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特許7254467弁組立体に使用するための2つの部分に分かれたプラグにおけるオーバートラベルの調節
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】弁組立体に使用するための2つの部分に分かれたプラグにおけるオーバートラベルの調節
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/36 20060101AFI20230403BHJP
   F16K 39/02 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
F16K1/36 Z
F16K39/02
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018168543
(22)【出願日】2018-09-10
(65)【公開番号】P2019095053
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-09-06
(31)【優先権主張番号】15/714,584
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502122473
【氏名又は名称】ドレッサ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Dresser,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ヘンリー・カニングハム
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】実公昭44-013244(JP,Y1)
【文献】米国特許第2341018(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0223088(US,A1)
【文献】実開昭58-186276(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0001432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00- 1/54
F16K 39/00-39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁組立体(106)であって、
アクチュエータ(130)と、
前記アクチュエータ(130)と結合され、閉鎖部材(108)およびシート(110)を備えた弁(102)であって、前記閉鎖部材(108)が、前記アクチュエータ(130)からの荷重によって互いに対して移動可能である2つの部品(114、116)を含む、弁(102)と、
前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)に近接して配設され、前記2つの部品(114、116)間の相対移動を阻止するハードストップ(122)を備えた間隙調整デバイス(100)と
を備え
前記ハードストップ(122)は、前記2つの部品(114、116)の間の間隙(120)の寸法が、前記弁組立体(106)を通って流れる物質の温度から独立して前記間隙(120)の公称寸法またはその近くに維持されるように、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)のうちの少なくとも一方の物質とは異なる膨張率で温度によって膨張する物質を備え、
前記弁組立体(106)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)の間に配設される圧縮性シール(118)をさらに備える弁組立体(106)。
【請求項2】
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)間にある、請求項1記載の弁組立体(106)。
【請求項3】
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材の前記2つの部品(114、116)のうちの一方に配設される、請求項1又は2記載の弁組立体(106)。
【請求項4】
前記ハードストップ(122)は、第1の位置および第2の位置を有するストップ面(128)を形成し、それぞれは、異なる温度における前記ハードストップ(122)の熱的特性に対応する、請求項1から3のいずれか1項記載の弁組立体(106)。
【請求項5】
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材の前記2つの部品(114、116)のうちの一方に配設され、
前記ハードストップ(122)の前記ストップ面(128)の前記第1の位置から前記2つの部品(114、116)のうちの他方までの距離は、前記間隙(120)の幅と同じ又はより大きく、
前記ハードストップ(122)の前記ストップ面(128)の前記第2の位置から前記2つの部品(114、116)のうちの前記他方までの距離は前記間隙(120)の幅よりも小さい、請求項4記載の弁組立体(106)。
【請求項6】
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)のうちの一方に配設されるとともに異なる温度に応じて拡大および収縮する物質で構成される熱活性部材(124)を含む、請求項1から5のいずれか1項記載の弁組立体(106)。
【請求項7】
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)のうちの一方に延びるコア(126)を形成する、請求項1から6のいずれか1項記載の弁組立体(106)。
【請求項8】
前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)を取り囲む周壁を有するシリンダをさらに備える、請求項1から7のいずれか1項記載の弁組立体(106)。
【請求項9】
前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)間に配設され、圧縮性シールリングとして機能する弾性物質を備える環状リングをさらに備える、請求項1から8のいずれか1項記載の弁組立体(106)。
【請求項10】
物質のための流路(192)を形成する弁本体(188)と、
前記弁本体(188)に配設されたトリム組立体(134)であって、当該トリム組立体(134)が、シリンダ(136)と、前記シリンダ(136)の内側に配設されたプラグ(112)であって、前記シリンダ(136)内に配置された前記弁(102)及び前記間隙調整デバイス(100)を含むプラグ(112)と、を有するトリム組立体(134)と
を備える、請求項1から9のいずれか1項記載の弁組立体(106)。
【請求項11】
前記間隙調整デバイス(100)は、前記2つの部品(114、116)の一方に円筒形プラグを形成し、前記円筒形プラグは、前記2つの部品(114、116)の熱膨張率とは異なる熱膨張率を有する物質を備える、請求項10記載の弁組立体(106)。
【請求項12】
前記間隙調整デバイス(100)は、前記2つの部品(114、116)のどちらかと異なる膨張率で膨張する物質を備える、請求項10または11記載の弁組立体(106)。
【請求項13】
前記間隙調整デバイス(100)は、前記弁本体の前記流路(192)内の物質の温度差に応じて、前記2つの部品(114、116)に対して位置を変化させる端部を有する熱活性部材(124)を備える、請求項10から12のいずれか1項記載の弁組立体(106)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の弁組立体(106)を作動させて物質の流れを調節するように弁組立体(106)を動作させるステップを含む方法であって、
前記ステップが、前記閉鎖部材(108)の第1の部品(114)をシート(110)に対して閉鎖位置へ移動し、前記圧縮性シール(118)を圧縮するように前記閉鎖位置において前記第1の部品(114)に対して前記閉鎖部材(108)の第2の部品(116)をオーバードライブし、前記第2の部品(116)の移動を阻止するストップ面(128)を有する前記ハードストップ(122)を用いて前記圧縮性シール(118)の圧縮を止めることによって行われ、
前記ストップ面(128)は前記ハードストップ(122)の温度に応じて位置が変化するものであり、前記ハードストップ(122)が前記閉鎖部材(108)の前記第1の部品(114)又は前記第2の部品(116)のいずれかと異なる膨張率で膨張する物質を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
流量調整は、多くの産業において重要である。弁組立体は、プロセスライン、ガス配給ネットワーク、または流れる物質を運ぶ任意のシステムの至るところに存在する流量調整の一種である。これらのデバイスは、設定パラメータ内で物質の流れを調節し、または問題があった場合には、流れを完全に遮断する。これをするために、デバイスは、このために流れを調節するメカニカル機構をしばしば活用する。この機構は、典型的には閉鎖部材およびシートを有する弁と結合するアクチュエータを備えることができる。閉鎖部材には、プラグ弁、ボール弁、バタフライ弁、またはアクチュエータがシートに対して所定の位置に移動する同様の手段が含まれ得る。これらの位置は、デバイスを通じた物質の流れを画定するものであり、例えば、デバイスを通じた流れを可能にする開放位置と、閉鎖部材がシートに接触して流れを妨げる閉鎖位置とを含む。
【発明の概要】
【0002】
本明細書中に開示される主題は、極端な温度で(弁組立体中の)弁を物質にさらす用途に対応するための改善に関する。本明細書において特に関心があるのは、2つの部分に分かれたプラグに見られる部分の移動を調節する実施形態である。このタイプのプラグは、しばしば、とても低い温度(例えば、-150°F(-101.1°C)以下)、またはとても高い温度(例えば、600°F(315.6°C)以上)で物質を取り扱うことができる弁組立体に見られる。プラグは、2つの部分と、荷重下でこれらの部分を隔てる弾性シールとを有することができる。これらの部分間の相対移動は、ほとんどの場合、弾性シールが弁組立体の別の部分に接触するように弾性シールを圧縮することができる。本実施形態は、これらの部分間の移動が繰り返し可能および予測可能であることを確実にするのに役立つ。高温用途の場合、この特徴は、物質の温度に応じて生じるこれらの部分の膨張(または同様の熱的な変化によるオーバートラベルの結果生じ得る不要な摩耗を防ぐとともに弾性シールに対する応力を制限することができる。
【0003】
ここで、添付図面の参照が簡潔になされる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】弁の一部としての間隙調整デバイスの例示的な一実施形態の概略図である。
図2】第1の熱的な構成における図1の間隙調整デバイスの概略図である。
図3】第2の熱的な構成における図1の間隙調整デバイスの概略図である。
図4】トリム組立体の一部としての図2および図3の間隙調整デバイスの概略図である。
図5図4のトリム組立体の一例に係る側面からの断面立面図である。
図6】弁組立体の一例の部分としての図2および図3の間隙調整デバイスの側面からの断面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
該当する場合、同様の参照符号は、数枚の図面全体にわたって同一または対応する構成要素およびユニットを示しており、特段の指示がない限り、これは、原寸に比例していない。本明細書中に開示される実施形態は、数枚の図面のうちの1枚または複数枚において現れる要素、または数枚の図面の組み合わせで現れる要素を含み得る。さらに、方法は、単に例示的であり、例えば、個々の段階を並べ替え、追加、削除、および/または変更することによって修正されてもよい。
【0006】
下記の議論は、2つの部分に分かれたプラグにおけるオーバートラベルを調節するように働くことができる間隙調整デバイスの実施形態を説明する。しかしながら、この概念は、他の閉鎖部材に適用することができ、または概して、2つ以上の構成要素間の相対移動または位置を制御する必要がある弁(および弁組立体)に適用することができる。例えば、これらの構成要素において、動作条件が変化(例えば、熱膨張または収縮)を誘発し得ることは珍しいことではない。設計および製造を通じてこれらの変化をマネージメントする努力によって、この分野におけるデバイスに生じる潜在的な問題のいくつかに対処することができる。しかし、一部の用途は、フィット、公差、および同様のエンジニアリングのプラクティスの制限をテストできる所定の規格または仕様を満たす必要があり得る。本明細書中の実施形態は、これらのプラクティスを補足することで、性能を改善することができ、または少なくとも部品寿命を延長して費用のかかる保守および修理を防ぐことができる。他の実施形態も、本開示の範囲内にあり得る。
【0007】
図1は、これらの潜在的な問題の一部に対処することができる間隙調整デバイス100の例示的な一実施形態の概略図を示す。間隙調整デバイス100は、弁組立体内の物質104の流れを調節する弁102の一部として示されており、符号106によって全体的に特定されている。物質104の例には、流体、固体、および流体/固体の混合物も含まれ得る。弁102は、一対の弁構成要素(例えば、閉鎖部材108およびシート110)を有することができる。閉鎖部材108は、2つの部分(例えば、第1の部分114および第2の部分116)を備えた2つの部分に分かれた構造を有するプラグ112を備えることができる。この構造は、部分114、116間の間隙120を形成するように働くシール118を組み込むこともできる。間隙調整デバイス100は、部分114、116と相互作用するハードストップ122を形成することができる。動作時、弁組立体106は、プラグ112がシート110に接触し弁102を閉鎖位置に配置するように荷重Lを閉鎖部材108に加える。荷重Lは、第2の部分116を第1の部分114に対して「オーバートラベル」させることができる。このオーバートラベルは、シール118を変形させるのに十分な間隙120を減少させる。高温用途の場合、この特徴は、クラスVまたは「事実上リークゼロ」のデバイスのための動作規格を満たすのに役立つ。
【0008】
広く言えば、間隙調整デバイス100は、ハードストップ122が部分114、116間の相対的な移動を能動的に調整するように構成することができる。これらの構成は、部分114、116、または弁組立体102の他の部分の変化が理由で生じ得るシール118の応力および摩耗を制限することができる。例えば、高温の物質(例えば、物質104)による熱膨張は、何ら荷重Lを増加させることなく第2の部分116がより移動することを可能にし得る。ひいては、間隙120は、室温で物質104を有する弁102が動作するのに典型的であるその「公称」寸法よりも小さい閉鎖位置の寸法を呈する。間隙調整デバイス100を使用することにより、物質104の温度から独立して、この公称寸法でまたはその近くで間隙120の寸法を維持する。この特徴は、ハードストップ122が、公称温度または「室」温と高温用途で起こる高温度の両方で第1の部分114に対しての第2の部分116の繰り返し可能で予測可能なオーバートラベルを確実にするので、シール118に対する不要な応力および摩耗を防ぐ。追加の利益として、間隙120の「能動的」調整は、プラグ112が異なる費用のかからない物質を用いることができるので構築費用を低減することができ、しかしそれでも高温用途についての、特に、(動作温度が600℃以上を超え得る)高温用途における厳格な動作要件を満たす。
【0009】
弁102は、無数の用途における使用を見出すことができる。これらのデバイスは、油およびガスの処理、発電、精製、化学物質および石油化学製品、ならびに水の調整に使用するためのシステムに組み込むことができる。これらの産業は、しばしば、高温および高圧の下で物質を送る処理を扱う。そのようなパラメータは、弁102およびその構成要素の設計を制限または制約し得る。
【0010】
2パートプラグ112は、これらの設計課題の一部を満たすのに役立つ。有利には、その構築は、動作速度または応答性を犠牲にすることなく、より厳格な動作要件を満たすようにシール118を「駆り立てる」ことができる。この構築は、特に物質104に適した特性、またはより一般的には、圧力、温度、化学的特徴、費用、およびシステム構築に適合する特性を有する物質を使用することができる。例示的な物質には、2、3の例を挙げると、チタン、二相ステンレス鋼、およびニッケル合金が含まれる。
【0011】
シール118は、部分114、116の移動に応じて形状を変化させるように構成することができる。ばね鋼などの弾性物質は、シール118が異なる寸法の間隙120に対応できるように有用であることを示し得る。圧縮時、弾性デバイスは、例えば、以下により論じられるケージのような最も近い構造に接触するようにプラグ112の周囲から延びることができる。
【0012】
図2は、その設計の議論を伝えるために、図1の間隙調整デバイス100の一例の概略図を示す。ハードストップ122は、間隙120の最も近くのストップ面128を形成するサーマルコア126を有する熱活性部材124で構成することができる。サーマルコア126は、細長いシリンダを具現化し得るが、立方体または球体のような他の幾何学的形状も十分であり得る。細長いシリンダは、必要に応じて、第1の部分114または第2の部分116に配設することができる。サーマルコア126に適した物質は、均質または不均質な組成を有することができる。部分114、116から独立して(またはそれとは異なる速度で)サーマルコア126を動作温度に応答させる膨張率(「COE」)を物質が有することを確実にするように注意が払われ得る。一実装形態では、細長いシリンダは、物質104の温度のその熱応答に対応する熱的な構成をとることができる。公称温度または室温において、この熱的な構成は、第1の部分114のオーバートラベルと干渉しないストップ面128の第1の位置を設定する。ストップ面128は、間隙120の外側にあり得、例えば、第1の部分114の上面と同じ平面、またはこの上面よりも完全に下である。
【0013】
図3は、細長いシリンダについての別の熱的な構成を例示するために、図1の間隙調整デバイス100の例を示す。この熱的な構成は、細長いシリンダの熱膨張に対応し得る。図示するように、細長いシリンダは、上のストップ面122にだけさらすように第1の部分114に埋め込むことができる。この特徴は、全ての方向の膨張を制約するように働くことができるが、矢印Eで特定される一方向の膨張を制約するように働くこともできる。熱膨張は、(例えば、図2の)第1の位置とは異なっているストップ面128のための第2の位置を設定することができる。好ましくは、ストップ面128は、ストップ面126と第1の部分114の上面との間の寸法Dによって測定されるように、第1の部分114の「上方」、または第2の部分116により近くである。寸法Dの値は、サーマルコア126についての熱的特性および幾何学的形状に基づいて計算することができる。寸法Dがシール118の全壊または全圧縮を少なくとも防ぐように設定されることが有益であり得る。
【0014】
図4は、弁構成要素のさらなる詳細と共に図2の間隙調整デバイス100の一例を示す概略図を示す。弁組立体106は、ステム132を介してプラグ112と結合するアクチュエータ130を備えることができる。弁組立体106は、シリンダ136(また、「ケージ136」)を有するトリム組立体134を備えることもでき、周壁140が、ボア144を形成するように軸142の境界を定める。周壁140は、1つまたは複数の開口(例えば、第1の開口146、および第2の開口148)を有することができる。開口146、148は、ボア144の内部へのアクセスを可能にするように、軸142に直交するとともに周壁140を貫くことができる。一実装形態では、プラグ112は、第1の部分114の外面の境界を定める、典型的にはグラファイトまたは金属の環状リングとしてここでは示されるピストンシールリング150を備えることができる。使用中のとき、この環状リングは、ボア144と接触したままであることができ、これにより、プラグ112がシート114から離れるように移動するときに、圧力低下および速度を減少させるのを助ける。ピストンシールリング150は、ステム132における振動の減衰を助けることもできる。やはり図に示されるように、シール118は、プラグ112の部分112、114間にある(一定の力のばねのような)弾性要素152を具現化することができる。弾性要素152の例には、ほぼ均一な荷重(例えば、一定の荷重L)の下で変形するベルビルワッシャのようなばねワッシャが含まれ得る。
【0015】
弁組立体106のいくつかの実装形態は、プラグ112を横切る物質104の圧力の「バランスをとる」ように構成することができる。この特徴は、プラグ112に開口Oを要求し得る。開口Oは、上流圧力または下流圧力がプラグ112の両側に作用することを可能にするように働く。「アンバランスな」力の要因であるより高い上流圧力は、プラグ112に作用しないので、アクチュエータ130は、しばしば、これらの設計においてはより小さい。
【0016】
トリム組立体134は、調整弁のための標準的な漏れの分類のいずれか1つを要求する用途において弁組立体106が働くように構成することができる。これらの構成は、例えば、「事実上リークゼロ」またはIEC60534-4クラスVの規格へ働くことができる。この特徴は、弁を通じた最大リークを、プラグ112とシート114の間の境界、トリム組立体134の構成要素間のガスケット、および「バランス」シールとケージ138またはプラグ112との間のガスケットによってもたらされるリークに関して弁入口から弁出口への典型的に測定されるPSI差圧あたりのポート直径1インチあたり、毎分水0.0005mlに維持する。オーバートラベル位置では、2つの部分に分かれたプラグ112は、ばね152を圧縮し、このばね152は、きつい遮断をもたらすために、弾性要素152をボア144と接触するように付勢する。
【0017】
図5は、間隙調整デバイス100と共に使用するための追加の構造を示す一例の側面からの断面立面図を示す。第1の部分114は、中心軸156を有する環状本体154を有することができる。溝158は、ピストンシールリング150を受けるように外面を貫くことができる。その底部では、環状本体154は、中心軸156と整合された中央開口160を有することができる。中央開口160は、底面162で終端することができる。上部では、環状本体154は、表面166を形成する凹部164を有することができる。凹部164は、環状本体154の周囲に向けて中心軸156からオフセットされているオフセットボア168を有することができる。コア126は、オフセットボア168にあることができる。やはり図に示されるように、第2の部分116は、中心軸172を有する環状円盤170を形成することができる。一方の側に、環状円盤168は、段差面178を形成する周囲段差176で終端する環状ボス174を有することができる。環状円盤170の反対側は、突出ボス180を備えることができる。中央ボア182は、軸156、172に沿って本体154および円盤170を貫通することができる。組立時、環状ボス172は、凹部162に嵌まり込む。ばね152は、環状本体154の上部と環状円盤170の段差面178との間にある。ステム132は、中央ボア182を通じて延びることができる。図示の通り、トリム組立体110は、中開口160内にあるようにステム132の露出端にわたって挿入するコイルばね184を備えることができる。(ワッシャのような)保持用リング186は、コイルばね184を底面162に対してその所定の位置に維持するためにステム132上にあり得る。ステム132および第2の部分116に関する相補形のねじは、ステム132をプラグ112に固定し、したがって、コイルばね184の適切な予荷重または圧縮を用いて部分を所定の位置へ固定することができる。
【0018】
図6は、間隙調整デバイス100と共に使用するためのさらなる構造を示す一例の側面からの断面立面図を示す。弁組立体106のための構造は、1つまたは複数の締結具Fを介してボンネット190と結合する弁本体188を備えることができる。弁本体188は、開口端(例えば、第1の開口端194および第2の開口端196)で終端する流路192を有することもできる。開口端194、196におけるフランジ198または突合せ溶接端部は、パイプまたはパイプラインのセクションと結合するように構成することができる。使用時、この構造は、幅広いスペクトルの用途にわたって使用を享受することができる。「調整弁」としても知られており、このデバイスは、制御ループを有するプロセス制御システム(または「分散制御システム」もしくは「DCS」)に組み込むことができる。弁組立体106を含むこれらのシステムは、多くの異なる流量調整の動作をマネージメントすることができる。制御ループは、例えば、弁組立体106にアクチュエータ130を起動させてプラグ112をシート110に対し以置決めさせる信号(または「制御信号」)を生成することができる。
【0019】
前述の議論の観点で、本明細書中に提案された間隙調整デバイス100の実施形態は、2つの部分に分かれたプラグにおける部品の繰り返し可能で信頼できる移動を維持することができる。これらの改善は、高温用途に使用するために、部品を隔てるとともにこれらのプラグを装備する弾性シールの寿命を延ばすことができる。
【0020】
本明細書は、例を用いて、最良の形態を含めて本発明を開示するとともに、任意のデバイスまたはシステムを作製および使用し、任意の組み込まれた方法を実行するなど、当業者が本発明を実践することも可能にする。単数で挙げられるおよび単語「a」または「an」に続く要素または機能は、除外が明確に示されていない限り、複数の要素または機能を除外しないと理解されたい。特許請求される本発明の「一実施形態」の参照は、挙げられた特徴をやはり組み込む追加の実施形態の存在を除外するものと解釈されるべきではない。さらに、特許請求の範囲は、実際、本発明の特許性のある範囲を定めるいくつかの例である。この範囲は、当業者が想到する他の例を含むとともに企図し得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言とは異ならない構造的な要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言とは違いがわずかである均等な構造的な要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0021】
いくつかの要素および句を含む例が以下に出現するが、他の要素および句と組み合わせられ得るこの要素および句のうちの1つまたは複数は、本開示の範囲および趣旨の範囲内で企図される実施形態を説明する。
【0022】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
アクチュエータ(130)と、
前記アクチュエータ(106)と結合され、閉鎖部材(108)およびシート(110)を備えた弁(102)であって、前記閉鎖部材(108)が前記アクチュエータ(106)からの荷重によって互いに対して移動可能である2つの部品(114、116)を含む、弁(102)と、
前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)に近接して配設され、前記2つの部品(114、116)間の相対移動を阻止するハードストップ(122)を備えた間隙調整デバイス(100)と
を備える弁組立体(106)。
[実施態様2]
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)間にある、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様3]
前記ハードストップ(122)は、弁前記閉鎖部材の前記2つの部品(114、116)のうちの一方に配設される、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様4]
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)のうちの少なくとも一方の物質とは異なっている速度で温度によって膨張する物質で構成される、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様5]
前記ハードストップ(122)は、第1の位置および第2の位置を有するストップ面(128)を形成し、それぞれは、異なる温度における前記ハードストップ(122)の熱的特性に対応する、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様6]
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)のうちの一方に配設されるとともに異なる温度に応じて拡大および収縮する物質で構成される熱活性部材(124)で構成される、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様7]
前記ハードストップ(122)は、前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)のうちの一方に延びるコア(126)を形成する、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様8]
前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)間に配設される圧縮性シール(118)
をさらに備える、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様9]
前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)間に配設される弾性物質で構成される環状リング(154)
をさらに備える、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様10]
前記閉鎖部材(108)の前記2つの部品(114、116)を取り囲む周壁を有するシリンダ(136)
をさらに備える、実施態様1記載の弁組立体(106)。
[実施態様11]
物質のための流路(192)を形成する弁本体(188)と、;
前記弁本体(188)に配設され、シリンダ(136)および前記シリンダ(136)の内面に配設されるプラグ(112)を有するトリム組立体(134)であって、前記プラグ(112)は、第1の部分(114)、第2の部分(116)、および前記第1の部分(114)と前記第2の部分(116)との間に間隙(120)を形成するようにそれらの間に配設される弾性シール部材(118)を有し、前記プラグ(112)は、前記第1の部分(114)と前記第2の部分(116)の間の相対移動を阻止する間隙調整デバイス(100)をさらに備える、トリム組立体(134)と
を備える弁組立体(106)。
[実施態様12]
前記間隙調整デバイス(100)は、前記第1の部分(114)または前記第2の部分(116)の一方に円筒形プラグを形成し、前記円筒形プラグは、前記第1の部分(114)および前記第2の部分(116)の熱膨張率とは異なっている熱膨張率を有する物質で構成される、実施態様11記載の弁組立体(106)。
[実施態様13]
前記間隙調整デバイス(100)は、前記第1の部分(114)または前記第2の部分(116)のどちらかとは異なっている速度で膨張する物質で構成される、実施態様11記載の弁組立体(106)。
[実施態様14]
前記間隙調整デバイス(100)は、前記弁本体(106)の前記流路(192)内の物質の温度差に応じて、前記第1の部分(114)および前記第2の部分(116)に対して位置を変化させる端部を有する熱活性部材(124)で構成される、実施態様11記載の弁組立体(106)。
[実施態様15]
前記第1の部分(114)および前記第2の部分(116)を通じて延びる弁ステム(132)と、
前記弁ステム(132)の端部に配設されるコイルばね(184)と
をさらに備える、実施態様11記載の弁組立体(106)。
[実施態様16]
2パートプラグの第1の部分(114)をシート(110)に対して閉鎖位置へ移動し、
シールリングを圧縮するように前記閉鎖位置において前記第1の部分(114)に対して第2の部分(116)をオーバードライブし、
ストップ面(128)はハードストップ(122)の温度に応じて位置が変化するものであり、前記第2の部分(116)の移動を阻止する前記ストップ面(128)を有する前記ハードストップ(122)を用いて前記シールリングの圧縮を止めることによって、
物質の流れを調節するように弁組立体(106)を動作させるステップを含む方法。
[実施態様17]
前記ストップ面(128)は、前記第1の部分(114)および前記第2の部分(116)の周縁から始まる、実施態様16記載の方法。
[実施態様18]
前記ハードストップ(122)は、前記2パートプラグの前記第1の部分(114)または前記第2の部分(116)のどちらかとは異なっている速度で膨張する物質で構成される、実施態様16記載の方法。
[実施態様19]
前記ストップ面(128)は、前記第1の部分(114)と前記第2の部分(116)の中間にある、実施態様16記載の方法。
[実施態様20]
前記ハードストップ(122)は、前記第1の部分(114)に配設される、実施態様16記載の方法。
【符号の説明】
【0023】
100 間隙調整デバイス
102 弁
104 物質
106 弁組立体
108 閉鎖部材
110 シート
112 プラグ
114 第1の部分
116 第2の部分
118 シール
120 間隙
122 ハードストップ
124 熱活性部材
126 コア
128 ストップ面
130 アクチュエータ
132 ステム
134 トリム組立体
136 シリンダ または ケージ
138 ケージ
140 周壁
142 軸
144 ボア
146 第1の開口
148 第2の開口
150 ピストンシールリング
152 弾性要素
154 環状本体
156 中心軸
158 溝
160 中央開口
162 底面
164 凹部
166 表面
168 オフセットボア
170 環状円盤
172 中心軸
174 環状ボス
176 周囲段差
178 段差面
180 突出ボス
182 中央ボア
184 コイルばね
186 保持用リング
188 弁本体
190 ボンネット
192 流路
194 第1の開口端
196 第2の開口端
198 フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6