(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置及びコーヒーマシン
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20230331BHJP
A47J 31/44 20060101ALI20230331BHJP
B30B 11/02 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
A47J31/06 310
A47J31/44 182
B30B11/02 F
(21)【出願番号】P 2020505828
(86)(22)【出願日】2018-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2018070235
(87)【国際公開番号】W WO2019025268
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】102017000090275
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514166780
【氏名又は名称】デロンギ アップリアンチェース エッセ.エッレ.エッレ.
【氏名又は名称原語表記】DE’LONGHI APPLIANCES S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】デロンギ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ロッセット,ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】カサソラ,マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ポッジオリ,マッシモ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-518381(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0250354(US,A1)
【文献】国際公開第2010/085850(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0356502(US,A1)
【文献】国際公開第2016/124573(WO,A1)
【文献】特開2008-225743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/06
A47J 31/44
B30B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1回量の粉砕コーヒー粉末を投入及び収集するためのフィルタ(4)を有するフィルタホルダカップ(3)と、前記カップ(3)が分離可能に取り付けられる取り付け支持体(7)と、前記カップ(3)の前記フィルタ(4)の上方に位置合わせされた出口(10)を有する粉砕コーヒーを分配するためのスライド(9)を備えるコーヒー豆用のグラインダ(8)と、を備える、1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置(2)と、
飲料の調製のための末端を備えた抽出ユニットと、を含み、
前記装置(2)は、前記カップ(3)内に存在する前記1回量の粉砕コーヒー粉末のプレスピストン(15)と、前記スライド(9)の前記出口(10)の上方の位置に前記プレスピストン(15)を持ち上げるための持ち上げ機構と、
プレス力調整手段と、を備え、
前記持ち上げ機構は、手動レバー(19)又はノブである回転する制御要素(19)と、前記制御要素(19)の回転を前記ピストン(15)の垂直方向の並進運動に変換する伝動装置と、を備え、
前記調整手段は、前記持ち上げ機構の2つの要素を相互に接続する弾性クラッチを備え、
プレスされた前記1回量の粉砕コーヒー粉末を含む前記カップ(3)は、前記支持体(7)から分離されて、飲料の調製のために前記抽出ユニットの前記末端に取り付けられていることを特徴とする、コーヒーマシン(1)。
【請求項2】
前記持ち上げ機構は、前記ピストン(15)が前記カップ(3)内にあるプレス位置と、前記スライド(9)の前記出口(10)の上方の前記位置との間で、前記ピストン(15)を可逆的に作動させることを特徴とする、請求項1に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項3】
前記装置(2)は、前記ピストン(15)の垂直方向の並進運動のためのガイド(16)を備えることを特徴とする、請求項1~2のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項4】
前記ピストン(15)は、前記ピストン(15)の上方に延在する垂直ステム(18)によって強固に支持されることを特徴とする、請求項3に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項5】
前記ピストン(15)及び前記フィルタ(4)は、円形の共役の形状を示すことを特徴とする、請求項1~
4のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項6】
前記伝動装置は、歯車装置を含むことを特徴とする、請求項1~
5のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項7】
前記歯車装置は、前記ピストン(15)の上方に延在する垂直ステム(18)に固く連結された垂直ラック(20)と、前記制御要素(19)に接続された水平機械軸(22)によって支持されるはめ歯歯車(21)のアーチと、を備えることを特徴とする、請求項
6に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項8】
前記弾性クラッチは、前記制御要素(19)を前記伝動装置に接続することを特徴とする、請求項
1~7のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項9】
前記弾性クラッチは、トーションばね(23)を含むことを特徴とする、請求項
8に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項10】
前記弾性クラッチは、前記制御要素を、前記制御要素(19)に接続された水平機械軸(22)によって支持されるはめ歯歯車(21)のアーチに接続することを特徴とする、請求項
1~9のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項11】
前記クラッチの現在の配位を特定するプレス力のインジケータ(29)が設けられることを特徴とする、請求項
1~10のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項12】
前記スライド(9)の前記出口(10)から前記カップ(3)に分配される前記1回量の粉砕コーヒー粉末の量を変えずに、選択されたプレス力で前記1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスする、請求項1~1
1のいずれか一項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項13】
構造的に独立した複数のモジュールから成るモジュール構造を有し、前記独立した複数のモジュールのうちの1つは、前記装置(2)によって形成されていることを特徴とする、請求項1~1
2の何れか1項に記載のコーヒーマシン(1)。
【請求項14】
1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置(2)であって、1回量の粉砕コーヒー粉末を投入及び収集するためのフィルタ(4)を有するフィルタホルダカップ(3)と、前記カップ(3)が分離可能に取り付けられる取り付け支持体(7)と、前記カップ(3)の前記フィルタ(4)の上方に位置合わせされた出口(10)を有する粉砕コーヒーを分配するためのスライド(9)を備えるコーヒー豆用のグラインダ(8)と、を備える、装置(2)において、前記カップ(3)内に存在する前記1回量の粉砕コーヒー粉末のプレスピストン(15)と、前記スライド(9)の前記出口(10)の上方の位置に前記プレスピストン(15)を持ち上げるための持ち上げ機構と、プレス力調整手段とを備え、
前記調整手段は、前記持ち上げ機構の2つの要素を相互に接続する弾性クラッチを備えることを特徴とする、装置(2)。
【請求項15】
前記弾性クラッチは、回転する制御要素(19)を前記制御要素(19)の回転を前記ピストン(15)の垂直方向の並進運動に変換する伝動装置に接続することを特徴とする、請求項1
4に記載の装置(2)。
【請求項16】
前記弾性クラッチは、トーションばね(23)を含むことを特徴とする、請求項1
5に記載の装置(2)。
【請求項17】
前記弾性クラッチは、回転する制御要素(19)を、前記制御要素(19)に接続された水平機械軸(22)によって支持されるはめ歯歯車(21)のアーチに接続することを特徴とする、請求項1
4~1
6のいずれか一項に記載の装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、抽出の準備が整った、1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置に関する。
【0002】
圧力抽出前に正確な1回量の粉砕コーヒーを適切にプレスすることは、所望の感覚刺激性の特性を有するエスプレッソコーヒーを得るために必須である。
【0003】
このために、手動のコーヒータンパを含む、又はプレス工程自体の間ではなく先験的に、調整可能な固定の設定でプレス力を較正することもできる、多かれ少なかれ自動化されたシステムを含む様々な解決策が市場で入手可能である。
【0004】
これらのシステムは、プレスプロセスが、フィルタホルダカップを粉砕コーヒー収集領域からプレス領域に移動させることを必要とするので、フィルタホルダカップからコーヒー粉末が散乱するという問題を解決しないことが多い。
【0005】
縦方向の軸線を有する電動のオーガに関する米国特許第2016/0128507号も公知であり、オーガは、粉砕コーヒー粉末をプレスする。オーガは、フィルタホルダカップ内にコーヒー粉末を送出するために、シュートの出口開口部の下に位置合わせされたタンピングヘッドを有する。グラインダの作動と同時に行われるオーガの作動は、マイクロスイッチによって決定され、マイクロスイッチは、フィルタホルダカップが支持体と結合されたことによって切り替えを行い、コーヒー粉末の圧縮を保証するために、粉砕の停止後も一定時間にわたり動作を継続する。より正確には、前記支持体によって提供される雌型のバヨネット機構のガイドがフィルタホルダカップの外爪によって係合されると、オーガは作動される。この解決手段では、粉砕コーヒーの一部がオーガのねじ山間の隙間に蓄積し、フィルタホルダカップが取り出された際に隙間から出て、したがって領域内に散乱することが起こり得る、又は粉砕コーヒーの一部がオーガのねじ山間の隙間に堆積し、後続の抽出サイクルでのみ使用されるが、しかしながらこれは、大分後に行われる場合もあり、したがって粉砕コーヒーの特性の劣化を引き起こし得る。
【0006】
したがって、本発明の技術的課題は、従来技術の上述した技術的欠点を取り除くことを可能にする、抽出の準備が整った、1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置を実現することである。
【0007】
この技術的なタスクの範囲内で、本発明の1つの目的は、フィルタホルダカップ内に存在する粉砕コーヒーをプレスするプロセスを簡素化して加速させるように適合された上述のタイプの装置を実現することである。
【0008】
本発明の別の目的は、マシン内の支持部に係合させて、マシン内に存在するグラインダの分配スライドから粉砕コーヒーを受け取る位置に関して、フィルタホルダカップを移動させる必要なく、粉砕コーヒーを圧縮するように適合された上述のタイプの装置を実現することである。
【0009】
本発明の別の目的は、フィルタホルダカップの外への粉砕コーヒー粉末の散乱を低減又は排除するように適合された上述のタイプの装置を実現することである。
【0010】
本発明の別の目的は、コーヒー粉末を通る抽出液の優先的な経路の形成を防止するように、粉砕コーヒーの均一なプレスを実行するように適合された上述のタイプの装置を実現することである。
【0011】
本発明の別の目的は、プレスプロセスを実行する前にシステムを事前設定する必要なく、所望のタイプの飲料に合わせてプレスプロセスを調整できるように、プレスプロセスを調整するように適合された上述のタイプの装置を実現することである。
【0012】
本発明の別の目的は、コーヒーのアロマが変化しないようにコーヒーが擦り合わされる/加熱されることなくプレスを実行するように適合された上述のタイプの装置を実現することである。
【0013】
本発明の別の目的は、粉砕コーヒーの量を変化させないプレスを実行するように適合された上述のタイプの装置を実現することである。
【0014】
本発明の別の目的は、コーヒーマシンに組み込まれる上述のタイプの装置を実現することである。
【0015】
本発明による、上記において提示した、また下記において提示する技術的なタスク及び他の目的は、1回量の粉砕コーヒー粉末を投入及び収集するためのフィルタを有するフィルタホルダカップと、前記カップが分離可能に取り付けられる取り付け支持体と、前記カップの前記フィルタの上方に位置合わせされた出口を有する粉砕コーヒーを分配するためのスライドを備えるコーヒー豆用のグラインダと、を備える、前記1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置であって、この装置は、前記カップ内に存在する前記1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするためのプレスピストンと、前記スライドの前記出口の上方の位置に前記プレスピストンを持ち上げるための持ち上げ機構と、を備えることを特徴とする、前記1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置を実現することによって達成される。
【0016】
有利には、前記持ち上げ機構は、前記ピストンが前記フィルタホルダカップ内にあるプレス位置と、前記スライドの前記出口の上方の前記位置との間で、前記ピストンを可逆的に作動させる。
【0017】
有利には、前記ピストンの垂直方向の並進運動のためにガイドが設けられる。
【0018】
有利には、プレス力調整手段も設けられる。
【0019】
有利には、前記持ち上げ手段はまた、回転する制御要素と、前記制御要素の回転を前記ピストンの垂直方向の並進運動に変換する伝動装置と、を備える。
【0020】
有利には、前記調整手段は、前記プレス機構の2つの要素を接続する弾性クラッチも備える。
【0021】
装置内の1回量の粉砕コーヒーの選択可能な量は、味を個人別にするように選択することができるプレス力に依存しない。
【0022】
有利には、装置は独立したユニットであってよく、又はコーヒーマシンに組み込むことができる。
【0023】
有利には、モジュール式コーヒーマシンは、構造的に独立した複数のモジュールから成り、それらの独立した複数のモジュールのうちの1つが前記装置によって形成されていることも考えられ得る。
【0024】
本発明の他の特徴はまた、以下の本明細書の特許請求の範囲において定義される。
【0025】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面に概略的かつ非限定的に図示されている、本発明による、1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置の好適であるが網羅的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【0026】
〔
図1〕動作位置にある手動制御要素が図示された、本発明の実施形態による装置が組み込まれたコーヒーマシンを示す。
【0027】
〔
図2〕動作位置にある手動制御要素が図示された、本発明の実施形態による装置が組み込まれたコーヒーマシンを示す。
【0028】
〔
図3〕動作位置にある手動制御要素が図示された、本発明の実施形態による装置が組み込まれたコーヒーマシンを示す。
【0029】
〔
図4〕ピストンがスライドの出口の上方まで上昇された装置を示す。
【0030】
〔
図5〕ピストンがカップ内に挿入された装置である。
【0031】
【0032】
【0033】
〔
図8〕装置内に装着された手動制御要素の断面図である。
【0034】
各図を参照すると、1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするための装置2が組み込まれたコーヒーマシン1が示されている。
【0035】
コーヒーマシン1は、構造的に独立した複数のモジュールから成るモジュール構造のものであってよく、それらの独立した複数のモジュールのうちの1つは、装置2によって形成されている。
【0036】
特に、コーヒーマシン1のフレームは、モジュール構造であってよく、そのうちの1つのモジュールは、装置2のフレームによって形成されている。
【0037】
しかしながら、図示されたものとは異なり、装置2は、コーヒーマシン1から完全に分離された、構造的かつ機能的に独立したユニットであってもよいことに留意されたい。
【0038】
装置2は、1回量の粉砕コーヒー粉末を投入するためのフィルタ4を有するフィルタホルダカップ3を備える。
【0039】
カップ3が分離可能に取り付けられる取り付け支持体7が、装置2のフレーム6に装着されている。
【0040】
コーヒー豆用のグラインダ8もフレーム6に装着されており、このグラインダ8は、カップ3内に装着されたフィルタ4の上方に位置合わせされた出口10を有する、粉砕コーヒーを分配するためのスライド9を備える。
【0041】
特に、カップ3は、支持体7に取り付けるためのバヨネット式アタッチメントシステムを有する。
【0042】
バヨネット式アタッチメントシステムは、支持体7に含まれる特殊なガイド12に固定することができるカップ3の外爪11を備える。
【0043】
最後に、カップ2は、抽出されたコーヒーを分配するための下部領域に外側グリップ13及び注ぎ口14を有する。
【0044】
有利には、フレーム6は、グラインダ8のスライド9によってカップ3に分配された、1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするためのプレスピストン15を支持する。
【0045】
したがって、ピストン15は、カップ3が支持体7に取り付けられると、1回量の粉砕コーヒー粉末をプレスするプロセスを実行することができる。
【0046】
つまり、プレスプロセスを実行するために、1回量の粉砕コーヒー粉末が装填される位置から、カップ3を移動する必要はない。
【0047】
有利には、フレーム6は、プレスピストン15をスライド9の出口10の上方の位置まで持ち上げるための持ち上げ機構を支持する。
【0048】
実際には、持ち上げ機構は、ピストン15がカップ3内にあるプレス位置と、スライド9の出口10の上方の位置との間で、ピストン15を可逆的に作動させる。
【0049】
フレーム6は、ピストン15の垂直方向の並進運動のための特殊なガイド16を備える。
【0050】
ピストン15は、カップ3のフィルタ4に関して共役の円形形状を有するので、プレス位置において、ピストン15がカップ3のフィルタ4に進入する。
【0051】
コーヒー粉末の分散及びライン16の清掃は、ピストン15の外周に沿って装着されたスクレーパシール17によって保証される。
【0052】
ここではピストン15に共役の形状である並進運動ガイド16は、縦方向の軸線を有する円筒状の管から成るものであり、カップ3の上方に同軸で位置合わせされる。
【0053】
最後に、ピストン15は、ピストン15の上方において垂直方向に延在するステム18によって強固に支持される。
【0054】
持ち上げ手段は、回転する制御要素と、制御要素の回転をピストン15の垂直方向の並進運動に変換する伝動装置と、を備える。
【0055】
制御要素は、具体的には手動レバー19又はノブであるが、代替的な実施形態では、装置2の電気コントローラによって作動させることができる回転電気モータであってよい。
【0056】
ピストン15によって及ぼされるプレス力を調整する手段も装置2内に存在する。
【0057】
調整手段は、持ち上げ機構の2つの要素を接続する弾性クラッチを備えることもできる。
【0058】
特に、弾性クラッチは、制御要素を伝動装置に接続する。
【0059】
弾性クラッチは、トーションばね23を含む。
【0060】
この特定の場合における伝動装置は、垂直ラック20と、水平機械軸22によって回転するように支持されたはめ歯歯車21のアーチと、から成る歯車装置を備える。
【0061】
ラック20は、ステム18に固く連結され、それに対し、軸22は、制御レバー19に接続される。
【0062】
更に詳細には、制御レバー19は、軸受25が締結される中空本体24(前記軸受25は水平方向の軸線を有する)を有し、軸22を締結するための座部27を軸線方向において有する同軸の軸受スリーブ26と回転可能に連結される。
【0063】
螺旋状の形態であるトーションばね23は、軸受25と軸受スリーブ26との間において水平方向の軸線を有するように挿入され、軸受26に締結された一端23aと、軸受スリーブ25に締結された一端23bと、を有する。
【0064】
軸受スリーブ26は、フレームの外壁の厚みを貫通する水平孔28を通るように配置される。
【0065】
したがって、軸受スリーブ26は、軸22が接続されるフレームの内側に配置される1つの部分と、軸受25及び制御レバー19が接続されるフレームの外側に配置される1つの部分と、を有する。
【0066】
最後に、装置2は、クラッチの現在の配位を特定するプレス力のインジケータを備える。
【0067】
この特定の場合では、インジケータは、軸受スリーブ26に固く連結され、中空本体24の外側に突出するポインタ29と、レバー19の中空本体24の外側に設けられた目盛り30と、から成る。
【0068】
装置2は、その動作を調整する電子コントローラを有する。
【0069】
装置2は、一連の、スライド11の出口10の上方にピストン15を持ち上げる第1のステップと、カップ3内に1回量のコーヒー粉末を装填する第2のステップと、ピストン15を降下させてプレスを行う第3のステップと、を含む作業サイクルを実行する。
【0070】
作業サイクルの第1のステップでは、ユーザが、制御レバー19を、
図4及び
図5に図示したはめ歯歯車21のアーチの時計回りの回転をもたらす方向に回転させる。ラック20との噛合の結果、はめ歯歯車21のアーチの回転は、ステム18を、またそれと共にピストン15を垂直方向の並進運動で上方に引き上げる。このステップは、有利には、プレスプロセスの終了時に、システム自体が高粉砕位置に復帰することを保証するように、例えば戻しばねを用いた自動復帰によって自動化することもできる。
【0071】
マイクロスイッチ(図示せず)は、ピストン15が上方行程端部に到達した際に可動部のうちの1つによって作動され、その結果、電子コントローラにこのイベントに関する信号が送信され、電子コントローラは、信号の取得の結果として、グラインダ8の起こり得る作動を可能にする。
【0072】
1回量の粉砕コーヒーが支持体7に取り付けられたカップ3に分配されると、ユーザは、制御レバー19を、今回は
図4及び
図5に図示したはめ歯歯車21のアーチの反時計回りの回転をもたらす方向に回転させることができる。ラック20との噛合の結果、はめ歯歯車21のアーチの回転は、ステム18を、またそれと共にピストン15を垂直方向の並進運動で下方に引き下げる。
【0073】
制御レバー19が回転している間、またピストン15がカップ3内に存在する1回量の粉砕コーヒーの上面に載置されるまで、制御レバー19及びはめ歯歯車21のアーチは、実質的に一緒に回転する。
【0074】
しかしながら、ピストン15が降下されるにつれてカップ3内に存在する1回量の粉砕コーヒーを圧縮し始める瞬間から、制御レバー19が更に回転しても、圧縮された1回量の粉砕コーヒーによって提供される抵抗により、ピストン15はもはや更に降下することはできない。この状況において、制御レバー19を更に回転させると、トーションばね23が変形し、これによってプレス力がピストン15に伝達され、前記プレス力は、その変形に比例して漸次的に増大する。
【0075】
ユーザは、インジケータがプレス力の所望の程度を特定する位置において、制御レバー19を停止する。
【0076】
この時点で、1回量のプレスされた粉砕コーヒー粉末を収容するカップ3が、支持体7から分離されて、コーヒーマシン1の領域に運ばれ、飲料の調製のためにコーヒーマシン1の抽出ユニットの末端に取り付けられる。
【0077】
好ましくは、しかしながら必ずしもそうではないが、抽出プロセスが可能になる前に、装置2の電子コントローラが組み込まれたコーヒーマシン1のコントローラは、ユーザが、1回量の粉砕コーヒーを圧縮するために圧縮操作を完了したかどうかを検査する。
【0078】
したがって、提案される技術的解決手段を用いると、粉砕コーヒーの量は、有利なことに、カップへの粉砕コーヒーの落下に干渉しないようにするために粉砕プロセス中は持ち上げられているピストンの垂直方向の移動によって後に行われるプレスプロセスには依存しない。
【0079】
弾性クラッチ及びインジケータによって、ユーザは、所望に応じてコーヒーの圧縮の程度を特定の限界内で制御し、それによって粉砕コーヒーの1回量及び粒径が等しいままで、より強い又はより弱いアロマを得ることが可能になる。
【0080】
そのように考案された装置は、すべてが本発明の概念の範囲に当てはまる多くの修正及び変更を受けやすい。更に、すべての細部は、他の技術的に均等な要素と置換され得る。
【0081】
使用される材料、並びに寸法は、実際には、必要性及び最新の技術に従って、任意の種類とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】動作位置にある手動制御要素が図示された、本発明の実施形態による装置が組み込まれたコーヒーマシンを示す。
【
図2】動作位置にある手動制御要素が図示された、本発明の実施形態による装置が組み込まれたコーヒーマシンを示す。
【
図3】動作位置にある手動制御要素が図示された、本発明の実施形態による装置が組み込まれたコーヒーマシンを示す。
【
図4】ピストンがスライドの出口の上方まで上昇された装置を示す。
【
図5】ピストンがカップ内に挿入された装置である。
【
図8】装置内に装着された手動制御要素の断面図である。