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特許7253630外枠および/またはサッシ枠の枠用型材およびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-29
(45)【発行日】2023-04-06
(54)【発明の名称】外枠および/またはサッシ枠の枠用型材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/34 20060101AFI20230330BHJP
   E06B 1/28 20060101ALI20230330BHJP
   E06B 3/22 20060101ALI20230330BHJP
   E06B 3/30 20060101ALI20230330BHJP
   E06B 1/32 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
E06B1/34 Z
E06B1/28
E06B3/22
E06B3/30
E06B1/32
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021546825
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2021056907
(87)【国際公開番号】W WO2021185945
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】20164024.0
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521353492
【氏名又は名称】ヴェーカー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】カルヴァーカンプ フィリップ
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02933419(EP,A1)
【文献】実公平03-030551(JP,Y2)
【文献】特開2003-184433(JP,A)
【文献】特表2010-513748(JP,A)
【文献】国際公開第2008/071445(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00 - 1/70
E06B 3/04 - 3/46
E06B 3/50 - 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックからなるコア型材(10,30)を含む窓または戸の外枠および/またはサッシ枠の枠用型材であって、前記コア型材(10,30)の反対側に位置する外壁の少なくとも一つに外被シェル(20,20’,40,40’)が配置され、前記外壁の少なくとも一つが、前記コア型材(10,30)の長手方向に延在する少なくとも一つの固定溝(10a,30a)を有し、これにより前記外壁が前記固定溝(10a,30a)の領域において前記コア型材(10,30)の内部に向かって敷設され、その溝底部は、前記コア型材(10,30)の外壁の全高の少なくとも50%である高さを有し、前記外被シェル(20,20’,40,40’)は、前記固定溝(10a,30a)の中に固定され、前記固定溝(10a,30a)をカバーし、前記外被シェル(20,20’,40,40’)は、前記外被シェルの前記コア型材(10,30)に向いた内面において、前記外被シェル(20,20’,40,40’)が前記固定溝(10a,30a)の中に非接着式に固定される、高さ方向に間隔を置いて前記コア型材(10,30)の方に隆起した一対の固定要素を備えた枠用型材において、
固定要素が、溝底部の方を向いた上り斜面または上り曲線を備える基準ウェブ(45)として形成され、前記基準ウェブは全ての固定要素の最大の厚さを有し、両固定溝壁の一つに当接可能であり、前記固定溝(10a,30a)のコーナーにおいてストッパとしておよび垂直に延びる溝底部に対するスペーサとして機能し、非接着式の固定が達成されている一対の前記固定要素の間には、前記コア型材(10,30)が接着によって剪断抵抗性/剪断剛性を有して前記外被シェル(20,20’,40,40’)と組み合わせられる追加の接着結合を実現する、高さ方向に間隔を置いた少なくとも一対のさらなる接着基部(23,24)が配置されることを特徴とする枠用型材。
【請求項2】
前記固定溝(10,30)の前記溝底部(11,11”,31,31”)は、前記コア型材(10,30)の、高さ方向に延在するウェブによって形成され、前記ウェブは外側に向かって前記コア型材(10,30)を画成することを特徴とする、請求項1に記載の枠用型材。
【請求項3】
前記溝底部(11,11”,31,31”)を形成する前記ウェブ(11,11”,31,31”)は、主として前記枠用型材の静的支持力に寄与するウェブ(11,11”,31,31”)であり、前記ウェブは、前記コア型材(10,30)の全ての前記ウェブのうちで最大の厚さを有するウェブ(11,11”,31,31”)であることを特徴とする、請求項に記載の枠用型材。
【請求項4】
固定要素は
a. 記固定溝壁におけるアンダーカット(12,13,12’,13’)と係止するように協働するラッチウェブ(21)、またはラッチウェブからの材料変位によって前記固定溝壁自体に生成された窪みと係止するように協働するラッチウェブ(21)、および/または
b. 記固定溝底部に向かう方向に突出したウェブとして形成され、端部側のヘッドピース(46a)を備え、少なくとも領域的に結合相手(46b)に接触しながら当接可能であり、および/または前記固定溝壁に固定される結合相手(46b)に埋め込み可能である結合要素(46)、および/または
c. 記固定溝壁と接触することで前記外被シェル(20,20’,40,40’)が前記コア型材(10,30)に向かって配向可能になる位置決めウェブとして形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項5】
前記外被シェル(20,20’,40,40’)は、長手方向に延びる縁部の少なくとも一つに角度を有する爪を備え、その際に、前記爪は、前記コア型材に挿入されたシール(14,34,36)に接触しながら当接することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項6】
サッシ枠を形成する前記枠用型材のガラス押し縁(50)は、前記外被シェル(20,20’,40,40’)の材料から形成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項7】
前記型材の同一の側に配置された前記外枠の前記コア型材における前記外被シェルと、前記サッシ枠の前記コア型材における前記外被シェルとは、その目視面と面一に同一平面に配置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項8】
各前記外被シェル(20,20’,40,40’)は一枚壁で形成されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項9】
枠用型材の製造方法であって、以下のステップ、
a. コア型材(10,30)の反対側に位置する両外壁の少なくとも一つにおいて、前記外壁が固定溝(10a,30a)の領域において前記コア型材(10,30)の内部に向かって敷設され、その溝底部が、所定の長さで、前記コア型材(10,30)の前記外壁の全高の少なくとも50%である高さを有する、少なくとも一つの固定溝(10a,30a)を有する、プラスチックからなるコア型材(10,30)を押出成形するステップと、
b. 少なくとも一つの外被シェル(20,20’,40,40’)を、外被シェル(20,20’,40,40’)の前記コア型材(10,30)に向いた内面上に固定要素を備えて、所定の長さで完成させるステップと、
c. 前記コア型材(10,30)の外壁の前記固定溝(10a,30a)において、少なくとも一つの外被シェル(20,20’,40,40’)と、一つの固定要素が、全ての前記固定要素の最大の厚さを有し、両固定溝壁の一つに当接され、前記固定溝(10a,30a)のコーナーにおいてストッパとして、および垂直に延びる溝底部に対するスペーサとして用いられる、溝底部の方を向いた上り斜面または上り曲線を備える基準ウェブ(45)として形成される、一対の固定要素とを非接着式に固定するステップと、
d. 非接着式の固定が達成されている、前記コア型材(10,30)を接着によって剪断抵抗性/剪断剛性を有して前記外被シェル(20,20’,40,40’)と組み合わせる一対の固定要素の間に、高さ方向に間隔を置いた少なくとも一対のさらなる接着基部(23,24)を接着により固定するステップとを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の枠用型材の製造方法。
【請求項10】
前記固定溝(10a,30a)に、前記固定溝(10a,30a)の長手方向に延在する少なくとも一つの接着剤ビード(17,17’,18,18’)が設置され、各外被シェル(20,20’,40,40’)が二つの接着基部(23,24)と共に、接着剤(17,17’,18,18’)によって素材結合により、前記コア型材(10,30)に結合されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つの固定溝(10a,30a)を有する、プラスチックからなるコア型材(10,30)の押出成形中に、前記固定溝の少なくとも一つにおいて、両固定溝壁の少なくとも一つの上に溝内部に向かってコア型材(10,30)の材料より軟質である材料からなる結合相手(46b)が押出成形され、かつ前記固定要素の少なくとも一つの外被シェルの固定の際に、前記固定要素によって前記結合相手(46b)に生成された材料変位によって、前記結合相手(46b)に接触しながら当接し、および/または前記結合相手(46b)に埋め込まれることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
各外被シェル(20,20’,40,40’)はPVCコアと平行に配向され、前記外被シェルの前記固定要素の少なくとも一部によって前記固定溝(10a,30a)の溝壁に係止され、または少なくとも配向されることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも一つの固定溝(10a,30a)は前記コア型材(10,30)の全長にわたって延在することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項14】
前記外被シェル(20,20’,40,40’)は前記外壁全体をカバーすることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項15】
前記固定溝(10,30)の前記溝底部(11,11”,31,31”)は、前記コア型材(10,30)を形成する中空室型材の、高さ方向に延在するウェブによって形成されることを特徴とする、請求項1に記載の枠用型材。
【請求項16】
前記ヘッドピース(46a)は、楔状または少なくとも前記ウェブに比べて肉厚であり、
前記結合相手(46b)は、前記固定溝壁に押出成形され、コア型材および/または外被シェルの材料と比較してより軟質の材料から形成されることを特徴とする、請求項4に記載の枠用型材。
【請求項17】
前記位置決めウェブは前記コア型材(10,30)に向かう方向に先細りになっていることを特徴とする、請求項4に記載の枠用型材。
【請求項18】
前記外被シェル(20,20’,40,40’)はL字状に形成されることを特徴とする、請求項5に記載の枠用型材。
【請求項19】
前記ガラス押し縁(50)の外面は、前記外被シェル(20,20’,40,40’)の外面と面一に配向されることを特徴とする、請求項6に記載の枠用型材。
【請求項20】
各前記外被シェル(20,20’,40,40’)は中空室を含まないことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の枠用型材。
【請求項21】
ステップaにおいて、前記コア型材(10,30)が中空室型材(10,30)であり、
ステップbにおいて、前記少なくとも一つの外被シェル(20,20’,40,40’)をアルミニウムの押出成形によって製造することを特徴とする、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記固定溝(10a,30a)に、二つの平行な接着剤ビードが押出成形中に設置されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
前記コア型材(10,30)が硬質PVCからなり、前記結合相手(46b)が軟質PVCからなることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックからなるコア型材を含む窓または戸の外枠および/またはサッシ枠の枠用型材に関し、コア型材の少なくとも一つに、好ましくは反対側に位置する外壁の両方に外被シェルが配置される。さらに本発明は、このような枠用型材の製造方法およびこのような枠用型材のコーナー結合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コア型材の外壁は、枠用型材を後で使用する際に、例えば、これらから枠、あるいは窓または戸全体が形成される場合に、枠用型材が設置される建造物の部屋内部および外部環境の方に向いた壁と理解される。したがって、これらの外壁は、枠用型材の建造物内側と建造物外側に位置し、さらに、枠用型材から形成される枠またはこれによって縁取られるガラス板の面の面法線と平行である方向では反対側に位置する。外壁間の間隔方向は、枠用型材の幅または深さ方向とも理解される。高さ方向は、コア型材の幅/深さおよび長手方向延在部に垂直である。コア型材は押出成形されたプラスチック型材であり、通常は中空室を含み、したがって、その延伸の各箇所で同一の断面を有する。コア型材は材料との関連では、例えば硬質PVCから形成することができる。
【0003】
プラスチック、例えばPVCからなる戸および窓は、現代の設計に欠かせない構成要素である。支持体であるプラスチックは、調達コストの低さに加えて、高い防音性および断熱性と、容易な洗浄と長い耐用年数とをもたらす。プラスチック窓は、枠製造において、継手なしの密着結合につながるコーナー溶接接合技術を特徴とする。
【0004】
金属窓、特にアルミニウム窓は、極めて高い安定性と、耐用年数と、耐候性とが認められている。主にアルミニウムからなる外被シェルでプラスチック型材を覆うことは、視覚的な理由から行われることが多く、アルミニウムからなる外被シェルは陽極酸化、塗装、粉末コーティングまたは箔打ちによって、さまざまな色に着色することができる。
【0005】
特許文献1(欧州特許公開公報第0517057号明細書)から、枠用型材をコーナー溶接した後に、まず外枠およびサッシ枠にカップ状のホルダを設け、次いでこれらにアルミニウム外被シェルをクリップ結合させることは公知である。この目的で、アルミニウム外被シェルは、それぞれの間隔がネジ締結具のカップ径に相当する二対の同様にアンダーカットを施した固定リブを備える。
【0006】
ここでブラケットは、外枠またはサッシ枠の枠用型材に極めて正確に合わせて位置決めする必要があり、さらにコーナー領域には特殊なコーナー結合具が必要になる。このような構成では、固定リブおよびネジ締結具がクリップ結合を目的として追加の傾斜を必要とするため、比較的厚いアルミニウム外被シェルを生じさせる。
【0007】
汎用的な型材システムのさらなる欠点は、プラスチック型材とアルミニウム外被シェルとの間に水が浸入する可能性にある。
【0008】
アルミニウム外被シェルを有する、従来技術に記載された外装は、既に完成品として組み合わされた枠を増設する目的にのみ適し、手作業で多大なコストをかけて後付けする必要がある。ここで最大の難点は、窓枠のコーナー結合にある。プラスチック、例えばPVCおよびアルミニウムは、温度変化の際に異なる挙動を示し、これが異なる材料の膨張を原因として、特にコーナー領域においては隙間形成につながる可能性がある。この理由から、外被シェルとして金属型材でプラスチック型材を後付けで被覆する際には、コーナー結合部を当接させて作業する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許公開公報第0517057号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、外被シェル、好ましくは金属外被シェル、さらに好ましくはアルミニウム外被シェルからなる目視可能な外壁と、これらの外被シェルの間に位置し、したがって、内側に位置するプラスチックコア型材、例えばプラスチック中空室型材とを含む半製品として予備製造された、棒状の枠用型材を提供することにある。好ましくは、さらなる課題は、外被シェル中に最大のプラスチック容量と最小の材料容量とを含む、安定しているが材料を最適化した枠用型材において、標準的な窓または戸の枠を製造するために標準サイズで提供可能なものを提供することにある。さらに好ましくは、外被シェルによってコア型材における厚さの増加を最小限に抑え、さらに好ましくは、外被シェルによって枠用型材またはこれから形成される枠の静的支持力にも寄与するように設けることができる。
【0011】
さらに好ましくは、本課題は、板張りの窓またはアルミニウム窓の効果と併用されるプラスチック窓の効果にある。
【0012】
さらなる好ましい課題は、効率的で、機械的に一つの作業工程で、特にコーナー結合の際に、時間を短縮して、窓または戸の完成品のサッシ枠または外枠を製造することができる、外被シェルを含む枠用型材を提供することにある。さらに、最大限の安定性のもとで、外被シェルを設けられたプラスチック型材のコーナー領域において、隙間を回避するためのコーナー結合を確保する、自動化された方法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の課題は、冒頭に記載した種類の枠用型材において、外壁の少なくとも一つ、好ましくは両方の外壁が、好ましくはコア型材の全長にわたって延在させられたコア型材の長手方向に延在する少なくとも一つの固定溝を含み、その際に外被シェルが固定溝上におよび/または中に固定され、固定溝をカバーする(覆う)、好ましくは外壁全体をカバーする(覆う)ことで解決される。
【0014】
特に各固定溝は、長手延在方向に垂直に、二つの溝壁の間に溝底部を有して、少なくとも実質的にU字状に形成される。このような固定溝は、外被シェルが(まだ)覆い被さっていない状態では、外側に対して開放され、したがって、特に、建造物の室内または外部環境に向かって開放されている。溝底部は好ましくは、枠用型材から形成される枠構造のガラス板の面に対して平行に位置する。
【0015】
本方法に従って、このような枠用型材は、方法ステップにおいて、プラスチックからなるコア型材、特にコア型材の両方の互いに向かい合った外壁の少なくとも一つにおいて、好ましくはコア型材の両方の互いに向かい合った外壁の各々において、所定の長さで、少なくとも一つの固定溝を有する中空室型材が押出成形されることにより、本発明に従って製造することができる。長さは例えば、窓建造における6.5mという、通常の既製長さに相当させることができる。さらなる方法ステップにおいて、少なくとも一つ、好ましくは二つの外被シェルが、例えばアルミニウムの押出成形によって外被シェルのコア型材に向いた内面にある固定要素を有して、特に6.5mにもなる所定の長さで作製され、少なくとも一つの外被シェルはその固定要素によってコア型材の外壁の固定溝の上に/中に固定される。
【0016】
好ましい実施形態において、各枠用型材は両外壁それぞれに少なくとも一つの固定溝を備え、それぞれ一つの外被シェルの上に/中に固定される。このようにして、枠用型材が内側および外側において外被シェルで外装される。
【0017】
このような枠用型材および製造方法の利点は、少なくとも一つの固定溝が、コア型材の型材全長にわたって延在するときには、コア型材の押し出しの際に直接製造することができることにある。本発明に従って、外被シェルは固定溝に接する、および/またはこの中に固定されるため、固定手段を溝窪みの領域に配置することができ、したがって、厚さの増加に寄与しない。したがって、本発明に従って外被シェルを施したコア型材は、より薄い厚さを有して形成することができ、または設定された厚さにした際、例えば、外被シェルにより、規格に準拠し、従来技術と比べてより薄い厚さ部分を有する、本発明に従い組み合わせられた枠用型材を形成することができる。
【0018】
さらに、例えば、外壁は固定溝と共に、少なくとも領域的に(部分的に)溝窪みを取り囲み、I字状の壁に比べてより大きい静的支持力または高いねじれ剛性を有するU字状の輪郭を有する。
【0019】
好ましくは、本発明は、外被シェルによってコア型材の外壁が完全にカバーされるようにする。これは好ましくは、外壁の全ての部分が外被シェルによってカバーされ、これらの部分はそうでなければ外側から見て視認可能であると理解される。したがって、この好ましい実施形態において、外被シェル全体は、本発明の枠用型材の外側に向かって現れる目視面を形成する。したがって、製造された枠は、全体が外被シェルによって画成された外観を呈することができる。ここで外観は、外被シェルの材料または場合によりその表面構造によって、直接もたらされることができる。しかしながら、外被シェルはその側で、特に少なくとも外側に向いた目視面においてコーティングを含むことができる。この場合、外観は、実質的にコーティングによって画成されることができる。
【0020】
外壁に固定溝を形成することで、外壁は好ましくは、すなわち、溝底部が、高さ方向に延在して溝壁の端部に結合する最も外側に隆起した外壁領域の第一の面の裏側に、コア型材内部の方向に後退する外壁の一部になることにより二つの面に区分される。ここで後退する溝底部は、第二の面に位置する。好ましくは第一および第二の面は、互いに平行である。
【0021】
本発明は、各外被シェルがコア型材の方を向いたその内面において外側に隆起した外壁領域、したがって、第一の面の外壁領域に接触して当接するように設けることができる。上記のように固定要素が外被シェルの内面において溝に係合するため、特に好ましくはこのようにして外被シェルによってコア型材に増加する厚さを外被シェルの壁厚に制限することができる。
【0022】
好ましくは外壁の最も外側に隆起した外壁領域は、コア型材の上および下縁部領域に位置する。好ましくは固定要素、好適には固定溝の上に/中に固定するために設けられた全ての固定要素は、外被シェルの長手方向に延在した中央線の中または周囲の外被シェルの全高に対して、好ましくは上および下辺領域と間隔を置いて配置されるため、外被シェルの内面は、隆起した外壁領域と直接接触することができる壁厚に、制限された縁部領域を形成することができる。
【0023】
したがって、本発明の枠用型材は、押出成形されたプラスチックコア型材と、プラスチック中空室型材の目視面が外装される外被シェルとの組み合わせである。外被シェルは、必要とされる用途で選択される任意の材料から選択することができる。例えば外被シェルは、木材から形成することで、プラスチック窓に木製窓の外観を与えることができる。好ましくは、この場合には外被シェルは、木材から切削される。
【0024】
同様に、好ましくは、外被シェルは、金属から、好ましくは軽金属から、特に好ましくはアルミニウムから、例えば押出成形によって完成させることができる。このようにして、特に優れた耐候性が達成される。
【0025】
本発明の枠用型材の製造後の組み合わせにおいて、コア型材、好ましくは、中空室型材は、指定にしたがって、型材の組み合わせのコアに位置し、外被シェルはその外側に固定される。本質的な利点は、外被シェルが窓または戸を据付けた後にコア型材/中空室型材に取り付けられるのではなく、枠用型材が最終の寸法に切断される前、特に枠用型材がコーナー溶接される前であっても、既に枠用型材の欠かせない構成要素、特に非破壊的に取り外し不可能な構成要素であることにある。
【0026】
特にPVC、好ましくは硬質PVCから製造されたプラスチックコアは遮熱に用いられ、騒音低減と断熱に役立つ機能領域を形成する。これは好ましくは、全体が内側に位置し、すなわち、建造物外側からも建造物内側からも視認不可能である。
【0027】
好ましくは、外被シェルは、ガラス板に対するシールまたは隣接する型材に対するシールが収容されるコア型材の固定領域まで、またはその上に到達する。したがって、サッシ枠型材の外被シェルは、外枠型材に対するシール領域からガラス板に対するシール領域まで、全てのコア型材領域を、好ましくは内側も外側もカバーする。外枠型材の外被シェルは、サッシ枠型材に対するシール領域から建物壁/組積構造物/スタッドフレームに対するシール領域まで、全てのコア型材領域を、好ましくは内側も外側もカバーする。
【0028】
さらに好ましくは外被シェル、好ましくは外側の外被シェルは、外被シェル型材の板に向いた縁部において、シール収容部、特に、コア型材/プラスチック中空室型材の溝に装着されるシールと接触することができる。
【0029】
さらに好ましくは、特に室内側において、サッシ枠を形成する枠用型材のガラス押し縁を外被シェルの材料で形成することができるため、ガラスインサートまで全体として均一性が保たれた外観が得られる。好ましくはさらに、ガラス押し縁の外面は、外被シェルの外面と面一に、特に間隔を置かずに面一に配向される(整列される)。
【0030】
さらに好ましい実施形態は、型材の同一の側、特に内側および/または外側に配置された外枠のコア型材における外被シェルとサッシ枠のコア型材における外被シェルとが、目視面と面一に、特に同一平面に配置されるように設けることができる。別の実施形態は、これら両外被シェルの目視面が互いにずれているように設けることができる。型材の両側のうち一方において、両外被シェルが面一に、他方の側においてずれた状態で配置されるように設けることもできる。
【0031】
これらの実施可能性は全て、外部または内部から見た際に、外観全体ではなくても、外被シェルの外観に左右されるという好ましい結果をもたらす。
【0032】
本発明の枠用型材からなるサッシ枠および外枠は、コアにおける四つ全ての型材側面において内側に位置するコア型材、好ましくは支持材料としてのプラスチック中空室型材から形成され、後の外面および室内側に対向する目視面において、これは外被シェルによって外装される。したがって、好ましい実施形態において、このプラスチックが見栄えの悪い外観を呈するときに安価な再生プラスチックを使用することができる。
【0033】
好ましくは、アルミニウム外被シェルは、少なくとも建造物外側において導水面を形成し、風や水のような気候変化に起因する影響に対して耐久性を有することができる。
【0034】
枠用型材のコア型材の形状は、サッシ枠においても外枠においても、垂直または鉛直に延在する外壁が、領域的に、すなわち固定溝の領域において内側に敷設されることを特徴とし、特に好ましい実施形態において、これによって一般的な構成と比べて、支持力または剛性の低下が生じず、特に外壁のU字状の輪郭によっても、I字状の壁に比べてより高い剛性が達成される。
【0035】
好ましくは、本発明は、固定溝の溝底部が外側に向かってコア型材を画成するコア型材、特にコア型材を形成する中空室型材の高さ方向に延在するバーによって形成されるように設けることができる。特に、ウェブは外側に対してコア型材の中空室の少なくとも領域的に境界を定める。ここで好ましくは、高さ方向は、コア型材の長手延在方向または押出方向に垂直で、枠またはガラスが位置する平面に平行に見える。
【0036】
この溝底部を形成するウェブは、特に好ましい実施形態において、主に静的支持力に寄与するウェブである。このため例えばこのウェブは、コア型材の全てのウェブのうちで最大の厚さを有して形成することができ、特にこのことは、同じく最大の厚さを有するさらに別のウェブが存在することを排除しない。
【0037】
PVC型材、特に外観/構成においてはその他の点で一般的なPVC型材の目視面を「後退させる」ことで、これまで最大の厚さを有していたウェブが溝底部としてコア型材に移動し、ここでコーナー溶接の際に荷重担持性の溶接接合部を生成するのに十分な材料を提供する必要な厚さを有する。
【0038】
好ましくは、本発明はさらに、少なくとも一つの固定溝の溝底部またはこれを形成するウェブが、固定溝が設けられるコア型材の外壁の全高の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%である高さを有するように設けることもできる。外壁に一以上の固定溝が設けられる場合には、好ましくは高さの合計に対するこのような制約は増大する。
【0039】
サッシ枠および外枠の内側コアを形成するコア型材、好ましくは中空室型材の押出工程後に、このサッシ枠および外枠は、外被シェルによって形成される、後に目視可能になるその本来の外面を中心にして追加される。このような被覆は、コア型材の目視面の少なくとも一つにおいて、好ましくはコア型材の建造物外側および建造物内側の目視面において実行される。サッシ枠および外枠用のコア型材は、好ましくは断面において異なる形態で実施されるが、外壁において少なくとも一つの、好ましくは正確に一つの固定溝を含む。
【0040】
コア型材と外被シェルとの結合は、さまざまな手法で実行することができる。
本発明に従ってコア型材への固定用の外被シェル、特に金属、好ましくはアルミニウムからなる押出形材として形成された外被シェルは、そのコア型材に向いた内面において、外被シェルが固定溝の上におよび/または中に固定可能な、少なくとも一つのコア型材の方に隆起した固定要素を備える。好ましくはこのような固定要素は、固定可能性のあらゆる種類においても、固定溝によって形成され、外被シェルによってカバーされる凹部に位置する。
【0041】
好ましくはこのような固定要素は、例えば押出形材において、外被シェルの全長にわたって形成することができる。固定要素は、特に機能を有するヘッドピースを含む外被シェルから溝底部に向かう方向に突出したウェブを含むことができる。固定は、ヘッドピース、ウェブまたはその両方を用いて実行することができる。ウェブは外被シェル目視面および/または溝底部に垂直(90度)に延在することも、他の傾斜した角度配置で、特に90度と異なる角度配置にすることも可能である。
【0042】
固定要素は、例えば接着基部、特に突起、好ましくはウェブとして形成された突起によって、接着剤を収容するための溝底部に平行な接着面と共に、特にT字状に形成することができる。ここで接着面は機能を有するヘッドピースを形成することができる。このようにして、外被シェルとコア型材との間に素材結合が形成され、特にこれが上記以外に外被シェルが静的に支持しながら型材全体に寄与する結果をもたらす。接着面は好ましい実施形態において、特にこれが固定溝壁におけるアンダーカットに後方から係合することでラッチ機能を有することもできる。この実施形態用に、外被シェルが、高さ方向に互いに反対側を向いたその縁部が溝底部の高さ以下であり、アンダーカットの箇所における溝壁間の特に最小間隔以上の間隔を有する高さ方向に間隔を置いた二つの接着基部を備えるように設けることができる。
【0043】
固定要素は、特に固定溝壁におけるアンダーカットと係止させるように協働するようにラッチウェブとしても形成することができる。この場合、ウェブは機能を有するヘッドピースとして、アンダーカットに係合することができるラッチ鉤を備えることができる。ラッチウェブ、特にそのヘッドピースからの材料変位(材料押しのけ)によって固定溝壁自体に生成された窪みとラッチウェブとが協働するように設けることもできる。このような窪みは、ラッチウェブのより硬質な材料とコア型材のより軟質な材料との間でのノッチ作用によって生成することができる。
【0044】
固定要素は、位置決めウェブ、特に、固定溝壁と接触することで外被シェルがコア型材に向かって配向可能になるコア型材に向かう方向に先細りになる位置決めウェブとして実施することができる。このように位置決めする固定要素は固定を実現するだけでなく、特に固定要素の上述の実施形態の一つとの組み合わせでこの固定に寄与する。このような位置決めは、その機能がウェブの先細り形状によって得られるため、追加で機能を有するヘッドピースなしで形成することができる。
【0045】
好ましい実施形態において固定要素は、結合要素として形成することができ、特に固定溝底部に向かう方向に突出したウェブとして形成することができ、好ましくは、少なくとも領域的に固定溝壁に固定、好ましくはこの上に押出成形される結合相手に接触して当接可能および/または結合相手に埋込可能である端部側のヘッドピース、特に楔状または少なくともウェブに比べて肉厚にしたヘッドピースを含む。好ましくはこのような結合相手は、コア型材(例えば硬質PVC)および/または外被シェルの材料と比較してより軟質の材料、好ましくは軟質PVCから形成することができる。軟質PVCは、硬質PVCに比べてより低い硬度を生じさせる追加の軟化剤部分を有するPVCプラスチックである。この結合相手は、両固定溝壁のうち少なくとも一つにおいて、溝の内側に向かって溝底部と接触してまたは溝底部と間隔を置いて固定することができ、特にこれによってアンダーカットを形成することができる。
【0046】
結合要素と結合相手とを結合する際に、結合要素は、特にそのウェブおよび/またはヘッドピースによって結合相手と接触するおよび/または結合要素から結合相手において生成された材料変位によってこれに埋め込まれるように設けることができる。
【0047】
このような変位は、結合要素が少なくとも領域的に結合相手に移動することで発生することができる。これは特に結合要素が好ましくは外被シェルの材料、特に金属、好ましくはアルミニウムから形成され、結合相手の材料がより軟質、例えば軟質PVCであることで可能になる。特に結合相手のこのように準備された結合において、領域的な変位によって少なくとも既存の接触/埋め込みの場所において、結合要素の形状に適合させられる。
【0048】
固定要素は、好ましくは全ての固定要素の最大の厚さを有し、特に両固定溝壁のうち一つに当接可能である基準ウェブとして形成することができる。これは好ましくは溝底部の方を向いた上り斜面または上り曲線を含んで形成することができ、特にこれが機能を有するヘッドピースを形成する。このような基準ウェブは、別の固定要素、例えば上記の結合要素に対して間隔を置いて配置することができる。
【0049】
基準ウェブは、好ましくは、コア型材と外被シェルとのラッチ結合を生じさせない固定要素である。好ましくは、基準ウェブと固定溝壁との結合は、摩擦結合および/または力結合のみによって行われる。特にこれによって、好ましくは、外被シェルは、固定溝壁と基準ウェブとの間で、その法線方向、したがって固定溝壁に垂直に作用する力によって締付け固定のみされる。この力は実質的に外被シェル全体が固定溝の中に/上に位置するときに初めて発生する。
【0050】
基準ウェブは好ましくは、コア型材に外被シェルを当接させる際に位置決め基準として機能する。基準ウェブによって外被シェルは、コア型材に平行で適正な高さに位置決めされるが、この時点では固定するように作用しない。この目的で外被シェルは基準ウェブと共に、固定溝壁に押し当てられるため、外被シェルと固定溝壁との間に、外被シェルがその後反対側の固定溝壁に当接する揺動軸受が形成される。好ましくは、ここでのみ、反対側の固定溝壁においてラッチ作用を有するあるいはアンダーカット/ノッチまたは埋め込みによって固定溝壁に作用する固定が行われる。
【0051】
基準ウェブの上り曲線としてまたは上り斜面を含んで形成されたヘッドピースは、その自由端部に向かう延伸方向で見ると、固定溝底部の溝内側または中心軸の方向に湾曲した基準ウェブの固定溝壁に平行に延在するウェブ領域の延在を形成し、好ましくは平行なウェブ領域と湾曲したヘッドピースとの間の移行部に段差はない。これにより、基準ウェブは、固定溝壁を向いた側において固定溝壁に対して凸状に形成され、したがって特に、ラッチウェブの場合のように凹状またはアンダーカットを有する領域はない。
【0052】
好ましくは基準ウェブと協働する固定溝壁はアンダーカットを有さず、溝基部と間隔を置いて平坦に形成され、特にここでは溝基部への移行部において丸みをつけられ、好ましくは基準ウェブのヘッドピースの半径より小さい半径を有し、さらに好ましくは固定溝壁の上端において丸みをつけられるまたは型材の装飾面に対して面取り部によって面取りされる。基準ウェブを使用する際に、固定溝をこのように形成することで反対側に進行することもできる。
【0053】
したがって、外被シェルは基準ウェブにわたって均一に、力を浪費せずに移動して固定溝壁に当接し、これが取り付けの際に力を消費せずに高い精度をもたらす。
【0054】
好ましくは、基準ウェブは固定溝壁に向いた側においても固定溝壁と反対を向いた側においても湾曲した延在を有し、特に反対を向いた側における曲率半径は対向する側より小さくなる。好ましくは、基準ウェブは固定溝壁に平行なその延在領域において一定の厚さを有する(外被シェルの長手延在方向に垂直な断面で見た場合)。さらに好ましくは、厚さは湾曲領域の始点から自由端部に向かう方向に薄肉化していく。したがって、好ましくは、肉薄部は全体がヘッドピースの中にのみ位置する。
【0055】
本発明は特に上記のうちで同種および/または異種の固定要素を利用するように設けることができる。その代わりに、嵌め込み、クリップ接合または接着による接合手法が、単独でもこれらを組み合わせても可能である。
【0056】
特に固定溝における係止での固定および/または位置決めまたは接着用に設けられる固定要素は、好ましくは特にその間隔が固定溝の高さ以下または固定溝の溝壁の間隔以下である高さ方向に間隔を置いた一対の固定要素として形成することができる。特に非接着式の固定を達成する、このような一対の固定要素の間には、さらなる固定要素、例えば少なくとも一つの接着基部、特に高さ方向に間隔を置いた少なくとも一対の固定要素、例えば一対の接着基部を配置することができる。
【0057】
特に好ましい実施形態において、固定はそれぞれ機械的結合、例えば係止、接触、埋込、または少なくとも位置決めおよび追加の接着結合を介して実現される。
【0058】
コア型材は係止による固定の実施形態において、好ましくは固定溝の溝壁に、外被シェルの対応するラッチ手段が係合するアンダーカットを備える。好ましくは、アンダーカットは、反対側に位置する溝壁において互いに向かい合っている。このようなアンダーカットは例えば、各溝壁の材料において直接、溝壁が後退していない外壁に移行する溝壁の溝底部と反対側の端部において実施することができる。アンダーカットは、結合相手としてアンダーカットを利用する固定要素、例えばラッチ要素または接触/埋込型の結合要素と協働するアンダーカットとは別の要素を用いても達成することができる。このような結合相手は好ましくは固定溝壁の特に内部に、好ましくはアンダーカットが形成される溝底部とは間隔を置いて溝の中に向かって固定することができる。このような結合相手は、特にコア型材の押出中に、特に共押出によって溝壁に押出成形することができる。したがって、アンダーカットを形成する結合相手は、別の結合要素と接触するおよび/または埋め込まれることで、固定要素として協働する上に記載した結合相手と同様に形成することができる。特にこの結合相手は、コア型材の材料より低い硬度を有する材料から形成することができる。例えば軟質PVCから形成することができる。
【0059】
好ましくは、コア型材のアンダーカットはコア型材の全長にわたって延在し、このようにして、アンダーカットがコア型材の材料またはさらなる材料で作成されていることとは無関係に、押出の際に製造することができる。
【0060】
外被シェルのラッチ手段として形成された固定手段は、これに応じて好ましくは、特に外被シェルの全長にわたって延在し、好ましくはさらに押出成形において準備することができるラッチバー、ラッチウェブ等として実施される。このようなラッチバー/ラッチウェブはアンダーカットと協働するラッチストリップ/ラッチ鉤を備えることができる。
【0061】
同じく接着基部の接着面も、その接着機能以外にラッチ機能が付与され、特に固定溝壁の方を向く接着面の少なくとも一つの縁部によって、特に上記の実施形態に従って形成された固定溝壁におけるアンダーカットに後方から係合することができる。このようにして、この種の接着基部によって接着およびラッチ結合が作り出される。
【0062】
特にここでラッチによる固定は、少なくとも一時的な固定および/または位置決めを目的にする。好ましくは、接着結合は、単独であることまたは係止との組み合わせであることとは無関係に、コア型材と外被シェルとの剪断抵抗性/剪断剛性を有する組み合わせを達成する。
【0063】
以下に説明される全てのステップは、枠建造用の組み立て前にコア型材としてのプラスチック中空室型材の特に長いウェブ上での製造の実行について説明する。
【0064】
本製造は、特に外壁が固定溝の領域においてコア型材の内部に向かって敷設され、特にその溝底部が、例えば6.5mの所定の長さでコア型材(10,30)の外壁の全高の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%である高さを有する、コア型材の反対側に位置する両外壁の少なくとも一つにおいて、好ましくはコア型材の反対側に位置する両外壁の各々において、少なくとも一つの固定溝を有し、プラスチックからなるコア型材、特に中空室型材を押出成形することで行われる。さらに本製造は、少なくとも一つ、好ましくは二つの外被シェルが、好ましくはアルミニウムの押出成形によって外被シェルのコア型材に向いた内面にある固定要素を含んで、特に6.5mの所定の長さで、少なくとも一つの外被シェルをその固定要素によってコア型材の外壁の固定溝の上/中に固定することで行われる。
【0065】
好ましくはアルミニウムから形成された外被シェルは、好ましくはラッチストリップを有する固定要素を用いて枠用型材(外枠および/またはサッシ枠型材)におけるアンダーカットにまず位置決めされて固定されるため、例えば形状結合が発生する。ラッチ結合は二つの機能を果たす。一方では外被シェルは、互いに対して間隔を置いたラッチ点/ラッチ線を介して高さにおいて明確に位置決めされ、他方ではプラスチック中空室型材の固定溝の溝底部に向かう深さにおいて正確な間隔が確保される。したがって、同時にさらに利用される接着基部に対する必要な押圧力が接着剤によって生成される。
【0066】
好ましくは、接着基部は、外被シェル内面に比べて、固定溝の深さより小さい高さを有するため、接着基部と溝底部との間に接着剤用のスペースは残存する。
【0067】
同時に、外被シェルの内面に位置する接着基部は、係止位置において押出工程後またはその途中に固定溝の溝底部の全長にわたって接着シートで塗布された接着剤に対して押圧されるため、素材結合が発生する。接着手法、例えばホットメルト、二成分接着結合またはその他は、材料およびコストに応じて選択される。例えばプラスチック中空室型材の形態のコア型材は、このようにして建造物の内側においても外側においても外被シェルに固着される。上述したように、接着基部自体はラッチとして作用する固定要素も形成することができる。次いで接着基部は、別のラッチ要素も省略することができる。
【0068】
選択的形態として、外被シェルがコア型材/プラスチック中空室型材の方を向いた内面にラッチ基部の代わりに、シェルの長手方向にその全長にわたって延在し、接着の際には位置決めのみに用いられる上記の位置決めウェブを備える。位置決めの際には、位置決めウェブを溝壁によって案内することができる。これは、接着工程の際には外被シェルの係止用に力を必要としないという利点がある。次いで接着剤は素材結合を形成する。
【0069】
構成について既に述べたように、少なくとも一つ、好ましくは二つの固定溝によるプラスチック、特に硬質PVCからなるコア型材の押出成形中に、固定溝の少なくとも一つ、好ましくは両方において、両固定溝壁の少なくとも一つの上に溝内部に向かってコア型材の材料より軟質である材料からなる結合相手が押出成形され、特に軟質PVCからなる結合相手が押出成形され、固定要素の少なくとも一つの外被シェルの固定の際に、特に固定要素によって結合相手に生成された材料変位によって、結合相手に接触しながら当接するおよび/または結合相手に埋め込まれるように設けることができる。
【0070】
外被シェル、好ましくは少なくとも建造物外側の外被シェルは、好ましくは長手方向に延びる縁部の少なくとも一つ、特に枠の後の設置位置における上縁部に、角度を有する爪を備え、したがって、特にこれらは縁部上にL字状に形成される。好ましくはこの爪、さらに好ましくは爪の端面は、コア型材に挿入されたシールに接触しながら当接する。外被シェルはこのようにして、その上端において外枠および/またはサッシ枠を把持し、外被シェルとコア型材との間に入り込む水分から保護することができる。
【0071】
把持は特に、サッシ枠型材においてガラス板の方に向いた、または外枠型材においてサッシ枠型材の方に向いた爪端面が、シールと外側で接触し、このシールによりサッシ枠がガラス板を取り囲み、または外枠がサッシ枠に対してシールされるように行われる。さらに好ましくは、シールが外側で爪端面の高さにおいて平坦な面を有することができるため、爪とシールは移行部において同じ高さで面一になる。
【0072】
好ましくはサッシ枠と外枠との間の全てのストッパ面にシールが設けられる。アルミニウム外被シェルとプラスチック型材との間の領域に水が進入することを高い信頼性を有して回避する、標準のシールが使用される。好ましい実施形態において建造物内側に、好ましくは外被シェルと同じ材料、好ましくはアルミニウムからなるクリップ結合されたガラス押し縁が、ガラスインサートのケースおよび支台を形成する。好ましくは処理可能な半製品は最初の24時間で硬化する。
【0073】
特に二つの枠用型材の間のコーナー結合を効果的に完成させるために、外被シェル全体が固定溝の溝底部が位置するその平面の前方においてコア型材の外側に配置されるように設けることができる。この好ましい実施形態において、外被シェルは、したがって、それらの領域のいずれにおいても、特に角度を有する爪においても溝底部のこの平面を貫通していない。
【0074】
溝底部が位置する平面は常に、溝底部の底厚の内部に延び、その配向に平行、特にその表面に平行である平面と理解される。したがって、外から見ると、溝底部平面の前方、中および後方には溝底部の材料が位置することができる。
【0075】
好ましくは溝底部が位置する平面は、溝底部の外を向いた表面が位置する面、したがって、特に外部から見ることができる溝底部の面と理解される。この定義で外から見る際、溝底部平面の後方および中にさらに溝底部の材料が位置することができる。これに対して、この定義の際に溝底部平面の外には溝底部の材料は位置しない。
【0076】
さらに好ましくは、各外被シェルは、一枚壁で形成され、特に中空室を含まない。
【0077】
本発明の枠用型材はさらに好ましくは、室内側と外側との間の幅方向における型材の断面に対するその幅の合計において、標準寸法に一致する。したがって、コアを形成するコア型材、特にプラスチック中空室型材は、幅における標準寸法に比べて小さくなる。好ましくはアルミニウムから作製される外被シェルは、外側以外にも内側に向かう新たな目視面を形成する。外被シェルの材料でできた窓または戸全体の外観が発生し、被覆および不必要な材料厚さまたは二重層を生じさせない。安定し、かつ材料を最適化したサッシ枠システムが生成される。
【0078】
本発明は以下において図面を参照してより詳細に説明される。
図面は具体的には以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1】外枠およびサッシ枠に鋼鉄補強材を含む本発明の枠用型材の外枠およびサッシ枠の組み合わせを、閉じられた窓位置において断面で示す図である。
図2】鋼鉄補強材を有する本発明のサッシ枠型材を断面で表す図である。
図3】鋼鉄補強材を有する本発明の外枠型材を断面で表す図である。
図4】鋼鉄補強材なしの本発明の枠用型材の外枠およびサッシ枠の実施形態を断面で表す図である。
図4a】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4b】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4bb】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4c】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4cc】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4d】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4dd】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4e】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4f】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4g】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図4h】本発明の枠用型材の外枠、サッシ枠、支持柱および折返し型材のさらなる実施形態を断面で表す図である。
図5図5は、斜め継ぎ断面を有する、引っ込むようにフライス加工された外被シェルを備える本発明の外枠型材の斜視図を表す図である。
図5a】フライス加工領域を有する本発明のサッシ枠型材を断面で表す図である。
図5b】フライス加工領域を有する本発明の外枠型材を断面で表す図である。
図6】二つの本発明の枠用型材のコーナー結合を建造物外側から見た詳細図を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1において、サッシ枠および外枠に鋼鉄補強材を有する本発明の枠用型材のサッシ枠および外枠の組み合わせを、閉じられた窓位置において断面で表される。このようにして、特にそれぞれ中空室プラスチック型材からなる、コア型材としてのサッシ枠型材30と、コア型材としての外枠型材10とを含む、サッシ枠システム100が形成される。二つの型材10,30は、それぞれ少なくとも一つの鋼鉄補強材80,70を有する。サッシ枠は外枠に移動可能に結合され、サッシ枠型材30のガラスラン(ガラス繋ぎ部)61にガラスインサート60を収容するためのスペースを与える。サッシ枠型材30と外枠型材10との間には二つのシールストリップ14,34が、サッシ枠型材30にはシールストリップ36が配置され、好ましくは押し出される。
【0081】
外枠型材10の構造深さ(建造物外側と室内側との間で見た)に対する断面幅は、好ましくは82mmであるが、これ以外の構造深さにも適用可能であるため、製造者の標準的な枠用プログラムに統合することができる。
【0082】
本発明の枠用型材からなるサッシ枠システム100を限定する全ての寸法は、既存のサッシシステムを再現している。サッシ枠型材30および外枠型材10の外側目視面は、外被シェル20,40,20’,40’と、それぞれサッシ枠コア型材および外被シェル型材または外枠コア型材および外被シェル型材からなる組み合わせた型枠構造の構成要素とによって形成される。本発明は二重層であることを特徴とするパネルを備える被覆ではない。
【0083】
型枠システム100の形状は、サッシ枠についても外枠についても、垂直に延びる建造物外側および室内側のコア型材外壁が少なくとも領域的に型材内部に向かって湾入するが、好ましくはその特性によって支持用機能ウェブ11,11”,31,31”を形成する最大の厚さを有する壁を形成する。湾入によって各コア型材10,30の外壁に、その溝底部が機能ウェブ11,11”,31,31”によって形成される固定溝10a,30aが形成される。
【0084】
機能ウェブ11,11”,31,31”の湾入または溝深さは好ましくは、コア型材の方を向いた外被シェル内面の接着剤塗布部分も含めた接着基部がコア型材の方向に突出し、したがって、特に外被シェル20,20’,40,40’へのラッチおよび接着結合の形成に必要である寸法に構成される。
【0085】
外被シェル20,20’,40,40’の構造的な形状は、コストを意識して材料を最小化した観点から実行される。機能上の全ての要件は、外被シェル20,20’,40,40’の支持する、一枚壁で平坦な実施形態で実現される。建造物外側に配置された外被シェル20,40は、その断面で見て上端において型材内部または反対側に位置する外壁の方向に向いた爪になるように角度を有し、したがってL字状に形成される。ここでこれらは外枠およびサッシ枠上のシール収容溝19,39を把持して、外被シェル20,40と機能ウェブ11,31との間への水分の進入を防止する。好ましくはここで爪内面は、特にその建造物外側に向いたシール内面において各シール14,36と接触する。
【0086】
外被シェル20,40は、このようにして、好ましくはその表面によって当接シール14,36への面一の接続部を形成し、この当接シールはそれ自体の閉じられた窓位置においてサッシ枠またはガラスインサート60との隙間をシールする。建造物内側において外被シェル20’,40’は、上端においてI字状に実施され、ガラス押し縁溝16,38の上端と面一に終端する。
【0087】
図2は、鋼鉄補強材を有する本発明のサッシ枠を断面で表す。建造物外側および建造物内側において、長手方向に外被シェルの全長にわたって延在する外被シェル40,40’の固定要素として設けられた両ラッチストリップ41,42,41’,42’は、サッシ枠30のアンダーカット32,33,32’,33’に係合する。これらのアンダーカットは固定溝30aの溝壁の端部に配置される。これらの係止を介して、特に浅い深さで平坦に構成されていることを特徴とする外被シェル40,40’は、位置決めされて形状結合および/または摩擦結合によって固定される。
【0088】
ここでは図示しないがこの代わりに、ラッチウェブに代えて、固定溝壁に対する外被シェルの位置決めを生じさせる直線状または先細りのウェブを設けることができる。
【0089】
建造物外側の外被シェル40の上端は、型材内部に向かって角度を有する爪によってL字状に、その上端の向こう側/固定溝壁の上方にシール収容溝39に向かって形成された、サッシ枠型材30の機能ウェブ/溝底部31を把持する。外被シェル40の下端は、好ましくはサッシ枠型材30に向かう張出し部を備えて直線状に延びる。建造物内側の外被シェル40’は下端において、型材内部に向かって角度を有する爪によってL字状に、シール収容溝39’に向かって形成された、サッシ枠型材30の機能ウェブ/溝底部31を把持し、上端においてガラス押し縁溝38の上縁部の高さと面一に終端する。このガラス押し縁溝にガラス押し縁50がクリップ結合される。各爪内面はここでも、特に、爪に領域的に取り囲まれるシール溝において好ましくはシールに接する。
【0090】
外被シェル20,40の裏側で、外被シェルの目視面と反対を向いた側、すなわち、外被シェルのコア型材に対向する内面において、さらなる固定要素として形成された接着基部は、ラッチストリップ41,42,41’,42’(その代わりに位置決めウェブ)の間に配置される。接着基部は、固定溝底部に平行に、これとは接着剤厚さだけ間隔を置いた接着剤塗布面を備える。この例において接着基部はT字状に形成される。
【0091】
外被シェル20,40が位置決めされて好ましくは係止されると、同時に必要な押圧力が接着基部を介して固定溝底部を形成する機能ウェブ31,31”に作用し、接着剤ビードを塗布する。素材結合により結合されて形成される。型材は機械的係止によって位置が保持される。接着剤27,28,27’,28’の完全な硬化後に、好ましくは遅くとも24時間後に、型材間の取り外し不可能な素材結合が生成される。
【0092】
図3は、鋼鉄補強材を含む本発明の外枠型材を断面で表す。建造物外側の外被シェル20の構造的な形状は、図2に従うサッシ枠型材30用の実施形態と、プラスチック中空型材におけるアンダーカット12,13に関連する一対配置されたラッチストリップ21,22、およびラッチストリップの間に形成された一対で存在する接着基部17,18,17’,18’との関連では同様である。しかしながら、外被シェル20は外被シェル40に比べてより高い全高を有し、下端において型材内部に向かう方向に角度を有し、特に好ましくは外枠基部15の半分のみに成形される。建造物内側の外被シェル20’は、上端によってガラス溝16を取り囲むウェブと面一に終端し、下端において型材内部に向かう方向に角度を有し、特に好ましくは外枠基部15の半分のみに成形される。
【0093】
全ての外被シェル20,20’,40,40’は図示された実施形態において、好ましくは本発明の全ての可能な実施形態において、一枚壁に成形され、すなわち、これらが断面視で閉じた中空室を有さない。
【0094】
図4は、外枠型材およびサッシ枠型材における鋼鉄補強材なしの本発明のサッシ枠システムの実施形態を断面で表す。この変形例は、サッシ枠システム自体が安定していて、鋼鉄補強材が必ずしも必要ではないことを明らかにする。好ましくは中空室型材の最大の厚さを有するウェブである、機能ウェブ/溝底部11,11”,31,31”を備える各コア型材10,30は、支持する機能を有し、外被シェル20,20’,40,40’は、追加の鋼鉄補強材を省略することができる、高い安定性を付与する。
【0095】
図4aは、本発明のサッシ枠システムのさらなる実施形態を表す。ここで接着基部23,24は、特に高さ方向に互いに反対方向を向いたその自由端部において、ラッチ突起23a,24aを形成することで、コア型材10,30に向いた接着面の機能を有するのみでなく、コア型材10,30のアンダーカットによって固定溝壁に係止するためにも適合する。図1~4のラッチウェブ21,22はこの変形例では省略することができる。接着基部23,24はさらに離れる方向に移動する。好ましくはラッチ突起23a,24aの間隔aは、高さ方向における固定溝10aの溝底部の外側の境界の寸法に相当する。
【0096】
特に外壁総面積に比較してより高い溝底部高さによって達成可能である接着基部23,24のより大きい間隔aは、x軸を中心にしたより高い慣性モーメントを生じさせ、剪断抵抗性および剪断剛性の向上につながる。
【0097】
追加の接着と組み合わせると、接着面において素材結合による剪断結合が達成され、これが枠システムの安定性をさらに高める。
【0098】
外被シェル(20,20’,40,40’)の間隔を置いて両側に配置することで、外被シェルの自重重心位置のより長い間隔によって、可能な限り高い剪断抵抗性/剪断剛性を有する剪断抵抗性の結合部による各シェルの自重平面慣性モーメント以外に、各シュタイナー比によって大幅に高い合計平面慣性モーメントが得られる。このようにして、自重慣性モーメントのみを追加した場合とは異なり、大幅に高い曲げ剛性を達成することができ、組み合わせシステムは、例えば風および温度負荷に対するより高い抵抗力を付与される。素材結合による接着の目的は、剪断結合の可能な限り高い効率を達成することにある。接着面および接着基部のサイズおよびこれらの間の間隔は、外部の、周囲に位置するアルミニウム外被シェル20,20’,40,40’と協働して、高い慣性モーメントと極めて優れた横引張強さとを生成する、特に安定した剪断結合部を生じさせる。
【0099】
さらなる図4b~4hにおいて、他の記載された実施形態とは相違して、固定溝壁にはアンダーカットは設けられない。
【0100】
図4bおよび図4bbは、外被シェル20,20’,40,40’の結合要素45,46に関するさらなる実施形態を示す。
【0101】
外被シェル20,20’,40,40’はこれらの変形例において、以下の固定要素、すなわち、接着基部23,24、基準ウェブ45、楔状ウェブ46およびセンタリングウェブ47を備える。
【0102】
基準ウェブ45は結合要素45,46の最大の厚さを有するウェブを形成し、挿入半径または上り斜面/上り曲線として若干丸みを持たせた端部を有し、固定溝10aのコーナーにおいてストッパとして用いられ、垂直に延びる溝底部に対するスペーサとして機能する。
【0103】
基準ウェブ45は外被シェル20,40,40’の優先的な位置決め用の基準点であり、締付可能に、または摩擦結合的にコア型材10,30に取り外し可能に結合される。これは外被シェル20,40,40’を調節するための基準点および整列点である。基準ウェブ45はxおよびy軸において外被シェル20,40,40’の位置を固定する。
【0104】
外被シェルの位置決めは、コア型材10,30に平行に当接させることで行われる。両固定要素45,46は、外被シェルからコア型材10,30の方向に最大限隆起し、両者間に間隔bを置いて配置されるガイド要素としても用いられる。間隔bは固定溝10a内での結合要素45,46の可能な限り大きい間隔を規定する。固定要素は、楔状のヘッドピースを備えるウェブに相当し、これが溝壁に向けられた楔状ストリップを具備する。固定要素46は基準ウェブ45と同じ長さを有し、第二のウェブとして溝底部10a,30aと外被シェル20,40,40’との平行を維持する。
【0105】
固定要素46は基準ウェブ45に比べて薄肉の断面を有し、自由端部にPVCからなるコア型材10,30の本実施形態において、このために設けられたアンダーカットに係合しない、突出した楔状ストリップ46aを備える。加圧下でコア型材10,30と外被シェル20,40,40’とを組み立てた際に、アルミニウムからなる硬質の外被シェルがより軟質のPVC材料を変形することで、コア型材によって外被シェルの楔結合が発生する。
【0106】
アルミニウムはPVCに比べて高い硬度と強度とを有する。アルミニウムからなる溝壁に向かう方向に突出した楔状ストリップ46aはより軟質のPVC材料内に押し込まれ、楔状ストリップ46aが入り込み、かつ掛止されるPVCにおける切込みの所望の形状変形につながる。
【0107】
図4bbにおいて、コア型材10,30にここでは上方の溝壁において、固定要素46用の結合相手として押出成形された軟質PVC材料46bが設けられる変形例が示される。その弾性挙動によって、楔状ストリップ46a用の結合相手としては理想的に、低圧でも外被シェル20,20’,40,40’とコア型材との結合を作り出すことができる。結合要素46,46’を押し付ける、押し込むおよび/または埋め込むことで、結合相手46aにおける材料が結合要素の幾何学的形状に応じて変位され、力、形状および/または摩擦結合による結合を発生させる。材料はその質量および凝集力を維持する。この実施形態において、機能を有するヘッドピースである楔状ストリップ46aのみが結合相手に係合し、結合要素のウェブ領域がこれと無接触であることが可能である。ウェブが結合相手に少なくとも接触する、またはこの中に埋め込まれるように設けることができる。ヘッドピースのその他のデザインを設けることもできる。
【0108】
軟質PVCは、PVC材料の弾性挙動につながるフタル酸を含む。軟質PVC46aは、好ましくはコア型材が完成される硬質PVCより知覚可能に軟質で弾性を有する。当接シール14も軟質PVCからなり、押出成形ステップ中に別に押出成形される。さらに外被シェル20は、追加的に外被シェル20の後ろ側に進入する水に対して軟質PVC46bをシールする。
【0109】
結合手法のさらなる利点は公差補償にある。弾性を有する軟質PVC46bは、コア型材10,30と外被シェル20,20’,40,40’との間に設置されて、隣接する結合部品の公差を補償することができる。
【0110】
外被シェル20,20’,40,40’およびコア型材10,30はそれぞれ、シェルとコアとの結合領域を形成する両結合ウェブを介して結合され、固定溝10a,30aの両端部領域に係合する。溝の構造的な境界によって所望の締付効果が生じる。
【0111】
固着は一方では楔状ストリップ46aのネガ型としてのコア型材または結合相手のPVC材料における材料変位によって、他方では返し部として機能する楔状ストリップ46aの幾何学形状によって提供される。
【0112】
結合ウェブ46,46’は任意の別の形態に成形することができる。結合材料に到達してこれを空間的に変位させることができる拡張性の形状を有するあらゆる幾何学的輪郭が適している。平坦な表面を有するウェブも押し付けによってより軟質な材料に変位して、高い締付作用を有する摩擦結合を達成することができる。
【0113】
図4bおよび4bbに従う両変形例は、初回取り付けの際にy方向への公差補償を伴って、外被シェル40,40’,20,20’の明確で正確な固定を確保する結合要素45,46,47を介した外被シェル40,40’,20,20’の調整を可能にする。
【0114】
加えて不定形材料、すなわち、接着剤27,28が使用され、これは接着基部23,24と溝底部10aとの間に塗布される。この実質的な結合は外被シェル20’の下方の中空室内に延在する二つの接着剤ビード37を介して素材結合により行われる。材料自体において、剪断結合部を形成し、型材システムに形状安定性と安定性を付与する素材結合による結合が作り出される。
【0115】
この変形例は、図4c~4ddに従う実施形態と同様に、それぞれ少なくとも二つの接着基部23,24を備える少なくとも四つの外被シェル20,20’,40,40’を特徴とし、アルミニウムからなる形状安定性の外被シェルによって、大型の窓要素を建造することができる静的に安定して弾力を有する型材システムを代表する剪断結合部を提供する、この固定原理に立脚している。
【0116】
図4cおよび4dは、外被シェル40,20がここでは左である外側において互いに面一に配置された、同一面の室外側を備える実施形態を再現する。
【0117】
図4ccおよび4ddは、室外側でも室内側でも、互いに面一に配置された、両側において同一面の外被シェル40,40’,20,20’を備える実施形態を再現する。
【0118】
図4e~4hは、内部および外部用のアルミニウムからなる関連の外被シェル40,40’,20,20’を備えるコア型材の異なる変形例を上面視で示す。図4aおよび4hは、図4bに従う外枠およびサッシ枠型材を表し、ここで説明される。
【0119】
図4fは、同じく外被シェル20,20’によって両側を囲むことができる外枠型材の例として支持柱型材900を示す。外側は心決めされて配置されたラッチウェブ21a,22aによって支持柱型材に形状結合的に係止され、さらに接着基部23,24に塗布された接着剤によって素材結合により支持柱型材に結合される。
【0120】
図4gは、同じく外被シェル20,20’によって両側を囲むことができる折返し型材800を示す。外側は心決めされて配置されたラッチウェブ21a,22aによって支持柱型材に形状結合的に係止され、さらに接着基部23,24に塗布された接着剤によって素材結合により支持柱型材に結合される。
【0121】
アルミニウムからなる全ての外被シェルは外側および/または内側パネルに任意にコーティング可能である。コーティングは、例えば極めて多様な材料からなる追加の予備成形されたシェルの形態を取ることも、化粧フィルムまたは塗装として実施することもできる。
【0122】
図5は、斜め継ぎ断面を有する外被シェル20’用に、外枠型材10’の図の一部において引っ込むようにフライス加工された外被シェルを含む本発明の外枠型材の斜視図を表す。外に向かう方向に固定溝の溝底部または機能ウェブ10’および11’から突出するプラスチック中空室型材および外被シェルの材料部分のみが除去されていることが確認できる。ここで好ましくは、溝底部表面は完全に無傷のまま維持されているため、固定溝底部によって形成された機能ウェブの静的な弱体化は発生しない。
【0123】
図5aは、フライス加工領域1,1’を含む本発明のサッシ枠を断面で表す。決定的要因は、コア型材30と両側に結合された外被シェル40,40’とからなる型材全体が、それぞれ外側から見て最大で溝底部表面まで、好ましくは正確に溝底部まで除去され、さらに好ましくはこれに傷をつけず、したがって、好ましくは外被シェル40,40’の最大深さの分だけ、長手方向に延在するフライス加工面1a,1a’までフライス加工で除去されることにある。フライス加工面は、したがってここでは、溝底部の平面の中または前方に位置する。
【0124】
図5bは、フライス加工領域2,2’を含む本発明の外枠を断面で表す。ここでも、サッシ枠の場合と同様に、コア型材と両側に結合された外被シェル20,20’とからなる型材全体が、それぞれ外側から見て最大で固定溝10aの溝底部まで、好ましくは正確に溝底部まで除去され、さらに好ましくはこれに傷をつけず、したがって、好ましくはアルミニウム外被シェル20,20’の最大深さの分だけ、長手方向に延在するフライス加工面2a,2a’までフライス加工で除去される。これは特に、図において左の外被シェルとの関連でこのように再現されている。
【0125】
右の外被シェルにおいて、除去は外から見て明らかに溝底部の手前で、すなわち溝底部の手前の接着剤の厚さの分で終端し、特にこのため除去したことで、その最大厚さを有する外被シェルのみが(外側から見て)完全に除去されることが確認できる。外被シェルの接着基部の下方の接着剤ビードはここでは残存している。
【0126】
全ての可能な実施形態において、各除去の際に、好ましくは除去領域において、コア型材から最大で外被シェルの完全な除去に必要である量の材料が除去される。好ましくはここで除去領域において、外に向いて固定溝の溝底部表面から突出する、または溝底部表面の平面の手前の外側に位置している材料部分のみがコア型材から除去される。
【0127】
溝底部は好ましくは、特に除去用の工具の溝底部への介入が回避されない場合には、その厚さの1%以下が除去される。
【0128】
特に好ましくは溝底部には、除去の全ての実施形態において除去用の工具が接触しない。
【0129】
外被シェルは、外被シェルが引っ込むようなフライス加工の際に、プラスチック機能ウェブ、したがって、各溝底部が破壊されないように設計される。
【0130】
外被シェル、好ましくはアルミニウム外被シェルを備えるプラスチックからなる窓枠または戸枠のサッシ枠システムを製造するために、以下のステップが実行される。
1. コア型材がサッシ枠および/または外枠コア型材として、外に向けて開放された固定溝と共に例えば6.5mの所望の製造長さに押出成形される。
【0131】
2. 各固定溝底部から形成される機能面11”に、接着剤ビード(シート)の形の接着剤17’,18’が、静的に支持して固定溝底部から形成される機能ウェブ11”に型材の全長にわたって塗布される。
【0132】
3. 外被シェル20’は所望の長さ、例えば6.5mの所望の製造長さに切断され、ラッチストリップ21’,22’を用いてコア型材10,30におけるアンダーカット12’,13’に位置決めされ、形状結合的に固定される。
接着剤は液状または両面テープとして理解することができる。
【0133】
4. 係止位置において接着基部23’,24’は素材結合により接着剤17’,18’に押し付けられる。
【0134】
5. 例えば6.5mの所望の製造長さの処理可能な半製品が完成する。
【0135】
6. 最初の24時間の間、倉庫において硬化を実行する。
【0136】
図6は、本発明のサッシ枠システムのコーナー結合を建造物外側から見た詳細図を表す。
【符号の説明】
【0137】
100,100’ サッシ枠システム
900 支持柱型材
800 折返し型材
a,b,H 間隔
1,1’,2,2’ フライス加工領域
1a,1a’,2a,2a’ フライス加工領域の断面
10,10’ 外枠用コア型材
10a 外枠コア型材の外壁における固定溝
11,11” 支持用機能ウェブ、固定溝の溝底部
12,13,12’,13’ 固定溝壁におけるアンダーカット
14,14’ 当接シール
15,15’ 外枠基部
16 ガラス押し縁溝
17,18,17’,18’ 接着剤
19 シール収容溝
20,20’ 外被シェル
21,21’,22,22’ ラッチストリップ
21a,21’a,22a ラッチウェブ、位置決めウェブ
23,23’,24,24’ 接着基部
23a,23’a,24a,24’a ラッチ突起
27,28,27’,28’ 接着剤
29 コーティング
30,30’ サッシ枠用コア型材
30a サッシ枠コア型材の外壁における固定溝
31,31” 支持用機能ウェブ、固定溝の溝底部
32,33,32’,33’ 固定溝壁におけるアンダーカット
34 当接シール
35,36 ガラスシール
37,38,37’,38’ 接着剤
38 ガラス押し縁溝
39,39’ シール収容溝
40,40’ 外被シェル
41,42,41’,42’ ラッチストリップ
43,43’,44,44’ 接着基部
45,45’ 基準ウェブ
46,46’ 結合要素
46a 楔状ストリップ
46b 軟質PVC(結合相手/相手部品)
47 センタリングウェブ
50,50’ ガラス押し縁
60 ガラスインサート
61 ガラスラン
70,80 鋼鉄補強材
90 斜め継ぎ線
図1
図2
図3
図4
図4a
図4b
図4bb
図4c
図4cc
図4d
図4dd
図4e
図4f
図4g
図4h
図5
図5a
図5b
図6