IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オレンジの特許一覧

特許7254393情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
<>
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図1
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図2
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図3
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図4
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図5
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図6
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図7
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図8
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図9
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図10
  • 特許-情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0483 20130101AFI20230403BHJP
【FI】
G06F3/0483
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022161837
(22)【出願日】2022-10-06
【審査請求日】2022-10-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522307513
【氏名又は名称】株式会社オレンジ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宇垣 承宏
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-242852(JP,A)
【文献】特開2010-205252(JP,A)
【文献】特開2001-195412(JP,A)
【文献】特開2013-254464(JP,A)
【文献】特開2011-242848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0483
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段、
前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記画面に表示させる手段、
として機能させ
前記第1電子書籍および前記第2電子書籍を含む複数の電子書籍が順序付けられており、
前記複数の電子書籍の各々は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記複数の電子書籍の各々に対応する表紙画像は、当該電子書籍の複数のページ画像の先頭に相当し、
前記コンピュータを、前記複数の電子書籍のいずれかである対象書籍のいずれかのページ画像である対象ページ画像が前記画面に表示されている状態で、当該対象書籍から第1所定数先の電子書籍までの各電子書籍に対応する表紙画像から第2所定数先のページ画像をメモリにロードする第1ロード処理を行う手段、として機能させる、
プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記第1ロード処理の完了後に、前記対象書籍の複数のページ画像のうち特定の順番のページ画像が前記画面に表示されたことに応じて、当該対象書籍のうち前記特定の順番以降の全てのページ画像の前記メモリへのロードを開始する手段、として機能させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記第1ロード処理の完了後に、前記対象ページ画像が前記画面に表示されている状態で、前記対象ページ画像から第3所定数先のページ画像までの各ページ画像を前記メモリにロードする第2ロード処理を行う手段、
前記第2ロード処理の実行中に前記第2パターンの操作を受け付けたことに応じて、前記第2ロード処理を中止する手段、
として機能させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記第1ロード処理の完了後に、前記対象ページ画像が前記画面に表示されている状態で、前記対象ページ画像から第3所定数先のページ画像までの各ページ画像を前記メモリにロードする第2ロード処理を行う手段、
前記第2ロード処理の完了後に、前記対象ページ画像が前記画面に表示されている状態で、前記対象書籍から前記第1所定数先の電子書籍までの各電子書籍のうち、前記第1ロード処理によってロードされた最後のページ画像の次のページ画像から第4所定数先のページ画像までの各ページ画像を前記メモリにロードする第3ロード処理を行う手段、
として機能させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段、
前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記画面に表示させる手段、
として機能させ
上下方向のスワイプ操作またはフリック操作の少なくとも1つが、前記第1パターンの操作として割り当てられ、
前記第1電子書籍は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段は、左右見開きページを構成するページ画像間の切り替え時には、前記第1パターンの操作に応じてページ画像が左右方向に動くように前記画面の表示を制御し、左右見開きページを構成しないページ画像を含むページ画像間の切り替え時には、前記第1パターンの操作に応じてページ画像が上下方向に動くように前記画面の表示を制御する、
プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段、
前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記画面に表示させる手段、
として機能させ
前記第2表紙画像を前記画面に表示させる手段は、前記第2パターンの操作を受け付けると、ユーザ指示を受け付けるオブジェクトを前記第2表紙画像とともに当該画面に表示させ、
前記コンピュータを、前記ユーザ指示を受け付けるオブジェクトが前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該オブジェクトを当該画面から取り除く手段、として機能させる、
プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、前記第1パターンの操作および前記第2パターンの操作とは異なる第3パターンの操作の受け付けに応じて、前記ユーザ指示を受け付けるオブジェクトを前記画面に表示させ、または表示中の当該オブジェクトを当該画面から取り除く手段、として機能させる、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2表紙画像を前記画面に表示させる手段は、前記第1表紙画像、または前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第2パターンの操作を受け付けると、前記第2表紙画像を当該画面に表示させる、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2表紙画像を前記画面に表示させる手段は、前記第2パターンの操作を受け付けると、操作量が閾値に達するまで、前記第2パターンの操作の受け付け前に表示していた画像の一部と、前記第2表紙画像の一部とを前記画面に表示し、当該操作量が閾値に達すると前記第2パターンの操作の受け付け前に表示していた画像の表示を終了し、かつ前記第2表紙画像の全体を前記画面に表示させる、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2表紙画像を前記画面に表示させる手段は、前記第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍の表紙画像または前記第1電子書籍を構成する一部分の表示を終了し、かつ前記第2表紙画像の全体を前記画面に表示させる、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1電子書籍は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記第1表紙画像は、前記複数のページ画像の先頭に相当し、
前記第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段は、
前記複数のページ画像の1つである第1ページ画像が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作のうち第1方向に関連付けられる操作を受け付けると、前記複数のページ画像のうち前記第1ページ画像よりも1つ後の第2ページ画像を当該画面に表示させ、
前記第1ページ画像が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作のうち前記第1方向とは逆の第2方向に関連付けられる操作を受け付けると、前記複数のページ画像のうち前記第1ページ画像よりも1つ前の第3ページ画像を当該画面に表示させる、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、前記第1表紙画像が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作のうち前記第2方向に関連付けられる操作を受け付けると、前記第1電子書籍に対応するコンテンツを当該画面に表示させる手段、として機能させる、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
上下方向のスワイプ操作またはフリック操作の少なくとも1つが、前記第1パターンの操作および前記第2パターンの操作のうち一方として割り当てられ、
左右方向のスワイプ操作またはフリック操作の少なくとも1つが、前記第1パターンの操作および前記第2パターンの操作のうち他方として割り当てられる、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、前記画面に付加情報を表示させる手段、として機能させる、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項15】
前記付加情報は、ユーザが前記第1電子書籍を前回閲覧した時に最後に表示された位置付近にジャンプするためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトを含む、
請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記付加情報は、広告、前記第1電子書籍に付与されているタグ、または前記第1電子書籍に対してユーザが投稿したコメント、の少なくとも1つを含む、
請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
前記第1電子書籍および前記第2電子書籍を含む複数の電子書籍が順序付けられており、
前記第2電子書籍は、前記複数の電子書籍の順序付けにおいて前記第1電子書籍よりも1つ後であり、
前記コンピュータを、前記第1電子書籍と前記第2電子書籍との間に広告が挿入されている場合に、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第2パターンの操作を受け付けると、前記広告を当該画面に表示させる手段、
前記広告が前記画面に表示された状態で前記第2パターンの操作を受け付けると、前記第2表紙画像を当該画面に表示させる手段、
として機能させる、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項18】
前記第1電子書籍は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記複数のページ画像は、第1ページ画像と、前記第1ページ画像よりも1つ後の第2ページ画像を含み、
前記コンピュータを、前記第1ページ画像と前記第2ページ画像との間に広告が挿入されている場合に、
前記第1ページ画像が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、前記広告を当該画面に表示させる手段、
前記広告が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、前記第2ページ画像を当該画面に表示させる手段、
として機能させる、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項19】
コンピュータが、
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させるステップと、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させるステップと、
前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記画面に表示させるステップと、
を実行する、
前記第1電子書籍および前記第2電子書籍を含む複数の電子書籍が順序付けられており、
前記複数の電子書籍の各々は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記複数の電子書籍の各々に対応する表紙画像は、当該電子書籍の複数のページ画像の先頭に相当し、
前記コンピュータが、前記複数の電子書籍のいずれかである対象書籍のいずれかのページ画像である対象ページ画像が前記画面に表示されている状態で、当該対象書籍から第1所定数先の電子書籍までの各電子書籍に対応する表紙画像から第2所定数先のページ画像をメモリにロードする第1ロード処理を行うステップを実行する、
方法。
【請求項20】
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記画面に表示させる手段と
を具備し、
前記第1電子書籍および前記第2電子書籍を含む複数の電子書籍が順序付けられており、
前記複数の電子書籍の各々は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記複数の電子書籍の各々に対応する表紙画像は、当該電子書籍の複数のページ画像の先頭に相当し、
前記複数の電子書籍のいずれかである対象書籍のいずれかのページ画像である対象ページ画像が前記画面に表示されている状態で、当該対象書籍から第1所定数先の電子書籍までの各電子書籍に対応する表紙画像から第2所定数先のページ画像をメモリにロードする第1ロード処理を行う手段を具備する、
情報処理装置。
【請求項21】
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記画面に表示させる手段と
を具備し、
上下方向のスワイプ操作またはフリック操作の少なくとも1つが、前記第1パターンの操作として割り当てられ、
前記第1電子書籍は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段は、左右見開きページを構成するページ画像間の切り替え時には、前記第1パターンの操作に応じてページ画像が左右方向に動くように前記画面の表示を制御し、左右見開きページを構成しないページ画像を含むページ画像間の切り替え時には、前記第1パターンの操作に応じてページ画像が上下方向に動くように前記画面の表示を制御する、
情報処理装置。
【請求項22】
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記画面に表示させる手段と
を具備し、
前記第2表紙画像を前記画面に表示させる手段は、前記第2パターンの操作を受け付けると、ユーザ指示を受け付けるオブジェクトを前記第2表紙画像とともに当該画面に表示させ、
前記ユーザ指示を受け付けるオブジェクトが前記画面に表示された状態で前記第1パターンの操作を受け付けると、当該オブジェクトを当該画面から取り除く手段を具備する、
情報処理装置。
【請求項23】
第1コンピュータと、第2コンピュータとを具備し、
前記第1コンピュータは、
第1電子書籍に対応する第1表紙画像が前記第2コンピュータの画面に表示された状態で前記第2コンピュータが第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第1電子書籍を構成する一部分が前記第2コンピュータの画面に表示された状態で前記第2コンピュータが前記第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段と、
前記第2コンピュータが前記第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、前記第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を前記第2コンピュータの画面に表示させる手段とを備え
前記第1電子書籍および前記第2電子書籍を含む複数の電子書籍が順序付けられており、
前記複数の電子書籍の各々は、順序付けられた複数のページ画像を含み、
前記複数の電子書籍の各々に対応する表紙画像は、当該電子書籍の複数のページ画像の先頭に相当し、
前記第1コンピュータは、前記複数の電子書籍のいずれかである対象書籍のいずれかのページ画像である対象ページ画像が前記画面に表示されている状態で、当該対象書籍から第1所定数先の電子書籍までの各電子書籍に対応する表紙画像から第2所定数先のページ画像をメモリにロードする第1ロード処理を行う手段を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子コミックなどの電子書籍は、様々な端末で閲覧することができる。しかしながら、従来の電子書籍の閲覧に用いられるUI(User Interface)では、ユーザが閲覧したい内容に到達するまでに、電子書籍のデータの階層構造に沿った複数回に亘る操作が強いられるなど、ユーザが煩雑さを感じる場面があった。
【0003】
特許文献1には、電子書籍の単一ページ若しくは見開きページが表示された状態において、正確度が不要な1回の操作を行うだけで、複数の閲覧動作モードに切り替えることを企図した技術が記載されている。特許文献1には、例えば、例えばあるサブコンテンツの最終ページが表示された状態でページを移動する操作を受け付けると、隣接する他のサブコンテンツの1ページ目を表示させることが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-087806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、シリーズものの電子書籍を連続して読み進める場面でユーザビリティが向上する可能性がある。しかしながら、例えば、ユーザが本格的に読み始める電子書籍を決めあぐねている場面では、特許文献1に記載の技術によるユーザビリティの向上は期待できない。
【0006】
本開示の目的は、ユーザに快適な情報閲覧体験を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段、第1電子書籍を構成する一部分が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段、第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を画面に表示させる手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態の一態様の説明図である。
図5】本実施形態の表示制御処理のフローチャートである。
図6】本実施形態の表示制御処理のフローチャートである。
図7】本実施形態のロード制御処理のフローチャートである。
図8】本実施形態のロード制御処理のフローチャートである。
図9】本実施形態のロード制御処理において実行される第1ロード処理の説明図である。
図10】本実施形態のロード制御処理において実行される第2ロード処理の説明図である。
図11】本実施形態のロード制御処理において実行される第3ロード処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30とを備える。
クライアント装置10及びサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0012】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、または電子書籍端末である。クライアント装置10のユーザは、例えば電子書籍の読者である。電子書籍は、電子化された書籍(例えば、コミック、雑誌、小説、実用書、専門書、など)である。
【0013】
電子書籍は、例えば以下の少なくとも1つに関する情報を含むことができる。
・表紙画像
・ページ画像
・本文テキスト
【0014】
電子書籍を構成する複数のページ画像間、または本文テキストを構成する複数の文字間には順序関係が定められる。かかる順序関係は、電子書籍の構造に依存する。他方、複数の電子書籍の間にも順序関係が定められる。ただし、電子書籍間の順序関係は、クライアント装置10のユーザ、情報処理システム1の管理者等の指示に応じて変更(ソート)されてよい。
【0015】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。
【0016】
(1-1)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。図2は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。クライアント装置10は、ディスプレイ21に接続される。
【0018】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0019】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ、または電子書籍閲覧用アプリケーション)のプログラム
【0020】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0021】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0022】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
【0023】
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ21、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0024】
通信インタフェース14は、クライアント装置10と外部装置(例えばサーバ30)との間の通信を制御するように構成される。
【0025】
ディスプレイ21は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ21は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、または電子ペーパーである。
【0026】
(1-2)サーバの構成
サーバの構成について説明する。図3は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0027】
図3に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0028】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0029】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0030】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0031】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0032】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えばユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報(例えば画像信号)を出力するように構成される。
【0033】
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0034】
通信インタフェース34は、サーバ30と外部装置(例えばクライアント装置10)との間の通信を制御するように構成される。
【0035】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。図4は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0036】
本実施形態のクライアント装置10は、電子書籍の閲覧時に、ユーザからの操作に応じてディスプレイ21に表示する画面を制御する。クライアント装置10は、ユーザからの操作に対して、例えば図4に示すように応答する。
【0037】
図4の例では、3つの電子書籍B10,B11,B12が順序付けられており、電子書籍B10は電子書籍B11の1つ前に位置し、電子書籍B12は、電子書籍B11の1つ後に位置する。また、各電子書籍は、順序付けられた複数のページ画像を含む。例えば、電子書籍B11は、表紙に相当するページ画像(以下、「表紙画像」という)C11と、本編に相当するページ画像P111,P112を含む。表紙画像C11は、先頭のページ画像であり、ページ画像P111は2番目(つまり、本編における先頭)のページ画像であり、ページ画像P112は3番目のページ画像である。
【0038】
クライアント装置10は、ある電子書籍に対応する表紙画像がディスプレイ21に表示された状態で、右フリック操作(「第1パターンの操作」の一例)を受け付けると、当該電子書籍の本編における最初のページ画像(「電子書籍を構成する一部分」の一例)を当該ディスプレイ21に表示させる。例えば、クライアント装置10は、表紙画像C11がディスプレイ21に表示された状態で、右フリック操作を受け付けると、ページ画像P111を当該ディスプレイ21に表示させる。
【0039】
クライアント装置10は、ある電子書籍に対応するいずれかのページ画像(「電子書籍を構成する一部分」の一例)がディスプレイ21に表示された状態で右フリック操作または左フリック操作(「第1パターンの操作」の一例)を受け付けると、当該ページ画像の次または前のページ画像(「電子書籍を構成する別の一部分」の一例)を当該ディスプレイ21に表示させる。例えば、クライアント装置10は、ページ画像P111がディスプレイ21に表示された状態で、右フリック操作を受け付けると、ページ画像P112を当該ディスプレイ21に表示させる。他方、クライアント装置10は、ページ画像P112がディスプレイ21に表示された状態で、左フリック操作(つまり、右フリック操作と同種かつ逆の方向の操作)を受け付けると、ページ画像P111を当該ディスプレイ21に表示させる。
【0040】
クライアント装置10は、ある電子書籍に対応する表紙画像またはいずれかのページ画像がディスプレイ21に表示された状態で上フリック操作または下フリック操作(いずれも「第2パターンの操作」の一例)を受け付けると、当該電子書籍の次または前の電子書籍を当該ディスプレイ21に表示させる。例えば、クライアント装置10は、電子書籍B11に対応する表紙画像C11またはページ画像P111~P112のいずれかがディスプレイ21に表示された状態で、上フリック操作を受け付けると、電子書籍B12に対応するカバー画像C12を当該ディスプレイ21に表示させる。他方、クライアント装置10は、電子書籍B11に対応する表紙画像C11またはページ画像P111~P112のいずれかがディスプレイ21に表示された状態で、下フリック操作(つまり、上フリック操作と同種かつ逆の方向の操作)を受け付けると、電子書籍B10に対応するカバー画像C10を当該ディスプレイ21に表示させる。
【0041】
このように、クライアント装置10によれば、ユーザは、ある電子書籍の閲覧中に、別の電子書籍への表示切り替えを1操作で行うことができる。つまり、クライアント装置10によれば、ユーザは、本格的に読みたい電子書籍を探索したい場面では、第2パターンの操作を繰り返すことで、例えばテレビ視聴におけるザッピングのように、様々な電子書籍の表紙画像を短時間で快適に確認することができる。また、クライアント装置10によれば、表紙画像からページ画像への切り替えと、ページ画像間での切り替えの操作とのいずれも第1パターンの操作に応じて行われるので、ユーザは、気になった表紙画像に続くページ画像を快適に読み進めることができる。
【0042】
(3)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
【0043】
(3-1)表示制御処理
本実施形態の表示制御処理について説明する。図5は、本実施形態の表示制御処理のフローチャートである。図6は、本実施形態の表示制御処理のフローチャートである。
【0044】
本実施形態の表示制御処理は、クライアント装置10が特定のアプリケーションを起動することにより、またはクライアント装置10が特定のSaaS(Software as a Service)を提供するサーバ30にアクセスすることにより、開始し得る。
【0045】
図5に示すように、クライアント装置10は、作品の選択(S110)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ユーザ指示に応じて閲覧対象となる作品(電子書籍)を選択する。一例として、クライアント装置10は、選択可能な複数の作品を示す画面(ライブラリ画面)をディスプレイ21に表示し、ユーザは画面中から所望の作品を選択する操作を行う。
【0046】
ステップS110の後に、クライアント装置10は、作品の表示(S111)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ステップS110において選択された作品をディスプレイ21に表示する。
【0047】
作品の表示(S111)の第1例として、クライアント装置10は、ユーザの閲覧履歴に関わらず、選択中の作品(以下、「対象作品」という)に対応する表紙画像をディスプレイ21に表示する。
【0048】
作品の表示(S111)の第2例として、クライアント装置10は、対象作品に対するユーザの閲覧履歴を参照し、ユーザが最後に閲覧したページ画像、またはその前後所定数のページ画像のうちのいずれかをディスプレイ21に表示する。
【0049】
ステップS111の後(つまり、対象作品の表紙画像またはページ画像の表示中)に、ユーザは次に閲覧したい内容に応じた操作をクライアント装置10に対して行うことができる。一例として、ユーザは、対象作品の別の部分を閲覧したい場合に第1パターンの操作を行う。第1パターンの操作には、特定の方向に対する特定の種別の操作が割り当てられる。また、第1パターンの操作は、その方向によって、表示する部分を「進む」方向に切り替えるか、または「戻る」方向に切り替えるかを指定できる。他方、ユーザは、対象作品とは異なる作品が閲覧したい場合に第2パターンの操作を行う。第2パターンの操作には、特定の方向に対する特定の種別の操作が割り当てられる。第1パターンの操作および第2パターンの操作には、方向または種別の少なくとも1つが異なる操作が割り当てられる。また、第2パターンの操作は、その方向によって、表示する作品を「進む」方向に切り替えるか、または「戻る」方向に切り替えるかを指定できる。
【0050】
一例として、左右方向のフリック操作が第1パターンの操作として割り当てられ、上下方向のフリック操作が第2パターンの操作として割り当てられ得る。また、右方向が「進む」方向として割り当てられ、左方向が「戻る」方向として割り当てられ、上方向が「進む」方向として割り当てられ、下方向が「戻る」方向として割り当てられ得る。
【0051】
ステップS111の後、第1パターンの操作を受け付け、かつ当該操作の方向が「進む」であった場合に、クライアント装置10は、次のページ画像の表示(S112)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ディスプレイ21に現在表示されている内容(つまり、対象作品の表紙画像またはページ画像)の次のページ画像をディスプレイ21に表示する。
【0052】
次のページ画像の表示(S112)の第1例として、対象作品の表紙画像がディスプレイ21に表示されていた場合に、クライアント装置10は、ユーザの閲覧履歴に関わらず、対象作品の2番目(つまり、本編における先頭)のページ画像をディスプレイ21に表示する。或いは、クライアント装置10は、対象作品に対するユーザの閲覧履歴を参照し、ユーザが最後に閲覧したページ画像、またはその前後所定数のページ画像のうちのいずれかをディスプレイ21に表示してもよい。
【0053】
次のページ画像の表示(S112)の第2例として、対象作品のページ画像(ただし、最後のページ画像を除く)がディスプレイ21に表示されていた場合に、クライアント装置10は対象作品のページ画像のうち表示中のページ画像の次のページ画像(つまり、対象作品の複数のページ画像間で定められた順序関係において、表示中のページ画像の1つ後に位置するページ画像)をディスプレイ21に表示する。
【0054】
なお、対象作品のうち最後のページ画像がディスプレイ21に表示されていた場合に、クライアント装置10は、ライブラリ画面、ユーザのアカウント管理画面、または対象作品に対応する第1コンテンツ、をディスプレイ21に表示してもよい。第1コンテンツは、例えば以下のいずれかであってよい。
・対象作品の紹介のための情報
・対象作品のグッズの販売情報
・対象作品に関する(例えばプレゼントなどのキャンペーンの)案内情報
・対象作品のファン向けの情報(例えば、他のユーザ向けのギフトとして対象作品を追加購入するための情報)
・対象作品の次の作品(つまり、作品間で定められた順序関係において、対象作品の1つ後に位置する作品)の表紙画像(当該作品が未購入の場合には、購入のためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトを含み得る)
・対象作品の次の作品の紹介のための情報(当該作品が未購入の場合には、購入のためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトを含み得る)
・対象作品の属するシリーズにおいて対象作品の次の作品(例えば次回分、または次巻に相当する作品)の表紙画像(当該作品が未購入の場合には、購入のためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトを含み得る)
・対象作品の属するシリーズにおいて対象作品の次の作品の紹介のための情報(当該作品が未購入の場合には、購入のためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトを含み得る)
【0055】
ステップS111の後、第1パターンの操作を受け付け、かつ当該操作の方向が「戻る」であった場合に、クライアント装置10は、前のページ画像の表示(S113)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ディスプレイ21に現在表示されている内容(つまり、対象作品の表紙画像またはページ画像)の前のページ画像をディスプレイ21に表示する。
【0056】
前のページ画像の表示(S113)の第1例として、対象作品のページ画像(ただし、先頭のページ画像(つまり表紙画像)を除く)がディスプレイ21に表示されていた場合に、クライアント装置10は対象作品のページ画像のうち表示中のページ画像の前のページ画像(つまり、対象作品の複数のページ画像間で定められた順序関係において、表示中のページ画像の1つ前に位置するページ画像)をディスプレイ21に表示する。
【0057】
前のページ画像の表示(S113)の第2例として、対象作品の表紙画像がディスプレイ21に表示されていた場合に、クライアント装置10は、クライアント装置10、ライブラリ画面、ユーザのアカウント管理画面、または対象作品に対応する第2コンテンツをディスプレイ21に表示してもよい。第2コンテンツは、例えば以下のいずれかであってもよい。
・対象作品の紹介のための情報
・対象作品のグッズの販売情報
・対象作品に関する(例えばプレゼントなどのキャンペーンの)案内情報
・対象作品のファン向けの情報(例えば、他のユーザ向けのギフトとして対象作品を追加購入するための情報)
・対象作品の前の作品(つまり、作品間で定められた順序関係において、対象作品の1つ前に位置する作品)の表紙画像
・対象作品の前の作品の紹介のための情報
・対象作品の前の作品の最後のページ画像
・対象作品の属するシリーズにおいて対象作品の前の作品(例えば前回分、または前巻に相当する作品)の表紙画像
・対象作品の属するシリーズにおける対象作品の前の作品の紹介のための情報
・対象作品の属するシリーズにおける対象作品の前の作品の最後のページ画像
【0058】
図6に示すように、ステップS111の後、第2パターンの操作を受け付け、かつ当該操作の方向が「進む」であった場合に、クライアント装置10は、次の作品の表示(S114)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ディスプレイ21に対象作品の次の作品をディスプレイ21に表示する。例えば、電子書籍の順序が、作品A→作品B→作品Cとして定められていたとする。この場合に、対象作品が作品Bであるとき、作品Cが対象作品の次の作品に該当する。なお、電子書籍の順序は、ユーザ指示に応じて(例えば、タイトル順、作者順、掲載誌順、等で)並び替えられてよい。
【0059】
次の作品の表示(S114)の第1例として、クライアント装置10は、ユーザの閲覧履歴に関わらず、対象作品の次の作品の表紙画像をディスプレイ21に表示する。
【0060】
次の作品の表示(S114)の第2例として、クライアント装置10は、対象作品の次の作品に対するユーザの閲覧履歴を参照し、ユーザが最後に閲覧したページ画像、またはその前後所定数のページ画像のうちのいずれかをディスプレイ21に表示する。
【0061】
ステップS111の後、第2パターンの操作を受け付け、かつ当該操作の方向が「戻る」であった場合に、クライアント装置10は、前の作品の表示(S115)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ディスプレイ21に対象作品の前の作品をディスプレイ21に表示する。例えば、電子書籍の順序が、作品A→作品B→作品Cとして定められていたとする。この場合に、対象作品が作品Bであるとき、作品Aが対象作品の前の作品に該当する。
【0062】
前の作品の表示(S115)の第1例として、クライアント装置10は、ユーザの閲覧履歴に関わらず、対象作品の前の作品の表紙画像をディスプレイ21に表示する。
【0063】
前の作品の表示(S115)の第2例として、クライアント装置10は、対象作品の前の作品に対するユーザの閲覧履歴を参照し、ユーザが最後に閲覧したページ画像、またはその前後所定数のページ画像のうちのいずれかをディスプレイ21に表示する。
【0064】
ステップS112~S115のいずれかの後に、クライアント装置10は、ユーザから受け付けた操作のパターンおよび方向に応じて、ステップS112~S115のいずれかを実行する。
【0065】
本実施形態の表示制御処理は、クライアント装置10が特定のアプリケーション、またはWebブラウザを終了することにより、終了し得る。
【0066】
(3-2)ロード制御処理
本実施形態のロード制御処理について説明する。図7は、本実施形態のロード制御処理のフローチャートである。図8は、本実施形態のロード制御処理のフローチャートである。図9は、本実施形態のロード制御処理において実行される第1ロード処理の説明図である。図10は、本実施形態のロード制御処理において実行される第2ロード処理の説明図である。図11は、本実施形態のロード制御処理において実行される第3ロード処理の説明図である。
【0067】
本実施形態のロード制御処理は、例えば本実施形態の表示制御処理のうち作品の選択(S110)の実行後に開始され得る。
【0068】
図7に示すように、クライアント装置10は、第1ロード処理(S210)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、対象作品から所定数先の作品までの各作品に対応する表紙画像から所定数先のページ画像をメモリ(つまり記憶装置11)にロードする。
【0069】
例えば図9に示すように、クライアント装置10は、対象作品の表紙画像C1がディスプレイ21に表示されている状態で、例えば対象作品から5つ先の作品(表紙画像C6に対応する作品)までの各作品に対応する表紙画像C1~C6と、当該作品の2番目のページ画像P1-1~P6-1と(つまり、ロード範囲L210に含まれる各画像)をメモリにロードし得る。これにより、ユーザが、第2種別の操作を行って対象作品を切り替えたとしても、切り替え後の作品の表紙画像および2番目のページ画像を素早くディスプレイ21に表示することができる。ロードする作品数(つまり、ロード範囲L210の縦サイズ)、およびロードするページ画像数(つまり、ロード範囲L210の横サイズ)は、クライアント装置10のユーザまたは情報処理システム1の管理者(一例としてアプリケーションの運営者)等によって指定されてよい。
【0070】
ここで、図9において、各行は、各作品に対応する表紙画像と、当該作品に含まれる複数のページ画像とを表す。複数の作品は、当該作品間の順序に沿って配列されており、最も上の行の作品(表紙画像C1に対応する作品)の順序が最も小さく、かつ最も下の行の作品(表紙画像C6に対応する作品)の順序が最も大きい。また、各作品に含まれる複数のページ画像は当該ページ画像間の順序に沿って配列されており、最も右の列のページ画像(例えばページ画像P1-1)の順序が最も小さく、最も左の列のページ画像(例えばページ画像P1-6)の順序が最も大きい。図10および図11も同様である。
【0071】
ユーザが第2種別の操作を行い対象作品が切り替わると、第1ロード処理(S210)においてロードされるべきデータの範囲も切り替わる。故に、クライアント装置10は、第1ロード処理(S210)の実行中に対象作品が切り替わると、切り替え後の対象作品について第1ロード処理(S210)を実行する。ただし、クライアント装置10は、既にメモリにロードされている画像を再ロードする必要はない。
【0072】
他方、対象作品が切り替えられることなく第1ロード処理(S210)が完了すると、クライアント装置10は、第2ロード処理(S211)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、ディスプレイ21に表示中のページ画像から所定数先のページ画像までの各ページ画像をメモリにロードする。
【0073】
例えば図10に示すように、クライアント装置10は、対象作品(表紙画像C1に対応する作品)のページ画像P1-1がディスプレイ21に表示されている状態で、例えば当該ページ画像P1-1から5つ先のページ画像P1-6までの各ページ画像(つまり、ロード範囲L211に含まれる各画像)をメモリにロードする。これにより、ユーザが、第1種別の操作を連続的に行ったとしても、切り替え後のページ画像を素早くディスプレイ21に表示することができる。
【0074】
また、クライアント装置10は、第2ロード処理(S211)のオプションとして、対象作品のうち特定の順番のページ画像(例えば、先頭から5つめのページ画像)が表示されたことに応じて、当該対象作品のうち当該特定の順番以降の全てのページ画像のメモリへのロードを開始してもよい。これにより、ユーザが対象作品内のどのページ画像にジャンプしたとしても、指定されたページ画像を素早くディスプレイ21に表示することができる。
【0075】
クライアント装置10は、第2ロード処理(S211)の実行中に対象作品が切り替わると、当該処理を中止し、切り替え後の対象作品について第1ロード処理(S210)を実行する。ただし、クライアント装置10は、既にロード済みの画像を再ロードする必要はない。
【0076】
また、ユーザが第1種別の操作を行いディスプレイ21に表示されるページ画像が切り替わると、第2ロード処理(211)においてロードされるべきデータの範囲も切り替わる。故に、クライアント装置10は、第2ロード処理(S211)の実行中にページ画像が切り替わると、切り替え後のページ画像について第2ロード処理(S211)を実行する。ただし、クライアント装置10は、既にロード済みの画像を再ロードする必要はない。
【0077】
他方、対象作品、およびディスプレイ21に表示されるページ画像が切り替えられることなく第2ロード処理(S211)が完了すると、図8に示すように、クライアント装置10は、第3ロード処理(S212)を実行する。
具体的には、クライアント装置10は、対象作品から所定数先の作品までの各作品に対応する3番目のページ画像(つまり、対象作品から所定数先の作品までの各作品のうち、第1ロード処理によってロードされた最後の(順序が最も後である)ページ画像の次のページ画像)から所定数先のページ画像までの各ページ画像をメモリにロードする。
【0078】
例えば図11に示すように、クライアント装置10は、対象作品(表紙画像C1に対応する作品)から5つ先の作品(表紙画像C6に対応する作品)までの各作品に対応する2番目のページ画像から3つ先のページ画像までの各ページ画像P2-2~P2-4,・・・,P6-2~P6-4(つまり、ロード範囲L212に含まれる各画像)をメモリにロードする。
【0079】
すなわち、第1ロード処理(S210)~第3ロード処理(S212)を実行することで、対象作品から所定数先の作品までの各作品について、対応する表紙画像と先頭から所定数先のページ画像までの各ページ画像とがメモリにロードされることになる。
【0080】
クライアント装置10は、第3ロード処理(S212)の実行中に対象作品が切り替わると、当該処理を中止し、切り替え後の対象作品について第1ロード処理(S210)を実行する。ただし、クライアント装置10は、既にメモリにロードされている画像を再ロードする必要はない。
【0081】
また、クライアント装置10は、第3ロード処理(S212)の実行中にディスプレイ21に表示されるページ画像が切り替わると、切り替え後のページ画像について第2ロード処理(S211)を実行する。ただし、クライアント装置10は、既にメモリにロードされている画像を再ロードする必要はない。
【0082】
他方、対象作品、およびディスプレイ21に表示されるページ画像が切り替えられることなく第3ロード処理(S212)が完了すると、クライアント装置10は、対象作品またはページ画像の切り替わりを待機してもよいし、さらなるロード処理(例えば、第1ロード処理(S210)、第2ロード処理(S211)、または第3ロード処理(S212)のロード範囲の拡大)を行ってもよい。
【0083】
本実施形態のロード制御処理は、本実施形態の表示制御処理の終了に連動して終了し得る。
【0084】
(4)小括
以上説明したように、本実施形態のクライアント装置10は、ある電子書籍に対応する表紙画像がディスプレイ21に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該電子書籍のページ画像を当該ディスプレイ21に表示させる。また、クライアント装置10は、ページ画像がディスプレイ21に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、同一の電子書籍の別のページ画像を当該ディスプレイ21に表示させる。さらに、クライアント装置10は、第2パターンの操作を受け付けると、表示中の電子書籍とは異なる電子書籍に対応する表紙画像をディスプレイ21に表示させる。これにより、ユーザは、本格的に読みたい電子書籍を探索したい場面では、第2パターンの操作を繰り返すことで、例えばテレビ視聴におけるザッピングのように、様々な電子書籍の表紙画像を短時間で快適に確認することができる。また、クライアント装置10によれば、表紙画像からページ画像への切り替えと、ページ画像間での切り替えの操作とのいずれも第1パターンの操作に応じて行われるので、ユーザは、気になった表紙画像に続くページ画像を快適に読み進めることができる。つまり、本実施形態によれば、電子書籍のユーザに快適な情報閲覧体験を提供することができる。
【0085】
クライアント装置10は、ある電子書籍に対応する表紙画像またはページ画像がディスプレイ21に表示された状態で第2パターンの操作を受け付けると、別の電子書籍に対応する表紙画像を当該ディスプレイ21に表示させてもよい。これにより、ユーザがある電子書籍を試し読みした結果、読み進める気にならなかった場合には、1操作で別の電子書籍の表紙画像への表示切り替えを行うことができる。さらに、表示切り替え後に第2パターンの操作を繰り返すことで、例えばテレビ視聴におけるザッピングのように、様々な電子書籍の表紙画像を短時間で快適に確認することができる。
【0086】
各電子書籍は、順序付けられた複数のページ画像を含んでもよい。そして、クライアント装置10は、あるページ画像がディスプレイ21に表示された状態で「進む」方向に関連付けられる第1パターンの操作を受け付けると、当該ページ画像の1つ後のページ画像をディスプレイ21に表示させてよい。また、クライアント装置10は、あるページ画像がディスプレイ21に表示された状態で「戻る」方向に関連付けられる第1パターンの操作を受け付けると、当該ページ画像の1つ前のページ画像をディスプレイ21に表示させてよい。これにより、ページを進めるおよびページを戻すという反対の動作を、ユーザにとって直感的に理解しやすいであろう同一種別かつ互いに逆の方向の操作により指示することができる。
【0087】
クライアント装置10は、ある表紙画像がディスプレイ21に表示された状態で「進む」方向に関連付けられる第1パターンの操作を受け付けると、当該表紙画像に対応する電子書籍の2番目のページ画像を当該ディスプレイ21に表示させてもよい。これにより、ページを進める動作と、表紙から次のページを開く動作とを実現するための操作が一致するので、ユーザは気に入った表紙画像に対応する電子書籍を快適に読み進めることができる。
【0088】
クライアント装置10は、ある表紙画像がディスプレイ21に表示された状態で「戻る」方向に関連付けられる第1パターンの操作を受け付けると、当該表紙画像を備える電子書籍に対応するコンテンツ(例えば作品紹介に関する情報)をディスプレイ21に表示させてもよい。これにより、表紙画像がディスプレイ21に表示された状態で、ユーザは、ページ画像を確認するか、電子書籍に対応するコンテンツ(例えば作品紹介の情報)を確認するかを選択することができる。
【0089】
上下方向のスワイプ操作またはフリック操作の少なくとも1つが、第1パターンの操作および第2パターンの操作のうち一方として割り当てられ、左右方向のスワイプ操作またはフリック操作の少なくとも1つが、第1パターンの操作および第2パターンの操作のうち他方として割り当てられてよい。これにより、第1パターンの操作が対象とする方向と、第2パターンの操作が対象とする方向とが相違するので、ユーザが行った操作が意図していないパターンの操作として認識されるのを抑制することができる。
【0090】
クライアント装置10で閲覧可能な複数の電子書籍は順序付けられていてよい。そして、クライアント装置10は、ある電子書籍のページ画像(表紙画像を含み得る)がディスプレイ21に表示されている状態で、当該電子書籍から所定数先の電子書籍までの各電子書籍に対応する表紙画像から所定数先のページ画像をメモリ(記憶装置11)にロードしてもよい。これにより、ユーザが、第2パターンの操作を繰り返したとしても、切り替え後の電子書籍の表紙画像を素早くディスプレイ21に表示することができる。
【0091】
クライアント装置10は、ある電子書籍のページ画像がディスプレイ21に表示されている状態で、当該ページ画像から所定数先のページ画像までの各ページ画像をメモリにロードしてもよい。これにより、ユーザが、第1パターンの操作を繰り返したとしても、切り替え後のページ画像を素早くディスプレイ21に表示することができる。
【0092】
クライアント装置10は、特定の順番のページ画像がディスプレイ21に表示されたことに応じて、当該ページ画像以降のすべてのページ画像をメモリにロードしてもよい。これにより、ユーザが電子書籍を本格的に読み進めていると推定できる場合に、当該電子書籍内の任意のページ画像を素早くディスプレイ21に表示することができる。
【0093】
クライアント装置10は、第2パターンの操作を受け付けたことに応じて、ページ画像のロードを中止してもよい。これにより、例えば第2パターンの操作が繰り返された場合に表示しなければならない表紙画像のロード(つまり前述の第1ロード処理)に、コンピュータリソースを割り当てることができる。
【0094】
(5)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。ディスプレイ21は、クライアント装置10に内蔵されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0095】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10及びサーバ30の何れでも実行可能である。例えば、サーバ30がクライアント装置10から取得したユーザ指示に基づく表示制御を行い、クライアント装置10は主にユーザ指示の受付と情報の表示を行ってもよい。
【0096】
上記説明では、電子書籍を表紙画像またはページ画像単位で表示する例を示した。しかしながら、電子書籍を構成する任意の部分を表示単位とすることができる。例えば、電子書籍は、コマ単位、または見開きページ画像単位で表示されてもよいし、特定の行数の本文テキスト単位で表示されてもよい。電子書籍の表示単位は、クライアント装置10のユーザによって選択可能であってもよい。
【0097】
上記説明では、左右方向のフリック操作を第1パターンの操作とし、上下方向のフリック操作を第2パターンの操作として定める例を述べた。しかしながら、第1パターンの操作および第2パターンの操作にどのような操作を割り当てるか、ならびに各パターンの操作のうち「進む」方向の操作および「戻る」方向の操作にどのような操作を割り当てるかは任意であり、例えばクライアント装置10のユーザによって選択されてもよい。例えば、以下のバリエーションのいずれも採用可能である。
・上下方向のフリック操作を第1パターンの操作として割り当て、左右方向のフリック操作を第2パターンの操作として割り当てる。
・左右方向のスワイプ操作を第1パターンの操作として割り当て、上下方向のスワイプ操作を第2パターンの操作として割り当てる。
・上下方向のスワイプ操作を第1パターンの操作として割り当て、左右方向のスワイプ操作を第2パターンの操作として割り当てる。
・画面を上下左右の領域に分割し、左右領域に対するタッチ操作を第1パターンの操作として割り当て、上下領域に対するタッチ操作を第2パターンの操作として割り当てる。
・画面を上下左右の領域に分割し、上下領域に対するタッチ操作を第1パターンの操作として割り当て、左右領域に対するタッチ操作を第2パターンの操作として割り当てる。
なお、上下方向のフリック操作もしくはスワイプ操作、または上下領域に対するタッチ操作を第1パターンの操作として割り当てている場合に、次に説明するの例外処理を採用してもよい。具体的には、コミックの左右見開きページを構成するページ画像(つまり、左ページおよび右ページ)間の切り替え時には、第1パターンの操作に応じて、ページ画像が上下ではなく左右方向に動くように画面表示が制御されてもよい。これにより、左右見開きページの右側の表示中に例えば上方向の操作を行うことで、ページ画像が右側に流れるように表示が切り替わり、左側の表示中に例えば下方向の操作を行うことで、ページ画像が左側に流れるように表示が切り替わる。他方、他の通常のページ画像間の切り替え時には、第1パターンの操作に応じて、ページ画像が上側(ページを進める場合)または下側(ページを戻る場合)に流れるように表示が切り替わる。このように表示制御を切り替えることで、ユーザは同一の操作によりページ画像を進めたり戻したりすることができるうえ、閲覧中のページ画像が左右見開きページを構成することを認識しやすく、紙のコミックと同様に左右見開きページの魅力を味わうことができる。或いは、コミックの左右見開きページを構成するページ画像(つまり、左ページおよび右ページ)間の切り替え時には、左右方向のフリック操作もしくはスワイプ操作、または左右領域に対するタッチ操作が第1パターンの操作として割り当てられてよい。これにより、左右見開きページの右側の表示中に左方向の操作を行うことで左側に表示が切り替わり、左側の表示中に右方向の操作を行うことで右側に表示が切り替わるので、ユーザは閲覧中のページ画像が左右見開きページを構成することを認識しやすく、紙のコミックと同様に左右見開きページの魅力を味わうことができる。
【0098】
上記バリエーションは、矛盾しない限り組み合わせられてもよい。例えば、特定方向のフリック操作およびスワイプ操作が第1パターンの操作として割り当てられ、当該方向と直交する方向のフリック操作およびスワイプ操作が第2パターンの操作として割り当てられてよい。クライアント装置10は、第1パターンまたは第2パターンの操作を受け付けた場合に、当該操作の種別に応じて異なる表示制御を行ってよい。
一例として、クライアント装置10は、フリック操作またはタッチ操作を受け付けた場合に、切り替え後の画像を直ちにディスプレイ21に表示してもよい。つまり、クライアント装置10は、切り替え前の画像の表示を終了し、かつ切り替え後の画像の全体をディスプレイ21に表示してもよい。これにより、ディスプレイ21には一度に1つの画像のみが表示されるので、ユーザは操作後速やかに切り替え後の画像の全体を確認することができる。他方、クライアント装置10は、スワイプ操作を受け付けた場合に、操作量が閾値に達するまで切り替え前の画像(つまり、操作の受け付け前に表示していた画像)の一部と切り替え後の画像の一部とをディスプレイ21に表示し、操作量が閾値に達すると切り替え前の画像の表示を終了し、かつ切り替え後の表示内容の全体をディスプレイ21に表示してもよい。これにより、表示が完全に切り替わる前に、切り替え前後の画像が一時的に並列表示されるので、ユーザは例えば同パターンの操作を繰り返し行ううちに、気になる表紙画像やページ画像を通り過ぎてしまった場合に、素早く切り替え前の表紙画像またはページ画像に復帰することができる。なお、クライアント装置10は、スワイプ操作を受け付けた場合に、操作量が閾値に達するまで、操作量が増加するほど、切り替え前の画像の表示範囲が小さくなり、かつ切り替え後の画像の表示範囲が大きくなるように、両画像をディスプレイ21に表示してもよい。
【0099】
第3パターンの操作(例えばタップ操作)の受け付けに応じて、クライアント装置10は、ユーザ指示を受け付けるオブジェクトをページ画像とともに画面に表示させ、または表示中の当該オブジェクトを画面から取り除いてもよい。オブジェクトは、例えば、画面の任意の領域に表示可能である。一例として、画面の下端にフッターと、画面の右端にサイドバーとが表示される。
フッターには、例えば以下の少なくとも1つのオブジェクトが配置されてよい。
・ホーム画面に移動するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
・電子書籍に関するランキングページに移動するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
・ユーザのマイページに移動するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
サイドバーには、例えば以下の少なくとも1つのオブジェクトが配置されてよい。
・ユーザが閲覧中の電子書籍にリアクション(例えば「いいね」)を投稿するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
・ユーザが閲覧中の電子書籍に対して投稿されたリアクションを閲覧するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
・ユーザが閲覧中の電子書籍を他のユーザと共有するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
・ユーザが閲覧中の電子書籍にコメントを投稿するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
・ユーザが閲覧中の電子書籍に対して投稿されたコメントを閲覧するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
さらに、クライアント装置10は、第2パターンの操作による電子書籍の切り替え時に、第3パターンの操作の受け付け時と同様のオブジェクトを表紙画像とともに画面に表示させてもよい。逆に、クライアント装置10は、第1パターンの操作によるページ画像の切り替えによって表紙画像を画面に表示する場合には、第3パターンの操作の受け付け時と同様のオブジェクトを画面に表示させなくてもよい。
また、クライアント装置10は、ページ画像(表紙画像を含む)とともにオブジェクトが画面に表示された状態で、第1パターンの操作を受け付けると、1つ前または1つ後のページ画像を表示するとともに当該オブジェクトを画面から取り除いてもよい。
【0100】
上記説明では、第1パターンの操作に応じてページ画像間の切り替えを行い、第2パターンの操作に応じて作品(電子書籍)間の切り替えを行う例を示した。しかしながら、ページ画像間(作品の途中のページ画像間を含み得る)、または作品間に、1つまたは複数の広告が挿入されてよい。この場合に、クライアント装置10は、第1パターンの操作に応じて、ページ画像と広告との間の切り替え、または広告間の切り替えを行ってもよい。同様に、クライアント装置10は、第2パターンの操作に応じて、作品と広告との間の切り替え、または広告間の切り替えを行ってもよい。
広告は、静止画、または動画であってよく、さらに音が組み合わせられ得る。広告は、商品、サービス、または広告主に関するメッセージを伝えるものであってもよいし、電子書籍閲覧用アプリケーションのユーザ向けのお知らせを伝えるものであってもよい。また、広告には、所定のリンク先にアクセスするためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト(例えば、ボタン、またはリンクテキスト)が埋め込まれていてもよい。リンク先は、電子書籍閲覧用アプリケーション内であってもよいし、当該アプリケーション外であってもよい。
また、広告が順序付けられた複数の静止画(以下、「広告画像」という)からなる場合には、クライアント装置10は、第1パターンの操作に応じて、広告画像間の切り替えを行ってよい。
また、クライアント装置10は、第2パターンの操作に応じて広告を画面に表示する場合に、前述のサイドバー、フッター、またはこれらの組み合わせをさらに表示してもよい。この場合に、「ユーザが閲覧中の電子書籍」は、ユーザが広告の表示開始前に閲覧していた電子書籍、またはユーザが広告の表示開始後に閲覧する電子書籍として読み替えることができる。
クライアント装置10は、広告とともに、画面の表示内容が広告であることを示す情報(例えば、「sponsored」などのテキスト)を画面に表示してもよい。
【0101】
ディスプレイ21の画面の全体が電子書籍の表紙画像または電子書籍を構成する一部分(例えばページ画像)を表示する領域(以下、「作品閲覧用領域」という)として割り当てられてもよいし、ディスプレイ21の画面の一部のみが作品閲覧用領域として割り当てられてもよい。或いは、画面の全体が作品閲覧用領域として割り当てられる閲覧モードと、画面の一部のみが作品閲覧用領域として割り当てられる閲覧モードとが、クライアント装置10のユーザまたは情報処理システム1の管理者の指示に応じて切り替え可能であってもよい。また、画面の一部のみを作品閲覧用領域として割り当てる場合に、クライアント装置10は、画面から当該作品閲覧用領域を除いた残部に含まれる領域(以下、「帯領域」という)に付加情報を表示させてもよい。これにより、電子書籍を閲覧中のユーザに対して情報提供を行うことができる。帯領域に表示される付加情報は、例えば以下の少なくとも1つを含むことができる。
・クライアント装置10のユーザが対象作品を前回閲覧した時に最後に表示された位置付近(例えば最後に表示されたページ画像、またはその前後所定数のページ画像のうちのいずれか)にジャンプするためのユーザ指示を受け付けるオブジェクト
・対象作品に対してユーザ(例えば、過去に対象作品を閲覧したユーザ)が投稿したコメント
・広告(前述のとおり)
・対象作品に付与されているタグ(例えば、ジャンル、作者名、掲載誌、受賞歴等の対象作品をカテゴライズするための情報)
コメントを表示することで、ユーザは同一の電子書籍を読んだ他のユーザの感想、意見、疑問等を閲覧したり、当該他のユーザ向けに自らの感想、意見、疑問等を発信したりすることができる。また、広告を表示することで、例えばユーザに対して電子書籍またはクライアント装置10を提供するためのコストの一部または全部を広告料収入により賄ったり、ユーザが欲する可能性のある商品またはサービスの情報を提供したりすることができる。帯領域に表示される広告は、対象作品の属性、またはユーザの属性に応じて決定されてよい。クライアント装置10は、例えば対象作品が切り替わった場合に、帯領域に表示する情報をサーバ30から取得してもよい。
或いは、上記付加情報は、電子書籍の表紙画像または電子書籍を構成する一部分(例えばページ画像)に重畳して表示されてもよい。
【0102】
上記説明では、電子書籍の閲覧を例に説明した。しかしながら、本実施形態は様々な情報の閲覧に用いることができる。一例として、商品情報の閲覧に本実施形態を適用することができる。すなわち、クライアント装置10は、第1商品に対応する第1コンテンツ(例えば、商品画像、商品動画、商品説明、またはそれらの組み合わせ)が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1コンテンツを構成する別の一部分、または当該第1商品に対応する第2コンテンツを画面に表示させてもよい。また、クライアント装置10は、第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、第1商品とは異なる第2商品に対応するコンテンツを画面に表示させてもよい。これにより、ユーザは、購入を検討する商品を探索したい場面では、第2パターンの操作を繰り返すことで、例えばテレビ視聴におけるザッピングのように、様々な商品のコンテンツを短時間で快適に確認することができる。
【0103】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
21 :ディスプレイ
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
【要約】
【課題】ユーザに快適な情報閲覧体験を提供する。
【解決手段】本開示の一態様のプログラムは、コンピュータを、第1電子書籍に対応する第1表紙画像が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する一部分を当該画面に表示させる手段、第1電子書籍を構成する一部分が画面に表示された状態で第1パターンの操作を受け付けると、当該第1電子書籍を構成する別の一部分を当該画面に表示させる手段、第1パターンとは異なる第2パターンの操作を受け付けると、第1電子書籍とは異なる第2電子書籍に対応する第2表紙画像を画面に表示させる手段、として機能させる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11