(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】人員採用支援システム、人員採用支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20230331BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2019146625
(22)【出願日】2019-08-08
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】能登 紀喜
(72)【発明者】
【氏名】平松 直子
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-357180(JP,A)
【文献】特開2016-051457(JP,A)
【文献】特開2007-034670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価部と、
有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供部と、
前記評価結果に基づいて
前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知部と、
前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合に電話による語学試験を実施する電話応対部と、
を備え
、
前記提供部は、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合には、前記評価結果と共に、前記語学試験の結果も前記複数の企業に提供する人員採用支援システム。
【請求項2】
有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価部と、
有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供部と、
前記評価結果に基づいて
前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知部と、
前記有期雇用の従業員に対する研修を電話により実施する電話応対部と、
を備える人員採用支援システム。
【請求項3】
前記就業先において、店舗で働く業務と、店舗業務とは別の業務とがあり、
前記通知部は、店舗業務とは別の業務を所望する従業員に対しては、所定のエリア内で行う店舗業務とは別の業務の就業先を通知する、請求項1
又は2に記載の人員採用支援システム。
【請求項4】
要求されるシフトパターンと、従業員の勤務状況とに基づいて、就業先におけるシフトを決定するシフト決定部をさらに備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載の人員採用支援システム。
【請求項5】
コンピュータが、
有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、
有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、
前記評価結果に基づいて
前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、
前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合に電話による語学試験を実施する電話応対ステップと、
を有
し、
前記提供ステップにおいて、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合には、前記評価結果と共に、前記語学試験の結果も前記複数の企業に提供する人員採用支援方法。
【請求項6】
コンピュータが、
有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、
有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、
前記評価結果に基づいて
前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、
前記有期雇用の従業員に対する研修を電話により実施する電話応対ステップと、
を有する人員採用支援方法。
【請求項7】
有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、
有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、
前記評価結果に基づいて
前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、
前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合に電話による語学試験を実施する電話応対ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記提供ステップにおいて、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合には、前記評価結果と共に、前記語学試験の結果も前記複数の企業に提供するためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、
有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、
前記評価結果に基づいて
前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、
前記有期雇用の従業員に対する研修を電話により実施する電話応対ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人員採用支援システム、人員採用支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが身に付けている能力に応じて、工場内の人員配置を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムによれば、ユーザが身に付けている能力を生かせる場所に人員を配置することができる。
ところで、近年では、小売業やサービス業は、無期雇用の従業員(以下「正社員」という。)だけでなく、有期雇用の従業員(以下「アルバイト」という。)にも支えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルバイトは、正社員に比べて、雇用期間が設けられている。そのため、雇用期間が過ぎると別の場所で働くことも珍しくない。従来では、アルバイトの採用は、企業や店舗単位に限定されているため、高齢化が進む中、若いアルバイト従業員の確保が難しくなっている。そこで、企業においては、自由度が高く、かつ、能力や経験にマッチしたアルバイト採用の仕組みが望まれていた。また、アルバイトをする人物においては、自由度の高い就業を実現できる仕組みが望まれていた。
上記事情に鑑み、本発明は、能力や経験に応じた自由度の高いアルバイト採用及び就業の仕組みを実現することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価部と、有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供部と、前記評価結果に基づいて前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知部と、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合に電話による語学試験を実施する電話応対部と、を備え、前記提供部は、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合には、前記評価結果と共に、前記語学試験の結果も前記複数の企業に提供する人員採用支援システムである。
本発明の一態様は、有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価部と、有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供部と、前記評価結果に基づいて前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知部と、前記有期雇用の従業員に対する研修を電話により実施する電話応対部と、を備える人員採用支援システムである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の人員採用支援システムであって、前記就業先において、店舗で働く業務と、店舗業務とは別の業務とがあり、前記通知部は、店舗業務とは別の業務を所望する従業員に対しては、所定のエリア内で行う店舗業務とは別の業務の就業先を通知する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の人員採用支援システムであって、要求されるシフトパターンと、従業員の勤務状況とに基づいて、就業先におけるシフトを決定するシフト決定部をさらに備える。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータが、有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、前記評価結果に基づいて前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合に電話による語学試験を実施する電話応対ステップと、を有し、前記提供ステップにおいて、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合には、前記評価結果と共に、前記語学試験の結果も前記複数の企業に提供する人員採用支援方法である。
本発明の一態様は、コンピュータが、有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、前記評価結果に基づいて前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、前記有期雇用の従業員に対する研修を電話により実施する電話応対ステップと、を有する人員採用支援方法である。
【0011】
本発明の一態様は、有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、前記評価結果に基づいて前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合に電話による語学試験を実施する電話応対ステップと、をコンピュータに実行させ、前記提供ステップにおいて、前記有期雇用を所望する従業員が外国人である場合には、前記評価結果と共に、前記語学試験の結果も前記複数の企業に提供するためのコンピュータプログラムである。
本発明の一態様は、有期雇用を所望又は有期雇用の従業員の能力に応じた評価を行う評価ステップと、有期雇用の採用を行う複数の企業に前記従業員の評価結果を提供する提供ステップと、前記評価結果に基づいて前記複数の企業のうちいずれかの企業から採用の旨の通知が得られた場合、又は、企業から働き手を要求する通知が得られた場合、前記従業員が事前に登録した前記従業員に関する情報又は前記従業員が所望する企業に関する情報を参照して、前記従業員が所望する、同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を前記従業員に対して通知する通知ステップと、前記有期雇用の従業員に対する研修を電話により実施する電話応対ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、能力や経験に応じた自由度の高いアルバイト採用及び就業の仕組みを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の人員採用支援システムの機能構成を示す図である。
【
図2】本実施形態における管理装置の機能構成を表す概略ブロック図である。
【
図3】本実施形態におけるユーザ登録情報の具体例を示す図である。
【
図4】本実施形態におけるユーザ関連情報の具体例を示す図である。
【
図5】本実施形態における付与ポイントデータベースの具体例を示す図である。
【
図6】本実施形態における人員採用支援システムのアルバイト採用処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】本実施形態における人員採用支援システムのアルバイト採用処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】本実施形態における人員採用支援システムにおける電話によるテスト処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】本実施形態における人員採用支援システムにおける研修処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図10】本実施形態における人員採用支援システムのアルバイト採用処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図11】本実施形態におけるシフトの決定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の人員採用支援システム100の機能構成を示す図である。人員採用支援システム100は、ユーザ端末10、管理装置20及び管理者装置40を備える。ユーザ端末10と、管理装置20とは、ネットワーク1又は音声網2を介して通信可能に接続されている。また、管理装置20には、採用企業30がネットワーク3を介して通信可能に接続され、管理者装置40がネットワーク4を介して通信可能に接続されている。ネットワーク1,3及び4は、どのように構成されたネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク1,3及び4は、インターネットである。音声網2は、音声伝送ができる回線であればどのような回線であってもよい。例えば、音声網2は、電話回線(アナログ回線、デジタル回線)、携帯電話回線(3G(3th Generation)、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の無線移動体通信技術における通信規格が利用される回線)及びIP電話回線等である。
【0015】
ユーザ端末10は、アルバイトを所望するユーザが操作する端末である。本実施形態においてアルバイトは、期間の定めのある労働契約に基づき企業により雇用される従業員、すなわち有期雇用の従業員である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成される。本実施形態において、アルバイトの従業員には、学生アルバイト、パート、派遣社員、契約社員などが含まれる。ユーザ端末10は、ユーザの操作に応じて、アルバイトの事前登録を行う。
【0016】
また、本実施形態では、アルバイトとして、店舗で働くアルバイトと、店舗業務とは別の業務を行うアルバイトとがある。店舗で働くアルバイトは、小売店(例えば、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等)や飲食店等の店舗で働くアルバイトである。店舗で働くアルバイトの業務としては、接客、品出し、レジ打ち、調理等の店舗内で行う業務が挙げられる。店舗業務とは別の業務を行うアルバイトは、高齢者向けのアルバイトである。店舗業務とは別の業務を行うアルバイトの業務としては、店舗のゴミ分別、商品のお届け、空調、トイレ清掃、灰皿清掃、駐車場のゴミ拾い等での業務が挙げられる。ユーザは、店舗で働くアルバイト又は店舗業務とは別の業務を行うアルバイトのいずれかのアルバイトの事前登録を行う。
【0017】
管理装置20は、ユーザ端末10のユーザのアルバイトの登録を行うとともに、ユーザの評価基準となるスキルポイントを付与する。ユーザの評価基準となるスキルポイントは、ユーザの能力や行動に応じて付与される。ポイントスキルポイントが付与されるユーザの能力や行動の一例としては、レジ打ちができる、接客対応ができる、業務ルールを把握している、アルバイトの経験年数、店舗業務の理解度、経験チェーン店、店舗運営ができる、シフトを週に所定の日数(例えば、5日)以上入れている等が挙げられる。なお、スキルポイントが付与されるユーザの能力や行動は、上記に限定される必要はない。付与されたスキルポイントは、採用企業30におけるアルバイトの採用の基準として利用される。
【0018】
採用企業30は、ユーザ端末10のユーザがアルバイトとして働く店舗(就業先)を運営する企業又は働く店舗(就業先)を紹介する企業である。採用企業30は、管理装置20に保持されるユーザの能力やスキルポイントを見ることによって、ユーザがアルバイトとして働く就業先を提供する。
【0019】
次に、人員採用支援システム100の運用について一例を説明する。
まず、ユーザは、ユーザ端末10を操作してアルバイトの事前登録(ここで、店舗で働くアルバイトの事前登録)を行う。登録後、ユーザが母国の人の場合(例えば、日本でのアルバイトでユーザが日本人の場合)、採用企業30で選定及び採用の可否を判断する。
一方で、ユーザが外国人の場合には、一次選定として電話による言語テストを実施し、その結果を踏まえて、採用企業30で選定及び採用の可否を判断する。
採用されると、管理装置20からユーザに対してスキルポイントが付与される。さらに、スキルポイントのポイント数に応じては、他の店舗(帰省中の店舗)や、イベント等の臨時アルバイト、シフトで人手不足な場合、「短期アルバイト採用」時に採用企業30から依頼がくる。そして、そのとき働くとアルバイトスキルが付与される。
以上が人員採用支援システム100の運用の一例である。このように、本発明では、アルバイトに採用されたユーザは、採用された店舗に限らず、同じ店舗の支店や他の店舗や他の業種で働くことができる。すなわち、アルバイトをシェアすることができる。
【0020】
図2は、本実施形態における管理装置20の機能構成を表す概略ブロック図である。管理装置20は、第1通信部21、第2通信部22、制御部23及び記憶部24を備える。
第1通信部21は、ネットワークを介して他の装置との間で通信を行う。例えば、第1通信部21は、ユーザ端末10、採用企業30のサーバ及び管理者装置40との間で通信を行う。
第2通信部22は、音声網2を介して他の装置との間で通信を行う。例えば、第2通信部22は、ユーザ端末10との間で音声による通信を行う。
【0021】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサやメモリを用いて構成される。制御部23は、プログラムを実行することによって、データ登録部231、電話応対部232、評価部233、提供部234、通知部235及びシフト決定部236として機能する。
【0022】
データ登録部231は、ユーザ端末10から送信された登録情報を記憶部24に登録する。
電話応対部232は、ユーザ端末10からの着信に対して応対する。具体的には、電話応対部232は、IVR(Interactive Voice Response)であり、ユーザ端末10からの着信先に応じて自動応答する。
【0023】
評価部233は、ユーザの能力に応じた評価を行う。評価部233は、評価結果に応じてユーザの評価基準となる情報を付与する。本実施形態では、評価部233は、ユーザの能力に応じた評価として、ユーザの能力に応じたスキルポイントを付与する場合を例に説明する。なお、ユーザの評価基準となる情報としてポイントを例に説明したが、その他の情報が用いられてもよい。スキルポイントとは、ユーザの能力に応じて、採用企業30間で共通化されたポイントである。
【0024】
提供部234は、採用企業30の要求に応じて、アルバイトを所望するユーザ又はアルバイト採用されたユーザに関する情報を採用企業30に提供する。提供部234が情報を提供する範囲は、同一の採用企業30であってもよいし、複数の採用企業30であってもよい。例えば、ある採用企業30に店舗A~Cがあり、ユーザが店舗Aでアルバイトしている場合、提供部234はユーザに関する情報を店舗A~Cに提供してもよいし、店舗A~C以外の他の採用企業30の店舗にも提供してもよい。
【0025】
通知部235は、採用企業30からの通知内容をユーザ端末10に通知する。例えば、通知部235は、評価部233による評価結果に基づいて採用された従業員が所望する同一企業の複数の就業先又は異なる企業の就業先の情報を従業員のユーザ端末10に対して通知する。
シフト決定部236は、ユーザの勤務状況と、要求されるシフトパターンとに基づいて、1つの店舗のシフトを決定する。
【0026】
記憶部24は、ユーザ登録情報241、ユーザ関連情報242、質問内容243、ユーザ回答244、教育用音声データ245及び付与ポイントデータベース246を記憶する。記憶部24は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
ユーザ登録情報241は、データ登録部231によって登録された登録情報である。ユーザ登録情報241は、
図3に示すようにテーブル化されて登録されてもよい。
図3は、本実施形態におけるユーザ登録情報241の具体例を示す図である。ユーザ登録情報241は、
図3に示すように、アルバイトの事前登録を行ったユーザに関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、ユーザID、ユーザ名、基本情報、アルバイト情報及びユーザ要望の各値を有する。
ユーザIDは、アルバイトの事前登録を行ったユーザを識別するための識別情報を表す。
ユーザ名は、アルバイトの事前登録を行ったユーザの氏名を表す。
基本情報は、ユーザの年齢、住所、電話番号、メールアドレス、学歴等の履歴書に通常記載すべき情報である。アルバイト情報は、アルバイトの事前登録を行ったユーザの過去のアルバイトの履歴を表す。
図3では、アルバイト情報として経験有無、経験年数、経験店舗、業務内容及び過去のシフト等の情報が登録される。
【0027】
経験有無は、過去にアルバイトを経験したことがあるか否かを表す。過去にアルバイトを経験したことがある場合には経験有無の項目に“あり”が登録され、過去にアルバイトを経験したことがない場合には経験有無の項目に“なし”が登録される。
経験年数は、過去に経験したアルバイトの年数を表す。例えば、経験年数は、経験したアルバイト毎の年数であってもよいし、全てのアルバイトの合計年数であってもよい。
【0028】
経験店舗は、過去に経験したアルバイトの店舗を表す。
業務内容は、過去に経験したアルバイトの業務内容を表す。例えば、業務内容は、レジ担当、食事担当、事務担当等のどのような業務に携わったことがあるのかがわかる内容であればよい。
過去のシフトは、過去に経験したアルバイトで実際に働いて時のシフト(日付、時間帯)を表す。
【0029】
図2に戻って、管理装置20の説明を続ける。
ユーザ関連情報242は、ユーザ登録情報241に登録されているユーザに関連する情報である。ユーザ関連情報242は、例えばユーザの現在のアルバイトの情報、能力及びスキルポイントの総数等の情報である。ユーザ関連情報242は、
図4に示すようにテーブル化されて登録されてもよい。
図4は、本実施形態におけるユーザ関連情報242の具体例を示す図である。ユーザ関連情報242は、アルバイトの事前登録を行ったユーザの特性に関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、ユーザID、ユーザ名、現在のアルバイト情報、能力、スキルポイント総数を表す。
【0030】
ユーザIDは、アルバイトの事前登録を行ったユーザを識別するための識別情報を表す。
ユーザ名は、アルバイトの事前登録を行ったユーザの氏名を表す。
現在のアルバイト情報は、アルバイト採用後がなされたユーザの現在のアルバイトに関する情報を表す。
図4に示す例では、現在のアルバイト情報として、現在のシフト及び店舗情報が登録される。現在のシフトは、アルバイト採用後がなされたユーザが現在働いている店舗でのシフト(例えば、日付、曜日、開始時間、終了時間)を表す。店舗情報は、アルバイト採用後がなされたユーザが現在働いている店舗の情報(例えば、店舗名、支店名等)を表す。現在のシフト及び店舗情報は、ユーザをアルバイト採用した採用企業30から取得される。
【0031】
能力は、ユーザが身に付けているスキルである。例えば、能力として、ユーザが身に付けている技術(例えば、レジ打ちできる、外国人対応ができる、謝罪対応ができる等)及び経験(アルバイト経験、移住経験、ボランティア経験等)が挙げられる。能力は、ユーザによって事前に登録されてもよいし、採用企業30とデータ連携することによって取得してもよい。採用企業30とデータ連携することによってユーザの能力の情報を取得する方法としては、以下の方法が考えられる。例えば、第1通信部21は、ユーザがアルバイトしていたアルバイト先の採用企業30のサーバとデータ連携することによって、ユーザが所属していた期間(例えば、アルバイト期間)の情報を取得してもよい。
スキルポイント総数は、ユーザに付与されたスキルポイントの総数を表す。
【0032】
図2に戻って、管理装置20の説明を続ける。
質問内容243は、顧客などからの電話による問い合わせに対する応答として、あらかじめ録音された質問内容である。本実施形態において質問内容243は、外国人採用時の質問内容があらかじめ録音されている。
ユーザ回答244は、質問内容243に対するユーザの回答である。
【0033】
教育用音声データ245は、アルバイトの研修用にあらかじめ録音された音声データである。教育用音声データ245は、採用企業30のオーナーや責任者による業務上で必要となる内容が音声データとして登録されている。
付与ポイントデータベース246は、ユーザの評価結果に応じて付与されるポイントに関する情報が登録されたデータベースである。付与ポイントデータベース246は、
図5に示すようにテーブル化されて登録されてもよい。
【0034】
図5は、本実施形態における付与ポイントデータベース246の具体例を示す図である。付与ポイントデータベース246は、スキルポイントが付与される条件に関する情報を表すレコードを複数有する。レコードは、能力又は行動と特典の各値を有する。能力又は行動は、スキルポイントが付与されるユーザの能力又は行動を表す。付与スキルポイントは、能力又は行動に応じてユーザに付与されるスキルポイントを表す。
【0035】
図5に示す例では、付与ポイントデータベース246には複数のレコードが登録されている。
図5において、付与ポイントデータベース246の最上段に登録されているレコードは、能力又は行動の値が“レジ打ちができる”、付与スキルポイントの値が“○○”である。すなわち、ユーザが“レジ打ちができる”場合には、ユーザに対して付与スキルポイント“○○”が付与されることが表されている。
【0036】
図6は、本実施形態における人員採用支援システム100のアルバイト採用処理の流れを示すシーケンス図である。なお、
図6では、ユーザが、店舗で働くアルバイトに事前登録する場合のアルバイト採用処理について説明する。
ユーザは、ユーザ端末10を操作して、店舗で働くアルバイトの事前登録を行う(ステップS101)。例えば、ユーザは、店舗で働くアルバイトの専用サイトで事前登録時において
図3に示す各種情報を登録情報としてユーザ端末10に入力することによって、店舗で働くアルバイトの事前登録を行う。ユーザ端末10は、入力された登録情報を管理装置20に送信する(ステップS102)。
【0037】
管理装置20の第1通信部21は、ユーザ端末10から送信された登録情報を受信する。第1通信部21は、受信した登録情報を制御部23に出力する。データ登録部231は、第1通信部21から出力された登録情報をユーザ登録情報241として登録する(ステップS103)。なお、管理装置20は、事前登録を行ったユーザに対してインセンティブを提供してもよい。
提供部234は、新たに登録された登録情報を採用企業30に提供する(ステップS104)。
【0038】
採用企業30では、管理装置20から送信された登録情報を参照し、ユーザの採用の可否を決定する(ステップS105)。採用企業30のサーバは、採用の可否を含む採用情報を管理装置20に送信する(ステップS106)。
管理装置20の第1通信部21は、採用企業30のサーバから送信された採用情報を受信する。ここで、採用情報には採用が含まれていたとする。この場合、評価部233は、採用されたユーザに対してスキルポイントを付与する(ステップS106)。具体的には、データ登録部231は、採用されたユーザのユーザID及びユーザ名をユーザ関連情報242に登録する。その後、評価部233は、ユーザ関連情報242に登録されているレコードのうち採用されたユーザのレコードのスキルポイント総数の項目にスキルポイントを付与する。
【0039】
以上の処理によって、ユーザは、登録した店舗においてアルバイトを行うことができる。ここで、採用企業30で他店舗でのアルバイトの依頼が発生したとする(ステップS108)。採用企業30で他店舗でのアルバイトの依頼とは、イベントやスタッフの欠員による人手不足などである。採用企業30は管理装置20に対してアルバイトの依頼を要求する(ステップS109)。アルバイトの依頼には、アルバイトの店舗、業務内容及びエリアの情報等が含まれる。管理装置20は、採用企業30から要求されたアルバイトの依頼を該当するユーザのユーザ端末10に送信する。
【0040】
具体的には、通知部235は、ユーザ登録情報241及びユーザ関連情報242を参照し、採用企業30から要求されたアルバイトの依頼の店舗に近いことやスキルポイントが一定数以上のユーザを候補に選択する。そして、通知部235は、第1通信部21を介して、選択した候補のユーザのユーザ端末10に対してアルバイトの依頼を送信する。これにより、人手不足のスタッフを確保することができる。
【0041】
なお、
図6では、採用企業30側で人手不足が発生した場合に、ユーザにアルバイトを依頼する構成を示した。これに対し、ユーザが実家や旅行等で他の地域におり、短期的にアルバイトをしたい場合にアルバイトが実施できるように構成されてもよい。例えば、ユーザが、ユーザ端末10を操作して、今位置している場所でアルバイトをしたい旨の情報が管理装置20に送信されたとする。管理装置20は、ユーザ端末10から送信された情報を採用企業30に送信する。採用企業30では、アルバイトを所望しているユーザの能力やスキルポイントを見ることによって、ユーザが今位置している場所でのアルバイトの実施可否を判定する。例えば、採用企業30では、ユーザの能力やスキルポイントがある基準を超えている場合には、面接なしで即日働けるように決定してもよい。この場合、ユーザが実家や旅行等で他の地域におり、短期的にアルバイトをしたい場合にアルバイトが実施することができる。
【0042】
図7は、本実施形態における人員採用支援システム100のアルバイト採用処理の流れを示すシーケンス図である。なお、
図7では、ユーザが外国人の場合のアルバイト採用処理について説明する。
図7において、
図6と同様の処理については
図6と同様の符号を付して説明を省略する。
ユーザは、登録情報の送信が完了した後に、電話によるテストを実施する(ステップS201)。電話によるテストは、管理装置20に登録情報が届いた後に、電話によるテストを行うための電話番号を管理装置20からユーザ端末10に通知することによって実施されてもよい。また、予め、アルバイトの事前登録画面において、外国人のユーザは、電話によるテストが必須であることを表示させていてもよい。電話によるテスト結果は、管理装置20を介して採用企業30に提供される(ステップS202)。具体的には、管理装置20の電話応対部232は、電話によるテスト結果をユーザ回答244に登録する。その後、提供部234は、ユーザ回答244に登録された電話によるテスト結果を採用企業30に提供する。採用企業30では、登録情報のほかに、電話によるテスト結果を踏まえて採用の可否を決定する(ステップS203)。
【0043】
図8は、本実施形態における人員採用支援システム100における電話によるテスト処理の流れを示すシーケンス図である。
ユーザは、ユーザ端末10を操作して、採用先の電話番号に連絡する(ステップS301)。管理装置20の電話応対部232は、ユーザ端末10からの採用先の電話番号への着信に応じて、質問内容243に従って順番に応対する。具体的には、まず電話応対部232は、音声によるガイダンスを開始する(ステップS302)。例えば、電話応対部232は、音声によるガイダンスとして、「お電話ありがとうございます。こちらは○○です。このお電話でアルバイト応募の一次受け付けを行っております。ガイダンスのご質問に従ってご回答ください。いただいた内容をもとに面接を来ていただく方に対しては直接弊所からご連絡を差し上げます。」といったようなガイダンスをユーザ端末10に出力する。
【0044】
次に、電話応対部232は、質問内容243に従って、勤務希望の店舗コードの入力を促す音声をユーザ端末10に出力する(ステップS303)。例えば、電話応対部232は、勤務希望の店舗コードの入力を促す音声として、「勤務を希望される店舗コードを電話機のプッシュボタンで入力してください。」といったような音声をユーザ端末10に出力する。
これに応じてユーザは、ユーザ端末10を操作して、勤務希望の店舗コードの入力操作を行う。例えば、ユーザは、ユーザ端末10を操作して、勤務希望の店舗コードをプッシュボタンで選択する(ステップS304)。ユーザ端末10は、選択された勤務希望の店舗コードを、音声網2を介して管理装置20に通知する。
【0045】
電話応対部232は、勤務希望の店舗コードの入力に対する回答が得られると、質問内容243に従って、次に名前の入力を促す音声をユーザ端末10に出力する(ステップS305)。例えば、電話応対部232は、名前の入力を促す音声として、「発信音の後にお名前を吹き込んでください。終わりましたら電話機のボタンを押してください」といったような音声をユーザ端末10に出力する。
これに応じてユーザは、ユーザ端末10に対して自身の名前を吹き込んだ後に、ユーザ端末10を操作してボタンを選択する(ステップS306)。ユーザ端末10は、吹き込まれえた音声を、音声網2を介して管理装置20に通知する。
【0046】
電話応対部232は、名前の入力に対する回答が得られると、質問内容243に従って、年齢の入力を促す音声をユーザ端末10に出力する(ステップS307)。例えば、電話応対部232は、年齢の入力を促す音声として、「年齢を電話機のプッシュボタンで入力してください。」といったような音声をユーザ端末10に出力する。
これに応じてユーザは、ユーザ端末10を操作して、自身の年齢の入力操作を行う。例えば、ユーザは、ユーザ端末10を操作して、自身の年齢に対応する数字のプッシュボタンを選択する(ステップS308)。ユーザ端末10は、選択されたプッシュボタンの情報を、音声網2を介して管理装置20に通知する。
【0047】
電話応対部232は、年齢の入力に対する回答が得られると、質問内容243に従って、連絡先の入力を促す音声をユーザ端末10に出力する(ステップS309)。例えば、電話応対部232は、連絡先の入力を促す音声として、「ご連絡先は現在おかけになられている「0X0-0000-0000」でよろしいでしょうか。よろしければ(1)をプッシュボタンで入力してください。」といったような音声をユーザ端末10に出力する。
これに応じてユーザは、ユーザ端末10を操作して、連絡先の入力操作を行う。例えば、ユーザは、ユーザ端末10を操作して、(1)のプッシュボタンを選択する(ステップS310)。ユーザ端末10は、選択されたプッシュボタンの情報を、音声網2を介して管理装置20に通知する。
【0048】
電話応対部232は、連絡先の入力に対する回答が得られると、質問内容243に従って、アルバイト経験の入力を促す音声をユーザ端末10に出力する(ステップS311)。例えば、電話応対部232は、アルバイト経験の入力を促す音声として、「アルバイト経験についてお聞きします。アルバイト経験が1年以上ある場合には(1)を、1年未満である場合には(2)を、アルバイト経験がない場合には(3)を押してください。」といったような音声をユーザ端末10に出力する。
これに応じてユーザは、ユーザ端末10を操作して、アルバイト経験の入力操作を行う。例えば、ユーザは、ユーザ端末10を操作して、自身のアルバイト経験に関連する数字のプッシュボタンを選択する(ステップS312)。ユーザ端末10は、選択されたプッシュボタンの情報を、音声網2を介して管理装置20に通知する。
【0049】
電話応対部232は、アルバイト経験の入力に対する回答が得られると、質問内容243に従って、終了を示す音声をユーザ端末10に出力する(ステップS313)。例えば、電話応対部232は、終了を示す音声として、「質問は以上となります。面接に進む場合には改めて弊所よりご連絡差し上げます。ご応募誠にありがとうございます。」といったような音声をユーザ端末10に出力する。また、電話応対部232は、
図8の処理で得られたユーザの回答をユーザ回答244として登録する。
採用企業30は、サーバを介して管理装置20に登録されたユーザ回答244を確認する(ステップS314)。なお、ユーザ回答244は、採用企業30の要求に応じて採用企業30に提供されてもよい。
以上の処理が行われることにより、外国人の電話対応による回答を得ることができる。
【0050】
図9は、本実施形態における人員採用支援システム100における研修処理の流れを示すシーケンス図である。
管理装置20には、事前にオーナーや責任者による業務上で必要となる音声データが教育用音声データ245として登録される(ステップS401)。ユーザは、ユーザ端末10を操作して、研修用の電話番号に連絡する(ステップS402)。管理装置20の電話応対部232は、ユーザ端末10からの研修用の電話番号への着信に応じて、教育用音声データ245として登録されている音声データをユーザ端末10に出力する(ステップS403)。これにより、ユーザ端末10には、教育用音声データ245が流れる。電話応対部232は、研修用の電話番号に着信した電話番号に対応付けて、教育用音声データ245を確認した旨を登録する(ステップS404)。採用企業30は、サーバを介して、研修の実施の有無を確認する(ステップS405)。
【0051】
図10は、本実施形態における人員採用支援システム100のアルバイト採用処理の流れを示すシーケンス図である。なお、
図10では、ユーザが、店舗業務とは別の業務を行うアルバイト(エリア型アルバイト)に事前登録する場合のアルバイト採用処理について説明する。
ユーザは、ユーザ端末10を操作して、店舗業務とは別の業務を行うアルバイトの事前登録を行う(ステップS501)。例えば、ユーザは、店舗業務とは別の業務を行うアルバイトの専用サイトで事前登録時において
図3に示す各種情報を登録情報としてユーザ端末10に入力することによって、店舗業務とは別の業務を行うアルバイトの事前登録を行う。ユーザ端末10は、入力された登録情報を管理装置20に送信する(ステップS502)。
【0052】
管理装置20の第1通信部21は、ユーザ端末10から送信された登録情報を受信する。第1通信部21は、受信した登録情報を制御部23に出力する。データ登録部231は、第1通信部21から出力された登録情報をユーザ登録情報241として登録する(ステップS503)。なお、管理装置20は、事前登録を行ったユーザに対してインセンティブを提供してもよい。
第1通信部21は、担当エリア情報をユーザ端末10に送信する(ステップS504)。担当エリア情報とは、所定の範囲の地域を一つのエリアとして、ユーザに担当したい地域を選択させるための情報である。
【0053】
ユーザ端末10のユーザは、管理装置20から送信された担当エリア情報に基づいて、自身が担当したいエリアを選択する(ステップS505)。この際、ユーザ端末10のユーザは、アルバイトとして可能な業務も合わせて選択する。例えば、ユーザは、店舗のゴミ分別、商品のお届け、空調、トイレ清掃、灰皿清掃、駐車場のゴミ拾い等の業務の中からアルバイトとして実行可能な業務を選択する。ユーザ端末10は、選択された選択情報を管理装置20に送信する(ステップS506)。
管理装置20の第1通信部21は、ユーザ端末10から送信された選択情報を受信する。第1通信部21は、受信した選択情報を制御部23に出力する。データ登録部231は、第1通信部21から出力された選択情報をユーザ関連情報242として登録する。
【0054】
採用企業30から担当エリア及び業務の登録がなされたとする(ステップS507)。採用企業30は、担当エリア及び業務を管理装置20に通知する(ステップS508)。通知部235は、ユーザが登録した情報と、採用企業30から担当エリア及び業務とに基づいて、ユーザの担当エリア及び業務内容を決定する(ステップS509)。通知部235は、決定した担当エリア及び業務内容を、第1通信部21を介してユーザ端末10に送信する。
ユーザ端末10のユーザは、管理装置20から送信された担当エリア及び業務内容に基づいて、担当可否を入力する(ステップS511)。ユーザ端末10は、担当可否の情報を管理装置20に送信する(ステップS512)。
提供部234は、ユーザ端末10から送信された担当可否の情報に基づいて、担当できるユーザ情報及びエリア情報を採用企業30に提供する(ステップS513)。
【0055】
図11は、本実施形態におけるシフトの決定方法を説明するための図である。
図11に示すように、管理装置20のシフト決定部236は、要求されるシフトパターン51とユーザの勤務状況52とに基づいて、1つの店舗のシフトを決定する。具体的には、シフト決定部236には、最適化の目的及び制約条件があらかじめ登録されており、最適化の目的及び制約条件を満たすように、シフト決定部236は、入力されたシフトパターン51とユーザの勤務状況52とに基づいて、1つの店舗のシフトを決定する。シフト決定部236は、決定したシフトを、採用企業30に提供し、修正がある場合には修正事項を反映して再度シフトを決定する。なお、要求されるシフトパターン51は、採用企業30から管理装置20に通知される。ユーザの勤務状況52は、ユーザ関連情報242に基づいて把握することができる。
【0056】
以上のように構成された人員採用支援システム100によれば、有期雇用の従業員の能力に応じてスキルポイントを付与し、付与されたスキルポイントに基づいて、ユーザが、必要に応じて複数のアルバイト先(例えば、同一企業の異なる店舗)で働けるように採用企業30内で採用が行われる。これにより、企業側にとっては、ユーザの能力や経験に応じて、一次試験を除外する等して自由にユーザの採用ができる。また、ユーザは、固定の場所に限らず、帰省時や旅行先などでもアルバイトをすることができる。そのため、能力や経験に応じた自由度の高いアルバイト採用及び就業の仕組みを実現することが可能になる。
【0057】
また、人員採用支援システム100は、ユーザが外国人である場合には、自動応答の仕組みにより言語試験を行う。これにより、採用企業30は、言語試験の結果を見るだけで面接を行う対象となるユーザを絞ることができる。すなわち、アルバイトの登録を行った全ての外国人のユーザと面接をする必要がなくなる。そのため、採用に要する時間を削減することができる。
【0058】
人員採用支援システム100は、店舗で働くアルバイトに限らず、店舗業務とは別の業務を行うアルバイトの採用を行う。これにより、高齢者の就労機会を増やすことができる。そのため、高齢化社会における労働力の確保、高齢者の働き先の拡大により持続可能な開発目標(SDGs)の一部活動に貢献することができる。
【0059】
人員採用支援システム100は、アルバイトの採用になった従業員に対して、採用企業30のオーナーや責任者の音声による事前研修を行う。このような電話での音声に研修を行うことで、映像を見せるよりも責任のある立場であることを自覚させることができる。さらに、アルバイトの従業員の入れ替わりも多く、研修にかけられる費用は限られているものの、品質維持、マナー向上を簡便な方法で実現することができる。
【0060】
採用企業30は、ユーザのスキルポイントに基づいてユーザのスキルを把握することができる。これにより、企業側は、ユーザの技術や人間性などを事前に把握することできる。その結果、企業側としては、ユーザの情報がわかるため、面接不要で採用するといった人件費の削減や企業が所望するスキルを有するユーザを見つけることができる。さらに、持続可能な開発目標(SDGs)の一部活動に貢献することができる。
【0061】
<変形例>
スキルポイントが一定になると時給をアップするように構成されてもよい。
管理装置20が備える一部の機能部は別の筐体に備えられてもよい。例えば、管理装置20が備える電話応対部232が別の筐体に備えられて電話応対装置として構成されてもよい。また、例えば、管理装置20が備えるシフト決定部236が別の筐体に備えられてシフト決定装置として構成されてもよい。
通知部235は、アルバイト先で急な穴(休んだ人がいた場合)、既存のアルバイト社員に加え、で他の店舗で働いているが、シフトの空いている従業員に対してメールや電話連絡によりシフトに入れるか否かの問い合わせを行うように構成されてもよい。
本実施形態では、ユーザが、音声案内に対する回答をユーザ端末10のボタンの入力操作により行う構成を示したが、音声案内に対する回答の入力操作はこれに限定されない。例えば、音声案内に対する回答の入力操作は、「音声」により行われてもよい。このように構成される場合、ユーザは、音声案内に対する回答を音声により入力する。ユーザ端末10は、音声認識により、入力された音声を解釈して回答を管理装置20に送信する。そこで、音声認識による入力操作を行う場合、ユーザ端末10は音声認識部を備える。
【0062】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0063】
10…ユーザ端末, 20…管理装置, 40…管理者装置, 21…第1通信部, 22…第2通信部, 23…制御部, 24…記憶部, 231…データ登録部, 232…電話応対部, 233…評価部, 234…提供部, 235…通知部, 236…シフト決定部