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特許7253942照明装置、照明ユニット、及び照明システム
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  • 特許-照明装置、照明ユニット、及び照明システム 図1
  • 特許-照明装置、照明ユニット、及び照明システム 図2
  • 特許-照明装置、照明ユニット、及び照明システム 図3
  • 特許-照明装置、照明ユニット、及び照明システム 図4
  • 特許-照明装置、照明ユニット、及び照明システム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】照明装置、照明ユニット、及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20230331BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20230331BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20230331BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230331BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20230331BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230331BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/16
F21S8/04
F21V23/00 110
F21V23/00 140
F21Y101:00 100
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019047683
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020149908
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日:平成31年1月29日~31日 公開場所:ENEX2019第43回地球環境とエネルギーの調和展(東京ビッグサイト) 公開内容:発明者である冨永久之は照明装置及び照明ユニットを展示しカタログを配布した。
(73)【特許権者】
【識別番号】519092347
【氏名又は名称】アイキュージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】冨永 久之
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-243456(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0231464(US,A1)
【文献】特表2016-522556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
F21S 8/04
F21V 23/00
F21Y 101/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の屋内又は屋外に設置される照明装置であり、
前記建築物の屋内又は屋外に設置された既存の主要灯とは別体に構成され、その主要灯と並べて設置されるものであり、
前記主要灯に接続されるコントローラーと、前記コントローラーに接続され、前記屋内又は屋外における移動体の有無を検知するセンサーと前記コントローラーに接続され、前記主要灯よりも照射する光の光度が低い補助灯とを備え、
前記コントローラーは、
前記センサーの検知信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した前記検知信号に基づいて前記移動体の有無を判断する判断部と、
前記判断部が移動体有と判断した場合に、前記補助灯に消灯指令する補助消灯指令部と、
前記判断部が移動体有と判断した場合に、前記主要灯に点灯指令する主要点灯指令部と、
前記主要灯の点灯を継続させる点灯継続時間を記憶する継続時間記憶部と、
稼働開始時に前記補助灯に点灯指令する補助点灯指令部と、
稼働開始時に前記主要灯に消灯指令する主要消灯指令部と、
を備え、
前記補助点灯指令部は、前記主要点灯指令部によって前記主要灯が点灯した後、前記判断部が移動体無と判断した場合に、前記点灯継続時間が経過することに関係付けして、前記補助灯に点灯指令するように構成され、
前記主要消灯指令部は、前記主要点灯指令部によって前記主要灯が点灯した後、前記判断部が移動体無と判断した場合に、前記点灯継続時間が経過した時、前記主要灯に消灯指令するように構成され、
前記コントローラーは、前記センサーが移動体を検知した場合、前記主要灯を点灯させ、前記補助灯を消灯させるように構成されたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記補助灯が照射する光の光度は、前記主要灯が照射する光の光度に対して、0.5倍以下である請求項1に記載する照明装置。
【請求項3】
前記コントローラーは、前記判断部が移動体有と判断した場合に前記補助灯の消灯を開始するための遅れ時間を記憶する遅れ時間記憶部と、該遅れ時間に基づいて前記補助消灯指令部と前記主要点灯指令部とを連動処理させる遅れ処理部とをさらに備え、
前記遅れ処理部は、前記主要点灯指令部が前記主要灯に点灯指令したことを認識した後、前記遅れ時間の経過の時に、前記補助消灯指令部に、前記補助灯へ消灯指令させるように構成された請求項1又は2のいずれかに記載する照明装置。
【請求項4】
前記コントローラーは、前記点灯継続時間よりも短時間の先行時間を記憶する先行時間記憶部と、該先行時間に基づいて前記補助点灯指令部と前記主要点灯指令部とを連動処理させる先行処理部とをさらに備え、
前記先行処理部は、前記主要灯が点灯した後、前記判断部が移動体無と判断した場合に、前記先行時間の終了の時に、前記補助点灯指令部に、前記補助灯へ点灯指令させるように構成された請求項1~3のいずれかに記載する照明装置。
【請求項5】
前記請求項1~4のいずれかに記載する照明装置と、
前記請求項1に記載する主要灯と、
から構成された照明ユニット。
【請求項6】
建築物の天井に複数個配置された前記請求項5に記載する照明ユニットと、
複数の照明ユニットに電気を供給する電線と、
前記電線に接続され、全ての前記照明ユニットへの電気の供給を制御できるように構成された電気スイッチと、
から構成された照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、工場又は倉庫等の建築物の屋内又は屋外に設置される、照明装置、照明ユニット、及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場又は倉庫等の建築物の天井には、複数個の電灯が配置されている。工場においては、工場を使用する時、人が電灯のスイッチをONにし、工場を使用しない時、人が電灯のスイッチをOFFにする。工場の電灯は、人の足元等を照らし、作業の安全性の向上という意義がある。工場等の建築物の安全性をより向上させることが、望ましい。また、建築物において、人が存在する時のみ電灯をONにして電気代を低減できるように、電灯としてセンサーライトが配置されていることがある(例えば、特許文献1)。建築物の電気代をより低減することが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-283171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明は、工場等の建築物の安全性をより向上させることができるとともに、建築物の電気代をより低減できる照明装置、照明ユニット、及び照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の照明装置は、建築物の屋内又は屋外に設置される照明装置であり、
前記屋内における移動体の有無を検知するセンサーと、前記センサーに接続され、前記屋内に設置された主要灯に接続されるコントローラーと、前記コントローラーに接続され、照射する光の光度が前記主要灯よりも低い補助灯と、を備え、
前記コントローラーは、前記センサーの検知信号を受信する信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記検知信号に基づいて前記移動体の有無を判断する判断部と、前記判断部が移動体有と判断した場合に、前記補助灯に消灯指令する補助消灯指令部と、前記判断部が移動体有と判断した場合に、前記主要灯に点灯指令する主要点灯指令部と、前記主要灯の点灯を継続する点灯継続時間を記憶する継続時間記憶部と、
稼働開始時に前記補助灯に点灯指令する補助点灯指令部と、
稼働開始時に前記主要灯に消灯指令する主要消灯指令部と、
を備え、
前記補助点灯指令部は、前記主要点灯指令部によって前記主要灯が点灯した後、前記判断部が移動体無と判断した場合に、前記点灯継続時間が経過することに関係付けして、前記補助灯に点灯指令するように構成され、
前記主要消灯指令部は、前記主要点灯指令部によって前記主要灯が点灯した後、前記判断部が移動体無と判断した場合に、前記点灯継続時間が経過した時、前記主要灯に消灯指令するように構成され、
前記コントローラーは、前記センサーが移動体を検知した場合、前記主要灯を点灯させ、前記補助灯を消灯させるように構成されたことを特徴とする。
本願明細書及び特許請求の範囲において、「屋内」とは、建築物の屋根裏、工場や倉庫の高天井、出入口の軒や庇の天井等を含む。「建築物」には、屋根のみからなるものを含む。指令には、AC又はDC電源をON/OFFすることを含む。
【0006】
請求項2に記載する本願発明の照明装置は、前記補助灯が照射する光の光度は、前記主要灯が照射する光の光度に対して、0.5倍以下であることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載する本願発明の照明装置は、前記コントローラーは、前記判断部が移動体有と判断した場合に前記補助灯の消灯を開始するための遅れ時間を記憶する遅れ時間記憶部と、該遅れ時間に基づいて前記補助消灯指令部と前記主要点灯指令部とを連動処理させる遅れ処理部と、を備え、
前記遅れ処理部は、前記主要点灯指令部が前記主要灯に点灯指令信号を送信したことを認識した後、前記遅れ時間の経過の時に、前記補助消灯指令部に、前記補助灯へ消灯指令信号を送信させるように構成されたことを特徴とする。
すなわち、請求項3に記載する本願発明は、センサーが移動体を検知した場合、主要灯を点灯させた後、一定の遅れ時間の経過後に補助灯を消灯させるように構成されている。
【0008】
請求項4に記載する本願発明の照明装置は、前記コントローラーは、前記点灯継続時間よりも短時間の先行時間を記憶する先行時間記憶手部と、該先行時間に基づいて前記補助点灯指令部と前記主要点灯指令部とを連動処理させる先行処理部と、備え、
前記先行処理部は、前記主要灯が点灯した後、前記判断部が移動体無と判断した場合に、前記先行時間の終了の時に、前記補助点灯指令部に、前記補助灯へ点灯指令信号を送信させるように構成されたことを特徴とする。
すなわち、請求項3に記載する本願発明は、主要灯が点灯した後、判断部が移動体無と判断した場合に、一定の先行時間の経過後に、補助灯を点灯させ、その後一定時間経過後に主要灯を消灯させるように構成されている。
【0009】
本願発明の照明ユニットは、前記請求項1~4のいずれかに記載する照明装置と、前記請求項1に記載する主要灯と、から構成されたことを特徴とする。
【0010】
本願発明の照明システムは、建築物の天井に複数個配置された前記請求項6に記載する照明ユニットと、複数の照明ユニットに電気を供給する電線と、前記電線に接続され、全ての前記照明ユニットへの電気の供給を制御できるように構成された電気スイッチと、から構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の照明装置によれば、稼働開始時に補助点灯指令部が補助灯に点灯指令信号を送信し、センサーが屋内の移動体を検知しない限り、光度が低い補助灯の点灯を継続する。このため、屋内に移動体が存在しない場合に真っ暗になることはなく、建築物に入ろうとする人は足元等を目視でき、人の安全を確保することができる。また、本願発明によれば、センサーが移動体を検知した場合に、主要点灯指令部は主要灯に点灯指令信号を送信し、センサーが移動体を検知しない場合に、補助点灯指令部は補助灯に点灯指令することができる。このため、移動体が通過する場所のみに主要灯によって光を照射し、移動体が通過しない場所は、光度が低くて電気代の安い補助灯を点灯することができる。このため、建築物の電気代をより低減できる。また、主要点灯指令部によって主要灯を点灯させた場合、補助消灯指令部によって補助灯を消灯させることによっても、建築物の電気代をより低減できる。すなわち、本願発明によれば、工場等の建築物の安全性をより向上させることができるとともに、建築物の電気代をより低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願発明に係る照明装置を示す構成図である。
図2図1の照明装置を示す斜視図である。
図3図1の照明装置の作動を示すフローチャートである。
図4図1の照明装置の作動を示すタイミングチャートである。
図5図1の照明装置を利用した照明システムを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本願発明の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2において、符号10は本願発明の照明装置を示す。図1において、装置、機器、コントローラー又は部位を繋ぐ実線は、接続され、又は互いに関係付けられていることを示す。装置、機器、コントローラー又は部位の制御は、図示しないコンピュータによって行う。コンピュータは、CPU、メモリ、及び入出力ポートを含む。装置等の制御を、CPUを備えない電気回路によって行ってもよい。
【0014】
(構成)
照明装置10は、図1及び図2に示すように、人又はフォークリフト等の移動体を検知できるセンサー12を備える。センサー12の赤外線受信面40は、球体の一部の形状を有する。赤外線受信面40を下に向けて照明装置10を天井に設置した場合、センサー12の検知範囲は平面視で円形である。センサー12は、人等から生じる赤外線を検知できる。センサー12は、人等が移動することにより生じた赤外線の変化を、移動体有として検知できる。センサー12は、移動体を検知できる超音波センサーであってもよい。
【0015】
照明装置10は、図1及び図2に示すように、照明装置10を構成する機器を制御するコントローラー16を備える。コントローラー16の内部構成は、後で詳細に説明する。コントローラー16は、センサー12と接続されている。コントローラー16は、工場等の建築物50の天井52(図5に示す)に予め配置されている主要灯14に接続できるように構成されている。主要灯14の種類は、LED電灯又は白熱電灯等、特に限定されない。
【0016】
照明装置10は、図1及び図2に示すように、コントローラー16に接続された補助灯18を備える。補助灯18の照射面42は長方形であり、照明装置10を天井に設置した場合、補助灯18の照射範囲は円形又は楕円等である。補助灯18とコントローラー16とは、一体であり、照明装置10を把持して主要灯14に接続する作業が容易なように構成されている。照射面42は透明ではなく透光性を有する白色である。補助灯18が照射する光の光度は、主要灯14が照射する光の光度よりも低く、好ましくは0.5倍以下、さらに好ましくは0.25倍以下であることが望ましい。コントローラー16は、補助灯18の光度を設定できるように構成してもよい。補助灯18は人等の移動体が存在しない時に点灯させるものであるため、光度を低くして乱反射により広い範囲を照射できるようにするためである。補助灯18の消費電力は、主要灯14の消費電力よりも少なく、好ましくは0.25倍以下であることが望ましい。補助灯18は、人等の移動体が存在しない夜間等に長時間点灯することがあるため、補助灯18は、電気代の安いLED電灯であることが好ましい。
【0017】
(コントローラー16)
コントローラー16は、図2に示す電線44から交流の電気が供給される電気受給部(図示しない)を備える。コントローラー16は、電気コード46を介して主要灯14に交流の電気を供給する電気供給部(図示しない)を備える。
【0018】
コントローラー16は、図1に示すように、センサー12の検知信号を受信する信号受信部20を備える。コントローラー16は、信号受信部20が受信した検知信号に基づいて、人等の移動体の有無を判断する判断部22を備える。判断部22は、信号受信部20から受信した信号を2値化処理し、移動体有又は移動体無を判断する。コントローラー16は、判断部22が移動体有と判断した場合に、補助灯18に消灯指令する補助消灯指令部24を備える。また、コントローラー16は、判断部22が移動体有と判断した場合に、主要灯14に点灯指令する主要点灯指令部26を備える。
【0019】
コントローラー16は、判断部22が移動体有と判断した場合に、補助灯18の消灯を開始するための遅れ時間を記憶する遅れ時間記憶部32と、遅れ時間に基づいて(関係付けして)補助消灯指令部24と主要点灯指令部26とを連動処理させる遅れ処理部34と、を備える。遅れ時間は、予め設定されている。遅れ処理部34は、主要点灯指令部26が主要灯14に点灯指令したことを認識した後、遅れ時間の経過の時に、補助消灯指令部24に、補助灯18に消灯指令させるように構成されている。すなわち、遅れ処理部34は、判断部22が移動体有と判断した場合、図3及び図4に示すように、主要灯14を点灯させた後、遅れ時間が経過した後に、補助灯18を消灯させるように構成されている。遅れ時間は、例えば、0.5秒、1.0秒又は1.5秒である。このため、照明装置10を設置している屋内が完全に消灯して人が足元等を目視できない瞬間が生じることがなく、屋内の安全性が向上する。また、補助灯18が消灯するのと同時に光の強い主要灯14が点灯することによって、目に強いショックを与えることがない。
【0020】
コントローラー16は、図1に示すように、主要灯14の点灯を継続する点灯継続時間を記憶する継続時間記憶部36を備える。点灯継続時間は、リモコン(図示しない)から設定できる。点灯継続時間は、例えば、30秒、1分、3分又は5分である。コントローラー16は、主要灯14が点灯した後、点灯継続時間が経過することに関係付けして、補助灯18に点灯指令する補助点灯指令部28を備える。コントローラー16は、主要灯14が点灯した後に、点灯継続時間が経過した時、主要灯14に消灯指令する主要消灯指令部30を備える。
【0021】
コントローラー16は、点灯継続時間よりも短時間の先行時間を記憶する先行時間記憶部38を備える。先行時間は、点灯継続時間から、予め先行時間記憶部38に設定されている偏差時間を差し引いて、先行時間記憶部38に記憶される。コントローラー16は、先行時間に基づいて(関係付けして)補助点灯指令部28と主要消灯指令部30とを連動処理させる先行処理部35を備える。先行処理部35は、主要点灯指令部26が主要灯14に点灯指令し主要灯が点灯14した後、判断部22が移動体無と判断した場合に、先行時間の終了の時に、補助点灯指令部28に、点灯指令させるように構成されている。主要消灯指令部30は、先行時間よりも長時間の点灯継続時間が終了する時に、主要灯14を消灯させるように構成されている。すなわち、先行処理部35は、図3及び図4に示すように、主要灯14が点灯してから消灯するまでの時間と、補助灯18が消灯してから点灯するまでの時間との間に偏差時間を設けている。偏差時間は、例えば、0.5秒、0.7秒、又は1.5秒等である。このため、照明装置10を設置している屋内が完全に消灯して人が足元等を目視できない瞬間が生じることがなく、屋内の安全性が向上する。
【0022】
(照明システム48及び照明ユニット58)
本願発明の照明システム48は、図5に示すように、複数の照明装置10を工場等の建築物50の天井52(例えば工場の高天井)に配置して構成される。本願発明の照明ユニット58は、一の照明装置10と、一の照明装置10に接続された主要灯14から構成される。図5は、建築物50内をフォークリフト54に乗車した人56が移動している時に、フォークリフト54に乗車した人56をセンサー12が移動体として検知した照明ユニット58において、主要灯14が点灯して補助灯18が消灯し、人56をセンサー12が検知しない照明ユニット58において、照明装置10の主要灯14が消灯し補助灯18が点灯する状態を示す。主要灯14は、照明装置10を配置する以前から天井52に設置されている。照明ユニット58は、1個の主要灯14に対して1個の照明装置10を接続し、天井52に断面略U字形状の金具60(図2に示す)によって固定することにより形成される。2個の主要灯14に対して1個の照明装置10を接続してもよい。照明システム48は、各照明装置10が1本の電線44に接続され、電線44の端部付近に、電線44に送電し又は遮断する電気スイッチ62を設置して形成される。電気スイッチ62は、全ての照明ユニット58への電気の供給を制御できるように構成されている。
【0023】
(作用及び効果)
(照明装置10、照明ユニット58及び照明システム48の稼働開始)
図5の天井52に設置された照明システム48は、電気スイッチ62をONにして電気を電線44に供給することにより、図3に示すように、全ての照明装置10の電源がONの状態となる。各照明装置10が稼働を開始する。図3において、「全ての照明装置10の電源がON」よりも下の作用は、各照明装置10によって異なる。各照明装置10が稼働を開始すると、図3に示すように、各補助点灯指令部28が各補助灯18に点灯指令して点灯させ、各主要消灯指令部30が各主要灯14に消灯指令して消灯を維持する。
【0024】
(照明装置10、照明ユニット58及び照明システム48の通常稼働)
建築物50の屋内64に人56等の移動体が存在しない場合、センサー12が移動体を検知しないため、図3に示すように、補助灯18が点灯し主要灯14が消灯した状態が維持される。このため、屋内64は、移動体が存在しなくとも真っ暗になることはなく、補助灯18が点灯している状態となる。
【0025】
例えば、図5に示すように、フォークリフト54に乗車した人56が屋内64に入り移動する場合、人56又はフォークリフト54を移動体としてセンサー12が検知した照明ユニット58においては、図3に示すように、主要灯14を点灯し、遅れ時間の時間待ちを行った後、補助灯18を消灯する。そして、主要灯が点灯14した後、判断部22が移動体無と判断した場合に、照明ユニット58は、先行時間(例えば、29.3秒)の時間待ちを行って補助灯18を点灯した後、主要灯14が消灯する。主要灯14は、点灯継続時間(例えば30秒)の経過の時に消灯することになる。人56をセンサー12が検知しない照明ユニット58においては、照明装置10の主要灯14が消灯し補助灯18が点灯する。フォークリフト54に乗車した人56が屋内64に存在しなくなっても、作業者が存在する時、作業者を移動体としてセンサー12が検知した照明ユニット58においては、図3に示すように、主要灯14を点灯し、遅れ時間の時間待ちを行った後、補助灯18を消灯する。
【0026】
本願発明によれば、上述のように、屋内64に人56等の移動体が存在しない場合、屋内64は、真っ暗になることはなく、補助灯18が点灯している状態となるため、建築物50に入ろうとする人56は足元等を目視でき、人の安全を確保することができる。また、本願発明によれば、建築物50の外部の安全のために建築物50の窓から光が外部へ漏れる常夜灯として利用することもできる。また、本願発明によれば、人56が通過する場所のみに主要灯14により光を照射し、人56が通過しない場所は、光度が低くて電気代の安い補助灯18を点灯することができる。このため、建築物50の電気代をより低減できる。すなわち、本願発明によれば、工場等の建築物50の安全性をより向上させることができるとともに、建築物50の電気代をより低減できる。
【0027】
以上、本願発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、本願発明は図示した実施形態に限定されない。例えば、照明装置が人のみを検知するセンサーを備え、自動運転の無人フォークリフトが屋内を通過した場合、主要灯を点灯せず、補助灯のみを点灯するように構成してもよい。また、本願発明を、デパート、遊園地、公園等においての防犯のために使用してもよい。
【符号の説明】
【0028】
10:照明装置
12:センサー
14:主要灯
16:コントローラー
18:補助灯
20:信号受信部
22:判断部
24:補助消灯指令部
26:主要点灯指令部
28:補助点灯指令部
30:主要消灯指令部
32:遅れ時間記憶部
34:遅れ処理部
35:先行処理部
36:継続時間記憶部
38:先行時間記憶手部
40:赤外線受信部
44:電線
46:電気コード
48:照明システム
50:建築物
58:照明ユニット
62:電気スイッチ
64:屋内
図1
図2
図3
図4
図5