(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】圧縮機及び輸送用冷凍機
(51)【国際特許分類】
F04B 39/00 20060101AFI20230403BHJP
F04C 27/00 20060101ALI20230403BHJP
F16J 15/3232 20160101ALI20230403BHJP
【FI】
F04B39/00 104A
F04C27/00 331
F16J15/3232 201
(21)【出願番号】P 2019041633
(22)【出願日】2019-03-07
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】宮本 善彰
(72)【発明者】
【氏名】野口 章浩
(72)【発明者】
【氏名】後藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】後藤 秀作
(72)【発明者】
【氏名】横山 将樹
(72)【発明者】
【氏名】水野 尚夫
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆英
(72)【発明者】
【氏名】後藤 利行
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-017161(JP,A)
【文献】特開2010-025322(JP,A)
【文献】特表2009-540266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04C 27/00
F16J 15/3232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油が含まれた冷媒が内部に充填されている筐体と、
長手方向に延在する中心軸線を中心として回転し、前記長手方向の一端が前記筐体の外部に位置し、他端が前記筐体の内部に位置する駆動軸と、
前記筐体の内部に配置され、前記駆動軸によって駆動される圧縮機構と、
前記駆動軸の外周面と接触する第1シール部と、前記第1シール部よりも前記筐体の外部側に位置していて前記駆動軸の前記外周面と接触する第2シール部とを有し、前記筐体と前記駆動軸との間をシールするシール機構と、を備え、
前記駆動軸の前記外周面は、前記第1シール部が接触する
第1領域よりも、
前記第1領域よりも前記筐体の外部側の領域であって前記第2シール部が接触する
第2領域の方が、表面粗さが小さい圧縮機。
【請求項2】
前記第1シール部は、基部側が前記筐体に対して支持され、先端側が前記駆動軸かつ前記筐体の内部に向かって延びていて、
前記第2シール部は、基部側が前記筐体に対して支持され、先端側が前記駆動軸かつ前記筐体の外部に向かって延びている請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記第1シール部は、ゴム材で形成されていて、
前記第2シール部は、合成樹脂材で形成されている請求項1または請求項2に記載の圧縮機。
【請求項4】
輸送用冷凍機に適用される請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧縮機。
【請求項5】
請求項4に記載の圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
前記凝縮器で凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備えた輸送用冷凍機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機及び輸送用冷凍機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、長手方向の一端が筐体の内部に位置し、他端が筐体の外部に位置する駆動軸を有する開放型圧縮機では、筐体と駆動軸との間にシール機構を設けている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、ハウジングの内部から大気側への冷媒ガス及び潤滑油の漏出と、大気側からハウジングの内部への外気の吸入との両方を防止するリップシールを備えた開放型スクロール圧縮機が記載されている。リップシールは、内周縁部に設けられた内周シール部が駆動軸の外周面に当接し、駆動軸と軸穴との間をシールすると同時に、冷媒ガス中に含まれる潤滑油によって潤滑されることで自身の摩耗を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
陸上輸送用冷凍ユニット等に適用される低温用の開放型圧縮機では、運転状態によって、筐体の内部が過渡的に負圧になることがある。特許文献1に記載されている圧縮機のように、筐体の内部に充填されている冷媒ガス中に含まれる潤滑油によってシール機構を潤滑する構造では、筐体の内部が負圧となると、シール機構に対して筐体の内部の潤滑油が好適に供給されないことがある。また、低温用の開放型圧縮機では、圧縮機構が冷媒を吸入する圧力が低く、冷媒の循環量が少ない運転をすることが多いため、シール機構に対して、好適に潤滑油が供給されない運転が継続する場合がある。
【0006】
シール機構に対して好適に潤滑油が供給されないと、リップシールと駆動軸との間の摩擦が増大し、リップシールが摩耗し易くなる。リップシールの摩耗が増大すると、筐体と駆動軸との間を好適にシールすることができなくなる可能性がある。
運転状態によっては、シール機構に潤滑油が好適に供給されず、リップシールの摩耗が早期に進行し、シール性能が低下する可能性があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、シール機構のシール性能を好適に維持することができる圧縮機及び輸送用冷凍機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の圧縮機及び輸送用冷凍機は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る圧縮機は、潤滑油が含まれた冷媒が内部に充填されている筐体と、長手方向に延在する中心軸線を中心として回転し、前記長手方向の一端が前記筐体の外部に位置し、他端が前記筐体の内部に位置する駆動軸と、前記筐体の内部に配置され、前記駆動軸によって駆動される圧縮機構と、前記駆動軸の外周面と接触する第1シール部と、前記第1シール部よりも前記筐体の外部側に位置していて前記駆動軸の前記外周面と接触する第2シール部とを有し、前記筐体と前記駆動軸との間をシールするシール機構と、を備え、前記駆動軸の前記外周面は、前記第1シール部が接触する領域よりも、前記第2シール部が接触する領域の方が、表面粗さが小さい。
【0009】
上記構成では、第2シール部が第1シール部よりも筐体の外部側に位置している。すなわち、第1シール部が駆動軸と接触する領域(以下、「第1シール領域」という。)は、駆動軸と第2シール部とが接触する領域(以下、「第2シール領域」という。)よりも、筐体の内部側に設けられている。このため、冷媒に含まれた潤滑油が、第1シール領域に供給され易い。また、第1シール領域は、第2シール領域よりも表面粗さが大きい。このため、供給された潤滑油が、第1シール領域に保持され易い。このように、第1シール領域は、潤滑油が供給され易く、かつ、潤滑油が保持され易いので、潤滑された状態が維持され易い。よって、第1シール部と駆動軸(詳細には、第1シール領域)との間の摩擦が低減することができる。したがって、第1シール部の摩耗を抑制することができる。
【0010】
一方、第2シール領域は、表面粗さが小さい。このため、第2シール部と駆動軸(詳細には、第2シール領域)との間の摩擦を低減することができる。したがって、第2シール部の摩耗を抑制することができる。第2シール領域には、圧縮機の運転状態によっては潤滑油が好適に供給されない可能性がある。上記構成では、潤滑油に依らずに、第2シール部と駆動軸との間の摩擦を低減している。これにより、例えば、第2シール領域に潤滑油が好適に供給されない場合であっても、第2シール部の摩耗を抑制することができる。
【0011】
このように、上記構成では、第1シール部及び第2シール部の摩耗を抑制し、シール機構のシール性能を好適に維持することができる。
【0012】
また、第1シール領域に潤滑油が保持され易いので、筐体の内部の潤滑油を筐体の外部へ漏洩し難くすることができる。すなわち、第1シール領域の表面粗さを、第2シール領域と同程度に小さくする構成と比較して、筐体の外部への潤滑油の漏洩量を低減することができる。
なお、第2シール部が接触する領域の表面粗さは、例えば、Rmaxが0.8mm未満である。
【0013】
また、本発明の一態様に係る圧縮機は、前記第1シール部は、基部側が前記筐体に対して支持され、先端側が前記駆動軸かつ前記筐体の内部に向かって延びていて、前記第2シール部は、基部側が前記筐体に対して支持され、先端側が前記駆動軸かつ前記筐体の外部に向かって延びていてもよい。
【0014】
上記構成では、第1シール部の先端側が駆動軸及び筐体の内部に向かって延びている。また、第2シール部の先端側が駆動軸及び筐体の外部に向かって延びている。すなわち、第1シール部と第2シール部とは、筐体側(基部側)から駆動軸側(先端側)に向かって、離間距離が大きくなる。これにより、第1シール領域と第2シール領域との距離を長くすることができる。したがって、第1シール領域の表面粗さと第2シール領域の表面粗さとを、異なる表面粗さとしやすくすることができる。
【0015】
また、第1シール部に対して、筐体の内部側からの圧力(内圧)が作用した場合、押圧力によって、第1シール部の先端側が駆動軸に押し付けられる。よって、内圧に対する第1シール部のシール性を向上させることができる。
また、筐体の内部が負圧となった場合、第2シール部に対して、筐体の外部側から圧力が作用する。第2シール部に対して、筐体の外部側からの圧力が作用した場合、押圧力によって、第2シール部の先端側が駆動軸に押し付けられる。よって、筐体の外部側からの圧力に対する第2シール部のシール性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る圧縮機は、前記第1シール部は、ゴム材で形成されていて、前記第2シール部は、合成樹脂材で形成されていてもよい。
【0017】
上記構成では、第1シール部が弾性係数の比較的大きいゴム材で形成されている。これにより、第1シール部の緊迫力には、第1シール部自体の弾性力が付加される。したがって、第1シール部では、大きな緊迫力でシールすることができる。また、第1シール部は、潤滑油が供給され易い第1シール領域と接触するため、第1シール部の緊迫力が大きくなっても、第1シール部と駆動軸(詳細には、第1シール領域)との間の摩擦の増大を抑制することができる。よって、第1シール部の摩耗を抑制することができる。
【0018】
また、上記構成では、第2シール部が、摩擦係数が比較的小さい合成樹脂材で形成されている。これにより、第2シール部と駆動軸(詳細には、第2シール領域)との間の摩擦をより低減することができる。したがって、第2シール部の摩耗をより抑制することができる。
【0019】
すなわち、上記構成では、第1シール部及び第2シール部を、各シール部が接触する各領域の表面粗さに応じた素材で形成している。換言すれば、第1シール領域及び第2シール領域の表面粗さが、各領域に接触するシール部に応じた表面粗さとなっている。これにより、より好適に、各シール部の摩耗を抑制し、シール性を確保することができる。
なお、第2シール部を形成する合成樹脂材としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が挙げられる。
【0020】
また、本発明の一態様に係る圧縮機は、輸送用冷凍機に適用されてもよい。
【0021】
輸送用冷凍機では低温の冷房用空気を生成することから、輸送用冷凍機に適用される圧縮機では、運転状態によっては、筐体の内部の圧力が過渡的に負圧になり易い。筐体の内部が負圧となると、シール機構に対して潤滑油が好適に供給され難くなる。上記構成では、第2シール領域に潤滑油が好適に供給されない場合であっても、第2シール部の摩耗を抑制することができる。したがって、輸送用冷凍機に適用される圧縮機において、シール機構のシール性能を好適に維持することができる。
【0022】
本発明の一態様に係る輸送用冷凍機は、上記いずれかに記載の圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、前記膨張弁で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、シール機構のシール性能を好適に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る開放型スクロール圧縮機を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る圧縮機及び輸送用冷凍機の一実施形態について、
図1から
図3を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す開放型スクロール圧縮機(圧縮機)の縦断面図である。本実施形態に係る開放型スクロール圧縮機1は、例えば、陸上輸送用の車両に設けられる輸送用冷凍機100に適用される。輸送用冷凍機100は、冷媒を圧縮する開放型スクロール圧縮機1と、開放型スクロール圧縮機1で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器(図示省略)と、凝縮器で凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁(図示省略)と、膨張弁で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器(図示省略)と、を備え、車両に設けられたコンテナ(図示省略)内を冷却する冷却用空気を生成する。
【0026】
開放型スクロール圧縮機1は、
図1に示されるように、所定方向(後述する中心軸線Xに沿う方向)に延在する略円筒形状のハウジング(筐体)2を備えている。ハウジング2は、アルミ合金等で形成されている。ハウジング2は、本体をなすハウジング本体2Aと、ハウジング本体2Aの一端に設けられた開口部を気密的に閉塞するようにボルト等で固定されるフロントケース2Bとから構成されている。ハウジング本体2Aにフロントケース2Bが固定された状態で、ハウジング2の内部には密閉空間が形成されている。ハウジング2の内部に形成された密閉空間には、スクロール圧縮機構(圧縮機構)5及び駆動軸6が収容される。
【0027】
ハウジング本体2Aの外周面には、冷媒ガス(冷媒)を密閉空間に流入させる吸入口25と、スクロール圧縮機構5により圧縮された冷媒ガスを密閉空間から外部へ吐出する吐出口24とが形成されている。このように、ハウジング2の内部に形成された密閉空間には、冷媒が充填されている。また、フロントケース2Bには、所定方向に延在する軸穴9が形成されている。軸穴9は、ハウジング2の内部に形成された密閉空間と、ハウジング2の外部とを連通している。
【0028】
スクロール圧縮機構5は、駆動軸6により駆動されるとともにハウジング2の外周面に形成される吸入口25から流入する冷媒ガス(冷媒)を圧縮してハウジング2に形成される吐出口24から吐出するものである。
スクロール圧縮機構5は、一対の固定スクロール15と旋回スクロール16とを180度位相をずらして噛み合わせることにより、固定スクロール15と旋回スクロール16との間に一対の圧縮室17を形成し、その圧縮室17を外周位置から中心位置へと容積を漸次減じながら移動させることにより冷媒ガスを圧縮する。
【0029】
固定スクロール15は、中心部位に圧縮した冷媒ガスを吐出する吐出ポート18を備えており、ハウジング2の底壁面にボルト19を介して固定されている。また、旋回スクロール16は、駆動軸6のクランクピン13にドライブブッシュ14を介して連結され、フロントケース2Bのスラスト軸受面に公知の自転防止機構であるオルダムリンク20を介して公転旋回駆動自在に支持されている。
【0030】
固定スクロール15の端板15Aの外周には、Oリング21が設けられている。Oリング21をハウジング2の内周面に密接させることにより、ハウジング2の内部空間が吐出チャンバー22と吸入チャンバー23とに区画される。
【0031】
吐出チャンバー22は、吐出ポート18と連通しており、圧縮室17からの冷媒ガス(圧縮された冷媒ガス)が吐出されるようになっている。吐出ポート18の出口側の開口には、リテーナ27を介してリード弁28が設置されている。吐出ポート18へ吐出された冷媒ガスは、ハウジング2に形成された吐出口24から冷凍サイクル側へ吐出される。
吸入チャンバー23は、ハウジング2に形成された吸入口25と連通しており、冷凍サイクルを循環した低圧の冷媒ガスが吸入口25から吸込まれ、吸入チャンバー23を経て圧縮室17内に冷媒ガスが吸入される。
【0032】
また、一対の固定スクロール15と旋回スクロール16は、それぞれ端板15A,16A上に渦巻き状ラップ15B,16Bが立設された構成とされている。固定スクロール15と旋回スクロール16との間に、端板15A,16Aと渦巻き状ラップ15B,16Bとで仕切られる一対の圧縮室17が、スクロール中心に対して対称に形成される。また、旋回スクロール16が固定スクロール15周りにスムーズに公転旋回駆動するようになっている。
【0033】
圧縮室17は、
図1に示されるように、その軸線方向高さが渦巻き状ラップ15B,16Bの外周側において内周側の高さよりも高くされている。これによって、圧縮室17が外周側から中心側に容積を縮小しながら移動して冷媒ガスを圧縮する際、渦巻き状ラップ15B,16Bの周方向及びラップ高さ方向の双方に圧縮する三次元圧縮可能なスクロール圧縮機構5が構成されている。
【0034】
駆動軸6は、フロントケース2Bにメイン軸受7及びサブ軸受8を介して回転自在に支持されている。メイン軸受7としては例えば単列深溝玉軸受が用いられ、サブ軸受8としては例えばニードル軸受が用いられている。駆動軸6は、軸穴9を挿通しており、長手方向の一端がハウジング2の外部に位置している。また、軸穴9には、内部にサブ軸受8が圧入されている。また、軸穴9の内部には、サブ軸受8の外方側(ハウジング2の外部側)に、リング形状のシール機構4が圧入されている。詳細には、サブ軸受8及びシール機構4は、駆動軸6の外周面6aと、フロントケース2Bの軸穴9を規定する内周面9aとの間に形成される空間に圧入されている。また、サブ軸受8及びシール機構4は、駆動軸6の周方向の全域に亘って設けられている。
【0035】
フロントケース2Bの外周部にはプーリ軸受10を介してプーリ11が回転自在に設置されている。プーリ11は、ハウジング2の外部に設けられた図示省略の駆動源(例えば、エンジン等)からの動力によって、駆動する。
ハウジング2の外部に位置する駆動軸6の一端部は、電磁クラッチ12を介して、プーリ11と連結されている。すなわち、電磁クラッチ12が励磁されることで、プーリ11と駆動軸6とが連結される。駆動軸6は、プーリ11を駆動する駆動源からの動力が電磁クラッチ12を介して伝達されることで、
図1に示す中心軸線Xを中心として回転する。
【0036】
駆動軸6の長手方向の他端は、ハウジング2の内部に形成された内部空間に位置している。駆動軸6の長手方向の他端には、所定寸法だけ偏心したクランクピン13が一体に設けられている。また、駆動軸6の他端は、その旋回半径を可変とするドライブブッシュ14を介して、スクロール圧縮機構5の旋回スクロール16と連結されている。
【0037】
冷媒ガス中には潤滑油(冷凍機油)が所定の比率で含まれており、この潤滑油のミストによってメイン軸受7、サブ軸受8、シール機構4、スクロール圧縮機構5等の各内部機構部が潤滑されるようになっている。
【0038】
サブ軸受8が圧入される軸穴9の内周面9aには、その周方向に等間隔で複数の冷媒誘導溝26が形成されている。各冷媒誘導溝26は、軸穴9の延在方向に延びる溝である。各冷媒誘導溝26の一端(図中左端)は、サブ軸受8とシール機構4との間に形成された空間S2に連通している。また、各冷媒誘導溝26の他端(図中右端)は、吸入口25と連通する空間S1に連通している。このため、開放型スクロール圧縮機1の作動時には、潤滑油を含んだ冷媒ガスが、各冷媒誘導溝26を介して、空間S1から空間S2に流れる。これにより、サブ軸受8及びシール機構4が、潤滑油によって潤滑される。
【0039】
次に、本実施形態に係るシール機構4について、
図2を用いて詳細に説明する。
シール機構4は、ハウジング2と駆動軸6との間に設けられるリング状の部材である。シール機構4は、外径が軸穴9の直径と略同一または軸穴9の直径よりもわずかに大きくなるように形成され、軸穴9に圧入されている。また、シール機構4は、ハウジング2の内部からハウジング2の外部(大気)への冷媒ガス及び潤滑油の漏出及び大気側からハウジング2の内部への外気の吸入の両方を防止する両方向遮断シールである。
【0040】
シール機構4は、
図2に示すように、駆動軸6の外周面6aと接触するゴムリップ(第1シール部)31と、ゴムリップ31よりもハウジング2の外部側(大気側)に位置していて駆動軸6の外周面6aと接触する樹脂リップ(第2シール部)32と、ゴムリップ31を補強するバックアップリング33と、ゴムリップ31及び樹脂リップ32を押させるための第1押え金具34及び第2押え金具35と、を有する。ゴムリップ31、樹脂リップ32、バックアップリング33、第1押え金具34及び第2押え金具35は、各々、駆動軸6の周方向の全域に亘って設けられている。
【0041】
ゴムリップ31は、例えば、耐油性のゴム材(ニトリルゴム:NBR等)で形成されているリング状の部材である。また、ゴムリップ31は、内周面9aに沿って設けられる円筒状の第1基部37と、第1基部37のハウジング2の内部側の端部から駆動軸6の外周面6aに向かって延びるリング状の第1傾斜部38と、を一体的に有している。
【0042】
第1基部37は、外径が軸穴9の直径と略同一または軸穴9の直径よりもわずかに大きくなるように形成されていて、外周面が軸穴9の内周面9aと当接するように、軸穴9に圧入されている。このように、第1基部37が軸穴9に圧入されて摩擦係合することにより、シール機構4の全体が軸穴9の内部に固定される。また、第1基部37の内部には、樹脂リップ32、バックアップリング33、第1押え金具34及び第2押え金具35が包含されている。また、樹脂リップ32、バックアップリング33、第1押え金具34及び第2押え金具35は、第1基部37に対して固定されている。すなわち、シール機構4は、ゴムリップ31、樹脂リップ32、バックアップリング33、第1押え金具34及び第2押え金具35が別体として設けられているのではなく、一体化(一部品化)されている。
【0043】
また、第1基部37は、内周面が第1押え金具34によって覆われている。第1押え金具34は、第1基部37の内周面に沿って設けられている。第1押え金具34は、金属製のリング状の部材であって、軸方向に沿う断面の形状が略L字状に形成されている。また、第1押え金具34は、第1基部37を内周側から支持している。また、第1押え金具34は、内周面の一部が第2押え金具35によって覆われている。第2押え金具35は、第1押え金具34の内周面に沿って設けられている。第2押え金具35は、金属製のリング状の部材であって、軸方向に沿う断面の形状が略J字状に形成されている。また、第1押え金具34は、第1基部37を内周側から支持している。
【0044】
第1傾斜部38は、駆動軸6の外周面6aに向かって延びるとともに、ハウジング2の内部(空間S2)に向かって延びている。すなわち、第1傾斜部38は、駆動軸6の軸方向に沿う断面視(
図2参照)で、先端部38aの位置が、第1基部37よりもハウジング2の内部(空間S2)側に位置している。換言すれば、この第1傾斜部38は、先端部38aがハウジング2の内部(空間S2)に向かうように、駆動軸6の外周面6aに対して傾斜している。第1傾斜部38の先端部38aは、駆動軸6の外周面6a(詳細には、後述する第1シール領域A)に、適当な緊迫力をもって当接している。
また、第1傾斜部38は、内周面がバックアップリング33によって覆われている。バックアップリング33は、第1傾斜部38に沿うように形成された金属製の部材である。また、バックアップリング33は、第1基部37を内周側から支持している。
【0045】
樹脂リップ32は、例えば、ゴム材よりも硬質であって、かつ、摩擦係数の小さいPTFE樹脂材で形成されているリング状の部材である。樹脂リップ32は、バックアップリング33と第2押え金具35とに挟持されるリング状の第2基部39と、第2基部39の内周端部から駆動軸6の外周面6aに向かって延びるリング状の第2傾斜部40と、第2傾斜部40のハウジング2の外部側の端部から曲折して、駆動軸6の外周面6aに沿って延びる円筒状の接触部41と、を一体的に有している。
【0046】
第2基部39は、第1押え金具34の内周面の近傍から、中心軸線Xと交差する方向へ所定距離延びている。
第2傾斜部40は、駆動軸6の外周面6aに向かって延びるとともに、ハウジング2の外部側(大気側)に向かって延びている。すなわち、第2傾斜部40は、駆動軸6の軸方向に沿う断面視(
図2参照)で、内周側(駆動軸側)の端部の位置が、第2基部39よりもハウジング2の外部側に位置している。換言すれば、この第2傾斜部40は、先端がハウジング2の外部に向かうように、駆動軸6の外周面6aに対して傾斜している。
接触部41の内周面は、駆動軸6の外周面6a(詳細には、後述する第2シール領域B)に、適当な緊迫力をもって当接している。
【0047】
また、フロントケース2Bの軸穴9を規定する内周面9aには、該内周面9aから突出する内側突出部42及び外側突出部43が形成されている。内側突出部42は、シール機構4よりも、ハウジング2の内部側に設けられていて、シール機構4の内部側へのずれを防止している。外側突出部43は、シール機構4よりも、ハウジング2の外部側に設けられていて、シール機構4の外部側へのずれを防止している。
【0048】
また、駆動軸6の外周面6aは、領域によって表面粗さが異なっている。詳細には、駆動軸6の外周面6aのうち、ゴムリップ31(詳細には、第1傾斜部38の先端部38a)が接触する領域を含む領域(以下、「第1シール領域A」という。)の表面粗さRmaxは、外周面6aに潤滑油が十分に保持される粗さとされている。具体的には、第1シール領域Aの表面粗さRmaxは、0.8mm以上であって3.2mm以下とされている。
【0049】
これに対し、駆動軸6の外周面6aのうち、樹脂リップ32(詳細には、接触部41)が接触する領域を含む領域(以下、「第2シール領域B」という。)の表面粗さRmaxは、0.8mm未満とされている。なお、より好ましくは、第2シール領域Bの表面粗さRmaxは、0.5mm以下とされる。また、さらに好ましくは、第2シール領域Bの表面粗さRmaxは、0.3mm以下とされる。
【0050】
このように、駆動軸6の外周面6aには、ゴムリップ31の先端部38aと樹脂リップ32の接触部41との間に、表面粗さが変化する境界Yが設けられている。すなわち、境界Yよりもハウジング2の内部側が第1シール領域Aとなり、境界Yよりもハウジング2の外部側が第2シール領域Bとなされている。表面粗さが変化する境界Yは、ゴムリップ31の先端部38aと樹脂リップ32の接触部41との離間距離の略中心に設けられていてもよい。
【0051】
次に、吸入口25から吸入される流体に含まれるミスト状の潤滑油をスクロール圧縮機構5へ供給する機構について説明する。
開放型スクロール圧縮機1において、駆動軸6が回転すると、スクロール圧縮機構5が冷媒ガスを吸入することよって吸入口25から空間S1に冷媒ガスが導入される。この冷媒ガスは、スクロール圧縮機構5によって圧縮されて圧縮冷媒ガスとなり、ハウジング2に形成された吐出口24から吐出されて凝縮器等に供給される。また、空間S1に導入された冷媒ガスの一部は、冷媒誘導溝26を介して空間S2に流入する。
【0052】
空間S2に流入した冷媒ガスの一部は、空間S2から大気側へ向かうが、シール機構4により、駆動軸6と軸穴9との間からの冷媒ガス及び冷媒ガスに混合されている潤滑油の漏洩が抑制される。また、空間S1が負圧になった場合等、外気が大気側から空間S1へと向かう場合には、シール機構4によって、大気側からハウジング2内部への外気の吸い込みが抑制される。
【0053】
具体的には、シール機構4のゴムリップ31によってハウジング2内部の圧力が保持され、ハウジング2内部から大気側への冷媒ガスの漏洩が防止される。このとき、冷媒ガスに含まれている潤滑油が、第1シール領域Aに保持される。これにより、ゴムリップ31と駆動軸6の外周面6aとの間の摩擦が低減される。ゴムリップ31の第1傾斜部38は、先端部38aがハウジング2の内部(空間S2)に向かうように、駆動軸6の外周面6aに対して傾斜している。このため、第1傾斜部38は、ハウジング2内部の冷媒ガス圧力が高くなる程、第1傾斜部38の背面(空間S2に面する面)が駆動軸6の外周面6aに押し付けられるので、緊迫力が大きくなる。このため、ゴムリップ31のシール力が増す。
【0054】
一方、樹脂リップ32によってハウジング2外部の圧力が遮断され、大気側からハウジング2内部への外気の吸い込みが防止される。なお、冷媒ガスの大半はゴムリップ31によって遮断されるため、冷媒ガスは樹脂リップ32及び第2シール領域Bまでほとんど到達しない。樹脂リップ32の第2傾斜部40は、先端がハウジング2の外部に向かうように、駆動軸6の外周面6aに対して傾斜している。このため、ハウジング2内部の負圧が大きくなる程、接触部41が駆動軸6の外周面側に押し付けられるので、緊迫力が大きくなる。このため、樹脂リップ32のシール力が増す。
【0055】
このように、ゴムリップ31によってハウジング2内部から大気側への冷媒ガスの漏洩を防止できることに加えて、樹脂リップ32によってハウジング2内部が負圧になった時に大気側からハウジング2の内部側へ外気が吸い込まれることを効果的に防止することができる。こうして、駆動軸6と軸穴9との間を確実にシールすることができる。
【0056】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、樹脂リップ32がゴムリップ31よりもハウジング2の外部側に位置している。すなわち、ゴムリップ31が駆動軸6と接触する領域(以下、「第1シール領域A」という。)は、駆動軸6と樹脂リップ32とが接触する領域(以下、「第2シール領域B」という。)よりも、ハウジング2の内部側に設けられている。このため、冷媒ガスに含まれた潤滑油が、第1シール領域Aに供給され易い。また、第1シール領域Aは、第2シール領域Bよりも表面粗さが大きい。このため、供給された潤滑油が、第1シール領域Aに保持され易い。このように、第1シール領域Aは、潤滑油が供給され易く、かつ、潤滑油が保持され易いので、潤滑された状態が維持され易い。よって、ゴムリップ31と駆動軸6(詳細には、第1シール領域A)との間の摩擦を低減することができる。したがって、ゴムリップ31の摩耗を抑制することができる。
【0057】
一方、第2シール領域Bは、表面粗さが小さい。このため、樹脂リップ32と駆動軸6(詳細には、第2シール領域B)との間の摩擦を低減することができる。したがって、樹脂リップ32の摩耗を抑制することができる。第2シール領域Bには、圧縮機の運転状態によっては潤滑油が好適に供給されない可能性がある。本実施形態では、潤滑油に依らずに、樹脂リップ32と駆動軸6との間の摩擦を低減している。これにより、例えば、第2シール領域Bに潤滑油が好適に供給されない場合であっても、樹脂リップ32の摩耗を抑制することができる。
【0058】
このように、上記実施形態では、ゴムリップ31及び樹脂リップ32の摩耗を抑制し、シール機構4のシール性能を好適に維持することができる。
【0059】
また、第1シール領域Aに潤滑油が保持され易いので、ハウジング2の内部の潤滑油をハウジング2の外部へ漏洩し難くすることができる。すなわち、第1シール領域Aの表面粗さを、第2シール領域Bと同程度(表面粗さRmaxを0.8mm未満)とする構成と比較して、ハウジング2の外部への潤滑油の漏洩量を低減することができる。
【0060】
本実施形態では、ゴムリップ31の先端側である第1傾斜部38が、駆動軸6及びハウジング2の内部に向かって延びている。また、樹脂リップ32の先端側である第2傾斜部40が、駆動軸6及びハウジング2の外部に向かって延びている。すなわち、ゴムリップ31と樹脂リップ32とは、ハウジング2側(基部側)から駆動軸6側(先端側)に向かって、離間距離が大きくなる。これにより、ゴムリップ31と外周面6aとが接触する領域と、樹脂リップ32と外周面6aとが接触する領域との離間距離も大きくすることができる。したがって、第1シール領域Aの表面粗さと第2シール領域Bの表面粗さとを、異なる表面粗さとしやすくすることができる。すなわち、ゴムリップ31と外周面6aとが接触する領域と、樹脂リップ32と外周面6aとが接触する領域との離間距離が小さい場合には、第1シール領域Aと第2シール領域Bとの境界Yを精密に設ける必要がある。一方、離間距離が大きい場合には、離間距離が小さい場合よりも精度を要求されないため、第1シール領域Aと第2シール領域Bとを異なる表面粗さとしやすくすることができる。
【0061】
また、ゴムリップ31に対して、ハウジング2の内部側からの圧力(内圧)が作用した場合、押圧力によって、ゴムリップ31の先端部38aが駆動軸6に押し付けられる。これにより、ゴムリップ31と駆動軸6との接触が解除され難くなる。よって、内圧に対するゴムリップ31の耐力を向上させることができる。
また、ハウジング2の内部が負圧となった場合、樹脂リップ32に対して、ハウジング2の外部側から圧力が作用する。樹脂リップ32に対して、ハウジング2の外部側からの圧力が作用した場合、押圧力によって、樹脂リップ32の先端側が駆動軸6に押し付けられる。これにより、樹脂リップ32と駆動軸6との接触が解除され難くなる。よって、ハウジング2の外部側からの圧力に対する樹脂リップ32の耐力を向上させることができる。
【0062】
本実施形態では、ゴムリップ31が弾性係数の比較的大きいゴム材で形成されている。これにより、ゴムリップ31の緊迫力には、ゴムリップ31自体の弾性力が付加される。したがって、ゴムリップ31では、大きな緊迫力でシールすることができる。また、ゴムリップ31は、潤滑油が供給され易い第1シール領域Aと接触するため、ゴムリップ31の緊迫力が大きくなっても、ゴムリップ31と駆動軸6(詳細には、第1シール領域A)との間の摩擦の増大を抑制することができる。よって、ゴムリップ31の摩耗を抑制することができる。
また、本実施形態では、樹脂リップ32が、摩擦係数が比較的小さい合成樹脂材(PTFE樹脂材)で形成されている。これにより、樹脂リップ32と駆動軸6(詳細には、第2シール領域B)との間の摩擦をより低減することができる。したがって、樹脂リップ32の摩耗をより抑制することができる。
すなわち、本実施形態では、ゴムリップ31及び樹脂リップ32を、各リップ31、32が接触する各領域の表面粗さに応じた材料で形成している。換言すれば、第1シール領域A及び第2シール領域Bの表面粗さが、各領域に接触する各リップ31、32に応じた表面粗さとなっている。これにより、より好適に、ゴムリップ31及び樹脂リップ32の摩耗を抑制することができる。
【0063】
輸送用冷凍機100では、低温(例えば、摂氏0度以下)の冷凍用空気を生成する場合がある。これにより、輸送用冷凍機100に適用される開放型スクロール圧縮機1は、運転状態によっては、ハウジング2の内部の圧力が過渡的に負圧になり易い。ハウジング2の内部が負圧となると、シール機構4に対して潤滑油が好適に供給され難くなる。本実施形態では、第2シール領域Bに潤滑油が好適に供給されない場合であっても、樹脂リップ32の摩耗を抑制することができる。したがって、輸送用冷凍機100に適用される開放型スクロール圧縮機1において、シール機構4のシール性能を好適に維持することができる。
【0064】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、開放型スクロール圧縮機1を、陸上輸送用の車両に設けられる輸送用冷凍機100に適用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明に係る開放型スクロール圧縮機1は、カーエアコン、居住空間空調、店舗等における冷蔵・冷凍システム、ヒートポンプ式給湯システム等に用いられる開放型圧縮機にも広く適用することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、ゴムリップ31の第1傾斜部38の傾斜方向と、樹脂リップ32の第2傾斜部40の傾斜方向とを異なる方向とする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図3に示すように、樹脂リップ32の第2傾斜部50の傾斜方向を、第1傾斜部38の傾斜方向と同方向としてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 :開放型スクロール圧縮機(圧縮機)
2 :ハウジング(筐体)
2A :ハウジング本体
2B :フロントケース
4 :シール機構
5 :スクロール圧縮機構(圧縮機構)
6 :駆動軸
6a :外周面
7 :メイン軸受
8 :サブ軸受
9 :軸穴
9a :内周面
10 :プーリ軸受
11 :プーリ
12 :電磁クラッチ
13 :クランクピン
14 :ドライブブッシュ
15 :固定スクロール
15A :端板
15B :渦巻き状ラップ
16 :旋回スクロール
16A :端板
16B :渦巻き状ラップ
17 :圧縮室
18 :吐出ポート
19 :ボルト
20 :オルダムリンク
21 :Oリング
22 :吐出チャンバー
23 :吸入チャンバー
24 :吐出口
25 :吸入口
26 :冷媒誘導溝
27 :リテーナ
28 :リード弁
31 :ゴムリップ(第1シール部)
32 :樹脂リップ(第2シール部)
33 :バックアップリング
34 :第1押え金具
35 :第2押え金具
37 :第1基部
38 :第1傾斜部
38a :先端部
39 :第2基部
40 :第2傾斜部
41 :接触部
50 :第2傾斜部
100 :輸送用冷凍機
A :第1シール領域
B :第2シール領域