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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】仮設防護柵
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/04 20060101AFI20230331BHJP
   E01F 15/06 20060101ALI20230331BHJP
   E01F 15/10 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
E01F15/04 A
E01F15/04 Z
E01F15/06 Z
E01F15/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018238110
(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2020100951
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501182898
【氏名又は名称】室津 章宏
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】石川 昌克
(72)【発明者】
【氏名】猪本 健博
(72)【発明者】
【氏名】室津 章宏
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-287919(JP,A)
【文献】特開2001-207421(JP,A)
【文献】特開平10-018255(JP,A)
【文献】実開昭60-139818(JP,U)
【文献】特開2015-071856(JP,A)
【文献】特開2018-123495(JP,A)
【文献】特開2001-123421(JP,A)
【文献】特開2003-155716(JP,A)
【文献】特開平06-287918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 15/04
E01F 15/06
E01F 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体とからなる仮設防護柵において、
前記柵体は、平板状の接続プレートを有し、前記基台の上部フランジに形成されたボルト孔に挿通されるボルトと前記接続プレートを介して、前記上部フランジ上に取り付けられ、
前記基台の下部フランジは、前記上部フランジ及び前記下部フランジに形成されたボルト孔に挿通されるアンカーにより路面に載置されることを特徴とする仮設防護柵。
【請求項2】
前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールとからなることを特徴とする、請求項1に記載の仮設防護柵。
【請求項3】
前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の両側に取り付けられるガードレールとからなることを特徴とする、請求項1に記載の仮設防護柵。
【請求項4】
前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられる手摺とからなることを特徴とする、請求項1に記載の仮設防護柵。
【請求項5】
前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられるパイプ柵とからなることを特徴とする、請求項1に記載の仮設防護柵。
【請求項6】
前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられる縦柵とからなることを特徴とする、請求項1に記載の仮設防護柵。
【請求項7】
前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられる眩光防止柵とからなることを特徴とする、請求項1に記載の仮設防護柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、仮設防護柵、特に、基台となるH形鋼の上部フランジ上に柵体を取り付けたものからなる仮設防護柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、道路工事を行う場合、自動車が走行する車線と工事現場との境界に仮設防護柵を設置して、安全を確保している。
【0003】
特許文献1に仮設防護柵の一例が開示されている。以下、この仮設防護柵を従来仮設防護柵といい、図面を参照しながら説明する。
【0004】
図19は、従来仮設防護柵を示す部分斜視図、図20は、従来仮設防護柵を示す断面図である。
【0005】
図19図20に示すように、従来仮設防護柵は、基台21と、基台21に取り付けられた柵体22とから構成されている。
【0006】
基台21は、H形鋼からなり、柵体22は、支柱23と支柱23に取り付けられたガードレート24とからなっている。支柱23は、基台21を構成するH形鋼の一方のフランジの裏面に取付金具25によって取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-155716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように構成されている従来仮設防護柵によれば、持ち運びができるので、仮設防護柵として有効に使用することができるが、以下のような課題があった。
【0009】
設置後は、路面との接触面積が狭いので、すなわち、フランジの厚さ分の接触面積しかなく狭いので、防護柵が大きな衝撃を受けた場合、下部フランジのフランジ厚部に衝撃荷重が集中して、路面に食い込みやすく、この結果、防護柵が路面上を滑って移動することなく転倒するおそれがある。
【0010】
この問題を解決するには、図19に示すように、L形鋼26を基台21に取り付け、L形鋼26をアンカー止めすることが考えられるが、これには手間と時間がかかる。
【0011】
従って、この発明の目的は、基台に柵体を容易に取り付けることができ、しかも、大きな衝撃を受けた場合でも転倒しにくい仮設防護柵を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とする。
【0013】
請求項1に記載の発明は、山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体とからなる仮設防護柵において、前記柵体は、平板状の接続プレートを有し、前記基台の上部フランジに形成されたボルト孔に挿通されるボルトと前記接続プレートを介して、前記上部フランジ上に取り付けられ、前記基台の下部フランジは、前記上部フランジ及び前記下部フランジに形成されたボルト孔に挿通されるアンカーにより路面に載置されることに特徴を有するものである。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールとからなることに特徴を有するものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の両側に取り付けられるガードレールとからなることに特徴を有するものである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられる手摺とからなることに特徴を有するものである。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられるパイプ柵とからなることに特徴を有するものである。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられる縦柵とからなることに特徴を有するものである。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記山留H形鋼からなる基台と、前記基台に取り付けられる柵体は、前記上部フランジ上に固定される支柱と、前記支柱の片側に取り付けられるガードレールと、前記支柱間に取り付けられる眩光防止柵とからなることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、柵体を基台の上部フランジ上に取り付けることによって、柵体の取り付けが容易に行なえる。
【0022】
また、この発明によれば、基台の下部フランジを路面に載置することによって、防護柵が大きな衝撃を受けた場合でも転倒しにくい。
【0023】
また、この発明によれば、基台として山留H形鋼を使用することによって、柵体の取り付けや基台同士の連結がさらに容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】この発明の仮設防護柵を示す正面図である。
図2】この発明の仮設防護柵を示す平面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4】この発明の別の仮設防護柵を示す正面図である。
図5】この発明の別の仮設防護柵を示す平面図である。
図6図5のA-A線断面図である。
図7】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図である。
図8】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図である。
図9図8のA-A線断面図である。
図10】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図である。
図11】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図である。
図12図11のA-A線断面図である。
図13】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図である。
図14】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図である。
図15図14のA-A線断面図である。
図16】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図である。
図17】この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図である。
図18図17のA-A線断面図である。
図19】従来仮設防護柵を示す部分斜視図である。
図20】従来仮設防護柵を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の仮設防護柵の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、この発明の仮設防護柵を示す正面図、図2は、この発明の仮設防護柵を示す平面図、図3は、図2のA-A線断面図である。
【0027】
図1から図3に示すように、この発明の仮設防護柵は、H形鋼からなる基台1と、基台1に取り付けられる柵体2とからなっている。
【0028】
柵体2は、基台1の上部フランジ1a上に固定される支柱3と、支柱3の片側に取り付けられるガードレール4とからなっている。基台1の下部フランジ1bは、路面5に載置される(図3参照)。
【0029】
基台1としてのH形鋼は、予め上部フランジ1aおよび下部フランジ1bに間隔をあけて複数個のボルト孔6が一列に形成され、両端部は、ボルト孔7が形成された塞ぎ板8により閉塞されている山留H形鋼からなっている。なお、通常のH形鋼であってもよい。これらは、以下の実施形態においても同様である。
【0030】
基台1に柵体2を取り付けるには、基台1の上部フランジ1aに形成された所定位置のボルト孔6を利用して支柱3をボルト止めし、支柱3にガードレール4をボルト止めする。予めガードレール4がボルト止めされた支柱3を上部フランジ1aにボルト止めしてもよい。
【0031】
基台1をより強固に路面5に固定するには、基台1の上部フランジ1aおよび下部フランジ1bに形成されたボルト孔6にアンカー14を通して打ち込む(図3参照)。この場合、下部フランジ1bに平鋼(図示せず)を溶接等により固定し、この平鋼をアンカー止めしてもよい。
【0032】
基台1同士を連結するには、隣接する基台1の塞ぎ板8同士をボルト孔7を利用してボルト止めする。
【0033】
このようにして構築された仮設防護柵によれば、基台1として山留H形鋼を使用することによって、柵体2の取り付けが容易に行なえる。また、基台1の下部フランジ1bを路面5に載置することによって、防護柵が大きな衝撃を受けた場合であっても、上述した従来仮設防護柵のように、下部フランジが路面に食い込んで、転倒するおそれはない。
【0034】
この発明の別の仮設防護柵を、図面を参照しながら説明する。
【0035】
図4は、この発明の別の仮設防護柵を示す正面図、図5は、この発明の別の仮設防護柵を示す平面図、図6は、図5のA-A線断面図である。
【0036】
図4から図6に示すように、この仮設防護柵は、柵体2が基台1の上部フランジ1a上に固定される支柱3と、支柱3の両側に取り付けられるガードレール9とからなるものであって、上記仮設防護柵と同様な効果が得られる。
【0037】
図7は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図、図8は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図、図9は、図8のA-A線断面図である。
【0038】
図7から図9に示すように、この仮設防護柵は、柵体1が基台1の上部フランジ上1aに固定される支柱3と、支柱3の片側に取り付けられるガードレール4と、支柱3の頂部間に取り付けられる手摺10とからなるものであって、上記仮設防護柵と同様な効果が得られる。
【0039】
図10は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図、図11は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図、図12は、図11のA-A線断面図である。
【0040】
図10から図12に示すように、この仮設防護柵は、柵体1が基台1の上部フランジ上1aに固定される支柱3と、支柱3の片側に取り付けられるガードレール4と、支柱3間に取り付けられるパイプ柵11とからなるものであって、上記仮設防護柵と同様な効果が得られる。
【0041】
図13は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図、図14は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図、図15は、図14のA-A線断面図である。
【0042】
図13から図15に示すように、この仮設防護柵は、柵体1が基台1の上部フランジ上1aに固定される支柱3と、支柱3の片側に取り付けられるガードレール4と、支柱3間に取り付けられる縦柵12とからなるものであって、上記仮設防護柵と同様な効果が得られる。
【0043】
図16は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す正面図、図17は、この発明のさらに別の仮設防護柵を示す平面図、図18は、図17のA-A線断面図である。
【0044】
この仮設防護柵は、柵体1が基台1の上部フランジ上1aに固定される支柱3と、支柱3の片側に取り付けられるガードレール4と、支柱3間に取り付けられる眩光防止柵とからなるものであって、上記仮設防護柵と同様な効果が得られる。眩光防止柵は、エキスパンドメタル柵等からなっている。
【0045】
以上説明したように、この発明によれば、柵体1を基台2の上部フランジ1a上に取り付けることによって、柵体1の取り付けが容易に行なえる。
【0046】
また、この発明によれば、基台2の下部フランジ1bを路面5に載置することによって、防護柵が大きな衝撃を受けた場合でも、下部フランジ面が広いために路面に食い込むことがなく、衝撃は、基台2の移動により吸収される結果、転倒しにくい構造になっている。
【0047】
また、この発明によれば、基台2として山留H形鋼を使用することによって、柵体2の取り付けや基台1同士の連結がさらに容易に行なえる。
【符号の説明】
【0048】
1:基台
1a:上部フランジ
1b:下部フランジ
2:柵体
3:支柱
4:ガードレール
5:路面
6:ボルト孔
7:ボルト孔
8:塞ぎ板
9:ガードレール
10:手摺
11:パイプ柵
12:縦柵
13:眩光防止柵
14:アンカー
21:基台
22:柵体
23:支柱
24:ガードレール
25:取付金具
26:L形鋼
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
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