(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】針カバー付きの自動注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20230331BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
A61M5/20 570
A61M5/32 510K
(21)【出願番号】P 2021549999
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2020055003
(87)【国際公開番号】W WO2020173991
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-10-14
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ベッソン
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン プルヴィエ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-525420(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0110926(US,A1)
【文献】特表2018-521698(JP,A)
【文献】特表2015-527160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達装置(10)であって、
ハウジング(26,28,46)と、
バレル(52)、ストッパー(54)及びカニューレ(56)を備えた注射器アセンブリ(16)であって、注射器アセンブリ(16)の少なくとも一部はハウジング(26,28,46)内に配置されている、注射器アセンブリ(16)と、
起動アセンブリ(40)の作動によりバレル(52)内でストッパー(54)を移動させるように配置された起動アセンブリ(40)であって、起動アセンブリ(40)の少なくとも一部はハウジング(26,28,46)内に配置されている、起動アセンブリ(40)と、
起動アセンブリ(40)の作動が防止されたロックされた位置と、起動アセンブリ(40)の作動が可能な解除された位置の間を移動可能なレバー作動部材(44)と、
並びに、
カニューレ(56)が針カバー(22)内に
配置されている使用前の位置、起動アセンブリ(40)が作動されている作動位置及び、カニューレ(56)が針カバー(22)内に配置されている使用後の位置を有する針カバー(22)であって、針カバー(22)は、レバー作動部材(44)と係合するように配置され、そして、針カバー(22)が作動位置に移動されたとき、レバー作動部材(44)を解除された位置に移動させ、針カバー(22)が使用前の位置にあるとき、針カバー(22)は、レバー作動部材(44)が、ロックされた位置から解除された位置への移動を防止する
針カバー(22)と、を備え、
針カバー(22)の作動位置への移動により、起動アセンブリ40を作動させる、
薬剤送達装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤送達装置(10)であって、
更に、第一の位置と第二の位置の間に、ハウジング(26,28,46)に対して移動可能な注射器ホルダー(24)を備え、注射器アセンブリ(16)は、注射器ホルダー(24)により受容されている、薬剤送達装置。
【請求項3】
請求項2に記載の薬剤送達装置(10)であって、
針カバー(22)が使用前の位置にあるとき、針カバー(22)の一部は、注射器ホルダー(24)のカバーストップ(110)と係合して、少なくとも一つの方向で、針カバー(22)の軸方向の移動を制限する、薬剤送達装置。
【請求項4】
請求項1に記載の薬剤送達装置(10)であって、
起動アセンブリ(40)は、プランジャロッド部分(82)及び、起動部材(84)を有するプランジャ本体(80)を備え、起動部材(84)は、ハウジング(26,28,46)内でプランジャ本体(80)を移動させるよう配置されている、薬剤送達装置。
【請求項5】
請求項4に記載の薬剤送達装置(10)であって、
起動部材(84)は圧縮スプリングを備える、薬剤送達装置。
【請求項6】
請求項1に記載の薬剤送達装置(10)であって、
レバー作動部材(44)は、ロックされた位置と解除された位置の間の回転軸(70)について回転可能である、薬剤送達装置。
【請求項7】
請求項6に記載の薬剤送達装置(10)であって、
レバー作動部材(44)は、針カバー(22)が使用前の位置あるとき、針カバー(22)と係合し、そして、レバー作動部材(44)の回転を制限するように配置された制限表面(134)を備える、薬剤送達装置。
【請求項8】
請求項7に記載の薬剤送達装置(10)であって、
レバー作動部材(44)の制限表面(134)は、針カバー(22)が使用前の位置ある
ときは、
針カバー(22)から間隔が開けられてギャップ(136)を形成する、薬剤送達装置。
【請求項9】
請求項6に記載に記載の薬剤送達装置(10)であって、
針カバー(22)はレバー接触部分(148)を備え、そして、レバー作動部材(44)は針カバー接触表面(142)を備え、針カバー(22)のレバー接触部分(148)は、レバー作動部材(44)の針カバー接触表面(142)と係合するように配置され、そして、針カバー(22)が作動の位置にあるとき、レバー作動部材(44)をロックされた位置から解除された位置に回転軸(70)について回転させる、薬剤送達装置。
【請求項10】
請求項6に記載の薬剤送達装置(10)であって、
更に、起動アセンブリ(40)の少なくとも一つの部分を受容するモータ本体(42)を備え、
モータ本体(42)は、ストップ表面(150)を備え、そして、レバー作動部材(44)は、
モータ本体接触表面(144)を備え、レバー作動部材(44)のモータ本体接触表面(144)は、レバー作動部材(44)がロックされた位置にあるとき、モータ本体(42)のストップ表面(150)と係合し、そして、レバー作動部材(44)が解除された位置にあるとき、モータ本体(42)のストップ表面(150)から係合が解かれている、薬剤送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、薬剤送達装置、そして、より詳細には自動注射器に関する。
【背景技術】
【0002】
多様な自動注射装置が開発されてきており、薬剤溶液及び他の液体治療調製物が非熟練者により又は、自己注射により投与されている。概して、これらの装置は、液体治療調製物が予め充填された保存容器、そして、使用者により作動することが出来るいくつかの自動針注射機構を備える。自動注射器のようなこれらの装置の多くは、予め充填された注射器のような保存容器が、装置の組立中に装置中に組込まれるようにデザインされている。自動的な針注射機構を備えることに加え、多くの薬剤送達装置は、装置の使用後に針を自動的にシールドして意図しない針との接触を防止することも出来る。
【発明の概要】
【0003】
一つの実施態様で、薬剤送達装置は、ハウジングと、バレル、ストッパー及びカニューレを備えた注射器アセンブリであって、注射器アセンブリの少なくとも一部はハウジング内に配置された注射器アセンブリと、起動アセンブリの作動によりバレル内でストッパーを移動させるように配置され、起動アセンブリの少なくとも一部は、ハウジング内に配置された起動アセンブリと、起動アセンブリの作動が防止されたロックされた位置と、起動アセンブリの作動が可能な解除された位置の間を移動可能なレバー作動部材と、並びに、カニューレが針カバー内に配置された使用前の位置、起動アセンブリが作動される作動位置及び、カニューレが針カバー内に配置された使用後の位置を有する針カバーと、を備える。針カバーは、レバー作動部材と係合するように配置され、そして、針カバーが作動位置にあるときに、レバー作動部材を解除された位置に移動させる。
【0004】
更に、装置は、第一の位置と第二の位置の間で、ハウジングに対して移動可能な注射器ホルダーを備えても良く、注射器アセンブリは、注射器ホルダーにより受容されている。注射器ホルダーは、針カバーが作動位置にあるときに、第一の位置から第二の位置に移動するように配置され、注射器ホルダーが第二の位置にあり、且つ、針カバーが作動位置にあるとき、注射器アセンブリのカニューレの一部は、針カバーの外側に延びるよう配置されても良い。針カバーが使用前の位置にあるとき、針カバーの一部は、注射器ホルダーのカバーストップと係合して、少なくとも一つの方向で、針カバーの軸線の移動を制限するようにしても良い。起動アセンブリは、プランジャロッド部分及び、起動部材を有するプランジャ本体を、ハウジング内でプランジャ本体を移動させるよう配置された起動部材と共に、備えても良い。プランジャロッドの長手方向の軸線は、起動部材の長手方向の軸線から、空間を開けて、且つ平行にされても良い。起動部材は、圧縮スプリングであっても良い。起動アセンブリは、更に、プランジャロッド部分の少なくとも一部分上に配置されたプランジャロッドカバーを備え、プランジャロッドカバーは、注射器アセンブリのストッパーと係合するように配置されても良い。起動アセンブリは、更に、スプリングガイド部材を備え、起動部材はスプリングガイド部材上に配置されても良い。
【0005】
針カバーが使用前の位置あるとき、針カバーはレバー作動部材のロックされた位置から解除された位置への移動を防止させても良い。
【0006】
レバー作動部材は、ロックされた位置と解除された位置の間の回転軸について回転可能であっても良い。針カバーが使用前の位置あるとき、レバー作動部材は、針カバーと係合し、そして、レバー作動部材の回転を制限するように配置された制限表面を備えても良い。針カバーが使用前の位置あるとき、レバー作動部材の制限表面は、針カバーから空間を開けてギャップを形成しても良い。針カバーは、レバー接触部分を備えても良く、そして、レバー作動部材は針カバー接触表面を備えても良く、針カバーのレバー接触部分は、レバー作動部材の針カバー接触表面と係合するように配置され、針カバーが作動の位置にあるとき、レバー作動部材をロックされた位置から解除された位置に回転軸について回転させる。針カバーが作動の位置にあるとき、レバー作動部材は、針カバーのレバー接触部分の一部を受容するよう配置された凹部分を規定しても良い。針カバーのレバー接触部分は円筒形の表面を規定し、そして、レバー作動部材の針カバー接触表面は平らな表面を規定しても良い。
【0007】
更に、装置は起動アセンブリの少なくとも一つの部分を受容するモータ本体を備えても良く、モータ本体はストップ表面を備え、そして、レバー作動部材はモータ本体接触表面を備える。レバー作動部材がロックされた位置にあるとき、レバー作動部材のモータ本体接触表面はモータ本体のストップ表面と係合し、そして、レバー作動部材が解除された位置にあるとき、モータ本体のストップ表面から係合が解かれても良い。モータ本体のストップ表面は、平らな表面を規定しも良いし、そして、レバー作動部材のモータ本体接触表面は、円筒形の表面を規定しても良い。
【0008】
装置は、個別に若しくは技術的に可能な組合せに従って、一つ又は複数の以下の特徴を備えても良い。
-薬剤送達装置は、ハウジング;バレル、ストッパー及びカニューレを備えた注射器アセンブリであって、注射器アセンブリの少なくとも一部はハウジング内に配置された注射器アセンブリ;起動アセンブリの作動によりバレル内でストッパーを移動させるように配置され、起動アセンブリの少なくとも一部はハウジング内に配置された起動アセンブリ;起動アセンブリの作動が防止されたロックされた位置と、起動アセンブリの作動が可能な解除位置の間を移動可能なレバー作動部材;並びに、カニューレが針カバー内に配置された使用前の位置、起動アセンブリが作動される作動位置及び、カニューレが針カバー内に配置された使用後の位置を有する針カバーであって、レバー作動部材と係合するように配置され、そして、針カバーが作動位置にあるときに、レバー作動部材を解除位置に移動させる針カバーを備えても良い。
-薬剤送達装置は、第一の位置と第二の位置の間で、ハウジングに対して移動可能な注射器ホルダーを備えても良く、注射器アセンブリは注射器ホルダーにより受容されている。
-針カバーが作動位置にあるとき、注射器ホルダーは、第一の位置から第二の位置に移動するように配置され、注射器ホルダーが第二の位置にあり、そして、針カバーが作動位置にあるとき、注射器アセンブリのカニューレの一部は、針カバーの外側に延びるように配置されても良い。
-針カバーが使用前の位置にあるとき、針カバーの一部は注射器ホルダーのカバーストップと係合して、少なくとも一つの方向で、針カバーの軸線方向の移動を制限するようにしても良い。
-起動アセンブリは、プランジャロッド部分及び、起動部材を有するプランジャ本体を備えても良く、起動部材はハウジング内でプランジャ本体を移動させるように配置される。
-プランジャロッドの長手方向の軸線は、起動部材の長手方向の軸線から、空間を開けられ、且つ平行にされても良い。
-起動部材は、圧縮スプリングであっても良い。
-起動アセンブリは、プランジャロッド部分の少なくとも一部分上に配置されたプランジャロッドカバーを備え、プランジャロッドカバーは注射器アセンブリのストッパーと係合するように配置されても良い。
-起動アセンブリは、スプリングガイド部材を備え、起動部材はスプリングガイド部材上に配置されても良い。
-針カバーが使用前の位置あるとき、針カバーはレバー作動部材のロックされた位置から解除された位置への移動を防止させても良い。
-レバー作動部材は、ロックされた位置と解除された位置の間の回転軸について回転可能であっても良い。
-針カバーが使用前の位置あるとき、レバー作動部材は、針カバーと係合し、そして、レバー作動部材の回転を制限するように配置された制限表面を備えても良い。
-針カバーが使用前の位置あるとき、レバー作動部材の制限表面は、針カバーから空間を開けてギャップを形成しても良い。
-針カバーは、レバー接触部分を備えても良く、そして、レバー作動部材は針カバー接触表面を備えても良く、針カバーのレバー接触部分は、レバー作動部材の針カバー接触表面と係合するように配置され、針カバーが作動の位置にあるとき、レバー作動部材をロックされた位置から解除された位置に回転軸について回転させる。
-針カバーが作動の位置にあるとき、レバー作動部材は、針カバーのレバー接触部分の一部を受容するよう配置された凹部分を規定しても良い。
-針カバーのレバー接触部分は円筒形の表面を規定し、そして、レバー作動部材の針カバー接触表面は平らな表面を規定しても良い。
-モータ本体は、起動アセンブリの少なくとも一つの部分を受容しても良く、モータ本体はストップ表面を備え、そして、レバー作動部材はモータ本体接触表面を備え、レバー作動部材がロックされた位置にあるとき、レバー作動部材のモータ本体接触表面は、モータ本体のストップ表面と係合し、レバー作動部材が解除された位置にあるとき、モータ本体のストップ表面から係合が解かれても良い。
-モータ本体のストップ表面は平らな表面を規定しも良いし、そして、レバー作動部材のモータ本体接触表面は円筒形の表面を規定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
この開示の上記の及び他の特徴及び利点、並びに添付のもの方法により、より明らかになるであろうし、この開示自体は、添付の図面と組合せて考えられる開示の実施形態の以下の記載を参照することにより、より明らかになるであろう。
【0010】
【
図1A】装置の保存位置を示す、本願発明の一つの実施態様に従った薬剤送達装置の斜視図である。
【
図1B】装置の使用前の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の斜視図である。
【
図2A】装置の保存位置を示す、
図1の薬剤送達装置の断面図である。
【
図2B】装置の使用前の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の断面図である。
【
図3】装置の作動時の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の斜視図である。
【
図4】装置の作動時の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の断面図である。
【
図5】装置の注入時の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の斜視図である。
【
図6】装置の注入時の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の断面図である。
【
図7】装置の使用後の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の斜視図である。
【
図8】装置の使用後の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の断面図である。
【
図9】ロッキングクリップ示す、
図1の薬剤送達装置の斜視図である。
【
図10】ロッキングクリップ示す、
図1の薬剤送達装置の拡大斜視図である。
【
図11A】カセット本体のロックアームを示す、
図1の薬剤送達装置の部分的な断面図である。
【
図12】完全な薬剤の送達前における使用後の装置の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の断面図である。
【
図13】装置の使用前の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の部分的な断面図である。
【
図14】装置の使用前の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の部分的な断面図である。
【
図15】装置の使用前の位置から作動時の位置への移動を示す、
図1の薬剤送達装置の部分的な断面図である。
【
図16】装置の作動時の位置を示す、
図1の薬剤送達装置の部分的な断面図である。
【
図17】
図1の薬剤送達装置のレバー作動部材の斜視図である。
【
図20】
図1の薬剤送達装置の注射器ホルダーの斜視図である。
【
図21】
図1の薬剤送達装置のモータ本体の斜視断面図である。
【
図22】カセット本体のガイド溝を示す、
図1の薬剤送達装置の断面図である。
【
図23】装置の保存時の位置を示す、本願の更なる実施態様に従った薬剤送達装置の斜視図である。
【
図24】
図23で示されるライン24-24に沿って切られた断面図である。
【
図25】
図23の薬剤送達装置のモータ本体の上部斜視図である。
【
図27】
図23の薬剤送達装置のプランジャ本体の前部斜視図である。
【
図29】
図23の薬剤送達装置のプランジャロッド部分の前部斜視図である。
【
図31】
図23の薬剤送達装置のレバー作動部材の上部斜視図である。
【
図32】
図31の薬剤送達装置のレバー作動部材の底部斜視図である。
【
図33】
図23の薬剤送達装置の注射器ホルダーの前部斜視図である。
【
図34】
図33の薬剤送達装置の注射器ホルダーの後部斜視図である。
【
図35】
図23の薬剤送達装置の針カバーの前部斜視図である。
【
図36】
図35の薬剤送達装置の針カバーの後部斜視図である。
【
図37】
図23の薬剤送達装置のカセット本体の上部斜視図である。
【
図38】
図37の薬剤送達装置のカセット本体の底部斜視図である。
【
図39】
図23の薬剤送達装置のキャップの上部斜視図である。
【
図40】
図39中のライン40-40に沿って切られた断面図である。
【
図41】
図23の薬剤送達装置の保持容器の上部斜視図である。
【
図42】
図23の薬剤送達装置の上部ハウジングシェルの断面図である。
【
図43】
図23の薬剤送達装置の下部ハウジングシェルの斜視図である。
【
図44】
図43中のライン44-44に沿って切られた断面図である。
【
図45】装置の注入時の位置を示す、
図23の薬剤送達装置の断面図である。
【0011】
対応する参照番号は、複数の図を通して対応する部分を示す。本明細書中の具体例は、開示の例示の実施態様を示し、そのような具体例は、いかなる意味でも、本開示の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の記述は、当該技術分野の当業者が、本発明を実施するために 記載された実施形態を作成し、そして、使用することを可能にさせるものである。しかしならが、多様な修正、等価物、変形物及び、代替物は、直ぐに、当業者にとっては明らかになるであろう。いかなるそしてそのような全ての修正、等価物、変形物及び、代替物は、本発明の精神及び範囲内に入ることが意図されている。
【0013】
以下の記載のために、用語、「上方」、「下方」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」及び、それらの派生語は、図面中に併せて、本発明に関するものである。しかしながら、本発明は、明示的に反することを特定している場合を除き、多様な代替の変形物と推定されるものであっても良いと理解されるべきである。添付の図面に記載され、そして、以下の詳細に記載されている特定の装置は、本発明の単なる例示的な実施形態であると理解されるべきである。したがって、本明細書に記載の実施形態に関係する特定の寸法及び他の物理的な特徴は、限定するものとしては考慮されるべきではない。
【0014】
図1A~10を参照すると、本発明の一つの実施態様の薬剤送達装置10は、第一のサブアセンブリ12、第二のサブアセンブリ14及び、注射器アセンブリ16を備える。第一のサブアセンブリ12は、外側部分20を有するキャップ18,針カバー22、注射器ホルダー24、カセット本体26及び、下方ハウジングシェル28を備える。第二のサブアセンブリ14は、起動アセンブリ40、モータ本体42、レバー作動部材40及び、上方ハウジングシェル46を備える。注射器アセンブリ16は、注射器ホルダー24により受容されており、そして、バレル52、ストッパー54、カニューレ56及び、堅い針シールド(RNS)58を備える。他の好適なハウジング配列を使用しても良いが、下方ハウジングシェル28、カセット本体26及び、上方ハウジングシェル46は、概して、装置10の多様な成分を受容するためのハウジングを形成する。より詳細に以下に述べるように、第一のサブアセンブリ12及び、第二のサブアセンブリ14は、他の好適な配列を使用しても良いが、ロッキングクリップによる組立中、相互に固定されている。薬剤送達装置10は、本明細書の上記特徴を他の好適な薬剤送達装置に組み込んでもよいが、自動注射器であっても良い。
【0015】
薬剤送達装置10は、装置10の作動により、注射器アセンブリ16から患者へ薬剤の投与量を自動的に送達するように配置されても良い。より詳細には、薬剤送達装置10の作動で、起動アセンブリ40は、注射器アセンブリ16のストッパー54と係合するように配置され、カニューレ56が患者の皮膚を刺すように注射器アセンブリ16の位置を変え、そして、注射器アセンブリ16のバレル52内でストッパー54の位置を変えて、バレル52内に薬剤を送達する。薬剤送達装置10は、保存位置(
図1A及び2A)、使用前の位置(
図1B及び2B)、作動位置(
図3及び4)、注入位置(
図5及び6)及び、使用後の位置(
図7及び8)を含む。より詳細に以下の述べるように、装置10が使用前及び、使用後の位置にあるとき、針カバー22は患者から注射器アセンブリ16のカニューレ56をシールドするように配置される。特に、針カバー22は、針カバー22を使用前の位置及び、使用後の位置に向けた付勢するスプリング68により、使用前の位置、作動時の位置及び、使用後の位置の間で移動可能である。他の好適な配列を使用しても良いが、スプリング68は針カバー22と注射器ホルダー24との間に配置される。レバー作動部材44は、起動アセンブリ40の移動が防止されたロックされた位置と、起動アセンブリ40の移動が可能な解除された位置の間を移動可能である。より詳細には、レバー作動部材44は、ロックされた位置と解除された位置の間の回転軸70について回転可能であっても良い。レバー作動部材44がロックされた位置にあるとき、レバー作動部材44はモータ本体42及び起動アセンブリ40と係合して、起動アセンブリ40の移動を防止する。レバー作動部材44が解除された位置にあるとき、レバー作動部材44はモータ本体42から係合が解かれ、それにより、起動アセンブリ40は注射器アセンブリ16の方向へ移動することが可能となる。他の好適な配列を使用しても良いが、レバー作動部材44の回転軸70は装置10の長手方向の軸に垂直に延びる。
【0016】
図1~10を参照すると、起動アセンブリ40は、プランジャロッド部分82及び、起動部材84を有するプランジャ本体を備える。圧縮ガス、電気モータ、水圧、他の種類のスプリング等を含むが、これらに限定されるものではない、他の好適な起動部材を使用しても良いが、起動部材84は、プランジャ本体80により規定される起動開口部86内に受容された圧縮スプリングである。起動部材84は、プランジャ本体80及び、モータ本体42と係合し、そして、プランジャ本体80を第二のサブアセンブリ14から、第一のサブアセンブリ12に延びる方向に付勢する。プランジャ本体80は、レバー作動部材44を受容するレバー開口部88を規定し、そして、レバー作動部材44の回転軸70を規定する。レバー開口部88は円筒形であり、そして、回転軸70を規定するプランジャ本体80の部分も円筒形であり、ロックされた位置と解除された位置のレバー作動部材44のスムーズな回転を可能にさせる。レバー作動部材44がモータ本体42とレバー作動部材44との係合を介してロックされた位置にあるとき、レバー作動部材44はプランジャ本体80の移動を防止する。ロックされた位置から解除された位置へのレバー作動部材44の回転で、レバー作動部材44はモータ本体42から係合が解かれ、それにより、起動部材84はプランジャ本体80及び、プランジャロッド部分82を第一のサブアセンブリ12の方向へ移動させる。プランジャロッド部分82及び、起動部材84は、相互に空間を開けられ、平行に存在し、装置10の長軸方向に延びて、装置10がよりコンパクトになり、そして、高い粘度の薬剤を注入するためのより強固な起動部材を提供する。
【0017】
起動アセンブリ40は、更に、上方ハウジングシェル46に固定され、そして、プランジャ本体80の起動開口部86内に受容されるスプリングガイド部材90を備える。起動部材84がプランジャ本体80とスプリングガイド部材90の間に配置されるように、起動部材84はスプリングガイド部材90により受容される。起動アセンブリ40は、プランジャ本体80のプランジャロッド部分82を受容するプランジャロッドカバー92も備える。プランジャロッドカバー92は、プランジャロッド部分82を注射器アセンブリ16のバレル52中に挿入させるガイド、そして、注射器アセンブリ16のストッパー54と係合して、注射器アセンブリ16のバレル52から薬剤を放出させるように配置されている。プランジャロッドカバー92及び、プランジャロッド部分82は、一体的に形成されても良いし、別々の成分として形成されても良い。
【0018】
使用後の位置への装置10の移動のとき、起動アセンブリ40のプランジャ本体80は、使用者に音声指示を提供するように配置された音声指示部材94を備えても良い。以下に詳細に説明するように、装置10が注入位置にあるとき、音声指示部材94はカセット本体26の一つ以上のリブ96と係合するように配置され、それにより、音声指示部材94を偏向させる。薬剤送達装置10が、注入位置から使用後の位置へ移動するとき、音声指示部材94は、装置10の他の好適な部分と接触して音声指示を提要しても良いが、音声指示部材94はカセット本体26の一つ以上のリブ96からの係合を解き、そして、下方ハウジングシェル28と接触して音声クリックを提供する。
【0019】
図1A~2Bを参照すると、保存位置で、キャップ18は下方ハウジングシェル28に固定され、そして、針カバー22と係合している。針カバー22の使用前の位置から作動位置への移動は、針カバー22とレバー作動部材44の間の係合を生じさせ、それにより、起動アセンブリ40を作動させる。別の言葉で、起動アセンブリ40は針カバー22の作動位置への移動により作動され、それは、レバー作動部材44を解除された位置に回転させ、それにより、起動アセンブリ40を解除し又は、ストッパー54に係合するように移動させ、そして、バレル52から薬剤を放出させる。外側部分20をつかむことでキャップ18を除去した後、針カバー22を患者の皮膚に対して押すこと及び、皮膚表面に対して装置10を軸方向に押すことにより、針カバー22は使用前の位置から作動位置へ移動されても良い。以下に詳説するように、キャップ18と針カバー22の間の係合は、針カバー22がレバー作動部材44と係合するように移動することを防止する。したがって、装置10からのキャップ18の除去は、装置10の作動を可能にさせる。装置10からキャップ18の除去は、
図1B及び2Bに示すように、注射器バレル52からRNS58も除去し、それにより、カニューレ56を暴露させ、それは装置10の使用前の位置において、針カバー22内で受容されることになる。キャップ18は、外側部分20内で受容された一つ以上の成分を備え、RNS58の除去を促進させる。
【0020】
図3及び4を参照すると、作動位置で、キャップ18は除去され、そして、針カバー22は、患者の皮膚に係合させることにより作動位置に配置され、それは針カバー22を装置10内で、第二のサブアセンブリ14の方向へ移動させる。針カバー22が装置10内で十分な距離を移動してしまったとき、針カバー22の一部はレバー作動部材44と係合し、それはレバー作動部材44をロックされた位置から解除され位置へ回転軸70について回転させる。
【0021】
図5及び6を参照すると、注入位置で、レバー作動部材44は、解除され位置にあり、それは起動アセンブリ40のプランジャ本体80を、プランジャ本体80又はプランジャロッドカバー92が注射器アセンブリ16のストッパー54に係合するように、第一のサブアセンブリ12の方向へ移動させる。起動アセンブリ40の注射器アセンブリ16との最初の係合は、注射器アセンブリ16及び注射器ホルダー24を、装置10内で、カセット本体26により規定されるストップ102に隣接する注射器ホルダー24までカセット本体26に対して移動させる。患者の皮膚表面に対して押された針カバー22を有する注射器アセンブリ16及び注射器ホルダー24の最初の移動の間、注射器アセンブリ16のカニューレ56は、針カバー22を超えて延び、そして、患者の皮膚表面を刺す。更に、起動部材84により起動される、プランジャ本体80の移動は、ストッパー54を注射器アセンブリ16のバレル52に対して移動させて、注射器アセンブリ16のバレル52から薬剤を、カニューレ56を介して、患者中に放出させる。プランジャ本体80は、ストッパー54まで移動し続け、注射器アセンブリ16のバレル52上の底から出る。ストッパー54が底から出るとき、音声指示部材94は、カセット本体26のリブ96から係合が解かれ、そして、およそ同時に、下方ハウジングシェル28と接触して、送達された薬剤の投与量を音声指示で患者に提供する。音声指示に加えて、薬剤送達装置10は、装置10の現状を患者に知らせる一つ以上の視覚的指示を提供する。特に、カセット本体26は、透明な材料から形成されても良く、ストッパー54及び/又は、起動アセンブリ40、注射器ホルダー24及び/又は注射器アセンブリ16により提供された他の視覚的指示の移動を視覚的に確認できる。下方ハウジングシェル28は、指示開口部104も規定し、それはプランジャ本体80が最終位置あり、そして、投与量が送達されたことの視覚的な指示を提供する。視覚的な指示は、対照的な色、記号、パターン又は、装置10の多様な現状を示す他の好適な視覚的な指示を使用しても良い。
【0022】
図7,8,11A、11B及び12を参照すると、使用後の位置で、針カバー22が患者に皮膚から除去されるとき、針カバー22はカニューレ56をシールドする使用後の位置に延びる。
図11Bにより明確に示すように、カセット本体26は少なくとも一つのロックアーム106を備え、そして、針カバー22は少なくとも一つのロック突出部108を備える。カセット本体26のロックアーム106は、針カバー22のロック突出部108と係合して、装置10の更なるいかなる使用及び、注射器アセンブリ16のカニューレ56の暴露を防止する。注入位置から使用後の位置への装置10の移動する間、カセット本体26のロックアーム106は、ロックアーム106を有するカセット本体26により通過させるように針カバー22のロック突出部108を偏向させ、その当初の位置に戻して、針カバー22が使用前の位置及び作動位置に戻る移動を防止する。針カバー22の使用前の位置で、針カバー22の一部は、注射器ホルダー24のカバーストップ110と係合して、第二のサブアセンブリ14から第一のサブアセンブリ12の方向へ延びる、針カバー22の軸方向の移動を制限する。カバーストップ110も、針カバー22の使用後の位置で、針カバー22の軸方向の移動を制限する。装置10の使用後、注射器ホルダー24は、カセット本体26内で、針カバー22に対して代えられ、それは患者が皮膚表面から針カバー22を除去したとき、針カバー22は使用後の位置に延びることが可能となる。
図12に示すように、注射器アセンブリ16のバレル52内のストッパー54の位置に拘わりなく、患者が皮膚表面から針カバー22を除去したとき、針カバー22は使用後の位置に移動することになる。したがって、仮に投与量の一部のみが送達された後に患者が皮膚表面から針カバー22を除去した場合、針カバー22は、まだ、使用後の位置にあり、そして、装置10の更なる使用を防止することになる。
【0023】
図1~21を参照すると、上記に述べたように、キャップ18と針カバー22の間の係合は、針カバー22がレバー作動部材44と係合するように移動することを防止する。針カバー22が使用前及び使用後の位置にあるとき、カニューレ56は針カバー22内に配置される。針カバー22が作動位置にあるとき、針カバー22は起動アセンブリ40を作動するように配置されている。より詳細には、上記に論じたように、起動アセンブリ40は針カバー22の作動位置への移動により作動され、それはレバー作動部材44を解除された位置に回転させ、それにより、起動アセンブリ40を解除するか又は、ストッパー54と係合するように移動させ、そして、バレル52から薬剤を放出させる。装置10からのキャップ18の除去は、装置10を作動させる。針カバー22が使用前の位置にあるとき、針カバー22はロックされた位置から解除された位置へのレバー作動部材44の移動又は回転を防止する。針カバー22が使用前の位置にあるとき、レバー作動部材44は、針カバー22と係合し、そして、レバー作動部材44の回転を制限するように配置された制限表面134を有する本体132を備える。装置10が保存位置にあるとき、もし、装置10が落とされ又は衝撃が加えられて、レバー作動部材44に力が適用されると、レバー作動部材44は、レバー作動部材44の制限表面134と針カバー22の係合により、起動アセンブリ40を作動させる完全な回転が防止される。
図13に示すように、装置10が保存及び使用前の位置にあるとき、制限表面134は、針シールド22から空間が開けられてギャップ136を形成して、装置10の意図しない作動も防止しつつ、針シールド22の移動における摩擦の増加を防止させる。
【0024】
レバー作動部材44の本体132は、モータ本体42により規定されるピン開口部140により受容されるロッキングピン(図示せず)と係合するように配置されたアセンブリ表面138も備える。組立てる前に、第二のサブアセンブリ14は、ピン開口部140を通って延びるロッキングピンを備えても良く、それは装置10の組立て中のレバー作動部材44の回転及び、意図しない起動アセンブリ40の作動を防止する。レバー作動部材44の本体132は、針カバー接触表面142、モータ接触表面144を備えても良く、そして、凹部分146を規定する。
【0025】
図13~19B及び21を参照すると、針カバー22が作動位置に移動して、それにより、レバー作動部材44がロックされた位置から解除された位置に回転するとき、レバー作動部材44の針カバー接触表面142は、針カバー22のレバー接触部分148と係合する。レバー接触部分148は、針カバー22の遠位端又は近位端に配置される、針カバー22のレバー作動アーム152上に好ましくは配置される。レバー作動アーム152は、好ましくは、針カバー22の近位端から放射方向に突き出る。針カバー22のレバー接触部分148は、円筒形の表面202を規定し、そして、レバー作動部材44の針カバー接触表面142は、平らな表面204を規定する。レバー接触部分148の円筒形の表面202と、針カバー接触表面142の平らな表面204との係合は、レバー作動部材44の回転に必要な負担の量を減少させる。レバー作動部材44がロックされた位置にあり、プランジャ本体80の移動を防止するとき、レバー作動部材44のモータ本体接触表面144は、モータ本体42のストップ表面150と係合する。レバー作動部材44がロックされた位置から解除された位置に回転するとき、モータ本体接触表面144は、モータ本体42のストップ表面150から係合が解かれ、起動部材84はプランジャ本体80に移動させることが可能である。モータ本体42のストップ表面150は、平らな表面210を規定し、そして、レバー作動部材44のモータ本体接触表面144は、円筒形の表面212を規定する。ストップ表面150の平らな表面210と、モータ本体接触表面144の円筒形の表面212の間の係合は、レバー作動部材44の回転に必要な負担の量を低減させる。
【0026】
図13~18を参照すると、レバー作動部材44の凹部分146は、針カバー22のレバー接触部分148に対する隙間を提供して、ロックされた位置から解除された位置へのレバー作動部材44の回転を可能にさせ、それは装置10を確実に作動させせる。針カバー22が使用前の位置にあるときで、そして、針カバー22が作動位置に完全に移動されて、上記に述べたように意図しない作動を防止する迄、レバー作動部材44の制限表面134の部分は、針カバー22のレバー接触部分148の位置と装置の軸方向で重なる。針カバー22が完全に作動位置に移動されるとき、針カバー22のレバー接触部分148は、レバー作動部材44の制限表面134の位置ともはや重ならず、そして、代わりに、装置10の軸方向に延びる方向で凹部分146の位置と重なり、そして、針カバー接触表面142と係合し、上記に述べたように、レバー作動部材44を回転させる。
【0027】
図1~
図8及び20を参照すると、注射器ホルダー24は、更に、注射器アセンブリ16を受容し、そして、固定するように配置された固定リング220を備える。特に、固定リング220は、注射器ホルダー24の一つの端に、固定リング220を通して延びる注射器アセンブリ16のバレル52と一緒に配置される。バレル52のフランジは、固定リング220に近接する。他の好適な材料を使用しても良いが、固定リング220は熱可塑性エラストマーから形成されても良い。
【0028】
図13~20を参照すると、プランジャ本体80が使用前の位置あるとき、音声指示部材94は注射器ホルダー24の移動を制限するように配置されてもいる。上記に述べたように、レバー作動部材44は、プランジャ本体80の移動を防止し、そして、注射器ホルダー24はカセット本体26に対して移動出来る。使用前の位置で装置10の移動の間又は、キャップの除去の間、音声指示部材94は注射器ホルダー24の少なくとも一つのアーム230と係合して、注射器ホルダー24の移動を防止する。アーム230は、注射器ホルダー24のアーム230の間に配置された音声指示部材94の部分と一緒に注射器ホルダー24から軸方向の外側に延びて、第二のサブアセンブリ14から第一のサブアセンブリ12へ延びる方向での注射器ホルダー24の移動が、少なくとも一つのアーム230を音声指示部材94に係合させて、注射器ホルダー24の更なる移動を制限するようにさせる。
【0029】
図4,6,8及び13を参照すると、上記に述べるように、装置10は、注入位置(
図6)から使用後の位置(
図8)へプランジャ本体80の移動の視覚的指示を提供するように配置された視覚的指示部材250も備える。視覚的指示部材250は、下方ハウジングシェル28により規定される指示開口部104を介して見ることが出来る。他の好適な配列を使用しても良いが、視覚的指示部材250はプランジャ本体80と一体的に形成され、そして、音声指示部材94から一定の空間が開けられる。上記に述べたように、視覚的指示部材220は、対照的な色、記号、パターン又は、装置の多様な現状を示す他の好適な視覚的な指示を使用しても良い。他の好適な配列を使用しても良いが、プランジャ本体80のレバー開口部88は、音声指示部材94と視覚的指示部材250との間に配置される。
【0030】
図22を参照すると、カセット本体26は、カセット本体26の長軸方向に沿って延びる、少なくとも一つのガイド溝240を規定する。ガイド溝240は、針カバー22のアーム230を受容し、そして、デバイス10内で、使用前の位置、作動位置及び、使用後の位置の間を、カセット本体22に対して針カバー22の移動をガイドする。ガイド溝240は、針カバー22の横断する位置を固定して、針カバー22のレバー接触部分148が、レバー作動部材44の針カバー接触表面142と整列して存在し、それにより、針カバー22が作動位置に移動するとき、レバー接触部分148が針カバー接触表面142と係合することを確実にさせる。
【0031】
図14,20及び21を参照すると、モータ本体42は、モータ本体42から延びるアーム260を備える。
図14に示すように、アーム260は、注射器アセンブリ16のバレル52のフランジ270と係合するように配置されている。したがって、注射器アセンブリ16のバレル52は、注射器ホルダー24により一つの末端、そして、モータ本体42のアーム260により他方の末端が閉じられて、それにより、注射器ホルダー24内で注射器アセンブリ16を固定する。モータ本体42は一つ以上のアーム260を備えても良いが、モータ本体42は、モータ本体42のそれぞれの側面上に一対のアーム260を備える。他の好適な形状、そして、配列を使用しても良いが、アーム260はL形状である。
【0032】
図23~47を参照すると、本発明の更なる実施態様に従った薬剤送達装置300が示される。薬剤送達装置300は、以下に詳細に論じるように、ある種の相違はあるが、
図1A-22に示す薬剤送達装置10に類似している。薬剤送達装置300は、他の成分、モータ本体302、プランジャ本体304、プランジャロッド部分306、レバー作動部材308、注射器ホルダー310、針カバー312、カセット本体314、キャップ316、保存容器318、上方ハウジングシェル320及び、下方ハウジングシェル322を備える。
【0033】
図23~26を参照すると、モータ本体302は、
図1A-22のモータ本体42に類似し、そして、同様に機能するが、更に長軸方向の溝324、強化リブ326及び、カセットクリップ328を備える。長軸方向の溝324は、プランジャ本体304の形成割線を受容するように配置され、モータ本体302とプランジャ本体304の間のスムーズな滑りを確実にさせる。強化リブ326は、モータ本体302の1対のアーム260の追加のサポートを提供する。カセットクリップ328は、カセット本体314により規定される開口部330により受容されて、カセット本体314にモータ本体302を固定する、これは以下に詳細に論じられる。カセットクリップ328は、角度を付けたフェイス322及び、平らなフェイスを備え、それらは、カセットクリップ328がカセット本体314の開口部330中に挿入されるが、いちどカセット本体314の開口部330に挿入されると容易に除去されることを防止する。モータ本体302の底面336は、被面取り部分338を備え、装置300の組立てを補助する。
【0034】
図24及び
図27~30を参照すると、プランジャ本体304は、一体形成されているというよりは、むしろプランジャロッド部分306から別々に形成されている。更に、装置300は、プランジャロッドカバー92を備えない。プランジャ本体304は、プランジャロッド部分306のプランジャロッドクリップ342を受容する開口部340を規定する。他の好適な形状及び配列を使用しても良いが、プランジャロッドクリップ342は、かえし形状であり、プランジャ本体304の開口部340に挿入されるように配置されるが、開口部340から容易に除去することは出来ない。プランジャロッドクリップ342は、プランジャ本体304の開口部340に挿入されて、そして、一度プランジャ本体304内に受容されると、その当初の形状を拡張させることから、プランジャロッドクリップ342は中央開口部344を規定し、それはプランジャロッドクリップ342を圧縮させる。プランジャロッド部分306は、プランジャ本体ストップ346及び、付勢部材348を備える。プランジャ本体ストップ346は、一つ以上の凸形状であっても良く、プランジャロッドクリップ342がプランジャ本体304の開口部340に挿入されるとき、プランジャ本体304と接触する。プランジャ本体304の開口部340中へのプランジャロッドクリップ342の挿入の間に、付勢部材348はプランジャ本体304と係合し、そして、プランジャロッド部分306をプランジャ本体304方向に付勢する。組立後に、プランジャ本体304とプランジャロッド部分306の間にギャップがないことを確実にさせつつ、付勢部材348は、プランジャ本体304の開口部340中に、プランジャロッドクリップ342を挿入する追加の余地を提供する。他の好適な形状及び配列を使用しても良いが、プランジャロッド部分306の付勢部材348は環状である。
【0035】
プランジャロッド部分306は、更に、ストッパー54により受容されるストッパーインターフェース350を備える。他の好適な形状及び配列を使用しても良いが、ストッパーインターフェース350は、十字凸型形状である。他の好適な形状及び配列を使用しても良いが、プランジャロッド部分306は、注射器アセンブリ16上のストレスを低減させるように外向き円錐形状を有する。プランジャ本体304は、プランジャ本体304のレバー開口部88中に延びるレバーリブ352を備える。レバーリブ352は、以下に、より詳細に論じるように、レバー作動部材308により受容されるように配置されている。
【0036】
図31及び32を参照すると、レバー作動部材308は、上記に述べ、そして、
図1A-22に示したようにレバー作動部材44に類似しており、そして、同様に機能する。しかしながら、レバー作動部材308は、プランジャ本体304のレバーリブ352を受容する回転軸70で、溝354を規定する。溝354とレバーリブ352の間の係合は、プランジャ本体304とレバー作動部材308の間の相対的な側面移動を防止する。レバー作動部材308の針カバー接触表面142は、
図1A-22のレバー作動部材44の針カバー接触表面142と比較してより大きい表面積を備える。
【0037】
図33及び34を参照すると、注射器ホルダー310は、
図1A-22の注射器ホルダー24に類似しており、そして、同様に機能する。しかしながら、注射器ホルダー310は、更に、注射器ホルダー310の周方向に延びる複数のリブ356を備える。複数のリブは、スプリング68と係合する。注射器ホルダー310の固定リング220は、更に、放射状に内側に延びる複数の凸部分358を備える。複数の凸部分358は、注射器アセンブリ16と係合して、注射器アセンブリ16の外側表面と注射器ホルダー310の間のギャップも除去する。複数の凸部分358は、可撓性であり、そして、注射器アセンブリ16が注射器ホルダー310内に受容されているとき、圧縮しても良い。
【0038】
図35及び36を参照すると、針カバー312は、
図1A-22の針カバー22に類似しており、そして、同様に機能する。針カバー312は、針カバー312と注射器ホルダー310の間のスプリング68を保持するスプリング68と係合するスプリングリブ360を備える。針カバー312は、針カバー312のカセット本体314に対する移動をガイドするカセットリブ362も備える。
【0039】
図37,38,46及び47を参照すると、カセット本体314は、
図1A-22のカセット本体26に類似しており、そして、同様に機能する。上記に論じたように、カセット本体314は、モータ本体302のカセットクリップ328を受容する開口部330を備える。カセット本体314は、針カバー312のクリップ表面366と係合する針カバークリップ364を備える。他の好適な形状及び配列を使用しても良いが、針カバー312のクリップ表面366は平らである。針カバークリップ364は、カセット本体314に対する針カバー312の軸方向の移動を制限するように配置される。カセット本体314は、更に、モータ本体リブ368及び、上方ハウジングシェルリブ370を備え、それらはモータ本体302及び、上方ハウジングシェル320の対応する部分と係合するように配置され、装置の組立てを補助する。カセット本体314は、注射器ホルダーストップ372も備え、それは、注射器ホルダー310の部分と係合するように配置され、注射器ホルダー310のカセット本体314に対する軸方向の移動を制限する。
図46には示していないが、ロッキングクリップ64は、薬剤送達装置300でも使用されても良い。
【0040】
図39~44を参照すると、キャップ316は、上記に示し、そして、
図1A-22に示したようにキャップ18に類似しており、そして、同様に機能する。キャップ316は、針カバー312により規定されるキャップ開口部376により受容される突出部分374を備え、それは
図1A-22のキャップ18のそれらの要素の位置に対して90度で位置付けられている。キャップ316の突出部分374は、針カバー312の使用前の位置から作動時の位置への移動で、針カバー312と係合するように配置されている。例えば、下方ハウジングシェル322に固定された保存位置におけるキャップ316付の装置300において、もし、装置が落下され又は衝撃を受けて、針カバー312に力を適用されると、レバー作動部材308及び/又は、他の成分、突出部分374は、針カバー312の移動を制限し、それは装置300の意図しない作動を防止する。キャップ316は、更に、保存容器クリップ378と、保存容器318の羽根382と係合するためのリブ380とを備える。保存容器クリップ378及び、リブ380は、保存容器318をキャップ316に固定して、そして、キャップ316に対する保存容器318の移動又はぐらつきを防止する。キャップ316が下方ハウジングシェル322から除去されるとき、保存容器318はRNS58を除去するように配置されている。キャップ316は、下方ハウジングシェル322にキャップ316を固定するために、下方ハウジングシェル322を係合させるための下方ハウジングシェルクリップ384を備える。上方ハウジングシェル320と、下方ハウジングシェル322は、上記に論じ、そして、
図1A-22に示すように、上方ハウジングシェル46と、下方ハウジングシェル28に類似しており、そして、同様に機能する。下方ハウジングシェル322は、しかしながら、キャップ316の下方ハウジングシェルクリップ384を受容するキャップインターフェイス386を有する。
【0041】
図45を参照すると、薬剤送達装置300は、注入位置で示されている。カニューレ56の注入の深さは、点Xにおける注射器ホルダー310とカセット本体314の間の接触と、点Yにおける針カバー312と注射器ホルダー310の間の接触により決定される。
【0042】
図45を参照すると、薬剤送達装置300は、音声指示部材388を備え、それは上記に述べ、そして、
図1A-22に示すように、音声指示部材94に類似しており、そして、同様に機能する。音声指示部材94と同様の方法で、上記に述べたように、薬剤送達装置300の音声指示部材388は、使用後の位置への装置300の移動のとき、使用者に音声指示を提供するように配置されている。音声指示部材388は、装置300が注入位置にあり、それにより音声指示部材388を偏向するとき、カセット本体314のリブ390と係合するように配置されている。薬剤送達装置300が注入位置から使用後の位置に移動するとき、音声指示部材388は、カセット本体314のリブ390との係合を解き、そして、下方ハウジングシェル322と接触し、音声クリックを提供する。しかしながら、カセット本体314のリブ390の遠位端392は上方ハウジングシェル320の内側の方向に角度を付け、それは、
図1A-22に関連して上記に論じたように、カセット本体26の配列されたリブ96に比べて大きな音声クリックを有益なことに提供する。
【0043】
一つの実施態様又は、実施形態で、装置300の長軸方向に対して垂直に延びる平面に対するカセット本体314のリブ390の遠位端392の角度Zは、5度より大きい。一つの実施態様又は、実施形態で、リブ390の遠位端392の角度Zは10度より大きい。一つの実施態様又は、実施形態で、遠位端392の角度Zは25度である。
【0044】
一つの開示の実施態様の要素は、一つ以上の他の開示の実施態様の要素と組合せて、異なる組合せを形成することが出来、それらの全ては、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0045】
この開示は、例示的なデザインとして記載されてきており、本開示は、本発明の精神および範囲内で更に修正されることが出来る。したがって、本願は、その一般原理を使用して本開示のいかなる変形例、使用、又は適用をカバーすることが意図されている。更に、本願は、本開示から出発して、当該技術分野で公知及び慣用的な実施内であるように、この開示に含まれ、そして、添付の特許請求の範囲の限定内に含まれるものまでカバーするとこと意図している。