(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】異種内容物混合容器
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
B65D81/32 Q
(21)【出願番号】P 2021558788
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(86)【国際出願番号】 KR2019017156
(87)【国際公開番号】W WO2020213806
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2019-0043677
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521401494
【氏名又は名称】サムファ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】イ,キョンチャン
(72)【発明者】
【氏名】イ,キソン
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-094409(JP,U)
【文献】特開2011-219149(JP,A)
【文献】特開2001-080686(JP,A)
【文献】特開昭60-034362(JP,A)
【文献】特開2003-020058(JP,A)
【文献】特開2016-159938(JP,A)
【文献】特表2002-500604(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0134504(KR,A)
【文献】特開平10-310179(JP,A)
【文献】特表2010-511577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32
B65D 25/02-08
B65D 51/28
B65D 83/00
B05B 11/04
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を備える本体部と、
前記本体部の一端部に回転可能に結合する回転部と
、
前記回転部にネジ結合し、前記内部空間において前記回転部の回転によって直線移動できる移動部と、
前記本体部に設けられ、外力によって弾性変形されて前記内部空間の体積を縮小することができる加圧部と、を含み、
前記移動部によって、前記内部空間は、第1の内容物が充填される第1の空間と第2の内容物が充填される第2の空間とに区分され、
前記移動部の移動によって、前記第1の空間と第2の空間とが連通して、前記第1の内容物
及び前記第2の内容物が混合されることができ、
混合された内容物は、
前記加圧部の弾性変形によって吐出され
、
前記移動部は、前記回転部にねじ結合する移動突起、前記移動突起の回りに形成されたガイド突起、及び、前記移動突起に結合し、前記第1の空間と前記第2の空間とを区分する分離部材を備え、
前記移動突起及び前記ガイド突起は、前記分離部材から下方に延長され、中空の円筒構造を有し、下端部は開放されており、
前記本体部は、第1の本体部と第2の本体部とからなり、
前記第1の本体部には、前記回転部が結合し、前記第2の本体部には、前記加圧部が結合し、
前記第1の本体部の内部中央にセンター突起が形成されており、前記センター突起は、上端と下端の両方が開放された中空の円筒構造であり、
前記ガイド突起の内部には前記センター突起が挿入され、前記センター突起の外部には前記ガイド突起が位置し、前記移動部の上下方向の移動が前記センター突起によってガイドされる、混合容器。
【請求項2】
前記本体部の周面には、加圧孔が形成されており、
前記加圧部は、前記加圧孔に位置し、弾性を有する材質によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の混合容器。
【請求項3】
前記加圧部は、前記本体部に二重射出によって形成されることを特徴とする請求項2に記載の混合容器。
【請求項4】
前記加圧孔は、
前記本体部に対して対称的に形成されることを特徴とする請求項2に記載の混合容器。
【請求項5】
前記分離部材は、
前記本体部の内周面に密着することができることを特徴とする請求項1に記載の混合容器。
【請求項6】
前記分離部材は、傾斜するように形成されることを特徴とする請求項5に記載の混合容器。
【請求項7】
前記第1の本体部の端部は、前記第2の本体部の内部に挿入され、
前記移動部が前記端部の内周面と接することにより、前記第1の空間と第2の空間とが区分され、
前記移動部が前記内周面から分離されることにより、前記第1の空間と第2の空間とが連通することを特徴とする請求項
1に記載の混合容器。
【請求項8】
前記
本体部の他端部には、混合された内容物が吐出される吐出孔が形成され、
前記吐出孔は、カバーによって遮蔽されることができることを特徴とする請求項1に記載の混合容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の内部で異なる2種類の内容物を混合して使用することができる混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる2種類の内容物を1つの容器に分離して収納した後、使用時に混合して使用できるようにする混合容器が用いられている。例えば、内容物が化粧品の場合、ゲル(gel)状のベースとパウダーを混合しないようにそれぞれ保管した後、使用時に混合して使用することができる混合容器が製造及び販売されている。このような混合容器は、異なる2種類の内容物が使用前に混合される場合、長時間の流通過程で内容物が変質したり、その性能が低下したりすることがあり、2種類以上の内容物を混合して使用することにより、機能的に相乗効果を期待することができる場合に主に使用される。
【0003】
大韓民国登録特許第1923306号には、異種物質を混合することができる混合容器が開示されている。上記先行技術文献に開示された混合容器は、2つのポンプを備え、2種類の内容物を、それぞれのポンプによって同時に排出して混合した後、容器の外部に吐出する直前に混合する構造を有する。
【0004】
上記のような構造を有する従来の異種物質の混合容器は、部品数が多くて構造が複雑であるという問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決するために導き出されたもので、その目的は、構造が簡単で、製作及び使用が便利な混合容器を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、以下に述べられる実施例に基づいて明確になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一側面に係る混合容器は、内部空間を備える本体部と、本体部の一端部に回転可能に結合する回転部と、回転部にねじ結合し、内部空間において回転部の回転によって直線移動できる移動部と、本体部に設けられ、外力によって弾性変形されて内部空間の体積を縮小することができる加圧部と、を含み、移動部によって、内部空間は、第1の内容物が充填される第1の空間と第2の内容物が充填される第2の空間とに区分され、移動部の移動によって、第1の空間と第2の空間とが連通して、第1の内容物及び第2の内容物が混合されることができ、混合された内容物は、加圧部の弾性変形によって吐出される。
【0009】
本発明に係る混合容器は、以下のような実施例を1つ又はそれ以上備えることができる。例えば、本体部の周面には、加圧孔が形成されており、加圧部は、加圧孔に位置し、弾性を有する材質によって形成されることができる。
【0010】
加圧部は、本体部に二重射出によって形成されることができる。そして、加圧孔は、容器本体に対して対称的に形成されることができる。
【0011】
移動部は、回転部にねじ結合する移動突起と、移動突起に結合し、第1の空間と第2の空間とを区分する分離部材とを備え、分離部材は、本体部の内周面に密着することができる。
【0012】
分離部材は、傾斜するように形成することができる。
【0013】
本体部は、第1の本体部と第2の本体部とからなり、第1の本体部には、回転部が結合し、第2の本体部には、加圧部が結合することができる。
【0014】
第1の本体部の端部は、第2の本体部の内部に挿入され、移動部が端部の内周面と接することにより、第1の空間と第2の空間とが区分され、移動部が内周面から分離されることにより、第1の空間と第2の空間とが連通することができる。
【0015】
容器本体の他端部には、混合された内容物が吐出される吐出孔が形成され、吐出孔は、カバーによって遮蔽されることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、製作及び使用が便利な混合容器を提供することができる。
【0017】
また、本発明は、内容物の形態に関係なく、容易に混合して使用することができる混合容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施例に係る混合容器を例示する斜視図である。
【
図2】
図1のAA線に沿った混合容器の断面図である。
【
図3】
図2のCC線に沿った混合容器の断面図である。
【
図4】移動部、第1の本体部及び回転部の分解断面図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る混合容器に異なる2種類の内容物が充填された状態を例示する断面図である。
【
図6】
図5において、回転部の回転によって、第1の内容物が第2の内容物が充填されている空間に流入される状態を例示する断面図である。
【
図7】第1の内容物と第2の内容物とが混合された状態を例示する断面図である。
【
図8】加圧部の変形によって混合物が容器の外部に排出される状態を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、様々な変換を加えることができ、複数の実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、本発明を特定の実施形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。本発明を説明するに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0020】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、“含む”又は“有する”などの用語は、明細書上に記載されている特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするだけであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除するわけではないと理解されるべきである。
【0021】
第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記構成要素らは、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明による実施例を詳細に説明することとし、添付の図面を参照して説明するにあたり、図面符号に関係なく、同一又は対応する構成要素は、同じ参照番号を付し、これに対する重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施例に係る混合容器100を例示する斜視図である。そして、
図2は、
図1のAA線に沿った混合容器100の断面図であり、
図3は、
図2のCC線に沿った混合容器100の断面図である。また、
図4は、移動部140、第1の本体部130、及び回転部110の分解断面図である。
【0024】
図1乃至
図4を参照して、本実施例に係る混合容器100は、異なる2種類の物質をそれぞれ分離して保管し、使用時には、2つの物質を混合して使用できるようにする容器に該当する。混合容器100に充填される物質は、液状、パウダー、カプセルなどの様々な種類及び形態であることができ、本発明は、混合容器100の内部に充填される物質の種類及び形態によって制限されない。
【0025】
混合容器100の内部空間は、移動部130によって第1の空間102と第2の空間104とに区分される。第1の空間102には、第1の内容物106が充填され、第2の空間104には、第1の内容物と同じか異なる第2の内容物108が充填される(
図5を参照)。そして、第1の内容物106と第2の内容物108との混合物を使用するためには、回転部110を回転させて第1の空間102と第2の空間104とが連通するようにする。これにより、第1の内容物106と第2の内容物108とが混合されることができる(
図7を参照)。そして、混合容器100の側面に備えられた加圧部170を容器内側に加圧することにより、混合物107が容器外部に吐出される。
【0026】
このように、本実施例に係る混合容器100は、本体部130、160と、回転部110と、移動部140と、加圧部170と、を含むもので、構成が簡単で製造及び組み立てが容易であるという長所を持つ。また、回転部110の回転による内容物の混合及び加圧部170の加圧による混合物の吐出という2つの過程が要求されるので、使用が便利であるという長所もある。
【0027】
本実施例に係る混合容器100は、全体的に円柱状を有し、上からカバー部180、本体部130、160、加圧部170及び回転部110が外部に露出される。加圧部170は、本体部160の周りに位置する。
【0028】
本体部130、160は、混合容器100で内容物106、108が充填される内部空間を形成する。内部空間は、移動部140によって第1の空間102及び第2の空間104に分離することができる。
【0029】
本体部は、第1の本体部130及び第2の本体部160の2つの部分からなることができる。第1の本体部130及び第2の本体部160は、相互に結合されて1つの本体部を形成する。
【0030】
第1の本体部130は、第2の本体部160の下部に結合し、その周りには、回転部110が回転可能に結合する。そして、第1の本体部130が形成する内部空間には、第1の空間102が形成される。
【0031】
第1の本体部130は、下面が閉鎖され、上面が開放されている中空の円柱構造を有する。
【0032】
第1の本体部130は、円柱を形成する周面132を備える。周面132の外側面には、結合突起134が備えられている。結合突起134は、第2の本体部160の端部162に結合され、これにより、第1の本体部130が第2の本体部160に連続的で回転不能に結合される。第1の本体部130及び第2の本体部160は、回転部110の回転にもかかわらず、回転しないことができる。結合突起134は、混合容器100の外部に露出される。
【0033】
第1の本体部130の周面132の外径は、第2の本体部160の内径と同じかほぼ同じことができる。これにより、第1の本体部130の周面132の一部は、第2の本体部160の内部に挿入される。また、第1の本体部130において、結合突起134の下部には、回転部110が回転可能に結合する。回転部110の外径は、結合突起134の外径及び第2の本体部160の外径と等しく形成される。これにより、混合容器100において、外部に露出される回転部110、第1の本体部130の結合突起134及び第2の本体部160は、すべて同じ外径を持っているので、段差のないなめらかな容器の外観を提供することができる。
【0034】
周面132の端部137は、第2の本体部160の内部に位置し、先端に行くほど徐々に薄く形成することができる。端部137の内周面には、移動部140の分離部材152が接しており、これにより、内部空間が第1の空間102と第2の空間104とに分離される。
【0035】
周面132には、外向きに突出した係止突起136が形成される。係止突起136は、回転部110の周面112に形成された係止溝114に挿入される。これにより、回転部110は、第1の本体部130の外周面に回転可能に結合されて分離されない。
【0036】
第1の本体部130の内部中央には、センター突起138が形成されている。センター突起138は、一定の長さを有する中空の円柱構造で形成される。そして、センター突起138の上端と下端の両方は、開放された構造を有する。センター突起138の内部には、回転部110の回転軸116と移動部140の移動突起142とが挿入される。また、センター突起138の外部には、移動部140のガイド突起148が位置する。このように、センター突起138は、移動部140の移動突起142及びガイド突起148をガイドするもので、移動部140が移動する場合、遊隔が発生することを防止する役割をして、スムーズな昇下降を可能にする。
【0037】
第2の本体部160は、円柱状を有し、その上部には、傾斜部166及び吐出孔168が形成されている構造を有する。また、第2の本体部160の下部は、開放された構造を有する。第2の本体部160は、第1の本体部130と結合して混合容器100の内部空間を形成する。そして、第2の本体部160の周りには、2つの加圧孔164が一定の間隔を隔てて相互対称的に形成されている。
【0038】
加圧孔164は、第2の本体部160の周りに形成された穴に該当する。そして、加圧孔164は、加圧部170によって完全にカバーされる。すなわち、加圧部170は、一定の形状を有する加圧孔164に完全に挿入され、残りの部分は、第2の本体部160の周りを完全に包み込む構造を持つことができる。加圧孔164に位置している加圧部170の部分に外力が作用すると、加圧部170の弾性力によって加圧部170が伸びられて内部空間に流入することができる(
図8を参照)。これにより、内部空間の体積が縮小されて混合物が外部に排出される。
【0039】
本実施例に係る混合容器100は、同じサイズを有し、相互対称的に形成される2つの加圧孔164を有するものと例示したが、本発明は、加圧孔164の個数、大きさ及び配置構造によって制限されない。したがって、本発明の他の実施例に係る混合容器は、1つ又は3つ以上の加圧孔を備えることができる。また、加圧孔164が混合容器100の長さ方向に対して同じ高さを有するものと例示したが、相違する高さを有する加圧孔が形成されることができる。
【0040】
第2の本体部160において、加圧孔164が形成されている部分の外周面には、一定の深さを有する溝が形成されることができる。そして、加圧部170は、前記第2の本体部160の外周面に形成された溝に挿入されて、
図1のように全体的になめらかな形状を提供することができる。
【0041】
第2の本体部160の端部162は、第1の本体部130の結合突起134と回転不能に結合する。
【0042】
本実施例に係る混合容器100は、第1の本体部130と第2の本体部160との2つの部分からなる本体部を有するものと例示したが、本発明の他の実施例に係る混合容器は、1つから構成された本体部を備えることができ、この場合、第1の本体部130と第2の本体部160とが一体に形成された構造を持つことができる。
【0043】
加圧部170は、第2の本体部160の周りに二重射出によって形成されるもので、その一部は、加圧孔164の内部に挿入される。ただし、加圧孔164に挿入された加圧部170の部分は、第2の本体部160の内周面から突出しないことができる。
【0044】
加圧部170は、ゴム、エラストマー(elastomer)又はシリコンなどのように、外力を加えたときに伸びる性質を有する材料によって形成されることができる。そして、本実施例に係る第2の本体部160は、一定の剛性を有するプラスチック材料によって形成されるので、加圧部170は、第2の本体部160に対して二重射出によって一体に形成されることができる。
【0045】
加圧孔164に位置する加圧部170を押すと、弾性的に伸びられて混合容器100の内部空間に突出される(
図8を参照)。このように加圧されて伸びられた加圧部170は、内部空間の体積を減らして、混合物107が吐出孔168を介して混合容器100の外部に排出されるようにする。
【0046】
第2の本体部160の吐出孔168は、混合物が排出される通路に該当する。吐出孔168は、カバー部180によって閉鎖されることができる。カバー部180は、中空の円柱状を有し、その上面は閉鎖され、下面は開放された構造を有する。そして、カバー部180の内部には、漏れ防止突起182が形成されている。カバー部180が第2の本体部160に結合する際に、漏れ防止突起182は、吐出孔168に挿入され、これにより、混合物107の漏れが防止されることができる。
【0047】
回転部110は、第1の本体部130に回転可能に結合して、その回転によって移動部140を移動させる。回転部110は、一面が開放され、他面が閉鎖された中空の円柱状をしており、周面112とその内部中央に形成された回転軸116とを備える。
【0048】
回転部110の周面112は、回転部110の外周面を形成するもので、一定の高さを有する。周面112の外径は、第2の本体部160の外径と等しく形成されることができ、これにより、混合容器100の外面に段差が形成されず、なめらかに形成されることができる。そして、周面112の内周面には、係止溝114が形成されている。係止溝114には、第1の本体部130の外周面に形成された係止突起136が挿入され、これにより、回転部110が、第1の本体部130から離脱せず、回転だけをすることができる。
【0049】
回転部110の内部中央には、回転軸116が突出形成されている。回転軸116は、回転部110の回転中心に該当するもので、第1の本体部130に形成されたセンター突起138及び移動部140の移動突起142にそれぞれ挿入される。
【0050】
回転軸116の周りには、ねじ山118が形成されている。上記ねじ山118は、移動突起142の内部に形成されたねじ山144とネジ結合する。したがって、昇下降せず、回転運動だけをする回転軸116が回転すると、ねじ結合された移動突起142が上昇運動をすることができるようになる。すなわち、回転部110の回転運動によってねじ結合された移動部140が直線往復運動をすることができるようになる。
【0051】
回転軸116の端部には、離脱防止突起120が形成されている。離脱防止突起120は、回転軸116の他の部分に比べて直径が大きく形成される。これにより、移動部140が回転軸116の回転によって上昇している途中、その内部に形成された内部突起146が離脱防止突起120に係止されることにより、移動部140の追加的な移動が制限される(
図7を参照)。
【0052】
移動部140は、回転部110の回転に連動して、内部空間で昇下降しながら第1の空間102と第2の空間104とを連通するか分離する。すなわち、移動部140は、回転部110とネジ結合して、回転部110の回転運動を直線往復運動に変換する。また、移動部140は、第1の本体部130のセンター突起138によってその移動がガイドされる。
【0053】
移動部140は、移動突起142と、ガイド突起148と、分離部材152と、を含む。
【0054】
移動突起142は、分離部材152から下方に延長される部分で、中空の円筒構造を有し、その下端部は開放されている。移動突起142の内周面には、ねじ山144が形成されており、上記ねじ山144は、回転部110のねじ山118とネジ結合する。
【0055】
移動突起142の内周面においてネジ山144の上部には、内部突起146が形成されている。内部突起146は、移動部140の上昇過程で回転軸116の離脱防止突起120に係止され(
図8を参照)、これにより、移動部140の追加上昇が防止されて回転軸116からの離脱が防止される。
【0056】
移動突起142の周りには、ガイド突起148が形成されている。ガイド突起148も中空の円筒構造を有し、その下端部は開放されている。ガイド突起148の長さは、移動突起142に比べて短く形成され、その直径は移動突起142に比べてやや大きく形成される。ガイド突起148の内部には、第1の本体部130のセンター突起138が挿入され、これにより、移動部140の上下方向の移動がセンター突起138によってガイドされて移動過程で遊隔が防止され、安定してスムーズな移動が可能になる。
【0057】
移動突起142とガイド突起148の上端部には、分離部材152が備えられている。分離部材152は、ドーム(dome)形状を有し、その上面は開放されている。そして、分離部材152は、その断面が上方に傾斜した構造を有する。また、分離部材152の端部には、分離突起154が上方に突出される。
【0058】
分離部材152は、第1の空間102と第2の空間104とを区分する役割をする。すなわち、
図2及び
図3に例示されたように、分離部材152の端部が第1の本体部130の内周面に接する場合には、第1の空間102と第2の空間104とが分離される。そして、移動部140の直線移動によって、分離部材152が第1の本体部130の内周面と接しない場合(
図6乃至
図8を参照)、第1の空間102と第2の空間
104とが連通する。
【0059】
分離部材152の最大直径は、第1の本体部130の内周面の直径に比べてやや大きく形成されることができる。これにより、分離部材152の端部が第1の本体部130の内周面を加圧しながら接触し、これにより、第1の空間102と第2の空間104とが分離されて、第1の空間102に注入された第1の内容物106が第2の空間104へ流出されることが防止されることができる。
【0060】
以下では、
図5乃至
図8を参照して、本実施例に係る混合容器100についてより具体的に説明する。
【0061】
図5は、混合容器100に異なる2種類の内容物106、108が充填された状態を例示する断面図であり、
図6は、
図5において回転部110の回転によって第1の内容物106が、第2の内容物108が充填された第2の空間104へ流入される状態を例示する断面図である。そして、
図7は、第1の内容物106と第2の内容物108が完全に混合された状態を例示する断面図であり、
図8は、加圧部170の変形によって混合物107が容器外部に排出される状態を例示する断面図である。
【0062】
図5を参照して、混合容器100の内部空間は、移動部140の分離部材152によって、第1の空間102と第2の空間104とに分離される。第1の空間102には、第1の内容物106が充填され、第2の空間104には、第2の内容物108が充填されている。そして、分離部材152によって、第1の内容物106と第2の内容物108は混合されない。
図5のように、第1の内容物106と第2の内容物108が混合されていない状態で混合容器100が製造されて長時間流通されることができるので、内容物の混合により発生する変質又は機能の低下を予防することができる。
【0063】
本実施例に係る混合容器100は、第1の内容物106が注入される部分と第2の内容物108が注入される部分とをそれぞれ製作した後、これらを相互に結合することにより、
図5のような完成された混合容器
100を容易に製作することができる。すなわち、第2の本体部160の内部には、第2の内容物106を注入する。この場合、第2の本体部160の端部には、カバー部180が結合されることができる。そして、回転部110の内部に第1の本体部130を挿入し、その内部空間に、第1の内容物106を注入した後、移動部140でカバーして、第1の内容物106の漏れを防止する。第1の内容物106が充填された回転部110、第1の本体部130及び移動部140の結合体は、第2の本体部160の端部162に結合して混合容器100の製作を完成することができる。
【0064】
図6を参照して、
図5の状態で回転部110を回転させると、回転軸116にねじ結合された移動部140が下降する。移動部140の移動により、分離部材152によって密閉された第1の空間102が開放され、第1の内容物106が第2の空間104の方向に流入される。
【0065】
図7を参照して、
図6において一定時間が経過すると、第1の内容物106が第2の空間104に流入され、第2の内容物108と混合されて混合物107が形成される。
【0066】
もちろん、混合容器100において、
図6及び
図7とは逆に、回転部110が下部に位置する場合には、第2の内容物108が第1の空間102の内部に流入されて混合物107が生成されることもできる。
【0067】
図8を参照して、
図7のように混合物107が生成された状態で、側面に形成された加圧部170を内側に加圧すると、伸縮性を有する加圧部170の性質によって加圧部170が弾性的に変形して内部空間に突出される。加圧部170の突出によって内部空間の体積が縮小され、その結果、圧力が増加しながら、混合物107が吐出孔168を介して外部に排出されることができる。
【0068】
本実施例に係る混合容器100は、回転部110を回転させた後、加圧部170を押すだけで、混合物107が吐出されるので、使用が便利であるという長所を有する。また、パウダー又はカプセル形態の内容物と液状内容物の混合も容易であるため、内容物の種類によって制限を受けない。また、混合容器100は、回転部110と、第1及び第2の本体部130、160と、移動部140と、加圧部170とを備える単純な構成を有するため、生産及び組み立てが容易であるという長所も有する。
【0069】
上記では、本発明の一実施例を参照して説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解できるだろう。