IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチの特許一覧

特許7254033ポルフィリン-フラーレンのアセンブリおよびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ポルフィリン-フラーレンのアセンブリおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20230331BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230331BHJP
   H10K 10/46 20230101ALI20230331BHJP
   H10K 85/20 20230101ALI20230331BHJP
   H10K 85/60 20230101ALI20230331BHJP
【FI】
H01L29/78 618B
H01L29/78 616V
H01L29/78 617M
H01L29/78 618A
H10K10/46
H10K85/20
H10K85/60
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019565219
(86)(22)【出願日】2018-05-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 IN2018050334
(87)【国際公開番号】W WO2018216035
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】201711018553
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508176500
【氏名又は名称】カウンシル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】サントシュ、バブ、スクマラン
(72)【発明者】
【氏名】ゴウダッパゴウダ
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-068635(JP,A)
【文献】特開2014-056955(JP,A)
【文献】特表2010-531056(JP,A)
【文献】特開2011-077500(JP,A)
【文献】特開2007-194360(JP,A)
【文献】特開2005-093990(JP,A)
【文献】特開2010-135542(JP,A)
【文献】Takatsugu Wakahara, et.al,Fullerene/Cobalt Porphyrin Hybid Nanosheets with Ambipolar Charge Transporting Characteristics,Journal of the american chemical society,米国,2012年04月19日
【文献】A Dey et al.,High Performance, Low Operating Voltage n-Type Organic Field Effect Transistor Based on Inorganic-Organic Bilayer Dielectric System,Journal of Physics,英国,IOP Publishing,2016年,Vol. 704,doi:10.1088/1742-6596/704/1/012017
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H10K 10/40
H10K 85/00
H10K 85/20
H10K 85/60
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)を含む、有機電界効果トランジスタ(OFET)において使用するためのアセンブリであって、前記有機電界効果トランジスタ(OFET)が、0.8~3.4cm/V/sの範囲の高い両極性移動度を示し、前記OFETが、ボトムゲートとしてアルミニウム(Al)、ソース-ドレイン電極として金(Au)、および二層誘電体システムとしてAl/PVAをさらに含む、前記アセンブリ。
【請求項2】
前記アセンブリが、亜鉛(Zn)、Co(コバルト)、銅(Cu)またはニッケル(Ni)から選択される遷移金属イオンをさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記アセンブリが、HTPPおよびフラーレン、またはZnTPPおよびフラーレンから構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記アセンブリが、結晶ロッド、ナノワイヤ、ナノファイバー、ナノベルトまたはナノシートの形態である、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のテトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリの調製方法であって、
a)m-キシレン中のテトラフェニルポルフィリンとm-キシレン中のC60とを混合した後、得られた溶液を撹拌せずに2~5分以上静置する工程、
b)シリコン基板上に工程(a)の溶液を数滴加えた後、2~4時間乾燥させてテトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリを得る工程を含む、前記調製方法。
【請求項6】
前記テトラフェニルポルフィリンが、HTPPまたはZnTPPから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1または3に記載のテトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリを含む、有機電界効果トランジスタ(OFET)。
【請求項8】
有機電界効果トランジスタ(OFET)のHTPP-C60の電子移動度が0.86cm/V/sであるかまたは有機電界効果トランジスタ(OFET)のZnTPP-C60の電子移動度が1.35cm/V/sである、請求項7に記載の有機電界効果トランジスタ(OFET)。
【請求項9】
有機電界効果トランジスタ(OFET)のHTPP-C60の正孔移動度が1.12cm/V/sであるかまたは有機電界効果トランジスタ(OFET)のZnTPP-C60の正孔移動度が3.42cm/V/sである、請求項7に記載の有機電界効果トランジスタ(OFET)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドナー-アクセプター単結晶アセンブリに関する。より詳細には、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)を含むアセンブリ、その調製方法、および有機電子デバイスにおけるその使用に関する。
【発明技術】
【0002】
有機エレクトロニクスは、エネルギー効率の高い大面積照明および集光デバイス、柔軟な集積回路およびディスプレイを約束する活発な研究分野として浮上している。近年、有機電界効果トランジスタ(OFET)が、商業的に実施可能な技術として大きく注目されている。トランジスタは我々の日常生活のいたるところにあるため、OFETは、現在の技術の低コストで効率的な代替品と考えられている。両極性OFETに向けられた2つのヘテロ分子の界面における電気伝導率の重要な知見、およびそれに続く低分子の横方向かつバルクのヘテロ界面が、高性能の同等物と競合するために有効利用されている。代替(混合)電子D-Aスタックを作製し、電荷キャリア移動度変調を可能にする十分な方法により、バルクのヘテロ界面形成の潜在的な候補としてD/A小分子の共アセンブリがもたらされた。近年、これらのアセンブリを有機相補型回路、有機発光トランジスタ、フォトトランジスタ、人工皮膚およびセンサーに適用することにより、著しい増加が見られている。
【0003】
OFETにおいて、誘電-半導体界面(dielectric-semiconductor interface)の有機半導体の最初の数ナノメートルの厚さの層が全体の性能に大きく寄与するため、π共役フレームワーク内の電荷キャリア輸送が顕著な役割を果たす。したがって、D-Aコンポーネントの選択、さまざまな電極、誘電材料等を使用することによるインターフェースの変更は、デバイスのパフォーマンスの向上に貢献する。これに関連して、分子レベルの秩序と精度のヘテロ接合をもたらす2コンポーネントD-Aの組み合わせが強く望まれている。p型およびn型の材料の共アセンブリ(co assembly)には、合成が困難な単一コンポーネントの両極性候補の共アセンブリよりも多くの利点があり、そのため、FETにおいて広範囲に試験されている。両極性の電荷輸送材料が注目を集めているが、安定したバランスのとれたp型およびn型の電荷輸送に必要なすべてのパラメーターを満たすπ共役D-Aアセンブリを開発することは、依然として困難な課題である。この目的で、多くの研究グループは、パフォーマンスを改善したp/n接合アセンブリの開発に焦点を合わせている。しかしながら、最適な電荷輸送機能を備えた1Dp/n接合アセンブリには、ドナー、アクセプターコンポーネントの慎重な選択、および共アセンブリ形成の有望な戦略が必要である。
【0004】
J. Am. Chem. Soc., 2012, 134 (5), pp 2760-2765において発表された、H Li et al.による「High-Mobility Field-effect transistors from large-area solution-grown aligned C60 single crystals」というタイトルの記事においては、整列したC60単結晶の大きなアレイを成長させるための溶解処理法(solution processing method)が報告されている。開示された十分に整列したC60単結晶針およびリボンは、11cm-1-1の高い電子移動度を示す(平均移動度:針から5.2±2.1cm-1-1;リボンから3.0±0.87cm-1-1)。この観察された移動度は、溶液成長nチャネル有機材料の報告された最大移動度(1.5cm-1-1)よりも約8倍大きく、nチャネル有機材料の最大移動度(~6cm-1-1)よりも約2倍大きい。さらに、開示されている堆積方法は、ウェハ表面の約50%が整列した結晶で覆われた、100mmウェハ基板に拡張することができる。したがって、開示された方法は、基礎研究のための大量の高品質半導体結晶の製造を容易にし、結晶の表面被覆率の大幅な改善により、この方法は、有機半導体における単結晶の大面積用途に適している可能性がある。
【0005】
Organic Electronics; 2013, 14 (10), pp 2617-2627において発表された、UJ Castillo et al.による「Large face to face tetraphenylporphyrin/fullerene nanoaggregates. A DFT study」というタイトルの記事においては、最大6つのC60ユニットおよび6つのテトラフェニルポルフィリン(HTPP)またはテトラフェニルポルフィリナト-亜鉛(TPP-Zn)部分を含むテトラフェニルポルフィリン/フラーレンナノ凝集体の大きな会合(face to face)が報告されている。フラグメント間の結合エネルギーへの最も重要な寄与は、分散相互作用によることが見出されている。ナノ凝集体を含むZnの結合エネルギーは、結合エネルギーへの分散寄与の違いには関係しないが、DFT項に由来する、金属を含まないものの結合エネルギーよりわずかに大きい。大きなナノ凝集体の中心間距離は、複合体HTPP/C60およびTPP-Zn/C60の中心間距離よりも短く、この効果は、金属を含まないナノ凝集体の場合に顕著である。
【0006】
Japanese Journal of Applied Physics, 2011, 50 Number 1S2において発表された、E Itoh et al.による「Enhancement of the open-circuit voltage and hole conduction of tetraphenylporphyrin /C60 multilayered photovoltaic device by the insertion of oxide hole collection layers」というタイトルの記事においては、インジウム-スズ酸化物(ITO)/酸化物/テトラフェニルポルフィリン(HTPP、ZnTPP)/フラーレン(C60)/バトコプロイン(BCP)/Al構造からなる有機多層光起電デバイスの光起電特性が報告されている。開回路電圧VOCは、ポルフィリン層の厚さが10~30nmになると増大する。VOCの上限は、拡散電位(built-in potential)、およびHTPPの最大占有分子軌道(HOMO)とC60層の最小非占有分子軌道(LUMO)とのエネルギー差ΔEに起因する。NiOやMoO等の酸化物正孔収集層(oxide hole collection layer)を使用することにより、有機層全体の拡散電位が高まり、VOCが改善される。有機層の抵抗は、V<VOCのHTPP膜の電界依存バルク抵抗によって支配されるのに対し、VOC上のキンク(kink)は、ITO/HTPPおよびITO/MoO界面での正孔に対する比較的高いショットキー障壁に起因する。
【0007】
Photosynthesis Research; 2006, 87 (1), pp 63-71において発表された、T Umeyama et al.による「Self-organization of porphyrins and fullerenes for molecular photoelectrochemical devices」というタイトルの記事においては、分子光電気化学デバイス用の電極上のドナーとしてのポルフィリン、およびアクセプターとしてのフラーレンのさまざまな分子アセンブリが報告されている。高効率のエネルギーおよび電子移動プロセスは、細菌の光合成における集光および電荷分離を模倣したポルフィリンまたはフラーレン結合システムの自己アセンブリ単分子層で修飾された金電極により実現されている。ポルフィリンおよびフラーレンの高度に秩序化された組織は、最大1.5%の高い電力変換効率を示す、酸化スズ電極上の金ナノ粒子またはデンドリマーとの会合により、ポルフィリンおよびフラーレン単位の段階的な自己アセンブリを用いることにより達成される。
【0008】
RSC Adv., 2014,4, 64119-64127において発表された、A Garai et al.による「Synthesis, electron transport, and charge storage properties of fullerene-zinc porphyrin hybrid nanodiscs」というタイトルの記事においては、新しく合成されたZn-ポルフィリン錯体およびC60フラーレンの助けを借りたドナー(D)-アクセプター(A)ベースのシステムが報告されている。一連の分光法、吸収分光法(UV-Vis-NIR)、粉末X線回折(XRD)およびX線光電子分光法(XPS)による測定により、Zn-ポルフィリンとC60フラーレンとの間の錯体ベースの電荷輸送の存在が確認された。このD-Aベースのシステムを使用することにより、円盤状のナノオブジェクトが生成される。これらのナノオブジェクトの助けを借りて、ダイオードが製造される。ダイオードの電流-電圧(I-V)および容量-電圧(C-V)の解析が行われる。Ag-C60-Zn-ポルフィリンおよびC60-Zn-ポルフィリン-SiO界面の重要な役割は、本デバイスのI-V特性から明確に理解される。
【0009】
J. Am. Chem. Soc., 2013, 135 (2), pp 558-561において発表された、J Zhang et al.による「Fullerene/Sulfur-Bridged Annulene Cocrystals: Two-Dimensional Segregated Heterojunctions with Ambipolar Transport Properties and Photoresponsivity」というタイトルの記事においては、2次元偏析交互層構造を有するフラーレン/硫黄架橋アヌレン共結晶が、簡単な溶液プロセスにより調製されることが報告されている。単結晶分析により、正孔および電子の輸送経路として別々に機能する、ドナー層およびアクセプター層の両方において連続的なπ-π相互作用が存在することが明らかにされた。両極性輸送挙動は、単結晶電界効果トランジスタにより実証され、量子計算により合理化された。
【0010】
J. Am. Chem. Soc., 2012, 134 (17), pp 7204-7206において発表された、T Wakahara et al.による「Fullerene/Cobalt Porphyrin hybrid nanosheets with ambipolar charge transporting characteristics」というタイトルの記事においては、単純な液-液界面析出法により調製され、光学顕微鏡、AFM、STEM、TEMおよびXRDの手段により完全に特性化されたC60/Coポルフィリンナノシートを含む新規の超分子ナノアーキテクチャが報告されている。彼らは、高度に結晶性のC60/Coポルフィリンナノシートが、単純(1:1)な化学量論を有し、ボトムゲート、ボトムコンタクト電界効果トランジスタ(FET)に組み込まれた場合に、両極性の電荷輸送特性を示すことを報告している。
【0011】
優れた電荷キャリア移動度を示すπ共役分子の1次元(1D)ナノ構造は、有機電子デバイスにおいて大きな利益を見出すものである。そのような構造を形成することは面倒ではあるものの、これらのドナー(D)-アクセプター(A)共アセンブリにおいて高度に非局在化した電子および正孔キャリアの有用性は、両極性電荷輸送を可能とするものある。従来技術のアセンブリの主な欠点は、最適な電荷輸送機能を備えた1Dp/n接合アセンブリが、ドナー、アクセプターコンポーネントの適切な選択、および共アセンブリ形成のための有望な戦略を必要とすることにある。
【0012】
したがって、最適な電荷輸送機能を備えた1Dp/n接合アセンブリを開発する必要がある。したがって、本発明は、OFETの改善された両極性電荷輸送特性を提供する、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)を含む組成物を提供するものである。
【発明の目的】
【0013】
本発明の主な目的は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)を含むアセンブリを提供することにある。
【0014】
本発明の別の目的は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリの調製方法を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリを含む有機電界効果トランジスタ(OFET)を提供することにある。
【発明の概要】
【0016】
したがって、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)を含むアセンブリを提供する。
【0017】
アセンブリは、亜鉛(Zn)、Co(コバルト)、銅(Cu)またはニッケル(Ni)から選択される遷移金属イオンをさらに含んでもよい。
【0018】
アセンブリは、HTPPおよびフラーレン、またはZnTPPおよびフラーレンで構成されている。
【0019】
アセンブリは、結晶ロッド、ナノワイヤ、ナノファイバー、ナノベルトまたはナノシートの形態である。
【0020】
アセンブリは、有機電界効果トランジスタ(OFET)において使用される。
【0021】
一つの実施形態において、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリの調製プロセスであって、
a)溶媒中のテトラフェニルポルフィリンと溶媒中のC60とを混合した後、得られた溶液を撹拌せずに2~5分間以上静置する工程;
b)シリコン基板上に工程(a)の溶液を数滴加えた後、2~4時間乾燥させてテトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリを得る工程
を含む、調製プロセスを提供する。
【0022】
テトラフェニルポルフィリンは、HTPPまたはZnTPPから選択される。溶媒は、m-キシレンから選択される。
【0023】
別の実施形態において、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリを含む有機電界効果トランジスタ(OFET)を提供する。
【0024】
有機電界効果トランジスタ(OFET)は、0.8~3.4cm/V/sの範囲の高い両極性移動度を示す。
【0025】
有機電界効果トランジスタ(OFET)は、ZnTPP-C60の電子移動度が1.35cm/V/sであり、HTPP-C60の電子移動度が0.86cm/V/sであることを示す。
【0026】
有機電界効果トランジスタ(OFET)は、ZnTPP-C60の正孔移動度が3.42cm/V/sであり、HTPP-C60の正孔移動度が1.12cm/V/sであることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】ZnTPP-C60のP/N接合アセンブリのa)SEM画像およびb)TEM画像。選択された領域電子回折パターンd)を有するc)ZnTPP-C60共結晶の高解像度TEM画像。ZnTPPの均一な分布を示すe)炭素、f)窒素およびg)亜鉛のZnTPP-C60共結晶の元素マッピング。
図2】a)各構成要素とZnTPP-C60共結晶のラマンスペクトルの比較であって、ZnTPPおよびC60に対応するピークが、それぞれ緑色の丸と赤色の四角でマークされている。b)ポルフィリンHTPP、ZnTPPおよび対応する共結晶HTPP-C60、ZnTPP-C60のUV-Vis吸収スペクトル。c)スペクトルのピロールN 1s領域およびd)ZnP3/2領域の変化を示すZnTPPおよびZnTPP-C60共結晶のXPスペクトル。
図3】a)スペクトルのピロールおよびイミン(iminic)N 1s領域の変化を示すHTPPおよびHTPP-C60共結晶のXPスペクトル。b)チャネルを覆うHTPP-C60共結晶を示すOFETデバイスのOM画像。
図4】a)FETデバイス構造の概略図。ZnTPP-C60のp-n接合アセンブリのFET特性、正のドレインバイアス(positive drain bias)下のn-チャンネル動作モードにおける、典型的なb)伝達およびd)出力。負のドレインバイアス(negative drain bias)下のp-チャネル動作モードにおける、典型的なc)伝達およびe)出力特性。
図5】m-キシレンからのZnTPP-C60共結晶のOM画像。
図6】m-キシレンからのZnTPP-C60共結晶のSEM画像。
図7】d-間隔が1.231および0.898nmの格子面d)を有する、a)~c)m-キシレンからのZnTPP-C60共結晶のTEM画像。
図8】m-キシレンからのHTPP-C60共結晶のOM画像。
図9】m-キシレンからのHTPP-C60共結晶のSEM画像。
図10】d-間隔が1.217nmの格子面d)、e)および共結晶の単結晶整列を示すSAEDパターンを有する、m-キシレンからのHTPP-C60共結晶のTEM画像。
図11】b)炭素およびc)窒素の元素マッピングを伴う、a)m-キシレンからのHTPP-C60共結晶のTEM画像。
図12】HTPP-C60、ZnTPP-C60共結晶のFT-IRスペクトル。
図13】C60、HTPP、HTPP-C60共結晶のラマンスペクトルの比較であって、HTPPおよびC60に対応するピークは、それぞれ緑色の丸と赤色の四角でマークされている。
図14】HTPP-C60およびZnTPP-C60共結晶のトルエン溶液のUV-Visスペクトル。
図15】a)C60、ZnTPP、ZnTPP-C60共結晶と、b)C60、HTPP、HTPP-C60共結晶とのTGAの比較。
図16】a)C60、ZnTPP、ZnTPP-C60共結晶と、b)C60、HTPP、HTPP-C60共結晶とのマトリックス支援レーザー脱離イオン化(Maldi)の比較。
図17】HTPP、ZnTPPおよびC60のHOMO-LUMOレベルの比較。
図18】HTPP-C60単結晶p-n接合のFET特性。負のドレインバイアス下のpチャネル動作モードにおける、典型的なa)伝達およびb)出力特性。正のドレインバイアス下のnチャネル動作モードにおける、典型的なc)伝達およびd)出力特性。
図19】a)ZnTPP-C60およびb)HTPP-C60OFETデバイスのリーク電流を示すプロット。
【発明の詳細な説明】
【0028】
ここで、本発明を、特定の好ましい任意の実施形態に関連して詳細に説明することにより、その様々な態様をより完全に理解および認識できるようにする。
【0029】
上記を踏まえ、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)を含むアセンブリ、その調製方法、および有機電子デバイスにおけるその使用を提供する。
【0030】
一つの実施形態において、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)を含むアセンブリを提供する。
【0031】
アセンブリは、亜鉛(Zn)、Co(コバルト)、銅(Cu)またはニッケル(Ni)から選択される遷移金属イオンをさらに含んでもよい。好ましい実施形態において、アセンブリは、HTPPおよびフラーレン、またはZnTPPおよびフラーレンから構成される。一つの実施形態において、アセンブリは、結晶ロッド、ナノワイヤ、ナノファイバー、ナノベルトまたはナノシートの形態である。
【0032】
一つの実施形態において、アセンブリは、有機電界効果トランジスタ(OFET)において使用される。
【0033】
一つの実施形態において、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリの調製プロセスを提供であって、
a)溶媒中のテトラフェニルポルフィリンと溶媒中のC60とを混合した後、得られた溶液を撹拌せずに2~5分間以上静置する工程;
b)シリコン基板上に工程(a)の溶液を数滴加えた後、2~4時間乾燥させてテトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリを得る工程
を含む、調製プロセスを提供する。
【0034】
テトラフェニルポルフィリンは、HTPPまたはZnTPPから選択される。溶媒は、m-キシレンから選択される。
【0035】
5,10,15,20-テトラフェニルポルフィリン(HTPP、ZnTPP)およびフラーレン(C60)の1Dアセンブリは、高いON/OFF比と低いしきい電圧の電子および正孔に対して0.8~3.4cm/V/sの範囲の高い両極性移動度を示す。テトラフェニルポルフィリンHTPP、ZnTPP、およびフラーレン(C60)の化学構造を、スキーム1に示す。
【化1】
【0036】
TPP/ZnTPPおよびC60(1:1)のm-キシレン溶液をさまざまな基板、好ましくはシリコンウェハにドロップキャスティングすることにより、高アスペクト比の結晶ロッドを調製する。室温で溶媒を蒸発させることにより、2時間以内に表面に均一なロッドが形成される。ポルフィリンのCS、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン溶液およびC60(1:1)を使用してアセンブリを調製しようとすると、ロッドとともに不明確な凝集体が形成される。光学顕微鏡(OM)(図5)、走査型電子顕微鏡(SEM)(図1a、6)および透過型電子顕微鏡(TEM)(図1b、7)の画像により、ロッドが良好なアスペクト比で均一に形成されていることが示される。各結晶ロッドの長さは数十μmであり、厚さは数μmである。高倍率画像は、1.23および0.90nmのd-間隔を有する2次元格子面の存在を示す(図1c、7)。選択された領域の電子回折パターンにより、ロッドの単結晶性が確認される(図1d)。さらに、結晶ロッド内のポルフィリンの均一な分布は、炭素(図1e)、窒素(図1f)および亜鉛(図1g)の元素マッピングにより確認される。同様に、HTPP-C60共結晶も調製および特性評価される(図8~13)。
【0037】
結晶性ロッドを使用した個々の構成要素の固体フーリエ変換赤外スペクトル(図14)およびラマンスペクトル(図15)の比較により、共結晶中にポルフィリンおよびC60の両方が存在することが確認される。さらに、形成された共結晶は個々の構成要素アセンブリの共結晶とは異なることがわかり、トルエンに溶解した共結晶のUV可視スペクトルはポルフィリンおよびC60の両方の特徴を示す(図14)。しかしながら、固体状態のUV-Visスペクトルは、基底状態のD-A CT相互作用により、対応するピークの大きな変化を示す(図2b)。これは、ZnTPP-C60の場合、共アセンブリのUV-Visスペクトルの長波長テール(long wavelength tail)として明確に観察される(図2b、青い実線)。X線光電子分光法(XPS)は、C60との共結晶形成時のドナーのヘテロ原子の電子密度分布の変化を測定するために使用される(図2c、dおよび3a)。化学的に等価なZnTPP窒素原子のXPスペクトルは、398.6eVの結合エネルギーでN 1sに対応する単一のピークを与える(図2c)。同様に、ZnTPPのZn2+は、1022.4eVの結合エネルギーでXPスペクトルのZn 2P3/2領域にシグナルを示す(図2d)。しかしながら、ZnTPP-C60共結晶の場合、XPスペクトルは、N 1s(1.4eV)およびZn 2P3/2(1.51eV)の両方のピークで正のシフトを示す。観察された正のシフトは、共結晶におけるZnTPPとC60との間のCT相互作用の強化に起因する可能性がある。HTPP-C60の場合、398.3eV(イミン(=N-)および400.3eV(ピロール(-NH-))の結合エネルギーで窒素原子に2つのピークが存在する(図3a)。ピロリンのNおよびイミンのNの1.2および1.3eVのN 1sの正のシフトは、それぞれC60との錯体形成時に観察される。熱重量分析(図15)によっても、共結晶アセンブリの形成が確認される。上記の一連の実験により、共結晶アセンブリの形成、およびアセンブリ全体の各構成要素の寄与も明らかとなる。しかしながら、ZnTPP-C60共結晶UV-Visスペクトルの長波長領域における顕著な違いがあるため、さらなる検討を行う必要がある。
【0038】
別の実施形態において、本発明は、テトラフェニルポルフィリンおよびフラーレン(C60)のアセンブリを含む有機電界効果トランジスタ(OFET)を提供する。
【0039】
好ましい実施形態において、有機電界効果トランジスタ(OFET)は、0.8~3.4cm/V/sの範囲の高い両極性移動度を示す。
【0040】
別の好ましい実施形態において、有機電界効果トランジスタ(OFET)は、ZnTPP-C60の電子移動度が1.35cm/V/sであり、HTPP-C60の電子移動度が0.86cm/V/sであることを示す。
【0041】
さらに別の好ましい実施形態において、有機電界効果トランジスタ(OFET)は、ZnTPP-C60の正孔移動度が3.42cm/V/sであり、HTPP-C60の正孔移動度が1.12cm/V/sであることを示す。
【0042】
トルエン溶液のゆっくりとした蒸発によって得られるテトラフェニルポルフィリンとC60との共アセンブリの単結晶(1:1)は、交互のポルフィリン/C60配列のジグザグ鎖を示す。平面(ポルフィリン)構造と球状(C60)構造との2元アセンブリでは接触面積は非常に小さいものの、共アセンブリ形成の容易さは、ポルフィリンまたはメタロポルフィリンの電子不足中心とフラーレンのオレフィン結合との間の魅力的な相互作用によるものである。
【0043】
/ZnTPP-C60の単結晶p-n接合ロッドは、トランジスタデバイスの両極性電荷キャリア移動度について試験される。電極および誘電体のさまざまな組み合わせを使用したいくつかの試行の後、構造のトップコンタクト(top-contact)/ボトムゲートトランジスタ、ガラス/Al/PVA/有機活性材料/Au(チャネル長50μm、幅1mm)が両極測定用に製造される(図3b、4a)。図4bおよび4cは、V字曲線を有するOFETデバイスの典型的な伝達特性を示す。n-チャネル(図4d)およびpチャネル(図4e)の動作モードでの出力特性は、優れたゲート変調を示す。ZnTPP-C60ロッドの電子および正孔移動度の値は、それぞれ1×10および0.5×10のON/OFF比で1.6および3.9cm/Vsであることが分かる。テトラフェニルポルフィリンとC60とのD-A組み合わせにおける電子励起の性質の比較により、ZnTPP-C60がHTPP-C60よりも強いCT性質を示すことが示唆される。したがって、2つの融合6員環の接合部のC60炭素原子は、それらの間の距離が最も近くなるポルフィリンの最上部に配置される。平面状ポルフィリンおよび球状フラーレンの表面の間のこのような支持的な超分子相互作用は、基底状態および励起状態におけるこれらのシステムのトポロジーを制御する。金属イオンの存在により、C60フラグメントおよびZnTPPフラグメントの間の軌道のオーバーラップが改善され(図16)、凝集体に沿ったポラロンの非局在化が促進され、移動度の値が向上することが観察される。
【0044】
TPPおよびC60ロッドは、それぞれ10および10のON/OFF比で、0.81および1.02cm/Vsのバランスの良い正孔および電子移動度値を示す(図17)。p-領域におけるしきい電圧(Vth)の増大は、HTPPおよびZnTPPの両方の共アセンブリで観察され、理想的でないインターフェースに起因する接触抵抗に起因する可能性がある(表1)。図18は、ゲート電圧に対するリーク電流の変動を表しており、ゲート誘電体を通る10-9Aのオーダーの非常に低いリークにより、デバイス出力特性に対するリークの大きな影響がないことが確認される。
【0045】
【表1】
【0046】
これらのデバイスは安定しており、数か月後でも一貫した可動性を示す。Alをゲートとして、Auをソース、ドレイン電極とする合理的な選択、および誘電体としてのPVA-Alと高品質の単結晶との適切な組み合わせにより、高い移動度が得られる。ZnTPP-C60ロッドのバランスの悪い電子および正孔移動度は、Al電極の仕事関数と、両極性半導体層のHOMOおよび/またはLUMOレベルとの間のわずかなミスマッチに起因する可能性がある。さらに、半導体および半導体/誘電体界面において、正孔よりも電子のトラップが多く存在することも、電子移動度が低い要因となる。
【0047】
さらに別の実施形態では、アセンブリは、有機電界効果トランジスタ、有機発光トランジスタ、フォトトランジスタまたはセンサー等の多くの電子デバイスにおいて使用される。
【0048】
ここで、本発明を、特定の好ましい実施形態および任意の実施形態に関連して詳細に説明することにより、その様々な態様をより完全に理解および認識できるようにする。
【実施例
【0049】
以下の実施例は例示のために示されており、そのため、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0050】
実施例1:H TPPの合成:
新たに蒸留されたピロール(56ml、0.8モル)と試薬グレードのベンズアルデヒド80ml(0.8モル)とを、還流試薬グレードのプロピオン酸を含むRBに添加した。30分間還流し、溶液を冷却およびろ過し、ろ過した化合物をメタノールで十分に洗浄した。熱水で洗浄した後、得られた紫色の結晶を風乾し、最後に真空乾燥して吸着酸を除去し、25g(20%、収率)のTPPを得た。
【0051】
実施例2:ZnTPPの合成:
紫色の結晶HTPPを、DCMを含むRBに添加し、これにZn(OAc)・2HOを添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液の色が、反応の過程で暗紫色から赤紫色に変化した。反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM)により精製し、紫色のバンドを回収した。溶媒を減圧下で除去して、ZnTPPを紫色の固体として得た(77%)。
【0052】
実施例3:H TPP/ZnTPP-フラーレン(C 60 )アセンブリ:
TPP/ZnTPPおよびC60の等モルm-キシレン溶液0.5mlを、周囲条件で同時に混合した。得られた溶液を撹拌せずに2分以上静置した。2滴(10μL)のHTPP/ZnTPP-C60混合m-キシレン溶液をシリコン基板上に置き、2時間乾燥させた。2時間後、ロッド状のアセンブリの形成が観察された。
【0053】
実施例4:H TPP/ZnTPP-フラーレン(C 60 )アセンブリの特性評価:
a)PXRD、ラマンおよび固体UV-Vis吸収
TPP/ZnTPPおよびC60の等モルm-キシレン溶液0.5mlを、周囲条件で同時に混合した。得られた溶液を撹拌せずに1週間以上静置した(サンプルはAl箔により覆った)。ガラスバイアルの底に茶色の結晶が形成された。
【0054】
b)光学顕微鏡(OM)、走査電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)
OM、ESEMおよびAFMサンプルを、m-キシレン中のHTPP/ZnTPP-C60の混合溶液をシリコン基板上にドロップキャスティング(10μL)し、2時間に乾燥して調製した。溶媒が完全に蒸発した後、サンプルをOMおよびAFM分析に直接使用した。ESEM分析の5分前に、サンプルをイオンコーター内でAuでコーティングした。
【0055】
c)透過型電子顕微鏡(TEM)
TEMのサンプルを、カーボンコーティングしたCuグリッドにm-キシレン中のHTPP/ZnTPP-C60の混合溶液をドロップキャスティングし、デシケーターで一晩乾燥さることにより調製した。
【0056】
実施例5:OFETの製造:
微細構造に基づいたデバイス製造を行うために、ボトムゲートのトップコンタクトOFETデバイスの形状を採用した。このデバイスは、アルミニウム(Al)ボトムゲート、Al/PVA二重層誘電体システム、有機アクティブチャネル、および金(Au)ソース-ドレイン電極から構成されていた。最初に、厚さ約300nmのAlゲートコンタクトを、予め洗浄したガラス基板に堆積させた。次いで、Al膜の一部を陽極酸化して、Al層を形成し、ゲート誘電体層として機能させた。陽極酸化により、表面が粗くなり、それにより容量結合が不十分になります。滑らかな表面を実現し、有機界面を得るために、Al表面に厚さ30nmの5重量%のPVA(MW~125,000)層をスピンコートした。不要な残留物を除去するために、PVAコーティングされた基板を100℃で30分間さらにアニールした。二層誘電体システムを提供する主な意図は、界面誘導効果を最小限に抑え、有機界面を確立することにある。二層誘電体システムの製造に成功した後、自己アセンブリ有機微細構造をその上に堆積した。最後に、120nmの厚さのAuソース-ドレイン電極を、シャドウマスクを介して熱成長させた。移動度の計算に使用される容量値は、CV測定から取得された。
【0057】
OFET特性評価:
トランジスタは、3つのプローブの自家製プローブステーションで組み立てられている、Keithley4200半導体特性評価システムの助けを借りて特徴付けられた。電流-電圧特性を収集しながら、デバイスをアルゴン(Ar)雰囲気下のチャンバーに配置した。一定の掃引速度でゲート電圧を掃引しながら、固定されたソース-ドレインバイアスを維持することにより、デバイスの伝達特性が測定された。同様に、固定ゲートバイアスのドレイン電圧を掃引して、出力特性を測定した。
【0058】
移動度の値の計算には、次の式が使用された。
【数1】
[式中、
:ドレイン電流;W:チャネル幅;L:チャネル長さ;μ:キャリア移動度;
:静電容量;V:ゲート電圧;Vth:しきい電圧;V=ドレイン電圧。]
【0059】
本発明のOFETにおいて使用される誘電体システムの測定された静電容量は、10~15nF/cmの範囲であった。
【0060】
本発明の利点:
1.FETの一般的な用途はアンプとしてである。
2.FETは化学センサーとして機能する。
3.FETはバイオセンサーとして機能する。
4.有機発光ダイオード(OLED)、太陽電池、
5.本発明のアセンブリを使用して調製されたOFETは、非常に高い両極性移動度を示す。
図1a)】
図1b)】
図1c)】
図1d)】
図1e)】
図1f)】
図1g)】
図2
図3
図4
図5a)】
図5b)】
図6a)】
図6b)】
図7a)】
図7b)】
図7c)】
図7d)】
図8a)】
図8b)】
図9a)】
図9b)】
図10a)】
図10b)】
図10c)】
図10d)】
図10e)】
図10f)】
図11a)】
図11b)】
図11c)】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19