(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】パター
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20230331BHJP
A63B 53/10 20150101ALI20230331BHJP
A63B 53/06 20150101ALI20230331BHJP
A63B 60/02 20150101ALI20230331BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20230331BHJP
【FI】
A63B53/04 H
A63B53/10 Z
A63B53/06 D
A63B60/02
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2018248999
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】593007567
【氏名又は名称】阿部 薫
(73)【特許権者】
【識別番号】599125559
【氏名又は名称】阿部 能理満
(73)【特許権者】
【識別番号】599125548
【氏名又は名称】阿部 益喜啓
(73)【特許権者】
【識別番号】511022948
【氏名又は名称】阿部 由佳
(72)【発明者】
【氏名】阿部 薫
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-061002(JP,A)
【文献】特開2008-036315(JP,A)
【文献】登録実用新案第3161932(JP,U)
【文献】登録実用新案第3196704(JP,U)
【文献】特開2016-73584(JP,A)
【文献】特開2012-143521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを有する基台の上面中央部に、基台より比重の大きなトップ部材を着脱自在に設け、前記トップ部材の先端面を打ち出されるボールの曲面と同率の凹曲面に形成し、更に、前記トップ部材の中央上面部に打球方向を示す矢印を設けたものであるパター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのパターに関し、特に、ボールをパターヘッドのスイートスポットに正確に当てることができるようにし、パターの精度を高めることができるパターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフにおいては、飛距離を伸ばすことも重要であるが、パット精度を向上することがゴルフのスコアメーキングではより大切であると言われている。
パット精度を高めるには、ボールをパターヘッドのフェースの真ん中(スイートスポット)に当てて打つのが望ましいが、スイートスポットにボールを当てるのはプロでも難しく、ましてや素人には更に難しい。
【0003】
前記課題に着目し、発明者が種々検討したところ、これは、パターの構造そのものに原因があることが分かった。
すなわち、パターヘッドの重量が均一であることに起因している。
ボールをパターヘッドのスイートスポットの面に直角に当てれば、ボールはプレイヤーの意のままに転がるのであるが、前述のようにボールをスイートスポットに正確に当てることは大変難しいものである。
【0004】
ボールがスイートスポットから外れるとパターが捩れてしまい、ボールはプレイヤーの意思とは違う方向に転がり、カップを外すことになってしまう。
これを解決するためには、パターヘッドを重くして、ボールの打撃力による捩れモーメントに打ち勝つようにすれば良いと考えられる。
しかし、パターヘッドを重くすればパターのスイングが重くなり、結果としてスイングに狂いが生じてしまう。
パターヘッドを軽くすればスイングはスムーズになるが、捩れもモーメントが大きくなり、プレイヤーの意志とは違うラインになり好ましくない。
本発明は、パッティングにおいて、ボールをスイートスポットに正確に当てることで、パターの精度を向上することができるようにしたパターを提供することにある。
【0005】
ゴルフが上達するに従ってパターの重さを変えたいと思っても、パターは一体なので、新しく購入しなければならない。パターは高価のため頻繁に購入するのは無理である。
又、シャフトは固定されており、その長さを調整することができないので、長さを変えるには、長さの相違するパターを新しく購入するか、あるいは、愛用の使い慣れたシャフトを切断するか、反対に長くする場合は別部材を用意して継ぎ足したりしなければならないものとなっている。
スイングの良し悪しはシャフトの長さに大きく影響するので、プレイヤーの身長に応じて最適な長さに調整することができればパター精度は向上する。
【0006】
一方、従来のシャフトは鉄にメッキを施したものやステンレスで重い材料で構成されているので、慣性が大きく、ボールがパターヘッドのフェーススポットから外れても、その状態を、直接的に手で感じることできず、結果とてパターの失敗の原因になるものである。
バターヘッドのインパクトの状態を手で直接的に感じることができれば、次のパターを修正することができるので、パターの失敗は少なくなる。
従来、パターの精度を向上するものとして下記の特許公報が提案されている。
以下説明する。
【0007】
特許文献1(実用新案登録第3118245号公報)には、「ヒッティング時にボールのバックスピンの発生を抑え、ボールに対するパターヘッドの重心位置調整選択により任意のスピン回転を容易に習得可能にしたパターヘッドを提供する」ことを課題とし、
その構成を要約すると、「クラウン本体に複数個のバランサー挿入孔(4)を設け、これらのバランサー挿入孔(4)の任意の位置にバランサーウエイト部材(6)を装着固定するように構成した」ものと記載されている。
【0008】
そして、更に、この公報には、明細書の項目「0026」に、「図においてAは、この考案に係るパター本体の構成全体を示し、その各構成部材は、例えば鉄、軟鉄、鉄合金、銅合金、真鍮、ステンレス、チタン合金、その他重金属、軽金属を主体とする複合機材から構成する」と記載されている。
従って、この公報記載のパターヘッドは、鋳鉄やチタン合金等の重量物で均一に構成されていることが分かる。
これに対して本発明が、前述のように、後述するパターヘッドのトップ部材を他の部分よりも重い材料にして、ボールをパターヘッドのスイートスポットに正確に当てることが出来るようにして、パター精度を高めるようにしたものであるが、この公報の考案には、それが記載されていない。
【0009】
特許文献2(特開2008-36315号公報)は、「パターヘッドの重量配分を二次元(面)的に変更できる」ようにすることであり、その構成は、要約すると、「重心位置変更部材2a、2bの脚部32a、32bは、ヘッド本体2に着脱自在とする」と記載されている。
【0010】
詳しくは、重心位置変更部材をL字形(直角)に形成し、直角に対向する脚部に穿設した複数の穴にねじを選択的に挿入し、重心位置変更部材をヘッド本体に固定するものとされている。
すなわち複数の穴にこの構成によって重量体部の位置を変更し、好みのパターにアレンジできるパターヘッドにすることができるとしている。
一方、本発明が、パターヘッドのトップ部材を他の部分よりも重い材料にして、ボールをスイートスポットに正確に当ててパター精度を高めるようにしたものであるが、この公報の発明には、それが記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【00011】
【文献】実用新案登録第3118245公報
【文献】特開2008-36315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1は、前述のように、バックスピンの発生を抑えるために、クラウン本体(3)にフェース面に平行な複数個のバランサー挿入孔(4)を設け、これらの挿入孔の任意の位置にバランサーウエイト部材(6)を装着固定するように構成したものである。
すなわち、この公報に記載の新案には、バランサーウエイトの取り付け位置を、前後に変更できるようにして、バックスピンを変えるようにしたものとしている。
【0013】
又、この公報には、明細書の項目「0026」に、「図においてAは、この考案に係るパター本体の構成全体を示し、その各構成部材は、例えば鉄、軟鉄、鉄合金、銅合金、真鍮、ステンレス、チタン合金、その他重金属、軽金属を主体とする複合機材から構成する」と記載されており、言い換えれば、パター本体は、均一の材料で構成されているものである。
これに対して、本発明の主たる発明は、パター精度を向上するために、パターヘッドの基台よりトップ部材の重量を大にしてパター精度を向上するものであり、前記公報に記載された考案とは異にするものである。
又、本発明の他の発明は、シャフトを軽いカーボンに構成し、前記と同様にパター精度を向上することにあるが、前記特許文献1の公報には言及されていない。
【0014】
特許文献2(特開2008-36315号公報)は、「パターヘッドの重量体部の重量配分を二次元(面)的に変更できる」ようにしたことであり、その構成は、要約すると、「重心位置変更部材2a、2bの脚部32a、32bは、ヘッド本体2に着脱自在とする」と記載されている。
【0015】
すなわち、この公報には、重心位置変更部材をL字形に直角に形成し、その直角に対向する脚部に穿設した複数の穴にねじを選択的に挿入し、重量体部の重心位置変更部材の位置を変更してヘッド本体に固定する構成である。
このように、複数の穴を用いて重量体部の位置を変更し、好みのパターヘッドにアレンジできるパターであるとしている。
しかしながら、この公報には、本発明が要旨としている基台に比しパターヘッドのトップ部材を他の部分より重い材料で構成し、ボールをスイートスポットに正確に当て、パター精度を高めることは記載されていないし、指向することも述べていない。
又、シャフトを軽くて強いカーボンで構成し、前記の主たる発明と同様にパター精度を向上することに関しても言及していない。
【0016】
前記に着目し、本発明の目的は、パッティングのとき、重心をパターヘッドの中心に位置させて、パターヘッドの捩れを軽減すること、パターヘッドのスイートポイントにボールを正確に当てること、パターヘッドを打球方向に正確に合わせるようにして、パターの精度を高めるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的は、シャフトを有する基台の上面中央部に、基台より比重の大きなトップ部材を着脱自在に設け、前記トップ部材の先端面を打ち出されるボールの曲面と同率の凹曲面に形成し、更に、前記トップ部材の中央上面部に打球方向を示す矢印を設けたことによって達成される。
【発明の効果】
【0018】
前記手段により本発明は、基台の上面中央部に、基台より比重の大きなトップ部材を着脱自在に設けたので、パターをするときパターヘッドの捩れが軽減され、又、前記トップ部材の先端面をボールの曲面と同じ凹曲面に形成したので、ボールをパターヘッドのスイートポイントに正確に当てることができ、更に、トップ部材の中央上面部に打球方向を示す矢印を設け、ボールを前記スイートポイントに正確に当てる手助けとしているので、パターヘッドをパットの方向に正確に合わせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1乃至12図は本発明の一実施例を示すものでパターの平面図。
【
図16】同じく基台に補助基台を載置した状態の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施例、及び、他の実施例を図面に基づいて説明する。
図1乃至
図4は、パターヘッドを示しており、
図1は、基台で、比較的軽い金属(アルミニウムやアルミニウム合金)、あるいは合成樹脂材料で形成されている。一方、基台1を鉄やステンレスのような材料で、均一に成形している場合は、その中央部を他よりも高くして中央部分の重量を大きくしている。これは後述するインパクトのとき、ボールをスイートスポットに正しく当てることが出来るように作用する。
2は、基台1の中程に形成した凹陥部2で、凹陥部2の前方の両脇には突起3が形成されている。
【0021】
4はトップ部材で、
図5乃至
図8に示されているように、前記凹陥部2の底面及び前記突起3間にねじ5によって着脱自在に取り付けられている。6は、基台1の底部に穿設されたネジ穴である。
又、トップ部材4は、前記基台1よりも鉄、鉄合金、ステンレスなどの重い金属で成形されている。又、トップ部材4は、基台と同等の材料か、より重くして、パッティング時のパターヘッドの捩れ力を軽減する。
【0022】
前記トップ部材4の先端面は、
打ち出されるボールの曲面と同率の凹曲面7に形成し、ボールをパターヘッドのスイートポイントに当てるのを補助するためものである。
又、トップ部材4の上面
中央部には前後方向に溝8Aを形設し、この溝8Aの底部には矢印8を設け(
図10参照)、前記凹曲面7と
協同して、更にボールを正確にスイートポイントに当てるのを
目視で確認できる。
すなわち、前記凹曲面7とボール間との隙間が均一になったとき、ボールはスイートポイントに
当接している状態になる。
このとき矢印8は、ボールの中央と凹曲面7の中央を一致させるのを助けており、ボールをスイートポイントに目視によって更に正確に当てることができるものである。
尚、矢印8は、必ずしもトップ部材4に刻設する必要はなく、印刷したり、ラベルを
貼着したりで代用できる。
9は、トップ部材4の底部に穿設したネジ穴である。
【0023】
パターヘッドのフェースの真ん中、すなわち、スイートスポットから外れてパッティングするとパターヘッドが捩れてしまい、ボールはパッティングラインから外れて転がってしまう。ラインから外れるとパターは失敗することになる。
本発明は、トップ部材4を基台1と同等か他の部分より重く成形してあるのでパターヘッドの捩れ力が軽減でき、パットの精度が向上する。
この一実施例では、トップ部材4を基台1にねじ5によって着脱自在に設けたのであるが、着脱自在にしなくても、パターヘッドの中央部を他に比較して重量大にすれば同様の機能、及び効果を奏するものである。
【0024】
前記一実施例のように、トップ部材4を別体として基台1に着脱自在に取り付ければ、次の効果を期待することができる。
すなわち、着脱自在にすれば、トップ部材4の重さを自分のスイングに合わせて自由に変えることができ、自分の好みに合ったパッティングをすることができる。
又、トップ部材4の表面に絵柄や写真を貼ったりできるので、パットが楽しくなる。
【0025】
10は、基台1の突起部3の片方に設けたシャフトで、軽く強いカーボンで構成したものである。
従来は、鉄やステンレスなど鉄系の重い材料で構成されているので、慣性が大きく、パターヘッドのフェースに当たる衝撃を敏感に手で感じることが出来ないものであった。
ゴルフが上手になるためには正しいストロークをすることである。ストロークは上記のようにパターの重量が大きく影響している。重ければ腕に力が入って腕をスムーズに動かすことが出来ないので正しいストロークができない。正しいストロークができなければボールを正しいラインに乗せることができずパターは失敗することになる。
【0026】
本発明は、シャフト10を軽くて捩れに強いカーボンで制作したので、パターをするときのスイングがスムーズになり、ボールは正しいライン上を転がるようになる。
又、カーボンは捩れに強いので、パターヘッドのフェースに対するインパクトの状態、すなわちフェーススポットへの当たりや片当たりの状態を手で敏感に直接的に感じることができ、パター精度が向上する。
【0027】
更に詳しくは、正しいスイングラインを感じるにはスイートスポットラインを重くすればよい。そのための一つの構成として、基台1とトップ部材4を樹脂で成形する案が考えられる。パターのインパクト時に、ボールがフェーススポットを外れて打つとパターヘッドが左右に回転する。この回転モーメントがシャフトの捩れになるが、シャフト10が鉄のように重いと捩れ力が直接手に伝わらない。
【0028】
本発明では、シャフト10を軽くて捩れに強いカーボンで成形したので、パターヘッドの回転モーメントが直に手に伝わり、スイングラインの良し悪しを確認することが出来る。そのため、本発明はスイングの練習に好適であるといえる。
【0029】
ゴルフのパターでは、シャフトが身長にあっていないと上手くならないので、シャフトを変えたい場合がある。しかし長さを変えるためには新しいパターを購入するしかない。
これに対処し本発明は、パターを購入することなくシャフトのみを購入すればシャフトの交換ができるようにしたものである。
図において、10Aは、パターに一体的に設けられた一方のシャフトで、その上端には雌ねじ10Bが設けられている。10Cは、身長に合わせた例えばカーボンの他方のシャフトで、その下端には雄ねじ10Dが設けられている。他方のシャフト10Cは、長さの異なる複数のシャフトを用意しておく。
そして雄ねじ10Dを雌ねじ10Bに螺合することにより、身長に合わせた新しいシャフトができるものである。
又、シャフト10の交換に加えて後述するグリップの交換もできるので、高価なパターを購入する必要がなくなるメリットがある。
11は、シャフト10の長さを調節する長さ調節機構で、これについては後述する。
【0030】
図5乃至
図8、及び
図9乃至
図12に付した符号は、
図1乃至
図4に示したパターの全体図に付した符号と同一であるので、その部品の説明は省略する。
但し、
図9、
図11、及び
図12のトップ部材4の平面図は、若干アレンジされているので注意を要する。
図10の正面図の矢印8も、
図2の矢印を上方に突出させている点で相違しているが、機能は同一である。
【0031】
図13乃至
図17は、前記一実施例のパターヘッドと相違する形状の第二のパターヘッドである。
図13について説明すると、21は基台で、その前部には突部22が形成されている。23は、後述するトップ部材24を載置するネジ穴で、25は、突部22の端部に穿設したシャフトを取り付ける取り付け穴である。
【0032】
図14は、基台21の正面図で、突部22が基台21の前方に立ち上がっているのが見える。
図15は、基台21の底面図である。
図16は、基台21の上面にねじによって着脱自在に載置されたトップ部材24で、上方から見て角を落とした三角形になっている。
このトップ部材24の表面には、ボールと同径の円形26を刻んで表示している。これらの円形は、パッティングするときにラインを決定するのに役立つものである。これらは、ツウボールパターと称されている。
図17は、円形を一つ刻設し、同じく位置合わせに使用する。これはワンボールパターと称されている。
【0033】
図18乃至
図20は、第三の実施例で、31は基台、32は基台31の周壁33で囲まれた凹陥部である。この凹陥部32にはトップ部材34が収納載置されている。35はトップ部材34を凹陥部32の底部に着脱自在に取り付けるねじである。
図19は正面図、
図20は左側面図である。
【0034】
図21乃至
図25は、シャフトを切断しないで、その長さを調節する発明を示している。
以下説明すると、
図21において、41は、ゴムや合成樹脂で成形したグリップで、シャフト42の先端に被嵌されている。43は、これらのグリップ41とシャフト42を接続する長さ調節具である。
【0035】
図22において、シャフト42は段付きシャフトであり、その小径部42Aに前記グリップ41を遊合状態で被嵌する構成にしている。シャフト42の大径部42Bには前記シャフト42を挿入する構成とする。又、グリップ41は着脱自在になっているので、自分の好みに合ったグリップに交換することができる。
長さ調節具43は真鍮などの金属製カラー44からなり、その小径部44Aを前記グリップ41とシャフト42の小径部42A間の間隙に挿入する。
カラー44の大径部44Bにはシャフト42の大径部42Bが挿入される。
45はカラー44の外側から螺合する調整ネジで、カラー44とシャフト42の軸方向の相対移動を調整する。
【0036】
図23は、
図22のA-A断面で、カラー44は、すり割り形状となっており、すり割り46の外側がグリップ41の内面を押圧し、摩擦によって両者が結合される。
シャフト42の先端とグリップ41の底部間には、Lで表示されている空間が形成されており、この空間の長さ内でシャフト41の調節ができる。47は空気抜き穴である。
【0037】
図24は、前述のカラー44の外観図である。この図で明らかなように、カラー 44の小径部44Aの外周には、複数本の環状突起48が設けられている。この環状突起48は、グリップ41の内面に食い込み、グリップ41の抜けを防止するように機能している。
【0038】
パターの長さは、通常33インチから34インチに設定されているので、前記グリップ42の空間の長さは1インチであるが、本発明では、グリップ41の空間の長さLの範囲内で調節することができる。
【0039】
前記構成において、ねじ45を弛めてシャフト42とカラー44を開放すれば、シャフト42が解放され、シャフト42は図面上左右に移動できるようになる。
任意の位置でねじ45を締めればシャフト42とカラー44は締め付けられ、シャフト42は固定される。
【0040】
以上述べたように本発明は、基台の上面中央部に、基台より比重の大きなトップ部材を着脱自在に設けたので、パターをするときパターヘッドの捩れが軽減され、又、前記トップ部材の先端面をボールの曲面と同率の凹曲面に形成したので、ボールをパターヘッドのスイートポイントに正確に当てることができ、更に、トップ部材の中央上面部に打球方向を示す矢印を設け、ボールを前記スイートポイントに正確に当てる手助けとし、パターヘッドをパットの方向に正確に合わせることができるようになる。
従って、本発明によれば、パットの精度が向上し、ゴルフが楽しくなるものである。
【符号の説明】
1…基台、2…凹陥部、3…突起部、4…トップ部材、5…ねじ、6…ネジ穴、7…凹曲面、8…矢印、8A…溝、9…ネジ穴、10…シャフト、10A…一方のシャフト、10B雌ねじ、10C…他方のシャフト、10D…雄ねじ、11…長さ調節機構、21…基台、22…突部、23…ネジ穴、24…トップ部材、25…シャフト取り付け穴、26…円形、31…基台、32…凹陥部、33…周壁、34…トップ部材、35…ねじ、4…グリップ、42…シャフト、42A…小径部、42B…大径部、43…長さ調節具、44…カラー、44A…小径部、44B…大径部、45…調整ネジ、46…すり割り、47…空気抜き穴、48…環状突起