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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】照明具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20230331BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20230331BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20230331BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230331BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230331BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230331BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230331BHJP
【FI】
F21V23/00 120
F21S8/04 110
F21V31/00 150
F21Y103:10
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017145300
(22)【出願日】2017-07-27
(65)【公開番号】P2019029123
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-07-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小津 祥平
(72)【発明者】
【氏名】池谷 博文
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康弘
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】出口 昌哉
【審判官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-46047(JP,A)
【文献】特開2016-39053(JP,A)
【文献】特開平7-169321(JP,A)
【文献】特開2017-91959(JP,A)
【文献】実開平5-46011(JP,U)
【文献】特開2014-116299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/04
F21V 17/10
F21V 19/00
F21V 23/00
F21V 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の支持部材と、
前記支持部材の一方の面の側に配置される発光素子と、
前記一方の面の裏側である前記支持部材の他方の面の側に、前記支持部材の長手方向に沿って取り付けられる長手形状の電源装置と
を備え、
前記電源装置は、
一箇所の係合構造部と一箇所の固定構造部とによって前記他方の面の側に取り付けられており、
前記係合構造部は、
前記支持部材の長手方向に対する短手方向である幅方向の中央部分において前記支持部材に設けられた支持側係合部と、前記電源装置の長手方向に対する短手方向である幅方向に延びる前記電源装置の辺の途中から前記電源装置の長手方向に向かって前記辺の一部が突き出る係合片として設けられて前記支持側係合部に挿入されている電源側係合部とを備え、
前記支持側係合部は、
前記一方の面から前記他方の面の方向に切り起こされて内部空間を有する切り起こし部であり、
前記係合片である前記電源側係合部は、
前記内部空間に挿入されており、
前記支持側係合部は、
前記電源側係合部の挿入される側が前記係合片である前記電源側係合部に閉塞されている開孔である照明具。
【請求項2】
前記照明具は、
前記発光素子が実装された発光素子基板を備え、
前記支持部材は、
前記切り起こし部が切り起こされたことに伴う取り付け用開口が形成されており、
前記取り付け用開口は、
前記発光素子基板によって塞がれている請求項1に記載の照明具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明具と、
前記照明具が着脱自在に取り付け可能な照明器具と
を備えた照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードのような固体発光素子を用いた照明具及びこの照明具を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、例えば、ねじを用いずに発光素子が実装されている基板を取付部材に取り付ける照明器具がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-116299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、基板が取り付けられる取付部材に貫通孔が残り、塵埃及び虫のような遺物がカバー内部に侵入するおそれがある。
【0005】
本発明は、電源装置を支持部材に取り付ける場合に、電源装置の取り付けのために支持部材に形成された開孔を閉塞する簡易な構成の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の照明具は、
支持部材と、
前記支持部材の一方の面の側に配置される発光素子と、
前記一方の面の裏側である前記支持部材の他方の面の側に取り付けられる電源装置と
を備え、
前記電源装置は、
一箇所の係合構造部と一箇所の固定構造部とによって前記他方の面の側に取り付けられており、
前記係合構造部は、
前記支持部材に設けられた支持側係合部と、前記電源装置に設けられて前記支持側係合部に挿入されている電源側係合部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電源装置を支持部材に取り付ける場合に、電源装置の取り付けのために支持部材に形成された開孔を閉塞する簡易な構成を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の図で、照明装置の斜視図。
図2】実施の形態1の図で、照明装置の組立斜視図。
図3】実施の形態1の図で、照明具の斜視図。
図4】実施の形態1の図で、照明具の5面図であり、(a)は背面図、(b)は上面図、(c)は正面図、(d)は下面図、(e)は透光性カバーを取り除いた状態の下面図。
図5】実施の形態1の図で、照明具の断面図であり、図4の(a)のA-A断面図。
図6】実施の形態1の図で、照明具の主要部を説明する分解斜視図。
図7】実施の形態1の図で、照明具の取り付けを説明する図。
図8】実施の形態1の図で、照明器具の部分拡大図。
図9】実施の形態1の図で、バネの斜視図。
図10】実施の形態1の図で、連結具の斜視図。
図11】実施の形態1の図で、連結具の斜視図。
図12】実施の形態1の図で、連結具の6面図。
図13】実施の形態1の図で、連結具の取付断面図であり、(a)は図4の(b)におけるB-B断面図であり、(b)は図4の(b)におけるC-C断面図。
図14】実施の形態1の変形例に係る連結具の斜視図。
図15】実施の形態1の図で、電源装置の取り付けを説明する斜視図であり、(a)は固定構造であるネジ固定部側から見た図であり、(b)は係合構造である電源係合部側から見た図。
図16】実施の形態1の図で、電源装置の取り付けを説明する図であり、(a)は上面図、(b)は図16の(a)におけるF-F断面図。
図17】実施の形態1の図で、台座付きネジの組み立てを説明する図であり、(a)は台座付きネジの取付前の図であり、(b)は台座付きネジの取付後の図。
図18】実施の形態1の図で、電源装置の組み立てを説明する図。
図19】実施の形態1の図で、台座付きネジの斜視図。
図20】実施の形態1の図で、電源装置の取付断面図であり、(a)は図15の(b)におけるE-E断面図、(b)は図17の(b)におけるG-G断面図、(c)は図17の(b)におけるH-H断面図。
図21】実施の形態1の図で、複数の取り付け用孔の存在する領域を説明する図。
図22】実施の形態1の図で、基板の幅を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった方向あるいは位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。
【0010】
なお、以下の説明では、照明装置600を取り付ける造営部700の方向を取付方向あるいは上方とし、光源の照射方向を下方として説明する。
【0011】
また、以下の説明で、長手方向は、第1方向の具体例であり、短手方向は、第1方向と直交する第2方向の具体例である。
【0012】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1から図9を参照して、実施の形態1の照明装置600の概要を説明する。
図1は照明装置600の斜視図である。
図2は照明装置600の組立斜視図である。
図3は照明具2の斜視図である。
図4は照明具2の5面図であり、(a)は背面図、(b)は上面図、(c)は正面図、(d)は下面図、(e)は透光性カバーを取り除いた状態の下面図である。
図5は照明具2の断面図であり、図4の(a)のA-A断面図である。
図6は照明具2の主要部を説明する分解斜視図である。
図7は照明具2の取り付けを説明する図である。
図8は照明器具1の部分拡大図である。
図9は器具側連結具11であるバネの斜視図である。
【0013】
<照明装置600の説明>
図1図2に示すように、照明装置600は、照明器具1と照明具2とを有する。
図1に示すように、照明装置600の長手方向及び短手方向を、長手方向X及び短手方向Yとする。
照明器具1及び照明具2の長手方向及び短手方向も同様に長手方向X及び短手方向Yと呼ぶ。
照明装置600は、天井あるいは壁といった造営部700に取り付けられる照明装置であり、長手方向に延びた長尺状の照明装置である。照明装置600は、光源一体型LEDベースライトともいう。
照明装置600は、照明具2と、照明具2を着脱可能に取り付ける照明器具1とを有する。
図に示した照明装置600は、天井直付形の所謂「逆富士タイプ」であるが、「トラフタイプ」、「笠付タイプ」、「下面開放タイプ」、「埋込形」でもよい。
また、複数台の照明装置600を連結した「連結タイプ」であってもよい。
【0014】
<照明器具1の説明>
図2に示すように、照明器具1は、器具本体10を有する。
【0015】
<器具本体10の説明>
図2に示すように、器具本体10は、外観主部101とユニット取付部102とを有する。
器具本体10は、板金が折り曲げられて形成される。
ユニット取付部102は、照明具2を収容する収納部となる部分であり、収容部ともいう。
ユニット取付部102は、照明具2を着脱可能に取り付ける。
ユニット取付部102は、底面部103と周面部104とを有する。
器具本体10は、両サイドに、器具端部105を有する。
底面部103は、ユニット取付部102の長手方向に延びている板である。
底面部103には、2つの器具側連結具11と、電源に接続された器具電源線材12が設置される。
周面部104は、底面部103の短手方向の両端部を基端部として立ち上がっている壁である。
器具端部105は、器具本体10の端面部を塞ぐように器具本体10に取り付けられる。
【0016】
<器具側連結具11の説明>
器具側連結具11は、取付バネであり、板バネが好適である。
図8は、器具側連結具11である板バネが底面部103に取り付けられた状態を示しており、板バネは、ネジ14で底面部103に固定される。
器具側連結具11は、後述する照明具2が備えるユニット側連結具46に対応する位置に配置される。
器具側連結具11は、照明具2が備えるユニット側連結具46と係り合う板バネである。
図9に示すように、器具側連結具11である板バネは、バネ固定部110,ネジ挿通孔111、バネ主部112及びバネ先端部113を有する。
【0017】
<器具電源線材12の説明>
器具電源線材12は、照明器具1に配線された電源線材である。
器具電源線材12は、器具側コネクタ13を有する。
【0018】
<照明具2の説明>
照明具2は、光源ユニット、光源装置と呼ばれることもある。
図2に示すように、照明具2は、外郭部20と発光モジュール30と電源装置40とを有する。
電源装置40は電源ユニットと呼ばれる場合もある。
【0019】
<外郭部20の説明>
外郭部20は、発光モジュール30を覆う外郭である。
図6に示すように、外郭部20は、透光性カバー21と端部カバー22と支持部材23とを有する。
透光性カバー21は、外郭部20の第1外郭部である。
透光性カバー21は、基板34を覆うように支持部材23に取り付けられる。
端部カバー22は、外郭部20の第2外郭部である。
支持部材23は、外郭部20の第3外郭部である。
【0020】
<透光性カバー21の説明>
図6に示すように、透光性カバー21は、カバー主部210とカバー側部211とカバー係合部212とカバー保持部213とを有する。
カバー主部210は、前面透光部である。
カバー側部211は、側面透光部である。
カバー係合部212は、支持部材23と嵌め合わせる部分である。
カバー保持部213は、支持部材23を保持する部分である。
【0021】
カバー主部210は、透光性カバー21の全面に位置し、基板34に対向する部分である。
カバー側部211は、透光性カバー21の側部に相当する部分である。
カバー係合部212は、カバー側部211から取付方向に突き出た部分である。
カバー係合部212は、支持部材23の側部248と係り合い、透光性カバー21を支持部材23に取り付ける。
【0022】
図5に示すように、透光性カバー21は、支持部材23に取り付けられた発光モジュール30を覆うように支持部材23に取り付けられる。
透光性カバー21は、カバー係合部212が支持部材23の側部248の先端部を覆って、支持部材23に取り付けられる。
【0023】
<端部カバー22の説明>
図6に示すように、端部カバー22は、端面部220と周部221とを有する。
【0024】
<支持部材23の説明>
支持部材23は、取付部材であり、台座となり、ヒートシンクとなる。
図6に示すように、支持部材23は、長手方向に延びており、断面コ字状を成す。
支持部材23は、取付部となる板状の主部230を有する。
主部230は、第1面部231と第2面部232とを有する。
第1面部231は、発光モジュール30が取り付けられる基板取付面部である。第1面部231は、主部230の一方の面であり、照射側の面である。
第2面部232は、図3に示すように、電源装置40とユニット側電源線材42とユニット側連結具46とその他の配置部品である付属装置の取付面部であり、電源取付面部である。第2面部232は、主部230の他方の面、すなわち一方の面である第1面部231の裏側の面であり、器具側の面である。
【0025】
主部230の両側には一対の側部248が形成されている。
側部248は、照明具2が照明器具1に取り付けられた状態で、照明器具1のユニット取付部102の底面部103に向かって立ち上がっている。
側部248の先端部は、カバー係合部212と嵌め合わされる係合部である。
【0026】
<発光モジュール30の説明>
図6に示すように、発光モジュール30は、発光素子31と回路部品32(図4の(e))と基板コネクタ33(図示せず)と基板34とを有する。
発光素子31は、LEDが好適である。発光素子31は、有機ELあるいはレーザといった発光素子でもよい。
基板34は、実装面340と非実装面341とを有する。
実装面340は、発光モジュール30の表面であり、発光素子31が実装される面である。実装面340は、高反射面である。
非実装面341は、発光モジュール30の裏面であり、支持部材23の第1面部231との接着面であり、支持部材23への熱伝達面である。
【0027】
<電源装置40と電源関連部品の説明>
図3に示すように、電源装置40は、主部230の長手方向中央より一方側に寄せて取り付けられている。
電源装置40は、主部230の長手方向中央に取り付けられていても構わない。
【0028】
図3図4に示すように、照明具2は、ユニット側電源線材42、ユニット側コネクタ43、給電線材44、配線クランプ48及び配線ホルダ49を有する。
ユニット側電源線材42は、電源装置40と端子台41とを接続する。
ユニット側コネクタ43は、ユニット側電源線材42の端部に設置されている。
【0029】
図3に示すように、給電線材44は、照明具2の端部において、支持部材23の第2面部232に配置された電線保持具48により固定される。
給電線材44は、電線保持具48でU字状に折り返され、支持部材23の第1面部231に取り付けられた基板34の実装面340に配線される。
基板34の実装面340において、給電線材44の給電コネクタ(図示していない)と発光モジュール30の基板コネクタ33とが接続される。
このようにして、基板34に電力を供給することが可能となる。
【0030】
図3に示すように、照明具2は、ユニット側連結具46を有する。
ユニット側連結具46は、ユニット側連結具であり、ユニット側取付具であり、バネ受け金具である。
2つのユニット側連結具46は、主部230の長手方向の両端側にそれぞれ取り付けられている。
ユニット側連結具46は、照明器具1が備える器具側連結具11と係り合い、照明具2を照明器具1に固定する。
【0031】
図6に示すように、照明具2は、電線保持具48を有する。
電線保持具48は、電線保持部材、電線保持装置、配線保持装置、又は、ハーネスクランプとも呼ばれる。
【0032】
<照明装置600の施工方法の説明>
図7を用いて、照明器具1に照明具2を取り付ける方法について説明する。
まず、造営部700である天井に照明器具1を取り付ける。
照明器具1を天井に取り付ける方法には、天井からつり下げられている吊ボルトに固定する方法、あるいは、ネジなどの固定具により直接天井に固定する方法などがある。
照明器具1を造営部700に取り付ける際、天井から引き出された電源電線すなわちFケーブルを、照明器具1のユニット取付部102内に引き込み、端子台を介して器具電源線材12の器具側コネクタ13に接続する。
次に、図7に示すように、板バネである器具側連結具11を照明具2のユニット側連結具46と係合させる。
具体的には、器具側連結具11のバネ主部112をユニット側連結具46の貫通孔462を貫通させる。
このとき、照明具2と照明器具1との間に作業空間が存在する状態で、照明器具1の器具電源線材12と照明具2のユニット側電源線材42とを接続するなどの作業が行われる。
その後、照明具2を照明器具1に向かって押し上げ、照明具2が照明器具1に取り付けられる。
【0033】
図10から図13を参照してユニット側連結具46を詳しく説明する。
図10はユニット側連結具46の上側からの斜視図である。
図11はユニット側連結具46の下側からの斜視図である。
図12はユニット側連結具46の6面図である。
図13はユニット側連結具46の取付断面図であり、(a)は図4の(b)におけるB-B断面図、(b)は図4の(b)におけるC-C断面図である。
【0034】
<ユニット側連結具46の構成>
図10に示すように、ユニット側連結具46は、バネ挿入部460、固定板部463、側板部465、上端部466、配置板部467、差込部468、押さえ部469、係合部470を有する。
バネ挿入部460は主板部461を有し、主板部461には貫通孔462が形成されている。
貫通孔462には器具側連結具11である板バネのバネ主部112が挿入される。
固定板部463にはネジ孔464が形成されている。
【0035】
<支持部材23の構成>
図10に示すように、支持部材23にはユニット側連結具46を取り付けるための連結具固定部234と、2か所の係合用開孔238が形成されている。
連結具固定部234の頂部には、平坦な環状の連結部配置部235が形成されており、その中央にはネジ孔237が形成されている。
連結具固定部234はしぼり加工で形成してもよい。
【0036】
<ユニット側連結具46の取り付け>
ユニット側連結具46の固定板部463に設けられるネジ孔464にはネジ溝が設けられず、支持部材23のネジ孔237にネジ51をねじ込むためのネジ溝が設けられている。
ユニット側連結具46は、以下のようにして支持部材23に取り付けられる。
一対の差込部468をそれぞれの係合用開孔238に差し込むとともに、ネジ孔464とネジ孔237とが連通するように、固定板部463を連結部配置部235に配置する。
そして、ネジ51をネジ孔464とネジ孔237に挿入してネジ止めする。
ネジ51でネジ孔237は閉塞される。
また、係合用開孔238は配置板部467によって塞がれる。
【0037】
<ユニット側連結具46の変形例>
図14は、ユニット側連結具46の変形例であるユニット側連結具46aの斜視図である。
ユニット側連結具46aでは、ユニット側連結具46に対して、ネジ51の取り付けの向きが180度反対である点が異なる。
ユニット側連結具46aではネジ孔237aにはネジ溝が設けられず、ネジ孔464aにネジ51のためのネジ溝が設けられている。ネジ溝の違いの他は、ユニット側連結具46aはユニット側連結具46と同じ構成である。
ユニット側連結具46aの場合もユニット側連結具46と同様に、ユニット側連結具46aを支持部材23に取り付けた後は、ネジ51でネジ孔237aは閉塞され、係合用開孔238は配置板部467によって塞がれる。
【0038】
<支持部材23に形成される貫通孔あるいは非貫通孔の閉塞について>
図13の(a),(b)に示すように、支持部材23に形成される貫通孔であり、ユニット側連結具46を支持部材23に固定するための固定部材であるネジ51をねじ込み、あるいは挿通させるネジ孔237,237aは、ネジ51自身によって完全に閉塞される。
連結具固定部234を形成するために支持部材23の第1面部231に形成される凹部236は、基板34によって完全に閉塞される。
つまり、基板34の幅W1及び基板34の長手方向Xの長さは、凹部236によって第1面部231に形成される開口を塞ぐことができる。
幅W1については、凹部236によって第1面部231に形成される開口の幅を幅W2とすれば、
W1>W2
である。
なお、基板34は連結具固定部234付近でも支持部材23の第1面部231に接着固定されており、剥離しない構造である。
また、支持部材23に形成される孔である貫通孔あるいは非貫通孔は、支持部材23の第2方向(短手方向Y)における支持部材23の略中央に設けられている。
短手方向Yの広い範囲には設けられていないので、特に非貫通孔である凹部236の形成に基づく第1面部231上の開口を閉塞するために必要となる基板34の幅を小さくできる。このため、基板34の材料コストを削減でき、また、照明具2の軽量化にも寄与できる。
【0039】
図15から図20を参照して電源装置40を詳しく説明する。
図15は電源装置40の取り付けを説明する斜視図であり、
(a)は固定構造であるネジ固定部側から見た図であり、
(b)は係合構造である電源係合部側から見た図である。
図16は電源装置40の取り付けを説明する図であり、
(a)は上面図、
(b)は図16の(a)におけるF-F断面図である。
図17は台座付きネジ52の組み立てを説明する図であり、
(a)は台座付きネジ52の取付前の図であり、
(b)は台座付きネジ52の取付後の図である。
図18は電源装置40の組み立てを説明する図である。
図19は台座付きネジ52の斜視図である。
図20は電源装置40の取付断面図であり、
(a)は図15の(b)におけるE-E断面図、
(b)は図17の(b)におけるG-G断面図、
(c)は図17の(b)におけるH-H断面図である。
【0040】
<電源装置40の構成>
電源装置40は、ベースカバーである第1筐体404と、トップカバーである第2筐体410を有する。
第1筐体404は、筐体底面部である筐体底部405と、筐体側面部である筐体側部406と、筐体係合片である筐体係合部407とを有する。
筐体係合部407は電源側係合部である。
筐体底部405にはネジ挿通孔408が形成されている。
第2筐体410は、筐体天面部である筐体覆部411と、筐体周面部である筐体周部412とを有する。
また、電源装置40は、電源回路部品401と、給電コネクタ402と、電源コネクタ403とを有する。
【0041】
<支持部材23の構成>
図17に示すように、支持部材23には、支持側係合部240と、係合片部244が形成されている。
支持側係合部240は、切しぼり加工によって形成された切しぼり加工部である。
支持側係合部240は、電源側係合部である筐体係合部407と係合する。
係合片部244は、切りおこし加工によって形成された切りおこし加工部である。
係合片部244には台座付きネジ52を介して、筐体底部405が固定される。
支持部材23の主部230には、ネジ固定部243(図17の(a))が形成されている。
ネジ固定部243は、係合片部244と固定凸部246を有する。
また、第2面部232には電源配置凸部247(図17)が形成されており、電源装置40は電源配置凸部247に載せられる。
【0042】
<台座付きネジ52>
図19に示すように、台座付きネジ52は、台座部521と、ネジ部523とを有する。
台座部521には、固定孔522とスリット524が形成されている。
【0043】
<電源装置40の取り付け>
支持部材23への電源装置40の取り付け方法を説明する。
図17に示すように、まず、台座付きネジ52を係合片部244に取り付ける。
台座付きネジ52のスリット524の側から台座部521を係合片部244に差し込む。
このとき、固定孔522に第2面部232に形成されている固定凸部246が嵌ることで、台座付きネジ52は仮止めの状態になる。
次に、図18の(a)に示すように、筐体係合部407を支持側係合部240に差し込む。
次に、図18の(b)に示すように、ネジ部523をネジ挿通孔408に通す。
次に、図18の(c)に示すように、ネジ部523をナット53で止める。
以上、図18の(a)から(c)の要領で電源装置40を支持部材23に取り付ける。
【0044】
<支持側係合部240について>
支持側係合部240は片側のみが開孔している袋状の形状をなしているので、衝撃に対する強度に優れており、箇所でも電源装置40を確実に係合させ続けることができる。
支持側係合部240は、切りしぼり加工により形成する以外に、長手方向Xの両側が開孔している所謂ブリッジ形状を採用することも可能である。
支持側係合部240の挿入孔241に電源装置40の筐体係合部407が長手方向Xに差し込まれることによって、電源装置40が支持部材23に係合され、挿入孔241は筐体係合部407によって閉塞される。
支持側係合部240を形成するために支持部材23に形成される貫通孔である切りしぼり孔242は、基板34によって完全に閉塞される。
つまり図20の(a)において、
基板34の幅W1と、支持側係合部240の形成に伴い第1面部231に形成される開口の幅W3との関係は、
W1>W3、
である。
基板34は支持側係合部240付近でも支持部材23の第1面部231に接着固定されており、剥離しない構成である。
支持側係合部240における切りしぼり加工によって支持部材23に形成される貫通孔または非貫通孔である孔は、支持部材23の第2方向(短手方向Y)における略中央に1箇所のみ設けられている。
よって、短手方向の広い範囲には設けられていないので、これらの孔を閉塞するために必要となる基板34の幅を小さくすることができる。
このため、基板34の材料コストを削減することができ、また、照明具2の軽量化にも寄与できる。
【0045】
<ネジ固定部243>
図17の(a)に示すように、ネジ固定部243は係合片部244と固定凸部246を有する。
ネジ固定部243に取り付けられる台座付きネジ52は、大型の支持部材にネジの埋め込み加工のような特殊加工を行うことなく、電源装置40を固定するためのネジを設けることができる。
上記のように、ネジ固定部243は、台座付きネジ52の台座部521全体を抱え込むように係合する係合片部244と、台座部521に設けられた固定孔522に嵌り込んで台座付きネジ52を挿入方向で移動を規制する固定凸部246とからなる。
【0046】
ネジ固定部243を形成するために支持部材23に形成される貫通孔である切りおこし孔245は、基板34によって完全に閉塞される。
つまり図20の(b)において、
基板34の幅W1と、切りおこし孔245の形成に伴い第1面部231に形成される開口の幅W4との関係は、
W1>W4、
である。
【0047】
基板34はネジ固定部243付近でも支持部材23の第1面部231に接着固定されており、剥離しないようになっている。
つまり図20の(c)において、
基板34の幅W1と、切りおこし孔245の形成に伴い第1面部231に形成される、ネジ固定部243付近開口の幅W5との関係は、
W1>W5、
である。
【0048】
図20の(a)から(c)に示したように、切りおこし加工によって支持部材23に形成される貫通孔または非貫通孔の孔は、支持部材23の第2方向(短手方向Y)における略中央に1箇所のみ設けられている。よって、短手方向Yの広い範囲には設けられていないので、これらの孔を閉塞するために必要となる基板34の幅を小さくすることができる。このため、基板34の材料コストを削減することができ、また、照明具2の軽量化にも寄与できる。
【0049】
*** 実施の形態1の特徴のまとめ ***
<第1の特徴>
実施の形態1の第1の特徴は、ユニット側連結具46および電源装置40を支持部材23に取り付けるために、支持部材23に形成された開孔を閉塞する構成にある。
【0050】
図3図4のように、照明具2は、支持部材23と、支持部材23の一方の面である第1面部231の側に配置される発光素子31と、第1面部231の裏側の他方の面である第2面部232の側に配置される配置部品940である、電源装置40及びユニット側連結具46を備えている。
支持部材23は、配置部品940の取り付けのための取り付け用開口920が形成されている。
ここで、配置部品940の取り付けのための取り付け用開口920とは、ネジ孔237、係合用開口238、切りしぼり孔242及び切りおこし孔245である。
照明具2では、取り付け用開口920は、支持部材23に、配置部品940である電源装置40及びユニット側連結具46が取り付けられることによって、少なくとも一部が閉塞されている。
【0051】
照明具2では、取り付け用開口920は、配置部品940を第2面部232に取り付ける取り付け部材910によって、少なくとも一部が閉塞される。
ここで取り付け部材910とは、ネジ9、ユニット側連結具46の配置板部467、電源側係合部である筐体係合部407及び台座付きネジ52である。
【0052】
なお、照明具2では、取り付け用開口920は、支持部材23に配置部品940が取り付けられること、及び、発光素子基板930である発光モジュール30が支持部材23に取り付けられることによって、閉塞されてもよい。
例えば図20では、切しぼり孔242は、電源装置40が取り付けられることに使用される筐体係合部407と、基板34との共同によって閉塞されている。
【0053】
<第2の特徴>
次に、実施の形態1の第2の特徴は、支持部材23に対する電源装置40の取付構造にある。
【0054】
図3図4に示すように、照明具2は、支持部材23と、支持部材23の第1面部231の側に配置される発光素子31と、第1面部231の裏側の第2面部232の側に取り付けられる電源装置40とを備えている。
照明具2では、電源装置40は、一箇所の係合構造部950と一箇所の固定構造部960とによって第2面部232の側に取り付けられている。
一箇所の係合構造部950とは、図18に示すように、支持側係合部240と筐体係合部407との組である。
つまり、係合構造部950は、支持部材23に設けられた支持側係合部951である支持側係合部240と、電源装置40に設けられて支持側係合部240に挿入されている筐体係合部407とを備えている
【0055】
図17図18に示すように、照明具2では、支持側係合部240は、第1面部231から第2面部232の方向に切り起こされて内部空間951A(図20)を有する切り起こし部951B(図18)である。
筐体係合部407は、内部空間951Aに挿入されている。
実施の形態1の支持側係合部240は切り絞り部であるが、切り絞り部は広い意味で切り起こし部でもある。
【0056】
支持部材23には、切り起こし部951Bである支持側係合部240が切り起こされたことに伴う取り付け用開口920である切りしぼり孔242が形成されている。
切りしぼり孔242は、図20に示すように、発光素子基板930である発光モジュール30によって塞がれている。
【0057】
<第3の特徴>
実施の形態1の第3の特徴は、支持部材23にユニット側連結具46および電源装置40のような配置部品である付属装置を取り付けるために、支持部材23に形成された孔と、この孔を閉塞する発光モジュール30に特徴がある。
孔とは、貫通孔と貫通していない非貫通孔の両方を含む。
【0058】
図14図17に示すように、支持部材23には、配置部品940の取り付けのための孔であって、長手方向Xに沿って形成された孔である複数の取り付け用孔970が形成されている。
複数の取り付け用孔970とは、例えば、凹部236、切りしぼり孔242及び切おこし孔245である。
複数の取り付け用孔970は、第1面部231が窪むことで第1面部231に形成されている窪み孔と、第1面部231から第2面部232に貫通する貫通孔との、少なくともいずれかである。
照明具2では、発光モジュール30は、図13図20に示すように、複数の取り付け用孔970の形成に伴い第1面部231に現れている開口を塞ぐように配置されている。
【0059】
実施の形態1の照明具2では、複数の取り付け用孔970は、発光モジュール30が配置される領域に形成されている。
【0060】
また、複数の取り付け用孔970は、支持部材23の短手方向Yにおける幅の10%以上35%以下の幅を有して支持部材23の長手方向Xに延びる領域に形成されている。
図21は、複数の取り付け用孔970の存在する領域を説明する図である。
図21に示すように、支持部材23の短手方向Yにおける幅とは、短手方向Yにおける、一対の側部248の外側どうしの寸法である。
領域の幅は、例えば、幅B2の中央に位置する。
【0061】
また、照明具2では、発光モジュール30は、長手形状であり、発光モジュール30の短手方向Yの長さは、支持部材23の短手方向Yの幅の35%より大きく40%より小さい。なお、35%以上40%以下でもよい。
図22は、発光モジュール30の短手方向Yの幅を説明する図である。
図22に示すように、発光モジュール30の短手方向Yにおける幅とは、基板34の幅を意味するが、短手方向Yにおける基板34の幅は、図22に示した例では支持部材23の短手方向Yの幅の35%以上40%以下である。
【0062】
なお、図13に示すように、発光モジュール30は、実装面340を有する基板34と、実装面340に配置された発光素子31とを備えるとともに、実装面340の裏面341が支持部材23の第1面部231に対向した状態で、支持部材23に配置されている。
発光モジュール30では実装面340の裏面341が支持部材23の第1面部231に対向した状態で、裏面341が接着部材50で支持部材23に貼り付けられる。
【0063】
*** 実施の形態1の効果 ***
実施の形態1の照明具2によれば、電源装置及び連結具46のような配置部品を支持部材に取り付ける場合に、配置部品の取り付けのために支持部材に形成された開孔を閉塞する簡易な構成を提供できる。
また、発光モジュール30の小型化が可能であるため、照明装置の小型化を図ることができる。
また、照明装置の小型化により、省エネルギー及びコストダウンを図ることができる。
【0064】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、実施の形態1のうち、1つを部分的に実施しても構わないし、複数の部分を組み合わせて実施してもよい。なお、本発明は、実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
600 照明装置、1 照明器具、10 器具本体、101 外観主部、102 ユニット取付部、103 底面部、104 周面部、105 器具端部、11 器具側連結具、110 バネ固定部、111 ネジ挿通孔、112 バネ主部、113 バネ先端部、12 器具電源線材、13 器具側コネクタ、14 ネジ、2 照明具、20 外郭部、21 透光性カバー、210 カバー主部、211 カバー側部、212 カバー係合部、213 カバー保持部、22 端部カバー、220 端面部、221 周部、23 支持部材、230 主部、231 第1面部、232 第2面部、234,234a 連結具固定部、235 連結部配置部、236 凹部、237 ネジ孔、237a ネジ孔、238 係合用開孔、240 支持側係合部、241 挿入孔、242 切りしぼり孔、243 ネジ固定部、244 係合片部、245 切りおこし孔、246 固定凸部、247 電源配置凸部、248 側部、30 発光モジュール、31 発光素子、32 回路部品、33 基板コネクタ、34 基板、340 実装面、341 接着面、40 電源装置、401 電源回路部品、402 給電コネクタ、403 電源コネクタ、404 第1筐体、405 筐体底部、406 筐体側部、407 筐体係合部、408 ネジ挿通孔、410 第2筐体、411 筐体覆部、412 筐体周部、42 ユニット側電源線材、43 ユニット側コネクタ、44 給電線材、46,46a ユニット側連結具、460 バネ挿入部、461 主板部、462 貫通孔、463 固定板部、464,464a ネジ孔、465 側板部、466 上端部、467 配置板部、468 差込部、469 押さえ部、470 係合部、48 配線クランプ、49 配線ホルダ、50 接着部材、51 ネジ、52 台座付きネジ、521 台座部、522 固定孔、523 ネジ部、524 スリット、53 ナット、700 造営部、910 取り付け部材、920 取り付け用開口、930 発光素子基板、940 配置部品、950 係合構造部、951 支持側係合部、951A 内部空間、951B 切り起こし部、952 電源側係合部、960 固定構造部、970 取り付け用孔。
図1
図2
図3
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図10
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