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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】折り畳み袋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/10 20060101AFI20230403BHJP
   B65D 27/00 20060101ALN20230403BHJP
【FI】
B65D30/10 S
B65D27/00 C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019111557
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020179937
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】P 2019094083
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-309347(JP,A)
【文献】実公昭16-008942(JP,Y1)
【文献】特開2017-185764(JP,A)
【文献】特開2000-043456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/10
B65D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向の折り線を介して連接する横幅が異なる或いは略同じ葉片以上の葉片が横方向へ連接された単位シートと、前記単位シートと縦幅が略同じ或いは異なる単位シートが、横方向の折り線を介して上下に連接された折り畳み袋体シートを縦横に折り畳んだ折り畳み袋体であり、前記折り畳み袋体シートを縦方向の折り線に沿って巻き折り状に折り込み、さらに前記横方向の折り線から単位シート同士が対向するように二つ折りに折り畳むに際し、対向する任意の葉片の任意の箇所を剥離不能に接着することにより複数に仕切られた収納部を有することを特徴とした折り畳み袋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を収納して持ち運ぶための収納袋、広告宣伝用のチラシを封入して郵送するダイレクトメール用の封筒、或いは薬を入れる薬袋等に使用できる袋体に関する。
詳しくは、一つの袋体に袋部が二か所以上設けられているため、収納物の種類を分別して保管することが可能な袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、封筒と言えば単一の袋体であり、使用者は書類や薬等の収納物を仕分けして収容しようとしても、内部では無秩序に散乱して混乱してしまい、取り出し時に再度仕分けし直す等の面倒が発生する。従って使用者は、複数の封筒を使用するようして、仕訳けした収納物が混乱しないように何らかの方法を講じる必要があった。そのような状況下、例えば特開平10-85308号公報や特開2004-90991号公報人に記載される薬袋のような袋体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-85308号公報
【文献】特開2004-90991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記何れの特許文献も袋体の内部が仕切られることにより、収納する薬を種類や使用方法により分別して収納することができる。ところで前記特許文献1の薬袋は、別体からなる葉片の縁辺を貼り合わせた構成である。また特許文献2の薬袋は、折り部を介して横方向に連接された葉片を折り畳み、側片と底辺を貼り合わせて袋体としたものである。
【0005】
前記各特許文献の袋体は、何れも葉片の縁辺の貼り合わせにより構成されるものであり、例えば収納物が嵩張る場合や重量がある場合、貼り合わされた縁辺を破って収納物が飛び出す事故が発生する。また嵩張ることが無く重くもないとしても、例えば収納物が薄くて鋭利な縁辺を持つ板状の場合に、貼り合わせている葉片間の接着剤層に食い込んでその部分を破損したり、食い込んだ収納物を取り出す際に食い込み部分から破断したりする事故が発生する。
【0006】
本発明は上記課題を考慮してなされた袋体で、葉片同士の対向する縁辺の貼り合わせにより形成される袋体ではなく、一枚のシートを縦横に折り畳むことにより、開口部を除く全ての縁辺が連続する葉片を折り畳んだ際の折り部により構成される袋体で、それにより仮に嵩張り重い収納物であても、或いは鋭利な縁辺を有する収納物であっても縁辺部分から破断して裂ける等の支障が起こらず、加えて二か所以上の収納部を有するため容易に収納物の仕分けが行え、袋体の内部での混乱を防ぐことが可能な折り畳み袋体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の折り畳み袋体は、縦方向の折り線を介して連接する横幅が異なる或いは略同じ葉片以上の葉片が横方向へ連接された単位シートと、前記単位シートと縦幅が略同じ或いは異なる単位シートが、横方向の折り線を介して上下に連接された折り畳み袋体シートを縦横に折り畳んだ折り畳み袋体であり、前記折り畳み袋体シートを縦方向の折り線に沿って巻き折り状に折り込み、さらに前記横方向の折り線から単位シート同士が対向するように二つ折りに折り畳むに際し、対向する任意の葉片の任意の箇所を剥離不能に接着することにより複数に仕切られた収納部を有することを特徴としている。
【0008】
本発明の折り畳み袋体に使用される材料として上質紙、マット紙、コート紙等の公知の紙材を初め、合成紙、樹脂フィルムシート、不織布等を好適に使用することができる。
【0009】
また、本発明の折り畳み袋体の折り畳みにより生じる対向面同士の任意の部分を接着するための接着剤として公知の各種接着剤を使用することができるが、特にプリントラミネート用の完全接着フィルムシートを好適に使用することができる。このものは印刷物表面の完全接着予定面に被覆した後に対向するように折り畳み、加圧或いは加熱・加圧処理を施すと、対向する完全接着フィルムシート同士が剥離不能に接着するもので、使用に際して取り扱いが容易なため至便である。
【0010】
さらに本発明の折り畳み袋体に使用する折り畳み袋体シートを縦横に折り畳む際に、折り線部分に形成される折り手段として折りミシンや折り筋等がある。折りミシンのカットとアンカットの比率に格別な制限はない。また折り畳み袋体シートのみに折りミシンを施しておいてその上から完全接着フィルムシートを被覆すれば、折りやすさと破断に対する補強が同時に可能となる。また折り筋を形成しても構わず、さらに折り手段を形成することなく折り機により何ら折り手段が形成されていない折り線部分を強制的に折り畳んでも構わない。
【0011】
前記折り畳み袋体シートの構成は、縦方向の折り線を介して横方向に連接される幅の狭い1葉片と、それと連接する幅が略同じの2葉片以上からなる。なお前記幅の狭い1葉片は他の葉片と略同じ幅に拡張しても構わない。そして前記3葉片以上からなる単位シートが天地の横方向の折り線を介して連接される。
【0012】
また前記単位シートの各葉片の横幅については、例えば3葉片の場合、左葉片、中央葉片及び右葉片において、右葉片≒中央葉片≧左葉片或いは左葉片≒中央葉片≧右葉片の関係となる。そして中央葉片の両側の葉片を幅の狭い左右何れかの葉片が最上面に表出するように巻き折り状態に折り畳む。そして最後に横方向の折り線から単位シート同士が対向するように幅の狭い葉片側で二つ折りに折り畳むが、前記二つ折りに際して内面側となり対向する葉片の任意の箇所を剥離不能に接着することで前記巻き折り部分に収納部が生じる。前記収納部は各単位シートの巻き折り部分に生じるため最低でも2収納部が形成されて使用可能となるのである。さらに後述するが前記3葉片の横幅の関係は、右葉片≒中央葉片≒左葉片であっても構わない。
【0013】
なお単位シートを構成する葉片の数は3葉片以上でも構わず、その場合巻き折り状態に各葉片を折り畳み、例えば表出した横幅の狭い葉片同士が対向するように横方向の折り線から折り畳む。そのようにして生じる収納部は4葉片であれば4収納部、5葉片であれば6収納部というように葉片の増加に伴い増えて行く。
【0014】
また上下に連接された各単位シートの高さを操作することにより、横方向の折り線からの折り畳みにより開口部に段差が生じ、それにより収納物の出し入れがより至便になる。さらに再外側に位置する葉片に意図的に切り込みを入れて取り出し側の縁辺を切除すればより収納物の出し入れが至便となる。
【0015】
更に縦幅が広い単位シートの横方向の折り線に沿った折り畳みにより、突出する部分を折り返して封用のフラップとしても構わない。その際折り畳みが容易になるように折りミシンを形成しておけば至便である。また前記フラップは葉片全部の高さが同じ場合、封入口部分の全葉片を折り畳み封止するようにしても構わない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の折り畳み袋体は、独立した葉片の解放されている縁辺を貼り合わせて形成する、或いは横方向に連接された葉片を折り畳み残った解放されている縁辺を貼り合わせて形成するという、各解放縁辺を接着手段により封止する手法ではなく、縦横の折り畳みにより全て連続する葉片の折り畳みの折り線により形成することになる。そのため縁辺における接着剤による接着部分からの剥がれ等接着剤を使用することを起因とする事故が無くなる。
特に完全接着フィルムシートにより前記折り線が被覆されている形態では、前記折り線部分が補強されて破れ等の破損に対してより強靭に補強される。
また接着剤等のはみ出しにより収納物を汚損したり破損したりすることもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は折り畳み袋体F1の表面図、(B)は裏面図である。
図2】折り畳み袋体F1の斜視図である。
図3図1(B)におけるI-I線断面図である。
図4図1(B)におけるII-II線断面図である。
図5図1(B)におけるIII-III線断面図である。
図6】(A)折り畳み袋体シートS1の表面図、(B)は裏面図である。
図7】(A)は完全接着フィルムシートKが貼り込まれた状態の折り畳み袋体シートS1の表面図、(B)は裏面図。
図8】(A)は縦方向の折り線に沿って巻き折り状態に折り畳まれた折り畳み袋体用シートS1の表面図、(B)は裏面図である。
図9】(A)は図8(B)におけるIV-IV線断面図、(B)はV-V線断面図である。
図10】(A)は実施例1の変形例で折り畳み袋体の製造工程の中間で、フリーな葉片を固定させた場合の折り畳み態様の断面図、(B)は前記(A)の構成により完成した改良版折り畳み袋体の断面図である。
図11】(A)は実施例1のさらに異なる変形例の折り畳み袋体の製造工程の中間の断面図、(B)は前記(A)の構成により完成した折り畳み袋体の断面図である。
図12】(A)はさらに異なる変形例の折り畳み袋体の断面図、(B)は前記(A)のさらに異なる変形例の折り畳み袋体の断面図である。
図13】(A)はさらに異なる変形例の折り畳み袋体の断面図、(B)は前記(A)のさらに異なる変形例の折り畳み袋体の断面図である。
図14】(A)は折り畳み袋体F2の表面図、(B)は裏面図である。
図15】折り畳み袋体F2の斜視図である。
図16図14(B)におけるVI-VI線断面図である。
図17】(A)は完全接着フィルムシートKが貼り込まれた状態の折り畳み袋体シートS2の表面図、(B)は裏面図。
図18】(A)は縦方向の折り線に沿って巻き折り状態に折り畳まれた折り畳み袋体用シートS2の表面図、(B)は裏面図である。
図19】(A)は図18(B)におけるVII-VII線断面図、(B)はVIII-VIII線断面図である。
図20】(A)は実施例2の変形例の折り畳み袋体の製造工程の中間の断面図、(B)は前記(A)の構成により完成した折り畳み袋体の断面図である。
図21】表出する葉片の開口部縁辺に切れ込み等の引っ掛かりを設けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
なお本実施例では折り畳み袋体シートとして通常のマット紙(四六版換算で110kg)を使用している。また完全接着フィルムシートKは、例えばポリエチレンテレフタレートや二軸延伸ポリプロピレンからなる基材の一方の面に、公知の感熱接着剤層を形成すると共に、残るもう一方の面にヒート処理層を形成したサーマルラミネート法に対応したもの使用している。このものは印刷物表面に前記感熱接着剤層を介して剥離不能に接着した後、ヒート処理層が対向するように折り畳み加圧或いは加熱・加圧処理を施すことで対向面同士が剥離不能に接着する。
【0019】
また各実施例に示す図面で、折り畳み袋体シートの表面図に記載されている葉書や封筒に記載される郵便料金表示の円は、前記折り畳み袋体シートの表裏面を区別するために記載したものであり、それにより本発明の折り畳み袋体が必ずしも郵送体(角封筒等)として使用されるものではなく、薬袋或いはその他の各種袋に適用されることはいうまでもない。
【実施例1】
【0020】
[折り畳み袋体F1]
図1乃至図5に示す折り畳み袋体F1、は本発明の折り畳み袋体の最も基本となるものである。このものの構成について図6から図9に示す製造順序に従って説明する。
【0021】
図6に示すように本発明の折り畳み袋体F1を製造するための折り畳み袋体シートS1は、縦方向の折り線7及び8を介して横方向に連接する第一葉片1、第二葉片2及び前記2葉片より横幅の狭い第三葉片3からなる単位シートt1が、同様に縦方向の折り線7及び8を介して横方向に連接する第四葉片4、第五葉片5及び前記2葉片より横幅が狭い第六葉片6からなる単位シートt2と、横方向の折り線9を介して第一葉片1と第四葉片4、第二葉片2と第五葉片5及び第三葉片3と第六葉片6が接するように上下に連接されたものである。なお第一葉片1、第二葉片2及び第三葉片3からなる単位シートt1は、上部に折り線10を介してフラップ部分を有しているため、その分下部の単位シートt2よりも縦幅が広くなっている。
【0022】
なお前記折り畳み袋体シートS1は、フォーム印刷や輪転印刷に使用される長尺状の連続用紙に印刷されていても、或いはオフセット印刷やオンデマンド印刷に使用される枚葉状のカット用紙に印刷されていても構わない。この印刷態様については以下の実施例においても同様である。
【0023】
そして図7(A)及び(B)に示すように、折り畳み袋体シートS1の第三葉片3と第六葉片6には各種ラミネート装置により完全接着フィルムシートKが連続的に被覆され、必要とあれば各折り線に折りミシンからなる折り手段が形成される。本実施例では縦方向の折り線7、8及び横方向の折り線9に折りミシンが予め形成されている。
【0024】
なお折りミシンの形成時期に制限はなく、本実施例のように予め形成しておいて後に完全接着フィルムシートKを被覆しても、或いは完全接着フィルムシートの被覆後に形成しても構わない。また折りミシンに代えて折り筋等他の折り手段でもよく、さらに何も形成しなくて折り機により強制的に折り畳んでも構わない。この各折り線に対する折り手段の形成については以下の各実施例においても同様である。
【0025】
次に図8(A)、(B)及び図9(A)、(B)に示すように、既述の折り畳み袋体シートS1の第一葉片1及び第四葉片4を縦方向の折り線7から裏面側へ折り畳み、さらに第三葉片3及び第六葉片6を縦方向の折り線8から裏面側に折り畳む。さらに図8(B)の状態から横方向の折り線9に沿って、第三葉片3及び第六葉片6の裏面側で表出している完全接着フィルムシートK同士が対向するように二つ折りに折り畳み、図3に断面図で示す状態に仕上げ加圧或いは加熱・加圧処理を施すと、対向している完全接着フィルムシートK同士が剥離不能に接着して折り畳み袋体F1として完成するのである。
【0026】
前記折り畳み加工は、折り畳み袋体シートS1が印刷された連続用紙や完全接着フィルムシートKの被覆により連続状態となったカット用紙を、縦方向の折り線から連続的に折り畳んだ後に単品の折り畳み袋体シートS1に切り出して横方向の折り線から折り畳んでも良く、或いは完全接着フィルムシートKを被覆した後に単品の折り畳み袋体シートS1に切り出して、その後折り機により折り畳んでも構わない。これら折り畳み加工や折り手段の形成時期等に関しては格別の制限はなく、最終的に単品の折り畳み袋体シートS1の折り畳みが完了した後に加圧或いは加熱・加圧処理を施して一体化される。この各種加工工程に関しては以下の各実施例においても同様である。
【0027】
このようにして作られた折り畳み袋体F1は、図2及び図3中に網点で示すように2か所の収納部を有する。そして使用目的に合わせて、必要とあれば折り線10から突出しているフラップ部分を折り畳むことにより開口部を封止することができる。なお前記フラップ部分は省略しても構わずその場合開口部は同じ高さとなり段差を形成することはない。フラップ部分の有無に関しては以下の各実施例においても同様である。
【0028】
なお図3に示すように、第四葉片4と第六葉片6及び第一葉片1及び第三葉片3の重なり部分は、接着されることなくフリーな状態となっている。また第四葉片4及び第一葉片1の対向面間もフリーな状態となっている。従って例えば図10(A)及び(B)に示すように〔図9(A)及び(B)参照〕第四葉片4と第一葉片1間に完全接着フィルムシートKを介在させることによりフリーな状態の葉片を固定させることができる。
【0029】
また巻き折り状態に折り畳む際の各葉片の重なり部分に関しては、実施例1では図9(A)に示すように第一葉片1を包み込むように第三葉片3が折り畳まれているが、例えば図11(A)に示すように第三葉片3を包み込むように第一葉片1が折り畳まれていても良い。その際第一葉片の横幅を第二葉片2よりも狭くして、第三葉片3が重なり部分から表出するようにしておいて、さらに第一葉片1の第三葉片3との重なり部分の対向面に完全接着フィルムシートKを被覆しておけば、完成される折り畳み袋体F1は図11(B)に示すように収納部が密閉されて独立した空間となり且つ前記第三葉片3同士が対向する部分の完全接着フィルムシートK同士の接着により二つの収納部は一体化されるのである。
【0030】
また前記変形例の他に、例えば図12(A)に示すように第四葉片4と第六葉片6及び第三葉片3と第一葉片1の重なり部分を剥離不能にしても良く、さらに前記変形例の場合同図(B)に示すように第四葉片4及び第一葉片1の対向面間を剥離不能に接着しても構わない。
【0031】
さらに異なる変形例として図13(A)に示すように、各葉片の横幅を略同じにして、第六葉片6と第三葉片3の全面を完全接着しても構わず、その場合同図(B)に示すように、第四葉片4と第六葉片6及び第三葉片3と第一葉片1同士の全面を完全接着しても構わない。
【0032】
このような構成の折り畳み袋体F1は郵送に使用する封筒のみならず各種書類の収納用の袋体として使用できる他、薬等の小物でも仕分けして収できるので極めて至便である。これら収納対象や至便さに関しては以下の実施例で紹介される各種折り畳み袋体についても同様である。
【実施例2】
【0033】
[折り畳み袋体F2]
図14(A)、(B)、図15及び図16に示す折り畳み袋体F2は、実施例1の折り畳み袋体F1における葉片数を増やしたものである。このものの構成について図17から図19に示す製造順序に従って説明する。
【0034】
図17に示すように本発明の折り畳み袋体F2を製造するための折り畳み袋体シートS2は、縦方向の折り線29、30及び31を介して横方向に連接する第一葉片21、第二葉片22、第三葉片23及び第四葉片24からなる単位シートt11が、同様に縦方向の折り線29、30及び31を介して横方向に連接する第五葉片25、第六葉片26、第七葉片27及び第八葉片28からなる単位シートt12と、横方向の折り線32を介して第一葉片21と第五葉片25、第二葉片22と第六葉片26、第三葉片23と第七葉片27及び第四葉片24と第八葉片28が接するように上下に連接されたものである。なお単位シートt11は上部の折り線33を介しフラップ部分を有しているため、その分だけ下部の単位シート12よりも縦幅が広くなっている。
【0035】
そして図17(A)に示すように、折り畳み袋体シートS2の第四葉片24と第八葉片28には完全接着フィルムシートKが被覆され、各折り線に折りミシンからなる折り手段が形成されている。
【0036】
次に図18(A)、(B)及び図19(A)、(B)に示すように、既述の折り畳み袋体シートS2の第一葉片21及び第五葉片25を縦方向の折り線29から裏面側へ折り畳み、前記2葉片を巻き込むように折り線30及び31から各葉片を折り畳む。そして図18(B)に示す状態から横方向の折り線32に沿って、第四葉片24及び第八葉28の裏面側で表出している完全接着フィルムシートK同士が対向するように二つ折りに折り畳み、図16に断面図で示す状態に仕上げ加圧或いは加熱・加圧処理を施すと、対向している完全接着フィルムシートK同士が剥離不能に接着して折り畳み袋体F2として完成するのである。
【0037】
このようにして作られた折り畳み袋体F2は、図15及び図16中に網点で示すように4か所の収納部を有する。そして使用目的に合わせて、必要とあれば折り線33から突出しているフラップ部分を折り畳むことにより開口部を封することができる。
【0038】
なお図16に示すように、第六葉片26と第八葉片28及び第四葉片24及び第二葉片22の重なり部分は、接着されることなくフリーな状態となっている。また第六葉片26及び第二葉片22の対向面間もフリーな状態となっている。この部分に関しては巻き折り状態に折り畳む際に、実施例2では図19(A)に示すように第一葉片21を包み込むように他の葉片が折り畳まれているが、例えば図20(A)に示すように第一葉片21の下方へ第四葉片24が入り込む状態であっても構わない。その際第一葉片21と第二葉片22の横幅を第三葉片23よりも狭くして、第四葉片24が重なり部分から表出するようにしておいて、さらに第一葉片21の重なり部分の対向面に完全接着フィルムシートKを被覆しておけば、完成される折り畳み袋体F2は図20(B)に示すように収納部が密閉されて独立した空間となり且つ前記第四葉片24の前記重なり部分から表出している部分の完全接着フィルムシートKと第八葉片28の表出部分同士で四つの収納部は一体化されるのである。その他前記フリーな状態部分の接着に関する変形例は実施例1と同様である。
【0039】
なお本発明は上記実施例に限られるものではない。
例えば実施例1では上下各3葉片が連接された折り畳み袋体シートS1、実施例2では上下各4葉片が連接された折り畳み袋体シートS2が使用されているが、それ以上の葉片数から成る単位シートが上下連接された折り畳み袋体シートで作製しても構わない。
また図21に示すように、折り畳み袋体の仕上がり後に表出する葉片の収納物を出し入れする開口部縁辺に切れ込み等の引っ掛かりを設け、指で容易に開口部を広げられるように操作しても構わない。
【符号の説明】
【0040】
F1、F2 折り畳み袋体
S1、S2 折り畳み袋体シート
K 完全接着フィルムシート
t1、t2、t11、t12 単位シート
1、2、3、4、5、6、21、22、23、24、25、26、27、28 葉片
7、8、9、10、29、30、31、32、33 折り線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21