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特許7254173農業用作業車両の変速機制御装置および農業用作業車両の変速機制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】農業用作業車両の変速機制御装置および農業用作業車両の変速機制御方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/18 20060101AFI20230331BHJP
   F16H 59/50 20060101ALI20230331BHJP
   F16H 59/54 20060101ALI20230331BHJP
   F16H 61/682 20060101ALI20230331BHJP
   F16H 59/56 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
F16H61/18
F16H59/50
F16H59/54
F16H61/682
F16H59/56
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021521180
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 KR2019012187
(87)【国際公開番号】W WO2020080686
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0124485
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0108182
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509023012
【氏名又は名称】エル エス エムトロン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS Mtron Ltd.
【住所又は居所原語表記】127, LS-ro, Dongan-gu, Anyang-si, Gyeonggi-do, 14119 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジフン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジンウン
(72)【発明者】
【氏名】シン、オクシン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ボンジン
【審査官】日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-156919(JP,A)
【文献】特開平3-200431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 59/00-61/12,61/16-61/24,
61/66-61/70,63/40-63/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンによって発生した駆動に対して前後進の変速を遂行する前後進変速部の前後進クラッチおよび前記エンジンによって発生した駆動に対して走行変速を遂行する走行変速部の走行クラッチを含む農業用作業車両の変速機に対する制御方法であって、
前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前後進の変速制御のためのシャトルレバー、走行制御のための走行操作機構、および前記前後進クラッチと前記走行クラッチのうち主クラッチの解除制御のためのクラッチ操作機構を含む操作部の操作状態を確認する段階;
前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前記操作部の操作状態を確認した結果にしたがって前記農業用作業車両を停止させた状態に維持させる走行待機モードに前記変速機を制御する段階;
前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階;および
前記農業用作業車両を走行させる走行モードに前記変速機を制御する段階を含み、
前記操作部の操作状態を確認する段階は、前記シャトルレバーが前記農業用作業車両を前進または後進させるための前後進操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を前進または後進させないためのニュートラル操作状態であるかを確認する段階、前記走行操作機構が、前記農業用作業車両を走行させる走行操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を走行させない走行解除状態であるかを確認する段階、および前記クラッチ操作機構が前記主クラッチを解除させるための解除操作状態であるかまたは前記主クラッチを締結させるための締結操作状態であるかを確認する段階を含み、
前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階は、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記走行操作機構が前記走行解除状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態であり前記シャトルレバーが前記前後進操作状態であるとしても、前記主クラッチに対する締結の解除を維持するように前記変速機を制御しながら前記変速機を前記走行待機モードに切り替える段階を含み、
前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階は、前記走行待機モードで前記走行操作機構が前記走行操作状態であるかまたは前記走行解除状態であるかを確認し、
前記変速機の走行待機モードへの切り替えの後、前記走行モードにおける前記変速機の制御は、前記走行待機モードにおいて前記走行操作機構が前記走行操作状態にあることが特定された場合の、前記走行モードにおける前記変速機の制御を含み、
前記走行モードに前記変速機を制御する段階は、
前記走行操作機構が前記走行操作状態にあり、前記走行操作機構が有する加速操作機構が前記農業用作業車両を加速させる加速操作状態となったことを確認すると、前記加速操作機構の操作の程度によって前記農業用作業車両を走行させる一般走行モードに前記変速機を制御する段階;および
前記走行操作機構が前記走行操作状態にあり、前記加速操作機構が前記農業用作業車両を加速させない加速解除状態となったことを確認すると、前記エンジンがアイドル(Idle)の状態で前記農業用作業車両を走行させるアイドル走行モードに前記変速機を制御する段階を含むことを特徴とする、農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項2】
前記走行待機モードに切り替える段階は
前記前後進クラッチが前記主クラッチに該当する場合、前記前後進クラッチに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに切り替え、
前記走行クラッチが前記主クラッチに該当する場合、前記走行クラッチに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項3】
前記走行操作機構が前記走行操作状態であるかまたは前記走行解除状態であるかを確認する段階は、前記加速操作機構が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認する段階を含み、
前記走行待機モードに切り替える段階は、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構が前記加速解除状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記走行待機モードに切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項4】
前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階は、前記走行待機モードで前記加速操作機構が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認する段階を含み、
前記走行モードに前記変速機を制御する段階は、前記走行待機モードで前記加速操作機構が前記加速操作状態となったことを確認すると、前記主クラッチを締結させる段階を含むことを特徴とする、請求項3に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項5】
前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階は、前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速操作状態となったことを確認すると、前記一般走行モードに前記変速機を制御し、
前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階は、前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速解除状態となったことを確認すると、前記アイドル走行モードに前記変速機を制御することを特徴とする、請求項4に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項6】
前記走行操作機構が前記走行操作状態であるかまたは前記走行解除状態であるかを確認する段階は、前記加速操作機構が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認する段階、および前記走行操作機構が有するブレーキペダルが前記農業用作業車両の走行速度を減少させる制動状態であるかまたは前記農業用作業車両の走行速度を減少させない未制動状態であるかを確認する段階を含み、
前記走行待機モードに切り替える段階は、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構が前記加速解除状態となり、前記ブレーキペダルが前記制動状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記走行待機モードに切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項7】
前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階は、前記走行待機モードで前記ブレーキペダルが前記制動状態であるかまたは前記未制動状態であるかを確認する段階を含み、
前記走行モードに前記変速機を制御する段階は前記走行待機モードで前記ブレーキペダルが前記未制動状態となったことを確認すると、前記主クラッチを締結させる段階を含むことを特徴とする、請求項6に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項8】
前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階は、前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速操作状態となったことを確認すると、前記一般走行モードに前記変速機を制御し、
前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階は、前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速解除状態となったことを確認すると、前記アイドル走行モードに前記変速機を制御することを特徴とする、請求項7に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項9】
前記走行待機モードに切り替える段階は、
前記走行変速部が有する第1先行変速機構と第1後行変速機構のうち少なくとも一つに連結された第1走行クラッチおよび前記走行変速部が有する第2先行変速機構と第2後行変速機構のうち少なくとも一つに連結された第2走行クラッチのうちいずれか一つを締結させるか、または前記第1走行クラッチおよび前記第2走行クラッチのうちいずれか一つの締結を維持させ、
前記主クラッチに該当する前記前後進クラッチに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の農業用作業車両の変速機制御方法。
【請求項10】
エンジンによって発生した駆動に対して前後進の変速を遂行する前後進変速部の前後進クラッチおよび前記エンジンによって発生した駆動に対して走行変速を遂行する走行変速部の走行クラッチを含む農業用作業車両の変速機に対する制御装置であって、
前後進の変速制御のためのシャトルレバー、走行制御のための走行操作機構、および前記前後進クラッチと前記走行クラッチのうち主クラッチの解除制御のためのクラッチ操作機構を含む操作部から前記シャトルレバーの操作情報、前記走行操作機構の操作情報、および前記クラッチ操作機構の操作情報を受信する受信モジュール;
前記シャトルレバーの操作情報から前記シャトルレバーが前記農業用作業車両を前進または後進させるための前後進操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を前進または後進させないためのニュートラル操作状態であるかを確認し、前記走行操作機構の操作情報から前記走行操作機構が前記農業用作業車両を走行させる走行操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を走行させない走行解除状態であるかを確認し、前記クラッチ操作機構の操作情報から前記クラッチ操作機構が前記主クラッチを解除させるための解除操作状態であるかまたは前記主クラッチを締結させるための締結操作状態であるかを確認する確認モジュール;および
前記確認モジュールが確認した結果にしたがって前記エンジンの始動がかけられた農業用作業車両を停止させた状態に維持させる走行待機モード、前記走行操作機構が有する加速操作機構の操作に対応するように前記農業用作業車両を走行させる一般走行モード、および前記エンジンがアイドル(Idle)の状態で前記農業用作業車両を走行させるアイドル走行モードのうちいずれか一つに前記変速機を制御する制御モジュールを含み、
前記制御モジュールは、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記走行操作機構が前記走行解除状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことが確認されると、前記走行待機モードに前記変速機を制御することを特徴とする、農業用作業車両の変速機制御装置。
【請求項11】
前記受信モジュールは、前記加速操作機構の操作情報を受信し、
前記確認モジュールは、前記加速操作機構が前記農業用作業車両を加速させる加速操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を加速させない加速解除状態であるかを確認し、
前記制御モジュールは、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構が前記加速解除状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことが確認されると、前記主クラッチに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに前記変速機を制御することを特徴とする、請求項10に記載の農業用作業車両の変速機制御装置。
【請求項12】
前記制御モジュールは、
前記走行待機モードで前記加速操作機構が前記加速操作状態となったことが確認されると、前記主クラッチが締結されるように前記変速機を制御し、
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速操作状態となったことが確認されると、前記一般走行モードに前記変速機を制御し、
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速解除状態となったことが確認されると、前記アイドル走行モードに前記変速機を制御することを特徴とする、請求項11に記載の農業用作業車両の変速機制御装置。
【請求項13】
前記受信モジュールは、前記走行操作機構が有するブレーキペダルの操作情報を受信し、
前記確認モジュールは、前記ブレーキペダルが前記農業用作業車両の走行速度を減少させる制動状態であるかまたは前記農業用作業車両の走行速度を減少させない未制動状態であるかを確認し、前記確認モジュールは、前記加速操作機構が、前記農業用作業車両を加速させる加速操作状態であるか、前記農業用作業車両を加速させない加速解除状態であるかを確認し、
前記制御モジュールは、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構が前記加速解除状態となり、前記ブレーキペダルが前記制動状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことが確認されると、前記主クラッチに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに前記変速機を制御することを特徴とする、請求項10に記載の農業用作業車両の変速機制御装置。
【請求項14】
前記制御モジュールは
前記走行待機モードで前記ブレーキペダルが前記未制動状態となったことが確認されると、前記主クラッチが締結されるように前記変速機を制御し、
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速操作状態となったことが確認されると、前記一般走行モードに前記変速機を制御し、
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構が前記加速解除状態となったことが確認されると、前記アイドル走行モードに前記変速機を制御することを特徴とする、請求項13に記載の農業用作業車両の変速機制御装置。
【請求項15】
前記制御モジュールは、前記走行待機モードに前記変速機を制御する場合、
前記走行変速部が有する第1先行変速機構と第1後行変速機構のうち少なくとも一つに連結された第1走行クラッチおよび前記走行変速部が有する第2先行変速機構と第2後行変速機構のうち少なくとも一つに連結された第2走行クラッチのうちいずれか一つが締結されるか、または前記第1走行クラッチおよび前記第2走行クラッチのうちいずれか一つの締結が維持され、
前記主クラッチに該当する前記前後進クラッチに対する締結の解除が維持されるように前記変速機を制御することを特徴とする、請求項10に記載の農業用作業車両の変速機制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業用作業車両の変速機を制御するための制御装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用作業車両は土地を利用して人間の生活に必要な作物を栽培するのに利用されるものである。例えば、コンバイン(Combine)、トラクタ(Tractor)等が農業用作業車両に該当する。コンバインは稲、麦、小麦、豆などの作物を刈り取りして脱穀する作業を遂行するものである。トラクタは牽引力を利用して作物を栽培するのに必要な作業を遂行するものである。このような農業用作業車両は作業過程で必要に応じてトルク、速度などを調節するために変速機を含む。
【0003】
一般の乗用車の変速機は、トルクコンバータ(Torque Convertor)を利用して運転者がアクセルペダルを踏んでいない状態でも既設定された走行段数で乗用車をゆっくり走行させるアイドル(Idle)走行モードを具現する。アイドル走行モードに変速機が制御されても、トルクコンバータによって、運転者がブレーキを作動する場合、乗用車は走行されずに停止状態に維持され得る。
【0004】
しかし、従来技術に係る農業用作業車両の変速機はトルクコンバータが利用されない。これに伴い、始動がかけられた農業用作業車両が停止した状態で、シャトルレバーが前進または後進に操作されたことだけですぐにアイドル走行モードに切り替えられる場合、運転者がブレーキを作動しても農業用作業車両の大きな走行動力(トルク、Torque)によって農業用作業車両は停止状態を維持できずに走行することになる。したがって、従来技術による農業用作業車両の変速機は、運転者が意図していない状況においてもアイドル走行モードに切り替えられて農業用作業車両を走行させることになるため、農業用作業車両に対する運転難易度を高め安全事故を発生させる危険が大きい問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述したような問題点を解決するために案出されたもので、シャトルレバーが前進または後進に操作されたことだけでアイドル走行モードに切り替えられることを防止できる、農業用作業車両の変速機制御装置および農業用作業車両の変速機制御方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような課題を解決するために、本発明は次のような構成を含むことができる。
【0007】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置は、エンジンによって発生した駆動に対して前後進の変速を遂行する前後進変速部の前後進クラッチおよび前記エンジンによって発生した駆動に対して走行変速を遂行する走行変速部の走行クラッチを含む農業用作業車両の変速機に対する制御装置であって、前後進の変速制御のためのシャトルレバー、走行制御のための走行操作機構、および前記前後進クラッチと前記走行クラッチのうち主クラッチの解除制御のためのクラッチ操作機構を含む操作部から前記シャトルレバーの操作情報、前記走行操作機構の操作情報、および前記クラッチ操作機構の操作情報を受信する受信モジュール;前記シャトルレバーの操作情報から前記シャトルレバーが前記農業用作業車両を前進または後進させるための前後進操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を前進または後進させないためのニュートラル操作状態であるかを確認し、前記走行操作機構の操作情報から前記走行操作機構が前記農業用作業車両を走行させる走行操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を走行させない走行解除状態であるかを確認し、前記クラッチ操作機構の操作情報から前記クラッチ操作機構が前記主クラッチを解除させるための解除操作状態であるかまたは前記主クラッチを締結させるための締結操作状態であるかを確認する確認モジュール;および前記確認モジュールが確認した結果にしたがって前記エンジンの始動がかけられた農業用作業車両を停止させた状態に維持させる走行待機モード、前記走行操作機構が有する加速操作機構の操作に対応するように前記農業用作業車両を走行させる一般走行モード、および前記エンジンがアイドル(Idle)の状態で前記農業用作業車両を走行させるアイドル走行モードのうちいずれか一つに前記変速機を制御する制御モジュールを含むことができる。
【0008】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置において、前記制御モジュールは、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記走行操作機構が前記走行解除状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことが確認されると、前記走行待機モードに前記変速機を制御することができる。
【0009】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、エンジンによって発生した駆動に対して前後進の変速を遂行する前後進変速部の前後進クラッチおよび前記エンジンによって発生した駆動に対して走行変速を遂行する走行変速部の走行クラッチを含む農業用作業車両の変速機に対する制御方法であって、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前後進の変速制御のためのシャトルレバー、走行制御のための走行操作機構、および前記前後進クラッチと前記走行クラッチのうち主クラッチの解除制御のためのクラッチ操作機構を含む操作部の操作状態を確認する段階;前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両が停止した状態で、前記操作部の操作状態を確認した結果にしたがって前記農業用作業車両を停止させた状態に維持させる走行待機モードに前記変速機を制御する段階;前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階;および前記走行待機モードで前記走行操作機構が前記農業用作業車両を走行させる走行操作状態となったことを確認すると、前記農業用作業車両を走行させる走行モードに前記変速機を制御する段階を含むことができる。
【0010】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法において、前記操作部の操作状態を確認する段階は、前記シャトルレバーが前記農業用作業車両を前進または後進させるための前後進操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を前進または後進させないためのニュートラル操作状態であるかを確認する段階、前記走行操作機構が前記走行操作状態であるかまたは前記農業用作業車両を走行させない走行解除状態であるかを確認する段階、および前記クラッチ操作機構が前記主クラッチを解除させるための解除操作状態であるかまたは前記主クラッチを締結させるための締結操作状態であるかを確認する段階を含むことができる。
【0011】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法において、前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階は、前記シャトルレバーが前記前後進操作状態となり、前記走行操作機構が前記走行解除状態となり、前記クラッチ操作機構が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記主クラッチに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに切り替える段階を含むことができる。
【0012】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法において、前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階は、前記走行待機モードで前記走行操作機構が前記走行操作状態であるかまたは前記走行解除状態であるかを確認することができる。
【0013】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法において、前記走行モードに前記変速機を制御する段階は、前記走行操作機構が有する加速操作機構が前記農業用作業車両を加速させる加速操作状態となったことを確認すると、前記加速操作機構の操作の程度によって前記農業用作業車両を走行させる一般走行モードに前記変速機を制御する段階;および前記加速操作機構が前記農業用作業車両を加速させない加速解除状態となったことを確認すると、前記エンジンがアイドル(Idle)の状態で前記農業用作業車両を走行させるアイドル走行モードに前記変速機を制御する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、次のような効果を図り得る。
【0015】
本発明はエンジンの始動がかけられた農業用作業車両が停止した状態で、シャトルレバーが前進または後進に操作されたことだけでは農業用作業車両が走行しないように変速機を制御できるため、運転者が意図していない状況で農業用作業車両が走行することになることを防止して農業用作業車両に対する運転難易度を低くし安全事故の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】農業用作業車両の一例を示した概略的な側面図である。
図2】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置に対する概略的なブロック図である。
図3】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置に対する概略的なブロック図である。
図4】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置に対する概略的なブロック図である。
図5】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法に対する概略的なフローチャートである。
図6】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法に対する概略的なフローチャートである。
図7】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法に対する概略的なフローチャートである。
図8】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法に対する概略的なフローチャートである。
図9】本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法に対する概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置に対する実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1図3を参照すると、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は農業用作業車両100に適用されるものである。前記農業用作業車両100は土地を利用して人間の生活に必要な作物を栽培するのに利用されるものである。例えば、前記農業用作業車両100はトラクタ、コンバインなどであり得る。
【0019】
本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1の説明に先だって、前記農業用作業車両100について説明すると次の通りである。
【0020】
前記農業用作業車両100はエンジン(Engine、図示せず)が結合された車両本体110、前記車両本体110に設けられた運転席120、前記車両本体110に結合された車輪130、前記運転席120に設けられた操作部140、および前記車両本体110に結合された変速機150を含むことができる。
【0021】
前記操作部140はシャトルレバー141、走行操作機構142、およびクラッチ操作機構143を含むことができる。
【0022】
前記シャトルレバー141は前後進の変速制御のためのものである。前記シャトルレバー141は前記農業用作業車両100を前進または後進させるための前後進操作状態となり得る。前記シャトルレバー141は前記農業用作業車両100を前進または後進させないためのニュートラル操作状態となり得る。前記シャトルレバー141は運転者の操作によって前記前後進操作状態または前記ニュートラル操作状態となり得る。
【0023】
前記走行操作機構142は走行制御のためのものである。前記走行操作機構142は前記農業用作業車両100を走行させる走行操作状態となり得る。前記走行操作機構142は前記農業用作業車両100を走行させない走行解除状態となり得る。前記走行操作機構142は運転者の操作によって前記走行操作状態または前記走行解除状態となり得る。
【0024】
前記走行操作機構142は加速操作機構1421、およびブレーキペダル1422を含むことができる。
【0025】
前記加速操作機構1421は加速制御のためのものである。前記加速操作機構1421は前記農業用作業車両100を加速させる加速操作状態となり得る。前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となって前記農業用作業車両100が加速される場合、前記加速操作機構1421の操作の程度によって前記エンジンの駆動が変化されて前記農業用作業車両100が加速され得る。前記加速操作機構1421は前記農業用作業車両100を加速させない加速解除状態となり得る。前記加速操作機構1421は運転者の操作によって前記加速操作状態または前記加速解除状態となり得る。前記加速操作機構1421は運転者が手で操作できるハンドスロットル14211、および運転者が足で操作できるアクセルペダル14212を含むことができる。
【0026】
前記ブレーキペダル1422は減速制御のためのものである。前記ブレーキペダル1422は前記農業用作業車両100の走行速度を減少させる制動状態となり得る。前記ブレーキペダル1422は前記農業用作業車両100の走行速度を減少させない未制動状態となり得る。前記ブレーキペダル1422は運転者の操作によって前記制動状態または前記未制動状態となり得る。前記ブレーキペダル1422は運転者の足で操作され得る。
【0027】
前記クラッチ操作機構143は前記変速機150が有する主クラッチ(150a、図2に図示される)の解除制御のためのものである。前記主クラッチ150aは締結の有無により駆動を選択的に伝達するものである。前記主クラッチ150aが締結されると、前記主クラッチ150aは駆動を伝達することができる。前記主クラッチ150aが解除されると、前記主クラッチ150aは駆動を伝達することができない。前記クラッチ操作機構143は前記主クラッチ150aを解除させるための解除操作状態となり得る。前記クラッチ操作機構143は前記主クラッチ150aを締結させるための締結操作状態となり得る。前記クラッチ操作機構143は運転者の操作によって前記解除操作状態または前記締結操作状態となり得る。前記クラッチ操作機構143は運転者が足で操作できるクラッチペダル1431、および運転者が手で操作できるハンドクラッチ1432を含むことができる。前記ハンドクラッチ1432はクラッチスイッチ(図示せず)であり得る。
【0028】
前記変速機150は前記エンジンが発生させた駆動に対して変速を遂行するものである。本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は前記操作部140の操作状態を確認し、前記操作部140の操作状態に対応するように前記変速機150を制御することができる。前記変速機150は前後進変速部151、および走行変速部152を含むことができる。
【0029】
前記前後進変速部151は前記エンジンから発生した駆動に対して前後進の変速を遂行するものである。本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は前記シャトルレバー141の操作状態を確認し、前記シャトルレバー141の操作状態に対応するように前記前後進変速部151を制御することができる。前記前後進変速部151は前後進クラッチ1511を含むことができる。前記前後進変速部151は前後進の変速が遂行された駆動を前記走行変速部152に伝達することができる。前記前後進クラッチ1511が締結されると、前記エンジンから発生した駆動は前後進の変速が遂行された後に前記走行変速部152に伝達され得る。前記前後進クラッチ1511に対する締結が解除されると、前記エンジンから発生した駆動は前記走行変速部152に伝達されない。前記前後進クラッチ1511は摩擦を利用して駆動を選択的に伝達する多板クラッチ(Multiply Disk Clutch)で具現され得る。この場合、前記前後進クラッチ1511は複数個の摩擦部材を互いに接触させることによって、駆動を伝達するように締結され得る。前記前後進クラッチ1511は複数個の摩擦部材を互いに離隔させることによって、駆動を伝達しないように締結解除され得る。一方、前記前後進変速部151は前後進の変速のための少なくとも一つのギア(Gear)および少なくとも一つのスリーブ(Sleeve)を含むこともできる。
【0030】
前記前後進変速部151は前記走行変速部152によって走行変速が遂行された駆動に対して前後進の変速を遂行してもよい。この場合、前記走行変速部152はエンジンから発生した駆動に対して走行変速を遂行し、前記前後進変速部151は前記走行変速部152によって走行変速が遂行された駆動に対して前後進の変速を遂行した後に車軸(図示せず)に伝達することができる。
【0031】
前記走行変速部152は前記エンジンから伝達された駆動に対して走行変速を遂行するものである。本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は前記走行操作機構142の操作状態を確認し、前記走行操作機構142の操作状態に対応するように前記走行変速部152を制御することができる。前記走行変速部152は走行クラッチ1521を含むことができる。前記走行変速部152は前記前後進変速部151から伝達された駆動に対して走行変速を遂行できる。前記走行クラッチ1521が締結されると、前記前後進変速部151から伝達された駆動は走行変速が遂行された後に前記車軸に伝達され得る。前記走行クラッチ1521に対する締結が解除されると、前記前後進変速部151から伝達された駆動は前記車軸に伝達されない。前記走行クラッチ1521は摩擦を利用して駆動を選択的に伝達する多板クラッチで具現され得る。この場合、前記走行クラッチ1521は複数個の摩擦部材を互いに接触させることによって、駆動を伝達するように締結され得る。前記走行クラッチ1521は複数個の摩擦部材を互いに離隔させることによって、駆動を伝達しないように締結解除され得る。前記走行変速部152は複数個の走行クラッチ1521を含むことができる。一方、前記走行変速部152は走行変速のための少なくとも一つのギアおよび少なくとも一つのスリーブを含んでもよい。
【0032】
前記走行変速部152は走行変速が遂行された駆動を前記前後進変速部151に伝達してもよい。この場合、前記走行変速部152はエンジンから発生した駆動に対して走行変速を遂行し、前記前後進変速部151は前記走行変速部152によって走行変速が遂行された駆動に対して前後進の変速を遂行した後に前記車軸に伝達することができる。
【0033】
以下では、前記前後進変速部151が前記エンジンから発生した駆動に対して前後進の変速を遂行し、前記走行変速部152が前記前後進変速部152から伝達された駆動に対して走行変速を遂行した後に前記車軸に伝達する実施例を基準として説明する。これから、前記走行変速部152が前記エンジンから発生した駆動に対して走行変速を遂行し、前記前後進変速部151が前記走行変速部152から伝達された駆動に対して前後進の変速を遂行した後に前記車軸に伝達する実施例は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において容易に理解され得るであろう。
【0034】
ここで、前記前後進クラッチ1511と前記走行クラッチ1521のうちいずれか一つが前記主クラッチ150aに該当し得る。前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記クラッチ操作機構143は前記前後進クラッチ1511を解除させるための前記解除操作状態となるか、前記前後進クラッチ1511を締結させるための前記締結操作状態となり得る。前記走行クラッチ1521が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記クラッチ操作機構143は前記走行クラッチ1521を解除させるための前記解除操作状態となるか、前記走行クラッチ1521を締結させるための前記締結操作状態となり得る。前記前後進クラッチ1511と前記走行クラッチ1521のうちいずれのものが前記主クラッチ150aに該当するかは、前記変速機150が有する変速部および周辺装置の配置関係、連結関係などにより決定され得る。
【0035】
このような農業用作業車両100の変速機150を制御するために、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は受信モジュール2、確認モジュール3、および制御モジュール4を含むことができる。本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は前記車両本体(110、図1に図示される)に結合され得る。
【0036】
図2および図3を参照すると、前記受信モジュール2は前記農業用作業車両100から操作情報を受信するものである。前記受信モジュール2は前記操作部140から操作情報を受信することができる。前記受信モジュール2は有線通信、無線通信などを利用して前記操作部140から操作情報を受信することができる。
【0037】
前記受信モジュール2は前記シャトルレバー141の操作情報を受信することができる。前記シャトルレバー141の操作情報は、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態と前記ニュートラル操作状態のうちいずれの操作状態であるかに関するものである。前記受信モジュール2は前記シャトルレバー141の操作情報を前記確認モジュール3に提供することができる。
【0038】
前記受信モジュール2は前記走行操作機構142の操作情報を受信することができる。前記走行操作機構142の操作情報は、前記走行操作機構142が前記走行操作状態と前記走行解除状態のうちいずれの操作状態であるかに関するものである。前記受信モジュール2は前記走行操作機構142の操作情報を前記確認モジュール3に提供することができる。
【0039】
前記走行操作機構142が前記加速操作機構1421を含む場合、前記受信モジュール2は前記加速操作機構1421の操作情報を受信することができる。前記加速操作機構1421の操作情報は、前記加速操作機構1421が前記加速操作状態と前記加速解除状態のうちいずれの操作状態であるかに関するものである。前記加速操作機構1421が前記ハンドスロットル14211およびアクセルペダル14212を含む場合、前記受信モジュール2は前記ハンドスロットル14211の操作情報および前記アクセルペダル14212の操作情報を受信することができる。
【0040】
前記走行操作機構142が前記ブレーキペダル1422を含む場合、前記受信モジュール2は前記ブレーキペダル1422の操作情報を受信することができる。前記ブレーキペダル1422の操作情報は、前記ブレーキペダル1422が前記制動状態と前記未制動状態のうちいずれの操作状態であるかに関するものである。
【0041】
前記受信モジュール2は前記クラッチ操作機構143の操作情報を受信することができる。前記クラッチ操作機構143の操作情報は、前記クラッチ操作機構143が解除操作状態と締結操作状態のうちいずれの操作状態であるかに関するものである。前記受信モジュール2は前記クラッチ操作機構143の操作情報を前記確認モジュール3に提供することができる。前記クラッチ操作機構143が前記クラッチペダル1431および前記ハンドクラッチ1432を含む場合、前記受信モジュール2は前記クラッチペダル1431の操作情報および前記ハンドクラッチ1432の操作情報を受信することができる。
【0042】
図2および図3を参照すると、前記確認モジュール3は前記受信モジュール2が受信した操作情報を確認するものである。
【0043】
前記確認モジュール3は、前記シャトルレバー141の操作情報から前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態であるかまたは前記ニュートラル操作状態であるかを確認することができる。前記確認モジュール3は前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態であると確認すると、前記制御モジュール4に前後進操作信号を提供することができる。前記確認モジュール3は前記シャトルレバー141がニュートラル操作状態であると確認すると、前記制御モジュール4にニュートラル操作信号を提供することができる。
【0044】
前記確認モジュール3は前記走行操作機構142の操作情報から前記走行操作機構142が前記走行操作状態であるかまたは前記走行解除状態であるかを確認することができる。前記確認モジュール3は前記走行操作機構142が前記走行操作状態であると確認すると、前記制御モジュール4に走行操作信号を提供することができる。前記確認モジュール3は前記走行操作機構142が前記走行解除状態であると確認すると、前記制御モジュール4に走行解除信号を提供することができる。
【0045】
前記走行操作機構142が前記加速操作機構1421を含む場合、前記確認モジュール3は前記加速操作機構1421の操作情報から前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することができる。前記確認モジュール3は前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であると確認すると、前記制御モジュール4に加速操作信号を提供することができる。前記確認モジュール3は前記加速操作機構1421が前記加速解除状態であると確認すると、前記制御モジュール4に加速解除信号を提供することができる。
【0046】
前記走行操作機構142が前記ブレーキペダル1422を含む場合、前記確認モジュール3は前記ブレーキペダル1422の操作情報から前記ブレーキペダル1422が前記制動状態であるかまたは前記未制動状態であるかを確認することができる。前記確認モジュール3は前記ブレーキペダル1422が前記制動状態であると確認すると、前記制御モジュール4に制動信号を提供することができる。前記確認モジュール3は前記ブレーキペダル1422が前記未制動状態であると確認すると、前記制御モジュール4に未制動信号を提供することができる。
【0047】
前記確認モジュール3が前記ブレーキペダル1422の操作状態を確認せずに前記加速操作機構1421の操作状態のみを確認する場合、前記加速操作機構1421が前記加速解除状態の時が前記走行解除状態に該当し得る。この場合、前記加速操作機構1421が前記加速操作状態の時が前記走行操作状態に該当し得る。
【0048】
前記確認モジュール3が前記加速操作機構1421の操作状態と前記ブレーキペダル1422の操作状態すべてを確認する場合、前記加速操作機構1421が前記加速解除状態であるとともに前記ブレーキペダル1422が前記制動状態の時が前記走行解除状態に該当し得る。この場合、前記加速操作機構1421の操作状態にかかわらず、前記ブレーキペダル1422が前記未制動状態の時が前記走行操作状態に該当し得る。
【0049】
前記確認モジュール3は前記クラッチ操作機構143の操作情報から前記クラッチ操作機構143が前記解除操作状態であるかまたは前記締結操作状態であるかを確認することができる。前記確認モジュール3は前記クラッチ操作機構143が前記解除操作状態であると確認すると、前記制御モジュール4に解除操作信号を提供することができる。前記確認モジュール3は前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態であると確認すると、前記制御モジュール4に締結操作信号を提供することができる。
【0050】
図2および図3を参照すると、前記制御モジュール4は前記確認モジュール3が確認した結果にしたがって前記変速機150を制御するものである。前記制御モジュール4は走行待機モード、アイドル走行モード、および一般走行モードのうちいずれか一つに前記変速機150を制御することができる。前記走行待機モードは前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100を停止させた状態に維持させるものである。前記アイドル走行モードは前記エンジンがアイドル(Idle)の状態で前記農業用作業車両100を走行させるものである。この場合、前記農業用作業車両100は前記加速操作機構1421が操作されていない状態で、既設定された低速の走行速度で走行することができる。これに伴い、運転者は前記ハンドスロットル14211および前記アクセルペダル14212を操作せずとも前記農業用作業車両100を前記既設定された低速の走行速度で走行させることができる。前記一般走行モードは前記加速操作機構1421の操作に対応するように前記農業用作業車両100を走行させるものである。この場合、前記農業用作業車両100は前記加速操作機構1421が操作された程度に対応する前記エンジンの駆動および走行変速段数で走行することができる。これに伴い、運転者は前記ハンドスロットル14211および前記アクセルペダル14212のうち少なくとも一つを操作することによって、前記農業用作業車両100を望む走行速度で走行させることができる。
【0051】
前記制御モジュール4は前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態となり、前記走行操作機構142が前記走行解除状態となり、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことが確認されると、前記走行待機モードに前記変速機150を制御することができる。これに伴い、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141が前進または後進に操作されたことだけでは前記農業用作業車両100が走行しないように前記変速機150を制御することができる。また、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となるように操作されたことだけでは前記農業用作業車両100が走行しないように前記変速機150を制御することもできる。したがって、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は、運転者が意図していない状況で前記農業用作業車両100が走行することになることを防止できるため、前記農業用作業車両100に対する運転難易度を低くし安全事故の発生を防止することができる。前記制御モジュール4は前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記確認モジュール3から前記前後進操作信号、前記走行解除信号、および前記締結操作信号が受信されると、前記走行待機モードに前記変速機150を制御することができる。
【0052】
前記制御モジュール4は前記走行待機モードに前記変速機150を制御する場合、前記主クラッチ150aに対する締結の解除が維持されるように前記変速機150を制御することができる。すなわち、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態であっても前記主クラッチ150aに対する締結の解除を維持させることができる。したがって、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100を停止した状態に維持させることができる。
【0053】
例えば、前記走行クラッチ1521が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記走行クラッチ1521に対する締結の解除が維持されるように前記変速機150を制御することができる。この場合、前記走行待機モードで前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態であるため、前記制御モジュール4は前記前後進クラッチ1511を締結された状態で制御することができる。これに伴い、前記制御モジュール4は前記走行クラッチ1521が締結されるとすぐに前記前後進変速部151からの駆動が伝達され得る状態で待機するように前記前後進変速部151を制御することができる。したがって、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記アイドル走行モードまたは前記一般走行モードに切り替えるのにかかる時間を短縮することができる。
【0054】
例えば、前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記前後進クラッチ1511に対する締結の解除が維持されるように前記変速機150を制御することができる。この場合、前記制御モジュール4は、前記走行クラッチ1521が締結されるか、または前記走行クラッチ1521に対する締結が維持されるように前記変速機150を制御することができる。すなわち、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記走行クラッチ1521を締結された状態で制御することができる。これに伴い、前記制御モジュール4は前記前後進クラッチ1511が締結されるとすぐに前記走行変速部152が駆動を伝達できる状態で待機するように前記走行変速部152を制御することができる。したがって、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記アイドル走行モードまたは前記一般走行モードに切り替えるのにかかる時間を短縮することができる。
【0055】
前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記走行クラッチ1521は前記農業用作業車両100の始動がかかる時に締結の解除が維持され、前記走行待機モードで締結され得る。前記制御モジュール4は前記走行待機モードに前記変速機150を制御する場合、前記前後進クラッチ1511に対する締結の解除が維持されるとともに、前記走行クラッチ1521が締結されるように前記変速機150を制御することができる。
【0056】
前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記走行クラッチ1521は前記農業用作業車両100の始動がかかる時に締結され、前記走行待機モードで締結された状態に維持されてもよい。前記制御モジュール4は前記走行待機モードに前記変速機150を制御する場合、前記前後進クラッチ1511に対する締結の解除が維持されるとともに、前記走行クラッチ1521に対する締結が維持されるように前記変速機150を制御することもできる。
【0057】
図2図4を参照すると、前記変速機150がデュアルクラッチ変速機(DCT、Dual Clutch Transmission)で具現されるとともに前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aで具現された場合、前記制御モジュール4は、第1走行クラッチ1521aおよび第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つが締結されるか、または前記第1走行クラッチ1521aおよび前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つの締結が維持されるように前記走行変速部152を制御することによって、前記走行待機モードに前記変速機150を制御することができる。
【0058】
前記第1走行クラッチ1521aおよび第2走行クラッチ1521bについて具体的に説明すると、次の通りである。
【0059】
まず、前記第1走行クラッチ1521aは第1先行変速機構1522aと第1後行変速機構1523aのうち少なくとも一つに連結されたものである。前記第1走行クラッチ1521aが締結されると、前記第1先行変速機構1522aで前記第1走行クラッチ1521aを通じて前記第1後行変速機構1523aに駆動が伝達され得る。前記第1走行クラッチ1521aに対する締結が解除されると、前記第1先行変速機構1522aで前記第1走行クラッチ1521aを通じて前記第1後行変速機構1523aに駆動が伝達されないことができる。前記第1先行変速機構1522aが主変速部に該当し、前記第1後行変速機構1523aが副変速部に該当し得る。前記第1先行変速機構1522aが副変速部に該当し、前記第1後行変速機構1523aが主変速部に該当してもよい。一方、前記第1走行クラッチ1521aは第1先行変速機構1522aと第1後行変速機構1523aのうちいずれか一つにのみ連結されてもよい。前記第1走行クラッチ1521aは第1先行変速機構1522aと第1後行変速機構1523aのうちいずれか一つにのみ連結されて、前記エンジンが発生させた駆動を前記第1先行変速機構1522aおよび前記第1後行変速機構1523aを通じて前記車軸に伝達するようにしたりまたは伝達しないように具現されてもよい。
【0060】
次に、前記第2走行クラッチ1521bは第2先行変速機構1522bと第2後行変速機構1523bのうち少なくとも一つに連結されたものである。前記第2走行クラッチ1521bが締結されると、前記第2先行変速機構1522bで前記第2走行クラッチ1521bを通じて前記第2後行変速機構1523bに駆動が伝達され得る。前記第2走行クラッチ1521bに対する締結が解除されると、前記第2先行変速機構1522bで前記第2走行クラッチ1521bを通じて前記第2後行変速機構1523bに駆動が伝達されないことができる。前記第2先行変速機構1522bが主変速部に該当し、前記第2後行変速機構1523bが副変速部に該当し得る。前記第2先行変速機構1522bが副変速部に該当し、前記第2後行変速機構1523bが主変速部に該当してもよい。一方、前記第2走行クラッチ1521bは第2先行変速機構1522bと第2後行変速機構1523bのうちいずれか一つにのみ連結されてもよい。前記第2走行クラッチ1521bは第2先行変速機構1522bと第2後行変速機構1523bのうちいずれか一つにのみ連結されて、前記エンジンが発生させた駆動を前記第2先行変速機構1522bおよび前記第2後行変速機構1523bを通じて前記車軸に伝達するようにしたりまたは伝達しないように具現されてもよい。
【0061】
前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aで具現された場合、前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記前後進クラッチ1511に対する締結の解除が維持されるとともに、前記第1走行クラッチ1521aと前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つが締結されるかまたは前記第1走行クラッチ1521aと前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つの締結が維持されるように前記走行変速部152を制御することができる。これに伴い、前記制御モジュール4は前記前後進クラッチ1511が締結されるとすぐに前記第1走行クラッチ1521aと前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つを通じて駆動が伝達され得る状態で待機するように前記走行変速部152を制御することができる。したがって、前記制御モジュール4は前記変速機150がデュアルクラッチ変速機で具現された場合にも、前記走行待機モードで前記アイドル走行モードまたは前記一般走行モードに切り替えるのにかかる時間を短縮することができる。
【0062】
前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことが確認されると、前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御することができる。これに伴い、前記変速機150は前記エンジンから発生した駆動を前記車軸に伝達することができる。したがって、前記農業用作業車両100が出発して走行することができる。前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認する作業は、前記確認モジュール3によって遂行され得る。前記確認モジュール3は前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であることを確認すると、前記加速操作信号を前記制御モジュール4に提供することができる。前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記確認モジュール3から前記加速操作信号が受信されると、前記主クラッチ150aを締結させることができる。一方、前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速解除状態であることが確認されると、前記制御モジュール4は前記主クラッチ150aに対する締結の解除を維持させることができる。
【0063】
前記制御モジュール4は前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことが確認されると、前記一般走行モードに前記変速機150を制御することができる。前記一般走行モードで、前記制御モジュール4は前記加速操作機構1421の操作の程度によって前記農業用作業車両100が走行するように前記変速機150を制御することができる。前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認する作業は、前記確認モジュール3によって遂行され得る。前記確認モジュール3は前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であることを確認すると、前記加速操作信号を前記制御モジュール4に提供することができる。前記制御モジュール4は前記主クラッチ150aが締結された状態で前記確認モジュール3から前記加速操作信号が受信されると、前記一般走行モードに前記変速機150を制御することができる。一方、前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことが確認されることによって前記主クラッチ150aが締結された状態であるため、前記制御モジュール4は主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態に維持されたことが確認されると、前記一般走行モードに前記変速機150を制御することができる。
【0064】
前記制御モジュール4は前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となったことが確認されると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することができる。前記アイドル走行モードで、前記制御モジュール4は前記エンジンがアイドルである状態で前記既設定された低速の走行速度で前記農業用作業車両100が走行するように前記変速機150を制御することができる。この場合、前記制御モジュール4は前記前後進クラッチ1511および前記走行クラッチ1521すべてが締結された状態に維持されるように前記変速機150を制御することができる。前記確認モジュール3は前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速解除状態であることを確認すると、前記加速解除信号を前記制御モジュール4に提供することができる。前記制御モジュール4は前記主クラッチ150aが締結された状態で前記確認モジュール3から前記加速解除信号が受信されると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することができる。
【0065】
このように、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は、前記走行待機モードで前記走行操作機構142の操作状態によって前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御し、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421の操作状態によって前記一般走行モードまたは前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御するように具現され得る。
【0066】
ここで、本発明の変形された実施例に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は、前記ブレーキペダル1422が前記制動状態であるかまたは前記未制動状態であるかをさらに考慮して前記変速機150を前記走行待機モード、前記一般走行モード、および前記アイドル走行モードで制御することができる。これを詳察すると、次の通りである。
【0067】
まず、前記受信モジュール2は前記操作部140から前記ブレーキペダル1422の操作情報をさらに受信することができる。これに伴い、前記受信モジュール2は前記操作部140から前記シャトルレバー141の操作情報、前記加速操作機構1421の操作情報、前記ブレーキペダル1422の操作情報、および前記クラッチ操作機構143の操作情報を受信することができる。
【0068】
次に、前記確認モジュール3は前記ブレーキペダル1422が前記制動状態であるかまたは前記未制動状態であるかをさらに確認することができる。これに伴い、前記確認モジュール3は前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態であるかまたは前記ニュートラル操作状態であるかを確認し、前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認し、前記ブレーキペダル1422が前記制動状態であるかまたは前記未制動状態であるかを確認し、前記クラッチ操作機構143が前記解除操作状態であるかまたは前記締結操作状態であるかを確認することができる。
【0069】
次に、前記制御モジュール4は前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態となり、前記走行操作機構1421が前記加速解除状態となり、前記ブレーキペダル1422が前記制動状態となり、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことが確認されると、前記主クラッチ150aに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに前記変速機を制御することができる。
【0070】
次に、前記走行待機モードで、前記制御モジュール4は前記ブレーキペダル1422が前記未制動状態となったことが確認されると、前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御することができる。前記走行待機モードで前記ブレーキペダル1422が前記未制動状態となったことは、前記確認モジュール3によって確認され得る。
【0071】
次に、前記主クラッチ150aが締結された状態で、前記制御モジュール4は前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかによって前記一般走行モードまたは前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することができる。前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかは、前記確認モジュール3によって確認され得る。
【0072】
前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことが確認されると、前記制御モジュール4は前記一般走行モードに前記変速機150を制御することができる。
【0073】
前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となったことが確認されると、前記制御モジュール4は前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することができる。一方、前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速解除状態に維持されたので、前記制御モジュール4は主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速解除状態に維持されたことが確認されると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することができる。
【0074】
このように、本発明の変形された実施例に係る農業用作業車両の変速機制御装置1は、前記走行待機モードで前記ブレーキペダル1422の操作状態によって前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御し、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421の操作状態によって前記一般走行モードまたは前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御するように具現され得る。
【0075】
以下では、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法に対する実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0076】
図1図6、および図8を参照すると、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、前記農業用作業車両100が有する変速機150を制御するものである。本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は前述した本発明に係る農業用作業車両の変速機制御装置1によって遂行され得る。本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は次のような段階を含むことができる。
【0077】
まず、前記操作部140の操作状態を確認する(S10)。このような段階(S10)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141の操作状態、前記走行操作機構142の操作状態、および前記クラッチ操作機構143の操作状態を確認することによって遂行され得る。前記操作部の操作状態を確認する段階(S10)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。前記確認モジュール3は前記受信モジュール2から提供された操作情報を利用して前記操作部140の操作状態を確認することができる。前記操作部の操作状態を確認する段階(S10)は、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態であるかまたは前記ニュートラル操作状態であるかを確認する段階(S11)、前記走行操作機構142が前記走行操作状態であるかまたは前記走行解除状態であるかを確認する段階(S12)、および前記クラッチ操作機構143が前記解除操作状態であるかまたは前記締結操作状態であるかを確認する段階(S13)を含むことができる。
【0078】
次に、前記走行待機モードに前記変速機150を制御する(S20)。このような段階(S20)は、前記エンジンの始動がかけられた農業用作業車両が停止した状態で、前記操作部140の操作状態を確認した結果にしたがって前記走行待機モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階(S20)は、前記エンジンの始動がかけられた農業用作業車両が停止した状態で、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態となり、前記走行操作機構142が前記走行解除状態となり、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記走行待機モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階(S20)が遂行されると、前記農業用作業車両100は前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態になるとともに前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態になっても停止した状態を維持することができる。
【0079】
これに伴い、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141が前進または後進に操作されたことだけでは前記農業用作業車両100が走行しないように前記変速機150を制御することができる。また、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態に操作されたことだけでは前記農業用作業車両100が走行しないように前記変速機150を制御することができる。したがって、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、運転者が意図していない状況で前記農業用作業車両100が走行することになることを防止できるため、前記農業用作業車両100に対する運転難易度を低くし安全事故の発生を防止することができる。
【0080】
前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階(S20)は前記制御モジュール4によって遂行され得る。前記確認モジュール3から前記前後進操作信号、前記走行解除信号、および前記締結操作信号が受信されると、前記制御モジュール4は前記走行待機モードに前記変速機150を制御することができる。
【0081】
次に、前記走行待機モードで前記走行操作機構142の操作状態を確認する(S30)。このような段階(S30)は、前記走行待機モードで前記走行操作機構142が前記走行操作状態であるかまたは前記走行解除状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階(S30)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。
【0082】
次に、走行モードに前記変速機150を制御する(S40)。このような段階(S40)は、前記走行待機モードで前記走行操作機構142が前記走行操作状態となったことを確認すると、前記農業用作業車両を走行させる前記走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。前記走行モードに前記変速機を制御する段階(S40)は前記制御モジュール4によって遂行され得る。
【0083】
前記走行モードに前記変速機を制御する段階(S40)は、一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)、およびアイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)を含むことができる。
【0084】
前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)は、前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことを確認すると、前記一般走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)は前記制御モジュール4によって遂行され得る。前記制御モジュール4は前記加速操作信号が受信されると、前記一般走行モードに前記変速機150を制御することができる。前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)が遂行されると、前記農業用作業車両100は出発した後に前記加速操作機構1421の操作の程度によって走行することができる。これに伴い、運転者は前記加速操作機構1421を操作することによって、前記農業用作業車両100を望む走行速度で走行させることができる。
【0085】
前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)は、前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となったことを確認すると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)は前記制御モジュール4によって遂行され得る。前記制御モジュール4は前記加速解除信号が受信されると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することができる。前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)が遂行されると、前記農業用作業車両100は前記加速操作機構1421が操作されていない状態で、前記既設定された低速の走行速度で走行することができる。これに伴い、運転者は前記ハンドスロットル14211および前記アクセルペダル14212を操作せずとも前記農業用作業車両100を前記既設定された低速の走行速度で走行させることができる。
【0086】
図1図6、および図8を参照すると、前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階(S20)は走行待機モードに切り替える段階(S21)を含むことができる。
【0087】
前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は、前記主クラッチ150aに対する締結の解除を維持させて前記走行待機モードに切り替えることによって遂行され得る。この場合、前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことを確認したとしても、前記主クラッチ150aに対する締結の解除を維持させることができる。前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は前記制御モジュール4によって遂行され得る。前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態になるとともに前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態になっても前記前後進クラッチ1511に対する締結の解除を維持させることができる。前記走行クラッチ1521が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態になっても前記走行クラッチ1521に対する締結の解除を維持させることができる。この場合、前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態になることによって前記前後進クラッチ1511を締結させることができる。
【0088】
前記変速機150がデュアルクラッチ変速機で具現された場合、前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は、前記第1走行クラッチ1521aおよび前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つを締結させるか、または前記第1走行クラッチ1521aおよび前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つの締結を維持させて前記走行待機モードに切り替えることによって遂行され得る。この場合、前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aに該当し得る。前記前後進クラッチ1511が前記主クラッチ150aに該当する場合、前記制御モジュール4は前記前後進クラッチ1511に対する締結の解除を維持させるとともに、前記第1走行クラッチ1521aと前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つを締結させるか、または前記第1走行クラッチ1521aおよび前記第2走行クラッチ1521bのうちいずれか一つの締結を維持させるように前記変速部150を制御することができる。
【0089】
図1図9を参照すると、本発明に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、前記一般走行モードと前記アイドル走行モードに前記変速機150の制御方式を変更する方法によって、大きく第1実施例と第2実施例を含むことができる。このような第1実施例と第2実施例を添付された図面を参照して順次詳察すると、次の通りである。
【0090】
<第1実施例>
【0091】
図1図7を参照すると、本発明の第1実施例に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、次のように具現され得る。
【0092】
まず、前記操作部の操作状態を確認する段階(S10)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141の操作状態、前記加速操作機構1421の操作状態、および前記クラッチ操作機構143の操作状態を確認することによって遂行され得る。
【0093】
前記操作部の操作状態を確認する段階(S10)において、前記走行操作機構の操作状態を確認する段階(S12)は加速操作機構の操作状態を確認する段階(S121)を含むことができる。前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S121)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S121)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。
【0094】
次に、前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階(S20)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となり、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記走行待機モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。この場合、前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となり、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記主クラッチ150aに対する締結の解除を維持させることによって前記走行待機モードに切り替えることができる。
【0095】
次に、前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階(S30)は、前記走行待機モードで前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S31)を含むことができる。前記走行待機モードで前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S31)は、前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記走行待機モードで前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S31)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。
【0096】
次に、前記走行モードに前記変速機を制御する段階(S40)は、主クラッチを締結する段階(S43)、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)、および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)を含むことができる。
【0097】
前記主クラッチを締結する段階(S43)は、前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことを確認すると(S31)、前記主クラッチ150aを締結させることによって遂行され得る。前記主クラッチを締結する段階(S43)は前記制御モジュール4によって遂行され得る。前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記確認モジュール3から前記加速操作信号が受信されると、前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御することができる。前記主クラッチが締結されると、前記農業用作業車両100は前記加速操作機構1421が操作された程度に対応する走行速度で走行することができる。
【0098】
前記主クラッチを締結する段階(S43)は、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)が遂行される前に遂行され得る。前記主クラッチを締結する段階(S43)は、前記走行待機モードで前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S31)が遂行された後に遂行され得る。
【0099】
次に、前記走行モードに前記変速機を制御する段階(S40)は、前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)を含むことができる。
【0100】
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。前記確認モジュール3は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421の操作情報から前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することができる。
【0101】
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)が遂行される前に遂行され得る。前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は、前記主クラッチを締結する段階(S43)が遂行された後に遂行され得る。
【0102】
本発明の第1実施例に係る農業用作業車両の変速機制御方法において、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)は次のように具現され得る。
【0103】
前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことを確認すると、前記一般走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことを確認することによって前記主クラッチ150aが締結された状態であり得る。この場合、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態に維持されたことを確認すると、前記一般走行モードに前記変速機を制御することによって遂行され得る。
【0104】
前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となったことを確認すると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。
【0105】
このように、本発明の第1実施例に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、前記走行待機モードで前記加速操作機構1421の操作状態によって前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御し、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421の操作状態によって前記一般走行モードまたは前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御するように具現され得る。
【0106】
<第2実施例>
【0107】
図1図5図8および図9を参照すると、本発明の第2実施例に係る農業用作業車両の変速機制御方法は次のように具現され得る。
【0108】
まず、前記操作部の操作状態を確認する段階(S10)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141の操作状態、前記加速操作機構1421の操作状態、前記ブレーキペダル1422の操作状態、および前記クラッチ操作機構143の操作状態を確認することによって遂行され得る。
【0109】
前記操作部の操作状態を確認する段階(S10)において、前記走行操作機構の操作状態を確認する段階(S12)は、前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S121)、およびブレーキペダルの操作状態を確認する段階(S122)を含むことができる。前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S121)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記ブレーキペダルの操作状態を確認する段階(S122)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記ブレーキペダル1422が前記制動状態であるかまたは前記未制動状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S121)および前記ブレーキペダルの操作状態を確認する段階(S122)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。
【0110】
次に、前記走行待機モードに前記変速機を制御する段階(S20)は、前記エンジンの始動がかけられた前記農業用作業車両100が停止した状態で、前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となり、前記ブレーキペダル1422が前記制動状態となり、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記走行待機モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。この場合、前記走行待機モードに切り替える段階(S21)は前記シャトルレバー141が前記前後進操作状態となり、前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となり、前記ブレーキペダル1422が前記制動状態となり、前記クラッチ操作機構143が前記締結操作状態となったことを確認すると、前記主クラッチ150aに対する締結の解除を維持させることによって前記走行待機モードに切り替えることができる。
【0111】
次に、前記走行待機モードで前記走行操作機構の操作状態を確認する段階(S30)は、前記走行待機モードで前記ブレーキペダルの操作状態を確認する段階(S32)を含むことができる。前記走行待機モードで前記ブレーキペダルの操作状態を確認する段階(S32)は、前記走行待機モードで前記ブレーキペダル1422が前記制動状態であるかまたは前記未制動状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記走行待機モードで前記ブレーキペダルの操作状態を確認する段階(S32)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。
【0112】
次に、前記走行モードに前記変速機を制御する段階(S40)は、前記主クラッチを締結する段階(S43)、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)、および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)を含むことができる。
【0113】
前記主クラッチを締結する段階(S43)は、前記走行待機モードで前記ブレーキペダル1422が前記未制動状態となったことを確認すると(S32)、前記主クラッチ150aを締結させることによって遂行され得る。前記主クラッチを締結する段階(S43)は前記制御モジュール4によって遂行され得る。前記制御モジュール4は前記走行待機モードで前記確認モジュール3から前記未制動信号が受信されると、前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御することができる。前記主クラッチが締結されると、前記農業用作業車両100は前記既設定された低速の走行速度で走行を開始することができる。
【0114】
前記主クラッチを締結する段階(S43)は、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)が遂行される前に遂行され得る。前記主クラッチを締結する段階(S43)は、前記走行待機モードで前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S31)が遂行された後に遂行され得る。
【0115】
次に、前記走行モードに前記変速機を制御する段階(S40)は、前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)を含むことができる。
【0116】
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することによって遂行され得る。前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は前記確認モジュール3によって遂行され得る。前記確認モジュール3は前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421の操作情報から前記加速操作機構1421が前記加速操作状態であるかまたは前記加速解除状態であるかを確認することができる。
【0117】
前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)が遂行される前に遂行され得る。前記主クラッチが締結された状態で前記加速操作機構の操作状態を確認する段階(S44)は、前記主クラッチを締結する段階(S43)が遂行された後に遂行され得る。
【0118】
本発明の第2実施例に係る農業用作業車両の変速機制御方法において、前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)および前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)は次のように具現され得る。
【0119】
前記一般走行モードに前記変速機を制御する段階(S41)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速操作状態となったことを確認すると、前記一般走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。
【0120】
前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速解除状態となったことを確認すると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。一方、前記走行待機モードで前記加速操作機構1421が前記加速解除状態に維持されたので、前記アイドル走行モードに前記変速機を制御する段階(S42)は、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421が前記加速解除状態に維持されたことを確認すると、前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御することによって遂行され得る。
【0121】
このように、本発明の第2実施例に係る農業用作業車両の変速機制御方法は、前記走行待機モードで前記ブレーキペダル1422の操作状態によって前記主クラッチ150aが締結されるように前記変速機150を制御し、前記主クラッチ150aが締結された状態で前記加速操作機構1421の操作状態によって前記一般走行モードまたは前記アイドル走行モードに前記変速機150を制御するように具現され得る。
【0122】
以上で説明した本発明は前述した実施例および添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形および変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者において明白であろう。
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