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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】商品提供支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230403BHJP
【FI】
G06Q30/0601 320
G06Q30/0601 330
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019062364
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020161026
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 東子
(72)【発明者】
【氏名】峯村 遥
(72)【発明者】
【氏名】原水 聡史
(72)【発明者】
【氏名】長塚 路子
(72)【発明者】
【氏名】忍田 晶子
(72)【発明者】
【氏名】片山 敦
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-242657(JP,A)
【文献】特開2008-145933(JP,A)
【文献】特開2013-210994(JP,A)
【文献】特開2002-332030(JP,A)
【文献】特開2017-069769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
贈答者から受贈者への贈答品の提供を支援する商品提供支援システムであって、
物品と該物品の芳香に関する情報とが関連づけられて記憶されるデータ記憶手段と、
入力された第2物品に関する情報及び前記データ記憶手段を用いて、該第2物品と同一の芳香を有する第1物品を選択する第1物品情報選択手段と、
入力された受贈者に関する情報、並びに第1及び第2物品に関する情報に基づき、第1物品を、第2物品の提供と同時又は第2物品の提供の前に受贈者に提供することを可能とする発注情報を生成する発注情報生成手段とを具備し、
第1物品は、受贈者の感情を喚起する感情喚起情報を含んでおり、
前記商品提供支援システムは、第1物品に含ませる前記感情喚起情報の入力を支援する感情喚起情報入力支援手段を具備する、商品提供支援システム。
【請求項2】
第1物品情報選択手段は、単数又は複数の第1物品を提示し、贈答者に、受贈者に提供する第1物品を選択させる、第1物品選択支援手段を具備する、請求項1に記載の商品提供支援システム。
【請求項3】
前記データ記憶手段には、贈答者が過去に受贈者に提供した第2物品と、該第2物品が有する芳香に関する情報並びに該贈答者に関する情報及び該受贈者に関する情報とが関連づけられた利用履歴データが記憶されており、
前記商品提供支援システムは、前記データ記憶手段が記憶する、利用履歴データ、及び前記物品の芳香に関する情報を用いて、第2物品と同一の物品、又は該第2物品と同一の芳香を有する他の物品を、新たに提供する物品の候補として提示する、物品選択支援手段を具備する、請求項1又は2に記載の商品提供支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品提供支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
中元、歳暮等の贈答品(ギフト)を、贈答者が、デパートやネットショップ等の店舗を介して受贈者に提供することが一般的に行われている。贈答品の提供を円滑に行うべく、贈答品の提供支援システムが種々の観点から検討されている。例えば、特許文献1には、ユーザ管理情報記憶手段、電子メールアドレス情報又は受信者識別情報と贈答品リストに関する情報などを受信し、送信用贈答品リスト情報を生成し、該贈答品リストをメールで送信する送信情報受付処理手段と、選択済みの既選択贈答品リスト情報と受信者の個人情報とを受信する受信確定処理手段と、配送指示を配送機構に通知する送信者商品発送処理手段とを含む主管理装置を備えた、贈答品発注処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-160766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の決まった時節に応じて贈られる季節の贈答品は、贈答者の経験や一般的な常識等に基づいて選択される日用品であることが多い。このような日用品は、受贈者にとって求めていない製品や平凡に感じられる製品であったり、あるいは不快なものと受け取られたりすることがある。特許文献1に記載の技術は、ギフトを贈ることによって、受贈者を喜ばせることが確実ではなかった。
【0005】
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る商品提供支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、贈答者から受贈者への贈答品の提供を支援する商品提供支援システムであって、物品と該物品の芳香に関する情報とが関連づけられて記憶されるデータ記憶手段と、入力された第2物品に関する情報及び前記データ記憶手段を用いて、該第2物品と同一の芳香を有する第1物品を選択する第1物品情報選択手段と、入力された受贈者に関する情報、並びに第1及び第2物品に関する情報に基づき、第1物品を、第2物品の提供と同時又は第2物品の提供の前に受贈者に提供することを可能とする発注情報を生成する発注情報生成手段とを具備する、商品提供支援システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、受贈者を効果的に喜ばせることができる、商品提供支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の商品提供支援システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示すデータ記憶手段により記憶される情報の一例を示す説明図である。
図3図3は、図1に示す商品提供支援システムの動作を示すフローチャート図である。
図4図4は、図1に示す商品提供支援システムを用いて、受贈者に第1物品及び第2物品を提供する方法を実施する、一実施態様を示す説明図である。
図5図5(a)~(c)は、受贈者に第1物品及び第2物品を提供することによる効果の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の商品提供支援システムをその好ましい実施形態に基づき、図面を参照しながら説明する。本実施形態の商品提供支援システム100(以下、単にシステム100ともいう)は、贈答者から受贈者への贈答品の提供を支援するものである。具体的には、後述する第1物品を受贈者に提供し、さらに、後述する第2物品を受贈者に提供することを支援するシステムである。本実施形態のシステム100は、単数のハードウェアからなるが、複数のハードウェアから構成されていてもよい。システム100は、贈答品の提供に必要な情報を送受信可能なように、ネットワーク回線を通じた通信機能を有している。
【0010】
データ記憶手段20は、物品と該物品の芳香に関する情報とを関連づけて記憶する。以下、物品と該物品の芳香に関する情報とが関連づけられた情報データを、物品芳香データ25ともいう。本実施形態のデータ記憶手段20は、物品芳香データ25が記憶されるデータベースを備えているが、ネットワーク等を介して、外部のデータベースとの間でデータを送受信可能なように、該外部のデータベースと接続されていてもよい。
物品芳香データ25は、物品と、該物品の芳香の情報とが対応付けられている。即ち、物品芳香データ25は、物品の識別情報と、該物品が有する芳香の情報とが対応付けられた情報である。識別情報とは、特定の物品を識別及び特定可能な情報であり、例えば、物品の商品名、商品コード、POSコード、物品の製造業者の管理用の情報(製品の型名や型番号、製造番号、ロット番号)等が挙げられる。POSコードは、POS(Point Of Sales)端末により識別可能な識別情報であり商品ごとに付与される。物品が有する芳香の情報とは、物品の呈する芳香の香調の情報、物品が有する芳香成分の情報等が挙げられる。香調とは、香りの性格を体系的に分類できる機能をもつ表現を意味し、複数のメインノート、及びメインノートをさらに分類する複数のサブノートから構成される。メインノートとしては、例えばシトラス、アルデハイディック、グリーン、フルーティ、ハーバル、アロマティック、スパイシー、フローラル、ウッディ、アーシー、モス、バルサミック、ハニー、レザー、アニマリック、アンバー、ムスキーなどが挙げられる。さらに、例えば、フローラルをメインノートとする場合、そのサブノートとしては、ミューゲ、ジャスミン、ローズ、リリアック、イランイラン等が挙げられる。物品が有する物品が有する芳香の情報は、メインノートの香調の情報を含むことが好ましく、メインノートとそのサブノートの香調の情報を含むことがより好ましい。
【0011】
本実施形態のデータ記憶手段20は、物品芳香データ25として、第1物品候補データ26と第2物品候補データ27とを記憶する。第1物品候補データ26は、第1物品の候補となる物品の識別情報と、該物品が有する芳香の情報とが対応付けられた情報である。第2物品候補データ27は、第2物品の候補となる物品の識別情報と、該第2物品が有する芳香の情報とが対応付けられた情報である。
本実施形態においてデータ記憶手段20は、物品の識別情報と、物品に関する情報とを対応付けて記憶する。物品に関する情報とは、物品の販売価格、物品の在庫、物品の製造業者名等が挙げられる。データ記憶手段20には、例えば、図2に示すように、第1物品候補データ26及び第2物品候補データ27それぞれについて、物品に関する情報が対応付けられて格納されている。図2では、物品の識別情報として、物品の商品IDと商品名とが記憶されている。図2に示す商品IDは、物品の販売店や、製造業者によって設定されるIDであり、例えばPOSコードであってもよい。
また、データ記憶手段20には、過去にシステム100を利用して、贈答者が過去に受贈者に提供した贈答品と該贈答品が有する芳香に関する情報、並びに該贈答者に関する情報及び該受贈者に関する情報が関連づけられて記憶されている(図2参照)。これらの情報は、過去に贈答者から受贈者に贈答品を贈った際に用いられた情報であり、当該情報のデータを、以下、利用履歴データ21ともいう。本実施形態の利用履歴データ21において、「贈答者に関する情報」は、贈答者のユーザーID及び贈答者の氏名等の情報であり、「受贈者に関する情報」は、受贈者のID、受贈者の氏名、住所、電話番号等の情報である。また、「贈答者が過去に受贈者に提供した贈答品と該贈答品が有する芳香に関する情報」は、過去に提供した物品(贈答品)の識別情報、過去に提供した物品が有する芳香の情報等である。本実施形態のデータ記憶手段20は、利用履歴データ21に含まれる過去に提供した物品(贈答品)の識別情報と、第2物品候補データ27に含まれる物品の識別情報とに、POSコード等の共通のコード体系を用いている。
【0012】
第2物品は、芳香を有する物品であり、使用前及び使用時に芳香を呈する。第2物品は、贈答品として贈られる物品であることが好ましい。例えば、衣料用洗剤、柔軟剤、漂白剤、食器用洗剤、入浴剤、毛髪化粧料、皮膚化粧料、香水類、芳香剤等や、これら2以上を組み合わせたセット製品等が挙げられる。
第1物品は、第2物品と同じ物品であってもよいが、第2物品と異なる物品であって、贈答品として贈られる物品以外であることが好ましい。第1物品は、第2物品と同時又は第2物品よりも先に、受贈者に提供される。
【0013】
第1物品情報選択手段13は、入力された第2物品に関する情報及びデータ記憶手段20を用いて、該第2物品と同一の芳香を有する第1物品を選択する。「入力された第2物品に関する情報」は、第2物品の識別情報であり、贈答者の依頼に従ってシステム100の利用者により入力される情報、あるいは贈答者が情報端末を用いて操作した選択指示に従って入力される情報である。第1物品情報選択手段13は、入力された第2物品の識別情報と、第2物品候補データ27の識別情報とを照合して、該入力された第2物品の識別情報と一致する物品と、該物品が有する芳香の情報とを特定する。このような特定を容易に行う観点から、入力された第2物品の識別情報と、第2物品候補データ27の識別情報とは、POSコード等の共通するコード体系で照合されることが好ましい。例えば、入力された第2物品の識別情報はPOSコードであってもよい。また、入力された第2物品の識別情報が商品名であり、第2物品候補データ27の識別情報と照合される、入力された第2物品の識別情報がPOSコードであってもよい。そして、第1物品情報選択手段13は、特定した物品が有する芳香の情報に基づき、該芳香と同一の芳香を有する第1物品を、第1物品候補データ26から選択し、該第1物品に関する情報を抽出する。このようにして、第1物品情報選択手段13は、データ記憶手段20に記憶された物品芳香データ25の中から、入力された第2物品と、該第2物品の芳香と同一の芳香を有する第1物品を特定する。第1物品情報選択手段13によって選択される第1物品の数は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0014】
「第2物品と同一の芳香を有する第1物品」とは、第2物品が有する芳香を構成する芳香成分と同一の芳香成分を有する第1物品だけでなく、第2物品が有する芳香を構成する芳香成分と異なるが、当該芳香と同等の芳香を呈する芳香成分を有する第1物品も包含する。第1物品の芳香は、人が第2物品の芳香と同一の芳香と知覚し得るものであればよく、同一の芳香成分を含む場合及び同一の芳香成分を含まないが、同一の芳香と知覚し得る場合が含まれる。データ記憶手段20は、第2物品が有する芳香と、第1物品が有する芳香とが、同一の芳香であるか否かを判断し得る情報を、物品芳香データ25として含む。第1物品情報選択手段13は、物品が有する芳香の情報、例えば物品のメインノートとサブノートの各香調が一致するか否かを判断基準に、第1物品を選択する。したがって、第1物品と第2物品とは、同一の芳香を有する。
【0015】
前記の芳香成分としては、大気圧下で大気中に揮発するものを特に制限なく用いることができる。例えば常温常圧の環境下でその香気を知覚し得るもの等を用いることができる。また、芳香成分を含む香料を用いてもよい。前記香料としては、調合香料、天然香料の何れでもよい。具体的には、『香料と調香の基礎知識』(中島基貴編著,産業図書株式会社,1995年6月21日初版)、『合成香料-化学と商品知識』(合成香料編集委員会 編集、化学工業日報社、2016年12月20日増補新版)、『Perfume and Flavor Chemicals」(ステファン・アークテンダー著、自費出版、1969年)に記載されている香料等を使用することができる。また、前記香料には、「複数の香料によって構成される香料素材が組み合わされたもの(香料組成物)で、溶剤によって希釈・調整されたもの」が含まれる。例えば、香料として、バラ、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン様の香気を有する香料組成物を用いることができる。
【0016】
第1物品情報選択手段13は、単数又は複数の第1物品を提示し、贈答者に、受贈者に提供する第1物品を選択させる、第1物品選択支援手段17を具備する。第1物品選択支援手段17は、単数又は複数の第1物品の識別情報をモニタ等に表示して、操作案内に従って、贈答者に第1物品を選択させる。
【0017】
入力された第2物品に関する情報、及び第1物品情報選択手段13によって選択された第1物品に関する情報を、纏めて第1及び第2物品に関する情報ともいう。データ記憶手段20は、第1及び第2物品に関する情報とともに、入力された受贈者に関する情報を記憶する。入力された受贈者に関する情報は、受贈者に贈答品を提供するために必要な情報であり、受贈者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等である。これら以外の他の情報として、データ記憶手段20は、贈答者に関する情報、受贈者に提供する第2物品の数量、受贈者に第2物品を配送する配送希望日時等の情報を記憶する。前記他の情報は、贈答者の依頼に従ってシステム100の利用者(端末操作者)により入力される情報、あるいは贈答者が情報端末を用いて操作した指示に従って入力される情報である。
【0018】
システム100は、入力された第2物品に関する情報、及び入力された受贈者に関する情報を入力するための操作案内をモニタに表示する入力支援手段(不図示)を具備してもよい。例えば、入力支援手段は、モニタに表示されたタッチパネルボタンを選択し、該ボタンに触れることにより、情報の入力を支援する。贈答者が、過去にシステム100を利用して、贈答品を贈ったことがある受贈者に、再度贈答品を提供する場合、入力支援手段は、過去に贈答品を贈ったことがある受贈者に関する情報(利用履歴データ21)をモニタに表示して、贈答者に、再度贈答品を提供する受贈者を選択させる。
【0019】
発注情報生成手段14は、入力された受贈者に関する情報、並びに第1及び第2物品に関する情報に基づき、第1物品を、第2物品の提供と同時又は第2物品の提供の前に受贈者に提供することを可能とする発注情報40を生成する。発注情報40は、受贈者に第1及び第2物品を配送する配送情報41と、第1物品及び第2物品それぞれの識別情報、注文数、納期等の第1物品及び第2物品を注文にするのに必要な物品注文情報42とを含む。発注情報生成手段14は、入力された受贈者に関する情報に基づき、配送情報41を生成し、第1及び第2物品に関する情報に基づき、物品注文情報42を生成する。
発注情報生成手段14は、第1物品が受贈者へ提供されるタイミングが、第2物品が受贈者へ提供されるタイミングと同時又は前となるように発注情報40を生成する。例えば、第1物品が受贈者に配送される日を、第2物品が受贈者に配送される日よりも前に設定して、配送情報41を生成する。あるいは、第1物品が受贈者に配送される日と、第2物品が受贈者に配送される日とを同日に設定して、配送情報41を生成する。
【0020】
システム100は、発注情報生成手段14により生成された発注情報40を、第1物品製造業者、第2物品製造業者、及び配送業者に送信する、発注情報送信手段16を具備する。発注情報送信手段16は、インターネット回線等を介して、第1物品製造業者、第2物品製造業者、及び配送業者それぞれに設置されている情報端末に、発注情報40を送信し、発注処理を行う。より具体的には、第1物品製造業者に、第1物品の識別情報、注文数、納期等の物品注文情報42を送信し、第2物品製造業者に、第2物品の識別情報、注文数、納期等の物品注文情報42を送信し、配送業者に配送情報41を送信する。以下、発注情報40を所定の情報端末に適宜送信することを発注処理ともいう。
【0021】
システム100の動作について、図3及び4を参照しながら説明する。図3は、システム100の動作を示すフローチャートである。また、図4は、図3に示すフローチャートに基づき、システム100によって行われる第1物品及び第2物品の提供方法の一実施態様を示す説明図である。
先ず、贈答者の指示に基づき第2物品に関する情報が入力される(ステップS1)。「入力された第2物品に関する情報」は、主として、贈答者が選択した第2物品の識別情報であり、例えば第2物品の商品名、商品コード等である。ステップS1において、贈答者A1は、デパート等の小売業者C1の店舗に来店し、該店舗に設置された情報端末が具備するシステム100を利用して、第2物品に関する情報を入力する(図4参照)。または、贈答者A2は、所有するパソコン等の情報端末を利用して、インターネット回線を介して、ネットショップ業者C2のサイトに接続し、該サイトに表示されている操作案内に従って、第2物品に関する情報を入力する(図4参照)。このようにして、入力された第2物品に関する情報は、小売業者C1又はネットショップ業者C2によって管理されたシステム100に送信され、データ記憶手段20によって記憶される。
【0022】
システム100は、入力された第2物品の芳香に関する情報及びデータ記憶手段20を用いて、該第2物品の芳香と同一の芳香を有する第1物品を選択する(ステップS2)。本ステップでは、ステップS1により入力された第2物品に関する情報に基づき、例えば入力された第2物品の識別情報に基づき、第2物品候補データ27から第2物品と該第2物品の芳香に関する情報が抽出される。第2物品と該第2物品の芳香に関する情報は、第2物品の識別情報と、第2物品の芳香に関する情報とが対応付けられた情報である。この第2物品と該第2物品の芳香に関する情報に基づいて、第1物品候補データ26から、第2物品の芳香と同一の芳香を有する物品を、第1物品として選択する。そして、ステップS2において選択された第1物品の中から、贈答者の選択指示に従って、受贈者に提供される第1物品が決定される。
【0023】
受贈者に提供される第1物品が決定すると、システム100は、入力された受贈者に関する情報並びに、第1及び第2物品に関する情報に基づき、発注情報を生成する(ステップS3)。入力された受贈者に関する情報は、ステップS1又はステップS2の前に、贈答者の指示に従ってシステム100に入力されていてもよい。また、入力された受贈者に関する情報に代えて、データ記憶手段20に記憶された利用履歴データ21から、贈答者に関する情報、及び受贈者に関する情報を抽出して、発注情報を生成してもよい。利用履歴データ21に記録された受贈者が複数人である場合、前記の入力支援手段により、贈答者の選択指示に従って、第1及び第2物品を提供すべき受贈者が決定される。
【0024】
システム100は、生成した発注情報を、第1物品製造業者、第2物品製造業者、配送業者に送信する(ステップS4)。具体的には、第1物品製造業者D1に第1物品の物品注文情報を送信し、第2物品製造業者D2に第2物品の物品注文情報を送信し、配送情報を配送業者Eに送信する(図4参照)。第1物品製造業者D1は、物品注文情報に基づき、第1物品を製造し、納期に合わせて配送業者Eに第1物品を納品する。第2物品製造業者D2は、物品注文情報に基づき、第2物品を製造し、納期に合わせて配送業者Eに第2物品を納品する。配送業者は、第1及び第2物品が納品されると、配送情報に基づき、第1物品及び第2物品を受贈者Bに配送する。配送業者は、第1物品及び第2物品を受贈者に提供するタイミングを同時にするか、あるいは第1物品を受贈者に提供した後に、第2物品を受贈者に提供するように、第1及び第2物品を配送する。本態様では、第1物品製造業者D1及び第2物品製造業者D2は、同じ配送業者Eに第1物品及び第2物品を納品しているが、別々の配送業者に納品してもよく、これら製造業者D1,D2と配送業者Eとの間に別の中間業者(例えば、倉庫業者)を介して第1物品及び第2物品を納品してもよい。
以上のステップS1~S4により、システム100は、発注処理を完了する。
【0025】
システム100は、前記の発注処理を行うことにより、贈答者から受贈者への第1及び第2物品の提供を支援する。発注処理の完了後、贈答者には第1物品が提供され、該第1物品の提供と同時又はその後で、さらに第2物品が提供される。
贈答者は、第1物品が提供された際、又は第1物品を使用する際に、第1物品が呈する芳香を知覚する。その後、提供された第2物品を受贈者が使用した際に、受贈者は、第2物品が呈する、第1物品と同一の芳香を知覚する。この第2物品が呈する芳香がきっかけとなって、受贈者は、第1物品が提供された時、又は第1物品を使用した時の記憶や感情を思い出す。このように、特定の芳香を知覚することによって、過去の記憶や感情が蘇る現象は、プルースト効果として知られている。
【0026】
前記のプルースト効果について、第1物品を芳香を呈するアルバム10とし、第2物品を入浴剤として、図5を参照しながら具体的に説明する。図5のケースでは、贈答者が、該贈答者の親である受贈者に、贈答品として入浴剤(不図示)を提供する。この入浴剤の提供の前に、受贈者にはアルバム10が提供される。
第1物品であるアルバム10は、受贈者Bの近親者、より詳細には受贈者の子ども及び孫の写真と、その写真に関連する情報が掲載されている。写真に関連する情報としては、写真を撮影するきっかけとなった行事(イベント)や記念日等の事象に関する記述、子ども及び孫の受贈者Bに対するメッセージ等、子ども及び孫の心情や状況を把握し得る記述やイラスト等が挙げられる。アルバム10は、当該アルバムを構成するページが、部分的に切り抜かれており、その切り抜かれた部分に、芳香成分を放出可能に保持する保持部10aが設けられている〔図5(a)参照〕。保持部10aは、芳香成分又は香料を保持し得る保持体と、該保持体を収容し、且つ保持体から揮発する芳香成分を放出可能に構成されている収容部とを具備している(不図示)。保持体としては、不織布、ケイ酸カルシウムからなる成形体等を用いることができる。保持部は、外部に通じる孔を有し、該孔を通じて芳香成分を放出可能なものであってもよい。また保持部は、芳香成分が放出される状態と放出されない状態との切り替えが可能な機構を備えたものであってもよい。
アルバム10を受け取った受贈者Bは、アルバム10の保持部によって、芳香を知覚しつつ、アルバム10のページをめくって、該アルバムに掲載された写真を眺めたり、写真に関連する記述を読むことで、通常、家族や親族への優しさや愛情、癒し等を感じ、これにより喜び、感動、恋しさ等の感情(主として快感情)が喚起される。
【0027】
アルバム10が提供された後、受贈者Bには、第2物品である入浴剤が提供される〔図5(b)参照〕。この入浴剤を使用すると、浴槽内の湯船が、第1物品であるアルバム10と同一の芳香を呈する。この入浴剤の使用状態において、受贈者Bは、アルバム10と同一の芳香を知覚することで、プルースト効果によりアルバム10を眺めた時の記憶や前記の感情(主として快感情)が効果的に喚起される〔図5(c)参照〕。これにより、受贈者Bは、第2物品(入浴剤)に対しポジティブな印象を抱き易くなるとともに、受贈者を効果的に喜ばせることができる。
【0028】
図5に示す態様において、第1物品は、第2物品と異なる物品であり、受贈者の感情を喚起する感情喚起情報を含んでいる。感情喚起情報は、受贈者の快感情と紐付けられ得る事項に関する情報、換言すれば、受贈者がポジティブな印象を抱く情報を含んでいることが好ましい。受贈者の快感情と紐付けられ得る事項としては、受贈者の家族関係、経歴、趣味、嗜好性等を勘案して、設定することができる。図5に示す態様において、感情喚起情報は、アルバムに掲載された情報、即ち写真と、その写真に関連する情報である。
【0029】
システム100は、第1物品に含ませる感情喚起情報の入力を支援する感情喚起情報入力支援手段18を具備する。感情喚起情報入力支援手段18は、贈答者が情報を入力するための操作案内をモニタに表示して、情報の入力を促す。また、感情喚起情報入力支援手段18は、スマートフォン等の情報端末や、デジタルカメラ等に内蔵された記録メディア、クラウド上のサーバ等から、無線又は有線通信によって画像データを取得し、該画像データをモニタに表示して、贈答者に、感情喚起情報にする画像データを選択させる。システム100において、感情喚起情報はデータ記憶手段20によって、感情喚起情報データ50として記憶される。また、感情喚起情報入力支援手段18は、第1物品に含ませる感情喚起情報の表示を調整可能に構成されていることが好ましい。例えば、図5に示すアルバム10を第1物品とする場合、感情喚起情報入力支援手段18は、アルバム10における感情喚起情報の表示例をモニタに表示する。贈答者は、モニタのタッチパネルによって、表示例の画像やメッセージ等の表示位置、サイズ等を調整することができる。前記の調整としては、画像の色調整、画像のサイズ調整、画像のトリミング、画像とメッセージ等の文字やロゴのレイアウト、メッセージ等の文字やイラストの挿入や削除等が挙げられる。このようにして調整された感情喚起情報は、感情喚起情報データ50としてデータ記憶手段20によって記憶される。感情喚起情報データ50は、発注情報生成手段14によって第1物品注文情報に反映される。感情喚起情報の表示の調整は、贈答者が所有するスマートフォン等の情報端末によって行われてもよい。この場合、感情喚起情報入力支援手段18は、インターネット回線等を通じて、贈答者の情報端末の表示部に、感情喚起情報の表示の調整を行うための操作案内を表示して、贈答者の操作に従い、該調整を行う。
【0030】
感情喚起情報としては、上述した写真、その写真に関する情報の他、贈答者や受贈者の親族が作成した絵等の創作物等が挙げられる。
【0031】
システム100は、過去に贈答者から受贈者へ提供された第2物品と同一の物品、又は該第2物品と同一の芳香を有する他の物品を、新たに提供する物品の候補として提示する物品選択支援手段19を具備することが好ましい。斯かる構成により、第2物品が提供された後においても、贈答者が、受贈者に第1及び第2物品と同一の芳香を呈する物品を改めて提供することを支援することができる。贈答者が、受贈者に、第1及び第2物品と同一の芳香を呈する物品を改めて提供すると、プルースト効果による第1物品を受け取った際の記憶や感情を喚起させることができる。また、中元、歳暮等の決まった時節に応じて贈られる各贈答品を同一の芳香を呈する物品にして、同一の芳香を呈する物品を繰り返し提供することで、受贈者に、該芳香が贈答者(送り主)にまつわる芳香であることを印象付けることができる。以下、過去に受贈者に提供された第2物品を、贈答済物品ともいう。
【0032】
物品選択支援手段19は、過去にシステム100を利用して、贈答品が贈られたことがある受贈者に関する情報(利用履歴データ21)と、物品と該物品が有する芳香の情報とを用いて、前記の新たに提供する物品を提案する。本実施形態において物品選択支援手段19は、利用履歴データ21に基づき、贈答済物品の識別情報を抽出し、該識別情報と、第2物品候補データ27の識別情報とを照合して、贈答済物品の識別情報と一致する物品と、該物品が有する芳香の情報とを特定する。この特定を容易に行う観点から、利用履歴データ21における贈答済物品の識別情報と、第2物品候補データ27の識別情報とは、POSコード等の共通するコードであることが好ましい。そして、物品選択支援手段19は、前記の特定した物品(以下、特定物品ともいう)が有する芳香の情報に基づき、該芳香と同一の芳香を有する物品を、第2物品候補データ27から選択し、該物品に関する情報を抽出して、当該情報をモニタ等に提示する。このようにして、物品選択支援手段19は、データ記憶手段20に記憶された物品芳香データ25の中から、贈答者が受贈者に提供した第2物品(贈答済物品)と同一の物品、又は該第2物品(贈答済物品)の芳香と同一の芳香を有する他の物品を特定し、提案する。物品選択支援手段19によって選択される物品の数は、単数であってもよく、複数であってもよい。「同一の芳香を有する」とは、上述したとおり、人が第2物品の芳香と同一の芳香と知覚し得るものであればよい。
物品選択支援手段19により、第2物品(贈答済物品)の芳香と同一の芳香を有する他の物品を、新たに提供する物品として受贈者に提供した場合、贈答済物品と異なる商品であるにもかかわらず、受贈者に第1物品を受け取った際の記憶や感情を喚起させられるので、受贈者にプルースト効果とともに、驚きを与えることができる。
【0033】
物品選択支援手段19の動作について詳述する。物品選択支援手段19は、例えば、氏名やID等の贈答者又は受贈者の識別情報が入力されると、該識別情報と、利用履歴データ21に記憶された贈答者又は受贈者の識別情報とを照合して、入力された識別情報と一致する贈答者又は受贈者を特定する。次いで、特定した贈答者が提供した贈答済物品、あるいは特定した受贈者に提供された贈答済物品について、その識別情報及び該贈答済物品が有する芳香の情報を、利用履歴データ21から抽出する。次いで、贈答済物品が有する芳香の情報に基づき、該芳香と同一の芳香を有する物品を、第2物品候補データ27から選択する。斯かる構成により、贈答済物品の販売が廃止された場合であっても、該贈答済物品が有する芳香と同一の芳香を有する別の物品を提案することができる点で、物品選択支援手段19による第2物品候補データ27からの物品の選択は有効である。
【0034】
物品選択支援手段19は、新たに提供する物品として、単数又は複数の物品を提示し、贈答者に、該物品を選択させる。物品選択支援手段19は、単数又は複数の前記物品の識別情報をモニタ等に表示して、操作案内に従って、贈答者に新たに提供する物品を選択させる。
システム100において、物品選択支援手段19は、第2物品候補データ27から、贈答者が優先する項目に応じて、新たに提供する物品の候補を抽出する物品選択抽出手段19aを具備している。物品選択抽出手段19aは、例えば、贈答者が、新たに提供する物品として、価格が所定の予算内であるものを希望する場合、価格が予算内であって、第2物品の芳香と同一の芳香を有する物品の識別情報を抽出する。贈答者が優先する項目としては、例えば、物品の種類、物品の価格、物品の用途等が挙げられる。
【0035】
データ記憶手段20に記憶される物品芳香データや、物品に関する情報、受贈者に関する情報及び利用履歴データ21は、小売業者C1等が所有する情報端末の端末操作者の操作によって更新される。端末操作者は、商品(物品)の在庫、価格、廃盤等の情報や、新商品に関する情報(新商品の識別情報、新商品の製造業者、販売開始日、価格、在庫等)を更新する。また、端末操作者は、発注情報40を用いて、利用履歴データ21を更新する。即ち、発注情報40から贈答者が受贈者に提供した第2物品(贈答品)と該第2物品が有する芳香に関する情報、並びに該贈答者に関する情報及び該受贈者に関する情報を抽出し、抽出した情報を用いて利用履歴データ21を更新する。この利用履歴データ21の更新は、システム100が具備するデータ更新手段(不図示)が行ってもよい。データ更新手段は、データの更新を所定のタイミングで実行する。
【0036】
上述した第1物品情報選択手段13、発注情報生成手段14、発注情報送信手段16、第1物品選択支援手段17、感情喚起情報入力支援手段18、物品選択支援手段19、物品選択抽出手段19a、及びデータ記憶手段20や、入力支援手段、データ更新手段等の各手段は、CPUがROMやディスクなどに格納されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現される。前記の各手段は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。さらに、前記の各手段は、ASICとFPGAの組み合わせにより実現されてもよい。
【0037】
システム100を用いた第1及び第2物品の提供方法において、第1物品は、第2物品よりも先に、該第1物品を受贈者が認識していればよく、第1物品と第2物品とが同時に、受贈者の元に届いていてもよい。また、第1物品が、第2物品を梱包する梱包容器の一部又は全体であってもよい。このような例としては、第1物品が箱状であり、第2物品を収容する容器本体部と蓋体とで構成されたものが挙げられる。この蓋体には、芳香が付与されており、該蓋体の表面に、感情喚起情報が表示されている。また、蓋体には、第2物品と同一の芳香が付与されている。このような第1物品を受け取った受贈者は、芳香を知覚しつつ、第2物品よりも先に、第1物品である梱包容器の蓋の表面に注目することで、蓋体に表示された感情喚起情報を認識する。梱包容器としては、容器本体と、該容器本体の開口部を開閉する蓋体とを有する箱体、又は紙や樹脂性の柔軟なシート材からなる包装袋等が挙げられる。梱包容器の材質は、ダンボール、合成樹脂、木材、及びこれらの2以上の組み合わせたもの等が挙げられる。梱包容器には、その原料や構成部材に芳香成分が含まれている。
【0038】
第1物品は、本来的に芳香を有するものであってもよい。本来的に芳香を有するものとしては、花、果実、ハーブ等の草木、樹木、芳香を有する植物体等が挙げられる。
【0039】
第1物品が有する芳香成分を第1芳香成分とし、第2物品が有する芳香成分を第2芳香成分としたとき、第1芳香成分は、第2物品の使用状態における第2芳香成分と同じにようになるように調整されていることが好ましい。斯かる構成により、受贈者は、第1物品を受け取った際の記憶をより効果的に思い出すことができる。このように、物品の使用状態における該物品の芳香と同じになるように、他の物品が有する芳香を調整する方法を、単に芳香調整方法ともいう。芳香調整方法としては、例えば、第2芳香成分として、第1芳香成分と同一の成分を用いること、あるいは第2芳香成分として、第1芳香成分と同一の香調を有する成分を用いることが挙げられる。また、第1芳香成分の揮発速度と、第2物品の使用状態における第2芳香成分の揮発速度とが同じになるように調整することが挙げられる。芳香成分の揮発速度は、芳香成分を溶出する溶媒の種類や、芳香成分を保持する保持体の表面積や素材によって、調整することができる。
【0040】
芳香調整方法について詳述する。例えば、上述したアルバム10(第1物品)に付与された芳香成分と、入浴剤(第2物品)に付与された芳香成分とが同一成分であったとしても、第1物品において芳香成分を保持する保持体から知覚される芳香と、入浴剤を浴水に溶解させた際に水面から知覚される芳香とは、異なる香りの印象となり易い。これは、入浴剤の使用状態において、芳香を呈する親水性成分が、浴水に溶け込みその揮散が妨げられるため、第1物品の芳香と異なる印象になると考えられる。これに対し、本発明者らは、第1物品が呈する芳香と、入浴剤や衣料用洗剤等の水に溶解させて用いられる第2物品が呈する芳香とが同じになるように、即ちこれら芳香の印象が同じになるように、種々検討した。その結果、芳香成分(香料)を水溶性溶媒に溶解させた芳香組成物を、第1物品又は該第1物品が備える保持体に付与することが有効であることを見出した。前記の水溶性溶媒としては、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の水酸基を有する溶媒が挙げられる。
【0041】
第1物品を受け取った際の記憶の持続性の観点から、第1物品が受贈者に提供される日と、第2物品が受贈者に提供される日との間隔は、好ましくは28日以内、より好ましくは21日以内、さらに好ましくは14日以内である。前記の間隔は、受贈者が第1物品を認識した後、第2物品を認識するまでの間の期間である。前記の間隔の下限値は特に制限されない。また、第1物品及び第2物品が同時に受贈者の元に届いてもよい。
【0042】
第1発明の商品の提供方法は、贈答者から受贈者への贈り物(ギフト)の提供方法として好ましく用いられる。贈り物としては、冠婚葬祭や誕生日、出産、入学・卒業、進学・就職、賀の祝い等のライフイベントに伴って贈られるギフトや、中元、歳暮、クリスマス、母の日、父の日、敬老の日、バレンタインデー、ホワイトデー等の決まった時節に応じて贈られる季節のギフト、内祝いや香典返し等の返礼ギフト、旅行の土産や訪問時の手土産、身近な人への御礼・心遣い等に贈られる日常のギフト等が挙げられる。
【0043】
本発明は、上述した実施形態に何ら制限されず、適宜変更可能である。
例えば、システム100は、第1物品を受贈者に提供する構成を用いず、物品選択支援手段19のみを用いて、過去に受贈者に提供した贈答品と、同一の芳香を有する物品を選択して提示するシステムとして利用してもよい。
また、上述した実施態様において、贈答者は、受贈者と面識のある者であったが、受贈者と面識のない者であってもよい。
また、第1及び第2物品は、贈答者の指示に基づいて決定されるが、システム100が、受贈者にとって適切な第1及び第2物品を提案してもよい。この場合、システム100は、受贈者の性別・年齢層、趣味、過去の贈答品の履歴等の情報に基づいて、第1及び第2物品をモニタに表示して、贈答者に第1及び第2物品を提案する。
また、感情喚起情報は、受贈者によって選択された情報であったが、システム100が、受贈者によって提供された情報から感情喚起情報を選択してもよい。例えば、感情喚起情報として画像データを抽出する場合、システム100は、受贈者の情報端末等が保持する画像データの中から、顔認識機能によって、受贈者又は贈答者の顔を認識し、該受贈者又は贈答者が撮影された画像データ(1)を抽出するとともに、該画像データ(1)の中から、表情認識機能によって、受贈者又は贈答者の表情を認識して、笑顔である画像又は笑顔に近い表情の画像のデータを抽出し、これを感情喚起情報として、モニタ上に贈答者に提示する。
また、システム100が、感情喚起情報として抽出すべき情報の抽出条件に基づいて、受贈者によって提供された情報から感情喚起情報を選択してもよい。例えば、猫好きの受贈者に対し、感情喚起情報として抽出すべき情報の抽出条件を「猫」に設定した場合、システム100は、受贈者の情報端末等が保持する画像データの中から、物体認識機能によって「猫」が撮影された画像データを抽出し、これを感情喚起情報として、モニタ上に提示する。
【符号の説明】
【0044】
A 贈答者
B 受贈者
10 アルバム
13 第1物品情報選択手段
14 発注情報生成手段
16 発注情報送信手段
17 第1物品選択支援手段
18 感情喚起情報入力支援手段
20 データ記憶手段
図1
図2
図3
図4
図5