(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置および肥満治療方法
(51)【国際特許分類】
A61N 7/02 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
A61N7/02
(21)【出願番号】P 2021096566
(22)【出願日】2021-06-09
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0071005
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0001881
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520331970
【氏名又は名称】ジェイシス メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム,キュン・テ
(72)【発明者】
【氏名】ムン,グァン・ヘ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ス・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウォン・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ドン・ホワン
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1487497(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1700334(KR,B1)
【文献】特表2018-500075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0021317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N7/00-7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発生させる超音波発生部が設けられるカートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジングが分離可能に装着され、内部に第1駆動装置が設けられるハンドピースと、
前記超音波発生部が前記カートリッジハウジングの下端と平行な水平方向及び垂直な垂直方向に沿って移動可能に結合されるメイン軸とを含み、
前記メイン軸は、
一端が前記ハンドピースの第1駆動装置の一端に結合され、他端が前記カートリッジハウジングの内部に位置し、
前記ハンドピースは、
前記メイン軸が垂直方向に移動する移動量を調節して前記超音波発生部の超音波の集束深さを調節する調節部を含む、超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項2】
前記カートリッジハウジングに収容され、前記メイン軸と平行に配置され、前記超音波発生部が前記垂直方向と水平方向に沿って移動可能に案内する補助軸を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項3】
前記メイン軸が固定され、前記ハンドピースの内部で垂直方向に沿って移動可能に設置される可動プレートを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項4】
前記調節部は、前記超音波発生部の垂直方向の移動のために前記可動プレートの一側面を加圧するように位置し、
前記可動プレートを中心に前記調節部の前記垂直方向に沿った反対側面を弾性支持するように設置される第1弾性部材を含むことを特徴とする、請求項3に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項5】
前記補助軸の長手方向の両端にそれぞれ設置され、前記メイン軸の前記垂直方向の移動を弾性支持する第2弾性部材と、
前記補助軸の外周面に沿ってスライドするガイド部材と、を含み、
前記超音波発生部は、前記ガイド部材から一側に突出する下部マウンタに固定され、前記ガイド部材から他側に突出する上部マウンタが前記メイン軸の外周面を覆うように結合されることを特徴とする、請求項2に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項6】
前記メイン軸は、
前記第1駆動装置と直結し、一体に回転するスクリュー軸と、
前記スクリュー軸の外周面に形成された螺子山に螺合され、前記スクリュー軸が回転すると、水平方向に沿って移動するスクリューナットと、
前記スクリューナットと一体に結合されて移動する長さ調節ロッドと、
前記ハンドピースから露出した前記長さ調節ロッドの端部に形成され、前記上部マウンタに分離可能に結合される挿入突起と、を含むことを特徴とする、請求項5に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項7】
前記上部マウンタは、前記挿入突起が挿入される挿入溝を含み、前記挿入溝の水平方向に沿った両端には、第1管及び第2管が配置されることを特徴とする、請求項6に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項8】
前記挿入突起は極性を有する磁力部材を含み、前記挿入溝は前記挿入突起の磁力部材と
反対の極性を有する磁力部材を含むことを特徴とする、請求項7に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項9】
前記挿入溝の進入側には、前記挿入突起の直径よりも大きな内径を有する案内傾斜面が形成され、前記案内傾斜面の内径は漸進的に小さくなり、前記挿入突起の直径に収まるように形成されることを特徴とする、請求項7に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項10】
前記第1管は前記長さ調節ロッドの外周面を覆うように離間して配置され、水平方向に沿った一端は前記カートリッジハウジングの内側壁面に支持され、他端は前記上部マウンタに圧着されることを特徴とする、請求項7に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項11】
前記第2管は、前記上部マウンタを基準に前記第1管と同軸上に対向するように配置され、前記第2管の一端は、前記上部マウンタに圧着され、他端は前記カートリッジハウジングの内側壁面に支持されることを特徴とする、請求項10に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項12】
可動プレートを垂直方向に移動させることができる第2駆動装置を更に含み、
前記第2駆動装置にはスクリュー軸が結合され、
前記可動プレートには、前記スクリュー軸と螺合されるスクリューナットが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置。
【請求項13】
超音波を発生させる超音波発生部が設けられるカートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジングが分離可能に装着され、内部に第1駆動装置が設けられるハンドピースと、
前記超音波発生部が前記カートリッジハウジングの下端と平行な水平方向及び垂直な垂
直方向に沿って移動可能に結合されるメイン軸とを含み、
前記メイン軸の一端が前記ハンドピースの第1駆動装置の一端に結合され、他端が前記カートリッジハウジングの内部に位置する超音波発生装置が水平方向及び垂直方向に沿った移動距離を変更するように作動する、超音波発生装置の作動方法。
【請求項14】
前記水平方向は0.1mm~30mmの長さで移動でき、
前記垂直方向は0.1mm~5mmの深さで移動できることを特徴とする、請求項
13に記載の超音波発生装置の作動方法。
【請求項15】
前記水平方向及び垂直方向の移動は、交互に行われることを特徴とする、請求項
14に記載の超音波発生装置の作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドピースと、ハンドピースに分離可能に結合されて超音波を発生させるカートリッジハウジングと、を有する超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置、および、当該超音波発生装置を用いた肥満治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の欧米化により、肥満が急速に増加し、国民の健康と美を害する最大の原因となり、これを治療するための多様なダイエットプログラムと超音波肥満治療装置が開発されて広く用いられている。
【0003】
特に、強力集束超音波(HIFU、High Intensity Focused Ultrasound)による肥満治療技術は、本来、非侵襲的に内部臓器の腫瘍を選択的に高温で凝固させて癌細胞を破壊する坑癌治療の目的で用いられていたが、米国ソルタ・メディカル社が人体の腹部肥満の治療の目的でHIFUが装着されたライポソニックス(Liposonix)という装置を初めて開発した。
【0004】
HIFUを用いた脂肪破壊の過程は、集積超音波が脂肪細胞の何れか一定地点に焦点が当てられると、組織の温度が65℃~100℃まで瞬間的に上昇し、これにより組織が破壊されるものである。
【0005】
HIFU装置は、他の皮膚科の装置を一例として、レーザ及びRF高周波装置とは異なり、皮膚の表面に何ら損傷も発生させず、かつ非侵襲的に選択された部分にHIFUエネルギーを集中させて、脂肪を凝固壊死(coagulation necrosis)が起こるように誘導する。このように壊死された脂肪細胞は、人体の損傷部分の復旧メカニズムにより自然に除去される。
【0006】
一方、このような超音波肥満治療装置は、コントローラの制御によってHIFUを発生して患者の皮下脂肪を分解するためのヘッド或いはハンドピースを備えている。
【0007】
超音波肥満治療のための超音波治療用超音波発生器は、超音波の集束深さによって多様に備えられているが、カートリッジ交換の手間を最小化して治療時の利便性を向上させるためにトランスデューサの超音波の集束深さを移動させる技術が提案されている。
【0008】
ところが、カートリッジの内部に設置されたトランスデューサの反復的な動きによりカートリッジの内部に充填された超音波伝達用媒質、即ち、液体の流動が発生することに起因する発熱の問題を解決するための構成、又は液体の流動が円滑になるようにガイドするための構成といった複雑な構成が要求されるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、超音波の集束深さを変更できる機能を有する超音波発生装置、および、当該超音波発生装置を用いた肥満治療方法を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限らず、言及されていない他の課題は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するための本発明の一実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置は、超音波を発生させる超音波発生部が設けられるカートリッジハウジングと、前記カートリッジハウジングが分離可能に装着され、内部に第1駆動装置が設けられるハンドピースと、前記超音波発生部が前記カートリッジハウジングの下端と平行な水平方向及び垂直な垂直方向に沿って往復移動可能に結合されるメイン軸と、を含み、前記メイン軸は、一端が前記ハンドピースの第1駆動装置の一端に結合され、他端が前記カートリッジハウジングの内部に位置し、前記ハンドピースは、前記メイン軸が垂直方向に移動する移動量を調節して前記超音波発生部の超音波の集束深さを調節する調節部を更に含むことができる。
【0012】
前記カートリッジハウジングに収容され、前記メイン軸と平行に配置され、前記超音波発生部が前記垂直方向と水平方向に沿って移動可能に案内する補助軸を更に含むことができる。
【0013】
前記メイン軸が固定され、前記ハンドピースの内部で垂直方向に沿って移動可能に設置される可動プレートを更に含むことができる。
【0014】
前記調節部は、前記超音波発生部の垂直方向の往復移動のために前記可動プレートの一側面を加圧するように位置し、前記可動プレートを中心に前記調節部の前記垂直方向に沿った反対側面を弾性支持するように設置される第1弾性部材を含むことができる。
【0015】
前記補助軸の長手方向の両端にそれぞれ設置され、前記メイン軸の前記垂直方向の移動を弾性支持する第2弾性部材と、前記補助軸の外周面に沿ってスライドするガイド部材と、を含み、前記超音波発生部は、前記ガイド部材から一側に突出する下部マウンタに固定され、前記ガイド部材から他側に突出する上部マウンタが前記メイン軸の外周面を覆うように結合することができる。
【0016】
前記メイン軸は、前記第1駆動装置と直結し、一体に回転するスクリュー軸と、前記スクリュー軸の外周面に形成された螺子山に螺合され、前記スクリュー軸が回転すると、水平方向に沿って移動するスクリューナットと、前記スクリューナットと一体に結合されて移動する長さ調節ロッドと、前記ハンドピースから露出した前記長さ調節ロッドの端部に形成され、前記上部マウンタに分離可能に結合される挿入突起と、を含むことができる。
【0017】
前記上部マウンタは、前記挿入突起が挿入される挿入溝を含み、前記挿入溝の水平方向に沿った両端には、第1管及び第2管を配置することができる。
【0018】
前記挿入突起は極性を有する磁力部材を含み、前記挿入溝は前記挿入突起の磁力部材と反対の極性を有する磁力部材を含むことができる。
【0019】
前記挿入溝の進入側には、前記挿入突起の直径よりも大きな内径を有する案内傾斜面が形成され、前記案内傾斜面の内径は漸進的に小さくなり、前記挿入突起の直径に収まるように形成することができる。
【0020】
前記第1管は前記長さ調節ロッドの外周面を覆うように離間して配置され、水平方向に沿った一端は前記カートリッジハウジングの内側壁面に支持され、他端は前記上部マウンタに圧着することができる。
【0021】
前記第2管は、前記上部マウンタを基準に前記第1管と同軸上に対向するように配置され、前記第2管の一端は、前記上部マウンタに圧着され、他端は前記カートリッジハウジングの内側壁面に支持することができる。
【0022】
前記上部マウンタは、前記第1管及び第2管の間でそれぞれの外周面の一部が同時に係止固定されるように形成される固定部材を更に含むことができる。
【0023】
また、前記可動プレートを垂直方向に移動させることができる第2駆動装置を更に含み、前記第2駆動装置にはスクリュー軸が結合され、前記可動プレートには、前記スクリュー軸と螺合されるスクリューナットを設けることができる。
【0024】
本発明の一実施例に係る超音波発生装置を用いた水平方向及び垂直方向に沿った移動距離を変更する方式の肥満治療方法は、超音波を発生させる超音波発生部が設けられるカートリッジハウジングと、前記カートリッジハウジングが分離可能に装着され、内部に第1駆動装置が設けられるハンドピースと、前記超音波発生部が前記カートリッジハウジングの下端と平行な水平方向及び垂直な垂直方向に沿って往復移動可能に結合されるメイン軸と、を含み、前記メイン軸の一端が前記ハンドピースの第1駆動装置の一端に結合され、他端が前記カートリッジハウジングの内部に位置する。
【0025】
また、前記水平方向は0.1mm~30mmの長さで移動でき、前記垂直方向は0.1mm~5mmの深さで移動できる。
【0026】
更に、前記水平方向及び垂直方向の移動は、交互に行われる。
【0027】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0028】
前述したように、本発明の一実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置によれば、被施術者による多様な脂肪層の厚さ又は腹部周囲などの多様な施術部位に対応してそれぞれの超音波の集束深さを有するカートリッジを購買するか、具備されているカートリッジを交換しなければならないという不便を最小化できる。
【0029】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限らず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置のカートリッジハウジングが分離された状態を示す斜視図である。
【
図4】
図2のII-II線に沿った一部切り欠き断面図である。
【
図5】
図4の挿入突起が挿入溝に挿入された状態を示す断面図である。
【
図7】
図5の状態で超音波発生部が水平方向に沿って図面上、左側に移動した状態を示す図である。
【
図8】
図5の状態で超音波発生部が水平方向に沿って図面上、右側に移動した状態を示す図である。
【
図9】
図5の状態で超音波発生部が垂直方向に沿って図面上、下側に移動した状態を示す図である。
【
図10】
図5の状態で超音波発生部が垂直方向に沿って図面上、上側に移動した状態を示す図である。
【
図11】本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置を示す概略図である。
【
図12】本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置を用いた水平方向及び垂直方向に沿った焦点距離を変更する方式の肥満治療方法を示す概略図である。
【
図13】本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置を用いた水平方向及び垂直方向に沿った焦点距離を変更する方式の肥満治療方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示されている実施例に限られるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現できる。但し、本実施例は本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野における通常の技術者に本発明の範疇を完全に理解させるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義されるだけである。
【0032】
本明細書で用いられた用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数型は特に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素以外に1つ以上の他の構成要素の存在又は追加を排除しない。明細書全体に亘って同一の図面符号は同一の構成要素を示し、「及び/又は」は言及された構成要素のそれぞれ及び1つ以上の全ての組み合わせを含む。たとえ、「第1」、「第2」などが多様な構成要素を叙述するために用いられていても、これらの構成要素はこれらの用語により制限されないのはもちろんである。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために用いる。従って、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得るのは言うまでもない。
【0033】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野における通常の技術者が共通して理解できる意味として用いられる。また、一般に用いられる辞典に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0034】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「真下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図示されているように、1つの構成要素と他の構成要素との相関関係を容易に記述するために使用され得る。空間的に相対的な用語は図示されている方向に加えて使用時又は動作時に構成要素の互いに異なる方向を含む用語として理解されるべきである。例えば、図示されている構成要素をひっくり返す場合、他の構成要素の「下(below)」又は「真下(beneath)」と記述されている構成要素は、他の構成要素の「上(above)」に置かれることができる。従って、例示的な用語である「下」は下と上の方向を何れも含むことができる。構成要素は他の方向にも配向することができ、これにより空間的に相対的な用語は配向によって解釈することができる。
【0035】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置のカートリッジハウジングが分離された状態を示す斜視図である。具体的に、
図1は、カートリッジハウジング200の一側面が露出されるように示した斜視図である。また、
図2は、
図1の結合された状態を示す斜視図であり、
図3は、
図2のI-I線に沿った断面図であり、
図4は、
図2のII-II線に沿った一部切り欠き断面図であり、
図5は、
図4の挿入突起が挿入溝に挿入された状態を示す断面図である。
【0037】
図1~
図4に示すように、本発明の一実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置は、ハンドピース100,101、カートリッジハウジング200、補助軸111、メイン軸112、調節部120,121及び超音波発生部300を含むことができる。
【0038】
本実施例に添付された図面を参照すれば、ハンドピースの外形を形成するケース(図示せず)の構成は図示されていないが、説明の便宜上、ケースの内部に設置されるベースフレーム100及び装着フレーム101をハンドピース100,101と称する。
【0039】
ケースはハンドピース100,101の外形をなし、施術者が手で把持できる形状であって、人体工学的設計を考慮した多様な形状に形成することができる。
【0040】
ケースの一部分を手で取り、カートリッジハウジング200が施術対象部位に接触するように位置を調整した状態で集束超音波を照射する方式で施術を行うことができる。なお、ケースの外表面には把持する際に滑りを防止するためのノンスリップ(non-slip)機能を有する取っ手部(図示せず)を備えることもできる。
【0041】
カートリッジハウジング200の内部には、超音波を発生させる超音波発生部300を設けることができる。
【0042】
また、カートリッジハウジング200には、超音波発生部300が水平方向に沿って往復移動可能に結合される補助軸111が収容される。
【0043】
ここで、説明に先立ち、以下では垂直方向と水平方向はそれぞれ幾何学的な垂直と水平の意味に限らず、垂直方向は添付の図面上、上下方向を意味し、水平方向は図面上、左右方向に定義できる。但し、水平方向が垂直方向と互いに垂直な方向に定義されるが、厳密な意味の幾何学的な垂直方向に定義されない。換言すれば、水平方向よりは垂直方向に、より近いものと見られる場合には垂直なものと理解されるべきである。
【0044】
補助軸111の上側に平行に配置されるメイン軸112を含むことができる。メイン軸112は、後述するガイド部材400によって超音波発生部300と繋がる。従って、メイン軸112の垂直方向及び水平方向への移動によって、超音波発生部300もメイン軸112の移動と連動して垂直方向及び水平方向に移動できる。ここで、メイン軸112は、補助軸111の下側に平行に配置することができ、本発明はこれに特に限定されない。
【0045】
これに加えて、カートリッジハウジング200がハンドピース100,101と分離可能に装着できるところ、ハンドピース100,101に設けられる第1駆動装置110がメイン軸112の一端と結合されて回転され、メイン軸112の他端がカートリッジハウジング200の内部に位置し得る。
【0046】
ハンドピースにはベースフレーム100が設けられ、ベースフレーム100の反対側にはカートリッジハウジング200が装着される装着フレーム101を設けることができる。
【0047】
ベースフレーム100には、前述したように、第1駆動装置110を設置することができる。第1駆動装置110は、正回転又は逆回転が可能であり、回転動力を発生させることができる正逆モータ、油圧モータ、空圧モータ、エンジンなどが使用され得るが、これに限定されず、メイン軸112に回転トルクを供給できる装置であれば、如何なる方式の装置であっても使用できる。
【0048】
メイン軸112の一端は、第1駆動装置110に直結して第1駆動装置110から回転力を提供され、他端はカートリッジハウジング200に位置するように結合することができる。装着フレーム101は、カートリッジハウジング200が分離可能に装着できる空間を有するように形成することができる。空間は、装着フレーム101の厚さ方向に形成される内部空間を意味し得る。
【0049】
図2~
図5を参照すれば、調節部120,121は、メイン軸112の垂直方向の移動を調節して、後述する超音波発生部300の超音波の集束深さを調節する役割を果たす。ここで、メイン軸112は、ハンドピース100,101の内部で垂直方向に沿って移動可能に設置される可動プレート160上に固定される。このようなメイン軸112は、調節部120,121により垂直方向に沿って移動でき、これについては後述する。
【0050】
このとき、調節部120,121によりメイン軸112が垂直方向に移動する場合、第1駆動装置110、後述する補助軸111、可動プレート160、トランスデューサ310及びガイド部材400も共に垂直方向に移動することによって、超音波発生部300の超音波の集束深さが調節でき、これについても後述する。
【0051】
一例として、調節部120,121は、回転を通じて垂直方向の移動を調節する回転型調節部又は直線移動を通じて垂直方向の移動を調節するボタン型調節部であり得るが、これに限定されない。
【0052】
調節部120,121が回転型である場合、調節部120,121は、使用者が把持して回転させるアウターロータ120及び一部がアウターロータ120の半径方向の内側に位置し、他の一部はアウターロータ120の回転によってアウターロータ120から可動プレート160側に突出して長さが調節されるインナーロータ121を含むことができる。
【0053】
アウターロータ120とインナーロータ121は同軸上に配置され、アウターロータ120とインナーロータ121の何れか1つが回転され、他の1つは螺合された状態で回転することによって可動プレート160側に突出する長さを調節することができる。
【0054】
本実施例では、一例として、調節部120,121を用いた高さ調節構造を説明しているが、互いに螺合されるアウターロータ120及びインナーロータ121の構造に限定されず、ラック・アンド・ピニオン(rack and pinion)又はラチェット(ratchet)構造などの長さ調節が可能な如何なる構造も適用可能である。
【0055】
これに加えて、アウターロータ120又はインナーロータ121の外周面上に定規を形成すると、使用者に可動プレート160が垂直方向に沿って移動した寸法を示すようにすることもできる。
【0056】
可動プレート160を介在して調節部120,121の反対側には、第1弾性部材161を設けることができる。
【0057】
第1弾性部材161は、調節部120,121により加圧される可動プレート160を弾性支持する。調節部120,121が順方向に回転する場合には可動プレート160が上側に移動し、調節部120,121が逆方向に回転する場合には可動プレート160が下側に移動する。
【0058】
メイン軸112は、第1駆動装置110と直結して回転するスクリュー軸112a、スクリュー軸112aの外周面に形成された螺子山に螺合される長さ調節ロッド112b及びハンドピース100,101から露出した長さ調節ロッド112bの端部に形成される挿入突起112cを含むことができる。
【0059】
スクリュー軸112aは、その外周面に長手方向に沿って螺子山が形成され、スクリューナット110aを螺子山の外側で螺合することができる。この場合、スクリュー軸112aには雄螺子を形成することができ、スクリューナット110aには雌螺子を形成することができる。そして、スクリューナット110aを長さ調節ロッド112bと一体に結合することができる。これにより、スクリューナット110aがスクリュー軸112aの回転により移動すると、長さ調節ロッド112bは水平方向に沿って移動できる。
【0060】
従って、スクリュー軸112aが一側の回転方向に沿って回転すると、長さ調節ロッド112bがスクリュー軸112aから遠ざかる方向、即ち、水平方向に沿って移動し、スクリュー軸112aが他側の回転方向に沿って回転すると、長さ調節ロッド112bがスクリュー軸112aへ近づく方向に移動する。
【0061】
ここで、スクリュー軸112aと長さ調節ロッド112bの間の回転及び移動方向は、スクリュー軸112aの螺子山の方向が右螺子又は左螺子であるそれぞれの場合によって決定することができる。
【0062】
挿入突起112cは、スクリュー軸112aが結合される長さ調節ロッド112bの端部の反対側の端部に形成し、後述する挿入溝421に挿入される位置、即ち、挿入溝421と同軸上に配置することができる。
【0063】
カートリッジハウジング200の内部には、メイン軸112と平行に配置される補助軸111を備えることができる。
【0064】
また、
図6は
図5の斜視図であって、
図6に示されるように、メイン軸112の挿入突起112cが第1管171の内部空間を長手方向に沿って完全に貫通し、第2管172の内部にメイン軸112の一部分が位置する状態になり、この状態を初期位置として定義できる。
【0065】
第1管171及び第2管172は、長手方向に変形可能な波状管であり得る。
【0066】
補助軸111は、垂直方向に沿って往復運動する過程で、補助軸111の両端部を第2弾性部材111bにより弾性支持することができる。
【0067】
カートリッジハウジング200の内側壁にそれぞれガイド溝201aを形成することができる。それぞれのガイド溝201aは、補助軸111が垂直方向に沿って移動できる空間を提供し、第2弾性部材111bがガイド溝201aの上端及び下端にそれぞれ位置し得る。
【0068】
補助軸111の外周面に沿ってスライドするように結合されるガイド部材400を備えることができる。
【0069】
ガイド部材400は、後述するように、トランスデューサ310を有する超音波発生部300が一側に装着されるように突出する下部マウンタ410、及びガイド部材400から他側に突出し、メイン軸112の外周面を覆うように結合される上部マウンタ420を含むことができる。
【0070】
下部マウンタ410は、カートリッジハウジング200の透光窓320に向かうように突出し、下部マウンタ410に超音波発生部300が設置されるので、超音波発生部300から発生する超音波が透光窓320を介して照射されるようにする。
【0071】
超音波発生部300は、ハンドピース100,101のケーブルコネクタ(図示せず)によりRFボード(図示せず)と電気的に接続することができ、それから電気信号の供給を受けてトランスデューサ310から集束された超音波を照射できるようにする。その結果、トランスデューサ310から照射された超音波は特定位置に集束され、このように、トランスデューサ310から照射された超音波が集束された特定位置を焦点として定義できる。
【0072】
更に、カートリッジハウジング200の末端から焦点までの距離を超音波発生部300の超音波の集束深さとして定義できる。本実施例では、超音波発生部300の超音波の集束深さが超音波発生部300の垂直方向の移動によって調節でき、これについては後述する。
【0073】
超音波の特性上、液体からなる媒質が要求され、特に、カートリッジハウジング200の内部には、超音波の損失が最小化されるように損失係数の低い媒質、一例として、液体内に存在する気体を除去した脱気液を収容することができる。
【0074】
上部マウンタ420は、メイン軸112が垂直方向に沿って移動する場合、補助軸111がメイン軸112の移動と連動して垂直方向に沿って移動できるようにする機能を実行する。
【0075】
上部マウンタ420は、挿入突起112cが挿入される挿入溝421を含むことができる。このとき、挿入突起112cにS極性又はN極性の第1磁力部材112dを設置し、挿入溝421の第1磁力部材112dと対応する位置には第1磁力部材112dに形成される極性と反対の極性を有する第2磁力部材112eを設置することができる。
【0076】
挿入突起112cが挿入溝421に挿入される場合、第1磁力部材112dと第2磁力部材112eとの間に引力が作用して、後述するように、メイン軸112が水平方向に沿って移動する場合、ガイド部材400が補助軸111の外周面に沿って移動可能にすることができる。この場合、補助軸111は、メイン軸112が水平方向に沿って移動する過程で安定的に移動可能にガイドする機能を行う。
【0077】
挿入突起112cが挿入溝421に挿入される過程で挿入溝421に進入する際に、挿入溝421の進入側には挿入突起112cの直径よりも大きな内径を有する案内傾斜面422が形成され、案内傾斜面422の内径は漸進的に小さくなり、挿入突起112cの直径に収まるように形成することができる。これは、挿入突起112cが挿入溝421に挿入される直前の上部マウンタ420の位置が補助軸111の位置によって可変的であるので、挿入突起112cと挿入溝421が同軸上に配置される前まで互いに結合される位置を補正する機能を行う。
【0078】
換言すれば、挿入突起112cと挿入溝421の軸が所定距離だけずれている状態に置かれていても、挿入突起112cが挿入溝421側に移動中に挿入突起112cが案内傾斜面422に沿って摩擦を起こし、究極のところ、挿入突起112cと挿入溝421の軸が互いに一致する状態が円滑になされるように補正する機能を意味する。
【0079】
第1管171は、長さ調節ロッド112bを覆うように配置され、第1管171の長手方向に沿った一端はカートリッジハウジング200の内側壁面に支持され、他端は上部マウンタ420に圧着できる。第1管171と上部マウンタ420の圧着される接触面には追加的にシーリング部材(図示せず)を設置することができる。シーリング部材は、第1管171の内部に脱気液が侵入できないように気密性を確保するようになる。
【0080】
第2管172は、上部マウンタ420を基準に第1波状管171と同軸上に配置され、第2管172の長手方向に沿った一端を上部マウンタ420に圧着し、他端をカートリッジハウジング200の内側壁面に支持することができる。第1管171の場合と同様に、第2管172と上部マウンタ420の接触面には追加的に更に他のシーリング部材(図示せず)を設置することができる。これは、第2管172の内部に脱気液が侵入できないように気密性を確保するようになる。
【0081】
なお、第1管171及び第2管172は、垂直方向に沿った長さがその他の方向に沿った長さよりも長い長軸を有する楕円形であり得る。第1管171及び第2管172の横断面の形状を楕円形に形成することによって、メイン軸112の垂直方向に沿った移動過程でメイン軸112の移動範囲を確保すると同時に、カートリッジハウジング200の内部と外部の間の気密性を確保することができる。
【0082】
また、第1管171及び第2管172は、それぞれウレタン、シリコンなどの軟質特性を有する材質で形成されることによって、第1管171と上部マウンタ420の間、又は第2管172と上部マウンタ420の間で発生し得る隙間の発生可能性を抑制して媒質の漏れを防ぐなど、より気密性に対する信頼度を確保できるようになる。
【0083】
以下、本発明の一実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置の作動過程を説明すれば、以下の通りである。
【0084】
更に、
図5及び
図4を参照すれば、使用者がカートリッジハウジング200を装着フレーム101に装着すると、
図4の状態に置かれ、第1駆動装置110を初期駆動(一例として、一回転駆動)させると、
図5に示すように、メイン軸112の長さ調節ロッド112bが垂直方向に沿って上部マウンタ420側に移動する。
【0085】
このとき、長さ調節ロッド112bの挿入突起112cと挿入溝421の間の軸が所定距離だけずれている状態であっても、挿入突起112cが案内傾斜面422に沿って摩擦を起こして挿入され、この過程で、挿入突起112cに設置された第1磁力部材112dが挿入溝421に設置された第2磁力部材112eとの間に形成される引力により、挿入突起112cと挿入溝421との結合を円滑に行うことができる。
【0086】
図7は、
図5の状態で超音波発生部が水平方向に沿って図面上、左側に移動した状態を示す図である。
【0087】
図7を参照すれば、トランスデューサ310を有する超音波発生部300が超音波の集束深さh1を維持した状態で水平方向に沿って図面上、左側に移動できる。これは第1駆動装置110が一側の回転方向に沿って回転する場合、スクリュー軸112aが回転する過程でスクリュー軸112aに螺合されたスクリューナット110aの移動によって長さ調節ロッド112bが左側に移動したものである。これにより、トランスデューサ310から照射される超音波の焦点が左側に移動するので、より簡便、かつ、迅速に広い部位に対する施術が可能になる。また、多様な施術部位をカバーできる範囲を考慮して、スクリュー軸112a及びスクリューナット110aの螺子山の個数又はピッチの設計値によって、一例として、0.1mm~50mmの範囲内で移動可能に形成することができ、好ましくは0.1mm~30mmの範囲がよい。
【0088】
図8は、
図5の状態で超音波発生部300が水平方向に沿って図面上、右側に移動した状態を示す図である。
【0089】
図8を参照すれば、トランスデューサ310を有する超音波発生部300が超音波の集束深さh1を維持した状態で水平方向に沿って図面上、右側に移動できる。これは第1駆動装置110が他側の回転方向に沿って回転する場合、スクリュー軸112aが回転する過程でスクリュー軸112aに螺合されたスクリューナット110aの移動によって長さ調節ロッド112bが右側に移動したものである。これにより、トランスデューサ310から照射される超音波の焦点が右側に移動するので、より簡便、かつ、迅速に広い部位に対する施術が可能になる。
【0090】
図9は、
図5の状態で超音波発生部300が垂直方向に沿って図面上、下側に移動した状態を示す図である。
【0091】
図9を
図5と共に参照すれば、
図5の状態では超音波の集束深さがh1の状態であるのに対し、
図9の状態では超音波発生部300が垂直方向に沿って図面の下側に移動した状態であるので、超音波の集束深さがh2である状態に置かれる。
【0092】
即ち、超音波の集束深さh2は、超音波の集束深さh1よりも大きな値を意味し、超音波の集束深さがh1である状態からh2に変更されることによって、被施術者の脂肪層の厚さ又は腹部周囲などが厚い場合に使用することができる。ここで、超音波発生部300の垂直方向に沿った超音波の集束深さは一例として、0.1mm~5mmの深さに移動するように設計することができる。
【0093】
ここで、超音波発生部300の下側移動は、アウターロータ120とインナーロータ121の作動により行うことができる。
【0094】
具体的に、アウターロータ120の回転によりインナーロータ121がアウターロータ120から突出する長さが減少する。ここで、アウターロータ120の回転は、使用者により手動で行われるか、駆動モータのような駆動手段により自動で行うことができる。
【0095】
その結果、インナーロータ121がアウターロータ120から突出する長さが減少しただけ、第1弾性部材161が伸縮して可動プレート160を下側に加圧する。
【0096】
このとき、可動プレート160に固定されたメイン軸112、第1駆動装置110、補助軸111、超音波発生部300及びガイド部材400も共に下側に移動することによって、超音波発生部300が下側に移動できる。
【0097】
このように、超音波発生部300が下側に移動すると、超音波発生部300の超音波の集束深さが増加する。
【0098】
図10は、
図5の状態で超音波発生部が垂直方向に沿って図面上、上側に移動した状態を示す図である。
【0099】
図10を
図5と共に参照すれば、
図5の状態では超音波の集束深さがh1の状態であるのに対し、
図10の状態では超音波発生部300が垂直方向に沿って図面上、上側に移動した状態であるので、超音波の集束深さがh3の状態に置かれる。
【0100】
即ち、超音波の集束深さh3は、超音波の集束深さh1よりも小さな値を意味し、超音波の集束深さがh1の状態からh3に変更されることによって被施術者の脂肪層の厚さ又は腹部周囲などが薄い場合に使用することができる。
【0101】
ここで、超音波発生部300の上側移動は、アウターロータ120とインナーロータ121の作動により行うことができる。
【0102】
具体的に、アウターロータ120の回転によりインナーロータ121がアウターロータ120から突出する長さが増加する。ここで、アウターロータ120の回転は、使用者により手動で行われるか、駆動モータのような駆動手段により自動で行うことができる。
【0103】
その結果、インナーロータ121がアウターロータ120から突出する長さが増加しただけ、第1弾性部材161が圧縮されて可動プレート160が上側に移動する。
【0104】
このとき、可動プレート160に固定されたメイン軸112、第1駆動装置110、補助軸111、超音波発生部300及びガイド部材400も共に上側に移動することによって、超音波発生部300が下側に移動できる。
【0105】
このように、超音波発生部300が上側に移動すると、超音波発生部300の超音波の集束深さが減少する。
【0106】
前述したように、超音波発生部300は、水平方向及び垂直方向に沿って移動可能に配置され、施術中にはそれぞれの水平方向及び垂直方向に沿って交互に移動させることによって、施術部位に対する正確な超音波の集束深さを目標とするように施術することが可能になる。
【0107】
本実施例によれば、被施術者による多様な脂肪層の厚さ又は腹部周囲などの多様な施術部位に対応してそれぞれの超音波の集束深さを有するカートリッジを購買するか、具備されているカートリッジを交換しなければならないという手間を最小化できる。
【0108】
図11は、本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置を示す概略図であり、
図12~
図13は、本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置を用いた水平方向及び垂直方向に沿った焦点距離を変更する方式の肥満治療方法を示す概略図である。
【0109】
図11に示すように、本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置は、超音波発生部300を自動で垂直方向に沿って移動するために、ガイド130及び第2駆動装置140を更に含むことができる。
【0110】
ガイド130は、ハンドピース100及び可動プレート160の間に垂直方向に沿って設けられ、ハンドピース100に結合される。一方、可動プレート160は、ガイド130に沿って移動可能に結合されるか、又は可動プレート160自体が垂直方向に移動できる。第2駆動装置140は、可動プレート160を垂直方向に移動させる。このような可動プレート160の垂直方向の移動に連動し、第1駆動装置110、補助軸111、メイン軸112、長さ調節ロッド112b、超音波発生部300及びガイド部材400も共に垂直方向に移動することによって、超音波発生部300の超音波の集束深さが調節できる。このとき、可動プレート160がガイド130に沿ってリニア移動するか、又は可動プレート160自体が垂直方向に移動できる。
【0111】
例えば、第2駆動装置140は、可動プレート160を垂直方向に移動させる駆動モータであり得る。ここで、第2駆動装置140の駆動モータの駆動軸には、スクリュー軸151が結合され、可動プレート160にはスクリュー軸151と螺合されるスクリューナット152を設けることができる。
【0112】
従って、第2駆動装置140によりスクリュー軸151が回転されると、スクリューナット152と可動プレート160がスクリュー軸151に沿って垂直方向に移動できる。このようなスクリューナット152と可動プレート160の垂直方向の移動に連動し、第1駆動装置110、補助軸111、メイン軸112、長さ調節ロッド112b、超音波発生部300及びガイド部材400も共に垂直方向に移動することによって、超音波発生部300の超音波の集束深さが調節できる。このとき、可動プレート160は、ガイド130に沿ってリニア移動するか、又は可動プレート160自体が垂直方向に移動できる。
【0113】
前述したように、第1駆動装置110の駆動モータの回転によりスクリュー軸112aが回転すると、スクリューナット110aがスクリュー軸112aに沿って水平方向に移動できる。
【0114】
このようなスクリューナット110aの水平方向の移動に連動し、長さ調節ロッド112b、挿入突起112c、超音波発生部300及びガイド部材400も共に水平方向に移動することによって、超音波発生部300の超音波の焦点が水平方向に移動できる。このとき、ハンドピース100には、第2駆動装置140が固定されていることができる。
【0115】
結局のところ、本実施例では第1駆動装置110を用いて超音波発生部300を水平方向に移動させることができ、このとき、超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点が水平方向に移動できる。
【0116】
また、本実施例では第2駆動装置140を用いて超音波発生部300を垂直方向に移動させることができ、このとき、超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点が垂直方向に移動できる。これは超音波発生部300の超音波の集束深さが変更されるものであり得る。
【0117】
一方、本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置は、超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点の水平方向の移動距離及び垂直方向の移動距離が表示されるディスプレイ(図示せず)を有するユーザインターフェース(User Interface)に基づいて、超音波発生部300の位置を自動で調節できる。
【0118】
ディスプレイは超音波発生装置本体(図示せず)、ハンドピース100,101又はカートリッジハウジング200に設けることができ、ディスプレイの画面には、超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点の水平方向の移動距離及び垂直方向の移動距離に対する目標数値を入力するためのユーザインターフェースが表示される。
【0119】
一例として、ディスプレイはタッチパッドによって具現でき、ユーザインターフェースは、超音波発生部300の皮膚深部での水平方向の移動距離と垂直方向の移動距離に対する目標数値を入力するキーパッド(Keypad)によって具現できる。
【0120】
他の例として、ディスプレイはタッチパッドによって具現でき、ユーザインターフェースは、超音波発生部300の皮膚深部での水平方向の移動距離と垂直方向の移動距離に対する目標数値がそれぞれ表示された多数のアイコンによって具現できる。
【0121】
一方、本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置は、ハンドピースに位置するスイッチに基づいて、超音波発生部300の垂直方向の位置と水平方向の位置とを自動で調節できる。
【0122】
以下に、本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置を用いた水平方向及び垂直方向に沿った移動距離を変更する方式の肥満治療方法を説明する。
【0123】
まず、使用者によりユーザインターフェースに超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点の水平方向の移動距離及び垂直方向の移動距離が入力される。
【0124】
次に、ユーザインターフェースが入力された超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点の水平方向の移動距離及び垂直方向の移動距離によって、第1駆動装置110及び第2駆動装置140を交互に、又は不規則的に作動させることができる。このように、第1駆動装置110及び第2駆動装置140の交互な作動により超音波発生部300の水平方向の移動及び垂直方向の移動を交互に行うことができる。
【0125】
例えば、
図12に示すように、第1駆動装置110が超音波発生部300を水平方向の順方向、即ち、右側に移動させる過程と、第1駆動装置110が超音波発生部300を水平方向の逆方向、即ち、左側に移動させる過程と、第2駆動装置140が超音波発生部300を垂直方向に移動させる過程と、を1つのサイクルで繰り返すことができる。
【0126】
また、
図13に示すように、第1駆動装置110が超音波発生部300を水平方向の順方向、即ち、右側に移動させる過程と、第2駆動装置140が超音波発生部300を垂直方向に移動させる過程と、第1駆動装置110が超音波発生部300を水平方向の逆方向、即ち、左側に移動させる過程と、第2駆動装置140が超音波発生部300を垂直方向に移動させる過程と、を1つのサイクルで繰り返すことができる。
【0127】
このとき、超音波発生部300の水平方向の移動によって、超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点が水平方向に移動し、超音波発生部300の皮膚深部での超音波の焦点が垂直方向に移動する。
【0128】
従って、本発明の他の実施例に係る超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置を用いた水平方向及び垂直方向に沿った移動距離を変更する方式の肥満治療方法は、第1駆動装置及び第2駆動装置により超音波発生部の皮膚深部での超音波の焦点の水平方向の移動距離及び垂直方向の移動が自動で行われることによって、皮膚深部での皮膚面治療が可能であり、皮膚の深部で相対的に広い部位を一度に治療できるという効果がある。
【0129】
以上、添付の図面を参照しながら本発明の実施例を説明したところ、本発明が属する技術分野における通常の技術者は、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施できるということが理解できるだろう。従って、以上で記述した実施例はあらゆる面で例示的なものであり、制限的ではないものとして理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明は、ハンドピースと、ハンドピースに分離可能に結合されて超音波を発生させるカートリッジハウジングと、を有する超音波の集束深さの調節が可能な超音波発生装置、および、当該超音波発生装置を用いた肥満治療方法に利用できる。
【符号の説明】
【0131】
100,101 ハンドピース
111 補助軸
111b 第1弾性部材
112 メイン軸
112b 長さ調節ロッド
120 アウターロータ
121 インナーロータ
120,121 調節部
122 移送装置
160 可動プレート
171 第1管
172 第2管
200 カートリッジハウジング
300 超音波発生部
320 透光窓
400 ガイド部材
410 下部マウンタ
420 上部マウンタ