359】
A.1.47.2. Tert-ブチル (2-(5-フルオロナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、1-ブロモ-5-フルオロナフタレンから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.05min;[M+H-CH3]+=275.24。
【0360】
A.1.48. 6-クロロ-N-(2-(6-フルオロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(6-フルオロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.00min;[M+H]+=308.11。
【0361】
A.1.48.1. 2-(6-フルオロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(6-フルオロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.59min;[M+H]+=196.27。
【0362】
A.1.48.2. Tert-ブチル (2-(6-フルオロベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、4-ブロモ-6-フルオロベンゾ[b]チオフェンから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.04min;[M+H-CH3]+=281.18。
【0363】
A.1.48.3. 4-ブロモ-6-フルオロベンゾ[b]チオフェン
4-ブロモ-6-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(500mg、1.82mmol)、酸化銅(I)(65mg、0.454mmol)及びDMF(9mL)の混合物を、N2下で140℃にて一晩撹拌する。次いで、それをRTに冷却し、EtOAcで洗浄しながらWhatman filter上でろ過する。ろ液をNH4OHの溶液で2回洗浄し、次いで、水層を合わせたものをEtOAcで抽出する(2x)。有機層を水でさらに洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥し、濃縮乾固する。残渣をFC(Hept:EtOAc 1:0から9:1へ)で精製して、生成物を白色の固体(254mg、60%)として得る。LC-MS B:tR=1.02min;非イオン化。
【0364】
A.1.49. 6-クロロ-N-(2-(3-フルオロナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(3-フルオロナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.02min;[M+H]+=302.19。
【0365】
A.1.49.1. 2-(3-フルオロナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-3-フルオロ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレンから、一般的手順Bに従って得る。LC-MS B:tR=0.60min;[M+H]+=190.34。
【0366】
A.1.49.2. (E)-3-フルオロ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレン表題の化合物を、3-フルオロナフタレン-1-カルバルデヒドから、一般的手順Aに従って得る。LC-MS B:tR=0.60min;[M+H]+=190.34。
【0367】
A.1.50. 6-クロロ-N-(2-(5-メチルナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-メチルナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.04min;[M+H]+=298.18。
【0368】
A.1.50.1. 2-(5-メチルナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン
塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(5-メチルナフタレン-1-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.63min;[M+H]+=186.43。
【0369】
A.1.50.2. Tert-ブチル (2-(5-メチルナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、1-ブロモ-5-メチルナフタレンから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.07min;[M+H-CH3]+=271.31。
【0370】
A.1.51. 6-クロロ-N-(2-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.00min;[M+H]+=320.14。
【0371】
A.1.51.1. 2-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.60min;[M+H]+=208.26。
【0372】
A.1.51.2. Tert-ブチル (2-(5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、4-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェンから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.04min;[M+H]+=308.19。
【0373】
A.1.51.3. 4-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン
ヨードメタン(0.083mL、1.32mmol)を、4-ブロモ-1-ベンゾチオフェン-5-オール(300mg、1.26mmol)及びK2CO3(261mg、1.89mmol)をDMF(5mL)中に溶解した、RTの溶液に添加する。RMを60℃にて1h撹拌し、次いでRTに冷却し、水とEtOAcの間で分画する。有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して、表題の化合物を黄色のオイル(330mg、quant.)として得る。LC-MS B:tR=0.99min;非イオン化。
【0374】
A.1.52. 6-クロロ-N-(2-(5-エトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-エトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.05min;[M+H]+=334.18。
【0375】
A.1.52.1. 2-(5-エトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エタ
ン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(5-エトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.66min;[M+H]+=222.27。
【0376】
A.1.52.2. Tert-ブチル (2-(5-エトキシベンゾ[b]チオフェン-4-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、4-ブロモ-5-エトキシベンゾ[b]チオフェンから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.08min;[M+H]+=321.95。
【0377】
A.1.52.3. 4-ブロモ-5-エトキシベンゾ[b]チオフェン
ヨードエタン(0.107mL、1.32mmol)を、4-ブロモ-1-ベンゾチオフェン-5-オール(300mg、1.26mmol)及びK2CO3(261mg、1.89mmol)をDMF(5mL)中に溶解した、RTの溶液に添加する。RMを60℃にて一晩撹拌し、次いでRTに冷却し、水とEtOAcの間で分画する。有機抽出物を塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮する。残渣をFC(ヘプタン/EtOAc 1:0から7:3へ)で精製して、表題の化合物を無色のオイル(302mg、93%)として得る。LC-MS B:tR=1.04min;非イオン化。
【0378】
A.1.53. N-(2-(2-ブロモ-4-フルオロナフタレン-1-イル)エチル)-6-ヨードピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(2-ブロモ-4-フルオロナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン及び4,6-ジヨードピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=1.04min;[M+H]+=471.89。
【0379】
A.1.53.1. 2-(2-ブロモ-4-フルオロナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-2-ブロモ-4-フルオロ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレンから、一般的手順Bに従って得る。LC-MS B:tR=0.69min;[M+H]+=268.18。
【0380】
A.1.53.2. (E)-2-ブロモ-4-フルオロ-1-(2-ニトロビニル)ナフタレン
表題の化合物を、2-ブロモ-4-フルオロ-1-ナフトアルデヒドから、一般的手順Aに従って得る。LC-MS B:tR=1.09min;非イオン化。1H NMR(400MHz、d6-DMSO) δ:8.76(d、J=13.3Hz、1H)、8.42(m、2H)、8.35(d、J=13.3Hz、1H)、8.16-8.18(m、1H)、7.80-7.83(m、2H)。
【0381】
A.1.54. 6-クロロ-N-(2-(6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=0.96min;[M+H]+=317.21。
【0382】
A.1.54.1. 2-(6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.51min;非イオン化。
【0383】
A.1.54.2. Tert-ブチル (2-(6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、7-ブロモ-6-メトキシ-1-メチル-1H-インドールから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.01min;[M+H]+=305.24。
【0384】
A.1.54.3. 7-ブロモ-6-メトキシ-1-メチル-1H-インドール
7-ブロモ-6-メトキシ-1H-インドール(1275mg、3.64mmol)をDMF(20mL)中に溶解したものを0℃にて冷却する。水素化ナトリウム(オイル中の60%懸濁液、262mg、6.56mmol)を少しずつ添加し、RMをRTにて45min撹拌する。ヨードメタン(0.454mL、7.29mmol)を滴下し、RMをRTにて一晩撹拌する。次いで、それをsat.aq.NH4Cl中に注ぐことにより注意深くクエンチし、DCMで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせたものを塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、真空下で濃縮する。残渣をFC(Hept:EtOAc 1:0から17:3へ)で精製して、表題の化合物を黄色のオイル(260mg、55%)として得る。LC-MS B:tR=0.96min;[M+H]+=240.15。
【0385】
A.1.54.4. 7-ブロモ-6-メトキシ-1H-インドール
2-ブロモ-1-メトキシ-3-ニトロベンゼン(2500mg、10.8mmol)をTHF(200mL)中に溶解し、-78℃に冷却する。ビニルマグネシウムブロミド(THF中1M、37.7mL、37.7mmol)を、混合物に滴下する。反応液を-78℃にて一晩撹拌し、混合物をRTにする。50mLの飽和NH4Cl溶液をゆっくりと添加する。混合物を水で希釈し、DCMで抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥し、濃縮する。残渣をFC(Hept:DCM 1:0から1:1へ)で精製して、表題の化合物を薄オレンジ色の固体(443mg、18%)として得る。LC-MS B:tR=0.86min;非イオン化。
【0386】
A.1.55. 6-クロロ-N-(2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=0.96min;[M+H]+=317.21。
【0387】
A.1.55.1. 2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.56min;[M+H]+=205.34。
【0388】
A.1.55.2. Tert-ブチル (2-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-4-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、4-ブロモ-5-メトキシ-1-メチル-1H-インドールから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.00min;[M+H]+=305.23。
【0389】
A.1.55.3. 4-ブロモ-5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール
NaH(オイル中60%、75.6mg、3.15mmol)を、4-ブロモ-5-メトキシ-1H-インドール(500mg、2.1mmol)をDMF(5mL)中に溶解したRTの溶液に添加する。RMをRTにて20min撹拌し、ヨードメタン(0.145
mL、2.31mmol)を添加する。次いで、RMをRTにて一晩撹拌する。水を添加し、混合物をEtOAcで2回抽出する。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をFC(ヘプタン:EtOAc 1:0から7:3へ)で精製して、表題の化合物をベージュ色の固体(426mg、84%)として得る。LC-MS B:tR=0.94min;[M+H]+=241.91。
【0390】
A.1.56. 6-クロロ-N-(2-(1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩及び4,6-ジクロロピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=0.98min;[M+H]+=301.19。
【0391】
A.1.56.1. 2-(1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Eに従って得る。LC-MS B:tR=0.58min;[M+H]+=189.37。
【0392】
A.1.56.2. Tert-ブチル (2-(1,5-ジメチル-1H-インドール-4-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、4-ブロモ-1,5-ジメチル-1H-インドールから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=1.03min;[M+H]+=289.25。
【0393】
A.1.56.3. 4-ブロモ-1,5-ジメチル-1H-インドール
NaH(オイル中60%、81.4mg、3.39mmol)を、4-ブロモ-5-メチル-1H-インドール(500mg、2.26mmol)をDMF(5mL)中に溶解したRTの溶液に添加する。それをRTにて20min撹拌し、ヨードメタン(0.156mL、2.49mmol)を添加する。RMをRTにて3h撹拌する。水を添加し、混合物をEtOAcで2回抽出する。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をFC(ヘプタン:EtOAc 1:0から7:3へ)で精製して、表題の化合物をベージュ色の固体(464mg、92%)として得る。LC-MS B:tR=1.02min;[M+H]+=226.2。
【0394】
A.1.57. N-(2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エチル)-6-ヨードピリミジン-4-アミン
表題の化合物を、2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミン及び4,6-ジヨードピリミジンから、一般的手順Fに従って得る。LC-MS B:tR=0.98min;[M+H]+=456.94。
【0395】
A.1.57.1. 2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-イル)エタン-1-アミン
表題の化合物を、(E)-4-ブロモ-1-メチル-7-(2-ニトロビニル)-1H-インドールから、一般的手順Bに従って得る。LC-MS B:tR=0.64min;[M+H]+=253.15。
【0396】
A.1.57.2. (E)-4-ブロモ-1-メチル-7-(2-ニトロビニル)-1H-インドール
表題の化合物を、4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-カルバルデヒドから、一般的手順Aに従って得る。LC-MS B:tR=1.03min;[M+H]+=281.04。
【0397】
A.1.57.3. 4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-カルバルデヒド
メチル 4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール-7-カルボキシレート(1009mg、3.61mmol)をTHF(15mL)中に溶解した氷冷溶液中に、LiAlH4の溶液(THF中2M、2.17mL、4.34mmol)を滴下し、RMを2h撹拌して、温度をRTにする。RMを再び0℃にして、165μLの水、0.330mLの10%水酸化ナトリウム水溶液及び0.495mLの水を順番に滴下し、RMをRTにて30min撹拌する。それをcelite上でろ過し、DCMでリンスし、減圧下で濃縮する。残渣をTHF(40mL)中にとり、MnO2(3769mg、43.4mmol)を少しずつ添加し、RMをRTにて24h撹拌する。次いで、それをCelite上でろ過し、ケークをEtOAcでリンスし、ろ液を減圧下で濃縮して、表題の化合物をオレンジ色のオイル(844mg、98%)として得る。LC-MS B:tR=0.94min;[M+H]+=238.12。
【0398】
A.1.58. 1-(2-((6-クロロピリミジン-4-イル)アミノ)エチル)-8-フルオロ-5-メトキシ-2-ナフトニトリル
Tert-ブチル (6-クロロピリミジン-4-イル)(2-(2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート(83mg、0.174mmol)をHCl(ジオキサン中4M、4.35mL、17.4mmol)中に懸濁し、60℃にて一晩撹拌する。混合物を真空下で蒸発させ、高真空下でよく乾燥し、表題の化合物を白色の固体(56mg、90%)として得る。LC-MS B:tR=0.97min;[M+H]+=357.18。
【0399】
A.1.58.1. Tert-ブチル (6-クロロピリミジン-4-イル)(2-(2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート
tert-ブチル (2-(2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート(100mg、0.267mmol)をジオキサン(6mL)中に溶解したものに、RTにて、NaH(オイル中の60%懸濁液、48.1mg、1.2mmol)を少しずつ添加する。RMをRTにて5min撹拌し、次いで、4-クロロ-6-フルオロピリミジン(85.7mg、0.614mmol)を少しずつ添加し、RMを20h還流する。アイスバスで冷却しながら、N2下で、混合物を5mLの水を滴下することにより、注意深くクエンチする。ジオキサンの大部分を真空下で除き、次いでそれをDCMで1回、次にEtOAcで2回抽出する。有機層を10mLの塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残渣をFC(Hept/DCM 1:0から0:1へ)で精製して、表題の化合物を白色の固体(83mg、66%)として得る。LC-MS B:tR=1.32min;[M+H]+=457.26。
【0400】
A.1.58.2. Tert-ブチル (2-(2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)カーバメート
2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシナフタレン-1-イル トリフルオロメタンスルホネート(677mg、1.86mmol)、カリウム tert-ブチル N-[2-(トリフルオロボラヌイジル)エチル]カーバメート(514mg、2.05mmol)及びCs2CO3(1M、5.6mL、5.58mmol)をトルエン(20mL)中に混合したものを、N2で脱気し、次いで[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(152mg、0.186mmol)を添加し、RMを2h還流する。それをRTに冷まし、水とEtOAcを添加し、得られた混合物をろ過し、EtOAcでリンスし、抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮乾固する。残渣をFC(Hept:EtOAc 1
:0から1:1へ)で精製して、表題の化合物をベージュ色の固体(410mg、64%)として得る。LC-MS B:tR=1.05min;[M-tBu]+=289.21。
【0401】
A.1.58.3. 2-シアノ-8-フルオロ-5-メトキシナフタレン-1-イル トリフルオロメタンスルホネート
8-フルオロ-1-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-ナフトニトリル(200mg、0.783mmol)及びTEA(0.284mL、2.04mmol)をDCM(5mL)中に溶解したものに、RTにて、N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(485mg、1.33mmol)を少しずつ添加する。RMをRTにて一晩撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、FC(Hept:DCM 1:0から1:1へ)で精製する。表題の化合物を白色の固体(275mg、100%)として得る。LC-MS B:tR=1.10min;[M+CH3CN+H]+=391.27。
【0402】
A.1.58.4. 8-フルオロ-1-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-ナフトニトリル
N2下でRTにて、8-フルオロ-1-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-ナフトアルデヒド(453mg、1.81mmol)をDMF(5mL)中に溶解し、次いで、ヒドロキシアミン塩酸塩(152mg、2.16mmol)を添加し、混合物をRTにて1h撹拌する。次いで、塩化アセチル(0.158mL、2.19mmol)を添加し、RMを100℃にて一晩撹拌する。RTに冷却した後、混合物を25mLの水で処理し、1h撹拌する。次いで、それをDCMで1回、そしてEtOAcで2回抽出し、MgSO4上で乾燥し、濃縮する。残渣をFC(Hept:EtOAc 1:0から1:1へ)で精製して、表題の化合物を茶色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.89min;非イオン化。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ:8.85(m、1H)、8.17(dd、J1=2.2Hz、J2=8.9Hz、1H)、7.73(m、1H)、7.32(dd、J1=8.7Hz、J2=10.0Hz、1H)、6.97(dd、J1=3.8Hz、J2=8.7Hz、1H)、4.06(s、3H)。
【0403】
A.1.58.5. 8-フルオロ-1-ヒドロキシ-5-メトキシ-2-ナフトアルデヒド
ジオキサン(10mL)中の(Z)-8-フルオロ-2-(ヒドロキシメチレン)-5-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン(450mg、2.03mmol)に、DDQ(506mg、2.23mmol)を一度に添加する。RMを1h還流する。冷却後、混合物をsat.NaHCO3で処理し、EtOAcで抽出し、MgSO4上で乾燥し、濃縮して、表題の化合物をオレンジ色の固体(450mg、100%)として得る。LC-MS B:tR=0.96min;[M+H]+=221.35。
【0404】
A.1.58.6. (Z)-8-フルオロ-2-(ヒドロキシメチレン)-5-メトキシ-3,4-ジヒドロナフタレン-1(2H)-オン
NaH(オイル中60%、352mg、8.81mmol)を乾燥THF(16mL)中に懸濁したものを、窒素下で撹拌し、アイス-アセトンバス中で冷却し、その間にギ酸エチル(1.22mL、14.7mmol)をそれに添加する。混合物を-5℃未満で20min撹拌した後、8-フルオロ-5-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-オン(500mg、2.45mmol)を一度に添加する。RMをRTに温まるようにする。メタノール(1mL)を添加し、次いで水(1mL)を0℃にて滴下する。混合物を10mLの2N HClで処理し、THFの一部を減圧下で蒸発させる。次いで、混合物をDCMで抽出し、抽出物を合わせたものを乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で蒸発乾固する。残渣をFC(Hept:DCM 100:0から75:25へ)で精製して、所望の生成物を黄色の固体(450mg、83%)として得る。LC-MS
B:tR=0.90min;[M+H]+=223.37。
【0405】
A.2. 式(4)のボロン酸誘導体の合成
A.2.1. 3-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-カルボン酸
リチウム ジイソプロピルアミド(THF/ヘキサン中2.0M、25mL、49.6mmol)を、3-エトキシチオフェン-2-カルボン酸(4.00g、22.5mmol)を乾燥THF(130mL)中に溶解したものに-78℃にて滴下する。得られたRMを、-78℃にて30min、次いで0℃にて10min撹拌する。-78℃に戻し、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(9.38mL、45.1mmol)を乾燥THF(30mL)中に溶解したものを滴下し、RMをゆっくりと一晩RTに温まるようにする。2N HCl(50mL)を0℃にて滴下し、次いでTHFを真空下で除き、RMをEtOAcで2回抽出する。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を除く。粗生成物をFC(Hept/DCM/EtOAc 1:0:0から0:9:1へ)で精製して、表題の化合物を白色の固体(5.26g、78%)として得る。LC-MS A:tR=0.48min;[M+H]+=217.07(LC-MSカラム上におけるピナコールエステルの加水分解によるボロン酸)。
【0406】
A.2.2. 5-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1H-テトラゾール
2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(500mg、1.83mmol)、アジドトリブチルスズ(IV)(0.768mL、2.75mmol)及び乾燥トルエン(4mL)の混合物を、MW照射下、180℃にて1h加熱する。RMをRTに冷却し、0.1N HClで処理し、EtOAcで抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮する。残渣をFC(ヘプタン:EtOAc 100:0から10:90へ)で精製して、表題の化合物を白色の固体(135mg、23%)として得る。LC-MS B:tR=0.94min;[M+H]+=317.26。
【0407】
A.2.2.1. 2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル
2-ヒドロキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾニトリル(1.50g、6.12mmol)、K2CO3(1.69g、12.2mmol)をDMF(4mL)及びヨードエタン(0.596mL、7.34mmol)中に溶解したものを、120℃にて30min加熱する。RMをRTに冷却し、DCMと1N NaHCO3の間で分画する。水層をDCMで再抽出し、有機物を合わせたものを乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮して、表題の化合物をベージュ色の固体(1.31g、78%)として得る。LC-MS B:tR=1.06min;[M+CH3CN]+=315.26。
【0408】
A.2.3. 2-(ジフルオロメトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)安息香酸
4-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)安息香酸(1.00g、3.56mmol)をDMF(20mL)中に溶解したものに、RTにて、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.355g、5.34mmol)、KOAc(1.047g、10.7mmol)及び1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン ジクロロパラジウム(II)(208mg、0.285mmol)を添加する。RMを100℃にて17h撹拌し、次いでRTに冷却し、EtOAcで洗浄しながらceliteのパッドを通してろ過し、ろ液を水で洗浄し、水層をEtOAcで抽出する(x2)。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Mg
SO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣を、DCMで溶出するFCで精製して、表題の化合物をオレンジ色の固体(846mg、76%)として得る。LC-MS A:tR=0.37min;[M+H]+=313.11。
【0409】
上記A.2.3.の合成について記載した方法に従って、下記のボロン酸誘導体を、対応する市販のハロゲン化物を出発物質として合成する(表4参照。)。
【0410】
【0411】
A.2.7. 2-フルオロ-6-プロピル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)安息香酸
表題の化合物を、4-ブロモ-2-フルオロ-6-プロピル安息香酸を出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS D:tR=0.48min;[M-H]+=307.11。
【0412】
A.2.7.1. 4-ブロモ-2-フルオロ-6-プロピル安息香酸
4-ブロモ-2,6-ジフルオロ安息香酸(5.00g、21.1mmol)をTHF(50mL)中に溶解したものに、0℃にて、30minにわたって、n-プロピルマグネシウムブロミド(THF中2M、21.6mL、43.2mmol)を滴下する。RMをRTになるようにし、17h撹拌し、次いで、0℃にて、MeOH(10mL)で注意深くクエンチする。5min撹拌した後、溶媒を減圧下で除く。残渣をEtOAcと2N HClの間で分画する。水相をEtOAcで再抽出する(2x)。有機相を合わせたものを、水、塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残渣をFC(ヘプタン/EtOAc 100:0から70:30へ)で精製して、表題の化合物を白色の固体(4.45g、81%)として得る。LC-MS A:tR=0.84min;非イオン化。
【0413】
A.2.8. 5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸
表題の化合物を、3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸を出発物質として、A.2.1.について記載した手順に従って製造する。LC-MS A:tR=0.59min;非イオン化。
【0414】
A.2.8.1. 3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸
3-(トリフルオロメチル)チオフェン(0.4mL、3.68mmol)を乾燥THF(10mL)中に溶解した-78℃の溶液に、ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中1.38M、2.93mL、4.05mmol)を滴下し、RMを30min撹拌する。次いで
、RMを過剰量の新たに破砕したドライアイス二酸化炭素上に注ぐ。RMがRTに戻り次第、1N HClをpH<3になるまで添加し、RMをDCMで抽出する(3x)。有機層をMgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮し、表題の化合物を薄黄色の固体(0.72g、定量的)として得る。LC-MS A:tR=0.69min;非イオン化。
【0415】
A.2.9. 2-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)酢酸
エチル 2-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)アセテート(1.285g、3.82mmol)をEtOH(15mL)中に溶解したものを、10%NaOH(7.64mL、19.1mmol)で処理し、RMを50℃にて30min撹拌する。RMをRTに冷却し、EtOAcで希釈する。2N HCl(15mL)を添加して、酸性pH(<1)にする。水層をEtOAcで2回抽出する。得られた有機相をMgSO4上で乾燥し、濃縮して、表題の化合物をオレンジ色のペーストとして得る。LC-MS A:tR=0.80min;[M+H]+=323.12。
【0416】
A.2.9.1. エチル 2-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)アセテート
2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(3.47g、12.5mmol)をDMF(50mL)中に溶解したものを、炭酸セシウム(6.10g、18.7mmol)とブロモ酢酸エチル(1.48mL、13.1mmol)で連続的に処理する。RMをRTにて1h撹拌する。水を添加し、RMをEt2Oで抽出する(x3)。次いで、有機層を合わせたものを、水(x2)と塩水で連続的に洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮乾固して、純粋な生成物を無色のオイル(1.46g、77%)として得る。LC-MS A:tR=0.94min;[M+H]+=351.18。
【0417】
A.2.10. (2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)グリシン
メチル (2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)グリシネート(207mg、0.61mmol)をTHF/H2O(4:1)(5mL)中に溶解したものに、LiOH.H2O(51mg、1.21mmol)を添加し、混合物をRTにて2h撹拌する。混合物を1N HCl(1mL)で処理し、EtOAcで抽出し、MgSO4上で乾燥し、濃縮して、表題の化合物を茶色のオイル(0.151g、78%)として得る。LC-MS A:tR=0.82min;[M+H]+=322.07。
【0418】
A.2.10.1. メチル (2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)グリシネート
表題の化合物を、メチル (4-ブロモ-2-エトキシフェニル)グリシネートを出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS A:tR=0.93min;[M+H]+=336.28。
【0419】
A.2.10.2. メチル (4-ブロモ-2-エトキシフェニル)グリシネート4-ブロモ-2-エトキシアニリン(0.60g、2.64mmol)をDMF(2.5mL)中に溶解したものに、DiPEA(0.673mL、3.96mmol)、次いでブロモ酢酸メチル(0.275mL、2.9mmol)を添加する。RMを、マイクロ波装置内で90℃にて1h撹拌する。DMFを高真空下で蒸発させ、残渣を、1:0から17:3へのHept/EtOAcで溶出するFCにより精製して、表題の化合物を暗赤色のオイル(0.71g、94%)として得る。LC-MS A:tR=0.89min;
[M+H]+=288.08。
【0420】
A.2.11. 3-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オン
表題の化合物を、3-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5(4H)-オンを出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS A:tR=0.89min;[M+H]+=333.06。
【0421】
A.2.11.1. 3-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン
4-ブロモ-2-エトキシ-N’-ヒドロキシベンズイミドアミド(1.395g、5.38mmol)、1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.31g、8.08mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(1.23mL、8.08mmol)をジオキサン(20mL)中に溶解したものを、90℃にて4h30min撹拌する。RTになり次第、1M HClを添加し、それにより生成物が沈殿した。ジオキサンをN2気流により部分的に蒸発させた後、真空下で固体をろ過し、水で洗浄する。表題の化合物を白色の固体(1.375g、90%)として得る。LC-MS A:tR=0.81min、[M+MeCN]+=325.89。
【0422】
A.2.11.2. 4-ブロモ-2-エトキシ-N’-ヒドロキシベンズイミドアミド
4-ブロモ-2-エトキシベンゾニトリル(1.50g、6.5mmol)、ヒドロキシアミン塩酸塩(913mg、13mmol)及びNaHCO3(1.365g、16.3mmol)を水(1.32mL)とEtOH(26.6mL)中に懸濁したものを、封止したチューブ内で90℃にて3h撹拌する。RTになり次第、水を添加し、それによりRMから生成物が沈殿した。水及びいくらかのEt2Oで洗浄しながら、固体を高真空下でろ過する。このようにして、純粋な表題化合物(947mg)の最初の収量を白色の固体として得る。ろ液をEtOAcで抽出する。次いで、有機層を塩水で2回洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残渣をFC(hept/EtOAc 5:5)により精製して、純粋な表題化合物の別の収量を白色の固体(448mg)として得、沈殿から得られた最初のバッチを合わせる。表題の化合物を白色の固体(1.395g、83%)として得る。LC-MS A:tR=0.53min、[M+H]+=259.03。
【0423】
A.2.12. 3-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)プロパン酸
表題の化合物を、3-(4-ブロモ-2-エトキシフェノキシ)プロパン酸を出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS D:tR=0.45min;[M-H]+=335.18。
【0424】
A.2.12.1. 3-(4-ブロモ-2-エトキシフェノキシ)プロパン酸
MWバイアルに、4-ブロモ-2-エトキシフェノール(1300mg、5.98mmol)、H2O(5mL)、32%NaOH(1.332mL、14.38mmol)及び3-クロロプロピオン酸(674mg、6.08mmol)を仕込む。それを封止し、120℃にて40min照射する。RMを水で希釈し、2N HClでpHをpH9に下げ、次いでEtOAcで2回抽出する。次いで、塩基性水層をpH2に酸性化し、EtOAcで2回抽出し、有機抽出物を合わせたものを、水、塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発乾固して、表題の化合物を白色の粉末(0.448g、56%)として得る。LC-MS B:tR=0.89min;[M+H]+=289.10。
【0425】
A.2.13. メチル (E)-3-(3-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-イル)アクリレート
表題の化合物を、メチル (E)-3-(3-エトキシチオフェン-2-イル)アクリレートを出発物質として、A.2.1.について記載した手順に従って製造する。LC-MS A:tR=1.02min;[M+H]+=339.14。
【0426】
A.2.13.1. メチル (E)-3-(3-エトキシチオフェン-2-イル)アクリレート
3-エトキシチオフェン-2-カルバルデヒド(2.90g、18.6mmol)、ブロモ酢酸メチル(3.07mL、33.4mmol)及びトリフェニルホスフィン(7.305g、27.8mmol)を飽和NaHCO3水溶液(100mL)中に懸濁したものを、RTにて5h撹拌する。THF(30mL)を添加し、RMをRTにて一晩撹拌する。次いで、それをDCMで2回抽出する。有機層を合わせたものをMgSO4上で乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮する。粗製物をFC(Hept/EtOAc 9:1)により精製して、表題の化合物を暗オレンジ色のオイル(2.9g、100%)として得る。LC-MS A:tR=0.69min;[M+MeCN]+=198.26。
【0427】
A.2.14. 3-(3-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-イル)プロパン酸
メチル (E)-3-(3-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-イル)アクリレート[A.2.13.](250mg、0.786mmol)をMeOH(15mL)中に溶解したものに、Pd/C 5%含水(50mg)を添加する。次いで、容器をN2で不活化(inertized)し、H2でフラッシュする。RMをオートクレーヴ内に置き、それを、4BarのH2下でRTにて一晩、次いで4barのH2下で50℃にて1日撹拌する。Whatmanフィルタ上でろ過後、10%NaOH(1.18mL、11.8mmol)を添加し、RMをRTにて1h撹拌する。次いで、それをpH<1になるまで2N HClで処理し、EtOAcで2回抽出する。有機層をMgSO4上で乾燥し、濃縮して、表題の化合物を暗黄色のオイル(287mg、74%)として得る。LC-MS A:tR=0.86min;[M+H]+=327.09。
【0428】
A.2.15. 3-エトキシ-4-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン
3-エトキシ-4-(トリブチルスタニル)シクロブタ-3-エン-1,2-ジオン(335mg、0.807mmol)と4-ヨードフェニルボロン酸、ピナコールエステル(298mg、0.904mmol)を、N2を5min通気しながら、DMF(4mL)中に溶解する。トランス-ベンジル(クロロ)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(36.7mg、0.0484mmol)とCuI(15.4mg、0.0807mmol)を添加し、RMをRTにて3h撹拌し、次いでマイクログラスフィルター上でろ過し、真空下で濃縮し、FC(H:EtOAc 100:0から80:20へ)により精製して、表題の化合物を黄色の固体(127mg、48%)として得る。LC-MS A:tR=0.97min;[M+MeCN]+=370.07。
【0429】
A.2.16. 3-(3-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-イル)オキセタン-3-オール表題の化合物を、3-(3-メトキシチオフェン-2-イル)オキセタン-3-オールを出発物質として、A.2.1.について記載した手順に従って製造する。LC-MS A:tR=0.78min;[M-H2O]+=295.12。
【0430】
A.2.16.1. 3-(3-メトキシチオフェン-2-イル)オキセタン-3-オール
3-メトキシチオフェン(1.00g、8.58mmol)及びN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(1.55mL、10.3mmol)をEt2O(30mL)中に溶解した溶液に、撹拌下、ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、6.4mL、10.3mmol)を0℃にて滴下する。RMをRTにて30min撹拌し、次いで3-オキセタノン(0.761mL、12.9mmol)を滴下し、RMをRTにて35min撹拌し、次いで水で希釈し、水層をEtOAcで3回抽出し、有機層を合わせたものをMgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をFC(HeptからHept/EtOAc 8:2へ)で精製して、表題の化合物を明黄色のオイル(1.123g、70%)として得る。LC-MS A:tR=0.53min;[M-H2O]+=169.04。
【0431】
A.2.17. メチル 2-(3-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-イル)アセテート
メチル 2-(3-エトキシチオフェン-2-イル)アセテート(815mg、4.07mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(633mg、2.44mmol)、(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体(28.9mg、0.0437mmol)及び4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル(26.8mg、0.0999mmol)をTHF(19.3mL)中に懸濁したものを、窒素気流で15min脱気し、次いで80にて一晩撹拌する。RMを減圧下で濃縮し、残渣をFC(HeptからHept/EtOAc 9:1へ)により精製して、表題の化合物を無色のオイルとして得、それは自然に結晶化した。LC-MS B:tR=1.03min;[M+H]+=327.14。
【0432】
A.2.17.1. メチル 2-(3-エトキシチオフェン-2-イル)アセテート
安息香酸銀(1800mg、7.78mmol)を、2-ジアゾ-1-(3-エトキシチオフェン-2-イル)エタン-1-オン(2025mg、10.3mmol)とTEA(4.31mL、31mmol)をMeOH(52.7mL)中に溶解したものに少しずつ添加し、RMをRTにて2h撹拌する。次いでそれをEtOAcで希釈し、celite上でろ過する。ろ液を、飽和NaHCO3水溶液で2回、そして塩水で1回洗浄する。有機層をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残渣をFC(HeptからHept/EtOAc 95:5へ)により精製して、表題の化合物を明黄色のオイル(817mg、40%)として得る。LC-MS B:tR=0.86min、[M+H]+=201.14。
【0433】
A.2.17.2. 2-ジアゾ-1-(3-エトキシチオフェン-2-イル)エタン-1-オン
3-エトキシチオフェン-2-カルボン酸(2500mg、14.1mmol)をDCM(120mL)中に溶解したものを、塩化チオニル(1.56mL、21.1mmol)で滴下処理する。RMをRTにて一晩撹拌し、次いでそれを真空下で濃縮し、残渣をMeCN(80mL)中に溶解する。TEA(2.2mL、15.8mmol)を滴下し、溶液を0℃に冷却する。(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2M溶液、15mL、30mmol)を滴下し、RMをRTにて2日間撹拌する。次いで、それを、気泡が観察されなくなるまで、AcOHの滴下により注意深くクエンチする。次いで、RMを濃縮し、残渣をEtOAcと水の間で分画する。次いで、有機層を飽和NaHCO3水溶液及び塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濃縮する。残渣をFC(HeptからHept/EtOAc 8:2へ)により精製して、表題の化合物を濃い黄色の固体(2.028g、73
%)として得る。LC-MS B:tR=0.78min、[M+H]+=197.15。
【0434】
A.2.18. エチル 2-((2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)アミノ)-2-オキソアセテート
表題の化合物を、エチル 2-((4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセテートを出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS A:tR=0.98min;[M+H]+=364.21。
【0435】
A.2.18.1. エチル 2-((4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アミノ)-2-オキソアセテート
4-ブロモ-2-エトキシアニリン(1.10g、4.84mmol)をDCM(35mL)中に溶解したものに、Et3N(0.748mL、5.32mmol)をRTにて添加する。RMを0℃に冷却し、エチル 塩化オキサリル(0.61mL、5.32mmol)を滴下する。RMを0℃にて30min撹拌し、次いでRTに温まるようにし、30min撹拌する。RMを酢酸エチルと飽和NaHCO3水溶液の間で分画する。2層を分離し、有機層を、水、塩水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥し、ろ過し、溶媒を真空下で除き、表題の化合物を茶色の固体(1.52g、99%)として得る。LC-MS A:tR=0.92min;[M+MeCN]+=316.04。
【0436】
A.2.19. 2-ブトキシ-6-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)安息香酸
表題の化合物を、4-ブロモ-2-ブトキシ-6-フルオロ安息香酸を出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS A:tR=0.92min;[M+H]=339.21。
【0437】
A.2.19.1. 4-ブロモ-2-ブトキシ-6-フルオロ安息香酸
メチル 4-ブロモ-2-ブトキシ-6-フルオロベンゾエート(1246mg、3.94mmol)をEtOH(15mL)中に溶解する。32%NaOH(1.82mL、19.7mmol)を添加し、RMを60℃まで1h加熱する。次いで、それをRTに冷却し、EtOAcで希釈する。2N HCl(10mL)を添加して、酸性pH(<2)にする。水層をEtOAcで2回抽出する。得られた有機相をMgSO4上で乾燥し、濃縮して、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS E:tR=0.52min;[M-H]+=290.89。
【0438】
A.2.19.2. メチル 4-ブロモ-2-ブトキシ-6-フルオロベンゾエート
メチル 4-ブロモ-2-フルオロ-6-ヒドロキシベンゾエート(1.00g、4.02mmol)をDMF(10mL)中に溶解したものに、Cs2CO3(2.62g、8.03mmol)、次いで1-ヨードブタン(0.685mL、6.02mmol)を添加する。RMを、MW中で120℃にて2h撹拌する。RMを減圧下で濃縮して、残渣をDCMと水の間で分画する。水層をDCMで再抽出し、有機物を合わせたものを乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮する。FC(Hept/EtOAc 1:0から19:1へ)で精製して、表題の化合物を無色のオイル(1.24g、99%)として得る。LC-MS A:tR=0.98min;[M+H]+=306.84。
【0439】
A.2.20. 2-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)酢酸
表題の化合物を、2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)酢酸を出発物質として、A
.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS B:tR=0.91min;[M+H]+=307.27。
【0440】
A.2.20.1. 2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)酢酸
エチル 2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アセテート(4538mg、16.6mmol)をエタノール(30mL)中に溶解し、次いで、10%NaOH(27.7mL、73.1mmol)を添加し、RMをRTにて一晩撹拌する。次いで、それを37%HCl(6.37mL、76.3mmol)の滴下により処理し、60mLのDCM、次いで30mLのEtOAcで2回抽出し、MgSO4上で乾燥し、真空下で蒸発させ、表題の化合物を薄黄色の固体(2.5g、100%)として得る。LC-MS B:tR=0.84min;[M+H]+=258.68。
【0441】
A.2.20.2. エチル 2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アセテート
DMF(28mL)中の4-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル酢酸(2800mg、11.9mmol)に、炭酸セシウム(7749mg、23.8mmol)及びヨードエタン(3.35mL、41.6mmol)を添加する。RMをRTにて3h撹拌する。水を添加し、混合物をEt2Oで抽出する(3x)。有機層を水で洗浄し(2x)、次いでMgSO4上で乾燥し、濃縮乾固する。残渣をFC(HeptからHept/EtOAc 9:1へ)で精製して、表題の化合物を無色のオイル(3.02g、88%)として得る。LC-MS B:tR=1.01min;[M+H]+=287.01。
【0442】
A.2.21. 2-(メチルチオ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)安息香酸
NaOH(2.77N、16.6mL、45.9mmol)を、メチル 2-(メチルチオ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート(7680mg、22.9mmol)をEtOH(30mL)中に溶解したものに添加する。RMをRTにて一晩撹拌し、次いで減圧下で濃縮する。25%HClをpH<2になるまで添加し、混合物をDCMで2回抽出する。有機層を合わせたものを乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題の化合物を白色の固体(6.37g、94%)として得る。LC-MS B:tR=0.89min;[M+H]+=295.18。
【0443】
A.2.21.1. メチル 2-(メチルチオ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート
表題の化合物を、メチル 4-ブロモ-2-(メチルチオ)ベンゾエートを出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS B:tR=1.06min;[M+H]+=309.18。
【0444】
A.2.21.2. メチル 4-ブロモ-2-(メチルチオ)ベンゾエート
4-ブロモ-2-スルファニル安息香酸(5000mg、19.5mmol)をDMF(50mL)中に溶解したものに、炭酸セシウム(13492mg、41mmol)、次いでヨードメタン(3.07mL、48.8mmol)を少しずつ添加し、RMをRTにて30min撹拌する。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出する(x3)。次いで、有機層を水で2回洗浄し、MgSO4上で乾燥し、溶媒を減圧下で除き、表題の化合物をオレンジ色のオイル(5.60g、quant.)として得る。LC-MS B:tR=0.97min;非イオン化。1H NMR(400MHz、d6-DMSO) δ:7.82(d、J=8.3Hz、1H)、7.42-7.48(m、2H)、3.83(s、3H)、2.46(s、3H)。
【0445】
B 実施例の製造
一般的手順H又はGをハロゲン化ピリミジン誘導体A.1.1.~A.1.45.に適用して、市販のボロン酸誘導体又はボロン酸誘導体A.2.1.~A.2.19とカップリングすることにより、下記の表5に記載する実施例1~134の化合物を製造する。
【0446】
【0447】
【0448】
【0449】
【0450】
【0451】
【0452】
【0453】
【0454】
【0455】
【0456】
【0457】
実施例135: 3-エトキシ-5-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-N-スルファモイルチオフェン-2-カルボキサミド
3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸(実施例4、70mg、0.156mmol)をDMSO/THF(2:1、3mL)中に溶解したものに、CDI(37.9mg、0.234mmol)を添加する。RMを60℃に1h加熱し、RTに冷却し、スルファミド(33.3mg、0.343mmol)及びDBU(0.0582mL、0.389mmol)で処理する。次いで、それをRTにて2h撹拌し、減圧下で濃縮し、prep.HPLCで精製して、表題の化合物をベージュ色の固体(21mg、26%)として得る。LC-MS B:tR=0.91min;[M+H]+=528.16。
【0458】
実施例136: N-(3-エトキシ-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボニル)-メタンスルホンアミド
メチル スルホンアミドを用いて、実施例135について記載したものと同じ方法に従い、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.99min;[M+H]+=527.15。
【0459】
実施例137: 3-(3-エトキシ-5-{6-[2-(1H-インドール-4-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(5-(6-((2-(1H-インドール-4-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-3-エトキシチオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール]
3-(3-エトキシ-5-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール(61.3mg、0.2mmol)をDMF(2mL)中に溶解したものに、RTにて、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(141mg
、0.31mmol)及びEt3N(0.14mL、1mmol)を添加する。RMをRTにて1h撹拌し、次いで2-(1H-インドール-4-イル)エタン-1-アミン(0.26mmol)を添加する。得られたRMを80℃にて一晩撹拌する。粗製のRMをprep.HPLCで精製して、表題の化合物を薄黄色の粉末(35mg、35%)として得る。LC-MS B:tR=0.85min;[M+H]+=449.02。
【0460】
a) 3-(3-エトキシ-5-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール
3-(3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール(5180mg、12.1mmol)をHCl(ジオキサン中4M、100mL)中に懸濁したものを、100℃にて一晩撹拌し、RTに冷却し、溶媒の一部を除く。固体残渣を水で洗浄しながらろ過し、高真空下で乾燥して、表題の化合物を明黄色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.66min;[M+H]+=307.01。
【0461】
b) 3-(3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール
3-エトキシ-N’-ヒドロキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシイミドアミド(6930mg、22.6mmol)とDBU(8.62mL、56.5mmol)のジオキサン/DMSO(3:2、220mL)中のRMに、CDI(5498mg、33.9mmol)を添加する。RMを100℃にて30min撹拌し、次いでRTに冷却する。溶媒の蒸発及び2N HCl中での粉砕により、表題の化合物を黄色の固体(7.15g、99%)として得る。LC-MS A:tR=0.89min;[M+H]+=321.14。
【0462】
c) 3-エトキシ-N’-ヒドロキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシイミドアミド
3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリル(6860mg、24.7mmol)、TEA(10.3mL、74mmol)及びヒドロキシアミン塩酸塩(2.59mL、61.7mmol)をEtOH(220mL)中に懸濁したものを、3h還流し、次いでRTに冷却し、水(30mL)で処理する。黄色の固体をろ過し、高真空下で乾燥する。ろ液を濃縮し、固体を水中で粉砕し、ろ過し、最初の収量と合わせる。表題の化合物を黄色の固体(6.93g、95%)として得る。LC-MS B:tR=0.62min;[M+H]+=295.23。
【0463】
d) 3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリル
3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド(6940mg、22.4mmol)をDMF(130mL)中に懸濁したものに、シアヌル酸クロリド(6248mg、33.5mmol)を、0℃にて少しずつ添加する。次いで、RMをRTにて45min撹拌する。それを0℃に冷却し、水で希釈する。固体を、水、次いでEtOAcで洗浄しながらろ過し、減圧下で乾燥する。ろ液をEtOAcで2回抽出し、有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。両固体を合わせて、表題の化合物をベージュ色の固体(5.49g、94%)として得る。LC-MS B:tR=1.00min;[M+H]+=262.26。
【0464】
e) 3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキサミド
3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸
(7410mg、26.4mmol)をTHF(140mL)中に溶解したものに、CDI(4861mg、29.1mmol)を、RTにて添加する。RMを30min撹拌し、次いでNH4OH(25%溶液、61.1mL、397mmol)を添加し、RMをRTにて30min撹拌し、次いで減圧下で濃縮し、残渣を2N HCl中で粉砕する。表題の化合物をろ過し、高真空下で乾燥し、黄色の固体として得る(6.94g、94%)。LC-MS B:tR=0.79min;[M+H]+=280.22。
【0465】
f) 3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボン酸
メチル 3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシレート(7870mg、26.2mmol)をMeOH(210mL)及び2M
NaOH(38.8mL、419mmol)中に懸濁したものを、RTにて一晩撹拌する。次いで、それを24.5%HCl(8N)(60mL)で酸性化し、MeOHを真空下で除き、スラリーをろ過し、表題の化合物を黄色の固体(7.41g、99%)として得る。LC-MS B:tR=0.77min;[M+H]+=281.19。
【0466】
g) メチル 3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシレート
メチル 3-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-カルボキシレート(10520mg、30mmol)、4-クロロ-6-メトキシピリミジン(4645mg、31.5mmol)、ジクロロ(1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II) ジクロロメタン付加物)(2449mg、3mmol)及びリン酸カリウム、三塩基酸一水和物(potassium phosphate tribasic monohydrate)(20719mg、90mmol)の、水(4mL)及びDMF(150mL)中のRMを、窒素気流下で20min脱気し、次いでRTにて1h15撹拌する。RMをceliteを通してろ過し、ろ液を真空下で濃縮し、残渣を水とEtOAcの間で分画する。有機層を塩水でさらに洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。FCによる精製(ヘプタン/EtOAc 1:0から0:1へ)により、表題の化合物を黄色の固体(7.87g、89%)として得る。LC-MS B:tR=0.93min;[M+H]+=295.18。
【0467】
h) メチル 3-エトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-カルボキシレート
表題の化合物を、メチル 3-エトキシチオフェン-2-カルボキシレートを用いて、A.2.1.の合成に従って製造し、白色の固体;として得る。LC-MS B:tR=0.63min;[M+H]+=313.13。
【0468】
3-(3-エトキシ-5-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール及び対応する市販のアリールエチルアミンを出発物質として、実施例137の合成について記載した手順に従って、下記の実施例を合成する(表6参照。)。
【0469】
【0470】
【0471】
実施例145: {6-[4-エトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)-チオフェン-2-イル]-ピリミジン-4-イル}-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチル]-アミン
2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と6-(4-エトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)ピリミジン-4-オールを用いて、実施例137の合成について記載した手順に従い、表題の化合物を薄黄色の粉末として得る。LC-MS A:tR=0.61min;[M+H]+=475.08。
【0472】
a) 6-(4-エトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)ピリミジン-4-オール
4-(4-エトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)-6-メトキシピリミジン(30mg、0.0986mmol)をジオキサン中4M HCl(0.5mL)で処理し、RMを55-60℃にて一晩撹拌する。次いで、それを減圧下で濃縮し、prep.HPLCで精製して、表題の化合物を白色の固体(12mg、42%)として得る。LC-MS A:tR=0.59min;[M+H]+=291.04。
【0473】
b) 4-(4-エトキシ-5-(1H-テトラゾール-5-イル)チオフェン-2-イル)-6-メトキシピリミジン
3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリル(実施例137-d、72mg、0.276mmol)をトルエン(2.1mL)中に溶解したものに、トリメチルシリルアジド(0.0544mL、0.413mmol)及びジブチルスズオキシド(6.86mg、0.0276mmol)を添加する。封止したチューブ内でRMを110℃にて一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、次いで残渣をMeOH中に溶解し、2M NaOHでpH=10に調整する。溶液を、標準的catch&releaseプロトコル用のPE_AXカートリッジ上にロードし、表題の化合物を黄色の固体(43mg、51%)として得る。LC-MS A:tR=0.78min;[M+H]+=305.06。
【0474】
実施例146: 3-エトキシ-N-ヒドロキシ-5-{6-[2-(6-メトキシ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-
カルボキシアミジン
3-エトキシ-5-(6-((2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリルを用いて、実施例137-cの合成について記載した手順に従い、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS
A:tR=0.56min;[M+H]+=465.03。
【0475】
a) 3-エトキシ-5-(6-((2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリル
2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と3-エトキシ-5-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリルを用いて、実施例137の合成について記載した手順に従い、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.74min;[M+H]+=432.16。
【0476】
b) 3-エトキシ-5-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリル
3-エトキシ-5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボニトリル(実施例137-d)を用いて、実施例137-aの合成について記載した手順に従い、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.69min;[M+H]+=242.12。
【0477】
実施例147: 4-エトキシ-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-カルボン酸
エチル 4-エトキシ-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(58.3mg、0.2mmol、1eq)をDMF(2mL)中に溶解したものに、Et3N(0.151mL、1.08mmol)及びPyBop(150mg、0.288mmol)を添加する。完全に溶解するまで、RMをRTにて数分間撹拌し、2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩(59mg、0.25mmol)を添加する。MW装置内でRMを100℃にて30min加熱する。10%NaOH(0.721mL、2mmol)を添加し、RMを70℃にて一晩撹拌する。prep.LC-MSで精製して、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.74min;[M+H]+=451.17。
【0478】
a) エチル 4-エトキシ-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート
エチル 4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレートを用いて、実施例137-aの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.78min;[M+H]+=296.15。
【0479】
b) エチル 4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート
エチル 4-ヒドロキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(1730mg、6.15mmol)をDMF(40mL)中に溶解したものに、RTにて、アルゴン下で、K2CO3(2168mg、15.4mmol)を添加し、RMを60℃にて加熱する。ヨードエタン(0.749mL、9.23mmol)を添加し、RMを75℃にて一晩撹拌する。次いで、それをRTに冷却し、水(75mL)を添加する。水層をDCMで抽出し、有機抽出物を乾燥し(MgSO4)、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗製の表題化合物をオレンジ色の固体(1.75g、76%)として得る。LC-MS B:tR=1.04min;[M+H]+=310.24。
【0480】
c) エチル 4-ヒドロキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート
6-メトキシピリミジン-4-カルボチオアミド(1000mg、5.85mmol)をトルエン(40mL)中に溶解したものに、ピリジン(1.9mL、23.4mmol)をRTにて、次いでブロモマロン酸ジエチル(1.52mL、8.19mmol)を添加する。RMを還流しながら一晩撹拌し、次いでRTに冷却し、2N HClで処理する。生成物をろ過する。ろ液の層を分離し、水層をEtOACで2回抽出する。有機層を合わせたものをMgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮乾固する。残渣を最初の収量と合わせ、表題の化合物を茶色の固体(1.73g、99%)として得る。LC-MS B:tR=0.89min;[M+H]+=282.18。
【0481】
実施例148: 4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-カルボン酸
2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩とエチル 4-エチル-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレートを用いて、実施例147の合成について記載した手順に従い、表題の化合物をオレンジ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.96min;[M+H]+=435.03。
【0482】
a) エチル 4-エチル-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート
エチル 4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレートを用いて、実施例137-aの合成について記載した手順に従って、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.73min;[M+H]+=266.26。
【0483】
b) エチル 4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート
メチル 2-クロロ-3-オキソ吉草酸(0.96mL、6.5mmol)をEtOH(30mL)中に溶解したものに、6-メトキシピリミジン-4-カルボチオアミド(1000mg、5.91mmol)を添加し、混合物を一晩還流する。メチル 2-クロロ-3-オキソ吉草酸(1.31mL、8.86mmol)を添加し、RMをさらに24h還流し、次いでRTに冷却し、水(15mL)で処理し、0℃に冷却する。沈殿物をろ過し、MeOHでリンスし、高真空下で乾燥して、表題の化合物をピンク色がかった固体(485mg、28%)として得る。LC-MS B:tR=1.07min;[M+H]+=294.20。
【0484】
実施例149: 3-(4-エトキシ-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(4-エトキシ-2-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール](*1)
2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と3-(4-エトキシ-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オールを用いて、実施例137の合成について記載した手順に従い、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS B:tR=1.09min;[M+H]+=491.09。
【0485】
a) 3-(4-エトキシ-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾー
ル-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール
3-(4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オールを用いて、実施例137-aの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を黄色がかった固体として得る。LC-MS B:tR=0.68min;[M+H]+=308.17。
【0486】
b) 3-(4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール
4-エトキシ-N’-ヒドロキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシイミドアミドを用いて、実施例137-bの合成について記載した手順に従って、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.94min;[M+H]+=321.93。
【0487】
c) 4-エトキシ-N’-ヒドロキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシイミドアミド
4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボニトリルを用いて、実施例137-cの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を深黄色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.67min;[M+H]+=296.17。
【0488】
d) 4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
NH4OH(25%、4.05mL、26.3mmol)とI2(1824mg、7.19mmol)を、0℃にて、4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルバルデヒド(465mg、1.75mmol)をTHF(15mL)中に溶解したものに添加し、RMをRTにて3h撹拌する。次いで、それを10mLの40%NaHSO3(15mL)中に注ぎ、EtOAcで抽出し、MgSO4上で乾燥し、真空下で濃縮して、表題の化合物をオレンジ色の固体として得る。LC-MS B:tR=1.02min;[M+H]+=263.25。
【0489】
e) 4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルバルデヒド
エチル 4-エトキシ-2-(6-メトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(実施例147-b、706mg、2.64mmol)をTHF(20mL)中に混合したものを、-78℃に冷却し、DiBAl-H(THF中1M、5.28mL、5.28mmol)を滴下する。RMをRTにて一晩撹拌する。RMを、水(200μL)、次いで10%NaOH(400μL)、最後に水(600μL)を滴下することにより、0℃にてクエンチする。アルミニウム沈殿物をCeliteのパッド上でろ過し、EtOAcでリンスする。ろ液をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をDCM(20mL)中に溶解し、MnO2(2701mg、26.4mmol)を添加する。RMをRTにて5h撹拌し、次いでCeliteのパッド上でろ過し、EtOAcでリンスする。ろ液を減圧下で濃縮して、表題の化合物を明オレンジ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.97min;[M+H]+=266.25。
【0490】
実施例150: 5-{6-[2-(2-メトキシ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸
2-(2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸を用いて、一般的手順Fに従って、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS A
:tR=0.89min;[M+H]+=475.00。
【0491】
a) 5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸
4,6-ジクロロピリミジン及び5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸(A.2.8.)を用いて、一般的手順Gに従って、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.83min;[M+MeCN]+=349.91。
【0492】
b) 2-(2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩
tert-ブチル (2-(2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメートを用いて、一般的手順Eに従って、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.58min;[M+H]+=203.24。
【0493】
c) Tert-ブチル (2-(2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメート
8-ヨード-2-メトキシキノリンを用いて、一般的手順Cに従って、表題の化合物を黄色のオイルとして得る。LC-MS A:tR=0.94min;[M+H]+=303.07。
【0494】
d) 8-ヨード-2-メトキシキノリン
8-ヨード-1,2-ジヒドロキノリン-2-オン(1.55g、5.72mmol)をDMF(0.66mL、8.58mmol)及びトルエン(10mL)中に懸濁したものに、95℃にて、POCl3(0.425mL、4.57mmol)を滴下する。RMを95℃にて1h撹拌し、次いで0℃に冷却し、32%NaOH(1.59mL、17.2mmol)でクエンチする。次いで、それを5mLの水で希釈し、RMを30℃に加熱して、完全に溶解したRMを得る。層を分離し、有機層を5mLの水で洗浄し、減圧下で濃縮する。残渣を15mLのトルエン中に溶解する。NaOMe(MeOH中25%、3.92mL、17.2mmol)を添加し、RMを80℃に加熱し、1h撹拌する。RMを10℃に冷却し、32%HClで酸性化する。得られた黄色の懸濁液を5mlの水で希釈し、溶液を10min撹拌し、次いで層を分離する。有機層を5mlの水で洗浄し、蒸発乾固する。残渣を、DCMで溶出するFCで精製して、表題の化合物を明黄色の固体(1.36g、83%)として得る。LC-MS A:tR=0.95min;[M+H]+=286.05。
【0495】
実施例151: 5-{6-[2-(7-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸(*1)
2-(7-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸(実施例150-a)を用いて、一般的手順Fに従って、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.92min;[M+H]+=492.98。
【0496】
a) 2-(7-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン
塩酸塩
tert-ブチル (2-(7-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメートを用いて、一般的手順Eに従って、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.58min;[M+H]+=221.20。
【0497】
b) Tert-ブチル (2-(7-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメート
8-ブロモ-7-フルオロ-2-メトキシキノリンを用いて、一般的手順Cに従って、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.96min;[M+H]+=321.06。
【0498】
実施例152: 5-{6-[2-(6-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸(*1)
2-(6-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸(実施例150-a)を用いて、一般的手順Fに従って、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.91min;[M+H]+=492.98。
【0499】
a) 2-(6-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン
塩酸塩
tert-ブチル (2-(6-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメートを用いて、一般的手順Eに従って、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.60min;[M+H]+=221.18。
【0500】
b) Tert-ブチル (2-(6-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメート
6-フルオロ-8-ヨード-2-メトキシキノリンを用いて、一般的手順Cに従って、表題の化合物を薄黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.97min;[M+H]+=321.09。
【0501】
c) 6-フルオロ-8-ヨード-2-メトキシキノリン
6-フルオロ-8-ヨード-1,2-ジヒドロキノリン-2-オンを用いて、実施例150-dについて記載した手順に従って、表題の化合物を灰白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.97min;[M+H]+=304.16。
【0502】
実施例153: 5-{6-[2-(6-フルオロ-2-メトキシ-キノリン-8-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸(*1)
2-(5-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩と5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸(実施例150-a)を用いて、一般的手順Fに従って、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.91min;[M+H]+=492.98。
【0503】
a) 2-(5-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エタン-1-アミン
塩酸塩
tert-ブチル (2-(6-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメートを用いて、一般的手順Eに従って、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.61min;[M+H]+=221.20。
【0504】
b) Tert-ブチル (2-(6-フルオロ-2-メトキシキノリン-8-イル)エチル)カーバメート
6-フルオロ-8-ヨード-2-メトキシキノリンを用いて、一般的手順Cに従って、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.97min;[M+H]+=321.10。
【0505】
c) 6-フルオロ-8-ヨード-2-メトキシキノリン
5-フルオロ-8-ヨード-ジヒドロキノリン-2(1H)-オンを用いて、実施例150-dについて記載した手順に従って、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.97min;非イオン化。
【0506】
d) 5-フルオロ-8-ヨード-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン
N-(5-フルオロ-2-ヨードフェニル)-3,3-ジメトキシプロパンアミド(24g、68mmol)をDCM(20mL)中に溶解したものを、RTにて、硫酸(100g、1.02mol)に滴下する。RMをRTにて2h撹拌し、次いで減圧下で濃縮する。残渣を250gのアイスに添加し、DCM(500mL)を添加し、RMを15min撹拌する。有機層を分離し、水で洗浄し、次いで減圧下で濃縮して、表題の化合物をベージュ色の固体(19g、97%)として得る。LC-MS A:tR=0.72min;[M+H]+=289.97。
【0507】
e) N-(5-フルオロ-2-ヨードフェニル)-3,3-ジメトキシプロパンアミド
5-フルオロ-2-ヨードアニリン(15g、61.4mmol)及びメチル 3,3-ジメトキシプロピオネート(11.5g、73.7mmol)をTHF(300mL)中に溶解したものに、0℃にて、NaHMDS(46mL、91.9mmol)を滴下漏斗を介して添加する。次いで、RMをRTにて1.5h撹拌する。40%クエン酸を添加してpH=4とし、有機溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を水で希釈し、DCMで抽出する。有機層を真空下で濃縮して、表題の化合物をベージュ色の固体(24.8g、定量的)として得る。LC-MS A:tR=0.79min;[M+H]+=353.95。
【0508】
実施例154: 5-{6-[2-(6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-5-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-3-トリフルオロメチル-チオフェン-2-カルボン酸
2-(6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-イル)エタン-1-アミンと5-(6-クロロピリミジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)チオフェン-2-カルボン酸(実施例150-a)を用いて、一般的手順Fに従って、表題の化合物を灰白色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.66min;[M+H]+=493.01。
【0509】
a) 2-(6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-イル)エタン-1-アミン
tert-ブチル (2-(6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-イル)エチル)カーバメートを用いて、一般的手順Eに従って、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.31min;[M+H]+=221.26。
【0510】
b) Tert-ブチル (2-(6-メトキシ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-5-イル)エチル)カーバメート
tert-ブチル (2-(6-メトキシ-1-メチル-キノリン-5-イル)エチル)カーバメート ヨウ化水素酸塩(328mg、0.738mmol)をMeOH(13mL)及びH2O(1mL)中に溶解したものに、0℃にて、水素化ホウ素ナトリウム(162mg、4.29mmol)を少しずつ添加する。次いで、RMをRTにて4h30撹
拌する。RMを0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(162mg、4.29mmol)を添加する。RMをRTにてo/n撹拌し、次いで真空下で濃縮する。残渣を水中に注ぎ、DCMで2x抽出する。抽出物を合わせたものを塩水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をFC(hept./EtOAc 8:2)で精製して、表題の化合物を黄色のオイル(66mg、28%)として得る。LC-MS
A:tR=0.64min;[M+H]+=321.14。
【0511】
c) Tert-ブチル (2-(6-メトキシ-1-メチル-キノリン-5-イル)エチル)カーバメート ヨウ化水素酸塩
tert-ブチル (2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エチル)カーバメート(300mg、0.992mmol)をアセトン(2.2mL)中に溶解したものを、ヨードメタン(0.144mL、2.29mmol)で処理し、次いでRTにて2日間撹拌する。次いで、黄色の沈殿物をろ過し、アセトンで洗浄し、高真空下で乾燥して、目的の生成物を明黄色の固体(329mg、75%)として得る。LC-MS A:tR=0.61min;[M+H]+=317.19。
【0512】
d) Tert-ブチル (2-(6-メトキシキノリン-5-イル)エチル)カーバメート
5-ブロモ-6-メトキシキノリンを用いて、一般的手順Cに従って、表題の化合物を茶色の固体として得る。LC-MS A:tR=0.65min;[M+H]+=240.07。
【0513】
実施例155: 2-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-安息香酸(*1)
6-クロロ-N-(2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン(A.1.6.)及びメチル 2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエートを用いて、一般的手順Gに従って、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.73min;[M+H]+=460.21。
【0514】
a) メチル 2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾエート
表題の化合物を、メチル 4-ブロモ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゾエートを出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS B:tR=0.89min;[M+H]+=323.26。
【0515】
b) メチル 4-ブロモ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゾエート
NaH(101mg、4.2mmol)を、メチル 4-ブロモ-2-ヒドロキシベンゾエート(500mg、2.1mmol)をDMF(5mL)中に溶解した0℃の溶液に少しずつ添加する。RMを0℃にて数分間撹拌し、次いで2-ブロモエタノール(0.235mL、3.15mmol)を添加し、RMを90℃にて2h45撹拌し、次いでRTに冷却する。水をRMに添加し、それをEtOAcで2回抽出する。有機層を合わせたものを塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮する。残渣をFC(ヘプタン/EtOAc 1:0から6:4へ)により精製して、表題の化合物を無色のオイル(358mg、62%)として得る。LC-MS B:tR=0.77min;[M+H]+=275.14。
【0516】
実施例156: 3-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン
-2-カルボン酸(*1)
6-クロロ-N-(2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン(A.1.6.)と7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-5H-チエノ[3,2-e][1,4]ジオキセピン-5-オンを用いて、一般的手順Gに従って、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.77min;[M+H]+=465.91。
【0517】
a) 7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-5H-チエノ[3,2-e][1,4]ジオキセピン-5-オン
表題の化合物を、2,3-ジヒドロ-5H-チエノ[3,2-e][1,4]ジオキセピン-5-オンを出発物質として、A.2.17.について記載した手順に従って製造する。LC-MS B:tR=0.51min;[M+H]+=215.41(LC-MS分析中のピナコールエステルの開裂によるボロン酸の質量)。
【0518】
b) 2,3-ジヒドロ-5H-チエノ[3,2-e][1,4]ジオキセピン-5-オン
MWバイアルに、K2CO3(623mg、4.5mmol)、メチル 3-ヒドロキシチオフェン-2-カルボキシレート(250mg、1.5mmol)及びDMF(5mL)を仕込む。RMを数分間撹拌し、次いで2-ブロモエタノール(0.146mL、1.95mmol)を添加し、バイアルに蓋をし、MW照射下で100℃にて2h加熱する。2-ブロモエタノール(0.0319mL、0.45mmol)を添加し、RMを加熱条件下で90℃にて一晩撹拌する。RTになり次第、水を添加し、RMをEtOAcで3回抽出する。有機層を合わせたものをMgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、粗製の表題化合物を茶色がかった固体(338mg、定量的)として得る。LC-MS B:tR=0.61min;[M+H]+=170.94。
【0519】
実施例157: 3-(2-ジメチルアミノ-エトキシ)-5-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チオフェン-2-カルボン酸
メチル 3-ヒドロキシ-5-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシレート(29mg、0.0666mmol)、Cs2CO3(65.1mg、0.2mmol)及びTBAI(5mg、0.0133mmol)をDMF(1mL)中に溶解したものに、(2-ブロモエチル)ジメチルアミン(49mg、0.2mmol)を添加し、RMを120℃にて一晩撹拌する。RMをRTに冷却し、10%NaOH(0.266mL、0.666mmol)で処理し、RTにて4hさらに撹拌する。RMをろ過し、MeOHでリンスし、prep HPLCで精製して、表題の化合物を赤色の固体(3mg、9%)として得る。LC-MS B:tR=0.69min;[M+H]+=493.2。
【0520】
a) メチル 3-ヒドロキシ-5-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)チオフェン-2-カルボキシレート
6-クロロ-N-(2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン(A.1.6.)とメチル 3-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-カルボキシレートを用いて、一般的手順Fに従って、表題の化合物を黄土色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.97min;[M+H]+=436.22。
【0521】
b) メチル 3-ヒドロキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)チオフェン-2-カルボキシレート
メチル 3-ヒドロキシチオフェン-2-カルボキシレートを用いて、A.2.1.の合成について記載した手順に従い、表題の化合物を茶色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.56min;非イオン化。
【0522】
一般的手順H又はGをハロゲン化ピリミジン誘導体A.1.1.~A.1.58.に適用して、市販のボロン酸誘導体又はボロン酸誘導体A.2.1.~A.2.21とカップリングすることにより、下記の表7に記載する実施例158~187の化合物を製造する。
【0523】
【0524】
【0525】
【0526】
実施例188: 3-{3-エトキシ-5-[6-(2-キノリン-5-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-{3-エトキシ-5-[6-(2-キノリン-5-イル-エチルアミノ)-ピリミジン-4-イル]-チオフェン-2-イル}-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール]
3-(3-エトキシ-5-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チオフェン-2-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール(実施例137-a)と2-(キノリン-5-イル)エタン-1-アミン ビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)を用いて、実施例137の合成について記載した手順に従い、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS C:tR=0.742min;[M+H]+=461.2。
【0527】
a) 2-(キノリン-5-イル)エタン-1-アミン ビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)
表題の化合物を、tert-ブチル (2-(キノリン-5-イル)エチル)カーバメートから、一般的手順Dに従って得る。LC-MS D:tR=0.57min;[M+H]+=173.00。
【0528】
b) Tert-ブチル (2-(キノリン-5-イル)エチル)カーバメート
表題の化合物を、5-ブロモキノリンから、一般的手順Cに従って得る。LC-MS B:tR=0.60min;[M+H]+=273.33。
【0529】
実施例189: 3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-[1,2,4]-オキサジアゾール-5(4H)-チオン[互変異性型:3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-チオール]
(E/Z)-2-エトキシ-N’-ヒドロキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ベンゾイミドアミド(19
4mg、0.424mmol)をジオキサン(2mL)及びDMSO(2mL)中に溶解したものに、RTにて、アルゴン下で、1,1’-チオカルボニルジイミダゾール(119mg、0.636mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.252mL、1.65mmol)を添加する。RMを90℃にて一晩振とうする。次いで、それをRTに冷却し、真空下で濃縮し、prep.LC-MSで精製して、表題の化合物をベージュ色の粉末(65mg、31%)として得る。LC-MS C:tR=1.091min;[M+H]+=500.3。
【0530】
a) (E/Z)-2-エトキシ-N’-ヒドロキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ベンゾイミドアミド
2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリルを用いて、実施例137-cの合成について記載した手順に従い、表題の化合物を灰色の粉末として得る。LC-MS B:tR=0.60min;[M+H]+=458.20。
【0531】
b) 2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)ベンゾニトリル
6-クロロ-N-(2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン(A.1.6.)と4-シアノ-3-エトキシフェニルボロン酸を用いて、一般的手順Gに従って、表題の化合物を灰色の粉末として得る。LC-MS B:tR=0.92min;[M+H]+=424.97。
【0532】
実施例190: 3-(4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(4-エチル-2-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-チアゾール-5-イル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール]
3-(4-エチル-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オールと2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エタン-1-アミン 塩酸塩を用いて、一般的手順Iに従い、表題の化合物を黄色の固体として得る。LC-MS C:tR=0.906min;[M+H]+=475.1。
【0533】
a) 3-(4-エチル-2-(6-ヒドロキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール
3-(4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オールを用いて、実施例137-aの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を灰色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.64min;[M+H]+=292.17。
【0534】
b) 3-(4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-イル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-オール
4-エチル-N’-ヒドロキシ-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシイミドアミドを用いて、実施例137-bの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を明オレンジ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.92min;[M+H]+=320.21。
【0535】
c) 4-エチル-N’-ヒドロキシ-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)
チアゾール-5-カルボキシイミドアミド
4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボニトリルを用いて、実施例137-cの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を明黄色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.66min;[M+H]+=294.21。
【0536】
d) 4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)-4-エチルチアゾール-5-カルボキサミドを用いて、実施例137-dの合成について記載した手順に従って、表題の化合物をベージュ色の固体として得る。LC-MS B:tR=1.04min;[M+H]+=261.29。
【0537】
e) 2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)-4-エチルチアゾール-5-カルボキサミド
2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)-4-エチルチアゾール-5-カルボン酸を用いて、実施例137-eの合成について記載した手順に従って、表題の化合物をオレンジ色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.79min;[M+H]+=279.25。
【0538】
f) 2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)-4-エチルチアゾール-5-カルボン酸
エチル 4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート(1000mg、3.09mmol)をTHF/MeOH 1:1(15mL)中に溶解した氷冷溶液を、10%NaOH(5.58mL、15.5mmol)で処理し、RTにて20h撹拌する。溶媒を減圧下で除き、水相をEt2Oで1回抽出する。次いで、水相を、2N HClで酸性化し、EtOAcで抽出する(3x)。有機抽出物を合わせたものをMgSO4上で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題の化合物を緑色がかった固体(522mg、64%)として得る。LC-MS B:tR=0.88min;[M+H]+=280.24。
【0539】
g) エチル 4-エチル-2-(6-エトキシピリミジン-4-イル)チアゾール-5-カルボキシレート
メチル 2-クロロ-3-オキソ吉草酸(0.96mL、6.5mmol)をEtOH(30mL)中に溶解したものに、6-メトキシピリミジン-4-カルボチオアミド(1000mg、5.91mmol)を添加し、混合物を一晩還流する。メチル 2-クロロ-3-オキソ吉草酸(1.31mL、8.86mmol)を添加し、RMをさらに24h還流し、次いでRTに冷却し、水(15mL)で処理し、0℃に冷却する。沈殿物をろ過し、MeOHでリンスし、高真空下で乾燥して、表題の化合物をピンク色がかった固体(485mg、28%)として得る。LC-MS B:tR=1.07min;[M+H]+=294.20。
【0540】
実施例191: 3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-ベンジル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5(4H)-オン[互変異性型:3-(2-エトキシ-4-{6-[2-(2-メトキシ-ナフタレン-1-イル)-エチルアミノ]-ピリミジン-4-イル}-ベンジル)-[1,2,4]オキサジアゾール-5-オール]
2-(2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)-N-ヒドロキシアセトイミドアミドを用いて、実施例137-bの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を白色の固
体として得る。LC-MS C:tR=0.888min;[M+H]+=498.1。
【0541】
a) 2-(2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)-N-ヒドロキシアセトイミドアミド
2-(2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)アセトニトリルを用いて、実施例137-cの合成について記載した手順に従って、表題の化合物を明黄色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.66min;[M+H]+=294.21。
【0542】
b) 2-(2-エトキシ-4-(6-((2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)アミノ)ピリミジン-4-イル)フェニル)アセトニトリル
6-クロロ-N-(2-(2-メトキシナフタレン-1-イル)エチル)ピリミジン-4-アミン(A.1.6.)及び2-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)アセトニトリルを用いて、一般的手順Gに従って、表題の化合物を白色の固体として得る。LC-MS B:tR=0.89min;[M+H]+=439.37。
【0543】
c) 2-(2-エトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)アセトニトリル
表題の化合物を、2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アセトニトリルを出発物質として、A.2.3.について記載した手順に従って製造する。LC-MS B:tR=1.05min;[M+H]+=288.4。
【0544】
d) 2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アセトニトリル
表題の化合物を、2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アセタミドを出発物質として、実施例137-dについて記載した手順に従って製造する。LC-MS B:tR=0.97min;非イオン化。1H NMR(400MHz、d6-DMSO) δ:7.22-7.42(m、2H)、6.96-7.21(m、1H)、4.13(q、J=6.9Hz、2H)、3.78-3.86(m、2H)、1.36(m、3H)。
【0545】
e) 2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)アセタミド
表題の化合物を、2-(4-ブロモ-2-エトキシフェニル)酢酸を出発物質として、実施例137-eについて記載した手順に従って製造する。LC-MS B:tR=0.76min;[M+H]+=257.85。
【0546】
II. 生物学的アッセイ
本発明の化合物を、血管新生アッセイ又は腫瘍成長阻害アッセイ等の当該技術分野において周知の従来のアッセイ法を用いて、それらの一般的薬物動態及び薬理学的特性について、又は、例えば、(ラット又は犬等の)異なる種におけるそれらのバイオアベイラビリティーに関して;又は、当該技術分野において周知の従来のアッセイ法を用いて、薬物安全性及び/又は毒物学的特性に関するそれらの特性、例えば、チトクロームP450酵素阻害及び時間依存的阻害、プレグナンX(pregnane X)レセプター(PXR)活性化、グルタチオン結合又は光毒性挙動についてさらに特徴づけてもよい。
【0547】
EMT-6マウス腫瘍モデル
ATCC(American Type culture collection、Manassas、Virginia、USA)から得た過形成性乳腺腺房結節(hyperplastic mammary alveolar nodule)の移植(Volence FJら、J Surg Oncol.1980、13(1):39-44)の後
、BALB/cCRGLマウスに発生した可移植性マウス乳癌(a transplantable murine mammary carcinoma)からEMT-6細胞株を樹立する。
【0548】
EMT-6腫瘍細胞を、2mMのL-グルタミンを含み、10%のウシ胎児血清を添加したRPMI1640中で、加湿雰囲気(5%CO2、95%空気)下で、37℃にて、単層として増殖させる。実験で使用するために、腫瘍細胞をトリプシンを用いて培養フラスコから剥離させる。細胞を血球計算盤内でカウントし、それらのバイアビリティーをトリパンブルー排除(exclusion)で評価する。
【0549】
200μLのRPMI1640中の1x106個のEMT-6細胞を右側腹部に皮下注射するか、又は、50μLのRPMI1640中の2.5x105個のEMT-6細胞を乳腺脂肪体組織(mammary fat pad tissue)に注射することにより、雌性BALB/cマウスに腫瘍を誘発させる。後者の注射に対しては、雌性BALB/cマウスをイソフルランで麻酔し、外側胸部上の皮膚に5mmの切開を形成して、乳腺脂肪体組織を露出させる。腫瘍細胞を注射した後、胸部表面を95%エタノールで湿らせた綿棒で穏やかに拭って、注射部位から漏出しえる腫瘍細胞を殺す。マウスの皮膚を4-0 crinerce縫合により閉じる。
【0550】
動物の挙動及び生存を毎日、そして体重及び腫瘍の成長を週2回モニターする。腫瘍サイズをカリパスで測定し、腫瘍体積を下記の式に従って計算する:腫瘍体積=(幅2x長さ)/2。
【0551】
腫瘍が(実験に応じて)60から100mm3の間に達した時に、EP2及び/又はEP4アンタゴニストによる処理を開始し、少なくとも3週間の間、化合物を毎日与える。試験終了時に腫瘍重量を測定する。
【0552】
生物学的イン ヴィトロアッセイ
EP2及びEP4レセプターに対する式(I)の化合物のアンタゴニスト活性は下記の実験方法によっても測定される。
【0553】
EP4又はEP2を内因的に発現するヒト腫瘍細胞株を使用し、PGE2刺激による細胞内のcAMPの蓄積をモニターする。SF295神経膠芽腫細胞は、高いレベルの内因性EP2を発現し、EP4を発現しない。一方、BT549乳癌細胞は、高いレベルの内因性EP4を発現し、非常に低いレベルのEP2を発現する。
【0554】
cAMPの検出方法として、HTRF(均一性時間分解蛍光法(homogeneous time resolved fluorescence)) Cisbioキット(HTRF cAMP dynamic 2 kit 20’000 tests Cisbio Cat.#62AM4PEC)を使用したが、これはCryptate-標識抗cAMP抗体及びd2標識cAMPを用いた競合免疫測定法に基づくものである。細胞により生成された天然(Native)cAMP又は非標識cAMP(標準曲線用)は、外部添加d2標識cAMP(受容体(acceptor))と競合的にモノクロナル抗cAMP-Eu3+ Cryptate(供与体(donor))に結合する。FRETシグナル(蛍光共鳴エネルギー転移(Fluorescence Resonance Energy Transfer))は、標識抗cAMP抗体がd2標識cAMPに結合する場合のみに得られ、従って、特異的シグナル(すなわち、エネルギー転移)は標準又は試料中のcAMP濃度と反比例する。
【0555】
hEP2cAMPアッセイ:
SF295細胞(NCI/No.0503170)を細胞解離バッファー(Invitrogen、13151-014)を用いて培養皿から剥がし、生育培地(GM:RPMI1640(Invitrogen 21875)/10%FCS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン)中に集める。細胞を計測し、洗浄し、アッセイバッファー(AB;HBSS、20mM HEPES、0.2%BSA;2mM IBMX)中に再懸濁する。小容量384ウェルプレート(黒色、平底、Greiner 784076)の1ウェル当たり、5μlのAB中の4’000個の細胞を播種する。
【0556】
試験化合物の保存溶液をDMSO中10mMの濃度で調製し、DMSOで阻害用量応答曲線に必要な濃度(試験濃度範囲30μM-0.4nM;30μM-0.015nM又は1μM-0.01nM)に段階希釈する。
【0557】
PGE2(Cayman 14010、保存溶液:DMSO中75μM)を、EC80に相当する75nMの最終濃度でアゴニストとして使用する。
【0558】
2.5μLの希釈した化合物をアッセイプレートに移す。プレートを室温で45分プレインキュベートする。次いで、2.5μLのPGE2(最終濃度、75nM)をアッセイプレートに移す。プレートを室温で30分インキュベートする。供与体(抗-cAMPクリプテート)及び受容体(cAMP-d2)を5μLずつ添加し、プレートを暗所にて室温でさらに1時間インキュベートし、次いで、BMG LABTECH PHERAstarリーダーを用いて読みとる(励起:337nm、放射:620及び665nm)。
【0559】
得られたDelta F(蛍光)値(665nm/620nM)を、キット中のcAMPキャリブレーターの測定を用いて%cAMP値に変換する。各化合物濃度について、DMSO対照値と比較したcAMPの百分率を平均±STDEV(各濃度について2回測定を行う)として計算する。
【0560】
IC50値及び曲線を、Dose-Response One Site モデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する。化合物について複数回測定を行った場合は、平均値を記載する。
【0561】
hEP4cAMPアッセイ:
BT549細胞(NCI/No.0507282)を細胞解離バッファー(Invitrogen、13151-014)を用いて培養皿から剥がし、生育培地(GM:RPMI1640(Invitrogen 21875)/10%FCS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン)中に集める。細胞を計測し、洗浄し、アッセイバッファー(AB;HBSS、20mM HEPES、0.2%BSA;2mM IBMX)中に再懸濁する。小容量384ウェルプレート(黒色、平底、Greiner 784076)の1ウェル当たり、5μlのAB中の4’000個の細胞を播種する。
【0562】
試験化合物の保存溶液をDMSO中10mMの濃度で調製し、DMSOで阻害用量応答曲線に必要な濃度(試験濃度範囲30μM-0.4nM;30μM-0.015nM又は1μM-0.01nM)に段階希釈する。
【0563】
PGE2(Cayman 14010、保存溶液:DMSO中6μM)を、EC80に相当する6nMの最終濃度でアゴニストとして使用する。
【0564】
2.5μLの希釈した化合物をアッセイプレートに移す。プレートを室温で45分プレインキュベートする。次いで、2.5μLのPGE2(最終濃度、6nM)をアッセイプレートに移す。プレートを室温で30分インキュベートする。供与体(抗-cAMPクリ
プテート)及び受容体(cAMP-d2)を5μlずつ添加し、プレートを暗所にて室温でさらに1時間インキュベートし、次いで、BMG LABTECH PHERAstarリーダーを用いて読みとる(励起:337nm、放射:620及び665nm)。
【0565】
得られたDelta F(蛍光)値(665nm/620nM)を、キット中のcAMPキャリブレーターの測定を用いて%cAMP値に変換する。各化合物濃度について、DMSO対照値と比較したcAMPの百分率を平均±STDEV(各濃度について2回測定を行う)として計算する。
【0566】
IC50値及び曲線を、Dose-Response One Site モデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する。化合物について複数回測定を行った場合は、平均値を記載する。
【0567】
EP2及びEP4レセプターに対する式(I)の化合物のアンタゴニスト活性は、下記の実験方法によっても測定される。
【0568】
アッセイでは、DiscoverXのPathHunterTM HEK 293 PTGER2及びPTGER4 b-アレスチン細胞株を用いる。アッセイ系はEnzyme Fragment Complementation Technologyに基づくものである。b-ガラクトシダーゼ酵素の2つの相補的フラグメントを安定にトランスフェクトした細胞内で発現させる。b-galの大きな方(Enzyme AcceptorからEAと呼ばれる)をb-アレスチン2のC-末端と融合させる。ProLinkTMタグと呼ばれる小さい方のフラグメントをPTGER2(EP2)又はPTRGER4(EP4)にC-末端にて融合させる。活性化によりb-アレスチンが動員され、それによりProLinkとEAが相互作用してb-galの2つのフラグメントが互いに補完され、基質を加水分解し、化学発光シグナルを生成することができる機能性酵素が形成される。
【0569】
hEP2 b-アレスチンアッセイ:
HEK 293 PTGER2 b-アレスチン細胞(DiscoverX 93-021-4C1)を細胞解離バッファー(a cell dissociation buffer)(Invitrogen、13151-014)を用いて培養皿から剥がし、生育培地(GM:DMEM+Glutamax-I(Invitrogen 32430)/10%FCS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン)中に集める。384ウェルプレート(白色、白色底、Greiner 781080)の1ウェル当たり、5000個の細胞を1ウェル当たり20μlのGM中に播種する。プレートを37℃、5%CO2にて24時間インキュベートする。
【0570】
試験化合物の保存溶液をDMSO中10mMの濃度で調製し、DMSOで阻害用量応答曲線に必要な濃度(試験濃度範囲10μM-2nM又は1μM-0.2nM)に段階希釈する。
【0571】
PGE2(Cayman 14010、保存溶液:DMSO中10mM)を、EC80に相当する5μMの最終濃度でアゴニストとして使用する。
【0572】
5マイクロリットルの希釈した化合物をアッセイプレートに移す。プレートを37℃にて15分プレインキュベートする。次いで、5マイクロリットルのPGE2(最終濃度、5μM)をアッセイプレートに移す。プレートを37℃にて120分インキュベートする。
【0573】
PathHunter Glo Detection Kitの構成物を融解し、取り扱い説明書に従って混合する:1部のGalacton Star Substrateを、それぞれ5部のEmerald IITM Solution及び19部のPathHunter Cell Assay Bufferと混合する。12μlの試薬をアッセイプレートに移し、暗所にて室温で1時間インキュベートする。蛍光カウントを取り扱い説明書に従ってBMG Fluostar Optimaリーダー上で読みとる。
【0574】
各化合物濃度について、DMSO対照値と比較した活性の百分率を平均±STDEV(各濃度について2回測定を行う)として計算する。
【0575】
IC50値及び曲線を、Dose-Response One Site モデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する。化合物について複数回測定を行った場合は、平均値を記載する。
【0576】
hEP4 b-アレスチンアッセイ:
HEK 293 PTGER4 b-アレスチン細胞(DiscoverX 93-030-4C1)を細胞解離バッファー(Invitrogen、13151-014)を用いて培養皿から剥がし、生育培地(GM:DMEM+Glutamax-I(Invitrogen 32430)/10%FCS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン)中に集める。384ウェルプレート(白色、白色底、Greiner 781080)の1ウェル当たり、5000個の細胞を1ウェル当たり20μlのGM中に播種する。プレートを37℃、5%CO2にて24時間インキュベートする。
【0577】
試験化合物の保存溶液をDMSO中10mMの濃度で調製し、DMSOで阻害用量応答曲線に必要な濃度(試験濃度範囲10μM-2nM又は1μM-0.2nM)に段階希釈する。
【0578】
PGE2(Cayman 14010、保存溶液:DMSO中100μM)を、EC80に相当する20nMの最終濃度でアゴニストとして使用する。
【0579】
5マイクロリットルの希釈した化合物をアッセイプレートに移す。プレートを37℃にて15分プレインキュベートする。次いで、5マイクロリットルのPGE2(最終濃度、20nM)をアッセイプレートに移す。プレートを37℃にて120分インキュベートする。
【0580】
PathHunter Glo Detection Kitの構成物を融解し、取り扱い説明書に従って混合する:1部のGalacton Star Substrateを、それぞれ5部のEmerald IITM Solution及び19部のPathHunter Cell Assay Bufferと混合する。12μlの試薬をアッセイプレートに移し、暗所にて室温で1時間インキュベートする。蛍光カウントを取り扱い説明書に従ってBMG Fluostar Optimaリーダー上で読みとる。
【0581】
各化合物濃度について、DMSO対照値と比較した活性の百分率を平均±STDEV(各濃度について2回測定を行う)として計算する。
【0582】
IC50値及び曲線を、Dose-Response One Site モデル203を用いて、XLfitソフトウェア(IDBS)で作成する。化合物について複数回測定を行った場合は、平均値を記載する。
【0583】
例示化合物のベータ-アレスチン及びcAMPアッセイにおけるアンタゴニスト活性(
nMで表したIC50)を表8に示す:
【0584】
【0585】
【0586】