(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230331BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20230331BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2021146603
(22)【出願日】2021-09-09
【審査請求日】2022-07-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3(2021)年8月4日付けで、リーテックス株式会社がオンラインのWeb会議にて、小倉隆志が発明した情報処理装置に関する製品について公開した。 令和3(2021)年8月5日付けで、リーテックス株式会社が三井住友銀行本店における打ち合わせにて、小倉隆志が発明した情報処理装置に関する製品について公開した。 令和3(2021)年8月25日付けで、リーテックス株式会社がオンラインのWeb会議にて、小倉隆志が発明した情報処理装置に関する製品について公開した。 令和3(2021)年8月25日付けで、リーテックス株式会社がオンラインのWeb会議にて、小倉隆志が発明した情報処理装置に関する製品について公開した。 令和3(2021)年9月1日付けで、リーテックス株式会社が東京スター銀行本店における打ち合わせにて、小倉隆志が発明した情報処理装置に関する製品について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519160819
【氏名又は名称】リーテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小倉 隆志
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-060634(JP,A)
【文献】特開2017-102580(JP,A)
【文献】特開2005-316534(JP,A)
【文献】特開2009-146330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
契約の内容を記憶する記憶部を管理するコンピュータが、
契約における第1当事者の第1情報処理装置から、契約の内容を示す記録事項と、支払予定日及び支払予定金額を含む複数の支払予定情報とを受信するステップと、
前記複数の支払予定情報を前記記録事項に対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記契約における第2当事者の第2情報処理装置に、前記記録事項に対する承認要求を送信するステップと、
前記第2情報処理装置から、前記記録事項に対する承認を受信するステップと、
前記承認があったことを示す承認情報を前記記録事項に対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記第1情報処理装置及び前記第2情報処理装置のうち一方から、前記複数の支払予定情報のうちの1つの支払予定情報に対応する支払を行ったことを支払者が申告するための支払申告情報を受信するステップと、
前記支払申告情報を、前記1つの支払予定情報に対応付けて、前記記憶部に記憶させるステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、
前記第1情報処理装置及び前記第2情報処理装置のうち前記一方とは異なる他方から、前記1つの支払予定情報に対応する支払を受取者が確認したことを示す情報である支払確認情報を受信するステップと、
前記支払確認情報を、前記1つの支払予定情報に対応付けて、前記記憶部に記憶させるステップと、
を更に実行する、請求項
1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記コンピュータが、
前記複数の支払予定情報のうちの1つの支払予定情報に対応する支払が完了したことを示す支払完了情報を、受信するステップと、
前記支払完了情報を、前記1つの支払予定情報に対応付けて、前記記憶部に記憶させるステップと、
を更に実行する、請求項1
又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記支払完了情報は、前記第1当事者の口座及び前記第2当事者の口座を管理する口座管理システムが生成した情報を含む、請求項
3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、
電子記録債権の記録原簿への情報の登録を管理する電子債権記録機関システムに、前記記録事項を含む電子記録債権の発生要求を送信するステップ、
を更に実行する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記コンピュータが、
前記複数の支払予定情報のうちの1つの支払予定情報に対応する支払の内容を示す支払内容情報を、前記電子債権記録機関システムに送信するステップ、
を更に実行する、請求項
5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記コンピュータが、
前記電子債権記録機関システムから、前記記録事項に対応する電子記録債権が消滅したか否かを示す情報を受信するステップ、
を更に実行する、請求項
6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
契約の内容を記憶する記憶部を管理するコンピュータに、
契約における第1当事者の第1情報処理装置から、契約の内容を示す記録事項と、支払予定日及び支払予定金額を含む複数の支払予定情報とを受信するステップと、
前記複数の支払予定情報を前記記録事項に対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記契約における第2当事者の第2情報処理装置に、前記記録事項に対する承認要求を送信するステップと、
前記第2情報処理装置から、前記記録事項に対する承認を受信するステップと、
前記承認があったことを示す承認情報を前記記録事項に対応付けて前記記憶部に記憶させるステップと、
前記第1情報処理装置及び前記第2情報処理装置のうち一方から、前記複数の支払予定情報のうちの1つの支払予定情報に対応する支払を行ったことを支払者が申告するための支払申告情報を受信するステップと、
前記支払申告情報を、前記1つの支払予定情報に対応付けて、前記記憶部に記憶させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
契約の内容を記憶する記憶部を管理する情報処理装置であって、
契約における第1当事者の第1情報処理装置から、契約の内容を示す記録事項と、支払予定日及び支払予定金額を含む複数の支払予定情報とを受信する第1受信部と、
前記複数の支払予定情報を前記記録事項に対応付けて前記記憶部に記憶させる支払予定情報管理部と、
前記契約における第2当事者の第2情報処理装置に、前記記録事項に対する承認要求を送信する送信部と、
前記第2情報処理装置から、前記記録事項に対する承認を受信する第2受信部と、
前記承認があったことを示す承認情報を前記記録事項に対応付けて前記記憶部に記憶させる承認情報管理部と、
前記第1情報処理装置及び前記第2情報処理装置のうち一方から、前記複数の支払予定情報のうちの1つの支払予定情報に対応する支払を行ったことを支払者が申告するための支払申告情報を受信する第3受信部と、
前記支払申告情報を、前記1つの支払予定情報に対応付けて、前記記憶部に記憶させる支払申告情報管理部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発注企業及び受注企業の間などにおいて、情報処理装置を利用してデータを送受信することにより契約を電子的に締結する電子契約システムが利用されている。特に近年では、企業の資金調達の円滑化を目的として電子記録債権法が施行され、電子記録債権の活用のニーズが高まっている。電子記録債権は、商取引等において発生する債権を電子的に記録し、管理することを目的とする金銭債権である。
【0003】
例えば、特許文献1には、受発注段階から電子記録債権を発生させるために、電子記録債権管理装置に接続された電子契約システムが記載されている。当該電子契約システムは、発注企業の装置から発注内容データを受信し、納入企業の装置から受注することを示すデータを受信し、電子記録債権管理装置に、受発注データを送信する。電子記録債権管理装置は、電子契約システムから受信した受発注データに含まれる情報を記録原簿に登録することにより、電子記録債権を発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、毎月払いの契約や、サブスクリプション契約、不動産賃貸借契約等の、支払が複数回に渡って行われることが想定される契約が様々な場面で用いられている。このような契約では、1回ごとの支払が少額になることもあるため、金融(売掛金担保やファクタリングなど)の対象にならないことも多い。1つの契約に基づく複数回の支払を、そのまま1回ごとの支払で複数の電子記録債権を発生させることも可能であるが、電子記録債権の管理負担が著しく重くなる上に、少額のため金融の対象にならないことも想定される。通例の電子記録債権の使い方は電子手形であるので、支払ごとに電子記録債権を発生させることなる。
【0006】
そこで、本発明は、1つの電子契約にもとづく複数回の支払をまとめて効率的に管理することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、契約における第1当事者の第1情報処理装置から、契約の内容を示す記録事項と、支払予定日及び支払予定金額を含む複数の支払予定情報とを受信するステップと、複数の支払予定情報を所定の記憶部に記憶させるステップと、契約における第2当事者の第2情報処理装置に、記録事項に対する承認要求を送信するステップと、第2情報処理装置から、記録事項に対する承認を受信するステップと、電子記録債権の記録原簿への情報の登録を管理する電子債権記録機関システムに、記録事項を含む電子記録債権の発生要求を送信するステップと、を実行する。
【0008】
この態様によれば、契約における第1当事者の第1情報処理装置から受信した、契約の内容を示す記録事項について、契約における第2当事者の第2情報処理装置から当該記録事項に対して承認を受信した上で、電子記録債権の記録原簿への情報の登録を管理する電子債権記録機関システムに、記録事項を含む電子記録債権の発生要求が送信される。そして、このとき併せて、第1当事者の第1情報処理装置から受信された、支払予定日及び支払予定金額を含む複数の支払予定情報が、所定の記憶部に記憶される。そのため、1つの電子契約にもとづく複数回の支払をまとめて効率的に管理することが可能となる。
【0009】
上述した態様において、コンピュータは、電子記録債権の記録原簿への情報の登録を管理する電子債権記録機関システムに、記録事項を含む電子記録債権の発生要求を送信してもよい。当該構成によれば、1つの契約の契約期間内の複数回の支払を1つの電子記録債権として発生させることで、債権金額を大きくして、金融の対象にするとともに、電子記録債権の発生件数を減らして、管理運営コストを効率化することが可能となる。例えば、支払ごとに電子記録債権を発生させた場合は、発生する12件の電子記録債権の債権額はそれぞれ10万円と少額になってしまうところ、上述した構成によれば、毎月10万円の支払でも1年分まとめて債権額120万円の1つの電子記録債権を発生させることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1つの電子契約にもとづく複数回の支払をまとめて効率的に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る電子契約システム1の構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る電子契約管理サーバ10の構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る連携データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る支払関連データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るユーザ端末20の構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る電子契約システム1による処理の動作シーケンスの一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る契約発信情報の入力画面40の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る電子契約システム1による処理の動作シーケンスの他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
【0013】
(1)構成
(1-1)全体構成
図1は、本実施形態に係る電子契約システム1の構成の一例を示す図である。電子契約システム1は、例えば、利用者に対して、電子契約を締結・管理等するための電子契約サービスを提供する。電子契約システム1が提供する当該電子契約サービスでは、契約に含まれる複数回の支払を効率的に管理することが可能となる。以下では、「利用者」とは、本システムを利用して電子契約を締結する契約当事者となる者をいい、「契約発信者」とは、利用者のうち、契約における一方の契約当事者であって、契約書を含む契約情報を登録する者をいい、「契約受信者」とは、利用者のうち、他方の契約当事者であって、契約発信者の契約相手となる者をいうものとする。ここで、契約において一方の契約当事者が発注者となり、他方の契約当事者が受注者となる場合、発注者及び受注者のどちらが上述した「契約発信者」になってもよく、また、発注者及び受注者のどちらが上述した「契約受信者」になってもよい。
【0014】
図1に示すとおり、電子契約システム1は、例えば、電子契約管理サーバ10と、契約発信者(契約における第1当事者)が利用するユーザ端末20Sと、契約受信者(契約における第2当事者)が利用するユーザ端末20Rと、を含む。電子契約システム1は、更に、電子債権記録機関システム30を含んでもよい。電子契約管理サーバ10は、ユーザ端末20S、ユーザ端末20R、及び電子債権記録機関システム30のそれぞれに、所定の通信ネットワークを介して通信可能に接続される。なお、本実施形態では、ユーザ端末20S及びユーザ端末20Rを区別する必要のない場合は、単にユーザ端末20と称する場合がある。
【0015】
(1-2)電子契約管理サーバ10
図2は、本実施形態に係る電子契約管理サーバ10の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る電子契約管理サーバ10は、例えば、一又は複数の情報処理装置によって構成され得る。電子契約管理サーバ10は、契約発信者と契約受信者との間における記録事項や契約書データの授受を担うことにより、契約当事者間における電子契約の締結等を管理する。特に、電子契約管理サーバ10は、契約に含まれる複数回の支払に関連するデータ(支払関連データ)を記憶する所定の記憶部にアクセス可能であって、これにより契約当事者は、1つの電子契約に含まれる複数回の支払をまとめて効率的に管理することが可能となる。電子契約管理サーバ10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、処理部13とを含む。更に、電子契約管理サーバ10は、記録事項や契約書データに基づく電子記録債権の発生を電子債権記録機関システム30に対して要求することにより、電子契約に基づく電子記録債権の発生等を管理することも可能である。
【0016】
通信部11は、電子契約管理サーバ10を通信ネットワークに接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部11は、ユーザ端末20及び電子債権記録機関システム30等から受信したデータを処理部13に供給する。また、通信部11は、処理部13から供給されたデータをユーザ端末20及び電子債権記録機関システム30等に送信する。
【0017】
記憶部12は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部12は、処理部13による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。各種プログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、記憶部12にインストールされてもよい。
【0018】
記憶部12は、また、連携データを記憶する連携データ記憶部121と、契約書データを記憶する契約書データ記憶部122と、支払関連データを記憶する支払関連データ記憶部123とを含んでもよい。なお、連携データ記憶部121、契約書データ記憶部122、支払関連データ記憶部123の少なくともいずれかは、電子契約管理サーバ10とは異なる一又は複数の他の装置(クラウドストレージ、データベース装置等)として構成されてもよい。
【0019】
図3は、連携データ記憶部121に記憶される連携データのデータ構造の一例を示す図である。ここで、連携データは、契約の内容を示す記録事項等のデータである。電子契約管理サーバ10は、連携データ記憶部121に記憶された連携データを、例えば、ODBC接続等によって、電子債権記録機関システム30に開放してもよい。電子契約管理サーバ10と電子債権記録機関システム30との間の連携データの連携については、タイムスタンプ等によって管理されてもよい。
【0020】
図3に示すとおり、連携データのレコードは、例えば、契約ID、債務者データ、債権者データ、債権金額データ、支払期日データ、契約内容データ、譲渡制限データ、抗弁内容データ、及び添付物データ等を含む。契約IDは、契約を識別するための識別情報(ID)であって、電子契約管理サーバ10等によって割り当てられたID等であってよい。なお、連携データは、当該電子記録債権が他の電子記録債権の分割によって生じたものである場合は、元となる当該他の電子記録債権を特定するためのデータや、分割の回数等を含んでもよい。債務者データは、債務者(支払者)に関する種々の情報を含み、例えば、債務者の利用者番号、及び債務者が利用する金融機関や口座に関する情報(金融機関コード、支店コード、口座の種類、口座番号、口座名義等)等を含んでもよい。債権者データは、債権者(受取者)に関する種々の情報を含み、例えば、債権者の利用者番号、及び債権者が利用する金融機関や口座に関する情報(金融機関コード、支店コード、口座の種類、口座番号、口座名義等)等を含んでもよい。債権金額データは、債権の金額(複数の支払金額の総額)を示すデータである。支払期日データは、債権の支払期日(複数回の支払のうち最後の支払の期日)を示すデータである。契約内容データは、契約発信者等が任意に入力した契約の少なくとも一部(例えば、契約の要点や重要事項等)を表すテキスト等のデータである。譲渡制限データは、債権の譲渡の制限に関するデータであって、例えば、譲渡の制限の有無、譲渡が制限される回数、制限規定の有無等を含んでもよい。抗弁内容データは、債権の抗弁に関するデータであって、例えば、抗弁の切断適用の有無、抗弁の規定内容等を含んでもよい。添付物データは、契約書データ記憶部122において所定の契約書データが記憶される領域の所定のパスが登録される。
【0021】
契約書データ記憶部122は、契約書データを記憶する。契約書データ記憶部122に記憶(格納)される契約書データは、暗号化されたものでもよいし、電子署名が付されたものでもよい。電子署名の主体は、契約発信者、契約受信者、及び電子契約管理サーバ10の管理者等であってよい。
【0022】
図4は、支払関連データ記憶部123に記憶される支払関連データのデータ構造の一例を示す図である。ここで、支払関連データは、契約に含まれる複数回の支払のうちの個々の支払に関するデータである。電子契約管理サーバ10は、電子債権記録機関システム30とは独立して、支払関連データを管理してもよい。なお、電子契約管理サーバ10は、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データを、例えば、ODBC接続等によって、電子債権記録機関システム30に開放してもよい。その場合、電子契約管理サーバ10と電子債権記録機関システム30との間の支払関連データの連携については、タイムスタンプ等によって管理されてもよい。
【0023】
図4に示す支払関連データは、複数回の支払に含まれる一回の支払に対応している。したがって、契約に複数回の支払が含まれる場合、支払関連データ記憶部123は、支払毎の支払関連データを記憶する。
図4に示すとおり、支払関連データは、例えば、契約IDと、支払回数番号と、受取者と、支払者と、支払予定情報と、支払申告情報と、支払確認情報と、支払完了情報とを含む。契約IDは、例えば、上述した連携データの契約IDに対応しており、契約を識別するための識別情報(ID)である。支払回数番号は、例えば、当該契約に含まれる複数回の支払のうち、何回目の支払であるかを示す情報である。受取者は、例えば、支払を受領する側の契約当事者(債権者)を示す情報である。支払者は、例えば、支払を行う側の契約当事者(債務者)を示す情報である。支払予定情報は、例えば、いずれかの契約当事者(受取者又は支払者)が入力した、支払の予定に関する情報である。支払予定情報は、例えば、支払が予定された日にちを示す情報である支払予定日と、支払が予定された金額を示す情報である支払予定金額とを含んでもよい。支払申告情報は、例えば、支払が完了したとして支払者が申告した情報である。支払申告情報は、例えば、支払が完了した日として支払者が申告した日を示す情報である支払申告日と、支払が完了した金額として支払者が申告した金額を示す情報である支払予定金額とを含んでもよい。支払確認情報は、例えば、支払予定情報に対応する支払を受取者が確認したことを示す情報である。支払確認情報は、例えば、受取者による支払の確認の入力に応じて送信される支払確認通知を含んでもよい。支払完了情報は、例えば、契約当事者の口座を管理する金融機関等のシステムから取得された、支払が完了したことを示す情報である。支払完了情報は、例えば、支払が完了した日にちを示す情報である支払完了日と、支払が完了した金額を示す情報である支払完了金額とを含んでもよい。
【0024】
処理部13は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部13は、電子契約管理サーバ10の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部13は、記憶部12に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0025】
処理部13は、例えば、送受信部131と、データ管理部132と、暗号化部133と、復号部134と、電子署名部135とを含む。
【0026】
送受信部131は、ユーザ端末20(契約発信者が利用するユーザ端末20Sや、契約受信者が利用するユーザ端末20R等)、及び電子債権記録機関システム30との間で、種々の情報を送信及び受信する。送受信部131は、例えば、契約発信者が利用するユーザ端末20Sから契約の内容を示す記録事項、契約書データ、及び支払予定情報等を含む契約発信情報等を受信する。また、送受信部131は、例えば、契約受信者が利用するユーザ端末20Rに、契約発信情報(記録事項、契約書データ、及び支払予定情報等)を含む契約申込通知や、契約発信情報に対する承認要求を送信する。また、送受信部131は、契約受信者が利用するユーザ端末20Rから、契約発信情報に対する承認を受信する。また、送受信部131は、例えば、電子債権記録機関システム30に記録事項及び契約書データ等を含む電子記録債権の発生要求を送信する。また、送受信部131は、例えば、電子債権記録機関システム30から、電子記録債権の記録番号を受信し、ユーザ端末20S及びユーザ端末20R等に当該記録番号を送信する。また、送受信部131は、例えば、支払者が利用するユーザ端末20Hから、支払者が入力した支払申告情報を受信する。また、送受信部131は、例えば、受取者が利用するユーザ端末20Uに、支払確認要求を送信する。また、送受信部131は、例えば、受取者が利用するユーザ端末20Uから、受取者が入力した支払確認情報を受信する。また、送受信部131は、例えば、電子債権記録機関システム30に、支払関連データの少なくとも一部を含む情報である支払内容情報を送信する。支払内容情報の詳細については後述する。また、送受信部131は、例えば、電子債権記録機関システム30から、所定の通知(後述する電子記録債権が消滅した旨の通知や、支払内容情報が登録された旨の通知等)を受信する。また、送受信部131は、例えば、支払者が利用するユーザ端末20Hや受取者が利用するユーザ端末20Uに、所定の通知(後述する電子記録債権が消滅した旨の通知や、支払内容情報が登録された旨の通知等)を送信する。
【0027】
データ管理部132は、例えば、記録事項、契約書データ、及び支払関連データ等を記憶部12に記憶させる。例えば、データ管理部132は、契約の内容を示す記録事項を、連携データ記憶部121等に記憶された連携データに登録する。また、データ管理部132は、例えば、契約受信者が利用するユーザ端末20Rから受信した契約発信情報に対する承認を連携データ記憶部121、契約書データ記憶部122、及び支払関連データ記憶部123等に記憶させる。また、データ管理部132は、例えば、契約書データを、契約書データ記憶部122に登録(格納)する。また、データ管理部132は、例えば、支払関連データを支払関連データ記憶部123に記憶させる。具体的には、データ管理部132は、例えば、支払予定情報管理部として、契約発信者が利用するユーザ端末20Sから受信した支払予定情報を、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに登録する。また、データ管理部132は、例えば、支払者が利用するユーザ端末20Hから受信した支払申告情報を、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに登録する。また、データ管理部132は、例えば、受取者が利用するユーザ端末20Uから受信した支払確認情報を、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに登録する。また、データ管理部132は、例えば、受取者の口座を管理する金融機関システムから受信した支払完了情報を、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに登録する。また、データ管理部132は、例えば、電子債権記録機関システム30から受信した情報を登録する。具体的には、例えば、データ管理部132は、電子債権記録機関システム30から受信した電子記録債権に関する情報(記録番号等)を記憶部12に記憶させる。また、例えば、データ管理部132は、例えば、連携データ記憶部121に記憶された連携データに、電子記録債権が消滅した旨を登録する。また、データ管理部132は、例えば、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに、当該通知を登録する。
【0028】
暗号化部133は、例えば、契約発信者が利用するユーザ端末20Sから受信した契約書データを暗号化する。暗号化の方式は特に限定されないが、例えば、RC4、DES、3DES、及びAES等のアルゴリズムを使用した共通鍵暗号方式であってもよい。暗号化された契約書データは、例えば、データ管理部132により、契約書データ記憶部122に格納される。
【0029】
復号部134は、例えば、暗号化部133により暗号化された契約書データを復号する。復号の方式は特に限定されないが、例えばRC4、DES、3DES、及びAES等のアルゴリズムを使用した共通鍵暗号方式であってもよい。
【0030】
電子署名部135は、例えば、任意のデータに対して、電子契約管理サーバ10の管理者による電子署名を付す。電子署名の形式は特に限定されないが、例えば、電子署名の対象となるデータをハッシュ関数に適用してハッシュ値を生成し、当該ハッシュ値を公開鍵暗号方式に係る秘密鍵で暗号化したデータを電子署名としてよい。電子署名部135は、例えば、ユーザ端末20S等から受信した契約書データに対して電子署名を付してもよい。
【0031】
(1-3)ユーザ端末20
図4は、本実施形態に係るユーザ端末20の構成の一例を示す図である。
図4に示すとおり、ユーザ端末20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、表示部23と、操作部24と、処理部25とを含む。
【0032】
通信部21は、例えば、ユーザ端末20を通信ネットワークに接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部21は、例えば、電子契約管理サーバ10等から受信したデータを処理部25に供給する。また、通信部21は、例えば、処理部25から供給されたデータを電子契約管理サーバ10等に送信する。なお、通信部21は、例えば、ユーザ端末20を、通信ネットワークを介して電子債権記録機関システム30と通信可能に接続してもよい。
【0033】
記憶部22は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部22は、例えば、処理部25による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。各種プログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、記憶部22にインストールされてもよい。
【0034】
表示部23は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。表示部23は、例えば、処理部25から供給された映像データに応じた映像や、画像データに応じた画像等を表示する。
【0035】
操作部24は、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード等であって、契約発信者や契約受信者等のユーザが、文字や数字、記号等を入力するためのデバイスである。操作部24は、例えば、ユーザの操作に応じた信号を発生させ、当該信号を処理部25に供給する。
【0036】
処理部25は、例えば、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部25は、ユーザ端末20の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPUである。処理部25は、例えば、記憶部22に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
【0037】
処理部25は、例えば、送受信部251と、表示制御部252と、電子署名部253とを含む。
【0038】
送受信部251は、例えば、電子契約管理サーバ10との間で、種々の情報を送信及び受信する。送受信部251は、例えば、契約の内容を示す記録事項、契約書データ、及び支払予定情報等を含む契約発信情報等を、電子契約管理サーバ10に送信する。また、送受信部251は、例えば、契約発信情報(記録事項、契約書データ、及び支払予定情報等)を含む契約申込通知や、契約発信情報に対する承認要求を、電子契約管理サーバ10から受信する。また、送受信部251は、例えば、契約受信者が入力した契約発信情報に対する承認を、電子契約管理サーバ10に送信する。また、送受信部251は、例えば、電子記録債権の記録番号を、電子契約管理サーバ10から受信する。また、送受信部251は、例えば、支払者が入力した支払申告情報を、電子契約管理サーバ10に送信する。また、送受信部251は、例えば、支払確認要求を、電子契約管理サーバ10から受信する。また、送受信部251は、例えば、受取者が入力した支払確認情報を、電子契約管理サーバ10に送信する。また、送受信部251は、例えば、所定の通知(後述する電子記録債権が消滅した旨の通知や、支払内容情報が登録された旨の通知等)を、電子契約管理サーバ10から受信する。
【0039】
表示制御部252は、例えば、表示データに基づいて、所定の画面を表示部23に表示させる。表示制御部252は、例えば、契約発信情報を入力するための画面、契約発信情報を表示する画面、支払申告情報を入力するための画面、支払確認画面等を、表示部23に表示させる。
【0040】
電子署名部253は、例えば、任意のデータに対して、ユーザ端末20の利用者(契約発信者及び契約受信者等の契約当事者)による電子署名を付す。電子署名の形式は特に限定されないが、例えば、電子署名の対象となるデータをハッシュ関数に適用してハッシュ値を生成し、当該ハッシュ値を公開鍵暗号方式に係る秘密鍵で暗号化したデータを電子署名としてよい。電子署名部253は、例えば、電子契約管理サーバ10等から受信した契約書データに対して電子署名を付してもよい。
【0041】
(1-4)電子債権記録機関システム30
本実施形態に係る電子債権記録機関システム30は、例えば、一又は複数の情報処理装置によって構成される装置またはシステムであってよい。電子債権記録機関システム30は、例えば、電子記録債権を発生させるための記録原簿を管理する。電子債権記録機関システム30は、例えば、電子契約管理サーバ10等から受信した要求に基づいて、電子記録債権を発生させるために、記録事項及び契約書データを記録原簿に記録する。
【0042】
(2)フロー
(2-1)電子契約の締結及び電子記録債権の発生に関する処理
図6は、本実施形態に係る電子契約システム1による処理の動作シーケンスの一例を示す図である。当該処理では、契約発信者と契約受信者との間で契約の詳細に対する合意が形成された上で、電子契約が締結される。更に、所定条件下において、当該電子契約に基づく電子記録債権が発生する。
【0043】
(S101)まず、契約発信者が利用するユーザ端末20Sの表示制御部252は、契約発信情報の入力画面を表示部23に表示する。ここで、契約発信情報は、例えば、契約の内容を示す記録事項、契約書データ、及び支払予定情報等を含む。
【0044】
図6は、契約発信情報の入力画面40の一例を示す図である。
図6に示すとおり、入力画面40は、例えば、発信先の入力部41、契約名の入力部42、電子債権化の選択部43、契約関連日の入力部44、受発注区分の選択部45、ラベルの入力部46、閲覧権限設定の入力部47、支払予定情報の入力部48、抗弁情報の入力部49等を含む。
【0045】
発信先の入力部41では、例えば、契約の相手方となる契約受信者の名称や連絡先を入力可能である。契約名の入力部42では、例えば、任意に考案した契約の名称を入力可能である。電子債権化の選択部43では、例えば、契約発信情報に入力した記録事項に基づいて電子記録債権を発生させるか否かを選択可能である。例えば、電子記録債権を発生させる場合は「する」を、電子記録債権を発生させない場合は「しない」を選択することが可能である。電子記録債権を発生させるために「する」が選択された場合、後述するように、電子契約管理サーバ10は、所定条件下において電子債権記録機関システム30に電子記録債権の発生要求を送信する。
【0046】
契約関連日の入力部44では、例えば、契約に関連する日にちを入力可能である。契約に関連する日にちは、例えば、契約日(契約締結日)、契約開始日、契約終了日等を含んでもよい。受発注区分の選択部45では、例えば、契約発信者が発注者及び受注者のいずれであるかを選択可能である。例えば、契約発信者が発注者である場合は「発注」を、契約発信者が受注者である場合は「受注」を、それぞれ選択可能である。ラベルの入力部46では、例えば、契約に対応付けるラベルを入力可能である。入力されたラベルは、例えば、電子契約管理サーバ10等において契約ID等に対応付けて記憶され、契約の管理に用いられる。ラベルは、例えば、予め設定された項目(
図7に示す例では、「見積書」、「業務委託契約書」、「ソフトウェア開発委託契約書」等)から選択することにより入力してもよいし、契約発信者が任意に考案したラベルを入力してもよい。
【0047】
閲覧権限設定の入力部47では、例えば、契約の閲覧権限を付与する者(グループを含む)を入力可能である。閲覧権限が設定された者(グループ)は、電子契約管理サーバ10にアクセスすることにより、契約(電子記録債権)の内容の少なくとも一部を閲覧可能であってよい。そのために、電子契約管理サーバ10は、契約の閲覧要求を取得した場合に、閲覧要求等に含まれるユーザIDを取得して、当該ユーザIDに対して閲覧権限が設定されているかを判定した上で、契約の内容に含まれる所定の情報を閲覧要求に対する応答として送信してもよい。閲覧権限は、契約当事者の他、契約当事者以外の者(グループ)に対して付与可能であってもよい。
【0048】
支払予定情報の入力部48では、例えば、契約に含まれる複数回の支払に関する支払予定情報を入力可能である。入力部48は、例えば、支払予定日の入力部48a及び支払予定金額の入力部48bの組を1つ又は複数含んでもよい。契約発信者は、支払予定日の入力部48a及び支払予定金額の入力部48bの組の表示数を、任意に追加・削除することが可能であってよい。なお、支払予定金額の入力部48bの全てに入力された金額の合計が、当該契約における債権額として算出されてもよい。
【0049】
抗弁情報の入力部49では、例えば、抗弁に関する情報を入力可能である。抗弁に関する情報は、例えば、抗弁の切断適用の有無、抗弁の規定内容等を含んでもよい。なお、入力画面40が表示する上述した項目は一例であって、入力画面40は、上述した項目の一部を含まなくてもよく、また、他の項目を含んでもよい。入力画面40では、更に、契約書データを入力可能であってもよい。
【0050】
(S102)次に、契約発信者が利用するユーザ端末20Sの送受信部251は、契約発信者が操作部24を操作することにより契約発信情報を入力すると、当該契約発信情報を電子契約管理サーバ10に送信する。なお、ユーザ端末20Sの電子署名部253は、例えば、契約発信者による操作部24の操作に応じて、契約発信情報(記録事項や契約書データ等)に契約発信者の電子署名を付してもよい。
【0051】
(S103)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、契約発信者が利用するユーザ端末20Sから受信した契約発信情報を記憶部12に記憶させる。例えば、データ管理部132は、契約発信情報に含まれる各種の記録事項を、新たに発行した契約IDに対応付けて、連携データ記憶部121に記憶された連携データに登録する。また、データ管理部132は、契約発信情報に含まれる契約書データを、上述した契約IDに対応付けて、契約書データ記憶部122の所定の領域に登録(格納)する。このとき、暗号化部133は、契約書データを暗号化してもよい。また、データ管理部132は、契約書データを格納した契約書データ記憶部122内の所定の領域のパスを、連携データ記憶部121に記憶された連携データにおける「添付物データ」に登録してもよい。
【0052】
また、データ管理部132は、契約発信情報に含まれる支払予定情報(支払予定日及び支払予定金額等)を、上述した契約IDに対応付けて支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに登録する。なお、支払関連データ記憶部123に記憶された支払予定情報は、任意のタイミングにおいて、任意の契約当事者等によるユーザ端末20を介した操作によって変更されてもよい。契約当事者は、例えば、支払予定日や支払予定金額を変更してもよいし、契約に含まれる支払の回数を変更してもよい。
【0053】
電子契約管理サーバ10は、例えば、支払予定情報が取得された場合等の任意のタイミングにおいて、支払予定情報に含まれる支払予定金額の総額が、連携データに含まれる債権金額データに一致するか否かを判定してもよい。また、電子契約管理サーバ10は、例えば、支払予定情報に含まれる支払予定金額の総額が、連携データに含まれる債権金額データに一致していない場合、ユーザ端末20に対してエラー等を通知してもよい。
【0054】
(S104)次に、電子契約管理サーバ10の送受信部131は、契約発信情報に含まれる契約受信者の連絡先を参照して、契約受信者が利用するユーザ端末20Rに、契約申込があった旨を通知する契約申込通知を送信する。契約申込通知には、例えば、契約発信者を特定するための情報や、契約名等、契約発信情報等に含まれる情報を含んでもよい。これにより、契約受信者は、契約発信者から契約の申込があったことを把握可能となる。
【0055】
(S105)次に、契約受信者が利用するユーザ端末20Rの送受信部251は、契約受信者が操作部24を操作することにより契約内容の確認要求を入力すると、当該確認要求を電子契約管理サーバ10に送信する。
【0056】
(S106)次に、契約受信者が利用するユーザ端末20Rから受信した確認要求に応じて、電子契約管理サーバ10の送受信部131は、契約発信情報に対する承認要求を、契約受信者が利用するユーザ端末20Rに送信する。当該確認要求は、記録事項、契約書データ、及び支払予定情報等の契約発信情報が含む任意のデータを含んでもよい。契約書データが暗号化して契約書データ記憶部122に記憶されている場合は、電子契約管理サーバ10の復号部134は、当該暗号化済み契約書データを復号してもよい。
【0057】
(S107)次に、契約受信者が利用するユーザ端末20Rの表示制御部252は、契約受信者による操作部24の操作に応じて、電子契約管理サーバ10から受信した契約発信情報(記録事項、契約書データ、及び支払予定情報等)を、表示部23に表示する。このとき、特に、ユーザ端末20Rの表示制御部252は、契約発信情報に含まれる支払予定情報に基づいて、複数の支払予定日及び支払予定金額を表示部23に表示してもよい。これにより、契約受信者は、当該契約に含まれる複数回の支払のそれぞれについて、支払予定日及び支払予定金額を確認することが可能となる。
【0058】
(S108)次に、ユーザ端末20Rの送受信部251は、契約受信者が契約発信情報に対する承認を入力すると、当該承認を電子契約管理サーバ10に送信する。このように、契約受信者が契約発信情報に対する承認を入力することにより、契約の詳細に対する合意が形成されたものとみなすことができる。なお、ユーザ端末20Rの電子署名部253は、例えば、契約受信者による操作部24の操作に応じて、契約発信情報(記録事項や契約書データ等)に契約受信者の電子署名を付してもよい。
【0059】
(S109)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、ユーザ端末20Rから契約発信情報に対する承認を受信すると、承認があったことを示す情報(承認情報)を連携データ記憶部121、契約書データ記憶部122、及び支払関連データ記憶部123等に記憶させる。なお、電子契約管理サーバ10の電子署名部135は、例えば、契約発信情報(記録事項や契約書データ等)に管理者の電子署名を付してもよい。そして、承認情報は、承認があったことを示すフラグ等のデータ、契約受信者の電子署名、及び管理者の電子署名の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0060】
(S110)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、契約発信情報(連携データ記憶部121に記憶された連携データ)において、電子記録債権の発生が選択されているか否かを判定する。電子記録債権の発生が選択されていると判定された場合、処理はステップS101に進み、電子記録債権の発生が選択されていないと判定された場合、処理はステップS115に進む。
【0061】
(S111)電子契約管理サーバ10の送受信部131は、電子記録債権の発生が選択されていると判定された場合(S110;Yes)、電子記録債権の発生要求を電子債権記録機関システム30に送信する。ここで、電子記録債権の発生要求は、記録事項を含む。また、当該発生要求は、契約書データを含んでもよい。発生要求に含まれる契約書データは、契約発信者、契約受信者、及び管理者の少なくともいずれかの電子署名が付されたデータであってもよいし、暗号化済みのデータであってもよい。
【0062】
(S112)次に、電子債権記録機関システム30は、電子契約管理サーバ10から受信した電子記録債権の発生要求に基づいて、記録事項を記録原簿に記録する。これにより、電子記録債権が発生する。なお、電子債権記録機関システム30は、契約書データを含む電子記録債権の発生要求を受信した場合、契約書データも、記録原簿において例えば参考記録として記録してもよい。これにより、契約書データを含む電子記録債権が発生するため、当該電子記録債権に契約の内容から抽出した定型的な記録事項とは異なる契約の内容そのものを反映させることが可能となる。
【0063】
(S113)次に、電子債権記録機関システム30は、発生させた電子記録債権に固有の記録番号を、電子契約管理サーバ10に送信する。
【0064】
(S114)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、記録番号を記憶部12に記憶させる。
【0065】
(S115)電子記録債権の発生が選択されていないと判定された場合(S110;No)、電子契約管理サーバ10の送受信部131は、所定の通知(契約発信情報について承認情報が登録された旨等)を、契約発信者が利用するユーザ端末20S及び/又は契約受信者が利用するユーザ端末20Rに送信する。また、記録番号が記憶部12に記憶された場合(S114)、記録番号を含む通知を、契約発信者が利用するユーザ端末20Sに送信する。これにより、契約発信者は、記録番号を把握可能となる。なお、電子契約管理サーバ10の送受信部131は、記録番号を含む当該通知を、契約受信者が利用するユーザ端末20Rに送信してもよい。これにより、契約受信者は、記録番号を把握可能となる。以上で動作シーケンスが終了する。
【0066】
以上のとおり、本実施形態に係る電子契約システム1では、契約発信者が提供する契約発信情報を確認した契約受信者によって、契約発信情報に対する承認が電子契約管理サーバ10に送信される。そのため、契約の詳細に対する合意を電子的に形成することにより、電子契約を締結することが可能となる。更に、本実施形態に係る電子契約システム1による処理では、契約発信者が入力した支払予定日及び支払予定金額を含む複数の支払予定情報が、所定の記憶部12に記憶される。そのため、1つの電子契約について複数回の支払をまとめて効率的に管理することが可能となる。
【0067】
(2-2)個々の支払に関する処理
図8は、本実施形態に係る電子契約システム1による処理の動作シーケンスの他の一例を示す図である。当該処理では、契約に含まれる複数回の支払のうちの任意の1回の支払が行われる場合に実行される。以下では、ユーザ端末20Hを、支払者としての契約当事者が利用するユーザ端末20とし、ユーザ端末20Uを、受取者としての契約当事者が利用するユーザ端末20とする。なお、契約発信者(第1当事者)が支払者であり契約受信者(第2当事者)が受取者であってもよいし、契約受信者(第2当事者)が支払者であり契約発信者(第1当事者)が受取者であってもよい。
【0068】
(S201)まず、支払者が利用するユーザ端末20Hの表示制御部252は、支払申告情報の入力画面を表示部23に表示する。支払申告情報は、例えば、支払が完了したとして支払者が申告した情報であり、例えば、支払が完了した日として支払者が申告した日を示す情報である支払申告日と、支払が完了した金額として支払者が申告した金額を示す情報である支払予定金額とを含んでもよい。また、支払申告情報は、例えば、複数回の支払のうち何回目の支払であるかを示す情報(支払の回数を示す情報)を含んでもよい。支払者は、例えば、1つの支払予定日が到来した場合に、当該支払予定日に予定されている支払を、支払者の口座を管理する金融機関システム等を介して行った上で、支払申告情報をユーザ端末20Hに入力してもよい。
【0069】
(S202)次に、支払者が利用するユーザ端末20Hの送受信部251は、支払者が操作部24を操作することにより支払申告情報を入力すると、当該支払申告情報を電子契約管理サーバ10に送信する。
【0070】
(S203)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、支払者が利用するユーザ端末20Hから受信した支払申告情報を、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに、支払予定情報に対応付けて登録する。なお、電子契約管理サーバ10は、支払申告情報(支払申告日や支払申告金額)が支払予定情報(支払予定日や支払予定金額)に一致しているか否かを判定してもよく、一致していない場合、ユーザ端末20にエラー通知を送信してもよい。
【0071】
(S204)次に、電子契約管理サーバ10の送受信部131は、受取者が利用するユーザ端末20Uに、支払確認の要求である支払確認要求を送信する。支払確認要求は、例えば、支払申告情報の少なくとも一部(支払申告日及び支払申告金額等)を含んでもよい。なお、送受信部131は、支払確認要求と併せて、後述する支払完了情報をユーザ端末20Uに送信してもよい。
【0072】
(S205)次に、ユーザ端末20Uの表示制御部252は、電子契約管理サーバ10から受信した支払確認要求に基づいて、支払確認画面を表示部23に表示する。支払確認画面は、例えば、支払申告情報の少なくとも一部(支払申告日、支払申告金額、支払の回数を示す情報等)を示す情報を含んでもよい。受取者は、例えば、受取者の口座を管理する金融機関システム等を介して、当該口座に対して支払者から支払があったことを確認した上で、支払確認画面において、操作部24を介して支払の確認操作を行う。
【0073】
(S206)次に、利用するユーザ端末20Uの送受信部251は、受取者が操作部24を介して支払の確認操作を行うと、支払確認情報を電子契約管理サーバ10に送信する。
【0074】
(S207)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、受取者が利用するユーザ端末20Hから受信した支払確認情報を、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに、支払予定情報に対応付けて登録する。
【0075】
(S208)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、支払者及び受取者の口座を管理する金融機関システムから、支払が完了したことを示す情報である支払完了情報を取得し、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに、支払予定情報に対応付けて登録する。支払完了情報は、例えば、支払が完了した日にちを示す情報である支払完了日と、支払が完了した金額を示す情報である支払完了金額とを含んでもよい。なお、電子契約管理サーバ10は、支払完了情報を、例えば、電子債権記録機関システム30を介して取得してもよい。また、電子契約管理サーバ10は、取得した支払完了情報を、支払者が利用するユーザ端末20Hや、受取者が利用するユーザ端末20Uに送信してもよい。また、電子契約管理サーバ10は、支払完了情報(支払完了日や支払い完了金額)が、支払申告情報(支払申告日や支払申告金額)や支払予定情報(支払予定日や支払予定金額)に一致しているか否かを判定してもよく、一致していない場合、ユーザ端末20H及びユーザ端末20U等にエラー通知を送信してもよい。
【0076】
(S209)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、契約発信情報(連携データ記憶部121に記憶された連携データ)等を参照して、電子記録債権が発生しているか否かを判定する。電子記録債権が発生していると判定された場合、処理はステップS210に進み、電子記録債権が発生していないと判定された場合、処理はステップS214に進む。
【0077】
(S210)電子契約管理サーバ10の送受信部131は、電子記録債権が発生していると判定された場合(S219;Yes)、支払関連データの少なくとも一部を含む支払内容情報を、電子債権記録機関システム30に送信する。支払内容情報は、電子債権記録機関システム30の仕様に応じて、支払関連データが含む情報を任意に含んでもよい。例えば、支払内容情報は、支払日に関連する情報(支払申告日、及び支払完了日等)、支払金額に関する情報(支払申告金額、及び支払完了金額等)、並びに支払確認情報等を含んでもよい。
【0078】
(S211)次に、電子債権記録機関システム30は、支払内容情報に基づいて、支払確認処理を実行する。支払確認処理では、それまでに電子契約管理サーバ10から受信された全ての支払内容情報に含まれる支払金額(支払申告金額又は支払完了金額)の総額が、記録事項に含まれる債権額に達したか否かが判定される。電子債権記録機関システム30は、支払金額の総額が債権額に達したと判定した場合、電子記録債権を消滅させる処理を実行し、支払金額の総額が債権額に達していないと判定した場合、支払内容情報を登録する。
【0079】
(S212)次に、電子債権記録機関システム30は、所定の通知を電子契約管理サーバ10に送信する。例えば、ステップS211において電子記録債権を消滅させる処理が実行された場合、電子債権記録機関システム30は、電子記録債権が消滅した旨の通知を電子契約管理サーバ10に送信する。また、例えば、ステップS211において支払内容情報を登録する処理が実行された場合、電子債権記録機関システム30は、支払内容情報が登録された旨の通知を電子契約管理サーバ10に送信する。
【0080】
(S213)次に、電子契約管理サーバ10のデータ管理部132は、電子債権記録機関システム30から受信した通知を登録する。例えば、電子記録債権が消滅した旨の通知の場合、データ管理部132は、連携データ記憶部121に記憶された連携データに、電子記録債権が消滅した旨を登録する。また、例えば、支払内容情報が登録された旨の通知の場合、データ管理部132は、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに、当該通知を登録する。
【0081】
(S214)電子記録債権が発生していないと判定された場合(S209;No)、電子契約管理サーバ10の送受信部131は、所定の通知(支払確認情報、及び支払完了情報等が登録された旨等)を、ユーザ端末20H及び/又はユーザ端末20Uに送信する。また、電子契約管理サーバ10の送受信部131は、電子債権記録機関システム30から受信した通知が登録されると(S213)、ステップS212において登録された通知の内容に応じて、所定の通知をユーザ端末20H及び/又はユーザ端末20Uに送信する。例えば、電子記録債権が消滅した旨の通知の場合、送受信部131は、例えば、電子記録債権が消滅した旨の通知をユーザ端末20H及び/又はユーザ端末20Uに送信する。また、例えば、支払内容情報が登録された旨の通知の場合、送受信部131は、例えば、当該通知をユーザ端末20H及び/又はユーザ端末20Uに送信する。以上で、動作シーケンスが終了する。
【0082】
以上のとおり、本実施形態に係る電子契約システム1では、支払者が入力した支払申告情報、受取者が入力した支払確認情報、及び所定の金融機関システム等から取得された支払完了情報が、支払関連データ記憶部123に記憶された支払関連データに記憶される。そのため、電子契約について複数回の支払をまとめて効率的に管理することが可能となる。
【0083】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその条件等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0084】
1…電子契約システム、10…電子契約管理サーバ、11…通信部、12…記憶部、121…連携データ記憶部、122…契約書データ記憶部、123…支払関連データ記憶部、13…処理部、131…送受信部、132…データ管理部、133…暗号化部、134…復号部、135…電子署名部、20、20S、20R…ユーザ端末20、21…通信部、22…記憶部、23…表示部、24…操作部、25…処理部、251…送受信部、252…表示制御部