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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】運動能力向上剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20230331BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230331BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230331BHJP
   A61K 36/074 20060101ALI20230331BHJP
   C12N 15/16 20060101ALN20230331BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20230331BHJP
【FI】
A23L33/105 ZNA
A61P21/00
A61P43/00
A61K36/074
A61P43/00 111
C12N15/16
C12N15/12
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018131990
(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公開番号】P2020005603
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】服部 幸治
(72)【発明者】
【氏名】高木 寛
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0116532(KR,A)
【文献】特開2009-062346(JP,A)
【文献】特開2015-199673(JP,A)
【文献】特開2018-087175(JP,A)
【文献】特開2003-063981(JP,A)
【文献】特開平05-123135(JP,A)
【文献】特開2004-224700(JP,A)
【文献】特開2014-158441(JP,A)
【文献】特開2009-000015(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101011428(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A61K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/BIOSIS/CABA/EMBASE/FSTA/MEDLINE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
霊芝(発酵抽出物を除く)を含有することを特徴とする筋肉細胞分化促進剤(筋萎縮抑制剤を除く)。
【請求項2】
筋肉細胞分化促進が、MyoD1、Myogenin、FNDC5、IGF-1、IGF-2から選ばれる一種又は二種以上の遺伝子発現促進である、請求項1記載の筋肉細胞分化促進剤(筋萎縮抑制剤を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霊芝を含有することを特徴とする運動能力向上剤、筋肉維持剤に関する。詳しくは、筋肉維持作用が筋形成促進作用、あるいは筋萎縮抑制作用、あるいは筋形成促進および筋萎縮抑制の両方の作用を併せもつ筋肉維持剤、および筋肉維持剤を含む筋肉維持用食品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
筋肉は、加齢に伴う運動量の低下、あるいは疾患や事故が原因の安静加療時の長期的な不活動により、筋委縮が起こり、様々な筋肉の機能が低下する。さらに、筋委縮が促進されると、運動能力が低下し、生活住環境などの影響も加わると、寝たきりに陥る危険性がある。よって、筋肉維持、すなわち、運動能力を維持し、筋形成を促進し筋萎縮を抑制することは、快適な生活やQOL(quality of life)を確保する上で、大変重要な課題である。
【0003】
さらに、筋肉の維持は、ロコモティブシンドローム、フレイルやサルコペニアの予防にも関係する。ロコモティブシンドローム、フレイルやサルコペニアの予防には、関節や骨の健康維持も非常に重要であるが、筋肉を維持し、運動能力を維持、向上させることも、あわせて大変重要な課題である。
【0004】
筋肉を維持し、運動能力を向上させるには、一般的には、適度な運動やリハビリテーションの理学療法を実施する方法がある。しかし、時間的または物理的理由により困難な場合があり、より効果的な方法が望まれている。
【0005】
筋肉を維持し、運動能力を向上させる方法として、アミノ酸、例えば、アラニルロイシンもしくはアラニルイソロイシンを有効成分とする自発運動促進剤(特許文献1)、アルギニンを必須成分とし、ヌクレオチドなどを有効成分として含有する体力増強剤(特許文献2)が提案されている。しかし、筋肉が衰え、運動能力が低下する原因として、筋肉の材料であるアミノ酸、ペプチド、プロテインなどが不足している場合もあるものの、主な原因は運動不足や加齢であり、アミノ酸、ペプチド、プロテインなどを補給しても、その効果は限定的なものである。
【0006】
また、アミノ酸以外にも、プロアントシアニジンを含有する運動能力向上組成物(特許文献3)、アイブライトを含有する筋肉細胞活性化剤(特許文献4)などが提案されている。
【0007】
筋肉を維持し、運動能力を向上させるには、筋形成の促進と筋萎縮の抑制が重要と考えられる。筋形成の促進には、筋肉の分化に関わる因子を増加させることが必要であり、それらの因子の遺伝子発現促進をもって、筋形成が促進される。筋形成に必要な筋肉の分化に関わる因子として、MyoD1(マイオD1)、Myogenin(ミオゲニン)、FNDC5(フィブロネクチンタイプ3領域含有タンパク質5)、IGF-1(インスリン様増殖因子1)、IGF-2(インスリン様増殖因子2)などが挙げられる。
【0008】
また、筋萎縮の抑制には、筋萎縮で活性化されるユビキチンプロテアソーム依存性のタンパク質分解経路を阻害することが必要であり、それらの因子の遺伝子発現抑制をもって、筋萎縮が抑制される。筋萎縮を抑制する因子として、ユビキチンプロテアソーム依存性のタンパク質分解経路に関わる因子であるAtrogin1(アトロジン1)、MuRF1(マーフ1)などが挙げられる(非特許文献1)。
【0009】
さらに、筋肉を維持し、運動能力を向上させるには、筋形成の促進と、筋萎縮の抑制の両方の作用を併せもつことで、より強い作用が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2018-255087号公報
【文献】特開平09-124473号公報
【文献】特開2005-97273号公報
【文献】特開2015-131774号公報
【非特許文献】
【0011】
【文献】平坂勝也、大豆たん白質研究、2013、16、150-155
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、霊芝を含有することを特徴とする運動能力向上剤、筋肉維持剤に関する。詳しくは、筋肉維持作用が筋形成促進作用、あるいは筋萎縮抑制作用、あるいは筋形成促進および筋萎縮抑制の両方の作用を併せもつ筋肉維持剤、および筋肉維持剤を含む筋肉維持用食品組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に用いる霊芝は、マンネンタケ科(Ganodermataceae)マンネンタケ属(Ganoderma)に属する全てのキノコを用いることができるが、霊芝が好ましい。霊芝は、中国の薬学古書である「本草綱目」や「神農本草経」に、霊芝(赤芝)、黒霊芝(黒芝)、紫霊芝(紫芝)、青霊芝(青芝)、黄霊芝(黄芝)および白霊芝(白芝)が知られているが、より好ましくは、霊芝(Ganoderma lucidum)、黒霊芝(Ganoderma sinensis、Ganoderma japonicum、Ganoderma atrum)を用いると良い。
【0014】
本発明に用いる霊芝は、子実体、菌糸体、天産物、栽培物、および培養物などを問わず使用することができ、広く中国や日本市場などで流通しているものを用いることができる。また、必要に応じてそのままの状態、破砕物、あるいは乾燥物などを適宜選択して抽出操作に付することができる。
【0015】
本発明に用いる霊芝の抽出物を得る抽出溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなど)、液状多価アルコール類(1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、石油エーテルなど)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテルなど)が挙げられる。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。本発明では、抽出溶媒は水、低級アルコールなどの極性溶媒、特に水、エタノールが好ましい。
【0016】
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過、活性炭などによる脱色、脱臭、エタノール沈殿などの処理をして用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥などの処理を行い、乾燥物として用いても良い。
【0017】
本発明に用いる霊芝の摂取量は、摂取形態、使用目的、年齢、体重などによって適宜調整することができる。成人1日当り、霊芝は、キノコ乾燥物に換算して1~20000mg、好ましくは50~10000mgの範囲で1日1回から数回経口摂取できる。上記摂取範囲より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて摂取する必要がある場合もある。また、製剤化における薬効成分の添加法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。
【0018】
本発明の運動能力向上剤は、ヒトの運動能力を向上させる目的で使用できる。特に、加齢による運動能力の低下が、ロコモティブシンドローム、フレイル、サルコペニアなどを引き起こすことから、本発明の運動能力向上剤は、加齢による運動能力低下の向上に利用できる。さらに、本発明の運動能力向上剤は、自発運動を向上させることができる。動物において、自発運動を向上させることは、様々な利用価値がある。例えば、ニワトリ、ブタ、ウシなどの家畜においては、自発運動を向上させることで、病気への耐性が高まるばかりでなく、引き締まった美味しい食肉を得ることができる。また、イヌ、ネコ、ネズミなどのペットにおいては、加齢により自発運動が低下すると、食欲不振、病気の罹患につながる。自発運動を向上させることで、食欲増進、病気への耐性が高まり、飼い主と共に健やかな生活を送ることができる。この様に、本発明の運動能力向上剤は、ヒトへの提供ばかりでなく、家畜やペット用の飼料としても利用できる。
【0019】
本発明の運動能力向上剤は、食品、医薬部外品、医薬品として用いることができる。食品としては、飲料、硬カプセル、軟カプセル、タブレット、顆粒剤、ゼリーなどとして用いることができる。また、医薬部外品や医薬品では、経口用の散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤など、非経口用の注射剤、座剤などとして用いることができる。
【0020】
本発明の運動能力向上剤は、効果を損なわない範囲内で、必要に応じて通常の食品、医薬部外品または医薬品に用いられる賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、pH調整剤、防腐剤、香料などの成分を含有することもできる。さらに、多糖類、植物抽出物などを含有することもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の霊芝を含有することを特徴とする運動能力向上剤、筋肉維持剤は、運動能力向上作用、自発運動量向上作用、筋形成促進作用、筋萎縮抑制作用を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す%は重量%を示す。
【実施例1】
【0023】
製造例1 霊芝熱水抽出物
霊芝(Ganoderma lucidum)の乾燥物20gに400mLの精製水を加え、95~100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して霊芝熱水抽出物を1.4g得た。
【0024】
製造例2 霊芝エタノール抽出物
霊芝(Ganoderma lucidum)の乾燥物100gに900mLのエタノールを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、霊芝エタノール抽出物を1.6g得た。
【0025】
製造例3 黒霊芝熱水抽出物
黒霊芝(Ganoderma sinensis)の乾燥物20gに400mLの精製水を加え、95~100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒霊芝熱水抽出物を1.1g得た。
【0026】
製造例4 黒霊芝エタノール抽出物
黒霊芝(Ganoderma sinensis)の乾燥物100gに900mLのエタノールを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮乾固して、黒霊芝エタノール抽出物を1.4g得た。
【実施例2】
【0027】
処方例1 軟カプセル剤
<処方>
成分 含有量(%)
1.霊芝熱水抽出物(製造例1) 30.0
2.米胚芽油 60.0
3.ミツロウ 7.0
4.ビタミンE 3.0
<製造方法>
成分1~4を混合し、ゼラチン、グリセリン、カラメル色素で構成される被膜に、250mg充填し、乾燥後、軟カプセル剤を得る。
<用法>
1日当り4粒摂取する。
【0028】
処方例2 硬カプセル剤
<処方>
成分 含有量(%)
1.霊芝熱水抽出物(製造例1) 20.0
2.コーンスターチ 72.0
3.ショ糖脂肪酸エステル 8.0
<製造方法>
成分1~3を混合し、2号硬カプセルに250mg充填してカプセル剤を得る。
<用法>
1日当り4粒摂取する。
【0029】
処方例3 飲料
<処方>
成分 含有量(%)
1.黒霊芝熱水抽出物(製造例3) 1.0
2.クエン酸 6.0
3.ショ糖 10.0
4.香料 1.0
5.水 82.0
<製造方法>
成分1~4を成分5の一部の水に撹拌溶解する。成分5の残りの水を加えて混合し、殺菌したものを飲料とする。
<用法>
1日当り50mL摂取する。
【0030】
処方例4 顆粒剤
<処方>
成分 含有量(%)
1.霊芝エタノール抽出物(製造例2) 8.0
2.乳糖 80.0
3.セルロース 12.0
<製造方法>
成分1~3を乾式法により造粒し、顆粒剤を得る。
<用法>
1日当り1g摂取する。
【0031】
処方例5 錠剤
<処方>
成分 含有量(%)
1.霊芝熱水抽出物(製造例1) 11.0
2.乳糖 60.0
3.還元麦芽糖水飴 25.0
4.ショ糖脂肪酸エステル 4.0
<製造方法>
成分1~4を混合して打錠成型し、0.5gの錠剤を得る。
<用法>
1日当り2粒摂取する。
【0032】
処方例6 ゼリー
<処方>
成分 含有量(%)
1.黒霊芝エタノール抽出物(製造例4) 0.002
2.カラギーナン 2.0
3.ゼラチン 1.0
4.砂糖 28.5
5.精製水 68.498
<製造方法>
成分1~5を混合し、加熱しながら煮詰め、ゼリーの型に流し込み、冷却する。
<用法>
1日当り1個(100g)を摂取する。
【0033】
処方例7 散剤
<処方>
成分 含有量(%)
1.霊芝熱水抽出物(製造例1) 15.0
2.乾燥コーンスターチ 65.0
3.微結晶セルロース 20.0
<製造方法>
成分1~3を混合し、散剤とする。
<用法>
1日当り1包(3g)を摂取する。
【実施例3】
【0034】
実験例1 自然加齢マウスを用いた自発運動量向上作用
3ヶ月齢のHR-1ヘアレスマウスを用い、普通飼料、あるいは霊芝熱水抽出物(製造例1)を2%添加した飼料によって、飼育を18ヶ月間行った。この時点のマウスの月齢は21ヶ月齢である。18ヶ月飼育後、受動型赤外線センサー(スーパーメックスPYS-001、室町機械株式会社製)を用いて、夜間の自発運動量を7日間測定し、7日間の測定値の合計を自発運動量とした。若齢マウスとして3ヶ月齢のHR-1ヘアレスマウスを、同様に、夜間の自発運動量を7日間測定し、7日間の測定値の合計を自発運動量とした。
【0035】
自発運動量測定の結果を表1に示した。加齢によりマウスの自発運動量は7割程度に低下したが、霊芝抽出物の摂取により若齢マウスの9割以上にまで改善した。
【0036】
【表1】
【0037】
実験例2 遺伝子発現解析試験
実験例1の自発運動量測定後、マウスを頚椎脱臼し、右後肢のふくらはぎ筋肉(以下、単に筋肉)を摘出した。遺伝子発現解析は、抽出したRNAからcDNAを調製し、SYBR Greenを用いたリアルタイムPCR法で行った。尚、遺伝子発現解析に使用したプライマーは以下のとおりである。
【0038】
PGC-1α用のプライマーセット
GATGGCACGCAGCCCTATT(配列番号1)
CGACACGGAGAGTTAAAGGAAGA(配列番号2)
UCP2用のプライマーセット
GCCTCTGGAAAGGGACTTCTC(配列番号3)
ACCAGCTCAGCACAGTTGACA(配列番号4)
UCP3用のプライマーセット
TTTTGCGGACCTCCTCACTT(配列番号5)
TGGATCTGCAGACGGACCTT(配列番号6)
PPARα用のプライマーセット
ACGATGCTGTCCTCCTTGATG(配列番号7)
ACTCGCGTGTGATAAAGCCATT(配列番号8)
GLUT4用のプライマーセット
GATGAGAAACGGAAGTTGGAGAGA(配列番号9)
GCACCACTGCGATGATCAGA(配列番号10)
ADIPOQ受容体1用のプライマーセット
TCCACACAGAGACTGGCAACA(配列番号11)
GCATCGTCAAGATTCCCAGAA(配列番号12)
ACADM用のプライマーセット
AACACTTACTATGCCTCGATTGCA(配列番号13)
CCATAGCCTCCGAAAATCTGAA(配列番号14)
CPT1B用のプライマーセット
GACCCAAAACAGTATCCCAATCA(配列番号15)
CGCCACGGGACCAAAG(配列番号16)
AMPK用のプライマーセット
GTCTGGAGGTGAATTGTTCGACTA(配列番号17)
GCGCGCTTCCACCTCTT(配列番号18)
COX7RP用のプライマーセット
GCTGTGCTTCTGCTCCTGATT(配列番号19)
TGAGCTGGAGAGCAACTTTCC(配列番号20)
CD34用のプライマーセット
CTTCTGCTCCGAGTGCCATT(配列番号21)
ATACCCTGGGCCAACCTCAC(配列番号22)
MYOD1用のプライマーセット
CGAAACACGGGTCATCATAGAA(配列番号23)
TTGGGTAGCCGCTGGTT(配列番号24)
Myogenin用のプライマーセット
GTGGGCATGCAAGGTGTGTA(配列番号25)
TGCGCTTCTCCCTCAGTGT(配列番号26)
FNDC5用のプライマーセット
CAAAGAACAAAGATGAGGTGACCA(配列番号27)
TTCTCCTTGTTGTTATTGGGCT(配列番号28)
IGF-1用のプライマーセット
GTTGCTTCCGGAGCTGTGAT(配列番号29)
GATAGAGCGGGCTGCTTTTG(配列番号30)
IGF-2用のプライマーセット
AACACCGGCTACCACAATG(配列番号31)
GCCAAGCGATAGAGAGAGA(配列番号32)
Atrogin1用のプライマーセット
ATGTTCACAAAGGAAGTACGAAGG(配列番号33)
TGGTCTTCAAGAACTTTCAGTACC(配列番号34)
MuRF1用のプライマーセット
CATCAAGAGCATTGTAGAAGCC(配列番号35)
CTCCTCATCTGTCCCAAAGTC(配列番号36)
MyHC1用のプライマーセット
CCTTGGCACCAATGTCCCGGCTC(配列番号37)
GAAGCGCAATGCAGAGTCGGTG(配列番号38)
MyHC2B用のプライマーセット
GTGATTTCTCCTGTCACCTCTC(配列番号39)
GGAGGACCGCAAGAACGTGCTGA(配列番号40)
IL-1β用のプライマーセット
GATGATAACCTGCTGGTGTGTGA(配列番号41)
GTTGTTCATCTCGGAGCCTGTAG(配列番号42)
IL-6用のプライマーセット
TTCTCTGGGAAATCGTGGAAA(配列番号43)
CTGCAAGTGCATCATCGTTGTT(配列番号44)
CDKN2A用のプライマーセット
TGATGATGATGGGCAACGTT(配列番号45)
TCGAATCTGCACCGTAGTTGAG(配列番号46)
CDKN1A用のプライマーセット
CCGAGAACGGTGGAACTTTG(配列番号47)
AACGCGCTCCCAGACGAA(配列番号48)
TRP53用のプライマーセット
CGACCTATCCTTACCATCATCACA(配列番号49)
GGCACAAACACGAACCTCAA(配列番号50)
SIRT1用のプライマーセット
GCACTAATTCCAAGTTCTATACCC(配列番号51)
GGCAACTCTGATAAATGAACCA(配列番号52)
【0039】
遺伝子発現解析結果を表2に示した。様々な遺伝子発現について検討したところ、筋肉形成促進因子であるMyoD1、Myogenin、FNDC5、IGF-1およびIGF-2において、霊芝抽出物の摂取により1.5倍以上の遺伝子発現促進が認められた。筋萎縮因子であるAtrogin1とMuRF1において、加齢により遺伝子発現が促進したが、霊芝の摂取により、遺伝子発現は半分以下に低下した。表3に、7つの筋肉形成促進因子と筋萎縮因子における、霊芝の遺伝子発現促進率を示した。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
霊芝は、筋肉形成促進因子の遺伝子発現を促進する一方で、筋萎縮因子の遺伝子発現を抑制した。霊芝は遺伝子発現の調節をもって、筋肉形成の促進と筋萎縮の抑制作用を示し、さらに自発運動量も促進したことから、筋肉維持に優れた効果を発揮し、運動能力の向上に極めて有益であることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、運動能力向上作用、自発運動量向上作用、筋肉維持作用を有することから、それらを目的とする食品、医薬部外品、医薬品、家畜およびペット用の飼料として利用できる。
【配列表】
0007253764000001.app