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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】着雪防止部材
(51)【国際特許分類】
   B61D 49/00 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
B61D49/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019127201
(22)【出願日】2019-07-08
(65)【公開番号】P2021011213
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390008350
【氏名又は名称】東邦シートフレーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】相原 伸至
(72)【発明者】
【氏名】梅田 啓
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義博
(72)【発明者】
【氏名】鎌鹿 智教
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄也
【審査官】谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-037215(JP,A)
【文献】特開2009-052213(JP,A)
【文献】登録実用新案第3069998(JP,U)
【文献】特開2009-018616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 49/00
B60S 1/00 - 1/68
H05B 3/00 - 3/86
E04H 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の第1板と、
前記第1板との間に気体層を形成する樹脂製の第2板と、
前記第1板に設けられ、前記第1板の正面視において、少なくとも一部が前記気体層に重なる第1発熱体と、を備え
前記第1板、前記第2板および前記第1発熱体は、透明であり、
前記第1板に設けられ、前記正面視において、環状に形成されて前記第1発熱体が内側に配置された第2発熱体を更に備える着雪防止部材。
【請求項2】
前記第1発熱体の少なくとも一部は、前記第1板のうち、前記気体層に面する部分に設けられている請求項1に記載の着雪防止部材。
【請求項3】
前記第1発熱体は、前記第1板に固着されている請求項2に記載の着雪防止部材。
【請求項4】
前記第1板は、前記第2板よりも厚い請求項1から3のいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項5】
前記第1板および前記第2板それぞれにおいて前記気体層に対して反対側を向く外面には、当て金が設けられている請求項1からのいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項6】
前記第1板の前記外面には、前記当て金が配置される窪みが設けられている請求項に記載の着雪防止部材。
【請求項7】
前記第1板および前記第2板を貫通する金属製の筒が設けられている請求項1からのいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項8】
前記第1板および前記第2板を形成する樹脂は、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、AS樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン及び不飽和ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含む請求項1からのいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項9】
前記気体層は、空気層であり、前記第1板と前記第2板の間に前記空気層を備える請求項1からのいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項10】
前記気体層は、不活性ガスを含む請求項1からのいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項11】
前記第1発熱体は、面状発熱体である請求項1から10のいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項12】
前記第1板および前記第2板のうちの少なくとも一方が外気にさらされる請求項1から11のいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項13】
鉄道車両の所定の部位のカバーとして配置される請求項1から12のいずれか1項に記載の着雪防止部材。
【請求項14】
前記第1板の厚さが5~20mmであり、前記第2板の厚さが3~8mmである請求項1から13のいずれか1項に記載の着雪防止部材
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着雪防止部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に記載されているような、鉄道車両の車体の下部に取り付けられる平板部と、平板部に熱を伝えるヒータとを備える融雪装置が知られている。この融雪装置においては、平板部から突出するフィンを設けることで、ヒータから平板部への熱伝達効率を高め、融雪性能を高めている。
特許文献1に記載された構成に限らず、他にも、融雪装置の融雪性能を高めるための様々な工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-128183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したような様々な工夫がなされているにもかかわらず、豪雪時等には、依然として、鉄道車両の下部に着雪してしまうことがあり、融雪性能をさらに高めることが常に望まれている。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、融雪性能をさらに高めることができる着雪防止部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る着雪防止部材は、樹脂製の第1板と、前記第1板との間に気体層を形成する樹脂製の第2板と、前記第1板に設けられ、前記第1板の正面視において、少なくとも一部が前記気体層に重なる第1発熱体と、を備える。
【0007】
この発明では、第1板に設けられた第1発熱体により第1板が加熱される。また、第1発熱体は、第1板の正面視において、少なくとも一部が気体層に重なるので、第1発熱体で発する熱は、第1板と第2板との間に形成された気体層に伝播する。第2板は、気体層に伝播された熱によって加熱される。また、気体層に熱が蓄えられることで、第1板及び第2板が冷えにくくなる。さらに、第1板、第2板は樹脂製であるので、これらを金属製とする場合に比較して熱伝導率が低く、第1発熱体によって加熱された第1板及び第2板の温度が低下しにくい。このようにして、加熱した第1板及び第2板の温度低下を抑えることができ、融雪性能をさらに高めることができる。
【0008】
また、前記第1発熱体の少なくとも一部は、前記第1板のうち、前記気体層に面する部分に設けられているようにしてもよい。
【0009】
この場合、第1発熱体が直接外気に晒されることがなく、第1発熱体が外気によって冷やされるのを抑えることができる。また、第1発熱体により気体層を効率良く加熱することができるので、第2板を、より効率良く加熱することができる。
【0010】
また、前記第1発熱体は、前記第1板に固着されているようにしてもよい。
【0011】
この場合、第1発熱体から第1板への熱の伝播効率を高めることができる。
【0012】
また、前記第1板は、前記第2板よりも厚いようにしてもよい。
【0013】
この場合、第1発熱体によって加熱された第1板で蓄える熱エネルギーは、第2板よりも高くなる。これにより、第1板が外気によって冷やされるのを抑えることができる。また、第1板の強度が高まり、第1板に飛来物が衝突しても、第1板が損傷するのを抑えることができる。
【0014】
また、前記第1板、前記第2板および前記第1発熱体は、透明であるようにしてもよい。
【0015】
この場合、第1板、第2板、および第1発熱体を通して、第1板、第2板、および第1発熱体の一方の側から他方の側の状態を容易に視認することができる。
【0016】
また、前記第1板に設けられ、前記正面視において、環状に形成されて前記第1発熱体が内側に配置された第2発熱体を更に備えるようにしてもよい。
【0017】
この場合、第2発熱体により、第1発熱体の外側のエリアを加熱して、付着した雪を溶かすことができる。
【0018】
また、前記第1板および前記第2板それぞれにおいて前記気体層に対して反対側を向く外面には、当て金が設けられているようにしてもよい。
【0019】
この場合、着雪防止部材を取り付けるために用いるボルトやブラケット等を当て金に当てることで、ボルトやブラケット等が樹脂製の第1板および第2板に直接当たるのを抑えることができる。これにより、振動等が加わることで、ボルトやブラケット等によって第1板および第2板が摩耗するのを抑え、ボルトの緩みが生じるのを抑えることができる。
【0020】
また、前記第1板の前記外面には、前記当て金が配置される窪みが設けられているようにしてもよい。
【0021】
この場合、当て金が窪みに収められることで、当て金が第1板の外面から突出するのを抑えることができる。これにより、第1板の外面の当て金の部分で雪が引っかかりにくくなり、雪の付着を抑えることができる。また、第1板は樹脂製であるので、窪みを容易に形成することができる。
【0022】
また、前記第1板および前記第2板を貫通する金属製の筒が設けられているようにしてもよい。
【0023】
この場合、着雪防止部材を取り付けるために用いるボルトを金属製の筒に挿入することで、ボルトが樹脂製の第1板および第2板に直接当たるのを抑えることができる。これにより、振動や荷重が加わることで、ボルトによって第1板および第2板が摩耗するのを抑えることができる。
【0024】
また、前記第1板および前記第2板を形成する樹脂は、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、AS樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン及び不飽和ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。
【0025】
この場合、第1板および前記第2板を形成する樹脂として、特にポリカーボネートを用いることで、第1板および第2板の耐衝撃性を向上しつつ透明性があることから視認性があり、外部から直接内部の点検などができる。
【0026】
また、前記気体層は、空気層であるようにしてもよい。
【0027】
この場合、第1板と第2板とを間隔を隔てた状態とすれば、気体層を容易に形成することができる。
【0028】
また、前記気体層は、不活性ガスを含むようにしてもよい。
【0029】
また、前記第1発熱体は、面状発熱体であるようにしてもよい。
【0030】
この場合、第1板や気体層を、より均一な熱分布で加熱することができる。
【0031】
また、前記第1板および前記第2板のうちの少なくとも一方が外気にさらされるようにしてもよい。
【0032】
また、前記着雪防止部材が、鉄道車両の所定の部位のカバーとして配置されてもよい。
【0033】
この場合、鉄道車両の走行時に、走行風の流れにより所定の部位に集まった雪が吹き溜まりとなり、例えば着雪防止部材の第1板に付着する。第1板には、第1発熱体が設けられているので、第1板に付着した雪を効率良く溶かすことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、融雪性能をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の一実施形態に係る着雪防止部材を備えた鉄道車両の一例を示す側面図である。
図2図1に示す鉄道車両の台車の前後に設けられた、着雪防止部材を備えた台車端部塞ぎ板を示す斜視図である。
図3図2に示す着雪防止部材を、台車側を向く第1板側から見た図である。
図4図2に示す着雪防止部材を、台車とは反対側を向く第2板側から見た図である。
図5】上記着雪防止部材を側断面視した図であり、図3のA-A矢視断面図である。
図6】上記着雪防止部材を側断面視した図であり、図3のB-B矢視断面図である。
図7】上記着雪防止部材に設けられた連結部材を示す断面図である。
図8】上記着雪防止部材を制御するための機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る着雪防止部材を説明する。
図1に示すように、鉄道車両1の車体2の下部には、台車3が設けられている。図2に示すように、台車3は、車体2に懸架機構を介して支持された台車本体5と、台車本体5に設けられた車輪7とを備えている。台車本体5には、鉄道車両1の走行方向(前後方向)Daに水平面内で直交する車幅方向Dbに延びる車軸(図示無し)が、その中心軸回りに回動自在に設けられている。車輪7は、この車軸の両端に設けられている。このようにして、車輪7は、車幅方向Dbに所定間隔をあけて二個一対で設けられている。二個一対の車輪7及び車軸(図示無し)は、台車本体5の走行方向Da両端部に設けられている。鉄道車両1の走行時、各車輪7は、走行方向Daに連続して敷設された軌道(図示無し)上で転動する。
【0037】
図1に示すように、車体2の車幅方向Db両側には、車体2の下部から下方に延びる側部カバー9が設けられている。側部カバー9は、台車3や、車体2の下部に設けられる各種の機器を車幅方向Db側方から覆っている。
【0038】
このような鉄道車両1の車体2の下部には、台車端部塞ぎ板10が設けられている。台車端部塞ぎ板10は、台車3に対し、鉄道車両1の走行方向Daの前後両側に設けられている。各台車端部塞ぎ板10は、走行方向Daに直交するプレート状で、車体2の下面から下方に延びている。各台車端部塞ぎ板10は、車幅方向Dbに連続し、車幅方向Db両側に設けられた側部カバー9の間を塞ぐように設けられている。
【0039】
図2に示すように、台車端部塞ぎ板10は、側部塞ぎ板11と、中間部塞ぎ板12と、を備えている。側部塞ぎ板11は、車幅方向Db両側に間隔をあけて設けられている。各側部塞ぎ板11は、台車3に設けられた車輪7に対し、走行方向Daで対向する位置に配置されている。図示の例では、側部塞ぎ板11は、車幅方向Dbに間隔をあけて2つ設けられている。これらの2つの側部塞ぎ板11は、車幅方向Dbに対称な形状に形成されている。以下の図3および図4に示す側部塞ぎ板11は、これらの2つの側部塞ぎ板11のうちの一方の側部塞ぎ板11を、後述する第1板21側から図示したり(図3)、後述する第2板22側から図示したり(図4)している。言い換えると、図3および図4では、他方の側部塞ぎ板11を図示はしていない。
【0040】
図2図4に示すように、側部塞ぎ板11は、第1領域11aと、第2領域11bと、を備えている。第1領域11aは、走行方向Daから見たときに、側部塞ぎ板11において車幅方向Db内側に設けられている。第1領域11aは、上下方向Dcの高さが一定の矩形状(横長の長方形状)をなしている。
第2領域11bは、走行方向Daから見たときに、側部塞ぎ板11において第1領域11aに対して車幅方向Db外側に設けられている。第2領域11bの下縁11cは、第1領域11aから車幅方向Db外側に向かって傾斜して延びている。
【0041】
図2に示すように、中間塞ぎ板12は、車幅方向Db両側の側部塞ぎ板11の間を塞ぐように設けられている。中間塞ぎ板12は、側部塞ぎ板11の第1領域11aと上下方向Dcの高さ寸法が同一の矩形状をなしている。
【0042】
本実施形態において、側部塞ぎ板11は、着雪防止部材20を用いて形成されている。なお、中間塞ぎ板12についても、側部塞ぎ板11と同様の構成の着雪防止部材20を用いて形成することができる。
【0043】
図3図5に示すように、着雪防止部材20は、第1板21と、第2板22と、透明発熱体(第1発熱体)30と、側部発熱体(第1発熱体)40と、連結部材50と、枠部発熱体(第2発熱体)60と、を主に備えている。
【0044】
第1板21、第2板22は、それぞれ、走行方向Daから見たときに、側部塞ぎ板11の外形形状に合わせて形成されている。第1板21と第2板22とは、走行方向Daに間隔をあけて設けられている。第1板21の走行方向Daにおける厚さT1は、第2板22の走行方向Daにおける厚さT2よりも大きい。例えば、第1板21の厚さT1は、例えば、5~20mm程度であり、第2板22の厚さT2は、例えば、3~8mm程度とするのが好ましい。第1板21の厚さT1は、第2板22の厚さT2に対し、100%~6667%程度とするのが好ましい。ただし、第1板21の厚さT1や第2板22の厚さT2、さらに第1板21の厚さT1と第2板22の厚さT2との比は、これらの各数値に限られるものではなく、適宜設定することが可能である。
【0045】
第1板21は、走行方向Daにおいて台車3側に配置されている。第1板21は、台車3に、鉄道車両1の前後方向(走行方向Da)から対向している。換言すると、第1板21は、走行方向Daにおいて台車3側を向いて設けられている。第2板22は、走行方向Daにおいて、台車3側とは反対側に配置されている。
【0046】
第1板21、第2板22は、それぞれ樹脂製である。第1板21、第2板22の両面は、それぞれ平滑面とされている。第1板21、第2板22において、後述する気体層25側と反対側を向き、外気に晒される外面21f、22fには、着雪を防止するためのコーティング等を施してもよい。なお本実施形態では、第1板21、第2板22の両方が外気にさらされている。
第1板21、第2板22は、走行方向Daから見たときに、第1板21、第2板22の一方の側から他方の側を透過して視認できるよう、透明な樹脂材料で形成するのが好ましい。
【0047】
このような第1板21および第2板22を形成する樹脂は、例えば、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、AS樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン及び不飽和ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つを含むのが好ましい。
【0048】
第1板21、第2板22は、主に車輪7から跳ね上げられる雪や氷が衝突したときに損傷しない耐衝撃性を有しているのが好ましい。また、第1板21、第2板22は、高い断熱性を有しているのが好ましい。さらに、第1板21、第2板22は、透明発熱体30、側部発熱体40、及び枠部発熱体60が発する熱によって軟化しない耐熱性を有しているのが好ましい。これらの観点からすると、第1板21および第2板22を形成する樹脂としては、特にポリカーボネートを用いるのが好ましい。
【0049】
第1板21と第2板22との間には、スペーサ23が挟み込まれている。スペーサ23は、側部塞ぎ板11の外縁部11eに対して所定寸法内側において、側部塞ぎ板11(着雪防止部材20)の外形形状に沿って連続して設けられている。スペーサ23は、第1板21と第2板22との、走行方向Daにおける間隔S1を規定している。
【0050】
また、第1板21と第2板22との間には、シール材24が設けられている。シール材24は、走行方向Daから見た側部塞ぎ板11(着雪防止部材20)の外形形状に沿って連続して設けられている。シール材24は、スペーサ23の外側に設けられている。シール材24は、弾性を有したゴム系材料等、周知のシール用材料から形成されている。シール材24は、第1板21と第2板22との間に挟み込まれ、外部から水分等が第1板21と第2板22との間に侵入するのを抑えている。
【0051】
このようにして、走行方向Daで間隔S1を隔てて対向する第1板21と第2板22との間において、スペーサ23に取り囲まれた空間に、気体層25が形成されている。気体層25は、シール材24によって、ある程度の気密性が確保されている。気体層25には、気体が封入されている。気体層25に封入する気体としては、例えば空気の他、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることができる。本実施形態では、気体層25に空気を封入している。つまり、気体層25は、空気層25Aである。
【0052】
図3図5に示すように、透明発熱体30は、側部塞ぎ板11(着雪防止部材20)の第1領域11aに設けられている。透明発熱体30は、透明で、第1板21に設けられている。透明発熱体30は、第1板21に沿って設けられた面状発熱体30Hである。透明発熱体30は、走行方向Daから着雪防止部材20を見たときの第1板21の正面視において、少なくとも一部が気体層25に重なっている。本実施形態では、透明発熱体30は、第1板21の正面視において、その全体が気体層25に重なっている。本実施形態において、透明発熱体30は、第1板21のうち、気体層25に面する部分である第1板21の内面21gに沿って設けられている。透明発熱体30は、第1板21の内面21gに固着されている。
【0053】
透明発熱体30は、発熱膜部31と、一対の電極32A、32Bと、を有している。
発熱膜部31は、第1板21の内面21gに直交する方向に、緩衝層、導電膜および保護層(いずれも図示無し)が積層された構造を有している。
発熱膜部31の緩衝層は、第1板21の内面21g上に形成されている。緩衝層は、例えば酸化チタン(TiOx:ただし、0<x≦2)、酸化ケイ素(SiOx:ただし、0<x≦2)、酸化ニオブ(NbOx:ただし、0<x≦2.5)及び窒化ケイ素(SiN)からなる群より選択される1又は2以上の化合物で形成することができる。緩衝層は、酸化チタン(TiO)および五酸化ニオブ(Nb)の少なくとも一つにより形成してもよい。
【0054】
発熱膜部31の導電膜は、緩衝層上に形成されている。導電膜は、例えば、スズ、ゲルマニウム、亜鉛及びガリウムのうち少なくとも1種を含む酸化インジウム(In)並びにアルミニウム、ガリウム、ホウ素及びマグネシウムのうち少なくとも1種を含む酸化亜鉛(ZnO)並びにアンチモン及びフッ素のうち少なくとも1種類を含む酸化スズ(SnO)からなる群より選択される1又は2以上の金属酸化物で形成することができる。導電膜は、スズ含有酸化インジウム(ITO)等により形成することもできる。このような導電膜は、透明で、走行方向Daから見て導電膜(発熱膜部31の一方の側から他方の側を透過して視認可能である。このような導電膜は、一対の電極32A、32Bから電圧が印加させると発熱する。
【0055】
発熱膜部31の保護膜は、導電膜を覆うように形成されている。保護膜は、例えば、アクリルシリコーン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等の少なくとも一つを含んで形成されている。
【0056】
一対の電極32A、32Bは、発熱膜部31の上下に設けられている。一対の電極32A、32Bは、緩衝層と保護層との間で、導電膜に電気的に接続されている。一対の電極32A、32Bは、それぞれ車幅方向Dbに延びている。一対の電極32A、32Bは、車幅方向Dbにおいて、上下方向Dcの間隔が一定となるように設けられている。一対の電極32A、32Bには、給電線33A、33B(図5参照)が接続されている。給電線33A、33Bは、上下のスペーサ23A、23Bに沿って配設されている。給電線33A、33Bは、第2板22やシール材24を貫通して着雪防止部材20の外部に導出され、車体2側に設けられた電源(図示無し)に接続されている。
【0057】
このような透明発熱体30は、外部の電源(図示無し)から給電線33A、33B、及び一対の電極32A、32Bを通して発熱膜部31の導電膜(図示無し)に電圧が印加されると、導電膜が発熱する。このとき、一対の電極32A、32Bの上下方向Dcの間隔が、車幅方向Dbにおいて一定であるので、発熱膜部31の導電膜は均一に発熱する。
【0058】
図3図6に示すように、側部発熱体40は、主に、側部塞ぎ板11(着雪防止部材20)の第2領域11bに設けられている。側部発熱体40は、第1板21に沿って設けられた面状発熱体40Hである。側部発熱体40は、透明発熱体30と同様、走行方向Daから着雪防止部材20を見たときの第1板21の正面視において、その全体が気体層25に重なっている。側部発熱体40は、透明発熱体30と同様、気体層25に面する第1板21の内面21gに沿って設けられている。側部発熱体40は、第1板21の内面21gに固着されている。また、側部発熱体40は、不透明である。側部発熱体40は、ゴム系材料からなるシート状の発熱部41と、発熱部41に埋設された電熱線(図示無し)と、を備えている。側部発熱体40の電熱線は、給電線33A,33Bから給電がなされることで、発熱する。電熱線で発した熱は、発熱部41を介して面状に広がり、第2領域11bにおいて、第1板21及び気体層25を加熱する。
【0059】
なお、このように車幅方向Dbにおいて上下方向Dcの寸法が変化する第2領域11bに、上記側部発熱体40に代えて前記透明発熱体30を設けると、一対の電極32A、32Bの間隔が小さいほど発熱量が増えるため、均一な加熱がなされ難い。これに対し、本実施形態では、車幅方向Dbにおいて上下方向Dcの寸法が変化する第2領域11bに側部発熱体40を備えるようにした。側部発熱体40は、下縁11cが傾斜することで車幅方向Dbにおいて上下方向Dcの寸法が変化する第2領域11bを、均一に加熱し易くすることができる。
【0060】
図7に示すように、連結部材50は、第1板21と第2板22とを、スペーサ23A,23B及びシール材24を挟み込んで気体層25が形成された状態で連結する。連結部材50は、当て金51、52と、筒53と、ボルト55と、を備えている。
【0061】
当て金51は、第1板21において気体層25に対して反対側を向く外面21fに設けられている。当て金51は、第1板21の外周部に沿って連続して設けられている。第1板21の外面21fには、当て金51が配置される窪み27が設けられている。窪み27は、外面21fに対して第2板22側に窪み、第1板21の外周部に沿って連続して設けられている。当て金51は、窪み27に収められることで、気体層25と反対側を向く表面51fが、枠部シール材63を介して第1板21の外面21fと連続するよう設けられている。当て金51と窪み27との間には、後述する枠部発熱体60と枠部シール材63とが挟み込まれている。
【0062】
当て金52は、第2板22において気体層25に対して反対側を向く外面22fに設けられている。当て金52は、第2板22の外周部に沿って連続して設けられている。当て金52は、第2板22の外面22f上に設けられている。
これらの当て金51,52は、ステンレス鋼(SUS)等の金属材料から形成されている。当て金51,52には、複数のボルト挿通孔51h、52hが形成されている。
【0063】
筒53は、当て金51,52のボルト挿通孔51h、52hに対応した複数個所に配置されている。筒53は、ステンレス鋼(SUS)等の金属材料から形成されている。筒53は、走行方向Daに延びる円筒状で、枠部発熱体60、枠部シール材63,第1板21,シール材24、及び第2板22を貫通して設けられている。筒53は、その走行方向Daの両端が、当て金51,52に突き当たっている。これにより、当て金51,52同士の間隔が金属製の筒53によって規制されている。
【0064】
ボルト55は、当て金51,52のボルト挿通孔51h、52h、及び筒53内に挿通されている。ボルト55は、車体2の下面に固定されるブラケット(図示無し)に、着雪防止部材20を取り付ける。
【0065】
図5図7に示すように、枠部発熱体60は、当て金51に対して第1板21側に設けられている。枠部発熱体60は、第1板21に設けられている。図3に示すように、枠部発熱体60は、走行方向Daから見た正面視において、着雪防止部材20の外周形状に沿って連続した環状に形成されている。枠部発熱体60は、走行方向Daから見た正面視において、その内側に、透明発熱体30、及び側部発熱体40が配置されている。枠部発熱体60は、例えば、絶縁性を備え弾性部材からなる発熱体本体61と、発熱体本体61に埋設された電熱線(図示無し)とを有する。枠部発熱体60の電熱線は、給電線33Aまたは給電線33Bを介して外部の電源から給電がなされることで発熱し、金属製の当て金51を加熱する。
【0066】
枠部シール材63は、枠部発熱体60と窪み27との間に設けられている。枠部シール材63は、当て金51よりも熱伝導率が低いゴム系材料等から形成されている。これにより、枠部発熱体60で発した熱は、枠部シール材63よりも熱伝導率が高い金属製の当て金51に効率良く伝播される。
【0067】
図8に示すように、このような着雪防止部材20は、車体2側に設けられたコントローラ80によって制御される。コントローラ80は、例えば、乗員の操作が外部からなされることで、電源(図示無し)から透明発熱体30、側部発熱体40、枠部発熱体60への電圧の印加をON/OFFする。また、コントローラ80は、例えば乗員の操作に応じて、電源(図示無し)から透明発熱体30、側部発熱体40、枠部発熱体60に印加する電圧を調整するようにしてもよい。また、コントローラ80は、外部から入力される積雪量、気温、その他の各種の条件に基づいて、電源(図示無し)から透明発熱体30、側部発熱体40、枠部発熱体60に印加する電圧を自動的に調整するようにしてもよい。
【0068】
また、図1図2に示すように、第1板21の外面21f側に、透明発熱体30を通して着雪防止部材20への着雪量を撮像する撮像装置90を設けるようにしてもよい。この場合、図8に示すコントローラ80は、撮像装置90で撮像した撮像画像に基づいて、電源(図示無し)から透明発熱体30、側部発熱体40、枠部発熱体60に印加する電圧を自動的に制御するようにしてもよい。すなわち、撮像装置90が撮像した着雪量についてのデータ(例えば着雪量の専有面積のデータ)が閾値を超えたときに、コントローラ80が前記電圧を調整してもよい。
【0069】
このような着雪防止部材20では、第1板21に設けられた透明発熱体30、側部発熱体40により、第1板21が加熱される。また、透明発熱体30、側部発熱体40で発する熱は、第1板21と第2板22との間に形成された気体層25を介して第2板22に伝播され、第2板22も加熱される。これにより、第1板21の外面21f、第2板22の外面22fに付着した雪や氷は溶けて流れ落ちる。また、枠部発熱体60により、第1板21の外周部に設けられた当て金51が加熱される。第1板21は、台車3側を向いているので、車輪7から跳ね上げられた雪や、車体2の下面に付着した雪等が当て金51に接触することで溶け落ちる。このようにして、台車3の前後両側に設けられた台車端部塞ぎ板10に設けられた着雪防止部材20により、台車3の前後における着雪が防止される。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係る着雪防止部材20によれば、第1板21に設けられた透明発熱体30、側部発熱体40により、第1板21が加熱される。また、透明発熱体30、側部発熱体40は、第1板21の正面視において、少なくとも一部が気体層25に重なるので、透明発熱体30、側部発熱体40で発する熱は、第1板21と第2板22との間に形成された気体層25に伝播される。第2板22は、気体層25の熱によって加熱される。また、気体層25に熱が蓄えられることで、第1板21及び第2板22が冷えにくい。さらに、第1板21、第2板22は樹脂製であるので、これらを金属製とする場合に比較して熱伝導率が低く、透明発熱体30、側部発熱体40によって加熱された第1板21及び第2板22の温度が低下しにくい。このようにして、加熱した第1板21及び第2板22の温度低下を抑えることができ、融雪性能をさらに高めることができる。
【0071】
また、透明発熱体30、側部発熱体40は、第1板21のうち、気体層25に面する部分に設けられている。これにより、透明発熱体30、側部発熱体40が直接外気に晒されることがなく、透明発熱体30、側部発熱体40が外気によって冷やされるのを抑えることができる。また、透明発熱体30、側部発熱体40により気体層25を効率良く加熱することができるので、第2板22を、より効率良く加熱することができる。
【0072】
また、透明発熱体30、側部発熱体40は、第1板21に固着されている。これにより、透明発熱体30、側部発熱体40から第1板21への熱の伝播効率を高めることができる。
【0073】
また、台車3側に設けられた第1板21は、第2板22よりも厚い。これにより、透明発熱体30、側部発熱体40によって加熱された第1板21で蓄える熱エネルギーは、第2板22よりも高くなる。これにより、第1板21が外気によって冷やされるのを抑えることができる。したがって、台車3側に設けられた第1板21において、台車3から跳ね上げられる雪が着雪するのを有効に抑えることができる。また、第1板21の強度が高まり、台車3側から第1板21に雪や氷等の飛来物が衝突しても、第1板21が損傷するのを抑えることができる。
【0074】
また、第1板21、第2板22および透明発熱体30は、透明である。これにより、第1板21、第2板22、および透明発熱体30を通して、第1板21の外面21f側から、台車3側の状態を容易に確認することができる。また、第1板21の外面21f側から、台車3側の状態を、撮像装置90を用いて行えば、車体2の下方に作業員が潜ることなく、着雪状況を確認することができる。
【0075】
また、第1板21に設けられた枠部発熱体60により、透明発熱体30の外側のエリアを加熱して、付着した雪を溶かすことができる。これにより、車体2の下面に付着した雪の量が増えるのを抑えることができる。
【0076】
また、第1板21および第2板22それぞれにおいて気体層25に対して反対側を向く外面21f、22fには、当て金51,52が設けられている。これにより、着雪防止部材20を取り付けるために用いるボルト55やブラケット(図示無し)を、当て金51,52に当てることで、ボルト55が樹脂製の第1板21および第2板22に直接当たるのを抑えることができる。これにより、振動等が加わることで、ボルト55やブラケット(図示無し)によって第1板21および第2板22が摩耗するのを抑え、ボルト55の緩みが生じるのを抑えることができる。
【0077】
また、第1板21の外面21fには、当て金51が配置される窪み27が設けられている。これにより、当て金51が窪み27に収められることで、当て金51が第1板21の外面21fから突出するのを抑えることができる。これにより、当て金51に雪が引っかかりにくくなり、雪の付着を抑えることができる。また、第1板21は樹脂製であるので、窪み27を容易に形成することができる。
【0078】
また、第1板21および第2板22を貫通する金属製の筒53が設けられている。これにより、着雪防止部材20を取り付けるために用いるボルト55を筒53に挿入することで、ボルト55が樹脂製の第1板21および第2板22に直接当たるのを抑えることができる。これにより、荷重や振動等によって、ボルト55によって第1板21および第2板22が摩耗するのを抑えることができる。
また、当て金51,52同士の間隔が金属製の筒53によって規制される。これにより、第1板21、第2板22を過度に締め付けてしまうことが抑えられる。
【0079】
また第1板21および第2板22を形成する樹脂として、特にポリカーボネートを用いることで、第1板21および第2板22の耐衝撃性、断熱性を高めることができる。
【0080】
また、気体層25は、空気層25Aとすることで、第1板21と第2板22とを間隔を隔てて設けることで、空気層25Aからなる気体層25を容易に形成することができる。
【0081】
また、透明発熱体30、側部発熱体40は、面状発熱体30H、40Hである。これにより、第1板21を、より均一な熱分布で加熱することができる。
【0082】
また、第1板21が、鉄道車両1の台車3に、鉄道車両1の前後方向から対向するので、鉄道車両1の走行時に、走行風及び台車3の車輪7によって巻き上げる雪が第1板21に付着しても、透明発熱体30、側部発熱体40によって、第1板21に付着した雪を効率良く溶かすことができる。
【0083】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1発熱体としての透明発熱体30及び側部発熱体40は、例えば、第1板21に埋設してもよい。また、透明発熱体30及び側部発熱体40は、第1板21の外面21fに設けることを排除するものではない。
また、第1発熱体としての透明発熱体30及び側部発熱体40は、第1板21だけでなく、第2板22に設けるようにしてもよい。
また、第1発熱体としての透明発熱体30及び側部発熱体40は、面状発熱体でなくてもよく、言い換えると、発熱部分が面状に形成されていなくてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、着雪防止部材20に、第1発熱体として透明発熱体30と側部発熱体40とを設けるようにしたが、着雪防止部材20の外形形状等によっては、第1発熱体として透明発熱体30又は側部発熱体40の何れか一方のみを備えるようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、側部塞ぎ板11を、着雪防止部材20によって形成するようにしたが、中間塞ぎ板12または側部カバー9についても、同様の構成を採用することができる。また、着雪防止部材20は、台車3の前後に限らず、車両端部など走行風の吹き溜まりとなるような他の個所に設けるようにしてもよい。着雪防止部材20は、鉄道車両1以外の移動体に限らず、例えば、地吹雪が発生するような場所の設置物にも適用可能である。
また、第1板21及び第2板22の両方が外気にさらされていなくてもよく、少なくとも一方が外気にさらされていてもよく、両方とも外気にさらされていなくてもよい。すなわち、着雪防止部材20が、部屋の内外を仕切る窓などに用いられていてもよい。
【0086】
当て金51、52や筒53がなくてもよい。窪み27がなくてもよい。枠部発熱体60がなくてもよい。
【0087】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 鉄道車両
3 台車
20 着雪防止部材
21 第1板
22 第2板
21f、22f 外面
25 気体層
25A 空気層
27 窪み
30 透明発熱体(第1発熱体)
30H、40H 面状発熱体
40 側部発熱体(第1発熱体)
51、52 当て金
53 筒
60 枠部発熱体(第2発熱体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8