(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】新規な大環状誘導体、それを調製するための方法及びそれを含有する医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 498/08 20060101AFI20230330BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230330BHJP
A61P 37/00 20060101ALI20230330BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230330BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/4748 20060101ALI20230330BHJP
C07D 498/18 20060101ALI20230330BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230330BHJP
C07D 498/22 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/4162 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230330BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20230330BHJP
C12N 9/99 20060101ALI20230330BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20230330BHJP
C07F 9/09 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
C07D498/08
A61P43/00 105
A61P35/00 ZNA
A61P37/06
A61P37/00
A61P35/02
A61P43/00 123
A61K45/00
A61K31/4748
C07D498/18 CSP
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K39/395 E
A61K39/395 T
C07D498/22
A61K31/675
A61K31/5377
A61K31/4162
A61K31/437
A61K31/519
A61K31/407
C12N9/99
C07K16/18
C07F9/09 U
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2020522921
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(86)【国際出願番号】 EP2018079113
(87)【国際公開番号】W WO2019081559
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-08-03
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500287019
【氏名又は名称】レ ラボラトワール セルヴィエ
(73)【特許権者】
【識別番号】514185839
【氏名又は名称】ヴァーナリス・(アール・アンド・ディ)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VERNALIS(R&D)LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】スタルク,ジェローム-ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】デュラン,ディディエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イ-ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ル・ティラン,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】オルテュノ,ジャン-クロード
(72)【発明者】
【氏名】ニェルゲシュ,ミクロス
(72)【発明者】
【氏名】リゲティ,メリンダ
(72)【発明者】
【氏名】フェイェシュ,イムレ
【審査官】神野 将志
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525536(JP,A)
【文献】国際公開第2014/022752(WO,A1)
【文献】特開2015-028017(JP,A)
【文献】特開2015-028018(JP,A)
【文献】特表2015-506368(JP,A)
【文献】国際公開第2017/044633(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 498/08
A61P 43/00
A61P 35/00
A61P 37/06
A61P 37/00
A61P 35/02
A61K 45/00
A61K 31/4748
C07D 498/18
A61K 39/395
C07D 498/22
A61K 31/675
A61K 31/5377
A61K 31/4162
A61K 31/437
A61K 31/519
A61K 31/407
C12N 9/99
C07K 16/18
C07F 9/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化55】
[式中、
A
1及びA
2は、それぞれ独立して、水素又はハロゲン原子、直鎖又は分岐鎖ポリハロ-(C
1~C
6)アルキル、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基又はシクロアルキル基を表すか、又は
A
1及びA
2は、それらを有している原子と共に、5、6又は7個の環員で構成されている芳香族又は非芳香族複素環Hetを形成しており、前記複素環は、窒素に加えて、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有していてよく、当該窒素は、水素原子、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基又は基-C(O)-O-Alk(式中、Alkは、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基である)を表す基で置換されていてよいと理解され、
Gは、基-NR
7-、場合により基Tで置換されている基1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニレン、場合により基Tで置換されている基2,3-ジヒドロ-1H-イソインドリレン又はピペリジニレン基を表し、
Tは、水素原子、場合により1~3個のハロゲン原子で置換されている直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
4)アルキル-NR
1R
2基又は(C
1~C
4)アルキル-OR
6基を表し、
Xは、(C
2~C
8)アルキレン基を表し、前記アルキレン基において、1~3個の環員は、酸素、硫黄及びN-R
5から選択されるヘテロ原子により、又はアリーレンもしくはヘテロアリーレン基で置き換えられていてもよく、
Yは、基-CH
2-又は-CO-を表し、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表すか、又は
R
1及びR
2は、それらを有している窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキルを形成しており、
R
3及びR
4は、以下:
- それらのうちの一方が、下記式:
【化56】
[式中、
Wは、ヒドロキシ基、又は-OPO(OM)(OM’)、-OPO(OM)(O
-M
1
+)、-OPO(O
-M
1
+)(O
-M
2
+)、-OPO(O
-)(O
-)M
3
2+、-OPO(OM)(O[CH
2CH
2O]
nCH
3)及び-OPO(O
-M
1
+)(O[CH
2CH
2O]
nCH
3)から選択されるホスファート基(式中、M及びM’は、それぞれ独立して、水素原子、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基、直鎖又は分岐鎖(C
2~C
6)アルケニル基、直鎖又は分岐鎖(C
2~C
6)アルキニル基、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル(両方とも、5~6個の環員で構成されている)を表し、一方、M
1
+及びM
2
+は、それぞれ独立して、薬学的に許容し得る一価カチオンを表し、M
3
2+は、薬学的に許容し得る二価カチオンを表し、nは、1~5の整数である)を表す]
で示されるフェニル基を表し、
- 一方、他方は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、先の基、又はそれらの可能性のある置換基の1つ以上の炭素原子は、重水素化されていてよいと理解される
のようであり、
R
5は、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、
R
a、R
b、R
c及びR
dは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基、ハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルコキシ基、ヒドロキシ基、直鎖もしくは分岐鎖ポリハロ-(C
1~C
6)アルキル基、トリフルオロメトキシ基を表すか、又は、対(R
a、R
b)、(R
b、R
c)もしくは(R
c、R
d)のうちの1つにおける置換基は、それらを有している炭素原子と共に、5~7個の環員で構成されている環を形成しており、前記環は、酸素及び硫黄から選択される1~2つのヘテロ原子を含有していてよく、上記定義された環の1つ以上の炭素原子は、重水素化されているか、又は、ハロゲン及び直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキルから選択される1~3個の基で置換されていてよいとも理解され、
-「アリール」は、フェニル、ナフチル、ビフェニル又はインデニル基を意味し、
-「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香族部分を有し、かつ酸素、硫黄、窒素及び第四級窒素から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、5~10個の環員で構成されている任意の単環式又は二環式の基を意味し、
-「シクロアルキル」は、3~10個の環員を含有する、任意の単環式又は二環式の非芳香族炭素環基を意味し、
-「ヘテロシクロアルキル」は、3~10個の環員で構成され、酸素、硫黄、SO、SO
2及び窒素から選択される1~3個のヘテロ原子を含有していてよい、任意の単環式、又は二環式の縮合又はスピロ非芳香族基を意味し、
-アリーレン、ヘテロアリーレン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニレン、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドリレン又はピペリジニレンは、二価のアリール、ヘテロアリール、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール又はピペリジン基を意味する
と理解され、
該定義されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキル基、並びに基アルキル、アルケニル、アルキニル及びアルコキシは、場合によりヒドロキシ、モルホリニル、3,3-ジフルオロピペリジニル又は3,3-ジフルオロピロリジニル基で置換されている、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル;(C
3~C
6)スピロ;場合によりモルホリニル基で置換されている直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルコキシ;(C
1~C
6)アルキル-S-;ヒドロキシル;オキソ;N-オキシド;ニトロ;シアノ;-COOR’;-OCOR’;NR’R’’;直鎖又は分岐鎖ポリハロ-(C
1~C
6)アルキル;トリフルオロメトキシ;(C
1~C
6)アルキルスルホニル;ハロゲン;場合により1つ以上のハロゲン原子で置換されているアリール;ヘテロアリール;アリールオキシ;アリールチオ;シクロアルキル;場合により1つ以上のハロゲン原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基で置換されているヘテロシクロアルキルから選択される1~3個の基で置換されていてよ
く、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素原子、又は場合によりメトキシ基で置換されている直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表すと理解される]
で示される化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体、又は薬学的に許容し得る酸もしくは塩基とのその付加塩。
【請求項2】
A
1及びA
2がそれぞれ、メチル基を表す、請求項1記載の式(I)で示される化合物。
【請求項3】
A
1及びA
2が、それらを有している原子と共に、6個の環員で構成されている複素環を形成している、請求項1記載の式(I)で示される化合物。
【請求項4】
R
a、R
c及びR
dが、それぞれ水素原子を表し、R
bが、水素原子又はハロゲン原子を表す、請求項1~3のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項5】
Yが、基-CO-を表す、請求項1~4のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項6】
Gが、下記:
【化57】
[式中、Tは、メチル基又は(4-モルホリニル)メチル基を表す]
の群から選択される基を表す、請求項1~5のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項7】
Xが、下記:
【化58】
の群から選択される基を表す、請求項1~6のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項8】
基R
3又はR
4のうちの一方が、4-ヒドロキシフェニル基を表し、一方、他方が、下記リスト:
- 場合によりシアノ基で置換されているフェニル基、
- ピラゾリル基、
- 1-メチル-1H-ピラゾリル基、
- 1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾリル基、
- 5-メチル-2-シアノ-1H-ピロリル基、
- 1-メチル-2-シアノ-1H-ピロリル基、
- 1,2-ジメチル-1H-ピロリル基、
- 1,5-ジメチル-2-シアノ-1H-ピロリル基、
- ピリミジニル基、
- エチル基、
- ピリジニウム基
から選択される基を表す、請求項1~7のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項9】
R
4が、4-ヒドロキシフェニル基を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物。
【請求項10】
R
3が、4-ヒドロキシフェニル基を表す、請求項8記載の式(I)で示される化合物。
【請求項11】
R
3が、4-ヒドロキシフェニル基を表し、Gが、ピペリジニレン基を表す、請求項10記載の式(I)で示される化合物。
【請求項12】
下記:
- 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-20,23-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5,14(8H)-ジオン、
- 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-23-オキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-5,14-ジオキソ-4,5,8,16,17,23,24,25-オクタヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピロロ[3,2-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-2-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-5,14-ジオキソ-1,4,5,8,16,17,23,24-オクタヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピロロ[2,3-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-2-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,21,22,23-ヘキサヒドロ-14H-15,21-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[j,o]ピラゾロ[3,4-b][1,4,8,13]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン、
- (16S又はR)-11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8,16-テトラメチル-5,14-ジオキソ-4,5,8,16,17,23,24,25-オクタヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピロロ[3,2-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-2-カルボニトリル、
- 4-[16-クロロ-3-ヒドロキシ-19,20-ジメチル-13,22-ジオキソ-6,7,8,9,10,11,19,22-オクタヒドロ-13H,23H-8,12-メタノ-21,18-(メテノ)ジベンゾ[b,j][1,4,8,13]オキサトリアザシクロノナデシン-23-イル]-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル、
- 10-フルオロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,27,30-トリオキサ-2,6,15,32,35-ペンタアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン、
- 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,30-ジオキサ-2,6,15,32,35-ペンタアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン、
-10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6,27-トリメチル-24,30-ジオキサ-2,6,15,27,32,35-ヘキサアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピラゾロ[3,4-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン
の群から選択される、請求項1記載の式(I)で示される化合物。
【請求項13】
式(II):
【化59】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c、R
d、Y及びGは、請求項1に定義された式(I)についてのものと同じ意味を有し、Alkは、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表す]
で示される化合物を出発物質として使用し、
式(II)で示される化合物のエステル官能基-OAlkを加水分解して、対応するカルボン酸又はカルボキシラートを生成し、これらを、対応する塩化アシル又は酸無水物に変換してもよく、その後、アミンNHR
3AR
4[式中、R
4は、式(I)についてのものと同じ意味を有し、R
3Aは、
- 式(I)で定義された基R
3、又は
- 基R
3-O-Alk’-Z、R
3-Alk’-Z又はR
3-Z(式中、Alk’は、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、Zは、ハロゲン原子又は-OH基を表す)
を表す]
とカップリングさせて、式(III):
【化60】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c、R
d、R
4、Y及びGは、式(I)についてのものと同じ意味を有する]
で示される化合物を形成し、
前記化合物を、アルコール官能基の脱保護反応に供し、続けて、分子内求核置換、又は光延反応、又は芳香族求核置換のいずれかに供して、式(I)で示される化合物を生成し、
前記式(I)で示される化合物を、従来の分離技術に従って精製してよく、前記式(I)で示される化合物を、薬学的に許容し得る酸又は塩基とのその付加塩に変換してよく、また場合により、従来の分離技術に従って、その異性体に分離し、
合成の必要に応じて、上記された一連のプロセスにおいて適切と考えられる任意の時点で、合成の試薬又は中間体のヒドロキシ基及びアミノ基を保護し、次いで脱保護してよいと理解されることを特徴とする、請求項1記載の式(I)で示される化合物の調製方法。
【請求項14】
式(IV):
【化61】
[式中、R
3、R
4及びXは、式(I)についてのものと同じ意味を有し、G
Aは、下記リスト:
【化62】
から選択される基を表す]
で示される化合物を出発物質として使用し、
ついで、前記式(IV)で示される化合物を、式(V):
【化63】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c及びR
dは、式(I)についてのものと同じ意味を有する]
で示される化合物とカップリングさせて、式(VI):
【化64】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c、R
d、R
3、R
4及びXは、式(I)についてのものと同じ意味を有する]
で示される化合物を生成し、
前記化合物を、脱保護反応に供し、続けて、分子内カップリングに供して、式(I)で示される化合物を生成し、
前記式(I)で示される化合物を、従来の分離技術に従って精製してよく、前記式(I)で示される化合物を、薬学的に許容し得る酸又は塩基とのその付加塩に変換してよく、また場合により、従来の分離技術に従って、その異性体に分離し、
合成の必要に応じて、上記された一連のプロセスにおいて適切と考えられる任意の時点で、合成の試薬又は中間体のヒドロキシ基及びアミノ基を保護し、ついで脱保護してよいと理解されることを特徴とする、請求項1記載の式(I)で示される化合物の調製方法。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る酸もしくは塩基との付加塩を、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤との組み合わせで含む、医薬組成物。
【請求項16】
アポトーシス促進剤として使用するための、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
ガン、自己免疫疾患及び免疫系の疾患の処置における使用のための、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項18】
ガンが下記リストから選択される、請求項17記載の医薬組成物:膀胱、脳、乳房及び子宮のガン、慢性リンパ性白血病、結腸直腸ガン、食道及び肝臓のガン、リンパ芽球性白血病、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、悪性血症、骨髄腫、卵巣ガン、非小細胞肺ガン、前立腺ガン及び小細胞肺ガン。
【請求項19】
アポトーシス促進剤として使用するための医薬の製造における、請求項1~12のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物の使用。
【請求項20】
ガン、免疫疾患及び自己免疫疾患の処置のための医薬の製造における、請求項1~12のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物の使用。
【請求項21】
ガンが下記リストから選択される、請求項20記載の式(I)で示される化合物の使用:膀胱、脳、乳房及び子宮のガン、慢性リンパ性白血病、結腸直腸ガン、食道及び肝臓のガン、リンパ芽球性白血病、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、悪性血症、骨髄腫、卵巣ガン、非小細胞肺ガン、前立腺ガン及び小細胞肺ガン。
【請求項22】
遺伝毒性物質、有糸分裂毒素、代謝拮抗剤、プロテアソーム阻害剤、キナーゼ阻害剤及び抗体から選択される抗ガン剤
と組み合わせて用いられる、請求項1~12のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項23】
請求項22記載の
化合物を、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤との組み合わせで含む、医薬組成物。
【請求項24】
ガンの処置における使用のための、請求項22記載の
化合物。
【請求項25】
ガンの処置における使用のための医薬の製造における、請求項22記載の
化合物の使用。
【請求項26】
ガンの処置において、放射線療法に関連して使用するための、請求項1~12のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な大環状化合物、それらの調製方法及びそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
本発明の化合物は新規であり、アポトーシス及び癌腫学の分野において非常に価値のある薬理学的特徴を有する。
【0003】
アポトーシス、即ちプログラム細胞死は、胚発生及び組織恒常性維持にとって重要な、生理的なプロセスである。
【0004】
アポトーシス型細胞死は、形態学的変化(例えば核の凝縮、DNA断片化)及び生化学的現象(例えば、カスパーゼの活性化(細胞の重要な構造成分に損傷を引き起こし、その解体及び死を誘引する))を伴う。アポトーシスのプロセスの制御は複雑であり、これには幾つかの細胞内シグナル伝達経路の活性化又は抑制が関与している(Cory S. et al., Nature Review Cancer, 2002, 2, 647-656)。
【0005】
アポトーシスの脱制御(deregulation)は、特定の病態に関与している。アポトーシスの増加は、神経変性疾患、例えばパーキンソン病、アルツハイマー病及び虚血に関連している。逆に、アポトーシスの実行欠如は、ガンの進行及びそれらの化学耐性において、また自己免疫疾患、炎症性疾患及びウイルス感染において、重要な役割を果たす。したがって、アポトーシスの欠如は、ガンの表現型上の特徴の1つである(Hanahan D. et al., Cell 2000, 100, 57-70)。
【0006】
Bcl-2ファミリーの抗アポトーシスタンパク質は、多くの病態に関連している。Bcl-2ファミリーのタンパク質の関与が、多くの種類のガン、例えば結腸直腸ガン、乳ガン、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、膀胱ガン、卵巣ガン、前立腺ガン、慢性リンパ性白血病、濾胞性リンパ腫、骨髄腫等において説明されている。Bcl-2ファミリーの抗アポトーシスタンパク質の過剰発現は、腫瘍形成、化学療法に対する抵抗性及びガンに罹患した患者の臨床予後に関与している。したがって、Bcl-2ファミリーのタンパク質の抗アポトーシス活性を阻害する化合物についての治療上のニーズが存在する。
【0007】
本発明の化合物は、新規であることに加えて、アポトーシス促進特性を有し、このことがそれらをアポトーシスの欠如が関与する病理、例えばガン、自己免疫疾患及び免疫系の疾患の処置等において使用可能にする。
【0008】
第1の実施態様(E1)では、本発明は、式(I):
【化1】
[式中、
A
1及びA
2は、それぞれ独立して、水素又はハロゲン原子、直鎖又は分岐鎖ポリハロ-(C
1~C
6)アルキル、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基又はシクロアルキル基を表すか、又は
A
1及びA
2は、それらを有している原子と共に、5、6又は7個の環員で構成されている芳香族又は非芳香族複素環Hetを形成しており、前記複素環は、窒素に加えて、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を含有していてよく、当該窒素は、水素原子、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基又は基-C(O)-O-Alk(式中、Alkは、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基である)を表す基で置換されていてよいと理解され、
Gは、基-NR
7-、場合により基Tで置換されている基1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニレン、場合により基Tで置換されている基2,3-ジヒドロ-1H-イソインドリレン又はピペリジニレン基を表し、
Tは、水素原子、場合により1~3個のハロゲン原子で置換されている直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
4)アルキル-NR
1R
2基又は(C
1~C
4)アルキル-OR
6基を表し、
Xは、(C
2~C
8)アルキレン基を表し、前記アルキレン基において、1~3個の環員は、酸素、硫黄から選択されるヘテロ原子及びN-R
5により、又はアリーレンもしくはヘテロアリーレン基により置き換えられていてもよく、
Yは、基-CH
2-又は-CO-を表し、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表すか、又は
R
1及びR
2は、それらを有している窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキルを形成しており、
R
3及びR
4は、以下:
- それらのうちの一方が、下記式:
【化2】
[式中、
Wは、ヒドロキシ基、又は-OPO(OM)(OM’)、-OPO(OM)(O
-M
1
+)、-OPO(O
-M
1
+)(O
-M
2
+)、-OPO(O
-)(O
-)M
3
2+、-OPO(OM)(O[CH
2CH
2O]
nCH
3)及び-OPO(O
-M
1
+)(O[CH
2CH
2O]
nCH
3)から選択されるホスファート基(式中、M及びM’は、それぞれ独立して、水素原子、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基、直鎖又は分岐鎖(C
2~C
6)アルケニル基、直鎖又は分岐鎖(C
2~C
6)アルキニル基、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル(両方とも、5~6個の環員で構成されている)を表し、一方、M
1
+及びM
2
+は、それぞれ独立して、薬学的に許容し得る一価カチオンを表し、M
3
2+は、薬学的に許容し得る二価カチオンを表し、nは、1~5の整数である)を表す]
で示されるフェニル基を表し、
- 一方、他方は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、先の基、又はそれらの可能性のある置換基の1つ以上の炭素原子は、重水素化されていてよいと理解される
のようであり、
R
5は、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、
R
a、R
b、R
c及びR
dは、それぞれ独立して、水素原子、直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基、ハロゲン原子、直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルコキシ基、ヒドロキシ基、直鎖もしくは分岐鎖ポリハロ-(C
1~C
6)アルキル基、トリフルオロメトキシ基を表すか、又は、対(R
a、R
b)、(R
b、R
c)もしくは(R
c、R
d)のうちの1つにおける置換基は、それらを有している炭素原子と共に、5~7個の環員で構成されている環を形成しており、前記環は、酸素及び硫黄から選択される1~2つのヘテロ原子を含有していてよく、上記定義された環の1つ以上の炭素原子は、重水素化されているか、又は、ハロゲン及び直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキルから選択される1~3個の基で置換されていてよいとも理解され、
-「アリール」は、フェニル、ナフチル、ビフェニル又はインデニル基を意味し、
-「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香族部分を有し、かつ酸素、硫黄、窒素及び第四級窒素から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する、5~10個の環員で構成されている任意の単環式又は二環式の基を意味し、
-「シクロアルキル」は、3~10個の環員を含有する、任意の単環式又は二環式の非芳香族炭素環基を意味し、
-「ヘテロシクロアルキル」は、3~10個の環員で構成され、酸素、硫黄、SO、SO
2及び窒素から選択される1~3個のヘテロ原子を含有していてよい、任意の単環式、又は二環式の縮合又はスピロ非芳香族基を意味し、
-アリーレン、ヘテロアリーレン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニレン、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドリレン又はピペリジニレンは、二価のアリール、ヘテロアリール、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール又はピペリジン基を意味する
と理解され、
該定義されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキル基、並びに基アルキル、アルケニル、アルキニル及びアルコキシは、場合によりヒドロキシ、モルホリニル、3,3-ジフルオロピペリジニル又は3,3-ジフルオロピロリジニル基で置換されている、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル;(C
3~C
6)スピロ;場合によりモルホリニル基で置換されている直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルコキシ;(C
1~C
6)アルキル-S-;ヒドロキシル;オキソ;N-オキシド;ニトロ;シアノ;-COOR’;-OCOR’;NR’R’’;直鎖又は分岐鎖ポリハロ-(C
1~C
6)アルキル;トリフルオロメトキシ;(C
1~C
6)アルキルスルホニル;ハロゲン;場合により1つ以上のハロゲン原子で置換されているアリール;ヘテロアリール;アリールオキシ;アリールチオ;シクロアルキル;場合により1つ以上のハロゲン原子又は直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基で置換されているヘテロシクロアルキルから選択される1~3個の基で置換されていてよいと理解され、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素原子、又は場合によりメトキシ基で置換されている直鎖もしくは分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表すと理解される]
で示される化合物、そのエナンチオマー及びジアステレオ異性体並びに薬学的に許容し得る酸もしくは塩基とのそれらの付加塩に関する。
【0009】
薬学的に許容し得る酸の中でも、塩酸、臭化水素酸、硫酸、ホスホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、カンファー酸等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0010】
薬学的に許容し得る塩基の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、tert-ブチルアミン等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明の種々の特定の実施態様(E)を以下に詳述する。異なる実施態様の特徴同士を組み合わせて、新たな実施態様を生成することができることに留意されたい。
【0012】
E2. A1及びA2がそれぞれメチル基を表すか、又は、基A1もしくはA2の一方が、メチルを表し、一方、他方が、水素原子を表す、実施態様E1記載の式(I)で示される化合物。
【0013】
E3. A1及びA2が、それらを有している原子と共に、6個の環員で構成されている複素環を形成している、実施態様E1記載の式(I)で示される化合物。
【0014】
E4. Ra、Rc及びRdが、それぞれ水素原子を表し、Rbが、水素原子又はハロゲン原子を表す、実施態様E1~E3のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物。
【0015】
E5. Yが、基-CO-を表す、実施態様E1~E4のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物。
【0016】
E6. Gが、下記:
【化3】
[式中、Tは、メチル基又は(4-モルホリニル)メチル基を表す]
の群から選択される基を表す、実施態様E1~E5のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物。
【0017】
E7. Xが、下記:
【化4】
の群から選択される基を表す、実施態様E1~E6のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物。
【0018】
E8. 基R3又はR4のうちの一方が、4-ヒドロキシフェニル基を表し、一方、他方が、アリール、ヘテロアリール又は直鎖もしくは分岐鎖(C1~C6)アルキル基を表す、実施態様E1~E7のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物。
【0019】
E9. 基R3又はR4のうちの一方が、4-ヒドロキシフェニル基を表し、一方、他方が、下記リスト:
- 場合によりシアノ基で置換されているフェニル基、
- ピラゾリル基、
- 1-メチル-1H-ピラゾリル基、
- 1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾリル基、
- 5-メチル-2-シアノ-1H-ピロリル基、
- 1-メチル-2-シアノ-1H-ピロリル基、
- 1,2-ジメチル-1H-ピロリル基、
- 1,5-ジメチル-2-シアノ-1H-ピロリル基、
- ピリミジニル基、
- エチル基、
- ピリジニウム基
から選択される基を表す、実施態様E8記載の式(I)で示される化合物。
【0020】
本発明のある実施態様では、R3又はR4は、基4-[(NaO)2OPO]フェニルを表す。
【0021】
E10. R4が、4-ヒドロキシフェニル基を表す、実施態様E9記載の式(I)で示される化合物。
【0022】
E11. R3が、4-ヒドロキシフェニル基を表す、実施態様E9記載の式(I)で示される化合物。
【0023】
E12. R3が、4-ヒドロキシフェニル基を表し、Gが、ピペリジニレン基を表す、実施態様E11記載の式(I)で示される化合物。
【0024】
E13. 下記:
- 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-20,23-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5,14(8H)-ジオン、
- 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-23-オキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-5,14-ジオキソ-4,5,8,16,17,23,24,25-オクタヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピロロ[3,2-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-2-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-5,14-ジオキソ-1,4,5,8,16,17,23,24-オクタヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピロロ[2,3-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-2-カルボニトリル、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,21,22,23-ヘキサヒドロ-14H-15,21-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[j,o]ピラゾロ[3,4-b][1,4,8,13]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン、
- (16S又はR)-11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8,16-テトラメチル-5,14-ジオキソ-4,5,8,16,17,23,24,25-オクタヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピロロ[3,2-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-2-カルボニトリル、
- 4-[16-クロロ-3-ヒドロキシ-19,20-ジメチル-13,22-ジオキソ-6,7,8,9,10,11,19,22-オクタヒドロ-13H,23H-8,12-メタノ-21,18-(メテノ)ジベンゾ[b,j][1,4,8,13]オキサトリアザシクロノナデシン-23-イル]-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル、
- 10-フルオロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,27,30-トリオキサ-2,6,15,32,35-ペンタアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン、
- 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,30-ジオキサ-2,6,15,32,35-ペンタアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン、
- 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6,27-トリメチル-24,30-ジオキサ-2,6,15,27,32,35-ヘキサアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン、
- 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピラゾロ[3,4-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン
の群から選択される、実施態様E1記載の式(I)で示される化合物。
【0025】
E14. 式(II):
【化5】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c、R
d、Y及びGは、E1に定義された式(I)についてのものと同じ意味を有し、Alkは、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表す]
で示される化合物を出発物質として使用し、
式(II)で示される化合物のエステル官能基-OAlkを加水分解して、対応するカルボン酸又はカルボキシラートを生成し、これらを、対応する塩化アシル又は酸無水物に変換してもよく、その後、アミンNHR
3AR
4[式中、R
4は、式(I)についてのものと同じ意味を有し、R
3Aは、
- 式(I)で定義された基R
3、又は
- 基R
3-O-Alk’-Z、R
3-Alk’-Z又はR
3-Z(式中、Alk’は、直鎖又は分岐鎖(C
1~C
6)アルキル基を表し、Zは、ハロゲン原子又は-OH基を表す)
を表す]
とカップリングさせて、式(III):
【化6】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c、R
d、R
4、Y及びGは、式(I)についてのものと同じ意味を有する]
で示される化合物を形成し、
前記化合物を、アルコール官能基の脱保護反応に供し、続けて、分子内求核置換、又は光延反応、又は芳香族求核置換のいずれかに供して、式(I)で示される化合物を生成し、
前記式(I)で示される化合物を、従来の分離技術に従って精製してよく、前記式(I)で示される化合物を、薬学的に許容し得る酸又は塩基とのその付加塩に変換してよく、また場合により、従来の分離技術に従って、その異性体に分離し、
合成の必要に応じて、上記された一連のプロセスにおいて適切と考えられる任意の時点で、合成の試薬又は中間体のヒドロキシ基及びアミノ基を保護し、次いで脱保護してよいと理解されることを特徴とする、実施態様E1記載の式(I)で示される化合物の製造のための方法。
【0026】
E15. 式(IV):
【化7】
[式中、R
3、R
4及びXは、式(I)についてのものと同じ意味を有し、G
Aは、下記リスト:
【化8】
から選択される基を表す]
で示される化合物を出発物質として使用し、
ついで、前記式(IV)で示される化合物を、式(V):
【化9】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c及びR
dは、式(I)についてのものと同じ意味を有する]
で示される化合物とカップリングさせて、式(VI):
【化10】
[式中、A
1、A
2、R
a、R
b、R
c、R
d、R
3、R
4及びXは、式(I)についてのものと同じ意味を有する]
で示される化合物を生成し、
前記化合物を、脱保護反応に供し、続けて、分子内カップリングに供して、式(I)で示される化合物を生成し、
前記式(I)で示される化合物を、従来の分離技術に従って精製してよく、前記式(I)で示される化合物を、薬学的に許容し得る酸又は塩基とのその付加塩に変換してよく、また場合により、従来の分離技術に従って、その異性体に分離し、
合成の必要に応じて、上記された一連のプロセスにおいて適切と考えられる任意の時点で、合成の試薬又は中間体のヒドロキシ基及びアミノ基を保護し、ついで脱保護してよいと理解されることを特徴とする、実施態様E1記載の式(I)で示される化合物の製造のための方法。
【0027】
E16. 実施態様E1~E13のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る酸もしくは塩基との付加塩を、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤との組み合わせで含む、医薬組成物。
【0028】
E17. アポトーシス促進剤として使用するための、実施態様E16記載の医薬組成物。
【0029】
E18. ガン、自己免疫疾患及び免疫系の疾患の処置における使用のための、実施態様E16記載の医薬組成物。
【0030】
E19. ガンが下記リストから選択される、実施態様E18記載の医薬組成物:膀胱、脳、乳房及び子宮のガン、慢性リンパ性白血病、結腸直腸ガン、食道及び肝臓のガン、リンパ芽球性白血病、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、悪性血症、骨髄腫、卵巣ガン、非小細胞肺ガン、前立腺ガン及び小細胞肺ガン。
【0031】
E20. アポトーシス促進剤として使用するための医薬の製造における、実施態様E1~E13のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物の使用。
【0032】
E21. ガン、免疫疾患及び自己免疫疾患の処置のための医薬の製造における、実施態様E1~E13のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物の使用。
【0033】
E22. ガンが下記リストから選択される、実施態様E21記載の式(I)で示される化合物の使用:膀胱、脳、乳房及び子宮のガン、慢性リンパ性白血病、結腸直腸ガン、食道及び肝臓のガン、リンパ芽球性白血病、非ホジキンリンパ腫、メラノーマ、悪性血症、骨髄腫、卵巣ガン、非小細胞肺ガン、前立腺ガン及び小細胞肺ガン。
【0034】
E23. 実施態様E1~E13のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物と、遺伝毒性物質、有糸分裂毒素、代謝拮抗剤、プロテアソーム阻害剤、キナーゼ阻害剤及び抗体から選択される抗ガン剤との組み合わせ。
【0035】
E24. 実施態様E23記載の組み合わせを、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤との組み合わせで含む、医薬組成物。
【0036】
E25. ガンの処置における使用のための、実施態様E23記載の組み合わせ。
【0037】
E26. ガンの処置における使用のための医薬の製造における、実施態様E23記載の組み合わせの使用。
【0038】
E27. ガンの処置において、放射線療法に関連して使用するための、実施態様E1~E13のいずれか一つ記載の式(I)で示される化合物
【0039】
本発明の医薬組成物の中でも、とりわけ、経口、非経口、鼻、経皮、直腸、経舌、眼又は呼吸経路による投与に適したもの、特に、錠剤又は糖衣錠、舌下錠、サシェ(sachets)、パケット、カプセル剤、グロセット(glossettes)、ロゼンジ剤、坐剤、クリーム剤、軟膏剤、皮膚ゲル剤及び飲用又は注射用アンプルを挙げることができる。
【0040】
用量は、患者の性別、年齢及び体重、投与経路、治療適応又は任意の関連する処置の性質に応じて変化し、1回以上の投与において、24時間当たり0.01mg~1gの範囲である。
【0041】
最後に、本発明の化合物は、モノクローナル抗体又はその断片に連結させてもよく、又は、モノクローナル抗体と関連していてもしていなくてもよい足場タンパク質に連結させてもよい。
【0042】
抗体断片は、Fv、scFv、Fab、F(ab’)2、F(ab’)、scFv-Fc型又はダイアボディの断片と理解されなければならず、これらは、一般的には、それらが由来する抗体と同じ結合特異性を有する。本発明によれば、本発明の抗体断片は、抗体から出発して、酵素、例えばペプシンもしくはパパインによる消化等の方法により、及び/又は化学的還元によるジスルフィド架橋の開裂により得ることができる。別の様式では、本発明に含まれる抗体断片は、同様に当業者に周知の遺伝子組換え技術により、又は、例えば自動ペプチド合成機(例えばApplied Biosystems社により供給されるもの等)によるペプチド合成により得ることができる。
【0043】
モノクローナル抗体と関連していてもしていなくてもよい足場タンパク質は、免疫グロブリンフォールドを含有するか又は含有せず、モノクローナル抗体と類似した結合能力をもたらすタンパク質を意味すると理解される。当業者であれば、タンパク質足場を選択する方法を知っている。より具体的には、選択されるためには、このような足場は、下記のような幾つかの特徴を示すべきであることが知られている(Skerra A., J. Mol. Recogn., 13, 2000, 167-187):系統発生学的に良く保存されていること、周知の三次元分子組織(例えば結晶学又はNMR等)を有する堅牢な構造、サイズが小さいこと、翻訳後修飾が無いか、又はわずかな程度であること、産生、発現及び精製が容易であること。このようなタンパク質足場は、フィブロネクチン及び好ましくは第10フィブロネクチンIII型ドメイン(FNfn10)、リポカリン、アンチカリン(Skerra A., J. Biotechnol., 2001, 74(4):257-75)、ブドウ球菌プロテインAのドメインB由来のプロテインZ誘導体、チオレドキシンA、又は繰返しドメイン(例えば「アンキリンリピート」(Kohl et al., PNAS, 2003, vol.100, No.4, 1700-1705)、「アルマジロリピート」、「ロイシンリッチリピート」もしくは「テトラトリコペプチドリピート」)を有する任意のタンパク質からなる群より選択される構造であってよいが、これらに限定されない。毒素(例えば、サソリ、昆虫、植物又は軟体動物毒素)由来の足場誘導体、又はニューロン一酸化窒素シンターゼ(PIN)のタンパク質阻害剤も挙げることができる。
【0044】
下記調製及び実施例は、本発明を例証するものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0045】
調製1a: 4-クロロ-2-[4-(エトキシカルボニル)-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-イル]安息香酸
工程A: エチル 1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
60%の水素化ナトリウム(2.61g;65.3mmol)を、0℃に置いたエチル 2-メチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート(10g;65.3mmol)及びヨウ化メチル(8.95mL;130.6mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(70mL)溶液に3回に分けて加える。次に、全体を0℃で1時間撹拌する。反応混合物を氷水(420mL)の添加により加水分解し、次に酢酸エチルで希釈する。デカンテーション後、有機相を0.1N塩酸水溶液、飽和塩化リチウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で連続して洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 6.65 (d, 1H), 6.3 (1d, 1H), 4.1 (1q, 2H); 3.5 (s, 3H), 2.4 (s, 3H), 1.5 (1t, 3H)。
IR:ν:>C=O:1688cm-1; C-O-C:1172cm-1。
【0046】
工程B: エチル 5-(5-クロロ-2-ホルミルフェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(10g;62.8mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(65mL)溶液に、2-ブロモ-4-クロロベンズアルデヒド(15.2g;69mmol)、酢酸カリウム(12.3g;125.6mmol)を連続して加え、次に全体をアルゴン下で20分間撹拌する。次に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.2g;3.14mmol)を加える。次に、反応混合物を130℃で一晩加熱する。周囲温度に戻した後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、次にボーンブラック(2g)をそれに加える。全体を周囲温度で1時間撹拌し、濾過する。次に、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮乾固した。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びエタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.8 (s, 1H), 7.91-7.69-7,61 (d, 3H), 6.5 (s, 1H), 4.2 (q, 2H,), 3.4 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 1.28 (t, 3H)。
【0047】
工程C: 4-クロロ-2-[4-(エトキシカルボニル)-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-イル]安息香酸
工程Bで得られた化合物(12.85g;42mmol)及び2-メチル-2-ブテン(35.7mL;336mmol)を、アセトン(20mL)とテトラヒドロフラン(20mL)の混合物に溶解する。亜塩素酸ナトリウム(13.3g;147mmol)とリン酸水素ナトリウム(14.5g;105mmol)の混合物を含有する水溶液(200mL)を、それに滴下する。次に、全体を周囲温度で7時間激しく撹拌する。反応混合物を濃縮してアセトンを除去し、酢酸エチルで希釈する。デカンテーション後、有機相を水で洗浄し、濃縮乾固する。次に、残留物を最少量のエチルエーテルに取り込む。次に、得られた固体を濾別し、エチルエーテルで洗浄し、真空中、40℃で一晩乾燥する。標記生成物を更に精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 13 (m, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.60 (dd, 1H), 7.41 (d, 1H), 6.3 (s, 1H), 4.15 (q, 2H), 3.25 (s, 3H), 2.5 (s, 3H), 1.25 (t, 3H)。
IR:ν:-OH:3100-2500cm-1; >C=O:1681cm-1。
【0048】
調製2a: 5-(5-クロロ-2-ホルミルフェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
工程A: エチル 1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
クロロアセトアルデヒド(1206g;7.68mol)の50質量%水溶液を、-10℃に置いたアセト酢酸エチル(1000g;7.68mol)のテトラヒドロフラン(3L)溶液に、1時間かけて加える。次に、メチルアミン(1495g;19.2mol)の40質量%水溶液を、-10℃で3時間かけて加える。次に、反応混合物を30℃で1.5時間かけて加熱し、その温度で16時間撹拌する。周囲温度に戻した後、混合物を酢酸エチル(3L)で希釈し、相を分離する。塩基性の水相を抽出のためにとっておく。有機相を10℃に冷却し、1N塩酸水溶液(2.5L)を15分間かけて加える。相を分離し、有機相を1N塩酸水溶液(2.5L)で再び洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液(1L)で洗浄する。塩基性及び酸性の水相を合わせ、酢酸エチル(1.5L)で洗浄する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。生成物を減圧蒸留により精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.50 (d, 1 H), 6.45 (d, 1 H), 4.25 (q, 2 H), 3.51 (s, 3 H), 2.49 (s, 3 H), 1.33 (t, 3 H)。
【0049】
工程B: 1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
水酸化リチウム一水和物(251g;5.98mmol)を、工程Aで得られた化合物(500g;2.99mol)の水(5L)溶液に加え、混合物を100℃で2時間加熱する。周囲温度に戻した後、反応混合物をトルエン(1L)及びメチル-tert-ブチルエーテル(1L)で洗浄する。塩酸水溶液(530mL)で水相を10~15℃の温度でpH=1に酸性化し、1時間撹拌し、濾過する。得られた固体を水で3回洗浄し、真空中で60~65℃の温度で36時間乾燥する。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 11.52 (s, 1 H), 6.62 (d, 1 H), 6.29 (d, 1 H), 3.50 (s, 3 H), 2.41 (s, 3 H)。
【0050】
工程C: 5-(5-クロロ-2-ホルミルフェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
2-ブロモ-4-クロロベンズアルデヒド酸及び前工程で得られた化合物を用い、調製1aの工程Bに記載した方法に従って、標記化合物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.8 (s, 1 H), 7.91 (d, 1 H), 7.69 (dd, 1 H), 7.61 (d, 1 H), 6.5 (s, 1 H), 4.2 (quad., 2 H), 3.4 (s, 3 H), 2.55 (s, 3 H), 1.28 (t, 3 H)。
【0051】
調製1a’: 5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、塩酸塩(1:1)
工程A: tert-ブチル 5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
二酸化白金(2g;8.8mmol)を、5-ヒドロキシイソキノリン(20g;137mmol)の酢酸(120mL)溶液に加える。全体を24時間水素雰囲気下(2bar)に置く。反応混合物を濾過し、触媒をトルエンで洗浄する。そのようにして得られた濾液を濃縮乾固する。得られた残留物を更に精製することなく次に用いる。
【0052】
得られた残留物(1.95g;13mmol)のジクロロメタン(110mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(9.7mL;57mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボナート(3.69g、16.9mmol)を加え、全体を周囲温度で2時間撹拌する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、次に飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。次に、それを硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.41 (m, 1 H), 6.97 (t, 1 H), 6.64/6.54 (2d, 2 H), 4.42 (m, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 2.59 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:-OH:3294cm-1; >C=O:1652cm-1。
【0053】
工程B: tert-ブチル 5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(10g;40.1mmol)のアセトニトリル(110mL)溶液に、臭化アリル(6mL;60.2mmol)及び炭酸カリウム(14.6g、120.3mmol)を加え、全体を周囲温度で20時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.8 (d, 1 H), 7.12 (t, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 6.05 (m, 1 H), 5.41 (dquad, 1 H), 5.28 (dquad, 1 H), 4.58 (dt, 2 H), 4.49 (s, 2 H), 3.55 (t, 2 H), 2.68 (t, 2 H), 1.43 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1691cm-1; >C-O-C<:1162cm-1。
【0054】
工程C: 5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、塩酸塩(1:1)
塩酸の4Nジオキサン溶液(33.4mL;133.5mmol)を、工程Bで得られた化合物(9.7g;33.4mmol)のジオキサン(30mL)溶液に加え、次に全体を周囲温度で48時間撹拌する。反応混合物を濃縮乾固し、得られた残留物を酢酸エチルに取り込み、濾過する。標記生成物を固体の形態で得、これを更に精製することなく用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.4 (s, 2 H), 7.21 (t, 1 H), 6.92 (d, 1 H), 6.8 (d, 1 H), 6.08 (m, 1 H), 5.41 (dt, 1 H), 5.29 (dt, 1 H), 4.62 (m, 2 H), 4.25 (s, 2 H), 3.35 (t, 2 H), 2.86 (t, 2 H)。
IR:ν:>NH2+:3250-2250cm-1。
【0055】
調製2a’: 1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-4-イルメタノール
工程A: メチル 1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-4-カルボキシラート
トリメチルクロロシラン(5.4mL;42.3mmol)を、1,2,3,4-テトラヒドロ-4-イソキノリンカルボン酸(5g;28.2mmol)のメタノール(40mL)溶液に加え、次に全体を周囲温度で16時間撹拌する。2回目のトリメチルクロロシラン(4mL;31.35mmol)の添加後、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌する。次に、反応混合物を濃縮乾固し、残留物をメタノールに取り込み、混合物を再び濃縮する。この操作を2回実施して、標記生成物を与え、これを更に精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.75-9.6 (分離されていないピーク, 2 H), 7.4-7.25 (分離されていないピーク, 4 H), 4.3 (s, 2 H), 4.29 (m, 1 H), 3.72 (s, 3 H), 3.65/3.55 (ABx, 2 H)。
IR:ν:-NH2+:3200-2150cm-1; >C=O:1731cm-1。
【0056】
工程B: 1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-4-イルメタノール
工程Aで得られた化合物(3.47g;18.1mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を、0℃に置いたテトラヒドロフラン(50mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.24g;32.7mmol)の混合物に滴下する。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、水(11mL)と1N水酸化ナトリウム水溶液(15mL)の混合物で加水分解する。酢酸エチルの添加後、全体を周囲温度で16時間撹拌する。次に、不溶性物質を濾別し、濾液を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して標記生成物を与え、これを更に精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.2-6.95 (m, 4 H), 3.8 (s, 2 H), 3.6 (d, 2 H), 3.3 (m, 2 H), 3.18/2.85 (2dd, 2 H), 2.65 (m, 1 H)。
IR:ν:-NH/-OH+:3295cm-1; >C=C<:1626cm-1。
【0057】
調製1a”: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-3-(2-クロロエトキシ)アニリン
工程A: 1-ブロモ-3-(2-クロロエトキシ)ベンゼン
炭酸カリウム(12g;86.7mmol)を、3-ブロモフェノール(5g;18.9mmol)及びブロモクロロエタン(3.7mL;43.3mmol)のアセトニトリル(80mL)溶液に加え、全体を80℃で24時間撹拌する。反応混合物を、酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.15 (m, 2 H), 7.09 (m, 1 H), 6.85 (dt, 1 H), 4.21 (t, 2 H), 3.8 (t, 2 H)。
IR:ν:Ar:1588cm-1; >C-O-C<:1227cm-1; γ:>CH-Ar:764及び678cm-1。
【0058】
工程B: 4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アニリン
文献(S. Knaggs et al., Organic & Biomolecular Chemistry, 3(21), 4002-4010; 2005)記載のプロトコルに従って、テトラヒドロフラン中、イミダゾール及びtert-ブチル(ジメチル)シリルクロリドの存在下に、4-アミノフェノールから出発して、標記化合物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 6.45-6.55 (dd, 4H), 4.60 (m, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.10 (s, 6H)。
IR:ν:-NH2
+:3300-3400cm-1
【0059】
工程C: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-3-(2-クロロエトキシ)アニリン
工程A(4.8g;20.8mmol)及び工程B(5.6g;24.9mmol)で得られた化合物のトルエン(70mL)溶液を、アルゴンで10分間バブリングすることにより脱気する。ナトリウム tert-ブチラート(2.4g;24.9mmol)及びクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(0.7g;1mmol)を、それに加える。次に、全体を80℃で1時間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過する。酢酸エチルですすいだ後、濾液を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.88 (s, 1 H), 7.08 (t, 1 H), 7 (d, 2 H), 6.79 (d, 2 H), 6.54 (dd, 1 H), 6.49 (t, 1 H), 6.32 (dd, 1 H), 4.19 (t, 2 H), 3.91 (t, 2 H), 0.95 (s, 9 H), 0.2 (s, 6 H)
IR:ν:>NH:3393cm-1; δ:Si-CH3:1250cm-1。
【0060】
調製2a”: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-3-(3-クロロプロポキシ)アニリン
標記化合物を、工程Aにおいてブロモクロロエタンをブロモクロロプロパンに代えて、調製1a”の方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.85 (s, 1 H), 7.05 (t, 1 H), 6.99 (d, 2 H), 6.77 (d, 2 H), 6.52 (dd, 1 H), 6.48 (t, 1 H), 6.31 (dd, 1 H), 4.02 (t, 2 H), 3.8 (t, 2 H), 2.13 (quint., 2 H), 0.95 (s, 9 H), 0.2 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3398cm-1; δ:NH:1504cm-1; δ:Si-CH3:1250cm-1。
【0061】
調製3a”: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-3-(4-クロロブトキシ)アニリン
標記化合物を、工程Aにおいてブロモクロロエタンをブロモクロロブタンに代えて、調製1a”の方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.81 (m, 1 H), 7.05 (m, 1 H), 7 (m, 2 H), 6.77 (m, 2 H), 6.5 (m, 1 H), 6.47 (m, 1 H), 6.3 (m, 1 H), 3.92 (m, 2 H), 3.7 (m, 2 H), 1.8 (m, 4 H), 0.97 (m, 9 H), 0.2 (m, 6 H)。
IR:ν:>NH:3401cm-1。
【0062】
調製4a”: 3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-(2-クロロエトキシ)ベンゾニトリル
工程A: (3-ブロモ-5-メトキシフェニル)メタノール
ボラン-ジメチルスルフィド錯体(32.5mL;64.9mmol)を、3-ブロモ-5-メトキシ安息香酸(10g;43.3mmol)のテトラヒドロフラン(280mL)溶液に滴下し、全体を2時間撹拌する。反応混合物を、2N塩酸水溶液の滴下でpH=1まで酸性化する。エーテルで抽出後、有機相を1N水酸化ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を油状物の形態で得る。これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.08 (m, 1 H), 6.99 (m, 1 H), 6.89 (m, 1 H), 5.3 (br. s, 1 H), 4.47 (s, 2 H), 3.75 (s, 3 H)。「br」は「幅広い」の意。
IR:ν:-OH:1588cm-1; >C-O:1268及び1038cm-1; γ:>CH-Ar:811cm-1。
【0063】
工程B: 3-ブロモ-5-メトキシベンズアルデヒド
Dess-Martin試薬(20.3mL;47.8mmol)を、工程Aで得られた化合物(8.6g;39.8mmol)のジクロロメタン(400mL)溶液に加え、次に全体を2時間撹拌する。エーテルの添加後、反応混合物をシリカのベッドで濾過する。濾液を濃縮し、ヘプタンと酢酸エチルの混合物に取り込み、再度シリカのベッドで濾過する。濾液の濃縮後、標記生成物を微黄色固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.5 (s, 1 H), 7.69 (t, 1 H), 7.5 (t, 1 H), 7.42 (t, 1 H), 3.85 (s, 3 H)。
IR:ν:>C=O:1691cm-1。
【0064】
工程C: (E)-1-(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシメタンイミン
工程Bで得られた化合物(7.8g;36.4mmol)のエタノール(10mL)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(12.6g;182mmol)及びピリジン(6.27mL;87.4mmol)を連続して加え、全体を65℃で1時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を白色の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 11.45 (s, 1 H), 8.1 (s, 1 H), 7.35 (t, 1 H), 7.16 (d, 2 H), 3.8 (s, 3 H)。
IR:ν:-OH:3300-3000cm-1; Ar:1600及び1564cm-1; >C-O:1220及び1059cm-1; -N-O:960cm-1; γ:>CH-Ar:831cm-1。
【0065】
工程D: 3-ブロモ-5-メトキシベンゾニトリル
工程Cで得られた化合物(8.1g;35.2mmol)のジオキサン(70mL)溶液に、0℃でピリジン(22mL;211mmol)を加え、無水トリフルオロ酢酸(1.4mL;70.4mmol)を滴下し、全体を周囲温度で24時間撹拌する。反応混合物を0℃に置き、次に2度目の分の無水トリフルオロ酢酸(1.4mL;70.4mmol)を滴下する。全体を周囲温度で24時間撹拌する。反応混合物を再度0℃に置き、次に3度目の分の無水トリフルオロ酢酸(1.4mL;70.4mmol)を滴下する。全体を60℃で1時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を1N塩酸水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を微黄色固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.69 (t, 1 H), 7.53 (dd, 1 H), 7.5 (dd, 1 H), 3.82 (s, 3 H)。
IR:ν:-CN:2232cm-1; Ar:1597及び1562cm-1; >C-O-C<:1278及び1051cm-1; γ:>CH-Ar:848、814及び671cm-1。
【0066】
工程E: 3-ブロモ-5-ヒドロキシベンゾニトリル
ヨウ化リチウム(11.2g;83.7mmol)を、工程Dで得られた化合物(5.9g;27.9mmol)の2,4,6-コリジン(55mL)溶液に加え、全体を150℃で16時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を氷水に注ぐ。ジクロロメタンで抽出後、有機相を合わせ、水で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を褐色-橙色固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 10.7 (br. s, 1 H), 7.51 (t, 1 H), 7.3 (t, 1 H), 7.18 (dd, 1 H)。
IR:ν:-OH:3283cm-1; -CN:2245cm-1。
【0067】
工程F: 3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-(2-クロロエトキシ)ベンゾニトリル
標記化合物を、前工程で得られた化合物及びブロモクロロエタンを出発物質として用い、調製1a”の工程A及びCの方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.29 (s, 1 H), 7.04 (d, 2 H), 6.82 (d, 2 H), 6.79/6.75/6.67 (3*m, 3 H), 4.24 (dd, 2 H), 3.91 (dd, 2 H), 1.19 (s, 6 H), 0.95 (s, 9 H)。
IR:ν:>NH:3332cm-1; -CN:2232cm-1; Ar:1595及び1504cm-1; >C-O-C<:1250cm-1; γ:-Si-C:828cm-1。
【0068】
調製5a”: 3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-(3-クロロプロポキシ)ベンゾニトリル
標記化合物を、工程Fにおいてブロモクロロエタンをブロモクロロプロパンに代えて、調製4a”の方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.3 (m, 1 H), 7.05-6.85 (m, 4 H), 6.8-6.6 (m, 3 H), 4.1 (m, 2 H), 3.8 (m, 2 H), 2.05 (m, 2 H), 0.95 (m, 9 H), 0.2 (m, 6 H)。
IR:ν:>NH:3345cm-1; -CN:2229cm-1。
【0069】
調製6a”: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-(3-クロロプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミン
工程A: 5-(3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール
n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(26.8mL;42.9mmol)を、N-メチルピラゾール(3.2g;39mmol)のテトラヒドロフラン(65mL)溶液に-78℃で滴下し、再び温度0℃に達するまで全体を1時間撹拌する。次に、反応混合物を-78℃に置き、(3-ブロモプロポキシ)-tert-ブチルジメチルシラン(10.6mL;46.8mmol)を加える。全体を周囲温度で16時間撹拌し、氷水と酢酸エチルの混合物に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.35 (d, 1 H), 7 (d, 1 H), 3.8 (s, 3 H), 3.65 (t, 2 H), 2.7 (m, 2 H), 1.85 (m, 2 H), 0.9 (s, 9 H), 0.5 (s, 6 H)。
IR:γ:CH3:1254cm-1; ν:-Si-O-:1098cm-1; -Si-C-:834及び772cm-1。
【0070】
工程B: 3-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)プロパン-1-オール
ピリジニウムトリブロミド(6.6g;20.8mmol)を、工程Aで得られた化合物(4.8g;18.9mmol)のメタノール(200mL)溶液に0℃で加える。全体を0℃で1時間、周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物の濃縮後、残留物を10%炭酸カリウム水溶液とジクロロメタンの混合物に取り込む。ジクロロメタンで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.45 (s, 1 H), 4.59 (t, 1 H), 3.79 (s, 3 H), 3.4 (quad, 2 H), 2.7 (t, 2 H), 1.65 (m, 2 H)。
IR:ν:-OH:3348cm-1。
【0071】
工程C: 4-ブロモ-5-(3-クロロプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール
塩化チオニル(2.6mL;36.4mmol)を、工程Bで得られた化合物(3.9g;17.2mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液に0℃で滴下し、全体を50℃で1時間撹拌する。反応混合物の濃縮後、残留物を水と酢酸エチルの混合物に取り込む。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.48 (s, 1 H), 3.8 (s, 3 H), 3.69 (t, 2 H), 2.8 (t, 2 H), 1.95 (m, 2 H)。
【0072】
工程D: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-(3-クロロプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-アミン
トルエン(25mL)とテトラヒドロフラン(25mL)の混合物中の、調製1a”の工程C(3.6g;15.2mmol)及び工程B(3.4g;15.2mmol)で得られた化合物の溶液を、アルゴンで10分間バブリングすることにより脱気する。ナトリウム tert-ブチラート(1.75g;18.2mmol)及びクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(0.5g;0.76mmol)をそれに加え、全体を周囲温度で2時間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、テトラヒドロフランですすいだ後、濃縮する。残留物を水とジクロロメタンの混合物に取り込み、次にジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、まず溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィー、次いで溶離液としてジクロロメタン及び酢酸エチルを用いる第2のクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.21 (s, 1 H), 6.59 (d, 2 H), 6.45 (d, 2 H), 3.72 (s, 3 H), 3.55 (t, 2 H), 2.89 (quint, 2 H), 2.65 (t, 2 H), 0.91 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
【0073】
調製7a”: 4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-(4-クロロブチル)-5-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
工程A: 5-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
エタン酸ナトリウム(100g;1.47mol)を、アセトアミドシアノ酢酸エチル(50.0g;0.29mol)のエタノール(1.25L)溶液に加え、全体を30℃で10分間、次に50℃で10分間撹拌する。その温度で、1,4-ジクロロ-2-ブチン(72.3g;0.587mol)のエタノール(250mL)溶液を2時間かけて滴下し、全体を還流下に100分間撹拌する。周囲温度に戻した後、2N塩酸水溶液(588mL)を加え、エタノールを濃縮する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。得られた残留物を減圧蒸留して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 8.76 (br. s, 1 H), 6.76 (t, 1 H), 5.93-5.96 (m, 1 H), 2.3 (s, 3 H)。
【0074】
工程B: 4-ブロモ-5-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
臭素(59.9g;0.374mol)の酢酸(163mL)溶液を、酢酸(325mL)とジクロロメタン(122mL)の混合物中の、工程Aで得られた化合物(40.7g;0.341mol)の溶液に10℃で75分間かけて加える。全体をその温度で30分間、次に周囲温度で1時間撹拌する。反応混合物を加水分解し(200mL)、ジクロロメタンを濃縮する。周囲温度に戻した後、水(400mL)を加え、得られた懸濁液を0℃で2時間撹拌する。沈殿物を濾別し、真空中で乾燥して、精製していない標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 9.37 (br. s, 1 H), 6.78 (d, 1 H), 2.27 (s, 3 H)。
【0075】
工程C: 4-ブロモ-1-(4-クロロブチル)-5-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
N,N-ジメチルホルムアミド(120mL)中の工程Bで得られた化合物(4g;21.6mmol)を、最少量のN,N-ジメチルホルムアミド中の、油中60%水素化ナトリウム(0.95g;23.8mmol)の混合物に加え、全体を周囲温度で15分間撹拌した後、1,4-ジクロロブタン(4.7mL;43.2mol)を加える。反応混合物を周囲温度で3日間作用させた後、水(1.5L)で希釈する。次に、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.76 (s, 1 H), 4.05 (t, 2 H), 3.56 (t, 2 H), 2.27 (s, 3 H), 1.87-1.95 (m, 2 H)。
【0076】
工程D: 4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-(4-クロロブチル)-5-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
標記化合物を、前工程で得られた化合物から出発して、調製1a”の工程Cに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.64-6.69 (m, 3 H), 6.46-6.51 (m, 2 H), 4.67 (br. s, 1 H), 4.04 (t, 2 H), 3.57 (t, 2 H), 2.15 (s, 3 H), 1.89-1.99 (m, 2 H), 1.79-1.88 (m, 2 H), 0.96 (s, 9 H), 0.15 (s, 6 H)。
【0077】
調製8a”: 4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-(3-クロロプロピル)-5-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
標記化合物を、工程Cにおいて1,4-ジクロロブタンをブロモクロロプロパンに代えて、調製7a”の方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.68 (s, 1 H), 6.67 (d, 2 H), 6.48 (d, 2 H), 4.67 (br. s, 1 H), 4.18 (t, 2 H), 3.56 (t, 2 H), 2.26 (quint., 2 H), 2.18 (m, 3 H), 0.96 (s, 9 H), 0.15 (s, 6 H)。
【0078】
調製9a”: 3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-(3-クロロプロピル)ベンゾニトリル
工程A: (3-ブロモ-5-ヨードフェニル)メタノール
ボラン-テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液(61.1mL;61.1mmol)を、3-ブロモ-5-ヨード安息香酸(10g;30.58mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液に0℃で滴下し、全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物をメタノール(10mL)で希釈し、1M水酸化ナトリウム水溶液(100mL)で加水分解する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を微褐色固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.76-7.79 (m, 1 H), 7.63-7.66 (m, 1 H), 7.47-7.50 (m, 1 H), 4.64 (s, 2 H)。
【0079】
工程B: 3-ブロモ-5-ヨードベンズアルデヒド
ピリジニウムジクロマート(12.3g;32.8mmol)を、工程Aで得られた化合物(7.89g;25.2mmol)のジクロロメタン(80mL)溶液に加え、全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物をシリカゲルで濾過し、濾液を濃縮して、精製していない標記生成物を与える。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 9.87 (s, 1 H), 8.12 (t, 1 H), 8.10 (t, 1 H), 7.96 (t, 1 H)。
【0080】
工程C: 3-ブロモ-5-ヨードベンゾニトリル
工程Bで得られた化合物(6.95g;22.3mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液に、28%水酸化アンモニウム水溶液(30mL)及びヨウ素(6.81g;26.8mmol)を加え、出発物質が消失するまで全体を撹拌する。反応混合物を、橙色が消失するまで亜硫酸ナトリウム水溶液で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、シリカを加えて濃縮乾固する。シリカ上に堆積した生成物を、溶離液としてジクロロメタン及びヘプタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 8.10 (s, 1 H), 7.92 (s, 1 H), 7.76 (s, 1 H)。
【0081】
工程D: 3-ブロモ-5-(3-オキソプロピル)ベンゾニトリル
工程Cで得られた化合物(6.05g;19.6mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(85mL)溶液に、アリルアルコール(2.78mL;39.3mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(4.47g;19.6mmol)及び重炭酸ナトリウム(3.30g;39.3mmol)を加える。窒素でパージした後、酢酸パラジウム(II)(0.13g;0.59mmol)を加え、全体を40℃で16時間加熱する。反応混合物を水(200mL)と酢酸エチル(100mL)の混合物で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及びヘプタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 9.81 (t, 1 H), 7.64 (t, 1 H), 7.59-7.61 (m, 1 H), 7.44 (t, 1 H), 2.93-3.02 (m, 2 H), 2.81-2.88 (m, 2 H)。
【0082】
工程E: 3-ブロモ-5-(3-ヒドロキシプロピル)ベンゾニトリル
水素化ホウ素ナトリウム(0.62g;16.27mmol)を、工程Dで得られた化合物(2.98g;12.52mmol)のメタノール(30mL)溶液に少量ずつ加える。全体を周囲温度で30分間撹拌する。反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液(50mL)で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、精製していない標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.61-7.64 (m, 1 H), 7.59-7.61 (m, 1 H), 7.44 (t, 1 H), 3.68 (t, 2 H), 2.72-2.79 (m, 2 H), 1.83-1.93 (m, 2 H)。
【0083】
工程F: 3-ブロモ-5-(3-クロロプロピル)ベンゾニトリル
メタンスルホニルクロリド(1.65mL;21.4mmol)を、工程Eで得られた化合物(2.57g;10.7mmol)及びトリエチルアミン(3.43mL;24.6mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に0℃で加える。全体を周囲温度で2時間撹拌し、次にテトラブチルアンモニウムクロリド(8.92g;32.1mmol)を加える。反応混合物を16時間撹拌し、水とジクロロメタンの混合物で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及びヘプタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.65 (t, 1 H), 7.60 (s, 1 H), 7.44 (s, 1 H), 3.53 (t, 2 H), 2.78-2.86 (m, 2 H), 2.04-2.14 (m, 2 H)。
【0084】
工程G: 3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-(3-クロロプロピル)ベンゾニトリル
標記化合物を、前工程で得られた化合物から出発して、調製1a”の工程Cに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.78-7.07 (m, 7 H), 5.60 (br. s, 1 H), 3.52 (t, 2 H), 2.71 (t, 2 H), 2.00-2.10 (m, 2 H), 0.99 (s, 9 H), 0.27 (s, 6 H)。
【0085】
調製10a”: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-1-メチル-5-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-アミン
工程A: 5-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-1-メチル-1H-ピラゾール
標記化合物を、(3-ブロモプロポキシ)-tert-ブチルジメチルシランを(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシランに代えて、調製6a”の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400/500 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.35 (d, 1 H), 7 (d, 1 H), 3.8 (s, 3 H), 3.65 (t, 2 H), 2.7 (m, 2 H), 1.85 (m, 2 H), 0.9 (s, 9 H), 0.5 (s, 6 H)
IR:ν:-Si-O-:1098cm-1; -Si-C-:834及び772cm-1。
【0086】
工程B: 2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)エタノール
標記化合物を、調製6a”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.45 (s, 1 H), 4.59 (t, 1 H), 3.79 (s, 3 H), 3.4 (quad, 2 H), 2.7 (t, 2 H), 1.65 (m, 2 H)。
IR:ν:-OH:3348cm-1。
【0087】
工程C: 4-ブロモ-1-メチル-5-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール
前工程で得られた化合物(5.34g;2.4mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(7mL;6mmol)及びパラ-トルエンスルホン酸(4.6g;2.4mmol)を加え、全体を16時間撹拌する。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.42 (s, 1 H), 4.55 (t, 1 H), 3.8-3.3 (m, 4 H), 3.8 (s, 3 H), 2.71 (m, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.7-1.4 (m, 6 H)。
【0088】
工程D: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-1-メチル-5-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-アミン
標記化合物を、前工程の臭素化化合物から出発して、調製6a”の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.2 (s, 1 H), 6.6 (s, 1 H), 6.55 (d, 2 H), 6.45 (d, 2 H), 4.4 (t, 1 H), 3.7 (s, 3 H), 3.65-3.2 (4m, 4 H), 2.58 (m, 2 H), 1.68 (m, 2 H), 1.6-1.3 (m, 6 H), 0.92 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3356cm-1; ->C-C-O-:1240cm-1。
【0089】
調製11a”:
工程A: 4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)アニリン
濃水酸化ナトリウム溶液(7mL;83.6mmol)を、N-(アリルオキシフェニル)アセトアミド(4g;20.9mmol)のエタノール(30mL)溶液に加える。全体を100℃で24時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物のエタノールを濃縮し、残留物を水(100mL)に取り込む。ジクロロメタンで抽出後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮乾固して、精製していない標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 6.66 (d, 2 H), 6.49 (d, 2 H), 6 (m, 1 H), 5.34 (dq, 1 H), 5.2 (dq, 1 H), 4.59 (s, 2 H), 4.4 (dt, 2 H)。
IR:ν:-NH2:3428、3354及び3220cm-1。
【0090】
工程B: 4-フルオロ-3-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ベンゾニトリル
標記化合物を、前工程で得られた化合物及び3-ブロモ-4-フルオロベンゾニトリルを用いて、調製1a”の工程Cの方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.08 (s, 1 H), 7.36 (dd, 1 H), 7.24 (dd, 1 H), 7.19 (m, 1 H), 7.12 (d, 2 H), 6.96 (d, 2 H), 6.05 (m, 1 H), 5.4 (ddt, 1 H), 5.26 (ddt, 1 H), 4.56 (dt, 2 H)。
IR:ν:-NH:3327cm-1; >CN:2235cm-1。
【0091】
調製1b: 5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
工程A: エチル 1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
手順は、調製1aの工程Aで記載したものと同様である。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.50 (d, 1 H), 6.45 (d, 1 H), 4.25 (q, 2 H), 3.51 (s, 3 H), 2.49 (s, 3 H), 1.33 (t, 3 H)。
【0092】
工程B: 1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
手順は、調製1aの工程Bで記載したものと同様である。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 11.52 (s, 1 H), 6.62 (d, 1 H), 6.29 (d, 1 H), 3.50 (s, 3 H), 2.41 (s, 3 H)。
【0093】
工程C: tert-ブチル 2-ブロモ-4-クロロベンゾアート
硫酸マグネシウム(1431g;11.9mol)のジクロロメタン(10.5L)溶液に、30分間かけて硫酸(287g;2.97mol)を加え、次いで2-ブロモ-4-クロロ安息香酸(700g;2.97mol)及びtert-ブタノール(700mL)を加える。反応混合物を周囲温度で4日間撹拌し、次に濾過する。濾液を5%炭酸水素カリウム水溶液で洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固し、次にヘプタン(1L)中で再濃縮して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.65 (d+d, 2 H), 7.30 (dd, 1 H), 1.65 (s, 9 H)。
【0094】
工程D: 5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
工程Cで得られた残留物(187.5g;0.643mol)及び工程Bで得られた化合物(89.6g;0.643mol)の脱気(15分間窒素でのバブリングにより)したN,N-ジメチルホルムアミド(1.87L)溶液に、酢酸エチルに浮遊する炭酸カリウム(178g;1.29mol、Ultra-Turrax(登録商標)グラインダーにより事前にスプレー(sprayed))を加える。次に、懸濁液を更に15分間脱気する。酢酸パラジウム(II)(7.2g、0.003mol)を加え、懸濁液を100℃に加熱し、18時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を水(950mL)で希釈する。2回目のこの同じ操作を、同じ量の工程Cで得られた化合物を用いて実施する。
【0095】
2つの溶液を合わせ、メチル tert-ブチルエーテルで洗浄する。pH=10での水相を、10~20℃の温度で12N塩酸水溶液を用いてpH=2に酸性化する。得られた懸濁液を0℃に冷却し、1時間撹拌し、濾過する。固体を水(2L)で洗浄し、1時間吸引濾過する。炭素(375g)を、メタノール(12L)に取り込んだ残留物の溶液に加える。懸濁液を40℃に加熱し、2時間撹拌する。混合物をCelite(登録商標)(375g)で濾過し、固体をメタノールで洗浄する。濾液を濃縮乾固し、得られた残留物をエタノール(1.3L)とメタノール(400mL)の混合物で希釈する。懸濁液を蒸留する;400mLの蒸留物を収集する。エタノール(1L)を加え、1Lの蒸留物が収集されるまで蒸留を続ける。周囲温度に戻した後、懸濁液を16時間撹拌し、0℃に冷却し、再び2時間撹拌する。生成物を濾別し、冷エタノールで洗浄した後、真空中、60℃で16時間乾燥する。白色固体の形態で標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 10.87-12.20 (s, 1 H), 7.77 (d, 1H), 7.57 (dd, 1 H), 7.44 (d, 1 H), 6.25 (s, 1 H), 3.25 (s, 3 H), 2.51 (s, 3 H), 1.25 (t, 9 H)。
【0096】
調製2b: 5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-フルオロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
標記化合物を、工程Cにおいて2-ブロモ-4-フルオロ安息香酸を用いて、調製1bの方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 12.18 (s, 1 H), 7.93 (dd, 1H), 7.14 (td, 1 H), 7.03 (dd, 1 H), 6.52 (s, 1 H), 3.27 (s, 3 H), 2.60 (s, 3 H), 1.33 (t, 9 H)。
【0097】
調製1b’: tert-ブチル 5-(3-ヒドロキシプロピル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: メチル (2E)-3-(イソキノリン-5-イル)プロパ-2-エノアート
5-ブロモイソキノリン(5g;24.1mmol)を、アクリル酸メチル(5.4mL;60.2mmol)、トリフェニルホスフィン(0.63g;2.4mmol)、トリエチルアミン(13.4mL;96.0mmol)及び酢酸パラジウム(II)(0.27g;1.2mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)溶液を含有する封管に加える。窒素を混合物に10分間バブリングし、管を密封し、120℃の油浴に浸ける。反応混合物を1.5時間撹拌し、周囲温度に戻した後、加水分解する。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 9.29 (s, 1 H), 8.62 (d, 1H), 8.42 (d, 1 H), 8.03 (d, 1 H), 7.94-8.01 (m, 2 H), 7.64 (t, 1 H), 6.57 (d, 1 H), 3.88 (s, 3 H)。
【0098】
工程B: tert-ブチル 5-[(1E)-3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(7.24g;34mmol)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.6g;152.8mmol)のメタノール(200mL)溶液を、45℃に置く。三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(18.9mL;152.8mmol)を滴下し、反応混合物をその温度で20分間撹拌し、ジ-tert-ブチルカルボナート(8.15g;37.4mmol)、次にトリエチルアミン(14.2mL;101.9mmol)を加える。反応混合物を45℃で15分間撹拌する。周囲温度に戻した後、それを水及び1N水酸化ナトリウム水溶液で加水分解する。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を塩酸水溶液及び水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.94 (d, 1 H), 7.44 (d, 1 H), 7,21 (t, 1 H), 7.11-7.17 (m, 1 H), 6.35 (d, 1 H), 4.58 (s, 2 H), 3.81 (s, 3 H), 3.67 (t, 2 H), 2.93 (t, 2 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0099】
工程C: tert-ブチル 5-[(1E)-3-ヒドロキシプロパ-1-エン-1-イル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Bで得られた化合物(10.78g;34mmol)のトルエン(200mL)溶液を、水素化ジイソブチルアルミニウムの25質量%のトルエン溶液(50mL;74.7mmol)に-78℃でゆっくりと加える。反応混合物をその温度で20分間撹拌し、メタノールをゆっくりと加える。周囲温度に戻した後、反応混合物を水及び1N水酸化ナトリウム水溶液で加水分解する。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.33 (d, 1 H), 7.17 (t, 1 H), 7,03 (d, 1 H), 6.80 (d, 1 H), 6.24 (dt, 1 H), 4.54-4.60 (m, 2 H), 4.35 (d, 2 H), 3.65 (t, 2 H), 2.84 (t, 2 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0100】
工程D: tert-ブチル 5-(3-ヒドロキシプロピル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
炭素担持パラジウム(1g;10質量%)を、工程Cで得られた化合物(9.82g;34.0mmol)のメタノール(300mL)溶液に加える。反応混合物を16時間水素化し、Celite(登録商標)で濾過する。濾液を濃縮乾固して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.32 (d, 1 H), 7.16 (t, 1 H), 7,02 (d, 1 H), 6.79 (d, 1 H), 6.24 (dt, 1 H), 4.57 (s, 2 H), 4.34 (d, 2 H), 3.62-3.67 (m, 2 H), 3.49 (s, 2 H), 2.84 (t, 2 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0101】
調製2b’: tert-ブチル 5-(4-ヒドロキシブトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
二酸化白金(2g;8.8mmol)を、5-ヒドロキシ-イソキノリン(20g;137mmol)の酢酸(120mL)溶液に加える。全体を水素雰囲気下(2bar)に24時間置く。反応混合物を濾過し、触媒をトルエンで洗浄する。そのようにして得られた濾液を濃縮乾固する。標記生成物を油状物の形態で得、これを精製することなく次で用いる。
【0102】
得られた残留物(1.95g;13mmol)のジクロロメタン(110mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(9.7mL;57mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボナート(3.69g、16.9mmol)を加え、全体を周囲温度で2時間撹拌する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.41 (m, 1 H), 6.97 (t, 1 H), 6.64/6.54 (2d, 2 H), 4.42 (m, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 2.59 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:-OH:3294cm-1; >C=O:1652cm-1。
【0103】
工程B: tert-ブチル 5-[4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ブトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(1g;4mmol)のアセトニトリル(15mL)溶液に、2-(4-ブロモブトキシ)-テトラヒドロピラン(0.77mL;4.2mmol)及び炭酸セシウム(1.4g、4.2mmol)を加え、全体を70℃で18時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.12 (dd, 1 H), 6.79 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 4.55 (t, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 3.98 (t, 2 H), 3.74/3.42 (2*m, 2 H), 3.68/3.41 (2*m, 2 H), 3.54 (t, 2 H), 2.63 (t, 2 H), 1.79 (m, 2 H), 1.74-1.4 (m, 6 H), 1.68 (m, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1693cm-1; >C-O-C<:1033cm-1。
【0104】
工程C: tert-ブチル 5-(4-ヒドロキシブトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
ピリジニウムパラトルエンスルホナート(0.16g;0.64mmol)を、工程Bで得られた化合物(1.29g;3.18mmol)のメタノール(50mL)溶液に加え、全体を60℃で8時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタン及び飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。デカンテーション後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.12 (dd, 1 H), 6.78 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4.42 (t, 1 H), 3.96 (t, 2 H), 3.54 (t, 2 H), 3.45 (m, 2 H), 2.62 (t, 2 H), 1.75 (m, 2 H), 1.58 (m, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:-OH:3600-3100cm-1; >C=O:1693cm-1。
【0105】
調製3b’: tert-ブチル 5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
二酸化白金(2g;8.8mmol)を、5-ヒドロキシ-イソキノリン(20g;137mmol)の酢酸(120mL)溶液に加える。全体を水素雰囲気下(2bar)に24時間置く。反応混合物を濾過し、触媒をトルエンで洗浄する。このようにして得られた濾液を濃縮乾固する。標記生成物を油状物の形態で得、これを精製することなく次に用いる。
【0106】
得られた残留物(1.95g;13mmol)のジクロロメタン(110mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(9.7mL;57mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボナート(3.69g、16.9mmol)を加え、全体を周囲温度で2時間撹拌する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.41 (m, 1 H), 6.97 (t, 1 H), 6.64/6.54 (2d, 2 H), 4.42 (m, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 2.59 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:-OH:3294cm-1; >C=O:1652cm-1。
【0107】
調製4b’: tert-ブチル 5-ヒドロキシ-3-(モルホリン-4-イルメチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: メチル 3-メトキシ-2-メチルベンゾアート
塩化チオニル(17.5mL;0.24mol)を、2-メチル-3-メトキシ安息香酸(20g;0.12mol)のメタノール(200mL)溶液に0℃で滴下する。反応混合物を還流下で2時間加熱する。周囲温度に戻した後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと1N水酸化ナトリウム水溶液の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を油状物の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.39 (dd, 1 H), 7.19 (t, 1 H), 6.98 (d, 1 H), 3.89 (s, 3 H), 3.84 (s, 3 H), 2.42 (s, 3 H)。
IR:ν:>C=O:1719; >C-O-C 1254及び1066cm-1。
【0108】
工程B: メチル 2-(ブロモメチル)-3-メトキシベンゾアート
工程Aで得られた化合物(19.8g;0.11mol)の四塩化炭素(100mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(19.56g;0.18mol)及びアゾイソブチロニトリル(2g;0.012mol)を加える。反応混合物を還流下で3時間加熱する。周囲温度に戻した後、反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物をジクロロメタンに取り込んで、標記生成物を白色固体の形態で与え、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.51 (d, 1 H), 7.31 (t, 1 H), 7.08 (d, 1 H), 5.05 (s, 2 H), 3.91 (2s, 6 H)。
IR:ν:>C=O:1713cm-1。
【0109】
工程C: ジエチル (アセチルアミノ)[2-メトキシ-6-(メトキシカルボニル)ベンジル]プロパンジオアート
アセトアミドマロン酸ジエチル(16.9g;77.8mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)溶液を、30℃未満の温度で、水素化ナトリウム(3.42g;85.6mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド懸濁液に滴下する。反応混合物を15分間撹拌し、工程Bで得られた化合物(21.2g;81.67mmol)の溶液を周囲温度で滴下する。18時間の接触後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を合わせ、水及び飽和塩化リチウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、ジイソプロピルエーテルに取り込んで、標記生成物を破砕状の白色固体の形態で与え、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.68 (s, 1 H), 7.3 (t, 1 H), 7.1 (2d, 2 H), 4.15/4.05 (2m, 4 H), 3.81 (s, 2 H), 3.71/3.7 (2s, 6 H), 1.79 (s, 3 H), 1.15 (t, 6 H)。
IR:ν:-NH:3367; >C=O:1755、1732及び1707; >C=O:1668; >C=C<:1600cm-1。
【0110】
工程D: 5-メトキシ-1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸
酢酸(40mL)を、5N塩酸水溶液中の工程Cで得られた化合物(8.1g;20mmol)の溶液に加える。反応混合物を還流下で18時間加熱し、周囲温度に戻した後、濾過する。沈殿物を5N塩酸水溶液及びトルエンですすぐ。真空中で乾燥した後、標記生成物をクリーム色の固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 12.75 (s, 1 H), 7.98 (d, 1 H), 7.48 (d, 1 H), 7.3 (t, 1 H), 7.15 (d, 1 H), 4.2 (m, 1 H), 3.8 (s, 3 H), 3.28/3.05 (m, 2 H)。
IR:ν:-NH/OH:3215及び3000~2000; >C=O:1715及び1627cm-1。
【0111】
工程E: 5-メトキシ-3-(モルホリン-4-イルカルボニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン
工程Dで得られた化合物(11.1g;50mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に、モルホリン(4.4mL;50mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.7g;50mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(9.6g;50mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(20mL;115.2mmol)を連続して加える。次に、全体を周囲温度で一晩撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物をジクロロメタンに取り込み、濾過し、熱イソプロパノールですすいで、標記生成物を得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.71 (d, 1 H), 7.45 (d, 1 H), 7.29 (t, 1 H), 7.11 (d, 1 H), 4.7 (m, 1 H), 3.81 (s, 3 H), 3.65-3.3 (分離されていないピーク, 8 H), 3.05/2.95 (2*dd, 2 H)。
IR:ν:-NH:3284; >C=O:1676; >C-O-C<:1268及び1248cm-1。
【0112】
工程F: 5-メトキシ-3-(モルホリン-4-イルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
ボラン/ジメチルスルフィド錯体の2Mテトラヒドロフラン溶液(43mL;86mmol)を、工程Eで得られた化合物(5g;17.2mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液に滴下する。次に、全体を還流下で5時間、周囲温度で一晩撹拌する。5N塩酸水溶液を滴下し、反応混合物を還流下で8時間加熱する。最後に、塩基性pHに達するまで水酸化ナトリウム水溶液を0℃で加え、反応混合物をジクロロメタンで希釈する。抽出後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びエタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.61 (d, 1 H), 7.09 (t, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 3.9 (s, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 3.6 (t, 4 H), 2.9 (m, 1 H), 2.62/2.05 (2dd, 2 H), 2.5-2.3 (m, 6 H)。
IR:ν:-NH:3203cm-1。
【0113】
工程G: 3-(モルホリン-4-イルメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール
トリブロモボランの1Mジクロロメタン溶液(100mL;100mmol)を、工程Fで得られた化合物(5.6g;21mmol)のジクロロメタン(60mL)溶液に-10℃の温度で滴下する。次に、全体をその温度で3時間撹拌し、再び1時間で10℃に加熱する。反応混合物を0℃においてジクロロメタン及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、濾過して、白色固体を得る。デカンテーション後、水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を濃縮する。得られた残留物並びに白色の沈殿物を合わせて、標記生成物を得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.2 (br. s, 1 H), 6.89 (t, 1 H), 6.59 (d, 1 H), 6.48 (d, 1 H), 3.81 (s, 2 H), 3.6 (t, 4 H), 2.89 (m, 1 H), 2.6/2.02 (2dd, 2 H), 2.5-2.25 (m, 6 H)。
IR:ν:-NH/OH:3412及び3000-2500; >C=C<:1615cm-1。
【0114】
工程H: tert-ブチル 5-ヒドロキシ-3-(モルホリン-4-イルメチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Gで得られた化合物(4.1g;16.5mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(7.4mL;72.6mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボナート(7.9g、36.3mmol)を加え、全体を周囲温度で18時間撹拌する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、水酸化カリウムの1Mメタノール溶液で希釈する。周囲温度で2時間の接触後、反応混合物をジクロロメタン及び飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.41 (br. s, 1 H), 6.97 (t, 1 H), 6.62 (d, 1 H), 6.55 (d, 1 H), 4.7-4.4 (d+m, 2 H), 4.08 (m, 1 H), 3.52 (m, 4 H), 2.75-2.2 (m, 7 H), 2.08 (dd, 1 H), 1.42 (br. s, 9 H)。
IR:ν:-OH:3295; >C=O:1689及び1656cm-1。
【0115】
調製5b’: tert-ブチル 4-(2-ヒドロキシエチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: 4-(プロパ-2-エン-1-イル)イソキノリン
水(125mL)とジメトキシエタン(375mL)の混合物中の、4-ブロモイソキノリン(25g;0.12mol)及び炭酸カリウム(50g;0.36mol)の溶液を、窒素気流によって脱気する。次に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(7g;0.006mol)及びアリルボロン酸ピナコラート(allylboronic pinacolate)(35mL;0.18mol)を加える。窒素を混合物に通して30分間バブリングし、混合物を還流させ、18時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を加水分解する。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 9.15 (s, 1 H), 8.39 (s, 1H), 7.98 (d, 2 H), 7.71 (ddd, 1 H), 7.60 (ddd, 1 H), 6.08 (dddd, 1 H), 5.05-5.15 (m, 2 H), 3.78 (d, 2 H)。
【0116】
工程B: 2-(イソキノリン-4-イル)エタノール
工程Aで得られた化合物(14g;78mmol)を、ジクロロメタン(180mL)とメタノール(180mL)の混合物に溶解する。このようにして得られた溶液に、-78℃で、ガスディフューザーによりオゾンを1.5時間、次に空気を10分間、最後に窒素を同じ時間通してバブリングする。反応混合物を0℃で保持し、水素化ホウ素ナトリウム(8.83g;233mmol)を少量ずつ加える。周囲温度で18時間接触後、混合物を水と飽和塩化アンモニウム水溶液の混合物で希釈する。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 9.00 (s, 1 H), 8.37 (s, 1H), 8.03 (d, 1 H), 7.92 (d, 1 H), 7.74 (ddd, 1 H), 7.61 (ddd, 1 H), 4.01 (t, 2 H), 3.29 (t, 2 H), 2.35 (s, 1 H)。
【0117】
工程C: tert-ブチル 4-(2-ヒドロキシエチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物を出発物質として用い、調製1b’の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.16-7.22 (m, 3 H), 7.07-7.13 (m, 1H), 4.87 (d, 1 H), 4.32 (d, 1 H), 4.19 (s, 1 H), 3.73-3.87 (m, 2 H), 3.19 (d, 1 H), 2.97-3.04 (m, 1 H), 1.81 (q, 2 H), 1.65 (s, 1 H), 1.50 (s, 9 H)。
【0118】
調製 6b’: tert-ブチル 4-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
工程A: フラン-2-イル 2,2-ジメチルプロパノアート
トリエチルアミン(43.5mL;0.31mol)のアセトニトリル(11mL)溶液を、2-(5H)-フラノン(22g;0.26mol)及びトリメチルアセチルクロリド(38g;0.31mol)のアセトニトリル(50mL)溶液に加える。反応混合物を周囲温度で3日間撹拌し、得られた懸濁液を濾過し、メチル tert-ブチルエーテルですすぐ。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。得られた油状物を、真空中で蒸留(15 Torr、画分を76-78℃で収集する)して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.05 (dd, 1 H), 6.36 (dd, 1 H), 5.86 (dd, 1 H), 1.34 (s, 9 H)。
【0119】
工程B: 1,3-ジオキソ-3,3a,7,7a-テトラヒドロ-4,7-エポキシ-2-ベンゾフラン-4(1H)-イル 2,2-ジメチルプロパノアート
工程Aで得られた化合物(38.76g;0.23mol)を、乳鉢で新たに粉砕した無水マレイン酸(24.9g;0.25mol)のジエチルエーテル(207mL)溶液に加える。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌する。得られたベージュ色の懸濁液を濾過し、濾液を約50mLに濃縮し、再び濾過する。このようにして得られた固体を合わせ、真空中で乾燥して、標記生成物を与える。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 6.77 (dd, 1 H), 6.69 (d, 1 H), 5.33 (d, 1 H), 3.66 (s, 2 H), 1.22 (s, 9 H)。
【0120】
工程C: 4-ヒドロキシ-2-ベンゾフラン-1,3-ジオン
工程Bで得られた化合物(36.5g;0.16mol)を、-15℃に冷却した濃硫酸(80mL)の溶液に少量ずつ加える。混合物を-15℃で15分間撹拌し、氷水に注ぐ。次に、形成された固体を濾別し、水ですすぎ、乾燥して、標記生成物を与える。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 11.72 (s, 1 H), 7.77 (dd, 1 H), 7.45 (d, 1 H), 7.33 (d, 1 H)。
【0121】
工程D: 4-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン
4-メトキシベンジルアミン(21.7mL;0.17mol)を、工程Cで得られた化合物(24.76g;0.15mol)の酢酸(150mL)溶液に加え、混合物を還流下で5時間加熱する。周囲温度に戻した後、水(200mL)を混合物に加え、これを1時間撹拌する。懸濁液を濾過し、固体を水ですすぐ。粗生成物を酢酸エチルに溶解し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、最後に飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記生成物を与える。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.54 (t, 1 H), 7.32-7.40 (m, 3 H), 7.12 (d, 1 H), 6.84 (d, 2 H), 4.73 (s, 2 H), 3.77 (s, 3 H)。
【0122】
工程E: 2-(4-メトキシベンジル)-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-オール
工程Dで得られた化合物(35.5g;0.13mol)のテトラヒドロフラン(250mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(11.9g;0.31mol)のテトラヒドロフラン(150mL)懸濁液に、混合物の内部温度を20℃未満に保持しながら0℃で滴下する。添加が完了したら、混合物を加熱還流する。混合物を還流下で2時間撹拌し、0℃に冷却する。混合物の内部温度を20℃未満に保持しながら、酢酸エチルをゆっくりと加える。酢酸エチルの添加中に発熱効果が観察されなくなったら、混合物を酢酸エチル及び1.5N ロッシェル塩水溶液で希釈する。混合物を周囲温度で2時間激しく撹拌する。デカンテーション後、水相を酢酸エチルで洗浄する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、標記生成物を与える。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.27-7.34 (m, 2 H), 6.95 (t, 1 H), 6.81-6.90 (m, 2 H), 6.68 (d, 1 H), 6.39 (d, 1 H), 3.89 (d, 4 H), 3.83 (s, 2 H), 3.80 (s, 3 H)。
【0123】
工程F: tert-ブチル 4-ヒドロキシ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
炭素担持パラジウム(10質量%)を、メタノール(325mL)及び酢酸(8.2mL)中の工程Eで得られた化合物(18.2g;71.3mmol)の溶液に加える。反応器を密封し、窒素で、次に水素でパージする。反応混合物を水素圧45psiに付し、周囲温度で4時間撹拌する。反応混合物を濾過し、メタノールですすぎ、濾液を真空中で濃縮する。粗生成物のメタノール(200mL)溶液に、トリエチルアミン(40mL;0.29mol)及びジ-tert-ブチルジカルボナート(15.6g;71.3mmol)を加える。混合物を周囲温度で16時間撹拌する。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を酢酸エチルで希釈する。有機相を2N塩酸水溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。次に、それを硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.11-7.17 (m, 1 H), 7.02 (s, 0.5 H), 6.68-6.84 (m, 2 H), 5.98 (s, 0.5 H), 4.63-4.85 (m, 4 H), 1.51-1.55 (m, 9 H)。
【0124】
調製7b’: tert-ブチル 5-ヒドロキシ-3-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: 3-(ベンジルオキシ)-2-(プロパ-2-エン-1-イル)ベンズアルデヒド
2-アリル-3-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド(20g;0.12mol)のアセトニトリル(400mL)溶液に、臭化ベンジル(16mL;0.13mol)及び炭酸カリウム(18g;0.13mol)を加える。反応混合物を周囲温度で3日間撹拌し、氷と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液としてジクロロメタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 10.2 (s, 1 H), 7.5-7.3 (m, 8 H), 6 (ddt, 1 H), 5.2 (s, 2 H), 5-4.85 (m, 2 H), 3.85 (dt, 2 H)。
IR:ν:>C=O:1681cm-1。
【0125】
工程B: N-ベンジル-1-[3-(ベンジルオキシ)-2-(プロパ-2-エン-1-イル)フェニル]メタンアミン
工程Aで得られた化合物(20g;0.078mol)のジクロロメタン(800mL)溶液に、ベンジルアミン(10mL;0.078mol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(sodium triacetoxyborohydride)(25g;0.118mol、少量ずつ)を加える。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、1N水酸化ナトリウム水溶液及び氷を加える。ジクロロメタンで抽出後、有機相を1N水酸化ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びエタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.48-7.22 (m, 10 H), 7.14 (t, 1 H), 6.99 (d, 1 H), 6.95 (d, 1 H), 5.85 (m, 1 H), 5.09 (s, 2 H), 4.85 (m, 1 H), 4.76 (m, 1 H), 3.7 (s, 2 H), 3.61 (s, 2 H), 3.44 (d, 2 H), 2.35 (br. s, 1H)。
【0126】
工程C: 2-ベンジル-5-(ベンジルオキシ)-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
n-ブチルリチウムの1.5Nヘキサン溶液(40mL;0.06mol)を、工程Bで得られた化合物(18.9g;0.055mol)のテトラヒドロフラン(1L)溶液に60℃で滴下する。添加の最後に、反応混合物を周囲温度に冷やし、水で中和する。エーテルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液としてヘプタン及びエタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.5-7.2 (m, 5 H), 7.5-7.2 (m, 5 H), 7.03 (t, 1 H), 6.83 (d, 1 H), 6.58 (d, 1 H), 5.1 (s, 2 H), 3.76 (d, 1 H), 3.53 (d, 1 H), 3.58 (d, 1 H), 3.49 (d, 1 H), 3.05 (m, 1 H), 2.8 (dd, 1 H), 2.49 (dd, 1 H), 1.09 (d, 3 H)。
【0127】
工程D: 3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-オール
工程Cで得られた化合物(13.47g;39.22mmol)のメタノール(250mL)溶液に、1N塩酸水溶液(58.8mL;58.8mmol)及び炭素担持パラジウム(10質量%)を加える。フラスコを水素圧下に置き、反応混合物を周囲温度で48時間撹拌する。反応混合物を濾過し、メタノールですすぎ、濾液を真空中で濃縮する。残留物をエタノールに取り込み、濾過して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.75 (s, 1 H), 9.3 (br. s, 1 H), 7.05 (t, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 6.65 (d, 1 H), 4.21 (m, 2 H), 3.48 (m, 1 H), 2.95 (dd, 1 H), 2.47 (dd, 1 H), 1.4 (d, 3 H)。
IR:ν:-OH:3226cm-1; -NH2
+:3300-3400cm-1。
【0128】
工程E: tert-ブチル 5-ヒドロキシ-3-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Dで得られた化合物(5g;25.2mmol)のジクロロメタン(250mL)溶液に、トリエチルアミン(7.38mL;52.9mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボナート(5.5g;25.2mmol)を0℃で少量ずつ加える。反応混合物を、その温度で3時間、周囲温度で20時間撹拌する。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液としてシクロヘキサン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.4 (br. s, 1 H), 6.98 (t, 1 H), 6.67 (d, 1 H), 6.6 (d, 1 H), 4.59 (d, 1 H), 4.15 (d, 1 H), 4.45 (m, 1 H), 2.65 (d, 2 H), 1.42 (s, 9 H), 0.99 (d, 3 H)。
IR:ν:-OH:3308cm-1; >C=O:1655cm-1。
【0129】
調製8b’: tert-ブチル 5-(3-ヨードプロポキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-(3-クロロプロポキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
調製3b’で得られた化合物(1g;4mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に、ブロモ-クロロプロパン(0.48mL;4.8mmol)及び炭酸カリウム(1.1g、8mmol)を加え、全体を70℃で18時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を水で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.14 (t, 1 H), 6.82 (d, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 4.46 (s, 2 H), 4.08 (t, 2 H), 3.82 (t, 2 H), 3.55 (t, 2 H), 2.64 (t, 2 H), 2.18 (quint, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1692cm-1; >C-O-C<:1241/1164/1112cm-1。
【0130】
工程B: tert-ブチル 5-(3-ヨードプロポキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
ヨウ化ナトリウム(2.3g;15.3mmol)を、工程Aで得られた化合物(1g;3.07mmol)のアセトン(30mL)溶液に加え、全体を還流下で24時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル及び水で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.12 (t, 1 H), 6.8 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4 (t, 2 H), 3.55 (t, 2 H), 3.41 (t, 2 H), 2.63 (t, 2 H), 2.2 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1692cm-1。
【0131】
調製9b’: tert-ブチル 5-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
調製3b’で得られた化合物(5g;20mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)溶液に、2-(2-クロロエトキシ)エタノール(6.25mL;60mmol)及び炭酸カリウム(8.3g、60mmol)を加え、全体を125℃で5時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和塩化リチウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.13 (t, 1 H), 6.81 (d, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 4.58 (m, 1 H), 4.46 (s, 2 H), 4.09 (m, 2 H), 3.75 (m, 2 H), 3.54 (t, 2 H), 3.51 (分離されていないピーク, 4 H), 2.63 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:-OH:3450cm-1; >C=O:1690cm-1。
【0132】
調製10b’: tert-ブチル 5-(ブタ-3-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
炭素担持パラジウム(10質量%)を、調製1b’の工程Bで得られた化合物(19.74g;62.3mmol)のメタノール(150mL)溶液に加える。水素を懸濁液に通して10分間バブリングし、混合物を水素雰囲気(1bar)下で18時間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)のベッドで濾過し、濾液を濃縮乾固して、標記生成物を与え、これを精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.10 - 7.16 (m, 1 H), 7.04 (d, 1 H), 6.98 (d, 1 H), 4.56 (s, 2 H), 3.68 (s, 3 H), 3.66 (br. s, 2 H), 2.90 - 2.96 (m, 2 H), 2.80 (t, 2 H), 2.55 - 2.61 (m, 2 H), 1.48 (s, 9 H)。
【0133】
工程B: tert-ブチル 5-(ブタ-3-イン-1-イル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
水素化ジイソブチルアルミニウムの25質量%トルエン溶液(25.2mL、37.6mmol)を、-78℃で、工程Aで得られた生成物(10g;31.3mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に45分間かけてゆっくりと加える。反応混合物の温度を-75℃未満に保持するように、添加速度を決定する。添加の最後に、混合物を-78℃で30分間撹拌し、メタノール(50mL)を反応物にゆっくりと加える。次に、混合物を0℃まで徐々に加温する。メタノール(50mL)を再び加え、炭酸カリウム(8.65g;62.6mmol)及びジメチル-(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホナート(7.22g;37.6mmol)も同様にする。混合物を周囲温度で48時間撹拌し、メチル tert-ブチルエーテル(400mL)で希釈する。次に、1N酒石酸ナトリウムカリウム四水和物水溶液(250mL)を加える。相を分離し、水相をメチル tert-ブチルエーテルで洗浄した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させる。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.12 - 7.18 (m, 1 H), 7.09 (d, 1 H), 7.00 (d, 1 H), 4.57 (s, 2 H), 3.61 - 3.73 (m, 2 H), 2.78 - 2.89 (m, 4 H), 2.44 (td, 2 H), 1.98 (t, 1 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0134】
調製1b”: tert-ブチル 5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノフェノキシ}プロピル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-[3-(3-ブロモ-5-シアノフェノキシ)プロピル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
油中60%水素化ナトリウム(1.77g;44.1mmol)を、調製1b’で得られた化合物(9.89g;34.0mmol)及び3-ブロモ-5-フルオロベンゾニトリル(27.2g;135.8mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(80mL)溶液に少量ずつ加える。次に、全体を周囲温度で45分間撹拌し、ゆっくりと加水分解する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.36 (t, 1 H), 7.26-7.28 (m, 1 H), 7.12-7.17 (m, 1 H), 7,06-7.09 (m, 1 H), 6.98-7.05 (m, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 3.98 (t, 2 H), 3.62-3.68 (m, 2 H), 2.76-2.82 (m, 4 H), 2.02-2.09 (m, 2 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0135】
工程B: 4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}アニリン
標記化合物を、文献(S. Knaggs et al., Organic & Biomolecular Chemistry, 3(21), 4002-4010; 2005)に記載したプロトコルに従って、イミダゾール及びtert-ブチル(ジメチル)シリルクロリドの存在下、テトラヒドロフラン中の4-アミノフェノールから出発して得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 6.45-6.55 (dd, 4H), 4.60 (m, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.10 (s, 6H)。
IR:ν:-NH2
+:3300-3400cm-1
【0136】
工程C: tert-ブチル 5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノフェノキシ}プロピル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(8.11g;17.2mmol)及び工程Bで得られた化合物(4.23g;17.2mmol)のトルエン(110mL)溶液を、アルゴンで10分間脱気する。ナトリウム tert-ブチラート(1.82g;18.9mmol)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル(0.73g;1.72mmol)及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.86g;0.86mmol)を加え、全体を80℃で30分間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過する。酢酸エチルですすいだ後、シリカを濾液に加え、混合物を濃縮し、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.13 (t, 1 H), 6.95-7.06 (m, 4 H), 6.83 (d, 2 H), 6.69 (br. s, 1 H), 6.51-6.59 (m, 2 H), 5.59 (br. s, 1 H), 4.57 (s, 2 H), 3.92 (t, 2 H), 3.58-3.68 (m, 2 H), 2.61-2.83 (m, 4 H), 2.02 (quint., 2 H), 1.49 (s, 9 H), 1.00 (s, 9 H), 0.21 (s, 6 H)。
【0137】
調製2b”: tert-ブチル 5-(4-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1H-ピラゾール-1-イル}ブトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-[4-(4-ブロモ-1H-ピラゾール-1-イル)ブトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
4-ブロモピラゾール(0.359mg;2.44mmol)及びジイソプロピル アゾジカルボキシラート(0.58mL;2.93mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を、調製2b’の化合物(0.786g;2.44mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.768mg;2.93mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に滴下する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、酢酸エチルと水の混合物で希釈する。酢酸エチルでの水相の抽出後、有機相を合わせ、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてアセトニトリル及び水を用いるOasis(登録商標)相のクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.02 (s, 1 H), 7.53 (s, 1 H), 7.12 (dd, 1 H), 6.81-6.68 (2*d, 2 H), 4.46 (s, 2 H), 4.16 (t, 2 H), 3.95 (t, 2 H), 3.54 (t, 2 H), 2.61 (t, 2 H), 1.93 (m, 2 H), 1.65 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1688cm-1。
【0138】
工程B: tert-ブチル 5-(4-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1H-ピラゾール-1-イル}ブトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程で得られた化合物、調製1b”の工程Bの化合物及び触媒及び配位子としてのクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)を用い、調製1b”の工程Cに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.63 (d, 1 H), 7.26 (d, 1 H), 7.2 (s, 1 H), 7.11 (t, 1 H), 6.75 (dd, 2 H), 6.64 (m, 4 H), 4.45 (s, 2 H), 4.1 (t, 2 H), 3.96 (t, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 2.62 (t, 2 H), 1.93 (m, 2 H), 1.68 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H), 0.93 (s, 9 H), 0.12 (s, 6 H)。
IR:ν:-NH:3340cm-1; >C=O:1690cm-1。
【0139】
調製3b”: tert-ブチル 5-(2-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: 5-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-1-メチル-1H-ピラゾール
n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(100mL;160mmol)を、N-メチルピラゾール(10.95g;133mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液に-78℃で滴下し、温度を1時間で再び0℃まで上昇させる。反応混合物を-78℃まで再び冷却し、(3-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシラン(34.2mL;160mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を加える。次に、反応混合物を周囲温度で18時間撹拌し、氷水及び酢酸エチルの混合物に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.28 (d, 1 H), 6.04 (d, 1 H), 3.79 (t, 2 H), 3.74 (s, 3 H), 2.81 (t, 2 H), 0.84 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
【0140】
工程B: 2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)エタノール
ピリジニウムトリブロミド(14g;43mmol)を、工程Aで得られた化合物(9.8g;41.1mmol)のメタノール(400mL)溶液に0℃で加え、全体を0℃で1時間、周囲温度で2時間撹拌する。次に、反応混合物を濃縮し、残留物を飽和10%炭酸カリウム水溶液とジクロロメタンの混合物に取り込む。ジクロロメタンで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.45 (s, 1 H), 4.88 (t, 1 H), 3.81 (s, 3 H), 3.55 (q, 2 H), 2.8 (t, 2 H)。
IR:ν:-OH:3350cm-1; >C-C-O-:1049cm-1。
【0141】
工程C: tert-ブチル 5-[2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程で得られたアルコール及び調製3b’の化合物を用い、調製2b”の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.49 (s, 1 H), 7.13 (t, 1 H), 6.82 (d, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4.15 (t, 2 H), 3.87 (s, 3 H), 3.51 (t, 2 H), 3.16 (t, 2 H), 2.54 (t, 2 H), 1.41 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1689cm-1。
【0142】
工程D: tert-ブチル 5-(2-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程で得られた化合物、調製1b”の工程Bの化合物及び触媒及び配位子としてのクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)を用い、調製1b”の工程Cに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.28 (s, 1 H), 7.06 (t, 1 H), 6.71/6.67 (2*dd, 2 H), 6.7 (s, 1 H), 6.57 (d, 2 H), 6.48 (d, 2 H), 4.43 (s, 2 H), 4.05 (t, 2 H), 3.82 (s, 3 H), 3.48 (t, 2 H), 3.03 (t, 2 H), 2.5 (t, 2 H), 1.4 (s, 9 H), 0.9 (s, 9 H), 0.09 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3321cm-1; >C=O:1677cm-1。
【0143】
調製4b”: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-1-メチル-5-[3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピル]-1H-ピラゾール-4-アミン
工程A: 5-(3-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール
標記化合物を、(3-ブロモプロポキシ)-tert-ブチルジメチルシランを用い、調製3b”の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400/500 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.35 (d, 1 H), 7 (d, 1 H), 3.8 (s, 3 H), 3.65 (t, 2 H), 2.7 (m, 2 H), 1.85 (m, 2 H), 0.9 (s, 9 H), 0.5 (s, 6 H)。
IR:ν:-Si-O-:1098cm-1; -Si-C-:834及び772cm-1。
【0144】
工程B: 3-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)プロパン-1-オール
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製3b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.45 (s, 1 H), 4.59 (t, 1 H), 3.79 (s, 3 H), 3.4 (quad, 2 H), 2.7 (t, 2 H), 1.65 (m, 2 H)。
IR:ν:-OH:3348cm-1。
【0145】
工程C: 4-ブロモ-1-メチル-5-[3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピル]-1H-ピラゾール
工程Bで得られた化合物(5.34g;2.4mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(7mL;6mmol)及びパラ-トルエンスルホン酸(4.6g;2,4mmol)を加え、全体を16時間撹拌する。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.42 (s, 1 H), 4.55 (t, 1 H), 3.8-3.3 (m, 4 H), 3.8 (s, 3 H), 2.71 (m, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.7-1.4 (m, 6 H)。
【0146】
工程D: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-1-メチル-5-[3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピル]-1H-ピラゾール-4-アミン
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製3b”の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.2 (s, 1 H), 6.6 (s, 1 H), 6.55 (d, 2 H), 6.45 (d, 2 H), 4.4 (t, 1 H), 3.7 (s, 3 H), 3.65-3.2 (4m, 4 H), 2.58 (m, 2 H), 1.68 (m, 2 H), 1.6-1.3 (m, 6 H), 0.92 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3356cm-1; ->C-C-O-:1240cm-1。
【0147】
調製5b”: tert-ブチル 5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}プロポキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: エチル (2E)-3-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)プロパ-2-エノアート
カリウム tert-ブトキシド(9.25g;82.5mmol)を、トリエチルホスホノアセタート(14.2mL;71.5mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液に加え、全体を0℃で45分間撹拌する。N-メチル-2-ピロールカルボキシアルデヒド(6g;55.0mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加え、全体を周囲温度で16時間撹拌し、溶媒を濃縮する。残留物を水及び酢酸エチルで希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.59 (d, 1 H), 6.73-6.76 (m, 1 H), 6.65 (dd, 1 H), 6.11-6.18 (m, 2 H), 4.23 (q, 2 H), 3.71 (s, 3 H), 1.32 (t, 3 H)。
【0148】
工程B: エチル 3-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)プロパノアート
炭素担持パラジウム(10質量%)を、工程Aで得られた化合物(8.1g;45.1mmol)のエタノール(70mL)溶液に加え、全体を6時間と30分間水素化する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、濾液を濃縮して、標記生成物を得、これを精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.52-6.56 (m, 1 H), 6.01-6.06 (m, 1 H), 5.87 (ddt, 1 H), 4.15 (q, 2 H), 3.55 (s, 3 H), 2.83-2.91 (m, 2 H), 2.60-2.68 (m, 2 H), 1.26 (t, 3 H)。
【0149】
工程C: エチル 3-(5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル)プロパノアート
-20℃の、工程Bで得られた化合物(12g;66.2mmol)のアセトニトリル(300mL)溶液に、その温度を保持しながらクロロスルホニルイソシアナート(6.92mL;79.5mmol)を滴下し、全体を20℃で30分間撹拌する。N,N-ジメチルホルムアミド(10.3mL;132.4mmol)及びトリエチルアミン(18.5mL;132.4mmol)を、-10℃で保持した温度で加え、全体を周囲温度に達するまで撹拌する。反応混合物を1M塩酸水溶液(500mL)で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を1M塩酸水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.72 (d, 1 H), 5.93 (d, 1 H), 4.15 (q, 2 H), 3.68 (s, 3 H), 2.86-2.93 (m, 2 H), 2.63-2.69 (m, 2 H), 1.26 (t, 3 H)。
【0150】
工程D: 4-ブロモ-5-(3-ヒドロキシプロピル)-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
N-ブロモスクシンイミド(8.82g;49.6mmol)を、0℃で、工程Cで得られた化合物(9.74g;47.2mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(125mL)溶液に少量ずつ加え、全体を周囲温度で30分間撹拌する。反応混合物を水及びtert-ブチル メチルエーテルで希釈する。tert-ブチル メチルエーテルで抽出後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、生成物を得、これを次の工程でそのまま用いる。
【0151】
0℃で、その化合物(3.13g;10.97mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、水素化ホウ素リチウムの2Mテトラヒドロフラン溶液(11mL;21.95mmol)を加え、全体を周囲温度で6時間撹拌する。反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液(60mL)でゆっくりと希釈する。tert-ブチル メチルエーテルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.75 (s, 1 H), 3.73 (s, 3 H), 3.62-3.69 (m, 2 H), 2.78 (t, 2 H), 1.75-1.85 (m, 2 H), 1.38-1.45 (m, 1 H)。
【0152】
工程E: tert-ブチル 5-[3-(3-ブロモ-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル)プロポキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程で得られたアルコール及び調製3b’の化合物を用い、調製2b”の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.11 (t, 1 H), 7.06 (s, 1 H), 6.75 (2d, 2 H), 4.49 (s, 2 H), 3.99 (t, 2 H), 3.7 (s, 3 H), 3.55 (t, 2 H), 2.88 (t, 2 H), 2.61 (t, 2 H), 1.98 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H)。
IR:ν:>CN:2218cm-1; ->C=O:1681cm-1。
【0153】
工程F: tert-ブチル 5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}プロポキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製3b”の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.05 (t, 1 H), 6.75 (s, 1 H), 6.75 (s, 1 H), 6.7/6.6 (2d, 2 H), 6.52 (d, 2 H), 6.45 (d, 2 H), 4.42 (s, 2 H), 3.88 (t, 2 H), 3.68 (s, 3 H), 3.5 (t, 2 H), 2.75 (t, 2 H), 2.51 (t, 2 H), 1.89 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H), 0.9 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3364cm-1; >CN:2208cm-1; >C=O:1690cm-1。
【0154】
調製6b”: tert-ブチル 5-(2-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: (1-メチル-1H-ピロール-2-イル)(オキソ)酢酸
N-メチルピロール(20g;0.25mol)を、-10℃で、塩化オキサリル(20.9g;0.25mol)のジクロロメタン溶液に加え、温度を0℃未満に保持し、全体を0℃で1時間撹拌する。反応混合物を0℃にて25%水酸化カリウム水溶液で希釈する。デカンテーション後、水相をジクロロメタンで洗浄し、20%硫酸水溶液でpH=1に酸性化する。沈殿物を濾過し、乾燥して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 8.01 (dd, 1 H), 7.10 (t, 1 H), 6.27 (dd, 1 H), 3.99 (s, 3 H)。
【0155】
工程B: (1-メチル-1H-ピロール-2-イル)酢酸
工程Aで得られた化合物(29g;0.19mol)を、65%ヒドラジン一水和物水溶液(15.5mL;0.21mol)に加え、全体を数分間撹拌する。20%水酸化ナトリウム水溶液(326mL)をゆっくりと加え、全体を還流下で4時間撹拌する。周囲温度に戻した後、6N塩酸水溶液(25mL)を加える。ジクロロメタンで抽出後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、容量100mLまで濃縮する。ヘプタンをゆっくりと加えた後、沈殿物を濾過して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.60-6.64 (m, 1 H), 6.04-6.12 (m, 2 H), 3.68 (s, 2 H), 3.59 (s, 3 H)。
【0156】
工程C: メチル (1-メチル-1H-ピロール-2-イル)アセタート
硫酸ジメチル(7mL;73.4mmol)を、工程Bで得られた化合物(10.2g;73.4mmol)及び炭酸カリウム(15.2g;110.1mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に加え、全体を30℃で4時間激しく撹拌する。5%水酸化アンモニウム水溶液(326mL)を加える。デカンテーション後、有機相を5%水酸化アンモニウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、容量100mLまで濃縮乾固する。ヘプタンをゆっくりと加えた後、沈殿物を濾過して、標記生成物を得る。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.58-6.62 (m, 1 H), 6.06-6.09 (m, 1 H), 6.03-6.06 (m, 1 H), 3.71 (s, 3 H), 3.64 (s, 2 H), 3.58 (s, 3 H)。
【0157】
工程D: メチル (5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル)アセタート
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製5b”の工程Cに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.74 (d, 1 H), 6.08 (d, 1 H), 3.73 (s, 3 H), 3.69 (s, 3 H), 3.66 (s, 2 H)。
【0158】
工程E: 5-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
工程Dで得られた化合物(11.4g;10.97mmol)のテトラヒドロフラン(115mL)溶液に、0℃で、水素化ホウ素リチウムの2Mテトラヒドロフラン溶液(47.7mL;95.4mmol)を5℃未満の温度で加え、全体を周囲温度で16時間を撹拌する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)でゆっくりと希釈する。tert-ブチル メチルエーテルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.75 (d, 1 H), 6.02 (d, 1 H), 3.88 (t, 2 H), 3.69 (s, 3 H), 2.86 (t, 2 H)。
【0159】
工程F: 4-ブロモ-5-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
N-ブロモスクシンイミド(5.04g;28.3mmol)を、工程Eで得られた化合物(4.25g;28.3mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(43mL)溶液に0℃で少量ずつ加え、全体を周囲温度で3時間撹拌する。反応混合物を水及びtert-ブチル メチルエーテルで希釈する。tert-ブチル メチルエーテルで抽出後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、標記生成物を得、これを精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 6.76 (d, 1 H), 3.83 (t, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 2.91 (t, 2 H), 1.64 (s, 1 H)。
【0160】
工程G: tert-ブチル 5-[2-(3-ブロモ-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程で得られたアルコール及び調製3b’の化合物を用い、調製2b”の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.12 (t, 1 H), 7.11 (s, 1 H), 6.8 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4.15 (t, 2 H), 3.78 (s, 3 H), 3.52 (t, 2 H), 3.18 (t, 2 H), 2.55 (t, 2 H), 1.41 (s, 9 H)。
IR:ν:>CN:2215cm-1; ->C=O:1686cm-1。
【0161】
工程H: tert-ブチル 5-(2-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製3b”の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.05 (t, 1 H), 6.82 (s, 1 H), 6.78 (s, 1 H), 6.7 (2d, 2 H), 6.55 (2d, 4 H), 4.4 (s, 2 H), 4.02 (t, 2 H), 3.7 (s, 3 H), 3.48 (t, 2 H), 3.05 (t, 2 H), 2.51 (t, 2 H), 1.41 (s, 9 H), 0.91 (s, 9 H), 0.12 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3315cm-1; >CN:2212cm-1; >C=O:1655cm-1。
【0162】
調製7b”: tert-ブチル 5-[2-({4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}オキシ)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-{2-[(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)オキシ]エトキシ}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
調製3b’で得られた化合物(4.06g;16.28mmol)のアセトニトリル(75mL)溶液に、ブロモ-クロロエタン(2mL;24.43mmol)及び炭酸カリウム(3.35g;24.43mmol)を加え、全体を70℃で2日間撹拌する。2/3まで濃縮した後、反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、無色の油状物を得る。
【0163】
ヨウ化ナトリウム(21.15g;141.1mmol)を、このようにして得られた残留物(4.4g;14.1mmol)のアセトン(80mL)溶液に加え、全体を還流下で5日間撹拌する。反応混合物を濃縮し、酢酸エチル及び水で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、褐色の油状物を得、これを精製することなく次の工程で用いる。
【0164】
このようにして得られた残留物(5.29g;13.13mmol)のアセトニトリル(100mL)溶液に、5-ヒドロキシ-N-メチルピラゾール(1.29g;13.13mmol)、炭酸セシウム(4.7g、24.43mmol)及びヨウ化ナトリウム(0.39g;2.6mmol)を加え、全体を90℃で5時間撹拌する。反応混合物の濃縮後、残留物を酢酸エチル及び水で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、無色の油状物を得る。
【0165】
ピリジニウムトリブロミド(2.4g;7.5mmol)を、このようにして得られた残留物(2.8g;7.5mmol)のメタノール(200mL)溶液に0℃で少量ずつ加える。全体を0℃で1時間、周囲温度で2時間撹拌する。反応混合物の濃縮後、残留物を水とジクロロメタンの混合物に取り込む。ジクロロメタンで抽出後、有機相を1M塩酸水溶液、水で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてアセトニトリル及び水を用いるRP-18相でのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.41 (s, 1 H), 7.14 (m, 1 H), 6.88 (d, 1 H), 6.84 (d, 1 H), 4.56/4.28 (2t, 4 H), 4.45 (s, 2 H), 3.62 (s, 3 H), 3.52 (t, 2 H), 2.55 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1689cm-1。
【0166】
工程B: tert-ブチル 5-[2-({4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}オキシ)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(2g;4.42mmol)及び調製1b”の工程Bで得られた化合物(1.48g;6.63mmol)のトルエン(15mL)溶液を、アルゴンで10分間脱気する。ナトリウム tert-ブチラート(0.51g;5.3mmol)、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.187g;0.44mmol)及びクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(0.3g;0.44mmol)を加え、全体をマイクロ波(300W)中、100℃で2時間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過する。酢酸エチルですすいだ後、濾液を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、次に溶離液としてアセトニトリル及び水を用いるRP-18相でのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.18 (s, 1 H), 7.1 (m, 1 H), 6.75 (d, 2 H), 6.7 (s, 1 H), 6.6 (d, 2 H), 6.48 (d, 2 H), 4.45 (s, 2 H), 4.42/4.15 (2t, 4 H), 3.53 (s, 3 H), 3.51 (t, 2 H), 2.52 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H), 0.92 (s, 9 H), 0.11 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3485-3182; >C=O:1689cm-1。
【0167】
調製8b”: tert-ブチル 4-[2-({4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}オキシ)エチル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: 5-クロロ-1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール
1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール(5g;39.34mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.3Mテトラヒドロフラン溶液(82mL;106.22mmol)及びヘキサクロロエタン(14g、59.01mmol)を-78℃で滴下し、全体を78℃で1時間撹拌する。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液及び氷に移す。生成物をジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.41 (s, 1 H), 3.90 (s, 3 H)。
IR:ν:>CH:3122; -NO2:1521+1312cm-1。
【0168】
工程B: tert-ブチル 4-{2-[(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)オキシ]エチル}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
60%水素化ナトリウム(240mg;10.09mmol)を、調製5b’で得られた化合物(2.8g;10.09mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に加え、全体を周囲温度で1時間撹拌する。工程Aで得られた化合物(1.4g;8.66mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液を加え、反応混合物を16時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液及び氷に移す。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.15 (s, 1 H), 7.20 (m, 4 H), 4.80 (m, 1H), 4.51 (m, 2H), 4.30 (d, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.25 (m, 1H), 3.10 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.40 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1687; -NO2:1567+1329cm-1。
【0169】
工程C: tert-ブチル 4-{2-[(4-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)オキシ]エチル}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
炭素担持パラジウム(15質量%)を、工程Bで得られた化合物(2.4g;5.96mmol)のメタノール(75mL)溶液に加え、1barの圧力下、全体を周囲温度で24時間水素化する。反応混合物を濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びエタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.19 (m, 4 H), 6.88 (s, 1H), 4.76 (m, 1H), 4.39- 4.21 (m, 3H), 4.01 (dd, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.40 (s, 2H), 3.24 (m, 1H), 3.04 (m, 1H), 1.91 (m, 1H), 1.82 (m, 1H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:-NH2及び-NH:3390、3327及び3240; >C=O:1684cm-1。
【0170】
工程D: tert-ブチル (4-ヨードフェノキシ)ジメチルシラン
パラ-ヨードフェノール(20g;90mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、トリエチルアミン(15.2mL;109mmol)及びtert-ブチルジメチルクロロシランクロリド(16.4g;109mmol)を加え、全体を周囲温度で1時間撹拌する。加水分解後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.5 (d, 2H), 6.67 (d, 2H), 0.95 (s, 9H), 0.20 (s, 6H)。
IR:ν:>C-O-C<:1252; -Si-O-C-:905; -Si-C-:822cm-1。
【0171】
工程E: tert-ブチル 4-[2-({4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}オキシ)エチル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Cで得られた化合物(1.05g;2.81mmol)及び工程Dで得られた化合物(1.48g;3.14mmol)のトルエン(15mL)溶液を、アルゴンで10分間脱気する。ナトリウム tert-ブチラート(300mg;3.1mmol)及びクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(387mg;0.56mmol)を加え、全体をマイクロ波(300W)中、100℃で2.5時間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過する。ジクロロメタンですすいだ後、濾液を濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.2-7.20 (m, 5 H), 6.60 (d, 2H), 6.5 (d, 2H), 6.4 (s, 1H), 4.65 (d, 1H), 4.25 (d, 1H), 4.20 (m, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.30 (dd, 1H), 3.20 (dd, 1H), 2.88 (m, 1H), 1.80 (m, 2H), 1.40 (s, 9 H), 0.9 (s, 9H), 0.01 (s, 6H)。
IR:ν:>NH:3328; >C=O:1693cm-1。
【0172】
調製9b”: tert-ブチル 5-(2-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-イル}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: テトラヒドロフラン-3-イルメタンスルホナート
メタンスルホニルクロリド(14.6mL;0.18mol)を、3-ヒドロキシテトラヒドロフラン(14.8g;0.25mol)及びトリエチルアミン(35mL;0.25mol)のジクロロメタン(200mL)溶液に加え、全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物を水で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を水で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、標記生成物を得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 5.24-5.32 (m, 1 H), 3.81-4.04 (m, 4 H), 3.02 (s, 3 H), 2.17-2.26 (m, 2 H)。
【0173】
工程B: メチル 1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
炭酸カリウム(33g;0.24mol)を、メチル 1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(20g;0.16mol)及び工程Aで得られた化合物(28.9g;0.18mol)のN,N-ジメチルホルムアミド(400mL)溶液に加え、全体を80℃で48時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残留物をヘプタン中15%酢酸エチルの混合物に取り込み、シリカゲルで濾過する。濾液を濃縮し、得られた残留物を溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.50 (d, 1 H), 6.83 (d, 1 H), 5.85-5.94 (m, 1 H), 4.08-4.20 (m, 2 H), 4.01 (dd, 1 H), 3.95 (td, 1 H), 3.86 (s, 3 H), 2.32-2.54 (m, 2 H)。
【0174】
工程C: [1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]メタノール
工程Bで得られた化合物(8.43g;49.0mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を、0℃に冷却した水素化アルミニウムリチウム(3.38g;86.0mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)懸濁液に加え、全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、水(3.4mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(6.8mL)、最後に水(6.8mL)でゆっくりと希釈する。硫酸マグネシウムを、混合物に加える。濾過及び濾液の濃縮後、標記生成物を得、これを精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.43 (s, 1 H), 6.17 (s, 1 H), 5.05-5.18 (m, 1 H), 4.69 (s, 2 H), 4.19 (q, 1 H), 4.06-4.13 (m, 1 H), 3.91-4.02 (m, 2 H), 2.32-2.50 (m, 2 H), 2.10-2.32 (m, 1 H)。
【0175】
工程D: [4-ブロモ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]メタノール
N-ブロモスクシンイミド(8.78g;49.3mmol)を、工程Cで得られた化合物(7.9g;47mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に0℃で少量ずつ加え、全体を周囲温度で1.25時間撹拌する。反応混合物を1M水酸化ナトリウム水溶液(100mL)で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。得られた残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.44 (s, 1 H), 5.08-5.19 (m, 1 H), 4.69 (d, 2 H), 4.19 (q, 1 H), 4.09 (dd, 1 H), 3.89-4.01 (m, 2 H), 2.32-2.48 (m, 3 H)。
【0176】
工程E: 4-ブロモ-5-(クロロメチル)-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール
メタンスルホニルクロリド(2.85mL;36.1mmol)を、工程Dで得られた化合物(8.93g;36.1mmol)及びトリエチルアミン(7.5mL;54.2mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に加え、全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物を水で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、標記生成物を得、これを精製することなく次に用いる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.49 (s, 1 H), 4.97-5.05 (m, 1 H), 4.64 (s, 2 H), 4.09-4.22 (m, 2 H), 3.93-4.05 (m, 2 H), 2.42 (q, 2 H)。
【0177】
工程F: [4-ブロモ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]アセトニトリル
シアン化カリウム(3.88g;59.7mmol)を、アセトニトリル(80mL)と水(80mL)の混合物中の、工程Eで得られた化合物(7.92g;29.8mmol)の溶液に加え、全体を60℃で16時間撹拌する。アセトニトリルを留去し、水相を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。得られた残留物を溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.53 (s, 1 H), 4.92-5.00 (m, 1 H), 4.14-4.25 (m, 2 H), 4.03-4.10 (m, 1 H), 3.97 (td, 1 H), 3.85 (d, 2 H), 2.36-2.54 (m, 2 H)。
【0178】
工程G: 2-[4-ブロモ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]エタノール
水素化ジイソブチルアルミニウムの1Mジクロロメタン溶液(53.3mL;53.3mmol)を、工程Fで得られた化合物(6.83g;26.7mmol)のジクロロメタン(133mL)溶液に-78℃で加え、全体を78℃で3時間撹拌する。メタノール(10mL)及び水素化ホウ素ナトリウム(3.04g;80.1mmol)のゆっくりとした添加の後、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、1N塩酸水溶液(50mL)で希釈する。10分の接触後、溶媒を留去し、生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。得られた残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.48 (s, 1 H), 5.04 (tt, 1 H), 4.13-4.21 (m, 1 H), 4.06-4.12 (m, 1 H), 3.91-4.00 (m, 2 H), 3.80-3.89 (m, 2 H), 2.96 (t, 2 H), 2.29-2.44 (m, 2 H)。
【0179】
工程H: tert-ブチル 5-{2-[4-ブロモ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]エトキシ}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
0℃の、トリフェニルホスフィン(2.64g;10.1mmol)及びジイソプロピル アゾジカルボキシラート(1.97mL;10.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液を調製する。変色及び帯白色沈殿物の出現後(5分後)、工程Gで得られた化合物(2.02g;7.74mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加え、全体を周囲温度で1時間撹拌する。調製3b’の化合物(2.5g;10.1mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液の添加後、反応混合物を周囲温度で4時間撹拌し、ジメチルスルホキシド(10mL)で希釈する。反応混合物の濃縮後、残留物を溶離液としてメタノール及び水を用いるRP-18相でのクロマトグラフィーにより、次に溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.49 (s, 1 H), 7.12 (t, 1 H), 6.74 (d, 1 H), 6.66 (d, 1 H), 4.99-5.09 (m, 1 H), 4.54 (s, 2 H), 4.12-4.23 (m, 3 H), 4.09 (dd, 1 H), 3.93-4.02 (m, 2 H), 3.54-3.69 (m, 2 H), 3.21 (td, 2 H), 2.63-2.71 (m, 2 H), 2.28-2.47 (m, 2 H), 1.48 (s, 9 H)。
【0180】
工程I: tert-ブチル 5-(2-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-イル}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製7b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.48 (s, 1 H), 7.08 (t, 1 H), 6.73 (d, 1 H), 6.62-6.67 (m, 2 H), 6.56 (d, 1 H),6.48-6.52 (m, 2 H), 4.96-5.04 (m, 1 H), 4.75 (s, 1 H), 4.54 (s, 2 H), 4.17-4.24 (m, 1 H), 4.02-4.15 (m, 4 H), 3.94-4.02 (m, 1 H), 6.61 (br. s, 1 H), 3.11 (t, 2 H), 2.67 (br. s, 2 H), 2.45-2.54 (m, 1 H), 2.31-2.42 (m, 1 H), 1.49 (s, 9 H), 0.96 (s, 9 H), 0.15 (s, 6 H)。
【0181】
調製10b”: tert-ブチル 4-(2-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}エトキシ)-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 4-[2-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)エトキシ]-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
テトラヒドロフラン(10mL)とトルエン(10mL)の混合物中の、調製3b”の工程Bで得られた化合物(1g;4.92mmol)及び調製6b’の化合物(1.54g;6.54mmol)の溶液を、アルゴンで10分間脱気する。シアノメチレン トリ-n-ブチルホスホラン(2.58mL;9.84mmol)を加え、次に全体を密封し、110℃で48時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物をシクロヘキサンでトリチュレートして、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300K) δ ppm : 7.49 (s, 1 H), 7.24 (t, 1 H), 6.89 (m, 2 H), 4.55 (d, 2 H), 4.41 (m, 2 H), 4.19 (t, 2 H), 3.87 (d, 3 H), 3.16 (t, 2 H), 1.45 (d, 9 H)。
IR:ν:>C=C<:1686cm-1。
【0182】
工程B: tert-ブチル 4-(2-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}エトキシ)-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(0.95g;2.25mmol)及び調製1b”の工程Bで得られた化合物(0.74g;3.37mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を、アルゴンで10分間脱気する。ナトリウム tert-ブチラート(281mg;2.9mmol)及びクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(154mg;0.22mmol)を加え、全体を50℃で3時間撹拌する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過する。酢酸エチルですすいだ後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.28 (s, 1 H), 7.18 (t, 1 H), 6.88 (2d, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 6.69 (2s, 1 H), 6.58 (d, 2 H), 6.49 (d, 2 H), 4.55 (d, 2 H), 4.41 (s, 2 H), 4.1 (t, 2 H), 3.81 (s, 3 H), 3.01 (t, 2 H), 1.48 (s, 9 H), 0.91 (s, 9 H), 0.11 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3308cm-1; >C=O:1681cm-1; >C=C<:1617cm-1。
【0183】
調製11b”: tert-ブチル (3R又は3S)-5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}プロポキシ)-3-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-[3-(3-ブロモ-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル)プロポキシ]-3-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
テトラヒドロフラン(30mL)とトルエン(30mL)の混合物中の、調製5b”の工程Dで得られた化合物(3.19g;13.12mmol)及び調製7b’で得られた化合物(3.14g;11.93mmol)の溶液を、アルゴンで脱気する。シアノメチレン トリ-n-ブチルホスホラン(6.26mL;23.86mmol)を加える。フラスコを密封し、反応混合物を110℃で20時間撹拌し、濃縮する。このようにして得られた残留物を酢酸エチルと水の混合物で希釈する。酢酸エチルでの水相の抽出後、有機相を合わせ、水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.11 (t, 1 H), 7.09 (s, 1 H), 6.78 (t, 2 H), 4.55 (d, 2 H), 4.5 (m, 1 H), 3.95 (m, 2 H), 3.7 (m, 3 H), 2.85 (t, 2 H), 2.69 (d, 2 H), 1.95 (t, 2 H), 1.4 (s, 9 H), 1 (d, 3 H)。
IR:ν:-CN:2215cm-1; >C=O:1686cm-1。
【0184】
工程B: tert-ブチル 5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}プロポキシ)-3-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製3b”の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.05 (t, 1 H), 6.8 (m, 2 H), 6.75 (d, 1 H), 6.65 (d, 1 H), 6.55 (d, 2 H), 6.5 (d, 2 H), 4.65 (d, 1 H), 4.15 (d, 1 H), 4.45 (m, 1 H), 3.88 (t, 2 H), 3.65 (s, 3 H), 2.75 (t, 2 H), 2.55 (d, 2 H), 1.9 (m, 2 H), 1.45 (s, 9 H), 0.98 (d, 3 H), 0.95 (s, 6 H), 0.1 (s, 9 H)。
IR:ν:>NH:3400cm-1; -CN:2208cm-1; >C=O:1688cm-1。
【0185】
工程C: tert-ブチル (3R又は3S)-5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}プロポキシ)-3-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、溶離液としてヘプタン及びイソプロパノールを用いるキラル相(S,S)Whelk-01でのクロマトグラフィーにより得て、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.07 (t, 1 H), 6.77 (s, 1 H), 6.77 (m, 1 H), 6.73 (d, 1 H), 6.66 (d, 1 H), 6.56 (d, 2 H), 6.49 (d, 2 H), 4.62 (d, 1 H), 4.14 (d, 1 H), 4.46 (m, 1 H), 3.87 (t, 2 H), 3.66 (s, 3 H), 2.74 (t, 2 H), 2.57 (m, 2 H), 1.89 (m, 2 H), 1.43 (s, 9 H), 0.95 (d, 3 H), 0.92 (s, 9 H), 0.11 (s, 6 H)。
【0186】
調製12b”: tert-ブチル (3S又は3R)-5-(3-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノ-1-メチル-1H-ピロール-2-イル}プロポキシ)-3-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、調製11b”の方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.07 (t, 1 H), 6.77 (s, 1 H), 6.77 (m, 1 H), 6.73 (d, 1 H), 6.66 (d, 1 H), 6.56 (d, 2 H), 6.49 (d, 2 H), 4.62 (d, 1 H), 4.14 (d, 1 H), 4.46 (m, 1 H), 3.87 (t, 2 H), 3.66 (s, 3 H), 2.74 (t, 2 H), 2.57 (m, 2 H), 1.89 (m, 2 H), 1.43 (s, 9 H), 0.95 (d, 3 H), 0.92 (s, 9 H), 0.11 (s, 6 H)。
【0187】
調製13b”: tert-ブチル 4-(2-{5-(ベンジルオキシ)-2-[(5-シアノ-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル)アミノ]フェノキシ}エチル)ピペリジン-1-カルボキシラート
工程A: 4-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン
3-フルオロ-4-ニトロフェノール(12.76g;81.2mmol)のアセトン(165mL)溶液に、炭酸カリウム(13.47g;97.5mmol)及び臭化ベンジル(9.75mL;82.0mmol)を加える。反応混合物を還流下で14時間撹拌し、周囲温度に戻した後、それを水で希釈する。酢酸エチルでの水相の抽出後、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を最少量の酢酸エチル及びペンタンに取り込み、得られた沈殿物を濾過して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.15 (t, 1 H), 7.25 (dd, 1 H), 7.05 (dd, 1 H), 5.25 (s, 2 H), 7.3-7.5 (m, 5 H)。
IR:ν:-NO2:1510及び1500cm-1; -NO2:1329cm-1。
【0188】
工程B: tert-ブチル 4-{2-[5-(ベンジルオキシ)-2-ニトロフェノキシ]エチル}ピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(8g;35mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を、0℃で、テトラヒドロフラン(30mL)中の水素化ナトリウム(1.52g;38.1mmol)の混合物に滴下する。反応混合物を0℃で15分間、周囲温度で30分間撹拌する。反応混合物を0℃に再び冷却し、工程Aで得られた化合物(7.86g;31.79mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を滴下する。反応混合物を周囲温度で17時間撹拌し、加水分解する。酢酸エチルでの水相の抽出後、有機相を合わせ、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.95 (d, 1 H), 7.4 (m, 5 H), 6.9 (d, 1 H), 6.7 (dd, 1 H), 5.25 (s, 2 H), 4.2 (t, 2 H), 3.9/2.7 (m, 4 H), 1.7 (m, 3 H), 1.7/1.05 (m, 4 H), 1.4 (s, 9 H)。
IR:ν:; >C=O:1683cm-1; -NO2:1513及び1255cm-1。
【0189】
工程C: tert-ブチル 4-{2-[2-アミノ-5-(ベンジルオキシ)フェノキシ]エチル}ピペリジン-1-カルボキシラート
鉄(12.9g;23.1mmol)を、テトラヒドロフラン(70mL)と氷酢酸(70mL)の混合物中の、工程Bで得られた化合物(9.4g;22mmol)の溶液に加え、全体を65℃で18時間加熱する。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、次に5N水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH=7に達した後、それを半分に濃縮する。ジクロロメタンでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.4-7.3 (m, 5 H), 6.55 (m, 2 H), 6.35 (dd, 1 H), 4.95 (s, 2 H), 4.22 (m, 2 H), 3.95 (m, 4 H), 2.7 (m, 2 H), 1.65 (m, 3 H), 1.65/1.05 (m, 4 H), 1.4 (s, 9 H)。
IR:ν:; -NH2:3450-3365cm-1; >C=O:1669cm-1。
【0190】
工程D: 4-ブロモ-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
臭素(24mL;457.74mmol)の氷酢酸(60mL)溶液を、1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル(15g;124.8mmol)の氷酢酸(300mL)溶液に滴下する。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物を半分に濃縮した後、同量の水(180mL)を加え、形成された沈殿物を濾別し、次にジクロロメタンに溶解する。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.05 (s, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 2.23 (s, 3 H)。
IR:ν:; >CH:3131cm-1; >CN:2220cm-1。
【0191】
工程E: tert-ブチル 4-(2-{5-(ベンジルオキシ)-2-[(5-シアノ-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル)アミノ]フェノキシ}エチル)ピペリジン-1-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製2b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.4 (d, 2 H), 7.35 (t, 2 H), 7.3 (f, 1 H), 6.7 (s, 1 H), 6.6 (d, 1 H), 6.35 (dd, 1 H), 6.3 (d, 1 H), 5.85 (s, 1 H), 4.95 (s, 2 H), 4.05 (t, 2 H), 3.9/2.7 (m+m, 2+2 H), 3.6 (s, 3 H), 2.05 (s, 3 H), 1.7 (m, 5 H), 1.4 (s, 9 H), 1.05 (m, 2 H)。
IR:ν:; >NH:3404cm-1; >CN:2207cm-1; >C=O:1684cm-1。
【0192】
調製14b”: tert-ブチル 3-(2-{5-(ベンジルオキシ)-2-[(5-シアノ-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル)アミノ]フェノキシ}エチル)ピペリジン-1-カルボキシラート
標記化合物を、工程Bにおいてtert-ブチル 3-(2-ヒドロキシエチル)-ピペリジン-1-カルボキシラートを用い、調製13b”の方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.4 (d, 2 H), 7.35 (t, 1 H), 7.3 (t, 2 H), 6.75 (s, 1 H), 6.62 (d, 1 H), 6.35 (dd, 1 H), 6.25 (d, 1 H), 5.85 (s, 1 H), 4.95 (s, 2 H), 4.05-2.5 (m, 4 H), 4.05 (t, 2 H), 3.63 (s, 3 H), 2.1 (s, 3 H), 1.8-1.3 (m, 7 H), 1.35 (br. s, 9 H)。
IR:ν:; >NH:3400cm-1; >CN:2207cm-1; >C=O:1684cm-1。
【0193】
調製15b”: 1-(3-{[2-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-イル]オキシ}プロピル)-3-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリジニウムヨージド
工程A: 1-ニトロ-4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)ベンゼン
4-ニトロフェノール(20g;0.144mol)のアセトニトリル(500mL)溶液に、臭化アリル(15mL;0.173mol)及び炭酸セシウム(52g、0.158mol)を加え、全体を周囲温度で16時間、70℃で2時間撹拌する。不溶性物質の濾過及び濾液の濃縮後、残留物をジクロロメタン及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を水で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及び石油エーテルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 8.2 (d, 2 H), 7 (d, 2 H), 6 (m, 1 H), 5.45 (tdd, 1 H), 5.4 (tdd, 1 H), 4.6 (m, 2 H)。
IR:ν:>NO2:1590及び1331cm-1。
【0194】
工程B: 4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)アニリン
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製13b”の工程Cに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 6.65 (d, 2 H), 6.49 (d, 2 H), 6 (m, 1 H), 5.34/5.2 (dd, 2 H), 4.59 (s, 2 H), 4.4 (d, 2 H)。
IR:ν:>NH2:3429及び3350cm-1。
【0195】
工程C: N-[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]ピリジン-3-アミン
標記化合物を、3-ブロモピリジン及び前工程の化合物を用い、調製3b”の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.22 (d, 1 H), 8.05 (s, 1 H), 7.92 (dd, 1 H), 7.31-7.11 (2*dd, 2 H), 7.05 (d, 2 H), 6.91 (d, 2 H), 6.04 (m, 1 H), 5.46-5.19 (2*dd, 2 H), 4.52 (d, 2 H)。
IR:ν:>NH:3250及び3184cm-1。
【0196】
工程D: 1-(3-{[2-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-イル]オキシ}プロピル)-3-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリジニウムヨージド
調製8b’の化合物(1.05g;2.5mmol)を、工程Cで得られた化合物(740mg;3.27mmol)のジオキサン(13mL)溶液に加え、全体を70℃で18時間撹拌する。濃縮後、残留物を溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.1 (s, 1 H), 8.34 (m, 2 H), 7.81 (m, 2 H), 7.14 (t, 1 H), 7.12 (d, 2 H), 6.91 (d, 2 H), 6.78 (t, 2 H), 6.04 (m, 1 H), 5.4/5.27 (2*dd, 2 H), 4.67 (t, 2 H), 4.54 (d, 2 H), 4.46 (s, 2 H), 4.04 (t, 2 H), 3.5 (t, 2 H), 2.5 (d, 2 H), 2.37 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:>NH:3500-2700cm-1; >C=O:1686cm-1。
【0197】
調製16b”: 2-メチル-N-[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]-4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エトキシ]ピリミジン-5-アミン
工程A: 4-クロロ-2-メチル-6-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エトキシ]ピリミジン-5-アミン
2-テトラヒドロピラン-2-イルオキシエタノール(4.6mL;33.6mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液を、0℃で、テトラヒドロフラン(10mL)中の水素化ナトリウム(1.5g;36.4mmol)の混合物に滴下する。反応混合物を0℃で15分間、周囲温度で30分間撹拌する。反応混合物を0℃に再び冷却し、5-アミノ-4,6-ジクロロ-2-メチルピリミジン(5g;28mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液を滴下する。反応混合物を周囲温度で17時間撹拌し、加水分解する。酢酸エチルでの水相の抽出後、有機相を合わせ、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 5.01 (s, 2 H), 4.66 (m, 1 H), 4.49 (m, 2 H), 3.94 (2*m, 2 H), 3.77/3.44 (2*m, 2 H), 2.34 (s, 3 H), 1.76-1.35 (m, 4 H), 1.61/1.45 (2*m, 2 H)。
IR:ν:-NH2:3464及び3340cm-1。
【0198】
工程B: 2-メチル-4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エトキシ]ピリミジン-5-アミン
炭素担持パラジウム(10質量%)を、工程Aで得られた化合物(6.9g;24.0mmol)のエタノール(120mL)溶液に加え、全体を周囲温度で6時間、1barで水素化する。反応混合物を濾過し、濃縮乾固する。残留物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液とジクロロメタンの混合物で希釈する。デカンテーション及びジクロロメタンでの抽出後、有機相を合わせ、次に硫酸マグネシウムで乾燥して、標記生成物を与える。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.76 (s, 1 H), 4.76 (s, 2 H), 4.65 (m, 1 H), 4.46 (m, 2 H), 3.93/3.75 (2m, 2 H), 3.75/3.44 (2m, 2 H), 2.34 (s, 3 H), 1.75-1.35 (m, 6 H)。
IR:ν:-NH2:3600-3100cm-1。
【0199】
工程C: 1-ブロモ-4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)ベンゼン
4-ブロモフェノール(10g;57.8mmol)のアセトン(290mL)溶液に、臭化アリル(5.5mL;63.6mmol)及び炭酸カリウム(16g、116mmol)を加え、全体を85℃で6時間、周囲温度で16時間撹拌する。不溶性物質の濾過及び濾液の濃縮後、残留物を酢酸エチル及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及び石油エーテルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.36 (d, 2 H), 6.79 (d, 2 H), 6.01 (m, 1 H), 5.4 (d, 1 H), 5.3 (d, 1 H), 4.5 (d, 2 H)。
IR:ν:>CH-Ar:821cm-1; >C=C<:1590、1578及び1488cm-1。
【0200】
工程D: 2-メチル-N-[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]-4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エトキシ]ピリミジン-5-アミン
標記化合物を、前工程B及びCで得られた化合物を用い、調製2b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.07 (s, 1 H), 7.17 (s, 1 H), 6.98 (d, 2 H), 6.86 (d, 2 H), 6.03 (m, 1 H), 5.38/5.24 (2*dd, 2 H), 4.62 (m, 1 H), 4.52 (m, 2 H), 4.5 (m, 2 H), 3.94/3.76 (2*m, 2 H), 3.74/3.4 (2*m, 2 H), 2.43 (s, 3 H), 1.61 (m, 2 H), 1.42 (m, 4 H)。
IR:ν:;>NH:3415cm-1; >C=C<:1649cm-1。
【0201】
調製17b”: tert-ブチル [2-(3-シアノ-5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}フェノキシ)エチルメチルカルバマート
工程A: (3-ブロモ-5-メトキシフェニル)メタノール
ボラン-ジメチルスルフィド錯体(32.5mL;64.9mmol)を、3-ブロモ-5-メトキシ安息香酸(10g;43.3mmol)のテトラヒドロフラン(280mL)溶液に滴下し、全体を2時間撹拌する。反応混合物を、2N塩酸水溶液の滴下でpH=1に酸性化する。エーテルで抽出後、有機相を1N水酸化ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を油状物の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.08 (m, 1 H), 6.99 (m, 1 H), 6.89 (m, 1 H), 5.3 (br. s, 1 H), 4.47 (s, 2 H), 3.75 (s, 3 H)。
IR:ν:-OH:1588cm-1; >C-O:1268及び1038cm-1; γ:>CH-Ar:811cm-1。
【0202】
工程B: 3-ブロモ-5-メトキシベンズアルデヒド
Dess-Martin試薬(20.3mL;47.8mmol)を、工程Aで得られた化合物(8.6g;39.8mmol)のジクロロメタン(400mL)溶液に加え、全体を2時間撹拌する。エーテルの添加後、反応混合物をシリカのベッドで濾過する。濾液を濃縮し、ヘプタンと酢酸エチルの混合物に取り込み、シリカのベッドで再び濾過する。濾液の濃縮後、標記生成物を微黄色固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.5 (s, 1 H), 7.69 (t, 1 H), 7.5 (t, 1 H), 7.42 (t, 1 H), 3.85 (s, 3 H)。
IR:ν:>C=O:1691cm-1。
【0203】
工程C: (Z)-1-(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)-N-ヒドロキシメタンイミン
工程Bで得られた化合物(7.8g;36.4mmol)のエタノール(10mL)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(12.6g;182mmol)及びピリジン(6.27mL;87.4mmol)を連続して加え、全体を65℃で1時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を白色の固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 11.45 (s, 1 H), 8.1 (s, 1 H), 7.35 (t, 1 H), 7.16 (d, 2 H), 3.8 (s, 3 H)。
IR:ν:-OH:3300-3000cm-1; Ar:1600及び1564cm-1; >C-O:1220及び1059cm-1; -N-O:960cm-1; γ:>CH-Ar:831cm-1。
【0204】
工程D: 3-ブロモ-5-メトキシベンゾニトリル
工程Cで得られた化合物(8.1g;35.2mmol)のジオキサン(70mL)溶液に、ピリジン(22mL;211mmol)を0℃で加え、無水トリフルオロ酢酸(1.4mL;70.4mmol)を滴下し、全体を周囲温度で24時間撹拌する。0℃に戻した後、2度目の分の無水トリフルオロ酢酸(1.4mL;70.4mmol)を滴下し、全体を周囲温度で24時間を撹拌する。0℃に戻した後、3度目の分の無水トリフルオロ酢酸(1.4mL;70.4mmol)を滴下し、全体を60℃で1時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を1N塩酸水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を微黄色固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.69 (t, 1 H), 7.53 (dd, 1 H), 7.5 (dd, 1 H), 3.82 (s, 3 H)。
IR:ν:-CN:2232cm-1; Ar:1597及び1562cm-1; >C-O-C<:1278及び1051cm-1; γ:>CH-Ar:848、814及び671cm-1。
【0205】
工程E: 3-ブロモ-5-ヒドロキシベンゾニトリル
ヨウ化リチウム(11.2g;83.7mmol)を、工程Dで得られた化合物(5.9g;27.9mmol)のコリジン(55mL)溶液に加え、全体を150℃で16時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を氷水に注ぐ。ジクロロメタンで抽出後、有機相を合わせ、水で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を橙色-褐色固体の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 10.7 (br. s, 1 H), 7.51 (t, 1 H), 7.3 (t, 1 H), 7.18 (dd, 1 H)。
IR:ν:-OH:3283cm-1; -CN:2245cm-1。
【0206】
工程F: tert-ブチル (2-ヒドロキシエチル)メチルカルバマート
ジ-tert-ブチルジカルボナート(87.3g;0.399mol)を、2-(メチルアミノ)エタノール(30g;0.399mol)のジクロロメタン(800mL)溶液に周囲温度で少量ずつ加える。混合物をその温度で16時間撹拌する。溶媒を真空中で留去し、残留物を溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 3.75 (t, 2 H), 3.39 (t, 2 H), 2.91 (s, 3 H), 2.85 (m, 1 H), 1.45 (s, 9 H)。
IR:ν:-OH:3431cm-1; >C=O:1692及び1668cm-1。
【0207】
工程G: tert-ブチル [2-(3-ブロモ-5-シアノフェノキシ)エチル]メチルカルバマート
標記化合物を、前工程E及びFで得られた化合物を用い、調製9b”の工程Hに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.7 (br. s, 1 H), 7.52 (br. s, 1 H), 7.5 (br. s, 1 H), 4.2 (m, 2 H), 3.5 (t, 2 H), 2.88 (br. s, 3 H), 1.35 (2br. s, 9 H)。
IR:ν:-CN:2235cm-1; >C=O:1687cm-1。
【0208】
工程H: tert-ブチル [2-(3-シアノ-5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}フェノキシ)エチル]メチルカルバマート
標記化合物を、前工程の化合物及び調製15b”の工程Bで得られた化合物を用い、調製2b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.07 (d, 2 H), 6.94 (d, 2 H), 6.73 (dd, 2 H), 6.63 (t, 1 H), 6.05 (m, 1 H), 5.4 (dd, 1 H), 5.26 (dd, 1 H), 4.54 (td, 2 H), 4.06 (t, 2 H), 3.5 (t, 2 H), 2.83 (s, 3 H), 1.34 (s, 9 H)。
IR:ν:-NH:3344cm-1; -CN:2231cm-1; >C=O:1741cm-1; >C=O:1673cm-1; >C=C<:1591cm-1。
【0209】
調製18b”: tert-ブチル [4-(3-シアノ-5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}フェノキシ)ブチル]メチルカルバマート
標記化合物を、工程Fにおいて4-(メチルアミノ)ブタノールを用い、調製17b”の方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.23 (s, 1 H), 7.07 (d, 2 H), 6.94 (d, 2 H), 6.73 (t, 1 H), 6.68 (t, 1 H), 6.63 (t, 1 H), 6.05 (m, 1 H), 5.39/5.26 (2dquad, 2 H), 4.54 (dt, 2 H), 3.96 (t, 2 H), 3.19 (t, 2 H), 2.76 (br. s, 3 H), 1.59 (m, 4 H), 1.37 (br. s, 9 H)。
IR:ν:-NH:3340cm-1; -CN:2229cm-1; >C=O:1687cm-1; >C=O:1670cm-1。
【0210】
調製19b”: tert-ブチル 5-(2-{2-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]エトキシ}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 5-[2-(2-オキソエトキシ)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
ジメチルスルホキシド(0.2mL)を、塩化オキサリル(0.2mL;2.22mmol)のテトラヒドロフラン(7mL)溶液に-78℃で加える。その温度で30分の接触後、-78℃で、調製9b’で得られた化合物(0.5g;1.48mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液、及び同じ条件下で、トリエチルアミン(0.77mL;5.93mmol)を滴下する。全体を78℃で1時間、0℃で2時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を栗茶色油状物の形態で得、これを精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.6 (s, 1 H), 7.13 (t, 1 H), 6.82 (d, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 4.46 (br. s, 2 H), 4.29 (s, 2 H), 4.12 (m, 2 H), 3.85 (m, 2 H), 3.54 (m, 2 H), 2.64 (t, 2 H), 1.41 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1689cm-1。
【0211】
工程B: tert-ブチル 5-(2-{2-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]エトキシ}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(0.5g;1.49mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、調製1b”の工程Bで得られた化合物(0.4g;1.79mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.63g;2.98mmol)を加える。全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及び石油エーテルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.13 (t, 1 H), 6.81 (d, 1 H), 6.75 (d, 1 H), 6.59 (d, 2 H), 6.47 (d, 2 H), 5.05 (t, 1 H), 4.46 (s, 2 H), 4.1 (t, 2 H), 3.77 (t, 2 H), 3.62 (t, 2 H), 3.52 (t, 2 H), 3.13 (quad, 2 H), 2.63 (t, 2 H), 1.42 (s, 9 H), 0.92 (s, 9 H), 0.11 (s, 6 H)。
IR:ν:>NH:3387cm-1; >C=O:1693cm-1。
【0212】
調製20b”: tert-ブチル 5-[2-(1-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノフェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: 3-ブロモ-5-ニトロベンゾニトリル
2-アミノ-3-ブロモ-5-ニトロベンゾニトリル(10g;41.3mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(85mL)溶液を、50℃で、亜硝酸tert-ブチル(8.19mL;62mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(35mL)溶液に滴下する。ガスの発生が停止するまで、混合物を50℃で撹拌する。粗混合物を0.5N塩酸水溶液(1L)に注ぎ、全体をメチル tert-ブチルエーテルで抽出する。有機相を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及びヘプタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm 8.61 (t, 1 H), 8.47 (t, 1 H), 8.12 (t, 1 H)。
【0213】
工程B: 3-アミノ-5-ブロモベンゾニトリル
塩化スズ二水和物(33.85g;150mmol)を、酢酸エチル(20mL)及びエタノール(82mL)中の工程Aで得られた化合物(6.85g;30mmol)の溶液に少量ずつ加える。次に、反応混合物を70℃で30分間加熱し、容量約40mLまで濃縮した後、氷に注ぐ。このようにして得られた混合物を、2N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にし、全体を20分間撹拌する。生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及びヘプタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.12 (t, 1 H), 7.01 (t, 1 H), 6.80 - 6.83 (m, 1 H), 3.97 (br. s, 2 H)。
【0214】
工程C: 3-アジド-5-ブロモベンゾニトリル
0℃の、工程Bで得られた化合物(3.96g;20mmol)の酢酸エチル(60mL)溶液に、温度を5℃未満に保持しながら濃塩酸(12mL)を滴下し、次に、同様に温度を5℃未満に保持しながら亜硝酸ナトリウム(1.66g;24mmol)の水(25mL)溶液を滴下する。0℃で1時間撹拌した後、温度を5℃未満に保持しながら、アジ化ナトリウム(1.56g;24mmol)の水(25mL)溶液を滴下する。反応混合物を、周囲温度に戻るまで3時間撹拌し、水で希釈する。生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、精製していない標記化合物を与える。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.55 (t, 1 H), 7.41 (t, 1 H), 7.20 - 7.24 (m, 1 H)。
【0215】
工程D: tert-ブチル 5-{2-[1-(3-ブロモ-5-シアノフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]エチル}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Cで得られた化合物(1.56g;7mmol)及び調製10b’で得られた化合物(2g;7mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、ヨウ化銅(133mg;0.7mmol)及びトリエチルアミン(1.16mL;8.4mmol)を加える。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌する。次に、反応混合物を容量約15mLまで濃縮し、全体を酢酸エチルで希釈する。有機相を2N塩酸水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮する。残留物を、溶離液として酢酸エチル及びヘプタンを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 8.17 (s, 1 H), 7.91 - 7.99 (m, 1 H), 7.79 - 7.86 (m, 1 H), 7.64 (br. s, 1 H), 7.09 - 7.20 (m, 1 H), 7.03 (dd, 2 H), 4.58 (s, 2 H), 3.65 (br. s, 2 H), 3.06 (br. s, 4 H), 2.82 (br. s, 2 H), 1.49 (s, 9 H)。
【0216】
工程E: tert-ブチル 5-[2-(1-{3-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-5-シアノフェニル}-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)エチル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物及び調製1b”の工程Bの化合物を用い、調製2b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K) δ ppm : 7.40 - 7.76 (m, 2 H), 7.19 (s, 1 H), 7.05 - 7.16 (m, 4 H), 6.95 - 7.05 (m, 2 H), 6.82 - 6.90 (m, 2 H), 6.67 (br. s, 1 H), 4.57 (s, 2 H), 3.58 - 3.67 (m, 2 H), 2.96 - 3.07 (m, 4 H), 2.70 - 2.81 (m, 2 H), 1.47 (s, 9 H), 1.00 (s, 9 H), 0.22 (s, 6 H)。
【0217】
調製21b”: tert-ブチル 4-(2-{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
工程A: 5-ブロモ-2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]ピリミジン
炭酸セシウム(11.73g、36mmol)を、5-ブロモ-2-クロロピリミジン(3.48g;18mmol)及び2-(2-クロロエトキシ)-エタノール(3.59g;28.8mmol)のアセトニトリル(50mL)溶液に加え、全体を60℃で14時間撹拌する。冷却後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.75 (s, 2 H), 4.41 (m, 2 H), 3.8 (m, 2 H), 3.72 (s, 4 H)。
【0218】
工程B: tert-ブチル 4-{2-[2-({5-[(4-ヒドロキシフェニル)アミノ]ピリミジン-2-イル}オキシ)エトキシ]エトキシ}-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(2.81g;10mmol)及び調製6b’の化合物(2.5g;10mmol)のアセトニトリル(100mL)溶液に、炭酸セシウム(3.9g、12mmol)及びヨウ化カリウム(0.35g;2.1mmol)を加え、全体を60℃で14時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を濃縮する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。
【0219】
このようにして得られた残留物(3.3g;6.87mmol)及び調製15b”の工程Bの化合物(1.44g;9.6mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液を、アルゴンで10分間脱気する。炭酸セシウム(2.91g;8.9mmol)及びクロロ(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(180mg;0.26mmol)を加え、全体を還流下で5時間、50℃で15時間撹拌する。冷却後、反応混合物を濃縮する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.00 (1H, s), 8.22 (1H, s), 8.21 (1H, s), 7.65 (1H, s), 6.90 (1H, d), 6.89 (1H, d), 7.24 (1H, t), 6.86 (2H, m), 6.68 (2H, m), 4.45 - 4.57 (4H, m), 4.33 (2H, m), 4.16 (2H, m), 3.81 (4H, m), 1.44 (9H, s)。
【0220】
工程C: tert-ブチル 4-(2-{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
標記化合物を、工程Bのフェノールを用い、調製16b”の工程Cに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.29/8.28 (s, 2 H), 7.81 (brs, 1 H), 7.24 (t, 1 H), 6.93 (m, 2 H), 6.9 (m, 1 H), 6.88 (m, 1 H), 6.86 (m, 2 H), 6.03 (m, 1 H), 5.37/5.24 (m+m, 2 H), 4.57/4.55 (brs, 2 H), 4.48/4.45 (brs, 2 H), 4.38-3.78 (m, 8 H), 1.44 (s, 9 H)。
【0221】
調製22b”: tert-ブチル 5-(2-{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、工程Bにおいて調製6b’の化合物を調製3b’の化合物に代えて、調製21b”の方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.29 (s, 2 H), 7.82 (s, 1 H), 7.12 (t, 1 H), 6.94 (m, 2 H), 6.86 (m, 2 H), 6.8 (d, 1 H), 6.73 (d, 1 H), 6.02 (m, 1 H), 5.37/5.23 (m+m, 2 H), 4.49 (m, 2 H), 4.45 (br., 2 H), 4.36 (m, 2 H), 4.1 (m, 2 H), 3.81 (m, 2 H), 3.81 (m, 2 H), 3.51 (t, 2 H), 2.61 (t, 2 H), 1.4 (s, 9 H)。
【0222】
調製23b”: tert-ブチル 5-({6-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]ヘキシル}オキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、工程Aにおいて2-(2-クロロエトキシ)-エタノールを6-クロロヘキサノールに代えて、調製22b”の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C33H42N4O5
[M+H]+ 計算値 575.32、
[M+H]+ 測定値 575.4。
【0223】
調製24b”: tert-ブチル 5-({5-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]ペンチル}オキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、工程Aにおいて2-(2-クロロエトキシ)-エタノールを6-クロロペンタノールに代えて、調製22b”の方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm : 8.29 (s, 2 H), 7.79 (s, 1 H), 7.12 (t, 1 H), 6.93 (m, 2 H), 6.86 (m, 2 H), 6.79 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 6.03 (m, 1 H), 5.38/5.24 (m, 2 H), 4.49 (dt, 2 H), 4.45 (br., 2 H), 4.24 (t, 2 H), 3.98 (t, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 2.61 (t, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.56 (m, 2 H), 1.41 (s, 3 H)。
【0224】
調製25b”: tert-ブチル 5-{4-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]ブトキシ}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、工程Aにおいて2-(2-クロロエトキシ)-エタノールを6-クロロブタノールに代えて、調製22b”の方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 8.29 (s, 2 H), 7.8 (s, 1 H), 7.12 (t, 1 H), 6.93 (d, 2 H), 6.86 (d, 2 H), 6.8 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 6.07-5.98 (m, 1 H), 5.4-5.21 (m, 2 H), 4.48 (dt, 2 H), 4.45 (br, 2 H), 4.28 (t, 2 H), 4.02 (t, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 2.62 (t, 2 H), 1.87 (br, 4 H), 1.4 (s, 9 H)。
【0225】
調製26b”: tert-ブチル 3-[(2-{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート
工程A: tert-ブチル 3-({2-[2-(ベンジルオキシ)エトキシ]エトキシ}メチル)ピペリジン-1-カルボキシラート
油中60%水素化ナトリウム(1.6g;40.2mmol)を、0℃で、tert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシラート(7.54g;35mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液に加える。次に、全体を60分間撹拌する。周囲温度に戻した後、2-(2-ベンジルオキシエトキシ)エチル-4-メチルベンゼンスルホナート(12.26g、35mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を加える。次に、全体を60分間撹拌し、ゆっくりと加水分解する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を蒸発させ、残留物を溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 7.36-7.29 (m, 4 H), 7.27 (m, 1 H), 4.48 (s, 2 H), 4-3.77/2.7-2.36 (br, 2 H), 3.75/2.74 (br+td, 2 H), 3.59-3.44 (m, 8 H), 3.27/3.21 (dd, 2 H), 1.66/1.11 (br, 2 H), 1.62 (br, 1 H), 1.55/1.29 (m, 2 H), 1.37 (s, 9 H)。
【0226】
工程B: tert-ブチル 3-{[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]メチル}ピペリジン-1-カルボキシラート
炭素担持パラジウム(10質量%)を、工程Aで得られた化合物(11.0g;27.95mmol)のエタノール(85mL)溶液に加える。全体を周囲温度で10時間、4barで水素化する。反応混合物を濾過、濃縮乾固して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 4.45 (t, 1 H), 3.87/2.57 (brm+brs, 2 H), 3.74/2.78 (m+m, 2 H), 3.56-3.46 (m, 4 H), 3.49 (m, 2 H), 3.43 (t, 2 H), 3.28/3.23 (dd+dd, 2 H), 1.68/1.15 (m+m, 2 H), 1.64 (m, 1 H), 1.58/1.32 (m+m, 2 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0227】
工程C: tert-ブチル 3-[(2-{2-[(5-ブロモピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート
炭酸セシウム(17.9g、55mmol)を、工程Bで得られた化合物(8.34g、27.5mmol)及び5-ブロモ-2-クロロピリミジン(5.31g;27mmol)のアセトニトリル(160mL)溶液に加え、全体を85℃で7時間撹拌する。冷却後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、溶離液としてヘプタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 8.75 (s, 2 H), 4.4 (m, 2 H), 4.04-2.27 (brm, 4 H), 3.75 (m, 2 H), 3.57 (t, 2 H), 3.49/3.47 (m+m, 2 H), 3.25/3.2 (dd+dd, 2 H), 1.64/1.1 (m+m, 2 H), 1.6 (m, 1 H), 1.55/1.29 (m+m, 2 H), 1.37 (s, 9 H)。
【0228】
工程D: tert-ブチル 3-[(2-{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物及び調製15b”の工程Bで得られた化合物を用い、調製2b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 8.29 (s, 2 H), 7.81 (s, 1 H), 6.94 (m, 2 H), 6.86 (m, 2 H), 4.33 (m, 2 H), 4-3.73/2.71-2.34 (br+br., 2 H), 3.73/2.74 (br+m, 2 H), 3.73 (m, 2 H), 3.58 (t, 2 H), 3.49 (m, 2 H), 3.27/3.21 (dd+dd, 2 H), 1.66/1.1 (brd+br., 2 H), 1.62 (br., 1 H), 1.55/1.29 (m+m, 2 H), 1.37 (s, 9 H)。
【0229】
調製27b”: tert-ブチル 4-[(2-{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート
標記化合物を、工程Aにおいてtert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシラートをtert-ブチル 4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシラートに代えて、調製26b”の方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 8.29 (s, 2 H), 7.82 (s, 1 H), 6.94 (m, 2 H), 6.86 (m, 2 H), 6.03 (m, 1 H), 5.38/5.24 (m+m, 2 H), 4.49 (m, 2 H), 4.32 (m, 2 H), 3.91/2.67 (br+br., 4 H), 3.73 (m, 2 H), 3.57 (m, 2 H), 3.49 (m, 2 H), 3.23 (d, 2 H), 1.67 (m, 1 H), 1.61/0.98 (brd+qd, 4 H), 1.37 (s, 9 H)。
【0230】
調製28b”: tert-ブチル 5-[2-(メチル{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エチル}アミノ)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程A: 2-{[2-(ベンジルオキシ)エチル](メチル)アミノ}エタノール
ヨウ化カリウム(1.0g、6mmol)を、2-クロロエトキシメチルベンゼン(4.6mL;30mmol)及び2-(メチルアミノ)エタノール(3.1mL;39mmol)のN,N-ジメチルアセトアミド(40mL)溶液に加え、トリエチルアミン(5.4mL;39mmol)を加える。全体を120℃で一晩撹拌する。沈殿物の濾過後、濾液を濃縮乾固し、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 7.38-7.24 (m, 5 H), 4.46 (s, 2 H), 4.34 (brt, 1 H), 3.51 (t, 2 H), 3.45 (brt, 2 H), 2.58 (t, 2 H), 2.45 (t, 2 H), 2.21 (s, 3 H)。
【0231】
工程B: tert-ブチル 5-(2-{[2-(ベンジルオキシ)エチル](メチル)アミノ}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
工程Aで得られた化合物(6.28g、30mmol)及び調製3b’で得られた化合物(4.99g、20mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、窒素雰囲気下0℃で、トリフェニルホスフィン(7.87g、30mmol)を加え、次にジエチル アゾジカルボキシラートの40%トルエン溶液(14mL、30mmol)を滴下する。周囲温度に戻した後、混合物を1時間撹拌する。溶媒の留去後、残留物をジイソプロピルエーテルに2回取り込み、溶離液としてアセトニトリル、水及び炭酸アンモニウムを用いるRP-18でのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 7.35-7.24 (m, 5 H), 7.11 (t, 1 H), 6.79 (dd, 1 H), 6.72 (dd, 1 H), 4.46 (s, 2 H), 4.45 (s, 2 H), 4.02 (t, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 3.51 (t, 2 H), 2.7 (t, 2 H), 2.65 (t, 2 H), 2.6 (t, 2 H), 2.3 (s, 3 H), 1.41 (s, 9 H)。
【0232】
工程C: tert-ブチル 5-{2-[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]エトキシ}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
テトラヒドロフラン(50mL)及びエタノール(80mL)中の工程Bで得られた化合物(3.88g;8.8mmol)の溶液に、ジオキサン中4M塩酸(2.4mL)及び炭素担持パラジウム(570mg)を加える。混合物を周囲温度で15時間、4barで水素化する。濾過及び蒸発後、残留物を水に溶解し、pH=12に達するまで2M水酸化ナトリウム水溶液を加える。酢酸エチルでの抽出及び溶媒留去後、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6) δ ppm 7.12 (t, 1 H), 6.8 (dd, 1 H), 6.73 (dd, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4.34 (t, 1 H), 4.03 (t, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 3.47 (t, 2 H), 2.77 (t, 2 H), 2.62 (t, 2 H), 2.51 (t, 2 H), 2.28 (s, 3 H), 1.41 (s, 3 H)
【0233】
工程D: tert-ブチル 5-{2-[{2-[(5-ブロモピリミジン-2-イル)オキシ]エチル}(メチル)アミノ]エトキシ}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物及び5-ブロモピリミジン-2-オールを用い、調製28b”の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 8.72 (s, 1 H), 7.11 (t, 1 H), 6.78 (d, 1 H), 6.72 (d, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 4.38 (t, 2 H), 4.03 (t, 2 H), 3.49 (t, 2 H), 2.84 (t, 2 H), 2.83 (t, 2 H), 2.57 (t, 2 H), 2.35 (s, 3 H), 1.41 (s, 9 H)
【0234】
工程E: tert-ブチル 5-[2-(メチル{2-[(5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エチル}アミノ)エトキシ]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、前工程の化合物を用い、調製26b”の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6) δ ppm 8.28 (s, 2 H), 7.8 (s, 1 H), 7.11 (t, 1 H), 6.93 (m, 2 H), 6.85 (m, 2 H), 6.8 (dd, 1 H), 6.72 (dd, 1 H), 6.03 (m, 1 H), 5.38/5.24 (dq, 2 H), 4.49 (dt, 2 H), 4.44 (brs, 2 H), 4.32 (t, 2 H), 4.04 (t, 2 H), 3.5 (t, 2 H), 2.84 (t, 2 H), 2.83 (t, 2 H), 2.59 (t, 2 H), 2.35 (s, 3 H), 1.4 (s, 9 H)。
【0235】
実施例1: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-20,23-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-2,13-ジオン
【化11】
【0236】
工程A: エチル 5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}フェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
調製1aで得られた化合物(9.5g;29.5mmol)のジクロロメタン(110mL)溶液に、調製1a’で得られた化合物(7.32g;32.4mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.78g;35.4mmol)、1,(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(6.1g;35.4mmol)及びトリエチルアミン(20.6mL;147.5mmol)を連続して加える。全体を周囲温度で一晩撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和塩化アンモニウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.54/7.45 (2m, 3 H), 7.12/7 (2t, 1 H), 6.75/6.45 (2d, 1 H), 6.75/6.65 (2d, 1 H), 6.35/6.25 (2s, 1 H), 6.05 (m, 1 H), 5.4 (m, 1 H), 5.25 (m, 1 H), 4.55-3.95/2.95 (m, 8 H), 3.45/3.21 (2s, 3 H), 2.6-2.2 (m, 2 H), 2.49/2.05 (2s, 3 H), 1.22 (t, 3 H)。
IR:ν:>C=O:1695cm-1。
【0237】
工程B: 5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}フェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
水酸化リチウム(1.8g;43.8mmol)の水(50mL)溶液を、工程Aで得られた化合物(10.8g;21.9mmol)のメタノール(100mL)溶液に加える。次に、全体を90℃で48時間撹拌する。反応混合物を濃縮してメタノールを除去し、1N塩酸水溶液の添加によりpH=4に酸性化し、最後にジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記生成物を粉末の形態で得、精製することなく次の工程で用いる。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 11.55 (br. s, 1 H), 7.52/7.45 (m, 3 H), 7.12/7 (2t, 1 H), 6.78/6.7/6.48 (3d, 2 H), 6.32/6.25 (2s, 1 H), 6.05 (m, 1 H), 5.4 (m, 1 H), 5.25 (m, 1 H), 4.8-3 (m, 6 H), 3.45/3.2 (2s, 3 H), 2.5 (m, 2 H), 2.5/2.05 (2s, 3 H)。
【0238】
工程C: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-N-[3-(2-クロロエトキシ)フェニル]-5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}フェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
1-クロロ-N,N,2-トリメチル-プロパ-1-エン-1-アミン(0.31mL;2.4mmol)を、工程Bで得られた化合物(1g;2.1mmol)のジクロロエタン(20mL)溶液に加える。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、調製1a”の化合物(1.6g;4.3mmol)を加える。全体を80℃で24時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物で希釈する。ジクロロメタンでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.5-7.25 (m, 3 H), 7.2 (m, 2 H), 6.95/6.65 (m, 4 H), 6.85-6.6 (m, 5 H), 6.05 (m, 1 H), 5.4/5.25 (m, 2 H), 5.35-5.2 (m, 1 H), 4.8-3.9 (m, 2 H), 4.5 (m, 2 H), 4.15 (m, 2 H), 3.85 (m, 2 H), 3.3-2.9 (m, 2 H), 3.3-3.2 (m, 3 H), 2.8-2.5 (m, 2 H), 2.35-2.2 (m, 3 H), 0.85 (m, 9 H), 0.1 (m, 6 H)。
【0239】
工程D: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-N-[3-(2-クロロエトキシ)フェニル]-5-{5-クロロ-2-[(5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)カルボニル]フェニル}-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
1,3-ジメチルバルビツール酸(0.49g;3.15mmol)を、ジクロロメタン(6mL)とメタノール(3mL)の混合物中の、工程Cで得られた化合物(1.3g;1.57mmol)の溶液に加える。反応混合物を、アルゴンで10分間バブリングすることにより脱気し、テトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.09g;0.07mmol)を加える。全体を40℃で19時間加熱する。メタノールの濃縮後、反応混合物を酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.45 (m, 1 H), 7.5-7.25 (m, 3 H), 7.2 (m, 1 H), 7-6.95 (m, 1 H), 6.8-6.6 (m, 2 H), 6.8-6.6 (m, 3 H), 6.75-6.6 (m, 4 H), 5.4-5.2 (m, 1 H), 4.8-4.1 (m, 2 H), 4.15 (m, 2 H), 3.9 (m, 2 H), 3.85 (m, 2 H), 3.3-3.2 (m, 3 H), 2.9-2.5 (m, 2 H), 2.35-2.2 (m, 3 H), 0.85 (m, 9 H), 0.1 (m, 6 H)。
IR:ν:-OH:3260cm-1; >C=O:1624cm-1。
【0240】
工程E: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-{5-クロロ-2-[(5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)カルボニル]フェニル}-N-[3-(2-ヨードエトキシ)フェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
ヨウ化ナトリウム(0.35g;2.34mmol)を、工程Dで得られた化合物(0.88g;1.17mmol)のアセトン(15mL)溶液に加える。反応混合物を80℃で24時間撹拌する。反応混合物の濾過後、濾液を濃縮する。得られた残留物を酢酸エチルと水の混合物に取り込む。酢酸エチルでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。得られた残留物を、更に精製することなく次の工程でそのまま用いる。
【0241】
工程F: 14-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-6-クロロ-10,11-ジメチル-20,23-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-2,13-ジオン
炭酸セシウム(0.36g;1.12mmol)を、工程Eで得られた化合物(0.98g;1.12mmol)のアセトニトリル(112mL)溶液に、周囲温度で、1時間の間隔を置いて3回に分けて加える。次に、反応混合物を50℃で4時間加熱し、その後濃縮する。得られた残留物をジクロロメタンと水の混合物に取り込む。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。得られた残留物を、精製することなく次の工程でそのまま用いる。
【0242】
工程G: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-20,23-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-2,13-ジオン
テトラブチルアンモニウムフルオリドの1Nテトラヒドロフラン溶液(1mL;1.01mmol)を、工程Fで得られた化合物(0.5g;0.67mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に加える。全体を周囲温度で1時間撹拌する。次に、反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。このようにして得られた残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィー、続いてアセトニトリル、イソプロパノール及びジエチルアミンを用いるchiral IC columnでのクロマトグラフィーにより精製する。このようにして得られた固体を水/アセトニトリルの混合物に溶解し、濾過し、凍結乾燥する。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C37H32ClN3O5
[M+H]+ 計算値 634.2103、
[M+H]+ 測定値 634.2102。
【0243】
実施例2: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-20,24-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[27.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~25,30~]ペンタトリアコンタ-3,5,7,9(35),11,15(34),16,18,25,27,29-ウンデカエン-2,13-ジオン
【化12】
標記化合物を、工程Aにおいて調製1aの酸及び調製1a’の化合物、並びに工程Cにおいて調製2a”の化合物を用い、実施例1の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=70.42:69.92; %H=5.29:5.00; %N=6.48:6.48。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式: C
38H
34ClN
3O
5
[M+H]+ 計算値 648.2259、
[M+H]+ 測定値 648.2260。
【0244】
実施例3: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-20,25-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[28.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~26,31~]ヘキサトリアコンタ-3,5,7,9(36),11,15(35),16,18,26,28,30-ウンデカエン-2,13-ジオン
【化13】
標記化合物を、工程Aにおいて調製1aの酸及び調製1a’の化合物、並びに工程Cにおいて調製3a”の化合物を用い、実施例1の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=70.74:70.22; %H=5.48:5.37; %N=6.35:6.27。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
39H
36ClN
3O
5
[M+H]+ 計算値 662.2416、
[M+H]+ 測定値 662.2422。
【0245】
実施例4: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-20,23-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル
【化14】
標記化合物を、工程Aにおいて調製1aの酸及び調製1a’の化合物、並びに工程Cにおいて調製4a”の化合物を用い、実施例1の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=69.24:68.29; %H=4.74:4.68; %N=8.50:8.70; %Cl=5.38:5.33。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
38H
31ClN
4O
5
[M+H]+ 計算値 659.2057、
[M+H]+ 測定値 659.2056。
【0246】
実施例5: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-20,24-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[27.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~25,30~]ペンタトリアコンタ-3,5,7,9(35),11,15(34),16,18,25,27,29-ウンデカエン-17-カルボニトリル
【化15】
標記化合物を、工程Aにおいて調製1aの酸及び調製1a’の化合物、並びに工程Cにおいて調製5a”の化合物を用い、実施例1の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
39H
33ClN
4O
5
[M+H]+ 計算値 673.2212、
[M+H]+ 測定値 673.2211。
【0247】
実施例6: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5,14(8H)-ジオン
【化16】
【0248】
工程A: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}フェニル)-N-[5-(3-クロロプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
塩化オキサリル(0.28mL;3.2mmol)を、実施例1の工程Bで得られた化合物(0.75g;1.6mmol)のジクロロエタン(40mL)溶液に加える。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、濃縮する。残留物をジクロロエタンに取り込み、濃縮し、この操作を2回実施する。最終的な残留物をジクロロエタン(20mL)に取り込み、調製6a”の化合物(0.61g;1.6mmol)及びピリジン(0.4mL;4.8mmol)のジクロロエタン(10mL)溶液に加える。全体を110℃で16時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、残留物をジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物に取り込む。ジクロロメタンでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.5-7.25 (m, 3 H), 7.2-7.1 (m, 1 H), 7.15 (m, 1 H), 7.15-6.93 (m, 2 H), 6.82-6.7 (m, 2 H), 6.8 (m, 1 H), 6.62-6.5 (m, 1 H), 6.08 (m, 1 H), 5.5-5.2 (m, 2 H), 5.38-5.2 (m, 1 H), 4.75-2.9 (m, 2 H), 4.55 (m, 2 H), 4.25-3.9 (m, 2 H), 3.73 (m, 3 H), 3.55 (m, 2 H), 3.3-3.15 (m, 3 H), 2.7-2.3 (m, 2 H), 2.6 (m, 2 H), 2.3-2.15 (m, 3 H), 1.6 (m, 2 H), 0.8 (m, 9 H), 0.1 (m, 6 H)。
【0249】
工程B: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5,14(8H)-ジオン
標記化合物を、出発物質として前工程の化合物を用い、実施例1の工程D、E、F及びGに記載した方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=67.97:68.05; %H=5.39:5.25; %N=11.01:10.77。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C36H34ClN5O4
[M+H]+ 計算値 636.2372、
[M+H]+ 測定値 636.2369。
【0250】
実施例7: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11,33-トリメチル-2,13-ジオキソ-23-オキサ-1,10,14,18-テトラアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,18~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,24,26,28-デカエン-17-カルボニトリル
【化17】
標記化合物を、実施例1の工程Bで得られた酸及び調製7a”のアミンを用い、実施例6の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=69.48:69.01; %H=5.38:5.34; %N=10.39:10.19。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
39H
36ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 674.2529、
[M+H]+ 測定値 674.2515。
【0251】
実施例8: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11,32-トリメチル-2,13-ジオキソ-22-オキサ-1,10,14,18-テトラアザヘキサシクロ[25.3.1.1~9,12~.1~15,18~.0~3,8~.0~23,28~]トリトリアコンタ-3,5,7,9(33),11,15(32),16,23,25,27-デカエン-17-カルボニトリル
【化18】
標記化合物を、実施例1の工程Bで得られた酸及び調製8a”のアミンを用い、実施例6の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
38H
34ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 660.2372、
[M+H]+ 測定値 660.2377。
【0252】
実施例9: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-23-オキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル
【化19】
標記化合物を、実施例1の工程Bで得られた酸及び調製9a”のアミンを用い、実施例6の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
39H
33ClN
4O
4
[M+H]+ 計算値 657.2263、
[M+H]+ 測定値 657.2267。
【0253】
実施例10: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピラゾロ[3,4-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-5(8H)-オン塩酸塩
【化20】
【0254】
工程A: エチル 5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]メチル}フェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
調製1aの工程Bで得られた化合物(2g;6.54mmol)のジクロロメタン(25mL)溶液に、調製1a’で得られた化合物(1.5g;6.54mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.2g;10mmol)を連続して加える。次に、全体を周囲温度で一晩撹拌する。反応混合物を水と塩化アンモニウムの混合物に注ぐ。デカンテーション後、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてヘプタン及びエタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.6 (d, 1 H), 7.47 (dd, 1 H), 7.3 (d, 1 H), 7.03 (t, 1 H), 6.74 (d, 1 H), 6.57 (d, 1 H), 6.43 (s, 1 H), 6.03 (m, 1 H), 5.38 (m, 1 H), 5.23 (m, 1 H), 4.54 (m, 2 H), 4.16 (quad, 2 H), 3.42 (s, 2 H), 3.4 (s, 2 H), 3.22 (s, 3 H), 2.64 (m, 2 H), 2.56 (m, 2 H), 2.49 (s, 3 H), 1.25 (t, 3 H)。
IR:ν:>C=O:1692cm-1; >C-O-C<:1063cm-1
【0255】
工程B: 5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]メチル}フェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
1N水酸化リチウム水溶液(13mL;13.1mmol)を、工程Aで得られた化合物(2.1g;4.4mmol)のジオキサン(12mL)溶液に加える。全体をマイクロ波(300W)下、120℃で4.5時間撹拌する。反応混合物を1N塩酸水溶液と氷の混合物に注ぐ。生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、更なる精製をしていない標記生成物を与える。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.61 (d, 1 H), 7.45 (dd, 1 H), 7.27 (br. s, 1 H), 7.03 (t, 1 H), 6.73 (d, 1 H), 6.57 (d, 1 H), 6.33 (s, 1 H), 6.04 (m, 1 H), 5.39 (d, 1 H), 5.23 (d, 1 H), 4.53 (m, 2 H), 3.45 (s, 2 H), 3.39 (s, 2 H), 3.2 (s, 3 H), 2.63 (m, 2 H), 2.55 (m, 2 H), 2.5 (s, 3 H)。
IR:ν:-OH:3300-2200cm-1; >C=O:1661cm-1; >C-O-C<:1258cm-1。
【0256】
工程C: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]メチル}フェニル)-1,2-ジメチル-N-{1-メチル-5-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エチル]-1H-ピラゾール-4-イル}-1H-ピロール-3-カルボキサミド
1-クロロ-N,N,2-トリメチル-プロパ-1-エン-1-アミン(0.59mL;4.87mmol)を、工程Bで得られた化合物(2g;4.43mmol)のジクロロエタン(50mL)溶液に加える。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、調製10a”の化合物(3.2g;7.4mmol)及びピリジン(1.8mL;22.1mmol)を加える。全体を80℃で24時間撹拌する。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と氷の混合物に注ぐ。ジクロロメタンでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びイソプロパノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.45 (d, 1 H), 7.3 (dd, 1 H), 7.15 (s, 1 H), 7.05 (d, 1 H), 7.02 (d, 1 H), 6.97 (t, 1 H), 6.9/6.6 (ab, 4 H), 6.5 (d, 1 H), 5.95 (m, 1 H), 5.3 (s, 1 H), 5.3/5.15 (m, 2 H), 4.48 (m, 2 H), 4.3 (m, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 3.5-3.25 (m, 6 H), 3.2-3.1 (m, 4 H), 3.08 (s, 3 H), 2.8-2.5 (m, 2 H), 2.5 (m, 2 H), 2.3 (s, 3 H), 1.6-1.2 (m, 6 H), 0.87-0.8 (s, 9 H), 0.1-0 (s, 6 H)。
【0257】
工程D: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-{5-クロロ-2-[(5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル]フェニル}-N-[5-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
標記化合物を2工程で得る。最初に、工程Cの化合物を、実施例1の工程Dに記載した方法に従って脱保護反応に付し、次の工程に用いる。
【0258】
このようにして得られた生成物(430mg;0.52mmol)のメタノール(15mL)溶液に、ピリジン パラ-トルエンスルホナート(140mg;0.52mmol)を加える。反応混合物を80℃で一晩撹拌し、次に濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.2 (s, 1 H), 4.62 (s, 1 H), 7.44 (d, 1 H), 7.3 (d, 1 H), 7.15 (s, 1 H), 7.02 (s, 1 H), 6.94-6.6 (m, 4 H), 6.8 (t, 1 H), 6.5 (d, 1 H), 6.35 (d, 1 H), 5.7-5.3 (s, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 3.3 (m, 2 H), 3.2 (m, 2 H), 3.1 (m, 2 H), 3.05 (s, 3 H), 2.6 (m, 2 H), 2.5 (m, 2 H), 2.48 (m, 2 H), 2.3 (s, 3 H), 0.8 (s, 9 H), 0.15 (s, 6 H)。
【0259】
工程E: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピラゾロ[3,4-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-5(8H)-オン塩酸塩
テトラヒドロフラン(80mL)とトルエン(80mL)の混合物中の、工程Dで得られた化合物(250mg;0.34mmol)の溶液を、アルゴンで10分間脱気する。シアノメチレン トリ-n-ブチルホスホラン(0.18mL;0.75mmol)をそれに加え、全体を密封し、110℃で48時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製し、次の工程で用いる。
【0260】
得られた生成物のメタノール(5mL)溶液に、水酸化カリウムの1Mメタノール溶液(0.34mL;0.34mmol)を加える。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と氷の混合物に注ぐ。ジクロロメタンでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びエタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。このようにして得られた固体を1N塩酸水溶液とアセトニトリルの混合物に溶解し、濾過し、凍結乾燥して、標記生成物を得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C35H34ClN5O3.HCl
[M+H]+ 計算値 608.2423、
[M+H]+ 測定値 608.2425。
【0261】
実施例11: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5(8H)-オン
【化21】
【0262】
工程A: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-(5-クロロ-2-{[5-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]メチル}フェニル)-N-[5-(3-クロロプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
標記化合物を、実施例10の工程Bの酸及び調製6a”のアミンを用い、実施例6の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.53 (d, 1 H), 7.41 (dd, 1 H), 7.28 (s, 1 H), 7.1 (d, 1 H), 7.05 (t, 1 H), 6.99 (d, 2 H), 6.75 (d, 1 H), 6.69 (d, 2 H), 6.59 (d, 1 H), 6.04 (m, 1 H), 5.4/5.24 (m+m, 1+1 H), 5.4 (s, 1 H), 4.55 (d, 2 H), 3.7 (s, 3 H), 3.59 (t, 2 H), 3.34 (s, 2 H), 3.22 (br. s, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.63 (m, 2 H), 2.62 (m, 2 H), 2.5 (m, 2 H), 2.38 (s, 3 H), 1.73 (m, 2 H), 0.87 (s, 9 H), 0.08 (s, 6 H)。
【0263】
工程B: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-{5-クロロ-2-[(5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル]フェニル}-N-[5-(3-クロロプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
標記化合物を、前工程で得られた化合物から出発して、実施例1の工程Dに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm 7.55 (d, 1 H), 7.4 (dd, 1 H), 7.3 (s, 1 H), 7.1 (d, 1 H), 7 (d, 2 H), 6.9 (t, 1 H), 6.7 (d, 2 H), 6.6 (d, 1 H), 6.4 (d, 1 H), 5.4 (s, 1 H), 3.7 (s, 3 H), 3.6 (t, 2 H), 3.3 (s, 2 H), 3.2 (br. s, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.6 (m, 2 H), 2.55 (m, 2 H), 2.5 (m, 2 H), 2.35 (s, 3 H), 1.7 (quint, 2 H), 0.85 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
IR:ν:-OH:3500-2500cm-1; >C=O:1635及び1622cm-1。
【0264】
工程C: N-(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)-5-{5-クロロ-2-[(5-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル]フェニル}-N-[5-(3-ヨードプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド
標記化合物を、前工程で得られた化合物から出発して、実施例1の工程Eに記載した方法に従って得る。得られた残留物を、精製することなく次の工程でそのまま用いる。
【0265】
工程D: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5(8H)-オン
標記化合物を、前工程で得られた化合物から出発して、実施例1の工程F及びGに記載した方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C36H36ClN5O3
[M+H]+ 計算値 622.2579、
[M+H]+ 測定値 622.2573。
【0266】
実施例12: 二ナトリウム 4-[6-クロロ-17-シアノ-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-20,23-ジオキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-14-イル]フェニルホスファート
【化22】
実施例4の化合物(75mg;0.113mmol)のジクロロメタン(1.5mL)溶液に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(34μL;0.227mmol)、次いでビス(ジメチルアミノ)ホスホリルクロリド(16.5μL;0.113mmol)を加える。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌し、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の混合物で希釈する。ジクロロメタンで抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。
【0267】
得られた生成物のアセトニトリル(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)の水(0.5mL)溶液を加える。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌し、濃縮乾固する。得られた残留物をアセトニトリルに取り込み、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を滴下してpH=7にする。混合物を濃縮乾固し、エタノールに取り込み、濾過する。濾液を濃縮し、得られた残留物を、溶離液としてアセトニトリル及び水を用いるOasis(登録商標)相でのクロマトグラフィーにより精製した後、凍結乾燥して、標記生成物を得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C38H30ClN4O8P.2 Na
[M+H]+ 計算値 783.1358、
[M+H]+ 測定値 783.1361。
【0268】
実施例13: 12-クロロ-5-(4-ヒドロキシフェニル)-8,9-ジメチル-6,15-ジオキソ-6,9,22,23-テトラヒドロ-5H,15H,17H-16,22-メタノ-7,10-(メテノ)トリベンゾ[b,j,o][1,4,8,13]オキサトリアザシクロオクタデシン-3-カルボニトリル
【化23】
【0269】
工程A: エチル 5-(2-{[4-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}-5-クロロフェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシラート
調製2a’(2.95g;18.1mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、イミダゾール(3.08g;45.25mmol)、4-(ジメチル)-アミノ-ピリジン(0.11g;0.9mmol)及びクロロ-tert-ブチル-ジメチルシラン(3.28g;21.72mmol)を加える。全体を周囲温度で2時間撹拌する。加水分解後、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製し、精製することなく次の工程で用いる。
【0270】
標記化合物を、上記中間体の残留物及び調製1aの酸を用い、実施例1の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.6-7.35 (m, 3 H), 7.2-6.85 (m, 4 H), 6.45-5.9 (4s, 1 H), 5.05-2.7 (m, 4 H), 4.1/3.95 (2m, 2 H), 3.85-3.2 (m, 2 H), 3.45/3.3 (2s, 3 H), 2.9/2.6 (2m, 1 H), 2.45/2.35/2.2 (3s, 3 H), 1.2/1.05 (2m, 3 H), 0.85/0.7 (2br. s, 9 H), 0.05-0 (3br. s, 6 H)
IR:ν:>C=O:1697及び1634cm-1。
【0271】
工程B: 5-(5-クロロ-2-{[4-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}フェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
標記化合物を、前工程で得られたエステルを用い、実施例1の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.6-7.4 (m, 3 H), 7.2-7 (m, 4 H), 6.5-6.2 (4br. s, 1 H), 5.05/4.3-3.95 (5m, 2 H), 4.3-2.8 (6m, 2 H), 3.75-2.8 (m, 2 H), 3.47/3.3 (2s, 3 H), 2.85/2.6 (3m, 1 H), 2.5/2.35/2.25 (3s, 3 H)。
IR:ν:>C=O:1662及び1613cm-1。
【0272】
工程C: 5-(2-{[4-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}-5-クロロフェニル)-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボン酸
工程Bで得られた化合物(3.65g;8.32mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、クロロ-tert-ブチル-ジメチルシラン(3g;20mmol)及び4-(ジメチル)-アミノ-ピリジン(0.11g;0.9mmol)を加え、全体を周囲温度で15分間撹拌する。2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミド[1,2-a]アゼピン(1.65mL;10.8mmol)を0℃で滴下する。反応混合物を70℃で24時間撹拌する。0.1N塩酸水溶液(10mL)の添加後、反応混合物を3時間撹拌する。反応混合物を水と酢酸エチルの混合物で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン、メタノール及び酢酸を用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.5-7.1 (m, 7 H), 6.3 (m, 1 H), 3.6-3.4 (m, 2 H), 3.5 (m, 4 H), 3.4 (m, 3 H), 3 (s, 1 H), 2.5-2.3 (m, 3 H), 0.9 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
【0273】
工程D: 5-(2-{[4-({[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}-5-クロロフェニル)-N-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-1,2-ジメチル-N-[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミド
本化合物を、前工程で得られた酸及び調製11a”のアミンを用い、実施例6の工程Aに記載した方法に従って得る。得られた残留物を、精製することなく次の工程でそのまま用いる。
【0274】
工程E: 5-(5-クロロ-2-{[4-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]カルボニル}フェニル)-N-(5-シアノ-2-フルオロフェニル)-1,2-ジメチル-N-[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピロール-3-カルボキサミド
標記化合物を、前工程で得られた化合物を用い、実施例1の工程Gに記載した方法に従って得る。得られた残留物を、精製することなく次の工程でそのまま用いる。
【0275】
工程F: 12-クロロ-5-(4-ヒドロキシフェニル)-8,9-ジメチル-6,15-ジオキソ-6,9,22,23-テトラヒドロ-5H,15H,17H-16,22-メタノ-7,10-(メテノ)トリベンゾ[b,j,o][1,4,8,13]オキサトリアザシクロオクタデシン-3-カルボニトリル
水素化ナトリウム(4.64mg;0.012mmol)を、工程Eで得られた化合物(40mg;0.058mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に0℃で加え、混合物を40℃で16時間撹拌する。同量の水素化ナトリウムを更に2回加え、反応混合物を40℃で16時間撹拌し、その後飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。酢酸エチルで抽出後、有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。標記化合物を、上記残留物を用い、実施例1の工程Dに記載した方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C37H29ClN4O4
[M+H]+ 計算値 629.195、
[M+H]+ 測定値 629.194。
【0276】
実施例14: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-20-オキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル
【化24】
【0277】
工程A: tert-ブチル 5-[3-(3-シアノ-5-{[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}フェノキシ)プロピル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
テトラブチルアンモニウムフルオリドの1Nテトラヒドロフラン溶液(2.45mL;2.45mmol)を、0℃で、調製1b”の化合物(1g;1.63mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に加える。全体を周囲温度で30分間撹拌する。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0278】
得られた残留物のアセトニトリル溶液に、臭化アリル(142μL;1.63mmol)及び炭酸セシウム(0.53g;1.63mmol)を加える。全体を、周囲温度で16時間、臭化アリル(0.2当量)を加えた後、60℃で2時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。このようにして得られた残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.24 (s, 1 H), 7.1 (dd, 1 H), 7.06 (dd, 2 H), 7 (d, 2 H), 6.94 (d, 2 H), 6.77-6.6 (3dd, 3 H), 6.04 (m, 1 H), 5.4/5.26 (2*d, 2 H), 4.54 (d, 2 H), 4.47 (s, 2 H), 3.96 (t, 2 H), 3.52 (t, 2 H), 2.76-2.64 (m, 4 H), 1.92 (m, 2 H), 1.42 (s, 9 H)。
IR:ν:>NH:3340cm-1; -CN:2225cm-1; >C=O:1624cm-1。
【0279】
工程B: tert-ブチル 5-[3-(3-{({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}-5-シアノフェノキシ)プロピル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
1-クロロ-N,N-2-トリメチル-プロパ-1-エン-1-アミン(0.53mL;4mmol)を、ジクロロメタン(20mL)及びN,N-ジメチルホルムアミド(5滴)中の調製1bで得られた化合物(0.7g;2mmol)の溶液に加える。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、濃縮する。残留物をジクロロエタンに取り込み、濃縮し、この操作を2回実施する。最終的な残留物をジクロロエタン(10mL)に取り込み、工程Aで得られた化合物(1.08g;2mmol)及びピリジン(0.48mL;6mmol)のジクロロエタン(10mL)溶液に加える。全体を80℃で16時間加熱する。反応混合物を、ジクロロメタンと飽和塩化ナトリウム水溶液の混合物で希釈する。ジクロロメタンでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液として石油エーテル及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.8 (d, 1 H), 7.55 (d, 1 H), 7.25 (s, 1 H), 7.15 (d, 2 H), 7.15/7.05/7 (3s, 3 H), 7.1-6.95 (m, 3 H), 6.9 (d, 2 H), 6 (m, 1 H), 5.35/5.2 (d+d, 1+1 H), 5.25 (s, 1 H), 4.55 (d, 2 H), 4.45 (br. s, 2 H), 4 (t, 2 H), 3.5 (t, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.7 (m, 4 H), 2.45 (s, 3 H), 1.9 (quint, 2 H), 1.4 (s, 9 H), 1.3 (s, 9 H)。
IR:ν:-CN:2230cm-1; >C=O:1695cm-1; >C=O:1645cm-1。
【0280】
工程C: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-20-オキサ-1,10,14-トリアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン-17-カルボニトリル
工程Bで得られた化合物(0.58g;0.67mmol)のジオキサン(15mL)溶液に、トリエチルアミン(1.38mL;10mmol)及びトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(1.8mL;10mmol)を加える。反応混合物を還流下で2時間撹拌し、氷水に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0281】
このようにして得られた残留物のジクロロメタン(200mL)溶液に、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.108g;0.67mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.153g;0.8mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.57mL;3.33mmol)を連続して加える。全体を周囲温度で24時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及び酢酸エチルを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。
【0282】
ジクロロメタン(10mL)とメタノール(5mL)の混合物中の、このようにして得られた残留物の溶液に、1,3-ジメチルバルビツール酸(0.036g;0.23mmol)を加える。反応混合物をアルゴンで10分間脱気し、テトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.013g;0.01mmol)を加える。反応混合物を40℃で45分間加熱する。メタノールの濃縮後、反応混合物を酢酸エチルと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてアセトニトリル及び水を用いるOasis(登録商標)相でのクロマトグラフィーにより精製する。このようにして得られた固体を水とアセトニトリルの混合物に溶解し、濾過し、凍結乾燥して、標記生成物を得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=71.28:70.81; %H=5.06:4.94; %N=8.53:8.51。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C39H33ClN4O5
[M+H]+ 計算値 673.2212、
[M+H]+ 測定値 673.2211。
【0283】
実施例15: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-23-オキサ-1,10,14,17,18-ペンタアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,18~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,24,26,28-デカエン-2,13-ジオン
【化25】
【0284】
工程A: tert-ブチル 5-(4-{4-[({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1H-ピラゾール-1-イル}ブトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、調製1bの化合物(酸)及び調製2b”の化合物(アミン)を用い、実施例14の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.83 (s, 1 H), 7.73 (d, 1 H), 7.51 (dd, 1 H), 7.15 (s, 1 H), 7.14-7.06 (m, 3 H), 7.1 (s, 1 H), 6.82 (d, 2 H), 6.73 (dd, 2 H), 4.97 (s, 1 H), 4.46 (s, 2 H), 4.1 (t, 2 H), 3.91 (t, 2 H), 3.53 (t, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.59 (t, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 1.9 (m, 2 H), 1.64 (m, 2 H), 1.41 (s, 9 H), 1.27 (s, 9 H), 0.86 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H)。
IR:ν:>C=O:1695cm-1; >C=O:1633cm-1。
【0285】
工程B: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-23-オキサ-1,10,14,17,18-ペンタアザヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,18~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,24,26,28-デカエン-2,13-ジオン
工程Aで得られた化合物(0.13g;0.14mmol)のジオキサン(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.1mL;0.71mmol)及びトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(0.13mL;0.71mmol)を加える。反応混合物を還流下で1時間撹拌し、氷水に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0286】
得られた残留物のジクロロメタン(85mL)溶液に、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.046g;0.34mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.065g;0.34mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.243mL;1.42mmol)を連続して加える。次に、全体を周囲温度で20時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。
【0287】
得られた残留物のメタノール(3mL)溶液に、水酸化カリウムの1Nメタノール溶液(0.11mL;0.11mmol)を加える。次に、全体を周囲温度で18時間撹拌する。メタノールの濃縮後、反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてアセトニトリル及び水を用いるOasis(登録商標)相でのクロマトグラフィーにより精製する。このようにして得られた固体を水とアセトニトリルの混合物に溶解し、凍結乾燥して、標記生成物を得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C36H34ClN5O4
[M+H]+ 計算値 636.2372、
[M+H]+ 測定値 636.2375。
【0288】
実施例16: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピラゾロ[3,4-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン
【化26】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製3b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=67.57:67.70; %H=5.18:4.89; %N=11.26:11.16。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
35H
32ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 622.2209、
[M+H]+ 測定値 622.2216。
【0289】
実施例17: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-16-(モルホリン-4-イルメチル)-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5,14(8H)-ジオン
【化27】
【0290】
工程A: tert-ブチル 2-{4-[(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル){1-メチル-5-[3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)プロピル]-1H-ピラゾール-4-イル}カルバモイル]-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-イル}-4-クロロベンゾアート
標記化合物を、調製1bの酸及び調製4b”のアミンを用い、実施例14の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.75 (d, 1 H), 7.52 (dd, 1 H), 7.21 (s, 1 H), 7.1 (d, 1 H), 7.02 (d, 2 H), 6.71 (d, 2 H), 6.19 (s, 1 H), 4.5 (t, 1 H), 3.71 (s, 3 H), 3.7-3.2 (4m, 4 H), 3.15 (s, 3 H), 2.55 (m, 2 H), 2.41 (s, 3 H), 1.7-1.2 (m, 8 H), 1.3 (s, 9 H), 0.85 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
IR:ν:>C=O:1706cm-1; >C=O:1640cm-1。
【0291】
工程B: tert-ブチル 2-(4-{(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)[5-(3-ヒドロキシプロピル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル]カルバモイル}-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-イル)-4-クロロベンゾアート
ピリジニウムパラトルエンスルホナート(1.5g;0.42mmol)を、工程Aで得られた化合物(3.28g;4.21mmol)のメタノール(30mL)溶液に加え、全体を80℃で4時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物をジクロロメタン及び飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈する。デカンテーション後、有機相を水で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.75 (d, 1 H), 7.59 (dd, 1 H), 7.22 (s, 1 H), 7.12 (d, 1 H), 7.05 (d, 2 H), 6.75 (d, 2 H), 5.15 (s, 1 H), 4.5 (m, 1 H), 3.71 (s, 3 H), 3.3 (t, 2 H), 3.2 (s, 3 H), 2.5 (t, 2 H), 2.45 (s, 3 H), 1.5 (m, 2 H), 1.31 (s, 9 H), 0.9 (s, 9 H), 0.1 (s, 6 H)。
IR:ν:-OH:3421cm-1; >C=O:1708cm-1; >C=O:1634cm-1。
【0292】
工程C: tert-ブチル 5-(3-{4-[({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル}プロポキシ)-3-(モルホリン-4-イルメチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
ジイソプロピル アゾジカルボキシラート(1mL;3.5mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を、工程Bで得られた化合物(1.67g;2.9mmol)、トリフェニルホスフィン(1.26g;3.5mmol)及び調製4’の化合物(0.84g;2.9mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に滴下する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌し、酢酸エチルと水の混合物で希釈する。酢酸エチルでの水相の抽出後、有機相を合わせ、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてアセトニトリル及び水を用いるRP-18相でのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.74 (d, 1 H), 7.54 (d, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.1 (t, 1 H), 7.03 (d, 2 H), 6.74 (d, 1 H), 6.73 (d, 1 H), 6.69 (d, 2 H), 5.15 (s, 1 H), 4.64/4.08 (d+m, 1+1 H), 4.59/4.46 (m+m, 1 H), 3.9 (m, 2 H), 3.74 (s, 3 H), 3.49 (m, 4 H), 3.16 (s, 3 H), 2.73/2.58 (m+m, 1+1 H), 2.69 (m, 2 H), 2.5-2.2 (m, 4 H), 2.42 (s, 3 H), 2.24/1.98 (m+m, 1+1 H), 1.79 (m, 2 H), 1.42 (s, 9 H), 1.25 (s, 9 H), 0.85 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H)。
IR:ν:>C=O:1693cm-1; >C=O:1641cm-1。
【0293】
工程D: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-16-(モルホリン-4-イルメチル)-4,16,17,23,24,25-ヘキサヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピラゾロ[4,3-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-5,14(8H)-ジオン
工程Cで得られた化合物(0.315g;0.31mmol)のジクロロエタン(12.5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.13mL;0.92mmol)及び臭化亜鉛(0.34g;1.53mmol)を加える。反応混合物をマイクロ波(150W)下、120℃で2時間の撹拌を3回行い、ジクロロメタンと氷水の混合物に注ぐ。ジクロロメタンで抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0294】
このようにして得られた残留物のジクロロメタン(15mL)溶液に、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.052g;0.23mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.072g;0.23mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.2mL;0.6mmol)を連続して加える。次に、全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相をを硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。
【0295】
このようにして得られた残留物のテトラヒドロフラン(14mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリドの1Mテトラヒドロフラン溶液(0.5mL;0.5mmol)を加える。次に、全体を周囲温度で30分間撹拌する。濃縮後、残留物を酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液の混合物に取り込む。デカンテーション後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノール中のアンモニアを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。このようにして得られた固体を水とアセトニトリルの混合物に溶解し、凍結乾燥して、標記生成物を得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C41H43ClN6O5
[M+H]+ 計算値 735.3056、
[M+H]+ 測定値 735.3061。
【0296】
実施例18: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-5,14-ジオキソ-4,5,8,16,17,23,24,25-オクタヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピロロ[3,2-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-2-カルボニトリル
【化28】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製5b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=69.14:68.70; %H=5.19:5.16; %N=10.61:9.97。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
38H
34ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 660.2372、
[M+H]+ 測定値 660.2374。
【0297】
実施例19: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-5,14-ジオキソ-1,4,5,8,16,17,23,24-オクタヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピロロ[2,3-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-2-カルボニトリル
【化29】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製6b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=68.78:68.64; %H=4.99:5.01; %N=10.84:10.66。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
37H
32ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 646.2217、
[M+H]+ 測定値 646.2216。
【0298】
実施例20: 11-フルオロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピラゾロ[3,4-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン
【化30】
標記化合物を、調製2bの酸及び調製3b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
35H
33FN
5O
4
[M+H]+ 計算値 606.2511、
[M+H]+ 測定値 606.2517。
【0299】
実施例21: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[m,s]ピラゾロ[3,4-e][1,4,7,11,16]ジオキサトリアザシクロイコシン-5,14(8H)-ジオン
【化31】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製7b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=65.88:65.61; %H=5.05:4.98; %N=10.60:10.94。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
35H
32ClN
5O
5
[M+H]+ 計算値 638.2165、
[M+H]+ 測定値 638.2166。
【0300】
実施例22: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,16,21,22,23-ヘキサヒドロ-14H-15,21-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[j,o]ピラゾロ[3,4-b][1,4,8,13]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン
【化32】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製8b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
35H
32ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 622.2216、
[M+H]+ 測定値 622.2208。
【0301】
実施例23: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-7,8-ジメチル-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1,4,16,17,23,24-ヘキサヒドロ-14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[l,r]ピラゾロ[3,4-d][1,6,10,15]オキサトリアザシクロノナデシン-5,14(8H)-ジオン
【化33】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製9b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=67.30:67.12; %H=5.35:5.08; %N=10.33:10.31。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
38H
36ClN
5O
5
[M+H]+ 計算値 678.2478、
[M+H]+ 測定値 678.2481。
【0302】
実施例24: 11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8-トリメチル-1,4,22,23-テトラヒドロ-14H,16H-15,17-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,g]ピラゾロ[4,3-o][1,5,10,14]オキサトリアザシクロオクタデシン-5,14(8H)-ジオン
【化34】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製10b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=67.16:67.31; %H=4.97:4.91; %N=11.52:11.30。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
34H
30ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 608.2059、
[M+H]+ 測定値 608.2074。
【0303】
実施例25: (16R又はS)-11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8,16-テトラメチル-5,14-ジオキソ-4,5,8,16,17,23,24,25-オクタヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピロロ[3,2-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-2-カルボニトリル
【化35】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製11b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=69.48:69.13; %H=5.38:5.37; %N=10.39:10.05。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
39H
36ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 674.2529、
[M+H]+ 測定値 674.253。
【0304】
実施例26: (16S又はR)-11-クロロ-4-(4-ヒドロキシフェニル)-1,7,8,16-テトラメチル-5,14-ジオキソ-4,5,8,16,17,23,24,25-オクタヒドロ-1H,14H-15,18-メタノ-6,9-(メテノ)ジベンゾ[b,h]ピロロ[3,2-p][1,6,11,15]オキサトリアザシクロイコシン-2-カルボニトリル
【化36】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製12b”のアミンを用い、実施例15の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=69.48:68.73; %H=5.38:5.47; %N=10.39:10.13。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
39H
36ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 674.2529、
[M+H]+ 測定値 674.2532。
【0305】
実施例27: 4-[15-クロロ-3-ヒドロキシ-18,19-ジメチル-12,21-ジオキソ-7,8,9,10,18,21-ヘキサヒドロ-6H,12H,22H-8,11-エタノ-20,17-(メテノ)ジベンゾ[b,j][1,4,8,13]オキサトリアザシクロオクタデシン-22-イル]-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
【化37】
【0306】
工程A: tert-ブチル 4-(2-{5-(ベンジルオキシ)-2-[({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)(5-シアノ-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル)アミノ]フェノキシ}エチル)ピペリジン-1-カルボキシラート
標記化合物を、調製1bの酸及び調製13b”のアミンを用い、実施例14の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.8 (d, 1 H), 7.55 (dd, 1 H), 7.45-7.25 (m, 5 H), 7.05 (d, 1 H), 7.05 (s, 1 H), 6.65 (br. s, 1 H), 6.65 (s, 1 H), 6.5 (d, 1 H), 5.35 (br. s, 1 H), 5.05 (s, 2 H), 3.95 (br. s, 2 H), 3.85/2.55 (2br. s, 4H), 3.55 (s, 3 H), 3.15 (s, 3 H), 2.35 (s, 3 H), 2.1 (br. s, 3 H), 1.6/0.95 (m+m, 2+2 H), 1.55 (m, 1 H), 1.55 (m, 2 H), 1.35 (s, 9 H), 1.25 (s, 9 H)。
IR:ν:-CN:2209cm-1; >C=O:1715、1688及び1640cm-1。
【0307】
工程B: 4-[15-クロロ-3-ヒドロキシ-18,19-ジメチル-12,21-ジオキソ-7,8,9,10,18,21-ヘキサヒドロ-6H,12H,22H-8,11-エタノ-20,17-(メテノ)ジベンゾ[b,j][1,4,8,13]オキサトリアザシクロオクタデシン-22-イル]-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
臭化亜鉛(1.45g;6.44mmol)を、工程Aで得られた化合物(1.3g;1.29mmol)のジクロロメタン(12mL)溶液に加える。反応混合物を還流下で17時間撹拌し、水に注ぐ。次に、反応混合物を2時間撹拌し、ジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。
【0308】
得られた残留物のジクロロメタン(470mL)溶液に、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.252g;1.86mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.320g;1.86mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.28mL;7.77mmol)を連続して加える。次に、全体を周囲温度で20時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。デカンテーション後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。
【0309】
メタノール(25mL)と酢酸エチル(25mL)の混合物中の、このようにして得られた残留物の溶液に、炭素担持パラジウム(15質量%)を加え、全体を周囲温度で4時間、0.6barで水素化する。反応混合物を濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、次に溶離液として0.1%ジエチルアミンを含むエタノールを用いる超臨界相におけるRP-18でのクロマトグラフィーにより精製する。このようにして得られた固体を水とアセトニトリルの混合物に溶解し、凍結乾燥して、標記生成物を得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=66.71:66.25; %H=5.60:5.52; %N=11.44:11.37。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C34H34ClN5O4
[M+H]+ 計算値 612.2367、
[M+H]+ 測定値 612.2372。
【0310】
実施例28: 4-[3-ヒドロキシ-18,19-ジメチル-12,21-ジオキソ-7,8,9,10,18,21-ヘキサヒドロ-6H,12H,22H-8,11-エタノ-20,17-(メテノ)ジベンゾ[b,j][1,4,8,13]オキサトリアザシクロオクタデシン-22-イル]-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
【化38】
標記化合物を、実施例27の工程Bにおける二次生成物として得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=70.69:70.15; %H=6.11:6.13; %N=12.12:12.86。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
34H
35N
5O
4
[M+H]+ 計算値 578.2773、
[M+H]+ 測定値 578.2762。
【0311】
実施例29: 4-[16-クロロ-3-ヒドロキシ-19,20-ジメチル-13,22-ジオキソ-6,7,8,9,10,11,19,22-オクタヒドロ-13H,23H-8,12-メタノ-21,18-(メテノ)ジベンゾ[b,j][1,4,8,13]オキサトリアザシクロノナデシン-23-イル]-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル
【化39】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製14b”のアミンを用い、実施例27の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
34H
34ClN
5O
4
[M+H]+ 計算値 612.2372、
[M+H]+ 測定値 612.2367。
【0312】
実施例30: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-23-オキサ-1,10,14-トリアザ-19-アゾニアヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン トリフルオロメタンスルホナート
【化40】
【0313】
工程A: 3-{({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}-1-(3-{[2-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-5-イル]オキシ}プロピル)ピリジニウム
1-クロロ-N,N-2-トリメチル-プロパ-1-エン-1-アミン(0.183mL;1.49mmol)を、調製1bで得られた化合物(0.47g;1.36mmol)のジクロロメタン(34mL)溶液に加える。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、濃縮する。残留物をテトラヒドロフラン(14mL)に取り込む。
【0314】
並行して、水素化ナトリウム(65mg;1.63mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液及び調製15b”の化合物(960mg;1.49mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を調製し、この溶液を周囲温度で30分間撹拌する。前に得られた残留物をそれに加え、全体を3時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンと水の混合物で希釈する。ジクロロメタンでの水相の抽出後、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 9.14 (br. s, 1 H), 8.87 (d, 1 H), 8.18 (d, 1 H), 8.06 (dd, 1 H), 7.81 (d, 1 H), 7.58 (d, 1 H), 7.17 (d, 2 H), 7.13 (t, 1 H), 7.01 (s, 1 H), 6.95 (d, 2 H), 6.77 (d, 1 H), 6.77 (d, 1 H), 6.01 (m, 1 H), 5.34 (d, 1 H), 5.21 (d, 1 H), 5.2 (s, 1 H), 4.8 (t, 2 H), 4.57 (d, 2 H), 4.45 (br. s, 2 H), 4.05 (t, 2 H), 3.48 (m, 2 H), 3.16 (s, 3 H), 2.46 (m, 2 H), 2.46 (s, 3 H), 2.4 (m, 2 H), 1.41/1.3 (2s, 18 H)。
【0315】
工程B: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-2,13-ジオキソ-23-オキサ-1,10,14-トリアザ-19-アゾニアヘキサシクロ[26.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~24,29~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15(33),16,18,24,26,28-ウンデカエン トリフルオロメタンスルホナート
標記化合物を、前工程で得られた化合物を用い、実施例14の工程Cに記載した方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=58.27:58.74; %H=4.38:4.35; %N=7.15:7.71。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C38H34ClF3N4O7S
[M-CF3SO3]+ 計算値 633.2249、
[M-CF3SO3]+ 測定値 633.2263。
【0316】
実施例31: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11,18-トリメチル-22-オキサ-1,10,14,17,19-ペンタアザヘキサシクロ[25.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~23,28~]トリトリアコンタ-3,5,7,9(33),11,15,17,23,25,27-デカエン-2,13,32-トリオン
【化41】
【0317】
工程A: tert-ブチル 4-クロロ-2-[1,5-ジメチル-4-({2-メチル-4-[2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エトキシ]ピリミジン-5-イル}[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]カルバモイル)-1H-ピロール-2-イル]ベンゾアート
標記化合物を、調製1bの化合物及び調製16b”の化合物を用い、実施例30の工程Aに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.36 (s, 1 H), 7.79 (d, 1 H), 7.56 (dd, 1 H), 7.21 (d, 2 H), 7.05 (d, 1 H), 6.87 (d, 2 H), 5.99 (m, 1 H), 5.33 (d, 1 H), 5.29 (s, 1 H), 5.2 (d, 1 H), 4.56 (m, 1 H), 4.53 (d, 2 H), 4.45 (m, 2 H), 3.83/3.61 (2m, 2 H), 3.69/3.35 (2m, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.5 (s, 3 H), 2.39 (s, 3 H), 1.63/1.37 (2m, 2 H), 1.51/1.38 (2m, 2 H), 1.42/1.32 (2m, 2 H), 1.29 (s, 9 H)。
IR:ν:>C=O:1703cm-1; >C=O:1644cm-1。
【0318】
工程B: tert-ブチル 5-{2-[5-{({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}-2-メチル-6-オキソピリミジン-1(6H)-イル]エトキシ}-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
ピリジニウムパラトルエンスルホナート(0.34g;1.35mmol)を、工程Aで得られた化合物(0.97g;1.35mmol)のメタノール(7mL)溶液に加え、全体を80℃で4時間撹拌する。周囲温度に戻した後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチル及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。
【0319】
得られた残留物(0.579g;0.915mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、塩化トシル(0.349g;1.83mmol)及びトリエチルアミン(514μL;3.66mmol)を加え、全体を周囲温度で16時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタン及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。
【0320】
得られた残留物(0.7g;0.752mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に、調製3b’の化合物(0.225g;0.903mmol)及び炭酸カリウム(0.313g;2.26mmol)を加え、全体を125℃で2時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈する。デカンテーション後、有機相を水及び飽和塩化リチウム水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固する。残留物を、溶離液としてジクロロメタン及びメタノールを用いるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.88 (s, 1 H), 7.72 (d, 1 H), 7.5 (dd, 1 H), 7.15 (d, 2 H), 7.08 (t, 1 H), 7.07 (d, 1 H), 6.84 (d, 2 H), 6.74 (d, 1 H), 6.74 (d, 1 H), 5.99 (m, 1 H), 5.36 (s, 1 H), 5.33 (d, 1 H), 5.2 (d, 1 H), 4.52 (d, 2 H), 4.43 (br. s, 2 H), 4.39 (t, 2 H), 4.2 (t, 2 H), 3.48 (t, 2 H), 3.11 (s, 3 H), 2.62 (s, 3 H), 2.47 (t, 2 H), 2.36 (s, 3 H), 1.41/1.28 (2s, 18 H)。
IR:ν:>C=O:1682cm-1; >C=O:1639cm-1。
【0321】
工程C: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11,18-トリメチル-22-オキサ-1,10,14,17,19-ペンタアザヘキサシクロ[25.3.1.1~9,12~.1~15,19~.0~3,8~.0~23,28~]トリトリアコンタ-3,5,7,9(33),11,15,17,23,25,27-デカエン-2,13,32-トリオン
標記化合物を、前工程の化合物を用い、実施例14の工程Cに記載した方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=66.51:66.29; %H=4.96:4.95; %N=10.77:10.38。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C36H32ClN5O5
[M+H]+ 計算値 650.2169、
[M+H]+ 測定値 650.2165。
【0322】
実施例32: 18-クロロ-11-(4-ヒドロキシフェニル)-2,14,15-トリメチル-1,12-ジオキソ-1,2,3,4,12,15-ヘキサヒドロ-11H-6,10:13,16-ジ(メテノ)-5,2,11,15-ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン-8-カルボニトリル
【化42】
【0323】
工程A: tert-ブチル 2-(4-{(3-{2-[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エトキシ}-5-シアノフェニル)[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]カルバモイル}-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-イル)-4-クロロベンゾアート
標記化合物を、調製1bの化合物及び調製17b”の化合物を用い、実施例14の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (400 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.78 (d, 1 H), 7.56 (dd, 1 H), 7.28 (br. s, 1 H), 7.19 (br. s, 1 H), 7.14 (d, 2 H), 7.07 (d, 1 H), 6.99 (分離されていないピーク, 1 H), 6.92 (d, 2 H), 6 (m, 1 H), 5.34/5.21 (2dquad, 2 H), 5.26 (s, 1 H), 4.55 (m, 2 H), 4.11 (m, 2 H), 3.48 (t, 2 H), 3.16 (s, 3 H), 2.8 (s, 3 H), 2.43 (s, 3 H), 1.3 (m, 18 H)。
IR:ν:>CN:2230cm-1; >C=O:1697及び1645cm-1。
【0324】
工程B: 18-クロロ-11-(4-ヒドロキシフェニル)-2,14,15-トリメチル-1,12-ジオキソ-1,2,3,4,12,15-ヘキサヒドロ-11H-6,10:13,16-ジ(メテノ)-5,2,11,15-ベンゾオキサトリアザシクロオクタデシン-8-カルボニトリル
標記化合物を、前工程の化合物を用い、実施例14の工程Cに記載した方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=66.60:65.92; %H=4.66:4.62; %N=10.36:10.08。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C30H25ClN4O4
[M+H]+ 計算値 541.1642、
[M+H]+ 測定値 541.1637。
【0325】
実施例33: 21-クロロ-6-(4-ヒドロキシフェニル)-2,3,17-トリメチル-5,18-ジオキソ-5,6,13,14,15,16,17,18-オクタヒドロ-2H-4,1:11,7-ジ(メテノ)-12,2,6,17-ベンゾオキサトリアザシクロイコシン-9-カルボニトリル
【化43】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製18b”のアミンを用い、実施例32の方法に従って得る。
元素微量分析:(%理論値:測定値)
%C=67.54:67.16; %H=5.14:5.05; %N=9.85:9.27。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
32H
29ClN
4O
4
[M+H]+ 計算値 569.1955、
[M+H]+ 測定値 569.1950。
【0326】
実施例34: 18-クロロ-11-(4-ヒドロキシフェニル)-14,15-ジメチル-6,7,10,11,23,24-ヘキサヒドロ-9H,21H-1,22-メタノ-13,16-(メテノ)ジベンゾ[m,s][1,4,7,11,16]ジオキサトリアザシクロイコシン-12,21(15H)-ジオン
【化44】
【0327】
工程A: tert-ブチル 5-(2-{2-[({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)(4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}フェニル)アミノ]エトキシ}エトキシ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキシラート
標記化合物を、調製1bの酸及び調製19b”のアミンを用い、実施例14の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 7.7 (d, 1 H), 7.5 (dd, 1 H), 7.11 (d, 1 H), 7.05 (m, 2 H), 6.8 (t, 1 H), 6.7 (d, 2 H), 6.65 (m, 2 H), 4.85 (s, 1 H), 4.42 (s, 2 H), 4.05 (m, 2 H), 3.87 (m, 2 H), 3.7 (m, 2 H), 3.65 (m, 2 H), 3.45 (m, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.6 (m, 2 H), 2.4 (s, 3 H), 1.4-0.8 (s, 27 H), 0.1 (s, 6 H)。
【0328】
工程B: 18-クロロ-11-(4-ヒドロキシフェニル)-14,15-ジメチル-6,7,10,11,23,24-ヘキサヒドロ-9H,21H-1,22-メタノ-13,16-(メテノ)ジベンゾ[m,s][1,4,7,11,16]ジオキサトリアザシクロイコシン-12,21(15H)-ジオン
標記化合物を、前工程の化合物を用い、実施例17の工程Dに記載した方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C33H32ClN3O5
[M+H]+ 計算値 586.2103、
[M+H]+ 測定値 586.2124。
【0329】
実施例35: 21-クロロ-29-(4-ヒドロキシフェニル)-25,26-ジメチル-17,28-ジオキソ-2,3,4,16,25,29-ヘキサアザヘプタシクロ[28.3.1.1~2,5~.1~12,16~.1~24,27~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(34),3,5(37),8,10,12,18,20,22,24(35),26,30,32-トリデカエン-32-カルボニトリル
【化45】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製20b”のアミンを用い、実施例34の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
40H
32ClN
7O
3
[M+H]+ 計算値 694.2328、
[M+H]+ 測定値 694.233。
【0330】
実施例36: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-23,26,29-トリオキサ-2,6,15,31,34-ペンタアザヘキサシクロ[28.2.2.1~4,7~.1~15,18~.0~8,13~.0~17,22~]ヘキサトリアコンタ-1(32),4,7(36),8,10,12,17,19,21,30,33-ウンデカエン-3,14-ジオン
【化46】
【0331】
工程A: tert-ブチル 4-(2-{2-[(5-{({5-[2-(tert-ブトキシカルボニル)-5-クロロフェニル]-1,2-ジメチル-1H-ピロール-3-イル}カルボニル)[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)オキシ]エトキシ}エトキシ)-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシラート
標記化合物を、調製1bの酸及び調製21b”のアミンを用い、実施例14の工程Bに記載した方法に従って得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 8.46/8.45 (s, 2 H), 7.77 (d, 1 H), 7.54 (dd, 1 H), 7.26-6.83 (m, 3 H), 7.21 (m, 2 H), 7.08 (d, 1 H), 6.92 (m, 2 H), 5.99 (m, 1 H), 5.33/5.2 (m+m, 2 H), 5.23/5.22 (s, 1 H), 4.6-4.41 (m, 4 H), 4.54 (m, 2 H), 4.45-3.75 (m, 8 H), 3.15 (s, 3 H), 2.43 (s, 3 H), 1.46-1.25 (s, 18 H)。
【0332】
工程B: 4-クロロ-2-(4-{(2-{2-[2-(2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルオキシ)エトキシ]エトキシ}ピリミジン-5-イル)[4-(プロパ-2-エン-1-イルオキシ)フェニル]カルバモイル}-1,5-ジメチル-1H-ピロール-2-イル)安息香酸
工程Aで得られた化合物(1.2g;1.36mmol)のジオキサン(18mL)溶液に、トリエチルアミン(1.9mL;13.6mmol)及びトリメチルシリル トリフルオロメタンスルホナート(2.46mL;13.6mmol)を加える。反応混合物を周囲温度で20分間撹拌し、氷水に注ぐ。得られた沈殿物を濾別し、溶離液としてアセトニトリル、水及び酢酸アンモニウムを用いるRP-18相でのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
1H NMR (500 MHz, dmso-d6, 300 K) δ ppm : 10.98 (brs, 2 H), 8.36 (s, 2 H), 7.58 (d, 1 H), 7.3 (dd, 1 H), 7.28 (t, 1 H), 7.16 (m, 2 H), 6.97 (d, 1 H), 6.95 (m, 2 H), 6.95 (d, 1 H), 6.92 (d, 1 H), 6.03 (m, 1 H), 5.41 (s, 1 H), 5.38/5.25 (m+m, 2 H), 4.57 (m, 2 H), 4.41 (brs, 2 H), 4.4-3.72 (m, 8 H), 4.33 (brs, 2 H), 3.15 (s, 3 H), 2.31 (s, 3 H)。
【0333】
工程C: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-23,26,29-トリオキサ-2,6,15,31,34-ペンタアザヘキサシクロ[28.2.2.1~4,7~.1~15,18~.0~8,13~.0~17,22~]ヘキサトリアコンタ-1(32),4,7(36),8,10,12,17,19,21,30,33-ウンデカエン-3,14-ジオン
4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチル-モルホリン-4-イウム テトラフルオロボラート(237mg;0.7mmol)を、工程Bで得られた化合物(370mg;0.61mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に加える。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌する。水で洗浄した後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。
【0334】
ジクロロメタン(10mL)とメタノール(5mL)の混合物中の、このようにして得られた残留物の溶液に、1,3-ジメチルバルビツール酸(0.159g;1mmol)を加える。反応混合物をアルゴンで10分間脱気し、テトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.030g;0.02mmol)を加える。次に、混合物を周囲温度で16時間撹拌する。溶媒の濃縮後、残留物を溶離液としてアセトニトリル、水及び酢酸アンモニウムを用いるRP-18相でのクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C36H32ClN5O6
[M+H]+ 計算値 666.2198、
[M+H]+ 測定値 666.2108。
【0335】
実施例37: 10-フルオロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,27,30-トリオキサ-2,6,15,32,35-ペンタアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン
【化47】
標記化合物を、調製2bの酸及び調製22b”のアミンを用い、実施例36の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
37H
34FN
5O
6
[M+H]+ 計算値 664.2559、
[M+H]+ 測定値 664.2571。
【0336】
実施例38: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,27,30-トリオキサ-2,6,15,32,35-ペンタアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン
【化48】
標記化合物を、調製1bの酸及び調製22b”のアミンを用い、実施例36の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
37H
34ClN
5O
6
[M+H]+ 計算値 680.2276、
[M+H]+ 測定値 680.2280。
【0337】
実施例39: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,31-ジオキサ-2,6,15,33,36-ペンタアザヘキサシクロ[30.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]オクタトリアコンタ-1(34),4,7(38),8,10,12,18,20,22,32,35-ウンデカエン-3,14-ジオン
【化49】
標記化合物を、調製23b”のアミンを用い、実施例38の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
39H
38ClN
5O
5
[M+H]+ 計算値 692.2640、
[M+H]+ 測定値 692.2646。
【0338】
実施例40: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,30-ジオキサ-2,6,15,32,35-ペンタアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン
【化50】
標記化合物を、調製24b”のアミンを用い、実施例38の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
38H
36ClN
5O
5
[M+H]+ 計算値:678.2484、
[M+H]+ 測定値:678.2488。
【0339】
実施例41: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-24,29-ジオキサ-2,6,15,31,34-ペンタアザヘキサシクロ[28.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘキサトリアコンタ-1(32),4,7(36),8,10,12,18,20,22,30,33-ウンデカエン-3,14-ジオン
【化51】
標記化合物を、調製25b”のアミンを用い、実施例38の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
37H
34ClN
5O
5
[M+H]+ 計算値:664.2328
[M+H]+ 測定値:664.2331
【0340】
実施例42: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジメチル-21,24,27-トリオキサ-2,6,15,29,32-ペンタアザペンタシクロ[26.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~]テトラトリアコンタ-1(30),4,7(34),8,10,12,28,31-オクタエン-3,14-ジオン
【化52】
標記化合物を、調製26b”のアミンを用い、実施例38の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
34H
36ClN
5O
6
[M+H]+ 計算値:646.2433
[M+H]+ 測定値:646.2427。
【0341】
実施例43: 6-クロロ-14-(4-ヒドロキシフェニル)-10,11-ジメチル-19,22,25-トリオキサ-1,10,14,17,32-ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.2~15,18~.1~9,12~.0~3,8~]テトラトリアコンタ-3,5,7,9(34),11,15,17,32-オクタエン-2,13-ジオン
【化53】
標記化合物を、調製27b”のアミンを用い、実施例38の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
34H
36ClN
5O
6
[M+H]+ 計算値:646.2433
[M+H]+ 測定値:646.2426。
【0342】
実施例44: 10-クロロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6,27-トリメチル-24,30-ジオキサ-2,6,15,27,32,35-ヘキサアザヘキサシクロ[29.2.2.1~4,7~.1~15,19~.0~8,13~.0~18,23~]ヘプタトリアコンタ-1(33),4,7(37),8,10,12,18,20,22,31,34-ウンデカエン-3,14-ジオン
【化54】
標記化合物を、調製28b”のアミンを用い、実施例38の方法に従って得る。
高分解能質量分析(ESI+):
実験式:C
38H
37ClN
6O
5
[M+H]+ 計算値:693.2593
[M+H]+ 測定値:693.2583。
【0343】
薬理研究
実施例A:蛍光偏光技術によるBcl-2の阻害
蛍光偏光試験をマイクロプレート(384ウェル)上で行った。終濃度5×10-9MのラベルされたBcl-2タンパク質(Hisタグ-Bcl-2、Bcl-2がUniProtKB(登録商標)一次受託番号:P10415に対応するもの)を、バッファー溶液(10mM Hepes、150mM NaCl、0.05% Tween20、pH7.4)中、終濃度1.00×10-9Mの蛍光ペプチド(フルオレセイン-REIGAQLRRMADDLNAQY)と、濃度が上昇する試験化合物の存在下又は不在下において混合する。2時間のインキュベーション後、蛍光偏光を測定する。
【0344】
結果をIC50(蛍光偏光を50%阻害する化合物濃度)で表し、下記表1に示す。
【0345】
結果は、本発明の化合物が、Bcl-2タンパク質と前述の蛍光ペプチドの間の相互作用を阻害することを示している。
【0346】
実施例B:in vitro細胞毒性
細胞毒性研究をRS4;11白血病腫瘍株について行った。該細胞をマイクロプレートに分配し、試験化合物に48時間暴露する。ついで、比色アッセイであるMicroculture Tetrazoliumアッセイ(Cancer Res., 1987, 47, 939-942)により細胞生存率を定量する。
【0347】
結果をIC50(細胞の生存を50%阻害する化合物濃度)で表し、下記表1に示す。
【0348】
結果は、本発明の化合物が細胞毒性であることを示している。
【0349】
【0350】
実施例C:in vivoでの開裂型カスパーゼ3の定量
本発明の化合物のカスパーゼ3を活性化する能力を、RS4;11白血病細胞の異種移植モデルにおいて評価する。
【0351】
RS4;11細胞1×107個を、免疫抑制マウス(SCID株)に皮下移植する。移植の25~30日後、この動物を種々の化合物で経口的に処置する。2時間の処置後、腫瘍塊を回収して溶解し、開裂(活性化)型カスパーゼ3を腫瘍溶解物中で定量する。
【0352】
この定量は、開裂型カスパーゼ3を特異的にアッセイする「Meso Scale Discovery(MSD)ELISAプラットフォーム」試験を使用して行う。これは、処置マウスにおける開裂カスパーゼ3の量を対照マウスにおける開裂カスパーゼ3の量で割った比に対応する、活性化係数の形で表わされる。
【0353】
結果は、本発明の化合物が、RS4;11腫瘍細胞におけるアポトーシスをin vivoで誘引することができることを示している。
【0354】
【0355】
【配列表】