(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】液体タンク装置
(51)【国際特許分類】
A01M 7/00 20060101AFI20230331BHJP
B05B 15/00 20180101ALI20230331BHJP
【FI】
A01M7/00 Y
B05B15/00
(21)【出願番号】P 2019095316
(22)【出願日】2019-05-21
【審査請求日】2022-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】青山 良平
(72)【発明者】
【氏名】向 紘史
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-176133(JP,U)
【文献】特開2011-138701(JP,A)
【文献】特開2006-000741(JP,A)
【文献】特開2016-063782(JP,A)
【文献】実開昭56-093324(JP,U)
【文献】特開2013-216225(JP,A)
【文献】特開2018-155361(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109691280(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
B05B 15/00 - 15/80
B60K 15/03 - 15/077
B65D 25/00 - 25/56
B65D 83/14 - 83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入口(22)から注入された
薬液を貯留する液体タンク(2)と、
前記液体タンク(2)の内側空間(S)に配置される平面状の網状体(9)と、を備え、
前記液体タンク(2)は、前記内側空間(S)における前記網状体(9)の上下方向の移動を規制する規制手段を有し、
前記規制手段は、前記液体タンク(2)の内側面に形成された凹部(25)を含み、
前記網状体(9)は、
前記凹部(25)に係合されることによって、上下方向の移動が規制されており、前記内側空間(S)において前記液体タンク(2)の上下方向に対して平面が交差した状態で配置されている、液体タンク装置。
【請求項2】
前記注入口(22)は、前記液体タンク(2)の上部に形成されており、
前記網状体(9)は、上下方向から見たときに、前記注入口(22)よりも大きな面積を有している、請求項
1に記載の液体タンク装置。
【請求項3】
前記網状体(9)は、弾性変形した状態で前記注入口(22)を通過可能である、請求項
2に記載の液体タンク装置。
【請求項4】
前記網状体(9)は、上下方向から見て、前記網状体(9)が設けられている高さ位置における前記液体タンク(2)の断面積と同程度の面積を有する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の液体タンク装置。
【請求項5】
前記注入口(22)に取り付けられるストレーナ(5)をさらに備え、
前記網状体(9)は、前記ストレーナ(5)の下方に配置されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載の液体タンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている液体タンク装置は、液体を貯留する液体タンクと、液体タンクの注入口に装着されたストレーナとを含んでいる。ストレーナの下部には、下向きに延在する板状体が設けられている。板状体は、例えば液体タンクに貯留された液体の液面に対して略直角に交差して配置されている。そのため、液体が前後左右に揺れ動いた場合に、板状体によって液体の動きが制限され得る(いわゆる波消効果)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された液体タンク装置では、板状体がストレーナの下部に設けられており、板状体が配置される領域は、上下方向から見て注液口よりも小さいサイズとなっていた。そのため、水平方向に比べて上下方向における波消効果が小さい傾向があった。
【0005】
本発明は、上下方向における液体の動きを抑制することができる液体タンク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による液体タンク装置(1)は、注入口(22)から注入された液体を貯留する液体タンク(2)と、液体タンク(2)の内側空間(S)に配置される平面状の網状体(9)と、を備え、網状体(9)は、内側空間(S)において液体タンク(2)の上下方向に対して平面が交差した状態で配置されている。
【0007】
このような液体タンク装置(1)によれば、液体タンク(2)の内側空間(S)において、配置された網状体(9)が貯留された液体に接触し得る。網状体(9)の平面が上下方向に対して交差した状態で配置されている。そのため、液体タンク(2)の揺れに応じて液体が上下方向に移動した際に、液体の流動に対して網状体(9)が抵抗を与え、液体の流動が抑制される。
【0008】
液体タンク(2)は、内側空間(S)における網状体(9)の上下方向の移動を規制する規制手段を有してもよい。この構成では、液体の上下方向の移動によって、上下方向における網状体(9)の位置の移動が抑制される。
【0009】
規制手段は、液体タンク(2)の内側面に形成された凹部(25)を含み、網状体(9)は、凹部(25)に係合されることによって、上下方向の移動が規制されていてよい。この構成では、液体タンク(2)の内側面に凹部(25)を形成するという簡便な方法によって、規制手段(25)を有する液体タンク(2)を形成することができる。
【0010】
注入口(22)は、液体タンク(2)の上部に形成されており、網状体(9)は、上下方向から見たときに、注入口(22)よりも大きな面積を有していてもよい。この構成では、液体タンク(2)内に配置される網状体(9)の面積を大きくすることができる。これにより、効果的に液体の移動を抑制することができる。例えば、網状体(9)は、上下方向から見て、網状体(9)が設けられている高さ位置における液体タンク(2)の断面積と同程度の面積を有していてよい。
【0011】
網状体(9)は、弾性変形した状態で注入口(22)を通過可能であってよい。この構成では、大きな面積を有する網状体(9)を液体タンク(2)の内側空間(S)に容易に配置することができる。
【0012】
液体タンク装置(1)は、注入口(22)に取り付けられるストレーナ(5)をさらに備え、網状体(9)は、ストレーナ(5)の下方に配置されていてよい。この構成では、液体タンク(2)内の水位がストレーナ(5)の下端よりも下がった後であっても、網状体(9)による波消効果が持続する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上下方向における液体の動きを抑制することができる液体タンク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】上下方向に沿って切断された液体タンク装置を示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0016】
図1は、液体タンク装置1を示す斜視図である。
図2は、液体タンク装置1を示す平面図である。
図3は、上下方向に沿って切断された液体タンク装置1を示す断面斜視図である。本実施形態において、液体タンク装置1は、農薬等の液体を散布するための、いわゆる背負式動力噴霧機に適用され得る。例えば、液体タンク装置1には、作業者が液体タンク装置1を背負うための背負いバンドが設けられていてもよい。なお、以下においては、背負式動力噴霧器に適用される液体タンク装置1を説明し、作業者が動力噴霧機を背負った状態での作業者側(図面においてY方向の矢印が指す側)を前側として前後方向を規定する。これにより、前後方向に交差(直交)する水平方向(X方向)が左右方向として規定され、前後方向及び水平方向に交差(直交)する方向が上下方向(Z方向)として規定される。
【0017】
液体タンク装置1は、液体タンク2と、ストレーナ5と、網状体9とを含んでいる。液体タンク2は、内側空間Sに薬液等の液体を貯留し得る。液体タンク2の下部は、液体タンク2の内側に向かって凹む形状を呈する。この凹部には、動力源を構成するポンプ及びモータが液体タンク2に固定されるようにして配置され得る。液体タンク2が背負式動力噴霧機に適用された場合、ポンプの駆動により液体タンク2から薬液が吸引され、噴霧ホースに圧送され、噴霧ノズルから薬液の散布が可能となっている。なお、図示例において、ポンプ、モータ、噴霧ホース、噴霧ノズル等は描かれていない。
【0018】
液体タンク2は、例えば半透明の合成樹脂によって形成されており、内側空間Sに貯留された液体の量を外部から視認することができる。一例として、液体タンク2は、ブロー成形によって形成され得る。液体タンク2の上部には、液体タンク2の内側空間Sに液体を注入するための注入口22が形成されている。注入口22を形成する円筒部22aの外周面に対して、タンク蓋(不図示)が例えば螺子等により着脱可能に装着され得る。また、円筒部22aの内周には、径方向内側に突出する段差部22bが設けられている。
【0019】
液体タンク2の上下方向の中央の位置には、支持部23が形成されている。支持部23は、作業衣者が液体タンク2を支持する際に、液体タンク2に手をかける部分である。図示例の支持部23は、液体タンク2の外周面に形成されている。支持部23は、液体タンク2の内側に向かって凹む形状を有している。
【0020】
また、液体タンク2の内側空間Sを画成する内面には、上下方向において、液体タンク2の中央の位置に、液体タンク2の外側に向かって凹む形状の凹部25が形成されている。図示例では、凹部25は、液体タンク2の上下方向の中心よりも下側であって、上下方向において下端から1/4の位置よりも上側に形成されている。この凹部25によって、液体タンク2の外面には、外方に向かって突出する凸部26が形成されている。凹部25は、液体タンク2の後部であって、液体タンク2の左右方向の両端に一対形成されている。
【0021】
ストレーナ5は、注入口22に挿入される略円筒状の筒状部分6と、この筒状部分6の下端に設けられた濾過部分7と、濾過部分7の下部に設けられた抵抗部分8と、を備えている。筒状部分6、濾過部分7及び抵抗部分8は、例えば合成樹脂によって一体成形されている。
【0022】
筒状部分6は、その軸線方向に沿って、上側から上部61、中間部63及び下部65の3つの部分に区分されている。上部61の外径は中間部63の外径よりも大きく、下部65の外径は中間部63の外径よりも小さい。より具体的には、中間部63の外径は、注入口22に形成された段差部22bの内縁によって画成される円の直径よりも小さい。上部61の外径は、注入口22の開放端の外径よりも小さく、かつ、前記円の直径よりも大きい。したがって、筒状部分6を下部65側から注入口22に挿入すると、下部65及び中間部63は段差部22bで囲まれる領域を通過するが、中間部63と上部61との間の段差64が段差部22bに載置され、筒状部分6が注入口22内で保持される。この状態において、筒状部分6の上端は開放されているので、そこから液体を筒状部分6に注入し、濾過部分7にて液体に含まれている異物を濾過することが可能となる。
【0023】
濾過部分7は、筒状部分6内を通過した液体から異物を除去し濾過するための部分である。濾過部分7は、筒状部分6の下端面を周方向に均等に区画するように設けられた複数本(図示実施形態では6本)の骨部材71を有する。複数本の骨部材71は、濾過部分7の中心の位置において互いに接続している。すなわち、これらの骨部材71は、濾過部分7の中心から放射状に延在している。濾過部分7は、骨部材71によって複数の扇状開口部73に区画されている。扇状開口部73には、液体タンク2に注入される液体に含まれる異物を捕捉するメッシュ(不図示)が設けられている。
【0024】
抵抗部分8は、液体タンク2に貯留された液体に抵抗を与えるものである。本実施形態における抵抗部分8は、濾過部分7の中心の位置から筒状部分6と同軸に下方に延びる軸芯81と、この軸芯81から放射状に延びる複数枚(図示実施形態では6枚)の略長方形状の板状体83とを備えている。板状体83は周方向に均等に配設され、それぞれ対応の骨部材71に結合されている。さらに、各板状体83の外縁部84は、中間部63と下部65との間の段差64まで上方に延び、筒状部分6の下部65の外周面に結合している。
【0025】
軸芯81の中心軸線から外縁部84までの長さ(水平寸法)は、例えば、筒状部分6における中間部63の外周面の半径以下であってよい。また、抵抗部分8の高さ(板状体83の上下方向寸法)は、ストレーナ5を注入口22に装着した状態において、抵抗部分8の少なくとも一部が液体タンク2内の一定量の液体に浸漬され得る大きさである。図示例では、抵抗部分8は、液体タンク2の中央よりも下側の位置であって、凹部25よりも上側の位置まで延在している。
【0026】
網状体9は、液体タンク2の内側空間Sに配置されており、液体タンク2に貯留された液体の波(液面の揺れ)を減衰させ得る。本実施形態では、網状体9は、液体を通過させる孔状部が規則的に配置された、平面状に延在する網部91を含んでいる。一例として、網部91は、複数の樹脂線又は金属線が平織、綾織等によって直角に交差することで形成され得る。例えば、網部91の目開きは、1~20mm程度であってよい。なお、網部91の外縁は、枠状の支持部93によって支持されていてよい。網状体9の線径は、網状体9が弾性変形できる程度の大きさであり、例えば1~5mm程度であってよい。本実施形態では、網状体9は、弾性変形した状態で注入口22を通過可能である。
【0027】
網状体9は、液体タンク2の内側空間Sにおいて液体タンク2の上下方向に対して交差した状態で配置されている。図示例では、網状体9の網部91に沿った平面が液体タンク2の上下方向に直交(交差)している。すなわち、網状体9は、液体タンク2の内側空間Sにおいて、網部91に沿った平面が水平になるように配置されている。
【0028】
本実施形態では、網状体9は、液体タンク2の凹部25に係合している。すなわち、水平に配置された網状体9における後側の左右両端部が、凹部25によって形成される溝内に位置している。そのため、内側空間Sにおける網状体9の上下方向の移動は、凹部25によって規制されている。
【0029】
網状体9は、上下方向から見たときに、注入口22よりも大きな面積を有している。例えば、網状体9は、上下方向から見て、網状体9が設けられている高さ位置における液体タンク2の断面積と略同形状をなしており、且つ同程度の面積を有する。なお、本実施形態において、網状体9が設けられている高さ位置は、液体タンク2における凹部25の高さ位置である。
【0030】
本実施形態では、上述の通り、網状体9が弾性変形できるようになっている。網状体9を液体タンク2の内側空間Sに配置する場合、網状体9は、製造者、作業者等によって弾性変形された状態で、注入口22を介して液体タンク2の内側空間Sに押し込まれる。そして、網状体9に加えられていた力が解除されることによって、網状体9は液体タンク2の内側空間Sで平面状に復元する。例えば、復元する際に、網状体9の外縁(支持部93)を凹部25に係合させることによって、網状体9は液体タンク2の内側空間Sの所定位置に配置される。本実施形態では、網状体9は、上下方向においてストレーナ5の下方に配置される。
【0031】
以上説明した液体タンク装置1を使用する場合、液体タンク2の内側空間Sに網状体9が配置された状態で、ストレーナ5を装着する前に、所定量を計量した濃縮薬液を注入口22から投入する。濃縮薬液の投入が完了した後、液体タンク2の注入口22にストレーナ5を装着する。ストレーナ5の装着に際しては、ストレーナ5の抵抗部分8、濾過部分7、筒状部分6という順番で注入口22に挿入していく。
【0032】
このようにしてストレーナ5が注入口22に取り付けられたならば、濃縮薬液を所定濃度に薄めるための水をストレーナ5の開放端から注入する。注入する水の分量確認は、半透明の液体タンク2の外部から液面を眺め、液体タンク2に刻設された目盛り等と対比して行う。例えば、板状体83の少なくとも一部(下部側)が浸漬する程度の水位になるように、水が注入される。この場合、網状体9は、完全に浸漬される。また、水に含まれる異物は、ストレーナ5の濾過部分7によって捕捉され、液体タンク2内への異物の混入が防止される。液体タンク2に水を注入し終わった後、注入口22にタンク蓋を装着する。これにより、作業者は例えば背負式動力噴霧機による作業を開始することができる。
【0033】
このような作業を行う場合、背負式動力噴霧機は作業者に背負われて用いられるものであるため、作業者の歩行に伴い、液体タンク2が不規則に揺れ、液体タンク2内の薬液に波立ちが生じ易い。しかし、液体タンク装置1によれば、液体タンク2の内側空間Sにおいて、貯留された液体に網状体9が浸漬している。この網状体9の平面は、上下方向に対して交差した状態で配置されている。そのため、液体の上下方向の流動に対して網状体9が抵抗を与え、液体の流動が抑制される。また、板状体83は水平方向に交差した状態で液体に浸漬している。そのため、液体の水平方向の流動に対して板状体83が抵抗を与え、液体の流動が抑制される。
【0034】
また、網状体9は、液体タンク2の内側空間Sにおいて上下方向の移動が規制されている。この場合、上下方向に移動する液体の力を受けて網状体9の位置が移動することが抑制される。そのため、網状体9は液体に対してより大きな抵抗を与えることができる。
【0035】
本実施形態では、網状体9の上下方向の移動は、凹部25に係合されることによって、規制されている。この構成では、液体タンク2の内側面に凹部25を形成するという簡便な方法によって、規制手段を有する液体タンク2を形成することができる。
【0036】
注入口22は、液体タンク2の上部に形成されており、網状体9は、上下方向から見たときに、注入口22よりも大きな面積を有していている。特に、本実施形態では、網状体9は、上下方向から見て、凹部25の位置における液体タンク2の断面積と同程度の面積を有している。この構成では、液体タンク2内に配置される網状体9の面積が大きいため、より効果的に液体の移動を抑制することができる。
【0037】
また、網状体9は、弾性変形した状態で注入口22を通過可能であるため、大きな面積を有する網状体9を液体タンク2の内側空間Sに容易に配置することができる。
【0038】
また、網状体9は、上下方向においてストレーナ5の下方に配置されている。そのため、散布作業の経過に伴って、液体タンク2内の水位がストレーナ5の下端よりも下がった後であっても、網状体9による波消効果は持続する。
【0039】
以上、一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。
【0040】
例えば、網状体の上下方向の位置を規制する手段として、液体タンクに形成された凹部25を示したが、位置規制の手段はこれに限定されない。例えば、液体タンクの形状が下側から上側に向かって縮径している場合には、液体タンクの内面に網状体を支持する支持部(例えば突起)を設けてもよい。これによれば、網状体が下方に移動することが支持部によって抑制される。また、網状体が上方に移動することは、液体タンクの内面に網状体が接触することによって抑制され得る。さらに、網状体が、水よりも比重の小さい樹脂によって形成される場合、網状体は、液体タンク内に固定されずに、貯留された液体内に漂っていてもよい。この場合であっても、網状体が液体の抵抗をして機能し得る。
【0041】
また、上記実施形態においては、背負式動力噴霧機に液体タンク装置を適用した例を述べているが、液体タンク装置は液体タンクを備える背負式作業機全てに適用可能であり、また、牽引式、クローラ式、前後輪により走行し液体タンクを有する車両に対しても適用できる。
【0042】
また、平織又は綾織によって網部が形成される例を示したが、網部は所定の大きさの孔状部が形成された形状であればよい。そのため、網状体は、例えば合成樹脂による一体成形によって形成されてもよい。
【0043】
また、液体タンク内において、平面状の部分が上下方向に直交するように網状体が配置されている例を示したが、網状体は任意の角度をもって上下方向に交差するように傾斜して配置されてもよい。この場合であっても、上下方向に移動する液体が網状体の孔を通過するため、網状体は液体の流動に対して抵抗を与えることができる。
【符号の説明】
【0044】
1…液体タンク装置、2…液体タンク、5…ストレーナ、9…網状体、22…注入口、25…凹部(規制手段)、S…内側空間。