(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】フローティング構造のプローブ装置
(51)【国際特許分類】
G01R 1/06 20060101AFI20230403BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20230403BHJP
【FI】
G01R1/06 D
G01R31/26 J
(21)【出願番号】P 2021163898
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2020023681の分割
【原出願日】2020-02-14
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2019-0017522
(32)【優先日】2019-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520054840
【氏名又は名称】フェニクソン コントロールズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ラ キスル
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-022045(JP,A)
【文献】特開2000-150594(JP,A)
【文献】実開昭54-149881(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0176065(US,A1)
【文献】米国特許第06422886(US,B1)
【文献】特開2009-115664(JP,A)
【文献】特開2013-024684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/26-31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸方向に延びるプローブユニットであって、一端に電気的信号を伝達するニードルが挿入される前記
第1の軸方向に沿って延びる溝が形成され、他端にガイド部が形成されるプローブユニット;
前記プローブユニットに対して前記第1の軸方向に離間して設けられたプレートユニットであって、前記プローブユニット側の一端部に前記ガイド部の一部が挿入されて取り付けられるプレートユニット;及び
前記プローブユニットの前記
ガイド部と前記プレートユニッ
トを連結し、前記プレートユニットと前記ガイド部との間の距離が変化するとき、前記距離に応じて収縮又は弛緩するように形成される弾性ユニット;
を含み、
前記ガイド部は、
一端部が前記プレートユニットに固定された軸;
前記軸の
他端部に球状に形成されるガイド部材;及び
前記ガイド部材を
回転可能且つ前記ガイド部材の
球状の部分を前記溝に向く側から前記軸に向かって包んで収容するように形成される収容空間;
を含
み、
前記プレートユニットは、
前記ガイド部が一側に挿入されて固定されるプレート部材;及び
前記プローブユニットが前記プレートユニットに近づく方向に前記プレート部材を移動させる前記ニードルから前記溝及び前記ガイド部を介して伝達される外力が排除される場合、前記プレート部材に、前記プローブユニットが前記プレートユニットから離れる方向に前記プレート部材を付勢する、復元力を提供する、前記プレート部材の前記ガイド部が挿入される前記一側とは反対側に、前記軸が延びる方向に沿って設けられるスプリング部材;
を含み、
前記弾性ユニットは、前記ガイド部と前記プレートユニットとの間に延びる棒状部分を有し、前記棒状部分の前記ガイド部側の端部に、半球状部分を有し、
前記ガイド部は、前記半球状部分を部分的に受け入れるように形成された半球状凹部を有する、 フローティング構造のプローブ装置。
【請求項2】
前記弾性ユニットは、
前記軸から離間して複数個が備えられ
、前記プローブユニットの
前記第1の軸方向に延びる軸が前記ガイド部の前記軸を基準にして傾くことを可能にする請求項1に記載のフローティング構造のプローブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローティング構造のプローブ装置に係り、より詳しくは、加えられる外力に対応して一定角度で傾くことを補償できるフローティング構造のプローブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップは、ウェハー上に回路パターンを形成する工程と、回路パターンが形成されたウェハーをそれぞれバッテリーパックはそれぞれのセルをモジュールで組み立て、そのモジュールのアセンブリ工程を通じて製造され、製造工程とアセンブリ工程との間にはそれぞれのセルの電気的特性を検査するためにプローブ装置が複数使われている。
【0003】
しかし、従来のほとんどのプローブ装置は、接触される部分が点で接触されることで、電流を流した時に点の接触部分で過電流現象が発生する問題があった。このような過電流現象はスパークを引き起こして製品不良の原因もなった。
【0004】
これの解決策として、点接触ではなく全体面を均等に接触させる面接触のプローブ装置がある。しかし、このような面接触のプローブ装置の場合、端子を組み立てる時に傾いて組み立てられるおそれがある問題がある。
【0005】
また、前記面接触のプローブ装置は、外力によって曲がる度合いに対する補償がないため、パック端子に接続させるためにニードルに外力が加えられる場合、外力の大きさと方向によってニードルが曲がる場合があり、ニードルが曲がることによって端子に悪影響を及ぼす問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために案出された発明であって、ニードルに加えられる外力を補償できるフローティング構造のプローブ装置を提供するためのものである。
【0008】
また、外力が排除される場合、傾きに対する復元力を提供することができるフローティング構造のプローブ装置を提供するためのものである。
【0009】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていない別の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明のフローティング構造のプローブ装置は、一端に電気的信号を伝達するニードルが挿入される溝が形成され、他端にガイド部が形成されるプローブユニット及び前記ガイド部が挿入され、前記ガイド部の一部を支持するように形成される内部空間が備えられるプレートユニットを含み、前記ガイド部は前記ニードルに加えられる外力によって前記内部空間から一定間隔離隔されることを特徴とする。
【0011】
この時、前記プローブユニットは、前記ニードルに加えられる外力を前記ガイド部に伝達したり前記ニードルに加えられる外力が排除される場合、前記ガイド部が前記内部空間に接するように備えられる弾性部を含むことができる。
【0012】
そして、前記ガイド部は、一部が長手方向に行くほど幅が大きくなるように形成されることを特徴とする。
【0013】
前記目的を達成するための本発明のフローティング構造のプローブ装置は、一端に電気的信号を伝達するニードルが挿入される溝が形成され、他端にガイド部が形成されるプローブユニット、一端部に前記ガイド部の一部が挿入されて取り付けられるプレートユニット、及び前記プローブユニットの他端と前記プレートユニットの一端を連結し、前記ニードルに加えられる外力によって収縮弛緩されるように形成される弾性ユニットを含むことができる。
【0014】
この時、前記ガイド部は、一端部が球状に形成されるガイド部材及び前記ガイド部材を収容するように形成される収容空間を含むことができる。
【0015】
そして、前記弾性ユニットは複数個が備えられて前記外力によって前記プローブユニットの軸が前記ガイド部の軸を基準にして傾くことを特徴とする。
【0016】
または、前記プレートユニットは、前記ガイド部が挿入されて取り付けられるプレート部材及び前記外力が排除される場合、前記プレート部材に復元力を提供するスプリング部材を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
前記課題を解決するための本発明のフローティング構造のプローブ装置は、次のような効果がある。
【0018】
第一、外力に対応してプレートユニットを基準とするプローブユニットの傾きを補償することができる。
【0019】
第二、外力が排除される場合、復元力を提供することで外力が加えられる前の状態でプローブ装置を復元することができる。
【0020】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていない別の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第1実施例である。
【
図2】本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第1実施例である。
【
図3】本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第1実施例である。
【
図4】本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第1実施例である。
【
図5】本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第2実施例である。
【
図6】本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第2実施例である。
【
図7】本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第2実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の目的が具体的に実現できる本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。本実施例を説明するにあたり、同一構成に対しては同一名称及び同一符号が使われ、これによる付加説明は省略する。
【0023】
また、本発明の実施例を説明するにあたり、同一機能を有する構成要素に対しては、同一名称及び同一符号を使うだけであって、実質的には従来と完全に同一ではないことを予め明らかにする。
【0024】
また、本発明の実施例で使用した用語は、単に特定実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定する意図ではない。単数表現は文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数表現を含む。
【0025】
また、本発明の実施例において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためであって、一つまたはそれ以上の別の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0026】
図1ないし
図4を参照して本発明のフローティング構造のプローブ装置の第1実施例について説明する。
図1ないし
図4は、本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第1実施例である。
【0027】
第1実施例によると、本発明のフローティング構造のプローブ装置は、プローブユニット及びプレートユニットを含むことができる。
【0028】
プローブユニットは、一端に電気的信号を伝達するニードルが挿入される溝が形成され、他端にガイド部が形成されることができる。
【0029】
前記ニードルは端子に入力されるチップのような役目をし、接触される面積や方式は多様に行われてもよい。前記溝は、前記ニードルが接する面積や方式に対応して形成されることができ、前記ニードルは、前記溝に組み合わせられることで電気的信号を伝達することができる。
【0030】
前記ガイド部は、前記プローブユニットに加えられる外力によって傾く変形を補償することができる。
【0031】
プレートユニットは、前記ガイド部が挿入され、前記ガイド部の一部を支持するように形成される内部空間が備えられることができる。
【0032】
すなわち、前記プレートユニットの内部空間に前記ガイド部の少なくとも一部が位置することができる。前記プレートユニットは、
図1のようにパック端子台の一部であるか、またはパック端子台に組み合わせられる部品であってもよく、多様に構成されることができる。
【0033】
前記ガイド部と前記プレートユニットの関係に対し、前記ガイド部は、前記ニードルに加えられる外力によって前記内部空間から一定間隔離隔されることがある。
【0034】
具体的には、前記ニードルが前記溝と組み合わせられない、つまり、前記ニードルが前記溝から排除された状態で前記ガイド部の一部が前記内部空間の一部と接するように備えられることができる。よって、前記内部空間は、前記ガイド部の形状に対応するように形成されることが好ましい。ただし、前記のような機能を遂行することができれば、内部空間の形状は限定されない。
【0035】
そして、前記ニードルが前記溝に組み合わせられながら加えられる外力によって前記ガイド部は前記内部空間から一定間隔離隔されることができる。
【0036】
この時、前記プローブユニットは、弾性部をさらに含むことができる。
【0037】
弾性部は、前記ニードルに加えられる外力を前記ガイド部に伝達したり、前記ニードルに加えられる外力が排除される場合、前記ガイド部が前記内部空間に接するように備えられることができる。
【0038】
具体的には、前記ニードルが外力によって前記溝に組み合わせられる場合、前記弾性部は前記ガイド部が前記内部空間から一定間隔離隔されるように前記外力を前記ガイド部に伝達することができる。
【0039】
また、前記ニードルが前記溝から排除される場合、前記弾性部は、前記ガイド部の一部が前記内部空間の一部と接して支持されるよう、前記ガイド部に復元力を提供することができる。
【0040】
前記弾性部によって前記ガイド部が前記内部空間から一定間隔離隔されることによって、本発明は前記ニードルが前記溝に組み合わせられながら発生する前記ガイド部の軸の傾きを補償することができる。
【0041】
具体的には、
図4のように、前記外力が加えられる方向によって前記溝が形成される前記プローブユニットの軸は前記プレートユニットの軸に対して傾くようになる。この時、前記ガイド部は前記プレートユニットから一定間隔離隔されることで、前記離隔された空間が傾く前記ガイド部によって満たされるまで、前記ガイド部は傾いて外力に対応することができる。
【0042】
前記のような効果を実現できるように、前記ガイド部は一部が長手方向に行くほど幅が大きくなるように形成されることができる。
【0043】
例えば、前記ガイド部は断面が台形からなる円錐形状で形成されることが好ましい。ただし、これは一つの例に過ぎず、前記形状に制限されることではない。
【0044】
以下では、
図5ないし
図7を参照して本発明のフローティング構造のプローブ装置の第2実施例について説明する。
図5ないし
図7は、本発明におけるフローティング構造のプローブ装置の第2実施例である。
【0045】
第2実施例によると、本発明のフローティング構造のプローブ装置は、プローブユニット、プレートユニット及び弾性ユニットを含むことができる。
【0046】
プローブユニットは、一端に電気的信号を伝達するニードルが挿入される溝が形成され、他端にガイド部が形成されることができる。
【0047】
前記ニードルは端子に入力されるチップのような役目をすることができ、接触される面積や方式は多様に行われることができる。前記溝は前記ニードルが接する面積や方式に対応して形成されることができ、前記ニードルは前記溝に組み合わせられることで電気的信号を伝達することができる。
【0048】
前記ガイド部は、ガイド部材及び収容空間を含むことができる。
【0049】
前記ガイド部材は、一端部が球状で形成されることが好ましい。ただし、前記形状に制限されることではない。
【0050】
前記収容空間は、前記ガイド部材を収容するように形成されることができる。
【0051】
前記収容空間は、前記ガイド部材の形状に対応して形成されることが好ましい。例えば、
図5ないし
図7によると、前記ガイド部材は球状で形成され、前記収容空間は前記ガイド部材の少なくとも一部を包む形態で形成され、前記ガイド部材は前記収容空間で自在に回転することができる。
【0052】
プレートユニットは、一端部に前記ガイド部の一部が挿入されて取り付けられることができる。
【0053】
すなわち、前記ガイド部の一部が前記プレートユニット内に位置することができる。前記プレートユニットは、パック端子台の一部であるか、またはパック端子台に組み合わせられる部品であってもよく、多様に構成されることができる。
【0054】
この時、前記プレートユニットは、プレート部材及びスプリング部材を含むことができる。
【0055】
プレート部材は、前記ガイド部が挿入されて取り付けられることができる。
【0056】
前記ガイド部の一部は、収容空間に位置するガイド部材に対向するように前記プレート部材に固定されることができる。よって、前記ガイド部は、外力が加えられる場合にも前記プレートユニットに対して軸が一定することができる。
【0057】
前記スプリング部材は、前記外力が排除される場合、前記プレート部材に復元力を提供することができる。
【0058】
すなわち、前記ニードルが前記溝から除去される場合、前記スプリング部材は、前記プレート部材が前記ニードルが前記溝に組み合わせられる前の状態に復元されるよう、前記プレート部材に復元力を提供することができる。
【0059】
そして、弾性ユニットは、前記プローブユニットの他端と前記プレートユニットの一端を連結し、前記ニードルに加えられる外力によって収縮弛緩されるように形成されることができる。
【0060】
例えば、前記弾性ユニットは、複数個が備えられて前記外力によって前記プローブユニットの軸が前記ガイド部の軸を基準にして傾くように形成されることができる。
【0061】
図6及び
図7で分かるように、ニードルが溝に組み合わせられる時、前記ニードルに加えられる外力の方向によって前記弾性ユニットは収縮弛緩することができる。よって、前記弾性ユニットと前記ガイド部材との連動によって、本発明は前記ニードルが前記溝に組み合わせられながら発生する前記ガイド部の一部の軸の傾きを補償することができる。
【0062】
具体的には、
図6のように、前記ガイド部の一部の軸が前記プレートユニットを基準にして左側に傾く場合も、左側の弾性ユニットは収縮され、右側の弾性ユニットは弛緩されると同時に、前記ガイド部材は前記収容空間で自在に回転することができるので、前記傾きを補償することができる。
【0063】
また、
図7のように、前記ガイド部の一部の軸が前記プレートユニットを基準にして右側に傾く場合も、左側の弾性ユニットは弛緩され、右側の弾性ユニットは収縮されると同時に、前記ガイド部材は前記収容空間で自在に回転することができるので、前記傾きを補償することができる。
【0064】
以上のように、本発明による好ましい実施例を詳察してみたところ、前述した実施例以外も本発明がその趣旨や範疇から脱することがなく、他の特定形態で具体化されることができるという事実は該当技術に通常の知識を有する者には自明なことである。よって、上述した実施例は制限的なものではなく、例示的な者として認められるべきであり、これによって本発明は前述した説明に限定されず、添付の請求項の範疇及びそれ同等の範囲内で変更されることもできる。
【符号の説明】
【0065】
10 :パック端子台
100:プローブユニット
120:溝
140:ガイド部
160:弾性部
200:プレートユニット
220:内部空間
300:プローブユニット
320:溝
340:ガイド部
342:ガイド部材
344:収容空間
400:プレートユニット
420:プレート部材
440:スプリング部材
500:弾性ユニット