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特許7254290演奏支援装置、演奏支援方法、コンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】演奏支援装置、演奏支援方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G10G 1/02 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
G10G1/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019130941
(22)【出願日】2019-07-16
(65)【公開番号】P2021015242
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-06-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:平成31年2月28日、https://www.youtube.com/watch?v=4UX9kRtLLz0 掲載年月日:平成31年3月1日、https://www.ufret.jp/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519255687
【氏名又は名称】株式会社GLNET
(74)【代理人】
【識別番号】110002446
【氏名又は名称】弁理士法人アイリンク国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】舘石 大
【審査官】菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-075426(JP,A)
【文献】特開平09-274427(JP,A)
【文献】特開2015-194533(JP,A)
【文献】特開2013-156542(JP,A)
【文献】特開2009-047860(JP,A)
【文献】特開2005-084069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/814
G09B 15/00-15/08
G10G 1/02
G10H 1/38
G10K 15/04-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示する演奏支援装置であって、
演奏されるコードを示すコード情報を記憶する記憶手段と、
前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示する第1表示手段と、
前記再生時刻に演奏される前記記憶手段に記憶されるコード情報を前記第1表示手段が表示する当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示する第2表示手段と、前記楽曲の歌詞を表示し、かつ前記再生時刻に演奏される前記記憶手段に記憶されるコード情報を、前記領域に対応付けて表示される前記コード情報の表示位置とは異なる位置に、前記再生時刻に歌われる歌詞部分に対応づけて表示する第3表示手段と、
前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせ、かつ楽曲を再生していったときに現在再生している時刻に歌われる歌詞部分に対応するコード情報の表示態様を当該歌詞部分以外の歌詞部分に対応するコード情報の表示態様と異ならせる表示処理手段と、
を有する演奏支援装置。
【請求項2】
前記複数の領域は、前記楽曲を再生した際に予め設定された時間間隔おいた再生時刻毎に対応付けられている請求項1に記載の演奏支援装置。
【請求項3】
前記複数の領域は、前記楽曲を再生した際に一拍間隔おいた再生時刻毎に対応付けられている請求項1又は2に記載の演奏支援装置。
【請求項4】
前記複数の領域は、当該複数の領域の配列方向で互いに同じ幅を有する四角形の領域であり、
前記第2表示手段は、前記領域内にコード情報を表示する請求項1乃至3の何れか1項に記載の演奏支援装置。
【請求項5】
前記第1表示手段は、前記現在再生している時刻、及び、当該時刻の前後の時刻に対応する、予め設定された個数の領域を表示する請求項1乃至4の何れか1項に記載の演奏支援装置。
【請求項6】
前記コード情報は、楽器のコードに対応する当該楽器の押さえ方が図形化された情報である請求項1乃至5の何れか1項に記載の演奏支援装置。
【請求項7】
表示手段、及び表示処理手段を有する演奏支援装置により、楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示する演奏支援方法であって、
前記表示手段が、前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示し、かつ前記再生時刻に演奏されるコード情報を当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示し、かつ前記楽曲の歌詞を表示しつつ前記再生時刻に演奏される記憶手段に記憶されるコード情報を、前記領域に対応付けて表示される前記コード情報の表示位置とは異なる位置に、前記再生時刻に歌われる歌詞部分に対応づけて表示する表示工程と、
前記表示処理手段が、前記表示工程で表示された前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせ、かつ楽曲を再生していったときに現在再生している時刻に歌われる歌詞部分に対応するコード情報の表示態様を当該歌詞部分以外の歌詞部分に対応するコード情報の表示態様と異ならせる表示処理工程と、
を有する演奏支援方法。
【請求項8】
楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示するのをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
表示手段が、前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示し、かつ前記再生時刻に演奏されるコード情報を当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示し、かつ前記楽曲の歌詞を表示しつつ前記再生時刻に演奏される記憶手段に記憶されるコード情報を、前記領域に対応付けて表示される前記コード情報の表示位置とは異なる位置に、前記再生時刻に歌われる歌詞部分に対応づけて表示する表示工程と、
表示処理手段が、前記表示工程で表示された前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせ、かつ楽曲を再生していったときに現在再生している時刻に歌われる歌詞部分に対応するコード情報の表示態様を当該歌詞部分以外の歌詞部分に対応するコード情報の表示態様と異ならせる表示処理工程と、
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲に合わせた楽器の演奏を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、楽曲に合わせた楽器の演奏を支援する技術として様々な技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-148168
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、楽曲の再生に合わせてより適切なタイミングで楽器を演奏できるように演奏支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示する演奏支援装置であって、演奏されるコードを示すコード情報を記憶する記憶手段と、前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示する第1表示手段と、前記再生時刻に演奏される前記記憶手段に記憶されるコード情報を前記第1表示手段が表示する当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示する第2表示手段と、前記楽曲の歌詞を表示し、かつ前記再生時刻に演奏される前記記憶手段に記憶されるコード情報を、前記領域に対応付けて表示される前記コード情報の表示位置とは異なる位置に、前記再生時刻に歌われる歌詞部分に対応づけて表示する第3表示手段と、前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせ、かつ楽曲を再生していったときに現在再生している時刻に歌われる歌詞部分に対応するコード情報の表示態様を当該歌詞部分以外の歌詞部分に対応するコード情報の表示態様と異ならせる表示処理手段と、を有する演奏支援装置である。
【0006】
本発明の第2の態様では、前記複数の領域は、前記楽曲を再生した際に予め設定された時間間隔おいた再生時刻毎に対応付けられていることが好ましい。
【0007】
本発明の第3の態様では、前記複数の領域は、前記楽曲を再生した際に一拍間隔おいた再生時刻毎に対応付けられていることが好ましい。
【0008】
本発明の第4の態様では、前記複数の領域は、当該複数の領域の配列方向で互いに同じ幅を有する四角形の領域であり、前記第2表示手段は、前記領域内にコード情報を表示することが好ましい。
【0009】
本発明の第5の態様では、前記第1表示手段は、前記現在再生している時刻、及び、当該時刻の前後の時刻に対応する、予め設定された個数の領域を表示することが好ましい。
【0010】
本発明の第6の態様では、前記コード情報は、楽器のコードに対応する当該楽器の押さえ方が図形化された情報であることが好ましい。
【0011】
前記課題を解決するために、本発明の第7の態様は、表示手段、及び表示処理手段を有する演奏支援装置により、楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示する演奏支援方法であって、前記表示手段が、前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示し、かつ前記再生時刻に演奏されるコード情報を当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示し、かつ前記楽曲の歌詞を表示しつつ前記再生時刻に演奏される記憶手段に記憶されるコード情報を、前記領域に対応付けて表示される前記コード情報の表示位置とは異なる位置に、前記再生時刻に歌われる歌詞部分に対応づけて表示する表示工程と、前記表示処理手段が、前記表示工程で表示された前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせ、かつ楽曲を再生していったときに現在再生している時刻に歌われる歌詞部分に対応するコード情報の表示態様を当該歌詞部分以外の歌詞部分に対応するコード情報の表示態様と異ならせる表示処理工程と、を有する演奏支援方法である。
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の第8の態様は、楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示するのをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、表示手段が、前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示し、かつ前記再生時刻に演奏されるコード情報を当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示し、かつ前記楽曲の歌詞を表示しつつ前記再生時刻に演奏される記憶手段に記憶されるコード情報を、前記領域に対応付けて表示される前記コード情報の表示位置とは異なる位置に、前記再生時刻に歌われる歌詞部分に対応づけて表示する表示工程と、表示処理手段が、前記表示工程で表示された前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせ、かつ楽曲を再生していったときに現在再生している時刻に歌われる歌詞部分に対応するコード情報の表示態様を当該歌詞部分以外の歌詞部分に対応するコード情報の表示態様と異ならせる表示処理工程と、をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の前記第1の態様によれば、演奏支援装置は、楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられ当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて複数の領域を表示しつつ、再生時刻に演奏される楽器のコードを当該再生時刻に対応する各領域に対応付けて表示し、各領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせて表示している。これにより、現在再生している時刻に対応する領域は、再生が既に終了している時刻に対応する領域やこれから再生される時刻に対応する領域と異なる表示になる。
【0014】
その結果、演奏支援装置を使用する演奏支援対象の使用者は、再生に合わせて演奏すべきコードを領域に対応付けられているコード情報の表示から事前に確認しつつ、各領域の表示態様の違いを基に、現在再生されている時刻に対するそのコードの演奏タイミングの到来時間を知ることができる。
【0015】
本発明の前記第2の態様によれば、演奏支援装置を使用する演奏支援対象の使用者は、予め設定された時間を単位として、現在再生されている時刻に対するそのコードの演奏タイミングの到来時間を知ることができる。これにより、使用者は、楽曲の再生に合わせてより適切なタイミングで楽器を演奏できる。
【0016】
本発明の前記第3の態様によれば、演奏支援装置を使用する演奏支援対象の使用者は、一拍単位で、現在再生されている時刻に対するそのコードの演奏タイミングの到来時間を知ることができる。これにより、使用者は、楽曲の再生に合わせてより適切なタイミングで楽器を演奏できる。
【0017】
本発明の前記第4の態様によれば、各領域は、簡易に形成される。
【0018】
本発明の前記第5の態様によれば、演奏支援装置は、複数の領域を演奏支援に適した数で過不足なく表示できる。
【0019】
本発明の前記第6の態様によれば、使用者は、コード情報で押さえ方を確認しながら楽器を演奏できる。
【0020】
本発明の前記第7の態様によれば、演奏支援方法は、楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられ当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて複数の領域を表示しつつ、再生時刻に演奏される楽器のコードを当該再生時刻に対応する各領域に対応付けて表示し、各領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせて表示している。これにより、現在再生している時刻に対応する領域は、再生が既に終了している時刻に対応する領域やこれから再生される時刻に対応する領域と異なる表示になる。
【0021】
その結果、演奏支援方法による演奏支援対象の使用者は、再生に合わせて演奏すべきコードを領域に対応付けられているコード情報の表示から事前に確認しつつ、各領域の表示態様の違いを基に、現在再生されている時刻に対するそのコードの演奏タイミングの到来時間を知ることができる。
【0022】
本発明の前記第8の態様によれば、コンピュータログラムは、楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられ当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて複数の領域を表示しつつ、再生時刻に演奏される楽器のコードを当該再生時刻に対応する各領域に対応付けて表示し、各領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせて表示している。これにより、現在再生している時刻に対応する領域は、再生が既に終了している時刻に対応する領域やこれから再生される時刻に対応する領域と異なる表示になる。
【0023】
その結果、このコンピュータログラムによる演奏支援対象の使用者は、再生に合わせて演奏すべきコードを領域に対応付けられているコード情報の表示から事前に確認しつつ、各領域の表示態様の違いを基に、現在再生されている時刻に対するそのコードの演奏タイミングの到来時間を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、演奏支援システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、処理端末の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、演奏支援用画面の一例を示す図である。
図4図4は、管理サーバの構成例を示すブロック図である。
図5図5は、管理サーバの記憶部に記憶されているデータベースの構成例を示すブロック図である。
図6図6は、コード画像データベースの一例を示す図である。
図7図7は、サーバ処理部の構成例を示す図である。
図8図8は、設定情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、押さえ方設定部がON又はOFFにされている一例を示す図である。
図10図10は、楽器設定部にて楽器の種類を設定できるようになっている一例を示す図である。
図11図11は、キー設定部にてキーを設定できるようになっている一例を示す図である。
図12図12は、再生速度設定部にて再生速度を設定できるようになっている一例を示す図である。
図13図13は、表示処理の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図15図15は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図16図16は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図17図17は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図18図18は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図19図19は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図20図20は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図21図21は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図22図22は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域において実再生表示領域が右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
図23図23は、コード画像個別表示領域の全体が一体としてコード画像とともに左方向にスライドする様子を説明するための一例の図である。
図24図24は、コード画像個別表示領域の全体が一体としてコード画像とともに左方向にスライドする様子を説明するための一例の図である。
図25図25は、押さえ方が「OFF」の場合の演奏支援用画面の表示例を示す図である。
図26図26は、楽器が「ピアノ」の場合の演奏支援用画面の表示例を示す図である。
図27図27は、楽器が「ギター」でコードが「-3(Capo3)」の場合の演奏支援用画面の表示例を示す図である。
図28図28は、楽器が「ギター」で利き手が左手の場合の演奏支援用画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、演奏支援システムを挙げている。
【0026】
(構成)
図1は、演奏支援システム1の構成の一例を示す図である。
【0027】
図1に示すように、演奏支援システム1は、複数の処理端末10、及び管理サーバ100を有している。各処理端末10と管理サーバ100とは通信手段200を介して通信可能とされている。ここで、通信手段200は、有線又は無線により接続されるインターネット回線等である。以下では、通信手段200をインターネット回線として説明する。
【0028】
処理端末10は、例えば、据え置き型のパーソナルコンピュータ、タブレットPC、又はスマートフォン等である。本実施形態では、処理端末10がタブレットPCである場合について説明する。
【0029】
図2は、処理端末10の構成例を示すブロック図である。
【0030】
図2に示すように、処理端末10は、通信部11、タッチパネル部12、記憶部13、及び処理部(以下、端末処理部という。)14を有している。ここで、通信部11は、有線又は無線でインターネット回線等を介して管理サーバ100等の装置との間で通信を行う。タッチパネル部12は、画像表示機能を担う画像表示部及び情報入力機能を担う接触検出部を有している。記憶部13は、例えば、ROM、RAM等である。端末処理部14は、処理端末10における各種処理を実行する。端末処理部14は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備え、例えば、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。ROMには、1又は2以上のプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されている1又は2以上のプログラムに従って各種処理を実行する。そして、端末処理部14は、必要に応じて、記憶部13に記憶されている各種データや各種プログラムに従って各種処理を実行する。
【0031】
処理端末10は、管理サーバ100への接続によってタッチパネル部12に、楽曲に関する情報からなる演奏支援用の画面(以下、演奏支援用画面という。)が表示される。
【0032】
図3は、演奏支援用画面300の一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、演奏支援用画面300には、楽曲のタイトル(曲名、歌手名、作詞者名、作曲者名等)301、楽曲の動画302、第1及び第2コード表示部350,400、並びに出力設定部450,460が表示される。
【0034】
ここで、第1及び第2コード表示部350,400には、楽曲の再生に同期して楽器の演奏用のコードが表示される。また、出力設定部450は、押さえ方設定部451、楽器設定部452、キー設定部453、及び楽曲の再生速度設定部454を有している。また、出力設定部460は、利き手設定部460からなる。
【0035】
押さえ方設定部451は、第1及び第2コード表示部350,400への楽器のコードの押さえ方又は弾き方(以下、単に押さえ方という。)の表示状態を使用者が設定(選択)できるようになっており、最終的に設定された楽器のコードの押さえ方とコードネームとを表示している状態(ON)、又はコードネームだけが表示している状態(OFF)を表示する。楽器設定部452は、第1及び第2コード表示部350,400に表示されるコードの楽器の種類を使用者が設定(選択)できるようになっており、楽器の種類の最終的な選択状態を表示する。キー設定部453は、第1及び第2コード表示部350,400に表示される楽器のコードのキーの高さを使用者が設定(選択)できるようになっており、楽器のコードのキーの高さの最終的な選択状態を表示する。曲の再生速度設定部454は、楽曲の再生速度、すなわち、楽曲の動画302や第1及び第2コード表示部350,400への楽器のコードの表示速度を使用者が設定(選択)できるようになっており、楽曲の再生速度の最終的な選択状態を表示する。利き手設定部460は、第1及び第2コード表示部350,400に表示される楽器のコードに応じた押さえ方の表示状態を利き手に対応させて使用者が設定(選択)できるようになっており、利き手の最終的な選択状態を表示する。
【0036】
処理端末10は、このように演奏支援用画面300にて各種の設定部451~454,460で設定(選択)された設定情報を管理サーバ100に送信する。
【0037】
図4は、管理サーバ100の構成例を示すブロック図である。
【0038】
図4に示すように、管理サーバ100は、インターネット通信部101、記憶部110、及び処理部(以下、サーバ処理部という。)120を有している。ここで、インターネット通信部101は、通信手段200を介して処理端末10等の他の装置との間で通信を行う。記憶部110は、HDD等であって、各種データや各種プログラムが記憶されている。サーバ処理部120は、管理サーバ100における各種処理を実行する。サーバ処理部120は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備え、例えば、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。ROMには、1又は2以上のプログラムが格納されている。CPUは、ROMに格納されている1又は2以上のプログラムに従って各種処理を実行する。そして、サーバ処理部120は、必要に応じて、記憶部110に記憶されている各種データや各種プログラムに従って各種処理を実行する。
【0039】
図5は、管理サーバ100の記憶部110に記憶されているデータベースの構成例を示すブロック図である。
【0040】
図5に示すように、記憶部110には、設定情報データベース111、及びコード画像データベース112を有している。ここで、設定情報データベース111には、演奏支援用画面300の各種の設定部451~454,460で設定された、楽曲の再生時に用いる各種の設定情報が記憶されている。設定情報は、押さえ方設定部451で設定された押さえ方設定情報、楽器設定部452で設定された楽器設定情報、キー設定部453で設定されたキー設定情報、楽曲の再生速度設定部454で設定された再生速度設定情報、及び利き手設定部460で設定された利き手設定情報である。設定情報データベース111には、これら設定情報が最新の情報として記憶されている。また、コード画像データベース112には、第1及び第2コード表示部350,400に表示されるコードの画像の情報が記憶されている。
【0041】
図6は、コード画像データベース112の一例を示す図である。
【0042】
図6に示すように、コード画像データベース112は、楽器、キー、利き手、楽曲の再生時刻、コードネーム画像、及び押さえ方画像を含み、これら情報が対応付けられている。ここで、コードネーム画像は、楽器のコードネームの画像である。例えば、コードネーム画像は、「C」、「Cm」、「C7」等の文字の画像である。また、押さえ方画像は、楽器のコードネームに対応する楽器の押さえ方を表す図形の画像である。ここで、押さえ方の画像は、同じ楽器でも、キーや利き手が異なると、押さえ方が異なる画像になる。本例では、押さえ方画像は、押さえ方を表す図形の他にその押さえ方のコードネームの文字を含んでいる。
【0043】
このように、コード画像データベース112では、楽曲の再生時刻に対応付けられつつ、楽器、キー、及び利き手にも対応付けられて、その再生時刻に演奏すべきコードのコードネームの画像や押さえ方の画像が記憶されている。例えば、コード画像データベース112は、楽器毎、キー毎、利き手毎の個別のデータベースとして用意されることもできる。
【0044】
以下の説明では、コードネーム画像や押さえ方画像の何れか指すがそれらを特定しない場合、コード画像という。
【0045】
図7は、サーバ処理部120の構成例を示す図である。
【0046】
図7に示すように、サーバ処理部120は、設定情報取得部121、及び表示処理部122を有している。ここで、設定情報取得部121は、楽曲の再生時に用いる各種の設定情報を取得する設定情報取得処理を実行する。表示処理部122は、設定情報取得部121が取得した設定情報等を基に演奏支援用画面300の表示を処理する表示処理を実行する。サーバ処理部120は、設定情報取得処理及び表示処理を併行に走らせて実行する。各処理は、具体的には次のようになる。
【0047】
図8は、設定情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図8に示すように、先ずステップS1の処理として、設定情報取得部121は、各種の設定情報を取得する。設定情報は、押さえ方設定情報、楽器設定情報、キー設定情報、再生速度設定情報、及び利き手設定情報である。
【0049】
図9は、押さえ方設定部451がON又はOFFにされている一例を示す図である。
【0050】
図9中(A)に示すように、使用者は、押さえ方設定部451にて押さえ方の表示をONにしたり、図9中(B)に示すように、使用者は、押さえ方設定部451にて押さえ方の表示をOFFにしたりすることができる。図3に示した演奏支援用画面300は、押さえ方設定部451にて押さえ方の表示が「ON」に最終的に設定されている例になる。設定情報取得部121は、処理端末10での操作情報から押さえ方設定部451にて設定されたON又はOFFの情報を押さえ方設定情報として取得する。
【0051】
図10は、楽器設定部452にて楽器の種類を設定できるようになっている一例を示す図である。
【0052】
図10に示すように、本例では、「ギター」、「ウクレレ」、「ピアノ」、「ベース」、及び「パワーコード」の何れかを使用者が設定できるようになっている。図3に示した演奏支援用画面300は、「ギター」が最終的に設定されている例になる。設定情報取得部121は、処理端末10での操作情報から、設定された楽器の情報を楽器設定情報として取得する。
【0053】
図11は、キー設定部453にてキーを設定できるようになっている一例を示す図である。
【0054】
図11に示すように、キー設定部453がプルダウン表示されて使用者がキーを設定できるようになっている。本例では、「+2(1音下げtuning)」、「+1(半音下げtuning)」、「±0(原曲キー)」、「-1(Capo1)」、「-2(Capo2)」、「-3(Capo3)」、「-4(Capo4)」、「-5(Capo5)」、「-6(Capo6)」、「-7(Capo7)」、「-8(Capo8)」、「-9(Capo9)」の何れかを使用者が設定できるようになっている。図3に示した演奏支援用画面300は、「±0(原曲キー)」が最終的に設定されている例になる。設定情報取得部121は、処理端末10での操作情報から、設定されたキーの情報をキー設定情報として取得する。
【0055】
図12は、再生速度設定部454にて再生速度を設定できるようになっている一例を示す図である。
【0056】
図12に示すように、再生速度設定部454がプルダウン表示されて使用者が再生速度を設定できるようになっている。本例では、「0.25倍」、「0.5倍」、「0.75倍」、「再生速度(標準)」(標準の再生速度)、「1.25倍」、「1.5倍」、「1.75倍」、「2倍」の何れかを使用者が設定できるようになっている。図3に示した演奏支援用画面300は、「再生速度(標準)」が最終的に設定されている例になる。設定情報取得部121は、処理端末10での操作情報から、設定された再生速度の情報を再生速度設定情報として取得する。
【0057】
また、設定情報取得部121は、図3に示すような演奏支援用画面300に表示されている利き手設定部460に対する処理端末10での操作情報から、選択されている利き手の情報を利き手設定情報として取得する。図3に示した演奏支援用画面300は、利き手として右利きが最終的に選択されている例になる。
【0058】
続くステップS2の処理として、設定情報取得部121は、ステップS1の処理で取得した各種の設定情報を設定情報データベース111に記憶する。
【0059】
以上の設定情報取得処理によって、設定情報取得部121は、演奏支援用画面300への操作情報から楽曲の再生時に用いる各種の設定情報を取得し、取得した各種の設定情報を設定情報データベース111に記憶する。これにより、設定情報データベース111は、最新の設定情報で更新されていく。
【0060】
図13は、表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図13に示すように、先ずステップS21の処理として、表示処理部122は、楽曲が選択されたか否かを判定する。例えば、演奏支援用画面300には、複数の楽曲がジャンル等によって分けられつつ選択可能に表示されており、表示処理部122は、使用者によってそのような表示から何れかの楽曲が選択されたか否かを判定する。表示処理部122は、楽曲が選択されたと判定したときに、ステップS22の処理に進む。
【0062】
ステップS22の処理として、表示処理部122は、演奏支援用画面300の初期画面表示(静止画面表示)を行う。具体的には、表示処理部122は、以下の各種の処理を行う。
【0063】
表示処理部122は、図3に示すように、演奏支援用画面300内に、ステップS21の処理で選択された楽曲のタイトル301及び動画302を表示する。また、表示処理部122は、設定情報データベース111に記憶されている設定情報を基に、選択されている押さえ方(ON又はOFF)、楽器、キー、再生速度、及び利き手を演奏支援用画面300の出力設定部450,460に表示する。さらに、表示処理部122は、コード画像データベース112を参照してステップS21の処理で選択された楽曲に対応するコード画像を取得し、取得したコード画像を演奏支援用画面300の第1及び第2コード表示部350,400内に表示する。
【0064】
ここで、第1コード表示部350では、四角形の複数のコード画像個別表示領域351が横方向に互いに隣接して表示されており、各コード画像個別表示領域351が、楽曲の再生時刻に対応付けられている。ここで、一拍分の長さを単位として楽曲の再生時刻に各コード画像個別表示領域351が対応付けられている。すなわち、3個のコード画像個別表示領域351を間に挟んでいるその両側のコード画像個別表示領域351は、3拍分の開きがあることになる。また、コード画像個別表示領域351は、右側にいくほど楽曲の再生時刻が遅いコード画像個別表示領域になる。また、コード画像個別表示領域351は、予め設定されている数だけ第1コード表示部350に表示される。本例では、14個のコード画像個別表示領域351が第1コード表示部350に表示される。そして、表示処理部122は、設定情報データベース111に記憶されている最新の設定情報を基に、選択されている押さえ方(ON又はOFF)、楽器、コード、及び利き手を特定しつつ、コード画像データベース112を参照し、楽曲の再生時刻に対応づけられている各コード画像個別表示領域351内に、当該楽曲の再生時刻、その特定した押さえ方、楽器、コード、及び利き手に対応するコード画像352を表示する。本例では、コード画像個別表示領域351の背景色は白色であり、コード画像352が黒色で表示される。
【0065】
さらに、表示処理部122は、楽曲を再生時刻に従い再生していったときに実際に再生するタイミングになったコード画像個別表示領域351(以下、実再生表示領域351aという。)の表示態様を他のコード画像個別表示領域351(既に再生された再生時刻のコード画像個別表示領域351及びこれから再生される再生時刻のコード画像個別表示領域351)と異ならせる。具体的には、表示処理部122は、実再生表示領域351aの背景色を他のコード画像個別表示領域351の背景色と異ならせる。本例では、表示処理部122は、実再生表示領域351aの背景色を黒色に反転表示する。
【0066】
また、第2コード表示部400では、複数のコード画像402を表示可能にするコード画像全体表示領域401が確保されている。表示処理部122は、設定情報データベース111に記憶されている最新の設定情報を基に、選択されている押さえ方(ON又はOFF)、楽器、コード、及び利き手を特定しつつ、コード画像データベース112を参照し、その特定した押さえ方、楽器、コード、及び利き手に対応するコード画像402をコード画像全体表示領域401に表示する。このとき、表示処理部122は、少なくとも再生タイミングにあるコード画像(以下、実再生コード画像という。)402aを含むようにして、コード画像が対応付けられている再生時刻の順序で当該コード画像402をコード画像全体表示領域401に表示する。本例では、再生時刻の順序で横方向にコード画像402を列をなすように右方向に並べつつ、その列を下方向に改行して展開している。本例では、コード画像全体表示領域401の背景色は白色であり、コード画像402が黒色で表示される。
【0067】
また、表示処理部122は、楽曲に歌詞がある場合には、コード画像全体表示領域401において、対応するコード画像402の下に歌詞403も表示する。
【0068】
そして、表示処理部122は、コード画像全体表示領域401に表示されている複数のコード画像402うちの実再生コード画像402aの表示態様を他のコード画像個別表示領域351と異ならせる。具体的には、表示処理部122は、実再生コード画像402aの背景色を他のコード画像402(既に再生された再生時刻のコード画像402及びこれから再生される再生時刻のコード画像402)の背景色と異ならせる。本例では、表示処理部122は、実再生コード画像の背景色を黄色(図面上ではグレー)に反転表示する。
【0069】
なお、表示処理部122は、これ以降の処理(ステップS23以降の処理)で、楽曲の再生経過に応じて演奏支援用画面300の楽曲の動画302、第1及び第2コード表示部350,400の表示を変化させていくが、その楽曲の再生を一時停止することも可能にしている。そのため、表示処理部122は、楽曲の再生が一時停止された際に、後述のように、ステップS32の処理として、楽曲の再生を終了した再生終了位置の情報を再生開始位置の情報として取得している。これに対応して、このステップS22の処理では、表示処理部122は、演奏支援用画面300の初期画面表示(静止画面表示)を、再生開始位置の情報を基に生成し表示する。すなわち、表示処理部122は、楽曲の再生が一時停止された時点の情報を基に、楽曲の動画302、第1及び第2コード表示部350,400等の表示を楽曲の再生が一時停止された時点の表示にする。なお、再生開始位置の情報の初期情報は、楽曲の演奏開始位置の情報になっており、表示処理部122は、初めて表示する演奏支援用画面300では、楽曲の動画302、第1及び第2コード表示部350,400等が楽曲の演奏開始位置に対応した表示になる。
【0070】
続くステップS23の処理として、表示処理部122は、楽曲の再生を開始するか否かを判定する。例えば、演奏支援用画面300の動画302の表示領域に再生ボタンが表示されており、表示処理部122は、使用者によってその再生ボタンが押されると、楽曲の再生を開始すると判定する。表示処理部122は、楽曲の再生を開始すると判定したときに、ステップS24の処理に進む。
【0071】
ステップS24の処理として、表示処理部122は、楽曲の動画302の再生を実行する。これにより、楽曲の再生が進行すると、楽曲の再生に同期して、楽曲の動画302が再生される。なお、初期設定では、楽曲の動画302の再生開始位置は、楽曲の演奏開始位置になっているので、表示処理部122は、表示処理の処理開始時には、楽曲の演奏開始位置から楽曲の動画302の再生を開始する。
【0072】
続くステップS25の処理として、表示処理部122は、第1コード表示部350の複数のコード画像個別表示領域351のうちの一のコード画像個別表示領域351を再生経過に応じて実再生表示領域351aに変化させていく。すなわち、表示処理部122は、楽曲の再生時刻に従い再生していったときに実際に再生するタイミングになった再生時刻のコード画像個別表示領域351だけを背景色が黒色の実再生表示領域351aに変化させていく。これにより、楽曲の再生が進行すると、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域351(背景色が白色の領域)において、実再生表示領域351a(背景色が黒色の領域)が楽曲の再生時間に同期して一拍進む毎に右隣りのものに次々と移っていくようになる。言い換えると、楽曲の再生が進行すると、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域351(背景色が白色の領域)において、右隣りのコード画像個別表示領域351が実再生表示領域351a(背景色が黒色の領域)に楽曲の再生時間に同期して一拍進む毎に置き換わっていくようになる。
【0073】
続くステップS26の処理として、表示処理部122は、第1コード表示部350に現在表示されている全てのコード画像個別表示領域351を左方向にスライドさせるタイミングになったか否かを判定する。例えば、表示処理部122は、第1コード表示部350に現在表示されている全てのコード画像個別表示領域351を左方向に前回スライドさせた時から予め設定された拍数だけ再生されたとき、当該コード画像個別表示領域351を左方向にスライドさせるタイミングになったと判定する。表示処理部122は、第1コード表示部350に現在表示されている全てのコード画像個別表示領域351を左方向にスライドさせるタイミングになったと判定すると、ステップS27の処理に進む。一方、表示処理部122は、第1コード表示部350に現在表示されている全てのコード画像個別表示領域351を左方向にスライドさせるタイミングになっていないと判定すると、ステップS28の処理に進む。
【0074】
ステップS27の処理として、表示処理部122は、第1コード表示部350に現在表示されている全てのコード画像個別表示領域351の全体を一体として当該コード画像個別表示領域351に表示されているコード画像352とともに左方向にスライドさせる。このとき、表示処理部122は、少なくとも実再生表示領域351aが第1コード表示部350に継続して表示されるように現在表示されている実再生表示領域351aを含めた全てのコード画像個別表示領域351の全体を一体としてコード画像個別表示領域351に表示されているコード画像352とともに左方向にスライドさせる。例えば、表示処理部122は、ステップS26の処理で用いた予め設定された拍数だけ、現在表示されている全てのコード画像個別表示領域351の全体を一体としてコード画像個別表示領域351に表示されているコード画像352とともに左方向にスライドさせる。これにより、表示処理部122は、既に再生のタイミングが経過し再生を完了した再生時刻のコード画像個別表示領域351を第1コード表示部350外にして非表示にしつつ第1コード表示部350の左寄りの位置に実再生表示領域351aを表示する。さらに、表示処理部122は、第1コード表示部350外とされて表示されていなかったこれから再生予定の再生時刻のコード画像個別表示領域351を、第1コード表示部350に既に表示されていたコード画像個別表示領域351の右側に続けて表示する。このようにして、表示処理部122は、第1コード表示部350において複数のコード画像個別表示領域351の全体を一体として左方向にスライドさせつつ、第1コード表示部350に予め設定された個数のコード画像個別表示領域351を常に表示する。そして、表示処理部122は、ステップS28の処理に進む。
【0075】
ステップS28の処理として、表示処理部122は、第2コード表示部400のコード画像全体表示領域401内に表示されている一のコード画像402を再生経過に応じて実再生コード画像402aに変化させていく。すなわち、表示処理部122は、楽曲を再生時刻に従い再生していったときに実際に再生するタイミングになった再生時刻のコード画像402だけを背景色が黄色の実再生コード画像402aに変化させていく。これにより、楽曲の再生が進行すると、コード画像全体表示領域401に並んで表示されているコード画像402(背景色が白色のコード画像)が、実再生コード画像402a(黄色の背景色のコード画像)に楽曲の再生に同期して次々に置き換わっていくようになる。
【0076】
続くステップS29の処理として、表示処理部122は、コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像402を上方向にスライドさせるタイミングになったか否かを判定する。例えば、表示処理部122は、コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像402を前回上方向にスライドさせた時から予め設定された拍数だけ再生されたとき、当該コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像402を上方向にスライドさせるタイミングになったと判定する。表示処理部122は、コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像402を上方向にスライドさせるタイミングになったと判定すると、ステップS30の処理に進む。一方、表示処理部122は、コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像402を上方向にスライドさせるタイミングになっていないと判定すると、ステップS31の処理に進む。
【0077】
ステップS30の処理として、表示処理部122は、コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像402の全体を一体として上方向にスライドさせる。このとき、表示処理部122は、実再生コード画像402a(黄色の背景色のコード画像402)がコード画像全体表示領域401内に継続して表示されるように実再生コード画像402aを含めた全てのコード画像402の全体を一体として上方向にスライドさせる。これにより、表示処理部122は、既に再生のタイミングが経過し再生を完了した再生時刻のコード画像402をコード画像全体表示領域401外にして非表示にしつつコード画像全体表示領域401の上寄りの位置に実再生コード画像402aを表示する。さらに、表示処理部122は、コード画像全体表示領域401外とされて表示されていなかったこれから再生予定の再生時刻のコード画像402を、コード画像全体表示領域401に既に表示されていたコード画像402に続けて表示する。本例では、表示処理部122は、これから再生予定の再生時刻のコード画像402を、コード画像全体表示領域401に既に表示されていたコード画像402の下の列に表示する。そして、表示処理部122は、ステップS31の処理に進む。
【0078】
ステップS31の処理として、表示処理部122は、楽曲の再生を終了するか否かを判定する。例えば、演奏支援用画面300の動画302の表示領域に停止ボタンが表示されており、表示処理部122は、使用者によってその停止ボタンが押されると、楽曲の再生を停止すると判定する。表示処理部122は、楽曲の再生を終了すると判定すると、ステップS32の処理に進む。一方、表示処理部122は、楽曲の再生を終了しないと判定すると、ステップS33の処理に進む。
【0079】
ステップS32の処理として、表示処理部122は、楽曲の再生を終了した再生終了位置の情報を再生開始位置の情報として取得する。そして、表示処理部122は、ステップS22の処理から再び実行する。
【0080】
ステップS33の処理として、表示処理部122は、楽曲の表示を終了するか否かを判定する。例えば、表示処理部122は、演奏支援用画面300が他の画面に切り替えられたり、楽曲の選択メニューから他の楽曲が選択されると、楽曲の表示を終了すると判定する。表示処理部122は、楽曲の表示を終了すると判定すると、当該表示処理を終了する。一方、表示処理部122は、楽曲の表示を終了していないと判定すると、ステップS24の処理から再び処理を実行する。
【0081】
(動作、作用等)
次に、演奏支援システム1の動作、及びその作用等の一例について説明する。
【0082】
演奏支援システム1は、設定情報取得部121が、設定情報取得処理の実行によって、楽曲の再生時に用いる各種の設定情報を取得し(ステップS1)、取得した各種の設定情報を設定情報データベース111に記憶する(ステップS2)。これにより、設定情報データベース111は、最新の設定情報で更新されていく。
【0083】
そして、演奏支援システム1は、設定情報取得部121に設定情報取得処理を実行させる一方で、並行して表示処理部122に表示処理を実行させる。
【0084】
表示処理では、表示処理部122は、楽曲が選択されると、演奏支援用画面300の初期画面表示(静止画面表示)を行う(ステップS21、ステップS22)。このとき、表示処理部122は、演奏支援用画面300内に、選択された楽曲のタイトル301及び動画302を表示する。また、表示処理部122は、設定情報データベース111を参照し、選択されている押さえ方(ON又はOFF)、楽器、キー、再生速度、及び利き手を演奏支援用画面300の出力設定部450,460に表示する。さらに、表示処理部122は、選択された楽曲に対応するコード画像352,402を演奏支援用画面300の第1及び第2コード表示部350,400内に表示する。
【0085】
その後、表示処理部122は、使用者によって楽曲を再生させる操作がされると、演奏支援用画面300の楽曲の動画302の再生を実行するとともに(ステップS23、ステップS24)、第1コード表示部350の複数のコード画像個別表示領域351のうちの一のコード画像個別表示領域351を再生経過に応じて実再生表示領域351aに変化させていく(ステップS25)。これにより、楽曲の再生が進行すると、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域351(背景色が白色の領域)において、実再生表示領域351a(背景色が黒色の領域)が、楽曲の再生時間に同期して一拍進む毎に右隣りのものに次々と移っていくようになる。
【0086】
そして、表示処理部122は、第1コード表示部350に現在表示されている全てのコード画像個別表示領域351を左方向にスライドさせるタイミングになると、当該コード画像個別表示領域351の全体を一体としてコード画像352とともに左方向にスライドさせる(ステップS26、ステップS27)。これにより、既に再生のタイミングが経過し再生を完了した再生時刻のコード画像個別表示領域351が、第1コード表示部350外にされて非表示にされ、第1コード表示部350の左寄りの位置に実再生表示領域351aが表示される。さらに、第1コード表示部350外とされて表示されていなかったこれから再生予定の再生時刻のコード画像個別表示領域351が、第1コード表示部350に既に表示されていたコード画像個別表示領域351の右側に続けて表示される。
【0087】
図14乃至図22は、横方向に並ぶ複数のコード画像個別表示領域351において、実再生表示領域351aが右隣りのものに移っていく様子を説明するための一例の図である。
【0088】
図14から図22への変化として示されるように、楽曲の再生が進行すると、再生時間が一拍進むごとに、背景色が白色のコード画像個別表示領域351において背景色が黒色の実再生表示領域351aが右隣りのものに移っていくようになる。
【0089】
図23及び図24は、コード画像個別表示領域351の全体が一体としてコード画像352とともに左方向にスライドする様子を説明するための一例の図である。
【0090】
例えば、図22に示すように表示されたときに、全てのコード画像個別表示領域351を左方向にスライドさせるタイミングになると、図23に示すように、全てのコード画像個別表示領域351の全体が一体としてコード画像352とともに左方向にスライドする。これにより、既に再生のタイミングが経過し再生を完了した再生時刻のコード画像個別表示領域351が、第1コード表示部350外にされて非表示にされ、第1コード表示部350の左寄りの位置に実再生表示領域351aが表示される。そして、図24に示すように、楽曲の再生が進行すると、再び、再生時間が一拍進むごとに、背景色が白色のコード画像個別表示領域351において背景色が黒色の実再生表示領域351aが右隣りのものに移っていくようになる。
【0091】
さらに、表示処理部122は、第2コード表示部400のコード画像全体表示領域401内に表示されている一のコード画像402を再生経過に応じて実再生コード画像402aに変化させていく(ステップS28)。これにより、楽曲の再生が進行すると、コード画像全体表示領域401に並んで表示されているコード画像402(背景色が白色のコード画像)が、実再生コード画像402a(黄色の背景色のコード画像)に楽曲の再生に同期して次々に置き換わっていくようになる。
【0092】
そして、表示処理部122は、コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像402を上方向にスライドさせるタイミングになると、コード画像全体表示領域401に現在表示されている全てのコード画像401の全体を一体として上方向にスライドさせる(ステップS29、ステップS30)。これにより、既に再生のタイミングが経過し再生を完了した再生時刻のコード画像402が、コード画像全体表示領域401外にされて非表示にされ、コード画像全体表示領域401の上寄りの位置に実再生コード画像402aが表示される。さらに、コード画像全体表示領域401外とされて表示されていなかったこれから再生予定の再生時刻のコード画像402が、コード画像全体表示領域401に既に表示されていたコード画像402の下の列に表示される。
【0093】
そして、表示処理部122は、使用者によって楽曲を停止される操作がされたり、楽曲の表示を終了する操作がされたりするまで、前述のように、楽曲を再生時刻に従い再生していったときに実際に再生するタイミングになった再生時刻のコード画像個別表示領域351だけを背景色が黒色の実再生表示領域351aに一拍進む毎に変化させていく。さらには、表示処理部122は、楽曲を再生時刻に従い再生していったときに実際に再生するタイミングになった再生時刻のコード画像402だけを背景色が黄色の実再生コード画像402aに変化させていく。そして、表示処理部122は、予め設定されているタイミングになる度に、第1コード表示部350に表示されているコード画像個別表示領域351の全体を一体として左方向にスライドさせたり、コード画像全体表示領域401に表示されているコード画像402の全体を一体として上方向にスライドさせたりする。
【0094】
そして、表示処理部122は、使用者によって楽曲を停止される操作がされると、再生開始位置の情報として取得し、取得した再生開始位置の情報を基に、その停止操作された際の表示からなる演奏支援用画面300を静止画面として表示する(ステップS31、ステップS32、ステップS22)。そして、表示処理部122は、使用者によって楽曲を再生させる操作がされると、再び前述の処理を実行する。
【0095】
また、表示処理部122は、使用者によって楽曲の表示を終了する操作がされると、当該表示処理を終了する(ステップS33)。
【0096】
図25乃至図28は、設定情報が異なる演奏支援用画面300の表示例を示す図である。
【0097】
図25は、押さえ方が「OFF」の場合の演奏支援用画面300の表示例を示す図である。図26は、楽器が「ピアノ」の場合の演奏支援用画面300の表示例を示す図である。図27は、楽器が「ギター」でコードが「-3(Capo3)」の場合の演奏支援用画面300の表示例を示す図である。図28は、楽器が「ギター」で利き手が左手の場合の演奏支援用画面300の表示例を示す図である。
【0098】
(本実施形態における効果)
(1)演奏支援システム1は、処理端末10において、楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられ当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて背景色が白色の複数のコード画像個別表示領域351を表示しつつ、再生時刻に演奏される楽器のコード画像352を当該再生時刻に対応する各コード画像個別表示領域351内に表示している。
【0099】
そして、演奏支援システム1は、各コード画像個別表示領域351のうち楽曲を再生していったときに現在再生している再生時刻のコード画像個別表示領域351を黒色に反転表示させて実再生表示領域351aにして他のコード画像個別表示領域351の表示態様と異ならせて表示している。
【0100】
これにより、現在再生している時刻に対応する実再生表示領域351aは、再生が既に終了している時刻に対応するコード画像個別表示領域351やこれから再生される時刻に対応するコード画像個別表示領域351と異なる表示になる。
【0101】
その結果、演奏支援装置を使用する演奏支援対象の使用者は、再生に合わせて楽器で演奏すべきコードをコード画像個別表示領域351内のコード画像352の表示から事前に確認しつつ、各コード画像個別表示領域351の表示態様の違いを基に、現在再生されている時刻に対するそのコード画像352の演奏タイミングの到来時間を知ることができる。これにより、使用者は、楽曲の再生に合わせてより適切なタイミングで楽器を演奏できる。
【0102】
(2)使用者は、一拍単位で、現在再生されている時刻に対するそのコードの演奏タイミングの到来時間を知ることができる。これにより、使用者は、楽曲の再生に合わせてより適切なタイミングで楽器を演奏できる。
【0103】
(3)複数のコード画像個別表示領域351が当該複数のコード画像個別表示領域351の配列方向で互いに同じ幅を有する四角形の領域であるため、各コード画像個別表示領域351は、簡易に形成される。さらに、使用者は、現在再生されている時刻に対するそのコードの演奏タイミングの到来時間を直観的に知ることができる。
【0104】
(4)演奏支援システム1は、複数のコード画像個別表示領域351を演奏支援に適した数で過不足なく表示できる。
【0105】
(5)コード画像352が楽器のコードに対応する楽器の押さえ方又は弾き方で図形化されているため、使用者は、コード画像352で押さえ方又は弾き方を確認しながら楽器を演奏できる。
【0106】
なお、前述の実施形態では、演奏支援システム1は、例えば、演奏支援装置を構成している。また、記憶部110は、例えば、記憶手段を構成している。また、表示処理部122は、例えば、第1及び第2表示手段、並びに表示処理手段を構成している。また、コード画像は、例えば、コード情報を構成している。
【0107】
(本実施形態の変形例等)
本実施形態の変形例として、実再生表示領域351aとコード画像個別表示領域351との表示態様の違いは、白黒反転表示し実現されることに限定されることなく、他の手法によっても実現されることもできる。例えば、表示態様の違いは、他の色を使って実現されたり、形を異ならせることで実現されたりすることができる。
【0108】
また、本実施形態の変形例として、コード画像352は、再生時刻で対応する各コード画像個別表示領域351内に表示されることに限定されることなく、再生時刻で対応するコード画像個別表示領域351に少なくとも対応付けされるものであれば良い。
【0109】
また、本実施形態の変形例として、コード画像個別表示領域351は、四角形に限定されることなく、他の形状とされることもできる。
【0110】
また、本実施形態の変形例として、コード画像個別表示領域351は、画面において横方向に一列に並べられることに限定されることなく、例えば、縦方向や斜め方向に一列に並べられることもできる。
【0111】
また、本実施形態の変形例として、コード画像個別表示領域351は、楽曲を再生した際に一拍間隔おいた再生時刻毎に対応付けされることに限定されるものではなく、例えば、二泊、三拍等の他の拍数、又は拍数以外の他の予め設定された時間間隔で再生時刻毎に対応付けされることもできる。
【0112】
また、本実施形態の変形例として、前述の演奏支援システム1の処理内容は、処理端末10が演奏支援システム1と同様な処理を実現するプログラムを有することで、処理端末10だけで完結されて実現されることもできる。
【0113】
また、前記の実施形態では、楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示する演奏支援方法であって、前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示し、かつ前記再生時刻に演奏されるコード情報を当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示する表示工程と、前記表示工程で表示された前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせる表示処理工程と、を有する演奏支援方法が実現されている。
【0114】
また、前記の実施形態では、 楽曲の再生に合わせ当該楽曲で演奏される楽器のコードを表示するのをコンピュータに実行させるコンピュータログラムであって、表示手段が、前記楽曲を再生する際の再生時刻に対応づけられた複数の領域を当該再生時刻を基に時系列で一列に並べて表示し、かつ前記再生時刻に演奏されるコード情報を当該再生時刻に対応する領域に対応付けて表示する表示工程と、表示処理手段が、前記表示工程で表示された前記複数の領域のうち楽曲を再生していったときに現在再生している時刻の領域を他の領域の表示態様と異ならせる表示処理工程と、をコンピュータに実行させるコンピュータログラムが実現されている。
【0115】
また、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0116】
1 演奏支援システム、10 処理端末、100 管理サーバ、110 記憶部、120 処理部、121 設定情報取得部、122 表示処理部、351 コード画像個別表示領域、351a 実再生表示領域、352 コード画像

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28