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特許7254110タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策に関する技術
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策に関する技術
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20230331BHJP
   G06Q 30/016 20230101ALI20230331BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230331BHJP
【FI】
G06Q10/06
G06Q30/016
G06Q50/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021037303
(22)【出願日】2021-03-09
(62)【分割の表示】P 2019509547の分割
【原出願日】2018-07-18
(65)【公開番号】P2021099855
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】15/807,215
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/807,227
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517083224
【氏名又は名称】アフィニティ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジア チシティー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ザッカリー ハドソン
(72)【発明者】
【氏名】フィル デイビス
(72)【発明者】
【氏名】アクバル エー. マーチャント
(72)【発明者】
【氏名】イッタイ カン
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09712676(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0264178(US,A1)
【文献】特表2011-511533(JP,A)
【文献】特表2012-501587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトセンターシステムにおいてペアリング方策をベンチマーキングするための方法であって、前記方法は、
前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されており、かつ、前記コンタクトセンターシステム内で動作するように構成されている少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、第1のコホートを決定することであって、前記第1のコホートは、第1の期間中、第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第1の複数のコンタクトと、前記第1の期間中、第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第2の複数のコンタクトとを含む、ことと、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、第2のコホートを決定することであって、前記第2のコホートは、第2の期間中、前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第3の複数のコンタクトと、前記第2の期間中、前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第4の複数のコンタクトとを含み、前記第2の期間は、前記第1の期間に続く、ことと、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、前記第1の期間中、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策を使用するコンタクトのペアリングに起因する値に基づいて、前記第1の期間中、前記第1のコホートに対する前記第1のペアリング方策と前記第2のペアリング方策との間の第1の相対的実績差を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、前記第2の期間中、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策を使用するコンタクトのペアリングに起因する値に基づいて、前記第2の期間中、前記第2のコホートに対する前記第1のペアリング方策と前記第2のペアリング方策との間の第2の相対的実績差を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、前記第1の相対的実績差と前記第2の相対的実績差との比較に基づいて、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策に対する正味実績差を決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の相対的実績差を決定することは、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた前記第1の複数のコンタクトに関連付けられている第1の値を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた前記第2の複数のコンタクトに関連付けられている第2の値を決定することと、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、前記第1の値と前記第2の値との間の差を前記第1の相対的実績差として提供することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の値は、前記第1のペアリング方策が前記第1の期間中に使用された時間の第1のパーセンテージに基づいて重み付けされ、前記第2の値は、前記第2のペアリング方策が前記第2の期間中に使用された時間の第2のパーセンテージに基づいて重み付けされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の期間および前記第2の期間は、時間の対応する長さを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のコホート内でペアリングされた少なくとも1つのコンタクトは、前記第2のコホート内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーが、前記第1のコホート内でペアリングされた前記少なくとも1つのコンタクトを、前記第1のコホート内でペアリングされた前記少なくとも1つのコンタクトが、前記第1の期間中、関連付けられていた前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策のペアリング方策とは関係しない前記第3の複数のコンタクトまたは前記第4の複数のコンタクトに割り当てることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記正味実績差は、少なくとも1つの第3のコホートの相対的実績差にさらに基づいており、前記少なくとも1つの第3のコホートは、第3の期間中、前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第5の複数のコンタクトと、前記第3の期間中、前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第6の複数のコンタクトとを含み、前記第3の期間は、前記第1の期間から閾値量の時間内である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
コンタクトセンターシステムにおいてペアリング方策をベンチマーキングするためのシステムであって、
前記システムは、少なくとも1つのコンピュータープロセッサーを備え、前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されており、かつ、前記コンタクトセンターシステム内で動作するように構成されており、
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
第1のコホートを決定することであって、前記第1のコホートは、第1の期間中、第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第1の複数のコンタクトと、前記第1の期間中、第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第2の複数のコンタクトとを含む、ことと、
第2のコホートを決定することであって、前記第2のコホートは、第2の期間中、前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第3の複数のコンタクトと、前記第2の期間中、前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第4の複数のコンタクトとを含み、前記第2の期間は、前記第1の期間に続く、ことと、
前記第1の期間中、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策を使用するコンタクトのペアリングに起因する値に基づいて、前記第1の期間中、前記第1のコホートに対する前記第1のペアリング方策と前記第2のペアリング方策との間の第1の相対的実績差を決定することと、
前記第2の期間中、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策を使用するコンタクトのペアリングに起因する値に基づいて、前記第2の期間中、前記第2のコホートに対する前記第1のペアリング方策と前記第2のペアリング方策との間の第2の相対的実績差を決定することと、
前記第1の相対的実績差と前記第2の相対的実績差との比較に基づいて、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策に対する正味実績差を決定することと
を行うようにさらに構成されている、システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた前記第1の複数のコンタクトに関連付けられている第1の値を決定することと、
前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた前記第2の複数のコンタクトに関連付けられている第2の値を決定することと、
前記第1の値と前記第2の値との間の差を前記第1の相対的実績差として提供することと
を行うことによって、前記第1の相対的実績差を決定するようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の値は、前記第1のペアリング方策が前記第1の期間中に使用された時間の第1のパーセンテージに基づいて重み付けされ、前記第2の値は、前記第2のペアリング方策が前記第2の期間中に使用された時間の第2のパーセンテージに基づいて重み付けされる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の期間および前記第2の期間は、時間の対応する長さを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のコホート内でペアリングされた少なくとも1つのコンタクトは、前記第2のコホート内にある、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、前記第1のコホート内でペアリングされた前記少なくとも1つのコンタクトを、前記第1のコホート内でペアリングされた前記少なくとも1つのコンタクトが、前記第1の期間中、関連付けられていた前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策のペアリング方策とは関係しない前記第3の複数のコンタクトまたは前記第4の複数のコンタクトに割り当てるようにさらに構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記正味実績差は、少なくとも1つの第3のコホートの相対的実績差にさらに基づいており、前記少なくとも1つの第3のコホートは、第3の期間中、前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第5の複数のコンタクトと、前記第3の期間中、前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第6の複数のコンタクトとを含み、前記第3の期間は、前記第1の期間から閾値量の時間内である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
コンタクトセンターシステムにおいてペアリング方策をベンチマーキングするための製造品であって、前記製造品は、
非一時的なプロセッサー読み取り可能な媒体と、
前記媒体に記憶された命令と
を備え、
前記命令は、前記コンタクトセンターシステムに通信可能に結合されており、かつ、前記コンタクトセンターシステム内で動作するように構成されている少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって前記媒体から読み取り可能であるように構成されており、これにより、
第1のコホートを決定することであって、前記第1のコホートは、第1の期間中、第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第1の複数のコンタクトと、前記第1の期間中、第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第2の複数のコンタクトとを含む、ことと、
第2のコホートを決定することであって、前記第2のコホートは、第2の期間中、前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた第3の複数のコンタクトと、前記第2の期間中、前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた第4の複数のコンタクトとを含み、前記第2の期間は、前記第1の期間に続く、ことと、
前記第1の期間中、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策を使用するコンタクトのペアリングに起因する値に基づいて、前記第1の期間中、前記第1のコホートに対する前記第1のペアリング方策と前記第2のペアリング方策との間の第1の相対的実績差を決定することと、
前記第2の期間中、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策を使用するコンタクトのペアリングに起因する値に基づいて、前記第2の期間中、前記第2のコホートに対する前記第1のペアリング方策と前記第2のペアリング方策との間の第2の相対的実績差を決定することと、
前記第1の相対的実績差と前記第2の相対的実績差との比較に基づいて、前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策に対する正味実績差を決定することと
を行うように前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーを動作させる、製造品。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
前記第1のペアリング方策を使用してペアリングされた前記第1の複数のコンタクトに関連付けられている第1の値を決定することと、
前記第2のペアリング方策を使用してペアリングされた前記第2の複数のコンタクトに関連付けられている第2の値を決定することと、
前記第1の値と前記第2の値との間の差を前記第1の相対的実績差として提供することと
を行うことによって、前記第1の相対的実績差を決定するようにさらに動作させられるように構成されている、請求項15に記載の製造品。
【請求項17】
前記第1の値は、前記第1のペアリング方策が前記第1の期間中に使用された時間の第1のパーセンテージに基づいて重み付けされ、前記第2の値は、前記第2のペアリング方策が前記第2の期間中に使用された時間の第2のパーセンテージに基づいて重み付けされる、請求項16に記載の製造品。
【請求項18】
前記第1の期間および前記第2の期間は、時間の対応する長さを含む、請求項15に記載の製造品。
【請求項19】
前記第1のコホート内でペアリングされた少なくとも1つのコンタクトは、前記第2のコホート内にある、請求項15に記載の製造品。
【請求項20】
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、前記第1のコホート内でペアリングされた前記少なくとも1つのコンタクトを、前記第1のコホート内でペアリングされた前記少なくとも1つのコンタクトが、前記第1の期間中、関連付けられていた前記第1のペアリング方策および前記第2のペアリング方策のペアリング方策とは関係しない前記第3の複数のコンタクトまたは前記第4の複数のコンタクトに割り当てるように動作させられるようにさらに構成されている、請求項19に記載の製造品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本国際特許出願は、2017年11月8日に出願された米国特許出願第15/807,215号と、2017年11月8日に出願された米国特許出願第15/807,227号とに対する優先権を主張し、各米国特許出願は、本明細書において完全に記述されているかのように、その全体が本明細書において参照によって援用される。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概してベンチマーキングペアリング方策に関するものであり、より具体的には、タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策に関する技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
(開示の背景)
典型的なタスク割り当てシステムは、タスク割り当てセンターに届くタスクをそれらのタスクを取り扱うために利用可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。あるとき、タスク割り当てシステムは、利用可能でありかつタスクへの割り当てを待っているエージェントを有し得る。別のあるとき、タスク割り当てセンターは、エージェントが割り当てに対して利用可能になることを1つ以上の待ち行列において待っているタスクを有し得る。
【0004】
いくつかの典型的なタスク割り当てセンターにおいて、タスクは、タスクが作られた順序に基づいて順序付けられてエージェントに割り当てられ、エージェントは、それらのエージェントが利用可能になった時間に基づいて順序付けられたタスクを受信する。この方策は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方策と呼ばれ得る。
【0005】
いくつかのタスク割り当てシステムは、利用可能なエージェントまたはときにはタスクの待ち行列を順序付けるために、「実績ベースルーティング」または「PBR」アプローチを使用し得る。PBR順序付け方策は、各タスク割り当ての予測される結果を最大化することを試みるが、それは、典型的に、タスク割り当てシステムにおけるエージェントを均等に利用することを無視して行われる。
【0006】
タスク割り当てシステムが1つのタイプのペアリング方策(例えば、FIFO)を使用することから別のタイプのペアリング方策(例えば、PBR)に変更するとき、全体的なタスク割り当てシステム実績は、経時的に変化し続ける。所与のタスク割り当てに起因する実績や値の量は、後の時間(例えば、最初のタスク割り当ての数ヶ月後または数年後)まで実現されないことがあるため、代替のペアリング方策を使用することに起因する実績変更の量を測定することは、困難であり得る。
【0007】
以上を踏まえると、代替タスク割り当て方策(または「ペアリング方策」)のベンチマーキングを可能にするシステムが経時的に代替タスク割り当て方策に起因する実績における変化を測定する必要があることが、理解され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(開示の概要)
タスク割り当てシステムにおいてペアリング方策をベンチマーキングする技術が、開示される。1つの特定の実施形態において、技術は、タスク割り当てシステムにおいてペアリング方策をベンチマーキングする方法として実現され得、方法は、第一の期間中、第一のペアリング方策を使用してペアリングされた第一の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、第一の期間中、第二のペアリング方策を使用してペアリングされた第二の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、第一の期間の後の第二の期間中、第一の複数の履歴タスク割り当てと第二の複数の履歴タスク割り当てとの各タスクに起因する値を決定することと、第二の期間中、各タスクに起因する値に基づいて第一のペアリング方策と第二のペアリング方策との間の実績における差を決定することと、少なくとも第一のペアリング方策と第二のペアリング方策とをベンチマーキングするために、第一のペアリング方策と第二のペアリング方策との間の実績における差を出力することであって、実績における差は、第一のペアリング方策が、第二のペアリング方策と比べて、タスク割り当てシステムの実績を最適化する、こととを含む。
【0009】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、タスク割り当てシステムは、コンタクトセンターシステムであり得、第一の複数のタスクは、第一の複数のコンタクトであり得、第二の複数の履歴タスク割り当ては、第二の複数のコンタクトであり得る。
【0010】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、第一のペアリング方策は、行動ペアリング方策であり得る。
【0011】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、第二のペアリング方策は、FIFO方策または実績ベースルーティン方策であり得る。
【0012】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、タスク割り当てシステムは、少なくとも1時間毎に1回、少なくとも第一のペアリング方策および第二のペアリング方策の間でサイクルし得る。
【0013】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、実績における差は、ユール=シンプソン効果のために調節され得る。
【0014】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、実績における差は、第一の複数の履歴タスク割り当てと第二の複数の履歴タスク割り当てとの間のサイズにおける相対的差に従って重み付けされ得る。
【0015】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、第一のペアリング方策は、第一の期間中、第一のペアリング方策および第二のペアリング方策のうちのどちらが対応するタスクを割り当てたかを決定することに関係なく、第二の期間中、エージェントにタスクを割り当て得る。
【0016】
この特定の実施形態の他の局面に従うと、方法は、第一の期間中、第一のペアリング方策または第二のペアリング方策のうちのどちらが任意の対応するタスクを割り当てたかに関係なく、第二の期間中の統計的に公平なタスクの割り当ての報告を生成することを更に含み得る。
【0017】
別の特定の実施形態において、技術は、タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつタスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサーを備えるタスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策のシステムとして実現され得、少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、上記方法におけるステップを実施するように更に構成される。
【0018】
別の特定の実施形態において、技術は、非一時的プロセッサー読み取り可能な媒体と媒体に記憶された命令とを含むタスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策の製造品として実現され得、命令は、タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつタスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって媒体から読み取り可能であるように構成されており、それによって少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、上記方法で説明されるステップを実施させられる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策の方法であって、該方法は、
該タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつ該タスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、第一の期間中、第一のペアリング方策を使用してペアリングされた第一の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、該第一の期間中、第二のペアリング方策を使用してペアリングされた第二の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、該第一の期間後の第二の期間中、該第一の複数の履歴タスク割り当てと該第二の複数の履歴タスク割り当てとの各タスクに起因する値を決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、該第二の期間中、各タスクに起因する該値に基づいて、該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策との間の実績における差を決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、少なくとも該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策とをベンチマーキングするために該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策との間の実績における差を出力することと
を含み、
該実績における差は、該第一のペアリング方策が、該第二のペアリング方策と比較して、該タスク割り当てシステムの実績を最適化することを示す、方法。
(項目2)
前記タスク割り当てシステムは、コンタクトセンターシステムであり、前記第一の複数のタスクは、第一の複数のコンタクトであり、前記第二の複数の履歴タスク割り当ては、第二の複数のコンタクトである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第一のペアリング方策は、行動ペアリング方策である、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記第二のペアリング方策は、FIFO方策または実績ベースルーティン方策である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記タスク割り当てシステムは、少なくとも1時間毎に1回、少なくとも前記第一のペアリング方策および前記第二のペアリング方策の間でサイクルする、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記実績における差は、ユール=シンプソン効果のために調節される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記実績における差は、前記第一の複数の履歴タスク割り当てと第二の複数の履歴タスク割り当てとの間のサイズにおける相対的差に従って重み付けされる、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記第一のペアリング方策は、前記第一の期間中、該第一のペアリング方策または前記第二のペアリング方策のうちのどちらが対応するタスクを割り当てたかを決定することに関係なく、前記第二の期間中、エージェントにタスクを割り当てる、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、前記第一の期間中、前記第一のペアリング方策または前記第二のペアリング方策のうちのどちらが任意の対応するタスクを割り当てたかに関係なく、前記第二の期間中の統計的に公平なタスクの割り当ての報告を生成することを更に含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策のシステムであって、該システムは、
該タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつ該タスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサーを備え、該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
第一の期間中、第一のペアリング方策を使用してペアリングされた第一の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、
該第一の期間中、第二のペアリング方策を使用してペアリングされた第二の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、
該第一の期間後の第二の期間中、該第一の複数の履歴タスク割り当てと該第二の複数の履歴タスク割り当てとの各タスクに起因する値を決定することと、
該第二の期間中、各タスクに起因する該値に基づいて該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策との間の実績における差を決定することと、
少なくとも該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策とをベンチマーキングするための該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策との間の該実績における差を出力することと
を行うように更に構成され、
該実績における差は、該第一のペアリング方策が、該第二のペアリング方策と比較して、該タスク割り当てシステムの実績を最適化することを示す、システム。
(項目11)
前記タスク割り当てシステムは、コンタクトセンターシステムであり、前記第一の複数のタスクは、第一の複数のコンタクトであり、前記第二の複数の履歴タスク割り当ては、第二の複数のコンタクトである、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記第一のペアリング方策は、行動ペアリング方策である、項目10に記載のシステム。
(項目13)
前記第二のペアリング方策は、FIFO方策または実績ベースルーティン方策である、項目10に記載のシステム。
(項目14)
前記タスク割り当てシステムは、少なくとも1時間毎に1回、少なくとも前記第一のペアリング方策および前記第二のペアリング方策の間でサイクルする、項目10に記載のシステム。
(項目15)
前記実績における差は、ユール=シンプソン効果のために調節される、項目10に記載のシステム。
(項目16)
前記実績における差は、前記第一の複数の履歴タスク割り当てと第二の複数の履歴タスク割り当てとの間のサイズにおける相対的差に従って重み付けされる、項目10に記載のシステム。
(項目17)
前記第一のペアリング方策は、前記第一の期間中、該第一のペアリング方策または前記第二のペアリング方策のうちのどちらが対応するタスクを割り当てたかを決定することに関係なく、前記第二の期間中、エージェントにタスクを割り当てる、項目10に記載のシステム。
(項目18)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、前記第一の期間中、前記第一のペアリング方策または前記第二のペアリング方策のうちのどちらが任意の対応するタスクを割り当てたかに関係なく、前記第二の期間中の統計的に公平なタスクの割り当ての報告を生成するように更に構成される、項目17に記載のシステム。
(項目19)
タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策の製造品であって、該製造品は、
非一時的プロセッサー読み取り可能な媒体と、
該媒体に記憶された命令と
を備え、
該命令は、該タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつ該タスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって該媒体から読み取り可能であるように構成されており、それによって該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
第一の期間中、第一のペアリング方策を使用してペアリングされた第一の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、
該第一の期間中、第二のペアリング方策を使用してペアリングされた第二の複数の履歴タスク割り当てを決定することと、
該第一の期間後の第二の期間中、該第一の複数の履歴タスク割り当てと該第二の複数の履歴タスク割り当てとの各タスクに起因する値を決定することと、
該第二の期間中、各タスクに起因する該値に基づいて該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策との間の実績における差を決定することと、
少なくとも該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策とをベンチマーキングするための該第一のペアリング方策と該第二のペアリング方策との間の該実績における差を出力することと
を行うように動作させられ、
該実績における差は、該第一のペアリング方策が、該第二のペアリング方策と比較して、該タスク割り当てシステムの実績を最適化することを示す、製造品。
(項目20)
前記タスク割り当てシステムは、コンタクトセンターシステムであり、前記第一の複数のタスクは、第一の複数のコンタクトであり、前記第二の複数の履歴タスク割り当ては、第二の複数のコンタクトである、項目19に記載の製造品。
(項目21)
前記第一のペアリング方策は、行動ペアリング方策である、項目19に記載の製造品。
(項目22)
前記第二のペアリング方策は、FIFO方策または実績ベースルーティン方策である、項目19に記載の製造品。
(項目23)
前記タスク割り当てシステムは、少なくとも1時間毎に1回、少なくとも前記第一のペアリング方策および前記第二のペアリング方策の間でサイクルする、項目19に記載の製造品。
(項目24)
前記実績における差は、ユール=シンプソン効果のために調節される、項目19に記載の製造品。
(項目25)
前記実績における差は、前記第一の複数の履歴タスク割り当てと第二の複数の履歴タスク割り当てとの間のサイズにおける相対的差に従って重み付けされる、項目19に記載の製造品。
(項目26)
前記第一のペアリング方策は、前記第一の期間中、該第一のペアリング方策または前記第二のペアリング方策のうちのどちらが対応するタスクを割り当てたかを決定することに関係なく、前記第二の期間中、エージェントにタスクを割り当てる、項目19に記載の製造品。
(項目27)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、更に、前記第一の期間中、前記第一のペアリング方策または前記第二のペアリング方策のうちのどちらが任意の対応するタスクを割り当てたかに関係なく、前記第二の期間中の統計的に公平なタスクの割り当ての報告を生成するように動作させられる、項目26に記載の製造品。
(項目28)
タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策の方法であって、該方法は、
該タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつ該タスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、第一のベース期間中、少なくとも2つのペアリング方策に対する第一の複数の履歴タスク割り当ての第一のベースコホートを決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、該第一のベースコホートに基づいて第一の測定期間後の該少なくとも2つのペアリング方策間の第一の実績差を決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、該第一の実績差を出力することと
を含む、方法。
(項目29)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、第二のベース期間中、前記少なくとも2つのペアリング方策に対する第二の複数の履歴タスク割り当ての第二のベースコホートを決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、前記第一のベースコホートおよび第二のベースコホートに基づいて第二の測定期間後の該少なくとも2つのペアリング方策間の第二実績差を決定することと、
該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、該第二の実績差を出力することと
を更に含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記第二のベース期間は、前記第一のベースコホートの前記第一の測定期間に対応する、項目29に記載の方法。
(項目31)
第一の顧客は、前記第一のベースコホートと前記第二のベースコホートとの両方と関連付けられる、項目28に記載の方法。
(項目32)
前記タスク割り当てシステムは、コンタクトセンターシステムであり、前記第一の複数のタスクは、第一の複数のコンタクトであり、前記第二の複数の履歴タスク割り当ては、第二の複数のコンタクトである、項目29に記載の方法。
(項目33)
前記少なくとも2つのペアリング方策の第一のペアリング方策は、行動ペアリング方策である、項目28に記載の方法。
(項目34)
前記タスク割り当てシステムは、少なくとも1時間毎に1回、前記少なくとも2つのペアリング方策の間でサイクルする、項目28に記載の方法。
(項目35)
前記少なくとも2つのペアリング方策は、早期のコホートにおける対応する履歴タスク割り当ての存在に関係なく、タスクを割り当てにペアリングする、項目28に記載の方法。
(項目36)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって、前記早期のコホートにおける前記対応する履歴タスク割り当ての前記存在に関係なく、統計的に公平なタスク割り当ての報告を生成することを更に含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策のシステムであって、該システムは、
該タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつ該タスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサー
を備え、該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
第一のベース期間中、少なくとも2つのペアリング方策に対する第一の複数の履歴タスク割り当ての第一のベースコホートを決定することと、
該第一のベースコホートに基づいて第一の測定期間後の該少なくとも2つのペアリング方策間の第一の実績差を決定することと、
該第一の実績差を出力することと
を行うように更に構成される、システム。
(項目38)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
第二のベース期間中、前記少なくとも2つのペアリング方策に対する第二の複数の履歴タスク割り当ての第二のベースコホートを決定することと、
前記第一のベースコホートおよび第二のベースコホートに基づいて第二の測定期間後の該少なくとも2つのペアリング方策間の第二の実績差を決定することと、
該第二の実績差を出力することと
を行うように更に構成される、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記第二のベース期間は、前記第一のベースコホートの前記第一の測定期間に対応する、項目38に記載のシステム。
(項目40)
第一の顧客は、前記第一のベースコホートと前記第二のベースコホートとの両方と関連付けられる、項目37に記載のシステム。
(項目41)
前記タスク割り当てシステムは、コンタクトセンターシステムであり、前記第一の複数のタスクは、第一の複数のコンタクトであり、前記第二の複数の履歴タスク割り当ては、第二の複数のコンタクトである、項目38に記載のシステム。
(項目42)
前記少なくとも2つのペアリング方策の第一のペアリング方策は、行動ペアリング方策である、項目37に記載のシステム。
(項目43)
前記タスク割り当てシステムは、少なくとも1時間毎に1回、前記少なくとも2つのペアリング方策の間でサイクルする、項目37に記載のシステム。
(項目44)
前記少なくとも2つのペアリング方策は、早期のコホートにおける対応する履歴タスク割り当ての存在に関係なく、タスクを割り当てにペアリングする、項目37に記載のシステム。
(項目45)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
前記早期のコホートにおける前記対応する履歴タスク割り当ての前記存在に関係なく、統計的に公平なタスク割り当ての報告を生成するように更に構成される、項目44に記載のシステム。
(項目46)
タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策のための製造品であって、該製造品は、
非一時的プロセッサー読み取り可能な媒体と、
該媒体に記憶された命令と
を備え、
該命令は、該タスク割り当てシステムに通信可能に結合されかつ該タスク割り当てシステムにおいて動作するように構成された少なくとも1つのコンピュータープロセッサーによって該媒体から読み取り可能であるように構成されており、それによって該少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
第一ベース期間中、少なくとも2つのペアリング方策に対する第一の複数の履歴タスク割り当ての第一のベースコホートを決定することと、
該第一のベースコホートに基づいて第一の測定期間後の該少なくとも2つのペアリング方策間の第一の実績差を決定することと、
該第一の実績差を出力することと
を行うように動作させられる、製造品。
(項目47)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
第二のベース期間中、前記少なくとも2つのペアリング方策に対する第二の複数の履歴タスク割り当ての第二のベースコホートを決定することと
前記第一のベースコホートおよび第二のベースコホートに基づいて第二の測定期間後の該少なくとも2つのペアリング方策間の第二の実績差を決定することと
該第二の実績差を出力することと
を行うように更に動作させられる、項目46に記載の製造品。
(項目48)
前記第二のベース期間は、前記第一のベースコホートの前記第一の測定期間に対応する、項目47に記載の製造品。
(項目49)
第一の顧客は、前記第一のベースコホートと前記第二のベースコホートとの両方と関連付けられる、項目46に記載の製造品。
(項目50)
前記タスク割り当てシステムは、コンタクトセンターシステムであり、前記第一の複数のタスクは、第一の複数のコンタクトであり、前記第二の複数の履歴タスク割り当ては、第二の複数のコンタクトである、項目47に記載の製造品。
(項目51)
前記少なくとも2つのペアリング方策の第一のペアリング方策は、行動ペアリング方策である、項目46に記載の製造品。
(項目52)
前記タスク割り当てシステムは、少なくとも1時間毎に1回、前記少なくとも2つのペアリング方策の間でサイクルする、項目46に記載の製造品。
(項目53)
前記少なくとも2つのペアリング方策は、早期のコホートにおける対応する履歴タスク割り当ての存在に関係なく、タスクを割り当てにペアリングする、項目46に記載の製造品。
(項目54)
前記少なくとも1つのコンピュータープロセッサーは、
前記早期のコホートにおける前記対応する履歴タスク割り当ての前記存在に関係なく、統計的に公平なタスク割り当ての報告を生成するように更に動作させられる、項目53に記載の製造品。
【0019】
本開示は、添付の図面に示されるような特定の実施形態を参照して、より詳細に説明される。本開示は、下記で特定の実施形態を参照して説明されるが、本開示は、その特定の実施形態に限定されないということが理解されるべきである。本明細書において説明されるような本開示の範囲内にあり、かつそれに関して本開示が著しく有用なものであり得る、付加的な実装、修正および実施形態、ならびに他の使用分野を、本明細書における教示へのアクセスを有する当業者は、認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示のより完全な理解を容易にするために、ここで、同じ要素が同じ番号を用いて参照される、添付の図面が参照される。これらの図面は、本開示を限定すると解釈されるべきでなく、例証に過ぎないことが意図される。
【0021】
図1図1は、本開示の実施形態に従う、タスク割り当てシステムのブロック図を示す。
図2A図2Aは、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキングデータの表を示す。
図2B図2Bは、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキングデータの表を示す。
図2C図2Cは、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキングデータの表を示す。
図3図3は、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキング方法のフローチャートを示す。
図4図4は、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキング方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(詳細な説明)
典型的なタスク割り当てシステムは、タスク割り当てセンターに届くタスクをそれらのタスクを取り扱うために利用可能なエージェントにアルゴリズム的に割り当てる。あるとき、タスク割り当てシステムは、利用可能でありかつタスクへの割り当てを待っているエージェントを有し得る。別のあるとき、タスク割り当てセンターは、エージェントが割り当てに対して利用可能になることを1つ以上の待ち行列において待っているタスクを有し得る。
【0023】
いくつかの典型的なタスク割り当てセンターにおいて、タスクは、タスクが作られた順序に基づいて順序付けられてエージェントに割り当てられ、エージェントは、それらのエージェントが利用可能になった時間に基づいて順序付けられたタスクを受信する。この方策は、「先入れ先出し」、「FIFO」、または「ラウンドロビン」方策と呼ばれ得る。
【0024】
いくつかのタスク割り当てシステムは、利用可能なエージェントまたはときにはタスクの待ち行列を順序付けるために、「実績ベースルーティング」または「PBR」アプローチを使用し得る。PBR順序付け方策は、各タスク割り当ての予測される結果を最大化することを試みるが、それは、典型的に、タスク割り当てシステムにおけるエージェントを均等に利用することを無視して行われる。
【0025】
タスク割り当てシステムが1つのタイプのペアリング方策(例えば、FIFO)を使用することから別のタイプのペアリング方策(例えば、PBR)に変更するとき、全体的なタスク割り当てシステム実績は、経時的に変化し続ける。所与のタスク割り当てに起因する実績や値の量は、後の時間(例えば、最初のタスク割り当ての数ヶ月後または数年後)まで実現されないことがあるため、代替のペアリング方策を使用することに起因する実績変更の量を測定することは、困難であり得る。
【0026】
以上を踏まえると、代替タスク割り当て方策(または「ペアリング方策」)のベンチマーキングを可能にするシステムが経時的に代替タスク割り当て方策に起因する実績における変化を測定する必要があることが、理解され得る。
【0027】
図1は、本開示の実施形態に従う、タスク割り当てシステム100のブロック図を示す。本明細書における説明は、1つ以上のモジュールを含み得るタスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策に関するシステムおよび方法のネットワーク要素、コンピュータおよび/または構成要素を説明する。本明細書において使用されるように、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアおよび/またはそれらの様々な組み合わせを指すと理解され得る。しかしながら、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されないソフトウェア、または非一時的プロセッサー読み取り可能な記憶媒体上に記録されないソフトウェアとして解釈されるべきでない(すなわち、モジュール自体は、ソフトウェアでない)。モジュールは、例示的であることが留意される。モジュールは、様々な用途をサポートするために、組み合わせられ、統合され、分離され、および/または複製され得る。さらに、特定のモジュールにおいて実施されるように本明細書において説明される機能は、特定のモジュールにおいて実施される機能の代わりに、または特定のモジュールにおいて実施される機能に加えて、1つ以上の他のモジュールにおいて、および/または1つ以上の他のデバイスによって、実施され得る。また、モジュールは、互いにローカルまたはリモートである複数のデバイスおよび/または他の構成要素にわたって実装され得る。追加的に、モジュールは、1つのデバイスから移動させられて別のデバイスに追加され得、および/または両方のデバイス内に含まれ得る。
【0028】
図1に示されるように、タスク割り当てシステム100は、タスク割り当てモジュール110を含み得る。タスク割り当てシステム100は、様々なエージェントの間でタスクを割り当てることを助けるための、スイッチまたは他のタイプのルーティングハードウェアおよびソフトウェアを含み得、そのスイッチまたは他のタイプのルーティングハードウェアおよびソフトウェアは、待ち行列もしくはスイッチ構成要素またはインターネットベース、クラウドベースもしくはネットワークベースのハードウェアまたはソフトウェアソリューションを含む。
【0029】
タスク割り当てモジュール110は、入ってくるタスクを受信し得る。図1の実施例において、タスク割り当てシステム100は、所与の期間にわたってm個のタスクを受信する(タスク130A~130m)。m個のタスクの各々は、サービスまたは他のタイプのタスク処理のためにタスク割り当てシステム100のエージェントに割り当てられ得る。図1の実施例において、所与の期間中、n人のエージェントが、利用可能である(エージェント120A~120n)。mおよびnは、1以上の任意に大きい有限の整数であり得る。実世界割り当てシステムにおいて、そのようなコンタクトセンターなど、シフト中、コンタクトとやり取りするためにコンタクトセンターにログインされる何十人、何百人等ものエージェントが存在し得、コンタクトセンターは、シフト中、何十件、何百件、何千件等ものコンタクト(例えば、コール)を受信し得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、タスク割り当て方策モジュール140は、タスク割り当てシステム100に通信可能に結合されかつ/またはタスク割り当てシステム100において動作するように構成され得る。タスク割り当て方策モジュール140は、個々のタスクを個々のエージェントに割り当てる(例えば、コンタクトをコンタクトセンターエージェントとペアリングする)ために1つ以上のタスク割り当て方策(または「ペアリング方策」)を実装し得る。
【0031】
様々な異なるタスク割り当て方策は、タスク割り当て方策モジュール140によって考案および実装され得る。いくつかの実施形態において、先入れ先出し(「FIFO」)方策が実装され得、例えば、最も長く待っているエージェントが、次の対応可能なタスク(「L1」またはエージェントが余っている環境における)を受信するか、または最も長く待っているタスクが、次の利用可能なエージェントに割り当てられる(「L2」またはタスクが余っている環境における)。他のFIFOおよびFIFOのような方策は、個々のタスクおよび個々のエージェント特有の情報に頼ることなく割り当てを行い得る。
【0032】
他の実施形態において、実績ベースルーティング(「PBR」)方策が、タスク割り当てにより高い実績のエージェントを優先させるために使用され得る。例えば、PBRの下で、利用可能なエージェントのうちで最も高い実績のエージェントが、次の対応可能なタスクを受信する。他のPBRおよびPBRのような方策は、特定のエージェントに関する情報を使用して割り当てを行い得るが、必ずしも特定のタスクまたはエージェントに関する情報に頼らない。
【0033】
また別の実施形態において、行動ペアリング(BP)方策が、特定のタスクと特定のエージェントとの両方に関する情報を使用して最適にエージェントにタスクを割り当てるために使用され得る。対角線モデルBP方策またはネットワークフローBP方策等の様々なBP方策が、使用され得る。これらのタスク割り当て方策および他は、例えば、米国特許第9,300,802号および米国特許出願第15/582,223号におけるコンタクトセンターコンテキストに関して詳細に説明されており、それらは、本明細書において参照によって援用される。
【0034】
いくつかの実施形態において、履歴割り当てモジュール150は、タスク割り当てモジュール110および/またはタスク割り当て方策モジュール140等の他のモジュールを介してタスク割り当てシステム100において動作するように、タスク割り当てシステム100に通信可能に結合され得、かつ/または構成され得る。履歴割り当てモジュール150は、既に実行されたエージェントタスク割り当てに関する情報の監視、記憶、回収および/または出力等の様々な機能を担当し得る。例えば、履歴割り当てモジュール150は、所与の期間におけるタスク割り当てに関する情報を収集するためにタスク割り当てモジュール110を監視し得る。履歴タスク割り当ての各記録は、エージェント識別子、タスクまたはタスクタイプ識別子、結果情報、またはペアリング方策識別子(即ち、BPペアリング方策またはFIFOもしくはPBRペアリング方策等の他のペアリング方策を使用してタスク割り当てが実行されたかを示す識別子)等の情報を含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態においておよびいくつかのコンテキストに関して、追加の情報が、記憶され得る。例えば、コールセンターコンテキストにおいて、履歴割り当てモジュール150は、コールが開始した時間と、コールが終了した時間と、掛けられた電話番号と、発信者の電話番号とに関する情報も記憶し得る。別の例として、ディスパッチセンター(例えば、「トラックロール」)コンテキストにおいて、履歴割り当てモジュール150は、運転手(即ち、フィールドエージェント)がディスパッチセンターから出発する時間、提案されたルート、使われたルート、推定された移動時間、実際の移動時間、顧客のタスクを取り扱うために顧客の敷地で費やした時間の長さに関する情報も記憶し得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、履歴割り当てモジュール150は、ある期間(例えば、過去1週間、過去1か月、過去1年等)の履歴割り当てに基づいてペアリングモデルまたは類似のコンピュータープロセッサーで生成されたモデルを生成し得、モデルは、タスク割り当てモジュール110にタスク割り当て提案または命令を行うためにタスク割り当て方策モジュール140によって使用され得る。他の実施形態において、履歴割り当てモジュール150は、タスク割り当て方策モジュール140またはベンチマーキングモジュール160等の別のモジュールに履歴割り当て情報を送信し得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、ベンチマーキングモジュール160は、タスク割り当てモジュール110および/または履歴割り当てモジュール150等の他のモジュールを介してタスク割り当てシステム100において動作するように、タスク割り当てシステム100に通信可能に結合され得、かつ/または構成され得る。ベンチマーキングモジュール160は、履歴割り当て情報を使用して2つ以上のペアリング方策(例えば、FIFO、PBR、BP等)の相対的実績をベンチマークし得、履歴割り当て情報は、例えば、履歴割り当てモジュール150から受信され得る。いくつかの実施形態において、ベンチマーキングモジュール160は、様々なペアリング方策間でサイクリングするためのベンチマーキングスケジュールを確立すること、コホート(例えば、履歴割り当てのベースグループおよび測定グループ)を追跡すること等の他の機能を実施し得る。様々なタスク割り当て方策と様々なコンテキストとに関するベンチマーキングモジュール160によって実施されるベンチマーキングおよび他の機能性に関する技術は、本開示を通して後の段落において説明される。ベンチマーキングは、例えば、本明細書において参照によって援用される米国特許第9,712,676号におけるコンタクトセンターコンテキストに関して詳細に説明される。
【0038】
いくつかの実施形態において、ベンチマーキングモジュール160は、相対的実績測定を出力するか、または別様に報告もしくは使用し得る。相対的実績測定は、タスク割り当て方策の質を査定するために使用され得、例えば異なるタスク割り当て方策(または異なるペアリングモデル)が使用されるべきかどうかを決定するか、または、あるタスク割り当て方策を別のタスク割り当て方策の代わりに使用するために最適化または別様に構成される間に、タスク割り当てシステム100内で達成された全体の実績(または実績向上)を測定する。
【0039】
いくつかのタスク割り当てシステムにおいて、ベンチマーキングタスク割り当て方策に関する技術は、各履歴タスク割り当ての即時結果を主として考慮し得る。例えば、コンタクトセンターのセールス待ち行列において、転換率は、エージェントとのやり取りの最中にコンタクト(例えば、発信者)が購入を行うかを追跡することによって測定され得る。ベンチマーキングモジュールまたは別の構成要素は、どのコンタクトが代替のペアリング方策(例えば、FIFOまたはPBR)ではなく1つのペアリング方策(例えば、BP)とペアリングされたかを追跡し得る。ベンチマーキングモジュールは、各ペアリング方策の相対的転換率を比較することによって代替ペアリング方策(単数または複数)を通してBPの相対的実績を決定し得る。
【0040】
いくつかのタスク割り当てシステムにおいて、値(例えば、金銭価値または他の報酬)は、相対的実績に起因し得る。例えば、値は、取得コスト、セールス量、ユーザー1人当たりの平均収益(ARPU)等に基づき得る。この値は、最適化されたタスク割り当て方策のベンダーまたは他のサードパーティプロバイダに支払われる報酬を決定するために使用され得る。例えば、報酬は、最適化されたタスク割り当て方策に起因する値のパーセンテージであり得る。
【0041】
しかしながら、各履歴タスク割り当てに関して主として即時結果に頼ることには、いくつかの短所が存在し得る。第一に、ARPUに基づく値は、経時的にタスク割り当てに起因する実際のライフタイム収益を把握しない。例えば、サブスクリプションサービス(例えば、携帯電話またはケーブルテレビサブスクリプション)のためのコンタクトセンターのセールス待ち行列において、所与のサブスクライバーに関するARPUは、平均的なサブスクライバーの保有期間が24ヶ月であるという前提に基づき得る。しかしながら、相対的に気まぐれなサブスクライバーは、より短い期間の後で彼らのサブスクリプションをキャンセルし得、ARPUに基づいた予測されていた収益および予測されていた保有期間より低い実際のライフタイム収益をもたらし、一方で、相対的に忠実なサブスクライバーは、より長い期間彼らのサブスクリプションを持続させ得、ARPUに基づいた予測されていた収益および予測されていた保有期間より高い実際のライフタイム収益をもたらす。従って、即時結果に基づくベンチマークは、ある方策または別の方策から得られたサブスクライバーが予測された収益よりも高いまたは低い実際のライフタイム収益をもたらす傾向にあるかどうかに依存して、代替タスク割り当て方策の相対的実績を過大または過少に見積もり得る。
【0042】
第二に、ベンダーが所与の期間(例えば、日、週、月)における相対的実績に関してARPUと予測される保有期間とに基づいて報酬を支払われるタスク割り当てシステムについて、見積もられた値の全体は、即時結果によるものか、または即時結果に従って別様に収集可能となる。例えば、サブスクリプションサービス(例えば、携帯電話またはケーブルテレビサブスクリプション)のためのコンタクトセンターのセールス待ち行列において、そのときのオペレーターに対してサブスクライバーが最適化されたタスク割り当て方策に起因する値のうちのほんの僅かの支払いの義務しか有さない場合があったとしても、ベンダーは、結果の見積もられた値に基づいてオペレーターによって値が実現される何ヶ月もまたは何年も前に報酬の権利を有し得る。このタイミングは、オペレーターのキャッシュフローまたは予算の問題につながり得る。
【0043】
以下で詳細に説明されるように、これらの短所は、主として即時結果を考慮するのではなく、経時的な履歴タスク割り当ての実際の実績を追跡および測定することによって解決され得る。ベンチマーキングに関するこれらの技術が適用され得る各期間の間、履歴タスク割り当ての新たなコホートまたはグループが追跡され得るため、これらの技術は、ときに、「コホート追跡」または「コホートモデリング」として言及される。コホート追跡のために取られた測定は、実際の値および実績を経時的に測定することを容易にし得、これらの測定は、主として即時結果に関して最適化する代わりに経時的値に関して最適化された行動ペアリングモデリングの生成も可能にし得る。従って、タスク割り当て方策によって可能にされた最適化は、増加させられたARPU、増加させられた顧客ロイヤリティ/保有期間/満足度、低減させられたコスト、増加させられた取得コスト返金の内部率等のオペレーターの長期目標と並べられることが好ましくあり得る。
【0044】
図2A~Cは、それぞれ、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキングデータ200A~Cの表を示す。図2A~Cの参照を伴う以下の部分は、コンタクトセンターシステムのコンテキストでコホート追跡の例を説明する。
【0045】
この非常に単純化された仮定において、A~Jとして識別される合計10人の顧客がいる。各顧客は、12ヵ月のサブスクリプションを有する。コンタクトセンターは、コンタクトのやり取りの50%に使用される各方策とともに、BPとFIFOとの2つのコンタクト割り当て方策間をサイクルする。他の環境において、任意に大きい数の顧客が、存在し得、様々なサブスクリプションオプションおよび持続期間(様々なコンタクト割り当て方策のうちのサイクリングに関する異なるベンチマーキング技術が、使用され得る)と、より短いか、またはより長いコホート追跡期間および持続期間(例えば、5年間にわたって毎月;10年間にわたって毎週、8年間にわたって毎年等)とを、伴う。
【0046】
ベンチマーキングデータ200A(図2A)に示されるように、1年目において、各顧客A~Jは、彼らの契約更新を話し合うためにコールする。顧客A~Eは、BPを使用してペアリングされ、顧客F~Jは、FIFOを使用してペアリングされた。1年目の間、各ペアリング方策に関して、5人の顧客のうち4人は、彼らの契約を更新することを選び(BPに関しては、顧客A~D、そしてFIFOに関しては、顧客F~I)、ペアリング方策の各々の1人の顧客は、更新しないことを選んだ(BPに関しては、顧客E、そしてFIFOに関しては、顧客Jであり、両者は、取り消し線で示される)。2年目において、顧客EおよびJは、顧客ではなくなり、彼らは、コールしない。残っている顧客A~DおよびF~Iは、各々再び彼らの契約更新を話し合うためにコールし、顧客CおよびFは、更新しないことを選んだ。このプロセスは、3~6年目において続き、3年目において、顧客HおよびGが、更新しないことを選び、4年目において、顧客AおよびIが、更新しないことを選び、5年目において、顧客Dが、更新しないことを選び、6年目において、再び更新することを選んだ顧客Bのみが、顧客のままでいる。
【0047】
この実施例のように、いくつかの実施形態において、コホートのメンバーがある年にBPを使用してペアリングされて次の年にFIFOを使用してペアリングされたか、またはその逆であったかは、関係ない。各顧客のやり取りは、前回のやり取りに関するペアリング方策によって扱われた顧客の割り当てに関係なく、個別に扱われる。
【0048】
図2Aは、各年の各ペアリング方策に関するコンタクトのやり取りを示し、一方図2Bおよび2Cは、それぞれ、各年の測定に関する1年目および2年目のコホートの進化を示す。
【0049】
ベンチマーキングデータ200B(図2B)に示されるように、1年目コホート(または「Y1コホート」)は、BPに関する顧客A~Dと、FIFOに関する顧客F~Iとを含む。各顧客の更新が同じ値を有し、かつBPおよびFIFOが等しい数のコンタクトのやり取りを有すると仮定して、1年目に関するBPのFIFOに対する相対的実績獲得数は、0である(BPに関する4人の顧客からFIFOに関する顧客4人を引く)。2年目の後、1年目コホートは、再び測定され得る。顧客A、BおよびDは、2年目の後、BPに関するY1コホートに残り、顧客G、HおよびIは、2年目の後、FIFOに関するY1コホートに残る。再び、相対的実績差は、0である(BPに関する顧客3人からFIFOに関する顧客3人を引く)。3年目の後、顧客A、BおよびDは、依然としてBPに関するY1コホートに残るが、顧客Iのみが、FIFOに関するY1コホートに残る。このとき、Y1コホートに関するBPのFIFOに対する相対的実績獲得数は、+2である。
【0050】
これらの実施形態において、顧客が後の測定期間においてBPまたはFIFOとペアリングされるかは、Y1コホートには関係ない。例えば、2年目において、顧客Bは、FIFOとペアリングされ、更新を選んだため、BPに関するY1コホートに残る。
【0051】
同様に、2年目の後、2年目コホートは、2年目に更新した発信者に基づいて決定される。ベンチマーキングデータ200C(図2C)に示されるように、2年目コホート(または「Y2コホート」)は、BPに関する顧客A、GおよびHと、FIFOに関する顧客B、DおよびIとを含む。これらの実施形態において、前回の期間において、顧客がBPまたはFIFOとペアリングされたかは、Y2コホートには関係ない。例えば、1年目において、顧客Bは、BPとペアリングされ、BPに関するY1コホートの一部となった。
【0052】
2年目の後のY2コホートに関する相対的実績獲得数は、0である(BPに関する顧客3人からFIFOに関する顧客3人を引く)。3年目の後、顧客Aのみが、BPに関するY2コホートに残り、顧客B、DおよびIは、依然としてFIFOに関するY2コホート残り、そのため、Y2コホートに関するBPのFIFOに対する相対的実績は、-2である。
【0053】
2年目の後、Y1とY2との両方を考慮すると、相対的実績差は、Y1コホートの
Y2コホートのを加えた、2年目の後の正味実績差0である。3年目の後、相対的実
績差は、Y1コホートの2にY2コホートの-2を加えた、正味差0である。
【0054】
各期間において、新しいコホートが、定義づけられる。例えば、3年目の後、Y3コホートは、相対的実績差0を伴って、定義づけられ得る。各年の正味実績差を決定するとき、各コホートが、考慮され得る。従って、3年目の後、Y1、Y2およびY3の全てを考慮する正味実績差は、Y1コホートの2にY2コホートの-2を加えて、そこにY3コホートの0を加えた、正味差0である。
【0055】
4年目(Y1~Y4コホートを数える)、5年目(Y1~Y5コホートを数える)および6年目(Y1~Y6コホートを数える)の後の正味差は、それぞれ、0、3および3である。
【0056】
いくつかの実施形態において、相対的実績差は、各ペアリング方策を使用して割り当てられた実際のコールの数に基づいて重み付けされ得る。例えば、6年目において、BPは、1つのコール(顧客B)を割り当てたが、FIFOを使用して割り当てられたコールは、なかった。結果として、Y6コホートの初めの年の重み付けられた実績差は、0であり得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、ベンチマークを「ランプアップ」するために、いくつかの測定期間が必要となり得る。例えば、1年目の後、ベンチマークを計算するには、1つのコホート(Y1コホート)と、1年分の測定データとしかない。2年目の後には、2つのコホートと、2年分測定データとがあり、同じように続く。従って、実世界の実施例において、追加の発信者(例えば、顧客K~Q等)は、次の年のために初めてサブスクリプションおよび更新を行う。
【0058】
いくつかの実施形態において、顧客は、限られた持続期間(例えば、5年、10年等)においてのみ追跡され得る。この実施例が5年追跡に限定された場合、顧客Bの6年目における更新は、Y2~Y6コホートにのみに関するものであり、Y1コホートに関しては追跡されなくなる。続いて、6年目の後に決定される正味(または「累積」)実績は、Y2~Y6コホートに測定された実績差のみを見る。この実施例において、Y1コホートの+1は、無視され、累積差は、Y2の-1と、Y3の1と、Y4の1と、Y5の1と、Y6の0(重み付けされたもの)との合計となり、合計は、3ではなく2となる。
【0059】
上記の実施例で説明されるように、コホート追跡でベンチマーキングすることは、経時的な顧客の値を明らかにする。例えば、顧客Bは、相対的に長い保有期間を有し、BPに関するY1コホートは、この保有期間に6回クレジットされ(カウント継続中)、Y2コホートは、この保有期間に5回クレジットされ(カウント継続中)、同じように続く。反対に、顧客Aは、相対的に短い保有期間を有し、BPに関するY1コホートは、この保有期間に3回クレジットされ、Y2コホートは、2回クレジットされた。
【0060】
上記実施例は、同じ顧客が複数のコホートに出現できることと、複数のペアリング方策で出現できることとも示す。確かに、いくつかの実施形態において、所与の測定期間中に顧客が何回コールしたかによって、顧客が1つ以上のペアリング方策に関する同じコホートに複数回出現することは、可能であり得る。各タスク(ここにおいては、コンタクトやり取り)は、各やり取りに関して事実上ランダムにペアリング方策に割り当てられるため、コホート追跡は、顧客がコンタクトセンターオペレーターに値/収益を与える所与の期間および各後続期間中の結果に対して責任を有するペアリング方策をクレジットするように上記のように構成され得る。時折、1つの期間において成功したか、または失敗した即時結果は、以前の期間における成功した結果を事実上「相殺」し得るが、全体的な累積正味実績は、経時的に別のペアリング方策に対するペアリング方策の相対的実績を事実上測定する。
【0061】
いくつかの実施形態において、ベンチマーキングモジュール160または類似の構成要素は、50%BPオンおよび50%BPオフ、80%/20%等、タスク割り当てシステムに期間を通してBPと代替の(例えば、ベースラインまたはインカンベント)方策との間をサイクルさせ得る。これらの期間は、例えば、半時間毎、1時間毎に少なくとも1回切り替える等、相対的に短いことがある。
【0062】
いくつかの実施形態において、BPの利益(例えば、相対的実績獲得数に起因する値)は、より長い期間(例えば、60ヵ月間にわたって毎月、10年間にわたって毎年等)を通してBPオンコホートとBPオフコホートとを追跡することによって測定され得る。コホートが確立される月(または、例えば、年)は、「ベース月」と呼ばれ得、続く5年(または、例えば、10年)の各月は、「測定月」と呼ばれ得る。任意の所与の期間(例えば、12ヵ月)においては、12のベース月が存在し、かつそれらのベース月の各々は、60の継続する測定月を有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、ベース月に関連する各測定月における値または利益(例えば、収益)を測定する基準は、ベース月間のBPオンに関連する全てのタスク(例えば、顧客やり取り)と、ベース月間のBPオフに関連する全てのタスクとの追跡であり得る。ベース月に続く各測定月において、BPオンコホートにおける顧客やり取りからの平均収益は、BPオフコホートにおける顧客やり取りからの平均収益と比較され得る(関連ベース月において確立されたように)。2つのコホート間の平均収益における差は、所与の測定月においてBPに起因する値または利益を決定するためにベース月におけるBPオンからのタスク/やり取りの数によって重み付け(例えば、掛ける)され得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、BPベンダーは、BPに起因する値または利益を提供したことに対する手数料を請求し得る。手数料は、届けられた値または利益の機能としてペイフォーパフォーマンス手数料であり得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、コホートが未知の顧客を含むことが、可能であり得、そのような場合、これらの未知の顧客は、彼らのアカウントに何の変更も加えなかった既知の顧客として同じ値または利益を提供しているとして扱われ得る。
【0066】
いくつかの実施形態において、BPベンダーおよび/またはオペレーターがコホートを追跡し続けることをもはや望まないか、またはそうすることができないことが、可能であり得、残りの測定月の間BPに起因したはずの残っている値または利益は、見積もられ得る。いくつかのコンテキストにおいて、残っている値または利益は、BPベンダーの最終手数料を計算するために使用され得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、正味実績は、ユール=シンプソン効果等の様々な統計学的現象を説明するために決定(例えば、調節または訂正)され得る。例えば、本明細書において参照によって援用される米国特許第9,692,899号を参照されたい。
【0068】
いくつかの実施形態において、ペアリング方策は、早期のコホートにおいてはコンタクトの中に含まれるものに気付かないことがある。より早期のコホートにおいてコンタクトの状況に関する情報を無視することは、ペアリング方策における先入観のリスクを排除する。例えば、仮定として、不正であるペアリング方策は、意図的に間違ったペアリング選択をするように最適化され、代替または潜在的なペアリング方策(例えば、「BPオフ」またはFIFO)と関連付けられた以前のコホートからコンタクトを排除する。
【0069】
いくつかの実施形態において、「オン」または「オフ」のペアリング方策と関連付けられた以前のコホートにおけるその存在が無関係である全てのコンタクトの統計的に公平な扱いを示す報告が、生成され得る。
【0070】
図3は、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキング方法300のフローチャートを示す。
【0071】
ベンチマーキング方法300は、ブロック310で開始し得る。ブロック310において、第一の期間中に第一のペアリング方策を使用してペアリングされた第一の複数の履歴タスク割り当てが、決定され得る。上記の実施例において、これは、BP方策に関する1年目コホートの一部である顧客A~Dのための顧客やり取りであり得る。
【0072】
ベンチマーキング方法300は、ブロック320に進み得る。ブロック320において、第一の期間中に第二のペアリング方策を使用してペアリングされた第二の複数の履歴タスク割り当てが、決定され得る。上記の実施例において、これは、FIFO方策に関する1年目コホートの一部である顧客F~Iのための顧客やり取りであり得る。いくつかの実施形態において、ブロック320は、ブロック310より前に実施され得るか、またはブロック310と同時に実施され得る。
【0073】
ベンチマーキング方法300は、ブロック330に進み得る。ブロック330において、第一の期間の後の第二の期間中の第一および第二の複数の履歴タスク割り当ての各タスクに起因する値が、決定され得る。上記の実施例において、これは、BPまたはFIFOに関する1年目コホートの一部であった顧客と関連付けられた2年目における各顧客やり取りと関連付けられた値であり得る。
【0074】
ベンチマーキング方法300は、ブロック340に進み得る。ブロック340において、第一のペアリング方策と第二のペアリング方策との間の実績における差は、第二の期間中の各タスクに起因する値に基づいて決定され得る。上記の実施例において、これは、2年目の後のY1コホートと関連付けられた実績における差であり得る。
【0075】
ベンチマーキング方法300は、ブロック350に進み得る。ブロック350において、実績における差は、出力され得る。いくつかの実施形態において、実績における出力された差は、他の期間に測定された実績における1つ以上の追加の差と組み合わせられ得る(例えば、累積的に)。上記の実施例において、これは、2年目の後のY1およびY2と関連付けられた実績における累積的差であり得る。
【0076】
ブロック350の後、ベンチマーキング方法300は、終了し得る。
【0077】
図4は、本開示の実施形態に従う、ベンチマーキング方法400のフローチャートを示す。
【0078】
ベンチマーキング方法400は、ブロック410で開始し得る。ブロック410において、第一の複数の履歴タスク割り当ての第一のベースコホートは、少なくとも2つのペアリング方策で決定され得る。上記の実施例において、これは、1年目の後のBPおよびFIFOに関するY1コホートと関連付けられた顧客やり取りであり得る。
【0079】
ベンチマーキング方法400は、ブロック420に進み得る。ブロック420において、少なくとも2つのペアリング方策の間の第一の実績差は、第一の測定期間の後に決定され得る。上記の実施例において、これは、2年目の後のBPおよびFIFOに関するY1コホートと関連付けられた実績差であり得る。
【0080】
ベンチマーキング方法400は、ブロック430に進み得る。ブロック430において、第一の実績差が、出力され得る。いくつかの実施形態において、ベンチマーキング方法は、終了し得る。
【0081】
他の実施形態において、ベンチマーキング方法400は、ブロック440に進み得る。ブロック440において、第二の複数の履歴タスク割り当ての第二のベースコホートは、第二のベース期間の少なくとも2つのペアリング方策に対して決定され得る。いくつかの実施形態において、第二のベース期間は、ブロック420に関連付けられた第一の測定期間に対応し得る。上記の実施例において、これは、2年目の後のBPおよびFIFOに関するY2コホートと関連付けられた顧客やり取りであり得る。
【0082】
ベンチマーキング方法400は、ブロック450に進み得る。ブロック450において、少なくとも2つのペアリング方策の間の第二の実績差は、第一のベースコホートと第二のベースコホートとに基づいて第二の測定期間の後に決定され得る。上記の実施例において、これは、3年目の後のBPおよびFIFOに関するY1およびY2と関連付けられた累積的実績差であり得る。いくつかの実施形態において、第二の実績差は、追加のコホートに関連付けられたより多くの追加の中間実績差を含み得る。上記の実施例において、6年目の後の累積的実績差は、1年目~6年目の各々からのコホートに関連付けられた(中間)実績差を含んだ。
【0083】
ベンチマーキング方法400は、ブロック460に進み得る。ブロック460において、第二の実績差が、出力され得る。
【0084】
ブロック460の後、ベンチマーキング方法400は、終了し得る。
【0085】
この時点で、上記で説明されたような本開示に従う、タスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策の技術は、入力データの処理および出力データの生成をある程度伴い得るということに留意されるべきである。この入力データ処理および出力データ生成は、ハードウェアまたはソフトウェアにおいて実装され得る。例えば、上記で説明された本開示に従うタスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策と関連付けられる機能を実装するための、行動ペアリングモジュール、または類似もしくは関連した回路において、特定の電子部品が採用され得る。代替的に、命令に従って動作する1つ以上のプロセッサーが、上記で説明された本開示に従うタスク割り当てシステムにおけるベンチマーキングペアリング方策と関連付けられる機能を実装し得る。もしそのようである場合、そのような命令が1つ以上の非一時的プロセッサー読み取り可能な記憶媒体上(例えば、磁気ディスクまたは他の記憶媒体)に記憶され得るか、または1つ以上の搬送波に組み込まれた1つ以上の信号を介して1つ以上のプロセッサーに送信され得ることは、本開示の範囲内である。
【0086】
本開示は、本明細書において説明された特定の実施形態によって範囲が限定されるものでない。実際に、本開示の他の様々な実施形態および本開示への修正は、本明細書において説明されたものに加えて、上記の説明および添付の図面から当業者に明白になるであろう。従って、そのような他の実施形態および修正は、本開示の範囲内に該当するように意図される。また、本開示は、本明細書において、少なくとも1つの特定の目的のための少なくとも1つの特定の環境における少なくとも1つの特定の実装の文脈で説明されたが、本開示の利便性は、それに限定されないことと、本開示は、任意の数の目的のための任意の数の環境において有益に実装され得ることとを、当業者は認識するであろう。従って、下記に規定される特許請求の範囲は、本明細書において説明されるような本開示の全体の幅広さおよび趣旨に鑑みて解釈されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4