(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】遠隔制御コンテナロック、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B65D 90/00 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
B65D90/00 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022042588
(22)【出願日】2022-03-17
(62)【分割の表示】P 2019551538の分割
【原出願日】2018-03-23
【審査請求日】2022-04-06
(32)【優先日】2017-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】519333387
【氏名又は名称】ロックス コンテナー テクノロジー アーベー
【氏名又は名称原語表記】LOX CONTAINER TECHNOLOGY AB
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ロン, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0193246(US,A1)
【文献】特表2005-528278(JP,A)
【文献】特開2006-161302(JP,A)
【文献】特開2007-231615(JP,A)
【文献】特開2015-026874(JP,A)
【文献】特開2015-166202(JP,A)
【文献】国際公開第2015/191313(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンテナ(101)の第1コンテナコーナーキャスティング(110a)と第2コンテナ(102)の対応する第2コンテナコーナーキャスティング(120a)とを固定するためのコンテナコーナーロック(200)であって、
第1コンテナ(101)は、第2コンテナ(102)上に積み重ねられ、
前記コンテナコーナーロック(200)は、第1突出部(210)、第2突出部(220)、電気モータ(230)、第1無線送受信機(240)、処理回路(260)、及びメモリ(270)を備え、
第1突出部(210)は、第1コンテナ(101)における第1コンテナコーナーキャスティング(110a)の第1凹部(115a)に挿入されるように構成され、且つ第1突出部(210)を第1凹部(115a)内に固定するための第1ロック手段(215)を備え、
第2突出部(220)は、第2コンテナ(102)における第2コンテナコーナーキャスティング(120a)の第2凹部(125a)に挿入されるように構成され、且つ第2突出部(220)を第2凹部(125a)内に固定するための第2ロック手段(225)を備え、
前記電気モータ(230)は、対応する前記凹部(115a,125a)内の前記ロック手段(215,225)のうちの少なくとも1つについて開放位置とロック位置との間の動きを制限又は制限解除するように構成され、
第1無線送受信機(240)は、10m以上50m以下の第1距離範囲を有する第1無線信号周波数において外部の送受信機(350)と通信するように構成され、
前記処理回路(260)は、第1無線送受信機(240)から信号を受け取り、前記信号を解釈し、且つ受信した無線信号に従って前記電気モータ(230)を動作させるためのコマンドを生成するように構成され、且つ第1無線送受信機(240)の第1距離範囲よりも短い第2距離範囲を有する第2無線信号周波数において外部の短距離端末と通信するように構成された第2短距離無線送受信機又は応答機(250)を備え、
第2距離範囲は、5cm以上0.5m以下の非常に短い範囲であり、
前記メモリ(270)は、前記コンテナコーナーロック(200)の一意の識別参照情報を格納するように構成され、前記短距離無線送受信機又は前記応答機は、要求に応じて短距離無線端末(310)に前記一意の識別参照情報を提供するように構成され、
第1無線送受信機(240)は、第1無線信号周波数によりクレーン、オペレータ、又はスプレッダと通信するように構成され、
前記コンテナコーナーロック(200)は、第1無線信号周波数用の無線通信インターフェースを介してコマンドを受信した場合にのみロック又はロック解除されるように構成される、コンテナコーナーロック。
【請求項2】
請求項
1に記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
前記コンテナコーナーロック(200)は、他の前記コンテナコーナーロック(200)と通信不可能に構成される、コンテナコーナーロック。
【請求項3】
請求項1
又は請求項
2に記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
第2距離範囲は、5cm以上0.2m以下の非常に短い範囲である、
コンテナコーナーロック。
【請求項4】
請求項1から請求項
3の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
第2距離範囲は、5cm以上10cm以下の非常に短い範囲である、
コンテナコーナーロック。
【請求項5】
請求項1から請求項
4の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
第2短距離無線送受信機又は応答機は、短距離無線通信インターフェースを介して通信を行い、
前記短距離無線通信インターフェースは、13.56MHzの近距離無線通信、又は無線パーソナルエリアネットワークであり、
前記無線パーソナルエリアネットワークは、Wi-Fi、無線ローカルエリアネットワーク、ウルトラモバイルブロードバンド、Bluetooth、無線周波数個体識別、Z-wave、ZigBee、低消費電力無線パーソナルエリアネットワーク上のIPv6、無線HARTプロトコル、及び無線ユニバーサルシリアルバスからなる群から選ばれる、
コンテナコーナーロック。
【請求項6】
請求項1から請求項
5の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
第1突出部(210)の第1ロック手段(215)は、第1突出部(210)を第1凹部(115a)内に手動ロックするように構成され、
前記電気モータ(230)は、第2突出部(220)を第2凹部(125a)内に固定するために第2突出部(220)の第2ロック手段(225)を再配置するように構成される、
コンテナコーナーロック。
【請求項7】
請求項1から請求項
6の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
第2ロック手段(225)は、ばね式機構を備え、前記コンテナコーナーロック(200)の第2突出部(220)が第2コンテナ(102)における第2コンテナコーナーキャスティング(120a)の第2凹部(125a)内に挿入された際に、第2突出部(220)を第2コンテナコーナーキャスティング(120a)内に固定する、
コンテナコーナーロック。
【請求項8】
請求項1から請求項
7の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
センサ(280)をさらに備え、
前記センサ(280)は、前記ロック手段(215,225)のうちの少なくとも1つについて、対応する前記凹部(115a,125a)内において開放位置又はロック位置にあるかどうかを決定するように構成される、
コンテナコーナーロック。
【請求項9】
請求項1から請求項
8の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
前記処理回路(260)は、無線送受信機(240)を一定期間停止させるためのスリーピング機能を適用するようにさらに構成される、
コンテナコーナーロック。
【請求項10】
請求項1から請求項
9の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200)であって、
電源(290)をさらに備え、
前記電源(290)は、前記電気モータ(230)、前記無線送受信機(240)、前記処理回路(260)、及び/又はメモリ(270)、及び前記短距離無線送受信機(250)又は応答機及び/又はセンサ(280)に電源を供給するように構成される、
コンテナコーナーロック。
【請求項11】
第2コンテナ(102)上に積み重ねられた第1コンテナ(101)を固定するためのシステム(400)であって、
第1コンテナ(101)と関連付けられた、請求項1~請求項1
0の何れかに記載のコンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)のセットと、
1組のコンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の各前記第1送受信機(240)と無線信号の通信を行うように構成された送受信機(320a,320b,320c,320d)のうちの少なくとも1つと、
前記送受信機(320a,320b,320c,320d)を介して前記1組のコンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)から取得した無線信号を情報へと解釈するように構成された処理ユニット(330)と、
前記1組のコンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)に係る取得情報を格納するように構成されたデータベース(340)と、
前記1組のコンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)に係る情報をオペレータに出力するように構成された出力ユニット(350)とを備える、
システム。
【請求項12】
請求項1
1に記載のシステム(400)であって、
短距離無線端末(310)をさらに備え、
前記短距離無線端末(310)は、前記1組のコンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)に含まれる各コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の短距離無線送受信機(250)又は応答機と無線で通信するように構成され、前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の各前記短距離無線送受信機(250)又は応答機からの各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の一意の識別参照情報を取得するように構成され、且つ各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)について取得され少なくとも1つのコンテナ(101,102)と関連付けられた前記一意の識別参照情報を前記データベース(340)に提供するように構成される、
システム。
【請求項13】
第1コンテナ(101)を第2コンテナ(102)上に積み重ね固定する方法(500)であって、
請求項1から請求項1
0の何れかに係るコンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の第1突出部(210)を第1コンテナ(101)の下の各コンテナコーナーキャスティング(110a,110b,110c,110d)における各凹部(115a)内に固定するステップ(501)と、
第1コンテナ(101)の下の前記コンテナコーナーキャスティング(110a,110b,110c,110d)内に固定(501)された各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の一意の識別参照情報を、1組の前記コンテナコーナーロックの各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の第2短距離無線送受信機又は応答機(250)から取得するステップ(502)と、
前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)について取得(502)された前記一意の識別参照情報を第1コンテナ(101)の一意の識別参照情報と関連付けるステップ(503)と、
前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)について取得(502)され、且つ第1コンテナ(101)の前記一意の識別参照情報と関連付け(503)られた前記一意の識別参照情報をデータベース(340)に格納するステップ(504)と、
第1コンテナ(101)を第2コンテナ(102)上に積み重ねるステップ(505)であって、各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の第2突出部(220)は、第2コンテナ(102)上の各コンテナコーナーキャスティング(120a,120b,120c,120d)における各凹部(125a)に挿入される、ステップと、
各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の電気モータ(230)を送受信機(320a,320b,320c,320d)により送られ1組の前記コンテナコーナーロックの各々の第1無線送受信機(240)により受け取った無線信号を介して遠隔操作することにより、前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)を第2コンテナ(102)上の前記コンテナコーナーキャスティング(120a,120b,120c,120d)内にロックするステップ(506)とを含む、
方法。
【請求項14】
請求項1
3に記載の方法(500)であって、
各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の状態を決定するステップ(507)、及び
決定(507)され、前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の前記一意の識別参照情報と関連付けられた前記状態を、無線信号を介してプロセッサ(330)へ送るステップ(508)をさらに含む、
方法。
【請求項15】
請求項1
3又は請求項1
4に記載の方法(500)であって、
各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の前記無線送受信機(240)を一定期間停止するためのスリープ機能を適用するステップ(509)をさらに含む、
方法(500)。
【請求項16】
請求項1
3~請求項1
5の何れかに記載の方法(500)であって、
前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の保守が行われた期間に対する時間基準を前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)のメモリ(270)に格納するステップ(510)をさらに含む、
方法(500)。
【請求項17】
請求項1
3~請求項1
6の何れかに記載の方法(500)であって、
第1コンテナ(101)の前記一意の識別参照情報に関連付けられた前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)の前記一意の識別参照情報に係る情報を出力するステップ(511)をさらに含む、
方法(500)。
【請求項18】
請求項1
4を引用する請求項1
7に記載の方法(500)であって、
出力された前記情報は、各前記コンテナコーナーロック(200a,200b,200c,200d)について決定(507)された前記状態をさらに含む、
方法(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、方法、コンテナコーナーロック、及びシステムを開示する。より具体的には、第1コンテナが第2コンテナ上に積み重ねられる際に、第1コンテナの第1コンテナコーナーキャスティング及び第2コンテナの対応する第2コンテナコーナーキャスティングを固定する、方法、コンテナコーナーロック、及びシステムを開示する。
【背景技術】
【0002】
船、鉄道、時にはトラックで商品を長距離輸送する際、コンテナが通常使用される。これらのコンテナは、複合輸送コンテナ、輸送コンテナ、及び/又はISOコンテナと称される場合がある。ISOは、国際標準化機構(International Organization for Standardisation)の略語であり、本明細書において議論の対象とする種類の出荷用コンテナについて、世界的に受け入れられている標準寸法を決定している。
【0003】
コンテナは鋼鉄製であり、荷積み及び荷降ろし、積み重ね、長距離での効率的な輸送、ある輸送モードから別の輸送モード(コンテナ船、鉄道輸送フラットカー、セミトレーラートラック)へ、コンテナを開けることなく移行することが可能である。全てのコンテナには、一意の識別番号が付けられており、コンピュータ化されたシステムを使用して追跡可能である。
【0004】
コンテナの各コーナーに配置された標準化コーナーキャスティングにより、荒海での輸送中においても、コンテナを安全な方法で積み重ねて固定することが可能である。コンテナコーナーロックは、コンテナが、例えば埠頭において、地面から持ち上げられたときに、コンテナの下の各コーナーキャスティングの各凹部に挿入し固定することができる。その後、コンテナはクレーン(又はフォークリフト)により持ち上げられ、船上の別のコンテナの上に配置される。そして、最上のコンテナの下の各コーナーにおける各コンテナコーナーロックを、それよりも下にあるコンテナの上面の各標準化コーナーキャスティングの凹部に嵌める。その後、オペレータが、より上のコンテナ階層に届くように、支柱を登り長い棒又はそれに似た道具を用いて、又はスプレッダに取り付けられたケージにより移動して、コンテナコーナーロックをそれよりも下のコンテナに対してロック/ロック解除する必要がある。
【0005】
コンテナが相互に十分にロックされていない場合、荒海において重大な事故が発生し、コンテナの紛失及び/又は難破に至る可能性がある(http://www.marine-knowledge.com/wp-content/uploads/2011/11/container-ships-in-storms.gif)。
【0006】
コンテナ船においては、上述の方法でコンテナを最大9個まで積み重ねることができる。通常、各コンテナの高さは8フィートで、これは約2.4メートルに相当する。従って、最上部のコンテナを固定する際、オペレータは、甲板上で約19.2メートルの高さに登って、又はクレーン等で上昇して、船で通常発生する濡れて且つ風が強く揺れる状態に置かれることとなる。
【0007】
このプロセスは、コンテナコーナーロックのロック/ロック解除を行うオペレータにとって明らかに危険である。毎年いくつかの重大な事故が発生し、不幸なことに致命的な結果を招くことがある。
【0008】
また、コンテナコーナーロックのロック/ロック解除のプロセスは時間がかかるため、船舶所有者にとって費用のかかるものである。これは、第一に、複数のオペレータを雇用する必要があること、第二に、船舶が港で過ごす時間が長くなり、港湾使用料が発生し、コンテナ/商品の配送に時間を要することとなるからである。
【0009】
既存のコンテナコーナーロックのさらに別の問題として、船上のコンテナの全てのコンテナコーナーロックが正常にロックされたことを船長が点検及び確認することが難しいことが挙げられる。コンテナ船は、19000TEU(20フィートコンテナ換算)の容量を含み得る。ただし、船上の全コンテナの約50%にあたる、甲板下に保管されているコンテナは、通常ロックされていない。また、全コンテナの約75%は、サイズが40フィートのコンテナである。従って、19000TEUには約24000個のロックが含まれ得る。
【0010】
船長が再確認を行って、船上の24000個のコンテナコーナーロックが全て正しくロックされていることを、例外的な遅延なしに確認することは、実際は不可能である。例えば、船長が平均1分で各コンテナコーナーロックのチェックを行った場合(これはかなり楽観的な見通しである)、24時間年中無休で働いて、24000個のコンテナコーナーロックが全てロックされていることを確認するには約17日かかる。代わりに船長は、オペレータの正確さに頼らざるを得ないが、ロックされていない1つのコンテナコーナーロックの存在が、船舶にとっては破壊的なものであるため、非常に危険である。別の方法として、ランダムチェックを行うこともできる。
【0011】
海上環境の過酷な条件により、コンテナコーナーロックは、腐食、汚れ、機械的衝撃、潤滑油/保守の不足等により誤動作する場合がある。このため、また、誤動作するコンテナロックは安全上重大な結果をもたらす可能性があるため、船級協会(船舶および海洋構造物の建造/運転に関する技術基準を確立および維持を行う組織)は、定期的に各コンテナコーナーロックの保守を行うことを船舶所有者に要求している。保険会社も、そのような要件を船舶所有者に課すことが可能である。
【0012】
現在、コンテナコーナーロックの保守スキームが実際に遵守されていることを確認する実用的な方法はない。
【0013】
コンテナを輸送する際の、人、貨物、及び船舶の安全性向上が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、上述の問題の少なくとも一部を解決し、コンテナの輸送中の安全性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1態様によれば、本目的は、第1コンテナが第2コンテナ上に積み重ねられる際に第1コンテナの第1コンテナコーナーキャスティング及び第2コンテナの対応する第2コンテナコーナーキャスティングを固定するためのコンテナコーナーロックにより達成される。コンテナコーナーロックは、第1突出部を備え、第1突出部は、第1コンテナにおける第1コンテナコーナーキャスティングの第1凹部内に挿入されるように構成され、且つ第1突出部を第1凹部内に固定するための第1ロック手段を備える。また、コンテナコーナーロックは、第2突出部も備え、第2突出部は、第2コンテナにおける第2コンテナコーナーキャスティングの第2凹部内に挿入されるように構成され、且つ第2突出部を第2凹部内に固定するための第2ロック手段を備える。コンテナコーナーロックは、さらに電気モータを備え、電気モータは、対応する前記凹部における前記ロック手段のうちの少なくとも1つについて開放位置とロック位置との間の動きを制限又は制限解除するように構成される。さらに、コンテナコーナーロックは、2つの無線送受信機を備え、各無線送受信機は、無線信号を受信/送信するように構成される。コンテナコーナーロックは、処理回路をさらに備え、処理回路は、無線送受信機から信号を受け取り、信号を解釈し、且つ受信した無線信号に従って電気モータを動作させるためのコマンドを生成し、実行された動作を送受信機への確認信号によって確認するように構成される。
【0016】
本発明の第2態様によれば、本目的は、第2コンテナ上に積み重ねられた第1コンテナを固定するためのシステムにより達成される。システムは、第1コンテナと関連付けられた、第1態様に係る1組のコンテナコーナーロックを備える。さらに、システムは、1組のコンテナコーナーロックの各送受信機と無線信号による通信を行うように構成された少なくとも1つの送受信機も備える。システムは、送受信機を介して1組のコンテナコーナーロックから取得した無線信号を情報へと解釈するように構成された処理ユニットも備える。加えて、システムは、1組のコンテナコーナーロックに係る取得情報を格納するように構成されたデータベースも備える。また、システムは、1組のコンテナコーナーロックに係る取得情報をオペレータに出力するように構成された出力ユニットを備える。
【0017】
本発明の第3態様によれば、本目的は、第1コンテナを第2コンテナ上に積み重ね固定する方法により達成される。当該方法は、第1態様に係るコンテナコーナーロックの第1突出部を第1コンテナの下の各コンテナコーナーキャスティングにおける各凹部内に固定するステップを含む。方法は、第1コンテナの下のコンテナコーナーキャスティング内に固定された各コンテナコーナーロックの一意の識別参照情報を取得するステップをさらに含む。加えて、当該方法は、コンテナコーナーロックについて取得された一意の識別参照情報を第1コンテナの一意の識別参照情報と関連付けるステップを含む。さらに、当該方法は、第1コンテナの一意の識別参照情報と関連付けられコンテナコーナーロックについて取得された一意の識別参照情報をデータベースに格納するステップも含む。また、当該方法は、第1コンテナを第2コンテナ上に積み重ねるステップであって、各コンテナコーナーロックの第2突出部は、第2コンテナ上の各コンテナコーナーキャスティングにおける各凹部に挿入される、ステップをさらに含む。当該方法は、各コンテナコーナーロックの電気モータを送受信機によりプロセッサから送られる無線信号を介して遠隔操作することにより、コンテナコーナーロックを第2コンテナ上のコンテナコーナーキャスティング内にロックするステップを追加で含み、又は第2ロック手段がばね付勢自動ロック機構を備える場合、コンテナコーナーロックのコンテナコーナーキャスティングへのロックは、コンテナコーナーキャスティングの各第2突出部を第2コンテナにおける第2コンテナコーナーキャスティングの第2凹部に挿入してばね付勢自動ロック機構を有効にすることにより行われる。
【0018】
開示される態様によれば、遠隔制御電気モータ(これは、ロック手段の少なくとも1つを、対応するコンテナコーナーキャスティングの凹部において開放位置とロック位置との間で再配置するためのものである)を挿入することにより、特定のコンテナに関連付けられたコンテナコーナーロックを、荷積み/荷降ろしの際に遠隔制御することが可能となる。
【0019】
これにより、オペレータが積み重ねられたコンテナを登る必要がある多くの危険で時間のかかる肉体労働が不要となり、コンテナの積み込み/積み降ろしが顕著により速く、安全で、低コストとなる。
【0020】
他の利点及びさらなる新規な機能は、後続の詳細な説明において明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るコンテナ、及びコンテナコーナーキャスティングを示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施形態に係るコンテナコーナーロックを示す図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施形態に係るコンテナコーナーロックの2つの側面図である。
【
図2C】
図2Cは、本発明の実施形態に係るコンテナコーナーロックの断面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の実施形態に係る、第1コンテナが持ち上げられて第2コンテナ上に配置される状況を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の実施形態に係る、第1コンテナが持ち上げられて第2コンテナ上に配置される状況を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の実施形態に係る、第1コンテナが持ち上げられて第2コンテナ上に配置される状況を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るシステムを示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の方法の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書において説明する本発明の実施形態は、コンテナコーナーロック、システム、及び方法として規定され、これらは以下の実施形態において実施され得る。しかしながら、これらの実施形態は、多くの異なる形態で例示及び実施可能であり、本明細書において説明される例に限定されるものではない。むしろ、実施形態の説明のためのこれらの例示は、本開示を網羅的且つ完全なものとするために提供される。
【0023】
添付図面と共に考慮される以下の詳細な説明から、さらに別の目的及び特徴が明らかになる可能性がある。しかしながら、図面は例示のみを目的として作成されており、特許請求の範囲を参照する本明細書で開示されている実施形態に対する制限を規定するために作成されたものではない。さらに、図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、特に明記しない限り、本明細書に記載の構造及び手順を概念的に説明することを単に意図している。
【0024】
図1は、商品を、例えば船又は別の車両で輸送するための、コンテナ101を示している。コンテナ101は、長さ20フィート、40フィート、又は45フィート、幅8フィート、高さ8.6フィート又は9.6フィートの標準化されたISOコンテナとすることができる。
【0025】
他の実施形態において、コンテナ101は、任意の他の寸法を有してもよく、例えば、長さ48フィート又は53フィート、又は長さ10フィート、8フィート、6フィート、4フィート等でもよい。
【0026】
コンテナ101は、積み込み及び積み降ろしがなされ、積み重ねられ、長距離にわたって効率的に輸送され、開かれることなくある輸送モードから他の輸送モード(コンテナ船、鉄道輸送用フラットカー、及びセミトレーラートラック、又は他の類似の船舶)へと移され得る。取り扱いは、クレーン及び/又は特殊なフォークリフトにより行うことができる。コンテナ101には、BIC(国際コンテナ協会)コードとも称されることがある一意の識別コード(ISO6346)をさらに付与することができる。コードは、コンテナ101を一意に識別するために、一意の(チェックディジット付き)シリアル番号、所有者、国コード、サイズ、種類、機器カテゴリ、及び任意の運用記号を含むことができる。
【0027】
複合一貫輸送コンテナ101は、複合一貫輸送のストレスに耐え、コンテナの取り扱いを容易にし、積み重ねを可能にするための、いくつかの重要な構造上の特徴(例えば、コーナーキャスティング110)を有している。
【0028】
コンテナ101の各コーナーには、通常180×180×110mmの標準化されたサイズ(ただし、他の任意の寸法も同様に機能し得る)を有するコーナーキャスティング110が配置される。コーナーキャスティングの寸法及び公差は、ISO1161の規格に記載されている。コーナーキャスティング110は、コンテナ101に嵌装される。コーナーキャスティング110は可動部品を含まなくてもよいが、上面/底面に楕円形の凹部115を有する。凹部115は、好ましくは、扁平な楕円形、又は、丸みを帯びた端部を有する矩形(例えば、長軸が4.9インチ(124.5mm)で2.5インチ(63.5mm)間隔の2つの平坦な側面を有する)である。
【0029】
2つのコンテナの一方を他方の上に留める際に、2つのコンテナを相互に接続するために、コンテナコーナーロックをコーナーキャスティング110の楕円形の凹部115に挿入することができる。コンテナコーナーロックは、
図2Aから
図2Cにおいて、さらに議論及び説明を行う。
【0030】
本発明の一実施形態において、コーナーキャスティング110は、横長楕円形、又は丸みを帯びた端部を有する長方形の孔を1つ以上備えることもでき、当該孔は、2つのコンテナを相互に接続するために用いられる。
【0031】
図2Aは、本発明の一実施形態に係るコンテナコーナーロック200を開示するものである。コンテナコーナーロック200は、遠隔制御される。つまり、コンテナコーナーロック200は、無線通信インターフェースを介して、遠隔でロック又はロック解除することができる。コンテナコーナーロック200は、アンテナ、及び無線送受信機を備える。さらに、コンテナコーナーロック200は、コンテナコーナーロック200のロック機構をロック/ロック解除するように構成された電気モータも備える。上述の動作は、例えば、コンテナコーナーロック200内に配置された、例えばマイクロプロセッサのような処理回路により制御することができる。
【0032】
コンテナコーナーロック200は、鋼鉄、例えば、硬化鋼合金等の鋼鉄で作られてもよく、酸化に耐え、又は少なくとも酸化を防ぐために、好ましくは亜鉛メッキ被膜を備えることができる。
【0033】
コンテナコーナーロック200は、第1コンテナ101のコンテナコーナーキャスティング110aの凹部115aに挿入し、他端において、第2コンテナ102のコンテナコーナーキャスティングの対応する凹部に挿入することができる。これにより、コンテナ101,102を接続し、コンテナ101,102の積み重ねを安定させることができる。
【0034】
図2Bは、コンテナコーナーロック200の概略側面図である。コンテナコーナーロック200は、第1突出部210、及び第2突出部220を備える。第1突出部210は第1ロック手段215を備えることができ、第2突出部220は第2ロック手段225を備えることができる。
【0035】
第1突出部210は、第1コンテナ101における第1コンテナコーナーキャスティング110aの第1凹部115aに挿入されるように構成されている。第1突出部210の第1ロック手段215は、コンテナコーナーロック200の第1突出部210を第1コンテナコーナーキャスティング110aの第1凹部115a内に固定するように構成されている。
【0036】
第2突出部220は、第2コンテナにおける第2コンテナコーナーキャスティングの第2凹部内に挿入されるように構成されている。第2突出部220の第2ロック手段225は、コンテナコーナーロック200の第2突出部220を第2コンテナコーナーキャスティングの第2凹部内に固定するように固定されている。
【0037】
図示した実施形態における第1突出部210の第1ロック手段215は、第1突出部210を第1コンテナコーナーキャスティング110aの第1凹部115a内に固定するための手動ロック用に構成されてもよい。これにより、埠頭又はデッキにおいてコンテナが地面から持ち上げられた際に、港湾作業員が、コンテナコーナーロック200を第1コンテナ101における第1コンテナコーナーキャスティング110aの凹部115a内に容易に固定することができる。
【0038】
港湾労働者、ドック人足等とも称される港湾作業員は、船の荷積み及び荷降ろしに携わる、埠頭における肉体労働者である。
【0039】
第2ロック手段225は、コンテナコーナーロック200の第2突出部220が第2コンテナにおける第2コンテナコーナーキャスティング120aの第2凹部125a内に挿入された際に、第2突出部220を第2コンテナコーナーキャスティング120a内に固定するためのばね式機構を備える。本発明の2つの異なる実施形態において、ばね式機構は、自動ロック式、又は非自動ロック式とすることができる。いくつかの実施形態において、ばね式機構は、送受信機を介してプロセッサ/クレーン制御ユニットから送信される無線信号によって各コンテナコーナーロック200の電気モータを遠隔で操作することにより、ロックすることができる。
【0040】
本発明の好適な実施形態において、第2ロック手段225がロック位置に設定されると、ロックピン等(不図示)が回転し、これによりコンテナコーナーロック200がコンテナコーナーキャスティング120a内に固定される。従って、ロックピンの回転位置は、第2ロック手段225が開放位置又はロック位置に設定されているかどうかを示す。ロックピンが回転して第2ロック手段225が開放位置に設定されると、第2ロック手段225が動いて開放可能となり、それ以外の場合には、ロックピンは第2ロック手段225の動きを制限する。
【0041】
図2Cは、本発明の別の実施形態に係るコンテナコーナーロック200の概念断面図を開示するものである。
【0042】
コンテナコーナーロック200は、電気モータ230を備える。いくつかの実施形態において、電気モータ230は、ロック手段215,225のうちの少なくとも1つを、対応する凹部115a,120a内において開放位置とロック位置との間で転換するように構成され得る。好適な実施形態において、電気モータ230は、第2ロック手段225をロック位置から開放位置へと、及び/又はその逆に転換するように構成され得る。コンテナコーナーロック200はロックピン235を備えてもよく、そのような場合、好ましくは、電気モータ230は、例えば回転により、ロックピン235の位置を転換させることができ、これにより、ロック手段215,225を、それぞれ対応する凹部115a,120a内において開放位置及び/又はロック位置に設定することができる。電気モータは、直流モータ230とすることができる。
【0043】
本発明の別の実施形態において、第2ロック手段225がロック位置に設定される際には、ロックピン235が電気モータ230により回転され、これにより、コンテナコーナーロック200をコンテナコーナーキャスティング120a内に固定することができる。そして、いくつかの実施形態において、ロックピン235が回転して第2ロック手段225が開放位置に設定されると、第2ロック手段225が動いて開放可能となり、それ以外の場合には、ロックピン235は第2ロック手段225の動きを制限する。
【0044】
加えて、本発明に係るコンテナコーナーロック200は、無線送受信機240を備える。無線送受信機240は、(例えば、クレーン内の)遠隔送受信機からの無線信号を受信するように構成することができる。
【0045】
無線通信は、例えば、ZigBee(標準IEEE802.15.4)、Z-wave、又はWi-Fi、Bluetooth(登録商標)等のその他の無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)といった無線アクセス技術を含む、又は少なくとも当該無線アクセス技術に着想を得た無線インターフェースを介して行われ得る。ただし、いくつかの実施形態においては、他の無線通信を介して行われ、例を挙げると、3GPP LTE、LTE-Advanced、E-UTRAN、UMTS、GSM(登録商標)、GSM/EDGE、WCDMA(登録商標)、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)ネットワーク、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、又はUMB(Ultra Mobile Broadband)、高速パケットアクセス(HSPA)、E-UTRA(Evolved UniversalTerrestrial Radio Access)、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)、GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)、3GPP2 CDMA技術(例えば、CDMA2000 1x RTT、及びHRPD(High Rate Packet Data)等)といった選択肢がある。
【0046】
輸送船は通常、国際及び/又はグローバルな領域で活動するため、現状況において使用可能な無線周波数に係り異なる法律が異なる規制を適用している。従って、全て又は少なくともほとんどの法律において自由に使用可能な無線通信(例えば、13.56MHz(NFCの場合)、2400-2483.5MHz、及び/又は5725-5875MHz)を使用することが好適である。通常、このような周波数における最大許可送信電力は、個々の国によって制限されており、例えば、10mW又は25mWである。
【0047】
コンテナコーナーロック200のエネルギー源の電池寿命を消耗させないために、そして、無線送受信機240がクレーン内の送受信機に無線信号を送信するようにも構成されている実施形態において干渉を最小限に抑えるために、限られた影響のもとで無線信号を送信することが好適である。コンテナロックの送信機の電力は、好ましくは10mW以下、より好ましくは5mw以下、最も好ましくは2.8mW以下に制限され、これは、10~50mの範囲においては十分な電力である。
【0048】
コンテナコーナーロック200は第2無線送受信機又は応答機を備え、これは、短距離無線送受信機又は応答機250である。短距離無線送受信機又は応答機250は、コンテナコーナーロック200の一意の識別参照情報を、要求に応じて短距離無線端末に提供するように構成される。このような短距離端末は、コンテナロックの近くでオペレータが携帯することができる。これにより、港湾作業員等は、コンテナコーナーロック200をコンテナ101に取り付ける際に、コンテナコーナーロック200の識別を行うことができる。
【0049】
短距離無線端末は、コンテナコーナーロック200の短距離無線送受信機又は応答機250と、短距離無線通信インターフェースを介して通信することができる。短距離無線通信インターフェースとしては、例えば、近距離無線通信(NFC)(標準IEEE 802.15.4に準拠した13.56 MHz)、又はWi-Fi、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、Bluetooth(BT)(登録商標)、無線周波数個体識別(RFID)、Z-wave、ZigBee、低消費電力無線パーソナルエリアネットワーク上のIPv6(6LoWPAN)、無線HART(Highway Addressable Remote Transducer)プロトコル、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)等の他の無線パーソナルエリアネットワーク(WPANs)が挙げられる。代わりに、又はこれに加えて、赤外線データ協会によるIrDA又は赤外線送信等の光通信が挙げられるが、本発明の一部の実施形態においては、無線通信のうち可能ないくつかが使用され得る。
【0050】
いくつかの別の実施形態において、コンテナコーナーロック200の短距離無線送受信機又は応答機は、コンテナコーナーロック200の一意の識別参照情報を含むNFCタグを備えることができ、短距離無線端末は、NFCリーダーを備えることができる。このようなNFCタグは、アクティブでもパッシブでもよい。
【0051】
パッシブモードの場合、イニシエータとしてのNFCリーダーが、キャリアフィールドを提供し、NFCタグが既存のフィールドを変調することで応答する。このモードにおいて、NFCタグは、その動作電力をイニシエータが提供する電磁場から引き出し、これにより、NFCタグが応答機となる。
【0052】
アクティブモードの場合、NFCタグ及びNFCリーダーの両方が、独自のフィールドを交互に生成して通信する。装置は、データを待っている間、無線周波数フィールドを非アクティブにする。このモードにおいては、通常両方の装置に電源がある。バーコードとは異なり、NFCタグはリーダーから見える範囲にある必要はないため、コンテナコーナーロック200の中に埋め込むことができる。
【0053】
加えて、各コンテナコーナーロック200の識別は、欧州物品番号(EAN)のような線形バーコード等のバーコード、又は、例えばクイックレスポンス(QR)コードのようなマトリックスコードを短距離無線端末のバーコードリーダーと組み合わせて行ってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、コンテナコーナーロック200の一意の識別参照情報は、コンテナコーナーロック200が備えるプロセッサのメディアアクセス制御(MAC)アドレス又は中央処理装置(CPU)シリアル番号を含むことができる。いくつかの実施形態において、コンテナコーナーロック200の一意の識別参照情報は、コンテナコーナーロック200のメモリに格納された非反復性の乱数または製造番号であってもよい。
【0055】
代わりに、又はこれに加えて、コンテナコーナーロック200は、外側に書き込まれた一意の識別情報を有してもよく、短距離無線端末は、コンテナコーナーロック200の一意の識別コードを検知及び解釈するためのカメラ及び画像認識プログラムを備えることができる。
【0056】
相互に近接した多数の装置が同様の周波数で送信を行っている場合、信号間の干渉のリスクがある。強い信号は弱い信号を消し去るため、例えば、コーナーロックから携帯端末又はクレーンへの相対的に弱い信号については、受信機から信号を正しく受信した旨の確認を送信ユニットが受信するまで再送信を行う必要がある。信号の再送信を行うと、ユニットのバッテリ寿命が短くなる。
【0057】
短距離無線送受信機又は応答機250を用いることにより、無線信号の混同及びこれにより異なるコンテナコーナーロック200を相互に混同するリスクが最小限に抑えられ、又は排除される。また、短距離における送信に要する電力は小さく、これによりバッテリの寿命が伸び、干渉が低減されることにより、干渉信号に起因する再送信の回数が減り、バッテリの寿命が伸びる。
【0058】
従って、異なるコンテナコーナーロック200の識別を混同しないように、5cm以上、好ましくは0.5メートル以下、より好ましくは0.2メートル以下、さらに好ましくは10cm以下の非常に短距離において、短距離無線送受信機又は応答機250を用いることが好適である。これにより、コンテナコーナーロック200内のエネルギー源であるバッテリ寿命が伸びる。
【0059】
第1送受信機240は、10mから50mのオーダーの第1距離範囲を有する第1無線信号周波数においてクレーン/スプレッダ/オペレータと通信するためのものであり、第2短距離送受信機又は応答機は、第2距離範囲(これは、第1送受信機240の第1距離範囲よりもはるかに短い)を有する第2無線信号周波数において港湾作業員又は同様のオペレータの短距離無線端末と通信するためのものである。
【0060】
さらに、コンテナコーナーロック200は、処理回路260を備える。処理回路260は、無線送受信機240から信号を受信し、信号を解釈し、受信した信号に従って電気モータ230を受信した無線信号に従って作動させるためのコマンドを生成するように構成することができる。処理回路260は、短距離無線送受信機又は応答機250から信号を受信するように構成することもできる。
【0061】
このような処理回路260は、プロセッサの1つ以上のインスタンス、すなわち、中央処理装置(CPU)、処理装置、処理回路、プロセッサ、特定用途向けの集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、又は命令を解釈及び実行可能なその他の処理ロジックを備えることができる。従って、本明細書において使用される表現「プロセッサ」は、例えば、上述の列挙されたものの一部又は全てからなる複数の処理回路を備える処理回路を表してもよい。
【0062】
また、いくつかの実施形態によれば、コンテナコーナーロック200は、メモリ270を備えることができる。メモリ270は、コンテナコーナーロック200の一意の識別参照情報を格納するように構成することができる。一意の識別参照情報により、コンテナコーナーロック200を識別し、コンテナコーナーロック200をそれが挿入されるコンテナと関連付けることができる。メモリ270及び/又はデータベースに、コンテナコーナーロック200に対して最後に点検が行われた時期に関する情報を格納することも可能となる。また、バッテリ電圧、温度等のステータスに関連するデータ、及びコンテナが開かれた回数、ソフトウェアのバージョン、バッテリの予想残り寿命等の統計データも格納可能である。
【0063】
いくつかの実施形態におけるメモリ270は、一時的または永続的にデータまたはプログラム、すなわち命令のシーケンスを格納するために用いる物理デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態によれば、メモリ270は、シリコンベースのトランジスタを含む集積回路を備えることができる。メモリ270は、例えば、メモリカード、フラッシュメモリ、USBメモリ、ハードディスクを備えることができ、異なる実施形態においては、ROM(読み取り専用メモリ)、PROM(プログラム可能読み取り専用メモリ)、EPROM(消去可能PROM)、EEPROM(電気的消去可能PROM)等の他の同様の揮発性または不揮発性のストレージユニットを備えることができる。
【0064】
さらに、コンテナコーナーロック200は、センサ280も備えることができる。センサ280は、ロック手段215,225の少なくとも一方について、対応する凹部115a,120a内において開放位置又はロック位置にあるかどうかを判定するように構成することができる。センサ280は、例えば、光源、及びフォトセル、ボロメータ、位置センサ、容量性変位センサ等を備える。センサ280は、コンテナコーナーロック200のロックピンが開放位置又はロック位置に設定されているかどうか(及び/又はロックピンが開放又はロックされていない未確定状態にあるかどうか)を判定することができる。
【0065】
また、コンテナコーナーロック200は、電源290を備えることができる。電源290は、電気モータ230、無線受信機240、処理回路260、メモリ270、短距離無線送受信機250又は応答機、及び/又は異なる実施形態に係るセンサ280に電力を供給するように構成することができる。電源290は、通常、バッテリ又はバッテリセットを備えることができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、電源290は、高温及び低温に耐え、漏電が最小限に抑えられ、且つ電子機器、送受信機240,250を介した無線通信、及び電気モータ230を作動させるうえで十分な電力を有する電池を備えることができる。バッテリは、塩化チオニルリチウム(Li-SOCl2)タイプ、又は二酸化硫黄リチウム(Li-SO2)、二酸化マンガンリチウム(Li-MnO2)等の他のタイプの長寿命バッテリとしてもよい。
【0067】
図3A,
図3B,及び
図3Cは、クレーン300を用いて第1コンテナ101を第2コンテナ102上に配置する際のワークフローシーケンスの概略図である。この例においては、1つのコンテナ101のみがクレーン300により第2コンテナ102上に持ち上げられる。しかし、他の実施形態においては、積み上げられてコンテナコーナーロック200により接合された複数のコンテナ101,102を同時に持ち上げることができる。
【0068】
第1コンテナ101がクレーン300によって持ち上げられると、港湾作業員は、第1コンテナ101の下の各コーナーキャスティングにコンテナコーナーロック200を挿入し固定することができる。港湾作業員は、各コンテナコーナーロック200を短距離無線端末310に登録することができる。このプロセスの間に、コンテナコーナーロック200をスリープモードからスタンバイモードに起動することができ、これにより無線信号を受信する準備が整う。
【0069】
港湾作業員は、短距離無線端末310を介して識別結果をクレーン制御ユニット420/プロセッサユニット330に関連付けることができる。短距離無線端末310とクレーン制御ユニット420との間の通信は、例えば、上述の列挙された無線通信インターフェースのいずれかを介して行うことができる。しかし、いくつかの実施形態においては、代わりに、有線通信インターフェースを介して通信を行うことができる。
【0070】
いくつかの実施形態において、クレーン制御ユニット420は、プロセッサユニット330、データベース340、及び出力装置350を備えることができる。
【0071】
次に、クレーン300のオペレータは、第1コンテナ101を持ち上げて、第2コンテナ102(これは、船上に配置することができる)に配置することができる。
【0072】
クレーン300、又はクレーン300のスプレッダ305は、送受信機セット320a,320b,320c,320dを備えることができる。送受信機320a,320b,320c,320dは、スプレッダ制御ユニットと称される場合がある。送受信機320a,320b,320c,320dは、クレーン300のアプリケーションとクレーン制御ユニット420/プロセッサユニット330との間の通信手段を含む第1部分を備えることができる。通信は、有線又は無線通信インターフェースを介して行うことができる。
【0073】
このような無線通信インターフェースは、例えば、900MHz、又は対応する無線信号スペクトル(これは、ローカルで許可されている無線周波数に依存する)の無線通信、又は上述の列挙された無線通信インターフェースのいずれかを備える。従って、いくつかの実施形態において、第1部分は、無線モデム、バッテリ等のエネルギー源、及び外部アンテナを備えてもよい。しかし、有線通信インターフェースを介して通信が行われる実施形態においては、無線モデムとアンテナは不要である。また、いくつかの実施形態においては、クレーン300から提供される交流電力をエネルギー源として使用することができる。
【0074】
送受信機320a,320b,320c,320dの第2部分は、コンテナロック200と送受信機320a,320b,320c,320dとの間の通信手段を備えてもよい。送受信機320a,320b,320c,320dと各コンテナコーナーロック200との間の通信は、例えば、2.4GHzの無線通信インターフェースにより行うことができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、各送受信機320a,320b,320c,320dは、信頼性を高めるために、複数のコンテナコーナーロック200と通信を行ってもよい。
【0076】
記録係は、通信インターフェースを介して、4つのコンテナコーナーロック200のうちのどれが港湾作業員/短距離無線端末310によって登録されたのかを尋ねることができる。続いて、これらの4つのコンテナコーナーロック200を、第1コンテナ101の一意の識別コードに関連付けることができる。記録係は、船に積み込む全てのコンテナ101,102について積載スケジュールを得ることができる。記録係は、第1コンテナ101に書き込まれた一意の識別コードが積載スケジュールのコードに対応することを、さらに視覚的に検証することができる。
【0077】
次に、クレーン300のオペレータは、第1コンテナ101の底部の4つのコーナーキャスティングに固定された4つのコンテナコーナーロック200を第2コンテナ102の上部の4つのコンテナコーナーキャスティング120a,120b,120c,120dに挿入することにより、第1コンテナ101を第2コンテナ102の上に配置することができる。
【0078】
次に、記録係は、無線通信インターフェースを介してコマンドを送り、4つのコンテナコーナーロック200をロックする。4つのロック200が全て正常にロックされたことが確認されると、記録係は積載スケジュールにおいて第1コンテナが積み込み済みである旨の印をつける。
【0079】
セキュリティを高めるために、コンテナコーナーロック200は、記録係/オペレータから無線通信インターフェースを介してコマンドを受信した場合にのみロック/ロック解除され、他の方法では(例えば、コンテナコーナーロック200間での相互の無線信号の送信が可能となることにより)ロック/ロック解除されないことが好ましい。従って、セキュリティ強化のために、各コンテナコーナーロック200は、他のコンテナコーナーロック200との通信が無効になっており、又は記録係/オペレータによって開始されたものではないあらゆる種類の動作を実行できないようになっている。
【0080】
ここで、いくつかの実施形態において、関係するオペレータ、すなわち記録係、クレーンオペレータ、及び港湾作業員は、より多くのオペレータを含んでもより少ないオペレータを含んでもよく、物理的な人間ではなく論理的なエンティティと見なしてもよい。記録係の任務は、例えば、クレーンのオペレータ等によって実行されてもよい。さらに、上述のオペレータのいずれか、一部、又は全ては、人間又は自律的な人工知能であってもよい。一例として、光学式文字認識(OCR)スキャンを使用して、コンテナ101,102のコードを識別することができる。その後、アプリケーションは、識別された4つのコンテナロック200(各識別情報は、短距離端末310から受信される)を対応するコンテナコードと結びつけることができる。
【0081】
上述のプロセスを、全てのコンテナ101,102が船上に積み込まれるまで繰り返すことができる。
【0082】
全てのコンテナ101,102が船に積み込まれると、コンテナコーナーロック200とコンテナ101,102との間で行われた全ての関連付けを含む積載スケジュールは、「バプリー(Baplie)」と称され得るファイルにロードすることができる。このファイルは、船の航路上の次の港に提供することができる。
【0083】
バプリーメッセージは、海運業界で頻繁に使用されるEDIFACTメッセージである。これは、様々な関係者によって、また関係者間で、海上船の積荷の正確な積み込み位置を通知するために用いられており、現在は、主にコンテナ貨物に使用されている。コンテナ番号及び船内における正確な位置に加えて、コンテナに関する一般情報(重量、危険貨物クラス等)も記述される。
【0084】
図4は、実施形態に係る、第2コンテナ102上に積み重ねられた第1コンテナ101を固定するためのシステム400の例を示している。
【0085】
システム400は、第1コンテナ101と関連付けられた1組のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを備えることができる。
【0086】
システム400は、短距離無線端末310をさらに備えることができる。短距離無線端末310は、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200d内の短距離無線送受信機又は応答機250から短距離無線信号を受信して各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの識別情報を決定するために、港湾作業員により使用される。次に、港湾作業員は、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの決定された識別参照情報を、場合により埠頭制御ユニット410を用いて、有線又は無線通信インターフェースを介してクレーン制御ユニット420に送信することができる。いくつかの実施形態において、埠頭制御ユニット410及びクレーン制御ユニット420は、900MHz無線リンクを介して通信し得る。
【0087】
クレーン制御ユニット420は、コンテナ101,102の積み込み/積み降ろし及びロック/ロック解除のプロセス操作を監督する記録係によって制御することができる。クレーン制御ユニット420は、プロセッサ330、データベース340、及び出力装置350を備えることができる。データベース340は、一組のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dに関連する取得情報を格納するように構成される。出力ユニット350は、一組のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dに関連する情報を、記録係又はクレーン300のオペレータといった他のオペレータに出力するように構成することができる。出力ユニット350は、ディスプレイ、ラップトップ、コンピュータタブレット、プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、オペレータのポータブルデバイス、オペレータのインテリジェントグラス等を備えてもよい。クレーン制御ユニット420は、固定又はポータブルコンピュータ又は同様の装置とすることができる。
【0088】
また、システム400は、少なくとも1つの送受信機320a,320b,320c,320dを備え、送受信機320a,320b,320c,320dは、1組のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの各送受信機240と無線信号の通信を行うように構成される。
【0089】
クレーン制御ユニット420/処理ユニット330は、送受信機320a,320b,320c,320dを介して1組のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dから得た無線信号を情報へと解釈するように構成される。
【0090】
目的地の港に到着し、コンテナ101,102を船舶から埠頭に降ろす際に、いくつかの実施形態では以下の方法論を適用することができる。
【0091】
コンテナ/コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの関連付けを含む積載スケジュールは、例えば、バプリーファイルから抽出することができる。記録係は、積載スケジュールに従ってクレーン300のオペレータが持ち上げる特定のコンテナ101を示すことができる。クレーンのオペレータは、コンテナ101をつかんで持ち上げることができる。
【0092】
記録係は、クレーン制御ユニット420を介して、以前に示した第1コンテナ101に関連付けられた4つのコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dのロックを解除するコマンドを提供することができる。いくつかの実施形態においては、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dがロック解除されているという確認を取得することができる。次に、記録係は、クレーンのオペレータに、視覚信号、可聴信号、触覚信号、及び/又はこれらの組み合わせにより、第1コンテナ101を持ち上げる準備ができていることを通知することができる。例えば、ダイオード又はライトを赤から緑に変化させることができる。
【0093】
いくつかの他の実施形態において、ロック及びロック解除コマンドは、クレーン300のスプレッダ305がコンテナ101をつかんで持ち上げた際に、自動的にクレーン制御ユニット420/プロセッサ330から4つのコンテナコーナーロック200a,200b等へ送ることができる。これは、クレーン制御ユニット420/制御ユニット330及びクレーン操作システムの論理インターフェースを含んでもよい。
【0094】
その後、クレーンのオペレータは、第1コンテナを船舶から埠頭まで持ち上げることができる。港湾作業員は、コンテナ101が埠頭の上方の空中にまだ保持されている間に、第1コンテナ101の下の4つのコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを取り外すことができる。第1コンテナ101が予想される正しい位置に配置されると、記録係は、出力ユニット350/クレーン制御ユニット420内において印をつけることにより、第1コンテナ101を埠頭に降ろしたものとして記録することができる。
【0095】
第1コンテナ101に関連付けられたコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dは、第1コンテナ101との関連付けを解除し、その後スリープモードにすることができる。コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dをスリープモードにすることにより、各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの電源290のバッテリ寿命が延びるという利点がある。また、アクティブに使用されていないコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dをスリープモードにすることにより、船舶のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200d間の信号干渉のリスクが低減される。
【0096】
いくつかの実施形態では、例えば、バッテリ残量が閾値を下回る等、欠陥を有するとみなされるコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを、さらなる点検と保守のために別に除けておくことができる。これにより、欠陥を有するコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの使用を回避し、事故が低減される。
【0097】
いくつかの実施形態において、取り外されたコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dは、保守および点検のために検査を行うことができる。各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dのメモリ270内を、又は一組のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dに関連する取得情報(例えば、各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dについて行われた前回の点検について)を格納するように構成されたデータベース340内を、チェックすることができる。点検の実行に係る最小閾値時間、例えば、2年、3年、4年、5年、7年等(又はその部分集合/重複)との比較を行うことができ、所定の最小閾値時間を超えるコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dは、点検及び保守のために別に除けておくことができる。承認された他のコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dは、例えば、別のコンテナ/船舶上に再利用することができる。
【0098】
これにより、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの点検及び保守は、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dが別の目的地/船会社から到着した場合にも、定期的に、又は所定の時間間隔以内で確実に実行される。これにより、セキュリティが強化される。
【0099】
開示されたシステム400は、船舶に搭載された設備、機器又は人員が必要ないことが利点である。全ての設備及び人員が埠頭で作業を行っており、これは安全性の面において重要である。荷積み/荷降ろしの経験がある埠頭の同じ人員が、言語/文化による誤解や船上の人員との対立に起因する相互作用や潜在的問題なしに、荷積みを全て行うことができるからである。
【0100】
図5は、実施形態に係る方法500の例を示している。
図5のフローチャートは、第2コンテナ102上に第1コンテナ101を積み重ねて固定するための方法500を示している。コンテナ101,102は、埠頭から船舶へ、又はその逆に搬送することができる。
【0101】
コンテナを正しく積み重ねて固定可能とするために、方法500はいくつかのステップ501-511を含むことができる。ただし、これらのステップ501-511の一部は、番号が示唆するものとはやや異なる順番で実行され得る。例えばいくつかの実施形態において、ステップ502は、ステップ501の前に実行され得る。方法500の一部のステップ、例えば、方法ステップ507-511は、別のいくつかの実施形態においてのみ実行され得る。方法500は、以下のステップを含むことができる。
【0102】
ステップ501は、前述のように、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの第1突出部210を、第1コンテナ101の下の各コンテナコーナーキャスティング110a,110b,110c,110dの各凹部115aに固定するステップを含む。
【0103】
各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの各第1突出部210は、第1突出部210を第1凹部115a内に固定するための手動ロック用に構成された第1ロック手段215を備えることができる。
【0104】
これにより、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dは、第1コンテナ101がクレーン300により持ち上げられた際に、埠頭の港湾作業員によって、対応するコンテナコーナーキャスティング110a,110b,110c,110dに配置され、手動でロックすることができる
【0105】
ステップ502は、第1コンテナ101の下のコンテナコーナーキャスティング110a,110b,110c,110dに固定された各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの一意の識別参照情報を取得するステップを含む。
【0106】
いくつかの実施形態において、一意の識別参照情報を取得するステップは、無線通信インターフェースを介してコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを起動するステップを含むことができる。
【0107】
コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dをパッシブスリープモードにすることにより、エネルギーが節約され、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dのそれぞれのエネルギー源の寿命が延びる。コンテナコーナーロックを起動させることにより、エネルギーは必要なときにのみ使用される。
【0108】
ステップ503は、502においてコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dについて取得された一意の識別参照情報を、第1コンテナ101の一意の識別参照情報と関連付けるステップを含む。
【0109】
これにより、どのコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dがどのコンテナ101,102に挿入されているかを確認することができる。これにより、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを相互に混同するリスクが低減または最小化される。
【0110】
ステップ504は、データベース340に、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dについて502において取得され、且つ第1コンテナ101の一意の識別参照情報と503において関連付けられた一意の識別参照情報を格納するステップを含む。
【0111】
502において取得され且つ503において第1コンテナ101の一意の識別参照情報と関連付けられた、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの一意の識別参照情報を、データベース340に格納することにより、目的地に到着した際にオペレータがコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを開放して第1コンテナ101を積み下ろすことができる。
【0112】
積み降ろし対象のコンテナ101,102に関連付けられたコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dのみをロック解除し、他のコンテナコーナーロックはロック解除しないことが重要であり、さもないと、重大な事故が発生する可能性がある。データベース内のコンテナの識別情報に関連付けられたコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの識別情報を通知して格納することにより、このリスクが除去されるか、少なくとも最小限に抑えられる。
【0113】
ステップ505は、第1コンテナ101を第2コンテナ102の上に積み重ねるステップを含み、各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの第2突出部220は、第2コンテナ102の上部にある各コンテナコーナーキャスティング120a,120b,120c,120dの各凹部125aに挿入される。
【0114】
ステップ506は、各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの電動モータ230をオペレータにより送受信機320a,320b,320c,320dを介してプロセッサ330から送られる無線信号を用いて遠隔操作することで、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを第2コンテナ102の上部のコンテナコーナーキャスティング120a,120b,120c,120d内にロックするステップを含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、第2ロック手段225はばね式機構を備え、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dのコンテナコーナーキャスティング120a,120b,120c,120dへのロックを、第2コンテナ102における第2コンテナコーナーキャスティング120aの第2凹部125a内にコンテナコーナーキャスティング120a,120b,120c,120dの各第2突出部220を挿入することにより行うことができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、第2ロック手段225は、自動ロック式のばね式機構を備えてもよい。
【0117】
その後、各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの各電気モータ230は、オペレータから無線で送信されたコマンドに応じて、ロックピン235に作用して第2ロック手段225をロック位置に設定する。
【0118】
別のいくつかの実施形態においてのみ実行され得るステップ507は、各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの状態を決定するステップを含むことができる。
【0119】
各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの状態は、各センサ280によって決定されてもよい。センサ280は、ロック手段215,225の少なくとも1つが、各コンテナコーナーキャスティング110a,110b,110c,110d,120a,120b,120c,120dの対応する凹部115a,125aにおいて開位置又はロック位置にあるかどうかを決定するように構成される。
【0120】
これにより、故障したコンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dを見つけて交換し、事故を回避することができる。
【0121】
ステップ507が実行されたいくつかの実施形態においてのみ実行され得るステップ508は、507において決定された状態(これは、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの一意の識別参照情報に関連付けられている)を無線信号により送信するステップを含むことができる。
【0122】
いくつかの実施形態でのみ実行され得るステップ509は、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの各無線受信機240を一定期間停止するためのスリープ機能を適用するステップを含むことができる。
【0123】
コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dをスリープ状態にし、それによりアクティブモードとスリープモードとを切り替えることにより、電源290のバッテリ容量が節約され、バッテリ寿命が延びる。
【0124】
いくつかの実施形態でのみ実行され得るステップ510は、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dのメモリ270に、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの点検/保守が実行された期間に対する時間基準を格納するステップを含むことができる。
【0125】
また、点検/保守に関連する他の情報、例えば、点検がどこで誰によって実行されたか等を、各メモリ270に格納してもよい。
【0126】
いくつかの実施形態でのみ実行され得るステップ511は、第1コンテナ101の一意の識別参照情報に関連付けられた、コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの一意の識別参照情報に関する情報を出力するステップを含むことができる。
【0127】
いくつかの実施形態において、出力情報には、507において決定された各コンテナコーナーロック200a,200b,200c,200dの状態が含まれる。
【0128】
情報は、オペレータに対して出力ユニット350上で出力することができる。
【0129】
添付図面に示された実施形態に関する説明で使用される用語は、上記の方法500、コンテナコーナーロック200、及び/又はシステム400を限定することを意図するものではない。添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の実施形態から逸脱しない範囲で、様々な変更、置換、及び/又は変更が可能である。
【0130】
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、列挙された関連事項の1つ以上の任意且つ全ての組み合わせを含む。本明細書で使用される「又は」という用語は、数学上のORとして、すなわち、包括的な選言肢として解釈されるものであり、特に明記しない限り、数学上の排他的OR(XOR)ではない。さらに、単数形(英語明細書における「a」、「an」、及び「the」)は、「少なくとも1つ」と解釈され、明記しない限り、同じ種類の複数のエンティティを含み得る。さらに、「含まれる」、「含む」、「備える」及び/又は「備えている」という用語は、記載された特徴、動作、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は部品の存在を特定するものであり、1つ以上の他の特徴、動作、整数、ステップ、操作、要素、部品、及び/又はこれらの組み合わせの存在または追加を排除するものではない。例えば、単一ユニットであるプロセッサは、特許請求の範囲に列挙されているいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実のみによって、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に、又はその一部として提供される光学式記憶媒体又はソリッドステート媒体等の適切な媒体上で格納/配布可能であるが、インターネット又は他の有線・無線通信システムを介した他の形式により配布することも可能である。