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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】油圧制御式流量及び油圧制御弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/363 20060101AFI20230331BHJP
   F16K 3/24 20060101ALI20230331BHJP
   F16K 11/07 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
F16K31/363
F16K3/24 D
F16K11/07 C
F16K11/07 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021189252
(22)【出願日】2021-11-22
(65)【公開番号】P2023036502
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2021-11-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0117009
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521129314
【氏名又は名称】モトロール カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Mottrol Co., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ、ジェオク
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-074502(JP,A)
【文献】特開2007-187296(JP,A)
【文献】特開2007-309519(JP,A)
【文献】実公昭51-023071(JP,Y2)
【文献】特開2019-190510(JP,A)
【文献】特開2013-124738(JP,A)
【文献】特開平01-120492(JP,A)
【文献】実開昭52-138528(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102014201604(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/363
F16K 3/24
F16K 11/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧源と連結される流入部、シリンダーと連結される排出部、貯蔵タンクと連結されるドレイン部を備え、前記流入部、前記排出部及び前記ドレイン部と連通するようにいずれか一側から一方向に窪んで形成されるスリーブ挿入溝が設けられるケース;
前記スリーブ挿入溝に挿入され、それぞれ前記流入部、前記排出部及び前記ドレイン部と連結される第1のチャンバー、第2のチャンバー及び第3のチャンバー、並びに前記第1のチャンバー、前記第2のチャンバー及び前記第3のチャンバーを連結するように長さ方向に沿って貫通する第1の流路が設けられるスリーブ;
前記第1の流路の内部に、長さ方向に沿って往復スライド移動できるように挿入され、往復スライド移動をしながら、前記第1のチャンバー、前記第2のチャンバー及び前記第3のチャンバーのうちの少なくとも2つのチャンバーを連通させる第1のスプール;及び
一側は前記第1のスプールと接しており、外部から供給される制御流体の圧力によって前記第1のスプールの往復スライド移動を制御しながら、前記第2のチャンバーから前記排出部に排出される流体を、設定流量及び設定圧力に調節する油圧制御モジュール;
を含み、
前記油圧制御モジュールは、
いずれか一側に前記スリーブ挿入溝に挿入されるように形成される突出部、前記突出部に前記スリーブが挿入できるように他の一側から前記突出部に向かって貫通形成される中空部、及び前記制御流体が流入されると、前記中空部に流動できるようにまた他の一側において前記中空部と連通するように形成される制御流体流入部を含む弁ボディ;
前記制御流体によりスライド移動できるように前記中空部に挿入され、一側が前記第1のスプールの他側に接しており、前記制御流体の供給時、前記一側方向にスライド移動しながら、前記第1のスプールを押し出す加圧力を提供する第2のスプール;及び
前記中空部の他側に設けられ、前記制御流体の圧力より大きい加圧力を前記第2のスプールに提供しながら、前記加圧力を調節する加圧調節部材;
を含む、油圧制御式流量及び油圧制御弁。
【請求項2】
前記第2のスプールは、
長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状のベースボディ;
前記ベースボディの一側から延び、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状の第1のスプールボディ;及び
前記ベースボディの他側から延び、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状の第2のスプールボディ;
を含み、
前記第1のスプールボディの長さ方向に交差する横断面の大きさが、前記ベースボディの長さ方向に交差する横断面の大きさよりも大きく形成され、前記第2のスプールボディの長さ方向に交差する横断面の大きさが、前記ベースボディの長さ方向に交差する横断面の大きさよりも大きく形成され、
前記第1のスプールボディの横断面の大きさと前記第2のスプールボディの横断面の大きさとは、互いに異なるように形成される、請求項に記載の油圧制御式流量及び油圧制御弁。
【請求項3】
前記制御流体の流入時、前記第2のスプールが、前記第1のスプールを押し出す方向にスライド移動できるように、前記第1のスプールボディ側の受圧面積が前記第2のスプールボディ側の受圧面積より大きく形成される、請求項に記載の油圧制御式流量及び油圧制御弁。
【請求項4】
前記第1のスプールは、
長さが長く延長され、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状の第1のスプールボディ;及び
前記第1のスプールボディの他側から一側に向かう方向を設定距離分だけ離間して複数個設けられ、前記第1のスプールボディの外周面から突出して前記第1のスプールボディの周り方向に沿って延設されるスプールランド;
を含む、請求項に記載の油圧制御式流量及び油圧制御弁。
【請求項5】
複数個の前記スプールランドのうちのいずれか1つのスプールランドは、前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーとの間を遮断し、複数個の前記スプールランドのうちの他の1つのスプールランドは、前記第2のチャンバーと前記第3のチャンバーとの間を遮断する、請求項に記載の油圧制御式流量及び油圧制御弁。
【請求項6】
前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーとの間を遮断するいずれか1つのスプールランドの受圧面積は、前記第2のチャンバーと前記第3のチャンバーとの間を遮断する他の1つのスプールランドの受圧面積より小さく形成される、請求項に記載の油圧制御式流量及び油圧制御弁。
【請求項7】
前記加圧調節部材は、
一部が前記中空部の他側に挿入されて設けられ、長さ方向に沿って貫通した中空ホールが形成される加圧調節ブロック;
一側が前記第2のスプールの他側に接し、他側は前記中空ホールに挿入されるように設けられ、前記第2のスプールを加圧する加圧力として提供する第1の弾性部材;
一側の一部が前記第1の弾性部材の内部に挿入され、他側は前記第1の弾性部材を加圧できるように前記第1の弾性部材の他側と接する加圧ピン;及び
一側が前記加圧ピンに接触するように、一部は前記中空ホールに挿入され、残りは前記加圧調節ブロックの外部に突出し、回転によって前記中空ホールの長さ方向に往復移動しながら、前記第1の弾性部材の加圧力を調節する締結部材;
を含む、請求項に記載の油圧制御式流量及び油圧制御弁。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧制御式流量及び油圧制御弁に関し、より詳しくは、油圧源から供給される油圧を、設定流量及び設定油圧に調節して排出させることができる油圧制御式流量及び油圧制御弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、減圧弁は、比例ソレノイドのような作動源の電磁力(ソレノイド力)に比例する二次制御圧力を得ることができる弁である。
【0003】
このような減圧弁は、油圧源からの圧力を、ソレノイドの電磁力及びスプリング力とスプールの流体力及びスプールのスプリング力、スプールに内蔵されたピンの断面積による力が等価となる位置で圧力電流と比例する二次制御圧力を得ることができるものであって、油圧ポンプの斜板制御、クラッチ分離、締結力制御などのような、産業界の様々な分野に適用される機械構成要素である。
【0004】
従来、減圧弁は、比例ソレノイドを使用せずにスプリング力だけで一定の圧力を制御する手動操作減圧弁の形態が多く使用されてきたが、現在は、比例ソレノイドを用いることで、二次制御圧力に対する制御範囲が非常に広く、電子制御方式によりフレキシブルな制御領域を構築している。
【0005】
大韓民国登録特許第10-1371105号にも、電磁比例減圧弁について開示されている。大韓民国登録特許第10-1371105号に記載の電磁比例減圧弁は、外部から電流の印加を受けたコイルが、プランジャーの周辺に磁力を形成し、プランジャーが移動し得る推力を発生させる。プランジャーにより発生した推力は、ピンに伝達され、メインスプールは、推力の強さと、スプリング反力及びメインスプール内の面積差により発生した反力の和とを比較し、メインスプールの開度量が決定される。前記開度量によって二次圧力が決定され、電磁力の強さが大きくなるほど二次圧力が増加するような比例関係を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国登録特許第10-1371105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、油圧源から供給される油圧を設定流量及び設定油圧に調節して排出させることができる油圧制御式流量及び油圧制御弁を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によれば、本発明は、油圧源と連結される流入部、シリンダーと連結される排出部、貯蔵タンクと連結されるドレイン部を備え、前記流入部、前記排出部及び前記ドレイン部と連通するようにいずれか一側から一方向に窪んで形成されるスリーブ挿入溝が設けられるケース;前記スリーブ挿入溝に挿入され、それぞれ前記流入部、前記排出部及び前記ドレイン部と連結される第1のチャンバー、第2のチャンバー及び第3のチャンバー、並びに前記第1のチャンバー、前記第2のチャンバー及び前記第3のチャンバーを連結するように長さ方向に沿って貫通する第1の流路が設けられるスリーブ;前記第1の流路の内部に、長さ方向に沿って往復スライド移動できるように挿入され、往復スライド移動をしながら、前記第1のチャンバー、前記第2のチャンバー及び前記第3のチャンバーのうちの少なくとも2つのチャンバーを連通させる第1のスプール;及び、一側は前記第1のスプールと接しており、外部から供給される制御流体の圧力によって前記第1のスプールの往復スライド移動を制御しながら、前記第2のチャンバーから前記排出部に排出される流体を、設定流量及び設定圧力に調節する油圧制御モジュール;を含む。
【0009】
また、前記油圧制御モジュールは、いずれか一側に前記スリーブ挿入溝に挿入されるように形成される突出部、前記突出部に前記スリーブが挿入できるように他の一側から前記突出部に向かって貫通形成される中空部、及び前記制御流体が流入されると、前記中空部に流動できるようにまた他の一側において前記中空部と連通するように形成される制御流体流入部を含む弁ボディ;前記制御流体によりスライド移動できるように前記中空部に挿入され、一側が前記第1のスプールの他側に接しており、前記制御流体の供給時、前記一側方向にスライド移動しながら、前記第1のスプールを押し出す加圧力を提供する第2のスプール;及び、前記中空部の他側に設けられ、前記制御流体の圧力より大きい加圧力を前記第2のスプールに提供しながら、前記加圧力を調節する加圧調節部材;を含む。
【0010】
また、前記第2のスプールは、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状のベースボディ;前記ベースボディの一側から延び、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状の第1のスプールボディ;及び、前記ベースボディの他側から延び、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状の第2のスプールボディ;を含み、前記第1のスプールボディの長さ方向に交差する横断面の大きさが、前記ベースボディの長さ方向に交差する横断面の大きさよりも大きく形成され、前記第2のスプールボディの長さ方向に交差する横断面の大きさが、前記ベースボディの長さ方向に交差する横断面の大きさよりも大きく形成され、前記第1のスプールボディの横断面の大きさと前記第2のスプールボディの横断面の大きさとは、互いに異なるように形成される。
【0011】
また、前記制御流体の流入時、前記第2のスプールが、前記第1のスプールを押し出す方向にスライド移動できるように、前記第1のスプールボディ側の受圧面積が、前記第2のスプールボディ側の受圧面積より大きく形成される。
【0012】
また、前記第1のスプールは、長さが長く延長され、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状の第1のスプールボディ;及び、前記第1のスプールボディの他側から一側に向かう方向を設定距離分だけ離間して複数個設けられ、前記第1のスプールボディの外周面から突出して前記第1のスプールボディの周り方向に沿って延設されるスプールランド;を含む。
【0013】
また、複数個の前記スプールランドのうちのいずれか1つのスプールランドは、前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーとの間を遮断し、複数個の前記スプールランドのうちの他の1つのスプールランドは、前記第2のチャンバーと前記第3のチャンバーとの間を遮断する。
【0014】
また、前記第1のチャンバーと前記第2のチャンバーとの間を遮断するいずれか1つのスプールランドの受圧面積は、前記第2のチャンバーと前記第3のチャンバーとの間を遮断する他の1つのスプールランドの受圧面積より小さく形成される。
【0015】
また、前記加圧調節部材は、一部が前記中空部の他側に挿入されて設けられ、長さ方向に沿って貫通した中空ホールが形成される加圧調節ブロック;一側が前記第2のスプールの他側に接し、他側は前記中空ホールに挿入されるように設けられ、前記第2のスプールを加圧する加圧力として提供する第1の弾性部材;一側の一部が前記第1の弾性部材の内部に挿入され、他側は前記第1の弾性部材を加圧できるように前記第1の弾性部材の他側と接する加圧ピン;及び、一側が前記加圧ピンに接触するように、一部は前記中空ホールに挿入され、残りは前記加圧調節ブロックの外部に突出し、回転によって前記中空ホールの長さ方向に往復移動しながら、前記第1の弾性部材の加圧力を調節する締結部材;を含む。
【0016】
その他の実施例の詳細については、発明の詳細な説明及び図面に示されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る油圧制御式流量及び油圧制御弁は、次のような効果を奏する。
【0018】
第一、油圧源から供給される流体の流量及び油圧を、油圧源ではない外部からの他の油圧を用いて調節することができるので、従来のソレノイドバルブを用いる減圧弁の代わりに適用可能であり、コストを削減する効果が得られる。
【0019】
第二、第1のスプールが第2のスプールを押し出す力を発生させる第1のスプールの受圧面積と、第2のスプールが第1のスプールを押し出す力を発生させる第2のスプールの受圧面積との割合を調整することにより、制御流体の圧力によるシリンダーに排出される流体の設定圧力を様々な範囲内で調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例に係る油圧制御式流量及び油圧制御弁の断面を示す図である。
図2図1のA部を拡大して示す図である。
図3】本発明の一実施例に係るスリーブの断面を示す図である。
図4】本発明の一実施例に係る第1のスプールの正面を示す図である。
図5】本発明の一実施例に係る油圧制御モジュールの断面を拡大して示す図である。
図6】本発明の一実施例に係る第2のスプールの正面を示す図である。
図7】本発明の一実施例に係る加圧調節部材の断面を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参考にして、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々に変更して実施することができ、下記の実施例に限定されない。
【0022】
図面は概略的でかつ縮尺に合わせて図示されていないことに留意されたい。図面にある部分の相対的な寸法及び比率は、図面における明確性及び便宜のためにその大きさを誇張又は縮小して示されており、任意の寸法は単に例示に過ぎず、限定的なものではない。また、2つ以上の図面に示される同一の構造物、要素又は部品には、類似する特徴を示すために、同一の参照符号を付してある。
【0023】
本発明の実施例は、本発明の好適な実施例を具体的に示している。それで、図解の多様な変形が予想される。従って、実施例は図示した領域の特定の形態に限らず、例えば、製造による形態の変形も含む。
【0024】
以下、図1図7を参照して本発明の一実施例に係る油圧制御式流量及び油圧制御弁について説明する。
【0025】
本発明の一実施例に係る油圧制御式流量及び油圧制御弁10は、ケース100、スリーブ200,第1のスプール300、及び油圧制御モジュール400を含む。
【0026】
具体的に図示してはいないが、前記ケース100は、油圧源と連結される流入部(図示せず)、シリンダーと連結される排出部(図示せず)、貯蔵タンクと連結されるドレイン部(図示せず)を備えている。
【0027】
油圧源は、例えば、油圧タンクであることができ、油圧源の作動油が前記流入部(図示せず)を介して供給される。
【0028】
前記ケース100のいずれか一側には、前記流入部(図示せず)、前記排出部(図示せず)及び前記ドレイン部(図示せず)と連通するスリーブ挿入溝110が一方向に設定深さ分だけ窪んで形成される。
【0029】
前記スリーブ200は、前記スリーブ挿入溝110に挿入される。前記スリーブ200は、長さが長く延長され、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱状のスリーブボディ210を含む。前記スリーブボディ210の外周面には、前記スリーブボディ210の長さ方向に応じて設定距離分だけ離間した複数個のO-リング溝211、212、213、214が設けられる。複数個の前記O-リング溝211、212、213、214にO-リングが取り付けられることで、前記スリーブ200と前記ケース100との間の気密を保持する。
【0030】
前記スリーブボディ210の内部には、長さ方向を設定距離分だけ離隔した第1のチャンバー230、第2のチャンバー240、第3のチャンバー250、260が設けられる。さらに、前記第1のチャンバー230、前記第2のチャンバー240、前記第3のチャンバー250、260を連結し、かつ前記スリーブボディ210の長さ方向に沿って貫通する第1の流路220が設けられる。
【0031】
前記第1のチャンバー230は、前記流入部(図示せず)と連結され、前記第2のチャンバー240は、前記排出部(図示せず)と連結され、前記第3のチャンバー250、260は、前記ドレイン部(図示せず)と連結される。従って、前記流入源から作動油が供給されると、前記流入部(図示せず)を通じて前記第1のチャンバー230に流入され、前記第1の流路220に沿って前記第2のチャンバー240及び前記第3のチャンバー250、260に流動されることになる。
【0032】
なお、前記第3のチャンバー250、260には、前記スリーブボディ210の他側において設定深さ分の領域に弾性部材を有する弾性部材付き領域260が設けられる。前記弾性部材付き領域260には、前記第1のスプール300の一部を囲む第2の弾性部材310が設けられる。これらの詳細については、後述する。
【0033】
前記第1のスプール300は、前記スリーブ200の前記第1の流路220の内部に、長さ方向に沿って往復スライド移動できるように挿入される。前記第1のスプール300が往復スライド移動をしながら、前記第1のチャンバー230、前記第2のチャンバー240及び前記第3のチャンバー250、260のうちの少なくとも2つのチャンバーを連通させる。具体的には、前記第1のチャンバー230と前記第2のチャンバー240とを連通させ、又は、前記第2のチャンバー240と前記第3のチャンバー250、260とを連通させる。
【0034】
このような動作がなされるように前記第1のスプール300を作動させる力は、前記油圧制御モジュール400から提供される。前記第1のスプール300の作動方法の詳細については、後述する。
【0035】
前記第1のスプール300は、第1のスプールボディ310、支持プレート320、複数個のスプールランド330、340、350、360を含む。前記第1のスプールボディ310は、長さが長く延長され、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱形状に形成される。
【0036】
前記支持プレート320は、前記第1のスプールボディ310のいずれか一側に設けられる。本実施例では、前記第1のスプールボディ310の他側に前記支持プレート320が設けられる。詳細は後述するが、前記第1のスプール300は、前記油圧制御モジュール400の第2のスプール420から加圧力を受ける。従って、前記第2のスプール420の一側が前記第1のスプール300と接するが、具体的には、前記第2のスプール420の一側が前記支持プレート320と接触する。
【0037】
また、前記支持プレート320は、前記第2のスプール420から加圧力が伝達される時、前記第1のスプール300の他側を囲んで設けられる第2の弾性部材301を加圧する役割を果たす。
【0038】
前記支持プレート320は、長さ方向に交差する横断面の大きさが、前記第1のスプールボディ310の長さ方向に交差する横断面の大きさよりも大きく形成される。
【0039】
複数個の前記スプールランド330、340、350、360は、前記支持プレート320を基準に、前記第1のスプールボディ310の一側に向かって設定間隔分だけ離間し、かつ前記第1のスプールボディ310の外周面に突設される。本実施例では、第1のスプールランド330、第2のスプールランド340、第3のスプールランド350、及び第4のスプールランド360が設けられる。
【0040】
前記スプールランド330、340、350、360は、前記第1のスプールボディ310の外周面から突出し、前記第1のスプールボディ310の周り方向に沿って延設される。前記スプールランド330、340、350、360の外周面は、前記第1の流路220の内周面と接するように形成される。
【0041】
前記スプールランド330、340、350、360のうち、前記第4のスプールランド360は、前記第1のスプールボディ310の一側に設けられる。前記第4のスプールランド360の外周面には、一又は複数個のシーリング部材溝361が形成され、前記シーリング部材溝361にO-リング(O-ring)のようなシーリング部材(図示せず)が結合して設けられる。
【0042】
前記第4のスプールランド360の外周面は、前記第1の流路220の一側の内周面に接する。前記流入部(図示せず)を介して前記スリーブ200の内部に流体が流入されると、前記第4のスプールランド360に設けられた前記シーリング部材(図示せず)により、前記流体が前記スリーブ200と前記第4のスプールランド360との間に漏れ出ることを防止することができる。
【0043】
前記第1のスプールランド330は、前記第2のチャンバー240及び前記第3のチャンバー250、260の間を遮断し、前記第3のスプールランド350は、前記第1のチャンバー230及び前記第2のチャンバー240の間を遮断する。従って、前記第1のスプール300の移動により、前記第1のチャンバー230と前記第2のチャンバー240とが連通し、又は、前記第2のチャンバー240と前記第3のチャンバー250、260とが連通することになる。
【0044】
図2に示されるように、前記第1のスプール300が前記スリーブ200の内部に挿入される時、前記第1のスプール300と前記スリーブ200との間に前記第2の弾性部材301が設けられる。前記第2の弾性部材301は、前記第1のスプール300の他側を囲み、前記弾性部材付き領域に設けられる。
【0045】
前記油圧制御モジュール400は、前記流入部(図示せず)を通じて供給される流体の流量及び油圧を設定流量及び設定圧力に調節し、前記シリンダーに排出させ得るように制御する役割を果たす。
【0046】
前記油圧制御モジュール400は、別途の外部又は内部の供給源から制御油圧の供給を受ける。前記油圧制御モジュール400の一側は、前記第1のスプール300の他側と接しており、前記制御油圧の供給を受けると、前記第1のスプール300を一側方向にスライド移動させる力を提供する。
【0047】
前記油圧制御モジュール400は、弁ボディ410、第2のスプール420、及び加圧調節部材430を含む。
【0048】
前記弁ボディ410は、前記ケース100と連結され,外部から前記制御油圧の供給を受けるものであり、突出部411、中空部413、制御油圧流入部415が設けられる。
【0049】
前記突出部411は、前記弁ボディ410のいずれか一側に設けられ、前記スリーブ挿入溝110の内部に挿入される。前記突出部411が前記スリーブ挿入溝110に挿入されることで、前記油圧制御モジュール400が前記ケース100に連結されることになる。
【0050】
前記中空部413は、前記突出部411と対向する前記弁ボディ410の他の一側から前記突出部411を貫通して形成される。前記中空部413は、第1の中空413a、第2の中空413b、及び第3の中空413cからなる。
【0051】
前記第1の中空413aは、前記加圧調節部材430が挿入できるように、前記弁ボディ410の他の一側から前記突出部411に向かう方向に設定長さ分だけ窪んで形成される。
【0052】
前記第2の中空413bは、前記第2のスプール430が挿入される。前記第2の中空413bは、前記第1の中空413aの一端から前記突出部411に向かう方向に設定長さ分だけ延設される。前記第2の中空413bの長さ方向に交差する横断面の大きさは、前記第1の中空413aの長さ方向に交差する横断面の大きさより小さく形成される。
【0053】
前記第3の中空413cは、図5に示されるように、前記突出部411が前記スリーブ挿入溝110に挿入される時、前記スリーブ200の他側が挿入される。前記第3の中空413cは、前記第2の中空413bの一端から前記突出部411まで貫通形成される。前記第3の中空413cの長さ方向に交差する横断面の大きさは、前記第2の中空413bの長さ方向に交差する横断面の大きさより大きく形成される。なお、前記第1の中空413aの長さ方向に交差する横断面の大きさよりは小さく形成される。
【0054】
前記弁ボディ410に設けられた前記制御流体流入部415は、第1の制御流体流入路415aと第2の制御流体流入路415bとからなる。前記第1の制御流体流入路415aは、前記弁ボディ410のまた他の一側において前記弁ボディ410の内部に設けられる。本実施例では、図5に示されるように、前記第1の制御流体流入路415aが前記中空部413と並ぶ方向に形成される。
【0055】
前記第2の制御流体流入路415bは、前記第1の流体流入路415aと連通するとともに前記第2の中空413bと連通するように設けられる。本実施例では、図5に示されるように、前記第2の制御流体流入路415bは、前記弁ボディ410のまた他の一側において前記弁ボディ410の内部に設けられるが、前記第2の制御流体流入路415bは、前記第1の制御流体流入路415aと交差する方向に設けられる。
【0056】
前記第2の制御流体流入路415bは、一側から設定距離分だけ離間した位置で前記第1の制御流体流入路415aと連通するように連結され、前記第2の制御流体流入路415bの他側が前記第2の中空413bと連通するように連結される。
【0057】
前記第2のスプール420は、前記弁ボディ410の前記中空部413に挿入される。具体的に、前記第2の中空413bに往復スライド移動できるように挿入されるが、前記第2のスプール420の一側は、前記第3の中空413cの内部に一部が突出し、前記第2のスプール420の他側は、前記第1の 中空413aの内部に一部が突出する。
【0058】
前記第2のスプール420は、ベースボディ421、第1のスプールボディ423、及び第2のスプールボディ425を含む。前記ベースボディ421は、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱形状に形成される。
【0059】
前記第1のスプールボディ423は、前記ベースボディ421の一側及び他側のうちのいずれか一方から長さ方向に沿って延びるが、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱形状に形成される。前記第1のスプールボディ423の長さ方向に交差する横断面の大きさは、前記ベースボディ421の長さ方向に交差する横断面の大きさよりも大きく形成される。
【0060】
前記第2のスプールボディ425は、前記ベースボディ421の一側及び他側のうちのいずれか一方から長さ方向に沿って延びるが、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱形状に形成される。前記第2のスプールボディ425の長さ方向に交差する横断面の大きさは、同じく前記ベースボディ421の長さ方向に交差する横断面の大きさよりも大きく形成される。
【0061】
一方、前記第1のスプールボディ423の横断面の大きさと、前記第2のスプールボディ425の横断面の大きさとは、互いに異なるように形成される。前記第2のスプール420は、前記制御流体流入部415から前記制御流体が流入される時、前記第2のスプール420が前記第1のスプール300を押し出す方向にスライド移動できるように前記第1のスプールボディ423側の受圧面積が前記第2のスプールボディ425側の受圧面積よりも大きく形成される。
【0062】
前記第2のスプール420は、固定突起427をさらに含む。前記固定突起427は、前記第2のスプールボディ425の他側から突設される。前記固定突起427も、長さ方向に交差する横断面が円形又は多角形である柱形状に形成され、また、前記固定突起427の横断面の大きさは、前記第2のスプールボディ425の横断面の大きさより小さく形成される。前記固定突起427は、前記加圧調節部材430の第1の弾性部材433の一側を固定させる役割を果たす。
【0063】
前記加圧調節部材430は、前記制御流体の油圧の大きさを調節できるように前記第2のスプール420に加圧力を提供し、前記第2のスプール420に提供される加圧力を調節するものである。前記加圧調節部材430は、前記中空部413の前記第1の中空413aに設けられる。
【0064】
前記加圧調節部材430は、加圧調節ブロック431、第1の弾性部材433、加圧ピン435、及び締結部材437を含む。
【0065】
前記加圧調節ブロック431は、一部が前記中空部413の他側、具体的には、前記第1の中空部413aに挿入されて設けられ、長さ方向に沿って貫通する中空ホール431aが形成される。前記加圧調節ブロック431は、一側に前記第1の中空部413aに挿入される第2の突出部431bが形成される。
【0066】
前記第1の弾性部材433は、一側が前記第2のスプール420に接し、他側は前記中空ホール431aに挿入されて設けられる。前記第1の弾性部材433は、圧縮及び引張される弾性力を持つばねとして設けられる。本実施例では、前記第1の弾性部材433が引張力を前記第2のスプール420を加圧する加圧力として提供する。
【0067】
前記加圧ピン435は、前記第1の弾性部材433の他側に結合した状態で前記中空ホール431aに挿入される。前記加圧ピン435の一側は、前記第1の弾性部材433に囲まれ、他側は、前記第1の弾性部材433の他側と接触すると同時に前記締結部材437と接触する。
【0068】
前記締結部材437は、ボルト437aとナット437bとからなる。前記ボルト437aが回転により長さ方向に沿って往復移動し、前記ボルト437aの一側が前記加圧ピン435の他側に接触している。前記ボルト437aが回転により前記加圧ピン435を押し出すと、前記加圧ピン435が前記第1の弾性部材433を圧縮させることになる。すなわち、前記第1の弾性部材433の圧縮力は、前記締結部材437により調節され、これによって、前記第2のスプール420を移動させる前記制御流体の圧力が調節される。
【0069】
上述のような構成を有する前記油圧制御式流量及び油圧制御弁の作動過程は、次の通りである。
【0070】
まず、前記油圧源(図示せず)を介して供給される一定圧力の油圧を有する流体が、前記流入部(図示せず)を介して前記第1のチャンバー230に流入される。前記流入部(図示せず)を介して流入される流体の設定圧力に調節するため、前記油圧制御モジュール400の前記制御流体流入部415に制御流体が流入される。
【0071】
前記制御流体は、前記制御流体流入部415に沿って前記第2のスプール420が設けられた前記第2の中空413bに流動される。前記第2のスプール420は、前記第1のスプールボディ423の受圧面積が、前記第2のスプールボディ425の受圧面積より大きいため、前記制御流体によって一側方向にスライド移動されることになる。
【0072】
前記第2のスプール420が一側方向にスライド移動しながら前記第1のスプール300に押出力(加圧力)を提供し、前記第1のスプール300も一側方向にスライド移動されることになる。
【0073】
前記制御流体が入力される前の初期状態においては、前記第1のスプール300の前記第3のスプールランド350により前記第1のチャンバー230が遮蔽されている。なお、前記第2のスプール420により前記第1のスプール300が一側方向に移動されると、瞬間的に前記第1のチャンバー230と前記第2のチャンバー240とが連結され、前記第2のチャンバー240と前記第3のチャンバー250、260との間は遮蔽される。瞬間的に前記第1のチャンバー230から前記第2のチャンバー240に圧力が伝達され、この圧力が前記第1のスプールランド330に伝達される。このとき、前記第1の弾性部材433の弾性力と、前記第1のスプールボディ423から発生した圧力による力との和が、前記第1のスプールランド330に伝達された圧力による力と等しくなるまで、前記第1のチャンバー230と前記第2のチャンバー240との連結が分離される。
【0074】
このとき、前記第1のスプール300は、前記第1のスプールランド330の受圧面積が、前記第3のスプールランド350の受圧面積より大きく形成されるため、前記第2のチャンバー240に流動した流体により形成された圧力によって、前記第1のスプール300は、他側方向にスライド移動することになる。また、前記第1のスプール300が他側方向にスライド移動しながら、前記第2のスプール420に押出力(加圧力)を提供することになる。これと同時に、前記第1のスプール300が一側方向にスライド移動する時に圧縮されることで、前記第2の弾性部材301に発生した引張力が加えられ、前記第2のスプール420が他側方向にスライド移動することになる。
【0075】
前記第1のスプール300が一側方向にスライド移動すると、前記第1のチャンバー230と前記第2のチャンバー240とは、前記第3のスプールランド350により再び遮蔽され、瞬間的に前記第2のチャンバー240と前記第3のチャンバー250、260とが連結される。このとき、前記第2のチャンバー240を満たしていた流体の一部は、前記第3のチャンバー250、260に流動されながら、前記第2のチャンバー240の流体の流量が調節されることになる。
【0076】
上述のように、前記第2のスプール420で発生する前記第1のスプールボディ423の受圧面積と前記第2のスプールボディ425の受圧面積のとの差により発生する力(前記第2のスプール420が前記第1のスプール300を押し出す力)と、前記第1のスプール300で前記第1のスプールランド330の受圧面積と前記第3のスプールランド350の受圧面積との差により発生する力(前記第1のスプール300が前記第2のスプール420を押し出す力)とが等価となるまで、前記第1のスプール300は、往復スライド移動することになる。
【0077】
また、前記第1のスプール300が往復スライド移動する間、前記第2のチャンバー240は、前記第1のチャンバー230からさらに流体の供給を受けるか、前記第3のチャンバー250、260に流体をドレインさせながら設定流量及び設定油圧に調節され、排出が行われる。
【0078】
以上、添付の図面に基づいて本発明の実施例を説明してきたが、本発明が属する技術分野の当業者であれは、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の形態に変更して実施可能であることが理解できるだろう。
【0079】
上述した実施例は、あくまでも例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと理解されるべきであり、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導き出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0080】
10:油圧制御式流量及び油圧制御弁、100:ケース、110:スリーブ挿入溝、200:スリーブ、210:スリーブボディ、211、212、213、214:O-リング溝、230:第1のチャンバー、240:第2のチャンバー、250、260:第3のチャンバー、300:第1のスプール、310:第1のスプールボディ、320:支持プレート、330:第1のスプールランド、340:第2のスプールランド、350:第3のスプールランド、360:第4のスプールランド、400:油圧制御モジュール、410:弁ボディ、420:第2のスプール、430:加圧調節部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7