(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】高密度電極管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/271 20210101AFI20230403BHJP
A61B 90/96 20160101ALI20230403BHJP
A61B 90/98 20160101ALI20230403BHJP
【FI】
A61B5/271
A61B90/96
A61B90/98
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022195447
(22)【出願日】2022-12-07
(62)【分割の表示】P 2019551493の分割
【原出願日】2017-11-20
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2016-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519209901
【氏名又は名称】キャドウェル ラボラトリーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CADWELL LABORATORIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100147692
【氏名又は名称】下地 健一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エイ キャドウェル
【審査官】外山 未琴
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-513592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0230749(US,A1)
【文献】特表2008-546509(JP,A)
【文献】特開2002-58654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経モニタリング用システムであって、該システムは、
複数のコネクタであって、前記複数のコネクタの各コネクタは、固有の識別コードと関連付けられ、前記複数のコネクタの各コネクタは電極に結合される、該複数のコネクタと、
前記複数のコネクタの各コネクタを受け入れ、前記複数のコネクタの各コネクタと関連付けられた前記固有の識別コードを識別し、及び、前記複数のコネクタの各コネクタに結合された電極を、前記固有の識別コードに基づいて対応する入力チャネルに関連付けるように構成された受ユニットと
を備える神経モニタリング用システム。
【請求項2】
同一の固有の識別コードに関連付けられた電極は、共通のモニタリング機能性タイプ又は共通の配置位置を有する、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項3】
前記電極は電極のグループに分けられ、前記電極のグループの各グループは、前記複数のコネクタの1つのコネクタに結合され、前記電極のグループの各グループの全ての電極は、共通のモニタリング機能性タイプ又は共通の配置位置を有する、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項4】
前記複数のコネクタの各コネクタは、電気的にアクセス可能なメモリを備え、前記固有の識別コードは、前記電気的にアクセス可能なメモリに格納される、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項5】
前記固有の識別コードは、128ビットのGUIDフォーマットである、請求項4に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項6】
前記受ユニットは、複数の入力受孔を備え、前記複数の入力受孔の各入力受孔は、前記複数のコネクタの少なくとも1つのコネクタを受け入れるように構成される、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項7】
前記複数のコネクタの各コネクタは、前記複数の入力受孔の何れの入力受孔とも結合するように構成される、請求項6に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項8】
前記複数のコネクタの各コネクタは、前記固有の識別コードを表すデータを前記受ユニットに送信するように構成される出力ピンを備える、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項9】
前記固有の識別コードを表すデータは、バーコード又は無線周波数コードとしてフォーマットされる、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項10】
前記複数のコネクタの各コネクタは、レジスタを備えたディップスイッチを有する、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項11】
前記複数のコネクタの各コネクタは、少なくとも2つの異なる向きで前記受ユニットに挿入されるように構成される、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項12】
前記複数のコネクタの各コネクタは、前記固有の識別コードを表すデータ、及び、前記コネクタの向きを表すデータを前記受ユニットに送信するように構成された少なくとも2つの指定出力ピンを有する、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項13】
前記少なくとも2つの指定出力ピンは、受ユニットに挿入される際の前記コネクタの前記向きを示すために、異なる極性又は電圧レベルに維持されるように構成される、請求項12に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項14】
前記少なくとも2つの指定出力ピンの物理的位置は、2つのそれぞれの向きで異なる、請求項12に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項15】
前記電極は電極のグループに分けられ、前記電極のグループの各グループは、前記複数のコネクタの1つに結合され、前記電極のグループの各グループの全ての電極は、共通のモニタリング機能性タイプ又は共通の配置位置を有し、前記電極のグループの各グループは、4,6,8,10,12又は16の電極を有する、請求項1に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項16】
神経モニタリング用システムであって、該システムは、
複数のコネクタであって、前記複数のコネクタの各コネクタは、固有の識別コードと関連付けられ、前記複数のコネクタの各コネクタは電極に結合され、前記電極は電極のグループに分けられ、前記電極のグループの各グループは、前記複数のコネクタの1つのコネクタに結合され、前記電極のグループの各グループの全ての電極は、共通のモニタリング機能性タイプ又は共通の配置位置を有する、該複数のコネクタと、
前記複数のコネクタの各コネクタを受け入れ、前記複数のコネクタの各コネクタと関連付けられた前記固有の識別コードを識別し、及び、前記複数のコネクタの各コネクタに結合された電極を、前記固有の識別コードに基づいて対応する入力チャネルに関連付けるように構成された受ユニットであって、前記受ユニットは、複数の入力受孔を備え、前記複数の入力受孔の各入力受孔は、前記複数のコネクタの何れのコネクタをも受け入れるように構成される、該受ユニットと
を備える神経モニタリング用システム。
【請求項17】
前記複数のコネクタの各コネクタは、電気的にアクセス可能なメモリを備え、前記固有の識別コードは、前記電気的にアクセス可能なメモリに格納される、請求項16に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項18】
前記固有の識別コードは、128ビットのGUIDフォーマットである、請求項17に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項19】
前記複数のコネクタの各コネクタは、前記固有の識別コードを表すデータを前記受ユニットに送信するよう構成された出力ピンを有する、請求項16に記載の神経モニタリング用システム。
【請求項20】
前記複数のコネクタの各コネクタは、少なくとも2つの異なる向きで前記受ユニットに挿入されるように構成される、請求項16に記載の神経モニタリング用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本発明は、2016年12月12日に出願された「System and Method for High Densi
ty Electrode Management」と題する米国特許出願第15/376,655に基づき優先
権を主張するものであり、その内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は神経モニタリング用途の分野に関し、より詳しくはこのような用途において多
数の電極を管理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
幾つかの医療処置は患者ケアのために必要なデータを記録及び監視するために身体上に
多数のセンサを配置することを必要とする。バイタルヘルスパラメータ、心臓活動、生化
学活動、脳内の電気的活動、胃活動及び生理活動などの情報は通常オンボデイセンサ又は
ボデイ埋め込みセンサ/電極によって記録され、これらのセンサ/電極は有線又は無線リ
ンクを介して制御される。典型的な患者モニタリングシステムは患者の特定の身体部位に
結合された1つ以上の電極に電線を介して接続された制御ユニットを備える。幾つかの用
途、例えばパルス酸素濃度計又はEKG(心電計)装置を使用する用途では、身体に結合
される電極はそれほど多くない(少数の電極)ので容易に管理することができる。しかし
ながら、多数の電極を人体に結合する必要がある用途では、電極の全体的なセットアップ
、配置及び管理は面倒なプロセスとなる。
【0004】
神経モニタリングは、手術中に所定の神経構造(例えば、神経、脊髄及び脳部分)の機
能的統合性を監視するために脳波検査(EEG)、筋電図検査(EMG)等の電気生理学
的方法を使用する。神経モニタリングの目的は、神経系への患者の医原性損傷のリスクを
低減するため、及び/又は機能的指示を外科医及び麻酔医に与えるためである。一般的に
、EEG等の神経モニタリング処置は身体に結合された多数の電極を必要とする。EEG
処置においては、多数の電極が、てんかん、睡眠障害及び昏睡などの様々な病気の検出及
び治療のために脳の様々な部分に対応する電気的活動を記録及び監視するために使用され
る。EEG処置は非侵襲性か侵襲性のいずれかである。非侵襲性EEGでは、多数の電極
が頭皮の上に、それらの下の脳の部分の電気的活性を記録するために、配置される。侵襲
性では、外科的介入によって、電極は脳の部分の真上に帯状に又は格子に設置されるか、
脳の深部に設置される。これらの電極の各々はリード線に結合され、そのリード線は電気
信号を受信及び送信するように構成された制御ユニットに接続される。様々な電極により
取得された電気的活動パターンは特定の病気の原因である脳の部分を位置特定又は発見す
るために標準のアルゴリズムを用いて解析される。
【0005】
EEGシステムの電極の数は典型的には21から256の間で変化する。EEG処置で
は電極の数が多いほど位置特定誤差を減少させるのに役立ち、よって医師がより良い手術
処置を計画するのに役立つ。従って、最新式のEEGシステムは、脳のすべての部分に対
応する電気的活動を別々にマッピングさせるために256電極にのぼる高密度電極配列を
使用する。しかしながら、EEG処置において電極の数が増加するにつれて、全体的なセ
ットアップ及び検証プロセスに要する時間が長くなり、間違いを発生しやすくなる。
【0006】
神経モニタリングにおいては、各電極はその近傍の電気的活動を取得するために異なる
位置に置かれるので、各電極から記録された入力は独立して処理する必要がある。システ
ムは各電極のアイデンティティを認識し、それに応じて該電極から受信された入力を処理
することが要求される。これを達成するためには、各電極を神経モニタリングシステムの
制御ユニットの正しい入力チャネルに結合することが重要である。しかし、実際的シナリ
オでは、多数の電極をそれぞれの入力チャネルに接続する間に医療提供者が1つの電極を
誤った入力チャネルに接続することがあり得る。これは全プロセスの欠陥となり得る。そ
れゆえ、高密度電極配置では、各電極に対応する接続を個別に確立し、その後治療の開始
前に完全性を検証する必要があるので、セットアッププロセスは時間を要する。実際上、
多数のリード線の接続をセットアップし検証するのに要する時間は、治療開始前にすべて
の電極の検査に続くそれらの完全性の検証の最良の実施を妨げ、従って医療ケアの質を落
とすことになる。
【0007】
EEGでの手術応用もグリッド電極を使用する。グリッド電極は本質的に多数のリード
(最大16まで)を単一のコネクタに組み合わせ、次いで該コネクタを16本の個別のリ
ードを有するアダプタに取り付けられ、それから個々のチャネルに対応する入力を有する
増幅器に取り付けられる。しかしながら、患者を200+の電極を有するEEGシステム
で監視するとき、これらの電極をグループ分けしても1ダースの以上のアダプタとなり、
これらのアダプタに対応する接続を治療の開始前に毎回個別に検証する必要がある。
【0008】
従って、多数の電極を含む現在の神経モニタリング医療装置はこれらのシステムを配置
する簡単で便利な方法を医師に提供しない。これらのシステムは誤った接続による信頼で
きない測定という重大なリスクに悩まされる。これらのシステムの配置の誤りは重大な危
険をもたらす。更に、これらのシステムの配置は多大な時間を必要とし、その後の最良の
実施を妨げるため、医療ケアの質を落とすことになる。
【0009】
使い易く、配置に多大な時間を必要としない装置及びシステムが必要とされている。こ
のような装置及びシステムは、様々な電極の位置又はアイデンティティを自動的に認識し
、それらの電極を特定の入力チャネルと関連付け、それによって医師が各電極を特定の入
力チャネルと手動的にマッピングさせる(対応付ける)必要がないようにすべきである。
【発明の概要】
【0010】
いくつかの実施形態において、本明細書は神経モニタリング用システムを開示し、該シス
テムは、複数の電極グループであって、各電極グループは複数の電極を備え、各グループ
内の前記電極の各々は類似のモニタリング機能性タイプ及び類似の配置位置の少なくとも
1つを有する、複数の電極グループと、複数のコネクタであって、各コネクタは電気的に
アクセス可能なメモリを備え、固有の識別コードが各電気的にアクセス可能なメモリに記
憶され、且つ前記複数の電極グループの各電極グループが前記複数のコネクタの少なくと
も1つのコネクタに結合される、複数のコネクタと、前記複数のコネクタを受け入れるよ
うに構成された少なくとも1つの受ユニットを備える制御ユニットであって、前記複数の
コネクタの各コネクタと関連する各自の固有の識別子コードを識別することによって前記
複数のコネクタの各コネクタのアイデンティティを確認し、各電極を前記固有の識別コー
ドに基づいて該制御ユニット内の対応する入力チャネルと関連付けるように前記システム
を設定する、制御ユニットと、を備える。
【0011】
任意選択として、前記固有の識別コードは128ビットのGUIDフォーマットである
。
【0012】
任意選択として、前記少なくとも1つの受ユニットは前記複数のコネクタの1つ以上の
コネクタを受け入れるように構成された複数の入力受孔を備える。
【0013】
任意選択として、前記1つ以上のコネクタは前記少なくとも1つの受ユニットの前記複
数の入力受孔の何れかに結合されるように構成される。
【0014】
任意選択として、前記コネクタは前記固有の識別コードに関連する情報を前記制御ユニ
ットに送信するように構成された指定出力ピンを有する。
【0015】
任意選択として、前記固有の識別コードに関連する前記情報はバーコード又は無線周波
数コード(RFID)としてフォーマットされる。
【0016】
任意選択として、前記固有の識別コードに関連する前記情報は、レジスタを備えたディ
ップスイッチとして構成された多数のピンを用いて記憶される。
【0017】
任意選択として、前記複数のコネクタの各々は少なくとも2つの異なる向きで前記受ユ
ニットに挿入されるように構成される。
【0018】
任意選択として、前記複数のコネクタの各々は、前記固有の識別コード及び該コネクタ
の向きに関する情報を前記制御ユニットに送信するよう構成された2つの指定出力ピンを
有する。
【0019】
任意選択として、前記2つの指定出力ピンは、受ユニットに挿入される際の前記コネク
タの向きを示すために異なる極性又は電圧レベルに維持される。
【0020】
任意選択として、前記2つの指定出力ピンの物理的位置は2つのそれぞれの向きで異な
る。
【0021】
任意選択として、任意の1つの電極グループに含まれる電極は前記コネクタの入力に所
定の順序で結合される。
【0022】
任意選択として、前記電極は4,6,8,10,12又は16電極のグループに構成に
構成される。
【0023】
任意選択として、前記システムはEEG又はEMG処置を行うように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態において、本明細書は神経モニタリング方法を開示し、該方法は、
人体の種々の部位に配置するための複数の電極を準備するステップと、前記電極を、各グ
ループが類似のモニタリング機能性タイプ及び類似の配置位置の少なくとも1つを有する
、複数の電極グループに配置構成するステップと、前記複数の電極グループの各グループ
の電極を複数のコネクタの1つと結合するステップであって、各コネクタが該コネクタ内
の電気的にアクセス可能なメモリに格納された固有の識別コードを備えている、ステップ
と、前記複数のコネクタの各コネクタをシステム制御ユニットと通信する少なくとも1つ
の受けユニットと結合するステップと、前記複数のコネクタの各コネクタのアイデンティ
ティをその固有の識別コードにより確認するステップであって、前記受ユニットが前記複
数のコネクタの各コネクタと関連する各固有の識別コードを識別することによって前記ア
イデンティティを確認するように構成されている、ステップと、前記固有の識別コードに
基づいて各電極を前記制御ユニット内のその対応する入力チャネルと関連付けるように前
記信号を設定するステップと、を備える。
【0025】
任意選択として、前記固有の識別コードは128ビットのGUIDフォーマットである
。
【0026】
任意選択として、前記少なくとも1つの受ユニットは前記複数のコネクタの1つ以上の
コネクタを受け入れるように構成された複数の入力受孔を備える。
【0027】
任意選択として、前記1つ以上のコネクタは前記少なくとも1つの受ユニットの前記複
数の入力受孔の何れかに結合されるように構成される。
【0028】
任意選択として、前記コネクタは前記固有の識別コードに関連する情報を前記制御ユニ
ットに送信するように構成された指定出力ピンを有する。任意選択として、前記固有の識
別コードに関連する前記情報はバーコード又は無線周波数コード(RFID)としてフォ
ーマットされる。
【0029】
任意選択として、前記複数のコネクタの各々は少なくとも2つの異なる向きで前記受ユ
ニットに挿入されるように構成され、前記少なくとも2つの異なる向きはステップ第1の
向き及びステップ第2の向きを含み、前記第2の向きは前記図第1の向きに対して水平軸
を中心に180度回転している。
【0030】
任意選択として、前記複数のコネクタの各々は、前記固有の識別コード及び該コネクタ
の向きに関する情報を前記制御ユニットに送信するよう構成された2つの指定出力ピンを
有する。
【0031】
任意選択として、前記2つの指定出力ピンは、受ユニットに挿入される際の前記コネク
タの向きを示すために異なる極性又は電圧レベルに維持される。
【0032】
任意選択として、前記2つの指定出力ピンの物理的位置は2つのそれぞれの向きで異な
る。
【0033】
任意選択として、任意の1つの電極グループに含まれる電極は前記コネクタの入力に所
定の順序で結合される。
【0034】
任意選択として、前記電極は4,6,8,10,12又は16電極のグループに構成に
構成される。
【0035】
任意選択として、前記システムはEEG又はEMG処置を行うように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態において、本明細書は患者データモニタリング用医療システムを対
象とし、該システムは、患者の身体に取り付けるように構成された複数の電極グループで
あって、前記複数の電極グループの各電極グループは類似のモニタリング機能性タイプ及
び類似の配置位置の少なくとも1つを有する、複数の電極グループと、複数のコネクタで
あって、各コネクタは電気的にアクセス可能なメモリを備え、固有の識別コードが各電気
的にアクセス可能なメモリに記憶され、且つ前記複数の電極グループの各電極グループが
前記複数のコネクタの少なくとも1つのコネクタに結合される、複数のコネクタと、前記
複数のコネクタを受け入れるように構成された少なくとも1つの受ユニットを備える制御
ユニットであって、前記複数のコネクタの各コネクタと関連する各自の固有の識別子コー
ドを識別することによって前記複数のコネクタの各コネクタのアイデンティティを確認し
、各電極を前記固有の識別コードに基づいて該制御ユニット内の対応する入力チャネルと
関連付けるように前記システムを設定する制御ユニットとを備え、ここで関連付けるとは
、前記電極を前記対応する入力チャネルと電気通信状態に置くことである。
【0037】
任意選択として、前記医療システムは神経モニタリング用途に使用されるように構成さ
れる。
【0038】
任意選択として、前記医療システムはEKG処置に使用されるように構成される。
【0039】
上記の及び他の目的及び利点は、添付図面と関連する以下の詳細な説明を参照すると明
らかになり、図中の同等の参照符号は同等の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】患者の身体上に配置された多数の電極を備える従来の医療システムのブロック図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態による、患者の身体上に配置された多数の電極を備える従来の医療システムのブロック図を示す。
【
図3】
図3Aは、本発明の一実施形態による例示的なコネクタ及び受ソケットを示す。
図3Bは、本発明の別の実施形態による例示的なコネクタ及び受ソケットを示す。
【
図4】本発明の様々な実施形態による異なるサイズのコネクタの説明図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による、EEG処置において8入力深部電極をサポートするように配置された8チャネルコネクタの例示的説明図を示す。
【
図5B】
図5Aに示すEEG処置において8入力深部電極をサポートするように配置された8チャネルコネクタの詳細説明図を示す。
【
図6】本発明の一実施形態による、脳に配置された64電極格子を示す。
【
図7】本発明の一実施形態による電極接続システムを設定する方法を実行するステップを示すフローチャートを示す。
【
図8A】本発明の一実施形態による、多数のコネクタを受け取るように構成された受ソケットを有する256チャネル神経モニタリングEEGシステムの制御ユニットを示す。
【
図8B】患者の神経学的状態のモニタリングに使用中の
図8Aのシステムを示す。
【
図9A】本発明の様々な実施形態による例示的なコネクタと受ソケットの説明図を示す。
【
図9B】本発明の他の実施形態による例示的なコネクタと受ソケットの別の説明図を示す。
【
図10】本発明の一実施形態による、双方向で使用可能なコネクタを示す。
【
図11】本発明の別の実施形態による、双方向で使用可能なコネクタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に記載するシステム、装置及び方法は、脳波検査(EEG)処置等の神経モニタリン
グ用途に対する新規な電極管理解法を開示する。このような用途における電極管理のため
の高度に信頼可能で便利な方法を提供するシステム及び方法が開示される。開示のシステ
ムの実施形態では、医師は各電極リード線をシステム制御ユニットの対応する入力チャネ
ルと手作業でマッチイングさせる必要がなくなり、セットアップ時間を大幅に短縮できる
。電極は神経モニタリングシステムの制御ユニット又は増幅器の入力チャネルと直接接続
されない。むしろ、制御ユニットは固有のコネクタ及び対応するソケットの助けで電極に
結合され、ソケットは電極のタイプ及び配置位置を含み、電極を自動検出することができ
る。電極が識別されると、制御ユニットはシステムを、各電極を制御ユニット内の対応す
る入力チャネルと自動的に相関させる、関連付ける、割り当てる、又は「マッピングさせ
る(対応付ける)」ように再設定する。ここで、相関させる、関連付ける、割り当てる、
又は「マッピングさせる」とは、特定の電極を制御ユニット内の対応する特定の入力チャ
ネルと電気通信状態に置くことと定義する。コネクタと受ソケットは、制御ユニットが各
電極を正しく認識し、各電極から受信される情報を、コネクタが受ソケットのどこに挿入
されるかとは無関係に、患者身体上の電極の設置位置に関して正しく処理することを保証
する。
【0042】
複数の実施形態では、電極は、それらの類似のモニタリング機能性及び身体上の類似の
配置位置に基づく類似のタイプの電極が同じグループに含まれるように、複数のグループ
にグループ化される。本明細書の目的のために、「類似のモニタリング機能性」とは、類
似の神経モニタリングモダリティに使用される電極を意味する。例えば、限定されないが
、脳波検査(EEG)、筋電図検査(EMG)、誘発電位検査等の研究に使用される電極
は類似のモニタリング機能性のグループに集められる。従って、EEGに使用されるすべ
ての電極は類似のモニタリング機能性を有する電極を構成し、EMGのような他のモダリ
ティに使用される電極から明確に区別される(それは類似のモニタリング機能性を有しな
いためである)。本明細書の目的のために、「類似の配置位置」とは、患者の頭部又は頭
皮上に特定の部位に一緒に設置された電極を意味する。例えば、患者の頭皮の前頭部、後
頭部、左頭部又は右頭部に設置するように構成された電極は各部位に基づいて類似の配置
位置のグループに集められる。従って、患者の頭皮の前頭部に配置されるすべての電極は
類似の配置位置を有する電極を構成し、患者の頭皮の後頭部、左頭部又は右頭部に配置さ
れる電極から明確に区別され(それは類似の配置位置を有しないためであり)、これらの
電極の各々はそれぞれ異なる配置位置を有する。
【0043】
その後、各グループの電極は別個のコネクタに所定の順序でマッピングされ、そのよう
なすべてのコネクタはシステム制御ユニットの受ソケットと結合される。1グループの電
極が1コネクタにマッピングされるとき、それらの電極がコネクタに所定の順序で結合さ
れるように該グループ内の各電極の正確な位置及びタイプが標準化され、コネクタに固有
の識別コード又はIDが割り当てられる。コネクタ及び受ソケットはアイデンティティ(
ID)読み取り機能を有するため、任意のコネクタが受ソケットに挿入されたとき、受ソ
ケットはそのコネクタをその固有の識別コード又はIDから識別することができ、且つコ
ネクタのアイデンティティに基づいて、このコネクタにマッピングされたすべての電極の
特定の位置及びタイプが確定される。ID情報はコネクタにより明示的に担持され、レセ
プタクルにより非明示的に担持される。ID情報はコネクタ上の電気的にアクセス可能な
メモリに格納される。様々な実施形態では、メモリは、例えばリードオンリメモリ(RO
M)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、消去可能なプログラマブルリー
ドオンリメモリ(EPROM)及び電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモ
リ(EEPROM)等の不揮発性メモリのいずれか1つ又はそれらの組み合わせ、及びダ
イナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及びスタティックランダムアクセスメモ
リ(SRAM)などの揮発性メモリである。グループの電極とコネクタは決して分離され
ず、コネクタが使用可能な入力アレイ上のほかのどこかに再挿入される場合には、システ
ムはそれらの入力を正しいチャネルに再マッピングする。ID情報は1グループ内のすべ
ての電極に対応し、いくつかの実施形態では、現行システムでの1度に1電極と比較して
1度に16電極である。電極を取り付ける場所を決定するために必要な情報は、コネクタ
(固有のIDを使用する)と所定のセットアップ(例えば、10/20システムヘッドキ
ャップの場合)又はコンピュータシステムに対してユーザにより単位コネクタベースで指
定されたセットアップとの関数である。
【0044】
複数の実施形態では、コネクタが受ソケットと結合されると、医療システムは該コネク
タの各入力に結合される電極に関する情報を要求する。ユーザはその後コネクタの特定の
入力に結合される様々な電極に関する情報を提供する。一実施形態では、ユーザは医療シ
ステムと結合されたキーボード又はキーパッドにより手動的にこの情報を入力する(又は
利用可能なオプションのリストからデータを選択する)。ユーザがこの情報を提供すると
、特定のコネクタに結合されたグループ内の電極の正確な位置及びタイプが標準化される
。いくつかの代替実施形態では、電極が各コネクタに結合される正確な順序に関する情報
が、受ソケットにコネクタが挿入される前に医療システムに提供される。
【0045】
受ソケットは入力点のバンクを備え、固有のIDを有し個別の電極グループを表す様々
なコネクタを受ソケット上の任意の入力に挿入することができるように構成される。受ソ
ケットがコネクタとの電気的接続を確立すると、受ソケットはコネクタの固有のIDを読
み取り、そのアイデンティティを確認することができる。コネクタのアイデンティティの
確認時に、システムはコネクタにマッピングされた様々な電極のタイプ及び特定の位置を
認識することができる。
【0046】
本明細書に開示されるような固有のIDを有するコネクタのコンセプトを使用すると、
特定のグループ内の電極の位置はコネクタに対して標準化される。同じグループからの電
極はコネクタの入力に所定の順序で結合され、システムはコネクタの固有のIDを読み取
り、正しい意味(電極のタイプ及び位置)を各電極に割り当てる。医療ケア提供者は、各
処置前に単一コネクタに対応する電極が同じ所定の順序又は順番でマッピングされること
に注意するだけでよい。一旦識別されると、電極グループは除去することができるととも
に、間違うことなく任意の使用可能なスロットに再挿入することができる。システムは新
たな接続に注意し、正しい意味を入力に得あり当てる。小さいグループ内の電極リード線
の取り扱いは、200超の電極を含むEEG処置のような高密度電極応用の場合における
全セットアッププロセスをより煩わしくないものとする。従来のシステムでは、電極に対
応する電気コネクタを医療装置内に位置するレセプタクルから除去し、それに再挿入する
場合に、各電気コネクタは正確に同じレセプタクル又は電極本体に再挿入しなければなら
ない。しかしながら、上記のシステムでは、ユーザは様々なコネクタを医療装置から除去
し、これらのコネクタを受ソケット内の任意の入力点に再挿入することができる。
【0047】
本明細書のコネクタシステムの例示的な有効利用はMRI処置と関連する。MRI中、
モニタリングシステム増幅器の入力は、その増幅器自体がMRIマシンにより発生される
強い磁場内に入ることは許されないので、その増幅器自体から切り離す必要がある。この
ような処置のための200本のリード線の切り離し及び再接続は時間を要し、誤りを生じ
やすい。このような根気のいるプロセスは、MRI処置が好ましいイメージング技術であ
る場合でも、MRI処置の使用を妨げ得る。200本の識別されない個別のリード線のセ
ットにおいては、上記のプロセスは誤りを生じやすいだけなく、各チャネルを手動的に再
マッピングさせる必要があり、いくつかのシステムではチャネルを連続的に使用しなけれ
ばならないため、「放棄された」チャネルが表示され続けることになる。本明細書の識別
されたコネクタシステムでは、リード線の接続を間違える可能性がより低下するとともに
、上記のプロセスがより速くなる。
【0048】
本明細書において、特定の実施形態と関連して記載した如何なる特徴又はコンポーネン
トも特に明確な指示のない限り任意の他の実施形態とともに使用し実施することができる
ことに注意されたい。
【0049】
図1は、患者102の身体に配置された多数の電極を備える従来の医療システム100
のブロック図を示す。医療装置101は、多数の電極を備える任意の従来の神経モニタリ
ング医療システム、例えばEEG(脳波検査)システムを示し、該システムは、特定の病
気の診断及び予防的治療のために患者の神経学的状態を監視するため及びいくつかある他
の処置の中で特に麻酔中の患者を監視するために使用される。
図1に示すように、医療装
置101は複数の電気リード線103を介して患者102に結合され、これらのリード線
の各々は患者の身体上の適切な位置に置かれた電極(図示せず)に結合される。多数の電
極を人体に結合する必要がある用途では、セットアップ、即ち電極の設置及び管理、は面
倒なプロセスである。各電極はその近傍の電気的活動をキャプチャするために異なる位置
に置かれるので、各電極により記録される入力は独立して処理しなければならない。従っ
て、システムは電気リード線103の各々のアイデンティティを認識し、それに応じてそ
れから受信される入力を処理する必要がある。任意の電極を患者102の身体上の所要の
位置に設置した後、ユーザは各電極に対応する電気リード線103を医療装置101内の
該電極のために構成された特定の入力チャネルに正しく挿入する必要がある。電極の数が
少ない場合、例えば10又は15未満の場合には、使用者は電極を識別し、それを正しい
入力チャネルに接続することができる。しかし、電極の数が増加すると、このプロセスは
極めて難しくなり、間違いを起こしやすい。更に、たとえ電極が医療装置101の正しい
入力スロットに結合されたとしても、処置前に各接続を再検査しその完全性を検証するこ
とは実際上極めて難しく多大な時間を要する。通常、このような高密度配置においては、
セットアッププロセスは多大な時間がかかるため、状況次第では、例えば外科処置時に、
医師は外科処置が終了するまで完全性のための各接続の検査ステップを完全に又は部分的
に省略することになり、医療過誤の可能性が高くなる。
【0050】
図2は、一実施形態として開示される、患者202の身体に配置された多数の電極を備
える例示的な医療システム200のブロック図を示す。医療装置201は、複数の電気リ
ード線203を介して患者202の身体に結合された多数の電極(図示せず)を備える。
EEG等の神経モニタリング医療処置においては、これらの電極は複数のグループにし、
特定のグループ内の電極はそれらの入力信号及び位置に関して類似性を有するようにする
。本明細書に記載するシステム及び方法では、電極及び対応する電気リード線203も複
数のグループ、例えば203a,203b,...,203nに配置され、これらのグル
ープの各々は類似のタイプ及び位置の電極を含むように独立に構成される。開示の構成で
は、医療装置201は配置された電極と直接接続する代わりに、これらの電極は複数のグ
ループに配置され、各グループは固有のIDを有するコネクタ205を介して医療装置2
01に結合される。電気リード線203a,203b,...,203n(類似のタイプ
及び位置の電極を表す)のグループの各々は対応するコネクタ205a,205b,..
.,205nに結合されるため、電気リード線203aのグループはコネクタ205aに
、電気リード線203bはコネクタ205bに、同様にリード線203nはコネクタ20
5nに結合される。様々なコネクタ205a,205b,...,205nは医療装置2
10に結合された受ソケット204と接続される。受ソケット204は入力点の列を備え
、これらの入力の何れかにコネクタ205a,205b,...,205nを受け入れる
ように構成される。コネクタ205a,205b,...,205nの各々は独自のアイ
デンティティを有し、受ソケット204は、このようなコネクタのいずれかがそれに接続
される際にそのコネクタのアイデンティティを確認するように構成される。任意のコネク
タ205のアイデンティティを確認することによって、システム200は各コネクタ20
5に結合された様々な電極(それらのタイプ及び位置を含む)を識別することができる。
単一コネクタ205に結合されたすべての電極は同じグループに属し、従ってそれらの信
号処理要件に関して互いに置き換え可能である。対応する電気リード線203に結合され
た患者接続電極の解剖学的位置は常にコネクタ205上で同じ規定の入力順序にある。更
に、受ソケット204は任意のコネクタ205、従って該コネクタに結合された電極のグ
ループ、をその固有のIDから識別するよう構成されるので、これらのコネクタは受ソケ
ット204の任意の入力に差し込むことができる。
【0051】
一実施形態では、コネクタ205a,205b,...,205nは指定の所定の識別
出力ポイント/ピンを備え、任意のコネクタが受ソケット204に差し込まれたとき、受
ソケット204はコネクタ205のアイデンティティを確認するためにその出力ピンから
受信される情報を読み取る。コネクタ205のアイデンティティが確認されると、システ
ム200は該コネクタとマッピングされた電極のセットを認識し、各電極をその対応する
入力チャネルと自動的に相関させる、関連付ける、又はマッピングさせるように自身を設
定する。
【0052】
医療装置201において各電極をその対応する入力チャネルと手動的にマッピングさせ
る代わりに、上述したように電極を独立のグループで処理するコンセプトを使用すると、
ユーザは同じグループに属する電極を同じコネクタに同じ順序で結合することを保証する
だけでよい。これは、入力が機械的に規定されたグリッド又はストリップの一部分である
とき、デフォルトによって起こる。その後、ユーザは多数のこのようなコネクタを受ソケ
ットにその入力の何れかに差し込むことができる。電極を入力チャネルと手動的にマッピ
ングさせる従来のプロセスは極めて退屈で多大な時間を要するが、開示の方法は任意の医
療処置を開始する前に必要とされセットアップ時間を大幅に短縮する。開示のシステム及
び方法は電極を対応する入力チャネルとマッピングさせるプロセスへの人の関与を排除す
ることによって間違いを生じる危険性も低減する。
【0053】
どのコネクタ205に結合される電極の数も変えることができ、実際の医学的要求に依存
する。通常、類似の場所に配置され、類似の入力信号を受信する電極のみをグループ化し
、単一のコネクタに結合することができる。EEGなどの医療処置において、電極は4,
5,6,8,10及び16電極のグループに分けられ、このような電極グループの各々は
脳の特定の部位を標的とする。このような場合には、上述した電極グループをサポートす
ることができる複数の異なるサイズのコネクタが配置される。
【0054】
図3Aは一実施形態における例示的なコネクタ300及び受ソケット310を示す。図
3Aに示されるように、コネクタ300は、コネクタ300を使って患者の身体に配置さ
れる複数の電極(図示せず)に対応する複数の信号出力ピン302を備える。コネクタ3
00は1つ以上の電気リード線(図示せず)を介して複数の電極に結合される。いくつか
の実施形態では、コネクタ300は無線通信リンクを介して電極に結合される。複数の実
施形態では、コネクタ300のような各コネクタは固有のアイデンティティを有し、同じ
グループに含まれる複数の電極に結合される。電極が同じグループに分類されるとき、そ
れはそれらの入力信号は同タイプであり、それらの相対位置が完全に規定されることを意
味する。これらの電極はコネクタの入力端子に特定のあらかじめ決められた順序で接続さ
れる。
図3Aは“n”チャネルコネクタ300を示し、コネクタ300は最大数nの電極
を有する電極グループを収容することができることを意味し、ここでnは任意の自然数で
ある。商用アプリケーションにおいては、nの値は通常4,6,8,10,12及び16
であり、対応する数の電極を単一のコネクタに結合することができる。
【0055】
一実施形態では、コネクタ300は特定の識別(ID)出力ピン301を備え、該ピン
301はコネクタ300の固有のアイデンティティ(ID)を確認するために使用される
。受ソケット310はコネクタ300の信号出力ピン302を受け入れるように構成され
た信号入力点又はソケット部311の列を備える。通常、受ソケット310のような受ソ
ケットは多数のコネクタを受け入れるのに十分な入力点を備える。高密度電極を用いる実
際の応用例では、入力点の数は200超である。受ソケット310はシステム全体を制御
するために使用される制御ユニット/増幅器(図示せず)に結合される。一実施形態では
、受ソケット310はコネクタ300のID出力ピン301を受け入れるように構成され
た個別のID入力受孔312を備える。コネクタ300は、ID出力ピン301がID入
力受孔312に受け入れられ、信号出力ピン302が信号入力受孔311の一部に受け入
れられるように受ソケット310に挿入される。
図3Aを参照すると、いくつかの実施形
態では、システムは複数の受ソケット310と複数のコネクタ300を含み、任意のコネ
クタ300を任意の受ソケット310に、そのID出力ピン301が対応するID入力受
孔312と整列しそれに挿入されるように挿入することができる。
【0056】
コネクタ300のアイデンティティが確認されると、システムはコネクタ300に結合
されているすべての電極のタイプ及び位置を、コネクタ300が挿入された入力受孔31
1のセットに関係なく識別することができる。電極が識別されると、受ソケット310に
結合された制御ユニットは、自動的に各電極をその対応する入力チャネルに相関させる、
関連付ける、割り当てる又はマッピングさせるようにシステムを再設定する。
【0057】
コネクタ300のようなコネクタの各々は固有のID(アイデンティティ)を有する。
この識別情報はコネクタ300に格納され、その識別(ID)出力ピン301からシステ
ムにアクセス可能である。このID情報はコネクタ300内の各電極のタイプ及び相対位
置を指定する。一実施形態では、IDフィールドはGUID(グローバルユニーク識別子
)を備え、GUIDは128ビットデータを含む標準フォーマットであり、コンピュータ
ソフトウェアで識別子として使用されている。IDフィールドは付属デバイスに関する他
のデバイス固有情報も含み得る。GUIDが割り当てられると、各入力はその後一意に識
別することができる。実施形態では、GUIDデータはコネクタ300の内臓メモリデバ
イスに格納され、任意選択として、該メモリデバイスはEPROM記憶デバイスである。
いくつかの実施形態では、GUIDは、チェックサム、製造日及び真正性などの電極に関
する追加のメタデータを記憶するディジタルIDである。他の実施形態では、同じ電極情
報を、ディップスイッチのように使用される複数のピン(組み合わせ=2**n、即ち3
つの接続は8つの組み合わせを生じる)を用いて、その値が入力タイプを表すレジスタ(
即ち、1レジスタにつき10の組み合わせ)を用いて、複数ピン複数レジスタ(2ピンで
100の組み合わせ)、又は自動的に読み取られるバーコードを用いて、記憶する。他の
実施形態では、識別情報をコネクタに記憶されたRFIDによって通信する。
【0058】
図3Aに示す実施形態では、コネクタ300がオス電気コネクタとして示され、対応す
る受ソケット310がメス電気コネクタとして示されている。他の実施形態では、コネク
タがメスコネクタとして構成され、受ソケットがオスコネクタとして構成される。
【0059】
図3Bに示す別の実施形態では、コネクタ320は、ID出力ピン321が一組の信号
出力ピン322と直列ではなく平行に配列されるように構成される。対応する受ソケット
330は、ただ1つのID入力受孔の代わりに、受ソケット330が一組の信号入力受孔
331に平行に配列された複数のID入力受孔333を備えるように構成される。
図3B
に示すコネクタ320と受ソケット330は、ID出力ピン321が少なくともID入力
受孔333で受け取れるならば、コネクタ320を入力受孔331の何れかに挿入するこ
とができるように構成される。
【0060】
医療処置において、電極はグループに分類され、同じグループに属する電極は類似のタ
イプのものであり、類似の場所に配置される。EEG処置において、電極は4,5,6,
8,10及び16電極のグループに入り、このような各グループは脳の特定の部位を標的
とする。同じサイズのコネクタがすべての電極グループに使用される場合には、少数の電
極を有するグループにマッピングされるコネクタの場合にはいくつかの入力チャネルが無
駄になる。入力チャネルの高い利用度を可能にするために、実施形態では、電極を小さい
グループに編成するとともにコネクタを異なるサイズに設計し、変化するサイズの電極グ
ループをサポートする柔軟性を提供する。
【0061】
図4は異なるサイズのコネクタ410,420,430,440の説明図を示す。
図4
に示すように、コネクタ410はID出力ピン401と、最大4つまでの電極を含む電極
グループをサポートし得る4つの出力ピンのセット402を備える。コネクタ420は8
つの出力ピン422を備えるため、電極数が4より多く、8以下である場合に、ユーザは
コネクタ410の代わりにコネクタ420を配置することができる。同様に、12の出力
ピンを有するコネクタ430は12電極までをサポートすることができ、16出力ピンを
有するコネクタ440は16電極までサポートすることができる。コネクタ420,43
0及び440はそれぞれID出力ピン421,431及び441も含む。単一サイズのコ
ネクタを使用する代わりに、ユーザは複数サイズのコネクタを配置することができ、それ
により実際の処置における空間要件を軽減することができる。すべてのコネクタはID出
力ピン401,421,431,441を有し、該ピンはコネクタの固有のアイデンティ
ティを確認するために使用され、システムは該固有のアイデンティティを用いてコネクタ
を介してすべての電極をそれらの正しいチャネルに相関させる、割り当てる、又は関連付
ける。いくつかの実施形態では、コネクタ420,430及び440を参照すると、出力
ピンは4チャネルのグループに分けられる。例えば、コネクタ420は出力ピン422の
2つの4ピングループ422a及び422bを含み、コネクタ430は出力ピン432の
4つの4ピングループ432a、432b及び422cを含み、コネクタ440は出力ピ
ン442の4つの4ピングループ442a、442b、442c及び422dを含む。受
ソケットはどのコネクタも受け入れ、その入力点の列に沿って任意の場所に差し込むこと
ができる。各コネクタは単一のIDを必要とするのみであり、ソケットは任意の位置の任
意のコネクタを身元確認するよう構成される。
【0062】
複数の実施形態では、コネクタ及び対応する受ソケットは、コマンドを受ソケットと結
合する際にミスアライメントが起こらないようにするメカニズムを備える。複数の実施形
態では、異なる種類の製品とともに使用される複数のコネクタタイプが提供される。複数
の実施形態では、コネクタの所定の入力には、より低い雑音、より高いオフセット電圧公
差又は差動入力などの機能強化が与えられ、ユーザはこのような機能を必要とする入力を
コネクタ位置の一部に差し込む必要がある。いくつかの実施形態では、すべての入力が同
じ要件を有するわけではなく、必要とされる増幅器又は信号処理はそれらの入力によって
異なる。物理的コネクタが前記機能をサポートしないチャネルの入力に挿入される場合に
は、システムはユーザに前記機能をサポートする別の入力を選択するよう知らせることが
できる。いくつかの実施形態では、システムは、より高い機能を有し且つ通常の又は機能
拡張された入力をアクセプトし得るチャネルの一部を含む。これらのチャネルはなおも機
能強化されない入力をサポートしてより良いチャネルの利用を可能にする。いくつかの実
施形態では、SpO2やその他のサポートされない入力タイプは少数の入力に設定される
。他の実施形態では、例えば圧力入力を電圧測定の代わりに圧力測定のためにセットアッ
プされた識別されたコネクタの異なるバンクに差し込む。
【0063】
複数の実施形態では、固有のIDとは別に、所定の他の情報、例えばコネクタの認証情
報、製造日及び各コネクタに対応する電極など、がコネクタに記憶される。
【0064】
図5Aは、EEG処置において8個の入力深部電極505をサポートするために配置さ
れる8チャネルコネクタ510の例示的な説明図示す。
図5Aに示すように、コネクタ5
10は1個のID出力ピン501と8個一組の出力ピン502とを備え、つまり、該コネ
クタ510は最大8個の電極をサポートすることができる。コネクタ510は一組の電極
リード線を介して8入力深部電極505に結合される。いくつかの実施形態では、深部電
極505は1つ以上の中間コネクタ503,504を介してコネクタ510に結合される
。中間コネクタ503,504は、外科的処置において制限される配置に対処するとき、
より大きな柔軟性をシステムに提供する。他の実施形態では、システムは中間コネクタを
含まず、電極は直接コネクタと結合し、ID情報は電極(例えば、電極キャップ、呼吸ベ
ルト、及びEKG入力)に極めて特有なものとする。深部電極505は脳507の皮質部
位に設置される。コネクタ510は内臓メモリに記憶された固有のID(アイデンティテ
ィ)を有する。一実施形態では、固有のIDは128ビットのGUIDを備え、コネクタ
510内のEPROM(消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ)に記憶される。
コネクタ510が受ソケットに差し込まれると、システムはID出力ピン501を介して
EPROMメモリ装置からID情報を読み取り、コネクタ510に結合された8入力深部
電極505のアイデンティティを確認する。それに応じて、システムは、深部電極505
の正しい入力をそれらの対応入力チャネルと相関又は関連付けるように自身を設定する(
及びコネクタが除去され、別の位置に再挿入される場合には、自身を再設定する)。
【0065】
図5Bは、
図5Aに示すEEG処置において8入力深部電極505をサポートするよう
に配置された8チャネルコネクタ510の詳細説明図を示す。
図5Bに示すように、コネ
クタ510は電気リード線506を介して深部電極505に結合される。
図5Bにおいて
、中間コネクタ503は、複数のリング接点を有するワイヤ516を受け入れ、各リング
接点が8入力深部電極505の複数の入力の1つに結合されるように構成されたリング接
点コネクタを備える。ワイヤ516は一組のリング接点509を備えるため、ワイヤ51
6が中間コネクタ503内に挿入されると、これらのリング接点509の各々が中間コネ
クタ503内の8個のリング状のレセプタクルの1つと電気接触を確立する。電気リード
線506はその内部に複数の導体518を備え、各導体518は深部電極505と8チャ
ネルコネクタ510との間の個別の電気通信チャネルとして作用する。8個の異なる電気
導体518を備えるリード線506の分解図が506aとして示されている。上述したよ
うに、中間コネクタ503はリング接点レセプタクルを使用し、深部電極505等の電極
の取扱いのより大きな柔軟性をシステムに提供する。いくつかの実施形態では、コネクタ
503は異なる構成で使用される。
【0066】
図6は、本明細書に開示したコネクタを用いて脳650上に配置された64電極格子6
00に示す。
図6に示すように、電極格子600は脳650の様々な部位上に配置された
64個の電極を備える。電極格子600は侵襲的手術により配置される。64個の電極は
各グループ16電極の4つのグループに分けて配置される。第1のグループの16電極は
第1の電気リード線611を介して16チャネルコネクタ610に結合される。第2のグ
ループの16電極は第2の電気リード線621を介して16チャネルコネクタ620に結
合される。第3のグループの16電極は第3の電気リード線631を介して16チャネル
コネクタ630に結合される。第4のグループの16電極は第4の電気リード線641を
介して16チャネルコネクタ640に結合される。いくつかの実施形態では、各リード線
611,621,631,641は中間コネクタ615を介してそれぞれのコネクタ61
0,620,630,640に結合される。中間コネクタ615は、外科的処置において
制限される配置に対処するとき、より大きな柔軟性をシステムに提供する。コネクタ61
0,620,630及び640の各々は固有のIDを有し、該IDは対応するコネクタの
内臓メモリに記憶される。一実施形態では、様々なコネクタのIDは128ビットGUI
Dを備え、該GUIDは、対応するコネクタがシステム制御装置の受ソケットに差し込ま
れるとき、システムにより読み取ることができる。コネクタ610は第1のGUID61
2を備え、コネクタ620は第2のGUID622を備え、コネクタ630は第3のGU
ID632を備え、コネクタ640は第4のGUID642を備える。コネクタ610,
620,630及び640のいずれかが受ソケットに差し込まれると、システムはそのG
UID情報を読み取り、コネクタのアイデンティティを確認する。その後、システムは対
応するコネクタにマッピングされた電極を正しい入力チャネルに相関又は関連付けるよう
に自身を設定する。
【0067】
図7は、本明細書に開示したコネクタを用いてシステムを設定する一実施形態に含まれ
るステップを説明するフローチャートを示す。
図7に示すように、ステップ710におい
て、電極を、類似のタイプ及び類似の配置位置の電極が同じグループに含まれるように複
数のグループに配置する。同じグループ内の電極はそれらの入力チャネル及びポジショニ
ングに関して類似性を有し、同じコネクタに特定の順序で結合する。
【0068】
ステップ720において、各グループ内の電極の数に基づいて、各グループに対して適
切なサイズのコネクタを選択する。コネクタは該コネクタでサポートされる電極グループ
内の電極の数に等しいかそれより多い数の入力チャネルを有する必要がある。ステップ7
30において、電極を対応するコネクタと接続する。ステップ740において、電極が各
コネクタに接続される順序に関する情報を制御ユニットに供給する。ステップ750にお
いて、コネクタを医療装置の制御ユニットの受ソケットに接続する。ステップ760にお
いて、システムは各コネクタに格納された固有のID情報を用いてすべてのコネクタのア
イデンティティを確認する。ステップ770において、システムは各電極を制御ユニット
内のその対応する入力チャネルと相関又は関連付けるように自身を設定する。ステップ7
80において、システムセットアップは完了し、処置を開始できる。いくつかの実施形態
では、コネクタが受ソケットに挿入された後でシステムがコネクタと結合された電極グル
ープに関する情報をランタイム時に要求するとき、ステップ740がステップ750後に
実行され、その後ユーザはこの情報を制御ユニットに供給する。
【0069】
図8Aは、複数のコネクタを受け取るように構成された受ソケット801を有する25
6チャネルの神経モニタリングEEGシステムの制御ユニット800を示す。
図8Aに示
すように、医療システムの制御ユニット800は複数の受ソケット801を備える。制御
ユニット800は256の入力チャネルを備え、よって同数の電極をサポートすることが
できる。制御ユニット800において、256の入力チャネルに対応する受ソケット80
1は8列に分割され、各列は32の入力チャネルに対応する。制御ユニット800はケー
ブル810を介してデータ収集システムに結合される。
図8Bは、患者の神経学的状態を
監視するために使用されている
図8Aの医療システムを示す。
図8Bに示すように、多数
の電極805が脳の電気的活動を監視するために患者820の頭の上に設置される。電極
805は複数のグループに、各グループが同じタイプの電極を備えるように、配置される
。複数のグループの電極は、例えば
図4に示すコネクタ410,420,430及び44
0のように、別々のコネクタに結合される。電極805は複数の電気リード線806を介
してコネクタ802に結合される。コネクタ802はコネクタにGUIDの形で格納され
た固有のアイデンティティを有する。受ソケット801は各コネクタのGUID情報を読
み取り、そのアイデンティティを確認するように構成される。コネクタ802のアイデン
ティティの確認後に、制御ユニット800はシステムを、電極805の各々を制御ユニッ
ト800の対応する入力チャネルと相関させる又は関連付けるように設定する。
【0070】
様々な実施形態では、本明細書のシステムのコネクタ及び受ソケットは、コネクタを受
ソケットにいくつかの位置で挿入できるが、逆向きに又は無効位置で挿入することはでき
ないように、キー付きにする。例えば、いくつかの実施形態では、コネクタはその水平軸
に対してトップアップ又はボトムアップの向きで受ソケットに挿入できるが、それは受ソ
ケットの個別の位置でのみできるように構成される。一実施形態では、受ソケットはコネ
クタの向き及びコネクタのIDを検出するように構成される。別の実施形態では、ピンを
コネクタの上部側と底部側で二重にする。一実施形態では、受ソケットはコネクタの向き
及びコネクタのIDを検出するように構成される。キー付きコネクタ及び受ソケット結合
のいくつかの実施形態が
図9A~
図11を参照して以下に記載されるが、これらの実施形
態は本来は例示を意図し、本発明を限定することを意図していない。
【0071】
図9A及び
図9Bはコネクタ910,930及び受ソケット915,935の例示的な
実施形態の説明図を示す。コネクタ910,930は及び受ソケット915,935は結
合時に一つの向きのみを許容する設計上の特徴を有するように構成される。
図9Aを参照
すると、コネクタ910は、コネクタ910が受ソケット915内に確実に正しく挿入さ
れるようにするために、その上面に受ソケット915のノッチと整列する1対のキー部又
はリッジ部を含む。複数の実施形態では、コネクタ910は4つの信号入力ピン毎にリッ
ジ部911のような1つの設計要素を有し、受ソケット915は4,8,12又は16入
力受孔を占める受ソケット915に沿う複数の位置でコネクタ910を受け入れることが
できるようにノッチ部916のような複数のノッチ部を有する。上記の実施形態では、コ
ネクタ910は1つの設計要素又はリッジ部911を備え、受ソケットは4つの信号入力
ピン毎に1つのノッチ部916を有する。他の実施形態では、各設計要素又は隆部911
に対応する信号入力ピンの数は異なる数、例えば5,6又は7であり、受ソケット911
のノッチ部916はそれに応じてコネクタ910の対応する構造をサポートするように構
成される。
【0072】
図9Bを参照するに、コネクタ930には、コネクタ930を受ソケット935に正し
く挿入することができるように、受ソケット935上の非対称分布のレセプタクルと対応
する非対称分布のピン931が設けられる。
図9Bに示すように、コネクタ930のID
出力ピン932は一組のピン931から離れて位置し、受ソケット935の一組のレセプ
タクル936から離れて位置するID入力レセプタクル937と整列する。
【0073】
図10は本明細書の一実施形態による2つの向きで使用可能なコネクタ1000を示す
。コネクタ1000の第1の側1010aと第2の側1010bが
図10に示されている
。代表的な実施形態では、コネクタ1000は4つの出力信号ピン1001,10002,
1003及び1004と2つのIDピン1005及び1006を備える。第1の側101
0aは出力信号ピン1001及び1002とIDピン1005を備える。第2の側101
0bは出力信号ピン1003及び1004とIDピン1006を備える。
【0074】
コネクタ1000は受ユニット又はソケット1030に2つの異なる向きで結合するこ
とができる。第1の正面
図1020aは、「トップ」面1021に向けられたコネクタ1
000の第1の側1010aと、「ボトム」面1022に向けられた第2の側1010b
を示す。コネクタ1000の正面
図1020aは、第1の向きにおける様々な出力信号ピ
ン及びIDピンの位置、即ち前記上面1021に位置する出力信号ピン1001及び10
02及びIDピン1005と、前記ボトム面1022に位置する出力信号ピン1003及
び1004及びIDピン1006の位置を示す。第2の正面
図1020bは前記「トップ
」面1021に向けられたコネクタ1000の第2の側1010bと、前記「ボトム」面
1022に向けられた第1の側1010aを示す。正面
図1020bは、第2の向きにお
ける様々な出力信号ピン及びIDピンの位置、即ち前記トプ面1021に位置する出力信
号ピン1003及び1004及びIDピン1006と、前記ボトム面1022に位置する
出力信号ピン1001及び1002及びIDピン1005の位置を示す。第2の正面
図1
020bにおいて、コネクタ100は、第1の正面
図1020aにおける位置と比較して
、水平軸又はZ軸を中心に180度回転されている。
【0075】
図10に示すように、第1及び第2の配置をそれぞれ示す第1及び第2の図は互いにZ軸
1040を中心に水平に反転したものであり、従って物理的構造から一方の向きと他方の
向きを区別することはできない。開示のシステムでは、受ユニット1030はコネクタ1
000の向きをIDピンの極性に基づいて検出する。
図10では、2つのIDピン100
5,1006は反対極性を有し、IDピン1005は正極性を有し、IDピン1006は
負極性を有する。他の実施形態では、ピン1005は負極性を有し、IDピン1006は
正極性を有する。コネクタ1000が正面
図1030aに示す受ユニット1030に挿入
されるとき、コネクタ1000の様々な出力信号ピン及びIDピンが受ソケット内の様々
な入力嵌め合い受孔又はピンと接触する。コネクタ100が受ユニット1030に
図10
20aに示されるように第1の向きで挿入されるとき、IDピン1005がID入力ピン
1008と接触し、IDピン1006が受ユニット1030のID入力ピン1009と接
触する。また、コネクタ100が受ユニット1030に
図1020bに示されるように第
2の向きで挿入されるとき、IDピン1006がID入力ピン1008と接触し、IDピ
ン1005が受ユニット1030のID入力ピン1009と接触する。システムはID入
力ソケット(ピン)1008及び1009と接触するIDピンの極性を読み取り、受ソケ
ット1030への挿入時にコネクタ1000の向きを検出する。その後、システムは各入
力を対応する入力チャネルと自動的にマッピングさせるように自身を再設定する。
【0076】
図10に示すシステムは反対極性を有する2つのIDピンを使用する。いくつかの実施
形態では、2つのIDピンは反対極性ではなく、2つのIDピンは異なる電圧レベルを維
持するだけとし、IDピンのアイデンティティは対応するIDピンから受信される信号/
電圧に基づいて検出する。システムが2つのIDピンを確認し識別すると、受ソケットに
挿入されたコネクタの向きが検出される。
図10に示すシステムは4つの出力信号ピンを
備えるが、他の実施形態ではコネクタ内に存在する出力信号ピンの数は異なり、例えば4
より少ない又は多い、即ち5,6,7又はそれより多い。
【0077】
図11は本明細書の別の実施形態による2つの向きで使用可能なコネクタ1100を示
す。コネクタ1100の第1の側1110aと第2の側1110bが
図11に示されてい
る。コネクタ1100は4つの出力信号ピン1101,1102,1103及び1104と
2つのIDピン1105及び1106を備える。第1の側1110aは出力信号ピン11
01及び1102とIDピン1105を備える。第2の側1110bは出力信号ピン11
03及び1104とIDピン1106を備える。
【0078】
コネクタ1100は受ユニット又はソケット1130に2つの異なる向きで結合するこ
とができる。第1の正面
図1120aは「トップ」面1121に向けられたコネクタ11
00の第1の側1110aと、「ボトム」面1122に向けられた第2の側1110bを
示す。コネクタ1000の正面
図1120aは、第1の向きにおける様々な出力信号ピン
及びIDピンの位置、即ち前記トップ面1121に位置する出力信号ピン1101及び1
102及びIDピン1105と、前記ボトム面1122に位置する出力信号ピン1103
及び1104及びIDピン1106の位置を示す。第2の正面
図1120bは前記「トッ
プ」面1121に向けられたコネクタ1100の第2の側1110bと、前記「ボトム」
面1122に向けられた第1の側1110aを示す。正面
図1120bは、第2の向きに
おける様々な出力信号ピン及びIDピンの位置、即ち前記トプ面1121に位置する出力
信号ピン1103及び1104及びIDピン1106と前記ボトム面1122に位置する
出力信号ピン1101及び1102及びIDピン1105の位置を示す。第2の正面
図1
120bにおいて、コネクタ1100は、第1の正面
図1120aにおける位置と比較し
て、水平軸又はZ軸を中心に180度回転されている。
【0079】
コネクタ1100を受ユニット1130に挿入すると、コネクタ1100の様々な出力
信号ピン及びIDピンが受ソケット1130内の様々な嵌め合い受孔又はピンと接触する
。
図11に開示のシステムでは、正面
図1130aコネクタ1100の向きをIDピン1
105及び1106の位置に基づいて検出する。コネクタ110が受ユニット1130に
、
図1120aに示されるように第1の向きで挿入されると、IDピン1105が受ユニ
ット1130aのID入力ピン1109aと接触し、IDピン1106がID入力ピン1
109bと接触する。また、コネクタ110が受ユニット1130に、
図1120bに示
されるように第2の向きで挿入されると、IDピン1105が受ユニット1130aのI
D入力ピン1108bと接触し、IDピン1106がID入力ピン1108aと接触する
。システムは、コネクタ1100が受ソケット1130に挿入されるとき、IDピン11
05及び1106の位置を検証し、それらの位置に基づいてコネクタの向きを検出する。
従って、システムは各入力をその対応する入力チャネルと自動的にマッピングさせるよう
に自身を再設定する。
【0080】
以上は開示の原理の単なる例示にすぎず、システム、装置及び方法は記載した実施形態
以外の形態で実施することができ、これらの実施形態は説明のためであって限定を意図す
るものではない。本明細書に開示したシステム、装置及び方法は、神経モニタリング方法
に利用されるものとして示されているが、病気を監視又は治療する他のタイプの医療処置
に使用するシステム、装置及び方法に適用することができる。
【0081】
本開示を再考すれば多くの変更及び修正が当業者に思い浮かぶだろう。開示の特徴は本
明細書に記載された1つ以上の他の特徴と任意に組み合わせて及び部分的に組み合わせて
実施することができる。上で記載した又は説明した様々な特徴は、その任意のコンポーネ
ントも含めて、他のシステムに一体化又は組み込むことができる。更に、一部の特徴は省
略する又は実装しないこともできる。
【0082】
当業者であれば本明細書に開示した情報の範囲から逸脱することなく様々な変形例、代
替例、及び変更例をなし得る。本明細書で引用されるすべての参考文献は参照することに
より本明細書に組み込まれ、本出願の一部を成す。