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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】チップ、遊技テーブル及び遊技システム
(51)【国際特許分類】
   A44C 21/00 20060101AFI20230331BHJP
   A63F 5/00 20060101ALI20230331BHJP
   A63F 1/06 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
A44C21/00
A63F5/00 Z
A63F1/06 A
A63F1/06 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021525535
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(86)【国際出願番号】 JP2019023637
(87)【国際公開番号】W WO2020250415
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】513178621
【氏名又は名称】セガサミークリエイション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 史裕
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/026112(WO,A1)
【文献】特開平08-019409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 21/00
A63F 5/00
A63F 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス給電を受けて駆動するチップであって、
遊技テーブルにおいて、チップのベット位置の特定が可能となるように、複数配置された発光素子から出射される、位置情報を含む発光信号を受光する受光部と、
自身の識別情報ととともに、前記受光した前記発光信号に含まれる位置情報を、ベットチップ情報として送信する送信部と、
チップの本体部の中心軸を含むように形成された導光部と、
前記導光部を取り囲むように形成された非導光部と、を備え、
前記導光部は、前記発光信号を透過させるとともに拡散させ、
前記非導光部には、前記受光部が前記発光信号を受光可能に設置されており、
第1のチップの上に第2のチップが重ねて配置された状態で、前記第1のチップの下方から前記発光素子によって前記発光信号が照射された際に、前記第2のチップの前記導光部に前記発光信号を透過させることが可能となっている、チップ。
【請求項2】
請求項1に記載のチップを配置するための遊技テーブルであって、
前記チップにワイヤレス給電を行う給電部と、
前記チップのベット位置の特定が可能となるように配置され、当該遊技テーブルにおける位置を特定する位置情報を含む発光信号を出射する、複数の発光素子と、
当該遊技テーブルにベットされた前記チップから、前記ベットチップ情報を受信する受信部とを具備する、遊技テーブル。
【請求項3】
前記発光信号には、前記位置情報以外に、少なくとも当該遊技テーブルを識別するテーブル情報、または当選した際の時間情報のいずれかが含まれる、請求項に記載の遊技テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ、遊技テーブル及び遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カジノのような遊技施設において使用されるチップに関して、例えば特許文献1および2には、光通信を利用してチップのメモリに記憶された識別情報を、光通信を利用して判別用の装置に送信し、チップの真偽を判別する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-238899号公報
【文献】特開平8-19409号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、遊技テーブルを用いてゲームを行うカードゲームやルーレットにおいては、チップを複数積み重ねて使用するケースが多い。しかしながら、上述した先行技術は、単数のチップの位置を検出する、またはチップの真偽を判別するものであり、遊技テーブル上に積み重ねられた状態のチップの数や識別情報を、精度よく検知することはできない、という問題があった。
【0005】
本発明は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、遊技テーブル上に積み重ねられた状態のチップの数や識別情報を、精度よく検知することが可能な技術を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一態様に係るチップは、ワイヤレス給電を受けて駆動するチップであって、遊技テーブルにおいて、チップのベット位置の特定が可能となるように、複数配置された発光素子から出射される、位置情報を含む発光信号を受光する受光部と、自身の識別情報ととともに、受光した発光信号に含まれる位置情報を、ベットチップ情報として送信する送信部とを具備することを要旨とする。
本発明の一態様に係る遊技テーブルは、上述した本発明の一態様に係るチップを配置するための遊技テーブルであって、チップにワイヤレス給電を行う給電部と、チップのベット位置の特定が可能となるように配置され、遊技テーブルにおける位置を特定する位置情報を含む発光信号を出射する、複数の発光素子と、遊技テーブルにベットされたチップから、ベットチップ情報を受信する受信部とを具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技テーブル上に積み重ねられた状態のチップの数や識別情報を、精度よく検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るチップの外観を示す図である。
図2】チップの内部構成を示す模式図である。
図3】チップと遊技テーブルとの位置関係を例示した図である。
図4】遊技テーブルのテーブル表面を例示した図である。
図5】遊技テーブルの内部を例示した模式図である。
図6】メモリの記憶内容を例示した図である。
図7】メモリの記憶内容を例示した図である。
図8】チップと遊技テーブルの動作を示すシーケンス図である。
図9】管理システムの構成を示すブロック図である。
図10】変形例に係るチップの内部構成を示す模式図である。
図11】チップと遊技テーブルとの位置関係を例示した図である。
図12】チップと遊技テーブルの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
A.本実施形態
[チップの構成]
図1は、チップTの外観を示す図であり、図2は、チップTの内部構成を示す模式図である。
チップTは、遊技テーブルにおいて行われる様々な遊技(ルーレットやカードゲームなど)に用いられる媒体である。なお、チップTの形状やサイズは任意である。
【0011】
チップTは、略円盤状(コイン状)に形成された本体部101を有し、その内部に、導光部102、受光部103、受電アンテナ104、通信アンテナ105、メモリMを有する処理部106、が設けられている(図2参照)。図1に示すように、チップTの表面(導光部102に対応する部分)には、当該チップTの遊技価値(例えば10$)を示すステッカーSが貼着されている。このステッカーSは、赤外線透過型のフィルムなどによって形成されている。
【0012】
導光部102は、データ通信に利用される赤外線を透過する導光板を備えており、本体部101の中心軸を含むよう中心部に配置されている。導光板は内部で赤外線を透過させるとともに拡散させる。なお、本実施形態では、データ通信の一例として赤外線通信を例示するが、紫外線通信や可視光通信にも適用可能である。
【0013】
受光部103は、例えば赤外線LEDセンサを備えており、導光部102の外周面に面して1箇所以上設けられている。受光部103は、遊技テーブルに設けられた各赤外線発光素子(後述)から出射される赤外光(発光信号)を受光する。なお、各赤外線発光素子は、チップTを読ませたい位置に複数配置されている。
【0014】
受電アンテナ104は、非接触で遊技テーブルから電力供給(いわゆるワイヤレス給電)を受けるためのアンテナであり、本実施形態では、LF(Low Frequency)帯の長波を利用して遊技テーブルから電力供給を受ける。受電アンテナ104を介して受電した電力は、処理部106によって各部に供給される。
【0015】
通信アンテナ(送信部)105は、非接触で遊技テーブル300に設けられたリーダ/ライタ(後述)との間でデータ通信を行うためのアンテナであり、本実施形態では、HF(High Frequency)帯の短波を利用する。なお、本実施形態では、受電アンテナ104及び通信アンテナ105は、いずれも電磁誘導方式を採用するが、電波方式を採用してもよい。
【0016】
処理部(送信部)106は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成され、CPUがROM、RAMに格納された制御プログラムやデータを読み込むことで、チップTの各部を中枢的に制御する。なお、処理部106の詳細については後述することとし、遊技テーブルの構成を説明する。
【0017】
[遊技テーブルの構成]
図3は、チップTと遊技テーブル300との位置関係を例示した図である。
図3に示すように、遊技テーブル300には、n枚のチップT1、T2、・・・Tnが積み重ねられている。
【0018】
遊技テーブル300の最下層には、各チップTに対して非接触式のワイヤレス給電を行う給電部301が設けられている。給電部301には、チップTの受電アンテナ104に対応するLF帯の送電アンテナ(図示略)が設けられている。
【0019】
給電部301の上層には、チップTに対してデータの読み出し及び書き込みを行うリーダ/ライタ302用のR/Wアンテナ303が設けられている。R/Wアンテナ303は、チップTの通信アンテナ105に対応するHF帯のアンテナである。遊技テーブル300は、R/Wアンテナ303により、チップTとの間でデータ通信を行うことが可能となっている。
【0020】
R/Wアンテナ303の上層には、所定の間隔を置いてガラス板304、光透過性の緩衝材305、アクリル板306が積層されたテーブル面が形成されている。ガラス板304とR/Wアンテナ303の間には、位置データを含む発光信号を出射する赤外線発光素子307が複数設けられている。各赤外線発光素子307は、例えば赤外線LEDなどによって構成されている。赤外線発光素子307から出射した赤外線は積み重ねたチップT1~Tnの導光部102を透過しつつも導光板内で拡散し各チップの受光部103に赤外線を導き、信号を伝える。
【0021】
図4は、遊技テーブル300のテーブル表面を例示した図であり、図5は、遊技テーブル300の内部を例示した模式図である。
【0022】
本実施形態では、遊技テーブル300の一例として、ルーレットに用いられる遊技テーブル300を想定する。図4及び図5に示すように、赤外線発光素子307は、遊技者によるチップTのベット位置の特定が可能となるように、チップTを読ませたい位置に複数配置されている。各赤外線発光素子307には、予め遊技テーブル300における位置を特定するためのユニークなアドレスが割り当てられている。各赤外線発光素子307は、自身に割り当てられたアドレスを示す位置データを含む発光信号を出射する。赤外線発光素子307から出射された発光信号は、チップTの受光部103によって受信され、発光信号に含まれる位置データが、チップTの処理部106によってメモリMに書き込まれる。
【0023】
図6及び図7は、メモリMの記憶内容を例示した図である。
初期状態において、チップTの処理部106のメモリMには、自身のチップTを識別するためのチップID、自身のチップTが貸し出されたユーザを識別するためのユーザIDが格納されている(図6参照)。
【0024】
一方、遊技者によって、遊技テーブル300のいずれかのベット位置にチップTが置かれると、当該ベット位置の下方に配置されている赤外線発光素子307から出射される発光信号に含まれる位置データが、メモリMに格納される(図7参照)。なお、説明の便宜上、チップID及びユーザIDを「初期チップ情報」と呼び、初期チップ情報に位置データが追加されたものを「ベットチップ情報」と呼ぶ。
【0025】
その後、リーダ/ライタ302からR/Wアンテナ303を介して、ベットチップ情報の取得要求が送られると、チップTの処理部106は、メモリMに格納されているベットチップ情報を読み出し、通信アンテナ105を介してリーダ/ライタ302に送信する。
【0026】
以下、チップTと遊技テーブル300を用いた遊技システムの動作について例を挙げて説明する。
【0027】
図8は、チップTと遊技テーブル300の動作を示すシーケンス図である。
遊技テーブル300の給電部301は、LF帯の送電アンテナ(図示略)を介し、遊技テーブル300に積み重ねられた各チップTに対して非接触式のワイヤレス給電を行う(ステップS1)。
【0028】
各チップTの処理部106は、受電アンテナ104を介して電力供給を受けると、駆動を開始する(ステップS2)。
【0029】
遊技テーブル300の各赤外線発光素子307は、位置データを含む発光信号を出射する(ステップS3)。遊技テーブル300に積み重ねられた各チップTの処理部106は、受光部103を介して、位置データを含む発光信号を受信すると、発光信号に含まれる位置データをメモリMに書き込む(ステップS4)。
【0030】
その後、遊技テーブル300の給電部301は、各チップTに対するワイヤレス給電を停止する(ステップS5)。一方、遊技テーブル300のリーダ/ライタ302は、HF帯のR/Wアンテナ303を介し、各チップTに対してベットチップ情報の取得要求を行う(ステップS6)。各チップTの処理部106は、通信アンテナ105を介してベットチップ情報の取得要求を受け取ると、メモリMに格納されているベットチップ情報を読み出し、通信アンテナ105を介してリーダ/ライタ302に送信する(ステップS7)。以上説明した一連の処理がゲームプレイ中に繰り返し実行される。
【0031】
<システム構成>
図9は、本実施形態に係る管理システム500の構成を示すブロック図である。
管理システム500は、複数のチップTと複数の遊技テーブル300と管理装置400とを含んで構成される。図9では、説明の便宜上、チップT及び遊技テーブル300をそれぞれ1つずつ図示している。
【0032】
管理装置400は、遊技施設内で利用されるチップTを管理するための装置であり、例えばCPU、ROM、RAMを備えたサーバコンピュータによって構成されている。管理装置400は、有線回線もしくは無線回線を介して遊技テーブル300と通信可能に接続されている。
【0033】
管理装置400は、取得部401、特定部402、出力部403、位置データベースDB1、管理データベースDB2を備えている。
【0034】
取得部401は、遊技テーブル300のリーダ/ライタ302から送信されるベットチップ情報(図7参照)を取得する。
【0035】
特定部402は、取得されたベットチップ情報を解析することで、チップのベット位置、ベットされたチップの枚数と金額、ベットしたユーザを特定する。詳述すると、特定部402は、ベットチップ情報に含まれる位置データに基づき、赤外線発光素子307のアドレス(すなわち、チップのベット位置)を特定する。位置データベースDB1には、赤外線発光素子307のアドレスと、対応するチップのベット位置を特定する位置情報とを対応付けた位置管理テーブルTA1が登録されている。特定部402は、赤外線発光素子307のアドレスを取得すると、位置管理テーブルTA1を参照することで、チップのベット位置を特定する。
【0036】
さらに、特定部402は、ベットチップ情報に含まれるチップIDに基づき、チップの枚数と金額を特定する。管理データベースDB2には、チップIDと、チップに対応づけた金額との関係を示すチップ管理テーブルTA2が格納されている。特定部402は、チップIDを取得すると、チップ管理テーブルTA2を参照することで、チップの枚数と金額を特定する。なお、ここでいう「チップの金額」とは、チップごとの金額のほか、積み重ねられた複数のチップの合計金額も含む。さらに、特定部402は、ベットチップ情報に含まれるユーザIDに基づき、ベットしたユーザを特定する。
【0037】
出力部403は、例えば表示パネルなどを備えており、特定部402によって特定された情報を、遊技施設の表示パネルに表示する。ユーザやディーラー等は、表示パネルに表示される情報を確認することで、いずれのユーザが、いずれのベット位置に、どれだけの金額のチップをベットしたかを、迅速かつ正確に把握することが可能となる。
【0038】
このように、本実施形態によれば、遊技テーブル300の高さ方向に積み重ねられた各チップTは、遊技テーブル300に内蔵された各赤外線発光素子307から、位置データを含む発光信号を受信する。そして、各チップTは、受信した位置データとともに、当該チップTを識別するためのチップID、当該チップTが貸し出されたユーザを識別するためのユーザIDを含め、ベットチップ情報としてリーダ/ライタ302に送信する。これにより、チップTが積み重ねられた状態でもチップTの特定が可能となる。
【0039】
さらに、ベット終了時に置かれたチップTを特定して、ゲームの結果が出てからチップTが置かれた場合には、エラー表示を出すことも可能となる。一例を挙げると、管理装置400において、遊技テーブル300から送信されるベットチップ情報の受信タイミングを検知する。管理装置400は、ベットチップ情報の受信タイミングをもとに、ベット期間内に正しく置かれたチップTであるか、ベット期間が終了し、ゲームの結果が出てから不正に置かれたチップTであるかを判断する。管理装置400は、不正に置かれたチップTであると判断すると、出力部403にエラーメッセージを出力するとともに、当該ベット操作を無効化する処理を行う。かかる構成によれば、ゲームの結果が出てからチップTを置くといった不正なベット操作を抑制することが可能となる。
【0040】
B.変形例
上述した本実施形態では、遊技テーブル300の高さ方向に多数(20~30枚など)のチップTが積み重ねられた場合であっても、確実にワイヤレス給電が行えるように、ワイヤレス給電用にLF帯の周波数を利用するとともに、データ通信用にHF帯の周波数を利用したが、これに限る趣旨ではない。確実にワイヤレス給電が行えるのであれば、共通の周波数帯(以下ではHF帯を想定)を利用してワイヤレス給電及びデータ通信を実現してもよい。
【0041】
図10は、変形例に係るチップTの内部構成を示すブロック図であり、図11は、変形例に係るチップTと遊技テーブル300との位置関係を例示した図である。図2図10図3図11を比較して明らかなように、変形例に係るチップT及び遊技テーブル300は、それぞれ受電アンテナ104、給電部301を備えていない。その他の構成は、本実施形態に係るチップT及び遊技テーブル300と同様であるため、対応する部分には同一符号を付し、説明を割愛する。
【0042】
チップTの通信アンテナ(送信部)105は、HF帯のアンテナであり、非接触で遊技テーブル300からワイヤレス給電を受けるとともに、非接触で遊技テーブル300に設けられたリーダ/ライタ302との間でデータ通信を行うためのアンテナである。
【0043】
遊技テーブル300のR/Wアンテナ(給電部、受信部)303は、HF帯のアンテナであり、遊技テーブル300に積み重ねられた各チップTに対してワイヤレス給電を行うとともに、各チップTとの間でデータ通信を行うためのアンテナである。この場合、リーダ/ライタ302がワイヤレス給電のエネルギー供給源として機能する。
【0044】
図12は、変形例に係るチップTと遊技テーブル300の動作を示すシーケンス図である。
【0045】
遊技テーブル300のリーダ/ライタ302は、R/Wアンテナ303を介してワイヤレス給電を行う(ステップSA1)。
各チップTの処理部106は、通信アンテナ104を介して電力供給を受けると、駆動を開始する(ステップSA2)。
【0046】
遊技テーブル300の各赤外線発光素子307は、位置データを含む発光信号を出射する(ステップSA3)。各チップTの処理部106は、受光部103を介して、位置データを含む発光信号を受信すると、発光信号に含まれる位置データをメモリMに書き込む(ステップSA4)。
【0047】
一方、遊技テーブル300のリーダ/ライタ302は、HF帯のR/Wアンテナ303を介し、各チップTに対してベットチップ情報の取得要求を行う(ステップSA5)。各チップTの処理部106は、通信アンテナ105を介してベットチップ情報の取得要求を受け取ると、メモリMに格納されているベットチップ情報を読み出し、通信アンテナ105を介してリーダ/ライタ302に送信する(ステップSA6)。以上説明した一連の処理がゲームプレイ中に繰り返し実行される。
【0048】
かかる構成によれば、本実施形態に比べて、より簡易かつ低コストでシステムを構築することが可能となる。
【0049】
本実施形態では、管理装置400と遊技テーブル300を別体構成としたが、これに限る趣旨ではない。例えば遊技テーブル300に管理装置400の機能を設け、一体構成としてもよい。また、管理装置400の機能の一部(例えば、取得部401や特定部402など)を遊技テーブル300に設けてもよく、これとは逆に、遊技テーブル300の一部(例えば、リーダ/ライタ302)を管理装置400に設けてもよい。
【0050】
本実施形態では、チップTの中心部に導光部102を設けたが、導光部102をチップTの外周側に同心円状に設けてもよい。導光部102を外周側に設けた場合には、複数のチップTがアトランダムに積み重ねられたとしても、上下のチップ間で導光し易くなるというメリットがある。また、チップTは多角形などの略円盤状(コイン状)以外の形状としてもよい。
【0051】
本実施形態では、自身のチップTのチップID及びユーザIDを含むチップ情報(図6及び図7参照)を例示したが、チップ情報の構成はこれに限る趣旨ではない。例えば、チップを利用するユーザが既に特定されている場合には、チップ情報にユーザIDを含めなくてもよい。また、チップID及びユーザIDのほか、チップに対応づけた金額(例えば、10ドルなど)をあらわす情報を、チップ情報に含めるようにしてもよい。
さらに赤外線発光素子307からの発光信号として位置データ以外に、例えばその遊技テーブル300のID番号をあらわすテーブル情報や、当選した際の時間情報としてのタイムスタンプを送ってもよい。テーブル情報は、例えば各赤外線発光素子307のメモリ(図示略)に予め設定しておけばよい。タイムスタンプは、例えば遊技テーブル300のタイマ(図示略)を利用して取得すればよい。テーブル情報を送ることで、複数台の遊技テーブル300がある場合に、管理装置400がどの遊技テーブル300のどの位置が当選したか把握できる。さらに当選した位置に対応する赤外線発光素子307からタイムスタンプが送られることにより、当選した時間をチップTに当選実績として残すことができ、チップTをゲーム終了後に加えるという不正にも対処できる。
【0052】
C.その他
本発明は、上述した本実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。例えば、上述した各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。さらに、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0053】
また、本明細書において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その「部」が実行する処理をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」が実行する処理を2つ以上の物理的構成や装置により実現されても、2つ以上の「部」が実行する処理を1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0054】
また、本明細書において説明した各処理を実施するプログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、チップTや遊技テーブル300、管理装置400に、上記プログラムをインストールすることができる。ここで、上記プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、例えば、CD-ROM等の記録媒体であっても良い。
【符号の説明】
【0055】
T…チップ、101…本体部、102…導光部、103…受光部、104…受電アンテナ、105…通信アンテナ、106…処理部、300…遊技テーブル、301…給電部、302…リーダ/ライタ、303…R/Wアンテナ、307…赤外線発光素子、400…管理装置、401…取得部、402…特定部、403…出力部、DB1…位置データベース、DB2…管理データベース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12