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特許7254149エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー中の「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分岐」の量を測定する方法
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  • 特許-エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー中の「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分岐」の量を測定する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー中の「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分岐」の量を測定する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 24/08 20060101AFI20230331BHJP
【FI】
G01N24/08 510P
【請求項の数】 1
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021189689
(22)【出願日】2021-11-22
(62)【分割の表示】P 2018568918の分割
【原出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2022058336
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】62/357,041
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】ユアン・シー・チュバーキア
(72)【発明者】
【氏名】コリン・リピシャン
(72)【発明者】
【氏名】ヅェ・チョウ
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-503831(JP,A)
【文献】特表2000-507634(JP,A)
【文献】特開2013-124262(JP,A)
【文献】特開2010-275444(JP,A)
【文献】特表2018-510244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 24/00-G01N 24/14
C08F 210/18
C08F 4/64
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
ACS PUBLICATIONS
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー中の「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分岐」の量を測定する方法であって、前記方法が、少なくとも以下の:
a)前記ポリマーを溶媒中に溶解して、ポリマー溶液を形成する工程と、
b)13C NMRを用いて20℃~200℃の分析温度で前記ポリマー溶液を分析し、13C NMRスペクトルを生成する工程と、を含み、
前記ポリマーが、34.0ppm~35.0ppmの範囲内に位置するピーク最大値を有するアルファ炭素の信号(Y-PEα信号)を有する「Y-PE型長鎖分岐」を有し、
前記ポリマーが、以下の式Aから決定される前記「Y-PE型長鎖分岐」の量(AY-PE)を有し、
Y-PE=(Y-PEαピーク面積)/3 (式A)
式中、「Y-PEαピーク面積」は、34.0ppm~35.0ppmの範囲内に位置する前記Y-PEα信号のピーク下の面積を積分することによって決定され、
前記「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分岐」の量が、全13C NMRスペクトル下の面積を積分して、面積Aを得て、次いでAから「溶媒起因のピーク面積(S)」の面積を差し引いて、「ポリマー起因の総ピーク面積(P)」を得ることによって決定され、
前記「1000個の炭素当たりのY-PE型長鎖分岐」が、以下の式Bから決定される、方法。
1000個の炭素当たりのY-PE型長鎖分岐
=(AY-PE/P)×1000個の炭素 (式B)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への参照
本出願は、2016年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/357,041
号の優先権を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
加硫ゴム組成物に使用することができ、改善された混合および加工性、改善された機械
的特性、および改善された製品の一致性を提供することができるエチレン/α-オレフィ
ン/非共役ポリエンインターポリマーを含有する新規組成物の必要性が存在する。ポリマ
ー分子のレオロジー挙動を調整するために使用される変動要素のうちの1つは、骨格の長
さに匹敵する長さを有する長鎖分岐(LCB)の導入によるものである。これらの分岐の
より多くが骨格に導入されるほど(典型的にはGPCによって推定される)、ポリマーに
よって示される低せん断速度での粘度(V0.1)およびせん断減粘挙動がより高くなる
(レオロジー比、RR)。EPDMを作製するために今日使用されている触媒技術は、あ
る程度の長鎖分枝を導入し、伝統的に、高分子量ポリマーと低せん断速度での高粘度を両
立させてきた。しかしながら、改善されたレオロジーおよび機械的特性のために、直鎖状
分子から予期される高せん断速度での低粘度と、分岐を導入する触媒の固有の傾向との組
合せを有する、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーの必要性が
存在する。
【0003】
WO2007/136494は、多価アリールオキシエーテルのジルコニウム錯体を含
む触媒組成物から調製されるエチレン/α-オレフィン/ジエンポリマーを開示している
。WO2006/009976は、活性化非メタロセン金属中心ヘテロアリール配位子触
媒を用いて、パーフルオロカーボンまたはヒドロフルオロカーボンの存在下で、ポリオレ
フィンを調製するプロセスを開示している。ポリマーおよび組成物また、以下、WO20
12/027448、WO2013/096573、WO2014/084893、WO
2011/008837、WO2012/092491、US2006/0183631
、WO2011/163176、EP1433812A1、WO2011/041230
、WO2006/009976、WO2000/26268、US8,178,031、
EP751182A1、EP718324A1、WO2011/0065877、US2
013/031611、JP04132672B2(要約)、JP2004/03581
3(要約)、EP1433812A1、およびPCT/US16/020212(201
6年3月1日出願)にも開示されている。しかしながら、先に論じられたように、改善さ
れた混合および加工性、改善された機械的特性、および改善された製品の一致性を提供す
るために、直鎖状分子から予期される高せん断速度での低粘度と、分岐を導入する触媒の
固有の傾向との組合せを有する、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポ
リマーの必要性が存在する。この必要性は、以下の発明によって満たされている。
【発明の概要】
【0004】
エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンを含む組成物であって、エチレン/α-オ
レフィン/非共役ポリエンが以下の特性:13C NMRによって決定される、{[(3
4.4ppm~34.6ppmの13C NMRピーク面積)/(160.0~100.
0および60.0ppm~0.00ppmの13C NMR合計積分面積)]×100}
、すなわち、>0.010%である、「13C NMR % iCBピーク面積」を含む
、組成物。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】いくつかの「TanD/RR対Mw」のプロット、およびいくつかの発明ポリマーと比較ポリマー(EPDM)との関係を示す図である。
図2】120℃におけるTCE-d/ODCB(50:50 w:w)中の対照ポリマー(DOWLEX 2045G)の13C NMRスペクトルを示す図である。
図3】120℃におけるTCE-d中のEPDM 1の13C NMRスペクトルを示す図である。
図4】120℃におけるTCE-d中のEPDM 2の13C NMRスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
インサイチューで生成されたオリゴマーがポリマー骨格に急速に組み込まれる、中間鎖
分岐(iCB)の概念を用いる新規ポリマーアーキテクチャが見出された。これらのオリ
ゴマーの組み込みから得られる分岐は、低せん断速度での粘度を増加させず、したがって
、得られるポリマーは、直鎖状分子の挙動と同様の挙動を示す。加えて、オリゴマー含有
量が最終ポリマー中で非常に低いかまたは検出不可能であるように、組み込みは非常に効
率的である。本発明のポリマー中にiCBが存在することが見出された。本明細書で報告
されているiCBポリマーの場合、高密度の分岐(NMRにより推定)と、それらの中間
体の長さ(30~75炭素単位)の組み合わせは、溶融状態での絡み合いに必要な骨格鎖
長を延長する。この挙動は、直鎖状分子の挙動と事実上同様である。
【0007】
エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンを含む組成物であって、エチレン/α-オ
レフィン/非共役ポリエンが以下の特性:13C NMRによって決定される、{[(3
4.4ppm~34.6ppmの13C NMRピーク面積)/(160.0~100.
0および60.0ppm~0.00ppmの13C NMR合計積分面積)]×100}
、すなわち、>0.010%である、「13C NMR % iCBピーク面積」を含む
、組成物が見出された。
【0008】
エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマー(V0.1、V100、
V0.1/V100、タンデルタ(0.1rad/秒または100rad/秒)、各19
0℃)のムーニー粘度およびレオロジー特性は、ニートインターポリマー(オイルなし、
フィラーなし)のムーニー粘度およびレオロジー特性である。インターポリマーは、「p
pm量」の1種以上の酸化防止剤および/または他の安定剤で安定化することができる。
【0009】
本発明の組成物は、本明細書において記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含
んでもよい。エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、本明細書
に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0010】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、13C NMRによって決定される、{[(34.4ppm~34.6ppmの13C
NMRピーク面積)/(160.0~100.0および60.0ppm~0.00pp
mの13C NMR合計積分面積)]×100}、すなわち、≧0.012%、または≧
0.015%、または≧0.020%、または≧0.025%である、「13C NMR
% iCBピーク面積」を有する。さらなる実施形態において、インターポリマーは、
EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さ
らなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)であ
る。
【0011】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、13C NMRによって決定される、{[(34.4ppm~34.6ppmの13C
NMRピーク面積)/(160.0~100.0および60.0ppm~0.00pp
mの13C NMR合計積分面積)]×100}、すなわち、≧0.030%、または≧
0.035%、または≧0.040%、または≧0.045%、または≧0.050%で
ある、「13C NMR % iCBピーク面積」を有する。さらなる実施形態において
、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)
ターポリマーである。さらなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノル
ボルネン(ENB)である。
【0012】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、13C NMRによって決定される、{[(34.4ppm~34.6ppmの13C
NMRピーク面積)/(160.0~100.0および60.0ppm~0.00pp
mの13C NMR合計積分面積)]×100}、すなわち、≦0.500%、または≦
0.400%、または≦0.300%、または≦0.200%である、「13C NMR
% iCBピーク面積」を有する。さらなる実施形態において、インターポリマーは、
EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さ
らなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)であ
る。
【0013】
一実施形態において、第1の組成物は、本明細書に記載される、13C NMRによっ
て決定される、「13C NMR iCBI値」として、≧0.030、または≧0.0
40、または≧0.050、または≧0.060、または≧0.070、または≧0.0
80、または≧0.090、または≧0.100、または≧0.110、または≧0.1
20、または≧0.130、または≧0.140、または≧0.150、または≧0.1
60、または≧0.170、または≧0.180、または≧0.190、または≧0.2
00、または≧0.210、または≧0.220、または≧0.230、または≧0.2
40を有する。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエ
チレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態におい
て、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0014】
一実施形態において、第1の組成物は、本明細書に記載される、13C NMRによっ
て決定される、{[(21.3ppm~22.4ppmの13C NMRピーク面積)/
(19.3ppm~22.4ppmの合計積分面積)]×100}、すなわち、≧3.5
%、または≧4.0%、または≧4.5%、または≧5.0%、または≧5.5%、また
は≧6.0%、または≧6.5%、または≧7.0%、または≧7.5%、または≧8.
0%、または≧8.5%、または≧9.0%、または≧10.0%である、「13C N
MR %ピーク面積」を有する。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EA
ODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらな
る実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0015】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、1000個の炭素当たり、>0.03の中間分岐(iCBI)量を有する。さらなる実
施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエ
ン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、ジエンは、5-エチリ
デン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0016】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、40~100、または50~100、または60~90のムーニー粘度(ML 1+4
、125℃)を有する。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、
さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形
態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0017】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、100,000~600,000g/モル、または100,000~500,000g
/モルの重量平均分子量Mwを有する。一実施形態において、エチレン/α-オレフィン
/非共役ポリエンインターポリマーは、110,000~550,000g/モル、また
は120,000~500,000g/モル、または130,000~450,000g
/モル、または140,000~400,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有
する。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレン/
プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、ジエ
ンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0018】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、2.00~3.20、または2.10~3.10、または2.20~2.90のMWD
を有する。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレ
ン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、
ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0019】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、TanD/RR>-1.13E-06(モル/g)×Mw+0.37を有し、式中、T
anDは、0.1rad/秒、190℃におけるタンデルタであり、RRは、V0.1/
V100(190℃)の比であり、Mwは、従来のGPCによって決定される重量平均分
子量である。
【0020】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、TanD/RR>-1.13E-06(モル/g)×Mw+0.41を有し、式中、T
anDは、0.1rad/秒、190℃におけるタンデルタであり、RRは、V0.1/
V100(190℃)の比であり、Mwは、従来のGPCによって決定される重量平均分
子量である。
【0021】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、TanD/RR≧-1.13E-06(モル/g)×Mw+0.51を有し、式中、T
anDは、0.1rad/秒、190℃におけるタンデルタであり、RRは、V0.1/
V100(190℃)の比であり、Mwは、従来のGPCによって決定される重量平均分
子量である。
【0022】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンは、20,000P
a・s~1,200,000Pa・sの0.1rad/秒、190℃での粘度を有する。
【0023】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、5~90のレオロジー比(190℃でのV0.1/V100)を有する。
【0024】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、1.5~4.80、または1.60~4.20、または1.8~3.60のタンデルタ
(0.1rad/秒、190℃)を有する。さらなる実施形態において、インターポリマ
ーは、EAODM、さらにエチレン/プロピレン/-ジエン(EPDM)ターポリマーで
ある。さらなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(EN
B)である。
【0025】
一実施形態において、組成物は、組成物の全てのポリマー構成成分の合計重量に基づい
て、80~99重量パーセントのエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポ
リマーを含む。一実施形態において、組成物は、組成物の合計重量に基づいて、80~9
9重量パーセントのエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーを含む
【0026】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンは、EPDMである
【0027】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、20,000Pa・s~1,500,000Pa・s、または25,000~1,40
0,000Pa・s、または30,000~1,300,000Pa・s、または35,
000~1,200,000Pa・s、または40,000~1,200,000Pa・
sの0.1rad/秒、190℃での粘度を有する。さらなる実施形態において、インタ
ーポリマーは、EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリ
マーである。さらなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン
(ENB)である。
【0028】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、5~75、または6~80、または7~85、または8~90のレオロジー比(190
℃でのV0.1/V100)を有する。さらなる実施形態において、インターポリマーは
、EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。
さらなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)で
ある。
【0029】
一実施形態において、組成物は、組成物の全てのポリマー成分の合計重量に基づいて、
80~98重量パーセントのエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマ
ーを含む。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレ
ン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、
ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0030】
一実施形態において、組成物は、組成物の重量に基づいて、80~99重量%、または
85~99重量%、または90~99重量%、または95~99重量%、または98~9
9重量%のエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーを含む。さらな
る実施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレン/プロピレン/
ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、ジエンは、5-エ
チリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0031】
一実施形態において、組成物は、組成物の全てのポリマー構成成分の合計重量に基づい
て、80~99重量%、または85~99重量%、または90~99重量%、または95
~99重量%、または98~99重量%のエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンイ
ンターポリマーを含む。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、
さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形
態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0032】
一実施形態において、組成物は、組成物の重量に基づいて、10~50重量%、または
20~40重量%のエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーを含む
。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレン/プロ
ピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、ジエンは
、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0033】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、0.850~0.890g/cc、または0.855~0.890g/cc、または0
.860~0.890g/ccの密度を有する。さらなる実施形態において、インターポ
リマーは、EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマー
である。さらなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(E
NB)である。
【0034】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンは、EPDMである
。さらなる実施形態において、インターポリマーは、EAODM、さらにエチレン/プロ
ピレン/-ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらなる実施形態において、ジエン
は、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0035】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、30以上、さらに40以上のムーニー粘度(ML 1+4、125℃)を有する。ムー
ニー粘度は、ニートポリマー(オイルなし、フィラーなし)のムーニー粘度である。ポリ
マーは、「ppm量」の1種以上の酸化防止剤および/または他の安定剤で安定化するこ
とができる。
【0036】
一実施形態において、組成物は、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインター
ポリマーの重量に基づいて、50~90重量パーセントのエチレン、さらに55~85重
量パーセントのエチレン、さらに60~80重量パーセントのエチレン、さらに65~7
5重量パーセントのエチレンを含む。さらなる実施形態において、インターポリマーは、
EAODM、さらにエチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマーである。さ
らなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)であ
る。
【0037】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、独立して、エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー(EAODM)である
。さらなる実施形態において、インターポリマーは、エチレン/プロピレン/ジエンター
ポリマー(EPDM)である。さらなる実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-
2-ノルボルネン(ENB)である。
【0038】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、インターポリマーの重量に基づいて、0.5~10.0重量パーセントのポリエン、さ
らに1.0~8.0重量パーセントのポリエン、およびさらに1.5~6.0重量パーセ
ントのポリエンを含む。さらなる実施形態において、ポリエンはジエンである。さらなる
実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0039】
第1のエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマー、さらにEAOD
M、およびさらにEPDMは、本明細書に記載されるように2つ以上の実施形態の組み合
わせを含んでもよい。
【0040】
一実施形態において、組成物は、架橋剤をさらに含む。
【0041】
一実施形態において、組成物は、油をさらに含む。
【0042】
一実施形態において、組成物は、充填剤をさらに含む。適切な充填剤としては、粘土、
CaCO、タルク、カーボンブラック、および鉱物繊維が挙げられるが、これらに限定
されない。一実施形態において、充填剤は、組成物の重量に基づいて、5~30重量%の
量で存在する。
【0043】
一実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つの安定剤をさらに含む。好適
な安定剤としては、AOおよびUV安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の組成物は、本明細書において記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含
んでもよい。
【0045】
本発明はまた、本明細書に記載される1つ以上の実施形態の本発明の組成物から形成さ
れる、架橋組成物も提供する。
【0046】
本発明はまた、本明細書に記載される1つ以上の実施形態の本発明の組成物から形成さ
れる少なくとも1つの構成成分を含む、物品も提供する。さらなる実施形態において、物
品は、異形材、射出成形部品、ガスケット、自動車部品、建築および建設材料、靴構成要
素、ならびに管からなる群から選択される。一実施形態において、物品は、自動車部品で
ある。
【0047】
本発明はまた、本明細書に記載される1つ以上の実施形態の架橋組成物から形成される
少なくとも1つの構成成分を含む、物品も提供する。さらなる実施形態において、物品は
、異形材、射出成形部品、ガスケット、自動車部品、建築および建設材料、靴構成要素、
ならびに管からなる群から選択される。本発明の物品は、本明細書に記載される2つ以上
の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0048】
エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー中の「1000個の総炭素当たり
のY-PE型長鎖分岐」の量を測定するプロセスもまた提供され、前記プロセスが、少な
くとも以下の:
a)ポリマーを溶媒中に溶解して、ポリマー溶液を形成することと、
b)13C NMRを用いて20℃~200℃の分析温度でポリマー溶液を分析し、1
3C NMRスペクトルを生成することと、を含み、
ポリマーが、34.0ppm~35.0ppmの範囲内に位置するピーク最大値を有す
るアルファ炭素の信号(Y-PEα信号)を有する「Y-PE型長鎖分枝」を有し、ポリ
マーが、以下の式Aから決定される「Y-PE型長鎖分枝」の量(AY-PE)を有し、
Y-PE=(Y-PEαピーク面積)/3(式A)式中、「Y-PEαピーク面積」
は、34.0ppm~35.0ppmの範囲内に位置するY-PEα信号のピーク下の面
積を積分することによって決定され、
「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分枝」の量が、全13C NMRスペク
トル下の面積を積分して、面積Aを得て、次いでAから「溶媒(S)起因のピーク面積」
の面積を差し引いて、「ポリマー(P)起因の総ピーク面積」を得ることによって決定さ
れ、「1000個の炭素当たりのY-PE型長鎖分枝」が、以下の式B:
1000個の炭素当たりのY-PE型長鎖分枝=(AY-PE/P)×1000個の炭
素(式B)、から決定され、
Y-PEα信号の位置が、対照ポリマーの13C NMRスペクトルに対する13C
NMRスペクトルを比較することによって決定され、
対照ポリマーが、0.910~0.930g/ccの密度、および0.50~2.00
g/ccのメルトインデックス(I2)を有するエチレン/1-オクテンコポリマーであ
る、方法。
【0049】
一実施形態において、ステップbについて、13C NMR分析は、パルス遅延=≧(
5×T1)を使用し、式中、T1は、エチレン骨格のスピン-格子緩和時間である。
【0050】
一実施形態において、ステップbについて、13C NMR分析は、クライオプローブ
を使用する。さらなる実施形態において、プローブは、≧50℃、または≧60℃、また
は≧70℃、または≧80℃、または≧90℃、または≧100℃、または≧110℃、
または≧120℃の温度である。別の形態において、プローブは、≦160℃、または≦
150℃、または≦140℃、または≦135℃の温度である。
【0051】
一実施形態において、ステップa)について、窒素パージが試料の溶解中に使用される
【0052】
一実施形態において、ステップd)について、ポリマー溶液は、クライオプローブを用
いて分析される。
【0053】
一実施形態において、ポリマーはEPDMである。
【0054】
本明細書で使用される「クライオプローブ」という用語は、電気抵抗および他の要因に
よる電子ノイズを低減するために、両方とも寒剤(窒素ガスおよび/またはヘリウムガス
)で冷却されるRFコイルおよび前置増幅器を有するNMRプローブを指す。このプロー
ブはまた、低温(例えば≦25℃)および高温(例えば≧120℃)でNMRを作動させ
ることもできる。例えば、「Z.Zhou,R.Kuemmerle,J.C.Stev
ens,D.Redwine,Y.He,X.Qiu,R.Cong,J.Klosin
,N.Montanez,G.Roof,13C NMR of Polyolefin
s with a New High Temperature 10 mm Cryo
probe,Journal of Magnetic Resonance,2009
,200,328」を参照されたい。
【0055】
一実施形態において、溶媒は、重水素化溶媒である。本明細書で使用される「重水素化
溶媒」という用語は、少なくとも1個の水素原子(「H」)が重水素(重水素)同位体(
「D」)で置き換えられている溶媒の同位体分子種を指す。
【0056】
13C NMRプロセスは、オンラインでもオフラインでも、他の分析方法、例えば、
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、昇温溶出分別(TREF)、結晶化溶出分別(
CEF)、または熱勾配相互作用クロマトグラフィー(TGIC)、と接続することがで
きる。
【0057】
エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマー
本明細書に記載される本発明の組成物用のエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエン
インターポリマーは、重合形態で、エチレン、α-オレフィン、および非共役ポリエンを
含む。α-オレフィンの適切な例として、C3-C20α-オレフィン、さらなにC3-
C10α-オレフィン、および好ましくはプロピレンが挙げられる。非共役ポリエンの適
切な例として、C4-C40非共役ジエンが挙げられる。
【0058】
α-オレフィンは、脂肪族化合物または芳香族化合物のいずれかであってもよい。α-
オレフィンは、好ましくはC3-20の脂肪族化合物、好ましくはC3-16の脂肪族化
合物、より好ましくはC3-10の脂肪族化合物である。好適なC3-C10脂肪族α-
オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群
から選択され、より好ましくはプロピレンである。さらなる実施形態において、インター
ポリマーは、エチレン/プロピレン/-ジエン(EPDM)ターポリマーである。さらな
る実施形態において、ジエンは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である。
【0059】
例示的な非共役ポリエンとしては、1,4-ヘキサジエンおよび1,5-ヘプタジエン
などの直鎖状非環式ジエン;5-メチル-1,4-ヘキサジエン、2-メチル-1,5-
ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン
、3,7-ジメチル-1,6オクタジエン、3,7-ジメチル-1,7オクタジエン、5
,7-ジメチル-1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、およびジヒドロミルセン
の混合異性体などの分岐鎖状非環式ジエン;1,4-シクロヘキサジエン、1,5-シク
ロオクタジエン、および1,5-シクロドデカジエンなどの単環脂環式ジエン;テトラヒ
ドロインデン、メチルテトラヒドロインデンなどの多環脂環式縮合および架橋環ジエン;
5-メチレン-2-ノルボルネン(MNB)、5-エチリデン-2-ノルボルネン(EN
B)、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-プロペニル-2-ノルボルネン、5-イソプ
ロピリデン-2-ノルボルネン、5-(4-シクロペンテニル)-2-ノルボルネン、お
よび5-シクロヘキシリデン-2-ノルボルネンなどのアルケニル、アルキリデン、シク
ロアルケニル、およびシクロアルキリデンノルボルネンが挙げられる。ポリエンは、EN
B、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン
、好ましくは、ENB、ジシクロペンタジエン、および1,4-ヘキサジエン、より好ま
しくは、ENBおよびジシクロペンタジエン、さらにより好ましくは、ENBからなる群
から選択される非共役ジエンであるのが好ましい。
【0060】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、独立して、インターポリマーの重量に基づいて、過半量の重合エチレンを含む。さらな
る実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、
エチレン/α-オレフィン/デンインターポリマーである。さらなる実施形態では、イン
ターポリマーはEPDMである。さらなる実施形態において、ジエンはENBである。
【0061】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは
、それぞれ独立して、2.00~3.00、さらに2.05~2.95、さらに2.10
~2.90、さらに2.15~2.85の分子量分布(Mw/Mn)を有する。さらなる
実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、エ
チレン/α-オレフィン/デンインターポリマー(EAODM)である。さらなる実施形
態では、インターポリマーはEPDMである。さらなる実施形態において、ジエンはEN
Bである。
【0062】
一実施形態において、エチレン/αオレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、
≦100、または≦90、または≦80のムーニー粘度(ML 1+4、125℃)を有
する。さらなる実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインター
ポリマーは、エチレン/α-オレフィン/デンインターポリマーである。さらなる実施形
態では、インターポリマーはEPDMである。さらなる実施形態において、ジエンはEN
Bである。一実施形態において、エチレン/αオレフィン/非共役ポリエンインターポリ
マーは、≧20、または≧30、または≧40のムーニー粘度(ML 1+4、125℃
)を有する。さらなる実施形態において、エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンイ
ンターポリマーは、エチレン/α-オレフィン/デンインターポリマーである。さらなる
実施形態では、インターポリマーはEPDMである。さらなる実施形態において、ジエン
はENBである。ムーニー粘度は、ニートインターポリマーのムーニー粘度である。ニー
トポリマーは、充填剤を含まず、オイルを含まないポリマーを指す。
【0063】
エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーは、本明細書に記載され
るように2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。エチレン/α-オレフィン/
ジエンインターポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含
んでもよい。EPDMターポリマーは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み
合わせを含んでもよい。
【0064】
架橋剤
架橋剤としては、元素硫黄、4,4’-ジチオジモルホリン、チウラムジ-およびポリ
スルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、および2-モルホリノ-ジチオベンゾチ
アゾールなどの硫黄含有化合物;過酸化ジ-tertブチル、過酸化tertブチルクミ
ル、過酸化ジクミル、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tertブチルペルオキシ)ヘ
キサン、ジ-(tertブチル-ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tertブチルペ
ルオキシベンゾエート、および1,1-ジ-(tertブチルペルオキシ)-3,3,5
-トリメチルシクロヘキサンなどの過酸化物;亜鉛、マグネシウム、および鉛酸化物など
の金属酸化物;p-キノン-ジオキシムおよびp,p’-ジベンゾイルキノン-ジオキシ
ムなどのジニトロソ化合物;ヒドロキシメチル官能基またはハロメチル官能基を含有する
フェノール-ホルムアルデヒド樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。本発明にお
ける使用のためのこれらの加硫剤のいずれかの適合性は、調合技術の当業者には周知であ
るように、ポリマーの選択によって大きく支配される。硫黄は、結晶質元素硫黄または非
晶質元素硫黄であり得、どちらの種類も純粋な形態であり得るか、または不活性担体上に
担持され得る。担持硫黄の例は、Rhein ChemieのRhenogran S-
80(80%Sおよび20%不活性担体)である。
【0065】
本発明の一実施形態において、硫黄含有化合物および過酸化物は好ましい架橋剤であり
、硫黄含有化合物が最も好ましい。これらの加硫剤の混合物は、使用することができると
考えられるが、これは一般的には好ましくないと考えられる。加硫剤の量は、組成物中の
ポリマー100部に基づいて、約1~10重量部の範囲であり得る。使用される加硫温度
および時間は通常のものである。約250°F~約440°Fの範囲の温度、および約1
分~約120分の範囲の時間が、使用され得る。
【0066】
追加の架橋剤としては、フェノール樹脂、アジド、アルデヒド-アミン反応生成物、ビ
ニルシラン、ヒドロシリル化、置換尿素、置換グアニジン、置換ザンテート、置換ジチオ
カルバメート、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。En
cyclopedia of Chemical Technology,Vol.17
,2nd edition, Interscience Publishers,19
68、またOrganic Peroxides,Daniel Seern,Vol.
1,Wiley-Interscience,1970を参照されたい、これらは参照に
よりその全体が本明細書に組み込まれる。架橋剤は、シラングラフトインターポリマー用
に、任意の架橋助剤と共にフェノール系硬化剤または過酸化物硬化剤、またはヒドロシリ
ル化触媒と共にヒドロシリル化架橋剤、または任意の架橋助剤アルミナ三水和物(「AT
H」)と共にジブチルスズジラウレート(「DBTDL」)であり得る。フェノール樹脂
およびSnCl2がEPDM硬化に使用される(過酸化物、または硫黄もしくはヒドロシ
リル化硬化系も使用することができる)。好適な過酸化物としては、芳香族ダクチルパー
オキサイド、脂肪族ダクチルパーオキサイド、二塩基酸パーオキサイド、ケテンパーオキ
サイド、アルキルパーオキシエステル、アルキルヒドロパーオキサイド(例えば、ジアセ
チルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ビス-2,4-ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルペルオキソド、ter
t-ブチルパーベンゾエート、tert-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ビス(
t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ビス(t-ブチルパーオ
キシ)-2,5-ジメチルヘキシン-3、4,4,4’,4’-テトラ-(t-ブチルパ
ーオキシ)-2,2-ジシクロヘキシルプロパン、1,4-ビス-(t-ブチルパーオキ
シイソプロピル)-ベンゼン、1,1-ビス-(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-
トリメチル-シクロヘキサン、ラウロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、シ
クロヘキサノンパーオキサイド、t-ブチルパーアセテート、ブチルヒドロパーオキサイ
ドなど)が挙げられるが、これらに限定されない。架橋剤は、本明細書に記載される2つ
以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0067】
オイル
オイルとしては、芳香油およびナフテン油などの石油:ポリアルキルベンゼン油;アル
キルおよびアルコキシアルキルオレエートおよびステアレートなどの有機酸モノエステル
;ジアルキル、ジアルコキシアルキル、およびアルキルアリールフタレート、テレフタレ
ート、セバケート、アジペート、およびグルタレートなどの有機酸ジエステル;トリ-、
テトラ-、およびポリエチレングリコールジアルカノエートなどのグリコールジエステル
;トリアルキルトリメリテート;トリアルキル、トリアルコキシアルキル、アルキルジア
リール、およびトリアリールホスフェート;塩素化パラフィン油;クマロン-インデン樹
脂;松のタール;ヒマシ油、トール油、菜種油、大豆油などの植物油、ならびにそれらの
エステルおよびエポキシ化誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
一実施形態において、オイルは、組成物の重量に基づいて、5~70重量パーセント、
さらに5~60重量パーセント、さらに5~50重量パーセントの量で存在する。一実施
形態において、オイルは、非芳香族油、パラフィン油、ナフテン油、およびそれらの組み
合わせからなる群から選択される。好適なオイルとしては、SUNPAR 2280、P
ARALUX 6001、HYDROBRITE 550、およびCALSOL 555
0が挙げられるが、これらに限定されない。オイルは、本明細書に記載される2つ以上の
実施形態の組み合わせを含んでもよい。
【0069】
添加剤
本発明の組成物は、1つ以上の追加の添加剤を含んでもよい。好適な添加剤としては、
充填剤、酸化防止剤およびオゾン分解防止剤、UV安定剤、難燃剤、着色剤または顔料、
ならびにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。充填剤としては、
カーボンブラック、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムの
各ケイ酸塩、およびそれらの混合物;カルシウム、マグネシウムの各炭酸塩、およびそれ
らの混合物;ケイ素、カルシウム、亜鉛、鉄、チタン、およびアルミニウムの各酸化物;
カルシウム、バリウム、鉛の各硫酸塩;アルミナ三水和物;水酸化マグネシウム;天然繊
維、合成繊維などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの酸化防止剤および
オゾン分解防止剤としては、ヒンダードフェノール、ビスフェノール、およびチオビスフ
ェノール、ならびに置換ヒドロキノンが挙げられるが、これらに限定されない。アゾジカ
ルボンアミドなどの発泡剤は、フォーム構造を作製するために使用することができる。
【0070】
一実施形態では、本発明の組成物は、熱可塑性ポリマーをさらに含む。ポリマーには、
プロピレン系ポリマー、エチレン系ポリマー、およびオレフィンマルチブロックインター
ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。好適なエチレン系ポリマーとしては、高
密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポ
リエチレン(VLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、均質に分岐した直鎖
状エチレンポリマー、および均質に分岐した実質的直鎖状エチレレンポリマー(すなわち
、均質に分岐した長鎖分岐状エチレンポリマーである)が挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0071】
用途
本発明の組成物は、様々な物品もしくは製品、またはそれらの構成部品または部分を調
製するために使用することができる。本発明の組成物は、いくつかの従来のプロセスおよ
び装置のうちのいずれか1つによって完成品に変換することができる。例示的なプロセス
としては、押出成形、カレンダー加工、圧縮成形、および他の典型的な熱硬化性材料形成
プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
物品としては、シート、発泡体、成形品、および押出部品が挙げられるが、これらに限
定されない。追加の物品としては、自動車部品、ウェザーストリップ、ベルト、ホース、
建築異形材、電線およびケーブル外被、床材、ガスケット、タイヤおよびタイヤ部品、コ
ンピュータ部品、建築材料、および履物構成要素が挙げられる。当業者は、過度の実験を
行わずにこのリストを容易に増補することができる。
【0073】
定義
別途記載がない限り、文脈から暗黙的に、または本技術分野において慣習的でない限り
、全ての部分および割合は重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日の時点で現行
のものである。
【0074】
本明細書で使用する用語「組成物」は、組成物を含む材料(複数可)、ならびに組成物
の材料から形成された反応製品および分解製品を含む。任意の反応製品または分解製品は
、典型的には、微量または残留量で存在する。
【0075】
本明細書で使用する用語「ポリマー」は、同じまたは異なる種類に限らずモノマーを重
合することによって調製されたポリマー化合物を指す。したがって、一般的な用語のポリ
マーは、用語のホモポリマー(微量の不純物がポリマー構造に取り込まれ得るという理解
の下に、唯一の種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、およ
び本明細書において以下に定義されるような用語のインターポリマーを包含する。触媒残
渣等の微量の不純物をポリマー中および/またはポリマー内に取り込むことができる。本
明細書で使用される「インターポリマー」という用語は、少なくとも2種の異なる種類の
モノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、用語のインターポリマ
ーは、用語のコポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すた
めに用いられる)、および3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを含
む。
【0076】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、過半重量パーセン
トのエチレン(ポリマーの重量に基づく)を重合形態で含むポリマーを指し、任意に1つ
以上のコモノマーを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「エチレン系インターポ
リマー」という用語は、過半重量パーセントのエチレン(インターポリマーの重量に基づ
く)、および少なくとも1種のコモノマーを重合形態で含むポリマーを指す。
【0077】
本明細書で使用される用語「エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリ
マー」は、重合形態で、エチレン、α-オレフィン、および非共役ポリエンを含むポリマ
ーを指す。一実施形態において、「エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインター
ポリマー」は、(インターポリマーの重量に基づいて、)過半重量パーセントのエチレン
を含む。
【0078】
本明細書で使用される用語「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー」は
、重合形態で、エチレン、α-オレフィン、およびジエンを含むポリマーを指す。一実施
形態において、「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー」は、(インター
ポリマーの重量に基づいて、)過半重量パーセントのエチレンを含む。
【0079】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、
重合形態において、2種類のみのモノマーとして、過半量のエチレンモノマー(コポリマ
ーの重量に基づいて)、およびα-オレフィンを含むコポリマーを指す。
【0080】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、主要量のプロピ
レンモノマー(ポリマーの重量に基づく)を重合形態で含むポリマーを指し、任意に1つ
以上のコモノマーを含んでもよい。
【0081】
用語の「~を含む(comprising)」、「~を含む(including)」
、「~を有する(having)」およびそれらの派生語は、それらが具体的に開示され
ているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を除外する
ことを意図するものではない。曖昧さを避けるために、用語「含む」を使用して請求され
る全ての組成物は、別途記載がない限り、任意の追加の添加剤、アジュバント、またはポ
リマー化合物であるか否かにかかわらず化合物を含んでもよい。対照的に、「本質的に~
から成る」という用語は、操作性に必須ではないものを除いて、あらゆる後続の記載の範
囲から、任意の他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「から成る」という用
語は、具体的に規定または列挙されていない任意の構成要素、ステップ、または手順を除
外する。
【0082】
試験方法
ポリマーのMn、Mw、Mz、MWD、およびLCBf用GPC(従来型)
赤外線濃度/組成検出器(IR-5)、PDI2040レーザー光散乱(Precis
ion Detector、現在Agilent)、および四毛細管ブリッジ粘度計(V
iscotek、現在Malvern)からなるPolymerChar(Valenc
ia,Spain)高温ゲル浸透クロマトグラフィーシステムを、MWおよびMWDの決
定に使用した。担体溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)であった。溶媒
送出ポンプ、オンライン溶媒脱ガス器、オートサンプラー、およびカラムオーブンは、A
gilent製であった。オートサンプラーおよび検出器区画を160℃で操作し、カラ
ム区画を150℃で操作した。カラムは、4本のPLgel Mixed-A LS、2
0ミクロンカラム(Agilent)であった。クロマトグラフィー溶媒および試料調製
溶媒は、250ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有しており、両溶媒
供給源ともに窒素散布を行った。コンピュータ制御天秤により試料を秤量し、計算量の溶
媒をオートサンプラーシステムにより供給することにより、ポリマー試料を2mg/mL
の目標濃度で調製した。試料を穏やかに撹拌しながら160℃で3時間溶解した。注入量
は200μlであり、流量は1.0mL/分であった。
【0083】
GPCカラムセットの較正は、21の狭い分子量分布のポリスチレン標準物を用いて行
った。標準物の分子量は、580~8,400,000g/molの範囲であり、個々の
分子量の間に少なくとも一桁の間隔を置いて6つの「カクテル」混合物中に配置した。ポ
リスチレン標準ピーク分子量を、以下の式(Williams and Ward,J.
Polym.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に
記載されている):
【0084】
【数1】
【0085】
(式中、Mは分子量であり、Aは0.4316の引用値を有して、既知の分子量を用い
、Dow内部基準を使用してさらに決定され、Bは1に等しい)を用いてポリエチレン分
子量に変換した。対数分子量較正を、溶離体積の関数として5次多項式フィットを用いて
生成する。TCB中の希釈デカンの流量マーカーを使用して、全ての試料について流量を
直線的に補正した。ポリスチレン標準品を、TCB中で、1,000,000未満の分子
量については1mg/mlで、1,000,000を超える分子量については0.5mg
/mlで調製し、室温で一晩膨潤させた。標準物質の加熱時間は、注入前20分であった
【0086】
質量検出器定数、レーザー光散乱検出器定数、および粘度計検出器定数を、重量平均分
子量の既知の値(120,000g/mol、dn/dc=-0.104mL/g)およ
び固有粘度(1.873dL/g)を用い、Dow内部基準を使用して決定した。クロマ
トグラフィー濃度は、第2のビリアル係数効果(分子量に対する濃度効果)への対処を排
除するのに十分に低いと仮定された。
【0087】
検出器オフセットの決定のための体系的手法は、Balke, Moureyらによっ
て公開されたもの(Mourey and Balke, Chromatograph
y Polym.Chpt 12,(1992))(Balke,Thitiratsa
kul,Lew,Cheung,Mourey,Chromatography Pol
ym.Chpt 13, (1992))に一致する様式で実行された。広い直鎖状ポリ
エチレンホモポリマー(120,000g/mol)および狭いポリスチレン標準のダウ
基準を分析しながら、2つの検出器から得られたデータを使用した。体系的手法を用いて
各検出器オフセットを最適化し、従来のGPC法を用いて観察されたものにできるだけ近
い分子量結果を得た。
【0088】
試料の絶対重量平均分子量Mwは、以下の式:
【0089】
【数2】
【0090】
【数3】
【0091】
【数4】
【0092】
IR-5検出器の応答面積であり、KLSは、既知の濃度および120,000g/モ
ルの重量平均分子量を用い、Dow内部基準を使用して決定された機器定数である)を用
いてLS検出器およびIR-5濃度検出器によって特徴付けられた。各溶離容量の絶対分
子量は、以下によって計算された。
【0093】
【数5】
【0094】
試料の固有粘度は、以下の式:
【0095】
【数6】
【0096】
【数7】
【0097】
【数8】
【0098】
IR-5検出器の応答面積であり、KIVは、既知の濃度および1.873dL/gの
固有粘度を用い、Dow内部基準を使用して決定された機器定数である)を用いて粘度計
検出器およびIR-5濃度検出器によって特徴付けられた。
【0099】
各溶離容量の固有粘度は、以下によって計算された。
【0100】
【数9】
【0101】
エラストマー樹脂を、g’を計算するための線形基準として使用されたDow線形ポリ
エチレン基準を用いて試験した。
【0102】
【数10】
【0103】
ここで、計算は、線形基準試料中の等価絶対分子量でのIVi、線形基準を利用する。
IVi、線形基準スライスは、Mark-Houwinkプロット基準の5次多項式フィ
ットから計算される。
【0104】
本明細書における線形エラストマー基準は、特徴付けられた樹脂にあるように、「正確
に」同じ量のコモノマーを有するエラストマーとして定義された。この線形エラストマー
基準のMark-Houwinkプロットは、測定されたMW範囲内の線形ホモポリエチ
レン(同じDow内部基準)と平行であり、この場合のMWDピーク位置でのエラストマ
ー樹脂のMark-Houwinkプロットと重なる。このプロセスは、エラストマー中
のコモノマーを指す短鎖分岐によって引き起こされるg’変化を分離するためのエラスト
マーの「短鎖分岐(SCB)補正」と見なされる。MWDと共にSCBおよびSCB分布
は、検出器IR-5の組成モードを用いることによって決定され得る。本明細書で使用さ
れる「SCB重量%」は、特にエラストマー中に複数のコモノマーが存在する場合、一貫
し得るがエラストマー中のコモノマー重量分率と厳密には等しくないかもしれない実験値
である。
【0105】
絶対分子量および固有粘度に「SCB補正」を導入することによって、組み込みの実験
値によって決定されるに従ってファクターg’が減少し、したがってコモノマーによって
引き起こされる効果が排除された。各エラストマー試料中のコモノマー濃度に基づいて、
「SCB補正」は異なり得る。これは「SCB重量%」濃度の値(単一の一定ファクター
または分子量の関数としてのコモノマー組み込み分布を表す変数のいずれか)を調節する
ことによって達成された。
【0106】
「SCB補正」後のg’値(gLCB’)を、gLCB値に変換した。ここで、gLC
は、Zimm-Stockmayer分岐ファクター(B.H.Zimm and W
.H.Stockmayer,J.Chem.Phys.17,1301,1949)で
あり、これは、式7:
【0107】
【数11】
【0108】
(式中、εは、大部分のポリマーについて0.5~0.8の間の値を有し、0.5の実
験値がこの場合に使用される)を用いて計算される。
【0109】
各ポリマー鎖中の長鎖分岐数を、Zimm and Stockmayerによって公
開された式8:
【0110】
【数12】
【0111】
(式中、Bは、ポリマー鎖1つ当たりの数平均分岐数である)を用いて計算した。B
の値は、1000個の炭素当たりの単位で長鎖分岐頻度(LCBf)値に変換され、そ
のポリマー鎖は、14,000g/モルの分子量に等しい1000個の飽和炭素と一致す
る。
【0112】
重量%C2、重量%ENBについてのEPDM組成分析のためのFTIR法
エチレン、プロピレン、および5-エチリデン-2-ノルボルネンを含有するターポリ
マーを、そのエチレン含有量についてはASTM D3900を用い、そのエチリデン-
ノルボルネンまたはジシクロペンタジエン含有量についてはASTM D6047を用い
て分析した。
【0113】
EPDM組成分析-iCBIおよびタクティシティ(%mm)のための13C NMR

クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中「0.025M」である「テトラクロロエタ
ン-d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」約「2.6g」を、10mmの
NMR管内の「試料0.2g」に添加することによって、試料を調製した。チューブおよ
びその含有物を150℃に加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。データは
、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えた、Bruker40
0MHz分光計を使用して収集した。データを、データファイル当たり160回のスキャ
ン、6秒のパルス繰り返し遅延を用いて、120℃の試料温度で取得した。その取得は、
25,000Hzのスペクトル幅および32Kデータポイントのファイルサイズを使用し
て実行した。
【0114】
実施例の各組成のNMRスペクトル分析を、以下の分析方法を用いて実行した。EPD
M中に存在するモノマーの定量はまた、以下の式(1~9)を用いて計算することもでき
る。エチレンのモルの計算は、55.0~5.0ppmのスペクトル領域を1000の積
分単位に正規化する。正規化された積分面積の下の寄与は、ENB炭素のうちの7つのみ
を占める。二重結合が高温で反応する可能性があるため、111および147ppmのE
NBジエンピークを計算から除外する。
【0115】
【数13】
【0116】
プロピレンタクティシティ%mm面積13C NMR
タクチシティレベル%mmを定量するためのEPDMの13C NMRスペクトル分析
を、上記に記載されたように、「テトラクロロエタン-d2/オルトジクロロベンゼンの
50/50混合物」中で行った。本発明のEPDMのNMRスペクトル分析(上記参照)
は、19.3~22.4ppmの総積分面積の3.5%より大きい21.3~22.4p
pmのピーク面積を示した。比較EPDMの同様のスペクトル分析は、19.3ppm~
22.4ppmの総積分面積の3.5%未満を示した。スペクトルデータは、30ppm
でのEEE骨格を基準とした。この領域におけるピーク応答は、典型的には、EPDMに
組み込まれたプロピレンタクティシティ(% mm)の差異に関連する。別の種類のエチ
レン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーについても同様の分析を行うこ
とができる。
【0117】
中間鎖分岐%面積13C NMR
中間鎖分岐のレベルを定量するためのEPDMの13C NMRスペクトル分析を、3
4.6~34.4ppm領域中のスペクトル分解能を向上させるために、0.025Mク
ロムアセチルアセトネートを含むテトラクロロエタン-d2を用いて行った。試料を、1
0mmNMR管中の「試料0.3g」に、「0.025Mクロムアセチルアセトネートを
含むテトラクロロエタン-d2」約「2.6g」を添加することによって調製した。チュ
ーブおよびその含有物を140℃に加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。
データは、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えた、逆ゲート
NMRパルスを用いたBruker400MHz分光計を使用して収集した。データは、
データファイル毎8000回のスキャン、7.3秒のパルス繰り返し遅延を使用して、1
20℃の試料温度で取得した。スペクトルデータは、30ppmでのEEE骨格を基準と
した。
【0118】
さらに、本発明のEPDMの13C NMRスペクトル分析は、34.4~34.6p
pmの範囲内にメチレンピークを示し、それは160.0~100.0ppmおよび60
.0~0.00ppmの総積分面積(テトラクロロエタン溶媒を除く全スペクトル)の0
.01%より大きい。比較EPDMの同様のスペクトル分析は、160.0ppm~10
0.0ppmおよび60.0ppm~0.00ppmの総積分面積(テトラクロロエタン
溶媒を除く全スペクトル)の0.01%未満を示した。観察された34.6ppm~34
.4ppmのピーク面積を、炭素1000個あたりの中間鎖分岐指数(iCBI)に変換
するために、34.6ppm~34.4ppmの面積に3.33を乗じて、分岐を囲む3
個のアルファ炭素を計算する(3個のアルファ炭素で除した10個の炭素)。本発明のE
PDMは、炭素1000個あたり0.03分岐を超えるiCBIを示した。
【0119】
動的機械分光法(DMS)
小角振動せん断(溶融DMS)を、窒素パージ下で、「25mm平行板」を備えたTA
Instruments ARESを使用して行った。試料の装填から試験の開始まで
の時間は、全ての試料について5分に設定した。実験は、0.1~100ラジアン/秒の
周波数領域にわたって、190℃で行われた。ひずみ振幅は、試料の応答に基づいて、1
~3%に調整した。応力応答を、振幅および位相の観点から分析し、その分析から、貯蔵
弾性率(G’)、損失弾性率(G”)、動的粘度η*、およびタンデルタを計算した。動
的機械分光法のための試験片は、「直径25mm×厚さ3.3mm」の圧縮成形ディスク
であり、180℃および10MPaの成形圧力で5分間形成され、次いで冷却プラテン(
15~20℃)間で2分間急冷された。レオロジー特性(190℃におけるV0.1/V
100、「RR」とも称される)、タンデルタ(0.1rad/秒、190℃)、および
タンデルタ(100rad/秒、100℃)を記録した。
【0120】
ショアA硬度
硬度測定を、5秒遅れでショアA型デュロメーター(ASTM D2240)を用いて
測定した。本明細書に記載されるように、デュロメーターを圧縮成形プラーク上に置いた
。報告された5つの測定値の平均。
【0121】
ムーニー粘度
ムーニー粘度(ML1+4、125℃)を、1分間の予熱時間および4分間のロータ動
作時間で、ASTM 1646に準拠して測定した。この器具は、Alpha Tech
nologies Mooney Viscometer 2000である。各配合組成
物のムーニー粘度を、未硬化ブランケットを用いて測定し(実験項参照)、その結果、未
硬化組成物の粘度を検査することができた。試験の前に、試料を室温で24時間調節した
【0122】
MDR分析(硬化特性)
160℃および180℃での各配合物の硬化速度論的プロフィールを、ASTM D5
289に準拠して、Alpha Technology移動ダイレオメーター(MDR)
を用いて測定した。各試験試料を、Alpha Technologiesの試料カッテ
ィングダイ(モデル2000R)を用いて、ASTM D5289、項7および8に準拠
して調製した。MDR試験を、160℃および180℃で30分間にわたって実行した。
各配合組成物についての時間の関数としてのレオロジーまたはトルク曲線を、未硬化のブ
ランケットの試料から測定し、次いでこれをMDR分析中に硬化させた。試験の前に、試
料を室温で24時間調節した。最小S’トルク(ML)、最大S’トルク(MH)、ML
におけるタンデルタ、MHにおけるタンデルタ、および硬化状態の一定割合に達するまで
の時間(例えば、95%硬化状態に達するまでの時間(分)に対応するt95)などの粘
弾特性を、硬化サイクル中に測定した。
【0123】
圧縮成形プラーク
配合物の物理的特性は、圧縮成形機内で硬化した加硫シートから測定した(引張り、圧
縮永久歪み試験、温度収縮について)。未硬化ブランケットからの試料を、圧縮成形機内
で切断、加熱、硬化させて、PHI(100トンプレス)を用いてASTM D3182
に準拠して試験片を作製した。所望の鋳型(6インチ×6インチ、または圧縮ボタン)を
プラテン上に置いた。試料(未硬化ブランケット)を、個々の鋳型キャビティの寸法より
わずかに小さく切断した。ミル方向に印を付け、試料にラベルを付けた。鋳型を、シリコ
ーンの希薄溶液でスプレーブラッシングした。試料を、ミル方向に適切に配置するように
注意しながら、予熱した鋳型の中に入れた。プラテンを閉じた。「通常の」操作圧力は1
00トンで、ゲージには200,000ポンドと表示された。硬化時間が終わると、底部
プラテンが自動的に開いた。試料を取り出し、直ちに水中に置いて硬化を止めた。試験の
前に、試料を室温で24時間調節した。試料を硬化(硬化時間)させるために、試料を、
t95データ(MDRから決定)を用いて、180℃で3.5MPa(500psi)の
最小圧縮圧力で、プラーク用に3分間、圧縮永久歪みボタン用にt95データ(MDRか
ら決定)を用いて15分間加圧した。
【0124】
圧縮永久歪み
圧縮永久歪みを、ASTM D395に準拠して、様々な温度で測定した。直径29m
m(±0.5mm)、厚さ12.7mm(±0.5mm)の圧縮永久歪みボタンを、圧縮
成形の項で説明されるように調製した。各ボタン試料を、ノッチ、不均一な厚さ、および
不均質性について検査し、選択されたボタン(それらの欠陥なし)を試験した。指定され
た温度で、各試料について2つの試験片において圧縮永久歪みを行い、2つの試験片の平
均結果を報告した。ボタン試料を、一緒に押圧することができる2つの金属板を有する圧
縮装置に入れ、ボタン試料の元の高さの75%の所定位置に固定した。圧縮装置は、圧縮
された試料と共に、次にオーブンに置かれ、指定された時間(23℃、70℃または15
0℃で70時間)の間、適切な温度で平衡化された。この試験において、応力は試験温度
で解放され、試料の厚さは30分の平衡期間後に室温で測定された。圧縮永久歪みは、圧
縮後の試料の回復度の測定値であり、式CS=(H0-H2)/(H0-H1):(式中
、H0は、試料の元の厚さであり、H1は、使用したスペーサーバーの厚さであり、H2
は圧縮力を除去した後の試料の最終的な厚さである)に従って計算される。3つの測定値
の平均が報告された。
【0125】
引張り応力-歪み特性
引張り特性を、ASTM D-1708に記載されている寸法を有する小さな「ドッグ
ボーン」形状のマイクロ引張りダイを用いて、打ち抜きされた試験片を用いて測定した。
3つの打ち抜き試験片を、圧縮成形プラークから切り出した。これらを圧縮成形の項に記
載されているように調製した。引張り特性(引張り強さおよび伸び)を、INSTRU-
METによって作製されたINSTRON MODEL 1122の機械方向において、
方法ASTM D-412に従って室温で測定した。3つの測定値の平均が報告された。
【0126】
実験
連続重合
一般的に、米国特許第US5,977,251号および第US6,545,088号、
ならびにそれらの中の参考文献を参照されたい。ポリマー生成物は、連続混合ループ反応
器またはCSTRを用いて、溶液重合プロセスで生成される。
【0127】
エチレンを、ISOPAR E(ExxonMobilから入手可能であるC8-C1
0の飽和炭化水素の混合物)の溶媒、プロピレン、および5-エチリデン-2-ノルボル
ネン(ENB)の混合物中に導入して、反応器供給流を形成する。触媒を別々に反応器に
供給し、共触媒1および共触媒2を使用して原位置で活性化する。結果として、反応器の
出口は、ポリマー、溶媒、および低下したレベルの初期モノマー流の混合物である。ポリ
マーの分子量は、反応器温度、モノマー転化、および/または水素等の連鎖停止剤の添加
を調整することによって制御してもよい。重合反応を、定常状態条件下、すなわち一定の
反応物濃度、ならびに溶媒、モノマー、および触媒の連続的な投入、ならびに未反応のモ
ノマー、溶媒、およびポリマーの取り出しの下で行った。反応器系を、冷却および加圧し
て、気相の形成を防止した。
【0128】
重合後、少量の水を、触媒失活剤として反応器出口流に導入し、反応器出口流を、固形
分濃度が少なくとも100%増加するフラッシュ容器に導入した。次いで、未反応モノマ
ーの一部分、すなわち、ENB、エチレン、およびプロピレン、ならびに未使用の希釈剤
を回収し、必要に応じて反応器供給材料に再循環させた。
【0129】
表1Aおよび1Bは、ループ反応器中で本発明の実施例1を生成するために使用される
反応条件を概説する。ループ反応器の反応器容積は30.6ガロンである。ポリマーを回
収し、ペレット化する。表2Aおよび2Bは、CSTR反応器中で本発明の実施例2を生
成するための反応条件を含む。重合条件を表1A、1B、2Aおよび2Bに示す。
【0130】
本発明試料および比較試料の両方のポリマー特性を表3に示す。本発明の組成物が、分
子量、粘度、およびレオロジー特性の独特の組み合わせを有することが見出された。その
ような特徴は、カーボンブラック、オイル、硬化剤、タルク、炭酸カルシウム、および他
の添加剤などのゴム配合物に添加される構成成分の微細分散を得るために重要である。ゴ
ム混合操作、ならびに押出異形材、射出成形物品、圧延物品、カレンダー物品、および圧
縮成形物品のような最終物品の加工において利益が期待される。本発明の組成物は、Ta
nD/RR>-1.13E-06*Mw+0.37(式中、TanDは、190℃での0
.1Rad/秒でのタンデルタであり、RRは、190℃でのレオロジー比V0.1/V
100であり、Mwは、重量平均分子量である)で示されるように、直鎖状レオロジーポ
リマーの分岐対分子量関係の特性を有するエチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンを
含む。
【0131】
【表1A】
【0132】
【表1B】
【0133】
【表2A】
【0134】
【表2B】
【0135】
【表3】
【0136】
【表4】
【0137】
13C NMR分析
「NMR LCB」は、典型的には、>6個の炭素を有し、以下の構造を有する鎖とし
て定義され、これは、概略図Aに示されるように、Y-PE型LCBと称される。概略図
Aにおいて、各「P表記」は、ポリマー分子のそれぞれの残りの部分を表す。典型的には
、各「P」表記は、他の2つの「P」表記と比較して異なるポリマー構造を表す。
【0138】
【化1】
【0139】
NMR分析に使用される溶媒は市販されており、さらに精製することなく使用された。
例えば、99.5%の純度Dを有する1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2(TC
E-d2)は、 Cambridge Isotope Laboratories,
Inc.(CIL)から入手可能である。
【0140】
表5は、2つのEPDMポリマーのいくつかの特性を列挙する。分子量情報は、従来の
GPCからのものである。
【0141】
【表5】
【0142】
対照ポリマーは、DOWLEX 2045G(エチレン/1-オクテンコポリマー、密
度0.9180~0.9220g/cc、メルトインデックス(I2)0.85~1.1
5g/10分、The Dow Chemical Companyから入手可能)であ
る。
【0143】
13C NMR-対照ポリマーの分析
クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中「0.025M」である「テトラクロロエタ
ン-d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物」約「2.6g」を、10mmの
NMR管内の「試料0.2g」に添加し、次いで、そのポリマー溶液を10分間窒素パー
ジすることによって、ポリマー試料を調製した。チューブおよびその含有物を140℃に
加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。データは、Bruker Dual
DUL高温CryoProbeを備えた、Bruker400MHz分光計を使用して
収集した。逆ゲーテッドデカップリング(Z.Zhou,et al.,“A new
decoupling method for accurate quantific
ation of polyethylene copolymer composit
ion and triad sequence distribution with
13C NMR,”Journal of Magnetic Resonance,
2007,187,225を参照されたい)、7.3秒のパルス繰り返し遅延、試料温度
120℃を用いて、「データファイル当たり320スキャン」を使用してデータを取得し
た。その取得は、25,000Hzのスペクトル幅および32Kデータポイントのファイ
ルサイズを使用して実行した。対照ポリマーのそれぞれの13C NMRスペクトルから
の関連するピークを表6に示す。分析には0.5~1時間要した。
【0144】
13C NMRスペクトルを図2に示す。エチレン/1-オクテンコポリマー中のBr
炭素、アルファ炭素、およびベータ炭素は、Y-PE型LCB中のBr炭素、アルファ炭
素、およびベータ炭素が有するものと同様の13C NMR化学シフトを有し、この試料
は、参考として使用され、以下の研究におけるLCB 13C NMR信号を割り当てる
【0145】
【表6】
【0146】
13C NMR-定量(EPDM 1、EPDM 2)
「(クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中「0.025M」であるテトラクロロエ
タン-d2)溶媒約2.6g」を、「10mmのNMR管内のポリマー試料0.3g」に
添加し、次いで、そのポリマーを含む溶液を10分間窒素パージすることによって、各ポ
リマー試料を調製した。チューブおよびその含有物を140℃に加熱することによって、
試料を溶解し、均質化した。13C NMRスペクトルは、BRUKER Dual D
UL高温CryoProbeを備えた、BRUKER 400 MHz NMR分光計を
使用して収集した(Z.Zhou,et al,J.Magn.Reson.,2009
,200,328.[C&E News,2009,87,37]を参照されたい)。
【0147】
逆ゲーテッドデカップリング(Z.Zhou,et al.,“A new deco
upling method for accurate quantificatio
n of polyethylene copolymer composition
and triad sequence distribution with 13C
NMR,”Journal of Magnetic Resonance,2007
,187,225を参照されたい)を用いて、データファイル当たり8000スキャンを
使用してデータを取得した。パルス繰り返し遅延は7.3秒であり、分析温度は120℃
であった。そのデータ取得は、25,000Hzのスペクトル幅および32Kデータポイ
ントのファイルサイズを使用して実行した。スペクトルデータは、30.0ppmでのE
EE骨格(エチレン骨格)を基準とした。結果を表7に示す。各分析には16~17時間
要した。
【0148】
EPDM 1およびEPDM 2(Y-PE型LCB)
Y-PEαの化学シフトは34.56ppmであり、溶媒の化学シフトは74.71p
pm、74.43ppm、および74.16ppmである。EPDM 1とEPDM 2
の関連する統合面積を表7に示す。各面積は、市販のソフトウェアMestReNova
10.0(Mestrelab Researchから入手可能)を用いて決定した。
ピーク面積の積分のために、ピークの左側からピークの右側へ垂直線が引かれ、ピークと
ベースラインとの間に囲まれた面積が、前述のソフトウェアを用いて決定される。例えば
図3図4を参照されたい。
【0149】
【表7】
【0150】
EPDM 1の13C NMRスペクトルを図3に示す。ここで、AY-PEは0.3
33であり、Pは1294であり、LCBレベルは、「1000炭素あたりのY-PE型
長鎖分岐」=[AY-PE/P]×1000個の炭素(式B)を用いて決定される「0.
257 LCB/1000個の炭素」である。
【0151】
EPDM 2の13C NMRスペクトルを図4に示す。ここで、AY-PEは0.333であり、Pは15990であり、LCBレベルは、「1000炭素あたりのY-PE型長鎖分岐」=[AY-PE/P]×1000個の炭素(式B)を用いて決定される「0.021 LCB/1000個の炭素」である。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーを含む組成物であって、前記エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーが以下の特性を含む、組成物。
13C NMRによって決定される、{[(34.4ppm~34.6ppmの13C NMRピーク面積)/(160.0ppm~100.0ppmおよび60.0ppm~0.00ppmの13C NMR合計積分面積)]×100}、すなわち「13C NMR % iCBピーク面積」が、>0.010%である。
項2.
前記エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーが、1000個の炭素当たり、>0.03の中間分岐(iCB)量を有する、項1に記載の組成物。
項3.
前記エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーが、40~100のムーニー粘度(ML 1+4、125℃)を有する、項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
項4.
前記エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーが、100,000~500,000g/モルの重量平均分子量Mwを有する、項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
項5.
前記エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーが、2.00~3.20のMWDを有する、項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
項6.
前記エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーが、TanD/RR>-1.13E-06(モル/g)×Mw+0.37を有し、式中、TanDは、0.1rad/秒、190℃におけるタンデルタであり、RRは、V0.1/V100(190℃)の比であり、Mwは、従来のGPCによって決定される重量平均分子量である、項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
項7.
前記組成物が、前記組成物の全てのポリマー構成成分の合計重量に基づいて、80~99重量パーセントの前記エチレン/α-オレフィン/非共役ポリエンインターポリマーを含む、項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
項8.
項1~7のいずれか一項に記載の組成物から形成された架橋組成物。
項9.
項1~8のいずれか一項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品。
項10.
エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー中の「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分岐」の量を測定する方法であって、前記方法が、少なくとも以下の:
a)前記ポリマーを溶媒中に溶解して、ポリマー溶液を形成する工程と、
b)13C NMRを用いて20℃~200℃の分析温度で前記ポリマー溶液を分析し、13C NMRスペクトルを生成する工程と、を含み、
前記ポリマーが、34.0ppm~35.0ppmの範囲内に位置するピーク最大値を有するアルファ炭素の信号(Y-PEα信号)を有する「Y-PE型長鎖分枝」を有し、
前記ポリマーが、以下の式Aから決定される前記「Y-PE型長鎖分枝」の量(AY-PE)を有し、
Y-PE=(Y-PEαピーク面積)/3 (式A)
式中、「Y-PEαピーク面積」は、34.0ppm~35.0ppmの範囲内に位置する前記Y-PEα信号のピーク下の面積を積分することによって決定され、
前記「1000個の総炭素当たりのY-PE型長鎖分枝」の量が、全13C NMRスペクトル下の面積を積分して、面積Aを得て、次いでAから「溶媒起因のピーク面積(S)」の面積を差し引いて、「ポリマー起因の総ピーク面積(P)」を得ることによって決定され、
前記「1000個の炭素当たりのY-PE型長鎖分枝」が、以下の式Bから決定され、
1000個の炭素当たりのY-PE型長鎖分枝
=(AY-PE/P)×1000個の炭素 (式B)
前記Y-PEα信号の位置が、前記13C NMRスペクトルを対照ポリマーの13C NMRスペクトルに対して比較することによって決定され、
前記対照ポリマーが、0.910~0.930g/ccの密度、および0.50~2.00g/ccのメルトインデックス(I2)を有するエチレン/1-オクテンコポリマーである、方法。
図1
図2
図3
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