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特許7254191列車ネットワーク制御システム、方法、装置、及び列車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】列車ネットワーク制御システム、方法、装置、及び列車
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/247 20220101AFI20230331BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20230331BHJP
【FI】
H04L45/247
B60L3/00 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021541544
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 CN2019113919
(87)【国際公開番号】W WO2020168739
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】201910132635.X
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ワン リ
(72)【発明者】
【氏名】ワン バイチン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン グオイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン グァンマオ
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105438222(CN,A)
【文献】特開2001-060959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0215392(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/247
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車ネットワーク制御システムであって、少なくとも2つのパワーユニットを含み、
少なくとも2つの前記パワーユニットにおける各前記パワーユニットの間はそれぞれバックボーンイーサネットまたは蝶番型列車バスで冗長に接続され、かつバックボーンイーサネットまたは蝶番型列車バスを介してデータインタラクションを行い、
前記パワーユニットは、複数の車両を含み、前記パワーユニットの内部は、車両レベルマーシャリングイーサネットまたは多機能車両バスを介して情報を伝送することができ、
前記パワーユニットは中央制御ユニット、ゲートウェイ、及び他のシステムホストを含み、
前記中央制御ユニットは前記ゲートウェイに接続され、前記ゲートウェイは蝶番型列車バスを介して他のパワーユニットのゲートウェイに接続され、
前記中央制御ユニットはそれぞれマーシャリングイーサネット及び多機能車両バスを介して前記他のシステムホストに接続され、
前記他のシステムホストの間はマーシャリングイーサネット及び多機能車両バスを介して接続され、
前記中央制御ユニットと前記他のシステムホストとは前記マーシャリングイーサネット、及び前記マーシャリングイーサネットに接続されるバックボーンイーサネットを介して、他のパワーユニットの中央制御ユニット及び他のシステムホストに接続され、
前記中央制御ユニットは、前記マーシャリングイーサネットを介して接続された他のシステムホストに制御命令を送信しており、所定時間内で、前記他のシステムホストからのフィードバック情報を受信していないと、再び前記多機能車両バスを介して接続された他のシステムホストに制御命令を送信し、前記他のシステムホストは、トラクションコントローラ、制動コントローラ、ドアコントローラ、及び空調コントローラを含むことを特徴とする列車ネットワーク制御システム。
【請求項2】
現在のパワーユニットが他のパワーユニットに制御命令を送信する必要がある場合、現在の前記パワーユニットは具体的に、
他の前記パワーユニットのアドレス情報を取得し、
前記アドレス情報に基づき、前記バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信し、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットからのフィードバック情報を受信していないと、前記蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信する請求項1に記載の列車ネットワーク制御システムことを特徴とする。
【請求項3】
他のパワーユニットの中央制御ユニットに制御命令を送信する必要がある場合、現在のパワーユニットにおける前記中央制御ユニットは、他の前記パワーユニットのアドレス情報に基づき、前記バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットにおける中央制御ユニットに制御命令を送信しており、所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットからのフィードバック情報を受信していないと、前記蝶番型列車バスを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに、再び制御命令を送信することを特徴とする請求項に記載の列車ネットワーク制御システム。
【請求項4】
列車であって、請求項1~のいずれか1項に記載の列車ネットワーク制御システムを含むことを特徴とする列車。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の列車ネットワーク制御システムを応用する列車ネットワーク制御方法であって、
パワーユニットが他のパワーユニットのアドレス情報を取得するステップと、
前記アドレス情報に基づき、バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信するステップと、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットからのフィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の列車ネットワーク制御システムを応用する列車ネットワーク制御方法であって、
現在のパワーユニットにおける中央制御ユニットはマーシャリングイーサネットを介して接続された被制御機器に制御命令を送信するステップと、
所定時間内で、前記被制御機器からのフィードバック情報を受信していないと、多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
さらに、
他のパワーユニットの中央制御ユニットに制御命令を送信する必要がある場合、他の前記パワーユニットのアドレス情報に基づき、バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットにおける中央制御ユニットに制御命令を送信するステップと、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットからのフィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに再び制御命令を送信するステップとを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年02月22日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201910132635.Xであり、発明名称が「列車ネットワーク制御システム、方法、装置、及び列車」である中国特許出願の優先権を主張して、該特許に記載の全ての内容は援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は鉄道車両という技術分野に関わり、特に、列車ネットワーク制御システム、方法、装置、及び列車に関わる。
【背景技術】
【0003】
現在、列車には列車通信ネットワーク(Train Communication Network、TCN)が設けられるため、列車における各パワーユニットの間はTCNを介してインタラクションを行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
TCNは故障のため、作動できない場合、各パワーユニットの間は互いに通信できず、列車における電気機器は正常に作動できない。
【0005】
前記問題を解决するために、本発明の実施例は、列車ネットワーク制御システム、方法、装置、及び列車を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は列車ネットワーク制御システムを提供し、少なくとも2つのパワーユニットを含み、
少なくとも2つの前記パワーユニットにおける各前記パワーユニットの間はそれぞれバックボーンイーサネットまたは蝶番型列車バスを介してデータインタラクションを行う。
【0007】
本発明の実施例はさらに、前記列車ネットワーク制御システムを含む列車を提供する。
【0008】
本発明の実施例はさらに、前記列車ネットワーク制御システムを応用する列車ネットワーク制御方法を提供し、
パワーユニットが他のパワーユニットのアドレス情報を取得するステップと、
前記アドレス情報に基づき、バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信するステップと、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットからのフィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信するステップとを含む。
【0009】
本発明の実施例はさらに、前記列車ネットワーク制御システムを応用する列車ネットワーク制御方法を提供し、
現在のパワーユニットにおける中央制御ユニットはマーシャリングイーサネットを介して接続された被制御機器に制御命令を送信するステップと、
所定時間内で、前記被制御機器からのフィードバック情報を受信していないと、多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信するステップとを含む。
【0010】
本発明の実施例はさらに、列車ネットワーク制御装置を提供し、
他の前記パワーユニットのアドレス情報を取得するための取得モジュールと、
前記アドレス情報に基づき、バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信するための第1送信モジュールと、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットからのフィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信するための第2送信モジュールとを含む。
【0011】
本発明の実施例はさらに、列車ネットワーク制御装置を提供し、
前記マーシャリングイーサネットを介して接続された被制御機器に制御命令を送信するための第1送信ユニットと、
所定時間内で、前記被制御機器からのフィードバック情報を受信していないと、再び前記多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信するための第2送信ユニットとを含む。
【0012】
本発明の実施例の前記第1態様~第2態様が提供する技術案において、列車にバックボーンイーサネット及び蝶番型列車バスを配置することで、列車に設けられた各前記パワーユニットの間はバックボーンイーサネット及び蝶番型列車バスを介してデータインタラクションを行うことができ、関する技術において、列車の列車通信ネットワークには故障があると、各パワーユニットの間の中央制御ユニットは互いに通信できない状況に対して、バックボーンイーサネットには故障があると、各パワーユニットの間の中央制御ユニットは蝶番型列車バスを利用して互いに通信でき、蝶番型列車バスには故障があると、各パワーユニットの間の中央制御ユニットはバックボーンイーサネットを利用して互いに通信でき、バックボーンイーサネットと蝶番型列車バスとは冗長ネットワーク構造を構成し、列車における各パワーユニットの間の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0013】
本発明の実施例の前記第3態様及び第5態様が提供する技術案において、まず、バックボーンイーサネットを介してアドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信し、所定時間内で、フィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信することで、バックボーンイーサネットには故障があると、データ伝送ネットワークを切り替え、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信し、列車における各パワーユニットはいずれも正常に動作できるように保証し、列車における各パワーユニットの間の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0014】
本発明の実施例の前記第4態様及び第6態様が提供する技術案において、マーシャリングイーサネットを介して接続された被制御機器に制御命令を送信し、所定時間内で、フィードバック情報を受信していないと、多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信することで、マーシャリングイーサネットには故障があると、データ伝送ネットワークを切り替え、多機能車両バスを介して再び接続された被制御機器に制御命令を送信し、各パワーユニットにおける被制御機器はいずれも正常に動作できるように保証し、各パワーユニットの内部の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0015】
本発明の前記目的、特徴及び利点をより明らか且つわかりやすくするために、以下は好適な実施例を挙げて、図面に合わせて、詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例1が提供する列車ネットワーク制御システムの構成模式図を示す。
図2】本発明の実施例2が提供する列車ネットワーク制御方法のフローチャートを示す。
図3】本発明の実施例3が提供する他の列車ネットワーク制御方法のフローチャートを示す。
図4】本発明の実施例4が提供する列車ネットワーク制御装置の構成模式図を示す。
図5】本発明の実施例5が提供する他の列車ネットワーク制御装置の構成模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の説明において、理解すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、などの用語が指示する方位又は位置関係は、図面による方位又は位置関係であり、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造され及び操作されると指示又は暗示するものではなく、ただ本発明を便利に記載し、及び記載を簡単にするために用いられるので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0018】
また、用語「第1」、「第2」は相対的な重要性を指示又は暗示したり或いは指定された技術特徴の数量を暗黙的に指定したりすると理解してはいけなく、ただ説明を目的するためのものである。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は、1つまたは複数の該特徴を明示又は暗黙的に含んでいる。本発明の記載において、特に明確で具体的に限定されない限り、「複数」の意味は2つまたは2つ以上である。
【0019】
本発明の説明において、明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広く理解されるべきである。例えば、固定接続、着脱可能な接続、あるいは一体的な接続であってもよし、机械的な接続、電気的な接続であってもよいし、直接的な接続、中間媒体を介して間接的な接続、二つの部品の内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本発明におけるの具体的な意味を理解することができる。
【0020】
現在、列車には列車通信ネットワーク(Train Communication Network、TCN)が設けられているため、列車における各パワーユニットの間はTCNを介してインタラクションを行うことができる。
【0021】
TCNが故障のため、作動できない場合、各パワーユニットの間は互いに通信できず、列車における電気機器は正常に作動できない。
【0022】
イーサネットは伝送速度が早く、伝送の情報が多いという特点を有し、イーサネットは既に列車制御ネットワークに搭載応用され、列車に用いられるネットワークシステムが成熟且つ確実であるように保証するために、本技術案は列車に列車レベルイーサネット及び列車通信ネットワークを同時に搭載する。このように、列車レベルイーサネット及び列車通信ネットワークを介して冗長ネットワーク構造を形成し、列車における各パワーユニットの間の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0023】
実施例1
図1に示される列車ネットワーク制御システムの構成模式図を参照して、本実施例は列車ネットワーク制御システムを提出し、少なくとも2つのパワーユニットを含み、
少なくとも2つの前記パワーユニットにおける各前記パワーユニットの間はそれぞれバックボーンイーサネット(図示せず)または蝶番型列車バス(図示せず)を介してデータインタラクションを行う。
【0024】
前記列車レベルネットワークは蝶番型列車バスとバックボーンイーサネットとを含み、前記車両レベルネットワークはマーシャリングイーサネットと多機能車両バスとを含む。
【0025】
前記パワーユニットについて、高速列車(EMU)を例として、8両編成の高速列車において、1~4車両は一方のパワーユニットであり、5~8車両は他方のパワーユニットであり、2つのパワーユニットの間はバックボーンイーサネット(ETB)または蝶番型列車バス(WTB)を利用して情報を伝送し、パワーユニットの内部は車両レベルマーシャリングイーサネット(ECN)または多機能車両バス(MVB)を介して情報を伝送できる。
【0026】
そして、本実施例において、ETBとECNとはイーサネットネットワーク(ETH)を構成でき、WTBとMVBとは列車通信ネットワーク(TCN)を構成できる。
【0027】
現在のパワーユニットが他のパワーユニットに制御命令を送信する場合、現在の前記パワーユニットは具体的に、
(1)他の前記パワーユニットのアドレス情報を取得するステップと、
(2)前記アドレス情報に基づき、前記バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信するステップと、
(3)所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットから送信されるフィードバック情報を受信していないと、前記蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信するステップとを実行する。
【0028】
前記ステップ(1)において、前記アドレス情報は、他のパワーユニットの、バックボーンイーサネット及び蝶番型列車バスにおけるIPアドレスである。
【0029】
前記ステップ(3)において、所定時間は50ミリ秒であってもよく、無論、他の時間の長さに配置されてもよく、ここで、一々贅言しない。
【0030】
各パワーユニットにおいて、接続された被制御機器を制御するために、前記パワーユニットは中央制御ユニットCCU、ゲートウェイ、及び被制御機器を含み、
前記中央制御ユニットCCUは前記ゲートウェイに接続され、前記ゲートウェイは蝶番型列車バスWTBを介して他のパワーユニットのゲートウェイに接続され、
前記中央制御ユニットCCUはそれぞれマーシャリングイーサネットECN及び多機能車両バスMVBを介して前記被制御機器に接続され、
前記被制御機器の間はマーシャリングイーサネットECN及び多機能車両バスMVBを介して接続され、
前記中央制御ユニットCCUと前記被制御機器とは前記マーシャリングイーサネットECN、及び前記マーシャリングイーサネットECNに接続されたバックボーンイーサネットETBを介して、他のパワーユニットの中央制御ユニットCCU及び被制御機器に接続され、
前記中央制御ユニットCCUは、前記マーシャリングイーサネットによって接続された被制御機器に制御命令を送信し、所定時間内で、前記被制御機器から送信されるフィードバック情報が受信されていないと、再び前記多機能車両バスMVBを介して接続された被制御機器に制御命令を送信する。
【0031】
前記被制御機器は、各パワーユニットにおける、中央制御ユニットCCUに接続される電気機器、または他のシステムホストであり、中央制御ユニットCCUは接続された電気機器または他のシステムホストを制御する。
【0032】
前記他のシステムホストは、トラクションコントローラ、制動コントローラ、ドアコントローラ、及び空調コントローラなどの被制御機器であってもよい。
【0033】
他のパワーユニットの中央制御ユニットに制御命令を送信する場合、現在のパワーユニットにおける前記中央制御ユニットは、他の前記パワーユニットのアドレス情報に基づき、前記バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットにおける中央制御ユニットに制御命令を送信し、所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットから送信されるフィードバック情報を受信していないと、前記蝶番型列車バスを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに、再び制御命令を送信する。
【0034】
以上の記載から分かるように、列車ネットワーク制御システムはバックボーンイーサネットまたは蝶番型列車バスを介して、列車の各パワーユニットの間のデータ伝送を実現でき、2つのネットワークが同時に作動し、好ましくは、各パワーユニットはバックボーンイーサネットを利用して制御され、バックボーンイーサネットには通信故障があると、蝶番型列車バスに切り替えて、データを伝送し、蝶番型列車バスはバックボーンイーサネットのホットスタンバイ冗長とする。無論、まず蝶番型列車バスを利用してもよく、蝶番型列車バスには故障があると、バックボーンイーサネットに切り替えて、データを伝送する。列車レベルイーサネットは列車通信ネットワークのホットスタンバイ冗長とする。
【0035】
2つの異なるネットワークのトポロジ構成は全体的に一致し、列車ネットワーク制御システムはパワーユニットに応じてネットワークセグメントを配置し、1つのパワーユニット内の異なる機器のアドレス情報は、1つのネットワークセグメント内に配置されてもよい。パワーユニットの間の列車バスは、バックボーンイーサネットETB及び蝶番型列車バスWTBを利用してデータを伝送し、パワーユニット内の車両バスは、マーシャリングイーサネットECN及び多機能車両バスMVBを利用して、データ伝送を実現する。列車レベルネットワークのデータ伝送方式は、車両レベルネットワークのデータ伝送方式と一致する。
【0036】
パワーユニットの間の各中央制御ユニットCCUは情報インタラクションを行う際、一致するイーサネットと蝶番型列車バスWTB列車レベル通信プロトコルを採用すべきであり、好ましくは、各中央制御ユニットCCUはバックボーンイーサネットを利用して情報インタラクションを行って、中央制御ユニットCCUの間のバックボーンイーサネットには通信故障があると、蝶番型列車バスWTBに切り替えて、情報インタラクションを行う。各パワーユニットにおける中央制御ユニットCCUは該パワーユニットのデータを統合し、統合されたデータはマーシャリングイーサネットECNを介して該パワーユニットの中央制御ユニットCCUに接続されるバックボーンイーサネットETBに伝送され、バックボーンイーサネットETBを介して他のパワーユニットに伝送される。
【0037】
各パワーユニットの中央制御ユニットCCUは実際状況に応じて、関するデータを選択して、制御を実現する。
【0038】
パワーユニット内の中央制御ユニットCCUと被制御機器との情報インタラクションは、内容が一致するイーサネットと多機能車両バスMVBの通信プロトコルを採用し、イーサネットはTRDPプロトコルを採用し、列車における他のシステムは同時にTRDPプロトコル及びMVBプロトコルを介して、接続された中央制御ユニットCCUとデータインタラクションを行う。
【0039】
本実施例はさらに、前記列車ネットワーク制御システムを含む列車を提供する。
【0040】
前記のように、本実施例は列車ネットワーク制御システム及び列車を提出し、列車にバックボーンイーサネット及び蝶番型列車バスを配置することで、列車に設けられた各前記パワーユニットの間はバックボーンイーサネット及び蝶番型列車バスを介してデータインタラクションを行うことができ、関する技術において、列車の列車通信ネットワークには故障があると、各パワーユニットの間の中央制御ユニットは互いに通信できない状況に対して、バックボーンイーサネットには故障があると、各パワーユニットの間の中央制御ユニットは蝶番型列車バスを利用して互いに通信でき、蝶番型列車バスには故障があると、各パワーユニットの間の中央制御ユニットはバックボーンイーサネットを利用して互いに通信でき、バックボーンイーサネットと蝶番型列車バスとは冗長ネットワーク構造を形成し、列車における各パワーユニットの間の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0041】
実施例2
パワーユニットの間で、制御命令を伝送するために、図2に示される列車ネットワーク制御方法のフローチャートを参照し、本実施例は前記実施例1に記載の列車ネットワーク制御システムを応用する列車ネットワーク制御方法を提出し、前記方法は具体的に、
パワーユニットは他の前記パワーユニットのアドレス情報を取得するステップ200と、
前記アドレス情報に基づき、バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信するステップ202と、
所定時間で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットから送信されるフィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信するステップ204とを含む。
【0042】
前記のように、本実施例は列車ネットワーク制御方法を提出し、まず、バックボーンイーサネットを介してアドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信し、所定時間内で、フィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信することで、バックボーンイーサネットには故障があると、データ伝送ネットワークを切り替え、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信し、列車における各パワーユニットはいずれも正常に動作できるように保証し、列車における各パワーユニットの間の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0043】
実施例3
パワーユニットの内部の機器を制御するために、図3に示される列車ネットワーク制御方法のフローチャートを参照し、本実施例は前記列車ネットワーク制御システムを応用する列車ネットワーク制御方法を提出し、具体的に以下のステップを含み、
ステップ300:現在のパワーユニットにおける中央制御ユニットはマーシャリングイーサネットによって接続された被制御機器に制御命令を送信する。
【0044】
ここで、同一のネットワークセグメント内で、前記中央制御ユニットは従来技術の任意のデータ伝送方式を利用して、接続された被制御機器に制御命令を送信してもよく、ここで、一々贅言しない。
【0045】
ステップ302:所定時間内で、前記被制御機器から送信されるフィードバック情報を受信していないと、多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信する。
【0046】
他のパワーユニットの中央制御ユニットに制御命令を送信する必要が有る場合、本実施例が提出した列車ネットワーク制御方法はさらに、
他の前記パワーユニットのアドレス情報に基づき、バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットにおける中央制御ユニットに制御命令を送信するステップ(1)と、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットから送信されるフィードバック情報を受信していないと、前記蝶番型列車バスを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに、再び制御命令を送信するステップ(2)とを含む。
【0047】
前記のように、本実施例は列車ネットワーク制御方法を提出し、マーシャリングイーサネットを介して接続された被制御機器に制御命令を送信し、所定時間内で、フィードバック情報を受信していないと、多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信することで、マーシャリングイーサネットには故障があると、データ伝送ネットワークを切り替え、多機能車両バスを介して再びパワーユニットの内部の被制御機器に制御命令を送信し、各パワーユニットにおける被制御機器がいずれも正常に動作できるように保証し、各パワーユニットの内部の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0048】
実施例4
図4に示される列車ネットワーク制御装置の構成模式図を参照し、本実施例は列車ネットワーク制御装置を提出し、
他の前記パワーユニットのアドレス情報を取得するための取得モジュール400と、
前記アドレス情報に基づき、バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信するための第1送信モジュール402と、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットから送信されるフィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信するための第2送信モジュール404とを含む。
【0049】
前記のように、本実施例は列車ネットワーク制御装置を提出し、まず、バックボーンイーサネットを介してアドレス情報に対応するパワーユニットに制御命令を送信し、所定時間内で、フィードバック情報を受信していないと、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信することで、バックボーンイーサネットには故障があると、データ伝送ネットワークを切り替え、蝶番型列車バスを介して他の前記パワーユニットに制御命令を送信し、列車における各パワーユニットはいずれも正常に動作できるように保証し、列車における各パワーユニットの間の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0050】
実施例5
図5に示される列車ネットワーク制御装置の構成模式図を参照し、本実施例は列車ネットワーク制御装置を提出し、
前記マーシャリングイーサネットによって接続された被制御機器に制御命令を送信するための第1送信ユニット500と、
所定時間内で、前記被制御機器からのフィードバック情報を受信していないと、再び前記多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信するための第2送信ユニット502とを含む。
【0051】
他のパワーユニットの中央制御ユニットに制御命令を送信するために、本実施例が提出する列車ネットワーク制御装置はさらに、
他のパワーユニットの中央制御ユニットに制御命令を送信する必要がある場合、他の前記パワーユニットのアドレス情報に基づき、前記バックボーンイーサネットを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットにおける中央制御ユニットに制御命令を送信するための第3送信ユニットと、
所定時間内で、前記アドレス情報に対応するパワーユニットからのフィードバック情報を受信していないと、前記蝶番型列車バスを介して前記アドレス情報に対応するパワーユニットに、再び制御命令を送信するための第4送信ユニットとを含む。
【0052】
前記のように、本実施例は列車ネットワーク制御方法を提出し、マーシャリングイーサネットを介して接続された被制御機器に制御命令を送信し、所定時間内で、フィードバック情報を受信していないと、多機能車両バスを介して接続された被制御機器に制御命令を送信することで、マーシャリングイーサネットには故障があると、データ伝送ネットワークを切り替え、多機能車両バスを介して再びパワーユニットの内部の被制御機器に制御命令を送信し、各パワーユニットにおける被制御機器がいずれも正常に動作できるように保証し、各パワーユニットの内部の通信の安定性及び確実性を強化させる。
【0053】
以上は本発明の具体的な実施形態のみであり、ただし、本発明の保護範囲はこれに限定されず、当業者であれば、本発明が開示する技術範囲内、変化または差し替えを容易に想到し得て、これらの変化または差し替えはいずれも本発明の保護範囲内に該当すべきである。従って、本発明の保護範囲は、前記請求項の保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0054】
ECN ・・・マーシャリングイーサネット
WTB ・・・蝶番型列車バス
MVB ・・・多機能車両バス
CCU ・・・中央制御ユニット
ETB ・・・バックボーンイーサネット
400 ・・・取得モジュール
402 ・・・第1送信モジュール
404 ・・・第2送信モジュール
500 ・・・第1送信ユニット
502 ・・・第2送信ユニット
図1
図2
図3
図4
図5