(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】半導体装置の製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
H01L21/60 301L
(21)【出願番号】P 2022527877
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 JP2021025429
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早田 滋
(72)【発明者】
【氏名】角谷 修
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-021923(JP,A)
【文献】特開2002-261114(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158588(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対して所定の処理を施すツールであって、前記ワークに対して移動可能なツールと、
前記ツールとともに移動する光学機構と、
コントローラと、
を備え、前記光学機構は、
撮像範囲内に設定された基準点を撮像した第一画像を取得する第一撮像ユニットと、
前記ツールと所定の間隔を有して形成された参照点を撮像した第二画像を取得する第二撮像ユニットと、
を備え、前記コントローラは、前記第一画像に基づいて、前記ワークに対する前記ツールの位置決めを行い、前記第二画像に基づいて、前記ツールの位置決めの補正量を算出する、
ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記コントローラは、前記第一撮像ユニットの光軸である第一光軸と、前記ツールと、のオフセットであるボンディングオフセットを予め記憶しており、
前記コントローラは、前記第一画像内における前記基準点の座標と、前記ボンディン
グオフセットと、に基づいて前記ツールの位置決めを行い、前記第二画像内における前記参照点の座標の変化に基づいて、前記ボンディン
グオフセットの変動を相殺する位置決め補正量を算出する、
ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記第一撮像ユニットと前記第二撮像ユニットは、共通の撮像素子を有しており、
前記第一撮像ユニットは、前記基準点からの光である第一視野光を前記撮像素子に導く第一光学素子群を備え、
前記第二撮像ユニットは、前記参照点からの光である第二視野光を前記撮像素子に導く第二光学素子群を備え、
前記第二視野光の光路である第二光路は、前記参照点から前記撮像素子に向かう途中に位置する合流点において、前記第一視野光の光路である第一光路に合流している、
ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記第一撮像ユニットは、前記基準点を照射する第一照明を備え、
前記第二撮像ユニットは、前記参照点を照射する第二照明を備え、
前記コントローラは、前記第一照明および前記第二照明のうち点灯させる照明を切り替えることで、前記撮像
素子で撮像する視野を切り替える、
ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記第一光路の光路長と前記第二光路の光路長は、等しい、ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記第一撮像ユニットおよび前記第二撮像ユニットのうち少なくとも一方は、前記合流点より撮像対象側に配置され、フォーカスを調整する1以上のフォーカスレンズを有する、ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記第一光学素子群を構成する1以上の光学素子および前記第二光学素子群を構成する1以上の光学素子のうち、少なくとも2つの光学素子は、互いに貼り合わされて一体化されている、ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記コントローラは、前記ツールが停止または低速移動する期間中に前記第二画像の撮像および前記位置決め補正量の算出を実行する、ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記ツールは、前記ワークに設けられた電極間をワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、前記ワイヤが挿通されるキャピラリであり、
前記コントローラは、前記ワイヤの先端を溶融させるために放電する放電期間中または前記電極に前記ワイヤの先端が接触する高さ位置を探索するために前記キャピラリが低速下降するサーチ期間中に、前記第二画像の撮像および前記位置決め補正量の算出を実行する、
ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造装置であって、
前記ツールは、前記ワークに設けられた電極間をワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、前記ワイヤが挿通されるキャピラリであり、
前記半導体装置の製造装置は、さらに、
前記キャピラリを保持するホーンと、
前記ホーンの上に設けられ、前記キャピラリを通過したワイヤを把持する一対のアームを有するクランパと、
を備えており、前記参照点は、前記ホーンの表面であって、前記一対のアームの間の間隙の真下部分の点である、
ことを特徴とする半導体装置の製造装置。
【請求項11】
ワークに対して移動可能なツールで、前記ワークに対して所定の処理を施すことで半導体装置を製造する半導体装置の製造方法であって、
前記ツールとともに移動可能な第一撮像ユニットで、撮像範囲内に設定された基準点を撮像して第一画像を取得するステップと、
前記ツールおよび前記第一撮像ユニットとともに移動可能な第二撮像ユニットで、前記ツールと所定の間隔を有して形成された参照点を撮像して第二画像を取得するステップと、
前記第一画像に基づいて、前記ワークに対する前記ツールの位置決めを行うステップと、
前記第二画像に基づいて、前記ツールの位置決めの補正量を算出するステップと、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、半導体装置を製造する製造装置および製造方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造装置、例えば、ワイヤボンディング装置やダイボンディング装置は、ワークに対して所定の処理を施すツールを有している。例えば、ワークに設けられた電極間をワイヤで接続するワイヤボンディング装置は、ツールとして、ワイヤが挿通されるキャピラリを有する。また、ワークである基板に、半導体チップをボンディングするダイボンディング装置は、ツールとして半導体チップを保持するコレットを有する。
【0003】
半導体装置を適切に製造するためには、このツールがワークに対して正確に位置決めされる必要がある。そこで、従来から、ツールとともに移動するカメラを設け、このカメラでワークの一部を撮像し、得られた画像に基づいて、ツールの位置決めを行うことが提案されている。すなわち、予め、カメラとツールとの相対位置関係をボンディングオフセットとして記憶しておく。そして、ワークに設けられた基準点をカメラで撮像し、得られた画像に基づいてカメラとワークとの相対位置関係を特定し、この特定された相対位置関係と既知のボンディングオフセットと、を組み合わせることで、ツールのワークに対する相対位置関係が特定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ボンディングオフセットは、温度変化等に起因して、初期値からズレる。そして、ボンディングオフセットが、初期値から変化すると、ツールのワークに対する相対位置関係を正確に算出できず、ツールの位置決め精度が低下する。
【0006】
そこで、従来から、ボンディングオフセットを補正する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、所定位置に設けられたリファレンス部材を用いて、ツールの像光を、位置決め用カメラに導いて撮像するボンディング装置が開示されている。リファレンス部材は、反射面を有する複数の光学部材を有しており、一つの光学部材に近接したツールの像光を位置決め用カメラに導く。そして、特許文献1では、得られたツールの撮像画像に基づいて、正確なボンディングオフセット量、ひいては、位置決め補正量を算出している。
【0007】
特許文献1のような技術によれば、位置決め補正量を精度よく特定できる。しかしながら、特許文献1においてリファレンス部材は、ツールから離間した所定位置に固定されている。そのため、正確なボンディングオフセット量を算出するためには、ワークに対する処理を一時的に中断し、ツールをリファレンス部材の近傍まで移動させる必要がある。その結果、特許文献1の技術では、半導体装置製造のタスクタイム増加を招いていた。
【0008】
また、別の技術として、ツールや位置決め用カメラに温度センサを設け、測定された温度に応じて、ボンディングオフセット量を補正することも提案されている。しかし、ツールと位置決め用カメラとの間には、素材が異なる多数の部材が介在しており、発熱源も複数存在する。そのため、ツールと位置決め用カメラとの間の温度分布は、複雑に変化し、それに伴い、ボンディングヘッドオフセットの変動量も複雑に変化する。そのため、検知温度だけで位置決めを精度よく補正することは難しかった。
【0009】
そこで、本明細書では、位置決め補正量の精度をより簡易に向上できる製造装置および製造方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書で開示する半導体装置の製造装置は、ワークに対して所定の処理を施すツールであって、前記ワークに対して移動可能なツールと、前記ツールとともに移動する光学機構と、コントローラと、を備え、前記光学機構は、撮像範囲内に設定された基準点を撮像した第一画像を取得する第一撮像ユニットと、前記ツールと所定の間隔を有して形成された参照点を撮像した第二画像を取得する第二撮像ユニットと、を備え、前記コントローラは、前記第一画像に基づいて、前記ワークに対する前記ツールの位置決めを行い、前記第二画像に基づいて、前記ツールの位置決めの補正量を算出する、ことを特徴とする。
【0011】
この場合、前記コントローラは、前記第一撮像ユニットの光軸である第一光軸Ao1と、前記ツールと、のオフセットであるボンディングオフセットを予め記憶しており、前記コントローラは、前記第一画像内における前記基準点の座標と、前記ボンディングヘッドオフセットと、に基づいて前記ツールの位置決めを行い、前記第二画像内における前記参照点の座標の変化に基づいて、前記ボンディングヘッドオフセットの変動を相殺する位置決め補正量を算出してもよい。
【0012】
また、前記第一撮像ユニットと前記第二撮像ユニットは、共通の撮像素子を有しており、前記第一撮像ユニットは、前記基準点からの光である第一視野光を前記撮像素子に導く第一光学素子群を備え、前記第二撮像ユニットは、前記参照点からの光である第二視野光を前記撮像素子に導く第二光学素子群を備え、前記第二視野光の光路である第二光路は、前記参照点から前記撮像素子に向かう途中に位置する合流点において、前記第一視野光の光路である第一光路に合流してもよい。
【0013】
この場合、前記第一撮像ユニットは、前記基準点を照射する第一照明を備え、前記第二撮像ユニットは、前記参照点を照射する第二照明を備え、前記コントローラは、前記第一照明および前記第二照明のうち点灯させる照明を切り替えることで、前記撮像装置で撮像する視野を切り替えてもよい。
【0014】
また、前記第一光路の光路長と前記第二光路の光路長は、等しくてもよい。
【0015】
また、前記第一撮像ユニットおよび前記第二撮像ユニットのうち少なくとも一方は、前記合流点より撮像対象側に配置され、フォーカスを調整する1以上のフォーカスレンズを有してもよい。
【0016】
また、前記第一光学素子群を構成する1以上の光学素子および前記第二光学素子群を構成する1以上の光学素子のうち、少なくとも2つの光学素子は、互いに貼り合わされて一体化されてもよい。
【0017】
また、前記コントローラは、前記ツールが停止または低速移動する期間中に前記第二画像の撮像および前記位置決め補正量の算出を実行してもよい。
【0018】
この場合、前記ツールは、前記ワークに設けられた電極間をワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、前記ワイヤが挿通されるキャピラリであり、前記コントローラは、前記ワイヤの先端を溶融させるために放電する放電期間中または前記電極に前記ワイヤの先端が接触する高さ位置を探索するために前記キャピラリが低速下降するサーチ期間中に、前記第二画像の撮像および前記位置決め補正量の算出を実行してもよい。
【0019】
また、前記ツールは、前記ワークに設けられた電極間をワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、前記ワイヤが挿通されるキャピラリであり、前記半導体装置の製造装置は、さらに、前記キャピラリを保持するホーンと、前記ホーンの上に設けられ、前記キャピラリを通過したワイヤを把持する一対のアームを有するクランパと、を備えており、前記参照点は、前記ホーンの表面であって、前記一対のアームの間の間隙の真下部分の点であってもよい。
【0020】
また、本明細書で開示する半導体装置の製造方法は、ワークに対して移動可能なツールで、前記ワークに対して所定の処理を施すことで半導体装置を製造する半導体装置の製造方法であって、前記ツールとともに移動可能な第一撮像ユニットで、撮像範囲内に設定された基準点を撮像して第一画像を取得するステップと、前記ツールおよび前記第一撮像ユニットとともに移動可能な第二撮像ユニットで、前記ツールと所定の間隔を有して形成された参照点を撮像して第二画像を取得するステップと、前記第一画像に基づいて、前記ワークに対する前記ツールの位置決めを行うステップと、前記第二画像に基づいて、前記ツールの位置決めの補正量を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本明細書で開示する技術によれば、ツールとともに移動する第二撮像ユニットで、参照点を撮像し、得られる第二画像に基づいて、位置決め補正量を算出している。その結果、位置決め補正量の精度をより簡易に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】半導体装置の製造装置の一種であるワイヤボンディング装置の構成を示す図である。
【
図2】ワイヤボンディング装置を
図1と異なる角度からみた図である。
【
図5】タイミングT1で撮像された第二画像と、異なるタイミングT2で撮像された第二画像と、のイメージ図である。
【
図13】ダイボンディング装置の構成を示す図である。
【
図15(a)】光学素子群の一例を示す斜視図である。
【
図15(b)】光学素子群の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して半導体装置の製造装置の構成について説明する。
図1、
図2は、半導体装置の製造装置の一種であるワイヤボンディング装置10の構成を示す図である。
【0024】
ワイヤボンディング装置10は、ワーク100に設けられた二つの電極間を導電性のワイヤで接続することで半導体装置を製造する。ワーク100は、例えば、半導体チップがマウントされたリードフレームである。通常、半導体チップおよびリードフレームには、それぞれ、電極が設けられており、これら電極をワイヤで電気的に接続することで、半導体装置が製造される。かかるワーク100は、ステージ200に載置されている。
【0025】
ワイヤボンディング装置10は、XYステージ22に組み付けられたボンディングヘッド12を有する。XYステージ22は、ボンディングヘッド12を水平方向、すなわち、X方向およびY方向に移動させる。ボンディングヘッド12には、超音波ホーン16鉛直方向(すなわちZ方向)に移動可能に取り付けられている。超音波ホーン16は、ホーンホルダ14を介してボンディングヘッド12に取り付けられている。超音波ホーン16は、超音波振動を発生させ、キャピラリに伝搬させる。キャピラリ18は、超音波ホーン16の末端に取り付けられるとともに、ワイヤが挿通される筒状部材である。このキャピラリ18は、ワーク100に対して所定の処理を施すツールとして機能する。超音波振動が、このキャピラリ18を介して、ワイヤに伝達される。さらに、キャピラリ18の上方には、キャピラリ18とともに移動し、ワイヤを挟持するクランパ20が設けられている。
【0026】
光学機構24は、キャピラリ18とともに移動する。この光学機構24は、第一撮像ユニットと、第二撮像ユニットと、を有するが、その具体的構成については、後述する。コントローラ28は、ワイヤボンディング装置10を構成する各部の駆動を制御する。例えば、コントローラ28は、光学機構24で得られた画像に基づいて、キャピラリ18の位置決めや、位置決め補正量の算出を行うが、これについては、後述する。
【0027】
次に、光学機構24の構成について詳説する。
図3,
図4は、光学機構24の構成を示す図である。上述した通り、光学機構24は、第一撮像ユニットと第二撮像ユニットとを有する。本例において、第一撮像ユニットおよび第二撮像ユニットは、その構成要素の一部を共有している。
【0028】
第一撮像ユニットは、ワーク100の少なくとも一部である基準点Psを撮像した第一画像を取得するユニットである。なお、基準点Psは、ワーク100の特定位置を示す点であれば、特に限定されない。したがって、基準点Psは、例えば、ワーク100に設けられたチップの角部でもよい。また、基準点Psは、一つに限らず、複数でもよい。
【0029】
第一撮像ユニットは、二つの撮像素子46,48と、二つのレンズ42,44と、基準点Psからの光を撮像素子46,48に導く第一光学素子群と、第一照明50と、を有する。高倍率撮像素子46および低倍率撮像素子48は、いずれも、CCDやCMOS等を備えた撮像素子である。これら撮像素子46,48の手前には、高倍率レンズ42および低倍率レンズ44が配置される。
【0030】
第一光学素子群は、第一ハーフミラー30、第二ハーフミラー32、第五ハーフミラー38、第六ミラー40を有する。第一ハーフミラー30は、Z方向およびY方向に対して、約45度傾斜した反射面を有している。この第一ハーフミラー30は、Z方向真下に位置する基準点Psからの光をY方向に屈曲させるとともに、第一ハーフミラー30のZ方向上側に配置された第一照明50の光を透過させる。以下では、基準点Psから第一ハーフミラー30に入射する視野光を、「第一視野光」と呼ぶ。また、第一ハーフミラー30の中心を通る鉛直方向の軸を「第一光軸Ao1」と呼ぶ。
【0031】
第二ハーフミラー32は、X方向およびY方向に対して約45度傾斜した反射面を有している。この第二ハーフミラー32は、第一視野光を透過させるとともに、後述する第二視野光を、Y方向に屈曲させる。第五ハーフミラー38は、Z方向およびY方向に対して、約45度傾斜した反射面を有しており、第一視野光および第二視野光を、Y方向およびZ方向に分岐させる。第五ハーフミラー38を透過してY方向に進む第一視野光および第二視野光は、高倍率レンズ42を経由したうえで高倍率撮像素子46に到達し、撮像される。
【0032】
第六ミラー40は、Z方向およびY方向に対して、約45度傾斜した反射面を有しており、第五ハーフミラー38からZ方向に進んだ第一視野光および第二視野光をY方向に屈曲させる。第六ミラー40で反射してY方向に進む第一視野光および第二視野光は、低倍率レンズ44を経由したうえで低倍率撮像素子48に到達し、撮像される。
【0033】
第一照明50は、基準点Psを照らすために、第一ハーフミラー30のZ方向真上に配置される照明である。この第一照明50の点灯させることで、基準点Psが照らし出され、基準点Psの撮像素子46,48での撮像が可能となる。
【0034】
ここで、上述した通り、撮像素子46,48で撮像された基準点Psの画像が、「第一画像」である。第一ハーフミラー30の中心点は、第一画像の中心点、ひいては、第一光軸に対応する。コントローラ28は、この第一光軸Ao1とキャピラリ18の中心軸との、水平方向の位置偏差を、ボンディングヘッドオフセットBO(Xbo,Ybo)として記憶している。そして、コントローラ28は、第一画像およびボンディングヘッドオフセットBOに基づいて、キャピラリ18のワーク100に対する位置決めを実行するが、これについては、後述する。
【0035】
次に、第二撮像ユニットについて説明する。第二撮像ユニットは、キャピラリ18と所定の間隔を有して形成された点、換言すれば、キャピラリ18との相対位置関係が不変とみなせる点である参照点Prを撮像した第二画像を取得するユニットである。コントローラ28は、この第二画像に基づいて、位置決めの補正量を算出するが、これについては、後述する。また、本例の場合、超音波ホーン16の上面の一点を参照点Prとして撮像するが、これについても後述する。
【0036】
第二撮像ユニットは、二つの撮像素子46,48と、二つのレンズ42,44と、参照点Prからの光を撮像素子46,48に導く第二光学素子群と、第二照明52と、を有する。高倍率撮像素子46、低倍率撮像素子48、高倍率レンズ42および低倍率レンズ44は、第一撮像ユニットと同じものを共用している。
【0037】
第二光学素子群は、第三ハーフミラー34、第四ミラー36、第二ハーフミラー32、第五ハーフミラー38、第六ミラー40を有する。第三ハーフミラー34は、Z方向およびY方向に対して、約45度傾斜した反射面を有している。この第三ハーフミラー34は、Z方向真下に位置する参照点Prからの光を透過させるとともに、第二照明52からの光を、屈曲させて、参照点Prに導く。以下では、参照点Prから第三ハーフミラー34に入射する視野光を、「第二視野光」と呼ぶ。また、第三ハーフミラー34の中心を通る鉛直方向の軸を「第二光軸Ao2」と呼ぶ。
【0038】
第四ミラー36は、X方向およびZ方向に傾斜した反射面を有する。この第四ミラー36は、第三ハーフミラー34を透過してZ方向に進む第二視野光を、第二ハーフミラー32側に屈曲させる。第三ハーフミラー34で反射した第二視野光は、第二ハーフミラー32で反射し、Y方向かつ第五ハーフミラー38側に進む。以降、第二視野光は、第一視野光と同様に、第五ハーフミラー38で、高倍率側および低倍率側に分岐され、対応する撮像素子46,48で撮像される。
【0039】
第二照明52は、参照点Prを照らすために、第三ハーフミラー34からみてY方向側に配置される照明である。この第二照明52の点灯させることで、参照点Prが照らし出され、参照点Prの撮像素子46,48での撮像が可能となる。コントローラ28は、第一照明50および第二照明52の中から、点灯する照明を切り替えることで、基準点Psおよび参照点Prのいずれか一方のみを撮像する。換言すれば、第一照明50および第二照明52は、撮像対象を、基準点Psおよび参照点Prのいずれか一方に切り替える視野切り替え手段として機能する。そして、こうした視野切り替え手段を設けることで、一つの撮像素子で、第一画像(基準点Psを撮像した画像)および第二画像(参照点Prを撮像した画像)の双方を得ることができる。なお、視野切り替え手段として、第一視野光および第二視野光それぞれの光路上にシャッタを設けてもよい。また、場合によっては、視野切り替え手段を設けなくてもよい。この場合、撮像素子46,48には、第一視野光および第二視野光が同時に入射するため、基準点Psおよび参照点Prがともに映り込んだ画像が得られる。基準点Psおよび参照点Prがともに映り込んだ画像は、第一画像として扱われると同時に第二画像としても扱われる。
【0040】
また、これまでの説明で明らかな通り、第二視野光の光路である第二光路は、参照点Prから第二ハーフミラー32に到達した時点で、第一視野光の光路である第一光路に合流する。すなわち、本例の場合、第二ハーフミラー32は、第一光路と第二光路が合流する合流点Pcとなる。本例では、基準点Psからの光が合流点Pcに到達するまでの光路長と、参照点Prから光が合流点Pcに到達するまでの光路長と、が等しくなるように、光学素子を配置している。換言すれば、第一光路の光路長と第二光路の光路長とを等しくしている。かかる構成とすることで、第一視野光および第二視野光のフォーカスを一致させることができる。
【0041】
次に、キャピラリ18の位置決めおよび当該位置決めの補正量の算出について説明する。上述した通り、コントローラ28は、基準点Psを撮像した第一画像と、予め記憶しているボンディングヘッドオフセットBOと、に基づいて、ワーク100に対するキャピラリ18の位置決めを行う。具体的には、コントローラ28は、基準点Psを撮像した第一画像を解析することで、基準点Psと第一光軸Ao1との水平方向の相対位置を求め、この相対位置に、予め記憶しているボンディングヘッドオフセットBOを加算することで、キャピラリ18の基準点Psに対する相対位置を算出する。そして、コントローラ28は、このキャピラリ18と基準点Psとの相対位置が所望の値になるように、XYステージ22の移動を制御する。
【0042】
ところで、こうした位置決めでは、予め記憶したボンディングヘッドオフセットBOの値を利用する。しかし、実際のボンディングヘッドオフセットBOは、温度変化等に起因して、記憶されている値から変動する。そのため、記憶されたボンディングヘッドオフセットBOの値をそのまま位置決めに利用した場合、位置決め誤差が生じる。
【0043】
そこで、従来から、ボンディングヘッドオフセットBOの変動を相殺する位置決め補正を行うことが提案されている。例えば、ボンディングヘッド12や光学機構24等に温度センサを設け、得られた検知温度に応じて、位置決め補正を行う技術が知られている。しかし、ボンディングヘッド12や光学機構24等の温度分布は複雑に変化し、それに伴い、ボンディングヘッドオフセットBOの変動量も複雑に変化する。そのため、検知温度だけで位置決めを精度よく補正することは難しかった。
【0044】
本明細書では、ボンディングヘッドオフセットBOの変動量を第二画像から算出している。すなわち、上述した通り、第二画像は、キャピラリ18に対する相対位置が不変とみなせる参照点Prを撮像した画像である。そのため、光学機構24とキャピラリ18との相対位置関係が変化した場合、ひいては、ボンディングヘッドオフセットBOが変化した場合、第二画像70内における参照点Prの位置も変化する。そこで、コントローラ28は、第二画像70内における参照点Prの位置変化に基づいて、オフセットの変動量、ひいては、位置決め補正量を算出する。
【0045】
これについて、
図5を参照して説明する。
図5は、タイミングT1で撮像された第二画像70と、異なるタイミングT2で撮像された第二画像70と、のイメージ図である。
図5において、タイミングT1は、ワイヤボンディング装置10の起動直後であり、ボンディングヘッドオフセットBOが、予め記憶された値のまま維持されているタイミングである。このタイミングT1において、参照点Prは、第二画像70内の所定の座標(x1,y1)に位置している。タイミングT2は、ボンディング処理の実行に伴い、ワイヤボンディング装置10の各部が発熱し、ボンディングヘッドオフセットBOの実際の値が記憶されている値から変化したタイミングである。このタイミングT1において、参照点Prの第二画像70内での座標値が、タイミングT1からみて、Δx,Δyだけずれて、座標(x1+Δx,y1+Δy)になったとする。この場合、光学機構24とキャピラリ18との相対位置関係、ひいては、ボンディングヘッドオフセットBOが、記憶されている値からみて、Δx,Δy相当、変化したと判断できる。そこで、コントローラ28は、このタイミングT2では、キャピラリ18を位置決めする際に、(Δx,Δy)を相殺する値を位置決め補正量として取り扱い、キャピラリ18の位置決めを補正する。
【0046】
このように、キャピラリ18に対して位置不変の参照点Prを撮像した第二画像に基づいて位置決め補正量を算出することで、ボンディングヘッドオフセットBOの変化を、従来技術に比べて、正確に算出することができ、キャピラリ18の位置決め精度を向上できる。なお、光学機構24に設けられた光学素子の相対位置関係、特に、合流点Pcよりも撮像対象物(基準点Psまたは参照点Pr)側に位置している光学素子(すなわち、第一ハーフミラー30、第二ハーフミラー32、第三ハーフミラー34、および第四ミラー36)の相対位置関係が、温度変化等に起因して変動すると、上記の位置決め補正量の精度が低下する。
【0047】
そこで、こうした光学素子の相対位置関係の変動を抑制するために、複数の光学素子は、互いに貼り合わされて一体化されてもよい。例えば、
図6に示すように、第一ハーフミラー30、第二ハーフミラー32、第三ハーフミラー34、第四ミラー36として機能するプリズムを、互いに貼り合わせて一体化してもよい。かかる構成とすることで、光学素子間での相対位置関係の変動を小さく抑えることができ、位置決め補正量の精度をより向上できる。
【0048】
また、さらに、各光学素子30,32,34,36や、これらを保持するブラケット等を、線膨張係数が小さい素材で構成してもよい。また、光学素子30,32,34,36の近傍に温度センサを配置し、得られた検知温度に応じて、第二画像70に基づいて算出された位置決め補正量(
図5の例ではΔx,Δyを相殺する値)を、補正してもよい。なお、光学素子30,32,34,36は、介在する部材が少ないため、温度変化による相対位置の変動量は少なく、または、その変化態様は、比較的、単純である。したがって、光学素子30,32,34,36の相対位置関係が温度変化に起因して変動したとしても、検知温度に基づいて、比較的、高精度に補正できる。
【0049】
いずれにしても、本例では、光学機構24で、キャピラリ18に対して位置不変とみなせる参照点Prを撮像し、当該参照点Prの光学機構24に対する位置変化を確認している。これにより、位置決めの精度をより向上できる。また、本例では、参照点Prを撮像する第二撮像ユニットは、第一撮像ユニットやボンディングヘッド12、キャピラリ18とともに水平移動する。そのため、参照点Prの撮像、ひいては、位置決め補正量の算出は、理論的には常に可能となる。換言すれば、本例の技術によれば、位置決め補正量を得るために、ボンディング処理を一時的に中断する必要がない。その結果、本例の技術によれば、単位時間当たりの半導体装置の生産数、いわゆる、UPHを向上できる。
【0050】
なお、参照点Prの撮像は、理論的には、常に可能となるが、現実的には、キャピラリ18が停止または低速で移動している期間に行う。例えば、参照点Prの撮像は、ワーク100を交換するタイミングに行ってもよい。また、参照点Prの撮像は、ワイヤボンディングの実行期間中に行ってもよい。例えば、参照点Prの撮像は、ワイヤの先端を溶融させるために放電する放電期間中や、ワーク100に設けられた電極にワイヤの先端が接触する高さ位置を探索するためにキャピラリ18が低速下降するサーチ期間中に、行ってもよい。
【0051】
次に、参照点Prについて
図7を参照して説明する。繰り返し述べる通り、参照点Prは、キャピラリ18に対する位置が不変とみなせる点であれば、特に限定されない。本例では、
図7に示すように、キャピラリ18を保持する超音波ホーン16の上面の一点を参照点Prとして規定している。
【0052】
より具体的に説明すると、超音波ホーン16には、キャピラリ18を保持する取付孔60と当該取付孔60と部分的に繋がったしずく型の調整孔62とが形成されている。また、超音波ホーン16の上側には、クランパ20が配置されている。クランパ20は、一対の把持アーム64と、各把持アーム64の末端に設けられた先端部66と、を有している。先端部66は、他方のアーム側に突出している。そのため、一対の把持アーム64の間には、若干の間隙68が形成されている。そして、超音波ホーン16の上面のうち調整孔62付近は、この間隙68を通じて、上側から観察可能となっている。本例では、この間隙68を介して観察可能な調整孔62のしずく型の頂点を参照点Prとして取り扱っている。このように、既存の超音波ホーン16に設けられた特徴部分を参照点Prとして取り扱うことで、既存の超音波ホーン16からの設計変更を少なく抑えることができる。また、調整孔62は、取付孔60、ひいては、キャピラリ18の近傍に設けられているため、かかる調整孔62の稜線を、参照点Prとして利用することで、キャピラリ18と第一光軸Ao1との相対位置関係の変動をより正確に取得できる。
【0053】
なお、クランパ20の中には、二つの把持アーム64の間に、間隙68が殆ど存在しないものもある。かかる場合、第二撮像ユニットで調整孔62を撮像することは難しい。そこで、そうした場合には、クランパ20よりも水平方向外側に突出する部材を、超音波ホーン16に取り付け、当該突出部材の上面の点を、参照点Prとして取り扱ってもよい。
【0054】
次に、光学機構24の他の構成例について説明する。
図8、
図9は、他の光学機構24の構成を示す図である。上述の例では、第一撮像ユニットおよび第二撮像ユニットは、それぞれのフォーカスを一致させるために、第一光路の光路長と、第二光路の光路長と、を等しくなるように、光学素子を配置していた。しかし、光路長以外を調整して、フォーカスを一致させてもよい。例えば、第一撮像ユニットおよび第二撮像ユニットのうち少なくとも一方の光路のうち、合流点Pcより撮像対象物(すなわち基準点Psまたは参照点Pr)側となる位置に、フォーカスを調整するフォーカスレンズを設け、このフォーカスレンズによりフォーカスを調整してもよい。例えば、
図8、
図9の例では、第一ハーフミラー30の真下に第一フォーカスレンズ80を、第三ハーフミラー34の真下に第二フォーカスレンズ82を、それぞれ配置し、これら二つのフォーカスレンズ80,82で、それぞれの撮像ユニットにおけるフォーカスを調整している。なお、この場合、光路長を調整するための第四ミラー36は、不要となる。また、
図8,
図9の例では、第三ハーフミラー34は、X方向およびZ方向に対して約45度傾斜して配置されており、第二照明52は、この第三ハーフミラー34の上側に配置されている。
【0055】
また、図示はしないが、さらに、別の形態として、合流点Pcより撮像素子側に、可動式のフォーカスレンズを配置してもよい。この場合、この場合、第一撮像ユニットで撮像する場合と、第二撮像ユニットで撮像する場合とで、フォーカスレンズの位置を変化させ、フォーカスを調整する。また、別の形態として、光学素子の一つとして、曲率を変化可能な液体レンズ等を用いてもよい。この場合、第一撮像ユニットで撮像する場合と、第二撮像ユニットで撮像する場合とで、液体レンズの曲率を変化させ、フォーカスを調整する。また、軸上色収差を利用して、フォーカスを調整してもよい。
【0056】
また、別の形態として、第二撮像ユニットは、参照点Prを真上から撮像するのではなく、斜め上側から撮像してもよい。例えば、
図10、
図11に示すように、第二撮像ユニットは、超音波ホーン16の上面に設けられた参照点Prを、斜め上側から撮像してもよい。
図10、
図11の例では、参照点Prからの光は、その斜め上に配置された第七ハーフミラー86に到達した屈曲し、X方向へと進む。その後、第二視野光は、第二フォーカスレンズ82を通過して、第八ハーフミラー88で反射して、第一ハーフミラー30へと進む。したがって、
図10、
図11の例では、第一視野光と第二視野光は、第一ハーフミラー30にて合流する。合流後の第一視野光および第二視野光は、いずれも、高倍率撮像素子46および低倍率撮像素子48で撮像される。
【0057】
また、これまでの説明では、基準点Psと参照点Prを、共通の撮像素子46,48で撮像しているが、位置決め用の撮像素子46,48とは別に、位置決めの補正用の撮像素子を設けてもよい。例えば、
図12に示すように、第三ハーフミラー34の真上に、補正用撮像素子84を配置し、当該補正用撮像素子84で参照点Prを撮像してもよい。
【0058】
また、これまでの説明では、参照点Psをワーク100の特定位置としたが、
図14のようにワーク100上に限らず、ステージ200に参照点Psを設けてもよい。さらに、ステージ200外に参照点Psを設けてもよい。
【0059】
また、これまでの説明では、ワイヤボンディング装置10を例に挙げて説明したが、本明細書で開示した位置決め補正の技術は、半導体装置を製造する製造装置であれば、他の種類の製造装置に適用されてもよい。例えば、本明細書で開示した位置決め補正の技術は、
図13に示すように、ダイボンディング装置90に適用されてもよい。この場合、ダイボンディング装置90は、コレット92と、当該コレット92とともに移動する光学機構24と、を有している。コレット92は、半導体チップを吸引保持するもので、ボンディングツールとして機能する。光学機構24は、ワーク100である基板に設けられた基準点Psと、コレット92の上面に設定された参照点Prと、を撮像できるように、複数の光学素子を有する。
【0060】
そして、上述した技術と同様に、ダイボンディング装置90のコントローラは、基準点Psを撮像した第一画像および予め記憶したボンディングヘッドオフセットBOに基づいて、コレット92のワーク100に対する位置決めを行う。また、コントローラは、参照点Prを撮像した第二画像に基づいて、ボンディングヘッドオフセットBOの値を補正する。
【0061】
さらに、別の実施の形態として、第二光路の光路長を調整するため、
図15(a)、
図15(b)のように、光学素子34と参照点Prとの間にレンズ54もしくはガラス板56を挿入してもよい。これにより、第一光路の光路長と第二光路の光路長とを等しくでき、基準点Ps、参照点Prの両方に焦点を合わせることができる。
【符号の説明】
【0062】
10 ワイヤボンディング装置、12 ボンディングヘッド、14 ホーンホルダ、16 超音波ホーン、18 キャピラリ、20 クランパ、22 XYステージ、24 光学機構、28 コントローラ、30 第一ハーフミラー、32 第二ハーフミラー、34 第三ハーフミラー、36 第四ミラー、38 第五ハーフミラー、40 第六ミラー、42 高倍率レンズ、44 低倍率レンズ、46 高倍率撮像素子、48 低倍率撮像素子、50 第一照明、52 第二照明、54 レンズ、56 ガラス板、60 取付孔、62 調整孔、64 把持アーム、66 先端部、68 間隙、70 第二画像、80 第一フォーカスレンズ、82 第二フォーカスレンズ、84 補正用撮像素子、86 第七ハーフミラー、88 第八ハーフミラー、90 ダイボンディング装置、92 コレット、100 ワーク、200 ステージ、Ao1 第一光軸、Ao2 第二光軸、Pc 合流点、Pr 参照点、Ps 基準点。
【要約】
ワイヤボンディング装置(10)は、ワーク(100)に対して所定の処理を施すツールであるキャピラリ(18)であって、前記ワーク(100)に対して移動可能なキャピラリ(18)と、前記キャピラリ(18)とともに移動する光学機構(24)と、コントローラ(28)と、を備え、前記光学機構(24)は、撮像範囲内に設定された基準点Psを撮像した第一画像を取得する第一撮像ユニットと、前記キャピラリ(18)と所定の間隔を有して形成された参照点Prを撮像した第二画像を取得する第二撮像ユニットと、を備え、前記コントローラ(28)は、前記第一画像に基づいて、前記ワーク(100)に対する前記キャピラリ(18)の位置決めを行い、前記第二画像に基づいて、前記キャピラリ(18)の位置決めの補正量を算出する。